JP5643914B1 - 木材と繊維シートによる耐震補強材を用いた耐震補強構造 - Google Patents

木材と繊維シートによる耐震補強材を用いた耐震補強構造 Download PDF

Info

Publication number
JP5643914B1
JP5643914B1 JP2014120237A JP2014120237A JP5643914B1 JP 5643914 B1 JP5643914 B1 JP 5643914B1 JP 2014120237 A JP2014120237 A JP 2014120237A JP 2014120237 A JP2014120237 A JP 2014120237A JP 5643914 B1 JP5643914 B1 JP 5643914B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seismic
fiber sheet
wood
column
reinforcement
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2014120237A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015086685A (ja
Inventor
利通 小林
利通 小林
Original Assignee
株式会社ちくま建設工業
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社ちくま建設工業 filed Critical 株式会社ちくま建設工業
Priority to JP2014120237A priority Critical patent/JP5643914B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5643914B1 publication Critical patent/JP5643914B1/ja
Publication of JP2015086685A publication Critical patent/JP2015086685A/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Working Measures On Existing Buildindgs (AREA)

Abstract

【課題】地震荷重が圧縮力と引張力のどの方向に働いても十分耐えられる耐震補強材を、既設木造部材の強度低下を発生させないで固着できる構造を提供する。【解決手段】耐震補強材火打ち部とその両端接合部をエポキシ樹脂で繊維シートを貼り付けることにより、圧縮耐力は木材で受け持ち、引張耐力は繊維シートが受け持ち、その地震荷重に十分耐えられる補強がなされた耐震補強材を、既存柱の柱脚部及び/又は柱頭部に繊維シートをエポキシ樹脂剤で巻くように固着すると共に既存基礎・既存梁に後施工アンカー・木材用後施工アンカーで固着させる。既存梁・既存柱に増し梁・添え柱・耐震補強材を繊維シート・エポキシ樹脂・後施工アンカー・木材用後施工アンカーを用いて固着し、その強度不足を解消する。【選択図】図4

Description

本発明は、木造在来軸組工法による木造建物の耐震補強に使用する、木材と繊維シートによる耐震補強材の構造及びその耐震補強材を用いた耐震補強に関するものである。
木造在来軸組工法の継手や仕口は、予め2本の木材を加工し、差したり上から落とし込んだりして接合する。柱の接合部は回転するので、地震の水平荷重に対しては木造筋違を柱・土台・梁に釘・ボルト等で接合し抵抗させている。
建設時期が昭和56年5月以前の木造在来軸組工法の住宅は耐震性能が低い場合が多く、耐震補強が必要となり様々な補強がなされている。筋違による補強・合板による補強・補強金物による補強等はいずれも、補強物を既設の柱・土台・梁に釘・ボルト等で接合されている。
耐震補強工事において補強材をネジ釘等で既設構造物に接合するとき、強度上、ネジ釘・ボルトを局所的な狭い場所に数多く打設する必要がある。この場合に、既設部材の木質繊維の破断や、既設部材の炸裂破壊の可能性がある。この場合、既設部材の損傷の程度は目視では確認できないため、地震荷重が働いたとき接合部における破壊が予想される。また地震による荷重方向は複雑で、継手・仕口の接合方向と反対方向に引張荷重が働いた場合は、継手・仕口の接合が引き抜けることが考えられる。
これに対して、従前、繊維シートを用いたものとして、例えば、建築物の躯体を構成する基礎、土台、柱、横架材、筋交い等の建築部材の表面に沿って、近年、公共工作物、大型建築物の耐震補強などに積極的に用いられ、素材として高い評価が得られているアラミド繊維、炭素繊維、ガラス繊維などの高強度繊維を長尺シート状に形成した繊維補強材を配設し、繊維補強材の両端部に設けられた定着金具を、建築部材にボルト、ナットによって固定し、繊維補強材によって建築部材を補強し、建築物の耐震性を高めるものと、土台、柱及び筋交いの接合箇所全体に繊維補強材を巻き付けたもの(特許文献1参照)が開示されている。しかしながら、この発明は、繊維補強材を、単に建築部材の表面に沿って配するか、単に巻き付けたもので、合理的な補強形態が提案されたものではなかった。
また、他の例として、既設の柱梁架構の柱面の一部に対し当該柱面から突出するように断面凸状の鋼板を当接し且つ上記柱面と上記鋼板外面に沿って炭素繊維シートを接着しながら巻き付けることで当該鋼板を柱に固定すると共に、上記柱面と鋼板内面との間の空間にコンクリートを充填し、且つ、上記鋼板外面にブレース斜材の端部を接合する既設の柱梁架構の耐震補強方法(特許文献2参照)が開示されている。しかしながら、この発明は、鉄筋コンクリート又は鉄骨鉄筋コンクリート造の柱梁架構において、柱のみに対して、補強用の断面凸状の鋼板を固定する耐震補強構造であり、大型化し易く、合理的な補強形態が提案されたものではなかった。
また、従前、耐震補強材の形状として、差し方づえを受け方づえに、ほぞで連結し、さらに、差し方づえと受け方づえとを、曲り添木と接合材(ボルト等)とで、一体化した寄せ木方づえにし、寄せ木方づえを、連結材と目違いほぞとで、柱、はりに接合すれば、柱とはりは剛結されて、木造建築は地震等の水平力に抵抗できる寄せ木方づえ(特許文献3参照)の発明が開示されている。しかしながら、この発明は、特有な形状によって構成されており、目違いほぞを既設のはりに形成する必要があるなど、施工が難しかった。
特開2002−322817号公報(第1頁、図9) 特開平10−184031号公報(第1頁、図2) 特開平9−217424号公報(第1頁)
解決しようとする課題の一つ目は、ネジ釘・ボルト等を局所的な狭い場所に数多く打設することなく、既設木造部材の強度低下を発生させない耐震補強材の固着構造を提案することにある。二つ目は、地震荷重が耐震補強材に圧縮力と引張力のどの方向に働いても、その地震荷重に十分耐えられる補強がなされた耐震補強材を提案することにある。三つ目は、既存の柱と梁の強度が不足している場合に、添え柱・増し梁等を耐震補強材により既存の柱や梁に固着することにより、その強度不足を解消するための施工構造を提案することにある。
本発明は、上記目的を達成するために次の構成を備える。
本発明に係る木材と繊維シートによる耐震補強材を用いた耐震補強構造の一形態によれば、木材3本で三角形の補強形態を備えるように形成された耐震補強材の木材本体に繊維シートをエポキシ樹脂で固着することにより、該三角形の補強形態について、圧縮耐力は木材で受け持ち、引張耐力は繊維シートが受け持つことができる複合体として形成された前記耐震補強材を、木造の土台と柱と梁を構成要素とする柱梁架構の柱脚部及び/又は柱頭部に固着して補強する木材と繊維シートによる耐震補強材を用いた耐震補強構造であって、前記耐震補強材の前記三角形の補強形態が、耐震補強材柱接合部と、耐震補強材土台接合部又は耐震補強梁接合部と、耐震補強材火打ち部との木材3本で構成され、前記耐震補強材柱接合部の一端部と、前記耐震補強材土台接合部又は耐震補強梁接合部の一端部とが接合されることで直角の角部が形成され、前記柱と前記耐震補強材柱接合部とを繊維シートを巻くことで固着すると共に、基礎部には前記耐震補強材土台接合部をアンカーで固着し、梁部には耐震補強梁接合部を木材用アンカーで固着することを特徴とする。
また、本発明に係る木材と繊維シートによる耐震補強材を用いた耐震補強構造の一形態によれば、前記繊維シートの両端部を重ね継手とするように該繊維シートと該繊維シートとが重なった部分をエポキシ樹脂で貼り合せ、繊維シートが輪の形状で包帯のように、前記三角形の補強形態を備える耐震補強材の一辺を構成する木材である耐震補強材柱接合部と柱を拘束することにより、繊維シート自体の引張耐力で地震力に対応できるように繊維シートを巻き付けてあることを特徴とすることができる。
また、本発明に係る木材と繊維シートによる耐震補強材を用いた耐震補強構造の一形態によれば、前記耐震補強材柱接合部と該柱を一体的に合わせられて構成される一体柱部にじかに巻かれた状態に設置された繊維シートせん断防止シートを備え、該繊維シートせん断防止シートの上に、前記繊維シートが巻き付けられてエポキシ樹脂で固着されていることを特徴とすることができる。
また、本発明に係る木材と繊維シートによる耐震補強材を用いた耐震補強構造の一形態によれば、前記繊維シートが前記耐震補強材柱接合部と共に巻かれる前記柱の柱面において、該柱の角が曲面に面取りされた形態となるように繊維シートせん断防止材が配され、該繊維シートせん断防止材と前記耐震補強材柱接合部及び前記柱とを一体的に合わせられて構成される前記繊維シートせん断防止材を含む一体柱部にじかに巻かれた状態に設置された繊維シートせん断防止シートを備え、該繊維シートせん断防止シートの上に、前記繊維シートが巻き付けられてエポキシ樹脂で固着されていることを特徴とすることができる。
また、本発明に係る木材と繊維シートによる耐震補強材を用いた耐震補強構造の一形態によれば、前記耐震補強材が、前記柱を中心に直角方向となる2方向について配置されており、該柱と2つの該耐震補強材が配されたことで形成される内角部に該内角部を充填する繊維シートせん断防止材が配され、前記内角部の繊維シートせん断防止材と2つの前記耐震補強材柱接合部及び前記柱とを一体的に合わせられて構成される該内角部の繊維シートせん断防止材を含む一体柱部にじかに巻かれた状態に設置された繊維シートせん断防止シートを備え、該繊維シートせん断防止シートの上に、前記繊維シートが巻き付けられてエポキシ樹脂で固着されていることを特徴とすることができる。
また、本発明に係る木材と繊維シートによる耐震補強材を用いた耐震補強構造の一形態によれば、 木材に固定されるアンカーボルトであってボルト軸における断面円形の一部を切り欠いた形状の木材用後施工アンカーボルトと、該木材用後施工アンカーボルトが螺合すると共に前記木材のアンカー穴を覆うようにナットが鉄板プレートに固着されて設けられ、該鉄板プレートに前記アンカー穴に前記アンカーボルトを固着するために用いるエポキシ樹脂の余剰分を排出できる噴出孔を有するナット付鉄板プレートとを備える前記木材用後施工アンカーを用い、前記耐震補強材が前記梁部に固着されていることを特徴とすることができる。
また、本発明に係る木材と繊維シートによる耐震補強材を用いた耐震補強構造の一形態によれば、前記耐震補強材柱接合部の中途部と、前記耐震補強材土台接合部又は耐震補強梁接合部の中途部とに、前記耐震補強材火打ち部の各端部が接合されることで、該耐震補強材柱接合部の他端部が補強構造の三角形から延長された延長部になっていると共に、該耐震補強材土台接合部又は耐震補強梁接合部の他端部が補強構造の三角形から延長された延長部になっており、前記耐震補強材柱接合部が、補強構造の三角形を形成する辺の部分と、前記延長部との2か所で、前記柱に固着され、前記耐震補強材土台接合部又は耐震補強梁接合部が、補強構造の三角形を形成する辺の部分と、前記延長部との2か所で、前記土台又は梁に固着されていることを特徴とすることができる。
また、本発明に係る木材と繊維シートによる耐震補強材を用いた耐震補強構造の一形態によれば、耐震補強材の木材3本の少なくともいずれかの表面に沿ってエポキシ樹脂によって貼られた状態に固着された繊維シートの端部が剥がれないように、該繊維シートの端部をカバーして木材に巻き付けられた繊維シートを備えることを特徴とすることができる。
また、本発明に係る木材と繊維シートによる耐震補強材を用いた耐震補強構造の一形態によれば、前記木造の土台と柱と梁とが、既に建設されて存在する既存土台と既存柱と既存梁であって、前記アンカー及び木材用アンカーが、後施工アンカー及び木材用後施工アンカーであることを特徴とすることができる。
また、本発明に係る木材と繊維シートによる耐震補強材を用いた耐震補強構造の一形態によれば、増し梁に切り込み部とクサビ部を設け、添え柱が後組みされ、該添え柱を含めて前記繊維シートによって前記耐震補強材が固着されていることを特徴とすることができる。
本発明の耐震補強材を、耐震性能の低い木造在来軸組工法の住宅の柱脚部及び/又は柱頭部に設置することにより、その木造住宅の耐震性能を高くすることができる。また、既存の柱・土台・梁の経過年数が長く、多少脆弱な場合においても、ネジ釘・ボルト等を局所的な狭い場所に数多く打設することなく、耐震補強材を繊維シートで固着する施工方法のため確実な耐震性能の向上となる。また施工場所が柱脚部や柱頭部であることにより、耐震壁全体の改修を必要とせず、既存建物の取り壊し・復旧部位を極小とすることが可能となる。
また、既存家屋の角柱のように補強方向が前後左右4方向のうち2方向しかない場合は、耐震補強材は2ヶ所しか設置できない。この場合、耐震補強材がひとつで圧縮方向と引張方向の地震荷重を受け持つ必要があるが、本発明の耐震補強材によれば、直角方向に2ヶ所設置するだけで前後左右の四方向の水平荷重に対応できる特性があり、合理的に耐震性能を向上できる。
本考案の耐震補強材の木材部の加工方法を示した説明図である。 本考案の耐震補強材の木材部の組立完了を示した構造図である。 本考案の耐震補強材に繊維シートをエポキシ樹脂剤で貼り合せた構造図である。 耐震補強材を既存の柱・土台・基礎部に固着した斜視図である。 耐震補強材と既存柱を繊維シートで固着した水平断面図である。 耐震補強材と既存の土台・基礎を後施工アンカーで固着した立断面図である。 耐震補強材を2方向に配置して、既存家屋の角柱・土台・基礎部に固着した斜視図である。 耐震補強材を2方向に配置して、既存家屋の角柱を繊維シートで固着した水平断面図である。 耐震補強材を既存家屋の柱・梁部に固着した斜視図である。 木材用後施工アンカーボルトとナット付鉄板プレートを既存の梁にエポキシ樹脂と木ネジで固着した立断面図である。 ナット付鉄板プレートに木材用後施工アンカーを装着し、エポキシ樹脂が噴出する位置を説明した正面図である。 耐震補強材を用いて繊維シートと後施工アンカーにより、既存の柱に添え柱、既存の梁に増し梁を固着した斜視図である。 木材用後施工アンカーにより先に固着された増し梁に、添え柱を後組するための仕口を説明した斜視図である。 耐震補強材と既存柱と添え柱を繊維シートで固着した水平断面図である。 本考案の他の耐震補強材の木材部の加工方法を示した説明図である。 本考案の他の耐震補強材の木材部の組立完了を示した構造図である。 本考案の他の耐震補強材に繊維シートをエポキシ樹脂剤で貼り合せた構造図である。 図17の耐震補強材を既存の柱・土台・基礎部に固着した斜視図である。 図17の耐震補強材と既存柱を繊維シートで固着した水平断面図である。
本発明の耐震補強材は、繊維シートの引張力が大きい特性と木材の圧縮力が大きい特性を組み合わせた複合体とすることが最も主要な特徴である。地震の水平荷重による柱の接合部の回転に抵抗するため、図3に示された耐震補強材を、図4に示されたように既存の柱・土台・基礎に繊維シート・後施工アンカーによって固着する。
接合された耐震補強材は、図3で示されたように耐震補強材火打ち部3とその両端接合部をエポキシ樹脂で繊維シート4を貼り付けることにより、圧縮耐力は木材で受け持ち、引張耐力は繊維シート4が受け持ち、地震荷重が耐震補強材の仕口が外れる方向に働いても、その地震荷重に十分耐えられる補強がなされた耐震補強材となる。
耐震補強材と既存柱6の固着については、図5に示す様に、耐震補強材柱接合部1と既存柱6と繊維シートせん断防止材9とを一体に合わせて巻いた状態の繊維シートせん断防止シート10のさらに外周りに、繊維シート4を巻き付けるようにエポキシ樹脂剤で貼り合せることにより、既設木造部材の強度低下を発生させない耐震補強材の固着方法となる。すなわち、繊維シート4が繊維シートせん断防止シート10を介して一体柱部(少なくとも耐震補強材柱接合部1と既存柱6とが一体的に合された形態)に巻かれた状態に設置されるため、その繊維シート4は一体柱部にじかに貼られないで設置される。このように、繊維シート4が一体柱部に直接接着されないため、地震などによる揺れに対して適宜にずれるなど、せん断方向の応力集中を回避できるように自由度が生じ、柔軟に対応できる構造になっている。このため、繊維シート4がせん断されることを防止できる。
耐震補強材と既存土台・基礎の接合については、図6に示す様に基礎に後施工アンカーが設置され、耐震補強材と基礎が土台を介して固着されている。後施工アンカーを注入方式とすることにより既設木造部材の強度低下を発生させない耐震補強材の固着方法となるとともに、柱の基礎からの引抜き防止となる。
また、複雑な地震荷重の前後左右の水平荷重に対応するため、図7で示す様に耐震補強材を直角方向に2ヶ所設置する。これは、耐震補強材がひとつで圧縮方向と引張方向の地震荷重を受け持つため、直角方向に2ヶ所設置するだけで前後左右の四方向の水平荷重に対応できる。
耐震補強材と既存柱の固着については、図8に示す様に耐震補強材柱接合部と既存柱の間に繊維シートせん断防止材を設置し、その周りに繊維シートをエポキシ樹脂剤で巻くように貼り合せることにより、既設木造部材の強度低下を発生させない耐震補強材の固着方法となる。
既存の柱と梁の接合部補強は、図9に示す様に耐震補強材を図5に示されたように既存の柱に繊維シートによって固着する。既存の梁と耐震補強材の接合は、図10・図11に示されたように木材用後施工アンカーで固着する。木材用後施工アンカーを注入方式とすることにより既設木造部材の強度低下を発生させない耐震補強材の固着方法となると共に、既存梁の木材からの引抜き防止となる。
既存の柱と梁の強度が不足している場合は、添え柱・増し梁を耐震補強材により、既存の柱と梁に図12に示された様に固着する。添え柱・増し梁・耐震補強材が繊維シート・後施工アンカー・木材用後施工アンカーで固着されることによりその強度不足が解消される施工方法である。はじめに、増し梁を木材用後施工アンカーで固着し、次に添え柱仕口部を増し梁の切欠き部に挿入し、図13に示す様にクサビ加工された増し梁にクサビ加工された添え柱を打ち込むことにより、増し梁と添え柱の仕口の後組が行われる。次に、耐震補強材を後施工アンカー・木材用後施工アンカーにより既存の基礎及び既存の梁に固着したのち、図14に示す通り既存の柱・添え柱・耐震補強材を繊維シートで固着する。これにより、既存の柱と既存の梁の強度補強が可能となる。
木材と繊維シートからなる耐震補強材の作成に関する実施例1を、図1〜図3により説明する。
本発明の耐震補強材の骨組みとなる木材の加工方法を図1に示しており、木材と木材の接合は従来の軸組工法で行う。図2に示すとおり柱接合部材(耐震補強材柱接合部1)、土台・梁接合部材(耐震補強材の土台接合部又は梁接合部2)、斜めにかけ渡された火打ち部材(耐震補強材火打ち部3)の3本で三角形を形成していることにより仕口で部材が回転することがないため、地震による水平荷重に対抗できる。
木材で三角形を形成した耐震補強材を、図3に示す様に耐震補強材火打ち部3および仕口接合部に繊維シート4をエポキシ樹脂剤で貼る。この際、繊維シート4の繊維方向は耐震補強材火打ち部3の長手方向と同一方向とし、その両端部は耐震補強材柱接合部1、耐震補強材の土台接合部又は梁接合部2に巻きつけ、繊維シート4が重ね継手を形成するように接着する。これにより、地震荷重が火打ち材(耐震補強材火打ち部3)に圧縮荷重を与えた場合は木材が圧縮荷重を受け持ち、地震荷重が耐震補強材火打ち部3に引張荷重を与えた場合は繊維シート4が引張荷重を受け持つことができる。また、地震荷重が耐震補強材の仕口が外れる方向に働いても、繊維シート4によりその地震荷重に十分耐えられる補強がなされた耐震補強材となる。
また、本形態例では、耐震補強材柱接合部1の一端部と、前記耐震補強材土台接合部2又は耐震補強梁接合部2の一端部とが接合されることで直角の角部が形成され、耐震補強材柱接合部1の中途部と、耐震補強材土台接合部2又は耐震補強梁接合部2の中途部とに、耐震補強材火打ち部3の各端部が接合されることで、その耐震補強材柱接合部1の他端部が補強構造の三角形から延長された延長部になっていると共に、その耐震補強材土台接合部2又は耐震補強梁接合部2の他端部が補強構造の三角形から延長された延長部になっている。そして、耐震補強材柱接合部1が、補強構造の三角形を形成する辺の部分と、前記延長部との2か所で、既存柱6に固着され、耐震補強材土台接合部2又は耐震補強梁接合部2が、補強構造の三角形を形成する辺の部分と、前記延長部との2か所で、既存土台7又は既存梁14に固着される構造になっている。
耐震補強材を柱脚部の1方向に設置する実施例2を、図4〜図6により説明する。
耐震補強材を既存木造住宅の柱脚部に固着した斜視図が図4である。図4に示される通り、耐震補強材柱接合部1は既存柱6に繊維シート4とエポキシ樹脂剤によって固着され、耐震補強材土台接合部2は既存の土台7と基礎8に後施工アンカー(後施工アンカーボルト5)によって固着される。
耐震補強材柱接合部1と既存柱6を繊維シート4で固着した水平断面図が図5である。図5に示す通り、耐震補強材柱接合部1のコーナー部はR状(凸曲面)に加工する。これは、繊維シート4の折れ曲がりによる強度低下が引き起こされるため、R加工が必要となる。また、既存柱6はR加工を施すと断面欠損が発生することによる強度低下を招くため、R加工がなされた繊維シートせん断防止材9を設置する。これにより、繊維シート4が巻かれる出角がR状となる。
繊維シート4のエポキシ樹脂による貼り付け前に、繊維シートせん断防止シート10を設置する。これにより、耐震補強材柱接合部1・既存柱6と繊維シート4が直接接着されないため、地震荷重による耐震補強材柱接合部1と既存柱6の境界に発生する応力集中を低減できる。なお、繊維シートせん断防止シート10の設置方法は、エポキシ樹脂などで接着して強固に設置することを除き、仮止め程度を含めて繊維シート4が直接接着されない効果を得るように、適宜に保持されるように巻き止められていればよい。
繊維シート4の貼り付けは、図5の様に繊維シートの両端部を重ね継手とし、繊維シートと繊維シートの重ね継手もエポキシ樹脂で貼り合せる。繊維シート4は輪の形状で包帯のように耐震補強材柱接合部1と既存柱6を拘束するため、繊維シート4の引張耐力で地震力に対応できる。
耐震補強材柱接合部1と既存柱6が繊維シート4とエポキシ樹脂で固着されることにより、ネジ釘・ボルトを局所的な狭い場所に数多く打設することなく、既設木造部材の強度低下を発生させない耐震補強材の固着方法となる。
耐震補強材土台接合部2と既存の土台7と基礎8を固着した立断面図が図6である。図6に示す通り、既存の土台7と基礎8に後施工アンカーを挿入する孔を穿孔する。後施工アンカーはエポキシ樹脂の注入方式とし、穿孔穴にエポキシ樹脂13を注入後、後施工アンカーボルト5を挿入する。穿孔穴がエポキシ樹脂13と後施工アンカーボルト5で充填されることにより、既存の土台7と基礎8の穿孔による強度低下を防ぐことができる。後施工アンカーを設置後に耐震補強材をワッシャー12とナット11で固定する。
耐震補強材が既存基礎8に後施工アンカーによって直接固着されることにより、地震による荷重は基礎部に伝達されるとともに、地震による既存柱6の引抜荷重に対抗することができる。
耐震補強材を柱脚部の2方向に設置する実施例3を、図7〜図8により説明する。
耐震補強材を既存木造住宅の柱脚部に2方向に固着した斜視図が図7である。図7に示される通り、耐震補強材柱接合部1は既存柱6に繊維シートとエポキシ樹脂剤によって直角方向2ヶ所で固着され、耐震補強材土台接合部2は既存の土台7と基礎8に後施工アンカーによって直角方向2ヶ所で固着される。
耐震補強材柱接合部1と既存柱6を繊維シートで固着した水平断面図が図8である。図8に示す通り、耐震補強材柱接合部1のコーナー部はR状(凸曲面)に加工する。これは、繊維シート4の折れ曲がりによる強度低下が引き起こされるため、R加工が必要となる。また、既存柱6はR加工を施すと断面欠損が発生することによる強度低下を招くため、R加工がなされた繊維シートせん断防止材9を設置する。次に柱を3本、輪の形状で拘束するため一部内角部状の凹部(間隙部)が発生する。この間隙部を充填するため、図8に示す様な1/4円状の繊維シートせん断防止材9を設置する。これにより、繊維シート4が巻かれる出角部がR状となる。
繊維シートせん断防止材9を設置した後、実施例2と同様に繊維シートせん断防止シート10を設置し、その繊維シートせん断防止シート10の上である外周面に、繊維シート4を巻いてエポキシ樹脂で固着する。
耐震補強材を直角方向2ヶ所に設置することにより、地震の水平荷重がどの方向に働いても対抗することが可能となる。
耐震補強材を柱頭部に設置する実施例4を、図9〜図11により説明する。
耐震補強材を既存木造住宅の柱頭部に固着した斜視図が図9である。図9に示される通り、耐震補強材柱接合部1は既存柱6に繊維シート4とエポキシ樹脂剤によって固着され、耐震補強材梁接合部2は既存梁14に木材用後施工アンカーボルト15によって固着される。
耐震補強材柱接合部1と既存柱6の繊維シート4の固着は、実施例2・実施例3と同様に行う。
木材用後施工アンカーの立断面図が図10、正面図が図11である。図10・図11に示す通り、既存の梁14に木材用後施工アンカーボルト15を挿入する孔を穿孔し、入口部はナット付鉄板プレート17のナットが入る大きさとする。穿孔完了後、ナット付鉄板プレート17を木ネジ16で設置固定する。木材用後施工アンカーはエポキシ樹脂の注入方式とし、穿孔穴にエポキシ樹脂13を注入後、木材用後施工アンカーボルト15をねじ込み挿入する。この時、木材用後施工アンカーボルト15は図11に示す様に円形の一部を切り欠いた断面形状とする。注入したエポキシ樹脂13がエポキシ樹脂噴出孔18より噴出したことを目視で確認することが可能となり、穿孔穴がエポキシ樹脂13で確実に充填されたことが確認される。これにより、既存梁14の穿孔による強度低下を防ぐことができる。後施工アンカーを設置後に耐震補強材をワッシャー12とナット11で固定する。
耐震補強材を用いて繊維シートと後施工アンカーにより、既存の柱6に添え柱19、既存の梁14に増し梁20を固着した実施例5を、図12〜図14により説明する。
図12に示された補強図のなかで、はじめに増し梁20を木造用後施工アンカー15により既存梁14に固着する。増し梁20は事前に、図13に示す様に増し梁切り込み部21・クサビ部22・増し梁ホゾ穴24を加工しておく。次に添え柱19を増し梁切り込み部21から挿入し、添え柱ホゾ25を増し梁ホゾ穴24に入れた後、柱クサビ部23が増し梁クサビ部22に合わさる様に矢印の方向に打ち込む。これにより、増し梁20と添え柱19の仕口の後組みが可能となる。
増し梁20と添え柱19の仕口の後組み後、図12に示す通り耐震補強材により、繊維シート4・後施工アンカーボルト5・木材用後施工アンカーボルト15を用いて、増し梁20・添え柱19を既存柱6・既存梁14・既存土台7・既存基礎8に固着する。図14は耐震補強材柱接合部材1と既存柱6と添え柱19を繊維シート4で固着した水平断面図である。繊維シート4・後施工アンカーボルト5・木材用後施工アンカーボルト15による固着方法は実施例2・実施例3・実施例4と同様に行う。
本発明の耐震補強材の骨組みとなる木材の他の加工方法を図15に示しており、木材と木材の接合は従来の軸組工法で行う。本形態例は、図1の形態例とホゾの形状が異なるが、その図1の形態例と同様に、図16に示すとおり部材が3本で三角形を形成していることにより仕口で部材が回転することがないため、地震による水平荷重に対抗できる。
木材で三角形を形成した耐震補強材を、図17に示す様に耐震補強材火打ち部3および仕口接合部に繊維シート4をエポキシ樹脂剤で貼る。この際、繊維シート4の繊維方向は耐震補強材火打ち部3の長手方向と同一方向とし、その両端部は耐震補強材柱接合部1、耐震補強材の土台接合部又は梁接合部2に巻きつけ、繊維シート4が重ね継手を形成するように接着する。これにより、地震荷重が火打ち材(耐震補強材火打ち部3)に圧縮荷重を与えた場合は木材が圧縮荷重を受け持ち、地震荷重が耐震補強材火打ち部3に引張荷重を与えた場合は繊維シート4が引張荷重を受け持つことができる。また、地震荷重が耐震補強材の仕口が外れる方向に働いても、繊維シートによりその地震荷重に十分耐えられる補強がなされた耐震補強材となる。この特性により、建物の角柱を補強する際に、直角方向2ヶ所に耐震補強材を設置することにより、地震の水平荷重がどの方向に働いても対抗することが可能となる。本形態例の耐震補強材では、耐震補強材を構成する木材の表面に沿ってエポキシ樹脂によって貼られた状態に固着された繊維シート4の端部が剥がれないように、その繊維シート4の端部をカバーしてその木材に巻き付けられた繊維シート4を備えている。
この耐震補強材を既存木造住宅の柱脚部に固着した斜視図が図18である。この耐震補強材が固着される形態例では、耐震補強材柱接合部1と既存柱6とに繊維シート4がエポキシ樹脂剤によって直接的に貼られて巻き付けられることで、その耐震補強材柱接合部1が既存柱6に固定されている。また、図6に示すように耐震補強材土台接合部2は既存の土台7と基礎8に後施工アンカーによって固着されている。
耐震補強材柱接合部1と既存柱6の固着した水平断面図が図19である。図19に示す通り、耐震補強材柱接合部1と既存柱6の繊維シート4の貼る場所の角の部分は円状に面取りを行い、この上に繊維シート4をエポキシ樹脂剤で貼り付ける。これにより、繊維シート4に荷重がかかった時のせん断荷重の低減が可能となる。
繊維シート4の貼り付けは、図19の様に繊維シートの両端部を重ね継手とし、繊維シート4と繊維シート4もエポキシ樹脂で貼り合せる。繊維シート4は輪の形状で耐震補強材柱接合部1と既存柱6を拘束するため、繊維シート4と柱のエポキシ樹脂剤による付着力のみに頼ることなく繊維シート4の引張耐力で地震力に対応できる。
耐震補強材柱接合部1と既存柱6が繊維シート4とエポキシ樹脂で固着されることにより、ネジ釘・ボルトを局所的な狭い場所に数多く打設することなく、既設木造部材の強度低下を発生させない耐震補強材の固着方法となる。なお、繊維シート4がせん断に弱い場合には、図5に示したように、繊維シートせん断防止材9や繊維シートせん断防止シート10を適宜に用いればよい。
本発明によれば、繊維シート及びエポキシ樹脂剤といったハイスペックな材料を使用した耐震補強材を、繊維シート、エポキシ樹脂剤及び後施工アンカーによって柱脚部や柱頭部に固着することによる信頼性の高い施工方法として、上記実施例のように既存木造建物の耐震補強工事に適用できるのは勿論、新築の木造建物の耐震補強構造としても好適に用いることができる。なお、繊維シートとしては、アラミド繊維や炭素繊維といった強度の高い材料が用いられ、耐震強度を飛躍的に高めることができる。
また、本発明によれば、耐震補強材の設置場所が柱脚部や柱頭部であるため、窓のある壁も耐震壁とすることが可能であると同時に、施工範囲が柱脚部や柱頭部の狭い範囲となるため、コスト削減や工期短縮を図ることができる。
以上、本発明につき好適な形態例を挙げて種々説明してきたが、本発明はこの形態例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのは勿論のことである。
1 耐震補強材柱接合部
2 耐震補強材土台接合部、耐震補強梁接合部
3 耐震補強材火打ち部
4 繊維シート
5 後施工アンカーボルト
6 既存柱
7 既存土台
8 既存基礎
9 繊維シートせん断防止材
10 繊維シートせん断防止シート
11 ナット
12 ワッシャー
13 エポキシ樹脂
14 既存梁
15 木材用後施工アンカーボルト
16 木ネジ
17 ナット付鉄板プレート
18 エポキシ樹脂噴出孔
19 添え柱
20 増し柱
21 増し梁切り込み部
22 増し梁クサビ部
23 柱クサビ部
24 増し梁ホゾ穴
25 添え柱ホゾ

Claims (10)

  1. 木材3本で三角形の補強形態を備えるように形成された耐震補強材の木材本体に繊維シートをエポキシ樹脂で固着することにより、該三角形の補強形態について、圧縮耐力は木材で受け持ち、引張耐力は繊維シートが受け持つことができる複合体として形成された前記耐震補強材を、木造の土台と柱と梁を構成要素とする柱梁架構の柱脚部及び/又は柱頭部に固着して補強する木材と繊維シートによる耐震補強材を用いた耐震補強構造であって、
    前記耐震補強材の前記三角形の補強形態が、耐震補強材柱接合部と、耐震補強材土台接合部又は耐震補強梁接合部と、耐震補強材火打ち部との木材3本で構成され、
    前記耐震補強材柱接合部の一端部と、前記耐震補強材土台接合部又は耐震補強梁接合部の一端部とが接合されることで直角の角部が形成され、
    前記柱と前記耐震補強材柱接合部とを繊維シートを巻くことで固着すると共に、基礎部には前記耐震補強材土台接合部をアンカーで固着し、梁部には耐震補強梁接合部を木材用アンカーで固着することを特徴とする木材と繊維シートによる耐震補強材を用いた耐震補強構造。
  2. 前記繊維シートの両端部を重ね継手とするように該繊維シートと該繊維シートとが重なった部分をエポキシ樹脂で貼り合せ、繊維シートが輪の形状で包帯のように、前記三角形の補強形態を備える耐震補強材の一辺を構成する木材である耐震補強材柱接合部と柱を拘束することにより、繊維シート自体の引張耐力で地震力に対応できるように繊維シートを巻き付けてあることを特徴とする請求項1記載の木材と繊維シートによる耐震補強材を用いた耐震補強構造。
  3. 前記耐震補強材柱接合部と該柱を一体的に合わせられて構成される一体柱部にじかに巻かれた状態に設置された繊維シートせん断防止シートを備え、
    該繊維シートせん断防止シートの上に、前記繊維シートが巻き付けられてエポキシ樹脂で固着されていることを特徴とする請求項1又は2記載の木材と繊維シートによる耐震補強材を用いた耐震補強構造。
  4. 前記繊維シートが前記耐震補強材柱接合部と共に巻かれる前記柱の柱面において、該柱の角が曲面に面取りされた形態となるように繊維シートせん断防止材が配され、
    該繊維シートせん断防止材と前記耐震補強材柱接合部及び前記柱とを一体的に合わせられて構成される前記繊維シートせん断防止材を含む一体柱部にじかに巻かれた状態に設置された繊維シートせん断防止シートを備え、
    繊維シートせん断防止シートの上に、前記繊維シートが巻き付けられてエポキシ樹脂で固着されていることを特徴とする請求項1又は2記載の木材と繊維シートによる耐震補強材を用いた耐震補強構造。
  5. 前記耐震補強材が、前記柱を中心に直角方向となる2方向について配置されており、柱と2つの該耐震補強材が配されたことで形成される内角部に該内角部を充填する繊維シートせん断防止材が配され、
    前記内角部の繊維シートせん断防止材と2つの前記耐震補強材柱接合部及び前記柱とを一体的に合わせられて構成される該内角部の繊維シートせん断防止材を含む一体柱部にじかに巻かれた状態に設置された繊維シートせん断防止シートを備え、
    該繊維シートせん断防止シートの上に、前記繊維シートが巻き付けられてエポキシ樹脂で固着されていることを特徴とする請求項1又は2記載の木材と繊維シートによる耐震補強材を用いた耐震補強構造。
  6. 木材に固定されるアンカーボルトであってボルト軸における断面円形の一部を切り欠いた形状の木材用後施工アンカーボルトと、該木材用後施工アンカーボルトが螺合すると共に前記木材のアンカー穴を覆うようにナットが鉄板プレートに固着されて設けられ、該鉄板プレートに前記アンカー穴に前記アンカーボルトを固着するために用いるエポキシ樹脂の余剰分を排出できる噴出孔を有するナット付鉄板プレートとを備える前記木材用後施工アンカーを用い、前記耐震補強材が前記梁部に固着されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の木材と繊維シートによる耐震補強材を用いた耐震補強構造。
  7. 前記耐震補強材柱接合部の中途部と、前記耐震補強材土台接合部又は耐震補強梁接合部の中途部とに、前記耐震補強材火打ち部の各端部が接合されることで、該耐震補強材柱接合部の他端部が補強構造の三角形から延長された延長部になっていると共に、該耐震補強材土台接合部又は耐震補強梁接合部の他端部が補強構造の三角形から延長された延長部になっており、
    前記耐震補強材柱接合部が、補強構造の三角形を形成する辺の部分と、前記延長部との2か所で、前記柱に固着され、前記耐震補強材土台接合部又は耐震補強梁接合部が、補強構造の三角形を形成する辺の部分と、前記延長部との2か所で、前記土台又は梁に固着されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の木材と繊維シートによる耐震補強材を用いた耐震補強構造。
  8. 前記耐震補強材の木材3本の少なくともいずれかの表面に沿ってエポキシ樹脂によって貼られた状態に固着された繊維シートの端部が剥がれないように、該繊維シートの端部をカバーして木材に巻き付けられた繊維シートを備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の木材と繊維シートによる耐震補強材を用いた耐震補強構造。
  9. 前記木造の土台と柱と梁とが、既に建設されて存在する既存土台と既存柱と既存梁であって、前記アンカー及び木材用アンカーが、後施工アンカー及び木材用後施工アンカーであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の木材と繊維シートによる耐震補強
  10. 増し梁に切り込み部とクサビ部を設け、添え柱が後組みされ、該添え柱を含めて前記繊維シートによって前記耐震補強材が固着されていることを特徴とする請求項9記載の木材と繊維シートによる耐震補強材を用いた耐震補強構造。
JP2014120237A 2013-09-24 2014-06-11 木材と繊維シートによる耐震補強材を用いた耐震補強構造 Expired - Fee Related JP5643914B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014120237A JP5643914B1 (ja) 2013-09-24 2014-06-11 木材と繊維シートによる耐震補強材を用いた耐震補強構造

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013196416 2013-09-24
JP2013196416 2013-09-24
JP2014120237A JP5643914B1 (ja) 2013-09-24 2014-06-11 木材と繊維シートによる耐震補強材を用いた耐震補強構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5643914B1 true JP5643914B1 (ja) 2014-12-17
JP2015086685A JP2015086685A (ja) 2015-05-07

Family

ID=52139186

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014120237A Expired - Fee Related JP5643914B1 (ja) 2013-09-24 2014-06-11 木材と繊維シートによる耐震補強材を用いた耐震補強構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5643914B1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017125302A (ja) * 2016-01-12 2017-07-20 株式会社ちくま建設工業 木材用あと施工アンカーの施工方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107419916B (zh) * 2017-06-02 2019-12-13 哈尔滨工业大学(威海) 以内力矩对梁结构进行加固及校正装置

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002256709A (ja) * 2001-03-02 2002-09-11 Toshiyuki Kosaka 補強シート付耐震補強金具及びその取付方法
JP2006169921A (ja) * 2004-12-20 2006-06-29 Nakamura Bussan Kk 建築物又は建造物の補強部材及び補強構造
JP2007023708A (ja) * 2005-07-21 2007-02-01 Asahi Kasei Construction Materials Co Ltd 胴縁取付用ブラケット及びその取付方法
JP2008063758A (ja) * 2006-09-05 2008-03-21 Nippon Steel Composite Co Ltd 構造物の補強方法
JP2008190169A (ja) * 2007-02-02 2008-08-21 Sumitomo Forestry Co Ltd 木造建築物における柱梁架構
JP2010229801A (ja) * 2009-03-26 2010-10-14 Shigeru Hida 建築工法
JP2013092014A (ja) * 2011-10-27 2013-05-16 Kurabo Ind Ltd 構造物の補強繊維シートの末端被覆工法及びこれによって得られた補強体

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002256709A (ja) * 2001-03-02 2002-09-11 Toshiyuki Kosaka 補強シート付耐震補強金具及びその取付方法
JP2006169921A (ja) * 2004-12-20 2006-06-29 Nakamura Bussan Kk 建築物又は建造物の補強部材及び補強構造
JP2007023708A (ja) * 2005-07-21 2007-02-01 Asahi Kasei Construction Materials Co Ltd 胴縁取付用ブラケット及びその取付方法
JP2008063758A (ja) * 2006-09-05 2008-03-21 Nippon Steel Composite Co Ltd 構造物の補強方法
JP2008190169A (ja) * 2007-02-02 2008-08-21 Sumitomo Forestry Co Ltd 木造建築物における柱梁架構
JP2010229801A (ja) * 2009-03-26 2010-10-14 Shigeru Hida 建築工法
JP2013092014A (ja) * 2011-10-27 2013-05-16 Kurabo Ind Ltd 構造物の補強繊維シートの末端被覆工法及びこれによって得られた補強体

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017125302A (ja) * 2016-01-12 2017-07-20 株式会社ちくま建設工業 木材用あと施工アンカーの施工方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015086685A (ja) 2015-05-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2005330802A (ja) 座屈抑制ブレース付きのフレーム
JP5440945B2 (ja) 軸部材とrc部材との接合構造及び方法
JP4585595B2 (ja) 木造家屋の耐震補強構造および木造家屋の耐震補強工法
JP5643914B1 (ja) 木材と繊維シートによる耐震補強材を用いた耐震補強構造
JP4942475B2 (ja) 既存柱の補強方法及び補強構造
JP2007303070A (ja) 壁補強構造
JP4719119B2 (ja) 既設建築構造物の耐震改修工法
JP2000265678A (ja) 構造材同士の接合箇所における補強構造及び補強方法
JP4672459B2 (ja) 建物補強方法
JP3690437B2 (ja) 既存建築物の耐震補強構造
JP6122740B2 (ja) 耐震補強構造体
JP5429812B2 (ja) 軸部材とrc部材との接合構造及び方法
JP5658966B2 (ja) 複合梁、複合梁の接合構造、及び複合梁の接合方法
JP5144182B2 (ja) 既存建物の耐震補強構造並びに耐震補強方法
JP4446401B2 (ja) 耐震補強工法及び補強ピース
KR101397886B1 (ko) 단면증설에 의한 기존 철근콘크리트 모멘트골조 건축물의 내진보강방법 및 보강장치
JP6225289B1 (ja) 耐震補強構造および耐震補強工法
JP4355680B2 (ja) 耐震補強装置
KR102578034B1 (ko) 기둥의 내진 보강을 위한 frp 랩핑과 x형태 브레이스가 부착된 준불연 엔지니어링 플라스틱 패널의 조립 시공방법
JP3856783B2 (ja) ダンパー一体型ブレースを用いた耐震架構及びそれに用いられるオイルダンパー
JP5325709B2 (ja) 鉄骨露出型柱脚構造の施工方法
JP7449254B2 (ja) 耐震壁の構築方法
JP6444048B2 (ja) 木造建築物の耐震補強装置
JP2016205112A (ja) 合成繊維ロープを用いた耐震補強構造
JP2009275356A (ja) 建物補強金物

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140929

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20141028

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20141031

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5643914

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees