JP2010007454A - 木造家屋の耐震補強構造および木造家屋の耐震補強工法ならびに耐震補強金具 - Google Patents

木造家屋の耐震補強構造および木造家屋の耐震補強工法ならびに耐震補強金具 Download PDF

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Abstract

【課題】木造家屋の耐震補強において、筋交い等の補強部材の補強効果の低下を抑えることにより従来よりも補強効果を向上させることが可能な耐震補強金具を用いた耐震補強構造及び耐震補強工法を提供すること。
【解決手段】取付用ネジ孔を有する雌ネジ軸14と、雌ネジ軸14の基端に形成され雌ネジ軸14の周囲に複数の固定用孔を有する鍔部12と、を備えた耐震補強金具10を用いる。木造家屋の柱・梁・土台および基礎で囲まれた範囲内の壁における角部に、耐震補強金具10の鍔部12に形成された固定用孔を介して固定用アンカー54により耐震補強金具10を複数固定し、複数の耐震補強金具10の雌ネジ軸14の先端に補強用プレート52を締結するとともに、そのうちの1つの耐震補強金具10の雌ネジ軸14の先端に筋交い50を締結する。
【選択図】図2

Description

本発明は、木造家屋の耐震補強構造および木造家屋の耐震補強工法ならびに耐震補強金具に関するものである。
一般に、我が国の木造家屋は、地面に構築したコンクリート製の基礎の上に土台を載置し、土台の上に複数本の柱を立設し、各柱間に壁を構築し、各柱の上に梁を載置し、梁の上に屋根組を構築して造られる。土台と各柱との間や各柱と梁との間は埋込みにより接合されている。
近年、我が国では各地で地震が頻発している。木造家屋において、上記接合部分は、地震による横揺れや縦揺れに対して特に弱い部分である。そのため、地震が生じたときには上記接合部分に応力が集中し、木造家屋に変形が生じやすい。また、木造家屋に大変形が生じた場合には、土台から柱が抜けるなどして、木造家屋が倒壊するおそれがある。したがって、既設、新設にかかわらず、木造家屋の上記接合部分を中心に耐震補強するなどの地震対策を十分にする必要がある。特に古い木造家屋については地震対策が十分になされていないことがあるため、その必要性が高い。
従来より、木造家屋の地震対策としては、種々の耐震補強方法が提案されている。例えば特許文献1には、2本の柱間にL字型の金物を上下に設け、上部は柱に近接する部分の梁にボルトで接合し、下部は柱に近接する部分の基礎に土台を挟みアンカーボルトで接合する。そして、これら上下のL字型の金物にターンバックル付き鉄筋筋交いをたすきに掛け、それぞれボルトで固着する方法が開示されている。
また、特許文献2には、木造家屋の外側から梁と土台又は基礎とに取付用孔を貫設し、木造家屋の外側から各取付用孔に特殊な筋交い連結ボルトを挿通するとともに外側から操作される抜け止め手段により筋交い連結ボルトの抜脱を阻止した状態で、筋交い連結ボルトに筋交いの端部を連結して、梁と土台又は基礎との間に筋交いを張設する方法が開示されている。
なお、本件特許出願に先行する技術文献として、他にも例えば特許文献3〜5がある。
特許文献3には、ラグスクリュー等を挿通する貫通孔を有する筒体と、該筒体の下端に周設された平板状のリングと、該リングの周辺に形成された複数の透孔とを有する金具を用いて既存家屋の補強を行う方法が開示されている。具体的には、金具本体をリングの透孔を介して木ねじにより木材に設置し、金具本体の筒体の貫通孔に、筋交いの接合部を取り付けしたラグスクリュー等を挿通し、ラグスクリュー等を木材に所望深さまで螺入設置して、既存家屋に筋交いを設置する方法が開示されている。
特許文献4には、住宅の柱梁接合部等へ複数の木ネジ等で固定される着座部の外面側の略中央に、柱又は梁に固定する支軸材を通す通孔を持つ軸拘束部が突設された構成の接合金物を用いた既設木造住宅の補強を行う方法が開示されている。具体的には、接合金物の着座部を複数の木ネジにより柱又は梁の外面に固定し、ブレース材を緊締した連結金物に支軸材を通して連結し、支軸材を接合金物の通孔に通した状態で柱又は梁に固定することにより、既設木造住宅にブレース材を設置する方法が開示されている。
特許文献5には、柱に取り付けられる第1の取付部と、梁に取り付けられる第2の取付部と、第1の取付部と第2の取付部とを連結させる連結部とを有する耐震補強具を、柱と梁との接合部に取り付けて耐震補強する方法が開示されている。
特開平9−317006号公報 特開2007−211428号公報 特開平10−280561号公報 登録実用新案第3040650号公報 特開2005−16102号公報
しかしながら、従来知られる特許文献1、2に記載の耐震補強方法は、下記の点で問題があった。例えば特許文献1に記載の方法は、柱間の壁内に補強部材を組み込んでいる。そのため、新設の木造家屋においては、その工事途中に施工可能である。しかしながら、既設の木造家屋にあっては、外壁を一旦剥がす必要が生じる。すなわち、外壁等を元の状態に修復しなければならないため、時間的、金銭的な負担が大きい。このため、既設の木造家屋、特に、耐震補強工事を行なう必要性の高い古い木造家屋に対して適用されにくい。
一方、特許文献2に記載の方法は、筋交い連結ボルトを用いて外壁の外側に筋交いを張設している。このとき、梁等には取付用孔が形成され、この取付用孔に筋交い連結ボルトが挿通されている。梁等の強度を維持するためには、取付用孔の孔径は小さいほうが良い。そのため、筋交い連結ボルトを太くすることができず、地震力を受けたときに筋交い連結ボルトは外壁側で曲がりやすい。筋交い連結ボルトが曲がってしまうと、筋交いによる補強効果が低下する。特に、外壁の厚さが増すにつれて、筋交い連結ボルトは曲がりやすくなる。
なお、特許文献3、4に記載の耐震補強方法は、金具本体の筒体の貫通孔に挿通したラグスクリュー等を木材に所望深さまで螺入設置するもの、あるいは、支軸材を接合金物の通孔に通した状態で柱又は梁に固定するものであり、いずれの場合にも、木材に挿通固定したラグスクリュー等に筋交いを取付するものである。また、特許文献5に記載の耐震補強方法は、柱、梁に金具を固定するためのボルトを複数挿通している。また、柱および梁に接するように、柱および梁に直接金具を取付して、柱と梁との接合部の補強をしている。また、既設の木造家屋にあっては、外壁を一旦剥がす必要が生じる。
本発明が解決しようとする課題は、木造家屋の耐震補強において、筋交い等の補強部材による補強効果の低下を抑えることにより従来よりも補強効果を向上させることが可能な耐震補強金具を用いた耐震補強構造及び耐震補強工法ならびに耐震補強金具を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る木造家屋の耐震補強構造は、取付用ネジ孔を有する雌ネジ軸と、前記雌ネジ軸の基端に形成され、前記雌ネジ軸の周囲に複数の固定用孔を有する鍔部と、を備えた耐震補強金具を用いて、木造家屋の外側から耐震補強された木造家屋の耐震補強構造であって、前記木造家屋の柱・梁・土台および基礎で囲まれた範囲内の壁における角部には、前記鍔部の固定用孔に打ち込まれた固定用アンカーにより前記耐震補強金具が複数固定されており、前記固定された複数の耐震補強金具の雌ネジ軸の先端には、雄ネジ部材を用いてプレート状補強部材が締結されているとともに、そのうちの1つの耐震補強金具の雌ネジ軸の先端または前記プレート状補強部材には、雄ネジ部材を用いて筋交い状補強部材が締結されていることを要旨とするものである。
この際、前記固定された耐震補強金具間に、前記角部における仕口が配置されていることが好ましい。そして、前記プレート状補強部材は、前記角部における仕口の補強に用いられていることが好ましい。
前記耐震補強金具は、一角部あたり3個以上固定されていると良い。また、前記耐震補強金具は、主に前記鍔部の固定用孔に打ち込まれた固定用アンカーにより固定されていると良い。
さらに、前記固定された耐震補強金具間に、前記筋交い状補強部材の端部が配置されていると良い。
本発明に係る他の木造家屋の耐震補強構造は、取付用ネジ孔を有する雌ネジ軸と、前記雌ネジ軸の基端に形成され、前記雌ネジ軸の周囲に複数の固定用孔を有する鍔部と、を備えた耐震補強金具を用いて、木造家屋の外側から耐震補強する木造家屋の耐震補強構造であって、前記木造家屋の柱・梁・土台および基礎で囲まれた範囲内の壁における角部には、前記鍔部の固定用孔に打ち込まれた固定用アンカーにより前記耐震補強金具が複数固定されており、前記固定された複数の耐震補強金具の雌ネジ軸の先端には、雄ネジ部材を用いてフレーム状補強部材が締結されていることを要旨とするものである。
本発明に係る木造家屋の耐震補強工法は、取付用ネジ孔を有する雌ネジ軸と、前記雌ネジ軸の基端に形成され、前記雌ネジ軸の周囲に複数の固定用孔を有する鍔部と、を備えた耐震補強金具を用いて、木造家屋の外側から耐震補強する木造家屋の耐震補強工法であって、前記木造家屋の柱・梁・土台および基礎で囲まれた範囲内の壁における角部において、前記耐震補強金具を固定する部分の外壁を除去して、前記木造家屋の構造躯体を部分的に露出させる工程と、前記露出された構造躯体に前記耐震補強金具の鍔部を載置し、その固定用孔に固定用アンカーを打ち込むことにより、前記角部に前記耐震補強金具を複数固定する工程と、前記固定した複数の耐震補強金具の雌ネジ軸の先端に雄ネジ部材を用いてプレート状補強部材を締結するとともに、そのうちの1つの耐震補強金具の雌ネジ軸の先端または前記プレート状補強部材に雄ネジ部材を用いて筋交い状補強部材を締結する工程と、を有することを要旨とするものである。
前記耐震補強金具を固定する工程において、前記耐震補強金具間に前記角部の仕口が配置されるように前記耐震補強金具を固定すると良い。そして、前記耐震補強金具を固定する工程において、主に前記鍔部の固定用孔に打ち込まれた固定用アンカーにより前記耐震補強金具を固定すると良い。
また、前記耐震補強金具を固定する工程においては、一角部あたり、前記耐震補強金具を3個以上固定すると良い。
さらに、前記筋交い状補強部材を締結する工程において、前記耐震補強金具間に前記筋交い状補強部材の端部が配置されるように前記筋交い状補強部材を締結すると良い。
本発明に係る他の木造家屋の耐震補強工法は、取付用ネジ孔を有する雌ネジ軸と、前記雌ネジ軸の基端に形成され、前記雌ネジ軸の周囲に複数の固定用孔を有する鍔部と、を備えた耐震補強金具を用いて、木造家屋の外側から耐震補強する木造家屋の耐震補強工法であって、前記木造家屋の柱・梁・土台および基礎で囲まれた範囲内の壁における角部において、前記耐震補強金具を固定する部分の外壁を除去して、前記木造家屋の構造躯体を部分的に露出させる工程と、前記露出させた構造躯体に前記耐震補強金具の鍔部を載置し、その固定用孔に固定用アンカーを打ち込むことにより、前記角部に前記耐震補強金具を複数固定する工程と、前記複数の耐震補強金具の雌ネジ軸の先端に雄ネジ部材を用いてフレーム状補強部材を締結する工程と、を有することを要旨とするものである。
本発明に係る耐震補強金具は、雄ネジ部材の雄ネジ部と螺合する取付用ネジ孔を有する雌ネジ軸と、前記雌ネジ軸の基端に形成され、木造家屋の構造躯体に固定するための固定用アンカーが打ち込まれる固定用孔を前記雌ネジ軸の周囲に複数有する鍔部とを備えたことを要旨とするものである。
この際、前記鍔部の略中央部分に、前記雌ネジ軸の取付用ネジ孔と連通する連通孔が形成されていても良い。そして、本発明に係る耐震補強金具は、主に前記鍔部の固定用孔に打ち込まれる固定用アンカーにより木造家屋の構造躯体に固定されるものであると良い。
本発明に係る木造家屋の耐震補強構造によれば、木造家屋の柱・梁・土台および基礎で囲まれた範囲内の壁における角部に、特定の耐震補強金具が複数固定されており、固定された複数の耐震補強金具にプレート状補強部材が締結されているとともに、耐震補強金具またはプレート状補強部材に筋交い状補強部材が締結されている。そのため、筋交い状補強部材は、より強固に梁などの構造躯体に取付できる。
この耐震補強金具は、鍔部が構造躯体に載置され、雌ネジ軸の周囲に形成された複数の固定用孔に固定用アンカーが打ち込まれることにより、梁などの構造躯体に一体化される。筋交い状補強部材は、固定された耐震補強金具の雌ネジ軸と、この雌ネジ軸の取付用ネジ孔と螺合する雄ネジ部を有する雄ネジ部材とにより締結される。耐震補強金具は梁などの構造躯体に貫通させるものではないため、その太さが制限されるものではない。そのため、例えば地震により木造家屋に水平方向の荷重がかかったときに筋交い状補強部材に引張や圧縮の力が生じたときにも雄ネジ部材および耐震補強金具は曲がりにくい。
したがって、本発明に係る木造家屋の耐震補強構造によれば、取付した筋交い状補強部材の補強効果の低下を抑えることができる。これにより、従来よりも補強効果を向上できる。
また、木造家屋の構造躯体に外側から耐震補強金具が固定され、この耐震補強金具の雌ネジ軸の先端に、筋交い状補強部材およびプレート状補強部材が取付されるため、建物の外側からの作業のみで工事を行なうことができる。
フレーム状補強部材を用いた本発明に係る他の木造家屋の耐震補強構造においても、同様に、フレーム状補強部材は、より強固に梁などの構造躯体に取付できる。また、例えば地震により木造家屋に水平方向の荷重がかかったときにも雄ネジ部材および耐震補強金具は曲がりにくい。これにより、取付したフレーム状補強部材の補強効果の低下を抑えることができ、従来よりも補強効果を向上できる。さらに、建物の外側からの作業のみで工事を行なうことができる。
本発明に係る木造家屋の耐震補強工法によれば、木造家屋の構造躯体に外側から上記耐震補強金具を固定し、この耐震補強金具の雌ネジ軸の先端に、筋交い状補強部材およびプレート状補強部材を取付するため、筋交い状補強部材の補強効果の低下が抑えられ、従来よりも補強効果を向上させることができる。また、建物の外側からの作業のみで工事を行なうことができる。
また、本発明に係る他の木造家屋の耐震補強工法によれば、木造家屋の構造躯体に外側から上記耐震補強金具を固定し、この耐震補強金具の雌ネジ軸の先端に、フレーム状補強部材を取付するため、フレーム状補強部材の補強効果の低下が抑えられ、従来よりも補強効果を向上させることができる。また、建物の外側からの作業のみで工事を行なうことができる。
本発明に係る耐震補強金具によれば、梁などの構造躯体に固定する鍔部を有しており、鍔部の複数の固定用孔に固定用アンカーを打ち込んで鍔部を梁などの構造躯体に固定することにより梁などの構造躯体に一体化される。そのため、雄ネジ部材を用いて雌ネジ軸の先端に締結する筋交い状補強部材等の補強部材を梁などの構造躯体に強固に取付できる。この際、耐震補強金具を複数個用いると、梁などの構造躯体に筋交い状補強部材等の補強部材をより強固に取付できる。また、本発明に係る耐震補強金具は梁などの構造躯体に貫通させるものではないため、その太さが制限させるものではない。したがって、耐震補強金具を曲がりにくい太さにして、取付した補強部材の補強効果の低下を抑えることができるため、従来よりも補強効果を向上できる。
本発明の第一実施形態に係る耐震補強構造を表す模式図である。 図1に示す耐震補強構造の断面図である。 本発明の一実施形態に係る耐震補強金具を表す斜視図(a)および断面図(b)である。 本発明の第一実施形態に係る耐震補強構造の変形例を表す模式図である。 本発明の第一実施形態に係る耐震補強構造の変形例を表す模式図である。 本発明の第二実施形態に係る耐震補強構造を表す模式図である。 本発明の他の実施形態に係る耐震補強金具を表す断面図である。 本発明の他の実施形態に係る耐震補強金具を表す断面図である。 本発明の他の実施形態に係る耐震補強金具とともに使用するワンサイドボルトの一例を表す模式図である。 実施例の試験装置を表す図であり、(a)は平面図であり、(b)は正面図である。 実施例および比較例の荷重と変形量との関係を表すグラフである。 実施例1に係る取付部を表す写真であり、(a)は試験前であり、(b)は試験後である。 比較例に係る取付部を表す写真であり、(a)は試験前であり、(b)は試験後である。 実施例の試験装置を表す図である。 本発明に係る金具を用いて測定した荷重と変形量との関係を表すグラフである。
本発明に係る耐震補強構造について図を用いて詳細に説明する。図1は、第一実施形態に係る耐震補強構造40を表す正面図であり、図2は、耐震補強構造40を表す側面方向から見た断面図である。図1および図2に示すように、第一実施形態に係る耐震補強構造40は、耐震補強金具10を用いて、外側から木造家屋の構造躯体に鋼棒などの金属製の筋交い50と補強用プレート52とを取付したものである。筋交い50や補強用プレート52は、外壁の外側に設置されている。
図1および図2には、一般的な木造家屋における構造躯体を示している。一般的な木造家屋では、地面に構築されたコンクリート製の基礎42の上に基礎42に沿って土台44がボルト止めにより載置固定され、その土台44の上には柱46が立設され、その柱46の上には梁48が載置されている。その梁48の上には屋根組が構築され、柱46間には外壁が構築される。
耐震補強金具10は、梁48と2本の柱46と土台44及び基礎42とで囲まれた範囲内の壁における各角部に固定されている。より具体的には、梁48側の各角部には、梁48の柱46に近接する部分に2箇所と、柱46の梁48に近接する部分に1箇所の合計3箇所にそれぞれ固定用アンカーを用いて固定されている。一方、基礎42側の各角部には、基礎42の柱46に近接する部分に2箇所と、柱46の基礎42に近接する部分に1箇所の合計3箇所にそれぞれ固定用アンカーを用いて固定されている。すなわち、各角部には、それぞれ耐震補強金具10が複数固定されている。
各角部において、固定された耐震補強金具10には、ボルト51を用いて、L字状の補強用プレート52が取付されている。この補強用プレート52により、角部の複数の耐震補強金具10は連結されて一体化される。この補強用プレート52により、角部の複数の耐震補強金具10は連結されて一体化されているため、単体での使用に比べ、より大きな筋交い50からの引張の力に対しても強固に支えることができる。
耐震補強金具10は、梁48側の角部においては、梁48と柱46との間の接合部(仕口)を挟んで柱46と梁48の両方に固定されている。また、基礎42側の角部においては、基礎42と柱46との間の接合部(仕口)を挟んで柱46と基礎42の両方に固定されている。すなわち、固定された耐震補強金具10間に角部における仕口が配置されており、補強用プレート52が仕口をまたいでこれらの耐震補強金具10に取付されている。そのため、この補強用プレート52により、梁48側の各角部では梁48と柱46との間の接合部(仕口)が補強され、より具体的には柱46が抜け出さないように補強され、基礎42側の各角部では土台44を介して基礎42と柱46との間の接合部(仕口)が抜け出さないように補強されている。なお、補強用プレート52は、L字状のものに限定されず、例えばI字状のものやT字状のものなどであっても良い。
また、梁48および基礎42に固定された耐震補強金具10には、ボルト51を用いて、筋交い50端部の取付板部50aがそれぞれ締結され、補強用プレート52の外側に筋交い50が配置されている。この際、梁48側の角部においては、梁48に固定された一の耐震補強金具10と、柱46に固定された耐震補強金具10との間に、筋交い50端部の取付板部50aが配置されている。また、基礎42側の角部においては、基礎42に固定された一の耐震補強金具10と、柱46に固定された耐震補強金具10との間に、筋交い50端部の取付板部50aが配置されている。
梁48と基礎42との間には、2本の筋交い50が互いに交差するように張設されている。筋交い50は、ターンバックル機構によりピンと張った状態にすることができる。筋交い50は基礎42と梁48との間をつないでいるため、柱46の引き抜けを防止する。また、引張応力により構造躯体の層間変形を抑える。なお、筋交い50の太さは特に限定されず、設計耐力に応じて適宜調整することができる。
次に、上述した耐震補強構造40に好適に用いられる耐震補強金具の構造について詳細に説明する。図3は、耐震補強金具の一実施形態を表す斜視図(a)および断面図(b)である。図3に示すように、本発明の一実施形態に係る耐震補強金具10は、取付用ネジ孔18を有する雌ネジ軸14と、雌ネジ軸14の基端に形成されたディスク形状の鍔部12とを備えている。雌ネジ軸14周囲の鍔部12周縁部には、耐震補強金具10を建物の構造躯体(被取付物)に固定するために固定用アンカーが打ち込まれる固定用孔16が複数穿設されている。取付用ネジ孔18は、後述する筋交い、フレーム、プレート等の補強部材を締結するために、ボルトなどの雄ネジ部材の雄ネジ部と螺合する。
鍔部12の形状は、ディスク形状(雌ネジ軸14の軸方向から見て円形状)に限られるものではない。例えば、雌ネジ軸14の軸方向から見て多角形状(三角形状、四角形状、五角形状、六角形状等の多角形状)であっても良い。鍔部12の形状がディスク形状であると、耐震補強金具10を鍔部12で均等に固定することができる。また、耐震補強金具10の固定にあたって方向性がないため良い。鍔部12の外径および厚みは特に限定されず、耐震補強金具10が重くなりすぎない程度に調整すれば良い。鍔部12の固定用孔16の数は、特に限定されるものではなく、補強量にあわせて適宜調整すれば良い。
雌ネジ軸14の形状は、特に限定されるものではない。径方向断面の外形形状は円形、多角形のいずれであっても良い。また、雌ネジ軸14の外径の大きさは特に限定されない。従来の耐震補強金具とは異なり、その外径を大きくしても固定する梁などの構造躯体の強度低下を伴わないため、補強部材等を取付したときに作用する力等により容易に曲がらない程度の大きさにすれば良い。一方で、その外径を大きくしすぎると、耐震補強金具10が重くなりすぎる。したがって、これらを考慮して、適宜雌ネジ軸14の外径の大きさを定めると良い。
雌ネジ軸14の軸方向の長さ(高さ)は、特に限定されるものではなく、例えば、耐震補強金具10を固定する木造家屋の外壁厚さなどに対応させて、適宜調整することができる。雌ネジ軸14の取付用ネジ孔18は、軸方向に沿って雌ネジ軸14の先端から基端まで形成されていても良いし、雌ネジ軸14の基端まで形成されていなくても良く、先端から途中部分まで形成されていても良い。
図3に示すように、耐震補強金具10は、雌ネジ軸14の基端下に位置する鍔部12の略中央部分には貫通孔は形成されていない。したがって、図3に示す耐震補強金具10は、主に固定用孔16に打ち込まれる固定用アンカーにより木造家屋の構造躯体に固定されるものである。すなわち、雌ネジ軸14と螺合して筋交いや補強用プレート等を締結するためのボルトは、鍔部12を貫通せず、木造家屋の構造躯体(木部)には挿通されない。
耐震補強金具10は、例えば、鋼材の削り出しにより一体的に形成することができる。また、ディスク形状等の板材により鍔部12を構成し、ナットにより雌ネジ軸14を構成し、これらを接合することにより形成することもできる。鍔部12と雌ネジ軸14との接合は、溶接、螺合等の方法により行なうことができる。
螺合により両者を接合する方法としては、例えば、鍔部12を構成する板材の中央部分にネジ孔を形成し、雌ネジ軸14の基端の外周面に、板材のネジ孔と螺合する雄ネジ部となるネジ溝を形成して、鍔部12のネジ孔と雌ネジ軸14のネジ溝とを螺合させる方法や、鍔部12を構成する板材の中央部分にボルトを通す孔を形成し、雌ネジ軸14を構成するナットを鍔部12の中央部分に載置し、別途ボルトを用い、鍔部12の裏面から雌ネジ軸14の取付用ネジ孔18とボルトとを螺合させる方法などが挙げられる。
ナットにより雌ネジ軸14を構成する場合には、木造家屋の外壁厚さに対応する厚みに調整できるなどの観点から、高ナットが好ましい。
耐震補強金具10は構造躯体に固定され、外壁面で筋交い50および補強用プレート52を取付している。耐震補強金具10の雌ネジ軸14の高さ(鍔部12に対する垂直方向への長さ)を変えることにより、外壁の厚さが厚い場合や、薄い場合など、種々の場合に対応することができる。
固定用アンカーとしては、一般的な各種アンカーを用いることができる。梁48などの木部に対しては、例えば木ネジ(アンカー)や金属拡張型のアンカーボルト(ピン打ち込み式アンカーボルトやスリーブ打ち込み式アンカーボルト等)などを用いることができる。これらの固定用アンカーを、鍔部12の固定用孔16に打ち込む(ねじ込む)ことにより耐震補強金具10は固定される。なお、基礎42などのコンクリート部に対しては、例えば接着剤等の固着力によるケミカルアンカーや、金属拡張型のアンカーボルトを用いることができる。
図2には、梁48や柱46に対しては、木ネジよりなる固定用アンカー54により耐震補強金具10が固定され、基礎42に対しては、ケミカルアンカーにより耐震補強金具10が固定された状態を示している。
耐震補強構造40においては、筋交い50は、補強用プレート52に取付されていても良い。この場合には、補強用プレート52に形成された孔と、筋交い50端部の取付板部50aに形成された孔とを合わせ、ボルトおよびナットでこれらを締結すれば良い。
固定する耐震補強金具10の数は、補強部材の種類・数等により適宜定めることができる。梁48と柱46との間や、梁48と基礎42との間、柱46と基礎42との間など、構造躯体の構造材間をつなぐように補強するには、柱46、梁48、土台44、および基礎42の少なくとも2箇所に耐震補強金具10を固定して、固定した耐震補強金具10の間に補強部材を設置すれば良い。
以上の構成を有する耐震補強構造40によれば、地震により木造家屋に水平方向(梁48の方向)の荷重がかかったときに筋交い50が層間変形を抑えて家屋の損傷を抑えることができる。また、補強用プレート52により仕口が補強されているため、より一層、層間変形等による建物の損傷を抑えることができる。
この際、木造家屋の柱・梁・土台および基礎で囲まれた範囲内の壁における角部に、耐震補強金具10が複数固定されており、固定された複数の耐震補強金具10に補強用プレート52が締結されているとともに、耐震補強金具10に筋交い50が締結されている。そのため、筋交い50に引張の力が生じたときには複数の耐震補強金具10で力を支えることができるとともに、より強固に梁48などの構造躯体に取付できる。
この耐震補強金具10は、鍔部12が梁48などの構造躯体に載置され、雌ネジ軸14の周囲に形成された複数の固定用孔16に固定用アンカー54が打ち込まれることにより、梁48などの構造躯体に一体化される。筋交い50は、固定された耐震補強金具10の雌ネジ軸14と、この雌ネジ軸14の取付用ネジ孔18と螺合するボルト51とにより締結される。耐震補強金具10は梁48などの構造躯体に貫通させるものではないため、その太さが制限されるものではない。そのため、例えば地震により木造家屋に水平方向の荷重がかかったときに筋交い50に引張の力が生じたときにもボルト51および耐震補強金具10は曲がりにくい。したがって、本発明に係る木造家屋の耐震補強構造40によれば、取付した筋交い50の補強効果の低下を抑えることができる。これにより、従来よりも補強効果を向上できる。
また、木造家屋の構造躯体に外側から耐震補強金具10が固定され、この耐震補強金具10の雌ネジ軸14の先端に、筋交い状50および補強用プレート52が取付されるため、建物の外側からの作業のみで工事を行なうことができる。さらには、補強用プレート52は、耐震補強金具10の雌ネジ軸14の先端に締結され、外壁の外側に配置されるため、補強用プレート52による仕口の補強に際しても、耐震補強金具10の鍔部12を固定する部分の外壁を除去するだけで良く、仕口が存在する部分の外壁まで除去しなくても仕口の補強ができる。
次に、第一実施形態に係る耐震補強構造40の変形例について説明する。図4および5は、第一実施形態に係る耐震補強構造40の変形例を表わしている。図4に示す耐震補強構造140においては、耐震補強金具10は、梁48と2本の柱46と土台44及び基礎42とで囲まれた範囲内の壁における各角部に固定されている。梁48側の各角部には、梁48の柱46に近接する部分に2箇所と、柱46の梁48に近接する部分に1箇所の合計3箇所にそれぞれ固定用アンカーを用いて固定されている。一方、基礎42側の各角部には、基礎42の柱46に近接する部分に2箇所と、土台44の柱46に近接する部分に1箇所と、柱46の土台44に近接する部分に1箇所の合計4箇所にそれぞれ固定用アンカーを用いて固定されている。耐震補強構造140は、耐震補強構造40と比較して、基礎42側においてさらに土台44に耐震補強金具10が固定されている点が異なっている。
図5に示す耐震補強構造240においては、耐震補強金具10は、梁48と2本の柱46と土台44及び基礎42とで囲まれた範囲内の壁における各角部に固定されている。梁48側の各角部には、梁48の柱46に近接する部分に2箇所と、柱46の梁48に近接する部分に1箇所の合計3箇所にそれぞれ固定用アンカーを用いて固定されている。一方、土台44側の各角部には、土台44の柱46に近接する部分に2箇所と、柱46の土台44に近接する部分に2箇所の合計4箇所にそれぞれ固定用アンカーを用いて固定されている。耐震補強構造240は、耐震補強構造40と比較して、基礎42側において、柱46に2箇所耐震補強金具10が固定されており、基礎42に代えて土台44に耐震補強金具10が固定されている点が異なっている。
次いで、第二実施形態に係る耐震補強構造60について説明する。図6に示すように、第二実施形態に係る耐震補強構造60は、上記耐震補強金具10を用いて外側から木造家屋の構造躯体にフレーム状補強部材62を取付したものである。フレーム状補強部材62は、溝形鋼64よりなる鋼材をフレーム状に組み付けたものである。なお、鋼材は、溝形鋼64に限定されるものではなく、他の形鋼または板材であっても良い。
耐震補強金具10は、梁48と2本の柱46と土台44及び基礎42とで囲まれた範囲内の壁における各角部に固定されている。梁48側の各角部には、梁48の柱46に近接する部分に2箇所と、柱46の梁48に近接する部分に1箇所の合計3箇所にそれぞれ固定用アンカーを用いて固定されている。一方、基礎42側の各角部には、基礎42の柱46に近接する部分に2箇所と、柱46の基礎42に近接する部分に1箇所の合計3箇所にそれぞれ固定用アンカーを用いて固定されている。すなわち、各角部には、それぞれ金具が複数固定されている。耐震補強金具10の固定方法は、第一実施形態に係る耐震補強構造40において説明した方法と同様であり、説明を省略する。
梁48、柱46、基礎42のそれぞれに沿って溝形鋼64が配置され、上記耐震補強金具10により溝形鋼64が取付されている。耐震補強金具10は、梁48側の角部においては仕口を挟んで柱46と梁48の両方に固定されている。また、基礎42側の角部においては仕口を挟んで柱46と基礎42の両方に固定されている。すなわち、固定された耐震補強金具10間には角部における仕口が配置されており、フレーム状補強用部材62の溝形鋼64が仕口をまたいでこれらの耐震補強金具10に取付されている。そのため、フレーム状補強部材62は、梁48と柱46との間の接合部(仕口)や、土台44を介して基礎42と柱46との間の接合部(仕口)を補強するとともに、構造躯体の層間変形を抑える。
以上の構成を有する耐震補強構造60によれば、地震により木造家屋に水平方向(梁48の方向)の荷重がかかったときにフレーム状補強部材62が層間変形を抑えて家屋の損傷を抑えることができる。また、フレーム状補強部材62により仕口が補強されているため、より一層、層間変形等による建物の損傷を抑えることができる。
この際、各角部に耐震補強金具10を複数用いているため、より強固にフレーム状補強部材62を取付することができる。また、フレーム状補強部材62は、固定された耐震補強金具10の雌ネジ軸14とボルト51とにより締結されている。耐震補強金具10は梁48などの構造躯体に貫通させるものではないため、その太さが制限されるものではない。そのため、地震によりフレーム状補強部材62に層間変形の力が生じたときにもボルト51および耐震補強金具10は曲がりにくくなっている。したがって、耐震補強構造60によれば、取付したフレーム状補強部材62の補強効果の低下を抑えることができ、従来よりも補強効果を向上できる。さらに、建物の外側からの作業のみで工事を行なうことができる。
第二実施形態に係る耐震補強構造60においても、第一実施形態に係る耐震補強構造40と同様の変形例が適用可能である。すなわち、第一実施形態に係る耐震補強構造40の変形例と同様の耐震補強金具10の配置を適用することができる。具体的には、図6において、土台44側の各角部には、土台44の柱46に近接する部分に2箇所と、柱46の土台44に近接する部分に2箇所の合計4箇所にそれぞれ固定用アンカーを用いて固定されていても良いし、基礎42側の各角部には、基礎42の柱46に近接する部分に2箇所と、土台44の柱46に近接する部分に1箇所と、柱46の土台44に近接する部分に1箇所の合計4箇所にそれぞれ固定用アンカーを用いて固定されていても良い。また、耐震補強構造60において、梁48側には、梁48のみに耐震補強金具10が複数固定され、柱46には固定されていない構造であっても良いし、基礎42側には、基礎42あるいは土台44のみに耐震補強金具10が複数固定され、柱46には固定されていない構造であっても良い。
次いで、本発明に係る耐震補強工法について説明する。一実施形態に係る耐震補強工法は、木造家屋の構造躯体を露出させる工程と、木造家屋の構造躯体に上記耐震補強金具10を固定する工程と、固定された耐震補強金具10に補強部材を締結する工程とを有する。
木造家屋の構造躯体を露出させる工程においては、木造家屋の柱・梁・土台および基礎で囲まれた範囲内の壁における角部において、耐震補強金具10を固定する部分のみの外壁を除去して、梁48等の構造躯体を部分的に露出させる。
次いで、耐震補強金具10を固定する工程においては、角部における露出された構造躯体に耐震補強金具10の鍔部12を載置し、鍔部12の固定用孔16に固定用アンカーを打ち込む(ねじ込む)ことにより、上記耐震補強金具10を固定する。角部には耐震補強金具10を複数固定する。この際、図1に示すように、固定する耐震補強金具10間に角部における仕口が配置されるように耐震補強金具10を配置固定しても良い。
次いで、耐震補強金具10に補強部材を締結する工程においては、固定された耐震補強金具10の雌ネジ軸14の先端に、雄ネジ部材を用いて補強用プレート52を締結する。同時に、固定された耐震補強金具10の雌ネジ軸14の先端に、雄ネジ部材を用いて筋交い50を締結する。この際、図1に示すように、固定された耐震補強金具10間に筋交い50の端部が配置されるように、筋交い50の端部を耐震補強金具10の雌ネジ軸14の先端に締結しても良い。雄ネジ部材としては、耐震補強金具10の雌ネジ軸14の取付用ネジ孔18と螺合する雄ネジ部を有するボルト等が挙げられる。
また、耐震補強金具10に補強部材を締結する工程においては、他の形態としては、固定された耐震補強金具10の雌ネジ軸14の先端に、雄ネジ部材を用いてフレーム状補強部材62を締結する。
本発明に係る耐震補強工法によれば、既設の木造家屋において、外壁の外側からの作業のみで施工を行なうことができる。この際、外壁の全部を剥がして施工することなく、外壁の耐震補強金具を固定する一部分のみを除去することにより施工することができる。そのため、外壁等を元の状態に修復するなどの作業が発生しないため、時間的、金銭的な負担は小さい。これにより、施工が簡便で、工期も短く、施工コストを低く抑えることができる。そして、このような耐震補強工法であれば、既設の木造家屋、特に、耐震補強工事を行なう必要性が比較的高くなる古い木造家屋に対しても適用することができる。
耐震補強金具は、上記固定用アンカーのみで固定されても良いし、上記固定用アンカーに加えて、さらにワンサイドボルトや通常の(一般的な)ボルトを用いて固定されるものであっても良い。これにより、さらに強固に梁48などの構造躯体に耐震補強金具を一体化させることができる。この際、耐震補強金具としては、例えば図7や図8に示すものを用いることができる。
図7に示すように、他の実施形態に係る耐震補強金具110は、鍔部12の略中央部分に、雌ネジ軸14の軸方向に沿って固定用ネジ孔20が形成されている。このとき、鍔部12の固定用ネジ孔20は、鍔部12を貫通していても良いし、鍔部12を貫通しないで鍔部12の底面(雌ネジ軸14が形成されていない側の面)から鍔部12の厚み方向の途中部分まで形成されていても良い。また、鍔部12の固定用ネジ孔20は、雌ネジ軸14の取付用ネジ孔18と連通されていても良い。このとき、鍔部12の固定用ネジ孔20と雌ネジ軸14の取付用ネジ孔18とは、1つの雄ネジ部材が両方のネジ孔18、20に螺合可能となるように、同径で同ピッチの連続するネジ孔になっていても良いし、互いに異径あるいは異ピッチの不連続なネジ孔になっていても良い。固定用ネジ孔20には、建物の梁等の被取付物に形成された挿通用孔に挿通固定されるワンサイドボルトの雄ネジ部が螺合可能である。この場合には、この固定用ネジ孔20を介してワンサイドボルト24によりさらに強固に梁48などに耐震補強金具110を一体化させることができるため、より一層、補強効果を向上させることができる。
また、図8に示すように、他の実施形態に係る耐震補強金具210は、鍔部12の略中央部分に、雌ネジ軸14の軸方向に沿って連通孔22が形成されている。この連通孔22は、雌ネジ軸14の取付用ネジ孔18と螺合する雄ネジ部を有するボルトが挿通可能な貫通孔である。したがって、連通孔22は、雌ネジ軸14の取付用ネジ孔18の内径以上の内径を有すると良い。この場合、取付用ネジ孔18には、建物の梁等の被取付物に形成された挿通用孔に挿通固定されるワンサイドボルトまたは通常の(一般的な)ボルトの雄ネジ部が螺合可能である。この場合、雌ネジ軸14の取付用ネジ孔18を介してボルトによりさらに強固に梁などに耐震補強金具210を一体化させることができるため、より一層、補強効果を向上させることができる。
図9には、上記耐震補強金具110、210とともに用いることが可能なワンサイドボルトの一例を示している。ワンサイドボルト24は、一方向から構造躯体に部材を取付することが可能なボルトである。耐震補強金具110、210とともにワンサイドボルト24を用いると、耐震補強金具110、210は梁などの構造躯体(被取付物)とさらに一体化されるため、より一層、補強効果を向上させることができる。
図9に示すワンサイドボルト24は、雄ネジ部26を有するボルト本体28の一端部(基端部)に連結ピン30により回動プレート32が回動自在に取付されたもので構成されている。回動プレート32は、バネの付勢力や回動プレート32の一端の自重などにより、自由状態の時にはボルト本体28と直交状態を呈するようになっている。図9に示すワンサイドボルト24は、例えば梁などの構造躯体に一方側から挿通用孔を形成し、その挿通用孔に一方側からワンサイドボルト24の回動プレート32側(基端側)を挿入し、構造躯体の内壁側(奥側)の中空部に出ると、回動プレート32がボルト本体28と直交状態となって、回動プレート32が構造躯体の内壁側に係止されるものである。
ワンサイドボルト24は、市販のものを用いても良いし、製造品を用いても良い。ワンサイドボルト24は、図9に示すメカニカルな構造のもの以外にも、例えば、ボルト本体28にスリーブが挿通され、ボルト本体28と螺合しているナットを締結するとスリーブが拡径する構造のものなども知られている。これらのものも市販されており、市販のものなどを用いることができる。
ワンサイドボルト24は、耐震補強金具110の鍔部12に形成された固定用ネジ孔20とのみ螺合されても良いし、耐震補強金具210の鍔部12の連通孔22を通過して雌ネジ軸14の取付用ネジ孔18とのみ螺合されても良いし、その両方と螺合されても良い。前者の場合、ワンサイドボルト24の取付時の長さは、梁などの構造躯体の内壁側(奥側)から、構造躯体の外壁側(表側)に固定された耐震補強金具110の鍔部12の固定用ネジ孔20までの長さにすることが必要である。したがって、このような長さを有するワンサイドボルト24を用いれば良い。
この場合、例えば、図9(b)に示すように、ボルト本体28の他端部に支持部34が形成されていると良い。ボルト本体28と支持部34との間には溝36が形成されており、折り曲げたりねじったりすることにより溝36の位置でボルト本体28と支持部34とが容易に切断されるようになっている。これによれば、この支持部34を持った状態で、構造躯体の挿通用孔に挿通されたワンサイドボルト24の雄ネジ部26と耐震補強金具110の鍔部12の固定用ネジ孔20とを螺合させた後、この支持部34を切断することにより、ワンサイドボルト24の取付時の長さを鍔部12の固定用ネジ孔20までに調整することができる。
図7に示す耐震補強金具110を用い、ワンサイドボルトを併用して耐震補強金具110を固定する場合には、ワンサイドボルトは、さらに、耐震補強金具110の雌ネジ軸14の取付用ネジ孔18とも螺合されても良い。この場合、ワンサイドボルト24の雄ネジ部26の長さを調整することにより、雄ネジ部26の先端が耐震補強金具110の雌ネジ軸14の取付け用ネジ孔18から突出されるようにすれば、ワンサイドボルト24は、耐震補強金具110とともに、ナットを用いて、筋交い50や補強用プレート52等を締結することができる。
図8示す耐震補強金具210を用い、ワンサイドボルトまたは通常のボルトを併用して耐震補強金具210を固定する場合には、ワンサイドボルトまたは通常のボルトの雄ネジ部が、耐震補強金具210の鍔部12底面から連通孔22を通過した後、雌ネジ軸14の取付用ネジ孔18と螺合される。
耐震補強工法においては、耐震補強金具10に代えて、耐震補強金具110あるいは耐震補強金具210を用い、木造家屋の構造躯体に耐震補強金具を固定する工程の前に、構造躯体にワンサイドボルトを挿通し、このワンサイドボルトに上記耐震補強金具を螺合する工程を有していても良い。
構造躯体にワンサイドボルトを挿通するには、まず、木造家屋の構造躯体に外側から挿通用孔を形成する。挿通用孔を形成する位置は、耐震補強金具を固定する固定位置の中心部分であると良い。次いで、形成した挿通用孔に外側からワンサイドボルトを挿通する。ワンサイドボルトには、上記するワンサイドボルト24等を用いることができる。挿通されたワンサイドボルトは、構造躯体の内壁側(奥側)で係止する。外壁側(表側)には、ワンサイドボルトの雄ネジ部が突出される。次いで、係止されたワンサイドボルトの雄ネジ部に耐震補強金具を螺合する。
この際、耐震補強金具は、ワンサイドボルトの雄ネジ部と螺合可能にするために、固定用ネジ孔20または連通孔22を有する。固定用ネジ孔20を有する場合、ワンサイドボルトの雄ネジ部と固定用ネジ孔20とを螺合させる。また、固定用ネジ孔20を通過させて、さらに雌ネジ軸14の取付用ネジ孔18と螺合させても良い。一方、連通孔22を有する場合、連通孔22を通過させて、ワンサイドボルトの雄ネジ部と雌ネジ軸14の取付用ネジ孔18とを螺合させる。
また、耐震補強工法においては、耐震補強金具10に代えて、耐震補強金具210を用い、木造家屋の構造躯体に耐震補強金具を固定する工程の前に、構造躯体に通常のボルトを挿通し、このボルトに上記耐震補強金具を螺合する工程を有していても良い。ボルトは、通常の工法において良く見られるように、構造躯体に孔を形成し、構造躯体の裏表から締め込むようにして構造躯体に固定されれば良い。この際、耐震補強金具210は、連通孔22を有しており、連通孔22を通過させて、ボルトの雄ネジ部と雌ネジ軸14の取付用ネジ孔18とを螺合させる。
次いで、ワンサイドボルトまたは通常のボルトと螺合させた耐震補強金具を固定用アンカーで構造躯体に固定し、この耐震補強金具に補強部材を締結する。ワンサイドボルトの雄ネジ部が固定用ネジ孔20のみと螺合される場合には、耐震補強金具の雌ネジ軸14の取付用孔18と螺合する雄ネジ部を有するボルトなどの雄ネジ部材を用いて補強部材を締結する。一方、ワンサイドボルトの雄ネジ部が雌ネジ軸14の取付用孔18と螺合される場合、または通常のボルトの雄ネジ部が連通孔22を通過した後、雌ネジ軸14の取付用孔18と螺合される場合には、雄ネジ部の先端を取付用孔18から突出させて、ナットを用いて補強部材を締結する。以上により、本発明に係る耐震補強構造を構築することができる。
次に、実施例について詳細に説明する。本実施例は、地震により木造家屋の構造躯体に生じる層間変形に対して筋交いで補強する例を想定している。
(実施例1)
図10に示すように、105×105×1000mmの試験体杉柱72を架台74に固定した。次いで、試験体杉柱72に内径22mmの挿通用孔を形成し、挿通用孔にワンサイドボルト(外径20mm、長さ200mm)を挿通して試験体杉柱72にワンサイドボルトを固定した。次いで、下記の耐震補強金具(1)の雌ネジ軸にワンサイドボルトを螺合させた後、木ネジアンカーにより試験体杉柱72に耐震補強金具(1)を固定した。次いで、この耐震補強金具(1)とワンサイドボルトとナットとにより試験体杉柱72に羽子板ボルト76を取付した。
<耐震補強金具(1)の形状>
雌ネジ軸:六角高ナット(M16、長さ45mm)
鍔部:SS400製ディスクプレート、(厚さ9mm、外径80mm、周縁部に内径5.5mmの固定用孔(12箇所)、中央部に内径22mmの貫通孔)
雌ネジ軸と鍔部とは全周隅肉溶接により一体化されている。
次いで、クレビス82を介して200kNオイルジャッキ80を架台74に固定し、200kNオイルジャッキ80にロードセル78を取付け、このロードセル78に上記羽子板ボルト76を接合して、試験装置70を構築した。このオイルジャッキ80を伸縮運動させることにより、ロードセル78に接合された羽子板ボルト76と耐震補強金具(1)との間の取付部に水平方向の引張荷重がかかるようになっている。本試験では、オイルジャッキ80により単調引張試験を行なった。この際、オイルジャッキ80による引張力を変化させ、引張力(取付部にかかる荷重)とそのときの取付部の変形量とを測定し、その結果を図11に示した。
(実施例2)
105×105×1000mmの試験体杉柱72を架台に固定した後、上記耐震補強金具(1)を木ネジアンカーにより試験体杉柱72に固定した。次いで、ワンサイドボルトを用いないで、この耐震補強金具(1)とボルトとにより試験体杉柱72に羽子板ボルト76を取付した。以下、実施例1と同様にして、荷重と変形量とを測定し、その結果を図11に示した。
(比較例)
実施例1において、上記耐震補強金具(1)を用いないで、上記ワンサイドボルトとナットとにより試験体杉柱72に羽子板ボルト76を取付した点以外、実施例1と同様にして、荷重と変形量とを測定し、その結果を図11に示した。
(参考例)
実施例1において、木ネジアンカーを用いなかった点以外は、実施例1と同様にして、荷重と変形量とを測定し、その結果を図11に示した。
比較例では、耐震補強構造の筋交い端部に相当する羽子板ボルトを、構造躯体に相当する試験体杉柱72にワンサイドボルトのみで取付している(従来の取付構造に相当する。)。そのため、引張荷重を加えるとすぐにワンサイドボルトが曲がってしまい(図13(b))、図11に示すように初期剛性が低い結果となった(グラフの立ち上がりが低い)。これにより、耐力が上がらず、最大耐力は10kN程度と低かった。
これに対し、実施例1〜2では、本発明に係る耐震補強金具を用いて羽子板ボルト76を試験体杉柱72に取付している。そのため、引張荷重をかけてもすぐには耐震補強金具は曲がらず(図12(b))、取付部の初期剛性が高く(グラフの立ち上がりが高く)、かつ、最大耐力(15〜20kN程度)にも優れることが確認できた。
これは、引張荷重を受けても曲がりにくいもので耐震補強金具が構成され、かつ、試験体杉柱72に耐震補強金具を固定することにより耐震補強金具が試験体杉柱72と一体化されているためと考えられる。なお、参考例では、同じ耐震補強金具を用いているものの、試験体杉柱72に耐震補強金具を固定していないために初期剛性が低く、耐力が低くなっている。
さらに、実施例1では、木ネジとワンサイドボルトとにより試験体杉柱72に耐震補強金具を固定している。これらによれば、大きな変形領域まで荷重が低下しておらず、優れた変形性能が期待できることが確認できた。
(実施例3)
次に、下記耐震補強金具(2)を角部に複数固定した例について説明する。具体的には、図14に示すように、105×180×1000mmの試験体べい松梁(横架材)71を架台74に固定し、105×105×1000mmの試験体杉柱72に試験体べい松梁71を接合した。次いで、試験体べい松梁71上に耐震補強金具(2)の鍔部を載置し、鍔部の固定用孔に木ネジアンカーをねじ込んで、試験体べい松梁71に耐震補強金具(2)を2個固定した。さらに、試験体杉柱72に耐震補強金具(2)を1個固定した。次いで、L型プレート73を角部に沿って配置し、ボルトを用いて雌ネジ軸の先端に締結するとともに、そのうちの1つの雌ネジ軸の先端に羽子板ボルト76を締結した。なお、実施例3においては、試験体べい松梁71および試験体杉柱72にはワンサイドボルトおよび通常のボルトは挿通されていない。
<耐震補強金具(2)の形状>
雌ネジ軸:六角高ナット(M16、長さ45mm)
鍔部:SS400製ディスクプレート、(厚さ9mm、外径80mm、周縁部に内径5.5mmの固定用孔(12箇所))
雌ネジ軸と鍔部とは全周隅肉溶接により一体化されている。
耐震補強金具(1)とは、鍔部の中央部に貫通孔が設けられていない点が異なっている。
次いで、クレビス82を介して200kNオイルジャッキ80を架台74に固定し、200kNオイルジャッキ80にロードセル78を取付け、このロードセル78に上記羽子板ボルト76を接合して、試験装置90を構築した。このオイルジャッキ80を伸縮運動させることにより、ロードセル78に接合された羽子板ボルト76と耐震補強金具(2)との間の取付部に水平方向の引張荷重がかかるようになっている。本試験では、オイルジャッキ80により単調引張試験を行なった。この際、オイルジャッキ80による引張力を変化させ、引張力(取付部にかかる荷重)とそのときの取付部の変形量とを測定し、その結果を図15に示した。
(実施例4)
上記耐震補強金具(2)を角部に1個固定した例について説明する。具体的には、図10において、試験体杉柱72に代えて、試験体として105×180×1000mmの試験体べい松梁71を用いた点以外は、実施例2と同様にして、上記耐震補強金具(2)を木ネジアンカーにより試験体べい松梁71に固定し、耐震補強金具(2)とボルトとにより試験体杉柱72に羽子板ボルト76を締結した。以下、実施例1と同様にして、荷重と変形量とを測定し、その結果を図15に示した。
実施例3および4をみれば、初期剛性が高く、かつ、最大耐力にも優れることが確認できた。そして、実施例3によれば、上記耐震補強金具(2)を複数用いたことにより、より強固に羽子板ボルト76を取付できており、これにより、耐力がより一層向上していることが確認できた。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
例えば上記実施形態においては、既設の木造家屋に対して外側から行なう耐震補強構造および耐震補強工法について示している。これは、特に既設の木造家屋に対して、外装仕上げなどの除去や復元を伴うことなく、また、家具などを移動させるなどの煩雑さを伴うことなく、施工が簡便であるという観点から示したものである。したがって、これらに限らず、新設の木造家屋において行なうものであっても良いのは勿論である。また、外側から行なう場合に限らず、内側から行なうものであっても良いのは勿論である。さらに、木造家屋に限らず、可能であれば、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造などの建物に適用しても良いのは勿論である。
また、上記実施形態においては、耐震補強を行なうために耐震補強金具10を用いる例を示しているが、その他にも、例えば看板の取付などにも上記耐震補強金具10を用いることができる。
本発明に係る耐震補強金具は、木造家屋の耐震補強に好適に使用することができる。
10 耐震補強金具
12 鍔部
14 雌ネジ軸
42 基礎
44 土台
46 柱
48 梁
50 筋交い
51 ボルト
52 補強用プレート
54 固定用アンカー

Claims (16)

  1. 取付用ネジ孔を有する雌ネジ軸と、前記雌ネジ軸の基端に形成され、前記雌ネジ軸の周囲に複数の固定用孔を有する鍔部と、を備えた耐震補強金具を用いて、木造家屋の外側から耐震補強された木造家屋の耐震補強構造であって、
    前記木造家屋の柱・梁・土台および基礎で囲まれた範囲内の壁における角部には、前記鍔部の固定用孔に打ち込まれた固定用アンカーにより前記耐震補強金具が複数固定されており、
    前記固定された複数の耐震補強金具の雌ネジ軸の先端には、雄ネジ部材を用いてプレート状補強部材が締結されているとともに、そのうちの1つの耐震補強金具の雌ネジ軸の先端または前記プレート状補強部材には、雄ネジ部材を用いて筋交い状補強部材が締結されていることを特徴とする木造家屋の耐震補強構造。
  2. 前記固定された耐震補強金具間に、前記角部における仕口が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の木造家屋の耐震補強構造。
  3. 前記プレート状補強部材は、前記角部における仕口の補強に用いられていることを特徴とする請求項1または2に記載の木造家屋の耐震補強構造。
  4. 前記耐震補強金具は、一角部あたり3個以上固定されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の木造家屋の耐震補強構造。
  5. 前記耐震補強金具は、主に前記鍔部の固定用孔に打ち込まれた固定用アンカーにより固定されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の木造家屋の耐震補強構造。
  6. 前記固定された耐震補強金具間に、前記筋交い状補強部材の端部が配置されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の木造家屋の耐震補強構造。
  7. 取付用ネジ孔を有する雌ネジ軸と、前記雌ネジ軸の基端に形成され、前記雌ネジ軸の周囲に複数の固定用孔を有する鍔部と、を備えた耐震補強金具を用いて、木造家屋の外側から耐震補強する木造家屋の耐震補強構造であって、
    前記木造家屋の柱・梁・土台および基礎で囲まれた範囲内の壁における角部には、前記鍔部の固定用孔に打ち込まれた固定用アンカーにより前記耐震補強金具が複数固定されており、
    前記固定された複数の耐震補強金具の雌ネジ軸の先端には、雄ネジ部材を用いてフレーム状補強部材が締結されていることを特徴とする木造家屋の耐震補強構造。
  8. 取付用ネジ孔を有する雌ネジ軸と、前記雌ネジ軸の基端に形成され、前記雌ネジ軸の周囲に複数の固定用孔を有する鍔部と、を備えた耐震補強金具を用いて、木造家屋の外側から耐震補強する木造家屋の耐震補強工法であって、
    前記木造家屋の柱・梁・土台および基礎で囲まれた範囲内の壁における角部において、前記耐震補強金具を固定する部分の外壁を除去して、前記木造家屋の構造躯体を部分的に露出させる工程と、
    前記露出された構造躯体に前記耐震補強金具の鍔部を載置し、その固定用孔に固定用アンカーを打ち込むことにより、前記角部に前記耐震補強金具を複数固定する工程と、
    前記固定した複数の耐震補強金具の雌ネジ軸の先端に雄ネジ部材を用いてプレート状補強部材を締結するとともに、そのうちの1つの耐震補強金具の雌ネジ軸の先端または前記プレート状補強部材に雄ネジ部材を用いて筋交い状補強部材を締結する工程と、を有することを特徴とする木造家屋の耐震補強工法。
  9. 前記耐震補強金具を固定する工程において、前記耐震補強金具間に前記角部の仕口が配置されるように前記耐震補強金具を固定することを特徴とする請求項8に記載の木造家屋の耐震補強工法。
  10. 前記耐震補強金具を固定する工程において、主に前記鍔部の固定用孔に打ち込んだ固定用アンカーにより前記耐震補強金具を固定することを特徴とする請求項8または9に記載の木造家屋の耐震補強工法。
  11. 前記耐震補強金具を固定する工程において、一角部あたり、前記耐震補強金具を3個以上固定することを特徴とする請求項8から10のいずれかに記載の木造家屋の耐震補強工法。
  12. 前記筋交い状補強部材を締結する工程において、前記耐震補強金具間に前記筋交い状補強部材の端部が配置されるように前記筋交い状補強部材を締結することを特徴とする請求項8から11のいずれかに記載の木造家屋の耐震補強工法。
  13. 取付用ネジ孔を有する雌ネジ軸と、前記雌ネジ軸の基端に形成され、前記雌ネジ軸の周囲に複数の固定用孔を有する鍔部と、を備えた耐震補強金具を用いて、木造家屋の外側から耐震補強する木造家屋の耐震補強工法であって、
    前記木造家屋の柱・梁・土台および基礎で囲まれた範囲内の壁における角部において、前記耐震補強金具を固定する部分の外壁を除去して、前記木造家屋の構造躯体を部分的に露出させる工程と、
    前記露出させた構造躯体に前記耐震補強金具の鍔部を載置し、その固定用孔に固定用アンカーを打ち込むことにより、前記角部に前記耐震補強金具を複数固定する工程と、
    前記複数の耐震補強金具の雌ネジ軸の先端に雄ネジ部材を用いてフレーム状補強部材を締結する工程と、を有することを特徴とする木造家屋の耐震補強工法。
  14. 雄ネジ部材の雄ネジ部と螺合する取付用ネジ孔を有する雌ネジ軸と、
    前記雌ネジ軸の基端に形成され、木造家屋の構造躯体に固定するための固定用アンカーが打ち込まれる固定用孔を前記雌ネジ軸の周囲に複数有する鍔部とを備えたことを特徴とする耐震補強金具。
  15. 前記鍔部の略中央部分に、前記雌ネジ軸の取付用ネジ孔と連通する連通孔が形成されていることを特徴とする請求項14に記載の耐震補強金具。
  16. 主に前記鍔部の固定用孔に打ち込まれる固定用アンカーにより木造家屋の構造躯体に固定されるものであることを特徴とする請求項14または15に記載の耐震補強金具。
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