JP2010006556A - エレベータの制御装置 - Google Patents

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【課題】 エレベータの手動運転中に何らかの電源異常が発生して無停電電源に切換えられた場合、作業者がこれに気付かすに手動運転を継続していると、バッテリーを無駄に消費し残量が低下してしまい、実際に非常電源による救出運転が必要となったときに、バッテリー残量が不足していて救出運転が行えないといった事態の発生を防止する。
【解決手段】停電等の電源異常発生時、商用電源から無停電電源に切換えて電力を供給し、エレベータの運転を継続するようにしたものにおいて、手動運転時に電源異常が発生した場合、前記無停電電源から電力を供給している間は警告音の発生を継続する報知手段を備えた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、停電等の電源異常発生時、商用電源から無停電電源に切換えて電力を供給し、エレベータの運転を継続するようにしたエレベータの制御装置に係り、特に手動運転時に電源異常が発生した場合に関するものである。
エレベータの運転中に停電等の電源異常が発生すると、かごは階床と階床の間で停止してしまい、乗客はかごの中で缶詰状態になってしまう。これを防止するため、エレベータの運転中に停電等の電源異常が発生すると、商用電源からバッテリー等で構成された無停電電源に切換え、この無停電電源によりかごを最寄階等まで運転して、かご内の乗客を救出する停電時管制運転が行われている(例えば特許文献1参照)。
特開2002−154759公報
上記特許文献1のように、エレベータの運転中に停電等の電源異常が発生すると、商用電源からバッテリー等で構成された無停電電源に切換えるようにしたものでは、エレベータの手動運転中に何らかの電源異常が発生した場合にも、同様に無停電電源に切換えられ、引き続き手動運転の継続が可能である。このため、作業者がこれに気付かずに手動運転を継続していると、バッテリーを無駄に消費しその残量が低下してしまうこととなり、その後実際に無停電電源による救出運転が必要となったときに、バッテリー残量が不足していて救出運転が行えないといった事態が発生するおそれがある。
本発明は、上記の問題点に鑑みなされたもので、手動運転中に作業者が電源異常の発生に気付かず、その結果無停電電源の電力を無駄に消費してしまうといったことのないエレベータの制御装置を提供することを目的としたものである。
本発明に係るエレベータの制御装置は、停電等の電源異常発生時、商用電源から無停電電源に切換えて電力を供給し、エレベータの運転を継続するようにしたものにおいて、手動運転時に電源異常が発生した場合、前記無停電電源から電力を供給している間は警告音の発生を継続する報知手段とを備えたことを特徴とするものである。
また本発明は、前記警告音を約500Hzのビープ音とし、デューティ比1/2、周期1秒程度でフリッカー鳴動させるようにしたものである。
本発明によれば、作業者が手動でエレベータを運転中に何らかの電源異常が発生した場合、警告音の発生により作業者にその旨が報知されるため、作業者は商用電源が復旧するまで手動運転を一時見合わせるなどして、無停電電源の無駄な消費を防止することができる。また、特定のビープ音を採用することにより、作業者への認識性を高めるとともに、外部の通行人等には不快感を低減することが可能となる。
実施の形態1.
以下、本発明の一実施形態を図1及び図2に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態1におけるエレベータの制御装置の全体構成を示す図、図2は本発明の実施の形態1におけるエレベータの制御装置の制御動作を示すフローチャートである。
図1において、1は商用電源、2はバッテリー等で構成された無停電電源、3は電源異常発生時に電源を切換える電源切換回路、4は停電等、電源に何らかの異常が発生したことを検出する電源異常検出回路、5は電動機の制御を行う制御回路、6はエレベータの種々の運転制御を行うエレベータ制御回路、7は電動機、8は電動機7で駆動されるシーブ、9はシーブ8で駆動される主ロープ、10は主ロープ9の一端に吊り下げられたエレベータのかご、11は主ロープの他端に吊り下げられた釣合いおもり、12はかご内への音声案内や電子ブザー音等を合成する音声合成装置とスピーカ等からなる報知装置、13はかご操作盤、14はかご内で行先階を登録するためのかご呼び釦、15は保守点検等に必要な各種スイッチを内側に収納し、通常は施錠されているスイッチカバー、16はスイッチカバー15の内側に収納されている自動運転と手動運転とを切換えるための運転切換えスイッチである。
以上の構成において、次に本発明に係るエレベータの制御装置の制御動作について、図2のフローチャートを用いて説明する。
まずステップS1で電源異常の発生の有無が判定される。停電等、電源に何らかの異常が発生すると、電源異常検出回路4でこれが検出され、電源切換え回路3により商用電源1から無停電電源2に切換えられる(ステップS2)。
次にステップS3で手動運転中であるか否かが判定される。ここで作業者が保守点検のために運転切換えスイッチ16を操作し手動運転中であった場合は、ステップS4でエレベータ制御回路6から報知指令が発せられ、警告音として電子ブザー音が報知装置12より出力される(ステップS5)。
この警告音としては、例えば500Hzのビープ音とし、デューティ比1/2、周期1.0秒にてフリッカー鳴動させるものとする。ここで500HzのBEEP音としたのは、この周波数であれば聴覚に障害があっても聞き取りやすい波長であり、また聞いた感じがマイルドな音であるため、作業者だけでなく、エレベータ近辺の通行人等一般の人々にも過度な不快感を与えずに報知することができるからである。また、フリッカー鳴動にしたのは、連続鳴動とするよりも認識性が高くなる効果があることによるものである。
次に、ステップS6では電源異常が復旧したか否かを判定し、復旧した場合はエレベータ制御回路6から報知停止指令が出力され(ステップS9)、ブザーの鳴動を停止するとともに、電源が無停電電源2から商用電源1に切換えられてこのフローを終了するが、電源異常がまだ復旧していない場合はステップS6からステップS7へと進み、手動運転を解除したか否かを判定する。
手動運転が解除されていない場合はステップS4へと戻り、手動運転が解除されるまで(手動運転の解除に限らず、エレベータの走行を不可とする操作がなされるまで)電子ブザー音の発生を継続する(ステップS4〜S7)。そして、作業者がこの警告音に気付いて手動運転を解除すると、エレベータ制御回路6から報知停止指令が出力され(ステップS8)、電子ブザー音の鳴動を停止してこのフローを終了する。
この後、作業者は電源が復旧するまでは極力手動運転による無停電電源の消費を避け、バッテリー残量の低下を防止する。
一方、自動運転中に電源異常が発生した場合はステップS3からステップS11へと進み、停電時管制運転が実行される。このとき警告音は発生しないが、管制運転時の音声案内が行われるので特に支障はない。その後すべての乗客の救出を終え、管制運転を終了したか否かをステップS12で判定し、更にステップS13で電源異常が復旧したか否かを判定し、復旧していればステップS10で電源が無停電電源から商用電源へと切換えられるが、まだ復旧していない場合はステップS14へと進み、エレベータの運転を休止してこのフローを終了する。
以上の如く、本発明によれば、手動運転中に電源異常が発生して無停電電源に切換えられた場合は警告音を発生し、作業者がこれに気付いて手動運転のモードを解除するまでは警告音を継続的に発生させるようにしたので、作業員が無停電電源の切換えに気付かずに手動運転を継続しバッテリーを無駄に消費してしまう、といった事態の発生を確実に防止することが出来る。
その他の実施形態
上記の実施形態では、ビープ音のフリッカー鳴動による報知としたが、勿論これに限られるものではなく、また音声合成装置を用いることなく専用のブザー等であってもよい。
また、上記の実施形態では、報知装置をかご内に設けたが、これに限らす、エレベータの機械室など、必要に応じて任意の場所に設置することができる。
その他、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の改変を施すことができる。
本発明の実施の形態1におけるエレベータの制御装置の全体構成を示す図である。 本発明の実施の形態1におけるエレベータの制御装置の制御動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1 商用電源
2 無停電電源
3 電源切換回路
4 電源異常検出回路
5 電動機制御回路
6 エレベータ制御回路
7 巻上機
8 駆動シーブ
9 かご
12 報知装置
13 かご操作盤
15 スイッチカバー
16 運転切換スイッチ

Claims (3)

  1. 停電等の電源異常発生時、商用電源から無停電電源に切換えて電力を供給し、エレベータの運転を継続するようにしたものにおいて、手動運転時に電源異常が発生した場合、前記無停電電源から電力を供給している間は警告音の発生を継続する報知手段を備えたことを特徴とするエレベータの制御装置。
  2. 前記警告音は、約500Hzのビープ音をデューティ比1/2、周期1秒程度でフリッカー鳴動させることを特徴とする請求項1記載のエレベータの制御装置。
  3. 前記報知装置として、エレベータの音声案内を行う音声合成装置を用いることを特徴とする請求項1または請求項2記載のエレベータの制御装置。
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