JP2010002782A - 光走査装置及び該光走査装置を用いた画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来の光走査装置では、捻り梁に加えることができる上下動は微少であり、立ち上がり時間の短縮は充分ではなかった。
【解決手段】 基板100に設けられた支持部により支持されたミラー130を揺動させ、光源403からの光をミラー130より反射させて走査させる光走査装置であって、基板上に設けられ、その基板100に板波を発生させるための振動源110と、振動源110を駆動する駆動回路200と、駆動回路200による振動源110の駆動を制御すると共に、ミラー130を揺動させる駆動の立ち上げ時、基板100に通常駆動時とは異なる板波を発生させるように駆動回路200を制御する制御部400とを有する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、例えばレーザビームプリンタやディスプレイ等に用いられる光走査装置及び該光走査装置を用いた画像形成装置に関するものである。
従来から、レーザービームプリンタやディスプレイ等に用いられる光走査装置において、ガルバノミラーやポリゴンミラーにより光ビームを走査させる機構が知られている。また、シリコンプロセスを使ったMEMS技術によるマイクロミラーも用いられ、その駆動方法として電磁駆動、静電駆動、圧電駆動など幾つかの方法が提案され、実用化されている。
一方、これらとは異なる駆動方式の光走査装置として、板波を利用したものが提案されている(特許文献1)。この方式は、基板に捩れ梁を設け、そこにミラー部を支持し、その状態で基板に板波を発生させると、この板波により捩れ梁を介してミラー部に捩れ振動が励起され、ミラー部により反射された光ビームが走査するというものである。この駆動方式は構造が簡単で、プレス加工による金属板を基板として使用できるため光走査装置の低コスト化が可能な技術として注目されている。
図1は、この駆動方式を説明する図である。
基板10は、捻り梁12と、この梁12の支持部19を有し、捻り梁12にはミラー部13が形成されている。この基板10を固定部材16に固定し、基板10上に設けられた圧電膜(圧電素子)11を振動させて基板10に板波を発生させ、ミラー部13に回転振動を励起する。図中のxは、捻り梁12の中心軸を示しており、この中心軸12は板波の節14からずれた位置に設定されている。
ここで基板10の厚みは50μm程度、ミラー部13の長手方向の長さは約1mm、梁12の幅は約100μmmで、基板10の最大長さが10mm以下と小型である。圧電膜11は、20KHzを超える周波数で振動するとき、ミラー部13の振れ角は約40°となっている(非特許文献1参照)。
上記方式では、基本的に、捩れ梁12と基板10との接続位置と、基板に発生した板波の節14の位置とを一致させて、ミラー部13には捻り振動のみを励起するのが理想的であるが、その構造上、捻り振動の立ち上げに非常に時間がかかる。即ち、圧電膜11の振動を開始してからミラー部13の振動が正規の振動状態に到達するまでの時間が長くなる。そこで、この立ち上がり時間を短縮するために、ミラー部13の重心を捻り梁12の位置から若干ずらしている。
特開2006−293116号公報 Jae-Hyuk Park, et al.,MEMS 2006,Istanbul, 19th IEEE Int. Conf.,pp730-733
捻り梁12の振動、即ち、ミラー部13の回転軸の変動は、プリンタやディスプレイ用途において表示品質や印刷品質の低下を招く大きな問題となる。それを考慮すると、従来の光走査装置において、捻り梁12に加えることができる上下動は微少であり、立ち上がり時間の短縮は充分ではなかった。
また基板10に金属板などを用いた場合は、金属板はシリコン基板に比べて降伏応力が小さく、回転振幅を大きくすると疲労などにより特性が劣化し易いという問題もある。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決することにある。
本発明の特徴は、ミラー回転軸の変動を抑えながら、立ち上がり時間の短い、特性の安定した光走査装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の一態様に係る光走査装置は以下のような構成を備える。即ち、
基板に設けられた支持部により支持されたミラー部を揺動させ、光源からの光を当該ミラー部により反射させて走査させる光走査装置であって、
前記基板を前記ミラー部が設けられた側の反対側端部で固定する固定部材と、
前記基板上に設けられ当該基板に板波を発生させるための振動源と、
前記振動源を駆動する駆動手段と、
前記駆動手段による前記振動源の駆動を制御すると共に、前記ミラー部を揺動させる駆動の立ち上げ時、通常駆動時とは異なる板波を前記基板に発生させるように前記駆動手段を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする。
上記目的を達成するために本発明の一態様に係る光走査装置は以下のような構成を備える。即ち、
基板に設けられた支持部により支持されたミラー部を揺動させ、光源からの光を当該ミラー部により反射させて走査させる光走査装置であって、
前記基板を前記ミラー部が設けられた側の反対側端部で固定する固定部材と、
前記基板上に設けられ当該基板に板波を発生させるための第1及び第2の振動源と、
前記第1及び第2の振動源を駆動する駆動手段と、
前記駆動手段による前記第1及び第2の振動源の駆動を制御すると共に、前記ミラー部を揺動させる駆動の立ち上げ時、前記駆動手段により前記第1及び第2の振動源を駆動するように制御する制御手段と、
を有することを特徴とする。
本発明によれば、ミラー部を揺動させる駆動の立ち上げ時に、定常作動時に必要とされる振動とは異なる振動を基板に与えることにより、ミラーの回転振動の立ち上げに要する時間を短縮できる。
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。以下の説明では、振動源として圧電素子を用いるが、本発明はこれに限定されるものではなく、磁歪素子や、磁石を配置した電磁駆動などであってもよい。尚、以下の説明で使用される基板や振動源である圧電素子の材質や寸法、形成方法などについては、特許文献1に記載されているものを同様に適用できるが、本発明はそれに限定されないことはもちろんである。
[実施形態1]
図2は、本実施形態1に係る光走査装置のミラーを振動させるミラー振動部1の構成を説明する図で、図2(A)は、このミラー振動部1の上面図、図2(B)は、このミラー振動部1を駆動する原理を説明する図である。
図2(A)において、100は基板、110は基板上に設けられた圧電素子(圧電膜)、120はミラー130が取り付けられている梁を示している。160は、この基板100を、ミラー130が取り付けられている側の反対側端部で光走査装置に固定するための固定部である。尚、これら基板100、圧電素子110、梁120、ミラー130は、上述した基板10、圧電膜11、梁12、ミラー部13と原理的に同様である。またここでは、圧電素子110の中心とミラー130の重心中心とを略一致させている。
図2(B)において、200は圧電素子110の駆動回路を示している。この駆動回路200により圧電素子110を所定の周波数で電圧を印加して駆動する。この電圧の印加により圧電素子110が伸縮して図2(B)の上下方向に基板100を振動させる。尚、この圧電素子110は、基板100上に直接形成された圧電膜であると基板100の板波の励起効率をより良くすることができる。この圧電素子110は、図2(A)において圧電素子110の上側に正の電圧を印加すると圧電素子110は伸び、負の電圧を印加すると縮むように構成されている。これにより基板100上で板波が発生し、基板100の一端が固定部160により固定されているため、その板波の振動エネルギーが梁120で支持されたミラー130を揺動させ、より効率的にミラー130に回転モーメントを与えることができる。
図3は、本実施形態1に係る、圧電素子110の振動によって基板100に発生された板波による基板100の変形とミラー130の回転振動の様子を説明する図である。
この図では、基板100の長さ方向をx軸、基板100の厚み方向をz軸とし、z軸方向のスケールをx軸に比べて大きくして描画している。ここでは基板100とミラー130の交点が梁120の位置、即ち、ミラー130の回転軸としている。またミラー130の回転軸の中心を板波の節に一致させている。図において、実線と点線は、夫々、圧電素子110に正と負の電圧が印加されたときの最大振幅時の状態を示している。
図4(A)(B)は、基板に発生する板波の波長と、板波の節の位置との関係を示す図である。
いま板波の波長をλとすると、板波の節は基板100の開放端(図1の基板100の左端)からλ/4の位置にある。
図4(A)は、板波の波長をλ'としたとき、距離λ'/4と、基板100の端からミラー130の回転軸の位置までの距離dとが一致しない場合を示している。この場合は、ミラー130の回転軸は、z軸方向に±Δz変動する。
図4(B)は、板波の波長をλとしたとき、距離λ/4と、基板100の端からミラー130の回転軸の位置までの距離dとが一致している場合を示している。
この場合は、d=(2n−1)×λ/4[n=1,2,...]の関係が満たされ、図4(B)に示すように、板波の節とミラー130との回転軸とが一致し、ミラー130の回転軸が安定する。
図5は、本実施形態1に係る光走査装置の概略構成を示すブロック図である。
図において、レーザ光源403から射出されたレーザ光は、図示していない光学系を通過してミラー130で反射され、ミラー130の回転振動に応じて走査される。BDセンサ404は、このミラー130で反射されたレーザ光を有効走査範囲(実際に画像形成或いは画像読み取り等で使用される領域)の外で、最大走査角の位置(所定位置)に設けられており、レーザ光を検出すると検出信号を出力する。
制御部400は、CPU410、CPU410により実行されるプログラム等を記憶するROM411、CPU410による制御処理時にワークエリアを提供して、各種データを記憶するRAM412を有している。レーザ駆動回路402は、制御部400から供給されるPWM信号に応じてレーザ光源403を駆動する。駆動回路200は、制御部400からの指令信号に応じて圧電素子110の駆動周波数、及び/或いは駆動電圧を変更して圧電素子110を駆動することができる。
この実施形態1では、ミラーの揺動の起動時には、通常の作動状態での駆動周波数よりも低い周波数で圧電素子を振動させ、その後、BDセンサ404よりの検出信号に応じて、その駆動周波数を通常の作動状態での駆動周波数にしている。尚、ここでは通常の作動状態での駆動周波数よりも低い周波数としているが、通常の作動状態での駆動周波数よりも高い周波数で圧電素子を振動させてもよい。
図6は、基板に発生する板波の特性を示すグラフ図である。
この図は、横軸は基板の板厚と周波数の積[Hz・m]、縦軸は位相速度[m/s]を示している。このグラフで示される特性に基づいて、通常の作動状態での駆動周波数が決定される。
図7は、本実施形態1に係る制御部400によるレーザ走査の立ち上げ時の処理を説明するフローチャートである。この処理を実行するプログラムはROM411に記憶されており、CPU410の制御の下に実行される。
この処理は、プリンタの場合はプリントが指示されてレーザ走査を開始する時、或いはスキャナの場合には画像の読み取りが指示されてレーザ走査を開始する時、或いはディスプレイの場合には画像の表示が指示されてレーザ走査を開始することにより開始される。先ずステップS1で、レーザ駆動回路402にレーザ駆動信号を出力してレーザ光源403からレーザ光を発光させる。次にステップS2に進み、圧電素子110を駆動する周波数を、通常の駆動周波数とは異なる(ここでは低い)周波数fiにするように駆動回路200に指示して圧電素子110を駆動する。次にステップS3に進み、BDセンサ404からの検知信号が入力されるのを待つ。即ち、BDセンサ404がレーザ光を検知したかどうかをみる。BDセンサ404によりレーザ光が検知されるとステップS4に進み、レーザ光源403によるレーザ光の発光を停止する。次にステップS5に進み、圧電素子110を駆動する周波数を、通常駆動時の周波数fs(fs>fi)に戻すように駆動回路200に指示する。
図8は、上述した本実施形態1に係る圧電素子の駆動信号の一例を示す図である。
図のBDは、BDセンサ404の検出信号を示し、fは、圧電素子110の駆動信号の周波数を表している。レーザ光の走査開始時には、定常のレーザ光走査の場合の駆動信号の周波数fsよりも低い周波数fiの駆動信号を圧電素子110に印加している(ステップS2)。そして検出信号が所定の閾値Vthを越えた時点(t=t')で(ステップS3でYESの判定)、圧電素子110の駆動周波数を、通常駆動時の周波数fs間で上昇させている(ステップS5)。尚、周波数fsは、ミラー130の回転軸と板波の節が一致する波長が得られる周波数であり、図6に示す板波の速度の分散性により決まる。
このような駆動を行うことにより、図8の時間t=0からt'までは図4(A)に示すようなz方向の振動が発生する。そして、ミラー130で必要な回転振動が得られた時点で、図4(B)のミラー130の回転軸が安定した状態に移行する。
このように本実施形態1によれば、ミラー130に過剰な回転振幅を与えることなく、速やかにミラー130の回転を起動することができる。
尚、本実施形態1では、BDセンサ404がレーザ光を検知すると直ぐに圧電素子110の駆動周波数を通常の周波数に戻している。しかし、これ以外にも、BDセンサ404によるレーザ光の検知周期が所定の周期になったかどうかを判定し、所定の周期になったときに、圧電素子110の駆動周波数を通常の周波数に戻すようにしても良い。
また、周波数fiの起動時の信号を、周波数fsの通常駆動時の信号と比べて大きくしても良い。これにより、通常駆動時よりも板波によるミラー回転軸の回転振動を大きくすることができ、z軸方向の振動の効果と併せて、起動時間をより短縮することができる。
[実施形態2]
図9は、本発明の実施形態2に係る光走査装置のミラーを振動させるミラー振動部3の構成を説明する図で、図9(A)は、このミラー振動部3の上面図、図9(B)は、このミラー振動部3を駆動する原理を説明する図である。ここで図2と共通する部分は同じ記号で示している。
この実施の形態2では、前述の実施形態1の圧電素子110(第1の振動源)以外に、起動時の駆動力を大きくするための圧電素子111(第2の振動源)を設けている点に特徴がある。この実施形態2に係る光走査装置の構成は、図5に圧電素子111とその駆動回路201が追加されるだけで、前述の実施形態1と基本的に同じである。
ここで圧電素子111は、駆動信号V2で駆動されて基板100を板厚方向に振動させ、ミラー130の回転軸を上下に変動させてミラー130の回転振動の励起を促進する役割を果たしている。
図10(A)(B)は、本実施形態2において、2つの圧電素子110,111で発生された板波による基板100の変形の様子を説明する図である。これら図10(A)、(B)はそれぞれ正負の最大振幅時の状態を示している。
この図から明らかなように、ミラー130の回転軸は、正負の最大振幅時にz軸方向に±Δz変動する。
このようにして、ミラー130の起動時、基板100の振動を大きくしてミラー130の回転振動が励起されるのを速める作用をする。そしてBDセンサ404がレーザ光を検出して必要な回転振動が得られたと判断されたときは、圧電素子111の駆動が停止される。
図11は、本実施形態2に係る圧電素子の駆動信号の一例を示す図である。
圧電素子110は、電源投入時から通常動作時の駆動信号である駆動信号V1で駆動される。一方、圧電素子111は、駆動信号V2で駆動される。ここで駆動信号V1の駆動周波数f1は定常作動状態での駆動周波数であり、駆動信号V2もそれと同じ周波数f1とする。尚、ここで駆動信号V1とV2の振幅は同じであっても、或いは互いに異なっていてもよい。また、V1の振幅は起動時と通常動作時で変えてもよい。起動時の振幅を通常駆動時よりも大きくすれば、ミラー回転軸の回転振動が大きくなり、起動時間をより短縮することができる。
図12は、本実施形態2に係る制御部400によるレーザ走査の立ち上げ時の処理を説明するフローチャートである。この処理を実行するプログラムはROM411に記憶されており、CPU410の制御の下に実行される。
この処理は、プリンタの場合はプリントが指示されてレーザ走査を開始する時、或いはスキャナの場合には画像の読み取りが指示されてレーザ走査を開始する時、或いはディスプレイの場合には画像の表示が指示されてレーザ走査を開始することにより開始される。先ずステップS11で、レーザ駆動回路402にレーザ駆動信号を出力してレーザ光源403からレーザ光を発光させる。次にステップS12に進み、駆動信号V1に設定して駆動回路200により圧電素子110を駆動する。次にステップS13に進み、駆動信号V2に設定して駆動回路201により圧電素子110を駆動する。次にステップS14に進み、BDセンサ404からの検知信号が入力されるのを待つ。即ち、BDセンサ404がレーザ光を検知したかどうかをみる。BDセンサ404によりレーザ光が検知されるとステップS15に進み、レーザ光源403によるレーザ光の発光を停止する。次にステップS16に進み、圧電素子111の駆動を停止するように指示する。
以上説明したように本実施形態2によれば、レーザ光の走査起動時におけるミラー130の回転振動の励起を速めることができ、ミラー130に過剰な応力が加わることも防止できる。
尚、実施形態2においても、BDセンサ404によるレーザ光の検知周期が所定の周期になったかどうかを判定し、所定の周期になったときに、圧電素子111の駆動を停止するようにしても良い。
尚図7及び図12のフローチャートにおいて、レーザ光の発光開始を圧電素子の駆動よりも先に行っても、後で行ってもいずれでも良い。また図7のステップS4とS5、また図12のステップS15とS16の順序は逆でも良い。
[実施形態3]
図13は、本発明の実施形態3に係る光走査装置のミラーを振動させるミラー振動部4の構成を説明する図で、図13(A)は、このミラー振動部4の上面図、図13(B)は、このミラー振動部4を駆動する原理を説明する図である。ここで前述の図2と共通する部分は同じ記号で示している。
このミラー振動部4では、固定部材を兼ねてバルク材の振動源(圧電素子)112が配置され、駆動回路202に接続されている。この圧電素子112は、前述の実施形態2と同様に、基板100を板厚方向に振動させ、ミラー130の回転軸を上下方向に変動させて回転振動の励起を促進している。
図14(A)(B)は、本実施形態3において、2つの圧電素子110,112で発生された板波による基板100の変形の様子を説明する図である。これら図14(A)、(B)はそれぞれ正負の最大振幅時の状態を示している。
この図から明らかなように、ミラー130の回転軸は、正負の最大振幅時にz軸方向に±Δz変動する。
このようにして、ミラー130の起動時、基板100の振動を大きくしてミラー130の回転振動が励起されるのを速める作用をする。そしてBDセンサ404がレーザ光を検出して必要な回転振動が得られたと判断されたときは、圧電素子112の駆動が停止される。
これら圧電素子の駆動信号は、前述の実施形態2の図11と同様であり、その場合の制御も図12のフローチャートと同様にして実現できる。
以上説明したように本実施形態3によれば、レーザ光の走査起動時におけるミラー130の回転振動の励起を速めることができ、ミラー130に過剰な応力が加わることも防止できる。
以上説明したように本実施形態によれば、ミラー部を揺動させる駆動の立ち上げ時、通常駆動時とは異なる板波を基板に発生させることにより、ミラーの回転振動の立ち上げに要する時間を短縮できる。
また、ミラーにより反射された光を検出して駆動信号を切り替えることにより、梁等に余分な応力が加わった状態が持続されるのを防止でき、速やかに通常の動作状態を作り出すことができる。
これにより例えば、電源のON/OFFを頻繁に繰り返す省電力モードで使用した場合にも、起動時間を短くでき、安定性、耐久性に優れた光走査装置を実現できる。
図15は、本実施の形態1〜3に係る光走査装置を用いたレーザビームプリンタ(LBP)の全体構成を示す模式断面図である。
ピックアップローラ(給送ローラ)1100は、その回転により、カセット1101に積載されたシート(記録媒体)を最上側より送り出す。1102はリタードローラ対であり、ピックアップローラ1100の回転により送り出されたシートを一枚ずつに分離して搬送する。1103,1104は、こうして1枚ずつに分離されたシートを本体内で搬送する搬送ローラである。
1105は、画像形成に関する公知のプロセス手段を内蔵したプロセスカートリッジで、このプリンタ装置本体に着脱可能に設けられている。このプロセスカートリッジ1105には像担持体としての感光体ドラム1106が内蔵されている。1107は帯電器で、感光体ドラム1106の表面を一様に帯電する。帯電器1107により帯電された感光体ドラム1106の表面に、上述した本実施形態1〜3に係る光走査装置1110から画像情報に応じたレーザ光が照射されることにより、その表面に静電潜像が形成される。現像器1108は、静電潜像が形成された感光体ドラム1106の表面にトナーを付着させることによりその静電潜像をトナー像にする。この感光体ドラム1106には転写ローラ1111が押圧されており、搬送ローラ1104により搬送されたシートが感光体ドラム1106と転写ローラ1111との間を通過する際に、このドラム表面のトナー像がシートに転写される。定着装置1112は、こうして画像が転写・形成された後のシートに対して熱及び圧力を印加して転写画像を定着させる。そして、画像が定着された後のシートが搬送されて、排出ローラ対1113により装置上面に形成された排出トレイ1114に画像面を下側にして排出される。1109はクリーニング器で、転写されずに感光体ドラム1106の表面に残ったトナーを回収してドラム表面を清掃する。1115は、両面印刷用のシート搬送路である。
こうして本実施形態に係る光走査装置は、レーザ光により画像を形成する画像形成装置(プリンタ)にも適用できる。
またこの光走査装置は、原稿上に光を走査させて、その原稿を読み取るスキャナ(画像読み取り装置)にも適用できる。
またこの光走査装置は、スクリーンや網膜に光を走査させて、画像を表示するディスプレイにも適用できる。
周知の駆動方式を説明する図である。 本実施形態1に係る光走査装置のミラーを振動させるミラー振動部の構成を説明する図である。 本実施形態1に係る、圧電素子の振動によって基板に発生された板波による基板の変形とミラーの回転振動の様子を説明する図である。 基板に発生する板波の波長と、板波の節の位置との関係を示す図である。 本実施形態1に係る光走査装置の概略構成を示すブロック図である。 基板に発生する板波の特性を示すグラフ図である。 本実施形態1に係る制御部によるレーザ走査の立ち上げ時の処理を説明するフローチャートである。 本実施形態1に係る圧電素子の駆動信号の一例を示す図である。 本発明の実施形態2に係る光走査装置のミラーを振動させるミラー振動部3の構成を説明する図である。 本実施形態2において、2つの圧電素子で発生された板波による基板の変形の様子を説明する図である。 本実施形態2に係る圧電素子の駆動信号の一例を示す図である。 本実施形態2に係る制御部によるレーザ走査の立ち上げ時の処理を説明するフローチャートである。 本発明の実施形態3に係る光走査装置のミラーを振動させるミラー振動部の構成を説明する図である。 本実施形態2において、2つの圧電素子で発生された板波による基板の変形の様子を説明する図である。 本実施の形態1〜3に係る光走査装置を用いたレーザビームプリンタ(LBP)の全体構成を示す模式断面図である。
符号の説明
100 基板
110,111,112 圧電素子(振動源)
120 捩れ梁
130 ミラー
160 固定部材
200,201 駆動回路

Claims (10)

  1. 基板に設けられた支持部により支持されたミラー部を揺動させ、光源からの光を当該ミラー部により反射させて走査させる光走査装置であって、
    前記基板を前記ミラー部が設けられた側の反対側端部で固定する固定部材と、
    前記基板上に設けられ当該基板に板波を発生させるための振動源と、
    前記振動源を駆動する駆動手段と、
    前記駆動手段による前記振動源の駆動を制御すると共に、前記ミラー部を揺動させる駆動の立ち上げ時、通常駆動時とは異なる板波を前記基板に発生させるように前記駆動手段を制御する制御手段と、
    を有することを特徴とする光走査装置。
  2. 前記光源からの光が前記ミラー部で反射されたことを所定位置で検出する検出手段を更に有し、
    前記制御手段は、前記ミラー部を揺動させる駆動の立ち上げ時、前記検出手段により前記光が検出されると、前記通常駆動時の板波を前記基板に発生させるように前記駆動手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  3. 前記制御手段は、前記ミラー部を揺動させる駆動の立ち上げ時、前記通常駆動時の周波数とは異なる周波数で前記振動源を駆動するように前記駆動手段を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の光走査装置。
  4. 前記制御手段は、前記ミラー部を揺動させる駆動の立ち上げ時、前記駆動手段から前記振動源に供給する駆動信号を通常駆動時よりも大きくするように前記駆動手段を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の光走査装置。
  5. 基板に設けられた支持部により支持されたミラー部を揺動させ、光源からの光を当該ミラー部により反射させて走査させる光走査装置であって、
    前記基板を前記ミラー部が設けられた側の反対側端部で固定する固定部材と、
    前記基板上に設けられ当該基板に板波を発生させるための第1及び第2の振動源と、
    前記第1及び第2の振動源を駆動する駆動手段と、
    前記駆動手段による前記第1及び第2の振動源の駆動を制御すると共に、前記ミラー部を揺動させる駆動の立ち上げ時、前記駆動手段により前記第1及び第2の振動源を駆動するように制御する制御手段と、
    を有することを特徴とする光走査装置。
  6. 前記光源からの光が前記ミラー部で反射されたことを所定位置で検出する検出手段を更に有し、
    前記制御手段は、前記ミラー部を揺動させる駆動の立ち上げ時、前記検出手段により前記光が検出されると前記第2の振動源の駆動を停止するように制御することを特徴とする請求項5に記載の光走査装置。
  7. 前記第2の振動源は、前記第1の振動源と前記固定部材との間の前記基板上に設けられていることを特徴とする請求項5又は6に記載の光走査装置。
  8. 前記第2の振動源は、前記基板に対して前記基板の厚み方向の振動を与えるために駆動されることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の光走査装置。
  9. 前記制御手段は、前記ミラー部を揺動させる駆動の立ち上げ時、前記駆動手段から前記第1の振動源に供給する駆動信号を通常駆動時よりも大きくするように前記駆動手段を制御することを特徴とする請求項5乃至8のいずれか1項に記載の光走査装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の光走査装置と、
    前記光走査装置から照射される画像情報に応じたレーザ光により記録媒体に像を形成する手段と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
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