JP2010001618A - バックドアのドアハンドル構造 - Google Patents

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Hiroshi Matsutani
宏 松谷
Takamasa Ushiku
貴雅 牛久
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Abstract

【課題】ドアハンドルの部品点数を減らすことが可能なバックドアのドアハンドル構造を得る。
【解決手段】ドアハンドル構造1は、バックドアDの車外側に露出するアウトサイドハンドル部11と、バックドアDの車内側に露出するインサイドハンドル部15とが一体的に形成され、バックドアDに回動可能に軸支されたハンドル部材10を備える。アウトサイドハンドル部11またはインサイドハンドル部15の開操作に伴ってハンドル部材10を回動させ、操作力伝達部材としての作動ロッド5aを介してドアロック5を解放状態とするようにした。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両用のバックドアのドアハンドル構造に関する。
従来、車室後面を開閉するバックドアを備えた自動車として、車室外側からはアウトサイドハンドルを操作してバックドアを開き、車室内側からはインサイドハンドルを操作してバックドアを開くようにしたものが知られている。(例えば、特許文献1)。
実開昭62−135759号公報
しかしながら、かかる従来のバックドアのドアハンドル構造では、アウトサイドハンドルとインサイドハンドルとをそれぞれ別個に設けてあるため、その分、部品点数が増大して、組み付け工数が増大するという問題があった。
そこで、本発明は、ドアハンドルの部品点数を減らすことが可能なバックドアのドアハンドル構造を得ることを目的とする。
本発明にかかるバックドアのドアハンドル構造は、アウトサイドハンドル部とインサイドハンドル部とが一体的に形成されてバックドアに回動可能に軸支されたハンドル部材を備え、アウトサイドハンドル部またはインサイドハンドル部の開操作に伴ってハンドル部材を回動させ、操作力伝達部材を介してドアロックを解放するように構成したことを最も主要な特徴とする。
本発明によれば、アウトサイドハンドル部およびインサイドハンドル部の双方をハンドル部材に設けたため、アウトサイドハンドルとインサイドハンドルとを別個に設けた構成に比べて部品点数を減らすことができる。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれている。よってそれら同様の構成要素については共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)図1は、本実施形態にかかるドアハンドル構造を装備したバックドアを車室内方から見た斜視図、図2は、図1中II−II線に沿った断面図、図3は、ドアハンドル構造の一部の分解斜視図である。
本実施形態にかかるバックドアDは、ワンボックスカーの車室後面を開閉する扉として構成されている。このバックドアDは、上縁部にヒンジ部を設けて縦開きするタイプとして構成してもよいし、左右方向の片側縁部にヒンジ部を設けて横開きするタイプとして構成してもよい。さらに、二つのドアが左右両側に開く所謂観音開きタイプとして構成してもよい。なお、バックドアDのほぼ上半分には、ウインドウガラス2を嵌め込んであるとともに、ほぼ下半分には、車室内側(図1中手前側)の壁となるドアトリム3を取り付けてある。
このバックドアDでは、図2に示すように、外側面を形成するアウタパネル4と、内側面を形成するドアトリム3とが所定間隔で配置され、内部空間が形成されている。バックドアDの下端部にはドアロック5を設けてあり、このドアロック5によって、バックドアDが車体側に係合された係合状態と、係合解除された解放状態とが切り換えられるようになっている。なお、ドアロック5のラッチ(可動部分、図示せず)は、付勢手段(図示せず)によって、開操作されない限りは係合状態となるように付勢されている。
本実施形態にかかるドアハンドル構造1の一部品としてのハンドル部材10は、アウタパネル4に回動可能に取り付けてある。ハンドル部材10の車外側には、アウタパネル4より外側に露出する横長で略矩形板状のアウトサイドハンドル部11が形成されている。また、アウタパネル4のアウトサイドハンドル部11を取り付ける部分には凹設部4aを設けて、ハンドル操作空間Sを確保してある。そして、アウトサイドハンドル部11の車両後方側は、上端部をアウタパネル4に固定したアウタカバー6によって所定間隔Lを設けて覆ってあり、その間隔L内でアウトサイドハンドル部11が回動操作されるようになっている。
アウトサイドハンドル部11の上端縁のほぼ中央部には、図3にも示すように、車両前方に向けて伸びるレバー部14を突設し、そのレバー部14の先端部分を車内側に露出させてインサイドハンドル部15としてある。
レバー部14の左右両側には、図3に示すように、一対の取付ブラケット12を配置し、それら取付ブラケット12の基端取付部12aを、取付穴12bに挿通した図示省略のボルトを介してアウタパネル4に結合してある。そして、レバー部14の基端部14aにハンドル部材10の支持穴13を形成し、その支持穴13と、上述の取付ブラケット12の先端取付穴12cと、に亘って車幅方向(水平方向)に略沿う支軸(図示せず)を挿通することにより、当該支軸を中心としてハンドル部材10がアウタパネル4に回動可能に支持された状態が構築されている。
レバー部14の、インサイドハンドル部15とアウトサイドハンドル部11との間となる位置には、操作力伝達部材としての作動ロッド5aの上端部(リング部5b)を取付ピン5cを用いて連結してある。作動ロッド5aの下端はドアロック5に接続され、レバー部14(ハンドル部材10)の開動作が作動ロッド5aを介してドアロック5に伝達され、当該ドアロック5が解放されるようになっている。
作動ロッド5aは、撓み変形が少ない硬質材(例えばステンレススチール等)で形成してあり、ハンドル部材10を図2中実線で示す状態から2点鎖線に示す状態へ、つまり、上記支軸を中心として図2中反時計回り方向に回動操作した際に、レバー部14を介して作動ロッド5aを押し下げて、ドアロック5による係合状態を解放状態に切り換えるようになっている。すなわち、本実施形態では、アウトサイドハンドル部11を上側に引き上げる操作、ならびにインサイドハンドル部15を下側に押し下げる操作が、バックドアDの開操作となる。
ドアトリム3には、上下方向に伸びる細長い略矩形状の開口部3aが形成されており、インサイドハンドル部15の先端部15aが、この開口部3aを貫通して車室内側に露出している。開口部3aの上下長さは、インサイドハンドル部15の先端部15aの回動範囲に対応して設定されている。なお、開口部3aの幅は、先端部15aの幅より僅かに大きくしてある。
また、レバー部14の先端部15aには、上下方向および左右方向に断面積を縮小して段差部15bを形成してあり、この段差部15bに、先端部15aを挿通する開口部17aが形成されたスライドカバー17を係止してある。かかる構成では、ハンドル部材10の回動に伴って、開口部3aにおけるインサイドハンドル部15の先端部15aの上下位置が変化する。このとき、スライドカバー17は、段差部15bとドアトリム3との間に挟まれた状態で、先端部15aとともにドアトリム3の裏面(車両後方側の表面)に沿って上下に移動し、開口部3aを、その上下位置に拘わらずドアトリム3の車外側から塞ぐことになる。
また、本実施形態では、インサイドハンドル部15のドアトリム3から車内側に露出する先端部15aをその側方から取り囲むようにプロテクタ16で覆ってある。プロテクタ16は、図3に示すように、前面視では上下方向に比較的長く延びる略矩形状を呈して、ドアトリム3の車内側の表面に取り付けられており、その中央部には、先端部15aの回動範囲ならびに先端部15aを操作する指の挿入範囲に対応して上下方向に伸びる開口部16aを形成してある。また、本実施形態では、このプロテクタ16の室内面16bをハンドル部材10の回動中心となる支持穴13を中心とする略円弧面状に形成し、これにより、先端部15aが、この開口部16a内に没入し、側面視では室内面16bから室内側(ドア閉時の車両前方側)に突出しない状態のまま、上下方向に往復動できるようになっている。このようなプロテクタ16を設けることで、荷物の移動などによるインサイドハンドル部15(の先端部15a)の不本意な操作を抑制することができる。
以上説明したように、本実施形態にかかるバックドアのドアハンドル構造1は、バックドアDの車外側に露出するアウトサイドハンドル部11とバックドアDの車内側に露出するインサイドハンドル部15とが一体的に形成されてバックドアDに回動可能に軸支されたハンドル部材10を備え、アウトサイドハンドル部11またはインサイドハンドル部15の開操作に伴ってハンドル部材10を回動させ、操作力伝達部材としての作動ロッド5aを介してドアロック5を解放状態とするように構成してある。
すなわち、かかる構成によれば、アウトサイドハンドル部11およびインサイドハンドル部15の双方をハンドル部材10に設けて一体化したため、アウトサイドハンドルとインサイドハンドルとを別個に設けた構成に比べて部品点数を減らすことができ、その分、製造コストならびに組み付け工数を減らすことができる。
また、本実施形態では、アウトサイドハンドル部11から車両前方に向けて伸びるレバー部14を設けて、当該レバー部14の先端部分にインサイドハンドル部15を設け、レバー部14のインサイドハンドル部15とアウトサイドハンドル部11との間となる位置に、操作力伝達部材としての作動ロッド5aを連結した。よって、レバー部14に、インサイドハンドル部15と作動ロッド5aの連結部との双方を設定することができるため、別個に構成した場合に比べて装置構成を簡素化してよりコンパクトな構成とすることができる。
また、本実施形態では、バックドアDの車内側の壁としてのドアトリム3に、インサイドハンドル部15の先端部15aの回動範囲に対応する開口部3aを形成し、インサイドハンドル部15とともに移動して開口部3aをドアトリム3の車外側から塞ぐスライドカバー17を設けた。このため、開口部3aからバックドアDの内部(ドアトリム3の裏側)が見えるのを抑制して、美観の向上を図ることができる。
また、本実施形態では、バックドアDの車内側の壁としてのドアトリム3に、インサイドハンドル部15が車内側に露出する部分としての先端部15aの周辺部分を覆うプロテクタを設けた。このため、荷物の移動などによるインサイドハンドル部15(の先端部15a)の不本意な操作を抑制することができる。
(第2実施形態)図4は、本実施形態にかかるドアハンドル構造の一部の分解斜視図である。
本実施形態にかかるバックドアのドアハンドル構造1Aは、図4に示すように、基本的には、第1実施形態と同様に、アウトサイドハンドル部11とインサイドハンドル部15とを一体化したハンドル部材10Aを備えており、アウトサイドハンドル部11から車内側に伸びるレバー部14の先端に、インサイドハンドル部15を設けてある。
ただし、本実施形態では、レバー部14とは別に、アウトサイドハンドル部11から車両前方に向けて伸びる第二のレバー部20を設けて、この第二のレバー部20に、操作力伝達部材としての作動ケーブル21を連結した点が、上記第1実施形態と相違している。
具体的には、レバー部14をハンドル部材10Aの左右方向一方側(図4中手前側)に突設するとともに、第二のレバー部20をハンドル部材10Aの左右方向他方側(図4中奥側)に突設してある。
作動ケーブル21は、ハンドル部材10Aから上方に伸びて、屈曲しながらバックドアD内を下方に向けて配索され、ドアロック5に接続されている。作動ケーブル21は、ドアロック5のラッチ(可動部分、図示せず)に接続されてこれを牽引するインナワイヤ21bと、これを被覆するアウタチューブ21aとを有しており、インナワイヤ21bの端部に設けられた大径部21cを、第二のレバー部20のアーム部20bの先端部分に形成した係止凹部20cに係止して固定してある。なお、アウタチューブ21aは、ドアトリム3またはアウタパネル4に適宜に固定されている。
また、本実施形態では、ハンドル部材10Aに、レバー部14と第二のレバー部20とが並設されることになるが、これらレバー部14および第二のレバー部20のそれぞれの基端部14a,20aに、図示省略した支軸を挿通する支持穴13を形成してある。なお、支軸は第1実施形態と同様に両側に配置した取付ブラケット12(図3参照)に支持されている。
さらに、本実施形態にあってもプロテクタ16およびスライドカバー17を設けてあるとともに、また、レバー部14の先端部15aには、上下方向および左右方向に断面積を縮小して段差部15bを形成してある。
そして、本実施形態にあっても、ハンドル部材10Aの回動が、操作力伝達部材としての作動ケーブル21を介してドアロック5の可動部分に伝達されて、ドアロック5が解放状態となる。ハンドル部材10Aが開操作されない限り、ドアロック5は係合状態で維持される。
以上説明したように、本実施形態にかかるバックドアのドアハンドル構造1Aは、アウトサイドハンドル部11から車両前方に向けて伸びるレバー部14を設けて、当該レバー部14の先端部分にインサイドハンドル部15を設け、このレバー部14とは別に、アウトサイドハンドル部11から車両前方に向けて伸びる第二のレバー部20を設けて、当該第二のレバー部20に、操作力伝達部材としての作動ケーブル21を連結した。このようにレバー部14,20を分けたことで、各レバー部14,20に生じる応力を小さくでき、ハンドル部材10の剛性および強度を確保しやすくなって、耐久性の向上に資する。特に、作動ケーブル21を取り付けるべく係止凹部20cを形成する際には、レバー部を一つとした場合に比べて、この係止凹部20cの近傍における応力集中を軽減することができて有利である。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず種々の変形が可能である。例えば、第二のレバー部に操作力伝達部材としての作動ロッドを連結してもよい。
本発明の第1実施形態にかかるバックドアを車室内方から見た斜視図である。 図1中II−II線に沿った拡大断面図である。 本発明の第1実施形態にかかるバックドアのドアハンドル構造の一部の分解斜視図である。 本発明の第2実施形態にかかるバックドアのドアハンドル構造の一部の分解斜視図である。
符号の説明
D バックドア
1,1A ドアハンドル構造
3 ドアトリム(壁)
3a 開口部
5 ドアロック
5a 作動ロッド(操作力伝達部材)
10,10A ハンドル部材
11 アウトサイドハンドル部
14 レバー部
15 インサイドハンドル部
16 プロテクタ
17 スライドカバー
20 第二のレバー部
21 作動ケーブル(操作力伝達部材)

Claims (5)

  1. バックドアの車外側に露出するアウトサイドハンドル部とバックドアの車内側に露出するインサイドハンドル部とが一体的に形成されてバックドアに回動可能に軸支されたハンドル部材を備え、
    前記アウトサイドハンドル部またはインサイドハンドル部の開操作に伴って前記ハンドル部材を回動させ、操作力伝達部材を介してドアロックを解放状態とするように構成したことを特徴とするバックドアのドアハンドル構造。
  2. 前記アウトサイドハンドル部から車両前方に向けて伸びるレバー部を設けて、当該レバー部の先端部分に前記インサイドハンドル部を設け、
    前記レバー部の前記インサイドハンドル部と前記アウトサイドハンドル部との間となる位置に、前記操作力伝達部材を連結したことを特徴とする請求項1に記載のバックドアのドアハンドル構造。
  3. 前記アウトサイドハンドル部から車両前方に向けて伸びるレバー部を設けて、当該レバー部の先端部分に前記インサイドハンドル部を設け、
    前記レバー部とは別に、前記アウトサイドハンドル部から車両前方に向けて伸びる第二のレバー部を設けて、当該第二のレバー部に、前記操作力伝達部材を連結したことを特徴とする請求項1に記載のバックドアのドアハンドル構造。
  4. 前記バックドアの車内側の壁に、前記インサイドハンドル部の回動範囲に対応する開口部を形成し、
    前記インサイドハンドル部とともに移動して前記開口部を前記壁の車外側から塞ぐスライドカバーを設けたことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一つに記載のバックドアのドアハンドル構造。
  5. 前記バックドアの車内側の壁に、前記インサイドハンドル部が車内側に露出する部分を側方から覆うプロテクタを設けたことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一つに記載のバックドアのドアハンドル構造。
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