JP2010014121A - 燃料圧力制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エンジン回転数等の所定のパラメータに基づいて、燃料噴射が行なわれない燃料カット等の特定運転状態に移行する条件が成立したか否かを判定する条件成立判定手段101と、この条件成立判定手段により特定運転状態に移行する条件が成立したと判断されたとき、エンジン回転数等の所定のパラメータに基づいて、特定運転状態が終了した直後に要求される蓄圧配管部303の目標燃圧値を算出する目標燃圧値算出手段102と、特定運転状態に移行する条件が成立した時点から少なくともその特定運転状態に実際に移行するまでの間の任意の期間、蓄圧配管部の燃料圧力が前記目標燃圧値となるように、高圧燃料ポンプから蓄圧配管部への燃料供給を強制的に停止させる燃料供給制御手段103とを具備する。
【選択図】図1
Description
前記燃料供給制御手段は、好ましくは、前記蓄圧配管部の燃料圧力が前記特定運転状態に移行した時点において前記目標燃圧値となるように、前記高圧燃料ポンプから前記蓄圧配管部への燃料供給を停止させるタイミングを、前記特定運転状態に移行する条件が成立した時点又は前記特定運転状態に移行すると予測された時点からは遅延させるようにされる。
これにより、制御自由度、制御精度が一層向上する。
図1は、本発明に係る燃料圧力制御装置の一実施形態の基本構成を示す機能ブロック図である。
プランジャ314の下端に設けられたリフタ321は、ばね322にてカム202に圧接されている。プランジャ314は、エンジンの吸気弁または排気弁のカムシャフト等により回転されるカム202により、往復運動してポンプ室315内の容積を変化させる。プランジャ314が上昇するポンプ室315の圧縮行程中に吸入弁311が閉弁すると、ポンプ室315内圧力が上昇し、これにより吐出弁316が自動的に開弁し、燃料を蓄圧配管部303に圧送する。
高圧燃料ポンプでは、前述のように吐出量を可変制御してインジェクタへの燃料供給を制御しているため、一旦昇圧されてしまった燃料圧力を低下させるのはインジェクタからの消費でしか行うことができない。通常噴射状態(図中a点まで)ではインジェクタからの消費(燃料噴射)があるため、ポンプから吐出量を制御することにより、蓄圧配管部内の燃料圧力が要求燃料圧力となるように調整される。
従来は燃料カット中の燃料圧力はその直前の圧力が保持されてしまうため、燃料カット復帰時に成層燃焼を実現したくても、燃焼要求の燃料圧力となっておらず、そのため所定時間S の遅れ後に成層燃焼が開始されることとなる。本発明実施形態においては、燃料カット条件が成立した時点で、燃料圧力確保要求を発生させて、燃料圧力が制御可能な状態のうちに燃料カットからの燃料供給復帰時の燃焼が成立する燃料圧力を確保し、図中の破線で示す燃料圧力の挙動を実現する。言い換えれば、エンジン回転数等の所定のパラメータに基づいて、前記燃料カットが終了した直後(燃料供給復帰時)に要求される前記蓄圧配管部303の目標燃圧値を算出し、燃料カット条件成立時点から実際に燃料カットに移行するまでの期間、前記蓄圧配管部303の燃料圧力が前記目標燃圧値となるように、前記高圧燃料ポンプ307から前記蓄圧配管部303への燃料供給を強制的に停止させる。これにより、燃料カットからの燃料供給復帰時に成層燃焼が可能となり、従来に比べ成層領域の拡大を図ることが可能となる。ここで実施する燃焼は成層燃焼に限らず、均質リーン燃焼でもよい。
燃料カット条件が成立した場合、トルクショック等の運転性要求により即燃料カットを開始するのではなく、条件成立後、所定時間や所定噴射回数の間は通常の燃料噴射を継続した後、必要であれば所定気筒のみの燃料カットを行い、その後全気筒燃料カットを開始させて出力トルクの急変を回避している。従来はインジェクタからの燃料消費が存在する間は、常に燃料圧力を目標値とするべく高圧燃料ポンプの吐出量制御ソレノイドへの駆動パルスを全気筒燃料カット直前まで出力していたが、本発明実施形態では、燃料カット条件が成立した時点でソレノイド駆動パルスを停止させる。燃料カット条件成立後の上記の通常噴射や所定気筒外の気筒への燃料噴射により燃料の消費は行われるため、図中C点の全気筒燃料カット開始時にはXの圧力低下となる。このように本発明実施形態ではポンプとインジェクタによる燃料の供給と消費の関係をくずすことで燃料圧力を低下させておき、燃料カットからの燃料供給復帰時の燃焼要求の燃料圧力を確保させておく。
図示実施形態の燃料圧力制御装置150は、燃料を高圧燃料ポンプ307から蓄圧配管部(コモンレール)303を介してインジェクタ304に供給するようにされた筒内噴射式エンジン200に備えられ、その基本構成は、図1の条件成立判定手段101に代えて、移行予測手段107が備えられ、他は略同様な構成となっている。
101・・・条件成立判定手段
102・・・目標燃圧値判定手段
103・・・燃料供給制御手段
104・・・燃料噴射量制御手段
105・・・アクチュエータ駆動制御手段
107・・・移行予測手段
200・・・筒内噴射エンジン
207・・・カム角センサ
208・・・A/Fセンサ
209・・・排気管
210・・・触媒
211・・・点火コイル
215・・・点火プラグ
217・・・スロットルセンサ
218・・・空気流量計(エアフローセンサ)
220・・・エアークリーナ
221・・・スロットルボディ
223・・・コレクタ
224・・・電制スロットル弁
225・・・吸気管
228・・・燃焼室
229・・・シリンダ
230・・・クランク角センサ
301・・・コントロールユニット
302・・・燃料圧力センサ
303・・・蓄圧配管部(コモンレール)
304・・・インジェクタ
305・・・リリーフ弁
306・・・燃料吐出通路
307・・・高圧燃料ポンプ
308,312,317・・・ばね
309・・・電磁式アクチュエータ
309a・・・ソレノイド
310・・・係合部材
311・・・吸入弁
313・・・燃料吸入通路
314・・・プランジャ
315・・・ポンプ室(加圧室)
316・・・吐出弁
318・・・燃料圧力レギュレータ
319・・・低圧燃料ポンプ
320・・・燃料タンク
Claims (13)
- 燃料を高圧燃料ポンプから蓄圧配管部を介してインジェクタに供給するようにされた筒内噴射式エンジンに備えられる燃料圧力制御装置であって、
エンジン回転数等の所定のパラメータに基づいて、燃料噴射が行なわれない燃料カット等の特定運転状態に移行する条件が成立したか否かを判定する条件成立判定手段と、この条件成立判定手段により前記特定運転状態に移行する条件が成立したと判断されたとき、エンジン回転数等の所定のパラメータに基づいて、前記特定運転状態が終了した直後に要求される前記蓄圧配管部の目標燃圧値を算出する目標燃圧値算出手段と、前記特定運転状態に移行する条件が成立した時点から少なくともその特定運転状態に実際に移行するまでの間の任意の期間、前記蓄圧配管部の燃料圧力が前記目標燃圧値となるように、前記高圧燃料ポンプから前記蓄圧配管部への燃料供給を強制的に停止させる燃料供給制御手段と、を具備していることを特徴とする燃料圧力制御装置。 - 燃料を高圧燃料ポンプから蓄圧配管部を介してインジェクタに供給するようにされた筒内噴射式エンジンに備えられる燃料圧力制御装置であって、
エンジン回転数等の所定のパラメータに基づいて、燃料噴射が行なわれない燃料カット等の特定運転状態への移行を事前に予測する移行予測手段と、この移行予測手段により前記特定運転状態への移行が予測されたとき、エンジン回転数等の所定のパラメータに基づいて、前記特定運転状態が終了した直後に要求される前記蓄圧配管部の目標燃圧値を算出する目標燃圧値算出手段と、前記特定運転状態に移行することが予測された時点から少なくともその特定運転状態に実際に移行するまでの間の任意の期間、前記蓄圧配管部の燃料圧力が前記目標燃圧値となるように、前記高圧燃料ポンプから前記蓄圧配管部への燃料供給を強制的に停止させる燃料供給制御手段と、を具備していることを特徴とする燃料圧力制御装置。 - 前記燃料供給制御手段は、前記高圧燃料ポンプの圧縮吐出行程においてポンプ室から燃料を燃料タンク側に戻すことにより、前記蓄圧配管部への燃料供給を停止するようにされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料圧力制御装置。
- 前記燃料供給制御手段は、前記高圧燃料ポンプのポンプ室に設けられた吸入弁と、該吸入弁を任意のタイミングで開成させ得るアクチュエーターと、該アクチュエータの駆動を制御するアクチュエータ駆動制御手段と、からなっていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の燃料圧力制御装置。
- 前記燃料供給制御手段は、前記特定運転状態に移行する条件が成立した時点又は前記特定運転状態に移行すると予測された時点で、前記高圧燃料ポンプから前記蓄圧配管部への燃料供給を停止させるようにされていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の燃料圧力制御装置。
- 前記燃料供給制御手段は、前記蓄圧配管部の燃料圧力が前記特定運転状態に移行した時点において前記目標燃圧値となるように、前記高圧燃料ポンプから前記蓄圧配管部への燃料供給を停止させるタイミングを、前記特定運転状態に移行する条件が成立した時点又は前記特定運転状態に移行すると予測された時点からは遅延させるようにされていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の燃料圧力制御装置。
- 前記燃料供給制御手段は、前記高圧燃料ポンプから前記蓄圧配管部への燃料供給を停止させるタイミングを、前記特定運転状態に移行する条件が成立した時点又は前記特定運転状態に移行すると予測された時点から実際に前記特定運転状態に移行するまでにおける、インジェクタからの燃料噴射による前記蓄圧配管部の燃料圧力の低下を見込んで決定するようにされていることを特徴とする請求項6に記載の燃料圧力制御装置。
- 前記燃料供給制御手段は、インジェクタの1回の燃料噴射による前記蓄圧配管部の燃料圧力低下量と、前記蓄圧配管部の燃料圧力を前記目標燃圧値まで低下させるのに必要とされる噴射回数とを算出し、これらに基づいて、前記高圧燃料ポンプから前記蓄圧配管部への燃料供給を停止させるタイミングを決定するようにされていることを特徴とする請求項6又は7に記載の燃料圧力制御装置。
- 前記移行予測手段は、パラメータとして少なくともエンジン回転数とその上昇率とを用いて、前記特定運転状態への移行を予測するようにされていることを特徴とする請求項2に記載の燃料圧力制御装置。
- 前記燃料供給制御手段は、前記蓄圧配管部の燃料圧力が前記目標燃圧値となったとき、前記高圧燃料ポンプから前記蓄圧配管部への燃料供給の停止を解除するようにされていることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の燃料圧力制御装置。
- 前記燃料供給制御手段は、前記蓄圧配管部の燃料圧力が前記目標燃圧値となる前でも、車両の加速状態が検出されたときには、前記燃料供給の停止を解除することを特徴とする請求項10に記載の燃料圧力制御装置。
- 前記目標燃圧値は、成層燃焼乃至リーン燃焼を可能とする燃圧値に設定されることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の燃料圧力制御装置。
- 前記インジェクタからの燃料噴射量を制御する燃料噴射量制御手段が付設され、前記燃料供給制御手段による高圧燃料ポンプから蓄圧配管部への燃料供給の停止と、前記燃料噴射量制御手段による燃料噴射量の制御とで、前記蓄圧配管部の燃料圧力を前記目標燃圧値とする制御を行なうようにされていることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の燃料圧力制御装置。
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