JP2009044876A - アクチュエーター - Google Patents
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Abstract
【課題】走査軌跡が安定して得られ、低エネルギーで駆動可能で、振動駆動手段により励振された振動に基づき振動子の回転振動を得るアクチュエーターを提供する。
【解決手段】振動駆動手段106,107と、振動子100と、振動駆動手段100及び振動子106の間に配置された第1の対をなす梁101,102と、振動駆動手段100及び振動子107の間に配置された第2の対をなす梁103,104とを有する。梁101,102;103,104のそれぞれは、一端が振動駆動手段106,107に接続されこれらからのx方向振動の伝達を受け且つ他端が振動子100に接続されている。振動駆動手段106,107により発せられる振動を梁101,102;103,104の一端に伝達して、梁をそれらの長手方向に並進振動させることにより、梁をz方向に逆位相で座屈振動させ、これにより振動子100をx方向軸Cの周りで回転振動させる。
【選択図】図1
【解決手段】振動駆動手段106,107と、振動子100と、振動駆動手段100及び振動子106の間に配置された第1の対をなす梁101,102と、振動駆動手段100及び振動子107の間に配置された第2の対をなす梁103,104とを有する。梁101,102;103,104のそれぞれは、一端が振動駆動手段106,107に接続されこれらからのx方向振動の伝達を受け且つ他端が振動子100に接続されている。振動駆動手段106,107により発せられる振動を梁101,102;103,104の一端に伝達して、梁をそれらの長手方向に並進振動させることにより、梁をz方向に逆位相で座屈振動させ、これにより振動子100をx方向軸Cの周りで回転振動させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、振動駆動手段によって励振された並進振動に基づき振動子の回転振動を励振するアクチュエーターに関する。このようなアクチュエーターは、たとえば、小型可動ミラーを振動子とする光スキャナ等を構成するのに利用することかができる。
振動駆動源によって励振され加振部に与えられた並進振動に基づき振動子としてのスキャン部の回転振動を励振するアクチュエーターが、特許文献1に提案されている。また、2個の片持ち梁状の圧電バイモルフにより逆位相の曲げ振動を励起し、これらの曲げ振動を圧電バイモルフの自由端側同士を連結する連結部材によってねじり振動に変換し、振動子としてのミラー部の回転振動を得るものが、特許文献2に提案されている。
特開平4−95916号公報
特許第3246106号公報
特許文献1及び2に記載のいずれの構成においても、振動駆動手段の振動は、振動子の配置されている面(振動子の回転振動の軸方向を含む面)に対して垂直の方向の振動を励振するものである。通常、振動子に回転振動を与える振動モードを加振部に与えるよう調整されているが、外部環境の変動により、振動駆動手段に所要の振動とは別の他の垂直方向の振動モードが現れることがある。このような振動モードが現れた場合、振動子の配置されている面に対して垂直方向の振動を励振するがゆえに、振動子の回転振動に垂直方向振動が重畳されて励起されるという技術的課題があった。このような振動子の垂直方向の振動は、例えば、レーザープリンター等の光スキャナーの振動子を回転振動させる場合には、レーザー光の反射面の揺らぎを引き起こし、形成される画像の解像度の低下につながる。
さらに、特許文献1の構成では、不釣合い構造に加速度を作用させることにより得られる慣性力を利用して加振力を得るものであるため、加速度が外乱として加わった場合に走査軌跡が変動してしまうという技術的課題があった。
本発明は、上記のような技術的問題を解決して、走査軌跡がより安定して得られ、低エネルギーで駆動可能であり、振動駆動手段によって励振された振動に基づき振動子の回転振動を得ることができるアクチュエーターを提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明によれば、次のようなアクチュエーターが提供される。すなわち、アクチュエーターは、振動駆動手段と、振動子と、前記振動駆動手段及び前記振動子の間に配置された対をなす2本の梁とを有し、前記2本の梁のそれぞれは一端が前記振動駆動手段からの振動の伝達を受け且つ他端が前記振動子に接続されている。前記振動駆動手段により発せられる振動を前記対をなす2本の梁のそれぞれの一端に伝達して、前記対をなす2本の梁をそれらの長手方向に並進振動させる。これによって、前記対をなす2本の梁を逆位相で座屈振動させ、これにより前記振動子を回転振動させる。
本発明の一態様においては、前記対をなす2本の梁と前記振動駆動手段との組は前記振動子の両側に1つずつ設けられている。本発明の一態様においては、前記振動子の前記対をなす2本の梁が接続されている側とは反対側に追加の対をなす2本の梁が設けられており、該追加の対をなす2本の梁のそれぞれは一端が固定部材に接し且つ他端が前記振動子に接続されている。
本発明の一態様においては、前記対をなす2本の梁のうちの一方または前記追加の対をなす2本の梁のうちの一方には、圧縮性の応力を有する薄膜が積層されている。本発明の一態様においては、前記対をなす2本の梁のうちの一方または前記追加の対をなす2本の梁のうちの一方には、引張性の応力を有する薄膜が積層されている。本発明の一態様においては、前記対をなす2本の梁のそれぞれ又は前記追加の対をなす2本の梁のそれぞれは、厚さ寸法より大きな幅寸法を持ち、幅方向に互いに隔てられて配列されている。
本発明の一態様においては、前記振動子は板状であり、前記対をなす2本の梁同士または前記追加の対をなす2本の梁同士は前記振動子の主面と平行な方向に互いに隔てられた位置にて前記振動子と接続されている。前記振動子は前記主面と平行な方向に関して前記対をなす2本の梁との接続位置同士の間または前記追加の対をなす2本の梁との接続位置同士の間を通り前記主面と平行な方向の軸の周りで回転振動する。
本発明の一態様においては、前記対をなす2本の梁または前記追加の対をなす2本の梁に座屈振動の位相を検知する手段が付設されている。本発明の一態様においては、検知された座屈振動の位相と前記振動駆動手段によって励振された前記対をなす2本の梁または前記追加の対をなす2本の梁の並進振動の位相とのずれを検知する。このずれを調節することによって、前記振動子の回転振動の振幅を制御する。
本発明のアクチュエーターによれば、梁にその長手方向(すなわち梁と平行な方向)に並進振動を励振するので、振動子にはその回転振動の軸方向に対し垂直な方向の振動が重畳されて励起される事が少ない。従って、励起される走査軌跡がより安定して得られる。また、振動駆動手段によって梁に励振された並進振動に基づき振動子を回転振動させるので、低エネルギーでの駆動が可能である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
[実施形態1]
図1は本発明の実施形態1に係るアクチュエーターの概念図である。ここでは、アクチュエーターの全体の平面図がxy面に示され、その可動部分の正面図がxz面に示され、振動子の側面図がyz面に示されており、実線は静止状態を示し、点線は駆動時の動きを示している。
図1は本発明の実施形態1に係るアクチュエーターの概念図である。ここでは、アクチュエーターの全体の平面図がxy面に示され、その可動部分の正面図がxz面に示され、振動子の側面図がyz面に示されており、実線は静止状態を示し、点線は駆動時の動きを示している。
本実施形態のアクチュエーターは、振動駆動手段106,107と、振動子100と、第1の対をなす2本の梁101,102と、第2の対をなす2本の梁103,104とを有する。第1の対をなす2本の梁101,102は、振動駆動手段106及び振動子100の間に配置されている。第2の対をなす2本の梁103,104は、振動駆動手段107及び振動子100の間に配置されている。すなわち、対をなす2本の梁と振動駆動手段との組(梁101,102と振動駆動手段106との組または梁103,104と振動駆動手段107との組)は、振動子100の両側に1つずつ設けられている。具体的には、対をなす2本の梁と振動駆動手段との組は、x方向に関して振動子100の一方の側と他方の側とにそれぞれ1つずつ設けられている。
振動子100は、板状であり、静止時においてほぼxy面に沿って配置され且つy方向に延びている。振動子100は、静止状態において、z方向寸法としての厚さ寸法と、x方向寸法としての幅寸法と、y方向寸法としての長さ寸法とを有しており、xy面内の互いに平行な2つの主面を有する。第1の対をなす2本の梁101,102同士は、振動子100の主面と平行な方向に或る距離だけ互いに隔てられた位置にて振動子100の一方側の端面と接続されている。第2の対をなす2本の梁103,104同士は、振動子100の主面と平行な方向に上記の或る距離と同一の距離だけ互いに隔てられた位置にて振動子100の他方側の端面と接続されている。すなわち、対をなす2本の梁同士は振動子100の主面と平行な方向に互いに隔てられた位置にて振動子と接続されている。振動子100は、後述のようにして、主面と平行な方向に関して第1の対をなす2本の梁101,102との接続位置同士の間または第2の対をなす2本の梁103,104との接続位置同士の間を通り主面と平行な方向の軸Cの周りで回転振動する。
第1の対をなす2本の梁101,102は互いに平行にx方向に延びており、第2の対をなす2本の梁103,104も互いに平行にx方向に延びている。第1の対をなす2本の梁101,102のそれぞれは、一端が振動駆動手段106に接続されていて該振動駆動手段106からの振動の伝達を受け且つ他端が振動子100に接続されている。同様に、第2の対をなす2本の梁103,104のそれぞれは、一端が振動駆動手段107に接続されていて該振動駆動手段107からの振動の伝達を受け且つ他端が振動子100に接続されている。
第1の対をなす2本の梁101,102のそれぞれは、厚さ寸法(静止状態においてz方向寸法)より大きな幅寸法(静止状態においてx方向寸法)を持ち、幅方向に互いに隔てられて配列されている。同様に、第2の対をなす2本の梁103,104のそれぞれは、厚さ寸法(静止状態においてz方向寸法)より大きな幅寸法(静止状態においてx方向寸法)を持ち、幅方向に互いに隔てられて配列されている。
振動駆動手段106,107としては、いずれも2枚の圧電素子108,109を貼り合わせた構造を持つバイモルフ素子を使用することができる。このバイモルフ素子106,107は、y方向に関する両端部が固定部材125に固着されており、y方向に関するそれ以外の部分が駆動時に固定部材125からx方向に関し離隔することができる。第1の対をなす2本の梁101,102のそれぞれ及び第2の対をなす2本の梁103,104のそれぞれは、バイモルフ素子106,107のy方向に関する中央部に接続されている。
バイモルフ素子106,107は、それぞれの圧電素子108,109に位相の異なる交流信号を入力することによって、梁101,102,103,104に平行な方向(x方向)の振動を得ることができる。また、圧電素子108,109に加える電圧の位相を制御することによって、バイモルフ素子106,107の振動の位相すなわち梁101,102,103,104に励振される並進振動の位相を制御することができる。尚、バイモルフ素子106,107のy方向に関する中央部は、それに接続された梁101,102,103,104の端部とともに振動するので、これをバイモルフ素子すなわち振動駆動手段106,107の並進振動ということにする。
尚、振動駆動手段としては、その他、電歪素子または磁歪素子を用いることもできる。
バイモルフ素子106,107は、駆動時には、中央部が最も大きな振幅でx方向に振動し、この振動は、第1の対をなす2本の梁101,102の端部及び第2の対をなす2本の梁103,104の端部のそれぞれに伝達される。これにより、第1の対をなす2本の梁101,102及び第2の対をなす2本の梁103,104がx方向に並進振動する。この並進振動は、第1の対をなす2本の梁101,102及び第2の対をなす2本の梁103,104につき同時にx方向に関する圧縮力が作用するようになされる。このとき、梁101,102,103,104は、座屈を生ずる。
すなわち、本実施形態では、振動駆動手段106,107により発せられる振動を第1及び第2の対をなす2本の梁101,102,103,104のそれぞれの一端に伝達して、これらの梁101,102,103,104をそれらの長手方向に並進振動させる。これによって、第1の対をなす2本の梁101,102を逆位相で座屈振動させ、第2の対をなす2本の梁103,104を逆位相で座屈振動させる。
本実施形態においては、この座屈により第1の対をなす2本の梁101,102及び第2の対をなす2本の梁103,104の振動素子100と接続された方の端部が曲げられる方向がz方向に沿った方向となるようにする。すなわち、座屈の方向が、梁101,102,103,104の並進振動の方向(x方向)と直交する方向であって、振動子100の主面と直交するz方向に沿った方向となるようにしている。
座屈は、細長い棒状の部材に対して、その長手方向に圧縮応力を加えると、曲げモーメントにより長手方向からのたわみが急激に大きくなり、荷重分担能力を失う現象である。座屈が生ずるときの応力は、棒状部材の端部の形状、曲げ剛性、細長比などにより異なる。棒状部材である梁101,102,103,104が等方性の場合には、座屈の方向は決まっていない。従って、振動子100が静止している状態においては、振動駆動手段106,107によって励振された並進振動を加えたとき、振動子100の回転振動が不安定になることがある。これは、振動子100が静止している状態においては梁の座屈振動の起こる方向が決まっておらず、梁101と梁102との座屈振動及び梁103と梁104との座屈振動が互いに逆の位相にならない不安定な状態となるためである。
このような現象を避け、座屈の方向を所望に設定するために、棒状部材の長手方向に沿った面に圧縮性または引張性の応力を有する薄膜を形成することができる。本実施形態では、梁101,103の上側面には圧縮性の応力を有する薄膜120を積層し、梁102,104の上側面には引張性の応力を有する薄膜121を積層している。すなわち、第1及び第2のそれぞれの対をなす2本の梁のうちの一方101または103には圧縮性の応力を有する薄膜120が積層されている。また、第1及び第2のそれぞれの対をなす2本の梁のうちの一方(梁101または103に対する他方)102または104には引張性の応力を有する薄膜121が積層されている。これらの薄膜による応力は、振動子100がx方向の回転振動中心Cの周りでわずかに傾く程度(たとえば角度1分傾く程度)であればよい。こうすることによって、振動子100が静止している状態においても、梁は薄膜120,121の応力によってわずかに湾曲し、湾曲している方向への座屈が容易になる。このことによって、振動子100の静止している状態からの回転方向を決めてやり、振動子100の振動開始を容易にすることができる。
尚、上記薄膜120,121の積層に代えて又はこれら薄膜120,121の積層に加えて、梁101,103の下側面に引張性の応力を有する薄膜を積層し、梁102,104の下側面に圧縮性の応力を有する薄膜を積層してもよい。
座屈振動の固有振動数は梁の幅寸法と厚さ寸法との影響を受ける。梁の幅寸法に対する厚さ寸法の比率をより小さくすることによって、より低い固有振動数での座屈振動が可能となる。梁の座屈振動の固有振動数が振動子100の固有振動モードのうちの回転方向の振動モードの固有振動数に一致するように、梁を構成する。こうする事で、梁101と梁102とで座屈振動が逆位相で励起され、梁103と梁104とで座屈振動が逆位相で励起され、振動子100の往復回転振動が起こる。すなわち、図1に示されているように、z方向に関して、梁101と梁102とが逆向きに座屈し、梁103と梁104とが逆向きに座屈し、しかも梁101と梁103とが同じ向きに座屈し、梁102と梁104とが同じ向きに座屈する。これにより、振動子100が軸Cの周りで回転振動する。
振動駆動手段106,107は、梁101,102,103,104の座屈振動の2倍の振動数で、これらの梁に並進振動を励振する。
図3に励振された並進振動の位相と梁の座屈振動の位相との関係の一例を示す。横軸は時間を表し、縦軸は振幅を表している。静止しているときの振幅を0としたときの励振された並進振動の振幅が0になる位相と静止しているときの振幅を0としたときの梁の座屈振動の振幅が0となる位相との差αがほぼ0となる励振された並進振動を実線で表している。位相差αがπ/2となる励振された並進振動を破線で示している。実線の位相のとき、梁の座屈振動の振幅が増加する。一方、破線の位相のとき、梁の座屈振動の振幅が減少する。
励振される並進振動の位相及び振幅を制御することによって、梁101,102,103,104の座屈振動の振幅を制御し、振動子100の往復回転振動の振幅を制御する。
座屈振動の振幅を増加させたいときは、並進振動と座屈振動との位相差αがおおむね0になるように制御する。厳密には空気抵抗による減衰があるため位相遅れβが発生するので、β分調整する。こうして並進運動を励起すれば、パラメータ励振がおこり、座屈振動の振幅は徐々に増加し、梁の弾性力と空気抵抗による減衰項とがバランスする振幅に漸近する。また、座屈振動の振幅を減少させたいときは、並進振動と座屈振動との位相差αを0より大きくし、最大π/2となるように制御する。これによって座屈振動の振幅は徐々に減少する。そして、やがて座屈振動の振幅がほとんどなくなる。従って、並進振動と座屈振動との位相差αを0からπ/2まで増減することによって、座屈振動の振幅の増加及び減少を制御し、振動子100の往復回転振動の振幅を制御する。すなわち、検知された座屈振動の位相と振動駆動手段106,107によって励振された対をなす2本の梁101,102または追加の対をなす2本の梁103,104の並進振動の位相とのずれを検知する。そして、このずれを調節することによって、振動子100の回転振動の振幅を制御する。
また、励振される並進振動の振幅を増減させることにより、座屈振動の振幅の増加する速度または減少する速度を増減させることができ、梁の弾性力と空気抵抗による減衰項とがバランスする振幅を増減させることができる。
梁101,102,103,104には、梁の座屈振動の位相を検出する手段105が付設されている。これによって得られる座屈振動の位相と励振された並進振動の位相とのずれ(位相差α)を検知し、検知された位相ずれを基に位相のずれを増減することによって、座屈振動の振幅を増減させ、振動子100の往復回転振動の振幅を制御する。具体的には、おおむね位相のずれを0に制御し、梁の弾性力と空気抵抗による減衰項とがバランスする振幅に調整する方法がある。また、別途振動子100の往復回転振動の振幅を検知し、位相ずれを調整することによって、積極的に振幅を調整する方法がある。振動子100の往復回転振動の振幅が設定値より増加した場合、座屈振動の位相と励振された並進振動の位相とのずれを0より大きく最大π/2まで増加させることにより、座屈振動の振幅を減少させ、振動子100の往復回転振動の振幅を減少させる。反対に振動子100の往復回転振動の振幅が設定値より減少した場合、座屈振動の位相と励振された並進振動の位相とのずれをほぼ0にすることにより、座屈振動の振幅を増加させ、振動子100の往復回転振動の振幅を増加させる。
梁の座屈振動の位相を検出する手段105としては、ピエゾ抵抗素子を用いることができる。ピエゾ抵抗素子による抵抗変化を検出することにより、各梁の座屈振動の位相を検出する。この座屈振動の位相を検知する手段は、圧電素子などを用いて構成することもできる。
このように、本実施形態においては、振動駆動手段106,107の微小な並進振動によって梁101、102,103,104に並進振動及びこれに基づく座屈振動を発生させて、振動子100の回転振動を誘起することができる。振動駆動手段106,107の振動は梁101,102,103,104に平行な方向(x方向)の振動であるので、振動子100はその主面に対して垂直な方向(静止状態ではz方向)の振動が重畳されて励起される事が少ない。従って、振動子100に励起される回転振動の走査軌跡がより安定して得られる。また、振動子100の主面内に振動駆動手段106,107の振動方向更には梁101、102,103,104の並進振動の方向があるので、シリコンチップなどの表面に振動駆動手段106,107を設けることができる。また、振動駆動手段106,107によって励振された微小な並進振動により駆動するのでエネルギーロスが少なく、低エネルギーでの駆動が可能である。
[実施形態2]
図2は本発明の実施形態2に係るアクチュエーターの概念図である。図2では、図1における振動子100、梁101,102,103,104、振動駆動手段106及び固定部材125が、それぞれ振動子200、梁201,202,203,204、振動駆動手段206及び固定部材205として示されている。振動駆動手段206が2枚の圧電素子を貼り合わせた構造を持つバイモルフ素子からなることや、梁201,202,203,204に圧縮性の応力を有する薄膜または引張性の応力を有する薄膜が付されていること等は、上記実施形態1と同様である。また、振動子200が軸Cの周りで振動回転することも、上記実施形態1と同様である。
図2は本発明の実施形態2に係るアクチュエーターの概念図である。図2では、図1における振動子100、梁101,102,103,104、振動駆動手段106及び固定部材125が、それぞれ振動子200、梁201,202,203,204、振動駆動手段206及び固定部材205として示されている。振動駆動手段206が2枚の圧電素子を貼り合わせた構造を持つバイモルフ素子からなることや、梁201,202,203,204に圧縮性の応力を有する薄膜または引張性の応力を有する薄膜が付されていること等は、上記実施形態1と同様である。また、振動子200が軸Cの周りで振動回転することも、上記実施形態1と同様である。
本実施形態では、梁203,204が、追加の対をなす2本の梁として使用されている。振動子200の対をなす2本の梁201,202が接続されている側とは反対側に追加の対をなす2本の梁203,204が設けられている。すなわち、梁203,204のそれぞれは、一端が固定部材(固定枠)205に当接し且つ他端が振動子100に接続されている。この構成では、振動駆動手段206は、梁201,202,203,204と平行な方向(x方向)に振動する。このとき、梁201,202,203,204は振動方向に垂直な方向(静止状態ではz方向)に座屈を生ずる。
振動駆動手段206を一方の側の梁201,202の駆動のために配置し、他方の側の梁203,204は振動駆動手段206による梁201,202の駆動の際に振動子100と固定部材205とから受ける圧縮応力に基づき座屈振動させるようにしている。
本実施形態の作用は基本的には実施形態1のものと同様である。但し、本実施形態の構成では、振動子200が静止している状態において、振動駆動手段206により励振された並進振動を梁201,202,203,204に加えたとき、実施形態1に比べて振動子200の振動の安定性が低下する。しかし、振動駆動手段の個数を減らすことができるので、より低コストで作製が可能である。
本発明は、走査光学装置を用いるカラーレーザービームプリンタやカラーデジタル複写機等の画像形成装置のアクチュエーターに適用可能である。
100 振動子
101,102,103,104 梁
105 位相検知手段
106,107 振動駆動手段
108,109 圧電素子
120 圧縮性の応力を有する薄膜
121 引張性の応力を有する薄膜
125 固定部材
200 振動子
201,202,203,204 梁
205 固定部材
206,207 振動駆動手段
101,102,103,104 梁
105 位相検知手段
106,107 振動駆動手段
108,109 圧電素子
120 圧縮性の応力を有する薄膜
121 引張性の応力を有する薄膜
125 固定部材
200 振動子
201,202,203,204 梁
205 固定部材
206,207 振動駆動手段
Claims (9)
- 振動駆動手段と、振動子と、前記振動駆動手段及び前記振動子の間に配置された対をなす2本の梁とを有し、前記2本の梁のそれぞれは一端が前記振動駆動手段からの振動の伝達を受け且つ他端が前記振動子に接続されており、
前記振動駆動手段により発せられる振動を前記対をなす2本の梁のそれぞれの一端に伝達して、前記対をなす2本の梁をそれらの長手方向に並進振動させることによって、前記対をなす2本の梁を逆位相で座屈振動させ、これにより前記振動子を回転振動させることを特徴とするアクチュエーター。 - 前記対をなす2本の梁と前記振動駆動手段との組は前記振動子の両側に1つずつ設けられていることを特徴とする、請求項1に記載のアクチュエーター。
- 前記振動子の前記対をなす2本の梁が接続されている側とは反対側に追加の対をなす2本の梁が設けられており、該追加の対をなす2本の梁のそれぞれは一端が固定部材に接し且つ他端が前記振動子に接続されていることを特徴とする、請求項1に記載のアクチュエーター。
- 前記対をなす2本の梁のうちの一方または前記追加の対をなす2本の梁のうちの一方には、圧縮性の応力を有する薄膜が積層されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のアクチュエーター。
- 前記対をなす2本の梁のうちの一方または前記追加の対をなす2本の梁のうちの一方には、引張性の応力を有する薄膜が積層されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のアクチュエーター。
- 前記対をなす2本の梁のそれぞれ又は前記追加の対をなす2本の梁のそれぞれは、厚さ寸法より大きな幅寸法を持ち、幅方向に互いに隔てられて配列されていることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のアクチュエーター。
- 前記振動子は板状であり、前記対をなす2本の梁同士または前記追加の対をなす2本の梁同士は前記振動子の主面と平行な方向に互いに隔てられた位置にて前記振動子と接続されており、前記振動子は前記主面と平行な方向に関して前記対をなす2本の梁との接続位置同士の間または前記追加の対をなす2本の梁との接続位置同士の間を通り前記主面と平行な方向の軸の周りで回転振動することを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のアクチュエーター。
- 前記対をなす2本の梁または前記追加の対をなす2本の梁に座屈振動の位相を検知する手段が付設されていることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のアクチュエーター。
- 検知された座屈振動の位相と前記振動駆動手段によって励振された前記対をなす2本の梁または前記追加の対をなす2本の梁の並進振動の位相とのずれを検知し、このずれを調節することによって、前記振動子の回転振動の振幅を制御することを特徴とする、請求項8に記載のアクチュエーター。
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JP2007207879A JP2009044876A (ja) | 2007-08-09 | 2007-08-09 | アクチュエーター |
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Family Applications (1)
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JP (1) | JP2009044876A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011061832A1 (ja) * | 2009-11-19 | 2011-05-26 | パイオニア株式会社 | 駆動装置 |
JP2012108264A (ja) * | 2010-11-16 | 2012-06-07 | Seiko Epson Corp | アクチュエーター、アクチュエーターの製造方法、光スキャナーおよび画像形成装置 |
-
2007
- 2007-08-09 JP JP2007207879A patent/JP2009044876A/ja active Pending
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JP2012108264A (ja) * | 2010-11-16 | 2012-06-07 | Seiko Epson Corp | アクチュエーター、アクチュエーターの製造方法、光スキャナーおよび画像形成装置 |
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