JP2010004880A - ビソクラミス属に属する菌類の検出方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】特定の塩基配列若しくはその相補配列、又は当該塩基配列若しくはその相補配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつビソクラミス属に属する菌類の検出に使用できる塩基配列で表される核酸を用いてビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の同定を行うことを特徴とするビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の検出方法。
【選択図】なし
Description
本発明者等は、この問題を克服し特定の耐熱性菌類を特異的に検出・識別しうる新たなDNA領域を探索すべく、鋭意検討を行った。その結果、ビソクラミス属に属する菌類のβ−チューブリン遺伝子中に、他の菌類のものとは明確に区別しうる、特異的な塩基配列を有する領域(以下、「可変領域」ともいう)が存在することを見い出した。また、この可変領域をターゲットとすることで、上記ビソクラミス属に属する菌類を特異的かつ迅速に検出・識別できることを見い出した。本発明はこの知見に基づき完成するに至った。
(c)配列番号3に記載の塩基配列若しくはその相補配列、又は当該塩基配列若しくはその相補配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつビソクラミス属に属する菌類の検出に使用できる塩基配列
また、本発明は、ビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の検出に用いるための前記(c)の塩基配列で表されるDNAに関するものである。
また、本発明は、前記(c)の塩基配列で表される核酸にハイブリダイズすることができ、ビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類を特異的に検出するための核酸プローブ又は核酸プライマーとして機能し得るビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の検出用オリゴヌクレオチドに関するものである。
また、本発明は、下記の(a)及び(b)で示されたビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類検出用オリゴヌクレオチド対に関するものである。
(a)配列番号1に記載の塩基配列若しくはその相補配列、又は当該塩基配列若しくはその相補配列に対して70%以上の相同性を有しかつ検出用オリゴヌクレオチドとして使用できる塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド
(b)配列番号2に記載の塩基配列若しくはその相補配列、又は当該塩基配列若しくはその相補配列に対して70%以上の相同性を有しかつ検出用オリゴヌクレオチドとして使用できる塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド
また、本発明は、前述したオリゴヌクレオチド又はオリゴヌクレオチド対を含むビソクラミス属に属する菌類検出用のキットに関するものである。
本発明は、ビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類のβ−チューブリン遺伝子の部分塩基配列、すなわちビソクラミス属に属する菌類のβ−チューブリン遺伝子領域中におけるビソクラミス属に特異的な領域(可変領域)の塩基配列で表される核酸を用いてビソクラミス属に属する菌類の同定を行い、ビソクラミス属に属する菌類を特異的に識別・検出する方法である。
本発明における「ビソクラミス属に属する菌類」とは、マユハキタケ科(Trichocomaceae)に属する不整子嚢菌類を意味する。ビソクラミス属に属する菌類は、75℃、30分間の加熱処理後であっても生存可能な子のう胞子を形成する耐熱性菌類である。ビソクラミス属に属する菌類の例として、ビソクラミス ファルバ(Byssochlamys fulva)、ビソクラミス ニベア(Byssochlamys nivea)が挙げられる。
(c)配列番号3に記載の塩基配列若しくはその相補配列、又は当該塩基配列若しくはその相補配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつビソクラミス属に属する菌類の検出に使用できる塩基配列
発明者らは、ビソクラミス属に属する菌類及びビソクラミス属に属する菌類に近縁な菌類から種々のβ−チューブリン遺伝子の塩基配列を同定し、ビソクラミス属と近縁な属とビソクラミス属との間、及びビソクラミス属内での遺伝的距離の解析を行った。さらに、決定した各種のβ−チューブリン遺伝子配列の相同性解析をおこなった。その結果、当該配列中にビソクラミス属に属する菌類に固有の塩基配列を有する可変領域を見出した。この可変領域において、ビソクラミス属に属する菌類は固有の塩基配列を有しているため、ビソクラミス属に属する菌類を識別・同定することが可能となる。本発明は、この可変領域及び可変領域に由来する核酸、オリゴヌクレオチドをターゲットとしたものである。
以下、前記(c)の塩基配列を「本発明の可変領域の塩基配列」ともいう。
塩基配列を解析・決定する方法としては特に限定されず、通常行われているRNA又はDNAシークエンシングの手法を用いることができる。
具体的には、マクサム−ギルバート法、サンガー法等の電気泳動法、質量分析法、ハイブリダイゼーション法等が挙げられる。サンガー法においては、放射線標識法、蛍光標識法等により、プライマー又は、ターミネーターを標識する方法が挙げられる。
本発明の検出用オリゴヌクレオチドは、ビソクラミス属に属する菌類の検出に使用できるものであればよい。すなわち、ビソクラミス属に属する菌類の検出のための核酸プライマーや核酸プローブとして使用できるものや、ストリンジェントな条件でビソクラミス属に属する菌類のβ−チューブリン遺伝子の可変領域の塩基配列にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドであれば良い。なお、ここで、「ストリンジェントな条件」としては、例えば後述の条件が挙げられる。
上記(1)において「ビソクラミス属に属する菌類に固有の遺伝子の塩基配列が10塩基前後連続して現れる領域」とは、前記本発明のβ−チューブリン遺伝子の可変領域の中でも、異なる属間での塩基配列の保存性が特に低く(すなわち、ビソクラミス属に属する菌類の特異性が特に高く)、10塩基前後にわたってビソクラミス属に属する菌類に固有の塩基配列が連続して現れる領域を意味する。
また、上記(3)において「オリゴヌクレオチドの自己アニールの可能性が低い」とは、プライマーの塩基配列からプライマー同士が結合しないことが予想されることを言う。
本発明の検出用オリゴヌクレオチドの塩基数としては、特に限定されないが、13塩基〜30塩基であることが好ましく、18塩基〜23塩基であることがより好ましい。ハイブリダイズ時のオリゴヌクレオチドのTm値は、55℃〜65℃の範囲内であることが好ましく、59℃〜62℃の範囲内であることがより好ましい。オリゴヌクレオチドのGC含量は、30%〜80%が好ましく、45%〜65%がより好ましく、55%前後であることが最も好ましい。
(a)配列番号1に記載の塩基配列若しくはその相補配列、又は当該塩基配列若しくはその相補配列に対して70%以上の相同性を有しかつ検出用オリゴヌクレオチドとして使用できる塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド
(b)配列番号2に記載の塩基配列若しくはその相補配列、又は当該塩基配列若しくはその相補配列に対して70%以上の相同性を有しかつ検出用オリゴヌクレオチドとして使用できる塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド
また、本発明の検出用オリゴヌクレオチドには、ビソクラミス属に属する菌類の検出に使用できるものであれば、配列番号1又は2に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドに対して、塩基の欠失、挿入あるいは置換といった変異や、修飾が施されたオリゴヌクレオチドも包含される。また、本発明のオリゴヌクレオチドには、配列番号1又は2に記載の塩基配列に対して、塩基の欠失、挿入あるいは置換といった変異や、修飾が施された塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドで、ビソクラミス属に属する菌類の検出のための核酸プライマーや核酸プローブとしてビソクラミス属に属する菌類の検出に使用できるものや、ストリンジェントな条件でビソクラミス属に属する菌類のβ−チューブリン遺伝子にハイブリダイズ可能な塩基配列でもよい。なお、ここで、「ストリンジェントな条件」としては、例えばMolecular Cloning−A LABORATORY MANUAL THIRD EDITION[Joseph Sambrook, David W. Russell., Cold Spring Harbor Laboratory Press]記載の方法が挙げられ、例えば、6×SSC(1×SSCの組成:0.15M塩化ナトリウム、0.015Mクエン酸ナトリウム、pH7.0)、0.5%SDS、5×デンハート及び100mg/mLニシン精子DNAを含む溶液にプローブとともに65℃で8〜16時間恒温し、ハイブリダイズさせる条件が挙げられる。そのような塩基の欠失、挿入あるいは置換といった変異や、修飾が施されたオリゴヌクレオチドとしては配列番号1又は2に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドにおいて1又は数個、好ましくは1から5個、より好ましくは1から4個、さらに好ましくは1から3個、よりさらに好ましくは1から2個、特に好ましくは1個の塩基の欠失、挿入あるいは置換といった変異や、修飾されたオリゴヌクレオチドも包含される。また、配列番号1又は2に記載の塩基配列に、適当な塩基配列を付加してもよい。塩基配列の相同性については、Lipman−Pearson法(Science,227,1435,1985)等によって計算される。具体的には、遺伝情報処理ソフトウェアGenetyx−Win(ソフトウェア開発製)のホモロジー解析(Search homology)プログラムを用いて、パラメーターであるUnit size to compare(ktup)を2として解析を行うことにより算出することができる。
前記(a)及び(b)で示されたオリゴヌクレオチドは、配列番号3に記載の塩基配列のうち、それぞれ33位から52位まで、159位から178位までの領域に対応する。したがって、前記オリゴヌクレオチドをビソクラミス属に属する菌類のβ−チューブリン遺伝子にハイブリダイズさせることによって、ビソクラミス属に属する菌類を特異的に検出することができる。
(a1)配列番号1に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は当該塩基配列に対して70%以上の相同性を有しかつ検出用オリゴヌクレオチドとして使用できる塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド
(b1)配列番号2に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は当該塩基配列に対して70%以上の相同性を有しかつ検出用オリゴヌクレオチドとして使用できる塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド
上記検出用オリゴヌクレオチドの結合様式は、天然の核酸に存在するホスホジエステル結合だけでなく、例えばホスホロアミデート結合、ホスホロチオエート結合等であってもよい。
このようにして標識化された本発明の検出用オリゴヌクレオチドを、通常の方法により検査対象物から抽出された核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズさせた後、ハイブリダイズした検出用オリゴヌクレオチドの標識を測定することでビソクラミス属に属する菌類を検出することができる。ここで、ストリンジェントな条件としては、前述した条件を挙げることができる。また、核酸とハイブリダイズした核酸プローブの標識を測定する方法としては、通常の方法(FISH法、ドットブロット法、サザンブロット法、ノーザンブロット法等)を用いることができる。
本発明の核酸プライマーは、前記オリゴヌクレオチドをそのまま核酸プライマーとして用いることもできるし、前記オリゴヌクレオチドを標識物で標識化して核酸プライマーとして用いることができる。標識物及び標識方法の例としては、核酸プローブの場合と同様のものが挙げられる。
配列番号3に記載の塩基配列において、33位から178位までの塩基数は146塩基である。したがって、被検体にビソクラミス属に属する菌類が含まれる場合、前記(a)及び(b)のオリゴヌクレオチド対をプライマーセットとして使用してPCR反応を行い、得られたPCR反応産物について電気泳動を行うと、ビソクラミス属に属する菌類に特異的な約150bpのDNA断片の増幅が認められる。この操作を行うことにより、ビソクラミス属に属する菌類を検出することができる。
被検体からDNAを調製する方法としては、耐熱性菌類の検出を行うのに十分な精製度及び量のDNAが得られるのであれば特に制限されず、通常の方法や市販の調製用キットを用いることができる。また、被検体中のRNAを逆転写して得られるDNAを用いることもできる。
1.βチューブリン部分長の塩基配列決定
下記の方法によりビソクラミス属各種のβ−チューブリン遺伝子の塩基配列を決定した。ポテトデキストロース寒天斜面培地にて30℃、7日間、暗所培養したビソクラミス属菌体からGenとるくんTM(タカラバイオ(株)社製)を使用し、DNAを抽出した。目的とする部位のPCR増幅は、PuRe TaqTM Ready-To-Go PCR Beads(GE Health Care UK LTD製)を用いて、プライマーとしてBt2a(5’-GGTAACCAAATCGGTGCTGCTTTC-3’:配列番号4)、Bt2b(5’-ACCCTCAGTGTAGTGACCCTTGGC-3’:配列番号5)(Glass and Donaldson,Appl Environ Microbiol 61:1323−1330,1995)を使用した。増幅条件は、βチューブリン部分長は変性温度95℃、アニーリング温度59℃、伸長温度72℃、35サイクルで実施した。PCR産物は、Auto SegTM G−50(Amersham Pharmacia Biotech社製)を使用し精製した。PCR産物は、BigDye terminator Ver. 1.1(商品名:Applied Biosystems社製)を使用してラベル化し、ABI PRISM 3130 Genetic Analyzer(Applied Biosystems社製)で電気泳動を実施した。電気泳動時の蛍光シグナルからの塩基配列の決定には、ソフトウエアー“ATGC Ver.4”(Genetyx社製)を使用した。
シークエンシング法により決定したビソクラミス ニベアや各種菌類の公知のβ−チューブリン遺伝子の塩基配列情報をもとに、DNA解析ソフトウエア(商品名:DNAsis pro、日立ソフトウエア社製)を用いてアライメント解析を行い、ビソクラミス属に属する菌類に特異的な塩基配列を含有するβ−チューブリン遺伝子の中の特定領域(配列番号3)を決定した。
(1)プライマーの設計
上記で得られたビソクラミス属に属する菌類に特異的な塩基配列領域のうち、3’末端側でタラロマイセス属に属する菌類の特異性が特に高い領域から、1)属固有の塩基配列が数塩基前後存在している、2)GC含量が概ね30%〜80%となる、3)自己アニールの可能性が低い、4)Tm値が概ね55〜65℃程度となる、の4つの条件を満たす部分領域の検討を行った。この塩基配列を基にして1組のプライマー対を設計し、各種菌体から抽出したDNAを鋳型として用いてPCR反応によるビソクラミス属検出及び属同定の有効性を検討した。すなわち、ビソクラミス属DNAを鋳型とした反応では約150bpにDNA増幅反応が認められ、その他のカビのゲノムDNAを鋳型とした反応では増幅産物が認められないことの検討を行った。その結果、ビソクラミス ニベア及びビソクラミス ファルバで特異的に約150bpにDNA増幅が認められ、その他のカビのゲノムDNAを鋳型とした反応では増幅産物が認めらかった。この結果より、ビソクラミス属の網羅的な検出、すなわちビソクラミス属の属レベルでの同定が可能であることを確認した。有効性が確認できたプライマー対は、配列番号1及び2に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドからなるプライマー対である。なお、使用したプライマーはシグマ アルドリッチ ジャパン社に合成依頼し(脱塩精製品、0.02μmolスケール)、購入した。
設計したプライマーの有効性の評価に用いる真菌類、すなわちビソクラミス属とその他の耐熱性カビ及び一般カビとしては、表1及び表2に記載の菌を使用した。これらの菌類は千葉大学医学部真菌医学研究センターが保管し、IFMナンバーなどにより管理されているものを入手し、使用した。
各菌体を至適条件下で培養した。培養条件についてはポテトデキストロース培地(商品名:パールコア ポテトデキストロース寒天培地、栄研化学株式会社製)を用いて指摘温度、すなわち一般カビは25℃、耐熱性カビ及びアスペルギルス フミガタスは30℃で7日間培養した。
各菌体を寒天培地から白金耳を用いて回収した。
ゲノムDNA調製用キット(商品名 PrepMan ultra、アプライドバイオシステムズ社製)を用いて、回収した菌体からゲノムDNA溶液を調製した。DNA溶液の濃度は50ng/μlに調製した。
DNAテンプレートとして、上記で調製したゲノムDNA溶液1μl、Pre Mix Taq(商品名、タカラバイオ社製)13μl、無菌蒸留水10μlを混合し、配列番号1に記載の塩基配列で表されるプライマー(0.02pmol/μl)0.5μl及び配列番号2に記載の塩基配列で表されるプライマー(0.02pmol/μl)0.5μlを加え、25μlのPCR反応液を調製した。
PCR反応液について、自動遺伝子増幅装置サーマルサイクラーDICE(タカラバイオ)を用いて遺伝子増幅処理を行った。PCR反応条件は、(i)95℃、1分間の熱変性反応、(ii)59℃、1分間のアニーリング反応、及び(iii)72℃、1分間の伸長反応を1サイクルとしたものを35サイクル行った。
PCR反応後、PCR反応液から2μlを分取し、2%アガロースゲルで電気泳動を行い、SYBR Safe DNA gel stain in 1×TAE(インビトロジェン)でDNAを染色後、増幅されたDNA断片の有無を確認した。アガロースゲルの電気泳動図を図1(a)及び図1(b)に示す。なお、図1(a)は表1に示す菌類の試料についての電気泳動図を示し、図1(b)は表2に示す菌類の試料についての電気泳動図を示す。図中の番号は表記載の対応する試料番号の試料から抽出したDNAを用いて反応を行ったサンプルであることを示している。
その結果、ビソクラミス属に属する菌類のゲノムDNAを含む試料(図2の1〜4レーン)では、150bp程度の遺伝子断片の増幅が確認された。一方、ビソクラミス属に属する菌類のゲノムDNAを含まない試料では、遺伝子断片の増幅は確認されなかった。以上の結果から、本発明のオリゴヌクレオチドを用いることによって、ビソクラミス属に属する菌類を特異的に検出することができる。
ビソクラミス属に属する菌類の検出
(1)プライマー
実施例1で設計した、配列番号1及び2に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドからなるプライマーを使用した。
前記(a)及び(b)のオリゴヌクレオチドのビソクラミス属に属する菌類に対する検出特異性を確かめるために、図2に示すビソクラミス ファルバの各菌株及び図3に示すビソクラミス ニベアの各菌株を使用した。これらの菌類は独立行政法人製品製品評価技術基盤機構によりNBRC番号で管理されているもの及びThe Centraalbureau voor SchimmelculturesによりCBS番号で管理されているもの等を入手し、使用した。
各菌体を至適条件下で培養した。培養条件についてはポテトデキストロース培地(商品名:パールコア ポテトデキストロース寒天培地、栄研化学株式会社製)を用いて30℃で14日間培養した。
各菌体を寒天培地から白金耳を用いて回収した。
ゲノムDNA調製用キット(商品名 PrepMan ultra、アプライドバイオシステムズ社製)を用いて、回収した菌体からゲノムDNA溶液を調製した。DNA溶液の濃度は50ng/μlに調製した。
DNAテンプレートとして、上記で調製したゲノムDNA溶液1μl、Pre Mix Taq(商品名、タカラバイオ社製)13μl、無菌蒸留水10μlを混合し、配列番号1に記載の塩基配列で表されるプライマー(0.02pmol/μl)0.5μl及び配列番号2に記載の塩基配列で表されるプライマー(0.02pmol/μl)0.5μlを加え、25μlのPCR反応液を調製した。
PCR反応液について、自動遺伝子増幅装置サーマルサイクラーDICE(タカラバイオ)を用いて遺伝子増幅処理を行った。PCR反応条件は、(i)95℃、1分間の熱変性反応、(ii)59℃、1分間のアニーリング反応、及び(iii)72℃、1分間の伸長反応を1サイクルとしたものを35サイクル行った。
PCR反応後、PCR反応液から4μlを分取し、2%アガロースゲルで電気泳動を行い、SYBR Safe DNA gel stain in 1×TAE(インビトロジェン)でDNAを染色後、増幅されたDNA断片の有無を確認した。アガロースゲルの電気泳動図を図2及び図3に示す。なお、図2はビソクラミス ファルバの各菌株の試料についての電気泳動図を示し、図3はビソクラミス ニベアの各菌株の試料についての電気泳動図を示す。
その結果、使用したビソクラミス ファルバ及びビソクラミス ニベアの全ての菌株において、特異的な増幅DNA断片が確認された。したがって、本発明のオリゴヌクレオチドを用いることによって、菌株の種類に左右されることなくビソクラミス属に属する菌類を高い精度で特異的に検出することができることがわかる。
Claims (16)
- 下記(c)の塩基配列で表される核酸を用いてビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の同定を行うことを特徴とするビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の検出方法。
(c)配列番号3に記載の塩基配列若しくはその相補配列、又は当該塩基配列若しくはその相補配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつビソクラミス属に属する菌類の検出に使用できる塩基配列 - 同定を行うために、被検菌のβ‐チューブリン遺伝子領域の塩基配列を決定し、該領域の塩基配列中に前記(c)の塩基配列が含まれるか否かを確認することを特徴とする請求項1記載のビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の検出方法。
- 同定を行うために、前記(c)の塩基配列で表される核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする検出用オリゴヌクレオチドを標識化し、得られた検出用オリゴヌクレオチドを検査対象物より抽出した核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズさせ、ハイブリダイズした検出用オリゴヌクレオチドの標識を測定することを特徴とする請求項1記載のビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の検出方法。
- 同定を行うために、前記(c)の塩基配列で表される核酸中の一部又は全部の領域からなる核酸を遺伝子増幅し、増幅産物の有無を確認することを特徴とする請求項1記載のビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の検出方法。
- 前記増幅反応をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法によって行うことを特徴とする請求項4記載のビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の検出方法。
- 前記(c)に記載の塩基配列で表される核酸中の領域であって、下記の(1)〜(4)の4つの条件を満たす領域にハイブリダイズすることができるオリゴヌクレオチドを、核酸プライマーとして用いて遺伝子増幅反応を行うことを特徴とする請求項5記載の検出方法。
(1)ビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類に固有の遺伝子の塩基配列が10塩基前後連続して現れる領域を含む
(2)オリゴヌクレオチドのGC含量が30%〜80%となる
(3)オリゴヌクレオチドの自己アニールの可能性が低い
(4)オリゴヌクレオチドのTm値が55℃〜65℃となる - 下記(a)及び/又は(b)のオリゴヌクレオチドを検出用オリゴヌクレオチドとして用いることを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項記載のビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の検出方法。
(a)配列番号1に記載の塩基配列若しくはその相補配列、又は当該塩基配列若しくはその相補配列に対して70%以上の相同性を有しかつ検出用オリゴヌクレオチドとして使用できる塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド
(b)配列番号2に記載の塩基配列若しくはその相補配列、又は当該塩基配列若しくはその相補配列に対して70%以上の相同性を有しかつ検出用オリゴヌクレオチドとして使用できる塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド - 前記検出用オリゴヌクレオチドを核酸プローブ又は核酸プライマーとして用いることを特徴とする請求項7記載のビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の検出方法。
- 前記(a)及び(b)のオリゴヌクレオチドを核酸プライマー対として用いることを特徴とする請求項7記載のビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の検出方法。
- 下記(a’)及び/又は(b’)のオリゴヌクレオチドを核酸プライマーとして用いることを特徴とする、ビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の検出方法。
(a’)配列番号1に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド
(b’)配列番号2に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド - ビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の検出に用いるための、下記(c)の塩基配列で表されるDNA。
(c)配列番号3に記載の塩基配列若しくはその相補配列、又は当該塩基配列若しくはその相補配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつビソクラミス属に属する菌類の検出に使用できる塩基配列 - 下記(c)の塩基配列で表される核酸にハイブリダイズすることができ、ビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類を特異的に検出するための核酸プローブ又は核酸プライマーとして機能し得るビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の検出用オリゴヌクレオチド。
(c)配列番号3に記載の塩基配列若しくはその相補配列、又は当該塩基配列若しくはその相補配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加されておりかつビソクラミス属に属する菌類の検出に使用できる塩基配列 - 前記検出用オリゴヌクレオチドが、前記(c)に記載の塩基配列で表される核酸中の領域であって、下記の(1)〜(4)の4つの条件を満たす領域にハイブリダイズすることができるオリゴヌクレオチドであることを特徴とする請求項12記載のビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類検出用オリゴヌクレオチド。
(1)ビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類に固有の遺伝子の塩基配列が10塩基前後連続して現れる領域を含む
(2)オリゴヌクレオチドのGC含量が30%〜80%となる
(3)オリゴヌクレオチドの自己アニールの可能性が低い
(4)オリゴヌクレオチドのTm値が55℃〜65℃となる - 前記検出用オリゴヌクレオチドが、配列番号1〜2のいずれかに記載の塩基配列若しくはその相補配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は当該塩基配列若しくはその相補配列に対して70%以上の相同性を有しかつ核酸プローブ又は核酸プライマーとして使用できる塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドであることを特徴とする請求項12又は13記載のビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の検出用オリゴヌクレオチド。
- 下記の(a)及び(b)で示されたビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類検出用オリゴヌクレオチド対。
(a)配列番号1に記載の塩基配列若しくはその相補配列、又は当該塩基配列若しくはその相補配列に対して70%以上の相同性を有しかつ検出用オリゴヌクレオチドとして使用できる塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド
(b)配列番号2に記載の塩基配列若しくはその相補配列、又は当該塩基配列若しくはその相補配列に対して70%以上の相同性を有しかつ検出用オリゴヌクレオチドとして使用できる塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド - 下記(a)及び(b)のオリゴヌクレオチドを核酸プライマーとして含むビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類検出用キット。
(a)配列番号1に記載の塩基配列若しくはその相補配列、又は当該塩基配列若しくはその相補配列に対して70%以上の相同性を有しかつ検出用オリゴヌクレオチドとして使用できる塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド
(b)配列番号2に記載の塩基配列若しくはその相補配列、又は当該塩基配列若しくはその相補配列に対して70%以上の相同性を有しかつ検出用オリゴヌクレオチドとして使用できる塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド
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