JP5454334B2 - 光ビーム走査装置および画像形成装置 - Google Patents
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このような振動ミラーを用いたMEMS走査光学系においては、振動ミラーの振幅を一定に制御するために、主走査の画像領域の前後に光検知センサを配置し、その光検知センサで光ビームを検知して同期検知信号を発生させ、その同期検知信号に同期して光源の点灯を制御するフィードバック制御が必要である。
しかし、今までのポリゴンミラーによる走査光学系に比べて、MEMS走査光学系では同期確保までの連続点灯時間が長くなり、レーザダイオード等の光源や感光体の寿命が短くなるという問題があった。
特許文献2には、走査光ビームが光検知センサを通過するために必要となる最小振幅値以上に振動ミラーを共振振動させる振幅確保処理を行った後に、光源の点灯を許可することで感光体の一部に光ビームが集中するのを防止でき、感光体の劣化を防止する目的で、振動ミラーの駆動信号をモニタして、点灯を開始させる構成が開示されている。
この発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、変位検出センサを使用せずに、光源や像担持体の寿命短縮を回避することを目的とする。
この発明による光ビーム走査装置は、光源と、その点灯によって発生する光ビームを周期的に往復走査して像担持体を露光する光走査手段と、その駆動を制御する光走査駆動制御手段と、上記光走査手段による上記光ビームの走査領域中における画像を書き込むための画像領域外の所定位置で上記光ビームを検知する光検知センサと、その光検知センサの出力信号を用い、上記光走査手段による上記光ビームの走査領域中の上記画像領域において、上記光源の点灯を画像データに応じて制御する光源駆動制御手段とを有する光ビーム走査装置であって、上記光源駆動制御手段が、上記光走査手段の起動開始直後から上記光源を、上記光ビームが初めて前記光検知センサに入射されるときのビーム走査速度で該光検知センサの受光部幅内で少なくとも1回点灯する周期で点灯と消灯を繰り返すように不連続に点灯させるものである。
この場合、光走査駆動制御手段が、上記振動ミラーを停止位置から振幅を増加させながら起動させることが望ましい。
また、光走査駆動制御手段が、上記光ビーム検知手段の出力信号を用いて上記振動ミラーの振幅を制御するとよい。
さらに、上記光源駆動制御手段が、上記振動ミラーの起動開始直後から上記光源を上記不連続点灯させた後、上記光検知センサによって上記光ビームが最初に検知された時点から所定時間経過したタイミングで上記光源を連続点灯させ、その後上記光検知センサによって上記光ビームが検知されると、画像データによる上記光源の点灯制御を開始するとよい。
この発明による画像形成装置は、画像書込装置として上記の光ビーム走査装置を搭載したものである。
以下の実施形態では、光ビーム走査装置(MEMS走査光学系)の同期確保処理に際して、以下の特徴を有する。つまり、振動ミラーの起動を開始してから同期を確保するまで光源を点灯する必要があるが、振動ミラーが低速で振動している間は、光検知センサである同期検知センサの検知面(同期検知ICのセンサ面)に光ビームが入射されている時間が長くなるため、その検知面に光ビームが入射されていないとき、光源を不連続に(断続的に)点灯させることを特徴としている。
〔光ビーム走査装置の光学系の構成〕
まず、この発明による光ビーム走査装置の光学系の構成について、図1を参照して説明する。
図1は、その光ビーム走査装置の光学系の構成例を示す斜視図である。
光源ユニット22も、レーザダイオード等の発光素子とコリメータレンズ等からなる2個の光源22c,22kを上下に並べて備えており、その各光源22c,22kから出射される2本の光ビームをミラー25で偏向させた後、シリンダレンズ24を通してマイクロスキャナ23に入射させる。
マイクロスキャナ23による反射光の走査範囲にはfθレンズ26と4本の折り返しミラー27,28,29,30が間隔を置いて平行に配置され、その下方に4本の透過窓31,32,33,34と3本の第2ミラー35,36,37とが、各感光体ドラム6Y,6M,6C,6Kに対応するように平行に配置されている。
次に、図1に示した光ビーム走査装置を制御する制御系の構成について、図2を参照して説明する。
図2は、その光ビーム走査装置の制御系の構成例を示すブロック図である。なお、この制御系は、この光ビーム走査装置を備えた画像形成装置全体を制御するコントローラを兼用することもできる。
そのI/Oポート103に画像書込制御部50が接続され、この画像書込制御部50に、前述した光源ユニット21の光源21y,21mの各発光素子であるレーザダイオードLDとその発光量を検出するモニタ用のフォトダイオードPDと、光源ユニット22の光源22c,22kの各発光素子であるレーザダイオードLDとその発光量を検出するモニタ用のフォトダイオードPDが接続されている。
また、画像データ処理装置60でカラー処理されたYMCの画像データが、書込I/F61を介してYMCKの4色の画像データとなってI/Oポート103に入力される。
次に、図1に示した光ビーム走査装置の主要部の構成と動作について、図3を参照して説明する。
図3は、その主要部を構成する画像書込制御部と光学系の構成を簡略化して示すブロック構成図である。
レーザ駆動回路53は、図2に示した画像データ処理装置60から書込I/F61およびI/Oポート103を介して送られてくる画像データを、書込クロックCLKに同期して取り込んで、その画像データに応じて光源21yの点灯(発光)のON/OFFを制御して、感光体ドラム6への画像書き込みを行う。つまり、書込クロックCLKに同期して光源21yの点灯を画像データに応じて制御する。
なお、この実施形態のように、画像形成を行うための光源を複数備えた光ビーム走査装置であっても、マイクロスキャナ23の振幅制御のために点灯させる光源は1つでも構わない。
光源21yのLDから射出された光ビームがコリメートレンズによって平行光線となり、次いでマイクロスキャナ23が往復振動することによって偏向走査された後、fθレンズ26および折り返しミラー27によって感光体ドラム6の予め帯電された表面に画像(静電潜像)を結像する。この光ビームは、レーザ駆動回路53により画像データに基づいて変調されて点灯,消灯を繰り返し、主走査方向に反復して走査されると同時に、感光体ドラム6が回転して副走査を行うことにより、感光体ドラム6上に静電潜像を形成する。
〔マイクロスキャナ起動開始直後のLD点灯制御の従来例〕
図8は、図3のマイクロスキャナ23が起動を開始した直後のレーザ駆動回路53による従来のLD点灯制御の一例を示すタイミングチャートである。
〔マイクロスキャナ起動開始直後のLD点灯制御の第1実施例〕
図4は、図3のマイクロスキャナ23が起動を開始した直後のレーザ駆動回路53によるこの発明に関わるLD点灯制御の第1実施例を示すタイミングチャートである。
この第1実施例では、レーザ駆動回路53が、図4に示すように、マイクロスキャナ23が起動(往復振動)を開始した直後からLDを不連続点灯させる(LD点灯信号のハイレベル“H”とローレベル“L”を繰り返す)。
図5は、図3のマイクロスキャナ23が起動を開始した直後のレーザ駆動回路53によるこの発明に関わるLD点灯制御の第2実施例を示すタイミングチャートである。
図6は、図2の画像書込制御部50によるこの発明に関わる制御(レーザ駆動回路53によるLD点灯制御およびマイクロスキャナ駆動回路51によるマイクロスキャナ駆動制御)の手順例を示すフローチャートである。
すなわち、まず図6のステップS1において、マイクロスキャナ駆動回路51がマイクロスキャナ(振動ミラー)23の振動制御を開始する。
次に、ステップS2へ進み、レーザ駆動回路53が光源のLDを不連続点灯させる。つまり、図5に示すように、マイクロスキャナ23が往復振動を開始した直後から光源であるLDを不連続点灯させる。
ここで、図6では図示を省略したが、図5に示すように、走査される光ビームが最初に先端同期センサ41(後端同期センサ42でもよい)に到達した時点、つまり先端同期センサ41から先端同期検知信号(1つ前の同期検知信号)が出力された時点(A2)からの経過時間をレーザ駆動回路53が内部カウンタによってカウント(計測)している。
次に、図6のステップS8へ進み、先端同期センサ41からの先端同期検知信号(図5の例では振幅期間t1に達したタイミングで得られた先端同期検知信号)が得られると、ステップS9で画像データによるLDの点灯制御を含む画像形成を開始させ、その画像形成が終了すると、ステップS10でLDを消灯させる。
光源のLDを不連続点灯させた後、光ビームが初めて一方の同期検知センサに入射されるときのビーム走査速度を仮に0.4mm/μs、その同期検知センサの受光部幅を0.4mmとすると、その受光部幅を走査する1μsの間に少なくとも1回点灯する点灯周期であれば良いので、点灯比率が10%の場合、100ns以上の幅の同期検知信号が得られる。
上述した各実施例とも、マイクロスキャナで1本の光ビームを往復走査して1個の感光体に画像書込みを行う場合、例えば単色画像を形成する場合でも有効である。しかし、図1および図2に示したように複数本(実施例では4本)の光ビームを往復走査してそれぞれ別の感光体に画像書込みを行う場合にも勿論有効である。
次に、この発明による画像形成装置の実施例を図7によって説明する。
図7は、この発明による画像形成装置の一実施例の要部の構成例を示す図である。
この画像形成装置は、搬送ベルトに沿って画像形成部が並んだタンデム型といわれるカラー印刷が可能なファクシミリ装置,プリンタ,複写機,デジタル複合機(MFP)等の画像形成装置である。
その搬送ベルト2の下部には、多数枚の転写材1が収納された給紙トレイ5が設けられ、そこに収納された転写材1のうち最上位置にあった転写材1が、画像形成時には、図中の矢示B方向に給紙され、静電吸着によって搬送ベルト2上に吸着される。
その転写材1が第1の作像プロセス部に搬送されると、そこでイエローのトナー像が転写される。
その感光体ドラム6Yの表面に形成された静電潜像は現像器9Yでイエローのトナーで現像され、イエローの画像のトナー像であるイエローのトナー画像となる。そのイエローのトナー画像は、感光体ドラム6Yと搬送ベルト2上の転写材1と接する位置(転写位置)で転写器12Yによって転写され、転写材1上に単色のイエローのトナー画像を形成する。
このように、第1の作像プロセス部で単色のイエローのトナー画像が転写された転写材1は、搬送ベルト2によってマゼンタ部分の画像を形成する第2の作像プロセス部に搬送される。ここでも、上述と同様にして感光体ドラム6M上に形成されたマゼンタ部分の画像のトナー像であるマゼンタのトナー画像が、転写材1上に重ねて転写される。
その後、その転写材1は搬送ベルト2から剥離され、定着器13を通過すると転写材1上のフルカラーのトナー画像が定着され、さらに矢示C方向に搬送されて図示を省略した排紙トレイ上へ排紙される。
5:給紙トレイ 6Y〜6K:感光体ドラム 7Y〜7K:帯電器 8:露光器
9Y〜9K:現像器 10Y〜10K:感光体クリーナ 11Y〜11K:レーザ光
12Y〜12K:転写器 13:定着器 14:検出センサユニット
15:クリーニングユニット 20:光ビーム走査装置 21,22:光源ユニット
21y,21m,22c,22k:光源 23:マイクロスキャナ(光走査手段)
23a:支持基板 23b:可動片 24:シリンダレンズ 25:ミラー
31,32,33,34:透過窓 35,36,37:第2ミラー
41:先端同期センサ(第1の光検知センサ)
42:後端同期センサ(第2の光検知センサ) 50:画像書込制御部
51:マイクロスキャナ駆動回路(光走査駆動制御手段) 52:書込CLK生成回路
53:レーザ駆動回路(光源駆動制御手段) 60:画像データ処理装置
61:書込I/F 100:CPU 101:ROM 102:RAM
103:I/Oポート 104:システムバス
Claims (7)
- 光源と、該光源の点灯によって発生する光ビームを周期的に往復走査して像担持体を露光する光走査手段と、該光走査手段の駆動を制御する光走査駆動制御手段と、前記光走査手段による前記光ビームの走査領域中における画像を書き込むための画像領域外の所定位置で前記光ビームを検知する光検知センサと、該光検知センサの出力信号を用い、前記光走査手段による前記光ビームの走査領域中の前記画像領域において、前記光源の点灯を画像データに応じて制御する光源駆動制御手段とを有する光ビーム走査装置であって、
前記光源駆動制御手段は、前記光走査手段の起動開始直後から前記光源を、前記光ビームが初めて前記光検知センサに入射されるときのビーム走査速度で該光検知センサの受光部幅内で少なくとも1回点灯する周期で点灯と消灯を繰り返すように不連続点灯させることを特徴とする光ビーム走査装置。 - 前記光走査手段は、正弦揺動する振動ミラーであることを特徴とする請求項1に記載の光ビーム走査装置。
- 前記光走査駆動制御手段は、前記振動ミラーを停止位置から振幅を増加させながら起動させることを特徴とする請求項2に記載の光ビーム走査装置。
- 前記光走査駆動制御手段は、前記光ビーム検知手段の出力信号を用いて前記振動ミラーの振幅を制御することを特徴とする請求項2又は3に記載の光ビーム走査装置。
- 前記光源駆動制御手段は、前記振動ミラーの起動開始直後から前記光源を前記不連続点灯させ、前記光検知センサによって前記光ビームが最初に検知された時点から所定時間経過したタイミングで前記光源を連続点灯させ、その後前記光検知センサによって前記光ビームが検知されると、画像データによる前記光源の点灯制御を開始することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の光ビーム走査装置。
- 前記請求項2乃至5のいずれか一項に記載の光ビーム走査装置において、
前記光源駆動制御手段は、前記光走査手段による前記光ビームの往走査中の画像領域と復走査中の画像領域においてそれぞれ、前記光源の点灯を画像データに応じて制御し、
前記光検知センサとして、前記振動ミラーによる前記光ビームの往復走査領域中における前記画像領域外の一方の折り返し点側の所定位置で前記光ビームを検知する第1の光検知センサと、他方の折り返し点側の所定位置で前記光ビームを検知する第2の光検知センサとを設けたことを特徴とする光ビーム走査装置。 - 画像書込装置として請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光ビーム走査装置を搭載したことを特徴とする画像形成装置。
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