JP2010001751A - ターボチャージャ付き内燃機関の制御装置 - Google Patents

ターボチャージャ付き内燃機関の制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】機関始動直後における触媒の早期昇温をより好適に行うことのできるターボチャージャ付き内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】エンジン1には、第1排気ポート5Aからの排気をターボチャージャ20のタービン22の上流側に導くターボ側排気通路7Aと、第2排気ポート5Bからの排気をタービン22の下流側に導くバイパス側排気通路7Bと、第1排気ポート5Aに設けられたターボ側排気バルブ50Aを開閉状態及び閉弁状態に切り替える油圧駆動式の弁停止機構とが設けられている。制御装置100は、触媒9の温度が規定温度以上になるまでは、弁停止機構に対する油圧制御を通じてターボ側排気バルブ50Aを閉弁状態に保持する。また、機関停止要求がなされたときには、ターボ側排気バルブ50Aのバルブ動作状態が閉弁状態になるように弁停止機構に対する油圧制御を行った後に、機関停止を実行する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ターボチャージャ付き内燃機関の制御装置に関するものである。
従来、こうしたターボチャージャ付き内燃機関の制御装置としては、例えば特許文献1に記載されるものがある。
この特許文献1に記載の内燃機関には、1つの気筒にあって互いに独立した第1排気ポート及び第2排気ポートが設けられている。そして、第1排気ポートから排出される排気をターボチャージャのタービン上流側に導くターボ側排気通路と、第2排気ポートから排出される排気をターボチャージャのタービン下流側に導くバイパス側排気通路とが設けられている。さらに、第2排気ポートを開閉するバイパス側排気バルブについては常時開閉動作が行われる一方、第1排気ポートを開閉するターボ側排気バルブについてはそのバルブ動作状態が開閉状態及び閉弁状態のいずれかに切り替え可能にされている。
そして、機関の低温時には、ターボ側排気バルブについては閉弁状態が保持されるようにターボ側排気バルブのバルブ動作状態を制御するようにしている。こうした制御が行われる特許文献1に記載の内燃機関では、機関の低温時において、気筒から排出される排気の全てがターボチャージャを通過することなくバイパス側排気通路に導入されるようになるため、ターボチャージャを通過することによる排気の温度低下を回避することができる。そのため、タービンの下流側に設けられる排気浄化用触媒の早期昇温を図ることができるようになる。
特表2002−520535号公報(図2等)
ところで、上述したようなバルブ動作状態の切替は、バルブの開閉動作を停止させて閉弁状態に保持することの可能な機構、いわゆる弁停止機構によって行われるのであるが、こうした弁停止機構を油圧駆動式にした場合、その弁停止機構に供給される油圧は、クランクシャフトで駆動される油圧ポンプにて発生される。そのため、次のような不都合の発生が懸念される。
まず、停止されていた内燃機関を始動させるときには、触媒の温度は低下していることが多いため、機関始動直後におけるターボ側排気バルブのバルブ動作状態は、触媒の早期昇温を図るべく閉弁状態にすることが望ましい。
ここで、弁停止機構によるバルブ動作状態の切替に必要な油圧は、クランクシャフトで駆動される油圧ポンプで発生される。こうした油圧ポンプでは、機関始動要求に基づくクランキングの開始以降、機関回転速度がある程度高くなるまでは、油圧を十分に高めることができないため、そうした低油圧状態では、弁停止機構に十分な油圧を供給することができず、ターボ側排気バルブのバルブ動作状態を閉弁状態にすることができないおそれがある。
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、機関始動直後における触媒の早期昇温をより好適に行うことのできるターボチャージャ付き内燃機関の制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、1つの気筒について互いに独立して設けられた第1排気ポート及び第2排気ポートと、前記第1排気ポートから排出される排気をターボチャージャのタービンの上流側に導くターボ側排気通路と、前記第2排気ポートから排出される排気を前記タービンの下流側に導くバイパス側排気通路と、前記第1排気ポートに設けられた排気バルブのバルブ動作状態を開閉状態及び閉弁状態に切り替える油圧駆動式の弁停止機構と、前記タービンの下流側の排気通路に設けられて排気を浄化する触媒と、クランクシャフトにて駆動されて前記弁停止機構に油圧を供給する油圧ポンプとを備え、前記触媒の温度が規定温度以上になるまでは前記弁停止機構に対する油圧制御を通じて前記排気バルブを閉弁状態に保持するターボチャージャ付き内燃機関の制御装置であって、機関停止要求がなされたときには、前記排気バルブのバルブ動作状態が閉弁状態になるように前記弁停止機構に対する油圧制御を行った後に機関停止を実行することをその要旨とする。
同構成では、クランクシャフトにて駆動される油圧ポンプの発生油圧を利用して、第1排気ポートに設けられた排気バルブ(以下、ターボ側排気バルブという)のバルブ動作状態を開閉状態及び閉弁状態に切り替える弁停止機構を備えるようにしている。そして、触媒の温度が規定温度(例えば活性化温度)以上になるまで、上記弁停止機構に対する油圧制御を通じてターボ側排気バルブのバルブ動作状態を閉弁状態にするようにしている。これにより、気筒から排出される排気の全てが上記バイパス側排気通路に導入されるようになり、ターボチャージャを通過することによる排気の温度低下が回避されて触媒は早期に昇温される。なお、触媒の温度が規定温度以上になったか否かの判定は、機関の冷却水温等に基づいて推定可能である。
ここで、同構成では、機関停止要求がなされたときには、機関停止の実行(例えば燃料噴射や燃料点火の停止等)に先立って、ターボ側排気バルブのバルブ動作状態が閉弁状態になるように弁停止機構に対する油圧制御を行うようにしている。そのため、次回の機関始動時においては、ターボ側排気バルブのバルブ動作状態が予め閉弁状態にされている状態で機関始動が行われる。従って、上記油圧ポンプでは、機関始動直後、より詳細には機関始動要求に基づくクランキングの開始以降、機関回転速度がある程度高くなるまで油圧を十分に高めることができないが、そうした低油圧状態において、弁停止機構によるバルブ動作状態の切替を行わなくても、ターボ側排気バルブのバルブ動作状態はすでに閉弁状態にされている。そのため、弁停止機構に対する油圧が不足しやすい機関始動直後においても、気筒から排出される排気の全てがターボチャージャを通過することなく触媒に導入されるようになる。従って、同構成によれば、機関始動直後における触媒の早期昇温をより好適に行うことができるようになる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のターボチャージャ付き内燃機関の制御装置において、前記油圧ポンプに加え、機関停止に際して閉弁状態にされた前記排気バルブのバルブ動作状態を機関始動時に保持するべく前記弁停止機構に油圧を供給する油圧供給手段をさらに備えることをその要旨とする。
上述したように、機関停止の実行に先立って、ターボ側排気バルブのバルブ動作状態が閉弁状態になるように弁停止機構の油圧制御を行っておくことで、次回の機関始動時におけるターボ側排気バルブのバルブ動作状態を予め閉弁状態にしておくことができる。ここで、上述したように、機関始動直後にあっては弁停止機構に対して十分な油圧を供給することができないため、その始動時における機関振動によって弁停止機構内の可動部が移動し、ターボ側排気バルブのバルブ動作状態が閉弁状態から開閉状態に変化してしまうおそれがある。この点、同構成では、クランクシャフトにて駆動される上記油圧ポンプに加え、ターボ側排気バルブの閉弁状態を保持するべく弁停止機構に油圧を供給する油圧供給手段をさらに備えるようにしている。従って、機関始動時に発生する機関振動によって弁停止機構内の可動部が移動することを抑制することができるようになり、ターボ側排気バルブのバルブ動作状態が閉弁状態から開閉状態に変化することを抑えることができるようになる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のターボチャージャ付き内燃機関の制御装置において、機関始動要求がなされた後、前記油圧供給手段により前記弁停止機構に供給される油圧が規定圧以上になってからクランキングを開始することをその要旨とする。
機関始動時に発生する機関振動は、機関始動要求に伴うクランキングの開始以降に発生する。そこで、同構成では、機関始動要求がなされた後、上記油圧供給手段により弁停止機構に対して十分な油圧が供給されて、ターボ側排気バルブのバルブ動作状態を閉弁状態に保持することができる状態になってから、クランキングを開始するようにしている。従って、ターボ側排気バルブのバルブ動作状態が、機関振動に起因して閉弁状態から開閉状態に変化することを適切に抑えることができるようになる。
請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載のターボチャージャ付き内燃機関の制御装置において、前記油圧供給手段が電動式油圧ポンプであり、機関始動要求がなされたときに前記電動式油圧ポンプの駆動を開始することをその要旨とする。
同構成によれば、上記油圧供給手段が電動式油圧ポンプで構成されており、機関始動要求がなされたときにその電動式油圧ポンプの駆動が開始される。そのため、機関始動要求がなされた場合、クランクシャフトが回転していなくても直ちに油圧を高めることができるようになる。従って、ターボ側排気バルブの閉弁状態を確実に保持することができるようになる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置において、前記弁停止機構は、油圧のみを利用して穴から出し入れされるピンを有しており、同ピンを前記穴から出し入れすることにより前記バルブ動作状態を切り替える機構であることをその要旨とする。
同構成によれば、弁停止機構に設けられたピンが、油圧のみを利用して穴から出し入れされることにより上記バルブ動作状態が切り替えられる。従って、機関停止に先立って、ターボ側排気バルブが閉弁状態になるように、油圧を利用してピンの位置を変更しておけば、その後機関停止が実際に行われて油圧供給が絶たれても、ピンの位置がそのまま保持されてターボ側排気バルブを閉弁状態に保持しておくことが可能になる。そのため、機関始動時において、ターボ側排気バルブのバルブ動作状態を予め閉弁状態にしておくことも容易に実施可能になり、上記請求項1の構成による作用効果を適切に得ることができる。
ただし、このように油圧のみを利用してピンを穴から出し入れする場合には、上述したような不具合、すなわち機関始動時に発生する機関振動によってピンが移動してしまい、ターボ側排気バルブのバルブ動作状態が閉弁状態から開閉状態に変化してしまうおそれがある。しかし、そうした機関始動時におけるバルブ動作状態の変化については、上記請求項2〜4のいずれか1項に記載の構成を備えることにより、これを適切に抑えることが可能になる。
(第1実施形態)
以下、この発明にかかるターボチャージャ付き内燃機関の制御装置を具体化した第1実施形態について、図1〜図7を参照して説明する。
図1に、本実施形態にかかる制御装置が適用されたエンジン1の吸気系及び排気系の構造を示す。
エンジン1には複数の気筒2が設けられており、シリンダヘッド3には各気筒2毎に第1吸気ポート4A、第2吸気ポート4B、第1排気ポート5A、及び第2排気ポート5Bが設けられている。
第1吸気ポート4A及び第2吸気ポート4Bは、その一端がそれぞれエンジン1の燃焼室側に開口されており、他端はシリンダヘッド3内で合流されている。また、シリンダヘッド3には、第1吸気ポート4A及び第2吸気ポート4Bをそれぞれ開閉する吸気バルブ30が設けられている。気筒2毎に対応して設けられた第1吸気ポート4A及び第2吸気ポート4Bの合流部には、吸気通路4が接続されている。この吸気通路4には、吸入空気量を調量するスロットルバルブ6が設けられており、スロットルバルブ6の上流側には、吸気を過給するターボチャージャ20のコンプレッサ21が接続されている。
第1排気ポート5A及び第2排気ポート5Bは、その一端がそれぞれエンジン1の燃焼室側に開口されており、他端もそれぞれシリンダヘッド3の外側に向けて開口されている。このように第1排気ポート5A及び第2排気ポート5Bは、互いに独立してシリンダヘッド3内に設けられている。また、シリンダヘッド3には、第1排気ポート5Aを開閉するターボ側排気バルブ50Aと、第2排気ポート5Bを開閉するバイパス側排気バルブ50Bとが設けられている。
各気筒2毎に設けられた第1排気ポート5Aと、ターボチャージャ20のタービン22とは、ターボ側排気通路7Aにて接続されている。このターボ側排気通路7Aにより、各第1排気ポート5Aから排出された排気がターボチャージャ20にあってタービン22の上流側に導かれ、ターボチャージャ20への排気の供給が行われる。タービン22の出口側(排気の下流側)には排気通路8が接続されており、その排気通路8の途中には、排気成分を浄化する触媒9が設けられている。
各気筒2毎に設けられた第2排気ポート5Bと、上記排気通路8とは、バイパス側排気通路7Bで接続されている。このバイパス側排気通路7Bにより、各第2排気ポート5Bから排出された排気がタービン22の下流側に導かれ、これにより各第2排気ポート5Bから排出された排気は、ターボチャージャ20を通過することなく触媒9に導入される。
また、ターボ側排気通路7Aと排気通路8とは、連通配管60にて接続されており、その連通配管60の途中には、開度調整の可能なウェイストゲートバルブ(以下、WGV)61が設けられている。このWGV61の開度調整を通じてターボチャージャ20に供給される排気の量が調整されることにより、過給圧の過剰な上昇が抑制される。
図2に、エンジン1の断面についてその模式図を示す。なお、以下では、吸気バルブ30及びターボ側排気バルブ50Aの駆動構造について説明するが、バイパス側排気バルブ50Bの駆動構造はターボ側排気バルブ50Aの駆動構造と同一である。
シリンダヘッド3には燃料噴射弁10が設けられており、エンジン1の吸入空気量に対応した量の燃料が燃料噴射弁10から気筒2内に向けて直接噴射供給される。その結果、エンジン1における各気筒の燃焼室11内に空気と燃料とからなる混合気が形成され、その混合気に対し点火プラグ12による点火が行われることによりクランクシャフト13が回転されて機関出力が得られる。このクランクシャフト13は、機関始動時にスタータモータ70によってクランキングされる。また、クランクシャフト13の回転によって油圧ポンプ210が駆動され、これによりオイルパン220内の潤滑油がエンジン1の油圧系統200に供給される。
次に、吸気バルブ30及びターボ側排気バルブ50Aの駆動構造について説明する。なお、バイパス側排気バルブ50Bの駆動構造はターボ側排気バルブ50Aの駆動構造と同一であるため、以下では基本的にターボ側排気バルブ50Aの駆動構造について説明する。
吸気バルブ30は、吸気カムシャフト31の回転に伴って開閉動作される。より詳しくは、吸気バルブ30は、吸気側バルブスプリング32によって閉弁方向に付勢されており、吸気カムシャフト31に設けられた吸気カム31Aと吸気バルブ30との間には、ローラ33Aを備えた吸気側ロッカアーム33が設けられている。そして、回転する吸気カム31Aがローラ33Aを押圧することにより、吸気側ロッカアーム33はその一端を支持するラッシュアジャスタ35との接点を中心に揺動し、吸気側バルブスプリング32の反力に抗して吸気バルブ30を押圧する。こうした吸気側ロッカアーム33による吸気バルブ30の押圧及び吸気側バルブスプリング32の反力によって吸気バルブ30は開閉動作される。
ターボ側排気バルブ50A及びバイパス側排気バルブ50Bは、排気カムシャフト51の回転に伴って開閉動作される。このターボ側排気バルブ50Aは、排気側バルブスプリング52によって閉弁方向に付勢されており、排気カムシャフト51に設けられた排気カム51Aとターボ側排気バルブ50Aとの間には、排気カム51Aに当接するローラ53Aを備えた排気側ロッカアーム53が設けられている。そして、回転する排気カム51Aがローラ53Aを介して排気側ロッカアーム53を押圧することにより、排気側ロッカアーム53はその一端を支持するラッシュアジャスタ55との接点を中心に揺動し、排気側バルブスプリング52の反力に抗してターボ側排気バルブ50Aを押圧する。こうした排気側ロッカアーム53によるターボ側排気バルブ50Aの押圧及び排気側バルブスプリング52の反力によってターボ側排気バルブ50Aは開閉動作される。
上記排気側ロッカアーム53には、ターボ側排気バルブ50Aのバルブ動作状態を開閉状態及び閉弁状態に切り替えるターボ側弁停止機構54Aが設けられている。このターボ側弁停止機構54Aは、排気カム51Aが排気側ロッカアーム53を押圧することによって行われるターボ側排気バルブ50Aの開閉動作についてその動作を停止させることが可能な機構になっている。
図3に、ターボ側弁停止機構54Aの構造についてその部分断面を模式的に示す。この図3に示すように、排気側ロッカアーム53にあってターボ側排気バルブ50Aやラッシュアジャスタ55が当接するボディ53Dの内側には、上記ローラ53Aが回転可能に軸支された揺動部53Cが設けられている。
この揺動部53Cの一方端にはトーションバー53Eが固定されており、このトーションバー53Eの両端は、排気側ロッカアーム53のボディ53Dに固定されている。揺動部53Cは、そのトーションバー53Eの軸心を中心にして、ボディ53Dに対し揺動可能にされている。
揺動部53Cの他方端には、穴形状の第1油圧室53Fが設けられている。この第1油圧室53F内には、その内径とほぼ同じ径を有したピン53Pが配設されている。
ボディ53Dにあって、第1油圧室53Fに対向する部位には、第1油圧室53Fとほぼ同径の穴形状をなす第2油圧室53Hが形成されている。この第2油圧室53Hの深さはピン53Pの長さよりも短くされている。
第2油圧室53Hは、第2油圧通路300Hを介して制御弁310に接続されている。第1油圧室53Fは、揺動部53Cの内部及びトーションバー53Eの内部に形成された油路300Aと、この油路300Aに接続される第1油圧通路300Fとを介して上記制御弁310に接続されている。そして制御弁310は、上記油圧系統200を介して上記油圧ポンプ210に接続されている。
図3に示すように、ターボ側弁停止機構54Aの非作動時には、第1油圧室53Fに油圧が供給されるように制御弁310の駆動制御がなされ、これによりピン53Pが第2油圧室53H及び第1油圧室53Fの双方に挿入された状態にされる。この場合には、ボディ53Dに対する揺動部53Cの揺動が規制されて、排気カム51Aによってローラ53Aが押圧されると、それに基づき排気側ロッカアーム53が揺動してターボ側排気バルブ50Aが開閉動作される。
一方、図4に示すように、ターボ側弁停止機構54Aの作動時には、第2油圧室53Hに油圧が供給されるように制御弁310の駆動制御がなされ、これによりピン53Pが第2油圧室53Hから離脱されて、第1油圧室53Fにのみ挿入された状態にされる。この場合には、揺動部53Cはボディ53Dに対して揺動可能になる。従って、排気カム51Aによってローラ53Aが押圧されると、ローラ53Aは排気側ロッカアーム53(ボディ53)に対して相対移動し、いわば空振りのような状態になる。そのため、排気側ロッカアーム53の揺動は停止され、これにより排気カム51Aの回転に伴うターボ側排気バルブ50Aの開閉動作は停止されて、ターボ側排気バルブ50Aは閉弁状態に保持される。
なお、バイパス側排気バルブ50Bを開閉動作させる排気側ロッカアーム53にも、ターボ側弁停止機構54Aと同様な構造を有したバイパス側弁停止機構54Bが設けられており、このバイパス側弁停止機構54Bも、上述したターボ側弁停止機構54Aに対応する制御弁310と同様な制御弁310にてその作動状態が切り替えられる。そして、バイパス側弁停止機構54Bの非作動時にはバイパス側排気バルブ50Bが開閉動作され、作動時にはバイパス側排気バルブ50Bが閉弁状態に保持される。また、ターボ側弁停止機構54Aに対応する制御弁310やバイパス側弁停止機構54Bに対応する制御弁310にて行われる油路切替は、後述する制御装置100からの切替信号に基づいて行われる。
図5に、本実施形態における排気バルブの駆動系を模式的に示す。この図5に示すように、ターボ側排気バルブ50Aを開閉させる排気カム51Aの回転は、ターボ側弁停止機構54Aを備える排気側ロッカアーム53を介してターボ側排気バルブ50Aに伝達される。同様に、バイパス側排気バルブ50Bを開閉させる排気カム51Aの回転は、バイパス側弁停止機構54Bを備える排気側ロッカアーム53を介してバイパス側排気バルブ50Bに伝達される。
先の図1に示すように、エンジン1には各種センサやスイッチ等が設けられている。例えば、アクセルポジションセンサ110により、車両運転者によって踏み込み操作されるアクセルペダルの踏み込み量(アクセル操作量ACCP)が検出される。また、スロットルポジションセンサ120により、スロットルバルブ6の開度(スロットル開度TA)が検出される。また、エアフロメータ130により、エンジン1に吸入される空気の量(吸入空気量GA)が検出される。また、クランクポジションセンサ140により、エンジン1のクランクシャフト13の回転角度、すなわちクランク角が検出され、その検出信号に基づいて機関回転速度NEが算出される。また、水温センサ150により、エンジン1の冷却水温THWが検出される。また、コンプレッサ21とスロットルバルブ6との間に設けられた圧力センサ160により、ターボチャージャ20によって過給される吸気の圧力、即ち過給圧CPが検出される。また、油圧センサ170によってエンジン1の油圧系統内の圧力(油圧P)が検出される。また、イグニッションスイッチ(以下、IGスイッチという)180によって、エンジン1が搭載された車両の運転者によるエンジン1への機関始動要求や機関停止要求が検出される。
エンジン1の各種制御は、制御装置100によって行われる。この制御装置100は、各種制御にかかる演算処理を実行するCPU、その制御に必要なプログラムやデータの記憶されたROM、CPUの演算結果が一時的に記憶されるRAM、外部との間で信号を入・出力するための入・出力ポート等を備えて構成されている。その入力ポートには、上記各種センサやスイッチなどの信号線が接続されている。また、出力ポートには、燃料噴射弁10、点火プラグ12、スロットルバルブ6、WGV61、ターボ側弁停止機構54A及びバイパス側弁停止機構54B、スタータモータ70等の駆動制御回路が接続されている。そして、制御装置100は、各種センサやスイッチ等にて検出された機関運転状態に応じて上記出力ポートに接続された各種駆動制御回路に指令信号を出力する。これにより、燃料噴射制御、点火時期制御、吸入空気量制御、WGV61の開度制御、ターボ側弁停止機構54A及びバイパス側弁停止機構54Bの駆動制御、スタータモータ70の駆動制御、電動ポンプ250の駆動制御等が制御装置100によって実施される。
以下、制御装置100によって実施されるターボ側弁停止機構54A及びバイパス側弁停止機構54Bの駆動制御によりそのバルブ動作態様が切り替えられるターボ側排気バルブ50A及びバイパス側排気バルブ50Bの作動処理について説明する。
図6に、排気バルブの作動処理についてその手順を示す。なお、本処理は、制御装置100により所定周期毎に繰り返し実行される。
本処理が開始されるとまず、冷却水温THWが暖機完了判定値THd以上であるか否かが判定される(S100)。そして、冷却水温THWが暖機完了判定値THd未満である場合には(S100:NO)、エンジン1が冷間状態にあり、触媒9の温度は規定温度未満、より具体的には活性化温度未満になっていると判断されて、ステップS110の処理が行われ、本処理は一旦終了される。
ステップS110では、バイパス側弁停止機構54Bを非作動にすることでバイパス側排気バルブ50Bが開閉動作されるとともに、ターボ側弁停止機構54Aを作動させることによりターボ側排気バルブ50Aが閉弁状態に保持される。これにより、各気筒2から排出される排気の全てがバイパス側排気通路7Bに導入されるようになり、ターボチャージャ20を通過することによる排気の温度低下が回避できるようになるため、触媒9の早期昇温が図られる。
一方、冷却水温THWが暖機完了判定値THd以上である場合には(S100:YES)、エンジン1の暖機が完了しており、触媒9の温度は規定温度以上、より具体的には活性化温度以上になっていると判断されて、ステップS120以降の各処理が行われる。
まず、ステップS120では、機関回転速度NEに基づいて切替圧CP1が設定される。この切替圧CP1は、機関負荷が予め設定された規定負荷よりも低い低負荷状態にあるか否かを判定するための判定値として設定される。すなわち、機関負荷に相関する吸入空気量と過給圧CPとは相関関係にあり、過給圧CPが低いほど吸入空気量が少なくなり、機関負荷は低いと判断することができる。ここで、過給圧CPが同一であっても、機関回転速度NEが高くなるほど単位時間当たりの吸入空気量は多くなり、その結果、機関負荷も高い状態になる。従って、過給圧CPに基づく機関負荷の判定に際して、吸入空気量に対する機関回転速度の影響を考慮すると、切替圧CP1は機関回転速度NEが高くなるほど低くなるように可変設定することが望ましい。そこで、このステップS120では、機関回転速度NEが高くなるほど切替圧CP1が低くなるように、その切替圧CP1が機関回転速度NEに基づいて可変設定される。これにより、過給圧CPによる機関負荷の状態判定が精度よく行われることとなる。
次に、現在の過給圧CPが上記態様にて設定された切替圧CP1以上であるか否かが判定される(S130)。そして、過給圧CPが切替圧CP1に満たない場合には(S130:NO)、現在の機関負荷が規定負荷以下の低負荷状態になっていると判断されて、ステップS140の処理が行われ、本処理は一旦終了される。
ステップS140では、バイパス側弁停止機構54Bを作動させることでバイパス側排気バルブ50Bが閉弁状態に保持されるとともに、ターボ側弁停止機構54Aを非作動にすることによりターボ側排気バルブ50Aが開閉動作される。これにより、各気筒2から排出される排気の全てがターボ側排気通路7Aに導入されるようになる。従って、低負荷状態、或いは低負荷状態から機関負荷が増大していく過程において、ターボチャージャ20に対する排気流量は十分に確保され、低負荷状態、或いは低負荷状態から機関負荷が増大する過程での過給圧CPは十分に高められるようになる。そのため、低負荷状態から機関負荷が増大していく過程では機関出力の増大要求が高くなるのであるが、そうした機関出力の増大に影響する過給圧CPを十分に高めることができ、例えば低負荷状態からの加速レスポンス等が向上される。
上記ステップS130にて、過給圧CPが切替圧CP1以上であると判定される場合には(S130:YES)、現在の機関負荷が低負荷状態と判断される状態よりも高い状態にあると判断されて、ステップS150の処理が行われ、本処理は一旦終了される。
ステップS150では、バイパス側弁停止機構54Bを非作動にすることでバイパス側排気バルブ50Bが開閉動作されるとともに、ターボ側弁停止機構54Aを非作動にすることによりターボ側排気バルブ50Aも開閉動作される。これにより、過給圧CPが切替圧CP1未満の状態から切替圧CP1以上の状態に変化した場合には、それまで開閉動作されていたターボ側排気バルブ50Aに加え、バイパス側排気バルブ50Bも閉弁状態から開閉動作状態に切り替えられる。このように過給圧CPが切替圧CP1以上となった場合に、バイパス側排気バルブ50Bの動作態様を閉弁状態から開閉動作に切り替えることにより、次のような効果が得られる。
すなわち、過給圧CPが切替圧CP1以上となっており、機関負荷が低負荷状態と判断される状態よりも高い状態になっているときには、過給圧CPが切替圧CP1未満になっているときに比して排気流量が増大している。このように排気流量が増大しているときに各気筒2から排出される排気の全てがターボチャージャ20に供給されてしまうと、場合によっては、過剰な量の排気がターボチャージャ20に供給されることにより、ターボチャージャ20での圧力損失が増大し、機関出力が低下してしまうおそれがある。この点、上記ステップS150の処理を行うことにより、過給圧CPが切替圧CP1以上となってとき、すなわち機関負荷が低負荷状態と判断される状態よりも高い状態になっており、それまでよりも排気流量が増大する機関運転状態になっているときには、バイパス側排気バルブ50Bの動作態様が閉弁状態から開閉動作に切り替えられる。これにより各気筒2から排出される排気の一部がバイパス側排気通路7Bに分流されるようになり、ターボチャージャ20への過剰な排気供給が抑制される。そのため、排気流量が増大する機関運転状態でのターボチャージャ20における圧力損失の増大が抑制されるようになり、そうした機関運転状態での機関出力の低下を抑えることが可能になる。
ところで、停止されていたエンジン1を始動させるときには、触媒9の温度は低下していることが多いため、機関始動直後におけるターボ側排気バルブ50Aのバルブ動作状態は、触媒9の早期昇温を図るべく閉弁状態にすることが望ましい。
ここで、触媒9の温度が十分に上昇したと判定されると、ターボ側排気バルブ50Aのバルブ動作状態は閉弁状態から開閉状態に切り替えられる。従って、機関運転がある程度行われた後に機関停止が行われたときには、ターボ側排気バルブ50Aのバルブ動作状態が開閉状態にされている。そのため、次回、機関始動が行われるときには、ターボ側排気バルブのバルブ動作状態を開閉状態から閉弁状態に速やかに切り替える必要がある。
しかし、ターボ側弁停止機構54Aによるバルブ動作状態の切替に必要な油圧は、クランクシャフト13で駆動される油圧ポンプ210で発生されるため、機関始動直後、より詳細には機関始動要求に基づくクランキングの開始以降、機関回転速度がある程度高くなるまでは、そうした油圧を十分に高めることができない。従って、そうした機関始動直後の低油圧状態では、ターボ側弁停止機構54Aに十分な油圧を供給することができず、ターボ側排気バルブ50Aのバルブ動作状態を閉弁状態にすることができないおそれがある。そのため、機関始動後、油圧ポンプ210で発生する油圧がある程度高くなるまでは、ターボ側排気バルブ50Aを閉弁状態にすることによる触媒9の早期昇温効果が得られなくなるおそれがある。
そこで、本実施形態では、以下に説明する機関始動時処理を実行することにより、機関始動直後における触媒9の早期昇温をより確実に行うことができるようにしている。
図7に、上記機関始動時処理の手順を示す。なお、本処理は、制御装置100によって所定周期毎に繰り返し実行される。
本処理が開始されるとまず、機関停止要求があるか否かが判定される(S200)。ここでは、車両運転者によるIGスイッチ180の操作に基づいた機関停止要求があるか否かが判定される。そして、機関停止要求がない場合には(S200:NO)、本処理は終了される。
一方、機関停止要求がある場合には(S200:YES)、カウンタCの計測が開始される(S210)。
次に、ターボ側排気バルブ50Aを閉弁状態にするべく、ターボ側弁停止機構54Aに対する油圧制御が実行されて、そのターボ側弁停止機構54Aが作動される(S220)。ここでは、先の図4に示すように、第2油圧室53Hに油圧が供給されるように制御弁310の駆動制御がなされ、これによりピン53Pは第1油圧室53Fにのみ挿入された状態にされる。
次に、カウンタCが判定値A以上になったか否かが判定される(S230)。この判定値Aには、第2油圧室53Hに対する油圧供給が開始されてから、ピン53Pが第1油圧室53Fにのみ挿入された状態になるまでに要する時間に相当する値が設定されている。そして、カウンタCが判定値A未満である場合には(S230:NO)、上記ステップS220及びこのステップS230の処理が繰り返し実行される。
一方、カウンタCが判定値A以上である場合には(S230:YES)、ターボ側弁停止機構54Aに対する油圧制御により、ターボ側排気バルブ50Aのバルブ動作状態は閉弁状態になっていると判断されて、機関停止が実行される(S240)。このステップS240では、燃料噴射及び燃料点火が停止されることにより、機関停止要求に基づいた機関停止が実際に実行される。そして、本処理は終了される。
こうした機関停止時処理が実行されることにより、機関停止要求がなされたときには、機関停止の実行に先立って、ターボ側排気バルブ50Aのバルブ動作状態が閉弁状態になるようにターボ側弁停止機構54Aに対する油圧制御が行われる。そのため、次回の機関始動時においては、ターボ側排気バルブ50Aのバルブ動作状態が予め閉弁状態にされている状態で機関始動が行われる。従って、機関始動直後の低油圧状態において、ターボ側弁停止機構54Aによるバルブ動作状態の切替を行わなくても、ターボ側排気バルブ50Aのバルブ動作状態はすでに閉弁状態にされている。そのため、ターボ側弁停止機構54Aに対する油圧が不足しやすい機関始動直後においても、気筒2から排出される排気の全てがターボチャージャ20を通過することなく触媒9に導入されるようになり、機関始動直後における触媒9の早期昇温がより確実に行われるようになる。
また、ターボ側弁停止機構54Aによるバルブ動作状態の切替は、ピン53Pを第2油圧室53Hから出し入れすることによって行われるのであるが、そうしたピン53Pの出し入れが油圧のみを利用して行われる。従って、上記機関停止時処理では、機関停止に先立って、ピン53Pが第1油圧室53Fにのみ挿入された状態になるように、油圧を利用してピン53Pの位置を変更するようにしているが、その後、機関停止が実際に行われて油圧ポンプ210からの油圧供給が絶たれても、ピン53Pの位置は第1油圧室53Fにのみ挿入された位置に保持される。そのため、油圧供給が絶たれる機関停止中においてもターボ側排気バルブ50Aを閉弁状態に保持することが可能になる。従って、機関始動時において、ターボ側排気バルブ50Aのバルブ動作状態を予め閉弁状態にしておくことも容易に実施可能となる。
以上説明したように、本実施形態によれば次のような作用効果を得ることができる。
(1)機関停止要求がなされたときには、機関停止の実行に先立って、ターボ側排気バルブ50Aのバルブ動作状態が閉弁状態になるように、ターボ側弁停止機構54Aに対する油圧制御を行うようにしている。そのため、クランクシャフト13によって駆動される油圧ポンプ210からターボ側弁停止機構54Aに対して供給される油圧が不足しやすい機関始動直後においても、気筒2から排出される排気の全てをターボチャージャ20を通過することなく触媒9に導入させることができるようになる。従って、機関始動直後における触媒9の早期昇温をより好適に行うことができるようになる。
(2)ターボ側弁停止機構54Aに、油圧のみを利用して第2油圧室53Hから出し入れされるピン53Pを設け、このピン53Pを第2油圧室53Hから出し入れすることによってターボ側排気バルブ50Aのバルブ動作状態を切り替えるようにしている。従って、機関停止に先立って、ターボ側排気バルブ50Aが閉弁状態になるように油圧を利用してピン53Pの位置を変更しておくことにより、その後、機関停止が実際に行われてターボ側弁停止機構54Aに対する油圧供給が絶たれても、ピン53Pの位置がそのまま保持されてターボ側排気バルブ50Aを閉弁状態に保持しておくことが可能になる。そのため、機関始動時において、ターボ側排気バルブ50Aのバルブ動作状態を予め閉弁状態にしておくことも容易に実施可能になり、上記(1)に記載の効果を適切に得ることができる。
(第2実施形態)
次に、この発明にかかるターボチャージャ付き内燃機関の制御装置を具体化した第2実施形態について、図8〜図10を参照して説明する。
上述したように、機関停止の実行に先立って、ターボ側排気バルブ50Aのバルブ動作状態が閉弁状態になるようにターボ側弁停止機構54Aの油圧制御を行っておくことで、次回の機関始動時におけるターボ側排気バルブ50Aのバルブ動作状態を予め閉弁状態にしておくことができる。ここで、上述したように、機関始動直後にあってはターボ側弁停止機構54Aに対して十分な油圧を供給することができない。そのため、機関始動時に発生する機関振動によってターボ側弁停止機構54A内の可動部、より具体的には上記ピン53Pが移動し、ターボ側排気バルブ50Aのバルブ動作状態が閉弁状態から開閉状態に変化してしまい、触媒9の早期昇温効果が得られなくなるおそれがある。
そこで、本実施形態では、上記油圧ポンプ210に加え、機関停止に際して閉弁状態にされたターボ側排気バルブ50Aのバルブ動作状態を機関始動時に保持するべく、上記ターボ側弁停止機構54Aに油圧を供給する油圧供給手段をさらに備えるとともに、以下に説明する機関始動時処理を実行するようにしている。これらの点以外は、基本的に第1実施形態と同様であるため、以下では、第1実施形態との相違点を中心に本実施形態にかかる制御装置を説明する。
まず、図8に示すように、本実施形態では、バッテリ260にて駆動される電動式油圧ポンプ(以下、電動ポンプという)250も備えるようにしており、上記油圧ポンプ210の他に、この電動ポンプ250によっても、オイルパン220内の潤滑油を油圧系統200に供給することができるようにしている。また、電動ポンプ250は、制御装置100によってその駆動が制御される。
そして、図9に、上記機関始動時処理の手順を示し、図10に、同機関始動時処理による作用を示す。なお、この機関始動時処理も、制御装置100によって所定周期毎に繰り返し実行される。
本処理が開始されるとまず、機関始動要求があるか否かが判定される(S300)。ここでは、車両運転者によるIGスイッチ180の操作に基づいた機関始動要求があるか否かが判定される。そして、機関始動要求がない場合には(S300:NO)、本処理は終了される。
一方、機関始動要求がある場合には(S300:YES、図10の時刻t1)、電動ポンプ250の駆動が開始される(S310、図10の時刻t1)。こうした電動ポンプ250の駆動により、油圧センサ170にて検出される油圧P、すなわちターボ側弁停止機構54Aに供給される油圧は上昇していく(図10の時刻t1以降)。
次に、油圧Pが判定圧P1以上であるか否かが判定される(S320)。この判定圧P1には、ピン53Pを上記第1油圧室53Fにのみ挿入された状態に保持することのできる油圧値、換言すれは機関振動によってピン53Pが上記第2油圧室53H内に移動することを抑えることができる程度の第2油圧室53H内の圧力値が設定されている。そして、油圧Pが判定圧P1未満である場合には(S320:NO)、上記ステップS320及びこのステップS330の処理が繰り返し実行される。
一方、油圧Pが判定圧P1以上になると(S320:YES、図10の時刻t2)、ターボ側弁停止機構54Aに対して電動ポンプ250から十分な油圧が供給されており、これによりターボ側排気バルブ50Aのバルブ動作状態を閉弁状態に保持することができる状態になっていると判断される。そして、クランキングが、すなわち機関始動が開始されて(S330)、本処理は終了される。
ちなみに、電動ポンプ250の駆動停止は適宜行えばよいが、例えば、油圧ポンプ210による油圧の確保が十分になされるようになった時点で駆動を停止させるようにすれば、電動ポンプ250の駆動により消費される電力を抑えることができるようになる。また、機関停止と同時に駆動を停止させるようにすれば、電動ポンプ250の駆動によって得られる油圧上昇分だけ油圧ポンプ210の吐出能力を低下させることができ、これにより油圧ポンプ210を小型化したり、油圧ポンプ210の駆動に伴う機関出力の消費分を減少させることができる。
なお、本実施形態におけるエンジン1では、クランクシャフト13によって駆動される油圧ポンプ210に加えて、さらに上記電動ポンプ250を設けるようにしているため、この電動ポンプ250の吐出能力は、油圧ポンプ210の非駆動時において上記判定圧P1が得られる程度の能力があればよい。従って、上記油圧ポンプ210に代えて電動式油圧ポンプを設ける場合と比較して、本実施形態における電動ポンプ250は比較的小型のものを使用することができる。
以上説明した本実施形態によれば、第1実施形態による作用効果に加え、さらに次のような作用効果を得ることができる。
(3)上記油圧ポンプ210に加え、機関停止に際して閉弁状態にされたターボ側排気バルブ50Aのバルブ動作状態を機関始動時に保持するべくターボ側弁停止機構54Aに油圧を供給する油圧供給手段をさらに備えるようにしている。従って、機関始動時に発生する機関振動によってターボ側弁停止機構54A内の可動部であるピン53Pが移動することを抑制することができるようになり、ターボ側排気バルブ50Aのバルブ動作状態が閉弁状態から開閉状態に変化することを抑えることができるようになる。
(4)機関始動時に発生する機関振動は、機関始動要求に伴うクランキングの開始以降に発生する。そこで、機関始動要求がなされた後、上記油圧供給手段によりターボ側弁停止機構54Aに対して十分な油圧が供給され、ターボ側排気バルブ50Aのバルブ動作状態を閉弁状態に保持することができる状態になってから、クランキングを開始するようにしている。従って、ターボ側排気バルブ50Aのバルブ動作状態が、機関振動に起因して閉弁状態から開閉状態に変化することを適切に抑えることができるようになる。
(5)上記油圧供給手段として、電動式油圧ポンプ(電動ポンプ250)を用いるようにしており、機関始動要求がなされたときにその電動式油圧ポンプの駆動を開始するようにしている。そのため、機関始動要求がなされた場合、クランクシャフト13が回転していなくても直ちに油圧系統200内の油圧を高めることができるようになる。従って、機関始動時において、ターボ側排気バルブ50Aの閉弁状態を確実に保持することができるようになる。
(6)ターボ側弁停止機構54Aに、油圧のみを利用して第2油圧室53Hから出し入れされるピン53Pを設け、このピン53Pを第2油圧室53Hから出し入れすることによってターボ側排気バルブ50Aのバルブ動作状態を切り替えるようにしている。これにより上記(2)に記載の効果を得ることができるのであるが、油圧のみを利用してピン53Pを第2油圧室53Hから出し入れする場合には、上記不具合、すなわち機関始動時に発生する機関振動によってピン53Pが移動してしまい、ターボ側排気バルブ50Aのバルブ動作状態が閉弁状態から開閉状態に変化してしまうおそれがある。しかし、そうした機関始動時におけるバルブ動作状態の変化については、上記(3)〜(5)の効果によってこれを適切に抑えることが可能になる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更して実施することもできる。
・触媒9の温度が規定温度以上になっているか否かを冷却水温THWに基づいて判定するようにしたが、この他のパラメータ、例えば吸気温度や油温、あるいは機関始動時からの経過時間などに基づいて判定するようにしてもよい。
・上記切替圧CP1を機関回転速度NEに基づいて可変設定するようにしたが、より簡易的には、予め設定された一定値で固定するようにしてもよい。
・機関負荷が規定負荷以下の低負荷状態であるか否かを、過給圧CPに基づいて判定するようにした。この他、吸入空気量GAや、アクセル操作量ACCP、あるいは燃料噴射弁10の燃料噴射量等に基づき、機関負荷が規定負荷以下の低負荷状態であるか否かを判定するようにしてもよい。
・冷却水温THWが暖機完了判定値THd未満のときには、バイパス側排気バルブ50Bを開閉動作させるとともにターボ側排気バルブ50Aを閉弁状態に保持することにより、機関出力の確保よりも暖機の早期完了を優先させるようにした。この他、冷却水温THWが暖機完了判定値THd未満のときでも、過給圧CPが切替圧CP1を超えたときには、ターボ側排気バルブ50Aを開閉動作させるようにして、暖機の早期完了よりも機関出力の確保を優先させるようにしてもよい。
・先の図5に示したように、上記実施形態では、ターボ側排気バルブ50A及びバイパス側排気バルブ50Bの双方に弁停止機構を設けるようにした。この他、図11に示すように、ターボ側排気バルブ50Aのみに弁停止機構を設けてバイパス側排気バルブ50Bについては常時開閉動作させるようにしてもよい。この場合には、例えば、図12に示すように、冷却水温THWが上記暖機完了判定値THd未満であって、エンジン1が冷間状態にあり、触媒9の温度が規定温度未満になっていると判断されるときには、ターボ側排気バルブ50Aのバルブ動作状態を閉弁状態にする。そして、冷却水温THWが上記暖機完了判定値THd以上であって、エンジン1の暖機が完了しており、触媒9の温度が規定温度以上になっていると判断されるときには、ターボ側排気バルブ50Aのバルブ動作状態を開閉動作状態にするようにしてもよい。この場合でも、触媒9の早期昇温を図ることができるようになる。
・ターボ側弁停止機構54Aやバイパス側弁停止機構54Bは、その作動時に排気バルブが閉弁状態に保持され、その非作動時に排気バルブが開閉動作される機構であったが、逆に、その作動時に排気バルブが開閉動作され、その非作動時に排気バルブが閉弁状態に保持される機構であってもよい。
・上述したターボ側弁停止機構54A及びバイパス側弁停止機構54Bに限らず、他の構成でターボ側排気バルブ50Aやバイパス側排気バルブ50Bの動作態様を開閉動作状態及び閉弁状態のいずれかに切り替えることのできる機構であってもよい。
・第2実施形態では、機関停止に際して閉弁状態にされたターボ側排気バルブ50Aのバルブ動作状態を機関始動時に保持するべくターボ側弁停止機構54Aに油圧を供給する油圧供給手段として、電動ポンプ250を使用するようにしたが、この他のものを使用するようにしてもよい。例えば、機関運転中において油圧ポンプ210で発生された油圧を蓄えておく蓄圧タンクを設け、機関始動要求がなされたときには、その蓄圧タンクからターボ側弁停止機構54Aに油圧を供給するようにしてもよい。
・上記エンジン1は、気筒内に燃料を直接噴射する筒内噴射式の内燃機関であった。この他、吸気通路内に燃料を噴射するポート噴射式の内燃機関にも本発明は同様に適用することができる。
本発明にかかるターボチャージャ付き内燃機関の制御装置の一実施形態について、これが適用される内燃機関の吸気系及び排気系の構成を示す概略図。 同実施形態における内燃機関の断面図。 同実施形態における弁停止機構の構造を示す部分断面図。 同実施形態における弁停止機構の構造を示す部分断面図。 同実施形態における排気バルブの駆動系を示す模式図。 同実施形態における排気バルブの作動処理についてその手順を示すフローチャート。 同実施形態における機関停止時処理についてその手順を示すフローチャート。 第2実施形態における油圧系統の模式図。 同実施形態における機関始動時処理についてその手順を示すフローチャート。 同機関始動時処理が実行されるときの油圧の変化態様と、電動式油圧ポンプの動作状態と、クランキングの実行状態とを示すタイミングチャート。 同実施形態の変形例における排気バルブの駆動系を示す模式図。 同実施形態の変形例における排気バルブの動作状態を示す一覧図。
符号の説明
1…エンジン、2…気筒、3…シリンダヘッド、4…吸気通路、4A…第1吸気ポート、4B…第2吸気ポート、5A…第1排気ポート、5B…第2排気ポート、6…スロットルバルブ、7A…ターボ側排気通路、7B…バイパス側排気通路、8…排気通路、9…触媒、10…燃料噴射弁、11…燃焼室、12…点火プラグ、13…クランクシャフト、20…ターボチャージャ、21…コンプレッサ、22…タービン、30…吸気バルブ、31…吸気カムシャフト、31A…吸気カム、32…吸気側バルブスプリング、33…吸気側ロッカアーム、33A…ローラ、35…ラッシュアジャスタ、50A…ターボ側排気バルブ、50B…バイパス側排気バルブ、51…排気カムシャフト、51A…排気カム、52…排気側バルブスプリング、53…排気側ロッカアーム、53A…ローラ、53C…揺動部、53D…ボディ、53E…トーションバー、53F…第1油圧室、53H…第2油圧室、53P…ピン、54A…ターボ側弁停止機構、54B…バイパス側弁停止機構、55…ラッシュアジャスタ、60…連通配管、61…ウェイストゲートバルブ(WGV)、70…スタータモータ、100…制御装置、110…アクセルポジションセンサ、120…スロットルポジションセンサ、130…エアフロメータ、140…クランクポジションセンサ、150…水温センサ、160…圧力センサ、170…油圧センサ、180…イグニッションスイッチ(IGスイッチ)、200…油圧系統、210…油圧ポンプ、220…オイルパン、250…電動式油圧ポンプ(電動ポンプ)、260…バッテリ、300A…油路、300F…第1油圧通路、300H…第2油圧通路、310…制御弁。

Claims (5)

  1. 1つの気筒について互いに独立して設けられた第1排気ポート及び第2排気ポートと、前記第1排気ポートから排出される排気をターボチャージャのタービンの上流側に導くターボ側排気通路と、前記第2排気ポートから排出される排気を前記タービンの下流側に導くバイパス側排気通路と、前記第1排気ポートに設けられた排気バルブのバルブ動作状態を開閉状態及び閉弁状態に切り替える油圧駆動式の弁停止機構と、前記タービンの下流側の排気通路に設けられて排気を浄化する触媒と、クランクシャフトにて駆動されて前記弁停止機構に油圧を供給する油圧ポンプとを備え、前記触媒の温度が規定温度以上になるまでは前記弁停止機構に対する油圧制御を通じて前記排気バルブを閉弁状態に保持するターボチャージャ付き内燃機関の制御装置であって、
    機関停止要求がなされたときには、前記排気バルブのバルブ動作状態が閉弁状態になるように前記弁停止機構に対する油圧制御を行った後に機関停止を実行する
    ことを特徴とするターボチャージャ付き内燃機関の制御装置。
  2. 前記油圧ポンプに加え、機関停止に際して閉弁状態にされた前記排気バルブのバルブ動作状態を機関始動時に保持するべく前記弁停止機構に油圧を供給する油圧供給手段をさらに備える
    請求項1に記載のターボチャージャ付き内燃機関の制御装置。
  3. 機関始動要求がなされた後、前記油圧供給手段により前記弁停止機構に供給される油圧が規定圧以上になってからクランキングを開始する
    請求項2に記載のターボチャージャ付き内燃機関の制御装置。
  4. 前記油圧供給手段が電動式油圧ポンプであり、機関始動要求がなされたときに前記電動式油圧ポンプの駆動を開始する
    請求項2または3に記載のターボチャージャ付き内燃機関の制御装置。
  5. 前記弁停止機構は、油圧のみを利用して穴から出し入れされるピンを有しており、同ピンを前記穴から出し入れすることにより前記バルブ動作状態を切り替える機構である
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
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