JP3972689B2 - 内燃機関用燃料噴射装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、多気筒ディーゼルエンジン等の内燃機関の各気筒毎に燃料を噴射供給する内燃機関用燃料噴射装置に関するもので、特にコモンレールに蓄圧された高圧燃料をインジェクタを介して内燃機関の各気筒に噴射供給する蓄圧式燃料噴射装置に係わる。
【0002】
【従来の技術】
従来より、コモンレールに蓄圧した高圧燃料をディーゼルエンジン等の内燃機関の各気筒毎の燃焼室内に噴射供給する蓄圧式燃料噴射装置が知られている。この蓄圧式燃料噴射装置は、主噴射の開始時から安定した燃焼を行って内燃機関の騒音振動を抑制する目的で、内燃機関の特定気筒において内燃機関の1周期中にインジェクタを2回開弁させることによって、主噴射(メイン噴射)の前に少量の高圧燃料を先立ち噴射(パイロット噴射)を行うようにしている。
【0003】
また、近年、内燃機関の特定気筒において内燃機関の1周期中にインジェクタを3回開弁させる3回以上の多段噴射(パイロット噴射・メイン噴射・アフター噴射)を行うことにより、アフター噴射によってメイン噴射での未燃ガスを燃やすことでスモークの排出を抑えて排気ガス性能の向上を図るという要望がある。さらに、図8のタイミングチャートに示したように、内燃機関の特定気筒において内燃機関の1周期中にインジェクタを5回開弁させる5回以上の多段噴射(パイロット噴射・プレ噴射・メイン噴射・アフター噴射・ポスト噴射)を行うことにより、プレ噴射によって内燃機関の騒音振動を更に抑制し、ポスト噴射によって燃焼後期の燃焼の活性化を図るという要望もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の蓄圧式燃料噴射装置においては、内燃機関の運転条件および燃料噴射量をベースに必要な噴射回数およびインジェクタ噴射パルスのパルス幅(特定気筒のインジェクタへの通電時間・開弁時間)を演算して、その演算結果に応じたパルス幅のインジェクタ噴射パルスをインジェクタに印加するようにして燃料噴射量および噴射時期が制御されている。
【0005】
具体的には、内燃機関の特定気筒(#1噴射気筒)のインジェクタ(INJ)ベースパルスは、図8のタイミングチャートに示したように、パイロット噴射→プレ噴射→メイン噴射→アフター噴射→ポスト噴射の順に出力される。ここで、図8はINJベースパルス(#1噴射気筒のインジェクタ噴射パルス)、INJ補正後パルス(補正後の#1噴射気筒のインジェクタ噴射パルス)、実コモンレール圧(補正無)、各噴射時のベース噴射量、各噴射時の補正後噴射量の推移を示したタイミングチャートである。
【0006】
これにより、コモンレールに取り付けられた燃料圧センサによって検出される実コモンレール圧(補正無し)は、インジェクタの開弁(多段噴射中の各噴射開始)に伴って下降する傾向にあり、また、インジェクタの閉弁(多段噴射中の各噴射停止)に伴って上昇する傾向にある。すなわち、インジェクタの閉弁(多段噴射中の各噴射停止)に伴う狙い値(図示一点鎖線にて示される目標コモンレール圧)以上の圧力上昇と、それに伴う狙い値以下の圧力下降とが、噴射停止以降の圧力脈動(ウネリの繰り返し)の発生の要因となっている。このため、実コモンレール圧(補正無し)の上昇過程で燃料噴射を行うプレ噴射およびメイン噴射は、目標噴射量に対して実際の噴射量が増える傾向にあり、また、実コモンレール圧(補正無し)の下降過程で燃料噴射を行うアフター噴射およびポスト噴射は、目標噴射量に対して実際の噴射量が減少する傾向にある。
【0007】
このような燃料噴射量の誤差を無くすために、つまり噴射量制御精度を向上させるために、5回以上の多段噴射中の各燃料噴射間隔(例えばパイロット噴射終了からプレ噴射開始までの燃料噴射間隔、プレ噴射終了からメイン噴射開始までの燃料噴射間隔、メイン噴射終了からアフター噴射開始までの燃料噴射間隔、アフター噴射終了からポスト噴射開始までの燃料噴射間隔)に応じて、インジェクタ駆動ベースパルスのパルス幅を補正し、実際の噴射量が狙い値になるように修正している。すなわち、実際の噴射量が目標噴射量となるようにベース噴射量を補正後噴射量に修正するようにしている。この多段噴射中の各噴射間隔および噴射回数は、内燃機関の運転条件および目標噴射量をベースにさまざまな値をとるため、細かいピッチで膨大な補正データを持つ必要があり、莫大な工数を消費していた。
【0008】
【発明の目的】
本発明の目的は、噴射休止時間または多段噴射中の各噴射間隔に応じた補正後噴射量の多大な設定・適合を無くすことにより、インジェクタの閉弁(噴射停止・噴射パルス終了)時期に応じたインジェクタ無効パルスのみの設定で、インジェクタ駆動による圧力脈動を抑制して噴射量制御精度を確保することのできる内燃機関用燃料噴射装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明によれば、必要な噴射回数のうちの少なくとも1回以上の特定気筒のインジェクタへのインジェクタ駆動信号の出力が終了した時点から所定時間経過後に、インジェクタ駆動信号の出力によるインジェクタ駆動によって発生する圧力脈動を抑制するように、燃料を噴射しない程度のインジェクタ無効信号を、特定気筒のインジェクタまたはその特定気筒のインジェクタと異なる他気筒のインジェクタに印加することにより、特定気筒のインジェクタの閉弁(噴射停止)に伴う狙い値以上の噴射圧力の上昇を阻止できるので、噴射停止以降の圧力脈動を抑えることができる。それによって、圧力上昇過程および圧力下降過程で内燃機関の特定気筒へ燃料が噴射されることはないので、狙い値に対して燃料噴射量が増減することはない。これにより、噴射休止時間または多段噴射中の各噴射間隔に応じた補正後噴射量の多大な設定・適合を無くしながらも、噴射量制御精度を向上させることができる。
【0010】
また、噴射圧力検出手段によって検出される噴射圧力が、目標噴射圧力決定手段によって決定した目標噴射圧力と一致するように、燃料供給ポンプの吐出量をフィードバック制御することにより、内燃機関の特定気筒のインジェクタにインジェクタ駆動信号を所定のパルス幅だけ印加して燃料噴射を開始することで、噴射圧力が目標噴射圧力よりも下回っても、次のインジェクタの開弁(噴射開始)までには噴射圧力が目標噴射圧力に略一致しているので、次のインジェクタの開弁(噴射開始)時に燃料噴射量が狙い値に対して増減することはなく、噴射量制御精度を向上させることができる。
【0011】
請求項2および請求項7に記載の発明によれば、上記の所定時間は、インジェクタ駆動信号の出力が終了した時点(特定気筒への燃料噴射が終了して)からインジェクタの閉弁に伴って目標噴射圧力以上に噴射圧力が上昇するまでの経過時間(実験により予め求めても良く、また、毎回実測しても良い)、あるいはインジェクタの噴射開始からの噴射期間を含む待機時間であることを特徴としている。
【0012】
請求項3および請求項8に記載の発明によれば、上記の所定時間は、内燃機関の運転条件および噴射圧力検出手段によって検出される噴射圧力に応じて決定される、インジェクタ駆動信号の出力が終了した時点からの待機時間(待ち時間:毎回実測することが望ましい)、あるいはインジェクタの噴射開始からの噴射期間を含む待機時間であることを特徴としている。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、内燃機関の特定気筒のインジェクタの開弁(噴射開始)および閉弁(噴射停止)に伴う目標コモンレール圧(狙い値)以上の実コモンレール圧の上昇による次のインジェクタの開弁(燃料噴射)時の燃料噴射量の増加を阻止するために、インジェクタ無効信号のパルス幅を、内燃機関の運転条件および噴射圧力検出手段によって検出される噴射圧力に応じて決定することが望ましい。
【0014】
請求項5および請求項10に記載の発明によれば、所定時間は、特定気筒のインジェクタへのインジェクタ駆動信号の出力が終了した時点から、特定気筒のインジェクタより燃料通路を通って特定気筒のインジェクタとは異なる他気筒のインジェクタに伝播する圧力脈動が逆位相となる伝播遅れ時間であることを特徴としている。なお、燃料圧力(=実コモンレール圧:Pc)等により求まる体積弾性係数(Ks)と、燃料温度(THF)と燃料圧力(=実コモンレール圧:Pc)等により求まる燃料の密度(ρ)とから音速を計算し、予め決定されている特定気筒のインジェクタのシート部と他気筒のインジェクタのシート部との間を結ぶ燃料通路長と計算した音速とから、特定気筒のインジェクタより燃料通路を通って他気筒のインジェクタに伝播する圧力脈動が逆位相となる伝播遅れ時間を求めることができる。また、特定気筒のインジェクタへのインジェクタ駆動信号の出力が終了した時点とは、多段噴射(マルチ噴射)の中で最も噴射量の多いメイン噴射用のインジェクタ駆動信号の出力が終了した時点が望ましい。
【0015】
請求項6に記載の発明によれば、内燃機関に燃料を噴射供給するインジェクタを開弁させるためのインジェクタ駆動信号の出力が終了した時点から所定時間経過後に、インジェクタ駆動信号の出力によるインジェクタ駆動によって発生する圧力脈動を抑制するように、燃料供給ポンプとインジェクタとを結ぶ燃料配管に取り付けられた減圧弁を開弁させることにより、燃料供給ポンプより吐出された燃料の噴射圧力を低減させることができる。すなわち、インジェクタの閉弁(噴射停止)に伴う狙い値以上の噴射圧力の上昇を阻止できるので、噴射停止以降の圧力脈動を抑えることができる。それによって、圧力上昇過程および圧力下降過程で内燃機関へ燃料が噴射されることはないので、狙い値に対して燃料噴射量が増減することはない。これにより、噴射休止時間または多段噴射中の各噴射間隔に応じた補正後噴射量の多大な設定・適合を無くしながらも、噴射量制御精度を向上させることができる。
【0016】
また、噴射圧力検出手段によって検出される噴射圧力が、目標噴射圧力決定手段によって決定した目標噴射圧力と一致するように、燃料供給ポンプの吐出量をフィードバック制御することにより、内燃機関の特定気筒のインジェクタにインジェクタ駆動信号を所定のパルス幅だけ印加して燃料噴射を開始することで、噴射圧力が目標噴射圧力よりも下回っても、次のインジェクタの開弁(噴射開始)までには噴射圧力が目標噴射圧力に略一致しているので、次のインジェクタの開弁(噴射開始)時に燃料噴射量が狙い値に対して増減することはなく、噴射量制御精度を向上させることができる。
【0017】
請求項9に記載の発明によれば、インジェクタの開弁(噴射開始)および閉弁(噴射停止)に伴う目標コモンレール圧(狙い値)以上の実コモンレール圧の上昇による次のインジェクタの開弁(燃料噴射)時の燃料噴射量の増加を阻止するために、減圧弁の開弁時間を、内燃機関の運転条件および噴射圧力検出手段によって検出される噴射圧力に応じて決定することが望ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態を実施例に基づき図面を参照して説明する。
[第1実施例の構成]
図1ないし図4は本発明の第1実施例を示すもので、図1はコモンレール式燃料噴射装置の全体構成を示した図で、図2は2方弁式電磁弁付きインジェクタの作動状態を示した図である。
【0019】
本実施例のコモンレール式燃料噴射装置は、4気筒ディーゼルエンジン等の内燃機関(以下エンジンと言う)1により回転駆動されるサプライポンプ3と、燃料噴射圧に相当する高圧燃料を蓄圧する蓄圧容器としてのコモンレール4と、このコモンレール4に蓄圧された高圧燃料をエンジン1の各気筒の燃焼室内に噴射供給する複数個(本例では4個)の2方弁式電磁弁付きインジェクタ(以下インジェクタと略す)5と、サプライポンプ3および複数個のインジェクタ5を電子制御する電子制御ユニット(以下ECUと呼ぶ)10とを備えている。
【0020】
サプライポンプ3は、エンジン1のクランク軸(クランクシャフト)31の回転に伴ってポンプ駆動軸32が回転することで燃料タンク6内の燃料を汲み上げる周知のフィードポンプ(低圧供給ポンプ)と、フィードポンプにより吸い出された燃料が流入するポンプ室と、ポンプ駆動軸32により駆動されるプランジャ(図示せず)と、このプランジャの往復運動によりポンプ室から流入した燃料を加圧する加圧室(プランジャ室)とを有している。そして、サプライポンプ3は、燃料を加圧して吐出口からコモンレール4へ高圧燃料を吐出する高圧供給ポンプ(燃料供給ポンプ)である。このサプライポンプ3のポンプ室から加圧室への燃料流路には、その燃料流路を開閉する電磁式アクチュエータとしての吸入調量弁7が取り付けられている。
【0021】
吸入調量弁7は、図示しないポンプ駆動回路を介してECU10からのポンプ駆動信号によって電子制御されることにより、サプライポンプ3の加圧室内に吸入される燃料の吸入量を調整する吸入量調整用電磁弁で、各インジェクタ5からエンジン1へ噴射供給する燃料噴射圧、つまりコモンレール圧を変更する。その吸入調量弁7は、通電が停止されると弁状態が全開状態となるノーマリオープンタイプのポンプ流量制御弁である。
【0022】
コモンレール4には、連続的に燃料噴射圧に相当する高い圧力(コモンレール圧)が蓄圧される必要があり、そのために燃料配管33を介して高圧燃料を吐出するサプライポンプ3の吐出口と接続されている。なお、内部に高圧燃料流路を形成する燃料配管33またはコモンレール4と内部に燃料還流路を形成するリリーフ配管35との間には、コモンレール圧が限界設定圧を越えると開弁するプレッシャリミッタ34が配設されてコモンレール圧が限界設定圧よりも高くなることを防止している。また、サプライポンプ3からのリーク燃料は、内部に燃料還流路(リーク燃料流路)を形成するリーク配管36を経て燃料タンク6にリターンされる。
【0023】
エンジン1の各気筒毎に搭載されたインジェクタ5は、コモンレール4より分岐する複数の噴射パイプ(燃料通路、高圧燃料流路)39の下流端に接続され、エンジン1の各気筒の燃焼室内に高圧燃料を噴射供給する燃料噴射ノズル11と、この燃料噴射ノズル11内に収容されるノズルニードル13を開弁方向に駆動する電磁式アクチュエータ(ニードル駆動手段)としての2方弁式電磁弁(以下電磁弁と略す)12と、ノズルニードル13を閉弁方向に付勢するスプリング等のニードル付勢手段とから構成されている。燃料噴射ノズル11は、複数個の噴射孔16を開閉するノズルニードル13、このノズルニードル13を閉弁方向に付勢するリターンスプリング(図示せず)、ノズルニードル13に連動して動作するコマンドピストン14、およびこれらを収容するノズル本体15等から構成されている。
【0024】
ここで、17は常に高圧燃料が供給される燃料溜まりで、18は噴射パイプ39と連結する継手端面から燃料溜まり17(具体的にはノズルニードル13がノズルボデーの弁座に着座するシート部まで)および背圧制御室19に高圧燃料を供給するための燃料通路(高圧通路)で、20、21は通過する燃料の流量を調節するためのオリフィス(固定絞り)である。電磁弁12は、車載電源22とインジェクタ駆動回路(EDU)に内蔵された常開型スイッチ23を介して電気的に接続されたソレノイドコイル24、このソレノイドコイル24の起磁力により図示上方へ吸引されるアーマチャ付きの弁体25、およびこの弁体25を閉弁方向に付勢するリターンスプリング26等から構成されている。なお、インジェクタ5から燃料タンク6へリークするリーク燃料は、インジェクタ5内の各摺動部および背圧制御室19からソレノイドコイル24の周囲を巡る流路27を通って燃料出口28から外部に排出され、内部に燃料還流路(リーク燃料流路)を形成するリーク配管37を経て燃料タンク6に還流するように構成されている(図1および図2参照)。
【0025】
そして、各気筒のインジェクタ5からエンジン1への燃料の噴射は、電磁弁12を駆動するインジェクタ駆動回路(EDU)への電磁弁制御信号により電子制御される。そして、インジェクタ駆動回路(EDU)から各気筒毎のインジェクタ5の電磁弁12のソレノイドコイル24にインジェクタ駆動電流が印加されて電磁弁12が開弁している間、ノズルニードル13が弁座よりリフト(離間)することによって、噴射孔16と燃料溜まり17とが連通する。これにより、コモンレール4に蓄圧された高圧燃料がエンジン1の各気筒の燃焼室内に噴射供給される。
【0026】
ECU10は、本発明の噴射量決定手段、噴射パルス決定手段、目標噴射圧力決定手段、第1インジェクタ駆動手段、無効パルス決定手段、第2インジェクタ駆動手段、吐出量制御手段に相当する。このECU10には、制御処理、演算処理を行うCPU、各種プログラムおよびデータを保存するROM、RAM、入力回路、出力回路、電源回路、インジェクタ駆動回路およびポンプ駆動回路等の機能を含んで構成される周知の構造のマイクロコンピュータが設けられている。そして、各種センサからのセンサ信号は、A/D変換器でA/D変換された後にマイクロコンピュータに入力されるように構成されている。
【0027】
ここで、本実施例の気筒判別手段は、エンジン1のカム軸に対応して回転するシグナルロータ(例えばクランク軸31が2回転する間に1回転する回転体)と、このシグナルロータの外周に設けられた各気筒に対応した気筒歯(突起部)と、これらの気筒歯の接近と離間によって気筒判別信号パルスを発生する気筒判別センサ(電磁ピックアップ)41とから構成されている。この気筒判別センサ41は、エンジン1のクランク軸31の回転に伴って、#1気筒のピストンが噴射直前の位置に達した時に幅広の基準気筒判別信号パルス(G)を出力し、その後に、#3気筒のピストンが噴射直前の位置に達した時に幅狭の気筒判別信号パルス(G)を出力し、その後に、#4気筒のピストンが噴射直前の位置に達した時に幅狭の気筒判別信号パルス(G)を出力し、その後に、#2気筒のピストンが噴射直前の位置に達した時に幅狭の気筒判別信号パルス(G)を出力する。
【0028】
また、本実施例の回転速度検出手段は、エンジン1のクランク軸31に対応して回転するシグナルロータ(例えばクランク軸31が1回転する間に1回転する回転体)と、このシグナルロータの外周に多数形成されたクランク角検出用の歯(突起部)と、これらの歯の接近と離間によってNE信号パルスを発生するクランク角センサ(電磁ピックアップ)42とから構成されている。このクランク角センサ42は、シグナルロータが1回転(クランク軸31が1回転)する間に複数のNE信号パルスを出力する。そして、ECU10は、NE信号パルスの間隔時間を計測することによってエンジン回転速度(以下エンジン回転数と言う:NE)を検出する。
【0029】
そして、ECU10は、エンジン1の運転条件に応じた最適な燃料噴射圧力に相当するコモンレール圧を演算し、図示しないポンプ駆動回路を介してサプライポンプ3の吸入調量弁7を駆動する吐出量制御手段を有している。これは、クランク角センサ42等の回転速度検出手段によって検出されたエンジン回転数(NE)およびアクセル開度センサ43によって検出されたアクセル開度(ACCP)等のエンジン運転情報から目標コモンレール圧(Pt)を算出し、この目標コモンレール圧(Pt)を達成するために、吸入調量弁7へのポンプ駆動信号(駆動電流値、SCV通電値)を調整して、サプライポンプ3より吐出される燃料の圧送量(ポンプ吐出量)を制御するように構成されている。
【0030】
さらに、より好ましくは、燃料噴射量の制御精度を向上させる目的で、噴射圧力検出手段としてのコモンレール圧センサ45によって検出される実コモンレール圧(Pc)がエンジン運転情報に応じて設定される目標コモンレール圧(Pt)と略一致するようにフィードバック制御を行うことが望ましい。なお、吸入調量弁(SCV)7への駆動電流の制御は、デューティ(duty)制御により行うことが望ましい。単位時間当たりのポンプ駆動信号のオン/オフの割合(通電時間割合・デューティ比)を調整して吸入調量弁7の弁開度を変化させるデューティ制御を用いることで、高精度なデジタル制御が可能になる。
【0031】
また、ECU10は、各気筒のインジェクタ5の噴射量制御を行なう噴射量制御手段を有している。これは、エンジン1の運転条件に応じた最適な目標噴射量を算出する噴射量決定手段と、エンジン1の運転条件および目標噴射量に応じた最適な噴射時期(=メイン噴射開始時期)を算出する噴射時期決定手段と、エンジン1の運転条件および目標噴射量に応じた必要な噴射回数を決定する噴射回数決定手段と、実コモンレール圧(Pc)および目標噴射量に応じた最適な噴射期間(=インジェクタ5の電磁弁12のソレノイドコイル24への通電を開始してから終了するまでのインジェクタ通電期間、噴射パルス時間、噴射パルス幅)を算出する噴射期間決定手段と、インジェクタ駆動回路(EDU)を介して各気筒のインジェクタ5の電磁弁12のソレノイドコイル24にパルス状のインジェクタ駆動電流(インジェクタ噴射指令パルス:以下INJ噴射パルスと言う)を印加する第1インジェクタ駆動手段と、エンジン1の運転条件および実コモンレール圧(Pc)に応じてインジェクタ無効パルスのパルス幅を算出する無効パルス決定手段と、特定気筒(例えばk気筒)のインジェクタ5の電磁弁12のソレノイドコイル24へのINJ噴射パルスの出力が終了した時点から所定時間(例えば数十msec)経過後に、燃料を噴射しない程度のインジェクタ無効パルスを特定気筒(例えばk気筒)のインジェクタ5と異なる他気筒(例えばk+1気筒)のインジェクタ5の電磁弁12のソレノイドコイル24に印加する第2インジェクタ駆動手段とから構成されている。
【0032】
なお、本実施例の噴射量決定手段は、クランク角センサ42等の回転速度検出手段によって検出されたエンジン回転数(NE)とアクセル開度センサ43によって検出されたアクセル開度(ACCP)とに応じて基本噴射量を算出する基本噴射量決定手段と、基本噴射量に燃料温度センサ44によって検出されるポンプ吸入側の燃料温度(THF)等を考慮した噴射量補正量を加味して目標噴射量(=指令噴射量:Q)を算出する目標噴射量決定手段とを有している。
【0033】
ここで、本実施例では、エンジン1の運転条件を検出する運転条件検出手段としてクランク角センサ42、アクセル開度センサ43および燃料温度センサ44を用いて目標噴射量、噴射時期、目標コモンレール圧を演算するようにしているが、運転条件検出手段としてのその他のセンサ類(例えば冷却水温センサ、吸気温センサ、吸気圧センサ、気筒判別センサ、噴射時期センサ等)からの検出信号(エンジン運転情報)を考慮した補正量を加味して目標噴射量(=指令噴射量)、噴射時期(=メイン噴射開始時期)、目標コモンレール圧を補正するようにしても良い。
【0034】
ここで、本実施例のコモンレール式燃料噴射装置においては、エンジン1の特定気筒のインジェクタ5の電磁弁12の駆動を、エンジン1の1周期(1行程:吸気行程−圧縮行程−爆発行程−排気行程)中、つまりエンジン1のクランク軸31が2回転(720°)する間に複数回実施するマルチ噴射を行うことが可能である。すなわち、図4のタイミングチャートに示したように、エンジン1の特定気筒のインジェクタ5の電磁弁12の駆動を、エンジン1の圧縮行程中に例えば5回以上実施することにより、例えばパイロット噴射・プレ噴射・メイン噴射・アフター噴射・ポスト噴射よりなるマルチ噴射(多段噴射)を行うことが可能である。
【0035】
[第1実施例の制御方法]
次に、本実施例のコモンレール式燃料噴射装置の制御方法を図1ないし図3に基づいて簡単に説明する。ここで、図3はインジェクタの噴射量制御方法を示したフローチャートである。
【0036】
この図3のルーチンは、図示しないイグニッションスイッチがONとなった後に、所定のタイミング毎に繰り返される。例えばk気筒のインジェクタ5の噴射量制御を、前回サイクルでのk気筒のインジェクタ5の噴射終了直後に開始しても良いし、また、今回サイクルでk気筒の直前噴射気筒(k気筒が#1気筒の場合は#2気筒、k気筒が#3気筒の場合は#1気筒、k気筒が#4気筒の場合は#3気筒、k気筒が#2気筒の場合は#4気筒)の噴射終了直後に開始しても良い。
【0037】
先ず、気筒判別信号パルス、NE信号パルスおよびアクセル開度等のエンジンパラメータを読み込む。具体的には、エンジン回転数(NE)、アクセル開度(ACCP)、エンジン冷却水温(THW)、燃料温度(THF)および実コモンレール圧(Pc)等を取り込む。続いて、気筒判別信号パルスとNE信号パルスから、燃料噴射を実施する特定気筒を判別(k気筒?)する(ステップS1)。
【0038】
次に、上記のエンジンパラメータをベースに目標噴射量(Q)を演算する。具体的には、NE信号パルスの間隔時間を計測することによって得られるエンジン回転数(NE)とアクセル開度(ACCP)とに応じて設定される基本噴射量に、燃料温度(THF)等を考慮した噴射量補正量を加味して目標噴射量(指令噴射量、トータル噴射量:Q)を演算する(ステップS2)。なお、目標噴射量(Q)は、エンジン冷却水温(THW)、実コモンレール圧(Pc)または後述する目標コモンレール圧(Pt)等を考慮した噴射量補正量の補正を加味して算出しても良い。
【0039】
次に、上記のエンジンパラメータおよび上記の目標噴射量(Q)をベースに必要な噴射回数とインジェクタ(INJ)噴射パルス(Tqi)のパルス幅を演算する。具体的には、エンジン回転数(NE)および目標噴射量(Q)に基づいてエンジン1の1周期中に必要な噴射回数とインジェクタ(INJ)噴射パルス(Tqi)のパルス幅(特定気筒のインジェクタ5への通電時間)を演算する(ステップS3)。
【0040】
なお、2回以上の多段噴射を行う場合には、パイロット噴射用の噴射量、およびメイン噴射用の噴射量が算出され、それらの噴射量とエンジンパラメータに基づいてパイロット噴射用のパルス幅のインジェクタ(INJ)噴射パルス、およびメイン噴射用のパルス幅のインジェクタ(INJ)噴射パルスが算出される。また、3回以上の多段噴射を行う場合には、パイロット噴射用の噴射量、メイン噴射用の噴射量、およびアフター噴射用の噴射量が算出され、それらの噴射量とエンジンパラメータに基づいてパイロット噴射用のパルス幅のインジェクタ(INJ)噴射パルス、メイン噴射用のパルス幅のインジェクタ(INJ)噴射パルス、およびアフター噴射用のパルス幅のインジェクタ(INJ)噴射パルスが算出される。
【0041】
また、4回以上の多段噴射を行う場合には、パイロット噴射用の噴射量、プレ噴射用の噴射量、メイン噴射用の噴射量、およびアフター噴射用の噴射量が算出され、それらの噴射量とエンジンパラメータに基づいてパイロット噴射用のパルス幅のインジェクタ(INJ)噴射パルス、プレ噴射用のパルス幅のインジェクタ(INJ)噴射パルス、メイン噴射用のパルス幅のインジェクタ(INJ)噴射パルス、およびアフター噴射用のパルス幅のインジェクタ(INJ)噴射パルスが算出される。
【0042】
また、5回以上の多段噴射を行う場合には、パイロット噴射用の噴射量、プレ噴射用の噴射量、メイン噴射用の噴射量、アフター噴射用の噴射量、およびポスト噴射用の噴射量が算出され、それらの噴射量とエンジンパラメータに基づいてパイロット噴射用のパルス幅のインジェクタ(INJ)噴射パルス、プレ噴射用のパルス幅のインジェクタ(INJ)噴射パルス、メイン噴射用のパルス幅のインジェクタ(INJ)噴射パルス、アフター噴射用のパルス幅のインジェクタ(INJ)噴射パルス、およびポスト噴射用のパルス幅のインジェクタ(INJ)噴射パルスが算出される。さらに、6回以上の多段噴射も同様に各噴射用の噴射量と、各噴射用のパルス幅のインジェクタ(INJ)噴射パルスが演算される。また、各噴射用の噴射量の合計がステップS2で算出された燃料噴射量(Q)となるように各噴射用の噴射量が求められる。
【0043】
次に、エンジンパラメータおよび上記の目標噴射量(Q)をベースに目標コモンレール圧(Pt)を演算する。具体的には、上記のエンジン回転数(NE)および上記の目標噴射量(Q)に基づいて目標コモンレール圧(Pt)を演算する(ステップS4)。次に、上記のエンジンパラメータをベースに噴射時期(メイン噴射の開弁時期:T)を演算する。具体的には、上記のエンジン回転数(NE)およびアクセル開度(ACCP)に基づいて噴射時期(メイン噴射の通電開始時期・メイン噴射の開弁時期:T)を演算する(ステップS5)。
【0044】
なお、2回以上の多段噴射を行う場合には、メイン噴射の通電開始時期、目標噴射量(Q)および目標コモンレール圧(Pt)に基づいて所定の噴射間隔(パイロットインターバル)およびパイロット噴射用の通電期間(パルス幅)よりも前にパイロット噴射の通電開始時期(開弁時期)が設定される。また、3回以上の多段噴射を行う場合には、パイロット噴射の通電開始時期の設定に併せて、メイン噴射の通電開始時期、目標噴射量(Q)および目標コモンレール圧(Pt)に基づいてメイン噴射の通電終了時期および所定の噴射間隔(アフターインターバル)よりも後にアフター噴射の通電開始時期(開弁時期)が設定される。
【0045】
また、4回以上の多段噴射を行う場合には、パイロット噴射の通電開始時期およびアフター噴射の通電開始時期の設定に併せて、メイン噴射の通電開始時期、目標噴射量(Q)および目標コモンレール圧(Pt)に基づいて所定の噴射間隔(プレインターバル)およびプレ噴射用の通電期間(パルス幅)よりも前にプレ噴射の通電開始時期(開弁時期)が設定される。また、5回以上の多段噴射を行う場合には、パイロット噴射の通電開始時期、アフター噴射の通電開始時期、およびプレ噴射の通電開始時期の設定に併せて、メイン噴射の通電開始時期、目標噴射量(Q)および目標コモンレール圧(Pt)に基づいてアフター噴射の通電終了時期および所定の噴射間隔(ポストインターバル)よりも後にポスト噴射の通電開始時期(開弁時期)が設定される。
【0046】
次に、ステップS6以降で本発明に係るインジェクタ噴射量制御(噴射量精度改善制御)を実行する。先ず、特定気筒(例えば#1噴射気筒)のインジェクタ5とは異なる他気筒(例えば#4気筒)のインジェクタ5からエンジン1の他気筒の燃焼室内への燃料が噴射が成されない程度の微小パルス幅(他気筒のインジェクタ5の背圧制御室19からのみ燃料が抜ける程度のパルス幅)のインジェクタ(INJ)無効パルスを印加する直前のインジェクタ(INJ)噴射パルス(Tqi)の出力が終了した時点からの待ち時間(待機時間・所定時間:Tw)を、上記のエンジン回転数(NE)、インジェクタ(INJ)噴射パルス(Tqi)のパルス幅および実コモンレール圧(Pc)から算出する(ステップS6)。
【0047】
次に、上記のエンジン回転数(NE)および実コモンレール圧(Pc)からインジェクタ(INJ)無効パルス(Tqm)のパルス幅を演算する(ステップS7)。ここで、インジェクタ(INJ)無効パルス(Tqm)のパルス幅は、エンジン1の特定気筒(例えば#1噴射気筒)のインジェクタ5の燃料噴射停止に伴う狙い値(目標コモンレール圧:Pt)以上の実コモンレール圧(Pc)の上昇分に相当する圧力を低減させることが可能なパルス幅に設定される。
【0048】
次に、インジェクタ(INJ)噴射パルス(Tqi)の出力時期か否かを判定する(ステップS8)。この判定結果がYESの場合、つまりインジェクタ(INJ)噴射パルス(Tqi)の出力時期にあると判定した場合には、インジェクタ(INJ)噴射パルス(Tqi)をECU10の出力段にセットする(ステップS9)。その後に、最初のステップに戻り、上記の各演算処理や制御処理を繰り返す。
【0049】
ここで、図3のフローチャートでは説明していないが、コモンレール圧センサ45によって検出される実コモンレール圧(Pc)が、上記の目標コモンレール圧(Pt)と略一致するように、サプライポンプ3よりコモンレール4へ吐出される燃料の吐出量をフィードバック制御している。具体的には、サプライポンプ3の吸入調量弁7の弁開度を、実コモンレール圧(Pc)と目標コモンレール圧(Pt)との圧力偏差値に応じて制御するために、吸入調量弁7の開度指令値(Di)を演算し、吸入調量弁7の開度指令値(Di)をECU10の出力段にセットする。
【0050】
また、ステップS8の判定結果がNOの場合、つまりインジェクタ(INJ)噴射パルス(Tqi)の出力時期ではないと判定した場合には、インジェクタ(INJ)噴射パルス(Tqi)の出力が終了した時点から上記のステップS6で算出した所定時間(Tw)が経過しているか否かを判定する(ステップS10)。このステップS10の判定結果がNOの場合、つまりインジェクタ(INJ)噴射パルス(Tqi)の出力が終了した時点から上記の所定時間(Tw)が経過していない場合には、そのまま最初のステップに戻り、上記の各演算処理や制御処理を繰り返す。
【0051】
また、判定結果がYESの場合、つまりインジェクタ(INJ)噴射パルス(Tqi)の出力が終了した時点から上記の所定時間(Tw)が経過している場合には、インジェクタ噴射停止後の所定のタイミングでインジェクタ(INJ)無効パルス(Tqm)をECU10の出力段にセットする(ステップS11)。その後に、最初のステップに戻り、上記の各演算処理や制御処理を繰り返す。
【0052】
[第1実施例の制御方法]
次に、本実施例のコモンレール式燃料噴射装置の制御方法を図1ないし図4に基づいて簡単に説明する。ここで、図4はインジェクタ(INJ)ベースパルス(#1噴射気筒のインジェクタ噴射パルス)、インジェクタ(INJ)無効パルス(#1噴射気筒とは異なる他気筒である#4気筒からの補正パルス)、実コモンレール圧(補正有)および各噴射時の噴射量の推移を示したタイミングチャートである。なお、図4中のt1時刻〜t5時刻は図8中のt1時刻〜t5時刻と略同一時刻である。
【0053】
エンジン1の特定気筒(#1噴射気筒)のインジェクタ5の電磁弁12に印加するインジェクタ(INJ)ベースパルス(INJ噴射パルス)は、図4のタイミングチャートに示したように、パイロット噴射→プレ噴射→メイン噴射→アフター噴射→ポスト噴射の順にエンジン1の1周期中に出力される。このエンジン1の1周期中の多段噴射中の各噴射間隔およびエンジン1の1周期中の噴射回数は、本実施例の5回だけでなく、エンジン1の運転条件(例えばエンジン回転数:NE)および目標噴射量(Q)によって任意に決定される。
【0054】
ここで、図2(a)はエンジン1の特定気筒(例えば#1噴射気筒)のインジェクタ5の無噴射状態を示す。そして、エンジン1の特定気筒のインジェクタ5からエンジン1への燃料の噴射は、図2(b)に示したように、インジェクタ駆動回路の常開型スイッチ23が閉じられて、特定気筒のインジェクタ5の電磁弁12のソレノイドコイル24にインジェクタ(INJ)噴射パルスが印加されると、電磁弁12の弁体25が開弁する。この電磁弁12が開弁している間は、背圧制御室19内の燃料がオリフィス21を介して流路27を通り、燃料出口28よりリーク配管37にリークされるので、スプリング等のニードル付勢手段の付勢力に打ち勝ってノズルニードル13がノズル本体15を構成するノズルボデーの弁座よりリフト(離間)する。これにより、噴射孔16と燃料溜まり17とが連通するため、コモンレール4に蓄圧された高圧燃料がエンジン1の特定気筒の燃焼室内に噴射供給される。
【0055】
その後に、インジェクタ(INJ)噴射パルスの出力を開始するインジェクタ噴射パルス開始時期からインジェクタ噴射パルス時間(パルス幅)が経過してインジェクタ(INJ)噴射パルスの出力が終了するインジェクタ噴射パルス終了時期になると、つまりインジェクタ駆動回路の常開型スイッチ23が開かれると、図2(c)に示したように、電磁弁12の弁体25が閉弁する。この電磁弁12が閉弁している間は、燃料通路(高圧通路)18からオリフィス20を介して背圧制御室19内に高圧燃料が充満するため、スプリング等のニードル付勢手段の付勢力によってノズルニードル13がノズルボデーの弁座に着座する。これにより、噴射孔16と燃料溜まり17との連通状態が遮断されるため、エンジン1の特定気筒の燃焼室内への燃料噴射が終了する。
【0056】
なお、上記のように、エンジン1の特定気筒(例えば#1噴射気筒)においてエンジン1の1周期中(1行程:吸気行程−圧縮行程−爆発行程−排気行程)中、つまりエンジン1のクランク軸31が2回転(720°)する間に、パイロット噴射→プレ噴射→メイン噴射→アフター噴射→ポスト噴射が行われると、実コモンレール圧(Pc)は、図8のタイミングチャートに示したように、燃料噴射開始・燃料噴射停止に応じて下降・上昇し、燃料噴射停止後も圧力脈動によりウネリを繰り返す。
【0057】
しかし、本実施例のコモンレール式燃料噴射装置においては、エンジン1の特定気筒(例えば#1噴射気筒)のインジェクタ5の燃料噴射停止に伴う狙い値(目標コモンレール圧:Pt)以上の実コモンレール圧(Pc)の上昇を阻止すべく、エンジン1の特定気筒(例えば#1噴射気筒)のインジェクタ5の燃料噴射停止の所定のタイミング{上記のエンジン回転数(NE)、噴射パルス(Tqi)のパルス幅および実コモンレール圧(Pc)から算出される所定時間:Tw}で、エンジン1へ燃料噴射しない程度のインジェクタ(INJ)無効パルスを特定気筒(例えば#1噴射気筒)とは異なる他気筒(例えば#4気筒)のインジェクタ5の電磁弁12に印加するようにしている。
【0058】
これにより、実コモンレール圧(Pc)は、図4のタイミングチャートに示したように、エンジン1の特定気筒(例えば#1噴射気筒)のインジェクタ5の燃料噴射停止に伴う狙い値(目標コモンレール圧:Pt)以上の実コモンレール圧(Pc)の上昇分の圧力が他気筒(例えば#4気筒)のインジェクタ5の背圧制御室19より燃料が抜かれることにより抑えられて、実コモンレール圧(Pc)の圧力脈動が無くなる。したがって、インジェクタ5の噴射休止期間に応じた噴射パルス時間(パルス幅)の補正、つまり各噴射時の噴射量の補正が不要となり、エンジン1の運転条件に応じて決定される燃料噴射量(=目標噴射量)の制御精度を向上できる。
【0059】
[第1実施例の特徴]
ここで、従来の蓄圧式燃料噴射装置においては、噴射量制御精度の向上のために、サプライポンプから各気筒のインジェクタまでの高圧配管(噴射パイプ)内の圧力脈動およびコモンレール内の圧力脈動を低減する目的で、インジェクタ内に形成される高圧通路のオリフィスの絞り孔径を適合したり、また、上述したように、エンジン1の各気筒のインジェクタから燃焼室内への燃料噴射を停止してから再び燃料噴射を開始するための噴射休止期間に応じてインジェクタ噴射パルス時間(パルス幅)を補正していた。この場合には、エンジン1の1周期(全領域)に渡りインジェクタ噴射パルス時間毎に、5回以上の多段噴射中の各燃料噴射間隔(噴射休止期間)に応じた補正量(補正後噴射量)の設定・適合を行うための莫大な工数が必要であった。
【0060】
このような従来の蓄圧式燃料噴射装置に対して、本実施例のコモンレール式燃料噴射装置においては、エンジン1の特定気筒のインジェクタ5の閉弁、つまりエンジン1の特定気筒の燃焼室内への高圧燃料の噴射停止(インジェクタ噴射停止)後の所定タイミングで、燃焼室内への燃料が噴射が成されない程度の微小パルス幅のインジェクタ(INJ)無効パルスを特定気筒とは異なる他気筒のインジェクタ5の電磁弁12に印加することによって、エンジン1の特定気筒のインジェクタ5の燃料噴射停止に伴う狙い値(目標コモンレール圧:Pt)以上の実コモンレール圧(Pc)の上昇を阻止することができる。
【0061】
したがって、本実施例のコモンレール式燃料噴射装置においては、エンジン1の特定気筒の燃料噴射終了に応じたインジェクタ無効パルスの微小パルス幅の設定のみを行うことで、例えばパイロット噴射終了からプレ噴射開始までの燃料噴射間隔(噴射休止期間)、プレ噴射終了からメイン噴射開始までの燃料噴射間隔、メイン噴射終了からアフター噴射開始までの燃料噴射間隔、アフター噴射終了からポスト噴射開始までの燃料噴射間隔に応じた各噴射の噴射量の補正は不要となるため、適合工数、噴射量制御精度ともに格段に改善することができる。
【0062】
[第2実施例]
図5ないし図7は本発明の第2実施例を示すもので、図5はコモンレール式燃料噴射装置の主要構成を示した図である。
【0063】
本実施例のエンジン1の各気筒毎に搭載されたインジェクタ5は、第1実施例と同様にして、コモンレール4より分岐する複数の噴射パイプ39の下流端に接続されて、エンジン1の各気筒の燃焼室内に高圧燃料を噴射供給する燃料噴射ノズル11と、この燃料噴射ノズル11内に収容されるノズルニードル13を開弁方向に駆動する電磁式アクチュエータ(ニードル駆動手段)としての2方弁式電磁弁(以下電磁弁と略す)12と、ノズルニードル13を閉弁方向に付勢するスプリング等のニードル付勢手段とから構成されている。なお、図5には、本発明の特定気筒(第1の気筒)に相当する#1気筒のインジェクタ5と他気筒(第2の気筒)に相当する#2気筒のインジェクタ5とを図示し、#3気筒および#4気筒のインジェクタ5を省略している。
【0064】
ここで、図6は燃料噴射しない気筒のインジェクタ無効パルス制御を示したフローチャートである。この図6のルーチンは、イグニッションスイッチがONとなった後に、所定のタイミング毎に繰り返される。燃料噴射しない気筒(例えばk気筒)のインジェクタ無効パルス制御は、今回サイクルでk気筒の直前噴射気筒(k気筒が#1気筒の場合は#2気筒、k気筒が#3気筒の場合は#1気筒、k気筒が#4気筒の場合は#3気筒、k気筒が#2気筒の場合は#4気筒)のメイン噴射終了直後に開始される。
【0065】
なお、本実施例では、便宜上#1気筒のメイン噴射終了後に、#2気筒がマルチ噴射を実施するタイプで、図6のルーチンの説明を行なう。先ず、第1実施例に示したような噴射量制御を実施して、#1気筒のインジェクタ5の電磁弁12にINJ噴射パルスを印加して、#1気筒のインジェクタ5よりマルチ噴射を実行する(ステップS21)。次に、燃料圧力(=実コモンレール圧:Pc)と燃料温度(THF)とから音速を計算する(ステップS22)。すなわち、下記の数1の式を用いて、燃料圧力(=実コモンレール圧:Pc)等により求まる体積弾性係数(Ks)と、燃料温度(THF)と燃料圧力(=実コモンレール圧:Pc)等により求まる燃料の密度(ρ)とから音速(α)を計算する。
【数1】
【0066】
次に、予め分かっている、#1気筒のインジェクタ5内の燃料通路(継手端面からシート部までの燃料通路)18の通路長、#1気筒側の噴射パイプ39内の燃料通路の通路長、コモンレール4内の燃料通路(#1気筒側の噴射パイプ39の継手端部と#2気筒側の噴射パイプ39の継手端部とを結ぶ燃料通路)の通路長、#2気筒側の噴射パイプ39内の燃料通路の通路長、#2気筒のインジェクタ5内の燃料通路(継手端面からシート部までの燃料通路)18の通路長の和(トータル通路長)と、ステップS22で計算した音速(α)とから、#1気筒のインジェクタ5より各噴射パイプ39、コモンレール4および各燃料通路18を通って#2気筒のインジェクタ5のノズルニードル13が着座するシート部に伝播する圧力脈動が逆位相となる伝播遅れ時間(本発明の所定時間に相当する)を算出する(ステップS23)。次に、エンジン1へ燃料噴射しない程度のインジェクタ(INJ)無効パルスを#1気筒とは異なる#2気筒のインジェクタ5の電磁弁12に印加して、#2気筒で空打ちを実行する(ステップS24)。その後に、図6のルーチンを抜ける。
【0067】
現状では、#2気筒のインジェクタ5の電磁弁12の駆動を、エンジン1の圧縮行程中に複数回実施するマルチ噴射時に、直前噴射気筒である#1気筒のインジェクタ5のメイン噴射により生じた圧力脈動が回り込んでくる。このように、コモンレール圧の圧力脈動が生じている状態で、#2気筒のインジェクタ5において早期パイロット噴射やポスト噴射を実施すると、パイロット噴射量やポスト噴射量に対する噴射期間の特性が変化して噴射量変動が発生するという問題がある。
【0068】
そこで、本実施例では、直前噴射気筒である#1気筒のインジェクタ5のメイン噴射により生じた圧力脈動と逆位相の空打ちを燃料噴射しない#2気筒(早期パイロット噴射やポスト噴射を行なう気筒)のインジェクタ5で行なうことで、図7(a)、(b)に示したように、#1気筒のインジェクタ5のメイン噴射により生じた圧力脈動(#1の圧力波)を逆位相の空打ち(#2の圧力波)で打ち消すようにしている。したがって、第1実施例と同様な効果を達成することができる。なお、本実施例では、直前噴射気筒であるk気筒のインジェクタ5のマルチ噴射のうちで最も噴射量の多いメイン噴射直後に、直後噴射気筒であるk+1気筒のインジェクタ5にINJ無効パルスを印加することにより空打ちを実行しているが、k気筒のインジェクタ5のマルチ噴射のメイン噴射直後に、直後噴射気筒ではない他の気筒k+2または気筒k+3のインジェクタ5にINJ無効パルスを印加することにより空打ちを実行しても良い。
【0069】
[変形例]
本実施例では、本発明の内燃機関用燃料噴射装置の一例として、コモンレール式燃料噴射装置に適用した例を説明したが、コモンレール等の蓄圧配管を持たず、燃料供給ポンプから高圧配管を経て直接インジェクタに高圧燃料を供給するタイプの内燃機関用燃料噴射装置に適用しても良い。また、本実施例では、エンジン1の各気筒の燃焼室内に燃料を噴射供給するインジェクタの一例として、2方弁式電磁弁付きのインジェクタ5を使用した例を説明したが、3方弁式電磁弁付きのインジェクタやその他のタイプのインジェクタを使用しても良い。
【0070】
本実施例では、コモンレール圧センサ45をコモンレール4に直接取り付けて、コモンレール4内に蓄圧される燃料圧力(実コモンレール圧)を検出するようにしているが、燃料圧力検出手段をサプライポンプ3のプランジャ室(加圧室)からインジェクタ5内の燃料通路までの間の燃料配管等に取り付けて、サプライポンプ3の加圧室より吐出された燃料圧力を検出するようにしても良い。
【0071】
本実施例では、サプライポンプ3のプランジャ室(加圧室)内に吸入される燃料の吸入量を変更(調整)する吸入調量弁(吸入量調整用電磁弁)7を設けた例を説明したが、サプライポンプ3のプランジャ室(加圧室)からコモンレール4への燃料の吐出量を変更(調整)する吐出量調整用電磁弁を設けても良い。なお、吐出量調整用電磁弁または吸入量調整用電磁弁の弁開度がその電磁弁への通電を停止した時に全開となるノーマリオープンタイプの電磁弁を用いても良いが、吐出量調整用電磁弁または吸入量調整用電磁弁の弁開度がその電磁弁を通電した時に全開となるタイプの電磁弁を用いても良い。
【0072】
本実施例では、4気筒エンジン1の特定気筒(例えば#1噴射気筒)のインジェクタ5の閉弁(燃料噴射停止)に伴う狙い値以上の噴射圧力の上昇を阻止すべく、4気筒エンジン1の特定気筒(例えば#1噴射気筒)のインジェクタ(INJ)噴射パルスの停止後の所定のタイミングで微小パルス(インジェクタ無効パルス)を特定気筒とは異なる他気筒の#4気筒のインジェクタ5に印加するようにしているが、4気筒エンジン1の特定気筒(例えば#1噴射気筒)のインジェクタ(INJ)噴射パルスの停止後の所定のタイミングで微小パルス(インジェクタ無効パルス)を特定気筒とは異なる他気筒の#2気筒または#3気筒のインジェクタ5に印加するようにしても良い。また、インジェクタ(INJ)噴射パルスを印加する特定気筒は、#1気筒、#2気筒、#3気筒、#4気筒のいずれでも良いことは言うまでもない。
【0073】
本実施例では、4気筒エンジン1の特定気筒(例えば#1噴射気筒)のインジェクタ5の閉弁(燃料噴射停止)に伴う狙い値以上の噴射圧力の上昇を阻止すべく、4気筒エンジン1の特定気筒(例えば#1噴射気筒)のインジェクタ(INJ)噴射パルスの停止後の所定のタイミングで微小パルス(インジェクタ無効パルス)を特定気筒とは異なる他気筒の#4気筒のインジェクタ5に印加するようにしているが、サプライポンプ3とインジェクタ5とを結ぶ燃料配管(コモンレール4等の蓄圧配管を含む)に常閉型の減圧弁を取り付けて、4気筒エンジン1の特定気筒(例えば#1噴射気筒)のインジェクタ(INJ)噴射パルスの停止後の所定のタイミングでその減圧弁を所定の時間だけ開弁させることにより、実コモンレール圧の変動を低減させるようにしても良い。
【0074】
本実施例では、本発明の内燃機関用燃料噴射装置の一例として、多気筒ディーゼルエンジン等のエンジン1の特定気筒においてエンジン1の1周期中に5回以上の多段噴射(例えばパイロット噴射・プレ噴射・メイン噴射・アフター噴射・ポスト噴射)を行うことが可能なコモンレール式燃料噴射装置(蓄圧式燃料噴射装置)を適用した例を説明したが、エンジン1の特定気筒においてエンジン1の1周期中に2回以上の多段噴射(例えばパイロット噴射・メイン噴射)を行うことが可能なコモンレール式燃料噴射装置を適用しても良い。
【0075】
また、3回以上の多段噴射(例えばパイロット噴射・メイン噴射・アフター噴射)を行うことが可能なコモンレール式燃料噴射装置に適用しても良く、また、4回以上の多段噴射(例えばパイロット噴射・プレ噴射・メイン噴射・アフター噴射またはパイロット噴射・メイン噴射・アフター噴射・ポスト噴射)を行うことが可能なコモンレール式燃料噴射装置に適用しても良く、また、6回以上の多段噴射を行うことが可能なコモンレール式燃料噴射装置に適用しても良い。このエンジン1の1周期中の6回以上の多段噴射中の各噴射間隔およびエンジン1の1周期中の噴射回数は、エンジン1の運転条件(例えばエンジン回転数:NE)および燃料噴射量(例えば目標噴射量:Q)によって任意に決定される。
【図面の簡単な説明】
【図1】コモンレール式燃料噴射装置の全体構成を示した概略図である(第1実施例)。
【図2】(a)〜(c)はインジェクタの作動状態を示した説明図である(第1実施例)。
【図3】インジェクタの噴射量制御方法を示したフローチャートである(第1実施例)。
【図4】INJベースパルス(INJ噴射パルス)、INJ無効パルス、実コモンレール圧(補正有)および各噴射時の噴射量の推移を示したタイミングチャートである(第1実施例)。
【図5】コモンレール式燃料噴射装置の主要構成を示した概略図である(第2実施例)。
【図6】燃料噴射しない気筒のINJ無効パルス制御を示したフローチャートである(第2実施例)。
【図7】(a)、(b)は圧力波形を示したタイミングチャートである(第2実施例)。
【図8】INJベースパルス(INJ噴射パルス)、INJ補正後パルス、実コモンレール圧(補正無)、各噴射時のベース噴射量、各噴射時の補正後噴射量の推移を示したタイミングチャートである(従来の技術)。
【符号の説明】
1 エンジン(内燃機関)
3 サプライポンプ(燃料供給ポンプ)
4 コモンレール(蓄圧容器、燃料通路)
5 インジェクタ(電磁式燃料噴射弁)
10 ECU(噴射量決定手段、噴射パルス決定手段、目標噴射圧力決定手段、第1インジェクタ駆動手段、無効パルス決定手段、第2インジェクタ駆動手段、吐出量制御手段)
12 電磁弁
18 インジェクタの継手端面からシート部までの燃料通路
24 ソレノイドコイル
39 噴射パイプ(燃料通路)
41 気筒判別センサ(気筒判別手段、運転条件検出手段)
42 クランク角センサ(回転速度検出手段、運転条件検出手段)
43 アクセル開度センサ(運転条件検出手段)
44 燃料温度センサ(運転条件検出手段)
45 コモンレール圧センサ(噴射圧力検出手段)
Claims (10)
- (a)燃料を加圧して高圧化する燃料供給ポンプと、
(b)この燃料供給ポンプより圧送された燃料を内燃機関の各気筒毎に噴射供給する各気筒のインジェクタと、
(c)内燃機関の運転条件に応じて燃料噴射量を決定する噴射量決定手段と、
(d)前記内燃機関の運転条件および前記噴射量決定手段によって決定した燃料噴射量に応じて目標噴射圧力を決定する目標噴射圧力決定手段と、
(e)燃料の噴射圧力を検出する噴射圧力検出手段と、
(f)この噴射圧力検出手段によって検出される噴射圧力が、前記目標噴射圧力決定手段によって決定した目標噴射圧力と一致するように、前記燃料供給ポンプの吐出量をフィードバック制御する吐出量制御手段と、
(g)前記内燃機関の運転条件および前記噴射量決定手段によって決定した燃料噴射量に応じて前記インジェクタに印加するインジェクタ駆動信号のパルス幅および必要な噴射回数を決定する噴射パルス決定手段と、
(h)この噴射パルス決定手段によって決定したパルス幅のインジェクタ駆動信号を前記各気筒のインジェクタのうちの特定気筒のインジェクタに前記必要な噴射回数だけ印加する第1インジェクタ駆動手段と、
(i)前記必要な噴射回数のうちの少なくとも1回以上の前記インジェクタ駆動信号の出力が終了した時点から所定時間経過後に、前記インジェクタ駆動信号の出力によるインジェクタ駆動によって発生する圧力脈動を抑制するように、燃料を噴射しない程度のインジェクタ無効信号を前記特定気筒のインジェクタ、あるいは前記特定気筒のインジェクタとは異なる他気筒のインジェクタに印加する第2インジェクタ駆動手段と
を備えた内燃機関用燃料噴射装置。 - 請求項1に記載の内燃機関用燃料噴射装置において、
前記所定時間は、前記特定気筒のインジェクタへのインジェクタ駆動信号の出力が終了した時点から前記特定気筒のインジェクタの閉弁に伴って前記目標噴射圧力以上に前記噴射圧力が上昇するまでの経過時間、あるいは前記特定気筒のインジェクタの噴射開始からの噴射期間を含む待機時間であることを特徴とする内燃機関用燃料噴射装置。 - 請求項1または請求項2に記載の内燃機関用燃料噴射装置において、
前記所定時間は、前記内燃機関の運転条件および前記噴射圧力検出手段によって検出される噴射圧力に応じて決定される、前記インジェクタ駆動信号の出力が終了した時点からの待機時間、あるいは前記特定気筒のインジェクタの噴射開始からの噴射期間を含む待機時間であることを特徴とする内燃機関用燃料噴射装置。 - 請求項1ないし請求項3のうちいずれかに記載の内燃機関用燃料噴射装置において、
前記インジェクタ無効信号のパルス幅を、前記内燃機関の運転条件および前記噴射圧力検出手段によって検出される噴射圧力に応じて決定する無効パルス決定手段を備えたことを特徴とする内燃機関用燃料噴射装置。 - 請求項1に記載の内燃機関用燃料噴射装置において、
前記所定時間は、前記インジェクタ駆動信号の出力が終了した時点から、前記特定気筒のインジェクタより燃料通路を通って前記特定気筒のインジェクタとは異なる他気筒のインジェクタに伝播する圧力脈動が逆位相となる伝播遅れ時間であることを特徴とする内燃機関用燃料噴射装置。 - (a)燃料を加圧して高圧化する燃料供給ポンプと、
(b)この燃料供給ポンプより圧送された燃料を内燃機関に噴射供給するインジェクタと、
(c)前記燃料供給ポンプと前記インジェクタとを結ぶ燃料配管に取り付けられて、前記燃料供給ポンプより吐出された燃料の噴射圧力を低減させるための減圧弁と、
(d)内燃機関の運転条件に応じて燃料噴射量を決定する噴射量決定手段と、
(e)前記内燃機関の運転条件および前記噴射量決定手段によって決定した燃料噴射量に応じて目標噴射圧力を決定する目標噴射圧力決定手段と、
(f)燃料の噴射圧力を検出する噴射圧力検出手段と、
(g)この噴射圧力検出手段によって検出される噴射圧力が、前記目標噴射圧力決定手段によって決定した目標噴射圧力と一致するように、前記燃料供給ポンプの吐出量をフィードバック制御する吐出量制御手段と、
(h)前記内燃機関の運転条件および前記噴射量決定手段によって決定した燃料噴射量に応じて前記インジェクタに印加するインジェクタ駆動信号のパルス幅および必要な噴射回数を決定する噴射パルス決定手段と、
(i)この噴射パルス決定手段によって決定したパルス幅のインジェクタ駆動信号を前記インジェクタに前記必要な噴射回数だけ印加するインジェクタ駆動手段と、
(j)前記インジェクタ駆動信号の出力が終了した時点から所定時間経過後に、前記インジェクタ駆動信号の出力によるインジェクタ駆動によって発生する圧力脈動を抑制するように、前記減圧弁を開弁させる減圧弁駆動手段と
を備えた内燃機関用燃料噴射装置。 - 請求項6に記載の内燃機関用燃料噴射装置において、
前記所定時間は、前記インジェクタ駆動信号の出力が終了した時点から前記インジェクタの閉弁に伴って前記目標噴射圧力以上に前記噴射圧力が上昇するまでの経過時間、あるいは前記インジェクタの噴射開始からの噴射期間を含む待機時間であることを特徴とする内燃機関用燃料噴射装置。 - 請求項6または請求項7に記載の内燃機関用燃料噴射装置において、
前記所定時間は、前記内燃機関の運転条件および前記噴射圧力検出手段によって検出される噴射圧力に応じて決定される、前記インジェクタ駆動信号の出力が終了した時点からの待機時間、あるいは前記インジェクタの噴射開始からの噴射期間を含む待機時間であることを特徴とする内燃機関用燃料噴射装置。 - 請求項6ないし請求項8のうちいずれかに記載の内燃機関用燃料噴射装置において、
前記減圧弁の開弁時間を、前記内燃機関の運転条件および前記噴射圧力検出手段によって検出される噴射圧力に応じて決定する開弁時間決定手段を備えたことを特徴とする内燃機関用燃料噴射装置。 - (a)燃料を加圧して高圧化する燃料供給ポンプと、
(b)この燃料供給ポンプより圧送された燃料を内燃機関の各気筒毎に噴射供給する各気筒のインジェクタと、
(c)内燃機関の運転条件に応じて燃料噴射量を決定する噴射量決定手段と、
(d)前記内燃機関の運転条件および前記噴射量決定手段によって決定した燃料噴射量に応じて目標噴射圧力を決定する目標噴射圧力決定手段と、
(e)燃料の噴射圧力を検出する噴射圧力検出手段と、
(f)この噴射圧力検出手段によって検出される噴射圧力が、前記目標噴射圧力決定手段によって決定した目標噴射圧力と一致するように、前記燃料供給ポンプの吐出量をフィードバック制御する吐出量制御手段と、
(g)前記内燃機関の運転条件および前記噴射量決定手段によって決定した燃料噴射量に応じて前記インジェクタに印加するインジェクタ駆動信号のパルス幅および必要な噴射回数を決定する噴射パルス決定手段と、
(h)この噴射パルス決定手段によって決定したパルス幅のインジェクタ駆動信号を前記各気筒のインジェクタのうちの特定気筒のインジェクタに前記必要な噴射回数だけ印加する第1インジェクタ駆動手段と、
(i)前記必要な噴射回数のうちの少なくとも1回以上の前記インジェクタ駆動信号の出力が終了した時点から所定時間経過後に、燃料を噴射しない程度のインジェクタ無効信号を前記特定気筒のインジェクタ、あるいは前記特定気筒のインジェクタとは異なる他気筒のインジェクタに印加する第2インジェクタ駆動手段と
を備えた内燃機関用燃料噴射装置において、
前記所定時間は、前記インジェクタ駆動信号の出力が終了した時点から、前記特定気筒のインジェクタより燃料通路を通って前記特定気筒のインジェクタとは異なる他気筒のインジェクタに伝播する圧力脈動が逆位相となる伝播遅れ時間であることを特徴とする内燃機関用燃料噴射装置。
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