JP3598863B2 - 内燃機関の吸気制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関の吸気制御装置に関し、特に、アクセルペダルの踏込量とは独立に開度が設定される電子制御スロットル弁を用いた内燃機関における機関始動時の吸気制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両に搭載された内燃機関の回転数の制御は、運転席の足元に設置されたアクセルペダルの踏込量によって行われていた。即ち、従来の内燃機関には、その吸気通路にこのアクセルペダルにワイヤで接続されたスロットル弁があり、アクセルペダルが踏み込まれると、ワイヤを介してこのスロットル弁の開度が大きくなって内燃機関への吸入空気量(以後吸気量と記す)が増し、これに伴って燃料量も増えるので機関回転数が増大するようになっている。
【0003】
一方、近年、コンピュータの発達に伴い、内燃機関の回転数を電子的に最適に制御しようとする電子制御式の内燃機関が実用化されている。このような内燃機関の電子制御化としては、例えば、燃料噴射量制御、点火時期制御、吸排気弁の開弁時期の制御等が先行しており、これらに続いてスロットル弁の電子制御も実用段階に入っている。スロットル弁の開度を電子制御する内燃機関では、アクセルペダルの踏込量に関係なくスロットル弁の開度を設定することができる。
【0004】
このため、電子制御スロットル弁を使用して機関の始動時に吸気通路を閉じることにより、始動時の吸気量を減少させると共に、吸気管負圧を高めて燃料の気化促進を図ることが提案されている(例えば、特開昭61−96147号公報、特開昭63−150445号公報等)。これは、電子制御式の内燃機関では各燃焼室近傍の吸気通路内に燃料噴射弁が装着されているために、始動時に燃料が十分に微粒化しないことがあり、このときに始動性が悪化するのを防止するためである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の公報に記載の技術では、燃料の気化促進によりエミッション低減(未燃焼HCの排出抑制)効果が得られるが、スロットル弁を全閉にした状態で機関の始動を行うので、スロットル弁の下流側の空気が無くなった後に吸気量不足となり、機関の始動性が悪化するという問題点があった。これを防止するためには、スロットル弁の下流側の空気が無くなった後はスロットル弁を開いて空気を導入しなければならないが、このスロットル弁を開くタイミングの制御が適切に行われていなければやはり同じような問題が発生する。特に、大気圧の大小や機関のフリクション等の条件のばらつきによって吸気量不足が発生することが多いという問題点があった。
【0006】
そこで、本発明は、始動時に吸気通路を閉鎖して吸気管負圧を高め、燃料の微粒化を図るようにした電子制御スロットル弁を備えた内燃機関において、機関の始動時にスロットル弁を全閉にした後に適切なタイミングでスロットル弁を開弁させることにより、機関の吸気量不足による始動不良が発生しない範囲でスロットル弁の全閉状態を保持することができ、エミッションの低減と始動性の向上の両立を図ることができる吸気制御装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成する本発明の特徴は、以下に第1から第9の発明として示される。
第1の発明の構成上の特徴は、始動時に吸気通路を閉鎖し、吸気管負圧を高めた状態で燃料噴射を行う、電子制御開閉弁を備えた内燃機関の吸気制御装置において、内燃機関のイグニッションスイッチがオンにされた時に、電子制御開閉弁を全閉位置に制御する開閉弁の全閉制御手段と、開閉弁が全閉状態になった機関の始動時に、開閉弁の下流側の容積分の空気が全て消費されたか否かを判定する空気消費量の判定手段と、開閉弁の下流側の容積分の空気が全て消費されたと判定した時に、開閉弁を所定開度まで開弁させる開弁手段とを設けたことにある。
【0008】
第1の発明では、電子制御開閉弁を適切なタイミングで開弁制御できるので、機関の吸気量不足による始動不良が発生しない範囲でスロットル弁の全閉状態を保持することができ、エミッション低減と始動性向上の両立を図ることができる。
第2の発明の構成上の特徴は、第1の発明において、空気消費量の判定手段による開閉弁の下流側の容積分の空気が全て消費されたことの判定を、機関の燃焼室に吸入された吸気量の積算値が開閉弁の下流側の容積分の空気分に到達した時にすることにある。
【0009】
第3の発明の構成上の特徴は、第2の発明において、機関の燃焼室に吸入された吸気量の積算値を、燃焼室容積、機関回転数、及び機関回転数に対応した体積効率によって算出することにある。
第4の発明の構成上の特徴は、第3の発明において、機関の燃焼室に吸入された吸気量の積算値を、吸気の温度によって補正することにある。
【0010】
第2から第4の発明では、電子制御開閉弁を開弁する吸気量の積算値を正確に計測することができる。
第5の発明の構成上の特徴は、第1の発明において、空気消費量の判定手段による開閉弁の下流側の容積分の空気が全て消費されたことの判定を、機関が始動されてからの経過時間が、規定時間に到達した時に行うことにある。
【0011】
第5の発明では、機関のクランキングが開始されてから規定時間が経過すると必ず電子制御開閉弁が開弁される。
第6の発明の構成上の特徴は、第1の発明において、空気消費量の判定手段による開閉弁の下流側の容積分の空気が全て消費されたことの判定を、開閉弁の下流側の吸気通路内に設けられた圧力センサの検出値が所定値未満に到達した時に行うことにある。
【0012】
第6の発明では、吸気管内の圧力が所定値未満になると必ず電子制御開閉弁が開弁される。
第7の発明の構成上の特徴は、第1の発明において、更に、機関の回転数を検出する機関回転数検出手段と、機関の始動時に機関の回転数の落ち込みが発生したか否かを判定する回転数の落ち込み判定手段とを設け、回転数の落ち込みが発生した場合に、開閉弁の下流側の容積分の空気が全て消費される前でも開弁手段が開閉弁を所定開度まで開弁させることにある。
【0013】
第8の発明の構成上の特徴は、第7の発明において、更に、機関の水温を検出する水温検出手段を設け、回転数の落ち込み判定手段による機関の落ち込みが発生したと判定する機関の回転数の偏差を、水温が低い程大きく設定したことにある。
第8の発明では、始動時に機関回転数の落ち込みが発生した場合は開閉弁が開弁されるので、機関がストールしない。
【0014】
第9の発明の構成上の特徴は、第17又は8の何れかの発明において、開弁手段が開閉弁を段階的に所定開度まで開弁させることにある。第9の発明では、開閉弁の急激な開弁によるショックが発生しない。
第10の発明の構成上の特徴は、第5の発明において、規定時間が、機関水温、油温、及び大気圧の少なくとも1つの条件に基づいて補正されることにある。第10の発明では、規定時間が機関水温、油温、及び大気圧等に応じて適切なものとなる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を用いて本発明の実施形態を具体的な実施例に基づいて詳細に説明する。
図1には本発明の一実施例の吸気制御装置を備えた電子制御燃料噴射式の多気筒内燃機関1が概略的に示されている。図1において、内燃機関1の吸気通路2には図示しないエアクリーナの下流側にスロットル弁3が設けられており、このスロットル弁3の軸の一端にはこのスロットル弁3を駆動するアクチュエータであるスロットルモータ4が設けられており、他端にはスロットル弁3の開度を検出するスロットル開度センサ5が設けられている。即ち、この実施例のスロットル弁3はスロットルモータ4によって開閉駆動される電子制御スロットル(以後、単に電子スロットルと記す)である。電子スロットルでは、スロットル弁3の開度指令値が入力された時に、スロットルモータ4がこの指令値に応答してスロットル弁3を指令開度に追従させる。
【0016】
吸気通路2のスロットル弁3の上流側には大気圧センサ18があり、下流側にはサージタンク6がある。このサージタンク6内には吸気の圧力を検出する圧力センサ7が設けられている。更に、サージタンク6の下流側には、各気筒毎に燃料供給系から加圧燃料を吸気ポートへ供給するための燃料噴射弁8が設けられている。スロットル開度センサ5の出力と圧力センサ7の出力は、マイクロコンピュータを内蔵したECU(エンジン・コントロール・ユニット)10に入力される。
【0017】
また、内燃機関1のシリンダブロックの冷却水通路9には、冷却水の温度を検出するための水温センサ11が設けられている。水温センサ11は冷却水の温度に応じたアナログ電圧の電気信号を発生する。排気通路12には、排気ガス中の3つの有害成分HC,CO,NOxを同時に浄化する三元触媒コンバータ(図示せず)が設けられており、この触媒コンバータの上流側の排気通路12には、空燃比センサの一種であるO2 センサ13が設けられている。O2 センサ13は排気ガス中の酸素成分濃度に応じて電気信号を発生する。これら水温センサ11及びO2 センサ13の出力はECU10に入力される。
【0018】
更に、このECU10には、アクセルペダル14に取り付けられてアクセル踏込量を検出するアクセル開度センサ15からのアクセルペダルの踏込量信号(アクセル開度信号)、バッテリ16に接続されたイグニッションスイッチ17からのキー位置信号(アクセサリ位置、オン位置、スタータ位置)、リングギヤ23の回転数を検出する回転数センサ21からの機関回転数Neや、油温センサ22からの潤滑油の温度が入力される。このリングギヤ23は機関1の始動時にスタータ19によって回転させられる。
【0019】
従来の内燃機関では、一般に直流直巻モータから構成されるスタータ19はイグニッションスイッチ17がスタータ位置にされた時にオンするスタータスイッチを介してバッテリ16に接続されている。従って、イグニッションスイッチ17がオンされ、その後にイグニッションスイッチ17がスタータ位置にされた時にスタータ19が起動されて機関1が起動する。そして、機関1が稼働を開始すると、ECU10が通電されてプログラムが起動し、各センサからの出力を取り込み、スロットル弁3を開閉するスロットルモータ4や燃料噴射弁8、或いはその他のアクチュエータを制御する。ECU10には、各種センサからのアナログ信号をディジタル信号に変換するA/D変換器が含まれ、各種センサからの入力ディジタル信号や各アクチュエータを駆動する信号が出入りする入出力インタフェース101、演算処理を行うCPU102、ROM103やRAM104等のメモリや、クロック105等が設けられており、これらはバス106で相互に接続されている。ECU10の構成については公知であるので、これ以上の説明を省略する。
【0020】
一方、この実施例では、スタータ19が直接バッテリ16に接続されておらず、スタータ駆動回路20を介してバッテリ16に接続されている。そして、このスタータ駆動回路20は、ECU10からのスタータ信号STが入力されないとスタータ19をバッテリ16に接続しないようになっている。
この実施例では、機関1の始動時にスロットル弁3を一時的に閉弁して吸気通路2を閉塞し、スロットル弁3の下流側に負圧を発生させて機関の始動性を向上させている。一方、機関1が停止している時には、スロットル弁3は全閉位置にはなく、僅かに開いている。従って、機関1が停止している状態では、スロットル弁3の吸気通路2内は大気圧になっている。従って、機関1を始動させる時には、スロットルモータ4を駆動してスロットル弁3を全閉位置に制御する必要がある。この実施例では、この機関1の始動時のスロットル弁3の全閉制御において、スロットル弁3が全閉になってからスタータ19を回転させる。
【0021】
このため、ECU10には、前述のようにイグニッションスイッチ17からのキー位置信号とスロットル開度センサ5からのスロットル開度信号が入力されている。そして、この実施例では、ECU10からのスタータ信号STがスタータ駆動回路20に入力されるのは、ECU10にイグニッションスイッチ17からのスタータ位置信号と、スロットル開度センサ5からのスロットル全閉信号が共に入力された時である。
【0022】
ここで、前述のような実施例における機関1の始動時に全閉にされたスロットル弁3を開弁する制御の手順について、いくつかの実施例をフローチャートを用いて説明する。なお、以下に説明する実施例では、前述のようにイグニッションスイッチ17がオンされた後は、スロットル弁3が全閉位置になってからスタータ信号STがスタータ駆動回路20に出力されてスタータ19が稼働するが、この制御は本発明の主旨ではないので、イグニッションスイッチ17のオンからスタータ19の稼働までの動作はその説明を簡略化してある。
【0023】
図2は機関1の始動時に全閉にされたスロットル弁3を開弁する制御の手順の第1の実施例を示すフローチャートであり、このルーチンは所定時間毎、例えば、数ms毎に実行される。
まず、ステップ201ではイグニッションスイッチ17がオンされたか否か、即ち、ECU10にイグニッションスイッチ17からオン位置信号が入力されたか否かを判定する。イグニッションスイッチ17がオンになっていない時にはこのままこのルーチンを終了する。一方、ステップ201でイグニッションスイッチ17がオンされたと判定した時にはステップ202に進む。
【0024】
ステップ202ではスロットル弁3がスロットルモータ4により始動時の全閉位置に制御される。そして、次のステップ203では、機関1が始動動作中か否かを検出する。即ち、スタータ19が稼働しているか否かを検出する。スタータ19が未だ稼働していな時にはこのルーチンを終了し、スタータ19が稼働している時には機関1も稼働しているのでステップ204に進む。
【0025】
続くステップ204では機関1の回転速度を検出する。そして、次のステップ205では検出した機関1の回転速度を基にして、ECU10のROM103に予め記憶されている機関回転速度マップより空気消費量計算に使用する体積効率ηvを算出する。体積効率ηvは燃焼室の体積に対してどれだけの割合の空気が吸入されたかを示すものであり、機関回転数が大きくなるほど小さな値となる。このようにして体積効率ηvを算出した後は、ステップ206において機関1の始動開始後の機関1の1回転毎に消費空気量を算出し、これを積算して機関始動後に燃焼室に吸入された空気量(積算消費空気量)Uを算出する。ところで、内燃機関はそのクランク軸が1回転した時にその半分の気筒が吸入行程を行うので、1回転で消費する空気量は機関1の排気量Vdの半分である。従って、機関1が始動してから燃焼室内に吸入する空気量Uは、機関1の1回転毎に機関1の排気量Vdの半分を乗算し、その値に体積効率ηvを乗算した値(ηv×Vd×1/2)を積算したものである。これを式で表すと、
機関始動後に燃焼室に吸入された空気量U=Σ(ηv×Vd×1/2)…▲1▼
となる。この空気量Uは吸気温度によって補正しても良い。
【0026】
続くステップ207では▲1▼式で表される機関始動後に燃焼室に吸入された空気量Uが、吸気通路2のスロットル弁3の下流側の容積Vvol 以上になったか否かを判定する。そして、Vvol >Uの場合は、吸気通路2のスロットル弁3の下流側の容積Vvol だけの空気量が未だ消費されていないと判定してこのままこのルーチンを終了する。一方、ステップ207の判定がVvol ≦Uの場合は、吸気通路2のスロットル弁3の下流側の容積内にある空気量を全て消費したと判定してステップ208に進む。ステップ208ではスロットル弁3を始動全閉位置から所定開度まで開弁してこのルーチンを終了する。
【0027】
図3は機関1の始動時に全閉にされたスロットル弁3を開弁する制御の手順の第2の実施例を示すフローチャートを示している。このルーチンも所定時間毎、例えば、数ms毎に実行される。
第2の実施例の制御は、図2で説明した第1の実施例のスロットル弁3を開弁する制御手順に、始動時の機関1の回転数が急落した時の制御を追加したものである。従って、第2の実施例の制御手順の説明においては、第1の実施例と異なる部分のみ説明する。
【0028】
第2の実施例では、図2で説明した第1の実施例のステップ201からステップ207までの制御手順のうち、ステップ204がステップ301に変更されている以外は第1の実施例と同じである。第1の実施例ではステップ204において機関回転速度を検出していたが、第2の実施例ではステップ204に代わるステップ301において、機関回転速度を検出すると共に、機関の温度として機関の水温を検出している。即ち、第2の実施例のステップ201からステップ207までの制御手順は、第1の実施例のステップ201からステップ207の制御手順に、水温検出が加わっただけである。
【0029】
第1の実施例では、ステップ207において機関始動後に燃焼室に吸入された空気量Uが吸気通路2のスロットル弁3の下流側の容積Vvol 以上になったか否かを判定し、Vvol >Uの場合はこのままこのルーチンを終了していた。一方、第2の実施例では、ステップ207においてVvol >Uとなった時はステップ302に進む。ステップ302では、ECU10のROM103に記憶された水温マップから機関回転速度の落ち込み率ΔNEdownの判定値Kを算出する。
【0030】
機関回転速度の落ち込み率ΔNEdownは所定期間内の機関回転速度NEの落ち込みの程度を判定するものである。所定期間内の機関回転速度NEの落ち込みの程度は、機関の水温が低い程大きいので、その判定値Kの値は機関の水温が低いほど大きくする必要がある。図4はこのECU10のROM103に記憶された水温マップの一例を示すものである。このマップから分かるように、機関水温が高いほど、機関回転速度の落ち込み率ΔNEdownの判定値Kは小さく設定されている。
【0031】
このようにして機関回転速度の落ち込み率ΔNEdownの判定値Kを算出した後は、ステップ303において実際の機関回転速度の落ち込み率ΔNEdownがステップ302で算出した判定値K以上か否かを判定する。そして、ステップ303においてΔNEdown<Kの場合はこのままこのルーチンを終了するが、ステップ303においてΔNEdown≧Kの場合はステップ208に進み、スロットル弁3を始動全閉位置から開弁してこのルーチンを終了する。また、ステップ207の判定がVvol ≦Uの場合は第1の実施例と同じであり、吸気通路2のスロットル弁3の下流側の容積内にある空気量を全て消費したと判定してステップ208に進み、スロットル弁3を始動全閉位置から所定開度まで開弁してこのルーチンを終了する。
【0032】
図5は図2,図3で説明した第1、第2の実施例の始動時に全閉にされたスロットル弁3を開弁する制御の手順における、イグニッションスイッチ17のオン信号、ECU10からのスタータ信号ST、スロットル弁3の開度であるスロットル開度TA、機関回転速度NE、および、始動後に機関1に消費された空気量Uの推移を時間の経過と共に示すタイムチャートである。
【0033】
まず、第1の実施例の制御手順についてこのタイムチャートを用いて説明する。ステップ201でイグニッションスイッチ17がオンされたことが判定されると、時刻T0におけるオン信号がハイレベルになる。イグニッションスイッチ17がオンされると、ステップ202の制御によってスロットルモータ4によってスロットル弁3が閉じられ、スロットル開度TAが低下する。時刻T1においてスロットル弁3が全閉になると、スタータ信号STがECU10からスタータ駆動回路20に出力され、スタータ19が回転して機関1がクランキング中となる。この時、ステップ203からステップ204に進み、ステップ204からステップ206の手順で始動開始後の積算回転数ΣNEが算出される。
【0034】
この後の時刻T2は機関1の始動を示しており、機関1の回転速度はその後実線NMで示すように上昇し、所定回転速度まで上昇した後に僅かに低下して安定する。時刻T2以降は常に機関1に消費された空気量Uが算出され続ける。第1の実施例ではこの後の時刻T4においてVvol =Uとなるので、ステップ208の制御により、スロットル弁3が始動全閉位置から開弁され、スロットル開度TAが所定開度、例えば、アイドル開度まで大きくなる。
【0035】
一方、第2の実施例は、時刻T2で始動した機関1の回転数がその後、破線ABで示すように低下し、時刻T3で機関回転速度の落ち込み率ΔNEdownが判定値K以上になった場合を想定している。第2の実施例ではこの場合、ステップ303の制御によってスロットル弁3が開弁され、スロットル開度TAが破線TDで示すように所定開度まで大きくなる。なお、時刻T3においてはスロットル弁3を一気に所定開度まで開弁しても良いが、一点鎖線TSで示すように、スロットル弁3を段階的に所定開度まで開弁しても良い。
【0036】
以上説明したように、第1の実施例では、機関始動後の機関1の積算回転数ΣNEと体積効率ηvと機関1の排気量を使用して、吸気通路2のスロットル弁3の下流側の容積内にある空気量を全て消費した場合には、始動時に全閉にされたスロットル弁3が開弁されるので、機関の吸気量不足による始動不良が発生しない範囲でスロットル弁3を全閉に保持することができる。この結果、エミッションの低減と始動性向上の両立を図ることができる。
【0037】
また、第2の実施例の制御では第1の実施例の制御の効果に加えて、第1の実施例において吸気通路2のスロットル弁3の下流側の容積内にある空気量を全て消費していない場合でも、機関1の回転速度が急激に低下した場合には、機関1に始動不良が発生しないように始動時に全閉にされたスロットル弁3が開弁されるので、機関のフリクションが高い場合等にも機関の始動時のストールや始動不良が防止される。
【0038】
図6は機関1の始動時に全閉にされたスロットル弁3を開弁する制御の手順の第3の実施例を示すフローチャートを示している。このルーチンも所定時間毎、例えば、数ms毎に実行される。第3の実施例の制御は、始動時に全閉にされたスロットル弁3を機関1の始動開始から所定時間が経過した時に開弁するものである。
【0039】
まず、ステップ601ではイグニッションスイッチ17がオンされたか否かを判定する。イグニッションスイッチ17がオンになっていない時にはこのままこのルーチンを終了する。一方、ステップ601でイグニッションスイッチ17がオンされたと判定した時にはステップ602に進む。
ステップ602ではスロットル弁3がスロットルモータ4により始動時の全閉位置に制御される。そして、次のステップ603では、機関1が始動動作中か否かを検出する。即ち、スタータ19が稼働しているか否かを検出する。スタータ19が未だ稼働していな時にはこのルーチンを終了し、スタータ19が稼働している時には機関1も稼働しているのでステップ604に進む。
【0040】
続くステップ604では機関1のスロットル弁3の下流側の容積、機関水温、潤滑油温、大気圧の条件を読み込み、これらの条件に応じてスロットル弁開度を全閉状態に保持する保持時間Tclose を算出する。この保持時間Tclose は、図8(a) に示すように、大気圧が大きいほど長く、また、図8(b) に示すように、水温または油温が高いほど短く設定される。そして、次のステップ605では機関1の始動開始後の経過時間ΣTMを算出する。
【0041】
ステップ605で機関1の始動開始後の経過時間ΣTMを算出した後は、ステップ606において、この機関1の始動開始後の経過時間ΣTMと、ステップ604で算出したスロットル弁3を全閉状態に保持する時間Tclose との大小を比較する。そして、ΣTM<Tclose の場合はこのままこのルーチンを終了するが、ΣTM≧Tclose となった時はステップ607に進む。ステップ607ではスロットル弁3を始動全閉位置から所定開度まで開弁してこのルーチンを終了する。
【0042】
第4の実施例の制御は、図6で説明した第3の実施例のスロットル弁3を開弁する制御手順に、始動時の機関1の回転数が急落した時の制御を追加したものである。従って、第4の実施例の制御手順の説明においては、第3の実施例と異なる部分のみ説明する。
第4の実施例では、イグニッションスイッチ17がオンされた後に、機関1の仕様や環境条件に応じてスロットル弁3を全閉状態に保持する時間Tclose を算出する制御と、機関1が始動した後の経過時間ΣTMを算出してこの経過時間ΣTMとスロットル弁3を全閉状態に保持する時間Tclose とを比較する制御については第3の実施例と全く同じである。従って、図6で説明した第3の実施例のステップ601からステップ606までの制御手順は第4の実施例でも同じであるので、同じ制御手順には第3の実施例のステップ番号と同じステップ番号を付してその説明を省略する。
【0043】
第3の実施例では、ステップ606においてΣTM<Tclose の場合はこのままこのルーチンを終了していた。一方、第4の実施例では、ステップ606においてΣTM<Tclose の場合はこのルーチンを終了せずにステップ701に進む。ステップ701では、ECU10のROM103に記憶された水温マップ(図4に一例が示されるもの)から機関回転速度の落ち込み率ΔNEdownの判定値Kを算出する。
【0044】
このようにして機関回転速度の落ち込み率ΔNEdownの判定値Kを算出した後は、ステップ702において実際の機関回転速度の落ち込み率ΔNEdownがステップ701で算出した判定値K以上か否かを判定する。そして、ステップ702においてΔNEdown<Kの場合はこのままこのルーチンを終了するが、ΔNEdown≧Kの場合はステップ607に進み、スロットル弁3を始動全開位置から所定開度まで開弁してこのルーチンを終了する。また、ステップ606の判定がΣTM≧Tclose の場合は第3の実施例と同じであり、吸気通路2のスロットル弁3の下流側の容積内にある空気量を全て消費したと判定してステップ607に進み、スロットル弁3を始動全閉位置から所定開度まで開弁してこのルーチンを終了する。
【0045】
図9は図6,図7で説明した第3、第4の実施例の始動時に全閉にされたスロットル弁3を開弁する制御の手順における、イグニッションスイッチ17のオン信号、ECU10からのスタータ信号ST、スロットル弁3の開度であるスロットル開度TA、機関回転速度NE、および、始動後の経過時間の推移を時間の経過と共に示すタイムチャートである。
【0046】
まず、第3の実施例の制御手順についてこのタイムチャートを用いて説明する。ステップ601でイグニッションスイッチ17がオンされたことが判定されると、時刻T0におけるオン信号がハイレベルになる。イグニッションスイッチ17がオンされると、ステップ602の制御によってスロットルモータ4によってスロットル弁3が閉じられ、スロットル開度TAが低下する。時刻T1においてスロットル弁3が全閉になると、スタータ信号STがECU10からスタータ駆動回路20に出力され、スタータ19が回転して機関1がクランキング中となる。この時、ステップ603からステップ604に進み、スロットル弁3を全閉状態に保持する保持時間Tclose が算出される。
【0047】
この後の時刻T2は機関1の始動を示しており、機関1の回転速度はその後実線NMで示すように上昇し、所定回転速度まで上昇した後に僅かに低下して安定する。時刻T2以降は常に経過時間が算出され続ける。第3の実施例ではこの後の時刻T4においてTclose =ΣTMとなるので、ステップ607の制御により、スロットル弁3が始動全閉位置から開弁され、スロットル開度TAが所定開度、例えば、アイドル開度まで大きくなる。
【0048】
一方、第4の実施例では、時刻T2で始動した機関1の回転数がその後、破線ABで示すように低下し、時刻T3で機関回転速度の落ち込み率ΔNEdownが判定値K以上になった場合を想定している。第4の実施例ではこの場合、ステップ702の制御によってスロットル弁3が開弁され、スロットル開度TAが破線TDで示すように所定開度まで大きくなる。なお、時刻T3においてはスロットル弁3を一気に所定開度まで開弁しても良いが、一点鎖線TSで示すように、スロットル弁3を段階的に所定開度まで開弁しても良い。
【0049】
以上説明したように、第3の実施例では、機関1の仕様や環境条件に応じてスロットル弁3を全閉状態に保持する時間Tclose を算出し、機関1の始動後の経過時間ΣTMがこの保持時間Tclose 以上になった時には、始動時に全閉にされたスロットル弁3が開弁されるので、機関の吸気量不足による始動不良が発生しない範囲でスロットル弁3を全閉に保持することができる。この結果、エミッションの低減と始動性向上の両立を図ることができる。
【0050】
また、第4の実施例の制御では第3の実施例の制御の効果に加えて、第3の実施例において機関1の始動後の経過時間ΣTMがスロットル弁の全閉保持時間Tclose に達していない場合でも、機関1の回転速度が急激に低下した場合には、機関1に始動不良が発生しないように始動時に全閉にされたスロットル弁3が開弁されるので、機関のフリクションが高い場合等にも機関の始動時のストールや始動不良が防止される。
【0051】
図10は機関1の始動時に全閉にされたスロットル弁3を開弁する制御の手順の第5の実施例を示すフローチャートを示している。このルーチンも所定時間毎、例えば、数ms毎に実行される。第5の実施例の制御は、始動時に全閉にされたスロットル弁3を機関1のストッロル弁3の下流側の吸気圧力が所定値未満になった時に開弁するものである。
【0052】
まず、ステップ1001ではイグニッションスイッチ17がオンされたか否かを判定する。イグニッションスイッチ17がオンになっていない時にはこのままこのルーチンを終了する。一方、ステップ1001でイグニッションスイッチ17がオンされたと判定した時にはステップ1002に進む。
ステップ1002ではスロットル弁3がスロットルモータ4により始動時の全閉位置に制御される。そして、次のステップ1003では、機関1が始動動作中か否かを検出する。即ち、スタータ19が稼働しているか否かを検出する。スタータ19が未だ稼働していな時にはこのルーチンを終了し、スタータ19が稼働している時には機関1も稼働しているのでステップ1004に進む。
【0053】
続くステップ1004では機関1のサージタンク5の吸気圧Pを圧力センサ7によって検出し、次のステップ1005では、サージタンク内の吸気圧Pが規定圧力Pref とを比較する。そして、P≧Pref の場合はこのままこのルーチンを終了するが、P<Pref となった時はステップ1007に進む。ステップ1007ではスロットル弁3を始動全閉位置から所定開度まで開弁してこのルーチンを終了する。
【0054】
図11は図10で説明した第3、第5の実施例の始動時に全閉にされたスロットル弁3を開弁する制御の手順における、イグニッションスイッチ17のオン信号、ECU10からのスタータ信号ST、スロットル弁3の開度であるスロットル開度TA、機関回転速度NE、および、吸気管圧力Pの推移を時間の経過と共に示すタイムチャートである。
【0055】
ステップ1001でイグニッションスイッチ17がオンされたことが判定されると、時刻Tにおけるオン信号がハイレベルになる。イグニッションスイッチ17がオンされると、ステップ1002の制御によってスロットルモータ4によってスロットル弁3が閉じられ、スロットル開度TAが低下する。時刻T1においてスロットル弁3が全閉になると、スタータ19が回転して機関1がクランキング中となる。この後、ステップ1003からステップ1004に進み、サージタンク6内の吸気管圧力Pを検出する。
【0056】
時刻T2は機関1の始動を示しており、機関1の回転速度はその後実線NMで示すように上昇し、所定回転速度まで上昇した後に僅かに低下して安定する。時刻T2以降は常に吸気管圧力Pが検出され続ける。第5の実施例ではこの後の時刻TPにおいてP=Pref となるので、ステップ1006 の制御により、スロットル弁3が始動全閉位置から開弁され、スロットル開度TAが僅かな開度だけ大きくなる。
【0057】
以上説明したように、第5の実施例では、機関1の始動後のサージタンク6内の吸気圧Pを検出し、この吸気圧Pが基準値Pref まで低下した時には、始動時に全閉にされたスロットル弁3が開弁されるので、機関の吸気量不足による始動不良が発生しない範囲でスロットル弁3を全閉に保持することができる。この結果、エミッションの低減と始動性向上の両立を図ることができる。
【0058】
なお、以上の実施例では、内燃機関の吸気通路の閉鎖を電子制御スロットル弁3により行うものについて説明を行ったが、電子制御スロットル弁3の代わりに、電子制御される吸気制御弁が吸気通路に別に設けられているものについても本発明を有効に適用することができる。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の内燃機関の吸気制御装置によれば、始動時に閉弁制御されたスロットル弁を適切なタイミングで開制御できるので、機関の吸気量不足による始動不良が発生しない範囲で、スロットル弁の全閉状態を保持することができ、エミッション低減と始動性の向上の両立を図ることができる。また、機関のフリクションが高く、見掛け上の吸気量が不足して機関回転数が落ち込むような場合でも始動不良を抑制することができるという効果がある。
【0060】
また、本発明の制御によれば、始動時に適切なタイミングでスロットル弁を開くことができるので、安定した燃焼を保持したまま機関の吸気量を増加させることができ、機関の始動時にスムーズな始動を得ることができて始動時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の吸気制御装置が搭載された電子制御式多気筒内燃機関の構成を示す構成図である。
【図2】本発明の始動時の電子制御スロットル弁の制御の手順の第1の実施例を示すフローチャートである。
【図3】本発明の始動時の電子制御スロットル弁の制御の手順の第2の実施例を示すフローチャートである。
【図4】図3のフローチャートで使用する機関回転速度の落ち込み率の判定値の水温に応じた値の変化を示す特性図である。
【図5】図2,図3の制御手順におけるイグニッションスイッチのオン位置信号とスタータ位置信号、スタータへのスタータ信号、スロットル開度、機関回転速度、及び機関に消費された空気量の推移を時間と共に示したタイムチャートである。
【図6】本発明の始動時の電子制御スロットル弁の制御の手順の第3の実施例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の始動時の電子制御スロットル弁の制御の手順の第4の実施例を示すフローチャートである。
【図8】図6,図7のフローチャートで使用するスロットル弁の閉弁保持時間の大気圧と水温または油温に対する変化を示す特性図である。
【図9】図6,図7の制御手順におけるイグニッションスイッチのオン位置信号とスタータ位置信号、スタータへのスタータ信号、スロットル開度、機関回転速度、及び機関始動後の経過時間の推移を時間と共に示したタイムチャートである。
【図10】本発明の始動時の電子制御スロットル弁の制御の手順の第5の実施例を示すフローチャートである。
【図11】図10の制御手順におけるイグニッションスイッチのオン位置信号とスタータ位置信号、スタータへのスタータ信号、スロットル開度、機関回転速度、及び吸気管圧力の推移を時間と共に示したタイムチャートである。
【符号の説明】
2…吸気通路
3…スロットル弁
4…スロットルモータ
5…スロットル開度センサ
6…サージタンク
7…圧力センサ
10…ECU
11…水温センサ
14…アクセルペダル
17…イグニッションスイッチ
19…スタータ
20…スタータ駆動回路
21…回転数センサ
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関の吸気制御装置に関し、特に、アクセルペダルの踏込量とは独立に開度が設定される電子制御スロットル弁を用いた内燃機関における機関始動時の吸気制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両に搭載された内燃機関の回転数の制御は、運転席の足元に設置されたアクセルペダルの踏込量によって行われていた。即ち、従来の内燃機関には、その吸気通路にこのアクセルペダルにワイヤで接続されたスロットル弁があり、アクセルペダルが踏み込まれると、ワイヤを介してこのスロットル弁の開度が大きくなって内燃機関への吸入空気量(以後吸気量と記す)が増し、これに伴って燃料量も増えるので機関回転数が増大するようになっている。
【0003】
一方、近年、コンピュータの発達に伴い、内燃機関の回転数を電子的に最適に制御しようとする電子制御式の内燃機関が実用化されている。このような内燃機関の電子制御化としては、例えば、燃料噴射量制御、点火時期制御、吸排気弁の開弁時期の制御等が先行しており、これらに続いてスロットル弁の電子制御も実用段階に入っている。スロットル弁の開度を電子制御する内燃機関では、アクセルペダルの踏込量に関係なくスロットル弁の開度を設定することができる。
【0004】
このため、電子制御スロットル弁を使用して機関の始動時に吸気通路を閉じることにより、始動時の吸気量を減少させると共に、吸気管負圧を高めて燃料の気化促進を図ることが提案されている(例えば、特開昭61−96147号公報、特開昭63−150445号公報等)。これは、電子制御式の内燃機関では各燃焼室近傍の吸気通路内に燃料噴射弁が装着されているために、始動時に燃料が十分に微粒化しないことがあり、このときに始動性が悪化するのを防止するためである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の公報に記載の技術では、燃料の気化促進によりエミッション低減(未燃焼HCの排出抑制)効果が得られるが、スロットル弁を全閉にした状態で機関の始動を行うので、スロットル弁の下流側の空気が無くなった後に吸気量不足となり、機関の始動性が悪化するという問題点があった。これを防止するためには、スロットル弁の下流側の空気が無くなった後はスロットル弁を開いて空気を導入しなければならないが、このスロットル弁を開くタイミングの制御が適切に行われていなければやはり同じような問題が発生する。特に、大気圧の大小や機関のフリクション等の条件のばらつきによって吸気量不足が発生することが多いという問題点があった。
【0006】
そこで、本発明は、始動時に吸気通路を閉鎖して吸気管負圧を高め、燃料の微粒化を図るようにした電子制御スロットル弁を備えた内燃機関において、機関の始動時にスロットル弁を全閉にした後に適切なタイミングでスロットル弁を開弁させることにより、機関の吸気量不足による始動不良が発生しない範囲でスロットル弁の全閉状態を保持することができ、エミッションの低減と始動性の向上の両立を図ることができる吸気制御装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成する本発明の特徴は、以下に第1から第9の発明として示される。
第1の発明の構成上の特徴は、始動時に吸気通路を閉鎖し、吸気管負圧を高めた状態で燃料噴射を行う、電子制御開閉弁を備えた内燃機関の吸気制御装置において、内燃機関のイグニッションスイッチがオンにされた時に、電子制御開閉弁を全閉位置に制御する開閉弁の全閉制御手段と、開閉弁が全閉状態になった機関の始動時に、開閉弁の下流側の容積分の空気が全て消費されたか否かを判定する空気消費量の判定手段と、開閉弁の下流側の容積分の空気が全て消費されたと判定した時に、開閉弁を所定開度まで開弁させる開弁手段とを設けたことにある。
【0008】
第1の発明では、電子制御開閉弁を適切なタイミングで開弁制御できるので、機関の吸気量不足による始動不良が発生しない範囲でスロットル弁の全閉状態を保持することができ、エミッション低減と始動性向上の両立を図ることができる。
第2の発明の構成上の特徴は、第1の発明において、空気消費量の判定手段による開閉弁の下流側の容積分の空気が全て消費されたことの判定を、機関の燃焼室に吸入された吸気量の積算値が開閉弁の下流側の容積分の空気分に到達した時にすることにある。
【0009】
第3の発明の構成上の特徴は、第2の発明において、機関の燃焼室に吸入された吸気量の積算値を、燃焼室容積、機関回転数、及び機関回転数に対応した体積効率によって算出することにある。
第4の発明の構成上の特徴は、第3の発明において、機関の燃焼室に吸入された吸気量の積算値を、吸気の温度によって補正することにある。
【0010】
第2から第4の発明では、電子制御開閉弁を開弁する吸気量の積算値を正確に計測することができる。
第5の発明の構成上の特徴は、第1の発明において、空気消費量の判定手段による開閉弁の下流側の容積分の空気が全て消費されたことの判定を、機関が始動されてからの経過時間が、規定時間に到達した時に行うことにある。
【0011】
第5の発明では、機関のクランキングが開始されてから規定時間が経過すると必ず電子制御開閉弁が開弁される。
第6の発明の構成上の特徴は、第1の発明において、空気消費量の判定手段による開閉弁の下流側の容積分の空気が全て消費されたことの判定を、開閉弁の下流側の吸気通路内に設けられた圧力センサの検出値が所定値未満に到達した時に行うことにある。
【0012】
第6の発明では、吸気管内の圧力が所定値未満になると必ず電子制御開閉弁が開弁される。
第7の発明の構成上の特徴は、第1の発明において、更に、機関の回転数を検出する機関回転数検出手段と、機関の始動時に機関の回転数の落ち込みが発生したか否かを判定する回転数の落ち込み判定手段とを設け、回転数の落ち込みが発生した場合に、開閉弁の下流側の容積分の空気が全て消費される前でも開弁手段が開閉弁を所定開度まで開弁させることにある。
【0013】
第8の発明の構成上の特徴は、第7の発明において、更に、機関の水温を検出する水温検出手段を設け、回転数の落ち込み判定手段による機関の落ち込みが発生したと判定する機関の回転数の偏差を、水温が低い程大きく設定したことにある。
第8の発明では、始動時に機関回転数の落ち込みが発生した場合は開閉弁が開弁されるので、機関がストールしない。
【0014】
第9の発明の構成上の特徴は、第17又は8の何れかの発明において、開弁手段が開閉弁を段階的に所定開度まで開弁させることにある。第9の発明では、開閉弁の急激な開弁によるショックが発生しない。
第10の発明の構成上の特徴は、第5の発明において、規定時間が、機関水温、油温、及び大気圧の少なくとも1つの条件に基づいて補正されることにある。第10の発明では、規定時間が機関水温、油温、及び大気圧等に応じて適切なものとなる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を用いて本発明の実施形態を具体的な実施例に基づいて詳細に説明する。
図1には本発明の一実施例の吸気制御装置を備えた電子制御燃料噴射式の多気筒内燃機関1が概略的に示されている。図1において、内燃機関1の吸気通路2には図示しないエアクリーナの下流側にスロットル弁3が設けられており、このスロットル弁3の軸の一端にはこのスロットル弁3を駆動するアクチュエータであるスロットルモータ4が設けられており、他端にはスロットル弁3の開度を検出するスロットル開度センサ5が設けられている。即ち、この実施例のスロットル弁3はスロットルモータ4によって開閉駆動される電子制御スロットル(以後、単に電子スロットルと記す)である。電子スロットルでは、スロットル弁3の開度指令値が入力された時に、スロットルモータ4がこの指令値に応答してスロットル弁3を指令開度に追従させる。
【0016】
吸気通路2のスロットル弁3の上流側には大気圧センサ18があり、下流側にはサージタンク6がある。このサージタンク6内には吸気の圧力を検出する圧力センサ7が設けられている。更に、サージタンク6の下流側には、各気筒毎に燃料供給系から加圧燃料を吸気ポートへ供給するための燃料噴射弁8が設けられている。スロットル開度センサ5の出力と圧力センサ7の出力は、マイクロコンピュータを内蔵したECU(エンジン・コントロール・ユニット)10に入力される。
【0017】
また、内燃機関1のシリンダブロックの冷却水通路9には、冷却水の温度を検出するための水温センサ11が設けられている。水温センサ11は冷却水の温度に応じたアナログ電圧の電気信号を発生する。排気通路12には、排気ガス中の3つの有害成分HC,CO,NOxを同時に浄化する三元触媒コンバータ(図示せず)が設けられており、この触媒コンバータの上流側の排気通路12には、空燃比センサの一種であるO2 センサ13が設けられている。O2 センサ13は排気ガス中の酸素成分濃度に応じて電気信号を発生する。これら水温センサ11及びO2 センサ13の出力はECU10に入力される。
【0018】
更に、このECU10には、アクセルペダル14に取り付けられてアクセル踏込量を検出するアクセル開度センサ15からのアクセルペダルの踏込量信号(アクセル開度信号)、バッテリ16に接続されたイグニッションスイッチ17からのキー位置信号(アクセサリ位置、オン位置、スタータ位置)、リングギヤ23の回転数を検出する回転数センサ21からの機関回転数Neや、油温センサ22からの潤滑油の温度が入力される。このリングギヤ23は機関1の始動時にスタータ19によって回転させられる。
【0019】
従来の内燃機関では、一般に直流直巻モータから構成されるスタータ19はイグニッションスイッチ17がスタータ位置にされた時にオンするスタータスイッチを介してバッテリ16に接続されている。従って、イグニッションスイッチ17がオンされ、その後にイグニッションスイッチ17がスタータ位置にされた時にスタータ19が起動されて機関1が起動する。そして、機関1が稼働を開始すると、ECU10が通電されてプログラムが起動し、各センサからの出力を取り込み、スロットル弁3を開閉するスロットルモータ4や燃料噴射弁8、或いはその他のアクチュエータを制御する。ECU10には、各種センサからのアナログ信号をディジタル信号に変換するA/D変換器が含まれ、各種センサからの入力ディジタル信号や各アクチュエータを駆動する信号が出入りする入出力インタフェース101、演算処理を行うCPU102、ROM103やRAM104等のメモリや、クロック105等が設けられており、これらはバス106で相互に接続されている。ECU10の構成については公知であるので、これ以上の説明を省略する。
【0020】
一方、この実施例では、スタータ19が直接バッテリ16に接続されておらず、スタータ駆動回路20を介してバッテリ16に接続されている。そして、このスタータ駆動回路20は、ECU10からのスタータ信号STが入力されないとスタータ19をバッテリ16に接続しないようになっている。
この実施例では、機関1の始動時にスロットル弁3を一時的に閉弁して吸気通路2を閉塞し、スロットル弁3の下流側に負圧を発生させて機関の始動性を向上させている。一方、機関1が停止している時には、スロットル弁3は全閉位置にはなく、僅かに開いている。従って、機関1が停止している状態では、スロットル弁3の吸気通路2内は大気圧になっている。従って、機関1を始動させる時には、スロットルモータ4を駆動してスロットル弁3を全閉位置に制御する必要がある。この実施例では、この機関1の始動時のスロットル弁3の全閉制御において、スロットル弁3が全閉になってからスタータ19を回転させる。
【0021】
このため、ECU10には、前述のようにイグニッションスイッチ17からのキー位置信号とスロットル開度センサ5からのスロットル開度信号が入力されている。そして、この実施例では、ECU10からのスタータ信号STがスタータ駆動回路20に入力されるのは、ECU10にイグニッションスイッチ17からのスタータ位置信号と、スロットル開度センサ5からのスロットル全閉信号が共に入力された時である。
【0022】
ここで、前述のような実施例における機関1の始動時に全閉にされたスロットル弁3を開弁する制御の手順について、いくつかの実施例をフローチャートを用いて説明する。なお、以下に説明する実施例では、前述のようにイグニッションスイッチ17がオンされた後は、スロットル弁3が全閉位置になってからスタータ信号STがスタータ駆動回路20に出力されてスタータ19が稼働するが、この制御は本発明の主旨ではないので、イグニッションスイッチ17のオンからスタータ19の稼働までの動作はその説明を簡略化してある。
【0023】
図2は機関1の始動時に全閉にされたスロットル弁3を開弁する制御の手順の第1の実施例を示すフローチャートであり、このルーチンは所定時間毎、例えば、数ms毎に実行される。
まず、ステップ201ではイグニッションスイッチ17がオンされたか否か、即ち、ECU10にイグニッションスイッチ17からオン位置信号が入力されたか否かを判定する。イグニッションスイッチ17がオンになっていない時にはこのままこのルーチンを終了する。一方、ステップ201でイグニッションスイッチ17がオンされたと判定した時にはステップ202に進む。
【0024】
ステップ202ではスロットル弁3がスロットルモータ4により始動時の全閉位置に制御される。そして、次のステップ203では、機関1が始動動作中か否かを検出する。即ち、スタータ19が稼働しているか否かを検出する。スタータ19が未だ稼働していな時にはこのルーチンを終了し、スタータ19が稼働している時には機関1も稼働しているのでステップ204に進む。
【0025】
続くステップ204では機関1の回転速度を検出する。そして、次のステップ205では検出した機関1の回転速度を基にして、ECU10のROM103に予め記憶されている機関回転速度マップより空気消費量計算に使用する体積効率ηvを算出する。体積効率ηvは燃焼室の体積に対してどれだけの割合の空気が吸入されたかを示すものであり、機関回転数が大きくなるほど小さな値となる。このようにして体積効率ηvを算出した後は、ステップ206において機関1の始動開始後の機関1の1回転毎に消費空気量を算出し、これを積算して機関始動後に燃焼室に吸入された空気量(積算消費空気量)Uを算出する。ところで、内燃機関はそのクランク軸が1回転した時にその半分の気筒が吸入行程を行うので、1回転で消費する空気量は機関1の排気量Vdの半分である。従って、機関1が始動してから燃焼室内に吸入する空気量Uは、機関1の1回転毎に機関1の排気量Vdの半分を乗算し、その値に体積効率ηvを乗算した値(ηv×Vd×1/2)を積算したものである。これを式で表すと、
機関始動後に燃焼室に吸入された空気量U=Σ(ηv×Vd×1/2)…▲1▼
となる。この空気量Uは吸気温度によって補正しても良い。
【0026】
続くステップ207では▲1▼式で表される機関始動後に燃焼室に吸入された空気量Uが、吸気通路2のスロットル弁3の下流側の容積Vvol 以上になったか否かを判定する。そして、Vvol >Uの場合は、吸気通路2のスロットル弁3の下流側の容積Vvol だけの空気量が未だ消費されていないと判定してこのままこのルーチンを終了する。一方、ステップ207の判定がVvol ≦Uの場合は、吸気通路2のスロットル弁3の下流側の容積内にある空気量を全て消費したと判定してステップ208に進む。ステップ208ではスロットル弁3を始動全閉位置から所定開度まで開弁してこのルーチンを終了する。
【0027】
図3は機関1の始動時に全閉にされたスロットル弁3を開弁する制御の手順の第2の実施例を示すフローチャートを示している。このルーチンも所定時間毎、例えば、数ms毎に実行される。
第2の実施例の制御は、図2で説明した第1の実施例のスロットル弁3を開弁する制御手順に、始動時の機関1の回転数が急落した時の制御を追加したものである。従って、第2の実施例の制御手順の説明においては、第1の実施例と異なる部分のみ説明する。
【0028】
第2の実施例では、図2で説明した第1の実施例のステップ201からステップ207までの制御手順のうち、ステップ204がステップ301に変更されている以外は第1の実施例と同じである。第1の実施例ではステップ204において機関回転速度を検出していたが、第2の実施例ではステップ204に代わるステップ301において、機関回転速度を検出すると共に、機関の温度として機関の水温を検出している。即ち、第2の実施例のステップ201からステップ207までの制御手順は、第1の実施例のステップ201からステップ207の制御手順に、水温検出が加わっただけである。
【0029】
第1の実施例では、ステップ207において機関始動後に燃焼室に吸入された空気量Uが吸気通路2のスロットル弁3の下流側の容積Vvol 以上になったか否かを判定し、Vvol >Uの場合はこのままこのルーチンを終了していた。一方、第2の実施例では、ステップ207においてVvol >Uとなった時はステップ302に進む。ステップ302では、ECU10のROM103に記憶された水温マップから機関回転速度の落ち込み率ΔNEdownの判定値Kを算出する。
【0030】
機関回転速度の落ち込み率ΔNEdownは所定期間内の機関回転速度NEの落ち込みの程度を判定するものである。所定期間内の機関回転速度NEの落ち込みの程度は、機関の水温が低い程大きいので、その判定値Kの値は機関の水温が低いほど大きくする必要がある。図4はこのECU10のROM103に記憶された水温マップの一例を示すものである。このマップから分かるように、機関水温が高いほど、機関回転速度の落ち込み率ΔNEdownの判定値Kは小さく設定されている。
【0031】
このようにして機関回転速度の落ち込み率ΔNEdownの判定値Kを算出した後は、ステップ303において実際の機関回転速度の落ち込み率ΔNEdownがステップ302で算出した判定値K以上か否かを判定する。そして、ステップ303においてΔNEdown<Kの場合はこのままこのルーチンを終了するが、ステップ303においてΔNEdown≧Kの場合はステップ208に進み、スロットル弁3を始動全閉位置から開弁してこのルーチンを終了する。また、ステップ207の判定がVvol ≦Uの場合は第1の実施例と同じであり、吸気通路2のスロットル弁3の下流側の容積内にある空気量を全て消費したと判定してステップ208に進み、スロットル弁3を始動全閉位置から所定開度まで開弁してこのルーチンを終了する。
【0032】
図5は図2,図3で説明した第1、第2の実施例の始動時に全閉にされたスロットル弁3を開弁する制御の手順における、イグニッションスイッチ17のオン信号、ECU10からのスタータ信号ST、スロットル弁3の開度であるスロットル開度TA、機関回転速度NE、および、始動後に機関1に消費された空気量Uの推移を時間の経過と共に示すタイムチャートである。
【0033】
まず、第1の実施例の制御手順についてこのタイムチャートを用いて説明する。ステップ201でイグニッションスイッチ17がオンされたことが判定されると、時刻T0におけるオン信号がハイレベルになる。イグニッションスイッチ17がオンされると、ステップ202の制御によってスロットルモータ4によってスロットル弁3が閉じられ、スロットル開度TAが低下する。時刻T1においてスロットル弁3が全閉になると、スタータ信号STがECU10からスタータ駆動回路20に出力され、スタータ19が回転して機関1がクランキング中となる。この時、ステップ203からステップ204に進み、ステップ204からステップ206の手順で始動開始後の積算回転数ΣNEが算出される。
【0034】
この後の時刻T2は機関1の始動を示しており、機関1の回転速度はその後実線NMで示すように上昇し、所定回転速度まで上昇した後に僅かに低下して安定する。時刻T2以降は常に機関1に消費された空気量Uが算出され続ける。第1の実施例ではこの後の時刻T4においてVvol =Uとなるので、ステップ208の制御により、スロットル弁3が始動全閉位置から開弁され、スロットル開度TAが所定開度、例えば、アイドル開度まで大きくなる。
【0035】
一方、第2の実施例は、時刻T2で始動した機関1の回転数がその後、破線ABで示すように低下し、時刻T3で機関回転速度の落ち込み率ΔNEdownが判定値K以上になった場合を想定している。第2の実施例ではこの場合、ステップ303の制御によってスロットル弁3が開弁され、スロットル開度TAが破線TDで示すように所定開度まで大きくなる。なお、時刻T3においてはスロットル弁3を一気に所定開度まで開弁しても良いが、一点鎖線TSで示すように、スロットル弁3を段階的に所定開度まで開弁しても良い。
【0036】
以上説明したように、第1の実施例では、機関始動後の機関1の積算回転数ΣNEと体積効率ηvと機関1の排気量を使用して、吸気通路2のスロットル弁3の下流側の容積内にある空気量を全て消費した場合には、始動時に全閉にされたスロットル弁3が開弁されるので、機関の吸気量不足による始動不良が発生しない範囲でスロットル弁3を全閉に保持することができる。この結果、エミッションの低減と始動性向上の両立を図ることができる。
【0037】
また、第2の実施例の制御では第1の実施例の制御の効果に加えて、第1の実施例において吸気通路2のスロットル弁3の下流側の容積内にある空気量を全て消費していない場合でも、機関1の回転速度が急激に低下した場合には、機関1に始動不良が発生しないように始動時に全閉にされたスロットル弁3が開弁されるので、機関のフリクションが高い場合等にも機関の始動時のストールや始動不良が防止される。
【0038】
図6は機関1の始動時に全閉にされたスロットル弁3を開弁する制御の手順の第3の実施例を示すフローチャートを示している。このルーチンも所定時間毎、例えば、数ms毎に実行される。第3の実施例の制御は、始動時に全閉にされたスロットル弁3を機関1の始動開始から所定時間が経過した時に開弁するものである。
【0039】
まず、ステップ601ではイグニッションスイッチ17がオンされたか否かを判定する。イグニッションスイッチ17がオンになっていない時にはこのままこのルーチンを終了する。一方、ステップ601でイグニッションスイッチ17がオンされたと判定した時にはステップ602に進む。
ステップ602ではスロットル弁3がスロットルモータ4により始動時の全閉位置に制御される。そして、次のステップ603では、機関1が始動動作中か否かを検出する。即ち、スタータ19が稼働しているか否かを検出する。スタータ19が未だ稼働していな時にはこのルーチンを終了し、スタータ19が稼働している時には機関1も稼働しているのでステップ604に進む。
【0040】
続くステップ604では機関1のスロットル弁3の下流側の容積、機関水温、潤滑油温、大気圧の条件を読み込み、これらの条件に応じてスロットル弁開度を全閉状態に保持する保持時間Tclose を算出する。この保持時間Tclose は、図8(a) に示すように、大気圧が大きいほど長く、また、図8(b) に示すように、水温または油温が高いほど短く設定される。そして、次のステップ605では機関1の始動開始後の経過時間ΣTMを算出する。
【0041】
ステップ605で機関1の始動開始後の経過時間ΣTMを算出した後は、ステップ606において、この機関1の始動開始後の経過時間ΣTMと、ステップ604で算出したスロットル弁3を全閉状態に保持する時間Tclose との大小を比較する。そして、ΣTM<Tclose の場合はこのままこのルーチンを終了するが、ΣTM≧Tclose となった時はステップ607に進む。ステップ607ではスロットル弁3を始動全閉位置から所定開度まで開弁してこのルーチンを終了する。
【0042】
第4の実施例の制御は、図6で説明した第3の実施例のスロットル弁3を開弁する制御手順に、始動時の機関1の回転数が急落した時の制御を追加したものである。従って、第4の実施例の制御手順の説明においては、第3の実施例と異なる部分のみ説明する。
第4の実施例では、イグニッションスイッチ17がオンされた後に、機関1の仕様や環境条件に応じてスロットル弁3を全閉状態に保持する時間Tclose を算出する制御と、機関1が始動した後の経過時間ΣTMを算出してこの経過時間ΣTMとスロットル弁3を全閉状態に保持する時間Tclose とを比較する制御については第3の実施例と全く同じである。従って、図6で説明した第3の実施例のステップ601からステップ606までの制御手順は第4の実施例でも同じであるので、同じ制御手順には第3の実施例のステップ番号と同じステップ番号を付してその説明を省略する。
【0043】
第3の実施例では、ステップ606においてΣTM<Tclose の場合はこのままこのルーチンを終了していた。一方、第4の実施例では、ステップ606においてΣTM<Tclose の場合はこのルーチンを終了せずにステップ701に進む。ステップ701では、ECU10のROM103に記憶された水温マップ(図4に一例が示されるもの)から機関回転速度の落ち込み率ΔNEdownの判定値Kを算出する。
【0044】
このようにして機関回転速度の落ち込み率ΔNEdownの判定値Kを算出した後は、ステップ702において実際の機関回転速度の落ち込み率ΔNEdownがステップ701で算出した判定値K以上か否かを判定する。そして、ステップ702においてΔNEdown<Kの場合はこのままこのルーチンを終了するが、ΔNEdown≧Kの場合はステップ607に進み、スロットル弁3を始動全開位置から所定開度まで開弁してこのルーチンを終了する。また、ステップ606の判定がΣTM≧Tclose の場合は第3の実施例と同じであり、吸気通路2のスロットル弁3の下流側の容積内にある空気量を全て消費したと判定してステップ607に進み、スロットル弁3を始動全閉位置から所定開度まで開弁してこのルーチンを終了する。
【0045】
図9は図6,図7で説明した第3、第4の実施例の始動時に全閉にされたスロットル弁3を開弁する制御の手順における、イグニッションスイッチ17のオン信号、ECU10からのスタータ信号ST、スロットル弁3の開度であるスロットル開度TA、機関回転速度NE、および、始動後の経過時間の推移を時間の経過と共に示すタイムチャートである。
【0046】
まず、第3の実施例の制御手順についてこのタイムチャートを用いて説明する。ステップ601でイグニッションスイッチ17がオンされたことが判定されると、時刻T0におけるオン信号がハイレベルになる。イグニッションスイッチ17がオンされると、ステップ602の制御によってスロットルモータ4によってスロットル弁3が閉じられ、スロットル開度TAが低下する。時刻T1においてスロットル弁3が全閉になると、スタータ信号STがECU10からスタータ駆動回路20に出力され、スタータ19が回転して機関1がクランキング中となる。この時、ステップ603からステップ604に進み、スロットル弁3を全閉状態に保持する保持時間Tclose が算出される。
【0047】
この後の時刻T2は機関1の始動を示しており、機関1の回転速度はその後実線NMで示すように上昇し、所定回転速度まで上昇した後に僅かに低下して安定する。時刻T2以降は常に経過時間が算出され続ける。第3の実施例ではこの後の時刻T4においてTclose =ΣTMとなるので、ステップ607の制御により、スロットル弁3が始動全閉位置から開弁され、スロットル開度TAが所定開度、例えば、アイドル開度まで大きくなる。
【0048】
一方、第4の実施例では、時刻T2で始動した機関1の回転数がその後、破線ABで示すように低下し、時刻T3で機関回転速度の落ち込み率ΔNEdownが判定値K以上になった場合を想定している。第4の実施例ではこの場合、ステップ702の制御によってスロットル弁3が開弁され、スロットル開度TAが破線TDで示すように所定開度まで大きくなる。なお、時刻T3においてはスロットル弁3を一気に所定開度まで開弁しても良いが、一点鎖線TSで示すように、スロットル弁3を段階的に所定開度まで開弁しても良い。
【0049】
以上説明したように、第3の実施例では、機関1の仕様や環境条件に応じてスロットル弁3を全閉状態に保持する時間Tclose を算出し、機関1の始動後の経過時間ΣTMがこの保持時間Tclose 以上になった時には、始動時に全閉にされたスロットル弁3が開弁されるので、機関の吸気量不足による始動不良が発生しない範囲でスロットル弁3を全閉に保持することができる。この結果、エミッションの低減と始動性向上の両立を図ることができる。
【0050】
また、第4の実施例の制御では第3の実施例の制御の効果に加えて、第3の実施例において機関1の始動後の経過時間ΣTMがスロットル弁の全閉保持時間Tclose に達していない場合でも、機関1の回転速度が急激に低下した場合には、機関1に始動不良が発生しないように始動時に全閉にされたスロットル弁3が開弁されるので、機関のフリクションが高い場合等にも機関の始動時のストールや始動不良が防止される。
【0051】
図10は機関1の始動時に全閉にされたスロットル弁3を開弁する制御の手順の第5の実施例を示すフローチャートを示している。このルーチンも所定時間毎、例えば、数ms毎に実行される。第5の実施例の制御は、始動時に全閉にされたスロットル弁3を機関1のストッロル弁3の下流側の吸気圧力が所定値未満になった時に開弁するものである。
【0052】
まず、ステップ1001ではイグニッションスイッチ17がオンされたか否かを判定する。イグニッションスイッチ17がオンになっていない時にはこのままこのルーチンを終了する。一方、ステップ1001でイグニッションスイッチ17がオンされたと判定した時にはステップ1002に進む。
ステップ1002ではスロットル弁3がスロットルモータ4により始動時の全閉位置に制御される。そして、次のステップ1003では、機関1が始動動作中か否かを検出する。即ち、スタータ19が稼働しているか否かを検出する。スタータ19が未だ稼働していな時にはこのルーチンを終了し、スタータ19が稼働している時には機関1も稼働しているのでステップ1004に進む。
【0053】
続くステップ1004では機関1のサージタンク5の吸気圧Pを圧力センサ7によって検出し、次のステップ1005では、サージタンク内の吸気圧Pが規定圧力Pref とを比較する。そして、P≧Pref の場合はこのままこのルーチンを終了するが、P<Pref となった時はステップ1007に進む。ステップ1007ではスロットル弁3を始動全閉位置から所定開度まで開弁してこのルーチンを終了する。
【0054】
図11は図10で説明した第3、第5の実施例の始動時に全閉にされたスロットル弁3を開弁する制御の手順における、イグニッションスイッチ17のオン信号、ECU10からのスタータ信号ST、スロットル弁3の開度であるスロットル開度TA、機関回転速度NE、および、吸気管圧力Pの推移を時間の経過と共に示すタイムチャートである。
【0055】
ステップ1001でイグニッションスイッチ17がオンされたことが判定されると、時刻Tにおけるオン信号がハイレベルになる。イグニッションスイッチ17がオンされると、ステップ1002の制御によってスロットルモータ4によってスロットル弁3が閉じられ、スロットル開度TAが低下する。時刻T1においてスロットル弁3が全閉になると、スタータ19が回転して機関1がクランキング中となる。この後、ステップ1003からステップ1004に進み、サージタンク6内の吸気管圧力Pを検出する。
【0056】
時刻T2は機関1の始動を示しており、機関1の回転速度はその後実線NMで示すように上昇し、所定回転速度まで上昇した後に僅かに低下して安定する。時刻T2以降は常に吸気管圧力Pが検出され続ける。第5の実施例ではこの後の時刻TPにおいてP=Pref となるので、ステップ1006 の制御により、スロットル弁3が始動全閉位置から開弁され、スロットル開度TAが僅かな開度だけ大きくなる。
【0057】
以上説明したように、第5の実施例では、機関1の始動後のサージタンク6内の吸気圧Pを検出し、この吸気圧Pが基準値Pref まで低下した時には、始動時に全閉にされたスロットル弁3が開弁されるので、機関の吸気量不足による始動不良が発生しない範囲でスロットル弁3を全閉に保持することができる。この結果、エミッションの低減と始動性向上の両立を図ることができる。
【0058】
なお、以上の実施例では、内燃機関の吸気通路の閉鎖を電子制御スロットル弁3により行うものについて説明を行ったが、電子制御スロットル弁3の代わりに、電子制御される吸気制御弁が吸気通路に別に設けられているものについても本発明を有効に適用することができる。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の内燃機関の吸気制御装置によれば、始動時に閉弁制御されたスロットル弁を適切なタイミングで開制御できるので、機関の吸気量不足による始動不良が発生しない範囲で、スロットル弁の全閉状態を保持することができ、エミッション低減と始動性の向上の両立を図ることができる。また、機関のフリクションが高く、見掛け上の吸気量が不足して機関回転数が落ち込むような場合でも始動不良を抑制することができるという効果がある。
【0060】
また、本発明の制御によれば、始動時に適切なタイミングでスロットル弁を開くことができるので、安定した燃焼を保持したまま機関の吸気量を増加させることができ、機関の始動時にスムーズな始動を得ることができて始動時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の吸気制御装置が搭載された電子制御式多気筒内燃機関の構成を示す構成図である。
【図2】本発明の始動時の電子制御スロットル弁の制御の手順の第1の実施例を示すフローチャートである。
【図3】本発明の始動時の電子制御スロットル弁の制御の手順の第2の実施例を示すフローチャートである。
【図4】図3のフローチャートで使用する機関回転速度の落ち込み率の判定値の水温に応じた値の変化を示す特性図である。
【図5】図2,図3の制御手順におけるイグニッションスイッチのオン位置信号とスタータ位置信号、スタータへのスタータ信号、スロットル開度、機関回転速度、及び機関に消費された空気量の推移を時間と共に示したタイムチャートである。
【図6】本発明の始動時の電子制御スロットル弁の制御の手順の第3の実施例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の始動時の電子制御スロットル弁の制御の手順の第4の実施例を示すフローチャートである。
【図8】図6,図7のフローチャートで使用するスロットル弁の閉弁保持時間の大気圧と水温または油温に対する変化を示す特性図である。
【図9】図6,図7の制御手順におけるイグニッションスイッチのオン位置信号とスタータ位置信号、スタータへのスタータ信号、スロットル開度、機関回転速度、及び機関始動後の経過時間の推移を時間と共に示したタイムチャートである。
【図10】本発明の始動時の電子制御スロットル弁の制御の手順の第5の実施例を示すフローチャートである。
【図11】図10の制御手順におけるイグニッションスイッチのオン位置信号とスタータ位置信号、スタータへのスタータ信号、スロットル開度、機関回転速度、及び吸気管圧力の推移を時間と共に示したタイムチャートである。
【符号の説明】
2…吸気通路
3…スロットル弁
4…スロットルモータ
5…スロットル開度センサ
6…サージタンク
7…圧力センサ
10…ECU
11…水温センサ
14…アクセルペダル
17…イグニッションスイッチ
19…スタータ
20…スタータ駆動回路
21…回転数センサ
Claims (10)
- 始動時に吸気通路を閉鎖し、吸気管負圧を高めた状態で燃料噴射を行う、電子制御開閉弁を備えた内燃機関の吸気制御装置であって、
内燃機関のイグニッションスイッチがオンにされた時に、前記電子制御開閉弁を全閉位置に制御する開閉弁の全閉制御手段と、
前記開閉弁が全閉状態になった機関の始動時に、前記開閉弁の下流側の容積分の空気が全て消費されたか否かを判定する空気消費量の判定手段と、
前記開閉弁の下流側の容積分の空気が全て消費されたと判定した時に、前記開閉弁を所定開度まで開弁させる開弁手段と、を備えることを特徴とする内燃機関の吸気制御装置。 - 請求項1に記載の内燃機関の吸気制御装置において、前記空気消費量の判定手段による前記開閉弁の下流側の容積分の空気が全て消費されたことの判定が、機関の燃焼室に吸入された吸入空気量の積算値が前記開閉弁の下流側の容積分の空気分に到達した時になされることを特徴とする内燃機関の吸気制御装置。
- 請求項2に記載の内燃機関の吸気制御装置において、前記機関の燃焼室に吸入された吸入空気量の積算値は、燃焼室容積、機関回転数、及び機関回転数に対応した体積効率によって算出されることを特徴とする内燃機関の吸気制御装置。
- 請求項3に記載の内燃機関の吸気制御装置において、前記機関の燃焼室に吸入された吸入空気量の積算値が、吸入空気の温度によって補正されることを特徴とする内燃機関の吸気制御装置。
- 請求項1に記載の内燃機関の吸気制御装置において、前記空気消費量の判定手段による前記開閉弁の下流側の容積分の空気が全て消費されたことの判定が、前記機関が始動されてからの経過時間が、規定時間に到達した時になされることを特徴とする内燃機関の吸気制御装置。
- 請求項1に記載の内燃機関の吸気制御装置において、前記空気消費量の判定手段による前記開閉弁の下流側の容積分の空気が全て消費されたことの判定が、前記開閉弁の下流側の吸気通路内に設けられた圧力センサの検出値が所定値未満に到達した時になされることを特徴とする内燃機関の吸気制御装置。
- 請求項1に記載の内燃機関の吸気制御装置において、
機関の回転数を検出する機関回転数検出手段と、
機関の始動時に機関の回転数の落ち込みが発生したか否かを判定する回転数の落ち込み判定手段とを更に備え、
回転数の落ち込みが発生した場合に、前記開弁手段が、前記開閉弁の下流側の容積分の空気が全て消費される前でも、前記開閉弁を前記所定開度まで開弁させることを特徴とする内燃機関の吸気制御装置。 - 請求項7に記載の内燃機関の吸気制御装置において、
機関の水温を検出する水温検出手段を更に備え、
前記回転数の落ち込み判定手段による機関の落ち込みが発生したと判定する機関の回転数の偏差が、水温が低い程大きく設定されていることを特徴とする内燃機関の吸気制御装置。 - 請求項1,7又は8の何れか1項に記載の内燃機関の吸気制御装置において、前記開弁手段が前記開閉弁を段階的に前記所定開度まで開弁させることを特徴とする内燃機関の吸気制御装置。
- 請求項5に記載の内燃機関の吸気制御装置において、前記規定時間が、機関水温、油温、及び大気圧の少なくとも1つの条件に基づいて補正されることを特徴とする内燃機関の吸気制御装置。
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