JP2010208779A - エレベータ - Google Patents

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Abstract

【課題】エレベータの停電時のロープブレーキの待機状態の維持を容易に可能として停電時の着床運転を円滑に行なう。
【解決手段】停電が発生すると、ロープブレーキ制御部は、第2操作リレーをオフ状態とする。すると常閉接点24は閉じた状態となる。ロープブレーキ制御部は、前述した停電信号の入力から一定時間が経過した際に、第1操作リレーをオフ状態にする、これにより常開接点23が開く。ロープブレーキ制御部は、バッテリからの電源が供給されると、第1操作リレーを当初のオン状態として常開接点23を閉じると共に、第2操作リレーも当初のオン状態として常閉接点24を開き、停電時着床運転が可能な状態とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、停電時におけるロープブレーキの制御機能を有するエレベータに関する。
従来、エレベータには、利用者の事故や機器の破損を防止するために、多種・多様な安全装置が設けられており、これらの安全装置がエレベータの異常を検出した場合、ブレーキを緊急動作させることでエレベータを即時停止させ、利用者の安全を確保できるようにしている。
エレベータのブレーキは、巻上機に取り付けられてエレベータの運転毎に制動動作と開放動作を繰り返す常時動作型のものが最も一般的であるが、このブレーキが故障した場合においても、乗りかごの制動が可能なよう、非常用のブレーキとして例えば特許文献1に開示されるようなロープブレーキを使用する場合がある。
ロープブレーキは、エレベータの緊急停止が必要な場合のみ制動動作させ、通常時はロープを釈放した状態となる待機動作型のブレーキであり、バネなどの力によりロープを把持する制動部分を有する。
ロープブレーキをブレーキ待機の状態とするためには、前述した制動部分をモータや油圧などの動力により引き戻した後、ソレノイドなどを使用した保持機構によって比較的小さな力、例えばてこの原理を利用することで、制動部分の引き上げに要ずる力に対して十分小さな力でその状態を保持する。
そして、エレベータの制御装置がシステムの異常を検出してエレベータを緊急停止させる場合は、前述したソレノイドの電源を遮断することで、ロープブレーキの制動部分の保持機構が解かれ、制動部分はバネ力によりロープを把持し、このロープに吊られた乗りかごが制動することになる。
特開2006−193281号公報
エレベータのブレーキは、前述の常時動作型の巻上機ブレーキや待機動作型のロープブレーキのいずれにおいても、当該ブレーキに接続された電源が遮断されることにより制動動作するのが一般的であるため、エレベータ電源が停電となった場合、ブレーキが制動動作する。
近年のエレベータでは、停電によるエレベータ停止によって利用者が長時間乗りかごに閉じ込められることを回避するため、停電検出時はエレベータの電源を通常の商用電源ラインからバッテリ電源ラインに切り替え、乗りかごを低速で最も近いフロアまで運転する停電時着床運転機能が付加されるのが一般的となっている。
しかし、この場合、バッテリ電源ラインに切り替える間に制御電源は一旦遮断されることから、巻上機の動作が停止すると共に、通常の常時動作するブレーキも制動状態となり、エレベータは一旦停止し、その後バッテリによる電源が確立した時点で停電時着床運転が開始される。
尚、停電時発生時においても、無停電電源装置などを使用することで、エレベータを停止させずに動作させることも可能であるが、一般的なバッテリの充放電回路に比較して高コストとなるため一般的ではない。
無停電電源装置の場合、通常のエレベータ運転に必要な電源容量が必要となるが、停電時着床運転用に使用されるバッテリ電源は乗りかごを最も近いフロアまで運転するのに必要な最低限の電源容量としているのが一般的である。
停電時着床運転は、電源切替後に着床運転を開始するが、ロープブレーキを使用したシステムでは、停電時点でロープブレーキが制動状態、つまりロープ把持状態となるため、巻上機を動作させる前にロープブレーキの把持状態を復帰し、エレベータを運転可能な状態にする必要がある。
ロープブレーキを復帰させる場合、前述したように、バネ力により把持状態となった制動部分を、モータなどの動力により引き上げると共にその状態を保持することで実現される。
しかし、このモータはコストやロープブレーキ寸法などの制約から小さな出力のモータと減速機を組み合わせた構成が一般的であり、この場合、ブレーキの復帰までに一定の時間を要することとなり、この時間は、停電時着床運転完了の遅延につながることとなる。
ロープブレーキの復帰に必要な時間は10秒から20秒程度であり、一般的にはさほど長い時間とは考えられないが、エレベータの閉じ込めの状況においては、同じ時間でも長い時間であると感じることは容易に想像でき、利用者の不安解消のためにもできるだけ早い復旧が望まれる。
尚、ロープブレーキの復帰は、前述したように、バネ力により把持状態となった制動部分を、モータなどの動力により引き上げると共にその状態を保持することで実現されるため、この復帰操作に必要な動力の出力を増大させることにより、より早く復帰可能になることは容易に推測される。バネ力が一定であれば仕事量は一定のため、出力を増大することで短時間でロープブレーキの復帰が可能となる。
しかし、復帰操作に必要な動力の出力を増大させるためには、当然ながらモータやバッテリの出力を大きくする必要がある。これに伴いモータやバッテリを大容量化する必要が生じるため、用品の取り付けスペースの増大や、コストアップなどの問題が生じるため現実的ではない。
また、前述した特許文献1には、停電時におけるロープブレーキを待機状態に維持する方法が記載されているが、ロープブレーキの構造が複雑となってしまい、コストが大幅に上昇し、メンテナンスが煩雑化してしまう。また、既存のエレベータに適用しようとする場合は、構造を大幅に変更する必要があり、コストや手間の問題が生し、管理下の多数のエレベータに実施することは困難である。
そこで、本発明の目的は、停電時のロープブレーキの待機状態の維持を容易に可能として停電時の着床運転を円滑に行なうことが可能になるエレベータを提供することにある。
すなわち、本発明に係わるエレベータは、平常時に商用電源により動作して乗りかごを昇降させるための電源回路と、電力を蓄える蓄電装置と、前記商用電源の停電を検出する停電検出手段と、巻上機を制動動作する第1のブレーキ装置と、前記巻上機と異なる構造物との接触により前記乗りかごの制動動作を行なうための第2のブレーキ装置と、前記第2のブレーキ装置に接続されて、短絡時に当該第2のブレーキ装置による制動操作が無効となる第1の電気回路と、前記第1の電気回路の並列回路であって、前記第2のブレーキ装置に接続されて、短絡時に当該第2のブレーキ装置による制動操作が無効となる第2の電気回路と、平常時には、前記第1の電気回路を短絡して前記第2の電気回路を開放することで前記第2のブレーキ装置による制動動作を無効とし、停電以外の異常発生時には、前記第2の電気回路を開放した状態のまま前記蓄電装置に蓄電された電力を用いて前記第1の電気回路を開放することで前記第2のブレーキ装置による制動動作を有効とし、前記停電検出手段による停電検出時には、前記蓄電装置に蓄電された電力を用いて前記第2の電気回路を短絡することで前記第2のブレーキ装置による制動動作を無効とするロープブレーキ制御手段と、前記ロープブレーキ制御手段による前記第2のブレーキ装置による制動動作を無効とする動作がなされた場合に、前記蓄電装置に蓄電された電力を用いて前記乗りかごを通常運転時より低い速度で昇降させて最寄階に着床させる運転制御手段と
を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、エレベータの停電時のロープブレーキの待機状態の維持を容易に可能として停電時の着床運転を円滑に行なうことができる。
本発明の実施形態におけるエレベータのブレーキ動作に関わる部分の構成例を示すブロック図。 本発明の実施形態におけるエレベータのロープブレーキ制御回路の一例を示すブロック図。 本発明の実施形態におけるエレベータのロープブレーキの構成例を示す図。 本発明の実施形態におけるエレベータのロープブレーキ動作の一例を示すフローチャート。 本発明の実施形態におけるエレベータのロープブレーキ動作の一例を示すフローチャート。 本発明の実施形態におけるエレベータの各種リレー、接点、ソレノイド、ロープブレーキの状態の関係を表形式で示す図。
以下図面により本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態におけるエレベータのブレーキ動作に関わる部分の構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、本発明の実施形態におけるエレベータは、ブレーキ動作に関わる部分として、通常電源1、バッテリ2、電源回路3、モータ4、巻上機ブレーキ装置5、ロープブレーキ装置6、運転制御手段であるエレベータ制御装置7、モータ操作回路10、ブレーキ操作回路11を備える。
通常電源1は商用電源が確立されている場合に使用する電源である。バッテリ2は、通常電源1が停電となった場合に使用する電源である。電源回路3は、通常電源1またはバッテリ2をもとにエレベータの各部で使用する各種電源を生成し、モータ4、巻上機ブレーキ装置5、ロープブレーキ装置6、エレベータ制御装置7のそれぞれに電力を供給する。
モータ4の回転軸にはシーブが取り付けられており、このシーブに巻き掛けられたロープを介して乗りかごとカウンタウェイトが昇降路内をつるべ式に昇降動作する。モータ4
は、電源回路3から出力された電力で駆動して乗りかごを昇降させる。ロープブレーキ装置6は、巻上機ブレーキ装置5が正常に動作しない場合にロープを挟み込んで乗りかごを停止させるための装置である。
モータ操作回路10は、電源回路3とモータ4の間に設けられる。ブレーキ操作回路11は、モータ4のブレーキ操作回路であり、電源回路3と巻上機ブレーキ装置5との間に設けられる。
エレベータ制御装置7は、電源監視部8、信号入力部9、エレベータ制御部12、ロープブレーキ制御部13、第1操作リレー14、第2操作リレー15、第3操作リレー16、ロープブレーキ制御部バッテリ17を有する。
電源監視部8は、電源回路3から供給ざれる電源の停電などの異常を検知する。信号入力部9は、エレベータシステム各部からの信号を入力する。
エレベータ制御部12は、電源監視部8や信号入力部9などからの信号により、モータ操作回路10やブレーキ操作回路11のオンオフを制御する。エレベータ制御部12は、モータ操作回路10をオン状態としている場合にモータ4を駆動させ、モータ操作回路10をオフ状態とすることでモータ4を停止させる。また、エレベータ制御部12は、ブレーキ操作回路11をオン状態としている場合に巻上機ブレーキ装置5を待機状態とし、ブレーキ操作回路11をオフ状態とすることで巻上機ブレーキ装置5を制動状態とする。
ロープブレーキ制御部13は、電源監視部8や信号入力部9などからの信号によりエレベータの異常を検知した場合にロープブレーキ装置6を操作する。
第1操作リレー14、第2操作リレー15、第3操作リレー16は、ロープブレーキ制御部13とロープブレーキ装置6との間に設けられる。これらの機能については後述する。
ロープブレーキ制御部バッテリ17は、停電時にロープブレーキ制御部13の電源を短時間だけ補うための電力を蓄電する。
図2は、本発明の実施形態におけるエレベータのロープブレーキ制御回路の一例を示すブロック図である。
図2に示したロープブレーキ制御回路は、図1に示したロープブレーキ装置6の回路であり、ロープブレーキの復帰用モータ18、ソレノイド19、ブレーキ復帰接点20、ロープブレーキバッテリ21、復帰スイッチ22、常開接点23、常閉接点24、ブレーキスイッチ25を有する。
このロープブレーキ制御回路では、復帰用モータ18と復帰スイッチ22とで直列回路を構成し、この回路に対し、常閉接点24とブレーキスイッチ25とブレーキ復帰接点20とソレノイド19との直列回路が並列に接続される。
また、常閉接点24とブレーキスイッチ25とに対し常開接点23が並列に接続され、復帰スイッチ22と復帰用モータ18とに対しロープブレーキバッテリ21が並列に接続される。
また、ソレノイド19、ブレーキ復帰接点20、常開接点23、ロープブレーキバッテリ21で閉回路が構成され、復帰用モータ18、復帰スイッチ22、ロープブレーキバッテリ21で閉回路が構成される。
復帰用モータ18は、ロープブレーキ装置6の制動部を引き上げる。制動部が引き上げられると、ロープブレーキの状態はロープが把持されない待機状態となる。
ソレノイド19は、オン状態にある場合には、復帰用モータ18により引き上げた制動部の状態を機械的に維持し、オフ状態となった場合には、復帰用モータ18により引き上げた制動部の状態の維持が解除される。
ブレーキ復帰接点20は、ロープブレーキの制動部が待機位置に位置する、つまりロープを釈放した状態となった場合に閉じる。
ロープブレーキバッテリ21は、ソレノイド19のオン状態を一定時間、例えば停電時着床運転完了までの時間にわたって保持するための電力を蓄電する。
この停電時着床運転とは、停電発生時にバッテリ2に蓄電された電力を用いて乗りかごを通常運転時より低い速度で昇降させて最寄階に着床させる運転である。
復帰スイッチ22は、ロープブレーキの制動部分の位置をロープの把持位置から待機位置に引き戻すためのスイッチである。復帰スイッチ22は、ロープブレーキ制御部13が第3操作リレー16をオン状態とすることで閉じる。すると、ロープブレーキの制動部分の位置の状態は、ロープが把持される把持状態から待機状態に移行する。
尚、この復帰スイッチ22の開閉状態は、ロープブレーキ制御部13により切り換えてもよいし、手動により切り替えるようにしてもよい。
常開接点23は、第1操作リレー14に連動する接点である。第1操作リレー14の動作により、常開接点23は、ロープブレーキ制御部13が正常に動作している状態において、ロープブレーキを操作すべき異常状態を示す信号を信号入力部9から入力していない場合は閉じ、入力した場合は開く。
常閉接点24は、第2操作リレー15に連動する接点である。第2操作リレー15の動作により、常閉接点24は、ロープブレーキ制御部13が電源監視部8からの停電検出信号を入力していない場合は開き、入力した場合に閉じる。
ブレーキスイッチ25は、巻上機ブレーキ装置5が制動状態で無い場合は開いており、巻上機ブレーキ装置5が制動状態となった場合に閉じる。
図3は、本発明の実施形態におけるエレベータのロープブレーキの構成例を示す図である。
図3に示すように、ロープブレーキ装置6は、ソレノイド19、ブレーキシュー31、シュー押さえバネ32、トリガ33、トリガ爪34を有する。
復帰用モータ18に接続される歯車35は、ブレーキシュー31の下部に連なる歯36と噛み合っており、この歯車35が回転してブレーキシュー31がメインロープ37から離されることでロープブレーキが電動で復帰され、待機状態となる。
ソレノイド19にはトリガ33が取り付けられる。ブレーキシュー31は、メインロープ37を挟み込むように設けられ、このブレーキシュー31にシュー押さえバネ32およびトリガ爪34が取り付けられる。
トリガ33およびソレノイド19は、ロープブレーキ装置6のブレーキシュー31を開放状態に保持するために使用される。具体的には、ソレノイド19がオン状態の場合にトリガ33でトリガ爪34を保持させてブレーキシュー31が開放状態に保たれるようにしている。
また、ソレノイド19への電力供給が遮断されることで、トリガ33が開放してブレーキシュー31が動作して当該ブレーキシュー31がメインロープ37を挟み込む構成となっている。
非常時に動作する形態のロープブレーキ装置6では、常時動作する形態の巻上機ブレーキ装置5と比べて電力、ここではソレノイド19を保持する電力が小さくなるようにするため、シュー押さえバネ32に押されるブレーキシュー31はソレノイド19では直接駆動せずに、復帰用モータ18により当該ブレーキシュー31を開放し、トリガ33により開放状態を保持させることになる。
次に、図1から図3に示した構成のエレベータのロープブレーキの動作について説明する。図4および図5は、本発明の実施形態におけるエレベータのロープブレーキ動作の一例を示すフローチャートである。
初期状態として、エレベータシステムに異常がない、つまりエレベータの電源として通常時使用する商用電源が確立した状態で、かつ、エレベータ制御システムにも異常が無い状態であるとする。この場合、エレベータ制御部12は、モータ操作回路10やブレーキ操作回路11をオン状態としている。
エレベータシステムに異常がない場合、ロープブレーキ制御部13は第1操作リレー14をオン状態としている。第1操作リレー14がオン状態であると、図2に示した常開接点23は回路を閉じた状態であるので、この常開接点23と連なるソレノイド19はオン状態を保ち、ロープブレーキは待機状態を維持している(ステップS2)。また、このようにロープブレーキが待機状態である場合はブレーキ復帰接点20は閉じられている。
商用電源が確立している場合、エレベータ制御装置7の電源監視部8は電源異常を検出しない。ロープブレーキ制御部13は、電源監視部8からの電源異常の信号を入力していない場合には、第2操作リレー15をオン状態としている。この場合、常閉接点24は開いた状態となる。
この状態において、ロープブレーキ制御部13は、信号入力部9からの信号を入力することでエレベータに何らかの異常がある事を検出した場合には(ステップS3のYES)、第1操作リレー14をオフ状態とする(ステップS4)。すると常開接点23が開く(ステップS5)。
これにより、ソレノイド19はオフ状態となるので、ロープブレーキの待機状態が解除される(ステップS6)。すると、ロープブレーキ装置6のブレーキシュー31がメインロープ37を把持するので、エレベータが停止する(ステップS7)。
以後、前述したように商用電源が確立していて、エレベータに何らかの異常が検出されない状態で(ステップS3のNO)、エレベータの通常電源1が停電した場合の動作について説明する。
このように通常電源1が停電状態となった場合、電源回路3は、エレベータ各部に供給する電力源を通常電源1からバッテリ2に切り替えるが、この切り替えまでの短時間において、エレベータ各部に供給する電力は断たれることになる。
エレベータ制御部12は、停電発生直後に電源監視部8からの停電信号を入力する(ステップS8)。この場合、エレベータ制御部12は、モータ操作回路10やブレーキ操作回路11をオフ状態とすることで(ステップS9,S10)、モータ4の動作を停止させると共に巻上機ブレーキ装置5を制動状態とする(ステップS11,12)。巻上機ブレーキ装置5が制動状態となることでブレーキスイッチ25が閉じる(ステップS13)。
尚、停電によりエレベータ制御部12の電源も遮断されてエレベータの停止操作がなされない場合も考えられるが、停電によりエレベータ制御部12が停止した場合は、モータ操作回路10やブレーキ操作回路11がオフ状態となるため、結果的にエレベータは停止する。
また、停電により、電源回路3からロープブレーキ制御部13への電源供給も断たれるが、ロープブレーキ制御部13は、電源監視部8から停電信号を入力すると(ステップS14)、ロープブレーキ制御部バッテリ17から電力を取得して動作を維持する(ステップS15)。
そして、ロープブレーキ制御部13は、第2操作リレー15をオフ状態とする(ステップS16)。すると常閉接点24は閉じた状態となる(ステップS17)。
尚、このとき、信号入力部9からの信号は停電により不定な状態となるために、ロープブレーキ制御部13が、エレベータに何らかの異常があると検出することがあるが、本実施形態では、ロープブレーキ制御部13は、前述した停電信号の入力から一定時間が経過するまでは信号入力部9からの信号の状態に関わらず、第1操作リレー14を当初のオン状態に維持し、当該一定時間が経過した際に(ステップS18のYES)、第1操作リレー14をオフ状態にする(ステップS19)、これにより常開接点23が開く(ステップS20)。
ここで説明した一定時間とは、少なくとも、第2操作リレー15をオフ状態とする事にともなって常閉接点24が閉じた上で、エレベータ制御部12により巻上機ブレーキ装置5が制動状態となり、ブレーキスイッチ25が閉じるまでの時間に設定される。これにより、常閉接点24が閉じる前に常開接点23が開くことによるロープブレーキの不意な作動を防止できる。
また、停電により通常電源1からの図2に示したロープブレーキ回路への動作電源も遮断されるが、ロープブレーキバッテリ21からの電力によりロープブレーキ回路への電源は遮断されることなく連続して供給可能である。
このように、停電が発生してもソレノイド19に接続される回路のうち常閉接点24とブレーキスイッチ25との直列回路を閉じた状態が維持されることで、ソレノイド19はオン状態を継続し、ロープブレーキは待機状態を維持できる。
この間に、電源回路3は、バッテリ2によりエレベータ制御装置7およびエレベータシステム各部への給電を再開する。給電が再開すると(ステップS21のYES)、ロープブレーキ制御部13にもバッテリ2からの電源が供給される。この場合、エレベータの制御状態は通常の制御状態に復帰する。
通常の制御状態とは、ここでは信号入力部9からの異常検出条件が成立しないことを条件として、第1操作リレー14を当初のオン状態として常開接点23を閉じた状態とすると共に(ステップS22,S23)、第2操作リレー15も当初のオン状態として常閉接点24を開いた状態にして(ステップS24,S25)、通常のブレーキ制御状態に戻し、ロープブレーキ制御部13がエレベータの異常を検出した場合にロープブレーキを作動させることが出来る状態である。これにより、停電時着床運転の開始が可能な状態となり、エレベータ制御装置7は乗りかごの停電時着床運転を開始する(ステップS26)。
ここで、巻上機ブレーキ装置5が異常により制動状態とならなくなった場合には(ステップS27のYES)、ブレーキスイッチ25が開いた状態となるため(ステップS28)、常閉接点24とブレーキスイッチ25とからなる直列回路が開き、ソレノイド19への電力供給が断たれ、ソレノイド19がオフ状態となる(ステップS29)。この場合、ロープブレーキが制動状態となり(ステップS30)、エレベータ非常停止用のブレーキとして動作する(ステップS31)。
図6は、本発明の実施形態におけるエレベータの第1操作リレー14、常開接点23、第2操作リレー15、常閉接点24、ソレノイド19、ロープブレーキの状態の関係を表形式で示す図である。
図6に示した状態は、ブレーキ復帰接点20およびブレーキスイッチ25はともに閉じられている場合における状態である。
以上のように、本発明の実施形態におけるエレベータでは、ロープブレーキを待機状態に保つためのソレノイドに対し、停電を含む異常検出時でない場合のみ閉じる常開接点および停電時でない場合に開く常閉接点を接続し、停電発生時は常閉接点を閉じた上で常開接点を開くようにする。
よって、ロープブレーキを適用したエレベータシステムにおいて、停電発生時にロープブレーキ待機状態を維持することができるので、従来要していた、停電発生による停電時着床運転のためのロープブレーキ復帰のための動作が必要無くなるので、停電時着床運転を遅滞無く完了させることが可能となり、エレベータ利用者の不安を軽減できる。
また、停電発生による停電時着床運転のためのロープブレーキの復帰を不要とすることで、ロープブレーキの復帰のための一時的な電力増大が不要となることから、バッテリ容量を最低限とした安価なシステムを構築することが可能となる。
また、停電以外の異常検出時は、常開接点および常閉接点がともに開いた状態となってロープブレーキが把持状態となるので、停電時着床運転を行わない際の異常発生時の安全を確保できる。つまり、本発明の実施形態におけるエレベータでは、停電以外の異常発生時の安全の確保と、停電時着床運転時の利便性をともに実現することができる。
なお、この発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を省略してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
1…通常電源、2…バッテリ、3…電源回路、4…モータ、5…巻上機ブレーキ装置、6…ロープブレーキ装置、7…エレベータ制御装置、8…電源監視部、9…信号入力部、10…モータ操作回路、11…ブレーキ操作回路、12…エレベータ制御部、13…ロープブレーキ制御部、14…第1操作リレー、15…第2操作リレー、16…第3操作リレー、17…ロープブレーキ制御部バッテリ、18…復帰用モータ、19…ソレノイド、20…ブレーキ復帰接点、21…ロープブレーキバッテリ、22…ロープブレーキ復帰スイッチ、23…常開接点、24…常閉接点、25…巻上機ブレーキスイッチ、31…ブレーキシュー、32…シュー押さえバネ、33…トリガ、34…トリガ爪、35…歯車、36…歯、37…メインロープ。

Claims (5)

  1. 平常時に商用電源により動作して乗りかごを昇降させるための電源回路と、
    電力を蓄える蓄電装置と、
    前記商用電源の停電を検出する停電検出手段と、
    巻上機を制動動作する第1のブレーキ装置と、
    前記巻上機と異なる構造物との接触により前記乗りかごの制動動作を行なうための第2のブレーキ装置と、
    前記第2のブレーキ装置に接続されて、短絡時に当該第2のブレーキ装置による制動操作が無効となる第1の電気回路と、
    前記第1の電気回路の並列回路であって、前記第2のブレーキ装置に接続されて、短絡時に当該第2のブレーキ装置による制動操作が無効となる第2の電気回路と、
    平常時には、前記第1の電気回路を短絡して前記第2の電気回路を開放することで前記第2のブレーキ装置による制動動作を無効とし、停電以外の異常発生時には、前記第2の電気回路を開放した状態のまま前記蓄電装置に蓄電された電力を用いて前記第1の電気回路を開放することで前記第2のブレーキ装置による制動動作を有効とし、前記停電検出手段による停電検出時には、前記蓄電装置に蓄電された電力を用いて前記第2の電気回路を短絡することで前記第2のブレーキ装置による制動動作を無効とするロープブレーキ制御手段と、
    前記ロープブレーキ制御手段による前記第2のブレーキ装置による制動動作を無効とする動作がなされた場合に、前記蓄電装置に蓄電された電力を用いて前記乗りかごを通常運転時より低い速度で昇降させて最寄階に着床させる運転制御手段と
    を備えたことを特徴とするエレベータ。
  2. 前記第2の電気回路は、
    前記停電検出手段による停電検出時でない場合に前記ロープブレーキ制御手段により開放し、前記停電検出手段による停電検出時に前記ロープブレーキ制御手段により短絡する第1のスイッチと、
    前記第1のブレーキ装置が正常に作動している場合に短絡し、前記第1のブレーキ装置が正常に作動していない場合に開放する第2のスイッチとを有する
    ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ。
  3. 平常時にオン状態であって、異常発生時に前記ロープブレーキ制御手段によりオフ状態となる第1のリレースイッチと、
    平常時にオン状態であって、前記停電検出手段による停電検出時に前記ロープブレーキ制御手段によりオフ状態となる第2のリレースイッチとを備え、
    前記第1の電気回路は、前記第1のリレースイッチがオン状態である場合に短絡して、前記第1のリレースイッチがオフ状態となった場合に開放し、
    前記第2の電気回路は、前記第2のリレースイッチがオン状態である場合に開放して、前記第2のリレースイッチがオフ状態となった場合に短絡する
    ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ。
  4. 前記第2のリレースイッチは、前記停電検出手段による停電検出時に前記ロープブレーキ制御手段によりオフ状態となることで前記第2の電気回路を短絡し、
    前記第1のリレースイッチは、前記停電検出手段による停電検出時は、前記第2の電気回路が前記ロープブレーキ制御手段により短絡するまでオン状態を維持することで前記第1の電気回路の短絡を維持する
    ことを特徴とする請求項3に記載のエレベータ。
  5. 前記第2のリレースイッチは、前記停電検出手段による停電検出時に前記ロープブレーキ制御手段によりオフ状態となることで前記第2の電気回路を短絡し、
    前記第1のリレースイッチは、前記停電検出手段による停電検出時は、前記第2の電気回路が前記ロープブレーキ制御手段により短絡して前記第1のブレーキ装置による制動動作がなされるまでオン状態を維持することで前記第1の電気回路の短絡を維持する
    ことを特徴とする請求項3に記載のエレベータ。
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