JP2004107013A - エレベータ音声報知装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電池電源の不要な放電を防止することにある。
【解決手段】音声案内指定データをビットデータに変換するデータ変換手段3と、このビットデータに対応する音声案内データを報知する音声合成手段5とを設けた音声出力報知系30を備えたエレベータ音声報知装置において、通常運転時に外部主電源を音声出力報知系に供給する通常運転電源供給手段41と、外部主電源の停電を検出する停電検出手段45と、電池電源を出力する電池電源供給手段43,48と、データ変換手段から電池電源供給パルス信号46を受け、外部主電源の停電時に電池電源電圧を音声出力報知系に供給するスイッチング制御手段47,49,50〜53と、停電検出信号を受け、かつ、所定時間が経過した時、非常音声案内処理を行って音声合成手段から非常音声案内報知後の信号を受けた時に電池電源供給パルス信号を断とし電池電源を遮断するエレベータ音声報知装置である。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、停電時等にエレベータ利用者に必要な案内情報を報知するエレベータ音声報知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エレベータ音声報知装置は、乗りかご内の乗客に対して、エレベータの運行状態や非常時の非常案内を音声にて報知するシステムであって、停電を含む各種の状況に応じ、エレベータ利用者に的確な案内情報を報知し、ひいては運行の安全を確保する観点から広く使用されている。また、音声報知装置の特殊な使用例としては、乗り場側に設置され、エレベータの到着待ちの利用者に対してエレベータ到着予想時間を報知するものがある。
【0003】
乗りかご内に報知する案内情報としては、各乗り場に到着したことを案内する階床案内、ドアの開閉を案内するドア開閉案内、エレベータの上昇・下降を案内する方向案内等が挙げられる。一方、非常時の案内としては、地震発生時の地震案内、停電時の停電案内等がある。
【0004】
特に停電時は、かご室の照明が消え、DC6Vの電池電源の駆動による停電灯の照明に切り替わり、その照明時間が30分程度であり、通常のかご室内照明よりも暗い状態となる。
【0005】
従って、停電時、かご室内が非常に暗い状態となるので、音声による停電案内は、乗客の不安を取り除く意味からも非常に重要であり、多くのエレベータに設置されている。
【0006】
図4は従来のエレベータ音声報知装置を示す構成図である。
【0007】
このエレベータ音声報知装置は、図4(a)に示すように主制御装置(図示せず)との間で2本の伝送路1を介してシリアルデータの送受信を行うとともに、特に受信されたシリアルデータをDC5Vと0Vのロジック信号に変換し出力するシリアル制御部2、データ変換用CPU3、各種の音声案内データを格納するデータエリア、音声案内データ格納アドレスを格納するステータスエリアその他必要なデータを格納するエリアをもつROM4および音声合成用CPU5が設けられている。
【0008】
このシリアルデータの伝送方式は、RS−422を改良したRS−485等の規格が用いられ、いわゆる行きと戻りが対等な関係をもつ2本の伝送線1を用いた平衡伝送が用いられている。この2本の伝送路1は、パーティラインの接続方式が採用され、本構成のエレベータ音声報知装置だけでなく、乗りかご制御装置や乗り場制御装置のデータ送受信にも使用されている。
【0009】
このデータ変換用CPU3は、後続の音声合成用CPU5の仕様に適するようなデータ変換を行うものであって、シリアル制御部2により変換されてくるDC5Vと0Vのロジック信号から2バイトデータに変換し音声合成用CPU5に送出する場合と、予め変換テーブルが設けられ、シリアル制御部2からの引数となる音声案内指定データと所要の音声案内データを取り出すためのビットデータとが関係付けられ、検索されたビットデータを音声合成用CPU5に送出する場合とがある。このデータ変換用CPU3から出力されるビットデータのビット数は、音声合成用CPU5がどれだけの種類の音声案内が発生できるかによって異なり、一般には128種類程度の音声案内を発生することが可能であるので、7ビット幅のビットデータ6が音声合成用CPU5に送られる。
【0010】
このデータ変換用CPU3は、ビットデータを出力すると同時に、スタート信号をスタートパルス発生器7に送出する。このスタートパルス発生器7はスタート信号を受けて一定時間オン状態となるスタートパルスを発生する。このスタートパルスは音声案内報知数を一回のみとするトリガ信号の役割をもっている。
【0011】
前記音声合成用CPU5は、データ変換用CPU3からのビットデータに基づき、ROM4から報知する音声案内データを格納するデータエリアの開始アドレスと終了アドレスとを検索し、内蔵RAM8にコピーする。従って、音声合成用CPU5は、RAM8をアクセスし、開始アドレスと終了アドレスのもとにROM4から所要とする音声案内データを取り出し、PCM(Pulse Code Modulation:パルス符号変調)やADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation:適応差分パルス符号変調)といった音声合成方式を用いて、音声ディジタルデータをアナログデータ9に順次変換し、電子可変抵抗回路10、アンプ11を介してスピーカ12から報知する。
【0012】
この電子可変抵抗回路10は、データ変換用CPU3からのチップセレクト信号、インクリメント、H/L信号等の制御データを格納するEROM10a、電子可変抵抗10b及びEROM10aに格納される制御データに基づいて電子可変抵抗10bを可変する抵抗制御部10cが設けられている。この電子可変抵抗10bの抵抗値の変化は16〜32段階程度有り、均一な抵抗値を導通させるかどうかにより抵抗値を変化させ、音声案内データの出力電圧を調整する。
【0013】
以上のように電子可変抵抗回路10により電圧調整されたアナログデータは、ローパスフィルタ(LPF)13で50Hz〜20KHzの可聴領域以外の不要な低周波領域をカットし、さらにアンプ11で増幅後、ハイパスフィルタ(HPF)14で周波数の高い成分をカットし、スピーカ12から所要とする音声案内データを報知する。
【0014】
エレベータ音声報知装置の電源制御系について図4(b)を参照して説明する。
【0015】
外部主電源からのDC24VをDC5Vに降圧し、同図(a)の音声報知装置に供給する降圧電源レギュレータ21と、例えばNi−Cd(ニッケル・カドミウム)電池からなり、公称DC1.2Vの電池が10個直列に接続され、DC12Vの直流電圧を出力する電池電源22と、主電源から供給されるDC24V電圧の低下状態を監視する電源監視回路23と、この電源監視回路23により電源低下を検出したとき、スイッチング素子24のベースに電流を流すことにより、電池電源22のDC12Vを取込んでDC24Vに昇圧して出力し、前記データ変換用CPU3の入力側に接続される停電検出回路25に供給し、また降圧電源レギュレータ21を介してDC5Vに降圧し、同図(a)の音声報知装置に供給するようにした昇圧レギュレータ26と、通常運転による主電源の供給時に10mA〜20mAの電流を流して電池電源22を常時充電状態とする充電抵抗27とが設けられている。
【0016】
次に、停電時の停電オペレーションについて説明する。
【0017】
外部主電源の停電によってDC24VがDC12V程度まで低下すると、電源監視回路23は、電源低下と検出し、電源レギュレータ26を介してスイッチング素子24をオンし、電池電源22のDC12Vを昇圧レギュレータ26に供給する。この昇圧レギュレータ26は、電池電源22のDC12VをDC24Vに昇圧し、さらに降圧電源レギュレータ21を介してDC5Vまで降圧し、音声報知装置に供給する。よって、電源喪失時であっても、電池電源22を用いて、音声報知装置の供給電圧を低下させずにスムーズに移行させることができる。
【0018】
一方、外部主電源のDC24Vの低下時、リレー28が消磁され、当該リレーの接点が28aが閉成し、停電検出回路25の発光側に電流が流れ、受光側からデータ変換用CPU3に停電検出信号29が入力される。なお、30は点検スイッチであって、通常運転時には図示する状態にあり、保守点検作業時に接地から切り離すことにより、停電状態となっても停電検出回路25に電流が流れないので、停電による音声案内が不要となり、電池電源22の放電を回避でき、停電オペレーションが実行されない。
【0019】
しかし、エレベータ点検以外の時の電源喪失時には、点検スイッチ30が接地されているので、リレー28の消磁によってリレー接点が閉じるので、停電検出回路25から停電検知信号がデータ変換用CPU3に送出され、停電オペレーションが実行される。
【0020】
そこで、停電検知信号29を受け取ったデータ変換用CPU3内の停電オペレーションについて図5を参照して説明する。
【0021】
主電源が停電すると、主制御装置を含めたエレベータ設備全体の電源が喪失し、それに伴なって主制御装置からのシリアル制御部2へのデータ送信がなくなり、ひいてはシリアルデータを受信できない状態となる。
【0022】
よって、データ変換用CPU3は、通常、音声案内指定データであるシリアルデータの伝送受信有りかを判断し、受信有りの場合には主制御装置への伝送データ処理や乗りかご内への運転状況等の音声案内出力処理を実行する(S1,S2)。
【0023】
しかし、電源が喪失した場合、シリアルデータの受信不可となるので、予め定める所定時間のタイムオーバとなり、次の停電検知判断に移行し、停電検知か否かを判断する(S3)。ここで、停電検知信号29が入力されていれば停電と判断し、停電案内に係わるビットデータを音声合成用CPU5に送出し(S4)、停電案内を報知させる。一方、停電検知信号30が入力されていない場合には伝送受信エラーの処理を実行する(S5)。このように停電検知信号だけで停電と判断しない理由は、停電検出回路25の誤動作により停電検知信号が発生しても、主制御装置が停電状態に無く、データ伝送が行われている場合があるので、所定時間を越える伝送受信不能と停電検知信号とを条件としたものである。
【0024】
音声合成用CPU5は、停電案内に係わるビットデータを受け取り、当該ビットデータの対応するアドレスから停電案内に係わる音声案内データを取り出し、スピーカ12から報知する。この停電案内は、例えば警報音を示すチャイムの後に、“停電です。しばらくお待ちください”などが報知される。音声合成用CPU5は、停電案内データを報知すると、LレベルからHレベルに変化するステータス信号をデータ変換処理用CPU3に送出する。
【0025】
データ変換用CPU3は、ステータス信号のHレベルの変化から停電案内データの報知完了と判断し、この完了タイミングを受けてタイマーがスタートする。
このタイマーは非常案内を発生するまでの時間を設定したタイマーである。非常案内は、停電時にエレベータ稼動用電池によって乗りかごを最寄階まで運転するために報知する音声案内データであり、具体的には後記する。
【0026】
ところで、一般に、エレベータ設備には、停電時に最寄階まで運転する自動着床装置(図示せず)が付加されている。
【0027】
そこで、停電時、自動着床装置が正常に動作しなかった場合、非常呼び釦を押しことを促す非常案内を報知し、インターホンを動作させ、公衆回線を通じてサービスセンタとの通話により、救出に向かう重要な音声報知である。このタイマによる設定時間は、自動着床システム仕様によって異なるが、タイマーに設定される約10秒から60秒の時間経過後、非常案内に係わるビットデータを音声合成用CPU5に送出する非常案内処理を行い(S8)、非常案内に係わる音声案内データを取り出して報知する。例えば“非常呼び釦を押してください”といった音声案内データを報知する。この報知完了後、停電オペレーションは完了する(S9)。
【0028】
引き続き、停電オペレーション時の電池電源22の電圧変化について説明する。
【0029】
停電オペレーション完了後も電池電源22の放電が進んで電圧が降下する。
【0030】
前述するNi−Cd電池の場合、その放電特性は図6に示すように時間とともに電圧が降下するが、この電圧降下幅は常に一定ではなく、DC12Vの電池電源22の場合、放電開始直後はDC14V程度であり、その後の負荷電流によって早い速度でDC13V程度まで電圧降下した後、DC13VからDC12Vの電圧を保持し、再び終止電圧へと急激に変化する放電特性となる。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、以上のようなエレベータ音声報知装置では、次のような幾つかの問題がある。
【0032】
(1) 先ず、従来装置の構成では、停電オペレーションの完了後、電池電源22の電圧はスイッチング素子24で監視することになるが、図6に示すNi−Cd電池の放電特性で説明するように、電池の監視電圧が終止電圧に向かうと急激に電圧降下を起こすことになる。このことは、ある一定電圧まで降下した電圧を監視すると、停電オペレーション中であってもスイッチング素子24による電池遮断動作が働き、停電処理が中断されてしまう可能性がある。このため益々電池電源22の放電が進行し、停電が連続もしくは充電抵抗27によるトリクル充電が完了できない前に、再度停電が発生したとき電池電源22の電荷がなくなり、停電オペレーションが実行できない状態となる問題がある。
【0033】
(2) 電池電源22は、内部インピーダンスと放電電流とによって電圧が決まるが、前述のように電池電源22の電池遮断動作が働くと、電池電源22からの放電がなくなるので、内部インピーダンス作用により電圧が上昇する。一般に、電源監視回路23は、遮断電圧と復帰電圧を監視しているので、電圧上昇によって復帰電圧を検出する可能性があるが、この場合には再度停電オペレーションが実行されてしまう問題がある。
【0034】
(3) 前記(1)の問題点でも指摘するように、停電オペレーション後の放電を考慮しているので、どうしても容量の大きい音声報知装置専用の電池電源22が必要になるが、それでは装置全体の小型化が進む中にあって、電池電源の設置スペースが小型化の妨げとなり、また環境の配慮から電池の個数は極力少ないことが望ましい。
【0035】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、電池の不要な放電を防止し、少容量の電池を用いて停電に関係する音声案内を確実に報知するエレベータ音声報知装置を提供することを目的とする。
【0036】
【課題を解決するための手段】
(1) 上記課題を解決するために、本発明に係るエレベータ音声報知装置は、外部から入力される音声案内指定データを取込んで所要のビットデータに変換するデータ変換手段と、このデータ変換手段によって変換されたビットデータに対応する音声案内データを取り出し、電子可変抵抗回路を介して音声発生器からエレベータかご内に報知する音声合成手段とを設けた音声出力報知系を備えたエレベータ音声報知装置であって、
通常運転時に外部主電源の電圧を電源供給ラインを経由して音声出力報知系に供給するとともに、当該外部主電源の停電時に当該電源供給ラインを切り離す通常運転電源供給手段と、前記外部主電源の電圧低下を検出する停電検出手段と、前記外部主電源の電圧に相当する電圧を発生する電池電源供給手段と、常時は前記データ変換手段から所定の周期ごとに送出される電池電源供給パルス信号を受けて動作し、前記外部主電源の停電時に前記切り離された電源供給ラインに接続し前記電池電源電圧を前記音声出力報知系に供給可能とするスイッチング制御手段と、前記停電検出手段から停電検出信号を受けた場合、前記データ変換手段が停電音声案内処理を行う信号を前記音声合成手段に送出し、かつ、予め設定された時間が経過したとき、非常音声案内処理を行う信号を当該音声合成手段に送出し、当該音声合成手段から非常音声案内報知後の信号を受けた場合に前記電池電源供給パルス信号を遮断し、前記スイッチング制御手段を介して前記音声出力報知系への前記電池電源電圧を遮断する電池電源遮断手段とを設けた構成である。
【0037】
この発明は以上のような構成とすることにより、常時は、スイッチング制御手段がデータ変換手段から所定の周期ごとに送出される電池電源供給パルス信号を受けて電池電源電圧を前記音声出力報知系に供給可能とし、前記外部主電源の停電時に切り離される電源供給ラインを利用して当該電池電源電圧を音声出力報知系を供給する。
【0038】
さらに、停電検出手段から停電検出信号を受けた場合、データ変換手段が停電音声案内処理を行う信号を前記音声合成手段に送出し、かつ、予め設定された時間が経過したとき、非常音声案内処理を行う信号を当該音声合成手段に送出し、当該音声合成手段から非常音声案内報知後の信号を受けた場合に前記電池電源供給パルス信号を遮断し、前記スイッチング制御手段を介して前記音声出力報知系への前記電池電源電圧を遮断するので、非常音声案内報知後の電池電源の不要に放電を回避でき、ひいては少容量の電池電源を用いて停電による音声案内を確実に実施できる。
【0039】
(2) また、本発明は、前記(1)の構成に新たに、保守点検時および通常運転時に応じて切替え操作する点検スイッチと、この点検スイッチから点検有無を検出する点検有無検出手段とを設け、前記電池電源遮断手段は、前記停電検出手段から停電検出信号と前記点検有無検出手段からの点検無しの信号とを条件に前記所要の処理を実行することにより、点検時に、データ変換手段から周期的に出力する電池電源供給パルス信号を禁止し、音声出力報知系への電池電源電圧の供給を断とし、電池電源の電力消費を抑制することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0041】
図1は本発明に係わるエレベータ音声報知装置の一実施の形態を示す構成図である。
【0042】
このエレベータ音声報知装置は、停電などの非常時に所要とする音声案内データを出力するシリアル制御部2、データ変換用CPU3および音声合成用CPU5等を備えた音声出力報知系30と、外部主電源(図示せず)から供給される所要のDC電圧を音声出力報知系30に印加する電源制御系40と、保守点検状態を検出する点検有無検出系60とによって構成されている。
【0043】
音声出力報知系30は、図4に示す従来の構成とほぼ同じであるので、同一部分には同一符号を付して説明する。
【0044】
音声出力報知系30は、主制御装置(図示せず)から送信されてくるシリアルデータを2本の伝送路1を介して送受信するシリアル制御部2と、このシリアル制御部2からのシリアルデータをシリアル制御端子で取り込み、音声合成用CPU5の仕様に適するデータに変換するデータ変換用CPU3、音声案内データを格納するデータエリア、音声案内データの格納アドレスを格納するステータスエリアその他必要なデータを格納するエリアが形成されている1Mバイト程度の記憶エリアをもつROM4およびデータ変換用CPU3から送られてくる所要の音声案内に対応するビットデータを受け、前記ビットデータに基づいて対応するステータスエリアから該当音声案内データに対応するアドレスを取得し、所要とする音声案内データを取り出し報知する音声合成用CPU5が設けられている。
【0045】
2本の伝送路1には例えばツイストペア線が用いられ、エレベータ主制御装置とシリアル制御部2との間でツイストペア線を介して差動方式の平衡伝送データを送受信する構成となっている。
【0046】
データ変換用CPU3および音声合成用CPU5はともに外部クロック31,32が設けられ、データ変換用CPU3では12MHz、音声合成用CPU5では4MHzによって動作する。このデータ変換処理用CPU3には停電案内後の所要とする非常案内を選択させるための時間データをタイマに設定するためのロータリスイッチ33が設けられている。このロータリスイッチ33は、10進タイプや16進タイプのものが設けられ、10進タイプの場合には0〜9までの10種類のデータを選択可能とし、また16進の場合には0〜Fまでの16種類のデータを選択可能な信号を出力する機能をもっている。
【0047】
このデータ変換用CPU3は、シリアル制御部2から出力されるシリアルデータを例えばポートデータ7ビットのビットデータに変換し音声合成用CPU5に送出する場合と、予め変換テーブルが設けられ、シリアルデータを引数とし、所要の音声案内データを取り出すためのビットデータを検索し、音声合成用CPU5に送出する場合とがある。このデータ変換用CPU3から音声合成用CPU5には7ビットデータ34およびスタート信号35が送られ、一方、音声合成用CPU5からデータ変換用CPU3には音の発生中を示すステータス信号36が送られる。
【0048】
前記音声合成用CPU5は、データ変換用CPU3から送られてくるビットデータに基づき、ROM4から報知する音声案内データを格納するデータエリアの開始アドレスと終了アドレスとを検索し、内蔵RAM8にコピーする。この内蔵RAM8は、256バイト程度のメモリ容量をもっている。
【0049】
この音声合成用CPU5は、RAM8をアクセスし、開始アドレスと終了アドレスのもとにROM4から所要とする音声案内データを取り出し、PCM(Pulse Code Modulation:パルス符号変調)やADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation:適応差分パルス符号変調)といった音声合成方式を用いて、音声ディジタルデータをアナログデータ9に順次変換し、電子可変抵抗回路10、アンプ11を介してスピーカ12から報知する。
【0050】
電子可変抵抗回路10は、チップセレクト信号、UP/DN信号を制御データを格納するEROM、例えば16〜32段階程度の抵抗値の変化をもつ電子可変抵抗10a及び抵抗制御部が設けられ、データ変換処理用CPU3からチップセレクト信号を発行するとともに、UP/DN信号をUPに設定するが、停電時または停電後の非常時の音声案内時のみにインクリメント信号をクロック信号として抵抗制御部に送出し、電子可変抵抗10aの出力電圧を低減するように制御し、停電時に発生する音声案内の音量を小さくし、電力消費を低減するように調整する。
【0051】
以上のようにして電子可変抵抗回路10により電圧調整されたアナログデータ9は、ローパスフィルタ(LPF)13で50Hz〜20KHzの可聴領域以外の不要な低周波領域をカットし、さらにアンプ11で増幅後、ハイパスフィルタ(HPF)14で周波数の高い成分をカットし、スピーカ12から所要の音声データを出力する。
【0052】
前記電源制御系40は、前述する音声出力報知系30に所要のDC電圧を供給制御する機能をもつものであり、具体的には、システム電源投入による通常運転時、外部からDC5VおよびDC24Vから供給され、そのうちDC5Vによってリレー41(リレーA)が励磁され、当該リレーAの接点cが接点aに切替えられ、DC5Vが直接前記音声出力報知系30全体に供給し、またDC24Vが充電抵抗42を介して例えば1.2VのNi−Cd電池10個からなる電池電源43を充電し、また点検有無検出系60に供給される通電時電源供給手段と、このDC5Vの電圧を監視し、停電と判断されたときに停電検出信号44をデータ変換用CPU3に供給する停電検出回路45と、データ変換用CPU3のポートから出力されるトリガ信号としての電池電源供給パルス信号46の立ち上がりおよび立ち下がりのエッジを利用して所定時間の間スイッチング素子47をオン制御するスイッチング制御手段と、停電時、リレー41の消磁により当該リレーAの接点cが接点b側に切り替わり、例えば1.2VのNi−Cd電池10個からなる電池電源43から出力されるDC12Vを電源レギュレータ48によりDC5Vに降圧し、前記スイッチング素子47を介してリレーB49を励磁し、当該リレーBの接点cを接点aに接続し、リレー41の接点b−cを介して音声出力報知系30に供給し、またスイッチング素子47に供給する停電時電源供給系とが設けられている。
【0053】
前記スイッチング制御手段は、HC123等からなるロジックIC50が設けられている。このロジックIC50に使用されるHC123はJEDEC(Joint Electron Device Engineering Council)の標準命名法により付与されたものであり、「HC123」のうち、前者の「HC」はJEDECによるタイプ分類ではCMOCレベル入出力値を表わし、後者の「123」は機能を表わす数字であって、マルチバイブレータに相当し、入力信号の立ち上がりおよび立ち下がりのエッジで外付け抵抗51とコンデンサ52とにより決まる一定時間の間、Hレベルの信号を出力し続ける。つまり、ロジックIC50は、データ変換用CPU3のポートから出力されるトリガ信号としての電池電源供給パルス信号46の立ち上がりおよび立ち下がりのエッジで所定時間の間にわたってHレベルおよびLレベルの信号を出力しスイッチング素子47に供給する。53はプルダウン抵抗である。
【0054】
前記電源レギュレータ47は、スイッチングIC、平滑コンデンサ、平滑用インダクタンス等により構成され、これらの素子を1つのパッケージに収納したものである。
【0055】
前記点検有無検出系60は、図4と同様にホトカプラー等で構成される点検有無検出回路61が設けられ、DC24V側が発光素子を介して点検スイッチ62に接続され、またDC5V側が受光素子を介してデータ変換用CPU3に接続されている。点検スイッチ62は、保守点検サービスの場合には図示とは反対側に切替え、電源カットにより不要な停電案内を行わないようにし、点検時以外の時に点検スイッチ62が図示状態にあり、点検有無検出回路61の点検有無検出回路61に電流を流し、点検状態にないことを知らせる信号をデータ変換用CPU3に供給する構成となっている。
【0056】
次に、以上のようなエレベータ音声報知装置の動作について図2および図3(a)を参照して説明する。
【0057】
エレベータシステムのシステム電源が投入されると、外部主電源(図示せず)の電圧が立ち上がり、DC5VおよびDC24の電圧が供給される。ここで、外部主電源がDC3V程度まで電圧が上昇した時、リレーA41のコイルが励磁され、これにより同リレーAの接点cが接点aに接続され、DC3Vを越える電圧が音声出力報知系全体に供給される(図3(a)参照)。このとき、停電検出回路45は、所定時間経過後、通電を意味するDC5Vの停電検出信号44をデータ変換用CPU3に送出する。
【0058】
ここで、データ変換用CPU3は、停電検出回路45から出力されるリセット信号により一定時間リセットされた後、図2に示すプログラムが起動する。このプログラムによる処理は、内部レジスタ、内部RAM、ポート入出力の設定等のイニシャライズ処理が実行され(S11)、所要の処理を実行する動作環境が設定される。
【0059】
このデータ変換用CPU3は、動作環境の設定後、所要のポートから所定周期ごとにワンショットパルスである電池電源供給パルス信号46を送出し、ロジックIC50に供給する(S2)。このロジックIC50は、電池電源供給パルス信号46のダウンエッジを検出すると、このエッジを検出した時点からHレベルとなり、外付け抵抗51およびコンデンサ52により決まる時間(例えば1秒間)出力し、スイッチング素子47のベースに供給する。このとき、スイッチング素子47に常時電池電源43から電源レギュレータ48を介してDC5Vの電圧が供給されているので、リレーB49のコイルが励磁され、当該リレーBの接点cが接点b側から接点a側に切り替わる(図3(a)参照)。従って、電池電源43のDC5Vの電圧がリレーA41の接点bに供給されるが、リレーAの接点が遮断されているので、電池電源46側の出力電圧は音声出力報知系30には供給されない。
【0060】
データ変換用CPU3のプログラム処理は、当該データ変換用CPU3の所要ポートから電池電源供給パルス信号46を出力した後、シリアル伝送アドレスセット処理やロータリスイッチ33からの入力処理を実行し(S13)、次のシリアル伝送データ受信判断処理に移行する(S14)。
【0061】
ここで、通常運転時、主制御装置から音声案内指令のシリアルデータが入力されれば、データ変換用CPU3では、従来技術で説明したように、そのシリアル伝送データを受信したと判断した後、音声案内指令であるシリアルデータをビットデータに変換し、伝送データ処理を実施し(S15)、音声合成用CPU5に送出する。
【0062】
この音声合成用CPU5は、データ変換用CPU3から送られてくるビットデータを受け取り、当該ビットデータに対応するアドレスデータの判別処理を行い(S16)、この判別されたアドレスがROM4のステータスエリアに割り付けられているか否かを判断する(S17)。アドレスが割り付けられている場合、当該アドレスを内蔵RAM8にコピーした後、当該アドレスに従って前述する音声案内指令に対応する音声案内データを取り出し、音声処理を実施し(S18)、音声発生器12から所要とする音声案内データを報知する。
【0063】
しかる後、音声出力処理後、後記する保守点検作業等によりパルス出力が禁止設定されているか否かを判断し(S19)、パルス出力が禁止されている場合にはステップS14に移行し、同様の処理を繰り返し実行する。
【0064】
しかし、データ変換用CPU3では、パルス出力が禁止されていない判断した場合、電池電源供給パルス信号46をロジックIC50に送出するともに(S20)、次のシリアルデータの受信状態を判断する(S14)。
【0065】
すなわち、通常の通電時、主制御装置から音声案内指令が入力されれば、従来技術で説明したように、データ変換用CPU3ではデータ伝送処理を実行し、さらに音声合成用CPU5にて音声処理を実行し、所要とする音声案内データを音声発生器12から報知するものである。
【0066】
一方、データ変換用CPU3では、主制御装置から音声案内指令が入力されない場合にはデータが「0」となるので、毎周期ごとのデータ伝送処理は実行されるが、音声合成用CPU5には「0」データしか出力しないので、音声案内データは発生しない。しかし、データ変換用CPU3は、毎周期ごとに電池電源供給パルス信号46を出力するので、約10μsのパルスが1ms周期で出力されることになり、ロジックIC50であるHC123の出力レベルもHレベルとなる。
【0067】
このとき、データ変換用CPU3は、常時、停電検出回路45の出力から外部主電源であるDC5Vの低下状態を検出し、かつ、シリアルデータの受信有無を検出している。そこで、シリアルデータが受信されないが、停電検出回路45からの出力電圧がDC5V以下でない場合(S21)、伝送エラーと判断し、伝送エラー処理を実行する(S22)。
【0068】
また、シリアルデータが受信されず、停電検出回路45の出力電圧がDC5V以下の所要電圧まで低下したと判断したとき、点検検出回路61の出力から点検中か否かを判断し(S23)、点検中であれば、パルス出力を禁止するフラグをセットする(S24)。この設定フラグはステップS19にて判断される。ステップS23において点検中でない場合、システム電源の停電と判断する。
【0069】
このシステム主電源が停電と判断された場合、データ変換用CPU3は、ロータリスイッチ33により設定される非常音声案内データを選択する時間データを取込むとともに、内蔵タイマをスタートさせた後(S25)、停電案内に係わる音声案内データを取り出すためのポートデータ7ビットを作成し、音声合成用CPU5に送出し、停電案内発生処理を実行させる(S26)。すなわち、音声合成用CPU5は、ポートデータ7ビット34に基づいてROM4から停電案内用音声データのアドレスを取り出し、このアドレスに従って停電案内データを報知する。
【0070】
そのご、ロータリスイッチ33による時間設定データに基づくタイマー値をオーバしているか否かを判断し(S27)、ステップS18,S19、S14を経て同様の処理を繰り返すが、タイマー値をオーバした場合には、非常音声案内に係わるポートデータ7ビットを作成し音声合成用CPU5に送出することにより、非常音声案内を発生する処理を行わせる(S28)。音声合成用CPU5は、非常音声案内の発生を完了すると、ステータス信号36をデータ変換用CPU3に送出する。データ変換用CPU3は、ステータス信号36を受け取ると、パルス出力を禁止するためにフラグを設定し(S30)、ステップS18に移行する。
【0071】
次に、停電時における電源制御系40の動作について図2および図3(b)を参照して説明する。
【0072】
外部主電源が喪失すると、音声出力報知系30に供給されるDC5V電圧が低下する。この電圧低下スピードは、音声出力報知系30の専用電源である主電源(図示せず)にはコンデンサ等が組込まれているので、当該コンデンサの静電容量等によって緩やかに低下する(図3(b)参照)。
【0073】
この主電源の喪失によって、DC5Vに接続されているリレーA41のコイル電圧が低下し、当該リレーAの接点cが接点aから接点bに切り替わる。このとき、接点動作切替時間によって約2〜4msの間、DC5Vに係わる電圧が遮断されるので、データ変換用CPU3が無電源となり動作が停止するが、リレーAの接点cが接点bに切り替わると、電池電源43から電源レギュレータ48で変換されたDC5Vの電圧がリレーBの接点c−接点aを通り、リレーAの接点b−接点cを経由して音声出力報知系30に供給される。
【0074】
この間のHC123の動作について説明する。
【0075】
リレーA41の切替動作時、音声合成用CPU5の電源が一瞬遮断され動作が停止する。このとき、データ変換用CPU3から電池電源供給パルスも発生しなくなるが、ロジックIC50であるHC123の外付け抵抗51とコンデンサ52とで決まる例えば約1秒間ほどの時間の間、出力Hレベルを保持するので、スイッチング素子47の動作は維持し、リレーB47の動作は変らないので、当該リレーBの接点cが接点a側に接続されているので、電池電源46側からの電圧は音声出力報知系30に供給可能となる。
【0076】
一方、データ変換用CPU3では、リレーA41の切替動作時、一瞬無停電となるので、電源低下検出が働き、リセット信号が投入される。この時点において電池電源43によって音声出力報知系が動作を開始するが、主電源の喪失によって主制御装置側からシリアルデータが送信されず、データ変換用CPU3では、シリアルデータが入力されないので、所定の時間の間シリアルデータ受信処理できない場合にはエラーと判断する。前記ステップS14,S21,S22が相当する。つまり、エラーは主制御装置から送信されるアドレスが一定時間の間に受信するか否かにより判断する。この時間はおよそ200μs程度の時間である。この受信タイムオーバが5000回程度発生したとき、累積2秒を経過し、タイムオーバとなり、エラー処理に移行する。2秒という時間は停電発生後に停電案内するための時間である。エラー処理は、シリアルデータの受信無しを含め、前述するように停電検出回路45からの停電検出信号と点検スイッチ62との状態を読込むことによって実行する。停電検出回路45から停電検出信号が検出され、かつ、点検スイッチ62が通常運転の場合、停電オペレーションが実行される。
【0077】
この点検スイッチ62は、前述したように定期保守サービス時に保守員が電源カットするが、その際に接地部分から切り離すことにより、データ変換用CPU3に点検を知らせ、不要な停電案内を行わないようにする。すなわち、点検スイッチ62が通常運転側(図示状態)に操作されている場合には点検検出回路61の発光側に電流が流れ、受光側トランジスタがオンし、Lレベル信号をデータ変換用CPU3のポートに送出する。一方、点検スイッチ62が接地部分から切り離す点検中である場合、発光側に電流が流れなくなり、受光側トランジスタがオフし、Hレベル信号をデータ変換用CPU3のポートに送出する。停電検出条件と点検スイッチ62の通常運転操作とに基づいて停電オペレーションが実行される。
【0078】
この停電オペレーションでは、最初に停電案内に係わるポートデータ7ビットを音声合成用CPU5に送出し、音声発生器12から例えば“停電です。しばらくお待ちください”というメッセージが一回報知される。この停電案内の報知後、プログラムに基づいてロータリスイッチ33からスイッチデータを取込み、このスイッチデータから設定データを判別する。この設定データは、停電時に自動運転着床装置の動作異常時の非常案内発生までの設定時間データであって、前述したように例えば約10秒〜約60秒であってタイマに設定し、ステップS27により判断される。
【0079】
さらに、停電時、自動運転着床装置が正常に動作した場合と、正常に動作しなかった場合との2パターンについて説明する。
【0080】
停電時、自動運転着床装置が正常に動作した場合、停電時、自動着床装置から供給される電池電源によって主制御装置の電源が復帰すると、シリアル伝送データが再び送信される。データ変換用CPU3は、プログラム的にタイマーカウントと同時に毎サイクル伝送受信処理が行われているので、シリアルデータを受信すると、通常のデータ受信処理が実施される。これにより停電オペレーションが実行されず、通常処理に移行することになる。
【0081】
電源制御系40においては、DC5Vが再び供給されるが、リレーA41が励磁され、当該リレーAの接点cが接点a側に切り替わる。この時にリレー接点動作ににより、一瞬無電源となり、リセットが投入されるが、イニシャライズ処理によって停電オペレーションの各種フラグがクリアされる。
【0082】
停電時、自動運転着床装置が正常に動作しなかった場合、タイマーカウントが進み、ロータリスイッチ33で設定された時間を経過すると、停電時自動着床装置の異常と判断され、データ変換用CPU3から非常案内に係わるポートデータ7ビットを音声合成用CPU5に送出し、音声発生器12から例えば“非常呼び釦を押してください”というメッセージが2回報知される。
【0083】
データ変換用CPU3は、非常案内に係わる音声案内データを音声合成用CPU5に送出した後、当該音声合成用CPU5から音声を再生していることを示すステータス信号36が入力される。このステータス信号36は、音声合成用CPU5がデータ変換用CPU3から非常案内に係わるデータを受け、ROM4の所要エリアをアクセスしたタイミングでHレベルからLレベルに変化し、音声案内データの発生中、すなわちROM4のデータアクセス中は連続的にLレベルとするものである。従って、データ変換用CPU3は、当該ステータス信号36を検出することにより、音声データの発生中であるか否かを認識できる。そして、非常案内が2回完了すると、ステータス信号36がLレベルからHレベルに復帰する(図3(b)参照)。
【0084】
データ変換用CPU3は、非常案内の報知後、ステータス信号36に基づいてLレベルからHレベルの変化を検出すると、音声処理のために発生していた電池電源供給パルス信号の出力処理にスキップする。毎周期ごとに電源供給パルス信号の出力処理がスキップされ続けるので、ロジックIC50であるHC123にパルスが入力されなくなり、約1秒後にHC123の出力がHレベルからLレベルとなり、スイッチング素子47のベースに電流が流れなくなる。その結果、リレーB49のコイルに電流が流れなくなり、当該リレーBの接点cが接点aから接点bに切り替わり、電池電源43からの電源供給が遮断される。
【0085】
これにより、音声出力報知系30に対する電池電源43からの電源供給がなくなり、データ変換用CPU3を含む音声出力報知系30の動作が停止される。このとき、HC123は、常時電池電源46から電源レギュレータ48を経由してDC5VがリレーB49に供給され続けている。
【0086】
従って、以上のような実施の形態によれば、非常音声案内を発生後に音声合成用CPU5からのステータス信号を受けて、データ変換用CPU3が電池電源供給パルス信号45を断とし、ロジックIC50を介してスイッチング素子47を不動作とするので、電池電源43の電圧を音声出力報知系30から切り離すのでて、電池電源43における不要な放電を避けることができ、ひいては電池容量を低減できる。その結果、例えばエレベータの他の機器に使用されている電池電源を音声出力報知系30にも兼用することも可能となり、装置の小型化を図ることができる。
【0087】
また、点検スイッチ62を設け、点検スイッチの操作状態を点検有無検出回路61で検出し、点検有無信号をデータ変換用CPU3に送出しているので、保守点検作業時に電池電源供給パルス信号を禁止し、電池電源43の電池を供給しないようにしているので、同様に電池電源43における不要な放電を避けることができる。
【0088】
さらに、停電時または停電後の非常音声案内時に音量を小さくすることにより、電池電源43の消費電力を抑制できる。
【0089】
なお、本願発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば取付部材41は分離するように2つの取付体41a、取付体41bで構成したが、2つの分離しない一体の構成のものでも良い。これは例えばスカートガードパネル4a,4bが左右に分離できない場合等に適用できる。
【0090】
また、各実施の形態は可能な限り組み合わせて実施することが可能であり、その場合には組み合わせによる効果が得られる。さらに、上記各実施の形態には種々の上位,下位段階の発明が含まれており、開示された複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得るものである。例えば問題点を解決するための手段に記載される全構成要件から幾つかの構成要件が省略されうることで発明が抽出された場合には、その抽出された発明を実施する場合には省略部分が周知慣用技術で適宜補われるものである。
【0091】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、電池の不要な放電を防止し、少容量の電池を用いた場合でも停電に関係する音声案内を確実に報知できるエレベータ音声報知装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエレベータ音声報知装置の一実施の形態を示す構成図。
【図2】図1に示すエレベータ音声報知装置の動作を説明するフローチャート。
【図3】装置の電源立ち上げ時および停電時の動作状態を示すタイミングチャート。
【図4】従来のエレベータ音声報知装置を示す構成図
【図5】従来装置の動作を説明するフローチャート。
【図6】Ni−Cd電池の放電特性を示す図。
【符号の説明】
2…シリアル制御部
3…データ変換用CPU
4…ROM
5…音声合成用CPU
10…電子可変抵抗回路
12…音声発生器
30…音声出力報知系
33…ロータリスイッチ
40…電源制御系
41…リレーA
43…電池電源
45…停電検出回路
47…スイッチング素子
48…電源レギュレータ
49…リレーB
50…ロジックIC
51…外付け抵抗
52…コンデンサ
60…点検有無検出系
61…点検有無検出回路
62…点検スイッチ

Claims (3)

  1. 外部から入力される音声案内指定データを取込んで所要のビットデータに変換するデータ変換手段と、この変換されたビットデータに対応する音声案内データを取り出し、電子可変抵抗回路を介して音声発生器からエレベータかご内に報知する音声合成手段とを設けた音声出力報知系を備えたエレベータ音声報知装置において、
    通常運転時に外部主電源を電源供給ラインを経由して音声出力報知系に供給するとともに、当該外部主電源の停電時に当該電源供給ラインを切り離す通常運転電源供給手段と、
    前記外部主電源の停電を検出する停電検出手段と、
    前記外部主電源に相当する電池電源を出力する電池電源供給手段と、
    常時は前記データ変換手段から所定の周期ごとに送出される電池電源供給パルス信号を受けて動作し、前記外部主電源の停電時に前記切り離された電源供給ラインに接続し前記電池電源を前記音声出力報知系に供給可能とするスイッチング制御手段と、
    前記停電検出手段から停電検出信号を受けた場合、前記データ変換手段が停電音声案内処理を行う信号を前記音声合成手段に送出し、かつ、予め設定された時間が経過したとき、非常音声案内処理を行う信号を当該音声合成手段に送出し、当該音声合成手段から非常音声案内報知後の信号を受けた場合に前記電池電源供給パルス信号を遮断し、前記スイッチング制御手段を介して前記音声出力報知系への前記電池電源電圧を遮断する遮断手段と
    を備えたことを特徴とするエレベータ音声報知装置。
  2. 請求項1に記載のエレベータ音声報知装置において、
    保守点検時および通常運転時に応じて切替え操作する点検スイッチと、
    この点検スイッチから点検有無を検出する点検有無検出手段とを設け、前記遮断手段は、前記停電検出手段から停電検出信号と前記点検有無検出手段からの点検無しの信号とを条件に前記遮断手段を実行することを特徴とするエレベータ音声報知装置。
  3. 請求項1に記載のエレベータ音声報知装置において、
    前記電子可変抵抗回路は、複数の抵抗値に切替え可能な電子可変抵抗が設けられ、前記データ変換手段から停電時または停電時の非常音声案内時に前記電子可変抵抗の抵抗値を可変し、停電時の停電音声案内を含み、あるいは停電時の停電音声案内を含まない非常音声案内のみの音量を小さくすることを特徴とするエレベータ音声報知装置。
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