JP2000248983A - 高圧燃料噴射系の燃料圧力制御装置 - Google Patents

高圧燃料噴射系の燃料圧力制御装置

Info

Publication number
JP2000248983A
JP2000248983A JP11046197A JP4619799A JP2000248983A JP 2000248983 A JP2000248983 A JP 2000248983A JP 11046197 A JP11046197 A JP 11046197A JP 4619799 A JP4619799 A JP 4619799A JP 2000248983 A JP2000248983 A JP 2000248983A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel
fuel injection
pressure
control
invalid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11046197A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4122615B2 (ja
Inventor
Yuichiro Kato
裕一郎 加藤
Tatsumasa Sugiyama
辰優 杉山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP04619799A priority Critical patent/JP4122615B2/ja
Priority to ES00102054T priority patent/ES2232335T3/es
Priority to EP20000102054 priority patent/EP1031721B1/en
Priority to DE2000617299 priority patent/DE60017299T2/de
Publication of JP2000248983A publication Critical patent/JP2000248983A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4122615B2 publication Critical patent/JP4122615B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/30Controlling fuel injection
    • F02D41/38Controlling fuel injection of the high pressure type
    • F02D41/3809Common rail control systems
    • F02D41/3836Controlling the fuel pressure
    • F02D41/3863Controlling the fuel pressure by controlling the flow out of the common rail, e.g. using pressure relief valves
    • F02D41/3872Controlling the fuel pressure by controlling the flow out of the common rail, e.g. using pressure relief valves characterised by leakage flow in injectors
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B3/00Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition
    • F02B3/06Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D2200/00Input parameters for engine control
    • F02D2200/02Input parameters for engine control the parameters being related to the engine
    • F02D2200/06Fuel or fuel supply system parameters
    • F02D2200/0602Fuel pressure
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D2250/00Engine control related to specific problems or objectives
    • F02D2250/31Control of the fuel pressure
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/02Circuit arrangements for generating control signals
    • F02D41/04Introducing corrections for particular operating conditions
    • F02D41/12Introducing corrections for particular operating conditions for deceleration
    • F02D41/123Introducing corrections for particular operating conditions for deceleration the fuel injection being cut-off

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 サプライポンプ、蓄圧配管、燃料噴射弁等を
備える高圧燃料噴射系の燃料圧力制御装置として、通常
の燃料噴射が行われない限られた期間を利用して確実に
余剰燃料圧力の低減を図る。 【解決手段】 高圧燃料噴射系10は、蓄圧配管である
コモンレール15をはじめ、これに燃料を圧送するサプ
ライポンプ13、及びディーゼル機関1の各気筒に装着
されてその一端がコモンレール15に接続された燃料噴
射弁24等を備えて構成される。ここでは、燃料噴射弁
17をその無効噴射期間内で駆動することによりコモン
レール15内の燃料圧力の排圧のみを行う無効噴射制御
によって、その余剰な燃料圧力の低減を図るが、同無効
噴射制御に際しての燃料噴射弁17の駆動は、通常の噴
射制御等との制御干渉を避けるべくこれを調停しつつ、
当該機関1の運転条件等によらない所定の時間を周期と
して行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、コモンレール等
の畜圧配管に蓄えられ、同配管に接続された燃料噴射弁
の駆動を通じて内燃機関に噴射供給される高圧燃料の燃
料圧力を制御する高圧燃料噴射系の燃料圧力制御装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、上記コモンレール等の畜
圧配管を備える内燃機関にあっては、同機関の運転開始
に伴ってサプライポンプから圧送される高圧燃料が畜圧
配管に一旦蓄圧され、この畜圧された高圧燃料が同配管
に接続された燃料噴射弁の開弁駆動に伴って当該機関の
各燃焼室に噴射供給されるようになる。このとき、この
噴射供給される燃料の噴射圧力と上記畜圧配管に畜圧さ
れている高圧燃料の燃料圧力とは等しい。
【0003】一方、上記畜圧配管内の燃料圧力、すなわ
ち上記燃料噴射弁による燃料の噴射圧力は、電子制御装
置によって、その都度の機関回転数やその都度必要とさ
れる燃料噴射量といった機関の運転状態に適した圧力に
制御される。そしてこの制御は通常、蓄圧配管に配設さ
れた圧力センサの検出値に基づくフィードバック制御に
よって行われる。すなわち、上記機関の運転状態に基づ
き算出される目標燃料圧力に対し、この圧力センサによ
って検出される燃料圧力が小さいときには上記サプライ
ポンプによる燃料圧送量を多く、逆に同圧力センサによ
って検出される燃料圧力が上記目標燃料圧力よりも大き
いときには同燃料圧送量を少なく、若しくは燃料の圧送
自体を停止するといった態様で上記畜圧配管内の燃料圧
力が制御される。
【0004】ただし、車両の急減速から軽負荷走行への
移行時等、同車両に搭載される内燃機関が燃料カット状
態から通常噴射状態に復帰されるような場合には、上記
蓄圧配管内の燃料圧力の、目標燃料圧力に対する追従性
の限界に起因する次のような不都合も無視できないもの
となっている。
【0005】すなわち、上記燃料カット状態から通常噴
射状態への移行期間には、サプライポンプの運転が一旦
停止されて、上記蓄圧配管に対する燃料の圧送が休止さ
れるものの、この期間には併せて、上記蓄圧配管内の燃
料が消費されることもない。このため、通常噴射への復
帰時には、同蓄圧配管内の燃料圧力が上記算出される目
標燃料圧力よりも高くなり、機関に対して過大な圧力で
の燃料噴射が行われるようになる。そして、機関に対
し、こうして過大な圧力での燃料噴射が行われる場合に
は、燃焼騒音の増大等を招くことともなる。
【0006】そこで従来は、例えば特開平2−1918
65号公報にみられるように、上記燃料噴射弁をその無
効噴射期間内で駆動することにより蓄圧配管内の燃料圧
力の排圧のみを行う、いわゆる無効噴射制御を実行する
ことによって、こうした余剰燃料圧力の低減を図るよう
にしている。
【0007】この無効噴射制御では、燃料噴射弁から燃
料が噴射されずに、その駆動期間に対応して蓄圧配管内
の燃料が燃料タンクに戻されるようになることから、同
蓄圧配管内の燃料圧力も速やかに低減されるようにな
る。そしてこのため、上記通常噴射への復帰時であれ、
当該機関に対する過大な圧力での燃料噴射は抑制され、
ひいては燃焼騒音の増大等も好適に抑制されるようにな
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように、無効噴射
制御は、蓄圧配管内の余剰となった燃料圧力を低減する
うえで極めて有効な制御ではあるが、同制御はその性格
上、上述した燃料カット状態から通常噴射が復帰される
までの移行期間等、通常の燃料噴射が行われない期間を
利用して実行されるものであるために、その実行に関す
る自由度は大幅に制限されている。
【0009】例えば、この無効噴射制御を通じて蓄圧配
管内の燃料圧力をより効果的に低減するためにはその実
行回数を増やすことが望ましいが、当該機関の運転条件
や、通常噴射への復帰時等における他の制御との干渉を
考慮すると、その実行のための条件設定は単純ではな
い。
【0010】この発明は、こうした実情に鑑みてなされ
たものであり、通常の燃料噴射が行われない限られた期
間を利用して確実に余剰燃料圧力の低減を図ることので
きる高圧燃料噴射系の燃料圧力制御装置を提供すること
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】以下、上記目的を達成す
るための手段及びその作用効果について記載する。ま
ず、請求項1記載の発明では、畜圧配管に蓄えられ、同
配管に接続された燃料噴射弁の駆動を通じて内燃機関に
噴射供給される高圧燃料の燃料圧力を制御する高圧燃料
噴射系の燃料圧力制御装置として、前記燃料噴射弁をそ
の無効噴射期間内で駆動することにより、前記燃料圧力
の排圧のみを行う無効噴射制御手段と、前記無効噴射制
御手段による燃料噴射弁の駆動と前記無効噴射制御手段
によらない燃料噴射弁の通常の駆動とが干渉することの
ないようこれを調停する調停手段とを備える構成とす
る。
【0012】請求項1記載の発明のこうした構成によれ
ば、燃料噴射弁の無効噴射制御手段による駆動制御と無
効噴射制御手段によらない通常の駆動制御とがいかなる
条件のもとで実行されようとも、それら制御の移行時に
は、同燃料噴射弁の制御干渉が阻止される。このため、
例えば燃料圧力が目標燃料圧力を超える等の条件のもと
に、通常の燃料噴射が行われない限られた期間を利用し
て無効噴射制御手段による燃料噴射弁の駆動が行われる
場合であれ、その実行を確実ならしめ、ひいては蓄圧配
管内の余剰な燃料圧力を確実に低下せしめることが可能
となる。
【0013】また、請求項2記載の発明では、上記請求
項1記載の発明の構成において、前記調停手段は、前記
無効噴射制御手段による燃料噴射弁の駆動制御と前記無
効噴射制御手段によらない燃料噴射弁の通常の駆動制御
とのいずれの制御も行われない期間をそれら制御要求の
中で設定制御するものであるとする。
【0014】請求項2記載の発明のこうした構成によれ
ば、燃料噴射弁の上述した制御干渉の阻止がより的確に
実現されることとなり、無効噴射制御手段による駆動制
御であれ、無効噴射制御手段によらない通常の駆動制御
であれ、同燃料噴射弁の制御にかかる信頼性が向上され
るようになる。
【0015】また、請求項3記載の発明では、上記請求
項1または2記載の発明の構成において、前記調停手段
は、前記内燃機関のクランク角を基準として前記無効噴
射制御手段による燃料噴射弁の最初の駆動時期、及び前
記無効噴射制御手段によらない同燃料噴射弁の通常の駆
動時期を制御するクランク角同期制御手段を備えて構成
されるものであるとする。
【0016】請求項3記載の発明のこうした構成によれ
ば、燃料噴射弁の通常の駆動(燃料噴射)時期はもとよ
り、無効噴射制御手段による燃料噴射弁の最初の駆動時
期も内燃機関のクランク角を基準に制御されることとな
る。このため、それら通常の噴射制御モードと無効噴射
制御モードとの一元的な管理が可能となり、それら各制
御モードでの燃料噴射弁の制御干渉を避けるなど、その
調停も容易となる。
【0017】また、請求項4記載の発明では、上記請求
項3記載の発明の構成において、前記クランク角同期制
御手段は、前記無効噴射制御手段によらない燃料噴射弁
の通常の駆動要求がないことを条件に前記無効噴射制御
手段による燃料噴射弁の最初の駆動を許可するものであ
るとする。
【0018】請求項4記載の発明のこうした構成によれ
ば、例えば燃料圧力が目標燃料圧力を超える条件下で上
記通常の噴射制御モードから上記無効噴射制御モードに
移る場合であれ、燃料噴射弁の通常の駆動要求がないこ
とを条件に無効噴射制御手段による燃料噴射弁の最初の
駆動が許可されるため、それら各制御モードでの燃料噴
射弁の制御干渉も確実に回避されるようになる。
【0019】すなわち、通常の噴射制御モードから無効
噴射制御モードに移る際には、無効噴射制御手段による
燃料噴射弁の最初の駆動時期に同燃料噴射弁に対する通
常の駆動要求があるか否かが問題となる。そして、この
無効噴射制御手段による燃料噴射弁の最初の駆動時期に
同燃料噴射弁に対する通常の駆動要求が重なる場合に
は、燃料噴射量についての制御精度が悪化する可能性が
ある。また、通常の燃料噴射にかかる燃料噴射弁の駆動
後、極端に短い時間間隔にて無効噴射制御手段による燃
料噴射弁の最初の駆動時期が到来する場合には、同燃料
噴射弁の駆動状態の安定性が低下するおそれがある。
【0020】この点、請求項4記載の発明の同構成によ
るように、燃料噴射弁の通常の駆動要求がないことを条
件に無効噴射制御手段による燃料噴射弁の最初の駆動が
許可されることで、この無効噴射制御手段による燃料噴
射弁の最初の駆動時期に同燃料噴射弁に対する通常の駆
動要求が重なるようなことはなくなり、併せて、これら
通常の噴射制御モードと無効噴射制御モードとが内燃機
関のクランク角を基準に一元的に管理されることで、通
常の燃料噴射にかかる燃料噴射弁の駆動後、極端に短い
時間間隔にて無効噴射制御手段による燃料噴射弁の最初
の駆動時期が到来するようなこともなくなる。そしてこ
のため、通常の噴射制御モードから無効噴射制御モード
への移行に伴うエミッションの悪化や機関ダメージ等も
好適に回避されるようになる。
【0021】また、請求項5記載の発明では、同じく請
求項3記載の発明の構成において、前記クランク角同期
制御手段は、前記無効噴射制御手段による燃料噴射弁の
駆動制御状態から同無効噴射制御手段によらない燃料噴
射弁の通常の駆動制御状態への移行時、該無効噴射制御
手段によらない燃料噴射弁の通常の駆動制御を所定期間
禁止するものであるとする。
【0022】先の請求項3記載の発明によれば、燃料噴
射弁の通常の駆動(燃料噴射)時期はもとより、無効噴
射制御手段による燃料噴射弁の最初の駆動時期も内燃機
関のクランク角を基準に制御されるとはいえ、一旦、無
効噴射制御モードに入ってしまうと、通常の噴射制御モ
ードへの復帰時期において、燃料噴射弁の制御条件が曖
昧となる。
【0023】この点、請求項5記載の発明の同構成によ
れば、こうして無効噴射制御モードから通常の噴射制御
モードに復帰する場合であれ、それら制御モードの移行
時、無効噴射制御手段によらない燃料噴射弁の通常の駆
動が所定期間禁止されるため、このような場合における
燃料噴射弁の制御干渉も確実に回避される。
【0024】そして、こうしてそれら各制御モードでの
燃料噴射弁の制御干渉が回避されることで、上述同様、
無効噴射制御手段による燃料噴射弁の駆動時期に同燃料
噴射弁に対する通常の駆動要求が重なるようなことはな
くなり、また、無効噴射制御手段による燃料噴射弁の駆
動後、極端に短い時間間隔にて通常の燃料噴射にかかる
燃料噴射弁の駆動時期が到来するようなこともなくな
る。
【0025】なお、無効噴射制御モードから通常の噴射
制御モードへの復帰時、燃料噴射弁の通常の駆動を禁止
する上記所定期間の設定は任意であるが、無効噴射制御
手段による燃料噴射弁の駆動周期が、当該機関のクラン
ク角を基準とする同燃料噴射弁の通常の噴射制御にかか
る駆動周期よりも十分に短い場合には、この禁止期間を
燃料噴射弁の通常の噴射制御にかかる1駆動分(1駆動
周期)に対応した期間として設定することで必要十分と
なる。そしてこの場合には、燃料噴射弁の制御干渉を回
避したうえで、無効噴射制御モードから通常の噴射制御
モードへの最も円滑な復帰が可能となる。
【0026】また、請求項6記載の発明では、請求項1
〜5のいずれかに記載の発明の構成において、前記調停
手段は、前記内燃機関の停止条件成立に基づきその時点
での前記無効噴射制御手段による燃料噴射弁の駆動制御
を禁止するとともに、所定の時間に同期して同無効噴射
制御手段による燃料噴射弁の最初の駆動時期を別途に設
定制御する時間同期制御手段をさらに備える構成とす
る。
【0027】例えば、内燃機関のレーシング(外的負荷
が殆どない状態での機関回転数上昇操作)中に始動スイ
ッチオフ操作が行われ、その後直ちに機関再始動操作が
行われたような場合、あるいは走行中に機関がストール
し、その後直ちに機関再始動操作が行われたりしたよう
な場合にも、前述同様、蓄圧配管内の燃料圧力が機関始
動時の目標燃料圧力まで下がらないことに起因する過大
な圧力での燃料噴射が行われ、ひいては燃焼騒音が増大
するようになる。
【0028】この点、請求項6記載の発明の同構成によ
れば、当該機関の停止条件成立後、その回転数等によら
ずに確実に上記無効噴射制御モードに移行するようにな
る。このため、上記態様で内燃機関が再始動される場合
であれ、その再始動以前に、蓄圧配管内の余剰な燃料圧
力は確実に低下されるようになる。
【0029】なお、上記内燃機関の停止条件としては、
始動スイッチオフ操作の後、一定の時間が経過したこ
と、あるいは機関ストールが判定されて且つスタータス
イッチがオフ位置にあること、等々がある。
【0030】また、請求項7記載の発明では、上記請求
項6記載の発明の構成において、前記時間同期制御手段
は、前記内燃機関の停止条件成立に基づき設定する前記
無効噴射制御手段による燃料噴射弁の最初の駆動時期を
所定期間遅延するものであるとする。
【0031】請求項7記載の発明のこうした構成によれ
ば、当該機関の停止条件成立の前、燃料噴射弁の駆動制
御が上記通常の噴射制御モードにあった場合であれ、あ
るいは上記無効噴射制御モードにあった場合であれ、機
関停止条件が成立すれば、同条件の成立に伴って無効噴
射制御モードに移行する際の無効噴射制御手段による燃
料噴射弁の最初の駆動時期が上記所定期間だけ遅延され
る。このため、機関の停止条件成立後は、それら制御と
の干渉を避けて、確実に無効噴射制御モードに移行する
ことができるようになる。
【0032】ちなみに、当該機関の停止条件成立の前、
通常の噴射制御モードにあったときに、同停止条件の成
立後、この通常の噴射制御に基づく燃料噴射弁の最後の
駆動時期と無効噴射制御手段による燃料噴射弁の最初の
駆動時期とが重なる場合には、機関停止条件が成立して
いるにも拘わらず、燃料噴射量の制御精度が悪化する可
能性がある。また、機関の停止条件成立の前、たとえ無
効噴射制御モードにあったとしても、同停止条件の成立
に伴う新たな制御の開始に伴い、無効噴射制御手段によ
る燃料噴射弁の最後の駆動時期と同無効噴射制御手段に
よる燃料噴射弁の最初の駆動時期とが重なる場合には、
燃料噴射弁が無効噴射期間を超えて駆動されてしまうこ
とも懸念される。あるいはまた、同機関の停止条件成立
時点での燃料噴射弁の最後の駆動の後、極端に短い時間
間隔にて無効噴射制御手段による燃料噴射弁の最初の駆
動時期が到来する場合には、上述のように、同燃料噴射
弁の駆動状態の安定性が低下するおそれがある。
【0033】この点、請求項7記載の発明の同構成によ
るように、機関停止条件成立の後、無効噴射制御モード
に移行する際の無効噴射制御手段による燃料噴射弁の最
初の駆動時期が上記所定期間だけ遅延されることで、こ
うした不都合も全て解消され、確実に無効噴射制御モー
ドに移行されるようになる。
【0034】また、請求項8記載の発明では、上記請求
項6または7記載の発明の構成において、前記時間同期
制御手段は、前記無効噴射制御手段による燃料噴射弁の
駆動制御の能動期間を併せて設定制御するものであると
する。
【0035】請求項8記載の発明のこうした構成によれ
ば、上記機関停止条件成立後の無効噴射制御モードにお
いて、燃料噴射弁の駆動制御にかかる能動期間も併せて
管理されることとなる。このため、機関停止状態での無
駄な無効噴射制御の実行等も好適に低減されるようにな
る。
【0036】また、請求項9記載の発明では、上記請求
項8記載の発明の構成において、前記時間同期制御手段
は、前記無効噴射制御手段による燃料噴射弁の駆動制御
能動期間を、前記内燃機関の冷却水温度、及び前記蓄圧
配管内の目標燃料圧力のいずれかに基づき設定するもの
であるとする。
【0037】こうした高圧燃料噴射系を備える内燃機関
にあっては通常、機関始動時における蓄圧配管内の目標
燃料圧力は、同機関の冷却水温をパラメータとして、該
水温が低いほど大きな圧力に設定される。したがって、
請求項9記載の発明の同構成によるように、機関停止条
件成立後の無効噴射制御モードにおいて、燃料噴射弁の
駆動制御にかかる能動期間をこれら冷却水温度、あるい
は目標燃料圧力に基づいて設定することとすれば、蓄圧
配管内の燃料圧力を機関再始動時における目標圧力近傍
に制御することができ、ひいては無駄な無効噴射制御の
実行を低減したうえで、この機関再始動時の燃料圧力フ
ィードバック制御にかかる収束性を大幅に高めることが
できるようになる。
【0038】また、請求項10記載の発明では、同じく
請求項8または上記請求項9記載の発明の構成におい
て、前記時間同期制御手段は、前記無効噴射制御手段に
よる燃料噴射弁の駆動制御能動期間を、前記内燃機関の
回転数に基づき設定するものであるとする。
【0039】内燃機関の運転中であれば上記無効噴射制
御モードでの燃料噴射弁の作動音も乗員にとって気にな
ることはないが、同機関の停止条件が成立した後、その
運転が停止されるときに同無効噴射制御モードでの燃料
噴射弁の作動音が残る場合には、そうした作動音が乗員
にとっては違和感となる。この点、請求項10記載の発
明の同構成によれば、例えば当該機関の回転数がある回
転数以下となることをもって同無効噴射制御モードでの
それ以降の燃料噴射弁の駆動を禁止することができ、ひ
いてはこうした違和感を排除することができるようにな
る。
【0040】また、請求項11記載の発明では、上記請
求項1〜10のいずれかに記載の発明の構成において、
前記無効噴射制御手段による燃料噴射弁の駆動周期を所
定の時間に設定する無効噴射周期設定手段をさらに備え
る構成とする請求項11記載の発明のこうした構成によ
れば、例えば燃料圧力が目標燃料圧力を超える条件下で
の無効噴射制御手段による燃料噴射弁の駆動周期が当該
機関の運転条件等によらない所定の時間を周期として行
われることとなる。このため、蓄圧配管内の余剰な燃料
圧力を確実に低下せしめることが可能になるとともに、
その圧力低下量の推定も容易となる。ちなみに、蓄圧配
管への燃料の圧送制御や当該高圧燃料噴射系の診断等、
他の制御や診断等が併せて行われるような環境にあって
は、こうした圧力低下量の推定も重要な要素となる。
【0041】なお、請求項11記載の発明の同構成にお
いて、無効噴射制御手段による燃料噴射弁の駆動周期と
なる上記所定の時間は、例えばそのときの燃料圧力や燃
料温度等、あるいはその他の要求等に応じた可変の時間
として設定してもよい。
【0042】また、請求項12記載の発明では、上記請
求項11記載の発明の構成において、前記無効噴射周期
設定手段は、前記無効噴射制御手段による燃料噴射弁の
駆動周期を一定の時間に設定するものであるとする。
【0043】請求項12記載の発明のこうした構成によ
れば、上述した燃料圧力の低下にかかる応答性が基本的
には常に一定となり、上記圧力低下量の推定もさらに容
易となる。
【0044】
【発明の実施の形態】図1に、この発明にかかる高圧燃
料噴射系の燃料圧力制御装置について、その一実施の形
態を示す。
【0045】なお、この実施の形態の燃料圧力制御装置
は、蓄圧配管としてコモンレールを備えるディーゼル機
関の高圧燃料噴射系にあって、同コモンレール内の燃料
圧力を制御する装置にこの発明を適用したものである。
【0046】はじめに、図1を参照して、同実施の形態
にかかる燃料圧力制御装置の構成について説明する。同
図1に示されるように、この実施の形態の装置は、大き
くはディーゼル機関1に対して高圧燃料を噴射供給する
高圧燃料噴射系10、該高圧燃料噴射系10の燃料圧力
を制御する制御系20、そして各種センサからなって、
該制御系20での制御に際しそれらセンサによる各種検
出データを制御データの一部として同制御系に出力する
検出系30を備えて構成される。
【0047】ここで、高圧燃料噴射系10は、例えばデ
ィーゼル機関1の出力軸に駆動連結されて燃料タンク1
1に貯留された燃料を供給配管12を介して吸引すると
ともに、これを高圧燃料として加圧吐出するサプライポ
ンプ13を備えており、このサプライポンプ13によっ
て加圧吐出された高圧燃料を、供給配管14を介して上
記蓄圧配管であるコモンレール15に蓄える構成となっ
ている。そして基本的には、このコモンレール15に蓄
えられた高圧燃料が供給配管16を介して燃料噴射弁1
7に供給され、制御系20を構成する電磁弁24の駆動
に基づいて燃料噴射弁17からディーゼル機関1の対応
気筒に噴射供給される。
【0048】なおこの実施の形態において、ディーゼル
機関1としては4気筒のものを想定しており、コモンレ
ール15以降の、燃料噴射弁を通じたこうした燃料の噴
射供給も、実際には同機関1の各気筒毎に行われる。
【0049】また、上記サプライポンプ13は、供給配
管12に接続される吸入ポート13a、供給配管14に
接続される吐出ポート13b、そしてリターン配管18
aに接続されるリターンポート13cをそれぞれ有する
とともに、制御系20を構成する圧力制御弁25によっ
てその燃料吐出量が制御されるものであり、上記吐出ポ
ート13bから吐出されなかった余剰の燃料は、リター
ンポート13c及びリターン配管18a、18を介して
燃料タンク11に戻される。
【0050】また、上記高圧燃料が蓄えられるコモンレ
ール15は、ディーゼル機関1の各気筒に対応した4つ
の出力ポート15a〜15dを備えるとともに、プレッ
シャレギュレータ15eを備え、何らかの原因により必
要以上に加圧された燃料は、このプレッシャレギュレー
タ15e及びリターン配管18b、18を介して燃料タ
ンク11に戻される。
【0051】また、電磁弁24の駆動に基づいて上記コ
モンレール15に蓄圧された燃料をディーゼル機関1に
噴射供給する燃料噴射弁17は、具体的には図2に例示
するような内部構造を有している。この実施の形態にあ
って、同燃料噴射弁17は、ディーゼル機関1に対する
燃料の噴射供給のみならず、電磁弁24の無効噴射期間
内での駆動に基づいて上記コモンレール15に蓄圧され
た燃料の排圧を行う、いわゆる無効噴射制御の可能な構
造となっている。以下、図2を併せ参照して、燃料噴射
弁17のこうした構造及び動作について説明する。
【0052】図2(a)に示されるように、この燃料噴
射弁17は、そのケーシング71に供給ポート17aが
設けられており、コモンレール15に蓄圧された燃料は
この供給ポート17aを通ってケーシング71の下部に
形成された下部燃料溜まり室72に導入される。また、
上記供給ポート17aは、オリフィス73を介して、上
部燃料溜まり室74にも連通されている。そして、下部
燃料溜まり室72及び上部燃料溜まり室74には、1本
のノズルニードル75が摺動可能に設けられており、ケ
ーシング71の最下部に設けられているノズル孔17b
は、このノズルニードル75の上方への移動に基づいて
下部燃料溜まり室72と連通する。
【0053】一方、上記ノズルニードル75は、その下
側から順に、弁体となる先端部76、大径部77、小径
部78及びピストン部79によって構成されており、大
径部77は下部燃料溜まり室72の上側部分を、ピスト
ン部79は上部燃料溜まり室74の下側部分をそれぞれ
上下方向に摺動可能となっている。
【0054】また、小径部78の周囲には、ニードル用
スプリング80が設けられており、該スプリング80の
付勢力により、ノズルニードル75は、常にはその下方
に付勢されている。これにより、ノズルニードル75の
先端部76は、常にはノズル孔17b近傍の着座部81
に当接した状態となっている。
【0055】また、上部燃料溜まり室74は、オリフィ
ス82を介して電磁弁収容室83に連通されている。こ
こで、上記電磁弁24は、弁体24a、ソレノイド24
b及び弁体用スプリング24c等によって構成されてお
り、これらは電磁弁収容室83に収容されている。具体
的には、弁体24aは、電磁弁収容室83の下部に設け
られるとともに、弁体用スプリング24cは、この弁体
24a及び電磁弁収容室83の天井部分に当接するよう
にして設けられており、常には、同弁体24aを下方に
付勢している。これにより、常にはこの付勢された弁体
24aによってオリフィス82が塞がれており、上部燃
料溜まり室74及び電磁弁収容室83間の連通が遮断さ
れている。
【0056】なお、ソレノイド24bは、制御系20を
構成する後述する電子制御装置21(図1)を通じて励
磁された際に弁体用スプリング24cの付勢力に抗して
弁体24aを上方に引き上げるためのものである。
【0057】また、弁体24aの上部はフランジ状に形
成されており、このフランジ部分には透孔Hが形成され
ている。他方、ケーシング71には、上記電磁弁収容室
83からの燃料を逃がすためのリターンポート17cが
形成されており、以下に説明する所定条件下において、
余剰燃料がこのリターンポート17cからリターン配管
18c、18を経て燃料タンク11へと戻される(図
1)。
【0058】なお、上記ニードル用スプリング80が設
けられている空間と、電磁弁収容室83との間は連通路
84によって連通されており、ニードル用スプリング8
0が設けられている空間に少しずつ洩れ出る燃料は、こ
の連通路84を通って電磁弁収容室83に流れ、さらに
は上記透孔H及びリターンポート17cを通ってリター
ン配管18c(図1)の方へと少しずつ流れ出るように
なる。
【0059】次に、同燃料噴射弁17の動作について説
明する。図2(a)は、電磁弁24の上記ソレノイド2
4bが励磁されていないときにおける同燃料噴射弁17
の内部状態を示したものである。この状態にあっては、
同図2(a)に示されるように、弁体用スプリング24
cの付勢力によって弁体24aが下方に付勢され、上部
燃料溜まり室74及び電磁弁収容室83間の連通が遮断
される。
【0060】かかる状況下においては、供給ポート17
aから導入される燃料は、下部燃料溜まり室72及び上
部燃料溜まり室74に対して均等に供給されることとな
り、圧力のバランスが保たれる。このため、ノズルニー
ドル75は、ニードル用スプリング80の付勢力によっ
て下方に付勢され、その先端部76も、ノズル孔17b
近傍の着座部81に当接した状態が維持される。すなわ
ちこの場合、ノズル孔17bから燃料が噴射されること
はなく、また、上部燃料溜まり室74に溜められた燃料
がリターンポート17cを通って早急に流れ出ることも
ない。
【0061】一方、ソレノイド24bが励磁された場
合、弁体用スプリング24cの付勢力に抗して弁体24
aが上方へ移動し、上部燃料溜まり室74と電磁弁収容
室83との間が連通される。そして、その後しばらくの
間は、同燃料噴射弁17は図2(b)に示すような内部
状態となる。
【0062】すなわちこの場合、上部燃料溜まり室74
内に溜められた燃料は、電磁弁収容室83及び上記透孔
Hを通って、リターンポート17cへと流れ出る。ただ
し、上部燃料溜まり室74から電磁弁収容室83への燃
料の流出は、上記オリフィス82を介して行われるた
め、上記ソレノイド24bが励磁された後、しばらくの
間は、下部燃料溜まり室72の燃料圧力と上部燃料溜ま
り室74の燃料圧力との差圧も、ニードル用スプリング
80の付勢力より小さい状態に維持される。そして、こ
うしてニードル用スプリング80の付勢力が上記差圧よ
りも勝っている期間は、ノズルニードル75も移動する
ことなく、その先端部76が着座部81に当接した状態
に維持される。すなわち、燃料噴射弁17のこうした状
態においては、ノズル孔17bから燃料が噴射されるこ
となく、上記上部燃料溜まり室67に溜められた燃料の
みが、リターンポート17cを通ってリターン配管18
c(図1)に速やかに流れ出るようになる。そしてこの
期間が、コモンレール15に蓄圧された燃料の排圧のみ
が行われる無効噴射期間となる。
【0063】また、こうしてソレノイド24bの励磁が
維持されている状態において、上部燃料溜まり室74内
の燃料がある程度抜け、やがて下部燃料溜まり室72の
燃料圧力と上部燃料溜まり室74の燃料圧力との差圧が
ニードル用スプリング80の付勢力よりも大きくなる
と、下部燃料溜まり室72内の燃料圧力によってノズル
ニードル75が上動し、同燃料噴射弁17は図2(c)
に示すような内部状態に移行する。
【0064】すなわちこの状態においては、ノズルニー
ドル75の先端部76が着座部81から離間することに
よって下部燃料溜まり室72とノズル孔17bとが連通
し、該ノズル孔17bからディーゼル機関1(図1)の
対応気筒に対して高圧燃料が噴射供給されるようにな
る。
【0065】そして、図2(b)に示される状態であ
れ、あるいは図2(c)に示される状態であれ、その後
ソレノイド24bの励磁が解除されることにより、同燃
料噴射弁17は再度、図2(a)に示される内部状態と
なって、上述した燃料の排圧、あるいは燃料の噴射を終
了する。
【0066】このように、図1に例示する実施の形態の
装置にあって、高圧燃料噴射系10を構成する燃料噴射
弁17は、電磁弁24(ソレノイド24b)の駆動の有
無、及びその駆動期間に応じて、 (a)ディーゼル機関1に対する燃料噴射も、コモンレ
ール15に蓄圧された燃料の排圧も行わない状態(図2
(a))。
【0067】(b)コモンレール15に蓄圧された燃料
の排圧のみ(無効噴射)を行う状態(図2(b))。 (c)上記無効噴射の後、ディーゼル機関1に対する燃
料噴射(通常噴射)を行う状態(図2(c))。 といった3種の状態をとるようになる。そして、この燃
料噴射弁17の上記通常噴射にかかる燃料噴射量は、上
記無効噴射期間を超える電磁弁24の駆動期間に応じて
設定制御される。
【0068】他方、同図1に例示するこの実施の形態の
装置にあって、制御系20は、電子制御装置21をはじ
め、この電子制御装置21を通じて駆動制御される上記
電磁弁24、及び圧力制御弁25を基本的に備えて構成
される。
【0069】ここで、電子制御装置21は、図示しない
プログラムメモリに格納された各種制御プログラムに基
づき後述するクランク角同期制御や時間同期制御を実行
し、もって、コモンレール15に蓄えられる高圧燃料の
燃料圧力を制御するマイクロコンピュータ22、そして
該マイクロコンピュータ22による制御のもとに上記電
磁弁24を駆動するドライバ23を主に備える構成とな
っている。
【0070】また、この制御系20において、電子制御
装置21は、IG(始動)スイッチ26のオン操作に基
づく車載バッテリBからの給電を受けてその制御動作が
実行可能な状態となる。
【0071】ちなみに、上記IGスイッチ26がオン操
作されると、これを受けたマイクロコンピュータ22
は、リレー27の内部接点をオンとして、同車載バッテ
リBの電力を電子制御装置21の内部に供給する。
【0072】また、IGスイッチ26がオフ操作された
場合、マイクロコンピュータ22は所定の後処理を終え
た後、上記リレー27の内部接点をオフとする。すなわ
ち、IGスイッチ26がオフ操作された後、マイクロコ
ンピュータ22による所定の後処理を経て、車載バッテ
リBから電子制御装置21への給電が遮断される。
【0073】また、この実施の形態の装置にあって、検
出系30は、同図1に示されるように、アクセルセンサ
31、水温センサ32、回転数センサ33、気筒判別セ
ンサ34、及び燃料圧力センサ35をそれぞれ備えて構
成される。
【0074】ここで、アクセルセンサ31は、図示しな
いアクセルペダルの近傍に設けられてその開度(踏み込
み量)を検出するセンサであり、また、水温センサ32
は、ディーゼル機関1のウォータジャケットに設けられ
てその冷却水温の温度を検出するセンサである。これら
センサ31及び32による検出信号はいずれも、適宜に
A/D(アナログ/ディジタル)変換された信号として
マイクロコンピュータ22に取り込まれる。
【0075】また、回転数センサ33は、例えば、ディ
ーゼル機関1のクランクシャフトに装着されたロータ3
3aと、その近傍に配設されて同ロータ33aの外周に
所定間隔で設けられた突起の通過を検出する電磁ピック
アップ33bとを備えて構成される。この電磁ピックア
ップ33bの出力は通常、波形整形され、図3に例示す
るようなクランクシャフトの回転数(回転位相)に対応
したパルス信号(NEパルス)としてマイクロコンピュ
ータ22に取り込まれる。
【0076】なお、この実施の形態においては、図3
(a)及び(b)に示されるように、ディーゼル機関1
の各気筒毎に0〜17の18パルスのNEパルスが出力
されるものとし、後述するクランク角同期制御では、こ
のNEパルスのそれぞれ「3」パルス、及び「7」パル
スに同期して上記燃料噴射弁17の駆動態様を制御する
処理が実行される。
【0077】また、同じく検出系30を構成する気筒判
別センサ34は、例えばディーゼル機関1のカムシャフ
トに装着されたロータ34aと、その近傍に配設されて
同ロータ34aの外周に当該機関1の気筒判別用に設け
られた突起の通過を検出する電磁ピックアップ34bと
を備えて構成される。この電磁ピックアップ34bの出
力も通常、波形整形された適宜のパルス信号としてマイ
クロコンピュータ22に取り込まれる。
【0078】そして、同検出系30の燃料圧力センサ3
5は、例えば上記コモンレール15に設けられて、その
内部に蓄えられている高圧燃料の燃料圧力を検出するセ
ンサである。該燃料圧力センサ35による検出信号も、
適宜にA/D変換された信号としてマイクロコンピュー
タ22に取り込まれる。
【0079】さて、この実施の形態の燃料圧力制御装置
は、以上のような構成に基づいて、ディーゼル機関1に
対する筒内噴射要求がなく、且つコモンレール15内の
燃料圧力が過大となっている期間に上記燃料噴射弁17
を無効噴射制御し、もって同コモンレール15内の燃料
圧力を低減するとともに、これを適正ならしめるもので
ある。
【0080】そして、この無効噴射制御に際しては、上
記燃料噴射弁17の無効噴射期間での駆動周期を、ディ
ーゼル機関1の運転条件等によらない所定の時間に設定
することによって、その燃料圧力低減効果を確実なもの
とする。
【0081】また、この無効噴射制御は、車両の急減速
から軽負荷走行への移行時等、一時的な燃料カット期間
に限らず、当該機関1の停止条件が満たされた場合にも
実行する。これは、当該機関1のレーシング中にIGス
イッチ26のオフ操作(IGオフ操作)が行われ、その
後直ちに機関再始動操作が行われたような場合、あるい
は走行中に当該機関1がストールし、その後直ちに機関
再始動操作が行われたりしたような場合にも、コモンレ
ール15内の燃料圧力が機関始動時の目標燃料圧力まで
下がらないことに起因する過大な圧力での燃料噴射が行
われる可能性があるためである。
【0082】ただし、上記所定の時間を基準に実行され
る燃料噴射弁17の無効噴射制御と当該機関1のクラン
ク角(NEパルス)を基準に実行される同燃料噴射弁1
7の通常の噴射制御とでは、また同じく所定の時間を基
準に実行されるとはいえ、上記燃料カット期間に実行さ
れる無効噴射制御と機関停止条件が満たされたときに実
行される無効噴射制御とでは、燃料噴射弁17に対する
制御干渉が生じる懸念がある。
【0083】例えば、通常の噴射制御から無効噴射制御
に移る際には、無効噴射制御による燃料噴射弁17の最
初の駆動時期に同燃料噴射弁17に対する通常の駆動要
求があるか否かが問題となる。そして、無効噴射制御に
よる燃料噴射弁17の最初の駆動時期に同燃料噴射弁1
7に対する通常の駆動要求が重なるような場合には、燃
料噴射量の制御精度が悪化する可能性がある。このこと
は、無効噴射制御から通常の噴射制御に移る場合であっ
ても同様である。
【0084】また、通常の燃料噴射にかかる燃料噴射弁
17の駆動後、極端に短い時間間隔にて無効噴射制御に
よる燃料噴射弁17の最初の駆動時期が到来する場合に
は、同燃料噴射弁17の駆動状態の安定性が低下するお
それがある。そしてこのことも、無効噴射制御から通常
の噴射制御に移る場合であれ同様である。
【0085】一方、当該機関1の停止条件成立の前、通
常の噴射制御状態にあったときに、同停止条件の成立
後、この通常の噴射制御に基づく燃料噴射弁17の最後
の駆動時期と無効噴射制御による同燃料噴射弁17の最
初の駆動時期とが重なる場合にも、機関停止条件が成立
しているにも拘わらず、燃料噴射量の制御精度が悪化す
る可能性がある。
【0086】また、同機関1の停止条件成立の前、たと
え無効噴射制御状態にあったとしても、同停止条件の成
立に伴う新たな制御の開始に伴い、無効噴射制御による
燃料噴射弁17の最後の駆動時期と同無効噴射制御によ
る燃料噴射弁17の最初の駆動時期とが重なる場合に
は、燃料噴射弁17が無効噴射期間を超えて駆動されて
しまう可能性がある。
【0087】あるいはまた、同機関1の停止条件成立時
点での燃料噴射弁17の最後の駆動の後、極端に短い時
間間隔にて無効噴射制御による燃料噴射弁17の最初の
駆動時期が到来する場合にも、同燃料噴射弁17の駆動
状態の安定性が低下するおそれがある。
【0088】そこで、この実施の形態の装置では、
(イ)燃料噴射弁17の通常の噴射制御から無効噴射制
御に移行する場合。あるいは(ロ)燃料噴射弁17の無
効噴射制御から通常の噴射制御に復帰する場合。には、
同燃料噴射弁17の駆動時期が重ならないようにこれを
調停し、また、(ハ)燃料噴射弁17の通常の噴射制御
から機関停止時の無効噴射制御に移行する場合。あるい
は(ニ)燃料噴射弁17の無効噴射制御から機関停止時
の無効噴射制御に移行する場合。には、同じく調停とし
て、上記機関停止時の無効噴射制御の実行を所定期間遅
延することによって、こうした各種状況下での制御干渉
を回避し、ひいては限られた期間で確実に余剰燃料圧力
の低減が図られるようにしている。
【0089】図4は、この実施の形態において実行する
こうした遅延(ディレイ)処理をも含む調停が、ディー
ゼル機関1及びIGスイッチ26のどのような状態のも
とでどのように行われるか、それら状態の遷移を一覧す
るものであり、それら個々の処理についての具体的な手
順の説明に先立ち、まず図4を参照して、その概要を説
明する。
【0090】この図4において、状態ブロックC1は、
ディーゼル機関1の通常運転時での燃料噴射弁17の制
御態様を示している。この状態ブロックC1において
は、車両の急減速から軽負荷走行への移行時等、通常の
噴射制御が行われている状態(通常の噴射制御モード)
から燃料カット状態に移行し、しかもそのとき、コモン
レール15内の燃料圧力が当該運転状態に基づき算出さ
れる目標燃料圧力を上回っているなど、無効噴射制御実
行のための所定の条件が成立している場合には、通常の
噴射制御モードから無効噴射制御が行われる状態(無効
噴射制御モード)に移行されることを示している。そし
てこの実施の形態の装置にあっては、こうした通常の噴
射制御モードから無効噴射制御モードへの移行に際し
て、燃料噴射弁17の駆動時期が重ならないように、そ
の駆動タイミングが調停される。
【0091】また、同状態ブロックC1では、無効噴射
制御モードにあるときに噴射要求が復帰されるなど、無
効噴射制御実行のための条件が不成立となる場合には、
通常の噴射制御モードに復帰されることをことを示して
いる。そしてこの実施の形態の装置にあっては、こうし
た無効噴射制御モードから通常の噴射制御モードへの移
行に際しても、燃料噴射弁17の駆動時期が重ならない
ように、その駆動タイミングが調停される。
【0092】一方、状態ブロックC1のこれらの状態に
あるときにIGスイッチ26がオフ操作された場合に
は、同図4の状態ブロックC2に遷移する。この状態ブ
ロックC2は、IGスイッチ26がオフ状態にあるとき
の燃料噴射弁17の制御態様を示している。
【0093】この状態ブロックC2においては、IGス
イッチ26がオフ操作された後、所定の時間T1(例え
ば0.2秒程度)が経過するまでは上記状態ブロックC
1での制御態様が引き継がれ、該所定の時間T1の経過
に伴って状態ブロックC21遷移する。
【0094】そして、この状態ブロックC21において
は、IGスイッチ26がオフ操作された後、上記所定の
時間T1が経過したことをもって、ディーゼル機関1の
停止条件が成立した旨を判断する。そしてこの実施の形
態の装置にあっては、通常の噴射制御モードにあった場
合であれ、あるいは無効噴射制御モードにあった場合で
あれ、調停として、該停止条件の成立に伴って燃料噴射
弁17の駆動を一旦停止し、所定の時間だけ遅延(ディ
レイ)処理を行った後、後述する機関停止時の無効噴射
制御実行条件が成立していれば無効噴射制御を実行す
る。また、このディレイ処理の後、同無効噴射制御の実
行条件が成立していなければ、燃料噴射弁17の駆動は
そのまま停止される。
【0095】また一方、状態ブロックC1での制御状態
にあるときに、IGスイッチ26がオン状態にあるにも
拘わらずディーゼル機関1がストールした場合には、同
図4の状態ブロックC3に遷移する。この状態ブロック
C3は、IGスイッチ26がオン状態にあって且つ機関
1がストールしたときの燃料噴射弁17の制御態様を示
している。
【0096】この状態ブロックC3においては、上記状
態ブロックC21と同様、機関1の停止条件の成立に伴
って燃料噴射弁17の駆動を一旦停止し、所定時間のデ
ィレイ処理を行った後、後述する機関停止時の無効噴射
制御実行条件が成立していれば無効噴射制御を実行し、
同無効噴射制御の実行条件が成立していなければ燃料噴
射弁17の駆動をそのまま停止する。
【0097】そして、この状態ブロックC3での制御状
態においてIGスイッチ26がオフ操作された場合、あ
るいは上記状態ブロックC2若しくは状態ブロックC2
1での制御状態において機関1がストールに至った場合
には、同図4の状態ブロックC4に遷移する。この状態
ブロックC4は、IGスイッチ26がオフ状態にあって
且つ機関1がストールしたときの燃料噴射弁17の制御
態様を示している。
【0098】この状態ブロックC4においても、基本的
には上記状態ブロックC21と同様、機関1の停止条件
の成立に伴って燃料噴射弁17の駆動を一旦停止し、所
定時間のディレイ処理を行った後、後述する機関停止時
の無効噴射制御実行条件が成立していれば無効噴射制御
を実行し、同無効噴射制御の実行条件が成立していなけ
れば燃料噴射弁17の駆動をそのまま停止する。もっと
も、この状態ブロックC4においては、同図4に示され
るように、上記状態ブロックC2、C21、あるいは状
態ブロックC3から遷移されたときの制御状態がそのま
ま引き継がれるため、例えば上記機関停止条件の成立に
伴うディレイ処理(調停)も、実際には一度しか行われ
ない。
【0099】そしてその後、同状態ブロックC4におい
て燃料噴射弁17の駆動停止が確認された後、マイクロ
コンピュータ22は前記リレー27をオフとして、当該
電子制御装置21に対する給電を停止する。
【0100】同図4に例示するこうした状態遷移に対応
して、電子制御装置21(マイクロコンピュータ22)
側からみたこの実施の形態の装置としての制御全体の流
れをまとめると、図5及び図6に示すものとなる。
【0101】すなわち、図5のステップS1として示す
IGスイッチ26のオン操作の確認のもとに、電子制御
装置21は通常の噴射制御モードにて燃料噴射弁17の
駆動制御を開始する(図5ステップS10)。そして、
その状態で機関1のストールやIGスイッチ26のオフ
操作がなく、且つ上記無効噴射制御の実行条件が成立し
ていなければ、同通常の噴射制御モードでの燃料噴射弁
17の駆動制御を維持する(図5ステップS11〜S1
3)。
【0102】一方、同状態で機関1のストールやIGス
イッチ26のオフ操作は確認されないものの、上述のよ
うに、燃料カット状態に移行され、しかもそのとき、コ
モンレール15内の燃料圧力が当該運転状態に基づき算
出される目標燃料圧力を上回っているなど、上記無効噴
射制御の実行条件成立が確認される場合には、通常の噴
射制御モードから無効噴射制御モードに移行する(図5
ステップS13及びS20)。そして電子制御装置21
は、この移行により、無効噴射制御モードにて燃料噴射
弁17の駆動制御を開始する。なおこのとき、通常の噴
射制御モードでの燃料噴射弁17の最後の駆動期間と無
効噴射制御モードでの同燃料噴射弁17の最初の駆動期
間とが重ならないようにその駆動タイミングが調停され
ることは上述の通りである。そしてこの場合も、同状態
で機関1のストールやIGスイッチ26のオフ操作がな
く、且つ通常噴射への復帰条件が成立していなければ、
すなわち無効噴射制御の実行条件が不成立となっていな
ければ、電子制御装置21はこの無効噴射制御モードで
の燃料噴射弁17の駆動制御を維持する(図5ステップ
S21〜S23)。
【0103】またその後、同状態で機関1のストールや
IGスイッチ26のオフ操作は確認されないものの、噴
射要求が復帰されるなど、上記通常噴射への復帰条件の
成立(無効噴射制御実行条件の不成立)が確認される場
合には、この無効噴射制御モードから再び上記通常の噴
射制御モードに移行する(図5ステップS23及びS1
0)。そして、このときにも上述のように、無効噴射制
御モードでの燃料噴射弁17の最後の駆動期間と通常の
噴射制御モードでの同燃料噴射弁17の最初の駆動期間
とが重ならないようにその駆動タイミングが調停され
る。
【0104】他方、上記通常の噴射制御モードにおい
て、あるいは上記無効噴射制御モードにおいて、機関1
のストールが確認された場合には、同機関1の停止条件
が成立したものとして、その際の調停として上記ディレ
イ処理を行った後、機関停止時の無効噴射制御実行条件
の成立の有無を判断する(図5ステップS11またはS
21、図6ステップS30及びS31)。
【0105】また、同じく上記通常の噴射制御モードに
おいて、あるいは上記無効噴射制御モードにおいて、I
Gスイッチ26のオフ操作が確認された場合には、それ
ぞれ上記所定の時間T1の経過をもって当該機関1の停
止条件の成立を判断し、同じくディレイ処理を行った
後、機関停止時の無効噴射制御実行条件の成立の有無を
判断する(図5ステップS12→S14またはS22→
S24、図6ステップS30及びS31)。
【0106】そして、上記いずれの場合であれ、機関停
止時の無効噴射制御実行条件の成立が確認された場合に
は、機関停止時の無効噴射制御を実行したうえでリレー
27をオフとし(図6ステップS31、S32及びS3
3)、同実行条件の不成立が確認された場合には、該無
効噴射制御を実行することなくリレー27をオフとする
(図6ステップS31及びS33)。
【0107】図7〜図14は、この実施の形態の装置に
よる燃料噴射弁17の無効噴射制御に基づく上記燃料圧
力の具体的な制御手順、並びに制御態様を示したもので
あり、次に、これら図7〜図14を併せ参照して、同実
施の形態の装置の上記調停や遅延(ディレイ)処理を含
めた燃料圧力制御の詳細について説明する。
【0108】この実施の形態の装置では、上記通常の噴
射制御モードでの燃料噴射弁17の駆動制御をはじめ、
上記無効噴射制御モードでの同燃料噴射弁17の最初の
駆動時期については、ディーゼル機関1のクランク角を
基準としてそのタイミングを管理するクランク角同期制
御に基づいて行う。
【0109】そして上述のように、無効噴射制御に移行
して後、燃料噴射弁17の上記無効噴射期間での駆動周
期についてはこれを当該機関1の運転条件等によらない
所定の時間に設定するとともに、この所定の時間に基づ
く燃料噴射弁17の無効噴射期間での繰り返しの駆動に
ついてはこれを、無効噴射パルスのパルスオフ割込みに
よって実現する。
【0110】一方、同実施の形態の装置において、当該
機関1の停止条件の成立確認、並びに、この停止条件の
成立に基づく機関停止時の無効噴射制御モードでの燃料
噴射弁17の最初の駆動時期については、所定の時間を
基準としてそのタイミングを管理する時間同期制御に基
づいて行う。
【0111】そしてこの場合も、無効噴射制御に移行し
て後は、燃料噴射弁17の上記無効噴射期間での駆動周
期を所定の時間に設定するとともに、該所定の時間に基
づく燃料噴射弁17の無効噴射期間での繰り返しの駆動
についてはこれを、無効噴射パルスのパルスオフ割込み
によって実現する。
【0112】また、この実施の形態の装置において、特
に上記機関停止時の無効噴射制御については、その実行
期間(能動期間)も併せて管理する。以下、この実施の
形態の装置が実行するこれら各種の制御について、その
具体的な制御手順、並びに制御態様を順に詳述する。
【0113】まず、上記クランク角同期制御について、
図7及び図9に基づき、その詳細を説明する。このクラ
ンク角同期制御では、先に図3を参照して説明したよう
に、当該機関1のクランクシャフトの回転角度に対応し
て出力される前記NEパルスのそれぞれ「3」パルス、
及び「7」パルスに同期して燃料噴射弁17の駆動態様
を制御する処理が実行される。
【0114】すなわち具体的には、電子制御装置21を
構成するマイクロコンピュータ22は、回転数センサ3
3及び気筒判別センサ34の出力に基づき、図3に例示
した態様でNEパルスを繰り返し計数し、同NEパルス
の「3」パルス、及び「7」パルスが確認される都度、
それぞれ図7に示す「NE=3同期処理」及び図9に示
す「NE=7同期処理」を繰り返し実行する。
【0115】そして、このうちの「NE=3同期処理」
では、図7に示されるように、そのステップS101の
処理として、ディーゼル機関1のその都度の運転状態に
おいて要求される燃料噴射期間Tqを算出する。この噴
射期間Tqは、アクセルセンサ31や回転数センサ33
等の出力に基づき算出される基本噴射量を適宜に補正し
た量を燃料噴射弁17の駆動期間に換算した値として算
出される。なお、ここで算出されるのは、この燃料噴射
期間Tq、すなわち燃料噴射弁17の駆動期間のみであ
り、燃料噴射時期、すなわち同燃料噴射弁17の駆動開
始時期は、予め別途の処理を通じて求められている。通
常、この燃料噴射時期が、「NEパルスの何パルス目か
ら何m(ミリ)あるいは何μ(マイクロ)秒後」といっ
たかたちで求められることはよく知られている。
【0116】また、同「NE=3同期処理」において、
そのステップS102の処理では、通常の噴射制御モー
ドへの復帰条件が成立したか否かが判断される。この通
常の噴射制御モードへの復帰条件として、この実施の形
態の装置では、 (A1)「NE=3同期処理」の前サイクル(i−1)
で算出された燃料噴射期間Tqが0μ秒であること(T
qi-1=0μs)。
【0117】(A2)「NE=3同期処理」の今回
(i)算出された燃料噴射期間Tqが0μ秒よりも大き
いこと(Tqi >0μs)。 (A3)後述する通常時無効噴射実行フラグXNがオン
となっていること。の論理積(アンド)条件が適用され
る。すなわち、同ステップS102の処理では、それま
で前記無効噴射制御による燃料噴射弁17の駆動制御が
能動となっていて且つ、今回はじめて通常の噴射制御へ
の復帰要求が生じたときにのみ、肯定(YES)判断さ
れ、それ以外の状況では否定(NO)判断される。
【0118】そして、同「NE=3同期処理」において
は、上記ステップS102の処理で肯定判断されたとき
にのみ、次のステップS103の処理として、今回算出
された燃料噴射期間Tq(>0μs)が強制的に「0μ
s」とされ、通常噴射復帰フラグがオンとされて、同ル
ーチンが一旦終了される。他方、上記ステップS102
の処理で否定判断された場合には、そのまま同ルーチン
が一旦終了される。
【0119】このように、「NE=3同期処理」では、
燃料噴射期間Tqの算出に併せて、通常の噴射制御モー
ドへの復帰条件の成立の有無が監視され、同復帰条件の
成立が確認される場合にのみ、上記算出された燃料噴射
期間Tqが強制的に「0μs(噴射無し)」に設定され
る。
【0120】一方、NEパルスの「7」パルスの確認に
基づいて起動される「NE=7同期処理」では、図9に
示されるように、まずそのステップS201の処理とし
て、通常時における無効噴射制御の前提条件が成立して
いるか否かが判断される。この通常時の無効噴射制御の
前提条件として、この実施の形態の装置では、 (B1)IGスイッチ26がオン状態にあること。また
は、IGスイッチ26がオフ操作された後、前記所定時
間T1(図4、図5)未満であること。
【0121】(B2)時間同期制御の前提フラグがオフ
であること。の論理積条件が適用される。すなわち、同
ステップS201の処理では、機関1が通常の運転状態
にあり、上記機関停止条件の成立に伴う時間同期制御等
の実行条件が満たされていなければ、現在は通常時の制
御状態にあるものとして肯定判断され、それ以外の状況
では否定判断される。
【0122】そして、同「NE=7同期処理」において
は、上記ステップS201の処理で肯定判断された場合
に、ステップS202の処理として通常時の無効噴射制
御の前提フラグがオンとされ、否定判断された場合に
は、ステップS203の処理としてこの通常時の無効噴
射制御の前提フラグがオフとされる。
【0123】その後、同「NE=7同期処理」では、ス
テップS204の処理として、通常時における無効噴射
制御の実行条件が成立しているか否かが判断される。こ
の通常時の無効噴射制御の実行条件として、この実施の
形態の装置では、 (C1)上記通常時の無効噴射制御の前提フラグがオン
となっていること。
【0124】(C2)燃料圧力センサ35を通じて検出
されるコモンレール15内の燃料圧力の値が、当該機関
1のその都度の運転状態に基づき算出される目標燃料圧
力に任意の余裕代αを加えた値以上となっていること。
【0125】(C3)上記通常噴射復帰フラグがオフと
なっていること。 (C4)今回(i)の上記「NE=3同期処理」を通じ
て算出されている燃料噴射期間Tqが「0μs(噴射要
求無し)」であること(Tqi =0μs)。の論理積条
件が適用される。すなわち、同ステップS204の処理
では、上述した燃料カット状態への移行等、通常時にお
ける無効噴射制御の実行条件が満たされているか否かが
判断される。
【0126】そして、同「NE=7同期処理」では、上
記ステップS204の処理において肯定判断されると
き、それまでは通常時無効噴射実行フラグXNがオフで
あったことを条件に同無効噴射実行フラグXNがオンと
され、燃料噴射弁17に対する無効噴射制御用の駆動パ
ルスである無効噴射パルスの第1パルスがセットされた
後、当該ルーチンが一旦終了される(図9ステップS2
05〜S207)。
【0127】なお、この無効噴射パルスは、それが立上
るまでのオフ時間Taと、その立上りから立下りまでの
いわゆるパルス幅に相当するオン時間Tbとの2つの時
間としてセットされる。また、この無効噴射パルスのセ
ットは、同燃料噴射弁17に対する通常の噴射制御用の
駆動パルスと同様、マイクロコンピュータ22自身がそ
の前記ドライバ23に対応する出力ポートに対して行う
ものであり、ドライバ23では、こうしてその対応する
出力ポートに駆動パルスがセットされることにより、こ
のセットされたオフ時間(Ta)の経過の後、同セット
されたオン時間(Tb)だけ燃料噴射弁17(電磁弁2
4)を駆動する。
【0128】他方、この「NE=7同期処理」では、上
記ステップS204の処理において否定判断されるとき
には、ステップS208及びS209の処理として、そ
れぞれ上記無効噴射実行フラグXN及び上記通常噴射復
帰フラグがオフとされたうえで、当該ルーチンが一旦終
了される。
【0129】このように、「NE=7同期処理」では、
ディーゼル機関1の通常の運転時における無効噴射制御
の前提条件及び実行条件の成立の有無を判断し、それら
2つの条件が最初に満たされるときにのみ、通常時無効
噴射実行フラグXNをオンとして、無効噴射パルスの第
1パルスをセットする。
【0130】また、上記前提条件及び実行条件のいずれ
か一方でも満たされなくなった場合には、その時点で上
記通常時無効噴射実行フラグXNをオフにするととも
に、先の「NE=3同期処理」において通常噴射復帰フ
ラグがオンとされた場合には、この「NE=7同期処
理」にて同通常噴射復帰フラグをオフとする。
【0131】しかもここでは、特に無効噴射制御の実行
条件としての上記(C4)の条件、すなわち「今回は噴
射要求がない」ことが併せ満たされていることをもって
はじめて同無効噴射制御の実行条件が成立している旨が
判断される。このため、前記(イ)のように燃料噴射弁
17の通常の噴射制御による駆動から無効噴射制御によ
る駆動に移行する場合であれ、同燃料噴射弁17の駆動
にかかるそれら制御が干渉することはない。
【0132】そして、この実施の形態の装置において
は、この「NE=7同期処理」を通じて無効噴射パルス
の第1パルスがセットされた場合、このセットされた無
効噴射パルスのパルスオフ割込みに基づいて、同じく無
効噴射パルスの第2パルス以降のパルスが順次セットさ
れる。この無効噴射パルスオフ割込みにかかる処理手順
を図8に示す。
【0133】すなわち、前記マイクロコンピュータ22
は、先にセットされている無効噴射パルスがオフとなる
毎に、同図8にその手順を示す割込み処理を開始する。
そしてこの割込み処理に際し、マイクロコンピュータ2
2は上記無効噴射実行フラグ(後述する停止時無効噴射
実行フラグXTをも含む)の状態を監視して、これがオ
ンとなっていることを条件に無効噴射パルスの第2パル
ス以降のパルスをその上記ドライバ23に対応する出力
ポートにセットする(図8ステップS401及びS40
2)。そしてその後は、同割込み処理を一旦終了する。
【0134】このように、この無効噴射パルスオフ割込
みは、ドライバ23に対応する出力ポートに対して予め
無効噴射パルスがセットされていることを条件に起動さ
れ、また起動されたとしても、無効噴射実行フラグ(X
N/XT)がオン状態に維持されていることを条件に次
の無効噴射パルスをセットする。
【0135】このため、一旦無効噴射パルスがセットさ
れれば、無効噴射実行フラグ(XN/XT)がオン状態
に維持されている限り、上述したオフ時間Taとオン時
間Tbとの和を周期とする所定の時間毎に、同無効噴射
パルスのセット、ひいては同無効噴射パルスに基づく燃
料噴射弁17の駆動が繰り返されるようになる。なお、
この無効噴射パルスにあって、上記オフ時間Taとは、
上記ドライバ23が燃料噴射弁17を駆動するうえでの
必要十分な蓄電が確保される時間であり、また上記オン
時間Tbとは、同燃料噴射弁17の前述した無効噴射期
間内での任意の時間である。
【0136】一方、上記条件のもとに無効噴射パルスが
一旦セットされると、その後たとえ無効噴射実行フラグ
(XN/XT)がオフになったとしても、同パルスに基
づく燃料噴射弁17の駆動は実行される。すなわち、無
効噴射実行フラグ(XN/XT)がオフになる直前にセ
ットされた無効噴射パルスがある場合には、この無効噴
射実行フラグ(XN/XT)のオフ後も、この最後の無
効噴射パルスに基づく燃料噴射弁17の駆動が実行され
る。このため、前記(ロ)のように、燃料噴射弁17の
無効噴射制御による駆動から通常の噴射制御による駆動
に復帰する際には、無効噴射制御での最後の駆動時期が
不明となることも避けきれない。
【0137】そこで、この実施の形態の装置では、同燃
料噴射弁17の無効噴射制御による駆動から通常の噴射
制御による駆動に復帰される際、上記「NE=3同期処
理」を通じてその最初の燃料噴射期間Tqを強制的に
「0μs(噴射無し)」に設定することで、この不明な
無効噴射パルスとの干渉を避けるようにしている。
【0138】図10(a)〜(d)は、前記(イ)の場
合、すなわち燃料噴射弁17の通常の噴射制御から無効
噴射制御に移行する場合について、この実施の形態の装
置のこうしたクランク角同期制御、及び無効噴射パルス
オフ割込み処理に基づく通常時無効噴射実行フラグX
N、無効噴射パルス、通常噴射復帰フラグ、及び通常の
噴射パルスの推移をタイミングチャートとして示したも
のである。
【0139】同図10に示されるように、通常の噴射制
御モードにあっては、上記「NE=3同期処理」を通じ
て算出される燃料噴射期間Tq(噴射時期は別途に算
出)に基づいて燃料噴射弁17が駆動されている(図1
0(d))。
【0140】こうした状態において前記燃料カットが開
始され、そのとき「NE=3同期処理」を通じて算出さ
れる燃料噴射期間Tqが「0μs(噴射無し)」である
ことを最低限の条件として、「NE=7同期処理」にお
いて先の(B1)〜(B2)及び(C1)〜(C4)の
条件の成立が判断されると、タイミングt11をもって
上記無効噴射実行フラグXNがオンとなり(図10
(a))、且つ、無効噴射パルスの第1パルスがセット
される(図10(b))。
【0141】そして、その後は、上記(B1)〜(B
2)及び(C1)〜(C4)の条件が全て満たされてい
る限り、上記無効噴射パルスオフ割込み処理に基づく無
効噴射パルスのセット、及びこのセットされる無効噴射
パルスによる燃料噴射弁17の無効噴射制御モードでの
駆動が繰り返される。
【0142】また、図11(a)〜(d)は、前記
(ロ)の場合、すなわち燃料噴射弁17の無効噴射制御
から通常の噴射制御に復帰する場合について、この実施
の形態の装置の同クランク角同期制御、及び無効噴射パ
ルスオフ割込み処理に基づく通常時無効噴射実行フラグ
XN、無効噴射パルス、通常噴射復帰フラグ、及び通常
の噴射パルスの推移をタイミングチャートとして示した
ものである。
【0143】図11に示されるように、タイミングt2
1において上記無効噴射実行フラグXNがオンとなり、
以後、無効噴射制御モードでの燃料噴射弁17の駆動が
実行されているときに(図11(a)及び(b))、タ
イミングt22での「NE=3同期処理」をもって噴射
要求が復帰されたとする(図11(c))。
【0144】このときには、上記(A1)〜(A3)の
条件が満たされることとなり、同「NE=3同期処理」
を通じて通常噴射復帰フラグがオンとされるとともに、
その時点で算出されている燃料噴射期間Tq(≠0)が
強制的に「0μs」とされる(Tq=0)。すなわち、
本来はタイミングt23といった当該噴射要求に対応し
て予め算出されている燃料噴射時期において通常の噴射
制御モードとして駆動されるべき燃料噴射弁17の駆動
が禁止される(図11(d))。
【0145】また、このときには、タイミングt25で
の「NE=7同期処理」において、少なくとも前記(C
3)の条件がくずれ、もって上記無効噴射実行フラグX
Nがオフとされる(図11(a))。ただし、その直前
のタイミングt24において立ち上がった無効噴射パル
スのパルスオフに伴い、上記無効噴射パルスオフ割込み
処理を通じて既に次の無効噴射パルスがセットされてい
るため、上記無効噴射実行フラグXNがオフとされる当
該タイミングt25以後も、その最後の無効噴射パルス
PLSrに基づく燃料噴射弁17の駆動は実行される。
もっとも、このときには上述のように、通常の噴射制御
モードでの燃料噴射弁17の駆動が禁止されているた
め、同燃料噴射弁17に対するそれら制御の干渉はな
い。
【0146】そしてその後は、図11(d)に示される
態様で、通常の噴射制御モードによる燃料噴射弁17の
駆動が再開される。なお、同通常の噴射制御モードにお
いて再び燃料カットが行われるようなことがあれば、上
記(B1)〜(B2)及び(C1)〜(C4)の条件の
成立のもとに、再び図10に例示する態様での無効噴射
制御が行われるようになる。
【0147】同実施の形態の装置にあってはこのよう
に、通常の噴射制御モードから無効噴射制御モードへの
移行時には、噴射要求が存在しないことを最低限の条件
として無効噴射パルスがセットされるといった態様でそ
の調停が行われ、また、無効噴射制御モードから通常の
噴射制御モードへの復帰時には、該復帰にかかる最初の
燃料噴射が禁止されるといった態様でその調停が行われ
る。このため、燃料噴射弁17の駆動に関するそれら制
御の干渉は好適に回避されるようになる。
【0148】そして同実施の形態の装置にあっては、機
関1の通常運転時、通常の噴射制御にかかる燃料噴射弁
17の駆動期間、及び無効噴射制御にかかる燃料噴射弁
17の最初の駆動時期を、上記クランク角同期制御を通
じて一元的に管理することによって、こうした調停を容
易なものとしている。
【0149】次に、当該機関1の停止条件の成立確認、
並びに、該停止条件の成立に基づく機関停止時の無効噴
射制御モードでの燃料噴射弁17の駆動を管理する上記
時間同期制御について、図12に基づき、その詳細を説
明する。
【0150】この時間同期制御は、電子制御装置21を
構成するマイクロコンピュータ22を通じて、例えば1
6m秒等の所定の時間を周期として繰り返し実行され
る。この時間同期制御では、図12に示されるように、
まずそのステップS301の処理として、同時間同期制
御の前提条件が成立したか否かが判断される。この時間
同期制御の前提条件として、この実施の形態の装置で
は、 (D1)IGスイッチ26のオフ操作後、前記時間T1
(図4、図5)が経過したこと。
【0151】(D2)当該機関1のストールが判定され
て且つIGスイッチ26が同機関1のスタータ駆動位置
(IGスイッチ26のオン位置以外の第3の位置:図示
略)にないこと。の論理和(オア)条件が適用される。
すなわち、このステップS301の処理では、ディーゼ
ル機関1あるいはIGスイッチ26の状態が、図4に例
示した状態ブロックC21、状態ブロックC3、及び状
態ブロックC4のいずれかの状態にあるか否かが判断さ
れ、それらいずれかの状態にあることが確認されるとき
には肯定判断され、それ以外の状況では否定判断され
る。
【0152】そして、このステップS301の処理にお
いて肯定判断される場合には、当該時間同期制御の前提
フラグがオンされるとともに(図12ステップS30
2)、通常時無効噴射実行フラグXNがオンになってい
ればこれがオフとされ(図12ステップS303)、併
せて当該時間同期制御プログラムにて内部定義されてい
るディレイカウンタがインクリメントされる(図12ス
テップS304)。なお、このディレイカウンタとは、
先の図4あるいは図6を参照して説明した遅延(ディレ
イ)処理に用いられるカウンタである。
【0153】また、同ステップS301の処理において
否定判断される場合には、当該時間同期制御の前提フラ
グがオフとされるとともに(図12ステップS30
5)、上記ディレイカウンタがクリアされる(図12ス
テップS306)。
【0154】その後、この時間同期制御では、ステップ
S307の処理として、当該時間同期制御の実行条件が
成立しているか否かが判断される。この時間同期制御の
実行条件として、この実施の形態の装置では、 (E1)ディレイカウンタのカウンタ値が前述したディ
レイ処理の完了を許容する所定の値DCa以上となって
いること(ディレイカウンタ値≧DCa)。
【0155】(E2)燃料圧力センサ35を通じて検出
されるコモンレール15内の燃料圧力の値が無効噴射制
御の実行が必要とされる所定の圧力値Pa以上となって
いること(検出燃料圧力≧Pa)。
【0156】(E3)ディレイカウンタと同様、当該時
間同期制御プログラムにて内部定義されている時間同期
制御実行カウンタのカウンタ値が、機関1の停止時にお
ける無効噴射制御の必要以上の実行期間に対応して設定
された所定の値ECa以下であること(時間同期制御実
行カウンタ値≦ECa)。の論理積(アンド)条件が適
用される。すなわち、同ステップS204の処理では、
機関停止時における無効噴射制御の実行条件が満たされ
ているか否かが判断される。
【0157】なおここで、同実施の形態の装置によるデ
ィレイ処理でのディレイ期間に相当する上記(E1)の
条件におけるディレイカウンタ値の比較値DCaとして
は、例えば「2」程度の値が採用される。すなわち、当
該時間同期制御が16m秒を周期として起動される場合
には、その2周期分の「32m秒」程度の時間に相当す
る値として設定される。これは、前記(ハ)の場合、す
なわち燃料噴射弁17の通常の噴射制御から機関停止時
の無効噴射制御に移行する場合、あるいは前記(ニ)の
場合、すなわち燃料噴射弁17の無効噴射制御から機関
停止時の無効噴射制御に移行する場合において、同燃料
噴射弁17に対するそれら移行時の制御干渉を確実に回
避するうえで必要十分な期間である。
【0158】そして、この時間同期制御では、上記ステ
ップS307の処理において肯定判断されるとき、それ
までは停止時無効噴射実行フラグXTがオフであったこ
とを条件に同無効噴射実行フラグXTがオンとされ、上
記無効噴射パルスの第1パルスがセットされる(図12
ステップS308〜S310)。なお、この無効噴射パ
ルスが、それが立上るまでのオフ時間Taと、その立上
りから立下りまでのいわゆるパルス幅に相当するオン時
間Tbとの2つの時間としてセットされることは、先の
「NE=7同期処理」のステップS207での処理と同
様である。また、このステップS310において同無効
噴射パルスの第1パルスがセットされることにより、そ
のパルスオフ時に、図8に例示した無効噴射パルスオフ
割込み処理が起動されること、そしてその後、上記無効
噴射実行フラグXTがオンに維持されている間は、上記
オフ時間Taとオン時間Tbとの和を周期とする所定の
時間毎に、同無効噴射パルスのセット、ひいては同パル
スに基づく燃料噴射弁17の駆動が繰り返されるように
なることも、先の制御の場合と同様である。
【0159】一方、同時間同期制御において、上記ステ
ップS310の処理として無効噴射パルスの第1パルス
がセットされた後は、ステップS311の処理として、
上記時間同期制御実行カウンタがインクリメントされた
後、当該ルーチンが一旦終了される。なお、このステッ
プS311の処理は、上記ステップS307の処理にお
いて肯定判断される都度、繰り返し実行される。
【0160】他方、上記ステップS307の処理におい
て否定判断されるときには、停止時無効噴射実行フラグ
XTがオフとされるとともに、上記時間同期制御実行カ
ウンタがクリアされて、同ルーチンが一旦終了される
(図12ステップS312及びず313)。
【0161】このように、時間同期制御では、ディーゼ
ル機関1の停止条件、すなわち上記(D1)または(D
2)の条件の論理和条件が満たされることをもって、そ
のとき通常時無効噴射実行フラグXNがオンとなってい
ればこれを一旦オフとし、上記ディレイカウンタのカウ
ンタ値をもとに遅延(ディレイ)処理を開始する。
【0162】そして、この所定のディレイ期間を経た
後、機関停止時における無効噴射制御の実行条件が満た
されていれば、先のクランク角同期制御の場合と同様
に、無効噴射パルスのセットを通じて、燃料噴射弁17
の無効噴射制御モードでの駆動を開始する。
【0163】ただし、この機関停止時における時間同期
制御では、上記無効噴射制御の実行期間(能動期間)も
上記時間同期制御実行カウンタのカウンタ値をもとに監
視しており、たとえ上記(E2)の条件が満たされてい
る場合であれ、同カウンタ値が上記所定の値ECaに達
した時点で停止時無効噴射実行フラグXTはオフとされ
る。
【0164】図13(a)〜(e)は、前記(ハ)の場
合、すなわち燃料噴射弁17の通常の噴射制御から機関
停止時の無効噴射制御に移行する場合について、この実
施の形態の装置のこうした時間同期制御、及び無効噴射
パルスオフ割込み処理に基づく停止時無効噴射実行フラ
グXT、時間同期制御前提フラグ、ディレイカウンタの
カウンタ値、無効噴射/通常噴射パルス、時間同期制御
実行カウンタのカウンタ値の推移をタイミングチャート
として示したものである。
【0165】同図13に示されるように、通常の噴射制
御モードにあっては前述同様、上記「NE=3同期処
理」を通じて算出される燃料噴射期間Tq(噴射時期は
別途に算出)に基づいて燃料噴射弁17が駆動されてい
る(図13(d))。
【0166】こうした状態において、タイミングt31
での時間同期制御を通じて上記機関停止条件(上記(D
1)または(D2)の論理和条件)の成立が判断される
と、このタイミングt31をもって時間同期制御前提フ
ラグがオンになり(図13(b))、併せて上記ディレ
イカウンタの計数(インクリメント)動作、すなわちデ
ィレイ処理が開始される(図13(c))。
【0167】そして、時間同期制御の繰り返しの実行を
通じて、その後、ディレイカウンタのカウンタ値が上記
所定の値DCaに達するまでディレイ処理が継続され、
このカウンタ値が所定の値DCaに達したところで(上
記(E1)の条件が成立)、同ディレイ処理が終了され
る。なおこの間、燃料噴射弁17は、少なくとも無効噴
射制御モードにて駆動されることはないため、たとえ通
常の噴射制御に基づく燃料噴射弁17の最後の駆動が行
われたとしても、この燃料噴射弁17に対する制御干渉
が生じることはない。
【0168】一方、こうしたディレイ処理の後、上記
(E2)の条件が満たされていれば、タイミングt32
での時間同期制御をもって上記無効噴射実行フラグXT
がオンとされる(図13(c)及び(a))。また併せ
て、無効噴射パルスの第1パルスがセットされるととも
に(図13(d))、上記時間同期制御実行カウンタの
計数(インクリメント)動作が開始される(図13
(e))。なおこの時点では、上記(E3)の条件は必
ず満たされている。また、こうして無効噴射パルスの第
1パルスがセットされることにより、その後は、上記
(D1)または(D2)の論理和条件はもとより、上記
(E1)〜(E3)の条件が全て満たされている限り、
上記無効噴射パルスオフ割込み処理に基づく無効噴射パ
ルスのセット、及びこのセットされる無効噴射パルスに
よる燃料噴射弁17の無効噴射制御モードでの駆動が繰
り返される(図13(d))。
【0169】そしてその後、たとえ上記(E2)の条件
が満たされていても、上記時間同期制御実行カウンタの
カウンタ値が上記所定の値ECaに達したことがタイミ
ングt33での時間同期制御において確認された場合に
は、同タイミングt33にて上記無効噴射実行フラグX
Tがオフとされて(図13(e)及び(a))、当該無
効噴射制御が終了される。なおこの場合も、同無効噴射
実行フラグXTがオフとされる直前に立ち上がった無効
噴射パルスのパルスオフに伴い、上記無効噴射パルスオ
フ割込み処理を通じて既に次の無効噴射パルスがセット
されているため、該無効噴射実行フラグXTがオフとさ
れる当該タイミングt33以後も、その最後の無効噴射
パルスPLSrに基づく燃料噴射弁17の駆動は実行さ
れる。しかし、同タイミングt33以降、機関1が再始
動されるまでは燃料噴射弁17が再駆動されることもな
いため、ここにおいて同燃料噴射弁17に対する制御干
渉が生じることはない。
【0170】また、図14(a)〜(e)は、前記
(ニ)の場合、すなわち燃料噴射弁17の通常時無効噴
射制御から機関停止時の無効噴射制御に移行する場合に
ついて、この実施の形態の装置のこうした時間同期制
御、及び無効噴射パルスオフ割込み処理に基づく無効噴
射実行フラグXN/XT、時間同期制御前提フラグ、デ
ィレイカウンタのカウンタ値、無効噴射/通常噴射パル
ス、時間同期制御実行カウンタのカウンタ値の推移をタ
イミングチャートとして示したものである。なお、同図
14(a)においては便宜上、通常時無効噴射実行フラ
グXN及び停止時無効噴射実行フラグXTを1つの時間
軸上に一括して図示している。
【0171】すなわちいま、通常時無効噴射実行フラグ
XNがオン状態にあることに基づき燃料噴射弁17が無
効噴射制御モードにて駆動されているとするときに、タ
イミングt41での時間同期制御を通じて、上記機関停
止条件(上記(D1)または(D2)の論理和条件)の
成立が判断されると、このタイミングt41をもって時
間同期制御前提フラグがオンになる(図14(b))。
【0172】そしてこのときには、同タイミングt41
をもって上記オン状態にある通常時無効噴射実行フラグ
XNがオフとされたうえで(図14(a))、上述した
ディレイカウンタの計数動作を通じたディレイ処理が開
始され(図14(c))、その後、ディレイカウンタの
カウンタ値が上記所定の値DCaに達したところで同デ
ィレイ処理が終了される。
【0173】またこのときには、上記無効噴射実行フラ
グXNがオフとされる直前に立ち上がった無効噴射パル
スのパルスオフに伴い、上記無効噴射パルスオフ割込み
処理を通じて既に次の無効噴射パルスがセットされてい
る。このため、この無効噴射実行フラグXNがオフとさ
れる当該タイミングt41以後も、その最後の無効噴射
パルスPLSrに基づく燃料噴射弁17の駆動が実行さ
れる。
【0174】ただし、この実施の形態の装置にあっては
上述のように、同タイミングt41以降、少なくとも上
記ディレイ処理が終了されるまでは、燃料噴射弁17に
対する新たな駆動制御が開始されることはないため、こ
こにおいても、同燃料噴射弁17に対する制御干渉が生
じることはない。
【0175】そしてその後、タイミングt42での時間
同期制御に基づき上記ディレイ処理が終了されたとき
に、上記(E2)の条件が満たされていれば、このタイ
ミングt42をもって停止時無効噴射実行フラグXTが
オンとされるとともに(図14(c)及び(a))、無
効噴射パルスの第1パルスがセットされ(図14
(d))、併せて上記時間同期制御実行カウンタの計数
(インクリメント)動作が開始される(図14
(e))。こうして無効噴射パルスの第1パルスがセッ
トされることにより、その後は上述と同様、上記(D
1)または(D2)の論理和条件はもとより、上記(E
1)〜(E3)の条件が全て満たされている限り、無効
噴射パルスオフ割込み処理に基づく無効噴射パルスのセ
ット、及びこのセットされる無効噴射パルスによる燃料
噴射弁17の無効噴射制御モードでの駆動が繰り返され
る(図14(d))。またその後、たとえ上記(E2)
の条件が満たされていても、上記時間同期制御実行カウ
ンタのカウンタ値が上記所定の値ECaに達したことが
タイミングt43での時間同期制御において確認された
場合には、同タイミングt43にて上記無効噴射実行フ
ラグXTがオフとされ(図14(e)及び(a))、当
該無効噴射制御が終了されることも、図13例示した制
御の場合と同様である。
【0176】同実施の形態の装置にあってはこのよう
に、通常の噴射制御モードであれ、あるいは無効噴射制
御モードであれ、それら制御モードから機関停止時の無
効噴射制御モードへの移行時には、時間同期制御による
上記ディレイ処理を通じてこの機関停止時の無効噴射制
御の実行が所定期間だけ遅延される。このため、同無効
噴射制御モードへの移行時であれ、燃料噴射弁17に対
する制御干渉を避けて、確実に無効噴射制御による同燃
料噴射弁17の駆動を実行することができるようにな
る。
【0177】しかも同実施の形態の装置にあっては、こ
の機関停止時における時間同期制御に際し、上記無効噴
射制御の実行期間(能動期間)も時間同期制御実行カウ
ンタのカウンタ値をもとに管理されることから、ディー
ゼル機関1が停止状態にあるときの無駄な無効噴射制御
の実行も好適に低減されるようになる。
【0178】そして、こうして機関停止時の無効噴射制
御が終了された後は、あるいは時間同期制御の実行条件
(E1)〜(E3)が満たされずに燃料噴射弁17の駆
動が停止された後は、前述したように、リレー27がオ
フとされ、電子制御装置21への給電が停止される。
【0179】以上説明したように、この実施の形態にか
かる燃料圧力制御装置によれば、以下に列記するような
多くの優れた効果を得ることができるようになる。 (1)無効噴射制御モードでの燃料噴射弁17の駆動
が、ディーゼル機関1の運転条件等によらない所定の時
間を周期として行われるため、コモンレール15内の余
剰な燃料圧力を確実に低下せしめることが可能になる。
なお、こうして同コモンレール15内の余剰な燃料圧力
が確実に低下されることで、その圧力低下量の推定も容
易となる。ちなみに、コモンレール15への燃料の圧送
制御や当該高圧燃料噴射系10の診断等、他の制御や診
断等が併せて行われるような環境にあっては、こうした
圧力低下量の推定も重要な要素となる。
【0180】(2)ディーゼル機関1の通常運転時に
は、そのクランク角を基準とするクランク角同期制御に
基づいて、通常の噴射制御モードでの燃料噴射弁17の
駆動をはじめ、無効噴射制御モードでの同燃料噴射弁1
7の最初の駆動時期を制御するようにした。このため、
それら通常の噴射制御モードと無効噴射制御モードとの
一元的な管理が可能となり、それら各制御モードでの燃
料噴射弁17の制御干渉を避けるなど、その調停も容易
となる。
【0181】(3)上記クランク角同期制御にあって
は、少なくとも通常の噴射制御モードでの噴射要求がな
いことを条件に、上記無効噴射制御モードでの燃料噴射
弁17の最初の駆動を許可するようにしたことで、それ
ら各制御モードでの燃料噴射弁17の制御干渉も確実に
回避されるようになる。そしてこのため、通常の噴射制
御モードから無効噴射制御モードへの移行に伴うエミッ
ションの悪化や機関ダメージ等も好適に回避される。ま
たその際、この無効噴射制御モードでの燃料噴射弁17
の最初の駆動にかかる無効噴射パルスの上記オフ時間T
aとして、ドライバ23が燃料噴射弁17を駆動するう
えでの必要十分な蓄電が確保される時間を選んでいるこ
とから、少なくともこの無効噴射制御モードでの燃料噴
射弁17の最初の駆動を確実なものとすることもでき
る。
【0182】(4)同じく上記クランク角同期制御にあ
っては、燃料噴射弁17の無効噴射制御モードによる駆
動から通常の噴射制御モードによる駆動への復帰時、通
常の噴射制御モードによる燃料噴射弁17の駆動をその
最初の駆動分だけ強制的に禁止するようにした。このた
め、無効噴射制御モードでの燃料噴射弁17の駆動が無
効噴射パルスオフ割込みにて行われる場合であっても、
それら各制御モードでの同燃料噴射弁17の制御干渉は
確実に回避されるようになる。なお、基本的に上記禁止
期間は任意であるが、同実施の形態の装置のように、無
効噴射制御モードでの燃料噴射弁17の駆動周期がクラ
ンク角を基準とする同燃料噴射弁17の通常の噴射制御
での駆動周期よりも十分に短い場合には、この禁止期間
を最初の1駆動分だけとすることで、燃料噴射弁17の
制御干渉を回避したうえで、無効噴射制御モードから通
常の噴射制御モードへの最も円滑な復帰が可能となる。
【0183】(5)ディーゼル機関1の停止条件の成立
確認、並びに、この停止条件の成立に基づく機関停止時
の無効噴射制御モードでの燃料噴射弁17の最初の駆動
時期については、所定の時間を基準としてそのタイミン
グを別途に管理する時間同期制御に基づいて行うことと
した。このため、同機関1の停止条件成立後は、その回
転数等によらずに無効噴射制御モードでの燃料噴射弁1
7の駆動が確実に実行されるようになる。また、機関停
止時にこうして無効噴射制御が実行されることで、機関
1のレーシング中にIGスイッチ26のオフ操作が行わ
れ、その後直ちに再始動操作が行われたような場合、あ
るいは走行中に機関1がストールし、その後直ちに再始
動操作が行われたりしたような場合にも、コモンレール
15内の燃料圧力を予め適正に低減しておくことが可能
となる。なお、機関停止後、十分な時間放置される場合
には、コモンレール15内の燃料圧力も十分低下するよ
うにはなるが、このように急速な再始動操作が行われる
場合には、前述のように、コモンレール15内の燃料圧
力が機関始動時の目標燃料圧力まで下がらないことに起
因する過大な圧力での燃料噴射が行われ、ひいては燃焼
騒音の増大等を招く可能性が無視できない。
【0184】(6)上記時間同期制御にあっては、その
ディレイ処理を通じて無効噴射制御モードでの燃料噴射
弁17の最初の駆動時期を所定期間遅延するようにした
ことで、機関1の停止条件成立後は、それ以前に実行さ
れていた制御との干渉を避けて、確実に無効噴射制御モ
ードに移行することができるようになる。
【0185】(7)同じく上記時間同期制御にあって
は、機関停止時の無効噴射制御モードへの移行後、その
実行期間(能動期間)も併せて管理し、これが所定の期
間に達した場合には同無効噴射制御を停止するようにし
たことで、機関1が停止された状態での無駄な無効噴射
制御の実行等も好適に抑制されるようになる。
【0186】なお、この発明にかかる高圧燃料噴射系の
燃料圧力制御装置は上記実施の形態に限定されるもので
はなく、同実施の形態を適宜変更した例えば次のような
形態として実現することもできる。
【0187】・上記実施の形態にあっては、図12に例
示した時間同期制御にあって、その無効噴射実行条件の
成立の有無を判断するための要素の1つとして、(E
2)燃料圧力センサ35を通じて検出されるコモンレー
ル15内の燃料圧力の値が無効噴射制御の実行が必要と
される所定の圧力値Pa以上となっていること(検出燃
料圧力≧Pa)。を設けたが、この所定の圧力値Paに
ついては、これを前記水温センサ32を通じて検出され
る冷却水温の関数として可変設定する構成としてもよ
い。
【0188】ちなみに、ディーゼル機関1の始動時に
は、例えば図15に例示する態様で、この冷却水温をパ
ラメータとしてコモンレール15内の目標燃料圧力が算
出される。一方、上述のように、当該機関1のレーシン
グ中にIGスイッチ26のオフ操作が行われ、その後直
ちに再始動操作が行われるような場合、あるいは走行中
に同機関1がストールし、その後直ちに再始動操作が行
われるような場合には、通常、それら機関停止時と機関
始動時とで、冷却水温の値は同等の値に保持される。こ
のため、機関停止条件が成立したときのコモンレール1
5内の燃料圧力を上記時間同期制御を通じた無効噴射制
御によって制御する際、そのしきい値となる所定の圧力
値Paを上記冷却水温の関数として可変設定するように
すれば、当該機関1の再始動時、「目標燃料圧力≒実際
の燃料圧力」といった関係で同燃料圧力のフィードバッ
ク制御が開始されるようになる。すなわち、無駄な無効
噴射制御の実行を低減したうえで、この機関再始動時の
燃料圧力フィードバック制御にかかる収束性を大幅に高
めることができるようになる。図16に、この所定の圧
力値Paと上述した時間同期制御との関係を、先の図1
3、あるいは図14に対応するタイミングチャートとし
て参考までに示す。
【0189】この図16において、図16(f)は、前
記燃料圧力センサ35を通じて検出されるコモンレール
15内の燃料圧力の推移、及びこの推移に対する上記所
定の値Paの関係を示したものである。すなわち、図1
6(a)に示されるように、タイミングt51での時間
同期制御を通じて停止時の無効噴射実行フラグXTがオ
ンとされ、図16(d)に示される態様で、無効噴射制
御が実行されるとすると、この間、前記サプライポンプ
13を通じた燃料の圧送が行われない限り、同コモンレ
ール15内の燃料圧力は、この無効噴射制御での燃料噴
射弁17の駆動に応じて、同図16(f)に例示する態
様で低下する。そして、その検出される燃料圧力の値
が、タイミングt52での時間同期制御を通じて上記所
定の値Paに達したことが判断されれば、たとえそのと
き、上記時間同期制御実行カウンタのカウンタ値がその
所定の値ECaに達していなくとも、同タイミングt5
2をもって上記無効噴射実行フラグXTがオフとされる
(図16(a))。もっとも、時間同期制御実行カウン
タのカウンタ値が所定の値ECaに達するタイミングt
53がこのタイミングt52よりも早ければその限りで
はなく、先の図13、あるいは図14に例示したよう
に、同カウンタ値が所定の値ECaに達したタイミング
をもって上記無効噴射実行フラグXTがオフとされる。
【0190】・また、上記(E2)の条件での所定の圧
力値Paについては、これを経験等に基づく所定の目標
燃料圧力に対応した値に設定することもできる。この場
合にも、機関再始動時にコモンレール15内の燃料圧力
が異常に高い状態にあることを好適に防止することがで
きる。
【0191】・また、上記実施の形態にあっては、同じ
く図12に例示した時間同期制御での無効噴射実行条件
の成立の有無を判断するための要素の1つとして、(E
3)時間同期制御実行カウンタのカウンタ値が、機関1
の停止時における無効噴射制御の必要以上の実行期間に
対応して設定された所定の値ECa以下であること(時
間同期制御実行カウンタ値≦ECa)。を設けたが、こ
の所定の値ECaについては、これを前記回転数センサ
33を通じて検出される機関回転数(NE)のパラメー
タとして可変設定する構成としてもよい。
【0192】ちなみに、ディーゼル機関1の運転中であ
れば、上記無効噴射制御モードでの燃料噴射弁17の作
動音も乗員にとって気になることはないが、同機関1の
停止条件が成立した後、その運転が停止されるときに同
無効噴射制御モードでの燃料噴射弁17の作動音が残る
場合には、そうした作動音が乗員にとっては違和感とな
る。この点、上記所定の値ECaを機関回転数(NE)
のパラメータとして可変設定するようにすれば、例えば
同機関1の回転数がある回転数以下となることをもって
該無効噴射制御モードでのそれ以降の燃料噴射弁17の
駆動を禁止することができ、ひいてはこうした違和感を
排除することができるようになる。
【0193】・一方、上記実施の形態にあっては、その
クランク角同期制御としての「NE=7同期処理」を通
じて通常時無効噴射実行フラグXNのオンと無効噴射パ
ルスの第1パルスのセットとを同時に行うこととした
が、必ずしもこれら2つの処理を同時に行う必要はな
い。例えば、同「NE=7同期処理」を通じて通常時無
効噴射実行フラグXNをオンとした後、次の「NE=
8」等に同期して、無効噴射パルスの第1パルスをセッ
トするようにしてもよい。この場合であっても、無効噴
射制御モードへの移行時、燃料噴射弁17の制御干渉を
避けて、確実に、その最初の駆動を実行することができ
る。
【0194】・また、上記クランク角同期処理としての
「NE=3同期処理」や「NE=7同期処理」等、その
処理タイミングの設定も一例にすぎない。要は、適用対
象となるディーゼル機関システムのクランク角検出態様
に応じて、ピストン上死点(TDC)以前の適宜のタイ
ミングをもとに、それら対応する処理が行われるもので
あればよい。
【0195】・他方、上記実施の形態にあっては、燃料
噴射弁17の無効噴射制御モードでの駆動に際し、その
無効噴射パルスの第1パルスのみをクランク角同期制
御、あるいは時間同期制御を通じてセットした後、同無
効噴射パルスの第2パルス以降は、図8に例示した無効
噴射パルスオフ割込み処理を通じて順次セットすること
としたが、こうした無効噴射パルスの生成態様も、同実
施の形態に限られることなく任意である。要は、上記無
効噴射実行フラグXNあるいはXTがオンに維持される
所定の条件下で、所定の時間を周期として無効噴射期間
内だけ立ち上がるパルスが生成されるものであればよ
く、論理素子を使った周知のパルス生成回路等も適宜採
用することができる。
【0196】・また、それら無効噴射パルスの周期時間
が一定である必要もない。同パルスの繰り返し周期とな
る時間は、例えばそのときの燃料圧力や燃料温度等、あ
るいはその他の要求等に応じた可変の時間として設定し
てもよい。もっとも、この周期時間が一定の時間として
設定される場合には、上記コモンレール15内の燃料圧
力低下にかかる応答性も、基本的には常に一定となり、
上述した圧力低下量の推定等もさらに容易となる。
【0197】・また、上記実施の形態にあっては、調停
を行う手段が、クランク角同期制御及び時間同期制御を
それぞれ通じて、 (a)通常の噴射制御モードから無効噴射制御モードへ
の移行時には、噴射要求が存在しないことを最低限の条
件として無効噴射パルスをセットする。
【0198】(b)無効噴射制御モードから通常の噴射
制御モードへの復帰時には、該復帰にかかる最初の燃料
噴射を禁止する。 (c)機関停止時の無効噴射制御モードへの移行時に
は、同停止時の無効噴射制御モードでの最初の無効噴射
パルスのセットを所定期間だけ遅延する。等々の処理を
行うものとしたが、その構成も、同実施の形態のものに
は限定されない。この調停を行う手段として、要は、無
効噴射制御による燃料噴射弁17の駆動と無効噴射制御
によらない同燃料噴射弁17の通常の駆動とが干渉する
ことのないようこれを調停し得るものであればよい。こ
れにより、通常の燃料噴射が行われない限られた期間を
利用して無効噴射制御による燃料噴射弁17の駆動が行
われる場合であれ、その実行を確実ならしめ、ひいては
コモンレール15内の余剰な燃料圧力を確実に低下せし
めることが可能となる。特に、上記各移行時に無効噴射
制御と通常の噴射制御とのいずれの制御も行われない期
間をそれら制御要求の中で設定制御するものとして同調
停手段を構成することとすれば、こうして無効噴射制御
による燃料噴射弁17の駆動が併用される場合であれ、
燃料噴射弁17の駆動制御にかかる信頼性は向上され
る。
【0199】・また、燃料噴射弁17の無効噴射制御を
行うための構造も、図2に例示したものに限られること
なく任意である。同燃料噴射弁17として要は、これが
無効噴射期間内で駆動されるときには、コモンレール1
5内の燃料圧力の排圧のみを行う機能、構造を有するも
のであればよい。
【0200】・そして、この発明で燃料圧力の制御対象
とする高圧燃料噴射系もディーゼル機関システムのコモ
ンレールを中心とする高圧燃料噴射系には限られない。
他に例えば、ガソリン機関等であれ、筒内直接噴射方式
を採用するなど、畜圧配管に蓄えられた高圧燃料を同配
管に接続された燃料噴射弁の駆動を通じて内燃機関に噴
射供給する高圧燃料噴射系であれば、上記実施の形態に
準じたかたちで、当該燃料圧力制御装置を適用すること
はできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる高圧燃料噴射系の燃料圧力制
御装置の一実施の形態についてその全体の構成を示す略
図及びブロック図。
【図2】図1に例示する燃料噴射弁の内部構造を模式的
に示す断面図。
【図3】図1に例示する回転数センサの出力態様をクラ
ンクシャフトの回転位相との対応のもとに模式的に示す
タイムチャート。
【図4】同実施の形態の装置の調停、遅延処理の実行態
様を各種状態別に一覧する状態遷移図。
【図5】図4に例示する状態遷移図に対応して同実施の
形態の装置が実行する制御の全体の流れを示すフローチ
ャート。
【図6】図4に例示する状態遷移図に対応して同実施の
形態の装置が実行する制御の全体の流れを示すフローチ
ャート。
【図7】同実施の形態の装置のクランク角同期制御
(「NE=3同期処理」)についてその処理手順を示す
フローチャート。
【図8】同実施の形態の装置の無効噴射パルスオフ割込
み処理についてその処理手順を示すフローチャート。
【図9】同実施の形態の装置のクランク角同期制御
(「NE=7同期処理」)についてその処理手順を示す
フローチャート。
【図10】同実施の形態の装置のクランク角同期制御に
かかる制御態様を示すタイミングチャート。
【図11】同実施の形態の装置のクランク角同期制御に
かかる制御態様を示すタイミングチャート。
【図12】同実施の形態の装置の時間同期制御について
その処理手順を示すフローチャート。
【図13】同実施の形態の装置の時間同期制御にかかる
制御態様を示すタイミングチャート。
【図14】同実施の形態の装置の時間同期制御にかかる
制御態様を示すタイミングチャート。
【図15】機関始動時の目標燃料圧力の算出態様の一例
を示すグラフ。
【図16】上記時間同期制御の検出燃料圧力に基づく制
御態様を示すタイミングチャート。
【符号の説明】
1…ディーゼル機関、10…高圧燃料噴射系、11…燃
料ポンプ、12、14、16…供給配管、13…サプラ
イポンプ、15…コモンレール、17…燃料噴射弁、1
8、18a、18b、18c…リターン配管、20…制
御系、21…電子制御装置、22…マイクロコンピュー
タ、23…ドライバ、24…電磁弁、25…圧力制御
弁、26…IGスイッチ、27…リレー、30…検出
系、31…アクセルセンサ、32…水温センサ、33…
回転数センサ、34…気筒判別センサ、35…燃料圧力
センサ。
フロントページの続き Fターム(参考) 3G066 AA07 AB02 AC02 AC09 BA23 CB12 CC01 CC08U CC14 CC63 CC67 CD26 CE22 DA00 DA02 DB17 DC05 DC18 3G301 HA02 JA00 JA21 KA11 KA26 KB00 LB06 LB11 MA11 MA24 NA07 NA08 NB11 NB14 NE06 NE16 NE22 NE23 PB08Z PE01Z PE03Z PE05Z PE08Z PF03Z

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】畜圧配管に蓄えられ、同配管に接続された
    燃料噴射弁の駆動を通じて内燃機関に噴射供給される高
    圧燃料の燃料圧力を制御する高圧燃料噴射系の燃料圧力
    制御装置であって、 前記燃料噴射弁をその無効噴射期間内で駆動することに
    より、前記燃料圧力の排圧のみを行う無効噴射制御手段
    と、 前記無効噴射制御手段による燃料噴射弁の駆動と前記無
    効噴射制御手段によらない燃料噴射弁の通常の駆動とが
    干渉することのないようこれを調停する調停手段と、 を備えることを特徴とする高圧燃料噴射系の燃料圧力制
    御装置。
  2. 【請求項2】前記調停手段は、前記無効噴射制御手段に
    よる燃料噴射弁の駆動制御と前記無効噴射制御手段によ
    らない燃料噴射弁の通常の駆動制御とのいずれの制御も
    行われない期間をそれら制御要求の中で設定制御するも
    のである請求項1記載の高圧燃料噴射系の燃料圧力制御
    装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の高圧燃料噴射系の
    燃料圧力制御装置において、 前記調停手段は、前記内燃機関のクランク角を基準とし
    て前記無効噴射制御手段による燃料噴射弁の最初の駆動
    時期、及び前記無効噴射制御手段によらない同燃料噴射
    弁の通常の駆動時期を制御するクランク角同期制御手段
    を備えて構成されることを特徴とする高圧燃料噴射系の
    燃料圧力制御装置。
  4. 【請求項4】請求項3記載の高圧燃料噴射系の燃料圧力
    制御装置において、 前記クランク角同期制御手段は、前記無効噴射制御手段
    によらない燃料噴射弁の通常の駆動要求がないことを条
    件に前記無効噴射制御手段による燃料噴射弁の最初の駆
    動を許可することを特徴とする高圧燃料噴射系の燃料圧
    力制御装置。
  5. 【請求項5】請求項3記載の高圧燃料噴射系の燃料圧力
    制御装置において、 前記クランク角同期制御手段は、前記無効噴射制御手段
    による燃料噴射弁の駆動制御状態から同無効噴射制御手
    段によらない燃料噴射弁の通常の駆動制御状態への移行
    時、該無効噴射制御手段によらない燃料噴射弁の通常の
    駆動制御を所定期間禁止することを特徴とする高圧燃料
    噴射系の燃料圧力制御装置。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の高圧燃料
    噴射系の燃料圧力制御装置において、 前記調停手段は、前記内燃機関の停止条件成立に基づき
    その時点での前記無効噴射制御手段による燃料噴射弁の
    駆動制御を禁止するとともに、所定の時間に同期して同
    無効噴射制御手段による燃料噴射弁の最初の駆動時期を
    別途に設定制御する時間同期制御手段をさらに備えるこ
    とを特徴とする高圧燃料噴射系の燃料圧力制御装置。
  7. 【請求項7】請求項6記載の高圧燃料噴射系の燃料圧力
    制御装置において、 前記時間同期制御手段は、前記内燃機関の停止条件成立
    に基づき設定する前記無効噴射制御手段による燃料噴射
    弁の最初の駆動時期を所定期間遅延することを特徴とす
    る高圧燃料噴射系の燃料圧力制御装置。
  8. 【請求項8】請求項6または7記載の高圧燃料噴射系の
    燃料圧力制御装置において、 前記時間同期制御手段は、前記無効噴射制御手段による
    燃料噴射弁の駆動制御の能動期間を併せて設定制御する
    ことを特徴とする高圧燃料噴射系の燃料圧力制御装置。
  9. 【請求項9】請求項8記載の高圧燃料噴射系の燃料圧力
    制御装置において、 前記時間同期制御手段は、前記無効噴射制御手段による
    燃料噴射弁の駆動制御能動期間を、前記内燃機関の冷却
    水温度、及び前記蓄圧配管内の目標燃料圧力のいずれか
    に基づき設定することを特徴とする高圧燃料噴射系の燃
    料圧力制御装置。
  10. 【請求項10】請求項8または9記載の高圧燃料噴射系
    の燃料圧力制御装置において、 前記時間同期制御手段は、前記無効噴射制御手段による
    燃料噴射弁の駆動制御能動期間を、前記内燃機関の回転
    数に基づき設定することを特徴とする高圧燃料噴射系の
    燃料圧力制御装置。
  11. 【請求項11】請求項1〜10のいずれかに記載の高圧
    燃料噴射系の燃料圧力制御装置において、 前記無効噴射制御手段による燃料噴射弁の駆動周期を所
    定の時間に設定する無効噴射周期設定手段をさらに備え
    ることを特徴とする高圧燃料噴射系の燃料圧力制御装
    置。
  12. 【請求項12】前記無効噴射周期設定手段は、前記無効
    噴射制御手段による燃料噴射弁の駆動周期を一定の時間
    に設定するものである請求項11記載の高圧燃料噴射系
    の燃料圧力制御装置。
JP04619799A 1999-02-24 1999-02-24 高圧燃料噴射系の燃料圧力制御装置 Expired - Fee Related JP4122615B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04619799A JP4122615B2 (ja) 1999-02-24 1999-02-24 高圧燃料噴射系の燃料圧力制御装置
ES00102054T ES2232335T3 (es) 1999-02-24 2000-02-02 Aparato de control de la presion de combustible para un sistema de inyeccion de combustible a alta presion.
EP20000102054 EP1031721B1 (en) 1999-02-24 2000-02-02 Fuel pressure control device for high pressure fuel injection system
DE2000617299 DE60017299T2 (de) 1999-02-24 2000-02-02 Krafstoffdrucksteuervorrichtung für Hochdruckkraftstoffeinspritzsystem

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04619799A JP4122615B2 (ja) 1999-02-24 1999-02-24 高圧燃料噴射系の燃料圧力制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000248983A true JP2000248983A (ja) 2000-09-12
JP4122615B2 JP4122615B2 (ja) 2008-07-23

Family

ID=12740363

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04619799A Expired - Fee Related JP4122615B2 (ja) 1999-02-24 1999-02-24 高圧燃料噴射系の燃料圧力制御装置

Country Status (4)

Country Link
EP (1) EP1031721B1 (ja)
JP (1) JP4122615B2 (ja)
DE (1) DE60017299T2 (ja)
ES (1) ES2232335T3 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003003925A (ja) * 2001-06-19 2003-01-08 Denso Corp 代替燃料用の燃料供給システム
WO2003012275A1 (fr) * 2001-07-26 2003-02-13 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Commande d'injection de carburant dans un moteur a combustion interne
JP2010014121A (ja) * 2009-08-31 2010-01-21 Hitachi Ltd 燃料圧力制御装置
JP2014227929A (ja) * 2013-05-23 2014-12-08 トヨタ自動車株式会社 インジェクタ通電遮断機能の故障検出装置

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2833654B1 (fr) * 2001-12-17 2004-02-20 Renault Procede de commande d'injecteur
JP2003343331A (ja) * 2002-05-24 2003-12-03 Denso Corp 内燃機関用噴射率制御装置
FR2915774B1 (fr) * 2007-05-04 2009-07-17 Peugeot Citroen Automobiles Sa Systeme d'injection a faible pression
US8950379B2 (en) * 2012-08-28 2015-02-10 GM Global Technology Operations LLC Measured fuel rail pressure adjustment systems and methods
CA2809539C (en) * 2013-03-15 2014-05-13 Westport Power Inc. Preventing fuel regulation failure
DE102013220336B4 (de) * 2013-10-09 2019-02-07 Continental Automotive Gmbh Verfahren zum Mildern von Auswirkungen eines zu hohen Drucks in einem Common-Rail-Einspritzsystem
FR3012177A1 (fr) * 2013-10-23 2015-04-24 Peugeot Citroen Automobiles Sa Procede de decharge d'un rail d'injection de carburant haute pression de moteur a combustion interne en cas d'intervention apres-vente

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2636394B2 (ja) 1989-01-20 1997-07-30 株式会社デンソー 燃料噴射装置
DE4445586A1 (de) * 1994-12-20 1996-06-27 Bosch Gmbh Robert Verfahren zur Reduzierung des Kraftstoffdruckes in einer Kraftstoffeinspritzeinrichtung
DE69827552T2 (de) * 1997-06-19 2005-05-04 Toyota Jidosha K.K., Toyota Brennstoffdrucksteuervorrichtung für ein Kraftstoffeinspritzsystem einer Brennkraftmaschine
DE19731102C2 (de) * 1997-07-19 2003-02-06 Bosch Gmbh Robert System zum Betreiben eines Kraftstoffversorgungssystems für eine Brennkraftmaschine insbesondere eines Kraftfahrzeugs
JP3546285B2 (ja) * 1997-08-04 2004-07-21 トヨタ自動車株式会社 蓄圧式エンジンの燃料噴射制御装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003003925A (ja) * 2001-06-19 2003-01-08 Denso Corp 代替燃料用の燃料供給システム
WO2003012275A1 (fr) * 2001-07-26 2003-02-13 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Commande d'injection de carburant dans un moteur a combustion interne
US6895916B2 (en) 2001-07-26 2005-05-24 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Fuel injection controller of internal combustion engine
JP2010014121A (ja) * 2009-08-31 2010-01-21 Hitachi Ltd 燃料圧力制御装置
JP2014227929A (ja) * 2013-05-23 2014-12-08 トヨタ自動車株式会社 インジェクタ通電遮断機能の故障検出装置

Also Published As

Publication number Publication date
EP1031721B1 (en) 2005-01-12
JP4122615B2 (ja) 2008-07-23
EP1031721A3 (en) 2003-04-09
DE60017299T2 (de) 2005-06-02
DE60017299D1 (de) 2005-02-17
EP1031721A2 (en) 2000-08-30
ES2232335T3 (es) 2005-06-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5131265B2 (ja) 燃料圧力制御装置
JP5387538B2 (ja) 筒内噴射式内燃機関のフェールセーフ制御装置
US7801672B2 (en) After-stop fuel pressure control device of direct injection engine
US20120204827A1 (en) Method, control unit, and internal combustion engine having cylinder deactivation for a start-stop operation having direct start
EP1688614A2 (en) Starting system for an internal combustion engine
EP0896145B1 (en) Fuel injection control apparatus for accumulator type engine
JP2005098138A (ja) 筒内噴射式内燃機関の燃圧制御装置
JP2010019088A (ja) アイドルストップ制御装置およびそれを用いた燃料噴射システム
JP2000248983A (ja) 高圧燃料噴射系の燃料圧力制御装置
JP3546285B2 (ja) 蓄圧式エンジンの燃料噴射制御装置
JP2009079514A (ja) 筒内噴射式内燃機関の燃圧制御装置
WO2008093203A1 (en) Secondary air supply device for internal combustion engine and control method of the secondary air supply device
JP4134216B2 (ja) 内燃機関制御装置
JP2005171931A (ja) 燃料噴射制御装置
EP1411234B1 (en) Fuel injection controller of internal combustion engine
JP3572937B2 (ja) 蓄圧式燃料噴射機構の燃料圧制御装置
WO2008081281A1 (en) Control system of internal combustion engine
JP2005147019A (ja) 筒内噴射型内燃機関の燃圧制御装置
JP3489244B2 (ja) ディーゼル機関の蓄圧式燃料噴射装置
JPH1018884A (ja) 直接噴射式内燃機関の燃料供給装置
JPH11173192A (ja) 蓄圧式燃料噴射装置及びその蓄圧室内圧力低減方法
JPH11173189A (ja) 蓄圧式燃料噴射装置
JP2007092717A (ja) 内燃機関用燃料供給装置
JPH11125140A (ja) 内燃機関の蓄圧式燃料供給装置
JP2011208560A (ja) アイドルストップ機能付き筒内噴射エンジンの燃料供給制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060130

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070514

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070522

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070720

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071113

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071227

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080408

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080421

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110516

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees