JP2001082228A - 蓄圧式燃料噴射装置 - Google Patents

蓄圧式燃料噴射装置

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JP2001082228A
JP2001082228A JP25725799A JP25725799A JP2001082228A JP 2001082228 A JP2001082228 A JP 2001082228A JP 25725799 A JP25725799 A JP 25725799A JP 25725799 A JP25725799 A JP 25725799A JP 2001082228 A JP2001082228 A JP 2001082228A
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジン気筒数(噴射回数)とポンプ圧送回
数に左右されることなく、各種のエンジンに対し燃料漏
れ等の異常判定を実行できる蓄圧式燃料噴射装置を提供
すること。 【解決手段】 ECU9は、燃料系統の異常を検出する
異常検出手段としての機能を有し、その異常検出処理
は、エンジン2の燃焼1行程(720°CA)の間に行
われる噴射回数(6回)と圧送回数(4回)との約分値
(3噴射/2圧送)を1グループとした区間(360°
CA)を判定区間として実行される。異常検出手段は、
定期的に燃料漏れを管理する燃料漏れ量計算手段と、燃
料漏れ量を判定値と比較して異常の有無を判定する異常
仮判定手段と、真に燃料漏れが発生しているか否かを判
定する異常本判定手段と、この異常本判定手段の処理時
間を計算する異常本判定時間計算手段と、燃料供給ポン
プ5のポンプ吐出量を制限するポンプ圧送制限制御手段
とで構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蓄圧室に蓄えられ
た高圧燃料を燃料噴射弁からディーゼル機関に噴射する
蓄圧式燃料噴射装置に関し、特に燃料系統の異常検出方
法に係わる。
【0002】
【従来の技術】従来公知の蓄圧式燃料噴射装置は、燃料
供給ポンプから圧送される燃料を蓄圧室に高圧状態で蓄
え、その蓄圧室内の高圧燃料をディーゼル機関の各気筒
毎に取り付けられた燃料噴射弁より噴射するシステムで
ある。このシステムでは、蓄圧室内の燃料圧力が目標値
となるように、燃料供給ポンプからの燃料吐出量をフィ
ードバック制御している。従って、例えば燃料系統に燃
料洩れが発生して蓄圧室の燃料圧力が低下しても、燃料
供給ポンプの燃料吐出量が増加して蓄圧室内の燃料圧力
を目標値に維持しようとするため、燃料洩れが続いてし
まうという不具合が生じる。
【0003】そこで、燃料洩れ等の異常を検出する異常
検出手段を備えた従来技術として、特開平10−299
557号公報に開示された内燃機関の燃料噴射装置があ
る。この燃料噴射装置では、燃料噴射弁からの燃料噴射
前後の蓄圧室内の燃料圧力変動の推定値と実測値との偏
差、若しくは燃料供給ポンプからの燃料圧送前後の蓄圧
室内の燃料圧力変動の推定値と実測値との偏差に基づい
て燃料噴射系統の異常を検出することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の異常
検出手段によって燃料洩れを検出するためには、燃料噴
射弁からの燃料噴射タイミングと燃料供給ポンプからの
燃料圧送タイミングとが重複しないことが条件となる。
つまり、燃料噴射と燃料圧送とのタイミングが重複する
時、あるいは近い時は、例えば燃料噴射前後の蓄圧室内
の燃料圧力変動の推定値と実測値との偏差に基づいて異
常を検出する場合には、燃料供給ポンプによる圧送の影
響によって蓄圧室内の圧力が大きく変動するため、正確
に燃料洩れを判定することができない。
【0005】このため、上記の異常検出手段は、エンジ
ン気筒数(噴射回数)が少なく、且つポンプ圧送回数と
同一の場合、例えば4噴射/4圧送のシステムであれ
ば、1回の燃料圧送に対し1回の燃料噴射が行われるた
め、燃料噴射タイミングと燃料圧送タイミングとを重複
しないように構成できるが、エンジン気筒数が多い場
合、あるいはエンジン気筒数とポンプ圧送回数とが異な
る場合、例えば6噴射/4圧送のシステムでは、1回の
燃料圧送に対し1.5回の燃料噴射が行われるため、燃
料噴射タイミングと燃料圧送タイミングとが重複する場
合が生じる。このように、上記の異常検出手段では、エ
ンジン気筒数とポンプ圧送回数との関係から、特定のエ
ンジンにしか適用できないという問題があった。本発明
は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、
エンジン気筒数(噴射回数)とポンプ圧送回数に左右さ
れることなく、各種のエンジンに対し燃料洩れ等の異常
判定を実行できる蓄圧式燃料噴射装置を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】(請求項1の手段)内燃
機関の燃焼1行程の間に行われる燃料供給ポンプの圧送
回数と燃料噴射弁の噴射回数との約分値、またはその約
分値を整数倍した値で決まる圧送回数と噴射回数とを1
グループとした区間を判定期間として設定し、異常有無
判定手段は、前記判定期間において燃料系統の異常の有
無を判定することを特徴とする。この構成では、判定期
間に含まれる燃料供給ポンプからの吐出量と燃料噴射弁
からの噴射量を1つのグループとして異常の有無を判定
するため、燃料噴射タイミングと燃料圧送タイミングと
が重複する場合でも、より正確に燃料系統の異常の有無
を判定することができる。なお、燃料系統とは、燃料流
通経路の全体であり、燃料供給ポンプ、蓄圧室、燃料噴
射弁、及び燃料配管を含むものである。
【0007】(請求項2の手段)請求項1に記載した蓄
圧式燃料噴射装置において、前記判定期間に含まれる目
標噴射量、リーク量、圧力変化相当量の各合計を放出燃
料量とした時に、異常有無判定手段は、前記判定期間に
含まれる吐出量の合計と、放出燃料量との収支バランス
に基づいて燃料系統の異常の有無を判定することを特徴
とする。この場合、判定期間に含まれる吐出量の合計と
放出燃料量との収支がバランスしていれば、異常無しと
判断することができ、判定期間に含まれる吐出量の合計
と放出燃料量との収支がくずれていれば、燃料洩れ等の
異常有りと判断することができる。
【0008】(請求項3の手段)請求項1または2に記
載した蓄圧式燃料噴射装置において、異常有無判定手段
で異常有りと判定された場合に、燃料供給ポンプの吐出
量を制限するポンプ吐出量制限運転を行うポンプ制御手
段と、ポンプ吐出量制限運転が行われている間に蓄圧室
から放出される燃料量を算出し、その算出燃料量に基づ
いて燃料系統に燃料洩れが発生しているか否かを判定す
る燃料洩れ判定手段とを備え、内燃機関の燃焼1行程の
間に行われる燃料供給ポンプの圧送回数と燃料噴射弁の
噴射回数との約分値、またはその約分値を整数倍した値
で決まる圧送回数と噴射回数とを1グループとした区間
をポンプ制御期間として設定し、ポンプ制御手段は、ポ
ンプ制御期間内において燃料供給ポンプの吐出量を制限
していることを特徴とする。この場合、燃料供給ポンプ
の吐出量を制限することにより、発生した異常の要因が
燃料供給ポンプに関係しているか否かを判断することが
できる。
【0009】(請求項4の手段)請求項3に記載した蓄
圧式燃料噴射装置において、燃料洩れ判定手段は、ポン
プ吐出量制限運転が行われている間に蓄圧室から放出さ
れる燃料量(算出燃料量)を判定値と比較し、算出燃料
量が判定値より大きい時に、燃料系統に燃料洩れが発生
していると判定することを特徴とする。燃料系統に燃料
洩れが発生している場合と、燃料洩れが発生していない
場合(正常な場合)とでは、ポンプ吐出量制限運転が行
われている間に蓄圧室から放出される燃料量が異なるた
め、例えば正常時に蓄圧室から放出される燃料量を基準
として判定値を設定し、その判定値より前記算出燃料量
の方が大きければ、燃料洩れが発生していると判断でき
る。
【0010】(請求項5の手段)請求項1及び3に記載
した蓄圧式燃料噴射装置において、燃料供給ポンプの圧
送タミング、及び燃料噴射弁の噴射タイミングが内燃機
関の回転角に同期していることから、内燃機関の燃焼1
行程の間に行われる燃料供給ポンプの圧送回数と燃料噴
射弁の噴射回数との約分値、またはその約分値を整数倍
した値で決まる圧送回数と噴射回数とを1グループとし
た区間(即ち、判定期間及びポンプ制御期間)は、内燃
機関の回転数に同期して得られる。
【0011】(請求項6の手段)請求項3に記載した蓄
圧式燃料噴射装置において、ポンプ制御手段は、ポンプ
制御期間内において燃料供給ポンプの吐出停止を行うこ
とを特徴とする。この場合、燃料供給ポンプを燃料洩れ
の要因から排除できるため、より正確に燃料洩れを判定
することができる。
【0012】(請求項7の手段)請求項3に記載した蓄
圧式燃料噴射装置において、ポンプ制御手段は、ポンプ
制御期間内において燃料供給ポンプの吐出量を任意量に
固定することを特徴とする。この場合、燃料供給ポンプ
の作動を停止することなく、ポンプ吐出量を任意量に固
定することにより、燃料洩れの判定を行う場合でも、蓄
圧室の燃料圧力を目標値に維持できる。
【0013】(請求項8の手段)請求項3に記載した蓄
圧式燃料噴射装置において、ポンプ制御手段は、ポンプ
吐出量制限運転と通常運転とを所定期間繰り返し行い、
そのポンプ吐出量制限運転と通常運転とを切り替えるタ
イミングは、内燃機関の回転数、蓄圧室内の目標燃料圧
力、燃料噴射弁の目標噴射量のうち、少なくとも1つを
パラメータとして、運転域毎に可変制御することを特徴
とする。例えば、内燃機関の回転数が高くなる、つまり
高速運転になるほど、蓄圧室の圧力要求値(目標値)は
高くなり、噴射量も多くなる。この場合、ポンプ吐出量
制限運転と通常運転とを繰り返すサイクルが短いと、蓄
圧室の燃料圧力を目標値に昇圧できなくなる可能性があ
る。そこで、ポンプ吐出量制限運転と通常運転とを切り
替えるタイミングを運転域毎に可変制御して、例えば高
速運転になるほどポンプ吐出量制限運転を行うサイクル
を長く設定することにより、蓄圧室の燃料圧力を目標値
に維持することができる。
【0014】(請求項9の手段)請求項3に記載した蓄
圧式燃料噴射装置において、燃料洩れ判定手段は、ポン
プ吐出量制限運転が行われている間に蓄圧室から放出さ
れる燃料量を算出する放出燃料量算出手段を有し、この
放出燃料量算出手段は、蓄圧室から放出される燃料量
を、ポンプ制御期間前後の蓄圧室内の燃料圧力変化量を
燃料量に換算して算出することを特徴とする。
【0015】(請求項10の手段)請求項3に記載した
蓄圧式燃料噴射装置において、ポンプ制御手段は、ポン
プ制御期間中に内燃機関の加速要求が検出された時に、
直ちにポンプ吐出量制限運転を中止することを特徴とす
る。これにより、加速要求に対応して燃料供給ポンプか
らの圧送を行うことができる。
【0016】(請求項11の手段)請求項3に記載した
蓄圧式燃料噴射装置において、ポンプ制御手段は、ポン
プ制御期間中に内燃機関の加速要求が検出された時に、
燃料洩れ判定手段の判定処理が終了するまで加速要求を
遅延させることを特徴とする。これにより、燃料洩れ判
定手段の判定処理と、加速要求に対する内燃機関の加速
操作とが同時に行われることを回避できる。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。図1は本発明の蓄圧式燃料噴射装置の
システム構成図である。本実施例の蓄圧式燃料噴射装置
1は、6気筒のディーゼルエンジン2(以下エンジン2
と呼ぶ)に適用されるもので、図1に示すように、燃料
タンク3から燃料を汲み上げるフィードポンプ4と、こ
のフィードポンプ4により汲み上げられた燃料を加圧し
て吐出する燃料供給ポンプ5と、この燃料供給ポンプ5
より吐出された高圧燃料を蓄圧するコモンレール6(本
発明の蓄圧室)と、このコモンレール6より高圧パイプ
7を介して供給される高圧燃料をエンジン2の気筒内に
噴射する燃料噴射弁8と、各種センサ(後述する)で検
出される情報に基づいて本システムの作動を制御する電
子制御装置(以下ECU9と呼ぶ)とを備える。
【0018】燃料供給ポンプ5は、図示しない吸入通路
を開閉する電磁弁5aを内蔵し、この電磁弁5aの閉弁
開始時期によって燃料吐出量を決定している。この燃料
供給ポンプ5は、2系統の吐出経路を有するタンデムタ
イプで、各吐出経路に対応する2個の電磁弁5aにより
コモンレール6への吐出量を2系統で制御している(図
2参照)。燃料噴射弁8は、圧力制御室(図示しない)
に通じる低圧通路を開閉する電磁弁8aを内蔵し、この
電磁弁8aの開閉動作によって噴射量及び噴射時期を決
定している。この燃料噴射弁8は、エンジン2の各気筒
毎に取り付けられ、#1−#2−#3−#4−#5−#
6気筒の順序で燃料噴射を行う。
【0019】ECU9に情報を与える各種センサは、エ
ンジン2の回転速度を検出するエンジン回転速度センサ
10(これは燃料供給ポンプ5に内蔵される場合もあ
る)、アクセルペダル11の踏込み量(アクセル開度)
を検出するアクセル開度センサ12、エンジン冷却水の
温度を検出する冷却水温センサ13、コモンレール6内
の圧力を検出する圧力センサ14、及び燃料噴射弁8か
ら低圧経路へ戻るリターン燃料の温度を検出する燃料温
度センサ15がある。その他に、エンジン負荷センサ、
噴射時期センサ、吸気圧力センサ、吸気温度センサ等を
使用しても良い。
【0020】ECU9は、燃料供給ポンプ5からコモン
レール6へ圧送されるポンプ吐出量、燃料噴射弁8から
エンジン2の気筒内へ噴射する噴射量及び噴射時期を演
算し、その演算結果に従って燃料供給ポンプ5に内蔵さ
れる電磁弁5a、及び燃料噴射弁8に内蔵される電磁弁
8aの作動を電子制御する。なお、燃料供給ポンプ5の
吐出量、燃料噴射弁8の噴射量及び噴射時期に係わる制
御方法は、従来より周知であり、ここでの説明は省略す
る。このECU9は、燃料系統の異常(例えば燃料洩れ
やポンプ故障等)を検出する異常検出手段としての機能
を有している。但し、燃料系統とは、フィードポンプ4
によって燃料タンク3から汲み上げられた燃料が燃料噴
射弁8より噴射されるまでの燃料流通経路全体(つま
り、フィードポンプ4、燃料供給ポンプ5、コモンレー
ル6、燃料噴射弁8、及び高圧パイプ7を含む燃料配
管)を言う。
【0021】次に、ECU9の異常検出手段について説
明する。まず、異常検出手段の全体構成について図3を
用いて説明する。ECU9の異常検出手段は、エンジン
2の燃焼1行程(720°CA)の間に行われる燃料噴
射弁8の噴射回数(6回)と燃料供給ポンプ5の圧送回
数(4回)との約分値(3噴射/2圧送)を1グループ
とした区間(360°CA)を異常検出の判定区間とし
て実行される。この異常検出手段は、定期的(360°
CA毎)に燃料洩れを管理する燃料洩れ量計算手段16
と、この燃料洩れ量計算手段16で算出された燃料洩れ
量を判定値と比較して異常の有無を判定する異常仮判定
手段17と、この判定手段で「異常有り(異常仮判
定)」と判定された場合に、真に燃料洩れが発生してい
るか否かを判定する異常本判定手段18と、この異常本
判定手段18の処理時間を計測する異常本判定時間計算
手段19と、燃料供給ポンプ5のポンプ吐出量を制限す
るポンプ圧送制限制御手段20とで構成される。
【0022】続いて、上述した異常検出手段の各構成
(手段)を図4に示す制御ブロック図を用いて詳細に説
明する。 (1)燃料洩れ量計算手段16 各種センサより与えられるエンジン2の各種情報から、
その運転時のポンプ吐出量:Qpump 、燃料噴射量:Qtot
al、予定リーク量:Qinj、コモンレール6の内圧変化相
当量:Qpc を算出し、以下の式により燃料洩れ量:Qlea
k を計算する。 Qleak =Qpump −(Qtotal+Qinj+Qpc ) 但し、本実施例では、4サイクル、6気筒エンジン2の
1回転(360°CA)を異常検出処理の判定区間とし
ているため、上記各計算の詳細は以下の通りとなる。
【0023】a)ポンプ吐出量:Qpump エンジン1回転で2回圧送されるため、Qpump は2圧送
分のポンプ吐出量合計となる。ポンプ吐出量の計算は、
燃料供給ポンプ5内のプランジャ断面積と、その時のプ
ランジャストローク(吸入行程巾)との積からポンプ吐
出損失量を引いた値となる。 b)燃料噴射量:Qtotal エンジン1回転で3回噴射が行われるため、3噴射分の
噴射指令値(目標噴射量)の合計となる。
【0024】c)予定リーク量:Qinj この予定リーク量は、エンジン1回転相当時間に6本の
燃料噴射弁8から発生するリーク量の合計で、定常的に
リークが発生する静リーク量と、燃料噴射弁8の駆動時
に発生する動リーク量(スイッチングリーク)との合計
となる。静リーク量は、360°CA間における6本の
燃料噴射弁8からのリーク量の合計で、コモンレール
圧、燃料温度、エンジン回転数の少なくとも1つから決
まるインジェクタ静リーク特性の実験式より求めること
ができる。動リーク量は、燃料噴射弁8のスイッチング
時間、コモンレール圧、燃料温度の少なくとも1つから
決まるインジェクタ動リーク特性の実験式より求めるこ
とができる。 d)コモンレール6の内圧変化相当量:Qpc このコモンレール6の内圧変化相当量は、エンジン1回
転におけるコモンレール6の内圧力変化分を、コモンレ
ール6の内容積と体積弾性係数より燃料量の変化分に変
換した値である。
【0025】ここで、燃料洩れ量計算の原理を図5を用
いて説明する。燃料洩れが無い場合は、ポンプ吐出量計
算値と前記(燃料噴射量+予定リーク量+コモンレール
6の内圧変化相当量)とが同等となり、図5(a)に示
すように、コモンレール6内の燃料量の収支はバランス
がとれている。しかし、燃料洩れが発生すると、目標と
するコモンレール圧を維持するために、洩れた量だけ燃
料供給ポンプ5がフィードバックして増量するため、図
5(b)に示すように、ポンプ吐出量計算値は増加す
る。これに対し、(燃料噴射量+予定リーク量+コモン
レール6の内圧変化相当量)は変化していないため、そ
の偏差分{ポンプ吐出量−(燃料噴射量+予定リーク量
+コモンレール6の内圧変化相当量)}が燃料洩れ量Ql
eak として計算される。
【0026】上記の燃料洩れ量を計算する時の処理手順
を図6に示す制御フローチャートに基づいて説明する。
本ルーチンは360°CA毎に実行される。まず、ステ
ップ101で燃料洩れ判定フラグfleak の状態を判定す
る。ここで、fleak がセット(fleak =1)されていれ
ば、すでに判定済みとして本ルーチンを終了する。同様
に、ステップ102でポンプ故障判定フラグfpump がセ
ット(fpump =1)されている時、及びステップ103
で異常仮判定フラグfleakbがセット(fleakb=1)され
ている時は、すでに判定済みとして本ルーチンを終了す
る。判定済みでない場合、つまりfpump 及びfleakbが共
にセットされていない時は、ステップ104〜107に
てポンプ吐出量Qpump 、燃料噴射量Qtotal、予定リーク
量Qinj、コモンレール6の内圧変化相当の燃料量Qpc を
計算し、ステップ108にて燃料洩れ量Qleak を計算す
る。
【0027】(2)異常仮判定手段17(本発明の異常
有無判定手段) 異常仮判定手段17では、図4中に示すように、前記の
燃料洩れ量計算手段16にて求めた燃料洩れ量Qleak を
仮判定値と比較し、Qleak >仮判定値の関係、つまり仮
判定値以上に燃料洩れ量Qleak が大きい時は、異常仮判
定フラグfleakbをセット(fleakb=1)する。なお、前
記仮判定値は、システム構成品の公差、組付公差等を考
慮した誤判定しない値に設定する(図7参照)。
【0028】ここで、異常仮判定手段17の処理手順を
図8に示す制御フローチャートに基づいて説明する。本
ルーチンは360°CA毎に実行される。まず、ステッ
プ201、202にて燃料洩れ判定フラグfleak 並びに
ポンプ故障判定フラグfpump の状態を判定し、何方かの
フラグがセットされて判定済みであれば、本ルーチンを
終了する。判定済みでない場合、つまりfleak 及びfpum
p が共にセットされていない時は、ステップ203にて
異常仮判定フラグfleakbの状態を判定する。fleakbがセ
ット(fleakb=1)されていない時は、ステップ204
に移行し、燃料洩れ量Qleak を過去4回のデータとの平
均値として算出し、Qleak のばらつきを抑制する。
【0029】ステップ203にてfleakbがセットされて
いる時は、ステップ205へ移行し、Qleak の新たな平
均値計算は行われない。ステップ205では、燃料洩れ
量Qleak を仮判定値(本実施例では100mm3/360°C
A)と比較する。ステップ205にて燃料洩れ量Qleak
より仮判定値の方が大きい時は、ステップ206で異常
仮判定フラグfleakbの状態を判定し、fleakbがセットさ
れている時は、ステップ207にてfleakbをリセット
(fleakb=0)する。ステップ205にて燃料洩れ量Ql
eak が仮判定値より大きい時は、ステップ208で異常
仮判定フラグfleakbの状態を判定し、fleakbがセットさ
れていない時は、ステップ209にてfleakbをセット
(fleakb=1)する。
【0030】(3)ポンプ圧送制限制御手段20(本発
明のポンプ制御手段) ポンプ圧送制限制御手段20は、図4中に示すように、
前記の異常仮判定手段17にて判定された異常仮判定フ
ラグfleakbの結果を基に、燃料供給ポンプ5の駆動制御
を切り替える。異常仮判定手段17にてfleakbがセット
された場合、つまり「燃料洩れ等の異常有り」と判定さ
れた場合は、ポンプ圧送制限制御を開始する。異常仮判
定手段17にてfleakbがセットされていない場合、つま
り「燃料洩れ等の異常無し」と判定された場合は、燃料
供給ポンプ5に対して、コモンレール圧を目標値に維持
する通常のフィードバック制御を続ける。この制御をシ
ーケンシャルなタイムチャートで示すと、図9の通りと
なる。なお、燃料供給ポンプ5の吐出量は、吸入する燃
料量に比例し、その吸入燃料量は、図10に示すよう
に、プランジャ5bを上下させるポンプカム軸のどのタ
イミング(軸角度)で電磁弁5a(開弁タイミングは固
定)を閉弁させるかで決定する。この電磁弁5aの開い
ているカム軸角度(ポンプ吸入角)TFEをコントロー
ルして吐出量を制御する。
【0031】ここで、ポンプ圧送制限制御手段20の処
理手順を図11に示す制御フローチャートに基づいて説
明する。本ルーチンは180°CA毎に実行される。ま
ず、ステップ301にて異常仮判定フラグfleakbの状態
を判定する。fleakbがセットされていなければ「仮判定
無し」と判断し、ステップ302にて通常のポンプ吸入
角TFEを計算して本ルーチンを終了する。fleakbがセ
ットされていれば、「異常仮判定済み」と判断してステ
ップ303に移行する。
【0032】ステップ303ではポンプ圧送制限区間判
別カウンタCPUMP の状態を判定する。CPUMP がゼロ以外
(CPUMP ≠0)の時は、前記同様ステップ302にて通
常処理を行い、本ルーチンを終了する。ポンプ圧送制限
区間判別カウンタCPUMP は、720°CA毎にインクリ
メントされるカウンタである(図12中ステップ405
〜414参照/詳細は後述する)。ステップ303にて
CPUMP =0の時は、ステップ304、305にて気筒判
別カウンタCCYLN の状態を判定する。この気筒判別カウ
ンタCCYLN は、6気筒エンジンであるため、120°C
A毎にインクリメントされるカウンタである(図12中
ステップ401〜404参照)。
【0033】ステップ304、305にてCCYLN =1並
びにCCYLN =3 の時(図2中ポンプ制御タイミングA
点、B点)は、ステップ306にてポンプ吸入角TFE
をTFE=0deg として、燃料供給ポンプ5に対し吸入
停止を指示する。ステップ304、305にて上記タイ
ミングでなければ、前記同様ステップ302にて通常処
理を行い、本ルーチンを終了する。以上のポンプ制御に
より、図2に示すように、A〜C区間の360°CA間
で吸入制御され、B〜D区間の360°CA間で燃料圧
送が停止される。これを繰り返し行うと、図9中に示す
ポンプ吸入角TFEの様な挙動で燃料供給ポンプ5の作
動が制限制御される。なお、定期的に通常制御を行うこ
とにより、コモンレール圧を維持することができる。
【0034】次に、前述の気筒判別カウンタCCYLN 並び
にポンプ圧送制限区間判別カウンタCPUMP の詳細を図1
2に示す制御フローチャートを用いて説明する。本ルー
チンは120°CA毎に実行される。120°CAの判
別は、ステップ401にて各気筒圧縮TDCに対し、A
TDC30°CAか否かで判定する。ステップ401に
てATDC30°CAのタイミングの時は、ステップ4
02に移行し、#6気筒を判定する。ここで#6気筒で
あれば、ステップ403にてCCYLN をクリア(CCYLN =
0)し、#6気筒でなければ、ステップ404にてCCYL
N をインクリメントする。この操作により、#6気筒で
CCYLN をクリアした後、720°CA間で0〜5に12
0°CA毎カウントアップする。
【0035】続いて、ステップ405にてCCYLN =0を
判定し、CCYLN ≠0の時は、本ルーチンを終了する。次
に、ステップ406〜411にて、ポンプ圧送制御モー
ドPUMPMOD を設定する。なお、ステップ406以降は7
20°CA毎に実行される。本実施例では、エンジン回
転数が高くなるに従って、ポンプ圧送制限サイクルを長
くしている。これは、高速運転ほど、コモンレール圧の
要求値が高くなり、噴射量も多くなるため、ポンプ圧送
制限サイクルが短いと、コモンレール圧を目標値に昇圧
できなくなってしまうためである。
【0036】ステップ406〜411により、エンジン
回転数NEから以下のモードに設定する。 NE<1000rpm →PUMPMOD =0 1000≦NE<3000rpm →PUMPMOD =1 NE≧3000rpm →PUMPMOD =2 次に、ステップ412にてポンプ圧送制限区間判別カウ
ンタCPUMP と前記PUMPMOD とを比較し、CPUMP <PUMPMO
D の時は、ステップ413にてCPUMP をインクリメント
し、CPUMP ≧PUMPMOD の時は、ステップ414にてCPUM
P をクリア(CPUMP =0)する。
【0037】このステップ412〜414の操作で、ポ
ンプ圧送制限サイクルを以下のように設定する。 PUMPMOD =0の時→720°CA(機関2回転) PUMPMOD =1の時→1440°CA(機関4回転) PUMPMOD =2の時→2160°CA(機関6回転) なお、燃料供給ポンプ5の圧送停止期間は、ポンプ圧送
制限サイクル間の360°CA区間である。以上のポン
プ圧送制限制御の挙動を図13のタイムチャートに示
す。
【0038】(4)異常本判定手段18(本発明の燃料
洩れ判定手段) 異常本判定手段18は、図4中に示すように、異常仮判
定手段17にて異常仮判定フラグfleakbがセット(flea
kb=1)された時に、前記(3)で説明したポンプ圧送
制限制御手段20に連動して行われる。具体的には、ポ
ンプ圧送制限時の噴射並びに燃料噴射弁8からのリーク
によるコモンレール圧降下量から燃料量Qdown に変換
し、その燃料量Qdown を所定の本判定値と比較判定す
る。ここで、Qdown >本判定値の時は、「燃料洩れ」と
判定し、Qdown <本判定値の状態が所定時間続いた時
は、ポンプ吸入不良等による「ポンプ故障」と判定す
る。
【0039】ここで、ポンプ吸入不良が発生した場合の
現象について説明する。ポンプ吸入不良を起こした場
合、たとえ燃料洩れが発生していなくても、燃料供給ポ
ンプ5は吐出量増加側にフィードバック制御するため、
ポンプ吸入角TFEが増加して、ポンプ吐出量計算値Qp
ump は増加する。その結果、図5(b)に示す燃料洩れ
有りの条件と同様のことが起こり、異常仮判定(fleakb
=1)してしまう。よって「燃料洩れ」と「ポンプ故
障」とを区別するため、ポンプ制御の要因を排除(ポン
プ圧送制限制御)して、本判定する必要がある。
【0040】次に、異常本判定手段18におけるコモン
レール圧降下量の取込みまでの方法を図2のタイムチャ
ートで説明する。前記ポンプ圧送制限制御手段20によ
り、図2中B〜Dの360°CA間のポンプ圧送が停止
され、その間の3回の噴射(本実施例では#4、#5、
#6気筒)によるコモンレール圧降下と、6本分の燃料
噴射弁8の静的リーク量と、噴射に伴う3本分の動的リ
ーク量によるコモンレール圧降下量(図2中ΔNPC )
を、各気筒のATDC30°CAに設定されたコモンレ
ール圧NPC 取込みより計測する(図2中B点NPC −D点
NPC )。
【0041】次に、異常本判定手段18の処理手順を図
14に示す制御フローチャートに基づいて説明する。本
ルーチンは360°CA毎に実行される。まず、ステッ
プ501、502にて、燃料洩れ判定フラグfleak 並び
にポンプ故障判定フラグfpump の状態を判定し、何方か
のフラグがセットされて判定済みであれば、本ルーチン
を終了する。fleak 及びfpump がセットされていない時
は、ステップ503にて異常仮判定フラグfleakbの状態
を判定する。ここで、fleakbがセットされている時は、
ステップ504、505にてポンプ圧送制限区間判別カ
ウンタCPUMP 並びに気筒判別カウンタCCYLN の数値を判
定し、CPUMP 及びCCYLN がゼロの時、つまり、ポンプ圧
送制限区間終了ポイント(図2中D点)を判別してステ
ップ506へ移行する。ここで、CPUMP ≠0並びにCCYL
N ≠0の時は、異常本判定タイミングでないと判断し、
本ルーチンを終了する。
【0042】ステップ506では、異常本判定経過時間
カウンタCLEAK (詳細は後述する)が所定値以上(本実
施例では5sec )か判定し、所定値以内であればステッ
プ507にて、ポンプ圧送制限区間でのコモンレール圧
降下量DLNPC を計算する。このDLNPC は、図2中のB点
〜D点間の圧力降下量ΔNPC のことである。続いて、ス
テップ508にてDLNPC を燃料量の変化分相当量Qdown
に以下の式で変換し、ステップ509にて過去4回のDL
NPC と平均化する。 Qdown =DLNPC ×(高圧部容積/体積弾性係数) 高圧部容積=コモレール容積+高圧パイプ容積
【0043】続いて、ステップ510にてポンプ圧送制
限区間360°CA内の燃料噴射弁8への噴射指令値
(3噴射分)Qfin360を算出する(図2中の#4、#
5、#6気筒噴射指令値の合計)。続いて、ステップ5
11にて、上記と同区間(360°CA)の静的リーク
量Qilsと動的リーク量Qildとの和を総リークQinj360
として算出する。続いて、ステップ512にて、Qfin3
60にQinj360を加算して異常本判定基準値QLEAKJD
を算出(QLEAKJD =Qfin360+Qinj360)し、更に
ステップ513にて4回平均化して安定化させる。ここ
で、QLEAKJD は、燃料洩れが発生していない時、つまり
正常時におけるコモンレール6からの360°CA間で
の放出燃料量であり、これを異常本判定基準値とする。
【0044】続いて、ステップ514にて、QLEAKJD に
判定値(本実施例では、100mm3/360°CA)を加算し
て、ポンプ圧送制限区間(360°CA)におけるコモ
ンレール圧降下量より燃料量に変換した値Qdown と比較
判定する。ここで、Qdown >QLEAKJD +100の関係、
つまり、コモンレール圧降下量が基準値(正常状態)よ
り大であると判断した時は、ステップ515にて燃料洩
れ判定フラグfleak をセットし、ステップ517にて既
に判定済であった異常仮判定フラグfleakbをリセットし
て、本ルーチンを終了する。
【0045】前記ステップ506にて、未だ異常本判定
せず、所定時間(5sec )経過したと判断した時は、異
常仮判定手段17での異常仮判定は、燃料洩れが原因で
はなく、ポンプ側の異常であると判断して、ステップ5
16にてポンプ故障判定フラグfpump をセットし、ステ
ップ517を介して本ルーチンを終了する。コモンレー
ル圧降下量取込みから、異常本判定までの概要を図15
のタイムチャートに示す。
【0046】(5)異常本判定時間計算手段19 本手段は、図4中に示すように、異常仮判定手段17に
て判定された異常仮判定フラグfleakbの結果をトリガー
に経過時間計測をスタートさせる。異常本判定時間計算
手段19の処理手順を図16に示す制御フローチャート
に基づいて説明する。本ルーチンは1sec ルーチン中に
設定されているため、1sec 毎に実行されるルーチンで
ある。まず、ステップ601にて異常仮判定フラグflea
kbの状態を判定する。ここでfleakbがセットされている
時は、ステップ602にて異常本判定経過時間カウンタ
CLEAK をインクリメントする。
【0047】続いて、ステップ603、604にてCLEA
K の上限ガード(本実施例では6)を設定して、本ルー
チンを終了する。このガード値は、図14に示した制御
フローチャート中、ステップ506にて設定した所定値
(5)に「1」加算した値である。上記のステップ60
1にて、異常仮判定フラグfleakbがセットされていない
(異常仮判定していない)時は、ステップ605にて異
常本判定経過時間カウンタCLEAK をクリアして本ルーチ
ンを終了する。
【0048】(本実施例の効果)本実施例の蓄圧式燃料
噴射装置1では、エンジン2の燃焼1行程(720°C
A)の間に行われる燃料噴射弁8の噴射回数(6回)と
燃料供給ポンプ5の圧送回数(4回)との約分値(3噴
射/2圧送)を1グループとした区間を判定区間として
設定しているので、燃料噴射タイミングと燃料圧送タイ
ミングとが重複する場合でも、より正確に燃料系統の異
常(燃料洩れ又はポンプ故障等)を判定することができ
る。従って、噴射回数(気筒数)と圧送回数とが一致す
るシステム(例えば4噴射/4圧送)に限らず、本実施
例で説明した噴射回数(気筒数)と圧送回数とが異なる
システムにも適用することができ、エンジン気筒数(噴
射回数)とポンプ圧送回数とに左右されることなく、各
種のエンジンに対し燃料系統の異常判定処理を実行する
ことができる。
【0049】(変形例)上記実施例では、6気筒の内燃
機関(6噴射/4圧送)で、異常仮判定手段17におけ
る異常仮判定区間及び異常本判定手段18における異常
本判定区間(ポンプ圧送制限区間)を、3噴射/2圧送
を1グループとした区間で設定しているが、燃料供給ポ
ンプ5の圧送回数と燃料噴射弁8の噴射回数との関係
が、内燃機関の燃焼1行程の間に行われる圧送回数と噴
射回数との約分値、またはその約分値を整数倍した値で
決まる圧送回数と噴射回数とを1グループとした区間を
異常仮判定区間及び異常本判定区間として制御しても同
様の効果を得ることができる。例えば、4噴射/2圧送
のシステムでは、2噴射/1圧送を1グループとした区
間、4噴射/4圧送のシステムでは、2噴射/2圧送を
1グループとした区間または1噴射/1圧送を1グルー
プとした区間を異常仮判定区間及び異常本判定区間とす
ることができる。
【0050】上記実施例では、図11中のステップ30
6にて、ポンプ圧送制限のため、ポンプ吸入角TFE=
0deg として燃料供給ポンプ5の圧送を停止している
が、任意の固定値(例えばTFE=10deg )として、
図14中のステップ508での計算式で、固定値分圧送
した量を補正しても同様の効果を得ることができる。こ
の場合、ステップ508を下式と入れ替えて対応する。 Qdown ←DLNPC *(高圧部容積/体積弾性係数)−FD (FD:ポンプ吸入角TFE=10deg により圧送され
る燃料量計算値)
【0051】上記実施例では、図12中のステップ40
6〜411において、ポンプ圧送制限の実行サイクルを
エンジン回転数NEにより切り替えているが、コモンレ
ール目標圧力、または目標噴射量で切り替えても同様の
効果を得ることができ、条件を複合させれば(例えばN
Eとコモンレール圧力で決まる運転域)、更に本発明に
おける燃料供給ポンプ5の性能を向上できる。上記実施
例では、図14中のステップ506において、「燃料洩
れ」か「ポンプ故障」かを判断する所定判定時間(5se
c )を固定値としているが、上記のように、運転域(N
E、コモンレール目標圧力、目標噴射量の少なくとも1
つのパラメータにより決まる)によって判定時間を可変
させることで、本発明の精度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】蓄圧式燃料噴射装置のシステム構成図である。
【図2】異常検出処理に係わる制御タイムチャートであ
る。
【図3】異常検出処理に係わる制御ブロック図である。
【図4】異常検出処理に係わる詳細な制御ブロック図で
ある。
【図5】燃料洩れ量計算の原理説明図である。
【図6】燃料洩れ量計算の処理手順を示すフローチャー
トである。
【図7】異常仮判定に係わるタイムチャートである。
【図8】異常仮判定手段の処理手順を示すフローチャー
トである。
【図9】異常仮判定とポンプ圧送制限制御に係わるタイ
ムチャートである。
【図10】ポンプ吸入量(吐出量)制御に係わる説明図
である。
【図11】ポンプ圧送制限制御手段の処理手順を示すフ
ローチャートである。
【図12】CCYLN 及びCPUMP カウントupの処理手順を
示すフローチャートである。
【図13】ポンプ圧送制限モード別に基づく制御タイム
チャートである。
【図14】異常本判定手段の処理手順を示すフローチャ
ートである。
【図15】異常本判定に係わるタイムチャートである。
【図16】異常本判定時間計算手段の処理手順を示すフ
ローチャートである。
【符号の説明】
1 蓄圧式燃料噴射装置 2 エンジン(内燃機関) 5 燃料供給ポンプ 6 コモンレール(蓄圧室) 8 燃料噴射弁 9 ECU 16 燃料洩れ量計算手段 17 異常仮判定手段(異常有無判定手段) 18 異常本判定手段(燃料洩れ判定手段) 19 異常本判定時間計算手段 20 ポンプ圧送制限制御手段

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料を加圧して吐出する燃料供給ポンプ
    と、 この燃料供給ポンプより圧送された燃料を高圧状態で蓄
    える蓄圧室と、 この蓄圧室より供給される高圧燃料を内燃機関の気筒内
    に噴射する燃料噴射弁と、 燃料系統に燃料洩れ等の異常が有るか無いかを判定する
    異常有無判定手段とを備えた蓄圧式燃料噴射装置であっ
    て、 前記内燃機関の燃焼1行程の間に行われる前記燃料供給
    ポンプの圧送回数と前記燃料噴射弁の噴射回数との約分
    値、またはその約分値を整数倍した値で決まる圧送回数
    と噴射回数とを1グループとした区間を判定期間として
    設定し、 前記異常有無判定手段は、前記判定期間において前記燃
    料系統の異常の有無を判定することを特徴とする蓄圧式
    燃料噴射装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載した蓄圧式燃料噴射装置に
    おいて、 前記燃料供給ポンプから前記蓄圧室へ吐出する燃料の吐
    出量を算出する吐出量算出手段と、 前記内燃機関の燃焼に必要な目標噴射量を算出する目標
    噴射量算出手段と、 前記燃料噴射弁から機構的にリークする燃料の量を算出
    する予定リーク量算出手段と、 前記蓄圧室の燃料圧力の変化分に相当する燃料の量を算
    出する圧力変化相当燃料量算出手段とを備え、 前記判定期間に含まれる前記目標噴射量、前記リーク
    量、前記圧力変化相当量の各合計を放出燃料量とした時
    に、 前記異常有無判定手段は、前記判定期間に含まれる前記
    吐出量の合計と、前記放出燃料量との収支バランスに基
    づいて前記燃料系統の異常の有無を判定することを特徴
    とする蓄圧式燃料噴射装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載した蓄圧式燃料噴
    射装置において、 前記異常有無判定手段で異常有りと判定された場合に、
    前記燃料供給ポンプの吐出量を制限するポンプ吐出量制
    限運転を行うポンプ制御手段と、 前記ポンプ吐出量制限運転が行われている間に前記蓄圧
    室から放出される燃料量を算出し、その算出燃料量に基
    づいて前記燃料系統に燃料洩れが発生しているか否かを
    判定する燃料洩れ判定手段とを備え、 前記内燃機関の燃焼1行程の間に行われる前記燃料供給
    ポンプの圧送回数と前記燃料噴射弁の噴射回数との約分
    値、またはその約分値を整数倍した値で決まる圧送回数
    と噴射回数とを1グループとした区間をポンプ制御期間
    として設定し、 前記ポンプ制御手段は、前記ポンプ制御期間内において
    前記燃料供給ポンプの吐出量を制限していることを特徴
    とする蓄圧式燃料噴射装置。
  4. 【請求項4】請求項3に記載した蓄圧式燃料噴射装置に
    おいて、 前記燃料洩れ判定手段は、前記算出燃料量を判定値と比
    較し、前記算出燃料量が前記判定値より大きい時に、前
    記燃料系統に燃料洩れが発生していると判定することを
    特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。
  5. 【請求項5】請求項1及び3に記載した蓄圧式燃料噴射
    装置において、 前記判定期間及び前記ポンプ制御期間は、前記内燃機関
    の回転数に同期して得られる期間であることを特徴とす
    る蓄圧式燃料噴射装置。
  6. 【請求項6】請求項3に記載した蓄圧式燃料噴射装置に
    おいて、 前記ポンプ制御手段は、前記ポンプ制御期間内において
    前記燃料供給ポンプの吐出停止を行うことを特徴とする
    蓄圧式燃料噴射装置。
  7. 【請求項7】請求項3に記載した蓄圧式燃料噴射装置に
    おいて、 前記ポンプ制御手段は、前記ポンプ制御期間内において
    前記燃料供給ポンプの吐出量を任意量に固定することを
    特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。
  8. 【請求項8】請求項3に記載した蓄圧式燃料噴射装置に
    おいて、 前記ポンプ制御手段は、前記ポンプ吐出量制限運転と通
    常運転とを所定期間繰り返し行い、そのポンプ吐出量制
    限運転と通常運転とを切り替えるタイミングは、前記内
    燃機関の回転数、前記蓄圧室内の目標燃料圧力、前記燃
    料噴射弁の目標噴射量のうち、少なくとも1つをパラメ
    ータとして、運転域毎に可変制御することを特徴とする
    蓄圧式燃料噴射装置。
  9. 【請求項9】請求項3に記載した蓄圧式燃料噴射装置に
    おいて、 燃料洩れ判定手段は、前記ポンプ吐出量制限運転が行わ
    れている間に前記蓄圧室から放出される燃料量を算出す
    る放出燃料量算出手段を有し、 この放出燃料量算出手段は、前記蓄圧室から放出される
    燃料量を、前記ポンプ制御期間前後の前記蓄圧室内の燃
    料圧力変化量を燃料量に換算して算出することを特徴と
    する蓄圧式燃料噴射装置。
  10. 【請求項10】請求項3に記載した蓄圧式燃料噴射装置
    において、 前記ポンプ制御手段は、前記ポンプ制御期間中に前記内
    燃機関の加速要求が検出された時に、直ちに前記ポンプ
    吐出量制限運転を中止することを特徴とする蓄圧式燃料
    噴射装置。
  11. 【請求項11】請求項3に記載した蓄圧式燃料噴射装置
    において、 前記ポンプ制御手段は、前記ポンプ制御期間中に前記内
    燃機関の加速要求が検出された時に、前記燃料洩れ判定
    手段の判定処理が終了するまで前記加速要求を遅延させ
    ることを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。
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