JP2010000615A - 記録装置および補正用パターンの記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】記録装置において、記録媒体の搬送量補正の精度を維持しつつ、補正用パターンを記録する記録媒体の枚数や補正用パターンに基づく補正値決定処理を低減する。
【解決手段】Uターン搬送路で記録媒体を搬送し、補正用パターンの記録を行う。搬送ローラの搬送によるLF記録では、位置L1に補正用パターンを記録する。その後の排紙ローラの搬送によるEJ記録では位置E1に補正用パターンを記録する。以上の記録が終了すると、記録媒体をASFにバックフィードする。そして、ASFによって記録媒体を給紙する搬送路で記録媒体を搬送し、補正用パターンの記録を行う。すなわち、LF記録では、位置L2に補正用パターンの記録を行う。次に、EJ記録では、位置E2に補正用パターンを記録する。これにより、1枚の記録媒体にUターンとASF両方の搬送路に関する補正用パターンやEJ記録に関する同じ初期位相の複数の補正用パターンを記録することができる。
【選択図】図11
【解決手段】Uターン搬送路で記録媒体を搬送し、補正用パターンの記録を行う。搬送ローラの搬送によるLF記録では、位置L1に補正用パターンを記録する。その後の排紙ローラの搬送によるEJ記録では位置E1に補正用パターンを記録する。以上の記録が終了すると、記録媒体をASFにバックフィードする。そして、ASFによって記録媒体を給紙する搬送路で記録媒体を搬送し、補正用パターンの記録を行う。すなわち、LF記録では、位置L2に補正用パターンの記録を行う。次に、EJ記録では、位置E2に補正用パターンを記録する。これにより、1枚の記録媒体にUターンとASF両方の搬送路に関する補正用パターンやEJ記録に関する同じ初期位相の複数の補正用パターンを記録することができる。
【選択図】図11
Description
本発明は記録装置および補正用パターンの記録方法に関し、詳しくは、記録用紙などの記録媒体の搬送誤差を補正するためのパターンを記録する構成に関するものである。
画像情報に基づいて記録媒体に画像を記録するプリンタ、複写機、ファクシミリ等の記録装置、プリンタ機能、ファクシミリ機能、原稿読み取り機能あるいは撮像機能などの他の機能を付加した複合装置が近年広く使用されている。また、これらの記録装置はコンピュータ等のホスト装置に接続して用いられることも多い。このような記録装置は、記録用紙やプラスチックや薄板等のシート状の記録媒体を、記録領域を通して搬送するための記録媒体搬送機構を備えている。なお、記録媒体の材質は紙やプラスチックに限定されるものではないことはもちろんである。
従来、記録装置の記録媒体搬送機構の駆動源としてはパルスモータの使用が主流であった。しかし、近年の写真画質を超えるような高画質記録を行うインクジェット記録装置では、より精密な位置決め精度が求められることや、騒音の低減の観点から、DCモータとその回転を検出するエンコーダを用いたクローズドループ制御が主流となってきている。
図1は、一般的なインクジェット記録装置の一例を示す概略図である。キャリッジ101は、駆動源となるモータ102の回転がベルト104により伝達されることにより直動運動をする。そして、このキャリッジに搭載される記録ヘッド(不図示)でプラテン109上を搬送される記録媒体110を走査し、この走査の間に記録ヘッドからインクを吐出して記録を行う。移動するキャリッジの位置はリニアエンコーダ103を用いて検出される。
一方、記録媒体は、モータ106によって搬送ローラ105が回転することによって、記録ヘッドの走査方向に対して直行する方向に搬送される。この搬送ローラの回転位置は、ロータリエンコーダ112の回転を検出部111が検出することによって知ることができる。このように、搬送ローラに取り付けられたロータリエンコーダで搬送ローラの変位角度を検出しながらモータを制御することにより、搬送ローラの回転量をコントロールして記録媒体の搬送量を制御するのが一般的となっている。
以上のように、記録媒体の搬送量は、搬送ローラの変位角度に基づいて制御しているため、搬送ローラの径のばらつきなどの影響を受け、搬送量に誤差を生じることがある。
図2(a)および(b)は、搬送ローラ105の径が異なる(r>r’)場合に、ロータリエンコーダ107による回転量の検出の違いを説明する図である。これら図に示すように、搬送ローラ105を同じ角度θだけ回転させた場合、搬送ローラ表面の移動量はそれぞれa、b(a>b)となり、記録媒体の搬送量に差が発生することがわかる。
図3(a)、(b)および(c)は、搬送量の誤差の有無に応じて記録される画像の例を示す図である。図3(b)は搬送量の誤差が無く、適正な搬送量の場合の画像を示している。これに対し、図3(a)は、搬送誤差によって搬送量が適性値より長くなる場合の画像を示し、図3(c)は、搬送誤差によって搬送量が適性値より短くなる場合の画像を示している。
これらの図において、走査1〜走査4はそれぞれ記録ヘッドの1回の走査で記録される画像を示しており、それぞれの画像の図中縦方向の長さは、記録ヘッドのノズル配列長に相当する長さとなっている。図3(b)に示すように、搬送誤差が無く適正な搬送量の場合には、各走査で記録される画像間に隙間が生ぜず、またこれらの画像が重ならない。その結果、各画像の境界でいわゆる白スジまたは黒スジを生じることがない。すなわち、走査1の画像を記録してから、走査4の画像を記録するまでに3回の記録媒体の搬送が行われるが、記録ヘッドのノズル配列長と等しい搬送量で記録媒体を搬送できたときに適正な画像が得られる。これに対し、記録ヘッドのノズル配列長よりも大きい搬送量で記録媒体が搬送された、図3場合には(a)に示すように、各画像間に記録がされないかあるいは他の部分より濃度の薄い部分であるいわゆる白スジが生じる。一方、記録ヘッドのノズル配列長よりも短い搬送量で記録媒体が搬送された場合には、隣り合う画像の重なった部分であるいわゆる黒スジが生じる。
搬送量の誤差は、以上説明したローラ径のばらつきだけでなく、例えば、ローラの表面状態のばらつきによっても生じ得る。すなわち、ローラの表面状態の違いによってローラと記録媒体の間に働く摩擦力が異なりすべり量の違いが生じる。その結果、指令値である搬送制御量と実際の搬送量が異なり誤差を生じることがある。また、記録媒体が搬送路から受ける摩擦力の抵抗が搬送路の状態によって異なる場合もあり、それによっても搬送量の誤差を生じることがある。
以上説明したローラ径やローラ表面状態のばらつきによる搬送量誤差に起因した画像の不具合を防ぐ構成の一例として、特許文献1に示すものが知られている。すなわち、特許文献1には、搬送量誤差を生じる原因ごとに補正用パターンを記録し、それぞれのパターンから得た補正値の和で搬送量を補正することが記載されている。
しかし、特許文献1に記載の搬送量補正の構成では、ローラの回転軸がローラの中心からずれている場合や、ローラ自身が偏心していたりする場合には適切な搬送量補正ができない。すなわち、特許文献1に記載の補正用パターンもしくはそれに基づく補正量決定は、ローラの回転位置によって搬送量が異なることがあることを考慮していない。このため、ローラの断面形状の精度が真円から大きく異なる場合には、それによる搬送量の誤差に対応することができない。
図4(a)および(b)は、ローラの形状による記録媒体搬送量の違いを説明する模式図である。図4(a)に示すように、ローラの形状が真円もしくはそれに近い一定以上の精度を有している場合には、角度Rだけローラを回転させたときの搬送量L0は、どの回転位置でも同じである。しかし、図4(b)に示すように、ローラの形状が真円でない、一定の精度以下である場合には、同じ角度Rだけローラを回転させても、ローラの回転位置によって搬送量L1、L2が異なる。図4(b)に示す例では、L1>L0>L2の関係があり、この変動範囲で周期的な搬送量の誤差の変動が生じる。図5は、この搬送量誤差の変動を濃淡で模式的に示す図である。このような変動があると、搬送誤差の補正用パターンを記録する際のローラの位置によって、L1に相当する極端に搬送量が大きいものとして検出されたり、L2に相当する極端に搬送量が小さいものとして検出されてしまい、搬送量補正が不適切になる。
このようなローラの偏心もしくは形状のばらつきの影響を考慮した構成が特許文献2に記載されている。この文献には、ローラを180°回転させたそれぞれの位置で2つのパターン、あるいはローラを120°ずつ回転させたそれぞれの位置で3つのパターンを記録し、これら複数のパターンの検出結果を平均して搬送量誤差を求めることが示されている。このような手法を用いることにより、ローラの偏心などの影響を低減することができる。
しかし、記録媒体とそれを搬送するローラとの位置関係によっては、補正用パターンをローラの1周分にわたって記録できない場合があり、この場合には上述の手法をとることができない。
図6(a)〜(c)は、記録媒体とそれを搬送する各種ローラとの位置関係を示す図である。記録装置では、記録媒体110の搬送路において記録ヘッド120による記録領域の上流側に位置する搬送ローラ105と下流側に位置する排紙ローラ116とが用いられる。詳しくは、ピンチローラ115が搬送ローラ105に対して記録媒体110を押圧するとともに搬送ローラ105が回転することにより、記録媒体110を搬送することができる。同様に、拍車117が排紙ローラ116を押圧するとともに排紙ローラ116が回転することにより、記録媒体110を搬送することができる。記録ヘッド120は、搬送路においてこれら上流側の搬送ローラ105と排紙ローラ116との間の記録領域で走査し、記録媒体110に記録が行われる。上述したローラの種々のばらつきによる搬送量誤差は、搬送に関与するローラの組み合わせに応じて異なる。この点から、搬送量誤差に関して図6(a)〜(c)に示すそれぞれの組み合わせごとに搬送量誤差を区別して扱うことが望ましい。すなわち、搬送ローラだけで搬送される記録媒体の先端部記録時(図6(a))と、搬送ローラと排紙ローラの両方で搬送される中央部記録時(図6(b))と、排紙ローラだけで搬送される後端部記録時(図6(c))の搬送誤差が区別して扱われる。
このように記録媒体とローラとの位置関係に応じて記録できる領域の大きさ、従って搬送する領域の大きさが異なる。一般に、先端部記録時と後端部記録時の記録領域は狭く、搬送量誤差の補正用パターンをローラ1周分にわたって記録するのに十分な領域を確保できないことが多い。この場合には、補正用パターンを記録する際にローラの回転位置をどの範囲で利用できるかによって、結果とした求められる誤差に違いが生じることになる。
図7(a)〜(c)は、図5に示したような周期的な搬送量誤差がある場合に、補正用パターンを記録する際にローラの回転位置をどの範囲で利用できるかに応じて、求められる平均誤差が異なることを示す図である。図7(b)は,ローラ1周分を利用して補正用パターンを記録し、それに基づいて得られる搬送量誤差を示している。この場合に求められる平均誤差ave(b)は約3.1となる。これに対し、図6(a)、(c)に示したように、記録媒体の先端領域および後端領域を搬送するときは、それぞれ搬送ローラ、排紙ローラの1周分に満たない領域でしか補正用パターンを記録することができないことが多い。この場合、図7(a)、(c)に示すように、周期的に分布する搬送誤差の一部しか取得できない。図7(a)に示す例では求められる平均誤差ave(a)は約3.8、図7(c)に示す例では求められる平均誤差ave(c)は約2.3となる。
図7(a)、(c)に示す例は、図7(b)に示す例の測定結果の一部だけをそれぞれ抽出したデータであるにもかかわらず、平均値を求める範囲の違いだけで上記のような平均誤差の違いが発生することがわかる。すなわち、補正用パターンを記録する際にローラのどの範囲を利用するかによって得られる補正値が適切でないものとなる。
平均誤差の違いを生じる他の原因として、ローラ1周分の測定結果を正確に得られないことがある。図8(a)および(b)は、測定点の数の違いに応じて平均誤差が異なることを説明する図である。搬送量誤差の補正用パターンを記録する際の制限から、例えば、ローラの角度が66度おきにしか補正用パターンが記録できないことがある。この場合には、補正用パターンから図7(b)に示したような正確にローラ1周分の測定値を得ることができない。このため、1周分に近いデータを取得しようとすると、図8(a)に示すように330度までのデータ、もしくは図8(b)に示すように396度までのデータを取得することになる。この場合、平均誤差は、330度までのデータおよび396度までのデータでは、それぞれ、ave(a)=約3.06、ave(b)=約3.26となる。すなわち、補正値を求める際の元になるデータの取得の仕方によっても、補正値が異なり、搬送量の補正を適正には行えないことがある。
また、特許文献2にも示されるとおり、搬送路の違いによって記録媒体が受ける摩擦力が異なり、搬送量補正では、そのような影響によって生じる搬送量の誤差も補正することが望ましい。これは、例えば屈曲する搬送路によって記録媒体が曲げられ、その反力によって搬送量に誤差を生じさせるものであり、その誤差の大きさも搬送路の形状によって大きく異なる。また、1つの搬送路においても、記録媒体が搬送路の屈曲した部分によって屈曲している状態と、記録媒体が屈曲した部分を通過した後の屈曲していない状態でも、同様に搬送のずれが発生し、補正が必要となる。このような搬送路の屈曲については、実験や検証などで搬送量に影響する摩擦力の測定は可能であり、これに基づいて求めた補正値を一律に個々の装置に適用しても一定の画質を得ることはできる。しかし、補正によってより高品位な記録結果を得ようとする場合には、個々の装置ごとに補正値を求めることが望ましい。すなわち、個々の装置で使用されている部品の、搬送路の摩擦に影響する部分の寸法の公差や、組み立て時の位置公差によって、搬送路の摩擦力に個体差が発生することがあり、このような場合には個々の装置ごとに補正値が必要になる。また、搬送路の屈曲に限らず、各ローラのニップの有無など、搬送条件の変化によっても補正は必要になることが考えられる。
以上の問題に関して、特許文献3に記載のように、予め個々の装置ごとに補正用パターンを記録しそれに基づいて補正値を求めたり、実験や計算によって補正値を求めたりし、それらの補正値をその装置のメモリに格納しておくことが考慮できる。そして、その際には各種ローラの1周分にわたる補正用パターンを記録するようにする。
しかしながら、上述した種々の条件を総て網羅した補正を行うには、補正用パターンの記録媒体が多数枚にわたり、また、その分評価回数も多くなるという問題を派生する。また、記録媒体の枚数が多くなることで記録した用紙の保管、管理も煩雑になる。
本発明の目的は、記録媒体の搬送量補正の精度を維持しつつ、補正用パターンを記録する記録媒体の枚数や補正用パターンに基づく補正値決定処理を低減することが可能な記録装置および補正用パターンの記録方法を提供することにある。
そのために本発明では、記録ヘッドによって記録媒体に記録を行う記録装置であって、前記記録ヘッドによる記録領域に対して記録媒体を搬送する搬送手段と、前記搬送手段によって前記記録領域に対する同じ記録媒体の搬送を複数回行い、該複数回の搬送それぞれにおいて搬送量の補正用パターンを前記記録ヘッドに記録させる制御手段と、を具えたことを特徴とする。
好ましくは、前記搬送手段は、前記記録領域の搬送方向上流側に配置された第1のローラと、下流側に配置された第2のローラとを有し、前記制御手段は、前記第1ローラまたは前記第2ローラのいずれか一方だけによって記録媒体が搬送されるとき、前記複数回の搬送それぞれにおいて、当該第1または第2ローラの異なる回転位相を開始位置として記録媒体の搬送を行うようにすることを特徴とする。
また、記録ヘッドによる記録領域に対して記録媒体を搬送する搬送手段を具えた記録装置における記録媒体搬送量の補正用パターンの記録方法であって、前記搬送手段によって前記記録領域に対する同じ記録媒体の搬送を複数回行い、該複数回の搬送それぞれにおいて搬送量の補正用パターンを前記記録ヘッドにより記録する記録工程、を有したことを特徴とする。
好ましくは、前記搬送手段は、前記記録領域の搬送方向上流側に配置された第1のローラと、下流側に配置された第2のローラとを有し、前記制御工程は、前記第1ローラまたは前記第2ローラのいずれか一方だけによって記録媒体が搬送されるとき、前記複数回の搬送それぞれにおいて、当該第1または第2ローラの異なる回転位相を開始位置として記録媒体の搬送を行うようにすることを特徴とする。
以上の構成によれば、記録領域に対する同じ記録媒体の搬送を複数回行い、該複数回の搬送それぞれにおいて搬送量の補正用パターンを記録するので、1枚の同じ記録媒体に複数の補正用パターンを記録することができる。また、記録領域の両側に配置された第1ローラまたは第2ローラのいずれか一方だけによって記録媒体が搬送されるときは、複数回の搬送それぞれにおいて、その第1または第2ローラの異なる回転位相を開始位置として記録媒体の搬送が行われる。これにより、1つのローラだけで搬送されるような比較的搬送量が少ない領域で補正用パターンを記録する場合に、ローラの1周分にわたって搬送するときの補正用パターンを得ることができる。
この結果、記録媒体の搬送量補正の精度を維持しつつ、補正用パターンを記録する記録媒体の枚数や補正用パターンに基づく補正値決定処理を低減することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
図9および図10は、本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置を示す斜視図および側面を一部断面で示す図である。
これらの図において、記録媒体の給紙部は、シート材を積載する圧板21、シート材を給紙する給紙ローラ28、シート材を分離する分離ローラ241、シート材を積載位置に戻す為の戻しレバー22等がベースに取り付けられて構成される。給紙ローラ28への駆動は、給紙部に設けられたクリーニング部と共用のモータ(以後APモータ)から駆動伝達ギアなどによって伝達される。
給紙の際には、モータ駆動によって、まず、分離ローラ241が給紙ローラ28に当接する。そして、戻しレバー22がリリースされ、圧板21が給紙ローラ28に当接する。この状態で、シート材の給紙が開始される。シート材が、搬送ローラ36、ピンチローラ37まで到達すると、圧板21は圧板カムによって、分離ローラ28はコントロールカムによって、リリースされる。この時、給紙ローラ28と分離ローラ241から構成されるニップ部に到達していたシート材を積載位置まで、戻すことができる。以上の記録媒体の給紙構成を本明細書では、自動給紙機構(以下、「ASF」とも言う)と言う。
曲げ起こした板金からなるシャーシ101に送紙部が取り付けられている。送紙部はシート材を搬送する搬送ローラ36とPEセンサ32を有している。搬送ローラ36には回転時の負荷を与え安定した搬送が行えるために軸受け38と搬送ローラ36の間に搬送ローラテンションバネが設けられて、搬送ローラ36を付勢することで所定の負荷を与えている。搬送ローラ36には従動する複数のピンチローラ37が当接して設けられている。ピンチローラ37はピンチローラホルダに保持され、ピンチローラバネで付勢することで、ピンチローラ37が搬送ローラ36に圧接し、シート材の搬送力を生み出している。さらに、シート材が搬送されてくる送紙部3の入口にはシート材をガイドするペーパーガイドフラッパ33及びプラテン34が配設されている。また、ピンチローラホルダ30にはシートの先端、後端検出をPEセンサ−32に伝えるPEセンサーレバーが設けられている。プラテン34はシャーシー101に取り付けられ、位置決めされる。ペーパーガイドフラッパーは、搬送ローラ36と勘合し、摺動する軸受け部を中心に回転可能で、シャーシ101に当接することで位置決めされる。
上記構成において、送紙部に送られたシート材はピンチローラホルダ30及びペーパーガイドフラッパー33に案内されて、搬送ローラ36とピンチローラ37とのローラ対に送られる。この時、PEセンサレバ−35によって搬送されてきたシート材の先端を検知し、これによりシート材の記録位置を求めることができる。また、シート材は搬送モータによりローラ対36、37が回転することでプラテン34上を搬送される。プラテン34上には、搬送基準面になるリブが形成されており、記録ヘッドとのギャップを管理している。これとともに後述の排紙部と合わせて、シート材の浪打を制御する。
搬送ローラ36への駆動は、DCモータからなる搬送モータの回転力をタイミングベルトで搬送ローラ36の軸上に設けたプーリに伝達している。また、搬送ローラ36の軸上には、搬送ローラ36による搬送量を検出する為の150〜300lpiのピッチでマーキングを形成したコードホイールが設けられている。これにより、それを読み取るエンコーダセンサがコードホイールに隣接する位置のシャーシ101に取り付けられている。
また、搬送ローラ36のシート材搬送方向における下流側には、画像情報に基づいて画像を形成する記録ヘッドを搭載したキャリッジ50が位置している。キャリッジには、各色のインクタンクが交換可能に搭載されている。記録ヘッドは、ヒータ等によりインクに熱を与えることが可能となっている。そして、この熱によりインクは膜沸騰し、この膜沸騰による気泡の成長または収縮によって生じる圧力変化によって記録ヘッドの各ノズルからインクが吐出されてシート材上に画像が記録される。この際に、シート材は、プラテン34によって保持され、ノズルからシート材の記録面までの距離が所定量に保たれるように構成されている。縁なし記録を行う場合は、シート材端部からはみ出したインクは、プラテン吸収体によって吸収される。すなわち、記録ヘッドのインク吐出口に対向したプラテン34にシート材の端部からはみ出したインクを吸収するが設けられている。
キャリッジ部は、記録ヘッドを取り付けるキャリッジ50を有している。キャリッジ50は、シート材の搬送方向にたいして直角方向に往復走査させるためのガイドシャフト52及びキャリッジ50の後端を保持して記録ヘッドとシート材との隙間を維持するガイドレールによって支持されている。このガイドシャフト52はシャーシ101に取り付けられている。ガイドレールはシャーシ101に一体に形成されている。また、キャリッジ50はシャーシ101に取り付けられたキャリッジモータによりタイミングベルトを介して駆動される。キャリッジ50の位置を検出する為の150〜300lpiのピッチでマーキングを形成したコードストリップがタイミングベルトと平行に設けられている。さらに、それを読み取るエンコーダセンサがキャリッジ50に搭載したキャリッジ基板に設けられている。
上記構成において、シート材に記録する時は、記録する行位置(シート材の搬送方向の位置)にローラ対36、37がシート材を搬送する。これと共にキャリッジモータによりキャリッジ50を記録する列位置(シート材の搬送方向と垂直な位置)に走査させて、記録ヘッドを画像形成位置に対向させる。
排紙部は、2本の排紙ローラ40、41、排紙ローラ40、41に所定圧で当設、従動して回転可能な如く構成された拍車42、搬送ローラの駆動を排紙ローラ40、41伝達する為のギア列、等から構成されている。排紙ローラ40、41はプラテン34に取り付けられている。記録シートの搬送方向で下流側の排紙ローラ40は金属軸に複数のゴム部を設けている。搬送ローラ36からの駆動がアイドラギアを介し、排紙ローラ40に直結された排紙ローラギアに作用することで排紙ローラ40が駆動される。また、排紙ローラ40の下流側に設けた排紙ローラ41は樹脂で構成されている。排紙ローラ41への駆動は、排紙ローラ40から別のアイドラギアを介して伝達される。また、排紙ローラ40の軸上には、排紙ローラ40による搬送量を検出する為の150〜300lpiのピッチでマーキングを形成したコードホイールが設けられている。そして、このホイールを読み取るエンコーダセンサがコードホイールに隣接する位置のシャーシー101に取り付けられている。拍車42はSUSの薄板で周囲に凸形状を複数設けたものを樹脂部と一体成型され、拍車ホルダー43に取り付けられている。コイルバネを棒状に設けた拍車バネによって、拍車42は拍車ホルダー43への取り付けと、排紙ローラ40、41等への押圧を行っている。拍車は排紙ローラ40、41のゴム部、弾性体部に対応する位置に設けられ、主にシート材の搬送力を生み出す役割のものと、その間の排紙ローラ40、41のゴム部、弾性体部が無い位置に設け、主にシート材が記録される時の浮き上がりを抑える役割のものがある。以上の構成によって、記録ヘッドの走査によって画像の記録がなされたシート材は、排紙ローラ41と拍車42とのニップに挟まれ、搬送されて排紙トレイに排出される。
以上のとおり、記録ヘッドが走査する記録領域に関して、記録媒体の搬送方向上流側に配置された搬送ローラと、下流側に配置された排紙ローラとによって記録媒体の搬送が行われる。
本実施形態の装置はUターン搬送のための機構も備える。装置の前面に設けられたカセットにシート材が収納される。このシート材を分離給紙する為に、シート材を積載し、給紙ローラ821にと当接させる圧板がカセットに設けられている。シート材を給紙する給紙ローラ821、シート材を分離する分離ローラ、シート材を積載位置に戻す為の戻しレバー、圧板への加圧・制御手段等が本体のUターンベース取り付けられる。給紙ローラ821の駆動は、Uターン・自動両面部に設けられたUターン・自動両面用モータから駆動伝達ギア等によって伝達される。圧板はカセットに結合された回転軸を中心に回転可能で、Uターンベース設けられた、圧板バネなどからなる加圧・制御手段により給紙ローラ821に付勢される。給紙ローラ821と対向する圧板の部位には、積載最終近くのシート材の重送を防止する人工皮等の摩擦係数の大きい材質からなる分離シートが設けられている。圧板は圧板カムによって、給紙ローラ821に、当接、離間できるように構成されている。これらの圧板、戻しレバー、分離ローラの位置はUターンセンサによって検知されている。
給紙の際には、モータ駆動によって、まず、分離ローラが給紙ローラ821に当接する。そして、戻しレバーがリリースされ、圧板が給紙ローラ821に当接する。この状態で、シート材の給紙が開始される。シート材はベースに設けられた前段規制手段で制限され、シート材の所定枚数のみが給紙ローラ821、分離ローラ831から構成されるニップ部に送られる。送られたシート材はこのニップ部で分離され、最上位のシート材のみが搬送される。分離・搬送されたシート材がUターン中間ローラ86、Uターンピンチローラ861まで到達すると、圧板は圧板カムによって、分離ローラはコントロールカムによって、リリースされる。戻しレバーはコントロールカムよって積載位置に戻る。この時、給紙ローラ821と分離ローラから構成されるニップ部に到達していたシート材を積載位置まで戻すことができる。
給紙部分より下流側には、給紙・搬送されたシート材を搬送する為の、2つのUターン中間ローラ87が設けられている。シート材を挟持するための、Uターンピンチローラ861、871がばね軸に取り付けられ、Uターン中間ローラ86、Uターン中間ローラ87に付勢されている。また、搬送経路を形成する為に、内側を形成するインナーガイド881、外側を形成するアウターガイド882が構成されている。前述の給紙部との搬送経路の合流点はフラッパーによって、お互いのパスの合流がスムーズに行くように構成されている。記録シートの先端が、前述の搬送ローラ36とピンチローラ37に送られる際に、停止したローラ対のニップに当接され、レジ取り作業が実施される。前述の搬送ローラ36とピンチローラ37で搬送されながら、記録を施されたシート材は、搬送ローラ36とピンチローラ37を抜ける。
本実施形態の記録装置は、両面記録のための構成をも備える。両面記録の際は、シート材の後端が再度搬送ローラ36とピンチローラ37に挟み込まれ、搬送される。この時、ピンチローラ37は、昇降機構により上昇している部分に、シート材が送り込まれるので、スムーズに搬送することができる。再度送り込まれたシート材は、両面ローラ891とピンチローラに挟持され搬送される。そして、シート材は、ガイドにガイドされ搬送される。両面用の紙搬送パスは、所定量を過ぎると、前述のUターン搬送時の紙パスに合流する。従って、その後の、搬送経路の構成、作用は、上記内容と同じである。
クリーニング部は、記録ヘッドのクリーニングを行うポンプ60と記録ヘッドの乾燥を抑えるためのキャップ61、記録ヘッドのノズル周辺のフェイス面をクリーニングするブレード、などから構成されている。
本実施形態の記録装置における制御部は、搬送量の補正用に上述した記録機構部によって記録させる記録パターンや、後述の読み取り部から読み取った画像を記憶する、ハードディスクやメモリなどの記憶装置を備える。また、制御部は、記録機構部や後述の読み取り部などと接続する接続部、読み取った画像を処理したり、記録機構部や読み取り部に動作の指示を行う演算部、操作者の入力を受け付ける操作部などから構成されている。
読み取り部は、不図示のプラテンガラス上に置かれた原稿を読み取るためのスキャナを備える。このスキャナは、プラテンガラス、プラテンガラスの下方に左右に移動可能に設けられたセンサ、及びセンサを駆動する不図示のモータなどから構成されている。
以上説明した本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置における搬送量の補正用パターンの記録方法に関するいくつかの実施形態を次に説明する。
(第1実施形態)
図11(a)および(b)は、本発明の第1の実施形態に係る搬送量の補正用パターンの記録方法を説明するための図である。具体的には、これらの図は、以下で説明する各種搬送で記録される補正用パターンの記録領域ないし位置を示している。
図11(a)および(b)は、本発明の第1の実施形態に係る搬送量の補正用パターンの記録方法を説明するための図である。具体的には、これらの図は、以下で説明する各種搬送で記録される補正用パターンの記録領域ないし位置を示している。
本実施形態は、図6にて前述した、搬送ローラだけで搬送される先端部記録時および搬送ローラと排紙ローラの両方で搬送される中央部記録時の補正用パターンと、排紙ローラだけで搬送される後端部記録時の補正用パターンの2種類の補正用パターン記録を行う。以下、先端部記録時および中央部記録時の補正用パターンの記録を「LF記録」とも言う。また、後端部記録時の補正用パターンの記録を「EJ記録」とも言う。
制御部は、メモリに格納されている補正用パターンの記録データおよび記録開始命令を受け取ると、Uターンカセットから記録媒体を給紙し記録部に送る。すなわち、先ずUターン搬送路で記録媒体を搬送し、補正用パターンの記録を行う。この搬送では、記録媒体の先端が搬送ローラに入る前に搬送ローラおよび排紙ローラの位相を初期位相に設定し記録を開始する。そして、LF記録では、図11(a)に示す位置L1に補正用パターンを記録する。そして、その後のEJ記録では同図に示す位置E1に補正用パターンを記録する。以上の記録が終了すると、完全には排紙せず第1の排紙ローラ40でニップしておき、しばらく停止し乾燥による記録媒体へのインクの定着を待機する。
定着が終了すると、各種ローラを逆転させ、ASFにバックフィードする。そして、ASFによって記録媒体を給紙する搬送路で記録媒体を搬送し、補正用パターンの記録を行う。具体的には、バックフィードされた記録媒体をASFの給紙ローラでニップし、先端が搬送ローラを抜けると、第1排紙ローラ40の位相を初期位相に設定し、再びパターンの記録を開始する。そして、LF記録では、図11(a)に示す位置L2に補正用パターンの記録を行う。次に、EJ記録では、図11(a)に示す位置E2に補正用パターンを記録し、記録動作を終了する。ここで、EJ記録では、記録媒体はUターン搬送でもASF搬送でも同じ搬送路に位置する。
なお、LF記録時に、記録媒体が搬送路を通過する際の摩擦力の変化を重視して補正する場合は、図11(a)に示すパターン位置が望ましい。これに対し、搬送量の左右差を重視して補正する場合は、図11(b)に示すパターン位置が望ましい。
以上説明した第1実施形態の補正用パターン記録方法によれば、1回目の補正用パターン記録では、Uターン搬送路で搬送される記録媒体に対して記録が行われる。そして、同じ記録媒体に対する2回目の補正用パターン記録では、ASFから給紙される搬送路で搬送される記録媒体に対して記録が行われる。これにより、一度の補正値決定動作で、LF記録に関してはUターンとASF両方の搬送路に関する補正値決定が可能になる。また、2つの搬送路に関するEJ記録では、同じ初期位相用いた条件で記録しているため、EJ記録に関してはバラつきを考慮した同じ条件の複数の補正用パターンを記録することができる。すなわち、1枚の記録媒体にUターンとASF両方の搬送路に関する補正用パターンやEJ記録に関する同じ初期位相の複数の補正用パターンを記録することができる。その結果、それらの複数のパターンに基づいて補正値を決定することができるので、精度の高い補正を行うことができる。また、パターン記録に際して、操作者は記録動作開始の命令を出せば記録終了まで、記録のための操作は不要となる。
(第2実施形態)
図12は、本発明の第2の実施形態に係る搬送量の補正用パターンの記録方法を説明するための図である。具体的には、図11と同様に、以下で説明する各種搬送で記録される補正用パターンの記録領域ないし位置を示している。
図12は、本発明の第2の実施形態に係る搬送量の補正用パターンの記録方法を説明するための図である。具体的には、図11と同様に、以下で説明する各種搬送で記録される補正用パターンの記録領域ないし位置を示している。
第1実施形態と同じく、制御部は、メモリに格納された補正用パターンの記録データおよび記録開始命令を受け取ると、記録媒体をASFから給紙し記録部に送る。すなわち、先ずASF搬送路での補正用パターンの記録を行う。記録媒体先端が搬送ローラに入る前に搬送ローラおよび排紙ローラの位相を初期位相に設定し記録を開始する。LF記録では、図12に示す位置L1に補正用パターンを記録し、次のEJ記録では、位置E1に記録する。記録が終了すると完全には排紙せず第1排紙ローラでニップしておき、インクの定着を待つ。
記録媒体にインクが定着すると、各種ローラ系を逆回転させ、両面記録ための反転用搬送路、すなわちUターン用搬送路に導いて記録用紙を反転させ、再び記録部に送る。この状態では記録媒体は裏返しの状態なので、各種ローラ系を逆転させ、再度両面記録用の反転用搬送路(Uターン搬送路)に導き、記録媒体を反転させてさらに再び記録部に送る。
この搬送において、二回目の反転時に、先端が搬送ローラを抜けた後、第1排紙ローラの位相を初期位相から120度回転した状態に設定し、再び記録を開始する。そして、LF記録では、図12に示す位置L2に補正用パターンを記録し、EJ記録では、位置E2に記録する。記録が終了すると完全には排紙せず第1排紙ローラでニップしておき定着を待つ。
乾燥が終了すると、上記と同様に、再び各種ローラ系を逆転させ、両面記録のためにUターン搬送路に導き、記録媒体を反転させて再び記録部に送る。さらに各種ローラ系を逆転させ、両面記録のためのUターン搬送路に導き、記録用紙を反転させて再び記録部に送る。そして、二回目の反転時に、記録媒体先端が搬送ローラを抜けた後、第1排紙ローラの位相を初期位相から240度回転した状態に設定する。設定が終了すると再び補正用パターンの記録を開始する。すなわち、LF記録では、図12に示す位置L3に補正用パターンを記録し、EJ記録では、位置E3に記録し、記録を終了する。
以上説明した第2実施形態に係る補正用パターン記録方法によれば、LF記録では、1回目の記録ではUターン搬送路、2回目はASF搬送路、3回目はUターン搬送路で、それぞれ補正用パターンの記録を行う。これにより、一度の補正値決定動作で、LF記録に関して、Uターン搬送路とASF搬送路の両方の補正用パターンを記録することができる。また、Uターン搬送路に関しては同じ条件の2つの補正用パターンを記録できるので、バラつきを考慮した複数回の測定で、高い精度の補正値を得ることができる。
また、EJ記録では、1回目、2回目、3回目の記録それぞれで排紙ローラの記録開始位相を120°ずつ変化させるので、1回の補正用パターン記録で排紙ローラの一周分にわたった記録ができない場合でも、一枚の記録媒体に多数の位相を使用した記録ができる。これにより、このような補正用パターンを記録した記録媒体を、開始位相を異ならせて複数枚記録すれば、ローラの一周分、もしくはそれ以上の長さにわたる搬送による補正用パターンを記録することができる。
さらに、第1実施形態と同様、操作者は記録動作開始の命令を出せば記録終了まで、記録のための操作は不要となる。
なお、本発明の適用は上例に限られないことはもちろんである。例えば、図6(a)〜(c)に示した搬送状態のうち、先端部記録時、中央部記録時、後端部記録時それぞれの3種類の補正用パターン記録について本発明を適用してもよい。この場合、先端部記録時について、上述したEJ記録と同じ態様のパターン記録を行うようにすることができる。
(第3実施形態)
本発明の第3の実施形態は、操作者が本体の操作パネルから、補正用パターンの記録命令を入力するものである。すなわち、補正用パターンの記録命令の入力があると、上述した第1または第2実施形態と同様の1回目の補正用パターンの記録を行う。そして、1回目の記録が終了した後、十分な定着時間をおいた後、操作者が排紙トレイから取り出した、補正用パターンが記録された記録媒体を、ASFの給紙トレイまたはUターンカセットにセットして二回目の記録を行う。
本発明の第3の実施形態は、操作者が本体の操作パネルから、補正用パターンの記録命令を入力するものである。すなわち、補正用パターンの記録命令の入力があると、上述した第1または第2実施形態と同様の1回目の補正用パターンの記録を行う。そして、1回目の記録が終了した後、十分な定着時間をおいた後、操作者が排紙トレイから取り出した、補正用パターンが記録された記録媒体を、ASFの給紙トレイまたはUターンカセットにセットして二回目の記録を行う。
以上の第3の実施形態によれば、Uターン搬送の動作やバックフィードの動作に時間を要する場合に、精度などは同様で作業時間が少ない補正が可能になる。また、補正自動両面記録機能のない記録装置を補正する場合などにおける補正も可能となる。
なお、上述した3つの実施形態では、補正用パターンを2回もしくは3回記録するものとしたが、回数に制限はなく、それ以上の複数回の記録を行ってもよい。
また、上記実施形態では、ASF、Uターンの二種類の搬送路を組み合わせて記録を行うものとしたが、これらの組み合わせに限定するものではなく、また、搬送路の差よりも測定のバラつきが重要視される場合などでは、すべて同じ搬送路を使用してもよい。
さらに、上記第2実施形態では、数種類の位相を使用して記録動作を行っているが、これは例に挙げた位相に限定するものではない。また、一枚の記録媒体に記録するものとして説明したが、枚数が顕著に多くならない限り複数枚の記録媒体に記録をしてもよい。
次に、上述した各実施形態で記録する補正用パターンの具体例およびそれに基づく補正値決定処理について説明する。
図13は補正用パターンの一例を示す図である。同図に示すように、補正用パターンは、記録媒体の搬送方向にある一定の間隔をあけて主走査方向に延在する複数の線分とすることができる。そして、操作者は、この補正用パターンを記録した記録媒体をスキャナの原稿台ガラスの上にセットし、読み取りをおこなう。制御部は、読み取って得られた線分の画像をコントラストやガンマ値の調整もしくは二値化するなどの処理をして上記線分の間隔を測定できるよう加工し、加工した画像に基づき搬送量誤差の測定を行う。具体的には、パターンデータにおける線分の間隔と、実際に記録された線分の間隔とを比較してそれらの差を求めこの差を搬送量の誤差として、補正値を求める。そして、これを所定のメモリに格納し、これを記録の際に参照して搬送量の補正値を決定する。
図14(a)〜(c)は、補正用パターンの他の例を示す図である。この例の補正用パターンは、図14(a)に示すパターンと図14(b)に示すパターンが1組で用いられる。この組による補正用パターンを、上述したLF記録時とEJ記録時それぞれで上述した位置ないし領域に所定数の組記録する。これら図に示すように、1組を構成するパターンのそれぞれは、搬送方向にノズル配列長さに対応した長さXX、主走査方向、すなわち搬送方向に直交する方向に所定の長さを有したブロックを主走査方向に所定数配列したものである。また、それぞれのブロックは、主走査方向に延びるグレーと白(非記録)の帯を交互に配列したものであり、それぞれの帯びの配列ピッチはYYで表される。そして、1組を構成するパターンにおける各ブロックの上記帯の配置は、図14(a)に示されるブロックと図14(b)に示されるブロック間で相補的な配置とされている。すなわち、図14(a)に示されるブロックと図14(b)に示されるブロックを重ねると、一方のグレーの帯が他方の白の帯の位置となり全体がグレーのブロックとなるものである。ここで、図14(b)に示すように、1組のパターンの一方は、主走査方向に配列するブロックがそれぞれ隣接ブロック間で距離ZZだけ搬送方向にずれて配置されている。
以上の組の補正用パターンについて、例えば、先ず図14(a)に示すパターンを記録し、その後、所定量の記録媒体搬送を行い、図14(b)の例えば中央のブロックが図14(a)の中央のブロックに重なるように記録する。このとき搬送量に誤差を生じている場合は、中央のブロックが最もグレーにはならず、誤差量に応じた位置のブロックが最もグレーとして認識される。図14(c)に示す例は中央のブロックが最もグレーとして認識されて誤差を生じていないことを示しているが、例えば、搬送量が距離ZZだけずれているとすると、左から2番目のブロックが最もグレーとして認識される。
以上のように、最もグレーとして認識されるブロックの位置に応じて、距離ZZの整数倍で表される量に対応した補正値を設定することができる。
なお、上述した補正用パターンの二例に限定されないことはもちろんであり、記録したパターンから補正値を導き出すことができればどのようなパターンであってもよい。
また、記録装置の搬送量補正は工場での出荷時に行ってもよいし、ユーザーが行う調整としてこれを採用してもよい。
以上説明した本発明の各実施形態による搬送量の補正用パターン記録方法によれば、パターンを記録する記録媒体一枚あたりのパターン量が多くすることができる。その結果、補正値決定動作の第一例では読み取り回数の削減で、読み取り時間、作業の手間を削減することができる。また、補正値決定動作の第二例では記録補正用紙の枚数が削減できるため、管理が煩雑用パターンの記録情報量を多くすることができるので、記録枚数を削減できる。また、記録動作にかかる時間、手間を削減できる。また、同じく読み取り動作の手間も削減可能になる。その結果、補正の精度を維持しつつ、補正用記録媒体の枚数、サイズを減らすことができる。また、これとともに、作業者の時間的、作業的負担と使用する記録媒体のコストを抑えることができる。
36 搬送ローラ
37 ピンチローラ
40、41 排紙ローラ
42 拍車
50 キャリッジ
37 ピンチローラ
40、41 排紙ローラ
42 拍車
50 キャリッジ
Claims (9)
- 記録ヘッドによって記録媒体に記録を行う記録装置であって、
前記記録ヘッドによる記録領域に対して記録媒体を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段によって前記記録領域に対する同じ記録媒体の搬送を複数回行い、該複数回の搬送それぞれにおいて搬送量の補正用パターンを前記記録ヘッドに記録させる制御手段と、
を具えたことを特徴とする記録装置。 - 前記搬送手段は、前記記録領域の搬送方向上流側に配置された第1ローラと、下流側に配置された第2ローラとを有することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
- 前記制御手段は、前記第1ローラまたは前記第2ローラのいずれか一方だけによって記録媒体が搬送されるとき、前記複数回の搬送それぞれにおいて、当該第1または第2ローラの異なる回転位相を開始位置として記録媒体の搬送を行うようにすることを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
- 前記複数回の搬送は、前記記録媒体の搬送路の一部が異なる搬送が含まれることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の記録装置。
- 前記制御手段は、前記複数回の搬送それぞれにおいて、先ず、前記第1ローラと前記第2ローラの両方によって記録媒体の搬送を行うときに補正用パターンを前記記録ヘッドに記録させ、次に、前記第2ローラによって記録媒体の搬送を行うときに補正用パターンを前記記録ヘッドに記録させることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の記録装置。
- 前記複数回の搬送で記録される補正用パターンは、記録媒体の搬送方向と直交する方向に配列されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の記録装置。
- 記録ヘッドによる記録領域に対して記録媒体を搬送する搬送手段を具えた記録装置における記録媒体搬送量の補正用パターンの記録方法であって、
前記搬送手段によって前記記録領域に対する同じ記録媒体の搬送を複数回行い、該複数回の搬送それぞれにおいて搬送量の補正用パターンを前記記録ヘッドにより記録する記録工程、
を有したことを特徴とする補正用パターンの記録方法。 - 前記搬送手段は、前記記録領域の搬送方向上流側に配置された第1ローラと、下流側に配置された第2ローラとを有することを特徴とする請求項7に記載の補正用パターンの記録方法。
- 前記記録工程は、前記第1ローラまたは前記第2ローラのいずれか一方だけによって記録媒体が搬送されるとき、前記複数回の搬送それぞれにおいて、当該第1または第2ローラの異なる回転位相を開始位置として記録媒体の搬送を行うようにすることを特徴とする請求項8に記載の補正用パターンの記録方法。
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JP2008159281A JP2010000615A (ja) | 2008-06-18 | 2008-06-18 | 記録装置および補正用パターンの記録方法 |
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JP2011189639A (ja) * | 2010-03-15 | 2011-09-29 | Nk Works Kk | プリンタの搬送調整方法 |
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-
2008
- 2008-06-18 JP JP2008159281A patent/JP2010000615A/ja active Pending
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