JPH11173189A - 蓄圧式燃料噴射装置 - Google Patents

蓄圧式燃料噴射装置

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JPH11173189A
JPH11173189A JP9341608A JP34160897A JPH11173189A JP H11173189 A JPH11173189 A JP H11173189A JP 9341608 A JP9341608 A JP 9341608A JP 34160897 A JP34160897 A JP 34160897A JP H11173189 A JPH11173189 A JP H11173189A
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Yoshihiro Narahara
義広 楢原
Masaru Uchiyama
賢 内山
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    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • High-Pressure Fuel Injection Pump Control (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディーゼル機関の始動時に騒音が発生するこ
とを防止可能な蓄圧式燃料噴射装置を提供する。 【解決手段】 ディーゼル機関の運転状態に応じて、高
圧ポンプからコモンレールに燃料を圧送させると共に、
インジェクタの電磁弁を駆動して、コモンレール内の高
圧燃料を機関の気筒へ噴射供給する蓄圧式燃料噴射装置
において、イグニッションスイッチIGSがオンからオ
フになったことを検知すると(S240:YES)、イ
ンジェクタの電磁弁を該インジェクタの弁体が開弁する
に至る遅延時間よりも短い時間幅で開弁駆動する、空打
ち駆動を行うことにより(S290)、コモンレールか
らインジェクタの制御室に流入する高圧燃料を燃料タン
クへ溢流させてコモンレール圧力を低下させる。よっ
て、エンジンの始動時に、インジェクタから必要以上に
高い圧力で燃料が噴射されず、騒音の発生を防止でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料供給ポンプか
ら圧送されてくる燃料を蓄圧室(コモンレール)内に一
旦高圧状態で蓄え、その蓄圧室内の高圧燃料を、車両に
搭載されたディーゼル機関の気筒へインジェクタによっ
て噴射供給する車両用ディーゼル機関の蓄圧式燃料噴射
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の蓄圧式燃料噴射装置
では、ディーゼル機関の運転状態(回転速度や負荷等)
に基づき、制御目標となるコモンレール内の燃料圧力
(コモンレール圧力),燃料噴射量及び燃料噴射時期を
算出し、実際のコモンレール圧力がその算出した目標コ
モンレール圧力となるように燃料供給ポンプからの燃料
吐出量をフィードバック制御すると共に、その算出した
燃料噴射量及び燃料噴射時期に応じて、コモンレール内
の高圧燃料をディーゼル機関の気筒に噴射供給するイン
ジェクタを開閉制御している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の蓄
圧式燃料噴射装置においては、例えば、運転者がディー
ゼル機関(以下、単に「機関」ともいう)を高負荷で運
転させた直後や、機関をレーシング(空吹かし)させた
直後に、車両のイグニッションスイッチをオフして機関
を停止させ、その後すぐに機関を再始動させると、イン
ジェクタから機関の各気筒に、必要以上に高い圧力で多
量の燃料が噴射供給されてしまい、騒音(所謂、カラカ
ラ音)が生じてしまうという問題があった。
【0004】つまり、一般に、ディーゼル機関の高負荷
運転時やレーシング時には、機関の出力を大きくするた
めに、目標コモンレール圧力が高い値に設定され、それ
に伴い、コモンレール圧力が上昇することとなる。そし
て、車両のイグニッションスイッチをオフして機関を停
止させると、インジェクタからの燃料噴射が行われなく
なるため、機関を停止させた直後のコモンレール圧力
は、機関を停止させる前の目標圧力近傍に保持されるこ
ととなる。
【0005】このため、ディーゼル機関を、高負荷で運
転させた直後やレーシングさせた直後に停止させると、
そのときのコモンレール圧力は、機関を停止させる前の
高い目標圧力近傍に保持されたままとなり、その後すぐ
に機関を再始動させると、コモンレール圧力が機関の始
動に適した圧力よりも高くなっている場合があり、その
結果、インジェクタから必要以上に高い圧力で燃料が噴
射されて、機関が始動したときの初期の爆発時(所謂、
初爆時)に、騒音が発生してしまうのである。
【0006】また、この種の蓄圧式燃料噴射装置におい
ては、運転者がディーゼル機関の始動に失敗して、機関
を始動させるためのスタータスイッチを繰り返してオン
/オフさせた場合にも、機関の始動時に騒音が生じてし
まうことがある。つまり、一般に、この種の装置は、機
関(詳しくは、機関のクランク軸)がスタータスイッチ
のオンに伴い駆動されるスタータモータによって回転し
始めると、インジェクタによる燃料噴射が可能なコモン
レール圧力を速やかに得るために、燃料供給ポンプを最
大限に駆動して、その燃料供給ポンプからコモンレール
へ最大量の燃料を圧送(所謂、全量圧送)するように構
成されている。このため、機関の始動失敗に伴いスター
タスイッチが何度も繰り返してオン/オフされると、コ
モンレール圧力が必要以上に高まってしまう場合があ
り、機関が始動したときの初期の爆発時に、騒音が発生
してしまうのである。
【0007】本発明は、こうした問題に鑑みなされたも
のであり、ディーゼル機関の始動時に騒音が発生するこ
とを防止可能な蓄圧式燃料噴射装置を提供することを目
的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段、及び発明の効果】上記目
的を達成するためになされた本発明の請求項1に記載の
蓄圧式燃料噴射装置は、従来からの蓄圧式燃料噴射装置
と同様に、燃料供給ポンプから圧送されてくる燃料を高
圧状態で蓄える蓄圧室と、その蓄圧室に蓄えられた高圧
燃料を、車両に搭載されたディーゼル機関の気筒に噴射
するインジェクタとを備えており、ディーゼル機関の運
転状態に応じて、燃料供給ポンプに燃料を圧送させると
共に、インジェクタを駆動制御することにより、ディー
ゼル機関に燃料を噴射供給する。
【0009】そして特に、請求項1に記載の蓄圧式燃料
噴射装置では、スイッチ操作検出手段が、車両のイグニ
ッションスイッチがオン状態からオフ状態になったこと
を検出し、このスイッチ操作検出手段によりグニッショ
ンスイッチがオン状態からオフ状態になったことが検出
されると、減圧実行手段が、溢流手段を作動させる。す
ると、溢流手段は、蓄圧室に蓄えられた高圧燃料を燃料
系の低圧側へ溢流させ、その結果、蓄圧室内の燃料圧力
が低下することとなる。
【0010】つまり、請求項1に記載の蓄圧式燃料噴射
装置では、イグニッションスイッチがオン状態からオフ
状態になると、蓄圧室に蓄えられた高圧燃料を燃料系の
低圧側へ故意に溢流させて、蓄圧室内の燃料圧力を低下
させるようにしている。よって、この蓄圧式燃料噴射装
置によれば、運転者が機関を高負荷で運転させた直後や
機関をレーシングさせた直後に、イグニッションスイッ
チをオフして機関を停止させ、その後すぐにイグニッシ
ョンスイッチ及びスタータスイッチをオンして機関を再
始動させたとしても、その再始動の前に、蓄圧室内の燃
料圧力を低下させておくことができる。このため、上記
のような再始動時において、インジェクタから機関の気
筒へ必要以上に高い圧力で多量の燃料が噴射供給されて
しまうことがなく、機関の始動時に騒音が生じてしまう
ことを防止することができる。
【0011】一方、運転者が、ディーゼル機関の始動に
失敗して、機関を始動させるためのスタータスイッチを
繰り返してオン/オフさせる場合には、通常、イグニッ
ションスイッチもオン/オフさせる場合が多い。つま
り、一般に、車両のキーが差し込まれるキーシリンダ
は、差し込まれたキーが捻られることに伴い、そのキー
の捻り位置に応じて、イグニッションスイッチとスター
タスイッチとが、その順に累積してオンしていくように
構成されている。そして、スタータスイッチを繰り返し
てオン/オフさせる場合には、キーをイグニッションス
イッチとスタータスイッチとが両方共にオフする位置
(所謂、オフ位置或いはアクセサリー位置)まで戻す運
転者が多いためである。
【0012】よって、請求項1に記載の蓄圧式燃料噴射
装置によれば、機関の始動失敗に伴ってスタータスイッ
チが繰り返しオン/オフされた場合にも、蓄圧室内の燃
料圧力が必要以上に高まってしまうことを防ぐことがで
き、延いては、機関が始動したときに騒音が発生してし
まうことを防止することができる。
【0013】ところで、溢流手段としては、蓄圧室内の
高圧燃料を燃料系の低圧側へ排出するための排出流路
と、その排出経路を連通及び遮断する減圧弁と、その減
圧弁を開閉駆動する駆動回路とから構成することができ
る。つまり、上記減圧弁を開弁させることにより、蓄圧
室に蓄えられた高圧燃料を燃料系の低圧側へ溢流させ
て、蓄圧室内の燃料圧力を低下させるのである。
【0014】但し、このような構成を採った場合には、
上記減圧弁や排出流路などを追加して設ける必要がある
という点で、不利な面もある。ここで、一般に、この種
の蓄圧式燃料噴射装置に用いられるインジェクタは、請
求項2に記載の如く、蓄圧室から第1流路を介して供給
される燃料の圧力により内部の弁体が開弁して、その燃
料を機関の気筒に噴射する噴射部と、蓄圧室から第2流
路を介して供給される燃料の圧力により前記弁体を閉弁
させる駆動部と、蓄圧室から前記駆動部に供給される燃
料を、自らが開弁駆動されることで燃料系の低圧側へ溢
流させる電磁弁とを有しており、その電磁弁の開弁駆動
に伴って前記弁体が開弁するよう構成されている。つま
り、電磁弁が閉じている場合には、弁体が蓄圧室から駆
動部に供給される燃料の圧力によって閉弁し、電磁弁が
開弁されると、蓄圧室から駆動部に供給される燃料が燃
料系の低圧側へ溢流されて、弁体が開弁するようになっ
ている。
【0015】そして、こうしたインジェクタにおいて、
電磁弁を開弁させてから前記弁体が実際に開弁するまで
には、所定の遅延時間(所謂、無効時間)がある。そこ
で、請求項2に記載の蓄圧式燃料噴射装置では、溢流手
段が、インジェクタの電磁弁を前記弁体が開弁するに至
る遅延時間よりも短い時間幅で開弁駆動する、空打ち駆
動を行うことにより、蓄圧室に蓄えられた高圧燃料を燃
料系の低圧側へ溢流させるよう構成されている。
【0016】そして、この請求項2に記載の蓄圧式燃料
噴射装置によれば、一般的なインジェクタや燃料配管を
そのまま利用して、蓄圧室内の燃料圧力を低下させるこ
とができ、前述した減圧弁や排出流路などを追加して設
ける必要が無くなる。次に、請求項3に記載の蓄圧式燃
料噴射装置では、請求項2に記載の装置において、溢流
手段が、前記電磁弁の空打ち駆動(即ち、インジェクタ
の電磁弁を弁体が開弁するに至る遅延時間よりも短い時
間幅で開弁駆動すること)を、予め設定された一定時間
毎に繰り返して行うように構成されている。つまり、溢
流手段は、電磁弁の空打ち駆動を、機関の回転に非同期
の一定時間毎に行う。
【0017】そして、このような請求項3に記載の蓄圧
式燃料噴射装置によれば、イグニッションスイッチがオ
ン状態からオフ状態になった場合に、蓄圧室内の燃料圧
力を確実且つ速やかに低下させることができる。つま
り、この種の蓄圧式燃料噴射装置では、通常の燃料噴射
を行う場合に、インジェクタの電磁弁を機関の回転(詳
しくは、クランク軸の回転)に同期したタイミングで開
閉駆動して、インジェクタを開閉制御するように構成さ
れている。
【0018】このため、電磁弁の空打ち駆動を、通常の
燃料噴射と同様に、機関の回転に同期したタイミングで
行うように構成することが考えられるが、このようにす
ると、イグニッションスイッチがオフされた場合には、
基本的に機関の回転が停止するため、電磁弁の空打ち駆
動を行うことができなくなってしまう。
【0019】これに対して、請求項3に記載の蓄圧式燃
料噴射装置によれば、機関の回転状態に拘らず、単位時
間当りに必要十分な回数の空打ち駆動を行うことができ
るため、イグニッションスイッチがオフされて機関の回
転数がゼロ或いはゼロに近くても、蓄圧室内の燃料圧力
を速やかに低下させることができるのである。
【0020】一方、上記請求項1〜3に記載の蓄圧式燃
料噴射装置において、減圧実行手段は、請求項4に記載
の如く、スイッチ操作検出手段によりイグニッションス
イッチがオン状態からオフ状態になったことが検出され
ると、予め設定された所定時間の間、溢流手段を作動さ
せるように構成することができる。
【0021】そして、このような請求項4に記載の蓄圧
式燃料噴射装置によれば、イグニッションスイッチがオ
フされてから所定時間の間、溢流手段が作動して、蓄圧
室に蓄えられた高圧燃料が燃料系の低圧側へ溢流させら
れることとなるため、蓄圧室内の燃料圧力を確実に低下
させることができる。
【0022】また、上記請求項1〜3に記載の蓄圧式燃
料噴射装置において、減圧実行手段は、請求項5に記載
のように構成することもできる。即ち、請求項5に記載
の蓄圧式燃料噴射装置では、減圧実行手段が、圧力判定
手段を備えており、その圧力判定手段が、蓄圧室内の燃
料圧力が予め定められた設定圧力よりも高いか否かを判
定する。そして更に、減圧実行手段は、スイッチ操作検
出手段によりイグニッションスイッチがオン状態からオ
フ状態になったことが検出されると、圧力判定手段によ
り否定判定されるまでの間(つまり、蓄圧室内の燃料圧
力が予め定められた設定圧力よりも高くないと判定され
るまでの間)、溢流手段を作動させる。
【0023】そして、このような請求項5に記載の蓄圧
式燃料噴射装置によっても、イグニッションスイッチが
オフされてから蓄圧室内の燃料圧力が設定圧力以下とな
るまでの間、溢流手段が作動して、蓄圧室に蓄えられた
高圧燃料が燃料系の低圧側へ溢流させられることとなる
ため、蓄圧室内の燃料圧力を確実に低下させることがで
きる。
【0024】次に、本発明の請求項6に記載の蓄圧式燃
料噴射装置では、スイッチ操作検出手段が、ディーゼル
機関を始動させるためのスタータスイッチがオン状態か
らオフ状態になったことを検出し、回転数判定手段が、
上記スイッチ操作検出手段によりスタータスイッチがオ
ン状態からオフ状態になったことが検出されたときに、
ディーゼル機関の回転数が予め定められた所定回転数よ
りも低いか否かを判定する。そして、回転数判定手段に
よりディーゼル機関の回転数が前記所定回転数よりも低
いと判定されると、減圧実行手段が、溢流手段を作動さ
せる。すると、溢流手段は、蓄圧室に蓄えられた高圧燃
料を燃料系の低圧側へ溢流させ、その結果、蓄圧室内の
燃料圧力が低下することとなる。
【0025】つまり、請求項6に記載の蓄圧式燃料噴射
装置では、スタータスイッチがオン状態からオフ状態に
なったときに、ディーゼル機関の回転数が予め定められ
た所定回転数よりも低いと判定すると、機関の始動に失
敗したと判断して、蓄圧室に蓄えられた高圧燃料を燃料
系の低圧側へ溢流させ、これにより、蓄圧室内の燃料圧
力を低下させるようにしている。
【0026】よって、この蓄圧式燃料噴射装置によれ
ば、運転者が機関の始動に失敗してスタータスイッチを
次にオンさせる前に、蓄圧室内の燃料圧力を低下させて
おくことができる。このため、機関の始動失敗に伴いス
タータスイッチが繰り返しオン/オフされた場合に、蓄
圧室内の燃料圧力が必要以上に高まってしまうことを防
ぐことができ、その結果、機関が始動したときに騒音が
発生してしまうことを防止することができる。
【0027】しかも、請求項6に記載の蓄圧式燃料噴射
装置によれば、運転者が、機関の始動に失敗した際に、
イグニッションスイッチをオンさせたままでスタータス
イッチだけをオン/オフするような操作を行っても、上
記効果を得ることができる。ところで、このような請求
項6に記載の蓄圧式燃料噴射装置においても、溢流手段
は、請求項7に記載の如く、請求項2に記載の装置と全
く同様に、インジェクタの電磁弁を空打ち駆動すること
により、蓄圧室に蓄えられた高圧燃料を燃料系の低圧側
へ溢流させるよう構成することができる。
【0028】そして、このように構成すれば、請求項2
に記載の装置と同様に、一般的なインジェクタや燃料配
管をそのまま利用して、蓄圧室内の燃料圧力を低下させ
ることができ、前述した減圧弁や排出流路などを追加し
て設ける必要が無くなる。また、このような請求項7に
記載の蓄圧式燃料噴射装置においても、請求項8に記載
の如く、請求項3に記載の装置と全く同様に、溢流手段
が、前記電磁弁の空打ち駆動を、予め設定された一定時
間毎に繰り返して行うよう構成すれば、機関の始動に失
敗したと判断したとき(即ち、スタータスイッチがオン
状態からオフ状態になったときに、機関の回転数が所定
回転数よりも低い場合)に、蓄圧室内の燃料圧力を確実
且つ速やかに低下させることができる。
【0029】つまり、請求項8に記載の如く構成すれ
ば、請求項3に記載の装置と同様に、機関の回転状態に
拘らず、単位時間当りに必要十分な回数の空打ち駆動を
行うことができるからである。一方、上記請求項6〜8
に記載の蓄圧式燃料噴射装置において、減圧実行手段
は、請求項9に記載の如く、回転数判定手段によりディ
ーゼル機関の回転数が前記所定回転数よりも低いと判定
されると、予め設定された所定時間の間、溢流手段を作
動させるように構成することができる。
【0030】そして、このような請求項9に記載の蓄圧
式燃料噴射装置によれば、機関の始動に失敗したと判断
してから所定時間の間、溢流手段が作動して、蓄圧室に
蓄えられた高圧燃料が燃料系の低圧側へ溢流させられる
こととなるため、蓄圧室内の燃料圧力を確実に低下させ
ることができる。
【0031】また、上記請求項6〜8に記載の蓄圧式燃
料噴射装置において、減圧実行手段は、請求項10に記
載のように構成することもできる。即ち、請求項10に
記載の蓄圧式燃料噴射装置では、減圧実行手段が、圧力
判定手段を備えており、その圧力判定手段が、蓄圧室内
の燃料圧力が予め定められた設定圧力よりも高いか否か
を判定する。そして更に、減圧実行手段は、回転数判定
手段によりディーゼル機関の回転数が前記所定回転数よ
りも低いと判定されると、圧力判定手段により否定判定
されるまでの間(つまり、蓄圧室内の燃料圧力が予め定
められた設定圧力よりも高くないと判定されるまでの
間)、溢流手段を作動させる。
【0032】そして、このような請求項10に記載の蓄
圧式燃料噴射装置によっても、機関の始動に失敗したと
判断してから蓄圧室内の燃料圧力が設定圧力以下となる
までの間、溢流手段が作動して、蓄圧室に蓄えられた高
圧燃料が燃料系の低圧側へ溢流させられることとなるた
め、蓄圧室内の燃料圧力を確実に低下させることができ
る。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図面を用いて説明する。まず図1は、第1実施形態
の蓄圧式燃料噴射装置の構成を表す概略構成図である。
【0034】図1に示すように、本実施形態の蓄圧式燃
料噴射装置は、車両に搭載された4気筒のディーゼル機
関(以下、エンジンという)に用いられるものであり、
そのエンジンの各気筒に燃料を噴射供給する4つのイン
ジェクタ(燃料噴射弁)1と、各インジェクタ1に供給
する高圧燃料を蓄圧する蓄圧室としてのコモンレール3
と、コモンレール3に高圧燃料を圧送する燃料供給ポン
プとしての高圧ポンプ5と、これらをエンジンの運転状
態に応じて制御する電子制御装置(以下、ECUとい
う)7とを備えている。
【0035】尚、図1は、各気筒のインジェクタ1のう
ち、1気筒分のインジェクタ1とその配管系及び制御系
のみ詳細に表しており、他の3つのインジェクタ1につ
いては、その存在のみを示している。高圧ポンプ5は、
燃料の吐出量が可変である周知のものであり、ECU7
からの制御指令に従って、燃料タンク9に蓄えられた燃
料を低圧ポンプ11を経て吸入し、自身の内部で高圧に
加圧して、この加圧された高圧燃料を供給配管13を介
してコモンレール3に圧送する。
【0036】一方、各インジェクタ1は、配管15によ
って、高圧燃料を蓄圧したコモンレール3と連結されて
おり、自身に設けられた電磁弁1aが開閉駆動されるこ
とで、コモンレール3に蓄圧された高圧燃料をエンジン
の気筒の燃焼室へ噴射する。ここで、インジェクタ1
は、駆動部の中核を成す円筒状のホルダボディ21と、
ホルダボディ21の上部に順次取り付けられた2枚のオ
リフィスプレート23,25と、ホルダボディ21の内
部に上下方向に摺動可能に配置されたピストン27と、
ホルダボディ21の内部においてピストン27の下端か
ら下方へ伸び、その先端(下端)にフランジ29が取り
付けられたピストンピン31と、ホルダボディ21の下
部にチップパッキン33を介して取り付けられた噴射部
の中核を成すノズルボディ35と、ノズルボディ35の
内部に上下方向に摺動可能に配置された弁体としてのノ
ズルニードル37とを備えている。
【0037】そして、ノズルニードル37の大径部37
aからは、チップパッキン33を貫通してホルダボディ
21の内部側へ連結部37bが伸びており、このノズル
ニードル37の連結部37bと上記フランジ29とがホ
ルダボディ21の内部で連結されている。また、フラン
ジ29とホルダボディ21の内壁との間には、ノズルニ
ードル37に対して閉弁方向(下方)の付勢力を与える
ためのスプリング39が設けられている。
【0038】更に、ホルダボディ21の内部には、コモ
ンレール3からの配管15と連通する流路41が形成さ
れており、その流路41は、ホルダボディ21の内部で
上下方向に分岐している。そして、上記流路41の一方
は、オリフィスプレート23に形成されたオリフィス2
3aと流路23bを介して、ホルダボディ21の内部に
てピストン27の背面側(上面側)に設けられた制御室
43に連通している。また、上記流路41の他方は、チ
ップパッキン33とノズルボディ35に形成された流路
45を介して、ノズルボディ35の内部にてノズルニー
ドル37の大径部37aの下方に形成された油溜り室4
7に連通している。
【0039】そして更に、ノズルボディ35の先端(下
端)には、上記油溜り室47に連通する燃料噴射用の噴
孔49が形成されており、ノズルニードル37の先端
(下端)がノズルボディ35に形成された弁座35aに
押さえつけられることで、油溜り室47と噴孔49とが
遮断され、当該インジェクタ1が閉弁状態となるように
なっている。
【0040】また、上記制御室43は、オリフィスプレ
ート25に形成されたオリフィス25aを介して、燃料
系の低圧側である燃料タンク9へ燃料を戻すための流路
51に接続されている。そして、その流路51中に上記
電磁弁1aが設けられており、その電磁弁1aを開弁さ
せることで、制御室43が、オリフィス25aと流路5
1を介し燃料タンク9に連通するようになっている。
【0041】このように構成されたインジェクタ1にお
いて、コモンレール3から配管15を介して供給される
高圧燃料は、ホルダボディ21内の流路41で二方向
(上下方向)に分岐する。そして、その一方は、オリフ
ィスプレート23のオリフィス23a及び流路23bを
介して、ピストン27の背面側の制御室43へ流入し、
また他方は、チップパッキン33とノズルボディ35に
形成された流路45を介して、ノズルボディ35の油溜
り室47に流入する。
【0042】よって、ノズルニードル37は、制御室4
3内の燃料圧力によって押し下げる方向(閉弁方向)の
力を受けると共に、油溜り室47内の燃料圧力によって
押し上げる方向(開弁方向)の力を受けることとなる。
ここで、ノズルニードル37の大径部37aにて油溜り
室47内の燃料圧力を受ける面積よりも、ピストン27
の背面の面積(つまり、ピストン27にて制御室43内
の燃料圧力を受ける面積)の方が大きいため、ECU7
により電磁弁1aの励磁コイル(図示省略)が通電され
ず、該電磁弁1aが閉弁している場合には、全体として
図1にて下向きの力の方が勝ることとなる。
【0043】よって、電磁弁1aの閉弁時には、ノズル
ニードル37の下端がノズルボディ35の弁座35aに
押さえつけられて、当該インジェクタ1はノズルニード
ル37が閉弁した閉弁状態となり、エンジンの気筒には
燃料が噴射されない。一方、ECU7により電磁弁1a
の励磁コイルが通電されて、該電磁弁1aが開弁する
と、コモンレール3から制御室43に流入していた高圧
燃料が、オリフィスプレート25のオリフィス25a,
電磁弁1a,及び流路51を介して、低圧な燃料タンク
9へ溢流することとなる。
【0044】その結果、油溜り室47内の燃料圧力によ
ってノズルニードル37が上昇し、その下端が弁座35
aから離れて、当該インジェクタ1はノズルニードル3
7が開弁した開弁状態となり、噴孔49からエンジンの
気筒へ燃料が噴射される。即ち、図2に示すように、電
磁弁1aが開弁されて、制御室43内の燃料圧力(制御
室圧力)が低下し始め、その後、制御室43内の燃料圧
力による押し下げ方向(閉弁方向)の力とスプリング3
9による付勢力との総和が、油溜り室47内の燃料圧力
による押し上げ方向(開弁方向)の力を下回った時に、
ノズルニードル37が開弁方向に移動し出すのである。
尚、図2における「ノズルニードルのリフト量」とは、
ノズルニードル37の開弁方向への移動量を示してい
る。
【0045】そして、本実施形態のインジェクタ1で
は、制御室43から燃料タンク9への燃料の移動が、オ
リフィスプレート25のオリフィス25aによって制限
されていることもあり、図2に示すように、電磁弁1a
を開弁させてからノズルニードル37の開弁方向への移
動が開始されるまでには、所定の遅延時間tm(例え
ば、約0.4ms(ミリ秒))を要することとなる。
【0046】また、ECU7により電磁弁1aの励磁コ
イルへの通電が停止されて、該電磁弁1aが閉弁する
と、制御室43内の燃料圧力が再び上昇して、ノズルニ
ードル37が閉弁方向へ移動し、その結果、当該インジ
ェクタ1は閉弁状態に戻ることとなる。
【0047】尚、本実施形態のインジェクタ1では、図
1において、チップパッキン33よりも下方の部分が噴
射部になっており、チップパッキン33よりも上方の部
分が駆動部になっている。そして、ホルダボディ21の
内部に形成された流路41のうちで下方へ分岐した部分
と、チップパッキン33及びノズルボディ35に形成さ
れた流路45とが、第1流路に相当し、また、ホルダボ
ディ21の内部に形成された流路41のうちで上方へ分
岐した部分と、オリフィスプレート23に形成されたオ
リフィス23a及び流路23bとが、第2流路に相当し
ている。
【0048】一方、ECU7は、図1に示すように、エ
ンジンを制御するためのプログラムを実行するCPU6
1,CPU61が実行するプログラムを格納するROM
63,及びCPU61の演算結果を一時記憶するRAM
65等からなる周知のマイクロコンピュータを主要部と
して構成されている。
【0049】そして、ECU7には、エンジンのクラン
ク軸が所定角度(例えば30度)回転する毎にパルス状
のクランク角信号CSを出力するクランク角センサ6
7,エンジンの負荷を表すアクセル開度Acを検出する
ためのアクセルセンサ69,エンジンの冷却水温THW
を検出するための水温センサ71,エンジンのクランク
軸が2回転する毎で且つクランク軸が特定の回転角度位
置に到達する毎にパルス状の気筒判別信号KSを出力す
る気筒判別センサ73,及びコモンレール3内の実際の
燃料圧力(実コモンレール圧力)Pcを検出するための
コモンレール圧センサ75等の、各種センサからの信号
をCPU61に入力させる入力回路77と、各インジェ
クタ1の電磁弁1aや高圧ポンプ5等をCPU61から
の指令に応じて駆動する出力回路79と、CPU61,
ROM63,及びRAM65を含む上記各部に動作電圧
VDDを供給する電源回路81とが設けられている。
【0050】ここで、電源回路81は、車両に搭載され
たバッテリBTのプラス端子にイグニッションスイッチ
IGSを介して接続される電源ライン83からのバッテ
リ電圧、或いは、バッテリBTのプラス端子にメインリ
レー85の接点を介して接続される電源ライン87から
のバッテリ電圧を、上記動作電圧VDDに変換して出力す
るように構成されている。
【0051】また、ECU7には、上記メインリレー8
5のコイルLに通電して、該メインリレー85の接点を
短絡させる(即ち、メインリレー85をオンさせる)た
めのトランジスタTrが設けられており、このトランジ
スタTrは、CPU61からの指令に応じて出力回路7
9により駆動される。
【0052】また更に、ECU7では、上記電源ライン
83の電圧レベルと、バッテリBTのプラス端子にスタ
ータスイッチSTSを介して接続される電源ライン89
の電圧レベルとが、入力回路77によりハイレベル(本
実施形態では5V)とロウレベル(本実施形態では0
V)との何れかに2値化されるようになっている。この
ため、CPU61は、入力回路77からの信号により、
イグニッションスイッチIGSのオン/オフ状態とスタ
ータスイッチSTSのオン/オフ状態とを検知すること
ができる。
【0053】尚、イグニッションスイッチIGSとスタ
ータスイッチSTSは、周知のキーシリンダに設けられ
ており、そのキーシリンダに車両のキーが差し込まれ
て、該キーが捻り操作されることにより、そのキーの捻
り位置に応じて、イグニッションスイッチIGSとスタ
ータスイッチSTSとが、その順に累積してオンしてい
くようになっている。よって、スタータスイッチSTS
がオンしている場合には、イグニッションスイッチIG
Sもオンしていることとなる。一方、スタータスイッチ
STSがオンされると、エンジンを始動させるためのス
タータモータSMに電源ライン89を介してバッテリ電
圧が印加され、そのスタータモータSMが回転して、エ
ンジンが始動のためにクランキングされることとなる。
【0054】このような構成を有するECU7では、イ
グニッションスイッチIGSがオンされると、電源回路
81から動作電圧VDDが出力されて、当該ECU7が動
作を開始し、まず、トランジスタTrをオンして、メイ
ンリレー85をオンさせる。そして、ECU7は、イグ
ニッションスイッチIGSがオンされている間、エンジ
ンに燃料を噴射供給するための後述する処理を行い、イ
グニッションスイッチIGSがオフされたことを検知す
ると、エンジンを停止させるための処理を行った後、ト
ランジスタTrをオフして、メインリレー85をオフさ
せる。
【0055】すると、電源回路81にバッテリ電圧が供
給されなくなり、それに伴い、電源回路81から動作電
圧VDDが出力されなくなって、当該ECU7の動作が停
止する。つまり、メインリレー85は、イグニッション
スイッチIGSがオフされてからでもECU7に電力を
供給するための電力供給用リレーとして機能している。
【0056】一方、ECU7は、イグニッションスイッ
チIGSのオンに伴い動作を開始すると、エンジンに燃
料を噴射供給するために、以下の処理を行う。尚、以下
に説明する各処理は、実際には、ECU7内のCPU6
1によって実行され、CPU61がそれら各処理を行う
ためのプログラムは、ROM63に予め記憶されてい
る。
【0057】まず、ECU7は、図示しない検出処理を
定期的に実行することにより、前述した各センサ67〜
75等からの信号に基づき、最新のエンジンの回転速度
(エンジン回転数)Ne,アクセル開度Ac,冷却水温
THW,及び実コモンレール圧力Pc等の、エンジンの
運転状態を検出する。例えば、エンジン回転数Neは、
クランク角センサ67からクランク角信号CSが出力さ
れる時間間隔を計測することで検出され、アクセル開度
Ac,冷却水温THW,及び実コモンレール圧力Pcの
各々は、アクセルセンサ69,水温センサ71,及びコ
モンレール圧センサ75からのアナログ信号を夫々A/
D変換することで検出される。
【0058】そして、ECU7は、図3に示すコモンレ
ール圧力制御処理を、エンジンの回転に同期した割込ル
ーチンとして実行することにより、エンジンの燃焼状態
が上記検出した運転状態に応じた最適な燃焼状態となる
ような燃料噴射圧を実現するためのコモンレール3内の
目標燃料圧力(目標コモンレール圧力)PF を算出する
と共に、実コモンレール圧力Pcが目標コモンレール圧
力PF と一致するように高圧ポンプ5を駆動制御する、
コモンレール圧力のフィードバック制御を行う。
【0059】即ち、図3に示すように、ECU7は、コ
モンレール圧力制御処理の実行を開始すると、まずS1
00(Sはステップを表す)にて、エンジン回転数Ne
と、目標の燃料噴射量を表す噴射量指令値Qと、実コモ
ンレール圧力Pcとを読み込み、続くS110にて、上
記S100で読み込んだエンジン回転数Neと噴射量指
令値Qとに基づき、目標コモンレール圧力PF を算出す
る。尚、噴射量指令値Qは、後述する燃料噴射制御処理
で算出されている。また、目標コモンレール圧力PF
は、概ね、エンジン回転数Neが大きいほど、また噴射
量指令値Qが大きいほど、大きな値として算出される。
【0060】そして、続くS120にて、上記S100
で読み込んだ実コモンレール圧力PcがS110で算出
した目標コモンレール圧力PF と一致するように、高圧
ポンプ5を駆動して、その高圧ポンプ5からコモンレー
ル3へ燃料を圧送させ、その後、当該コモンレール圧制
御処理を一旦終了する。
【0061】尚、ECU7は、エンジンのクランク軸が
スタータモータSMによって回転し始めたときには、イ
ンジェクタ1による燃料噴射が可能なコモンレール圧力
(例えば、15MPa(メガパスカル))を速やかに得
るために、高圧ポンプ5を最大限に駆動して、該高圧ポ
ンプ5からコモンレール3へ最大量の燃料を圧送(所
謂、全量圧送)させる。そして、エンジンのクランク軸
がある程度回転してから、図3のコモンレール圧力制御
処理の実行を開始して、コモンレール圧力のフィードバ
ック制御に移行する。
【0062】また、ECU7は、図示しない燃料噴射制
御処理を、エンジンのクランク軸が180度回転する毎
に実行することにより、各インジェクタ1の電磁弁1a
を開閉駆動して、エンジンへの燃料噴射を制御する。即
ち、燃料噴射制御処理では、まず、エンジン回転数Ne
とアクセル開度Acとに基づき、目標の燃料噴射量であ
る噴射量指令値Qを算出する。尚、噴射量指令値Qは、
概ね、エンジン回転数Neが小さいほど、またアクセル
開度Acが大きいほど、大きい値として算出される。そ
して次に、エンジン回転数Ne,噴射量指令値Q,及び
実コモンレール圧力Pc等に基づき、インジェクタ1の
電磁弁1aを開弁させる時間であって燃料噴射量に対応
する電磁弁開弁時間TQ(>tm)と、その電磁弁1a
の開弁開始時期であって燃料噴射時期に対応する電磁弁
開弁時期TTとを算出し、上記算出した電磁弁開弁時期
TTが到来すると、上記算出した電磁弁開弁時間TQだ
け電磁弁1aの励磁コイルに通電して該電磁弁1aを開
弁させる。
【0063】一方更に、ECU7は、図4に示す空打ち
制御処理と図5に示す定時割込処理とを夫々定期的に実
行することにより、イグニッションスイッチIGSがオ
ン状態からオフ状態になったときに、インジェクタ1の
電磁弁1aを前述した遅延時間(即ち、インジェクタ1
のノズルニードル37が開弁するに至るまでの時間)t
mよりも短い時間幅で開弁駆動する、電磁弁1aの空打
ち駆動を行って、コモンレール3からインジェクタ1の
制御室43に流入する高圧燃料を燃料タンク9へ溢流さ
せ、これにより、コモンレール圧力を低下させる。尚、
前述したメインリレー85のオン/オフ制御も、図4の
空打ち制御処理で行われている。
【0064】そこで以下、図4の空打ち制御処理と図5
の定時割込処理とについて、詳細に説明する。尚、本実
施形態において、図4の空打ち制御処理は16ms毎に
実行され、図5の定時割込処理は4ms毎に実行され
る。まず、図4に示すように、空打ち制御処理の実行が
開始されると、最初のS200にて、イグニッションス
イッチIGSがオンしているか否かを判定し、イグニッ
ションスイッチIGSがオンしていれば、S210に進
み、トランジスタTrをオンして、メインリレー85を
オンさせる。そして、続くS220にて、空打ちフラグ
FKに、電磁弁1aの空打ち駆動を行わない旨を示す0
をセットし、続くS230にて、カウンタC1 の値を0
にリセットした後、当該空打ち制御処理を終了する。
【0065】一方、S200でイグニッションスイッチ
IGSがオンしていないと判定した場合には、S240
に移行して、イグニッションスイッチIGSが、今回、
オン状態からオフ状態に変化したか否か(つまり、前回
のS200で肯定判定し、今回のS200で初めて否定
判定したのか否か)を判定する。
【0066】そして、S240でイグニッションスイッ
チIGSがオフ状態に変化したと判定した場合には、S
250に進んで、エンジンの回転を緩やかに停止させる
ために、エンジンの図示しない吸気系に設けられた吸気
弁を閉じて、エンジンを失火状態にする。そして、続く
S260にて、例えば0.2秒だけ待った後、続くS2
70にて、インジェクタ1による燃料噴射を停止させ、
続くS280にて、高圧ポンプ5を停止させてコモンレ
ール3への燃料の圧送を止める。そして更に、続くS2
90にて、空打ちフラグFKに、電磁弁1aの空打ち駆
動を行う旨を示す1をセットして、その後、当該空打ち
制御処理を終了する。
【0067】また、上記S240で否定判定した場合、
即ち、前回のS200と今回のS200とで連続して否
定判定した場合であり、イグニッションスイッチIGS
が継続してオフ状態である場合には、S300に移行し
て、カウンタC1 の値を1インクリメントする。
【0068】そして、続くS310にて、カウンタC1
の値が略1秒に相当する判定値N(=62)よりも大き
いか否かを判定し、カウンタC1 の値が判定値Nよりも
大きくないと判定した場合には、そのまま当該空打ち制
御処理を終了する。一方、上記S310でカウンタC1
の値が判定値Nよりも大きいと判定した場合には、イグ
ニッションスイッチIGSがオフされてから1秒が経過
したと判断して、S320に進み、空打ちフラグKF
に、電磁弁1aの空打ち駆動を行わない旨を示す0をセ
ットする。そして、続くS330にて、トランジスタT
rをオフして、メインリレー85をオフさせ、当該空打
ち制御処理を終了する。
【0069】すると、前述したように、電源回路81に
メインリレー85を介してバッテリ電圧が供給されなく
なり、それに伴い、当該ECU7の動作が停止する。一
方、図5に示すように、定時割込処理の実行が開始され
ると、まずS400にて、空打ちフラグFKが1である
か否かを判定し、空打ちフラグFKが1でなければ、そ
のまま当該定時割込処理を終了する。
【0070】これに対し、S400で空打ちフラグFK
が1であると判定した場合には、S410に進んで、イ
ンジェクタ1の電磁弁1aを空打ち駆動する。つまり、
電磁弁1aを前述した遅延時間tmよりも短い時間幅
(本実施形態では500μs(マイクロ秒))Tqだけ
開弁駆動して、コモンレール圧力を低下させる。そし
て、その後、当該定時割込処理を終了する。尚、S41
0における電磁弁1aの空打ち駆動は、全てのインジェ
クタ1について同時に行っても良い。また、S410が
実行される毎に、空打ち駆動の対象となるインジェクタ
1を、順次切り替えるようにしても良い。
【0071】次に、図4の空打ち制御処理と図5の定時
割込処理とが実行されることによる作用について説明す
る。まず、イグニッションスイッチIGSがオン状態か
らオフ状態になると、図4の空打ち制御処理において、
S240で肯定判定され(S240:YES)、エンジ
ンを停止させるための処置が行われた後(S250〜S
280)、空打ちフラグFKに1がセットされる(S2
90)。
【0072】すると、図5の定時割込処理が実行される
毎に、そのS400で肯定判定されて(S400:YE
S)、続くS410でインジェクタ1の電磁弁1aに対
する空打ち駆動が行われる。よって、インジェクタ1の
電磁弁1aは、定時割込処理の実行周期である4ms毎
に、遅延時間tmよりも短い時間幅Tqだけ開弁駆動
(即ち、空打ち駆動)されることとなる。そして、この
ように電磁弁1aの空打ち駆動が4ms毎に繰り返して
行われることにより、実コモンレール圧力Pcが低下し
ていく。
【0073】そして、イグニッションスイッチIGSが
オフ状態のままであれば、図4の空打ち制御処理が実行
される毎に、そのS300でカウンタC1 の値が1つず
つインクリメントされていき、イグニッションスイッチ
IGSがオフ状態になってから約1秒が経過すると、図
4の空打ち制御処理において、S310で肯定判定され
(S310:YES)、空打ちフラグFKに0がセット
されると共に、メインリレー85がオフされることとな
る(S320,S330)。
【0074】このため、メインリレー85がオフしてE
CU7が動作を停止するまでの間に、仮に図5の定時割
込処理が実行されたとしても、そのS400で否定判定
されて(S400:NO)、電磁弁1aの空打ち駆動は
行われない。また、イグニッションスイッチIGSがオ
フ状態になってからS310で肯定判定されるまでの間
に(つまり、約1秒が経過するまでの間に)、イグニッ
ションスイッチIGSが再びオンされた場合には、図4
の空打ち制御処理において、S200で肯定判定され
(S200:YES)、空打ちフラグFKに0がセット
されると共に、カウンタC1 の値が0にリセットされる
(S220,S230)。このため、次にイグニッショ
ンスイッチIGSがオン状態からオフ状態になると、再
び、前述したように電磁弁1aの空打ち駆動が4ms毎
に繰り返し行われることとなる。
【0075】尚、本第1実施形態では、定時割込処理
(図5)のS410が、請求項1〜5に記載の溢流手段
としての処理に相当し、空打ち制御処理(図4)のS2
00及びS240が、請求項1〜5に記載のスイッチ操
作検出手段としての処理に相当している。そして、空打
ち制御処理(図4)のS220,S230,S290〜
S320と、定時割込処理(図5)のS400とが、請
求項1〜4に記載の減圧実行手段としての処理に相当し
ている。
【0076】以上詳述したように、本第1実施形態の蓄
圧式燃料噴射装置では、イグニッションスイッチIGS
がオン状態からオフ状態になると、インジェクタ1の電
磁弁1aを空打ち駆動することにより、コモンレール3
に蓄えられた高圧燃料を燃料タンク9へ故意に溢流させ
て、コモンレール圧力を低下させるようにしている。
【0077】よって、本第1実施形態の蓄圧式燃料噴射
装置によれば、運転者がエンジンを高負荷で運転させた
直後やレーシングさせた直後に、イグニッションスイッ
チIGSをオフしてエンジンを停止させ、その後すぐに
イグニッションスイッチIGS及びスタータスイッチS
TSをオンしてエンジンを再始動させたとしても、その
再始動の前に、コモンレール圧力を低下させておくこと
ができる。このため、このような再始動時において、イ
ンジェクタ1からエンジンの気筒へ必要以上に高い圧力
で多量の燃料が噴射供給されてしまうことがなく、エン
ジンの始動時に騒音が生じてしまうことを防止すること
ができる。
【0078】つまり、エンジンの高負荷運転時やレーシ
ング時には、エンジン回転数Neやアクセル開度Acが
大きくなることに伴い、図3のコモンレール圧力制御処
理により目標コモンレール圧力PF が高い値に設定さ
れ、それに応じてコモンレール圧力が上昇することとな
る。
【0079】そして、運転者がエンジンを高負荷で運転
させた直後やレーシングさせた直後に、イグニッション
スイッチIGSをオフしてエンジンを停止させると、イ
ンジェクタ1からの燃料噴射が行われなくなるため、仮
に図4の空打ち制御処理と図5の定時割込処理とを実行
しない従来の装置であれば、エンジンを停止させた直後
のコモンレール圧力は、エンジンを停止させる前の高い
目標コモンレール圧力PF 近傍に保持されたままとな
り、その後すぐにエンジンを再始動させると、インジェ
クタ1から必要以上に高い圧力で燃料が噴射されて、エ
ンジンが始動したときに騒音が発生してしまう場合があ
る。
【0080】これに対して、本第1実施形態の蓄圧式燃
料噴射装置によれば、エンジンの再始動の前に、コモン
レール圧力を低下させておくことができ、エンジンの始
動時に騒音が生じてしまうことを防止することができる
のである。一方、本第1実施形態の蓄圧式燃料噴射装置
においても、従来からの装置と同様に、エンジンのクラ
ンク軸がスタータモータSMによって回転し始めたとき
には、インジェクタ1による燃料噴射が可能なコモンレ
ール圧力を速やかに得るために、高圧ポンプ5に最大量
の燃料を圧送させるようにしている。
【0081】よって、仮に図4の空打ち制御処理と図5
の定時割込処理とを実行しなければ、エンジンの始動失
敗に伴いスタータスイッチSTSが何度も繰り返してオ
ン/オフされると、コモンレール圧力が必要以上に高ま
ってしまう場合があり、エンジンが始動したときに騒音
が発生してしまう。
【0082】これに対して、本第1実施形態の蓄圧式燃
料噴射装置によれば、エンジンの始動失敗に伴ってスタ
ータスイッチSTSが繰り返しオン/オフされた場合に
も、コモンレール圧力が必要以上に高まってしまうこと
を防ぐことができ、延いては、エンジンが始動したとき
に騒音が発生してしまうことを防止することができる。
【0083】即ち、運転者が、エンジンの始動に失敗し
てスタータスイッチSTSを繰り返してオン/オフさせ
る場合には、車両のキーをイグニッションスイッチIG
SとスタータスイッチSTSとが両方共にオフする位置
(所謂、オフ位置或いはアクセサリー位置)まで戻す場
合が多く、イグニッションスイッチIGSがオフされれ
ば、電磁弁1aの空打ち駆動によりコモンレール圧力が
降圧されるからである。
【0084】また、本第1実施形態の蓄圧式燃料噴射装
置では、インジェクタ1の電磁弁1aを空打ち駆動する
ことで、コモンレール3に蓄えられた高圧燃料を燃料タ
ンク9へ溢流させるようにしているため、高圧燃料を溢
流させるための特別な減圧弁や燃料配管等を追加するこ
となく、コモンレール圧力を低下させることができる。
【0085】しかも、本第1実施形態の蓄圧式燃料噴射
装置では、電磁弁1aの空打ち駆動を、エンジンの回転
に非同期の一定時間(4ms)毎に繰り返して行うよう
にしているため、イグニッションスイッチIGSがオン
状態からオフ状態になった場合に、コモンレール圧力を
確実且つ速やかに低下させることができる。つまり、エ
ンジンの回転状態に拘らず、単位時間当りに必要十分な
回数の空打ち駆動を行って、コモンレール圧力を低下さ
せることができるからである。
【0086】そして更に、本第1実施形態の蓄圧式燃料
噴射装置では、イグニッションスイッチIGSがオフ状
態になったことを検知してから所定時間(約1秒)の
間、電磁弁1aの空打ち駆動を4ms毎に行うようにし
ているため、コモンレール圧力を確実に低下させること
ができる。
【0087】次に、第2実施形態の蓄圧式燃料噴射装置
について説明する。第2実施形態の蓄圧式燃料噴射装置
は、前述した第1実施形態の蓄圧式燃料噴射装置に対
し、ECU7にて、図4に示した空打ち制御処理に代え
て、図6の空打ち制御処理が実行される。そして、他の
処理及び構成については第1実施形態と同様である。
【0088】ここで、図6に示すように、本第2実施形
態で実行される空打ち制御処理は、図4の空打ち制御処
理に対して、S230,S300,及びS310の処理
が削除されている代わりに、S285,S287,及び
S315の処理が追加されている。
【0089】即ち、まず、本第2実施形態の空打ち制御
処理では、前述したS220で空打ちフラグFKに0を
セットすると、そのまま当該空打ち制御処理を終了す
る。また、前述したS280で高圧ポンプ5を停止させ
ると、S285に進んで、実コモンレール圧力Pcが予
め定められた設定圧力PM (本実施形態では2MPa)
よりも高いか否かを判定する。そして、実コモンレール
圧力Pcが設定圧力PM よりも高い場合には、第1実施
形態の場合と同様に、S290で空打ちフラグFKに1
をセットしてから当該空打ち制御処理を終了するが、実
コモンレール圧力Pcが設定圧力PM よりも高くなけれ
ば、S287に移行して、空打ちフラグFKに1をセッ
トすることなくメインリレー85をオフし、その後、当
該空打ち制御処理を終了する。
【0090】また更に、前述したS240で否定判定し
た場合には、S315に移行して、実コモンレール圧力
Pcが上記設定圧力PM よりも高いか否かを判定する。
そして、実コモンレール圧力Pcが設定圧力PM よりも
未だ高い場合には、そのまま当該空打ち制御処理を終了
し、逆に、実コモンレール圧力Pcが設定圧力PM より
も高くなければ、第1実施形態の場合と同様に、S32
0で空打ちフラグFKに0をセットし、続くS330で
メインリレー85をオフしてから、当該空打ち制御処理
を終了する。
【0091】このような本第2実施形態の蓄圧式燃料噴
射装置では、イグニッションスイッチIGSがオン状態
からオフ状態になると(S240:YES)、実コモン
レール圧力Pcが設定圧力PM よりも高い場合にだけ
(S285:YES)、空打ちフラグFKに1がセット
されて(S290)、電磁弁1aの空打ち駆動が行われ
る。そして、その後、実コモンレール圧力Pcが低下し
て設定圧力PM 以下になると(S315:NO)、空打
ちフラグFKに0がセットされて(S320)、電磁弁
1aの空打ち駆動が停止されることとなる。
【0092】つまり、本第2実施形態の蓄圧式燃料噴射
装置では、イグニッションスイッチIGSがオン状態か
らオフ状態になったことを検知すると、実コモンレール
圧力Pcが予め定められた設定圧力PM 以下になるまで
の間、電磁弁1aの空打ち駆動を行うようにしている。
【0093】従って、このような第2実施形態の蓄圧式
燃料噴射装置によっても、イグニッションスイッチIG
Sがオフされた場合に、コモンレール圧力を確実に低下
させることができ、第1実施形態の装置と同様の効果を
得ることができる。尚、本第2実施形態では、空打ち制
御処理(図6)のS220,S285,S290〜S3
20と、定時割込処理(図5)のS400とが、請求項
5に記載の減圧実行手段としての処理に相当しており、
その中で、S285及びS315の処理が、請求項5に
記載の圧力判定手段としての処理に相当している。
【0094】次に、第3実施形態の蓄圧式燃料噴射装置
について説明する。第3実施形態の蓄圧式燃料噴射装置
は、前述した第1実施形態の蓄圧式燃料噴射装置に対し
て、ECU7で実行される処理が、下記の(1),
(2)の点で異なっており、他の処理及び構成について
は同様である。
【0095】(1)ECU7は、図4に示した空打ち制
御処理に代えて、後述する図7の空打ち制御処理を実行
する。 (2)ECU7は、メインリレー85のオン/オフを制
御するために、図6に示した空打ち制御処理に対しS2
20,S240,S285,S290〜S330を削除
したような処理を実行する。この処理について、図6を
参照して具体的に説明すると、ECU7は、イグニッシ
ョンスイッチIGSがオンしていると判定すると(S2
00:YES)、メインリレー85をオンする(S21
0)。また、イグニッションスイッチIGSがオンして
いないと判定すると(S200:NO)、エンジンを停
止させるための処置を行い(S250〜S280)、そ
の後、メインリレー85をオフして(S287)、自己
の動作を停止する。
【0096】次に、本第3実施形態のECU7で実行さ
れる空打ち制御処理について、図7に従い説明する。
尚、図7の空打ち制御処理も16ms毎に実行される。
図7に示すように、空打ち制御処理の実行が開始される
と、まずS500にて、スタータスイッチSTSがオン
しているか否かを判定し、スタータスイッチSTSがオ
ンしていれば、S510に進んで、空打ちフラグFK
に、電磁弁1aの空打ち駆動を行わない旨を示す0をセ
ットする。そして、続くS520にて、カウンタC2 の
値を0にリセットした後、当該空打ち制御処理を終了す
る。
【0097】一方、S500でスタータスイッチSTS
がオンしていないと判定した場合には、S530に移行
して、スタータスイッチSTSが、今回、オン状態から
オフ状態に変化したか否か(つまり、前回のS500で
肯定判定し、今回のS500で初めて否定判定したのか
否か)を判定する。
【0098】そして、S530でスタータスイッチST
Sがオフ状態に変化したと判定した場合には、S540
に進んで、エンジン回転数Neがアイドリング回転数よ
りも低い所定回転数M(本実施形態では300rpm
(回転/秒))よりも低いか否かを判定し、エンジン回
転数Neが上記所定回転数Mよりも低くなければ、エン
ジンが始動したと判断して、そのまま当該空打ち制御処
理を終了する。
【0099】これに対し、S540でエンジン回転数N
eが上記所定回転数Mよりも低いと判定した場合には、
スタータスイッチSTSがオンされたもののエンジンが
始動しなかった(即ち、エンジンの始動に失敗した)と
判断して、S550に進み、空打ちフラグFKに、電磁
弁1aの空打ち駆動を行う旨を示す1をセットして、そ
の後、当該空打ち制御処理を終了する。
【0100】一方、上記S530で否定判定した場合、
即ち、前回のS500と今回のS500とで連続して否
定判定した場合であり、スタータスイッチSTSが継続
してオフ状態である場合には、S560に移行して、空
打ちフラグFKが1であるか否かを判定する。
【0101】そして、S560で空打ちフラグFKが1
でないと判定した場合には、エンジンが通常運転されて
いると判断して、そのまま当該空打ち制御処理を終了す
る。また、上記S560で空打ちフラグFKが1である
と判定した場合には、エンジンの始動に失敗した状態で
あると判断して、S570に進み、カウンタC2 の値を
1インクリメントする。そして、続くS580にて、カ
ウンタC2 の値が略1秒に相当する判定値N(=62)
よりも大きいか否かを判定し、カウンタC2の値が判定
値Nよりも大きくないと判定した場合には、そのまま当
該空打ち制御処理を終了する。
【0102】一方、上記S580でカウンタC2 の値が
判定値Nよりも大きいと判定した場合には、スタータス
イッチSTSがオフされてから(詳しくは、エンジンの
始動に失敗してから)1秒が経過したと判断して、S5
90に進み、空打ちフラグKFに0をセットし、その
後、当該空打ち制御処理を終了する。
【0103】次に、図7の空打ち制御処理と、既述した
図5の定時割込処理とが実行されることによる作用につ
いて説明する。まず、スタータスイッチSTSがオン状
態からオフ状態になったときに、エンジン回転数Neが
所定回転数M(=300rpm)よりも低ければ、図7
の空打ち制御処理において、S530とS540とで共
に肯定判定され(S530及びS540:YES)、空
打ちフラグFKに1がセットされる(S550)。
【0104】すると、本第3実施形態においても、図5
の定時割込処理が実行される毎に、そのS400で肯定
判定されて(S400:YES)、続くS410でイン
ジェクタ1の電磁弁1aに対する空打ち駆動が行われ
る。そして、このように、電磁弁1aの空打ち駆動が、
定時割込処理の実行周期である4ms毎に繰り返して行
われることにより、実コモンレール圧力Pcが低下して
いく。
【0105】そして、スタータスイッチSTSがオフ状
態のままであれば、図7の空打ち制御処理が実行される
毎に、そのS570でカウンタC2 の値が1つずつイン
クリメントされていき、スタータスイッチSTSがオフ
状態になってから約1秒が経過すると、図7の空打ち制
御処理において、S580で肯定判定され(S580:
YES)、空打ちフラグFKに0がセットされる(S5
90)。そして、これに伴い、電磁弁1aの空打ち駆動
が停止される。
【0106】また、スタータスイッチSTSがオフ状態
になってからS580で肯定判定されるまでの間に(つ
まり、約1秒が経過するまでの間に)、スタータスイッ
チSTSが再びオンされた場合には、図7の空打ち制御
処理において、S500で肯定判定され(S500:Y
ES)、空打ちフラグFKに0がセットされると共に、
カウンタC2 の値が0にリセットされる(S510,S
520)。
【0107】このため、次にスタータスイッチSTSが
オン状態からオフ状態になり、しかも、そのときにエン
ジン回転数Neが所定回転数Mより低ければ、再び、前
述したように電磁弁1aの空打ち駆動が4ms毎に繰り
返して行われることとなる。尚、本第3実施形態では、
定時割込処理(図5)のS410が、請求項6〜10に
記載の溢流手段としての処理に相当し、空打ち制御処理
(図7)のS500及びS530が、請求項6〜10に
記載のスイッチ操作検出手段としての処理に相当し、空
打ち制御処理(図7)のS540が、請求項6〜10に
記載の回転数判定手段としての処理に相当している。そ
して、空打ち制御処理(図7)のS510,S520,
S550〜590と、定時割込処理(図5)のS400
とが、請求項6〜9に記載の減圧実行手段としての処理
に相当している。
【0108】以上詳述したように、本第3実施形態の蓄
圧式燃料噴射装置では、スタータスイッチSTSがオン
状態からオフ状態になったときに、エンジン回転数Ne
が予め定められた所定回転数Mよりも低いと判定する
と、エンジンの始動に失敗したと判断して、インジェク
タ1の電磁弁1aを空打ち駆動することにより、コモン
レール3に蓄えられた高圧燃料を燃料タンク9へ故意に
溢流させて、コモンレール圧力を低下させるようにして
いる。
【0109】よって、本第3実施形態の蓄圧式燃料噴射
装置によれば、運転者がエンジンの始動に失敗してスタ
ータスイッチSTSを次にオンさせる前に、コモンレー
ル圧力を低下させておくことができる。このため、エン
ジンの始動失敗に伴いスタータスイッチSTSが繰り返
しオン/オフされた場合に、コモンレール圧力が必要以
上に高まってしまうことを防ぐことができ、その結果、
エンジンが始動したときに騒音が発生してしまうことを
防止することができる。
【0110】しかも、この蓄圧式燃料噴射装置によれ
ば、運転者が、エンジンの始動に失敗した際に、イグニ
ッションスイッチIGSをオンさせたままでスタータス
イッチSTSだけをオン/オフするような操作を行って
も、上記効果を得ることができる。
【0111】また、本第3実施形態の蓄圧式燃料噴射装
置においても、インジェクタ1の電磁弁1aを空打ち駆
動することで、コモンレール3に蓄えられた高圧燃料を
燃料タンク9へ溢流させるようにしているため、特別な
減圧弁や燃料配管等を追加することなく、コモンレール
圧力を低下させることができる。
【0112】また更に、本第3実施形態の蓄圧式燃料噴
射装置においても、電磁弁1aの空打ち駆動を、エンジ
ンの回転に非同期の一定時間(4ms)毎に繰り返して
行うようにしているため、エンジンの始動に失敗したと
判断したとき(即ち、スタータスイッチSTSがオン状
態からオフ状態になったときに、エンジン回転数Neが
所定回転数Mよりも低い場合)に、コモンレール圧力を
確実且つ速やかに低下させることができる。
【0113】そして更に、本第3実施形態の蓄圧式燃料
噴射装置においても、第1実施形態と同様に、エンジン
の始動に失敗したと判断してから所定時間(約1秒)の
間、電磁弁1aの空打ち駆動を4ms毎に行うようにし
ているため、コモンレール圧力を確実に低下させること
ができる。
【0114】次に、第4実施形態の蓄圧式燃料噴射装置
について説明する。第4実施形態の蓄圧式燃料噴射装置
は、前述した第3実施形態の蓄圧式燃料噴射装置に対
し、ECU7にて、図7に示した空打ち制御処理に代え
て、図8の空打ち制御処理が実行される。そして、他の
処理及び構成については第3実施形態と同様である。
【0115】ここで、図8に示すように、本第4実施形
態で実行される空打ち制御処理は、図7の空打ち制御処
理に対して、S520,S570,及びS580の処理
が削除されている代わりに、S545及びS585の処
理が追加されている。即ち、まず、本第4実施形態の空
打ち制御処理では、前述したS510で空打ちフラグF
Kに0をセットすると、そのまま当該空打ち制御処理を
終了する。
【0116】また、前述したS540でエンジン回転数
Neが所定回転数Mよりも低いと判定すると、S545
に進んで、実コモンレール圧力Pcが予め定められた設
定圧力PM (本実施形態では2MPa)よりも高いか否
かを判定する。そして、実コモンレール圧力Pcが設定
圧力PM よりも高い場合には、第3実施形態の場合と同
様に、S550で空打ちフラグFKに1をセットしてか
ら当該空打ち制御処理を終了するが、実コモンレール圧
力Pcが設定圧力PM よりも高くなければ、空打ちフラ
グFKに1をセットすることなく、そのまま当該空打ち
制御処理を終了する。
【0117】また更に、前述したS560で肯定判定し
た場合には、S585に移行して、実コモンレール圧力
Pcが上記設定圧力PM よりも高いか否かを判定する。
そして、実コモンレール圧力Pcが設定圧力PM よりも
未だ高い場合には、そのまま当該空打ち制御処理を終了
し、逆に、実コモンレール圧力Pcが設定圧力PM より
も高くなければ、第3実施形態の場合と同様に、S59
0で空打ちフラグFKに0をセットしてから、当該空打
ち制御処理を終了する。
【0118】このような本第4実施形態の蓄圧式燃料噴
射装置では、第3実施形態と同様に、スタータスイッチ
STSがオン状態からオフ状態になったときに(S53
0:YES)、エンジン回転数Neが所定回転数Mより
も低いと(S540:YES)、エンジンの始動に失敗
したと判断するが、その判断時に、実コモンレール圧力
Pcが設定圧力PM よりも高い場合にだけ(S545:
YES)、空打ちフラグFKに1がセットされて(S5
50)、電磁弁1aの空打ち駆動が行われる。そして、
その後、実コモンレール圧力Pcが低下して設定圧力P
M 以下になると(S585:NO)、空打ちフラグFK
に0がセットされて(S590)、電磁弁1aの空打ち
駆動が停止されることとなる。
【0119】つまり、本第4実施形態の蓄圧式燃料噴射
装置では、エンジンの始動に失敗したことを検知する
と、実コモンレール圧力Pcが予め定められた設定圧力
PM 以下になるまでの間、電磁弁1aの空打ち駆動を行
うようにしている。従って、このような第4実施形態の
蓄圧式燃料噴射装置によっても、コモンレール圧力を確
実に低下させることができ、第3実施形態の装置と同様
の効果を得ることができる。
【0120】尚、本第4実施形態では、空打ち制御処理
(図6)のS510,S545〜S590と、定時割込
処理(図5)のS400とが、請求項10に記載の減圧
実行手段としての処理に相当しており、その中で、S5
45及びS585の処理が、請求項10に記載の圧力判
定手段としての処理に相当している。
【0121】以上、本発明の一実施形態について説明し
たが、本発明は、前述した各実施形態に限定されるもの
ではなく、種々の態様を採ることができる。例えば、図
5の定時割込処理の実行周期(即ち、エンジンの回転に
非同期な空打ち駆動の実行間隔)は、4msに限られる
ものではなく、4msよりも短くしてもよい。
【0122】また、図5のS410で行う空打ち駆動の
時間幅Tqは、500μsに限られるものではなく、遅
延時間tm未満であれば、より長い時間に設定してもよ
い。また更に、上記空打ち駆動の時間幅Tqを、エンジ
ンの冷却水温THW或いは燃料の温度(燃料温度)に応
じて、その温度が低い場合ほど長い時間に設定する手段
を設ければ、より効果的である。つまり、冷却水温TH
Wや燃料温度が低い場合には、燃料の粘性が高くなるた
め、電磁弁1aの空打ち駆動によるコモンレール圧力の
降圧性能が低下するが、冷却水温THWや燃料温度が低
い場合ほど、空打ち駆動の時間幅Tqを長い時間に設定
するよう構成すれば、常に安定した降圧性能を得ること
ができるからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態の蓄圧式燃料噴射装置の構成を
表す概略構成図である。
【図2】 インジェクタの開弁動作を説明する説明図で
ある。
【図3】 第1実施形態のECUで実行されるコモンレ
ール圧力制御処理を表すフローチャートである。
【図4】 第1実施形態のECUで実行される空打ち制
御処理を表すフローチャートである。
【図5】 第1実施形態のECUで実行される定時割込
処理を表すフローチャートである。
【図6】 第2実施形態のECUで実行される空打ち制
御処理を表すフローチャートである。
【図7】 第3実施形態のECUで実行される空打ち制
御処理を表すフローチャートである。
【図8】 第4実施形態のECUで実行される空打ち制
御処理を表すフローチャートである。
【符号の説明】
1…インジェクタ 1a…電磁弁 3…コモンレー
ル 5…高圧ポンプ 7…ECU(電子制御装置) 9…燃料タンク 1
1…低圧ポンプ 15…配管 21…ホルダボディ 23,25…オ
リフィスプレート 23a,25a…オリフィス 23b,41,45,
51…流路 27…ピストン 29…フランジ 31…ピストン
ピン 33…チップパッキン 35…ノズルボディ 35
a…弁座 37…ノズルニードル 39…スプリング 43…
制御室 47…油溜り室 49…噴孔 61…CPU 6
3…ROM 65…RAM 67…クランク角センサ 69…ア
クセルセンサ 71…水温センサ 73…気筒判別センサ 75…
コモンレール圧センサ 77…入力回路 79…出力回路 81…電源回路 85…メインリレー IGS…イグニッションスイッ
チ STS…スタータスイッチ SM…スタータモータ
BT…バッテリ
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02M 63/00 F02M 63/00 R

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料供給ポンプから圧送されてくる燃料
    を高圧状態で蓄える蓄圧室と、該蓄圧室に蓄えられた高
    圧燃料を、車両に搭載されたディーゼル機関の気筒に噴
    射するインジェクタとを備え、 前記ディーゼル機関の運転状態に応じて、前記燃料供給
    ポンプに燃料を圧送させると共に、前記インジェクタを
    駆動制御することにより、前記ディーゼル機関に燃料を
    噴射供給する蓄圧式燃料噴射装置において、 前記蓄圧室に蓄えられた高圧燃料を燃料系の低圧側へ溢
    流させる溢流手段と、 前記車両のイグニッションスイッチがオン状態からオフ
    状態になったことを検出するスイッチ操作検出手段と、 該スイッチ操作検出手段により前記イグニッションスイ
    ッチがオン状態からオフ状態になったことが検出される
    と、前記溢流手段を作動させて、前記蓄圧室内の燃料圧
    力を低下させる減圧実行手段と、 を備えたことを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の蓄圧式燃料噴射装置に
    おいて、 前記インジェクタは、 前記蓄圧室から第1流路を介して供給される燃料の圧力
    により内部の弁体が開弁して、該燃料を前記ディーゼル
    機関の気筒に噴射する噴射部と、前記蓄圧室から第2流
    路を介して供給される燃料の圧力により前記弁体を閉弁
    させる駆動部と、前記蓄圧室から前記駆動部に供給され
    る燃料を、自らが開弁駆動されることで前記燃料系の低
    圧側へ溢流させる電磁弁とを有すると共に、前記電磁弁
    の開弁駆動に伴い前記弁体が開弁するよう構成されてお
    り、 前記溢流手段は、 前記インジェクタの電磁弁を前記弁体が開弁するに至る
    遅延時間よりも短い時間幅で開弁駆動する、空打ち駆動
    を行うことにより、前記蓄圧室に蓄えられた高圧燃料を
    前記燃料系の低圧側へ溢流させるよう構成されているこ
    と、 を特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の蓄圧式燃料噴射装置に
    おいて、 前記溢流手段は、 前記電磁弁の空打ち駆動を、予め設定された一定時間毎
    に繰り返して行うよう構成されていること、 を特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3の何れかに記載
    の蓄圧式燃料噴射装置において、 前記減圧実行手段は、 前記スイッチ操作検出手段により前記イグニッションス
    イッチがオン状態からオフ状態になったことが検出され
    ると、予め設定された所定時間の間、前記溢流手段を作
    動させること、 を特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項3の何れかに記載
    の蓄圧式燃料噴射装置において、 前記減圧実行手段は、 前記蓄圧室内の燃料圧力が予め定められた設定圧力より
    も高いか否かを判定する圧力判定手段を備え、 前記スイッチ操作検出手段により前記イグニッションス
    イッチがオン状態からオフ状態になったことが検出され
    ると、前記圧力判定手段により否定判定されるまでの
    間、前記溢流手段を作動させること、 を特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。
  6. 【請求項6】 燃料供給ポンプから圧送されてくる燃料
    を高圧状態で蓄える蓄圧室と、該蓄圧室に蓄えられた高
    圧燃料を、車両に搭載されたディーゼル機関の気筒に噴
    射するインジェクタとを備え、 前記ディーゼル機関の運転状態に応じて、前記燃料供給
    ポンプに燃料を圧送させると共に、前記インジェクタを
    駆動制御することにより、前記ディーゼル機関に燃料を
    噴射供給する蓄圧式燃料噴射装置において、 前記蓄圧室に蓄えられた高圧燃料を燃料系の低圧側へ溢
    流させる溢流手段と、 前記ディーゼル機関を始動させるためのスタータスイッ
    チがオン状態からオフ状態になったことを検出するスイ
    ッチ操作検出手段と、 該スイッチ操作検出手段により前記スタータスイッチが
    オン状態からオフ状態になったことが検出されたとき
    に、前記ディーゼル機関の回転数が予め定められた所定
    回転数よりも低いか否かを判定する回転数判定手段と、 該回転数判定手段により前記ディーゼル機関の回転数が
    前記所定回転数よりも低いと判定されると、前記溢流手
    段を作動させて、前記蓄圧室内の燃料圧力を低下させる
    減圧実行手段と、 を備えたことを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の蓄圧式燃料噴射装置に
    おいて、 前記インジェクタは、 前記蓄圧室から第1流路を介して供給される燃料の圧力
    により内部の弁体が開弁して、該燃料を前記ディーゼル
    機関の気筒に噴射する噴射部と、前記蓄圧室から第2流
    路を介して供給される燃料の圧力により前記弁体を閉弁
    させる駆動部と、前記蓄圧室から前記駆動部に供給され
    る燃料を、自らが開弁駆動されることで前記燃料系の低
    圧側へ溢流させる電磁弁とを有すると共に、前記電磁弁
    の開弁駆動に伴い前記弁体が開弁するよう構成されてお
    り、 前記溢流手段は、 前記インジェクタの電磁弁を前記弁体が開弁するに至る
    遅延時間よりも短い時間幅で開弁駆動する、空打ち駆動
    を行うことにより、前記蓄圧室に蓄えられた高圧燃料を
    前記燃料系の低圧側へ溢流させるよう構成されているこ
    と、 を特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の蓄圧式燃料噴射装置に
    おいて、 前記溢流手段は、 前記電磁弁の空打ち駆動を、予め設定された一定時間毎
    に繰り返して行うよう構成されていること、 を特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。
  9. 【請求項9】 請求項6ないし請求項8の何れかに記載
    の蓄圧式燃料噴射装置において、 前記減圧実行手段は、 前記回転数判定手段により前記ディーゼル機関の回転数
    が前記所定回転数よりも低いと判定されると、予め設定
    された所定時間の間、前記溢流手段を作動させること、 を特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。
  10. 【請求項10】 請求項6ないし請求項8の何れかに記
    載の蓄圧式燃料噴射装置において、 前記減圧実行手段は、 前記蓄圧室内の燃料圧力が予め定められた設定圧力より
    も高いか否かを判定する圧力判定手段を備え、 前記回転数判定手段により前記ディーゼル機関の回転数
    が前記所定回転数よりも低いと判定されると、前記圧力
    判定手段により否定判定されるまでの間、前記溢流手段
    を作動させること、 を特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。
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