JP4158272B2 - 高圧燃料噴射系の異常判定方法 - Google Patents

高圧燃料噴射系の異常判定方法 Download PDF

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    • F02D2200/0604Estimation of fuel pressure

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、燃料ポンプから蓄圧配管に高圧燃料を圧送するとともに、この蓄圧配管内の燃料を燃料噴射弁から内燃機関に噴射供給する高圧燃料噴射系の異常判定方法に係り、特に蓄圧配管内の燃料状態についての実測値と推定値との比較のもとに異常を判定するようにした高圧燃料噴射系の異常判定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼルエンジンや筒内燃料噴射式のガソリンエンジンに適用される高圧燃料噴射系としては、燃料ポンプから高圧の燃料を蓄圧配管に圧送するとともに、この蓄圧配管に接続された燃料噴射弁から機関燃焼室に燃料を噴射供給するようにした、いわゆる蓄圧式の高圧燃料噴射系が知られている。
【0003】
こうした蓄圧式高圧燃料噴射系の異常を判定する方法としては、例えば特開平10−238392号公報に記載される方法が知られている。この異常判定方法では、燃料圧送前後の蓄圧配管内における燃料圧変化を検出するとともに、燃料ポンプの圧送指令値に基づいて燃料圧送前後の燃料圧変化を推定し、これら燃料圧変化の実測値と推定値との偏差を算出している。更に、燃料噴射前後の燃料圧変化を検出するとともに、燃料噴射弁の噴射指令値に基づいて燃料噴射前後の燃料圧変化を推定し、これら燃料圧変化の実測値と推定値との偏差を算出している。そして、こうして算出される偏差のうち、燃料圧送時の偏差が所定の判定値を越えた場合には、燃料ポンプに係る異常が発生していると判断し、燃料噴射時の偏差が所定の判定値を越えた場合には、燃料噴射弁に係る異常が発生しているとそれぞれ判断するようにしている。
【0004】
ところで、燃料ポンプの燃料圧送時期や燃料噴射弁の燃料噴射時期は、通常、機関運転状態に基づいて変更される。このため、こうした燃料圧送時期や燃料噴射時期の変更に伴って燃料圧送と燃料噴射とが同時に行われるようになると、上記異常判定方法にあっては、燃料圧送に伴う燃料圧変化と燃料噴射に伴う燃料圧変化とが区別できなくなり、異常判定精度の悪化を招くおそれがある。
【0005】
例えば、燃料圧送前後の燃料圧変化を検出する際に、燃料噴射によって燃料圧が減少することがあると、検出される燃料圧変化が小さくなり、燃料圧送が正常に行われているにも拘わらず燃料ポンプに異常が発生していると誤判定されることがある。また、燃料噴射前後の燃料圧変化を検出する際に燃料圧送によって燃料圧が増大することがあると、検出される燃料圧変化が小さくなり、燃料噴射が正常に行われているにも拘わらず燃料噴射弁に異常が発生していると誤判定されることもある。
【0006】
そこで、従来では、上記特開平10−238392号公報に記載されるように、燃料圧送時期及び燃料噴射時期を燃料圧送と燃料噴射とが別々の期間に行われるようにそれぞれ制限した上で設定するようにしている。その結果、上記のような異常判定精度の悪化を回避することができるようになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように燃料圧送時期と燃料噴射時期とを設定するようにすると、異常判定を行わないときでも燃料圧送時期や燃料噴射時期が常に制限されるようになる。このため、蓄圧配管内の燃料圧を機関運転状態に応じた圧力にまで速やかに昇圧させることができなくなったり、機関運転状態に応じた最適な時期に燃料を噴射することができなくなったりするおそれがあった。
【0008】
この発明はこうした従来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、燃料圧送時期や燃料噴射時期の変更可能な範囲を拡大でき、且つ、正確な異常判定をすることのできる高圧燃料噴射系の異常判定方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段について記載する。
(1)請求項1に記載の発明は、燃料ポンプにより圧送された蓄圧配管内の高圧燃料を燃料噴射弁により内燃機関に噴射供給する高圧燃料噴射系に異常が生じているか否かを判定するものであって、所定の判定期間においての前記蓄圧配管内の燃料圧に関する実際の状態である実燃料圧状態及び前記所定の判定期間においての前記高圧燃料噴射系の動作に基づく前記蓄圧配管内の燃料圧に関する推定の状態である仮燃料圧状態について、これら燃料圧状態の比較を通じて前記判定を行う高圧燃料噴射系の異常判定方法において、前記所定の判定期間に前記燃料ポンプによる燃料圧送及び燃料吸入並びに前記燃料噴射弁による燃料噴射が実行される第1の状態にあるとき、この状態に対応した判定手順による第1の異常判定を行い、前記所定の判定期間に前記燃料ポンプによる燃料圧送及び前記燃料噴射弁による燃料噴射のいずれか一方のみが実行される第2の状態にあるとき、この状態に対応した判定手順であって前記第1の異常判定によるものとは別の判定手順による第2の異常判定を行うことを要旨としている。
【0010】
(2)請求項2に記載の発明は、燃料ポンプにより圧送された蓄圧配管内の高圧燃料を燃料噴射弁により内燃機関に噴射供給する高圧燃料噴射系に異常が生じているか否かを判定するものであって、所定の判定期間においての前記蓄圧配管内の燃料圧に関する実際の状態である実燃料圧状態及び前記所定の判定期間においての前記高圧燃料噴射系の動作に基づく前記蓄圧配管内の燃料圧に関する推定の状態である仮燃料圧状態について、これら燃料圧状態の比較を通じて前記判定を行う高圧燃料噴射系の異常判定方法において、前記所定の判定期間に前記燃料ポンプによる燃料圧送及び前記燃料噴射弁による燃料噴射が実行される第1の状態にあるとき、この状態に対応した判定手順による第1の異常判定を行い、前記所定の判定期間に前記燃料噴射弁による燃料噴射及び前記燃料ポンプによる燃料吸入と前記燃料ポンプによる燃料圧送とのいずれか一方のみが実行される第2の状態にあるとき、この状態に対応した判定手順であって前記第1の異常判定によるものとは別の判定手順による第2の異常判定を行うことを要旨としている。
【0011】
(3)請求項3に記載の発明は、燃料ポンプにより圧送された蓄圧配管内の高圧燃料を燃料噴射弁により内燃機関に噴射供給する高圧燃料噴射系に異常が生じているか否かを判定するものであって、所定の判定期間においての前記蓄圧配管内の燃料圧に関する実際の状態である実燃料圧状態及び前記所定の判定期間においての前記高圧燃料噴射系の動作に基づく前記蓄圧配管内の燃料圧に関する推定の状態である仮燃料圧状態について、これら燃料圧状態の比較を通じて前記判定を行う高圧燃料噴射系の異常判定方法において、前記所定の判定期間にこの期間よりも短い間隔で前記燃料ポンプによる燃料圧送及び前記燃料噴射弁による燃料噴射が実行される第1の状態にあるとき、この状態に対応した判定手順による第1の異常判定を行い、前記所定の判定期間に前記燃料噴射弁による燃料噴射と前記燃料ポンプによる燃料圧送とのいずれか一方のみが実行される第2の状態にあるとき、この状態に対応した判定手順であって前記第1の異常判定によるものとは別の判定手順による第2の異常判定を行うことを要旨としている。
【0012】
(4)請求項4に記載の発明は、燃料ポンプにより圧送された蓄圧配管内の高圧燃料を燃料噴射弁により内燃機関に噴射供給する高圧燃料噴射系に異常が生じているか否かを判定するものであって、所定の判定期間においての前記蓄圧配管内の燃料圧に関する実際の状態である実燃料圧状態及び前記所定の判定期間においての前記高圧燃料噴射系の動作に基づく前記蓄圧配管内の燃料圧に関する推定の状態である仮燃料圧状態について、これら燃料圧状態の比較を通じて前記判定を行う高圧燃料噴射系の異常判定方法において、前記所定の判定期間に前記燃料ポンプによる燃料圧送及び前記燃料噴射弁による燃料噴射が実行される第1の状態にあるとき、この状態に対応した判定手順による第1の異常判定を行い、前記所定の判定期間にこの期間よりも短い間隔で前記燃料噴射弁による燃料噴射が実行される第2の状態にあるとき、この状態に対応した判定手順であって前記第1の異常判定によるものとは別の判定手順による第2の異常判定を行うことを要旨としている。
【0013】
(5)請求項5に記載の発明は、燃料ポンプにより圧送された蓄圧配管内の高圧燃料を燃料噴射弁により内燃機関に噴射供給する高圧燃料噴射系に異常が生じているか否かを判定するものであって、所定の判定期間においての前記蓄圧配管内の燃料圧に関する実際の状態である実燃料圧状態及び前記所定の判定期間においての前記高圧燃料噴射系の動作に基づく前記蓄圧配管内の燃料圧に関する推定の状態である仮燃料圧状態について、これら燃料圧状態の比較を通じて前記判定を行う高圧燃料噴射系の異常判定方法において、前記所定の判定期間に前記燃料ポンプによる燃料圧送及び前記燃料噴射弁による燃料噴射が実行される第1の状態にあるとき、この状態に対応した判定手順による第1の異常判定を行い、前記所定の判定期間に前記燃料ポンプによる燃料圧送及び前記燃料噴射弁による燃料噴射のいずれか一方のみが実行される第2の状態にあるとき、この状態に対応した判定手順であって前記第1の異常判定によるものとは別の判定手順による第2の異常判定を行うものであって、前記第1の異常判定において前記実燃料圧状態及び前記仮燃料圧状態の算出に用いる演算式と前記第2の異常判定において前記実燃料圧状態及び前記仮燃料圧状態の算出に用いる演算式とが互いに異なることを要旨としている。
【0014】
(6)請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の高圧燃料噴射系の異常判定方法において、前記第1の状態についての前記所定の判定期間は、前記燃料ポンプによる燃料圧送が終了した直後の所定時期からその次の前記燃料ポンプによる燃料圧送が終了した直後の所定時期までの期間に相当するものであることを要旨としている。
(7)請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の高圧燃料噴射系の異常判定方法において、前記第2の状態についての前記所定の判定期間は、前記燃料ポンプによる燃料圧送が終了した直後の所定時期からその次の前記燃料噴射弁による燃料噴射が終了した直後の所定時期までの期間に相当するものであることを要旨としている。
(8)請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の高圧燃料系の異常判定方法において、前記高圧燃料噴射系は、前記燃料ポンプとして第1のポンプ及び第2のポンプを備え、第1のポンプによる燃料圧送と第2のポンプによる燃料圧送とを交互に繰り返して行うものであり、前記第1の状態についての前記所定の判定期間は、前記第1のポンプ及び前記第2のポンプの一方による燃料圧送が終了した直後の所定時期からその次の前記第1のポンプ及び前記第2のポンプの他方による燃料圧送が終了した直後の所定時期までの期間に相当するものであり、前記第2の状態についての前記所定の判定期間は、前記第1のポンプ及び前記第2のポンプの一方による燃料圧送が終了した直後の所定時期からその次の前記燃料噴射弁による燃料噴射が終了した直後の所定時期までの期間に相当するものであることを要旨としている。
【0015】
(9)請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載の高圧燃料噴射系の異常判定方法において、前記第1の異常判定により異常が生じている旨の判定結果が得られたことを条件に前記第2の異常判定により異常が生じているか否かの判定を行うことを要旨としている。
(10)請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか一項に記載の高圧燃料噴射系の異常判定方法において、前記第1の異常判定により異常が生じている旨の判定結果が得られたことをもって前記高圧燃料噴射系の異常として燃料ポンプの圧送能力の低下及び燃料噴射弁に関する異常のいずれかが生じている旨判定し、その後に前記第2の異常判定により異常が生じているか否かの判定を行い、これにより異常が生じている旨の判定結果が得られたときには前記第2の状態による実燃料圧状態と仮燃料圧状態との差に基づいて、前記判定した異常が燃料ポンプの圧送能力の低下と燃料噴射弁に関する異常とのいずれであるかを特定することを要旨としている。
(11)請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の高圧燃料噴射系の異常判定方法において、前記高圧燃料噴射系の異常が燃料ポンプの圧送能力の低下である旨判定されたことを条件に前記燃料ポンプの燃料圧送の開始時期を前記高圧燃料噴射系に異常が生じているか否かの判定の実行中よりも早めることを要旨としている。
【0016】
(12)請求項12に記載の発明は、燃料ポンプにより圧送された蓄圧配管内の高圧燃料を燃料噴射弁により内燃機関に噴射供給する高圧燃料噴射系に異常が生じているか否かを判定するものであって、所定の判定期間においての前記蓄圧配管内の燃料圧に関する実際の状態である実燃料圧状態及び前記所定の判定期間においての前記高圧燃料噴射系の動作に基づく前記蓄圧配管内の燃料圧に関する推定の状態である仮燃料圧状態について、これら燃料圧状態の比較を通じて前記判定を行う高圧燃料噴射系の異常判定方法において、前記所定の判定期間に前記燃料ポンプによる燃料圧送及び前記燃料噴射弁による燃料噴射が実行される第1の状態と、前記所定の判定期間に前記燃料ポンプによる燃料圧送及び前記燃料噴射弁による燃料噴射のいずれか一方のみが実行される第2の状態とのそれぞれに対応した各別の判定手順に従って前記判定を行うものであって、前記第1の状態においての判定により異常が生じている旨の判定結果が得られたことを条件に前記第2の状態においての判定を行うことを要旨としている。
(13)請求項13に記載の発明は、請求項1〜12のいずれか一項に記載の高圧燃料噴射系の異常判定方法において、前記実燃料圧状態としての実際の燃料圧変化と前記仮燃料状態としての推定の燃料圧変化との差を前記第1の状態及び前記第2の状態のそれぞれにおいて求め、前記第1の状態においての燃料圧変化の差及び前記第2の状態においての燃料圧変化の差と前記第1の状態及び前記第2の状態にそれぞれ対応した各別の判定値との比較を通じて前記異常が生じているか否かの判定を行うことを要旨としている。
【0017】
(14)請求項14に記載の発明は、燃料ポンプにより圧送された蓄圧配管内の高圧燃料を燃料噴射弁により内燃機関に噴射供給する高圧燃料噴射系に異常が生じているか否かを判定するものであって、所定の判定期間においての前記蓄圧配管内の燃料圧に関する実際の状態である実燃料圧状態及び前記所定の判定期間においての前記高圧燃料噴射系の動作に基づく前記蓄圧配管内の燃料圧に関する推定の状態である仮燃料圧状態について、これら燃料圧状態の比較を通じて前記判定を行う高圧燃料噴射系の異常判定方法において、前記所定の判定期間に前記燃料ポンプによる燃料圧送及び前記燃料噴射弁による燃料噴射が実行される第1の状態と、前記所定の判定期間に前記燃料ポンプによる燃料圧送及び前記燃料噴射弁による燃料噴射のいずれか一方のみが実行される第2の状態とのそれぞれに対応した各別の判定手順に従って前記判定を行うものであって、前記実燃料圧状態としての実際の燃料圧の変化と前記仮燃料状態としての推定の燃料圧の変化との差を前記第1の状態及び前記第2の状態のそれぞれにおいて求め、前記第1の状態においての燃料圧変化の差及び前記第2の状態においての燃料圧変化の差と前記第1の状態及び前記第2の状態にそれぞれ対応した各別の判定値との比較を通じて前記異常が生じているか否かの判定を行うものであり、前記各別の判定値の一方である前記第1の状態に対応した第1の判定値及び前記各別の判定値の他方である前記第2の状態に対応した第2の判定値をいずれも「0」よりも大きい値に設定し且つ前記第1の判定値を前記第2の判定値よりも大きく設定することを要旨としている。
【0018】
(15)請求項15に記載の発明は、請求項1〜14のいずれか一項に記載の高圧燃料噴射系の異常判定方法において、前記第1の状態にあるときに前記各別の判定手順の一方による第1の異常判定を行い、この異常判定により異常が生じている旨判定されたことを条件に前記所定の判定期間において前記燃料ポンプによる燃料圧送及び前記燃料噴射弁による燃料噴射のいずれか一方のみが実行されるよう燃料圧送時期と燃料噴射時期との関係を変更し、そのうえで前記第2の状態にあるときに前記各別の判定手順の他方による第2の異常判定を行うことを要旨としている。
(16)請求項16に記載の発明は、請求項1〜14のいずれか一項に記載の高圧燃料噴射系の異常判定方法において、前記第1の状態にあるときに前記各別の判定手順の一方による第1の異常判定を行い、この異常判定により異常が生じている旨判定されたことを条件に前記所定の判定期間において前記燃料ポンプによる燃料圧送及び前記燃料噴射弁による燃料噴射のいずれか一方のみが実行されるか否かを判定し、この判定により前記燃料ポンプによる燃料圧送及び前記燃料噴射弁による燃料噴射のいずれか一方のみが実行される旨の判定結果が得られたことを条件として、そのうえで前記第2の状態にあるときに前記各別の判定手順の他方による第2の異常判定を行うことを要旨としている。
【0019】
(17)請求項17に記載の発明は、燃料ポンプにより圧送された蓄圧配管内の高圧燃料を燃料噴射弁により内燃機関に噴射供給する高圧燃料噴射系に異常が生じているか否かを判定するものであって、所定の判定期間においての前記蓄圧配管内の燃料圧に関する実際の状態である実燃料圧状態及び前記所定の判定期間においての前記高圧燃料噴射系の動作に基づく前記蓄圧配管内の燃料圧に関する推定の状態である仮燃料圧状態について、これら燃料圧状態の比較を通じて前記判定を行う高圧燃料噴射系の異常判定方法において、前記燃料ポンプによる燃料圧送が終了した直後の所定時期からその次の前記燃料ポンプによる燃料圧送が終了した直後の所定時期までの期間であって前記燃料噴射弁による燃料噴射を含む期間を前記所定の期間としての第1の判定期間とし、前記燃料ポンプによる燃料圧送が終了した直後の所定時期からその次の前記燃料噴射弁による燃料噴射が終了した直後の所定時期までの期間であって前記燃料ポンプによる燃料圧送を含まない期間、または前記燃料噴射弁による燃料噴射が終了した直後の所定時期からその次の前記燃料ポンプによる燃料圧送が終了した直後の所定時期までの期間であって前記燃料噴射弁による燃料噴射を含まない期間を前記所定の期間としての第2の判定期間として、前記第1の判定期間のときにはこれに対応した判定手順による第1の異常判定を行い、前記第2の判定期間のときにはこれに対応した判定手順であって前記第1の異常判定によるものとは別の判定手順による第2の異常判定を行うことを要旨としている。
【0020】
(18)請求項18に記載の発明は、燃料ポンプにより圧送された蓄圧配管内の高圧燃料を燃料噴射弁により内燃機関に噴射供給する高圧燃料噴射系に異常が生じているか否かを判定するものであって、所定の判定期間においての前記蓄圧配管内の燃料圧に関する実際の状態である実燃料圧状態及び前記所定の判定期間においての前記高圧燃料噴射系の動作に基づく前記蓄圧配管内の燃料圧に関する推定の状態である仮燃料圧状態について、これら燃料圧状態の比較を通じて前記判定を行う高圧燃料噴射系の異常判定方法において、前記所定の判定期間に前記燃料ポンプによる燃料圧送及び前記燃料噴射弁による燃料噴射が実行される第1の状態と、前記所定の判定期間に前記燃料ポンプによる燃料圧送及び前記燃料噴射弁による燃料噴射のいずれか一方のみが実行される第2の状態とのそれぞれに対応した各別の判定手順に従って前記判定を行うものであって、前記第1の状態にあるときに前記各別の判定手順の一方による第1の異常判定を行い、この異常判定により異常が生じている旨判定されたことを条件に前記所定の判定期間において前記燃料ポンプによる燃料圧送及び前記燃料噴射弁による燃料噴射のいずれか一方のみが実行されるよう燃料圧送時期と燃料噴射時期との関係を変更し、そのうえで前記第2の状態にあるときに前記各別の判定手順の他方による第2の異常判定を行うことを要旨としている。
(19)請求項19に記載の発明は、請求項18に記載の高圧燃料噴射系の異常判定方法において、前記燃料圧送時期と前記燃料噴射時期との関係の変更を燃料圧送時期の変更のみに基づいて行うことを要旨としている。
【0021】
(20)請求項20に記載の発明は、燃料ポンプにより圧送された蓄圧配管内の高圧燃料を燃料噴射弁により内燃機関に噴射供給する高圧燃料噴射系に異常が生じているか否かを判定するものであって、所定の判定期間においての前記蓄圧配管内の燃料圧に関する実際の状態である実燃料圧状態及び前記所定の判定期間においての前記高圧燃料噴射系の動作に基づく前記蓄圧配管内の燃料圧に関する推定の状態である仮燃料圧状態について、これら燃料圧状態の比較を通じて前記判定を行う高圧燃料噴射系の異常判定方法において、前記所定の判定期間に前記燃料ポンプによる燃料圧送及び前記燃料噴射弁による燃料噴射が実行される第1の状態と、前記所定の判定期間に前記燃料ポンプによる燃料圧送及び前記燃料噴射弁による燃料噴射のいずれか一方のみが実行される第2の状態とのそれぞれに対応した各別の判定手順に従って前記判定を行うものであって、前記第1の状態にあるときに前記各別の判定手順の一方による第1の異常判定を行い、この異常判定により異常が生じている旨判定されたことを条件に前記所定の判定期間において前記燃料ポンプによる燃料圧送及び前記燃料噴射弁による燃料噴射のいずれか一方のみが実行されるか否かを判定し、この判定により前記燃料ポンプによる燃料圧送及び前記燃料噴射弁による燃料噴射のいずれか一方のみが実行される旨の判定結果が得られたことを条件として、そのうえで前記第2の状態にあるときに前記各別の判定手順の他方による第2の異常判定を行うことを要旨としている。
【0022】
(21)請求項21に記載の発明は、燃料ポンプにより圧送された蓄圧配管内の高圧燃料を燃料噴射弁により内燃機関に噴射供給する高圧燃料噴射系に異常が生じているか否かを判定するものであって、所定の判定期間においての前記蓄圧配管内の燃料圧に関する実際の状態である実燃料圧状態及び前記所定の判定期間においての前記高圧燃料噴射系の動作に基づく前記蓄圧配管内の燃料圧に関する推定の状態である仮燃料圧状態について、これら燃料圧状態の比較を通じて前記判定を行う高圧燃料噴射系の異常判定方法において、前記判定期間に前記燃料噴射弁による燃料噴射のみが実行されるよう燃料圧送時期の変更のみに基づいて燃料圧送時期と燃料噴射時期との関係を変更した後に前記判定を行うことを要旨としている。
(22)請求項22に記載の発明は、請求項21に記載の高圧燃料噴射系の異常判定方法において、前記燃料圧送時期の変更として、前記燃料ポンプによる燃料圧送が終了してからその次の前記燃料ポンプによる燃料圧送が開始するまでの期間に前記燃料噴射弁による燃料噴射が含まれないよう前記燃料ポンプによる燃料吸入の終了時期を早めることを要旨としている。
(23)請求項23に記載の発明は、請求項22に記載の高圧燃料系の異常判定方法において、前記高圧燃料噴射系の異常として燃料ポンプの圧送能力の低下が生じている旨判定されたことを条件に前記燃料吸入の終了時期にかかる制限を解除することを要旨としている。
【0023】
(24)請求項24に記載の発明は、燃料ポンプにより圧送された蓄圧配管内の高圧燃料を燃料噴射弁により内燃機関に噴射供給する高圧燃料噴射系に異常が生じているか否かを判定する高圧燃料噴射系の異常判定装置において、請求項1〜23のいずれか一項に記載の異常判定方法により前記異常が生じているか否かの判定を行うことを要旨としている。
【0024】
以下、上記手段による作用効果ついて記載する。
・上記(1)〜(5)のいずれかまたは(12)または(14)または(17)または(18)または(20)に記載の異常判定方法またはこれらのいずれかを含む異常判定方法では、異常を判定する判定期間に燃料ポンプの燃料圧送及び燃料噴射弁の燃料噴射の双方が実行される場合であれ、同判定期間において燃料圧送及び燃料噴射の何れか一方のみが実行される場合であれ、それぞれ対応した各別の判定手順に従って異常が判定されるため、その判定についての誤判定が回避されるようになる。また、こうした異常判定を行わないときの燃料圧送時期や燃料噴射時期の変更可能な範囲が制限されることはなく、機関側の要求等に応じた最適な時期にこれら各時期を設定することも可能になる。
従って、当該異常判定方法によれば、燃料圧送時期や燃料噴射時期の変更可能な範囲を拡大でき、且つ高圧燃料噴射系の異常を正確に判定することができるようになる。尚、上記のように実燃料圧状態と仮燃料圧状態との比較のもとに異常を判定する際の態様には、蓄圧配管の燃料圧変化量についての実測値と推定値との比較結果に基づいて異常を判定する態様の他、同燃料圧の変化速度や変化パターンについての実測値と推定値との比較結果に基づいて異常を判定する態様も含まれる。
【0025】
・上記(15)または(18)に記載の異常判定方法またはこれらのいずれかを含む異常判定方法において、燃料ポンプの燃料圧送に係る異常及び燃料噴射弁の燃料噴射に係る異常の少なくとも一方が発生している場合、第1の異常判定により異常がある旨判定される。そして、このように第1の異常判定により異常がある旨判定されると、上記判定期間に燃料圧送及び燃料噴射の何れか一方のみが実行されるように燃料圧送時期と燃料噴射時期との関係が変更され、その後に第2の異常判定が行われる。従って、この第2の異常判定は、燃料ポンプの燃料圧送に係る異常及び燃料噴射弁の燃料噴射に係る異常の少なくとも一方が発生していることを前提として行われることとなる。
そして、例えば判定期間に燃料圧送のみが実行されるときに第2の異常判定が行われ、異常がある旨判定される場合には、燃料ポンプの燃料圧送に係る異常が発生していると判断することができ、異常がない旨判定される場合には、燃料噴射弁の燃料噴射に係る異常が発生していると判断することができる。同様に、判定期間に燃料噴射のみが実行されるときに第2の異常判定が行われ、異常がある旨判定される場合には、燃料噴射に係る異常が発生していると判断することができ、異常がない旨判定される場合には、燃料圧送に係る異常が発生していると判断することができる。また、第1の異常判定において異常がない旨判定される場合には、燃料圧送に係る異常及び燃料噴射に係る異常は何れも発生していないと判断され、燃料圧送時期と燃料噴射時期との関係は変更されず、従って燃料圧送時期や燃料噴射時期の変更可能な範囲が制限されることはない。
このように、当該異常判定方法によれば、更に高圧燃料噴射系の異常として燃料ポンプの燃料圧送に係る異常が発生しているのか、或いは燃料噴射弁の燃料噴射に係る異常が発生しているのかを判断することができるようになる。また、第2の異常判定を行う前に燃料圧送時期と燃料噴射時期との関係が変更されるとはいえ、こうした変更は燃料圧送に係る異常や燃料噴射に係る異常が発生しているときに限って行われるため、燃料圧送時期や燃料噴射時期の変更可能な範囲が制限されるのを極力回避することができる。
【0026】
・上記(16)または(20)に記載の異常判定方法またはこれらのいずれかを含む異常判定方法において、燃料ポンプの燃料圧送に係る異常及び燃料噴射弁の燃料噴射に係る異常の少なくとも一方が発生している場合、第1の異常判定により異常がある旨判定される。このように第1の異常判定により異常がある旨判定されると、上記判定期間に燃料圧送及び燃料噴射の何れか一方のみが実行されるかが判断され、それらのうち一方のみが実行されたことを条件に第2の異常判定が行われる。そして、上記(11)または(14)に記載の異常判定方法またはこれらのいずれかを含む異常判定方法と同様にして、この第2の異常判定により燃料ポンプの燃料圧送に係る異常が発生しているか、或いは燃料噴射弁の燃料噴射に係る異常が発生しているかが判断される。また、この第2の異常判定は上記判定期間に燃料圧送及び燃料噴射の何れか一方のみが実行されることが判断されたことを条件にして行われるため、同異常判定を行うにあたり燃料圧送時期や燃料噴射時期の変更可能な範囲が制限されることはない。
このように、当該異常判定方法によれば、更に高圧燃料噴射系の異常として燃料ポンプの燃料圧送に係る異常が発生しているのか、或いは燃料噴射弁の燃料噴射に係る異常が発生しているのかを判断することができるようになる。また、異常判定を行わない場合のみならず、同判定を行う場合であっても燃料圧送時期や燃料噴射時期の変更可能な範囲が制限されることがないため、同範囲を確実に拡大することができるようにもなる。
【0027】
・上記(21)の異常判定方法では、異常を判定する判定期間に燃料噴射弁の燃料噴射のみが実行されるように燃料圧送時期と燃料噴射時期との関係を変更した後に異常判定を行うようにしているため、燃料圧送に伴う燃料状態変化と、燃料噴射に伴う燃料状態変化との干渉に起因する誤判定が回避されるようになる。また、燃料圧送時期と燃料噴射時期との関係を変更するとはいえ、その変更は異常判定を行う際に限られるため、燃料圧送時期や燃料噴射時期の変更可能な範囲が常に制限されることはなく、異常判定を行わないときには、機関側の要求等に応じた最適な時期にこれら各時期を設定することが可能になる。
このように当該異常判定方法によれば、燃料圧送時期や燃料噴射時期の変更可能な範囲を拡大でき、且つ高圧燃料噴射系の異常を正確に判定することができるようになる。
他方、燃料圧送時期を変更した場合、その変更に伴って燃料噴射時における蓄圧配管内の燃料圧が変化しなければ機関燃焼状態に悪影響を及ぼすことは殆どない。これに対して、燃料噴射時期を変更した場合には、その変更に伴って機関燃焼状態の悪化を招くおそれがある。この点、上記異常判定方法によれば、燃料圧送時期及び燃料噴射時期の関係を変更するに際して燃料圧送時期のみを変更するようにしているため、上記変更に伴う機関燃焼状態の悪化を極力回避することができるようになる。
【0031】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]
以下、本発明に係る異常判定方法を4気筒直噴式ディーゼルエンジン(以下、単に「エンジン」という)に備えられた高圧燃料噴射系に適用するようにした第1の実施形態について説明する。
【0032】
図1は、エンジン10及びその高圧燃料噴射系の概略構成を示している。
同図に示すように、この高圧燃料噴射系は、エンジン10の各気筒#1〜#4に対応してそれぞれ設けられたインジェクタ12、これら各インジェクタ12が接続されたコモンレール20、燃料タンク14内の燃料をコモンレール20に圧送する燃料ポンプ30、及び電子制御装置(以下、「ECU」という)60を備えて構成されている。
【0033】
コモンレール20は燃料ポンプ30から供給される燃料を所定圧力に蓄圧する機能を有するものであり、その内部の燃料圧(レール圧)に基づいてインジェクタ12の燃料噴射圧が決定される。
【0034】
このコモンレール20にはリリーフバルブ22が取り付けられている。このリリーフバルブ22は、何らかの異常によりレール圧が予め設定されている上限設定圧以上にまで上昇したときに開弁状態となり、レール圧を強制的に低下させる。
【0035】
インジェクタ12はECU60により開閉駆動される電磁弁であり、コモンレール20から供給される燃料を各気筒#1〜#4の燃焼室(図示略)内に噴射する。これら各インジェクタ12はリリーフ通路21によって燃料タンク14にも接続されている。インジェクタ12が全て閉弁状態となっている場合でも、コモンレール20から各インジェクタ12に供給される燃料の一部は、インジェクタ12の内部に定常的にリークしており、このようにリークした燃料はリリーフ通路21を通じて燃料タンク14に戻されるようになっている。
【0036】
ECU60は燃料ポンプ30の燃料圧送や、インジェクタ12の燃料噴射に係る制御を実行するものであり、各種制御プログラムや関数データ等が記憶されるメモリ64、各種演算処理を実行するCPU62等を備えて構成されている。
【0037】
また、このECU60にはエンジン10の運転状態やコモンレール20内の燃料圧等を検出するための各種センサが接続されており、これら各センサからの検出信号がそれぞれ入力される。
【0038】
例えば、エンジン10のクランクシャフト(図示略)の近傍には回転数センサ65が、カムシャフト(図示略)の近傍には気筒判別センサ66がそれぞれ設けられている。ECU60はこれら各センサ65,66から入力される検出信号に基づいてクランクシャフトの回転速度(機関回転速度NE)と、同クランクシャフトの回転角度(クランク角CA)とをそれぞれ検出する。
【0039】
また、アクセルペダル(図示略)の近傍にはアクセルセンサ67が設けられており、同アクセルセンサ67からはアクセルペダルの踏込量(アクセル開度ACCP)に応じた検出信号が出力される。コモンレール20には燃圧センサ68が設けられており、同燃圧センサ68からはレール圧に応じた検出信号が出力される。燃料ポンプ30の吐出ポート38近傍には燃温センサ69が設けられており、同燃温センサ69からは燃料の温度(燃料温THF)に応じた検出信号が出力される。ECU60はこれら各センサ67〜69からの検出信号に基づいてアクセル開度ACCP、レール圧、及び燃料温THFをそれぞれ検出する。
【0040】
燃料ポンプ30は、エンジン10のクランクシャフトにより回転駆動されるドライブシャフト40、ドライブシャフト40の回転に基づいて作動するフィードポンプ31、ドライブシャフト40に形成された環状のカム42によって駆動される一対のサプライポンプ(第1のサプライポンプ50a及び第2のサプライポンプ50b)等を備えている。
【0041】
フィードポンプ31は燃料タンク14内の燃料を吸入通路24を通じて吸入ポート34から吸入するとともに、その燃料を所定のフィード圧をもって第1のサプライポンプ50a及び第2のサプライポンプ50bにそれぞれ供給する。このように吸入ポート34から吸入された燃料のうち、各サプライポンプ50a,50bの何れにも供給されない余剰燃料は、リリーフポート36からリリーフ通路21を通じて燃料タンク14に戻されるようになっている。
【0042】
第1のサプライポンプ50a及び第2のサプライポンプ50bは何れも、いわゆるインナカム式のポンプであり、フィードポンプ31から供給される燃料をプランジャ(図示略)の往復動に基づいて更に高圧(例えば25〜180MPa)に加圧し、その加圧した燃料を吐出ポート38から吐出通路23を通じてコモンレール20に圧送する。
【0043】
燃料ポンプ30には、これら各サプライポンプ50a,50bの燃料圧送量を調整するための第1の調整弁70a及び第2の調整弁70bが設けられている。これら各調整弁70a,70bは何れもECU60により通電駆動される電磁弁である。
【0044】
図2は、定常時におけるレール圧の変化態様、各サプライポンプ50a,50bによる燃料の吸入・圧送タイミング、燃料噴射タイミング等を示すタイミングチャートである。
【0045】
同図(a)に示すように、レール圧は、各インジェクタ12による燃料噴射(同図(b)参照)と、各サプライポンプ50a,50bによる燃料圧送(同図(d),(f)参照)とが実行されることにより変動している。また、燃料圧送や燃料噴射が行われていない期間においてもレール圧が僅かに減少しているが、これは前述したようにコモンレール20から各インジェクタ12に供給される燃料の一部が、リリーフ通路21を通じて燃料タンク14に戻されているためである。
【0046】
同図(d),(f)に示すように、各サプライポンプ50a,50bによる燃料の吸入は、各ポンプ50a,50b毎で位相が180°CA(CA:Crank Angle)ずれた状態で交互に行われている。これら各サプライポンプ50a,50bによる燃料の圧送に関しても同様に、位相が180°CAずれた状態で交互に行われている。
【0047】
同図(c),(e)に示すように、各調整弁70a,70bは、各サプライポンプ50a,50bの吸入行程中に開弁して燃料の吸入を開始させる一方、所定の時期(クランク角CA)に閉弁してその燃料の吸入を停止させる。こうして吸入された燃料は全て、吸入行程に続く圧送行程において加圧され、各サプライポンプ50a,50bからコモンレール20に圧送される。
【0048】
このように各サプライポンプ50a,50bから圧送される燃料の量は、吸入行程中における各調整弁70a,70bの閉弁時期(クランク角CA)の変更に基づいて調節される。
【0049】
例えば、同図(c),(d)に一点鎖線で示すように、第1の調整弁70aの閉弁時期を遅らせ(遅角させ)てその開弁期間を増大させると、第1のサプライポンプ50aの燃料吸入期間が長くなり、燃料吸入量が増大するようになる。そして、その閉弁時期の遅角分だけ圧送開始時期が早められ(進角され)て燃料圧送期間が長くなる結果、燃料圧送量が増加するようになる。
【0050】
これに対して、同図(c),(d)に二点鎖線で示すように、第1の調整弁70aの閉弁時期を進角させてその開弁期間を減少させると、第1のサプライポンプ50aの燃料吸入期間が短くなり、燃料吸入量が減少するようになる。そして、その閉弁時期の進角分だけ圧送開始時期が遅角され燃料圧送期間が短くなる結果、燃料圧送量が減少するようになる。
【0051】
第2のサプライポンプ50b(同図(f)参照)に関しても同様に、第2の調整弁70b(同図(e)参照)の閉弁時期を遅角或いは進角させることにより、その燃料圧送量を増減させることができる。
【0052】
また、このように燃料圧送量を変更する際には、燃料吸入の終了時期及び燃料圧送の開始時期がそれぞれ変更されるが、燃料吸入の開始時期及び燃料圧送の終了時期については何れも常に一定の時期(クランク角CA)に設定されている。また、燃料ポンプ30の単位クランク角CA当たりの燃料圧送量は、燃料圧送の開始時期等によらず一定に設定されている。従って、各調整弁70a,70bの閉弁時期から燃料圧送の開始時期及び燃料圧送期間(クランク角CA)をそれぞれ求めることができ、更にこの燃料圧送期間に基づいて一回の燃料圧送についての燃料圧送量を求めることができる。
【0053】
因みに、こうした燃料ポンプ30の燃料圧送量は、燃料ポンプ30の燃料圧送が終了した直後に検出されるレール圧の値(以下、「圧送後燃料圧PCRP」という)と、機関運転状態に基づいて設定されるレール圧の目標圧とに基づいて、ECU60によりフィードバック制御されている。
【0054】
例えば、圧送後燃料圧PCRPが目標圧よりも低い場合には、燃料噴射量及び燃料リーク量の総和よりも多い量の燃料が圧送されるように燃料ポンプ30が制御され、逆に圧送後燃料圧PCRPが目標圧よりも高い場合には、燃料噴射量及び燃料リーク量の総和よりも少ない量の燃料が圧送されるように燃料ポンプ30が制御される。従って、こうした圧送後燃料圧PCRPと目標圧とが異なる過渡時にあっては、圧送後燃料圧PCRPは徐々に増大或いは減少して目標圧に近づくように変化する。これに対して、圧送後燃料圧PCRPと目標圧とが等しい場合には、燃料噴射量及び燃料リーク量の総和と等しい量の燃料が圧送されるように燃料ポンプ30が制御される。従って、こうした圧送後燃料圧PCRPと目標圧とが等しい定常時にあっては、例えば図2(a)に示すように、圧送後燃料圧PCRPは略一定の値に保持されるようになる。
【0055】
同図(g)は、この圧送後燃料圧PCRPの検出タイミングを示している。同図(g)に示すように、その検出タイミングは燃料ポンプ30による燃料圧送が終了した直後の所定タイミング(例えばクランク角CAが同図においてCAA0,CAA1,CAA2,CAA3,・・に達する時期)に設定されている。
【0056】
また、同図(h)は噴射後燃料圧PCRIの検出タイミングを示している。この噴射後燃料圧PCRIは、各気筒#1〜#4での燃料噴射が終了した後のレール圧の値であり、その検出タイミングは機関運転状態に応じて燃料噴射時期や燃料噴射期間が変更された場合でも常に、燃料噴射終了後のタイミング(例えばクランク角CAが同図においてCAB1,CAB2,CAB3,・・・に達する時期)となるように設定されている。
【0057】
これら圧送後燃料圧PCRP及び噴射後燃料圧PCRIは何れも、ECU60によって所定のクランク角(180°CA)毎に実行される各別の処理ルーチンを通じて検出され、同ECU60のメモリ64に記憶されている。
【0058】
次に、上記高圧燃料噴射系の異常判定処理について説明する。この異常判定処理では、レール圧変化量の実測値と、燃料圧送量等に基づいて推定される同レール圧変化量の推定値とを比較することにより、高圧燃料噴射系の異常を判定するようにしている。
【0059】
以下、こうした異常判定の詳細な処理手順について、図3及び図4に示すフローチャートを参照して詳細に説明する。このフローチャートに示す「異常判定ルーチン」は、ECU60によって所定クランク角毎(180°CA毎)の割込処理として実行され、また、その割込タイミングは圧送後燃料圧PCRPの検出タイミング(図2に示すタイミングCAA0〜CAA3)に設定されている。
【0060】
まず、ECU60は、ステップ110において、圧送後燃料圧PCRP、同燃料圧PCRPの前回値PCRPOLD、及び噴射後燃料圧PCRIをそれぞれメモリ64から読み込んだ後、ステップ120において、異常判定禁止条件が成立しているか否かを判断する。ここでの異常判定禁止条件としては、燃圧センサ68に異常が発生していること、機関回転速度NEが所定回転数(例えばアイドル回転数)以下であること、無効噴射制御が実行されていること等々が挙げられる。これら異常判定禁止条件が成立している場合には正確な異常判定を行うことができないため、ECU60は本ルーチンを一旦終了する。因みに、上記無効噴射制御とは、各インジェクタ12をその無効噴射期間内で駆動することによりレール圧の排圧を行って同レール圧を目標圧近傍にまで低下させる制御である。
【0061】
一方、異常判定禁止条件が成立していない場合、ECU60は、ステップ130において仮異常フラグXTFAILが「ON」であるか否かを判断する。この仮異常フラグXTFAILは、高圧燃料噴射系に異常が発生していることを示すフラグであり、後述する第1の異常判定を通じて燃料ポンプ30やインジェクタ12等に異常が発生していると判定される場合に「ON」に設定される。
【0062】
この仮異常フラグXTFAILが「OFF」である場合、即ち前回行われた異常判定処理では異常が検出されていないと判断した場合、ECU60は、次のステップ140〜160の各処理を通じて第1の異常判定を実行する。
【0063】
まず、ステップ140において、ECU60は以下の演算式(1)に従って実燃料圧変化量△PCRを算出する。
△PCR=PCRP−PCRPOLD ・・・(1)
PCRP:圧送後燃料圧
PCRPOLD:圧送後燃料圧PCRPの前回値
例えば、今回の割込タイミングが図2に示すタイミングCAA2である場合、このタイミングCAA2で検出された圧送後燃料圧PCRPと、前回の割込タイミングであるタイミングCAA1で検出された圧送後燃料圧PCRPの前回値PCRPOLDとの偏差(PCRP−PCRPOLD)が上記実燃料圧変化量△PCRとして算出されることとなる。
【0064】
こうして算出される実燃料圧変化量△PCRは、図2に示すように、圧送後燃料圧PCRPの検出タイミング(CAA0,CAA1,CAA2,CAA3,・・・)間における各期間(CAA0〜CAA1,CAA1〜CAA2,CAA2〜CAA3,・・・。以下、「第1の異常判定期間APCR1」という)での実際のレール圧変化量に相当している。この第1の異常判定期間APCR1では、燃料圧送や燃料噴射が他の制御によって停止されない限り、燃料圧送及び燃料噴射の双方が実行されている。従って、上記実燃料圧変化量△PCRは、この第1の異常判定期間APCR1での燃料噴射及び燃料リークによるレール圧の低下分と、同期間APCR1での燃料圧送によるレール圧の上昇分とに応じて変化するものとなっている。
【0065】
次に、ECU60は処理をステップ150に移行し、以下の手順に従って推定燃料圧変化量△PCRCALを算出する。この推定燃料圧変化量△PCRCALは、第1の異常判定期間APCR1でのレール圧変化量の推定値であり、ここでは同期間APCR1における燃料圧送量、燃料噴射量、及び燃料リーク量に基づいて推定される。
【0066】
ECU60は、まず各調整弁70a,70bの閉弁時期指令値に基づいて燃料ポンプ30の燃料圧送量QPUMPを算出する。尚、燃料圧送量QPUMPは燃料圧送が開始される以前の吸入行程で設定された各調整弁70a,70bの閉弁時期に基づいて変化するため、ここで燃料圧送量QPUMPを算出するに際しては、本ルーチンの割込タイミングよりも以前に設定された閉弁時期指令値が用いられる。
【0067】
例えば、ECU60は、今回の割込タイミングが図2に示すタイミングCAA2であり、同タイミングCAA2の直前まで行われていた燃料圧送が第2のサプライポンプ50bによるものである場合には、タイミングCAA0からタイミングCAA1までの期間に設定された第2の調整弁70bに対する閉弁時期指令値に基づいて燃料圧送量QPUMPを算出する。同様に、今回の割込タイミングが、タイミングCAA3であり、同タイミングCAA3の直前まで行われていた燃料圧送が第1のサプライポンプ50aによるものである場合には、タイミングCAA1からタイミングCAA2までの期間に設定された第1の調整弁70aに対する閉弁時期指令値に基づいて燃料圧送量QPUMPを算出する。
【0068】
次に、ECU60は、クランク角CAとして定義されている第1の異常判定期間APCR1を機関回転速度NEに基づいて時間に換算し、その時間換算値と圧送後燃料圧PCRP、燃料温THFに基づいて燃料リーク量QLEAKを算出する。これら時間換算値等と燃料リーク量QLEAKとの関係は予め実験等により求められ、同燃料リーク量QLEAKの算出用データとしてECU60のメモリ64に記憶されている。
【0069】
更に、ECU60は、燃料噴射量QINJをメモリ64から読み込む。この燃料噴射量QINJは、本ルーチンとは別の燃料噴射制御ルーチンにおいて、アクセル開度ACCP及び機関回転速度NE等に基づいて設定され、メモリ64に記憶されている値である。
【0070】
そして、ECU60は、以下の演算式(2)に従って、これら燃料圧送量QPUMP、燃料リーク量QLEAK、及び燃料噴射量QINJから推定燃料圧変化量△PCRCALを算出する。
【0071】
△PCRCAL
=E・(QPUMP−QLEAK−QINJ)/VCR ・・・(2)
E:体積弾性係数
VCR:コモンレール20の容積
尚、上記体積弾性係数Eは、コモンレール20内の燃料の体積弾性係数であり、圧送後燃料圧PCRP及び燃温THFに基づいて本ルーチンとは別の処理ルーチンを通じて算出される値である。
【0072】
こうして実燃料圧変化量△PCR及び推定燃料圧変化量△PCRCALをそれぞれ算出した後、ECU60はステップ160において、推定燃料圧変化量△PCRCALと実燃料圧変化量△PCRとの偏差(△PCRCAL−△PCR)と第1の判定値α(>0)とを比較する。
【0073】
この第1の判定値αは、高圧燃料噴射系に、
(イ)燃料ポンプ30の圧送量が不足(燃料ポンプ30の圧送能力低下)
(ロ)インジェクタ12の燃料噴射量が過大(過剰噴射)
(ハ)インジェクタ12等からの燃料リーク量が過大(燃料洩れ)
といった異常が発生しているか否かを判定するためのものである。これら(イ)〜(ハ)の各異常のうち何れかが発生すると、レール圧が例えば図5(a)〜(c)の実線(正常時におけるレール圧の変化態様を同図に二点鎖線で示す)で示すように変化し、実燃料圧変化量△PCRが正常時よりも減少するようになるため、上記偏差(△PCRCAL−△PCR)が増大するようになる。従って、この偏差(△PCRCAL−△PCR)が上記第1の判定値α以上になった場合には、(イ)〜(ハ)の各異常のうち何れかが発生したものと判断することができる。因みに、上記(ハ)の燃料洩れとしては、インジェクタ12の燃料リーク量が過大になった場合の他、例えばコモンレール20内の燃料がリリーフバルブ22から漏れて燃料タンク14に戻されているような場合も含まれる。
【0074】
このステップ160において高圧燃料噴射系に異常が発生していないと判断すると、ECU60は本ルーチンを一旦終了する。
一方、高圧燃料噴射系に異常がある旨判断すると(ステップ160:YES)、ECU60は、ステップ170に処理を移行し、前記仮異常フラグXTFAILを「ON」に設定する。
【0075】
そして、ステップ180において、燃料圧送の開始時期が常に噴射後燃料圧PCRIの検出タイミング(図2のタイミングCAB1,CAB2,CAB3,・・・)よりも遅角側となるように、燃料ポンプ30における燃料吸入の終了時期、即ち各調整弁70a,70bの閉弁時期を制限する。
【0076】
このように燃料吸入の終了時期が制限されることによって、圧送後燃料圧PCRPの検出タイミング(CAA0,CAA1,CAA2,CAA3,・・・)から噴射後燃料圧PCRIの検出タイミング(CAB1,CAB2,CAB3,・・・)までの間の各期間(CAA0〜CAB1,CAA1〜CAB2,CAA2〜CAA3,・・・。以下、「第2の異常判定期間APCR2」という)では、燃料圧送は実行されず、燃料噴射のみが実行されるようになる。尚、こうした燃料吸入に係る制限は、後述するステップ280において同制限が解除されるまで継続される。
【0077】
また、上記のように仮異常フラグXTFAILが「ON」に設定されると、先のステップ130において肯定判断されるようになる。この場合、ECU60は処理を図4に示すステップ200に移行する。
【0078】
ステップ200において、ECU60は、カウンタ値CTFAILを「1」だけインクリメントする。このカウンタ値CTFAILは、仮異常フラグXTFAILが「ON」に設定され、燃料吸入に係る制限が開始されてからの本ルーチンの起動回数に相当するものである。そして、続くステップ210において、このカウンタ値CTFAILが「2」に設定されているか否かを判断する。
【0079】
ここでカウンタ値CTFAILが「2」未満である場合には、先のステップ180において開始された燃料吸入に係る制限が、燃料圧送の開始時期の制限として未だ反映されていないため、本ルーチンを一旦終了する。
【0080】
一方、カウンタ値CTFAILが「2」に設定されている場合には、燃料圧送の開始時期が噴射後燃料圧PCRIの検出タイミングよりも遅角側のタイミングに制限されたと判断し、ステップ220でカウンタ値CTFAILを「0」にリセットした後、ステップ230〜250の各処理を通じて第2の異常判定を実行する。
【0081】
まず、ステップ230において、ECU60は以下の演算式(3)に従って実燃料圧変化量△PCRIを算出する。
△PCRI=PCRPOLD−PCRI ・・・(3)
PCRPOLD:圧送後燃料圧PCRPの前回値
PCRI:噴射後燃料圧
例えば、今回の割込タイミングが図2に示すタイミングCAA2である場合、前回の割込タイミングであるタイミングCAA1で検出された圧送後燃料圧PCRPの前回値PCRPOLDと、タイミングCAB2で検出された噴射後燃料圧PCRIとの偏差(PCRPOLD−PCRI)が実燃料圧変化量△PCRIとして算出されることとなる
ここで算出される実燃料圧変化量△PCRIは、上記第2の異常判定期間APCR2での実際のレール圧変化量に相当している。第2の異常判定期間APCR2では燃料噴射のみが実行されるため、この実燃料圧変化量△PCRIは第2の異常判定期間APCR2での燃料噴射及び燃料リークによるレール圧の低下分にのみ応じて変化するものとなる。
【0082】
次に、ECU60は処理をステップ240に移行し、第2の異常判定期間APCR2での燃料噴射量QINJ及び燃料リーク量QLEAKに基づいて推定燃料圧変化量△PCRICALを推定する。この推定燃料圧変化量△PCRCALは、第2の異常判定期間APCR2でのレール圧変化量の推定値であり、以下の演算式(4)に従って算出される。
【0083】
△PCRICAL
=E・(QLEAK+QINJ)/VCR ・・・(4)
E:体積弾性係数
VCR:コモンレール20の容積
こうして実燃料圧変化量△PCRI及び推定燃料圧変化量△PCRICALをそれぞれ算出した後、ECU60はステップ250において、実燃料圧変化量△PCRI及び推定燃料圧変化量△PCRICALの偏差(△PCRI−△PCRICAL)と第2の判定値β(>0)とを比較する。
【0084】
この第2の判定値βは、高圧燃料噴射系に発生している異常が、
(a)燃料ポンプ30の圧送能力低下
(b)過剰噴射又は燃料洩れ
の何れかであるかを判定するためのものである。例えば、第1の異常判定で判定された異常が、上記(a)の燃料ポンプ30の圧送能力低下によるものであり、上記(b)の過剰噴射又は燃料洩れが発生していない場合、実燃料圧変化量△PCRIと推定燃料圧変化量△PCRICALとは略等しくなるため、上記偏差(△PCRI−△PCRICAL)は略「0」となる。一方、第1の異常判定で判定された異常が、上記(b)の過剰噴射又は燃料洩れによるものである場合、実燃料圧変化量△PCRIは推定燃料圧変化量△PCRICALよりも大きくなり上記偏差(△PCRI−△PCRICAL)は増大するようになる。
【0085】
従って、第2の判定値βを適宜設定することにより、上記偏差(△PCRI−△PCRICAL)が第2の判定値βよりも小さい場合には、燃料ポンプ30の圧送能力が低下していると判定することができ、上記偏差(△PCRI−△PCRICAL)が第2の判定値βよりも大きい場合には、過剰噴射又は燃料洩れが発生していると判定することができる。
【0086】
因みに、この第2の判定値βは、「0」よりも大きく且つ上記第1の判定値αよりも小さい値(0<β<α)に設定されている。第1の判定値αは燃料圧送量QPUMP、燃料噴射量QINJ、及び燃料リーク量QLEAKの推定誤差を予め見越して設定されるのに対して、この第2の判定値βの設定に際しては、燃料圧送量QPUMPの推定誤差を考慮する必要がない。このため、第1の判定値α及び第2の判定値βは、上記のような大小関係が満たされるようにそれぞれ設定されている。
【0087】
ステップ250において、燃料洩れ又は過剰噴射が発生していると判定した場合(ステップ250:YES)、ECU60は処理をステップ260に移行し、この異常内容に対応した第1の異常フラグXFAIL1を「ON」に設定する。そして、続くステップ270では、過剰噴射や燃料洩れが発生したまま機関運転が継続されるのを回避すべく、燃料噴射を停止させてエンジン10の運転を強制的に停止させる。その後、ECU60は本ルーチンを一旦終了する。
【0088】
一方、ステップ250において、燃料ポンプ30の圧送能力が低下していると判定した場合(ステップ250:NO)、ECU60は処理をステップ265に移行し、この異常内容に対応した第2の異常フラグXFAIL2を「ON」に設定する。そして、ECU60は、続くステップ280において燃料吸入終了時期の制限を解除する。そして、ECU60は、ステップ290において仮異常フラグXTFAILを「OFF」にリセットした後、本ルーチンを一旦終了する。
【0089】
以上説明したように、本実施形態に係る異常判定処理では、燃料圧送及び燃料噴射の双方が実行される第1の異常判定期間APCR1では、上記演算式(2)に従って推定燃料圧変化量△PCRCALを算出し、この推定燃料圧変化量△PCRCALと実燃料圧変化量△PCRとの偏差(△PCRCAL−△PCR)と第1の異常判定値αとを比較して異常判定(第1の異常判定)を行うようにしている。一方、燃料噴射のみが実行される第2の異常判定期間APCR2では、上記演算式(4)に従って推定燃料圧変化量△PCRICALを算出し、この推定燃料圧変化量△PCRICALと実燃料圧変化量△PCRIとの偏差(△PCRI−△PCRICAL)と第2の異常判定値βとを比較して異常判定(第2の異常判定)を行うようにしている。
【0090】
このように燃料圧送及び燃料噴射の双方が実行される第1の異常判定期間APCR1と燃料噴射のみが実行される第2の異常判定期間APCR2とにそれぞれ対応した判定手順に従って異常を判定することにより、その判定についての誤判定が回避されるようになる。また、こうした異常判定を行わないときには、燃料圧送時期や燃料噴射時期の変更可能な範囲が制限されてしまうことがないため、機関側の要求等に応じた最適な時期にこれら各時期を設定することが可能になる。
【0091】
(1)従って、上記異常判定処理によれば、燃料圧送時期や燃料噴射時期の変更可能な範囲を拡大でき、且つ高圧燃料噴射系の異常を正確に判定することができるようになる。
【0092】
(2)更に、上記異常判定処理によれば、単に高圧燃料噴射系の異常の有無だけではなく、燃料ポンプ30の圧送能力が低下しているのか、或いは過剰噴射又は燃料洩れが発生しているのかまで判断することができるようになる。その結果、こうした異常の内容に対応した適切なフェイルセイフ処理を実行することができるようになり、メンテナンス時の故障解析を容易なものとすることも可能になる。
【0093】
(3)また、上記異常判定処理では、第2の異常判定の前処理として燃料圧送時期と燃料噴射時期との関係が変更されるとはいえ、こうした変更は、第1の異常判定において異常がある旨判断されるときに限って行われる。このため、異常判定処理の実行により燃料圧送時期や燃料噴射時期の変更可能な範囲が頻繁に制限されてしまうのを極力回避することができるようになる。
【0094】
(4)特に、上記のように燃料圧送時期と燃料噴射時期との関係を変更するにあたり、機関燃焼状態に対して影響を与え易い燃料噴射時期については変更せず、燃料吸入の終了時期に対してのみ制限を与えるようにしているため、機関燃焼状態の悪化を極力回避することができ、機関出力の低下や排気性状の悪化等々を抑制することができる。
【0095】
(5)更に、上記異常判定処理を燃料圧送及び燃料噴射が実行される度毎に実行するようにしているため、高圧燃料噴射系に異常が発生したことをより早い時期に判定することができるようになる。
【0096】
[第2の実施形態]
次に、本発明に係る第2の実施形態について上記第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0097】
第1の実施形態では、第1の異常判定において異常がある旨判定したときに、第2の異常判定の前処理として燃料吸入の終了時期を制限するようにしたが、本実施形態では、こうした制限に代えて、第2の異常判定期間APCR2に燃料噴射のみが実行されるか否かを判断し、燃料噴射のみが実行されると判断したときにのみ、第2の異常判定を実行するようにしている。
【0098】
図6及び図7は、こうした本実施形態における異常判定の処理手順を示すフローチャートである。以下、これら各図を参照して本実施形態の異常判定処理について詳細に説明する。尚、これら図6及び図7において、先の図3及び図4と同一の符号を付したステップについては処理内容が同一であるため説明を省略する。
【0099】
ECU60は、図6に示すステップ110〜ステップ150の処理を実行した後、ステップ160にて高圧燃料噴射系に異常が発生していると判断すると、ステップ170において仮異常フラグXTFAILを「ON」に設定する。このように仮異常フラグXTFAILが「ON」に設定されると、ECU60はステップ130から処理を図7に示すステップ215に移行する。
【0100】
そして、ステップ215において、ECU60は、第2の異常判定期間APCR2において燃料噴射のみが実行されるか否か、換言すれば、燃料圧送の開始時期が第2の異常判定期間APCR2が経過した後の時期に設定されているか否かを判断する。ここで、第2の異常判定期間APCR2において燃料圧送及び燃料噴射の双方が実行されると判断すると、ECU60は本ルーチンを一旦終了する。
【0101】
一方、ステップ215において第2の異常判定期間APCR2に燃料噴射のみが実行されると判断すると、ECU60は、ステップ230以降の処理を通じて第2の異常判定を実行するとともに、異常の内容に対応した各異常フラグXFAIL1,XFAIL1を「ON」に設定し、必要に応じてエンジン10の運転を強制的に停止させた後、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0102】
以上説明した本実施形態の異常判定処理によれば、第2の異常判定期間APCR2に燃料噴射のみが実行されるか否かを判断し、燃料噴射のみが実行されると判断したことを条件に第2の異常判定を実行するようにしている。
【0103】
従って、上記第1の実施形態において記載した(1),(2),(4),(5)の作用効果に加えて、
(6)異常判定を行わない場合のみならず、同異常判定を行う場合であっても燃料圧送時期や燃料噴射時期の変更可能な範囲が制限されることがないため、同範囲を確実に拡大することができるようになる。
【0104】
[その他の実施形態]
以上説明した各実施形態の異常判定処理は以下のようにその処理手順を変更して実施することもできる。
【0105】
・上記第1の実施形態では、第1の異常判定において異常がある旨判断したことを条件に、第2の異常判定期間APCR2に燃料噴射のみが実行されるように燃料圧送時期と燃料噴射時期との関係を変更するようにした。これに対して、異常判定処理時に、こうした変更を常に実行するようにし、第2の異常判定期間APCR2において燃料噴射に係る異常を、噴射後燃料圧PCRIの検出タイミングから次の圧送後燃料圧PCRPの検出タイミングまでの期間(図2のCAB1〜CAA1,CAB2〜CAA2,CAB3〜CAA3,・・の期間)では燃料圧送に係る異常の有無をそれぞれ判断するようにしてもよい。
【0106】
但し、この場合、異常判定処理を前述したタイミング(CAA0,CAA1,CAA2,CAA3,・・)で実行すると、燃料圧送時期或いは燃料噴射時期が常に制限されるようになるため、異常判定処理が実行される回数を制限し、例えば機関始動後の特定の時期にのみ、同異常判定処理を実行するようにする。
【0107】
このように異常判定の処理手順を変更しても、燃料圧送時期や燃料噴射時期の変更可能な範囲を拡大でき、且つ高圧燃料噴射系の異常を正確に判定することができるようになる。
【0108】
・更に、上記異常判定処理において、燃料圧送時期と燃料噴射時期との関係を変更するにあたり、上記第1の実施形態と同様、燃料吸入の終了時期のみを制限するようにすれば、機関燃焼状態の悪化を極力回避することができ、機関出力の低下や排気性状の悪化等々を抑制することができるようになる。
【0109】
・上記第1の実施形態では、第2の異常判定期間APCR2において燃料噴射のみが実行されるように燃料圧送時期と燃料噴射時期との関係を変更する際に、燃料吸入の終了時期を制限するようにしたが、燃料噴射時期を制限するようにし、或いはこれら各時期の双方を制限するようにしてもよい。
【0110】
・上記各実施形態において、第2の異常判定時に、噴射後燃料圧PCRIの検出タイミングから次の圧送後燃料圧PCRPの検出タイミングまでの期間(図2のCAB1〜CAA1,CAB2〜CAA2,CAB3〜CAA3,・・の期間)におけるレール圧変化量を実測するとともに、同期間でのレール圧変化量を燃料圧送量及び燃料リーク量に基づいて推定し、この実測値と推定値との偏差(=推定値−実測値)が所定の判定値を上回ったときに異常と判定するようにしてよい。そして、この場合、第2の異常判定において異常があると判定されれば、燃料ポンプ30の圧送能力が低下している或いは燃料洩れが発生していると異常内容を判断することができ、異常がないと判定されれば、インジェクタ12の過剰噴射が発生していると異常内容を判断することができる。
【0111】
・上記各実施形態では、レール圧の変化量についての実測値と推定値とを比較することにより異常の有無を判定するようにしたが、例えば、レール圧の変化する際の変化速度や変化パターンについての実測値と推定値との比較に基づいて異常の有無を判定するようにしてもよい。
【0112】
・上記各実施形態では、内燃機関としてディーゼルエンジンを例示したが、例えば、燃料を燃焼室に直接噴射する筒内燃料噴射式のガソリンエンジンにおける高圧燃料噴射系の異常判定方法として本発明を適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ディーゼルエンジンの高圧燃料噴射系を示す概略構成図。
【図2】定常時におけるレール圧の変化態様等を示すタイミングチャート。
【図3】第1の実施形態における異常判定の処理手順を示すフローチャート。
【図4】同じく異常判定の処理手順を示すフローチャート。
【図5】異常発生時のレール圧の変化態様等を示すタイミングチャート。
【図6】第2の実施形態における異常判定の処理手順を示すフローチャート。
【図7】同じく異常判定の処理手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
10…エンジン、12…インジェクタ、14…燃料タンク、20…コモンレール、21…リリーフ通路、22…リリーフバルブ、23…吐出通路、24…吸入通路、30…燃料ポンプ、31…フィードポンプ、34…吸入ポート、36…リリーフポート、38…吐出ポート、40…ドライブシャフト、42…カム、59…バッテリ、60…ECU、62…CPU、63…ドライバ、64…メモリ、65…回転数センサ、66…気筒判別センサ、67…アクセルセンサ、68…燃圧センサ、69…水温センサ、50a…第1のサプライポンプ、50b…第2のサプライポンプ、70a…第1の調整弁、70b…第2の調整弁。

Claims (24)

  1. 燃料ポンプにより圧送された蓄圧配管内の高圧燃料を燃料噴射弁により内燃機関に噴射供給する高圧燃料噴射系に異常が生じているか否かを判定するものであって、所定の判定期間においての前記蓄圧配管内の燃料圧に関する実際の状態である実燃料圧状態及び前記所定の判定期間においての前記高圧燃料噴射系の動作に基づく前記蓄圧配管内の燃料圧に関する推定の状態である仮燃料圧状態について、これら燃料圧状態の比較を通じて前記判定を行う高圧燃料噴射系の異常判定方法において、
    前記所定の判定期間に前記燃料ポンプによる燃料圧送及び燃料吸入並びに前記燃料噴射弁による燃料噴射が実行される第1の状態にあるとき、この状態に対応した判定手順による第1の異常判定を行い、前記所定の判定期間に前記燃料ポンプによる燃料圧送及び前記燃料噴射弁による燃料噴射のいずれか一方のみが実行される第2の状態にあるとき、この状態に対応した判定手順であって前記第1の異常判定によるものとは別の判定手順による第2の異常判定を行う
    ことを特徴とする高圧燃料噴射系の異常判定方法。
  2. 燃料ポンプにより圧送された蓄圧配管内の高圧燃料を燃料噴射弁により内燃機関に噴射供給する高圧燃料噴射系に異常が生じているか否かを判定するものであって、所定の判定期間においての前記蓄圧配管内の燃料圧に関する実際の状態である実燃料圧状態及び前記所定の判定期間においての前記高圧燃料噴射系の動作に基づく前記蓄圧配管内の燃料圧に関する推定の状態である仮燃料圧状態について、これら燃料圧状態の比較を通じて前記判定を行う高圧燃料噴射系の異常判定方法において、
    前記所定の判定期間に前記燃料ポンプによる燃料圧送及び前記燃料噴射弁による燃料噴射が実行される第1の状態にあるとき、この状態に対応した判定手順による第1の異常判定を行い、前記所定の判定期間に前記燃料噴射弁による燃料噴射及び前記燃料ポンプによる燃料吸入と前記燃料ポンプによる燃料圧送とのいずれか一方のみが実行される第2の状態にあるとき、この状態に対応した判定手順であって前記第1の異常判定によるものとは別の判定手順による第2の異常判定を行う
    ことを特徴とする高圧燃料噴射系の異常判定方法。
  3. 燃料ポンプにより圧送された蓄圧配管内の高圧燃料を燃料噴射弁により内燃機関に噴射供給する高圧燃料噴射系に異常が生じているか否かを判定するものであって、所定の判定期間においての前記蓄圧配管内の燃料圧に関する実際の状態である実燃料圧状態及び前記所定の判定期間においての前記高圧燃料噴射系の動作に基づく前記蓄圧配管内の燃料圧に関する推定の状態である仮燃料圧状態について、これら燃料圧状態の比較を通じて前記判定を行う高圧燃料噴射系の異常判定方法において、
    前記所定の判定期間にこの期間よりも短い間隔で前記燃料ポンプによる燃料圧送及び前記燃料噴射弁による燃料噴射が実行される第1の状態にあるとき、この状態に対応した判定手順による第1の異常判定を行い、前記所定の判定期間に前記燃料噴射弁による燃料噴射と前記燃料ポンプによる燃料圧送とのいずれか一方のみが実行される第2の状態にあるとき、この状態に対応した判定手順であって前記第1の異常判定によるものとは別の判定手順による第2の異常判定を行う
    ことを特徴とする高圧燃料噴射系の異常判定方法。
  4. 燃料ポンプにより圧送された蓄圧配管内の高圧燃料を燃料噴射弁により内燃機関に噴射供給する高圧燃料噴射系に異常が生じているか否かを判定するものであって、所定の判定期間においての前記蓄圧配管内の燃料圧に関する実際の状態である実燃料圧状態及び前記所定の判定期間においての前記高圧燃料噴射系の動作に基づく前記蓄圧配管内の燃料圧に関する推定の状態である仮燃料圧状態について、これら燃料圧状態の比較を通じて前記判定を行う高圧燃料噴射系の異常判定方法において、
    前記所定の判定期間に前記燃料ポンプによる燃料圧送及び前記燃料噴射弁による燃料噴射が実行される第1の状態にあるとき、この状態に対応した判定手順による第1の異常判定を行い、前記所定の判定期間にこの期間よりも短い間隔で前記燃料噴射弁による燃料噴射が実行される第2の状態にあるとき、この状態に対応した判定手順であって前記第1の 異常判定によるものとは別の判定手順による第2の異常判定を行う
    ことを特徴とする高圧燃料噴射系の異常判定方法。
  5. 燃料ポンプにより圧送された蓄圧配管内の高圧燃料を燃料噴射弁により内燃機関に噴射供給する高圧燃料噴射系に異常が生じているか否かを判定するものであって、所定の判定期間においての前記蓄圧配管内の燃料圧に関する実際の状態である実燃料圧状態及び前記所定の判定期間においての前記高圧燃料噴射系の動作に基づく前記蓄圧配管内の燃料圧に関する推定の状態である仮燃料圧状態について、これら燃料圧状態の比較を通じて前記判定を行う高圧燃料噴射系の異常判定方法において、
    前記所定の判定期間に前記燃料ポンプによる燃料圧送及び前記燃料噴射弁による燃料噴射が実行される第1の状態にあるとき、この状態に対応した判定手順による第1の異常判定を行い、前記所定の判定期間に前記燃料ポンプによる燃料圧送及び前記燃料噴射弁による燃料噴射のいずれか一方のみが実行される第2の状態にあるとき、この状態に対応した判定手順であって前記第1の異常判定によるものとは別の判定手順による第2の異常判定を行うものであって、前記第1の異常判定において前記実燃料圧状態及び前記仮燃料圧状態の算出に用いる演算式と前記第2の異常判定において前記実燃料圧状態及び前記仮燃料圧状態の算出に用いる演算式とが互いに異なる
    ことを特徴とする高圧燃料噴射系の異常判定方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の高圧燃料噴射系の異常判定方法において、
    前記第1の状態についての前記所定の判定期間は、前記燃料ポンプによる燃料圧送が終了した直後の所定時期からその次の前記燃料ポンプによる燃料圧送が終了した直後の所定時期までの期間に相当するものである
    ことを特徴とする高圧燃料噴射系の異常判定方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の高圧燃料噴射系の異常判定方法において、
    前記第2の状態についての前記所定の判定期間は、前記燃料ポンプによる燃料圧送が終了した直後の所定時期からその次の前記燃料噴射弁による燃料噴射が終了した直後の所定時期までの期間に相当するものである
    ことを特徴とする高圧燃料噴射系の異常判定方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の高圧燃料系の異常判定方法において、
    前記高圧燃料噴射系は、前記燃料ポンプとして第1のポンプ及び第2のポンプを備え、第1のポンプによる燃料圧送と第2のポンプによる燃料圧送とを交互に繰り返して行うものであり、
    前記第1の状態についての前記所定の判定期間は、前記第1のポンプ及び前記第2のポンプの一方による燃料圧送が終了した直後の所定時期からその次の前記第1のポンプ及び前記第2のポンプの他方による燃料圧送が終了した直後の所定時期までの期間に相当するものであり、
    前記第2の状態についての前記所定の判定期間は、前記第1のポンプ及び前記第2のポンプの一方による燃料圧送が終了した直後の所定時期からその次の前記燃料噴射弁による燃料噴射が終了した直後の所定時期までの期間に相当するものである
    ことを特徴とする高圧燃料噴射系の異常判定方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の高圧燃料噴射系の異常判定方法において、
    前記第1の異常判定により異常が生じている旨の判定結果が得られたことを条件に前記第2の異常判定により異常が生じているか否かの判定を行う
    ことを特徴とする高圧燃料噴射系の異常判定方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の高圧燃料噴射系の異常判定方法において、
    前記第1の異常判定により異常が生じている旨の判定結果が得られたことをもって前記 高圧燃料噴射系の異常として燃料ポンプの圧送能力の低下及び燃料噴射弁に関する異常のいずれかが生じている旨判定し、その後に前記第2の異常判定により異常が生じているか否かの判定を行い、これにより異常が生じている旨の判定結果が得られたときには前記第2の状態による実燃料圧状態と仮燃料圧状態との差に基づいて、前記判定した異常が燃料ポンプの圧送能力の低下と燃料噴射弁に関する異常とのいずれであるかを特定する
    ことを特徴とする高圧燃料噴射系の異常判定方法。
  11. 請求項10に記載の高圧燃料噴射系の異常判定方法において、
    前記高圧燃料噴射系の異常が燃料ポンプの圧送能力の低下である旨判定されたことを条件に前記燃料ポンプの燃料圧送の開始時期を前記高圧燃料噴射系に異常が生じているか否かの判定の実行中よりも早める
    ことを特徴とする高圧燃料噴射系の異常判定方法。
  12. 燃料ポンプにより圧送された蓄圧配管内の高圧燃料を燃料噴射弁により内燃機関に噴射供給する高圧燃料噴射系に異常が生じているか否かを判定するものであって、所定の判定期間においての前記蓄圧配管内の燃料圧に関する実際の状態である実燃料圧状態及び前記所定の判定期間においての前記高圧燃料噴射系の動作に基づく前記蓄圧配管内の燃料圧に関する推定の状態である仮燃料圧状態について、これら燃料圧状態の比較を通じて前記判定を行う高圧燃料噴射系の異常判定方法において、
    前記所定の判定期間に前記燃料ポンプによる燃料圧送及び前記燃料噴射弁による燃料噴射が実行される第1の状態と、前記所定の判定期間に前記燃料ポンプによる燃料圧送及び前記燃料噴射弁による燃料噴射のいずれか一方のみが実行される第2の状態とのそれぞれに対応した各別の判定手順に従って前記判定を行うものであって、
    前記第1の状態においての判定により異常が生じている旨の判定結果が得られたことを条件に前記第2の状態においての判定を行う
    ことを特徴とする高圧燃料噴射系の異常判定方法。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の高圧燃料噴射系の異常判定方法において、
    前記実燃料圧状態としての実際の燃料圧変化と前記仮燃料状態としての推定の燃料圧変化との差を前記第1の状態及び前記第2の状態のそれぞれにおいて求め、前記第1の状態においての燃料圧変化の差及び前記第2の状態においての燃料圧変化の差と前記第1の状態及び前記第2の状態にそれぞれ対応した各別の判定値との比較を通じて前記異常が生じているか否かの判定を行う
    ことを特徴とする高圧燃料噴射系の異常判定方法。
  14. 燃料ポンプにより圧送された蓄圧配管内の高圧燃料を燃料噴射弁により内燃機関に噴射供給する高圧燃料噴射系に異常が生じているか否かを判定するものであって、所定の判定期間においての前記蓄圧配管内の燃料圧に関する実際の状態である実燃料圧状態及び前記所定の判定期間においての前記高圧燃料噴射系の動作に基づく前記蓄圧配管内の燃料圧に関する推定の状態である仮燃料圧状態について、これら燃料圧状態の比較を通じて前記判定を行う高圧燃料噴射系の異常判定方法において、
    前記所定の判定期間に前記燃料ポンプによる燃料圧送及び前記燃料噴射弁による燃料噴射が実行される第1の状態と、前記所定の判定期間に前記燃料ポンプによる燃料圧送及び前記燃料噴射弁による燃料噴射のいずれか一方のみが実行される第2の状態とのそれぞれに対応した各別の判定手順に従って前記判定を行うものであって、
    前記実燃料圧状態としての実際の燃料圧の変化と前記仮燃料状態としての推定の燃料圧の変化との差を前記第1の状態及び前記第2の状態のそれぞれにおいて求め、前記第1の状態においての燃料圧変化の差及び前記第2の状態においての燃料圧変化の差と前記第1の状態及び前記第2の状態にそれぞれ対応した各別の判定値との比較を通じて前記異常が生じているか否かの判定を行うものであり、
    前記各別の判定値の一方である前記第1の状態に対応した第1の判定値及び前記各別の判定値の他方である前記第2の状態に対応した第2の判定値をいずれも「0」よりも大きい値に設定し且つ前記第1の判定値を前記第2の判定値よりも大きく設定する
    ことを特徴とする高圧燃料噴射系の異常判定方法。
  15. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の高圧燃料噴射系の異常判定方法において、
    前記第1の状態にあるときに前記各別の判定手順の一方による第1の異常判定を行い、この異常判定により異常が生じている旨判定されたことを条件に前記所定の判定期間において前記燃料ポンプによる燃料圧送及び前記燃料噴射弁による燃料噴射のいずれか一方のみが実行されるよう燃料圧送時期と燃料噴射時期との関係を変更し、そのうえで前記第2の状態にあるときに前記各別の判定手順の他方による第2の異常判定を行う
    ことを特徴とする高圧燃料噴射系の異常判定方法。
  16. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の高圧燃料噴射系の異常判定方法において、
    前記第1の状態にあるときに前記各別の判定手順の一方による第1の異常判定を行い、この異常判定により異常が生じている旨判定されたことを条件に前記所定の判定期間において前記燃料ポンプによる燃料圧送及び前記燃料噴射弁による燃料噴射のいずれか一方のみが実行されるか否かを判定し、この判定により前記燃料ポンプによる燃料圧送及び前記燃料噴射弁による燃料噴射のいずれか一方のみが実行される旨の判定結果が得られたことを条件として、そのうえで前記第2の状態にあるときに前記各別の判定手順の他方による第2の異常判定を行う
    ことを特徴とする高圧燃料噴射系の異常判定方法。
  17. 燃料ポンプにより圧送された蓄圧配管内の高圧燃料を燃料噴射弁により内燃機関に噴射供給する高圧燃料噴射系に異常が生じているか否かを判定するものであって、所定の判定期間においての前記蓄圧配管内の燃料圧に関する実際の状態である実燃料圧状態及び前記所定の判定期間においての前記高圧燃料噴射系の動作に基づく前記蓄圧配管内の燃料圧に関する推定の状態である仮燃料圧状態について、これら燃料圧状態の比較を通じて前記判定を行う高圧燃料噴射系の異常判定方法において、
    前記燃料ポンプによる燃料圧送が終了した直後の所定時期からその次の前記燃料ポンプによる燃料圧送が終了した直後の所定時期までの期間であって前記燃料噴射弁による燃料噴射を含む期間を前記所定の期間としての第1の判定期間とし、
    前記燃料ポンプによる燃料圧送が終了した直後の所定時期からその次の前記燃料噴射弁による燃料噴射が終了した直後の所定時期までの期間であって前記燃料ポンプによる燃料圧送を含まない期間、または前記燃料噴射弁による燃料噴射が終了した直後の所定時期からその次の前記燃料ポンプによる燃料圧送が終了した直後の所定時期までの期間であって前記燃料噴射弁による燃料噴射を含まない期間を前記所定の期間としての第2の判定期間として、
    前記第1の判定期間のときにはこれに対応した判定手順による第1の異常判定を行い、前記第2の判定期間のときにはこれに対応した判定手順であって前記第1の異常判定によるものとは別の判定手順による第2の異常判定を行う
    ことを特徴とする高圧燃料噴射系の異常判定方法。
  18. 燃料ポンプにより圧送された蓄圧配管内の高圧燃料を燃料噴射弁により内燃機関に噴射供給する高圧燃料噴射系に異常が生じているか否かを判定するものであって、所定の判定期間においての前記蓄圧配管内の燃料圧に関する実際の状態である実燃料圧状態及び前記所定の判定期間においての前記高圧燃料噴射系の動作に基づく前記蓄圧配管内の燃料圧に関する推定の状態である仮燃料圧状態について、これら燃料圧状態の比較を通じて前記判定を行う高圧燃料噴射系の異常判定方法において、
    前記所定の判定期間に前記燃料ポンプによる燃料圧送及び前記燃料噴射弁による燃料噴射が実行される第1の状態と、前記所定の判定期間に前記燃料ポンプによる燃料圧送及び前記燃料噴射弁による燃料噴射のいずれか一方のみが実行される第2の状態とのそれぞれに対応した各別の判定手順に従って前記判定を行うものであって、
    前記第1の状態にあるときに前記各別の判定手順の一方による第1の異常判定を行い、この異常判定により異常が生じている旨判定されたことを条件に前記所定の判定期間にお いて前記燃料ポンプによる燃料圧送及び前記燃料噴射弁による燃料噴射のいずれか一方のみが実行されるよう燃料圧送時期と燃料噴射時期との関係を変更し、そのうえで前記第2の状態にあるときに前記各別の判定手順の他方による第2の異常判定を行う
    ことを特徴とする高圧燃料噴射系の異常判定方法。
  19. 請求項18に記載の高圧燃料噴射系の異常判定方法において、
    前記燃料圧送時期と前記燃料噴射時期との関係の変更を燃料圧送時期の変更のみに基づいて行う
    ことを特徴とする高圧燃料噴射系の異常判定方法。
  20. 燃料ポンプにより圧送された蓄圧配管内の高圧燃料を燃料噴射弁により内燃機関に噴射供給する高圧燃料噴射系に異常が生じているか否かを判定するものであって、所定の判定期間においての前記蓄圧配管内の燃料圧に関する実際の状態である実燃料圧状態及び前記所定の判定期間においての前記高圧燃料噴射系の動作に基づく前記蓄圧配管内の燃料圧に関する推定の状態である仮燃料圧状態について、これら燃料圧状態の比較を通じて前記判定を行う高圧燃料噴射系の異常判定方法において、
    前記所定の判定期間に前記燃料ポンプによる燃料圧送及び前記燃料噴射弁による燃料噴射が実行される第1の状態と、前記所定の判定期間に前記燃料ポンプによる燃料圧送及び前記燃料噴射弁による燃料噴射のいずれか一方のみが実行される第2の状態とのそれぞれに対応した各別の判定手順に従って前記判定を行うものであって、
    前記第1の状態にあるときに前記各別の判定手順の一方による第1の異常判定を行い、この異常判定により異常が生じている旨判定されたことを条件に前記所定の判定期間において前記燃料ポンプによる燃料圧送及び前記燃料噴射弁による燃料噴射のいずれか一方のみが実行されるか否かを判定し、この判定により前記燃料ポンプによる燃料圧送及び前記燃料噴射弁による燃料噴射のいずれか一方のみが実行される旨の判定結果が得られたことを条件として、そのうえで前記第2の状態にあるときに前記各別の判定手順の他方による第2の異常判定を行う
    ことを特徴とする高圧燃料噴射系の異常判定方法。
  21. 燃料ポンプにより圧送された蓄圧配管内の高圧燃料を燃料噴射弁により内燃機関に噴射供給する高圧燃料噴射系に異常が生じているか否かを判定するものであって、所定の判定期間においての前記蓄圧配管内の燃料圧に関する実際の状態である実燃料圧状態及び前記所定の判定期間においての前記高圧燃料噴射系の動作に基づく前記蓄圧配管内の燃料圧に関する推定の状態である仮燃料圧状態について、これら燃料圧状態の比較を通じて前記判定を行う高圧燃料噴射系の異常判定方法において、
    前記判定期間に前記燃料噴射弁による燃料噴射のみが実行されるよう燃料圧送時期の変更のみに基づいて燃料圧送時期と燃料噴射時期との関係を変更した後に前記判定を行う
    ことを特徴とする高圧燃料噴射系の異常判定方法。
  22. 請求項21に記載の高圧燃料噴射系の異常判定方法において、
    前記燃料圧送時期の変更として、前記燃料ポンプによる燃料圧送が終了してからその次の前記燃料ポンプによる燃料圧送が開始するまでの期間に前記燃料噴射弁による燃料噴射が含まれないよう前記燃料ポンプによる燃料吸入の終了時期を早める
    ことを特徴とする高圧燃料噴射系の異常判定方法。
  23. 請求項22に記載の高圧燃料系の異常判定方法において、
    前記高圧燃料噴射系の異常として燃料ポンプの圧送能力の低下が生じている旨判定されたことを条件に前記燃料吸入の終了時期にかかる制限を解除する
    ことを特徴とする高圧燃料噴射系の異常判定方法。
  24. 燃料ポンプにより圧送された蓄圧配管内の高圧燃料を燃料噴射弁により内燃機関に噴射供給する高圧燃料噴射系に異常が生じているか否かを判定する高圧燃料噴射系の異常判定装置において、
    請求項1〜23のいずれか一項に記載の異常判定方法により前記異常が生じているか否かの判定を行う
    ことを特徴とする高圧燃料噴射系の異常判定装置。
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