JP2009539481A - 吸収性物品用伸長性外側カバー - Google Patents

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Abstract

少なくとも1つの実施形態は一般に、取付具(200)を用いて拡張マンドレル(202)を伸長部材(302)に通し、少なくとも局所的に、放射状に、この伸長部材の少なくとも一部を拡張させて、伸長部材の外側表面の周りに位置する放射状に拡張可能な部材(304)との締まりばめを実現させることに関する。1つの実施形態では、伸長部材は、その全長にわたって放射状に拡張され、また、伸長部材(302)の一部のみが、放射状に拡張可能な部材(304)との締まりばめを実現させるように、段付き機構(309)を備えてもよい。放射状拡張プロセスの間、放射状に拡張可能な部材及び伸長部材の双方は、同じ温度、又はほぼ同じ温度でよい。放射状拡張プロセスの前に、放射状に拡張可能な部材は、すきまばめ技法を用いて組み立ててよい。

Description

本発明は、一般に吸収性物品、及び該物品とともに使用される伸長性外側カバー(「SOC」)に関する少なくとも1つの実施形態を提供する。より詳細には、本発明の実施形態は下着のような、低力で回復可能に伸長する伸長性外側カバーに関する。本発明の少なくとも1つの実施形態はまた、弾性コア層及び弾性表皮層を含むエラストマーフィルムに関しており、前記弾性表皮層は前記弾性コア層に比べると粘着が少ない。
従来のテープ式おむつ、プルオン式おむつ、トレーニングパンツ、失禁用ブリーフ等のような吸収性物品は、尿及び/又は他の排泄物を受容及び収容する利益を提供する。かかる吸収性物品は腰部開口部及び1対の脚部開口部を確定するシャーシを備えることができる。1対のバリアレグカフは、シャーシから脚部開口部に隣接した着用者に向かって延伸することができ、これにより液体及び他の身体滲出物の封じ込めを改善するために着用者の身体と封止を形成する。従来のシャーシは、典型的には、トップシートと衣類に面する外側カバー(バックシートと言う場合もある)との間に配置される吸収性コアを備える。
外側カバーは、一方又は両方の縁部(例えば、近位に対向して横方向に延伸する縁部)に伸長性腰部バンド、脚部開口部を囲む伸長性脚バンド、及び伸長性サイドパネルを備えることができ、これらの追加的な構成要素は外側カバーに直接又は間接的に取り付けられる一体型又は個別の分離性要素であり得る。外側カバーの残りの部分は典型的には非伸長性の不織布通気性フィルム積層体を含んでいる。しかしながら、望ましくないことに、これらのおむつは、身体の動き(例えば、座る、立つ、及び歩く)に起因した臀部区域の相対的な解剖学的寸法変化(場合によっては変化は50%にまで及ぶ)が原因で、これらの動きに対応して着用者の身体に上手く適合しない場合がある。1種類のおむつが典型的に、単一の商品サイズ内の様々な体形及び寸法の多くの着用者にフィットしなければならないので、この適合の問題はさらに深刻である。
吸収性物品で使用されるエラストマーフィルムの多くは比較的高い粘着を有しており、このことがこれらフィルムをロール上に巻くことの難しさを増加させている場合がある。粘着を最小限にする試みには、フィルムの粘着部分を不織布に積層すること、又はロール上に巻きあげる前のフィルム上の非粘着性薄膜(skin)が挙げられる。典型的には、ポリオレフィン薄膜が使用される。薄膜を用いることの1つの不利な点は、薄膜がフィルムの弾性特性にマイナスの影響を与える場合があることである。エラストマーフィルムを単独で又は1つ以上の不織布の層に積層した後に活性化すると、表皮層を好適に破断するのに必要な比較的大きな係合深さ(「DOE」)が原因でピンホールが生成される可能性がある。別の不利な点は、非弾性表皮層は、追加的伸長を提供することなくコストを増大し得ることである。
多くの介護人及び着用者は、従来のおむつが提供しない綿の下着の外観及び感触を好む。例えば、綿の下着は、着用者の腰部及び脚を取り囲み、下着を着用者の身体に保持する主要な力を提供する弾性の腰部及び脚バンドを備える。さらに、綿の外側カバー(腰部バンド及び脚バンドを除く)は、動きや、異なる着用者の位置に関連した解剖学的寸法変化に対応するために、比較的小さな力に応じて幅方向及び長さ方向に沿って伸長することが可能である。伸長した部分は、一旦適用された力が取り除かれるとほぼその元の寸法に戻る。換言すれば、下着の綿の外側カバーは、従来のおむつよりも広範囲の着用者の寸法に適合するフィット感を提供する、小さな力で回復可能な2軸の伸長を示す。
吸収性物品の外側カバーの2軸の活性化は、一部の消費者が望む、小さな力で回復可能に伸長する下着のような材料を提供することができるが、かかる外側カバーの製造プロセスは困難であり得る。典型的な外側カバーを1つ超の方向で活性化させることは、外側カバーの機械的な破損を引き起こす場合がある。これらの機械的な破損は、ピンホール、皺、又は他の機能的若しくは審美的に望ましくない性質を出現させる場合がある。加えて、着用者のさらなる快適さのために通気可能な外側カバーを提供することはまた、開口、ミクロ細孔、及び/又は他の不連続性を外側カバーに含めることに起因して、製造プロセスの難しさもまた増大させる場合がある。かかる開口部は、活性化プロセスの間の外側カバー材料の機械的な破損の可能性を増大させる場合がある。
従って、コア層よりも粘着の少ない弾性表皮層を有する外側カバーを提供することが望ましいであろう。綿の下着の質感及び外観を有する、小さな力で回復可能に伸長する外側カバーを提供することがさらに望ましい。綿の下着の質感及び外観を有する通気可能な外側カバーの製造プロセスを提供することがさらに望ましい。
上記の問題の解決策を提供するために、本発明の少なくとも1つの実施形態は、吸収性物品用の伸長性外側カバーを提供する。この伸長性外側カバーは多層エラストマーフィルム層を有する。この多層エラストマーフィルム層は、少なくとも1つの表皮層及び少なくとも1つの弾性コア層を有する。前記表皮層は弾性又は塑弾性である。前記弾性コア層は第1の弾性ポリプロピレンを含む。表皮層はコア層よりも粘着性が少ない。
定義
本明細書で使用する場合、以下の用語は、以下で定められる意味を有するものとする。
吸収性物品に関連して本明細書で使用する場合、用語「使い捨て」は、その吸収性物品が一般的に、洗濯するか、又は別の方法で吸収性物品として復元若しくは再使用することが意図されていない(即ち、1回使用後に破棄し、再利用、堆肥化、又は別の方法で環境に適合した形で廃棄することが意図されている)ことを意味する。
本明細書で使用する場合、用語「吸収性物品」は、身体滲出物を吸収し収容する装置を指し、より具体的には、着用者の身体に当てて又は着用者の身体に近接して配置されて、身体から排泄された様々な滲出物を吸収し収容する装置を指す。代表的な吸収性物品としては、おむつ、トレーニングパンツ、プルオンパンツ型おむつ(即ち、米国特許第6,120,487号に示されているような予め形成された腰部開口部及び脚部開口部を有するおむつ)、再締結可能おむつ又はパンツ型おむつ、失禁用ブリーフ及び下着、おむつホルダ及びライナー、パンティライナーのような女性用生理衣類、吸収性挿入物等が挙げられる。
フィルム又は不織布材料に適用される、用語「機械方向」(「MD」又は「長さ方向」とも言う)とは、フィルム又は不織布が形成装置での加工中に移動する方向と平行な方向を指す。「機械横方向」又は「横断方向」(「CD」又は「幅方向」)とは、機械方向に垂直な方向であり一般にフィルム又は不織布材料によって画定される平面内にあるものを指す。
本明細書で使用する場合、用語「長手方向」は、物品の腰部縁部から反対側の腰部縁部までほぼ垂直であるとともに物品の最大直線寸法にほぼ平行に通る方向を指す。長手方向の45度以内の方向は、「長手方向」であると見なされる。
本明細書で使用する場合、用語「横方向」は、物品の長手方向端部から反対側の長手方向端部まで、長手方向に対してほぼ直角に通る方向を指す。横方向の45度以内の方向は、「横方向」であると見なされる。
本明細書で使用する場合、用語「配置される」は、ある要素が別の要素に対して特定の場所に置かれることを指す。繊維の1つの群が繊維の第2の群の上に配置されるとき、繊維の第1及び第2の群は一般に、第1及び第2の群からの繊維の少なくともいくつかが互いに接触する層状の積層構造を形成する。いくつかの実施形態において、2つの群の間の境界面にある第1及び/又は第2の群からの個々の繊維は、隣接する群の繊維の中に分散することができ、これにより2つの群の間に少なくとも部分的に混ざるとともに絡まった繊維区域を形成する。ポリマー層(例えば、フィルム)が表面(例えば、繊維の群又は層)上に配置される場合、ポリマー層は表面に積層されるか印刷され得る。
「接合される」は、要素が直接的に他の要素に取り付けられることによって要素が直接固定される形態、及び要素が中間の部材に取り付けられ、その中間部材が次にもう一方の要素に取り付けられることによって要素が他の要素に間接的に固定される配置を指す。
本明細書で使用する場合、用語「伸長性」は、3.92N/cm(400gf/cm)荷重でのヒステリシス試験の上向き曲線上で少なくとも5%伸長することのできる材料を指す。用語「非伸長性」は、3.92N/cm(400gf/cm)荷重でのヒステリシス試験の上向き曲線上で少なくとも5%伸長することができない材料を指す。
本明細書で使用する場合、用語「弾性」及び「エラストマー性」は同義であり、バイアス力を適用した際に、破裂又は破断することなしに、弛緩した原長の少なくとも110%又はさらには125%の伸長した長さまで伸びることが可能である(即ち、原長を10%又はさらに25%を超えて伸びることができる)任意の材料を指す。さらに、適用した力を解除すると、この材料はその伸長の少なくとも40%、少なくとも60%、又はさらには少なくとも80%回復し得る。例えば、100mmの初期長を有する材料は少なくとも110mmまで延伸でき、バイアス力を取り除くと106mmの長さまで縮む(即ち、40%の回復を示す)。用語「非弾性」は、本明細書においては、破裂又は破断することなしにその原長の10%を超えて伸びることのできない材料を指す。
本明細書で使用する場合、用語「延伸性」及び「塑性」は同義であり、バイアス力を適用した際に、破裂又は破断することなしに、弛緩した原長の少なくとも110%又はさらに125%の伸長した長さまで伸びることが可能である(即ち、原長を10%又はさらに25%を超えて伸びることができる)任意の材料を指す。さらに、適用した力を取り除くと、材料は、例えばその伸長の40%未満、20%未満、又はさらには10%未満のわずかな回復を示す。
本明細書で使用する場合、用語「塑弾性の」及び「弾塑性」は同義であり、材料が、初期ひずみサイクル(即ち、材料中にひずみを生じさせるために張力を適用し、次に材料を緩和させるために力を取り除く)の間に実質的に塑性体の方式で伸びる能力を有するが、後続ひずみサイクルの間に実質的に弾性的挙動及び回復を示す任意の材料を指す。塑弾性材料は少なくとも1種の塑性体構成成分及び少なくとも1種の弾性構成成分を含有し、これらの構成成分はポリマー繊維、ポリマー層、及び/又はポリマー混合物(例えば、塑性構成成分及び弾性構成成分を含む2成分繊維及びポリマーブレンドが挙げられる)の形状であり得る。好適な塑弾性材料及び特性が、米国特許第2005/0215963号及び同第2005/0215964号に記載されている。
本明細書で使用する場合、用語「活性化された」は、材料の少なくとも一部に弾性延伸性を付与するために、例えば、漸増伸長によるなどの、機械的に変形された材料を指す。
「ナノ繊維」は、米国特許第2005/0070866号及び同第2006/0014460号に概説されている方法に従って形成されたサブミクロン直径の繊維である。ナノ繊維は一般に0.1μm〜1μmの直径を有するが、それより大きい直径も可能である。ナノ繊維の数平均直径は、一般に0.1μm〜1μmの範囲であり、例えば0.5μmである。
本明細書で使用する場合、用語「表皮層」は一般に、1つ以上の表皮層のそれぞれが全フィルム厚さの25%未満、又はさらに10%未満を示すように、少なくとも1つの他の層(典型的にはコア層)とともに共押出された多層フィルムの1つ以上の層を指す。複数の表皮層が存在する場合は、それぞれの表皮層の厚さが必ずしも同じである必要がないことは理解されよう。
本明細書で使用する場合、用語「コア層」は一般に、1つ以上のコア層のそれぞれが全フィルム厚さの50%超、又はさらに75%超を示すように、少なくとも1つの他の層(典型的には表皮層)とともに共押出された多層フィルムの1つ以上の層を指す。複数のコア層が存在する場合は、それぞれのコア層の厚さが必ずしも同じである必要がないことは理解されよう。
本明細書で使用する場合、用語「下着のような」は一般に、綿の下着の綿布地部分(これは腰部バンド部分及び脚バンド部分を除く)が示す典型的な特徴と同様な、低力で回復可能な伸長を示す基材を指す。例えば、荷重40g/cm未満で15%ひずみを示す、吸収性物品の外側カバーのような基材が下着のようであると考えられる。
本明細書で使用する場合、「押出し積層」は一般に、ポリマーが少なくとも1つの他の不織布の上に押し出され、まだ部分的に溶融状態の間に不織布の一側面に固着するか、又は押し出された溶融ポリマー上に不織布を溶着することにより固着するプロセスを意味する。
実施形態の概要
本発明の少なくとも1つの実施形態による伸長性外側カバー{「SOC(stretchable outer cover)」}は少なくとも1つの弾性材料及び少なくとも1つの塑性材料を含んでもよい。伸長性外側カバー(「SOC」)は、ポリマー材料の層及びこのポリマー材料の上に配置される不織布の層を有してもよい。不織布材料及びポリマー層は、塑弾性材料、弾性材料、又は塑性材料から(個別に)形成され得る。伸長性外側カバーは少なくとも1種類の塑性材料及び少なくとも1種類の弾性材料を有してもよいが、単一塑弾性材料の形状で2種類の構成要素が伸長性外側カバーに含まれることができる。
本発明の特定の実施形態において、伸長性外側カバーは、不織布材料に積層されたポリマーフィルムの形状でポリマー層を有してもよい。これらの実施形態は次の3つの追加的態様:(1)塑弾性不織布材料の層が塑性ポリマーフィルムに積層される態様、(2)塑弾性不織布材料の層が塑弾性ポリマーフィルムに積層される態様、及び(3)塑性不織布材料の層が塑弾性ポリマーフィルムに積層される態様、を有してもよい。不織布材料及びポリマーフィルムの両方が塑弾性材料から形成される場合、両者は同一又は異なる塑弾性材料から形成され得る。特定の実施形態において、伸長性外側カバーは、上にエラストマー層が模様又はフィルムの形状で印刷又は積層された、例えば塑性体繊維の層などの、不織布材料の層を有してもよい。
本発明の少なくとも1つの実施形態の伸長性外側カバーは、綿の下着の布と同様の、小さな力で回復可能な伸長性を有する。いくつかの実施形態において、外側カバーは特定の伸長において小さな抵抗力を有してもよい。外側カバーは異なる方向に異なる伸長性を有することができるので、伸長性は長手方向(機械方向)及び横方向(機械横方向)で測定してもよい。いくつかの実施形態において、15%ひずみでは、外側カバーは40g/cm未満、30g/cm未満、20g/cm未満、さらには15g/cm未満の第1サイクル荷重を有し得る。いくつかの実施形態において、50%ひずみでは、外側カバーは100g/cm未満、75g/cm未満、40g/cm未満、さらには30g/cm未満の第1サイクル荷重を有し得る。加えて、いくつかの実施形態では、外側カバーはまた40%未満、30%未満、20%未満、さらには10%未満のセット率も有することができる。かかる特性を有する外側カバーはより下着のようであると考えられる。
特定の実施形態において、本発明の少なくとも1つの実施形態による外側カバーは、少なくとも1つの非弾性不織布に積層されるエラストマーフィルムを備えてもよい。不織布のそれぞれの層は、50g/m未満、10〜30g/m、さらには10〜20g/mの坪量を有してもよい。エラストマーフィルムの坪量は、40g/m未満、30g/m未満、25g/m未満、さらには15g/m未満であってもよい。
吸収性物品に含まれるエラストマーは、おむつにおける、より高価な構成要素の1つであり得るので、また、外側カバーの面積、従ってエラストマーの使用は全体が伸びる外側カバーにとっては大きくなり得るので、外側カバーを比較的安価な低坪量のエラストマーで商業用に製造できることが望ましい可能性がある。弾性ポリプロピレン、例えば、エクソンモービル社(Exxon-Mobil)製のビスタマックス(VISTAMAXX)は、スチレン系ブロックコポリマーなどの従来のエラストマーより典型的には安価であるので、魅力的な候補であり得る。加えて、その溶融強度の高さにより、スチレン系ブロックポリマーと商業的に比べて低坪量(例えば、10〜40g/m)でこれら弾性ポリプロピレンをより容易に押し出すことができる。最後に、多くの他の吸収性物品の構成要素は多くの場合ポリプロピレンで作られているので、弾性ポリプロピレンとの機械的結合がより容易であり得る。
図1は、本発明の少なくとも1つの実施形態による外側カバー124を備える、吸収性物品101の実施例の概略図を示している。この実施例において、外側カバー124はエラストマーフィルム165及び不織布162から形成される二重積層体である。外側カバー124は、身体に面する側171及び衣類に面する側170を有する。外側カバー124に加え、吸収性物品はまた、例えば接着剤などの当該技術分野において一般に既知である任意の手段で吸収性コア26又は任意の他の構成要素に接合される、トップシート122も備え得る。吸収性コア26は外側カバー124に接合されてもよい。図1に示される外側カバー124は、表皮層163及びコア層164を有するエラストマーフィルム165を含んでいてもよい。表皮層163は、積層体を形成するために向かい合わせの配置でコア層164に接合されてもよい。フィルム−不織布の二重積層体では、表皮層163は一般に外側カバー124の身体に面する側171に配置される。図1には1つの表皮層163及び1つのコア層164のみが示されているが、所望により、外側カバー124は追加の表皮層及び/又はコア層を有してもよいことは理解されよう。所望により、外側カバー124はまた、図2に示すような第2の不織布材料162を含んでもよい。図2では、エラストマーフィルム165は2つの表皮層163及び2つの不織布層162を有する。かかる構造は、フィルム形成工程及び不織布への積層工程が異なる時間及び/又は場所で行われる場合に形成されてもよい。不織布162は、当該技術分野において一般に既知である任意の手段でエラストマーフィルム165に接合されてもよい。
下着のように、吸収性物品もまた、伸長性外側カバーに加えて弾性の腰部バンド及び脚バンドを備えてもよい。これらのバンドは、理想的には腰部及び脚の周りのほぼ全周囲を覆う。特に、伸長性外側カバーはわずかな戻り力しか提供しないので、これらの腰部バンド及び脚バンドはおむつが下がるのを減少させるのに役立つ。これらの腰部バンド及び脚バンドは弾性材料と少なくとも1つの不織布の積層体であり、弾性材料は不織布に結合される前に事前伸長される(即ち、延伸結合積層体)。弾性材料は、ストランド又はフィルム又は不織布の形状であり得る。弾性材料を不織布に結合するために、業界で既知の任意の結合技術を用いることが可能である。いくつかの例は、接着剤結合、超音波結合、熱点結合(thermal point bonding)、圧力及び/又は熱による機械的結合等である。
弾性の腰部及び脚バンドは幅5〜40mmである。一例は、スパンデックスストランドを含み、400〜1500のデシテックスを有し、2層の不織布に積層される三重積層体である。これらのストランドはウェブの機械方向に沿って走り、不織布に積層される前に100〜300%に事前伸長される。次に、腰部バンド及び脚バンドは伸長性外側カバーに結合される前に事前伸長される。
ポリマー材料
本発明の少なくとも1つの実施形態による塑弾性材料は、不織布繊維層に含まれるかポリマーフィルム層に含まれるかにかかわらず、エラストマー構成成分及び塑性体構成成分を含んでもよい。構成成分は、繊維の形状(例えば、弾性繊維、塑性体繊維)に、多層フィルムの形状(例えば、エラストマー層、塑性体の層)に、又はポリマー混合物の要素(例えば、2成分繊維、塑弾性のブレンド繊維、塑弾性のブレンド層)として、形成され得る。1つの塑弾性材料を、エラストマー構成成分と塑性体構成成分との塑弾性ブレンドの形状にすることができる。塑弾性ブレンドは、エラストマー構成成分及び塑性体構成成分の混和性の程度に応じて、不均質な又は均質なポリマー混合物のいずれかを形成することができる。不均質な混合物では、塑弾性材料の得られた応力ひずみ特性は、任意の不混和性構成成分の微小な規模の分散が達成された時(即ち、純エラストマー構成成分又は純塑性体構成成分の任意の識別可能な離散領域が10ミクロン未満の等価直径を有する時)に改善され得る。好適なブレンド手段は当該技術分野において既知であり、2軸押出成形機[例えば、ポリラブ2軸押出成形機(POLYLAB Twin Screw Extruder){ドイツ、カルルスルーエ(Karlsruhe, Germany)のサーモ・エレクトロン(Thermo Electron)から入手可能}]が挙げられる。塑弾性ブレンドが不均質な混合物を形成する場合は、他の構成成分の分散粒子を取り囲む連続相を形成し得る。塑弾性材料の別の例には塑弾性の2成分繊維が挙げられ、1つの繊維が、例えば、芯シース(又は、同等に、コアシェル)に又は並列配置で、エラストマー構成成分と塑性体構成成分の個別の区域を有する。塑弾性材料の別の例には混合繊維が挙げられ、一部の繊維は本質的に全体がエラストマー構成成分から形成され、残りの繊維は本質的に全体が塑性体構成成分から形成される。ポリマー材料はまた上記の混合も含む(例えば、塑弾性ブレンド繊維と2成分繊維、塑弾性ブレンド繊維と混合繊維、2成分繊維と混合繊維)。塑弾性材料の更なる例は、両方の相が相互貫入網状組織を形成する共連続モルホロジー(co-continuous morphology)を有する不均質な混合物の形態の塑弾性ブレンドである。
塑弾性材料の好適な例には、塑弾性材料の総重量を基準として5重量%〜95重量%の範囲及び40重量%〜90重量%のエラストマー構成成分が挙げられる。塑弾性材料の好適な例には、塑弾性材料の総重量を基準として5重量%〜95重量%の範囲及び10重量%〜60重量%の塑性体構成成分が挙げられる。塑弾性材料が、混合された弾性繊維及び塑性体繊維を含む場合、弾性繊維は、混合された弾性及び塑性体繊維の総重量を基準として40重量%〜60重量%の量、例えば50重量%の量で含まれてもよい(おおよその残部は塑性体繊維である)。塑弾性材料が2成分繊維を含む場合、塑性体構成成分(例えば、シースの形態)は、2成分繊維の総重量を基準として、20重量%以下又は15重量%以下、例えば5重量%〜10重量%の量で含まれてもよい(おおよその残部は、例えば繊維芯のような弾性構成成分である)。塑弾性材料が塑弾性のブレンドを含む場合、弾性構成成分は、塑弾性のブレンドの総重量を基準として60重量%〜80重量%、例えば70重量%の量で含まれてもよい(おおよその残部は塑性体構成成分である)。いくつかの実施形態において、塑弾性材料は2つ以上のエラストマー構成成分及び/又は2つ以上の塑性体構成成分を含むことができ、この場合、規定された濃度範囲が適切な構成成分の合計に適用され、それぞれの構成成分は少なくとも5重量%の濃度で組み込まれてもよい。
エラストマー構成成分は、塑弾性材料の伸長張力の弛緩時に、特に初期成形ひずみサイクルに続くひずみサイクル時に、所望の回復量及び回復力を提供することができる。多くの弾性材料が当該技術分野において既知であり、それらには、合成又は天然ゴム;多元ブロックコポリマーに基づく熱可塑性エラストマー(例えば、ポリスチレンブロックと共重合されたゴムエラストマーブロックを含むもの);ポリウレタンに基づく熱可塑性エラストマー(エラストマー相に分散された時、ポリマー鎖をともに固着して高度な機械的一体性を提供する硬質相を形成する);ポリエステル;ポリエーテルアミド;弾性ポリエチレン;弾性ポリプロピレン;及びこれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの特に好適な弾性構成成分の例には、スチレン系ブロックコポリマー、弾性ポリオレフィン、及びポリウレタンが挙げられる。
他の特に好適な弾性構成成分の例には、弾性ポリプロピレンが挙げられる。これらの材料において、プロピレンはポリマー主鎖の主要構成成分に相当し、その結果、いずれかの残りの結晶化度は、ポリプロピレン結晶の特徴を有する。プロピレン系エラストマー分子ネットワークの中に埋め込まれた残りの結晶性構成要素は物理的架橋として機能して、高い復元、低い固定及び低い力緩和のような弾性ネットワークの機械的特性を改善するポリマー鎖固着能力を提供してもよい。弾性ポリプロピレンの好適な例には、弾性ランダムポリ(プロピレン/オレフィン)コポリマー、立体エラー(stereoerror)を含むアイソタクチックポリプロピレン、アイソタクチック/アタクチックポリプロピレンブロックコポリマー、アイソタクチックポリプロピレン/ランダムポリ(プロピレン/オレフィン)コポリマーブロックコポリマー、ステレオブロック弾性ポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレンブロックポリ(エチレン−コ−プロピレン)ブロックシンジオタクチックポリプロピレン三元ブロックコポリマー、アイソタクチックポリプロピレンブロック位置不規則性(regioirregular)ポリプロピレンブロックアイソタクチックポリプロピレン三元ブロックコポリマー、ポリエチレンランダム(エチレン/オレフィン)コポリマーブロックコポリマー、極低密度ポリプロピレン(即ち、超低密度ポリプロピレンと同等)、メタロセンポリプロピレン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。結晶性アイソタクチックブロック及び非晶質アタクチックブロックを含む好適なポリプロピレンポリマーが、例えば、米国特許第6,559,262号、同第6,518,378号、及び同第6,169,151号に記載されている。ポリマー鎖に沿って立体エラーを有する好適なアイソタクチックポリプロピレンが、米国特許番号第6,555,643号及び欧州特許第1 256 594 A1号に記載されている。好適な例には、主鎖に組み込まれた低濃度のコモノマー(例えば、エチレン又は高級α−オレフィン)がを含有するプロピレンを含む弾性ランダムコポリマー(RCP)が挙げられる。好適な弾性RCP材料は、商品名「ビスタマックス」{テキサス州ヒューストン(Houston)のエクソンモービル社(ExxonMobil)から入手可能}及び商品名「バーシファイ(VERSIFY)」{ミシガン州ミッドランド(Midland)のダウ・ケミカル社(Dow Chemical)から入手可能}として入手可能である。伸長性外側カバーが、印刷された弾性材料を含む場合、エラストマー構成成分はスチレン系ブロックコポリマーであってもよい。
塑弾性材料の塑性体構成成分は、塑弾性のブレンドに含まれるか別個の塑性体構成成分に含まれるかにかかわらず、初期形成ひずみサイクルの間に材料に付与される所望量の永続的な塑性変形を提供することができる。典型的には、塑弾性材料中の可塑性構成成分の濃度が高ければ高いほど、材料上への初期ひずみ力の緩和に続いて起こり得る永続的セットは大きくなる。好適な塑性体構成成分は一般に、1つ以上の方向の張力にさらされると塑性的に変形し得る高結晶化度ポリオレフィン、例えば、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、非常に低密度のポリエチレン、ポリプロピレンホモポリマー、塑性ランダムポリ(プロピレン/オレフィン)コポリマー、シンジオタクチックポリプロピレン、ポリブテン、インパクトコポリマー、ポリオレフィンワックス、及びこれらの組み合わせが挙げられる。別の好適な塑性体構成成分はポリオレフィンワックスであり、微結晶ワックス、低分子量ポリエチレンワックス、及びポリプロピレンワックスを含む。好適な材料には、LL6201(線状低密度ポリエチレン;テキサス州ヒューストンのエクソンモービル社)から入手可能)、パルワーン(PARVAN)1580(低分子量ポリエチレンワックス;テキサス州ヒューストンのエクソンモービル社から入手可能)、マルチワックス(MULTIWAX)W−835{微結晶ワックス;コネチカット州ミドルベリ(Middlebury, CT)のクロンプトン社(Crompton Corporation)から入手可能}、レファインド・ワックス(Refined Wax)128{低融点精製石油ワックス;カリフォルニア州サンラモン(San Ramon, CA)のシェブロンテキサコ・グローバルルブリカント社(Chevron Texaco Global Lubricants)から入手可能}、A−C 617及びA−C 735{低分子量ポリエチレンワックス;ニュージャージー州モーリスタウン(Morristown, NJ)のハニーウェルスペシャリティー・ワックス・アンド・アディティブズ(Honeywell Specialty Wax and Additives)から入手可能}、及びリコワックス(LICOWAX)PP230{低分子量ポリプロピレンワックス;ロードアイランド州コベントリ(Coventry, RI)のクラリアント社顔料&添加物ディビジョン(Clariant, Pigments & Additives Division)から入手可能}が挙げられる。
塑性体構成成分として好適な他のポリマーは、不織布繊維又はポリマー層に含まれているか否かにかかわらず、それらが塑性変形特性を有している限り特に限定されない。好適な塑性体ポリマーには、ポリオレフィン、一般にはポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンビニルアセテート、エチレンエチルアクリレート、エチレンアクリル酸、エチレンメチルアクリレート、エチレンブチルアクリレート、ポリウレタン、ポリ(エーテル−エステル)ブロックコポリマー、ポリ(アミド−エーテル)ブロックコポリマー、及びこれらの組み合わせが挙げられる。好適なポリオレフィンは一般に、テキサス州ヒューストンのエクソンモービル社、ミシガン州ミッドランドのダウ・ケミカル社、メリーランド州エルクトン(Elkton)のバセルポリオレフィンズ社(Basell Polyolefins)、及びニューヨーク州ニューヨーク(New York)の三井USAから供給されるものが挙げられる。好適な塑性ポリエチレンフィルムは、ジョージア州ローム(Rome, GA)のRKW・US社(RKW US, Inc.)及びオハイオ州メイスン(Mason, OH)のクロプレイ・プラスチック・プロダクツ社(Plastic Products)から入手可能である。
繊維性材料
本発明の少なくとも1つの実施形態による不織布繊維性材料は一般に、メルトブローイング、スパンボンディング、スパンボンディング−メルトブローイング−スパンボンディング(SMS)、エアレイイング、コフォーミング、及びカーディングのような方法を用いて、不規則なやり方で重ね置かれた(interlaid)繊維から形成される。不織布材料はスパンボンド繊維を含んでもよい。不織布材料の繊維は、従来技術、例えば熱点結合、超音波点結合、接着剤パターン結合、及び接着剤スプレー結合を用いて互いに結合されてもよい。得られる不織布材料の坪量は100g/m程度であり得るが、80g/m未満、60g/m未満、さらに50g/m未満、例えば40g/m未満であってもよい。特に断りのない限り、本明細書に開示の坪量は、ヨーロッパ不織布工業会(European Disposables and Nonwovens Association)(「EDANA])の方法40.3−90を用いて測定される。
本発明の実施形態の一例では、不織布材料は2つ又は任意に3つの異なる繊維の層を有することができ、第1の不織布繊維層は第1の数平均繊維直径を有し、第2の繊維層は第1の数平均繊維直径より小さい第2の数平均繊維直径を有し、任意に第3の繊維層は第2の数平均繊維直径より小さい第3の数平均繊維直径を有する。第1の直径の第2の直径に対する比は一般に、2〜50、又は3〜10、例えば5である。第2の直径の第3の直径に対する比は一般に、2〜10、例えば5である。この実施形態において、第2の繊維層は第1の不織布繊維層の上に配置され、第3の繊維層(有される場合)は第2の繊維層の上に配置される。この配置は、層の一部分が重なり合って境界面に繊維網状組織を形成するように(例えば、第1及び第2の層からの繊維が重なり合う及び/又は第2及び第3の層からの繊維が重なり合う)、第1及び第2(並びに任意に第3)の繊維層が本質的に隣接した層を形成する場合を含み得る。この配置はまた、第1及び第2の繊維層が本質的に完全に混ざり合って相互貫入繊維の単一不均質層を形成する場合も含み得る。
実施例のこの例では、第1の数平均繊維直径は10μm〜30μmの範囲、例えば15μm〜25μmであることができる。不織布繊維の第1群に好適な繊維にはスパンボンド繊維が挙げられる。スパンボンド繊維は、上記のエラストマー構成成分及び塑性体構成成分の様々な混合を含むことができる。
実施形態のこの例において、第2の数平均繊維直径は1μm〜10μmの範囲、例えば1μm〜5μmであってもよい。繊維の第2の群に好適な繊維には、1つ以上の層の不織布材料に組み込むことのできるメルトブロー繊維が挙げられる。様々なメルトブローされた層に分布されるメルトブロー繊維は、1g/m〜20g/m又は4g/m〜15g/mの範囲の坪量を有してもよい。メルトブロー繊維は上記のエラストマー構成成分及び塑性体構成成分の様々な混合を有することができ、また弾性材料及び/又は塑弾性材料を含んでもよい。より高い活性化深度が要求される場合及び/又は外側カバーのより低い永久歪値が望ましい場合には、エラストマー含有量がより高いことが好ましい場合がある。弾性及び塑性体ポリオレフィン混合は、価格/性能バランスを最適化するために利用することができる。いくつかの実施形態において、エラストマー構成成分は、低結晶化度ポリプロピレン(例えば、テキサス州ヒューストンのエクソンモービル社から入手可能であるビスタマックスポリプロピレン)を含むことができる。本発明の特定の実施形態では、弾性不織布は、弾性繊維を含む少なくとも1つのスパンボンド層、及び、弾性、塑弾性又は塑性体繊維を含む少なくとも1つのメルトブロー繊維層を有してもよい。
メルトブローされた層の細繊維は、伸長性外側カバーの不透明度を高める可能性があり、これは典型的には外側カバーに望ましい特性である。メルトブロー繊維が重なり合って、不織布材料の他の不織布繊維の間に、例えばメルトブローされた層が2つのスパンボンド層の間に配置されるとともに結合されるSMS不織布積層体に、分散した時、メルトブロー繊維はまた不織布材料の構造的一体性を改善する有益な効果を有し得る。実質的に異なる長さスケールを有する繊維の組み込みに起因する自己絡み合いは不織布材料の内部接着一体性を増加することができ、これにより不織布材料の結合の必要性が減少する(及び排除することさえ可能である)。メルトブロー繊維は「結合層(tie-layer)」を形成することも可能であり、特にメルトブロー繊維が粘着性物質から形成される場合には、他の不織布繊維と隣接するポリマー層との間の接着を増加させる。メルトブロー繊維の存在はまた、活性化後のセット率を、少なくとも5%の相対量(即ち、そうでない場合には、メルトブロー繊維を除けば同じである不織布材料に対して)又は少なくとも8%、例えば少なくとも10%減少させる有益な効果も有することができる。
第2の数平均繊維直径は、或いは又はさらに0.1μm〜1μmの範囲にあり、例えば0.5μmであってもよい。かかる繊維の第2の群に好適な繊維には、メルトブロー繊維に関して上述した組成物を有することのできるナノ繊維が含まれる。メルトブロー繊維に替えて(この場合ナノ繊維は第2の繊維層を形成する)又はメルトブロー繊維に加えて(この場合ナノ繊維は第3の繊維層を形成する)のいずれかでナノ繊維を使用することで、外側カバーの不透明度をさらに増加させることができ、またメルトブロー繊維に関連して上述した構造的及び接着性の利点を提供することも可能である。図3は、スパンボンド−ナノ繊維−スパンボンド(「SNS」)積層体のSEMの、より粗いスパンボンド繊維212の層の下のより細いナノ繊維214の層を示している。図3から、上部のスパンボンド層となる空隙(void)表面領域は、下にあるナノ繊維層で実質的に充填されており、これにより不透明度が向上する。これらを含めると、ナノ繊維は1g/m〜7g/mの範囲、例えば3g/m〜5g/mの範囲の坪量を有してもよい。かかるレベルにおいて、ナノ繊維は、少なくとも5%の、又は少なくとも8%の、例えば少なくとも10%の、不織布材料の不透明度の相対的増加(即ち、そうでない場合にはナノ繊維を除けば同じである不織布材料に対して)をもたらすことが可能である。代替的実施形態では、不透明度をより高めるために、二酸化チタンのような不透明粒子をナノ繊維に含有させることができる。特定の実施形態において、弾性不織布は、弾性繊維を含む少なくとも1つのスパンボンド層、及び弾性、塑弾性及び/又は塑性体繊維を含む少なくとも1つのナノ繊維の層を有してもよい。
少なくとも本発明の実施形態による外側カバーの不織布層にナノ繊維を含ませる場合、外側カバーの不透明度を増加させることが可能であり得る。例えば、不透明度試験に従って測定した時に65%の不透明度を有する外側カバーを得るためには、典型的なメルトブローされた層の坪量は8g/mである必要があり得、70%の不透明度では坪量は10g/mを超える必要があり得る。しかしながら、ナノ繊維を用いると、65%の不透明度を得るためには、ナノ繊維の坪量は3g/mであり得、70%の不透明度では坪量は5g/mであり得る。
本発明の実施形態の別の例では、不織布材料は、異なる種類の繊維層を少なくとも4つ、所望により5つ、積層配置で有してもよい。第1(最上)層は、弾性ポリプロピレンを含む、例えば、混合された弾性繊維及び塑性体繊維、2成分の弾性及び塑性体繊維、並びに塑弾性ブレンド繊維が挙げられるがこれらに限定されない塑弾性材料のようなスパンボンド繊維を含んでもよい。第2層は第1層の上に配置されてもよく、例えば弾性ポリプロピレン又は弾性ポリエチレンを含むがこれらに限定されない弾性繊維のようなメルトブロー繊維を含むことができる。第3層は第2層の上に配置されてもよく、一般に弾性繊維(例えば弾性ポリプロピレン又は弾性ポリエチレンのいずれかを含む)か塑弾性ブレンド繊維(例えば弾性ポリプロピレンを含む)のいずれかであるナノ繊維を含み得る。第4層は第3層の上に配置されてもよく、弾性ポリプロピレンを含む、例えば塑弾性ブレンド繊維のようなメルトブロー繊維を含み得る。第1から第4層に可能なその他の材料は、「ポリマー材料」で上述したものと同じである。
任意の第5(最下)層を第4層に接合してもよく、一般に塑性体繊維(例えば高伸長性不織布繊維又は高伸長カードウエブ材料を含む)又は塑弾性ブレンド繊維である、スパンボンド(或いは、カード)繊維を含み得る。第5層が塑性体繊維を含む場合、機械的活性化プロセスに耐えるのに十分な延伸性のある塑性体繊維を提供することが有利である。かかる十分に変形可能なスパンボンド繊維の好適な例が、PCT国際公開特許WO 2005/073308号及びPCT国際公開特許WO 2005/073309号に開示されている。第5層に好適な市販の塑性体繊維には、深活性化(deep-activation)ポリプロピレン、高伸長性ポリエチレン、及びポリエチレン/ポリプロピレン2成分繊維{全てサウスカロライナ州シンプソンビル(Simpsonville)のBBAファイバーウェブ社(BBA Fiberweb Inc.)から入手可能}が挙げられる。第5層は最初の4層と同時に不織布材料に加えることができ、又は第5層は吸収性物品の製造プロセスで後から加えることができる。第5層を製造プロセスで後から加えることで伸長性外側カバーのより大きな可撓性を可能にし、例えば吸収性物品構成要素(例えば、高性能弾性バンド)の伸長性外側カバーへのインターカレーションが可能となり、第5層が吸収性物品において要求されない区域(例えば、伸長性外側カバーが吸収性コア上に定置されている領域)で第5層を除外することが可能になる。
本発明の様々な実施形態では、粗いスパンボンド繊維は得られる材料に所望の機械的特性を提供することができ、細いメルトブロー繊維は得られる材料の不透明度及び内部の接着一体性を増加させることができ、さらに細いナノ繊維は不透明度をさらに増加させることができる。スパンボンド層又はカード層のそれぞれは、少なくとも10g/m、例えば少なくとも13g/mの坪量で不織布材料に含まれてもよく、好ましくは50g/m以下、例えば30g/m以下の坪量で不織布材料に含まれてもよい。メルトブローされた層及びナノ繊維層のそれぞれは、少なくとも1g/m、例えば少なくとも3g/mの坪量で不織布材料に含まれてもよい。最終不織布材料は、25g/m〜100g/mの範囲、例えば35g/m〜80g/mの坪量を有する。最終外側カバーはまた、積層ポリマーフィルム又は以下に記載のような印刷された弾性層を有することができる。
エラストマーフィルム及び塑性不織布を有する伸長性外側カバーに関して、ピンホール形成が、特に高速での機械的活性化の間の潜在的問題点であり得る。本発明のいくつかの実施形態では、活性化中のピンホール形成を防止することが重要である。延伸性のある不織布は、この問題を軽減する、さらには解決するのに役立つ場合がある。延伸可能な不織布を特徴づけるカギとなる性質は、そのピーク伸長である(即ち、ピーク伸長がより大きいほど不織布はより延伸性がある)。伸長性外側カバーが従来の塑性不織布を含む場合は機械的活性化の間に伸長性外側カバーが裂ける場合がある。一方、100%を超える、120%を超える、さらには150%を超える、例えば180%を超えるピーク伸長を有する塑性不織布は、機械的活性化の間に伸長性外側カバーが破れる可能性を減少することができる。かかる延伸性のある不織布の1つの好適な例は、サウスカロライナ州シンプソンビルのBBAファイバーウェブ社)が製造するソフトスパン(Softspan)200であり、200%のピーク伸長を有している。
積層ポリマーフィルム及び印刷された弾性層
本発明の少なくとも1つの実施形態によるポリマーフィルムは、例えばキャストフィルム装置又はインフレーションフィルム装置のような従来の装置及び方法を用いて形成することができる。ポリマーフィルムはまた、不織布繊維とともに共押し出しすることもできる。ポリマーフィルムはまた、例えばフィルムの形成前に樹脂に染料を添加することで着色することもできる(着色のこの方法はまた本発明のポリマー繊維材料にも用いることができる)。得られるポリマーフィルムの坪量は、10g/m〜40g/mの範囲又は12g/m〜30g/mの範囲、例えば15g/m〜25g/mの範囲である。ポリマーフィルムは100μm未満の厚さを有してもよく、ポリマーフィルムは10μm〜50μmの厚さを有してもよい。
特定の実施形態において、ポリマーフィルムは、単一の多層フィルムに共押出された複数の層から形成されてもよい。多層フィルムは、最終フィルムのバルクと表面特性を分離することで、フィルムの特性を用途の特定のニーズに合わせることが可能であり得る。例えば、ブロッキング防止剤(antiblock additive)を、コア層よりも表皮層(即ち、最終フィルムの外面層)により大きな重量パーセントで含ませてもよい。表皮層は、表皮層組成物の重量で2重量%までのブロッキング防止剤を含んでもよく、一方コア層は、コア層組成物の重量でわずか0.2重量%のブロッキング防止剤しか含まないか、それどころかブロッキング防止剤を全く含まない。特定の実施形態において、結晶化度が高いほど、粘着度を減少させるために、より高い融点のエラストマー構成成分(例えば、初期融解温度Tm,1〜50℃であるVM1100フィルム等級のビスタマックスの代わりに、初期融解温度Tm,1>60℃であるVM3000フィルム等級のビスタマックス)を使用してもよい。塑弾性表皮層は同様に粘着度を減少させることができる。粘着度を減少させる選択肢の両方は最終フィルムの熱安定性を強化してその強靱性を増加させ、これによって孔あきフィルム及び積層体における破断の開始及び/又は広がりを防ぐことができる。表皮層の粘着の量は、フィルムをロールの状態から広げることができる程度に低くあることを確実にすることが望ましい場合がある。
コア層(即ち、最終フィルムの内部層)は弾性ポリプロピレンとスチレン系ブロックコポリマーのブレンドを含むことができる。別の方法として或いは加えて、活性化の際に微多孔性になるように(その結果フィルムの通気性が増加する)、コア層及び表皮層の両方は十分な量の充填剤粒子を含有することができ、さらに異なるベースポリマー構成成分を有することができる。好適な多層フィルムには次の3つの例が挙げられる:(1)高融点弾性ポリプロピレン薄膜を積層した低融点弾性ポリプロピレンコア、(2)高融点弾性ポリプロピレン薄膜を積層した弾性ポリプロピレン及びスチレン系ブロックコポリマーの低融点ブレンドコア、並びに(3)充填された塑性体ポリエチレン薄層とともに積層される塑弾性ポリマーとスチレン系ブロックコポリマーとの充填されたブレンドコア。
エラストマー構成成分は、連続フィルム又は模様として不織布繊維の塑性体層の上に印刷することができる。模様として印刷される場合、模様は比較的規則的であることができ、実質的に外側カバーの全域をカバーして、例えば、連続したメッシュ模様又は不連続なドット模様であることができる。模様はまた、伸長性外側カバーの標的区域に特定の伸長性を提供するために不織布繊維の塑性体の層の少なくとも1つの区域にエラストマー構成成分が適用された{即ち、2軸の機械的活性化(biaxial mechanical activation)後}比較的高い坪量又は低い坪量の区域を有することもできる。
ポリマーフィルムは任意に有機充填剤粒子及び無機充填剤粒子を含有することができる。フィルムの通気性の促進とフィルムの液体水バリア特性の維持を同時に達成するのに十分なミクロ細孔形成するために、充填剤粒子は小さくてもよい(例えば、平均直径0.4μm〜8μm)。好適な充填剤の例には、炭酸カルシウム、非膨潤性粘土、シリカ、アルミナ、硫酸バリウム、炭酸ナトリウム、タルク、硫酸マグネシウム、二酸化チタン、ゼオライト、硫酸アルミニウム、セルロース系粉末、珪藻土、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、カオリン、雲母、炭素、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ガラス粒子、パルプ粉、木粉、キチン、キチン誘導体、及びポリマー粒子が挙げられる。フィルムの通気性を改善するための好適な無機充填剤粒子は炭酸カルシウムである。好適な有機充填剤粒子には、低結晶度のランダムコポリマーの結晶化によって形成されるサブミクロン(例えば、0.4μm〜1μm)のポリオレフィン結晶が挙げられる。かかる有機充填剤粒子は、フィルムの非結晶性弾性区域に高度に共有結合的に接続されてもよく、かかる有機充填剤粒子は特にポリエチレン系及びポリプロピレン系システムにおいてフィルムを増強するという点で有効であり得る。一部の充填剤粒子(例えば、二酸化チタン)は、比較的低濃度(例えば、1重量%〜5重量%)で組み込まれる時に乳白剤として働くこともできる(即ち、ポリマーフィルムの不透明度を改善する)。充填剤粒子は、ポリマーフィルムへの分散を助けるために脂肪酸(例えば、2重量%までのステアリン酸又はベヘン酸などの大きい鎖の脂肪酸)でコーティングすることができる。ポリマーフィルムは、充填剤粒子及びポリマーフィルムの総重量を基準として、30重量%〜70重量%の充填剤粒子、例えば40重量%〜60重量%の充填剤粒子を含有してもよい。
ポリマーフィルムの通気性を改善し得る方法には不連続及び/又は孔あきフィルムの使用が含まれる。フィルムの全表面積にわたって又はフィルムの別個の区域(例えば、吸収性物品のサイドパネル領域及び/又は腰部バンド)に小開口を形成する既知の方法には、例えば、機械的パンチング(mechanical punching)又は加熱ピンによる孔開けが挙げられる。しかしながら、当業者に一般的に既知であるフィルムに開口を形成する任意の好適な方法が、本発明の少なくとも1つの実施形態によって意図されることが理解されよう。開口によって形成された総面積は、通気性、不透明度、及び荷重/除荷特性の間のトレードオフに基づいて、全フィルム表面積の2%〜20%の間であってもよい。模様の選択は、機械的活性化の間に破断する危険性を軽減するために、開口の周囲の応力集中を最小限にする必要性に大きく左右される。形成の性質により、フィルムに取り入れられる開口は最初は非常に小さいか微小な欠陥であってもよく、次にこれらがポリマーフィルムが伸ばされる時により大きな開口に拡大される。開口は、3次元の円錐形状構造を開口周囲に形成する、真空成形プロセスを介した又は高圧ジェットを介したフィルム製造プロセスの一部として形成することができ、この開口は後続の活性化の間の破断の開始及び/又は広がりの危険性を軽減するのに役立つ。
伸長性外側カバーの最終処理
ポリマーフィルムを含有する実施形態では、不織布材料及びポリマーフィルムは、それぞれの機械方向を他方のものと実質的にそろえてともに積層してもよい。結合は、接着積層、押出積層、熱点結合、超音波点結合、接着パターン結合、接着スプレー結合、及びフィルムの通気性を維持する他の技術(例えば、結合領域がポリマーフィルムと不織布繊維との間の境界面の25%未満をカバーする技術)などの従来技術を用いて達成されてもよい。不織布材料は、積層体形成前に部分的に活性化されてもよい。不織布材料の部分的活性化はフィルムにピンホールが形成されるリスクを軽減することができ、従って最終不織布−フィルム積層体の活性化プロセスを容易にすることができる。
別の実施形態において、伸長性外側カバーの一部分(例えば、第1のスパンボンド層及び任意で第2のメルトブローされた層、ポリマーフィルム)は、材料に追加層を加える直前にMD及びCDのいずれか又は両方に事前に伸ばしてもよい。MDへの事前伸長は、加工ロール一式を介してウェブを加速することで達成することができる。CDへの事前伸長は、幅出しプロセス(tenterframing process)と同じ方法で、又は材料を外側に押しやる分岐している丘と谷を有するロール一式を使用することにより行うことができる。次に、熱接着にかけられる前に、追加の伸長性外側カバー層(即ち、繊維層又はフィルム層)を事前に伸ばされた材料上に加えてもよい。得られた材料は、任意の所与のひずみで伸長/回復を示すために必要な機械的活性化が少なく、また伸長作業の間のネッキング(即ち、MDに引っ張ったことに起因するCDのサイズリダクション)を最小限とすることが可能である。この実施形態は、弛緩状態の不織布材料の表面積あたりに大量の追加構成成分を付着させるのに有用であり得る。事前伸長はまた、続く活性化プロセスにおいてポリマーフィルムにピンホールが形成されるのを低減することができる。
機械方向及び/又は機械横方向への機械的活性化プロセスを用いて外側カバー材料に伸長性を与えることができる。かかる方法は、典型的には、ウェブが伸長/回復特性を示すひずみ範囲を増加させ、材料に所望の触覚/審美的特性(例えば、綿花状の質感)を付与する。機械的活性化プロセスには、リングロール、SELF化{ディファレンシャル(differential)又は浮き上がり}、及び当該技術分野において既知の漸増式にウェブを伸長させる他の手段が挙げられる。好適な機械的活性化プロセスの例は、米国特許番号第5,366,782号に記載されているリングロール法である。具体的には、リングロール装置は、漸増的に伸長させる噛み合う歯を有する向かい合ったロールを有し、それによって外側カバーを形成する材料(又はその一部)を可塑的に変形して、それによってリングロールされた区域において外側カバーに伸長性をもたせる。単一方向(例えば横断方向)に実施される活性化は、1軸的に伸長性である外側カバーをもたらす。2方向(例えば機械方向及び横断方向又は外側カバーの中心線周囲に対称性を保つ他の2方向)に実施される活性化は、2軸伸長性である外側カバーをもたらす。いくつかの実施形態において、伸長性外側カバーは少なくとも1つの領域(例えば、前側又は後ろ側腰部区域の少なくとも一方の部分)で活性化され、少なくとも1つの他の区域は非活性化のままであり、この他の区域には弾性状に形成された構造化されたウェブ材料を含むことができる。
いくつかの実施形態において、伸長性外側カバーは、異なる区域で異なる程度まで意図的に活性化される(完全な非活性化区域を有する)。加工のこの方法は、伸長性外側カバーの特定区域が様々な範囲に伸長することを可能とし、これにより、より複雑な形状の加工を可能にする(同様に、伸長性外側カバーを所望の形状に切り取る必要性を減少させる)。加えて、非活性化区域を含む伸長性外側カバーは吸収性物品に組み込まれることができる。これにより消費者が吸収性物品(例えば、おむつ)を手で伸ばし、吸収性物品の着用者への改善されたフィットを提供する形で永久的な塑性変形を生じさせる(即ち、消費者が手で吸収性物品を活性化させる)ことが可能になる。消費者が手で吸収性物品を活性化させると、単一寸法で製造された吸収性物品は消費者のより大きな寸法を無理なく収容することが可能である。
伸長性外側カバーの物理的特性
本発明の少なくとも1つの実施形態による伸長性外側カバーの有用性は様々な物理的特性に関連している。伸長性外側カバーの機械的特性は、例えば、高ひずみ速度の活性化プロセスに耐える外側カバーの能力、並びに、漏れを防ぎ、フィット感を改善し、及び快適さを改善する方法で着用者の身体に適合する伸長性外側カバーを組み込んだ吸収性物品の能力に関連している。不透明度及び質感(例えば、綿、うねが形成された構成)などの、下着のような審美的特性は最終吸収性物品製品を求める消費者に影響を与える。男児用及び女児用の下着、また成人用の下着のほとんどは、典型的には100%ニット綿製である。ニット綿布地のうねが形成された構造は、下着に所望の外観及び構成を与える少なくとも部分的な原因である。
下着のような外観の別の態様は光沢である。光沢が少ないと、心地よいマットな外観(即ち、非塑性体状)を与え得る。7グロス単位以下(ASTM D2457−97に基づいて測定)の光沢度が望ましいことが分かっている。エンボス加工及び/又はマット仕上げは外側カバーの光沢を改善する場合がある。通気性及び液体透過性などの他の物理的特性は、吸収性物品製品の着用者の付け心地のよさに影響を与え得る。
破断の時の引張ひずみ(%)及びセット率は関連性のある機械的特性である。破断の時の引張ひずみは、200%〜600%の範囲、又は220%〜500%の範囲、例えば250%〜400%の範囲であってもよい。破断の時の引張ひずみは、活性化プロセスに耐え、通常の使用中の応力に反応する伸長性外側カバーの能力に関連している。SOCのセット率は、事前活性化ヒステリシス試験にかけられた時に70%程度にでき、かかるセット率値は、活性化プロセスの間にSOCが同時にダウンゲージされ(即ち、坪量の小さい薄い材料にされ)、及び/又は、錯体平面若しくは3次元形状に形成されることを可能とし得る。175%ひずみで活性化後(例えば係合の深さが2.6mm及びピッチが2.5mmであるリングロール用平板を用いる)、75%ひずみの第1荷重サイクル及び75%ひずみの第2荷重サイクルしか有さないヒステリシス試験にかけられた時、伸長性外側カバーの第1サイクルセット率は20%未満又は15%未満、例えば10%未満であってもよい。同様に、任意の形態の活性化の前に、伸長性外側カバーの第1サイクルセット率は、200%ひずみの事前ひずみ荷重サイクル、50%ひずみの第1荷重サイクル及び50%ひずみの第2荷重サイクルしか有さないヒステリシス試験にかけられた時、伸長性外側カバーの第1サイクルセット率は20%未満又は15%未満、例えば10%未満であってもよい。第1サイクルセット率の低い値は(活性化後又は活性化の効果を刺激する事前ひずみ荷重サイクルの後であるかにかかわらず)使用中に着用者の身体に弾性的に適合する伸長性外側カバーの能力に関連し、快適で漏れ抵抗性を有する吸収性物品を潜在的に提供する。低力で回復可能に伸長する外側カバーは、乳児に過度に密着しない外側カバーとなり得る。さらに、腰部バンド及びレッグカフが360度伸びることで製品を身体に固定するために必要な力を提供し得る。さらに、着用者の身体に適合させるために外側カバーを伸ばすのに必要な力が少なくなり得るので、使用するのは少量のエラストマーのみが必要であり、例えば、25g/m、又はさらには15g/mである。
高い不透明度は伸長性外側カバーの望ましい審美的特性であり、それは不透明度は消費者に、伸長性外側カバーが有利な液体保持特性を有しているという印象を与えるからである。伸長性外側カバーの不透明度は、伸長性外側カバーがポリマー層を有していない場合、好ましくは少なくとも65%、より好ましくは少なくとも70%、例えば少なくとも75%である。
吸収性物品の吸収性コアは、典型的には液体の漏れを制限する封じ込め部材を有しているが、伸長性外側カバーは廃液を収容する追加的手段として機能するように少なくとも部分的に液体不浸透性であってもよい。このように、伸長性外側カバーは、最高8kPa(80mbar)又は0.7kPa(7mbar)〜6kPa(60mbar)、例えば1kPa(10mbar)〜4kPa(40mbar)の静水頭(水頭)圧を有する程度に液体不浸透性であってもよい。
伸長性外側カバーの通気性は、水蒸気(例えば、吸収性コアに含まれる排液からの水蒸気)が伸長性外側カバーを透過して吸収性物品から出て行き、これにより着用者の皮膚を乾燥状態に保って炎症がないように保つこのカバーの能力に関連している。伸長性外側カバーの通気性はその透湿度(「MVTR」)によって特徴付けられる。ASTM法E96−66はMVTRを測定するための1つの好適な方法である。不織布材料のみを含みポリマーフィルムを含まない伸長性外側カバーのMVTRは、特に制限されないが、好ましくは少なくとも6,000g/(m・日)であり、少なくとも9,000g/(m・日)は比較的容易に達成できる。伸長性外側カバーが、透湿を阻害する傾向があるポリマーフィルムを含む場合、フィルムは多くの場合充填剤粒子を含有し及び/又はフィルムは開口を形成するために加工されて、通気性を改善する。フィルムを含む伸長性外側カバーでは、MVTRは1,000g/(m・日)〜10,000g/(m・日)、又は1,000g/(m・日)〜6,000g/(m・日)、例えば1,200g/(m・日)〜4,000g/(m・日)であってもよい。
試験方法
ヒステリシス試験
市販の引張試験機{例えば、マサチューセッツ州カントン(Canton, MA)のインストロン・エンジニアリング社(Instron Engineering Corp.)製又はミネソタ州イーデンプレイリー(Eden Prairie, MN)のシンテック−MTSシステムズ社(INTECH-MTS Systems Corporation)製}がこの試験に使用される。試験速度及びその他の試験パラメータを制御し、データを収集、計算及び報告するために、機器がコンピュータに接続される。ヒステリシスは一般的な実験室条件下(即ち、室温20℃、相対的湿度50%)で測定される。
伸長性外側カバーをヒステリシス試験に従って分析する場合、伸長性外側カバーの2.54cm(幅)×7.62cm(長さ)の試料が採取される。伸長性外側カバーの試料の長さは機械横方向にとられる。
ヒステリシスを測定する手順は次の通りである。
1.試験に適切なつかみ具及びロードセルを選択する。つかみ具は試料に合うために十分幅広でなければならない(例えば、少なくとも2.54cm幅)。試験される試料からの引張応答がロードセルの許容限度又は使用する荷重範囲の25%〜75%であるようにロードセルが選択される。5〜10kgのロードセルが典型的である。
2.メーカーの指示に従って試験装置を較正する。
3.標点距離を25mmに設定する。
4.試料の長手方向軸線が標点距離方向に実質的に平行になるようにつかみ具の平面に試料を定置する。
5.次の工程でヒステリシス試験を実行する。
a.第1サイクル荷重:254mm/分の一定のクロスヘッド速度で50%ひずみまで試料を引っ張る。
b.第1サイクル除荷:試料を50%ひずみで30秒間保持し、続いてクロスヘッドを254mm/分の一定のクロスヘッド速度でその開始位置に戻す。第1サイクルセット率の測定前に試料を緩んだ状態で1分間保持する。第1サイクルセット率を測定しない場合は、直ちに試料を第2サイクル荷重にかける(即ち、第1サイクル荷重の公称2秒後)。
c.第2サイクル荷重:254mm/分の一定のクロスヘッド速度で50%ひずみまで試料を引っ張る。
d.第2サイクル除荷:試料を50%ひずみで30秒間保持し、続いてクロスヘッドを254mm/分の一定のクロスヘッド速度でその開始位置に戻す。第2サイクルセット率の測定前に試料は緩んだ状態で1分間保持される。
コンピュータデータシステムが、荷重及び除荷サイクルの間試料に与えた力を記録する。生成された得られた時系列データ(又は、同等に距離系列のデータ)からセット率を計算することができる。セット率は所与の除荷サイクル後のひずみの相対的増加であり、この値は除荷サイクル後に測定した0.112Nでのひずみで近似される。例えば、初期長が10cm、事前ひずみ除荷時の長さが15cm(事前ひずみ除荷時の長さは事前ひずみサイクルを受ける試料のみに適用され、これについては実施例3でより詳細に説明する)、第1の除荷時の長さが18cm、及び第2の除荷時の長さが20cmである試料は、50%{即ち、(15−10)/10}の事前ひずみセット率、20%{即ち、(18−15)/15}の第1サイクルセット率、及び11%{即ち、(20−18)/18}の第2サイクルセット率を有する。公称0.112Nの力が、荷重サイクルでいくらかの恒久的な塑性変形を経験した試料の緩みを取り除くのに十分に高く選択されるが、試料に、最大限でも、不十分な伸長を付与するほど低い。
ヒステリシス試験は、測定する特定の材料の予想される特性に応じて適切に修正することができる。例えば、ヒステリシス試験は荷重サイクルの一部のみを含むことができる。同様に、ヒステリシス試験は、例えば75%ひずみのような異なるひずみ、クロスヘッド速度、及び/又は保持時間を含むことができる。しかしながら、特に定義されなければ、添付の「特許請求の範囲」及び「実施例」で使用される用語「セット率」は、非活性化試料に適用される上記荷重サイクルで測定される第1サイクルセット率を意味する。
修正されたヒステリシス試験
修正されたヒステリシス試験は、次を除いては上記のヒステリシス試験と同一である:1)第1荷重サイクル後に試料の緩みを取り除くために適用された公称力は(0.112Nの代わりに)0.05Nである、及び2)この試験の開始時の緩み事前荷重は0gに設定される。試料は50%ひずみまで荷重され、セット率は第2サイクル荷重曲線の間に抵抗力0.05Nで測定された。
引張−破断(Tensile to Break)試験
市販の引張試験機(例えば、マサチューセッツ州カントンのインストロン・エンジニアリング社製又はミネソタ州イーデンプレイリーのシンテック−MTSシステムズ社製)がこの試験に使用される。試験速度及びその他の試験パラメータを制御し、データを収集、計算及び報告するために、機器がコンピュータに接続される。ピーク伸長は典型的な実験室条件下(即ち、室温20℃、相対湿度50%)で測定される。
伸長性外側カバーを引張−破断試験に従って分析する場合、伸長性外側カバーの2.54cm(幅)×7.62cm(長さ)の試料が採取される。伸長性外側カバーの試料の長さは機械横方向にとられる。
手順:
1.試験に適切なつかみ具及びロードセルを選択する。つかみ具は試料に合うように十分幅広でなければならない(例えば、少なくとも2.54cm幅)。試験される試料からの引張応答がロードセルの許容限度又は使用する荷重範囲の25%〜75%であるようにロードセルが選択される。5〜10kgのロードセルが典型的である。
2.メーカーの指示に従って試験装置を較正する。
3.標点距離を25mmに設定する。
4.試料の長手方向軸線が標点距離方向に実質的に平行になるようにつかみ具の平面に試料を定置する。
5.試料を、1000%ひずみまで又は試料が機械的一体性の公称損失以上を示すまで、254mm/分の一定クロスヘッド速度で引っ張る。
コンピュータデータシステムが、試験中に試料にかけられる力を適用されたひずみに応じて記録する。生成された得られるデータから、次の量が報告される。
1.15%、50%、及び75%ひずみでの荷重(N/cm)
2.ピーク伸長(%)及び最大荷重(N/cm)
ピーク伸長は最大荷重でのひずみである。最大荷重は引張−破断試験中に観察される最大荷重である。
静水頭(静水)圧
この試験で測定される性質は、材料の液体バリア特性(即ち、液体不透過性)の尺度である。具体的には、この試験は、制御されたレベルの透水が発生した場合に材料が支持する静水圧を測定する。静水試験は、EDANA120.2−02、題名「撥水性:静水頭部(Repellency: Hydrostatic Head)」に従って次の試験パラメータで実施される。テクステスト(TexTest)静水頭部テスターFX3000{スイスのテクステスト社(Textest AG)又は米国サウスカロライナ州スパータンバーグ(Spartanburg, SC, USA)のアドバンスト・テスティング・インスツルメンツ社(Advanced Testing Instruments)から入手可能}が使用される。この試験では、画定された試料部分に対して圧力が適用され、圧力は水が試料を透過するまで徐々に増加する。試験は、温度22±2℃及び相対湿度50%の実験室環境で実施される。試料は適切なガスケット材(Oリング形態)を使用してカラム固定具の上にクランプされ、試験中の横漏れを防止する。試料に接触する水の面積は水柱の横断面積に等しく、それは28cmに等しい。カラムの中の水に、2kPa/分(20mbar/分)の速度で徐々に増加する圧力を加える。試料の外面の3か所に水の浸透が見られたら、第3の浸透が発生する圧力(mbarで測定)を記録する。水が直ちに試料に浸透する(即ち、試料が抵抗を全く示さない)場合は、ゼロの読取値を記録する。それぞれの材料に関して、3つの被検査物を試験し、平均した結果を報告する。
透湿度試験
この方法は、上記の薄いフィルム、繊維性材料、及び多層積層体に適用することができる。この方法はASTM法D96−66に基づいている。この方法では、既知量の乾燥剤(CaCl)をカップ状の容器に入れる。試験する外側カバー材料の試料(乾燥剤容器の開口を覆うのに十分な大きさである38mm×64mmにサイズを設定する)が容器の上部に定置され、固定リング及びガスケットによりしっかりと固定される。組み立て体は、一定温度(40℃)及び一定湿度(75%RH)のチャンバ内に5時間定置される。乾燥剤により吸収された水分の量が、重量分析で測定され、試料の透湿度(MVTR)を計算するのに使用される。MVTRは、吸収した水分の質量を経過時間(5時間)及び容器と試料との間の境界面の開口表面積で除したものである。MTVRは、g/(m・日)の単位で表される。確立された透過率をもつ参照試料が、各試料バッチに対する陽性対照として使用される。試料は三重反復試験で測定される。報告されたMVTRは、100g/(m・日)単位で四捨五入された、三重反復試験の平均である。異なる試料に対して認められるMVTRの差異の有意性が、各試料毎に三重反復測定値の標準偏差を基礎にして算定できる。
不透明度
材料の不透明度は材料を透過できる光の量に反比例する。不透明度は材料試料の2種類の反射率測定から測定される。
外側カバーの不透明度を測定するために、適当な寸法の試料(色測定装置の測定開口部に基づく;本明細書で使用する装置に関しては直径12mm)が外側カバーから切り取られ、最初に黒色板で裏打ちされる。第1のCIE三刺激値を測定するために黒色板で裏打ちされた試料の第1の色指数Yが読み取られる。黒の裏材が取り除かれ、続いて試料が白色板で裏打ちされる。第2のCIE三刺激値を測定するために白色板で裏打ちされた試料の第2の色指数Yが読み取られる。不透明度は2つの読み取り値の比率として表わされる:不透明度(%)=Y/Y×100%。本明細書で報告された不透明度は、ハンターラボ・ラボスキャンXE(HUNTERLAB LABSCAN XE){モデルLSXE、バージニア州レストン(eston, VA)のハンター・アソシエーツ・ラボラトリー社(Hunter Associates Laboratory, Inc.)から入手可能}を用いて測定された。しかしながら、CIE三刺激値を測定できる他の装置もまた好適である。
以下において、与えられた実施例のために用意された各試料の特性は、測定された各試料のパラメータに関して必ずしも報告されていない。かかる場合、特定のデータ表からの試料の除外は、除外された試料がデータ表に挙げた特性について評価されていないことを示す。
(実施例1)
試料1Aは、30g/mの坪量を有する弾性繊維(「Sel」;V2120繊維等級ビスタマックス弾性ポリプロピレン)の層から形成されたスパンボンド材料であった。試料1Bは、それぞれが15g/mの坪量を有する弾性スパンボンド繊維(V2120弾性ポリプロピレン)の2層の間の、4g/mの坪量を有する弾性メルトブロー繊維(「Mel」;V2120弾性ポリプロピレン)の層から形成された複合不織布材料であった。スパンボンド及びメルトブロー繊維は、それぞれ20μm以上及び1μmの公称直径を有していた。
試料1A及び1Bは、油圧プレスで、平板一式(ピッチは0.100インチ、即ち、2.5mm)を用いて、CDのみ又はMD及びCDの両方のいずれかに2.5mmの係合深さまで活性化した。図1及び図2は、それぞれ活性化前及び後の試料1BのSEMである。機械的活性化の間に生じた試料の寸法の変化は、続いて、活性化後の第1サイクルセット率を測定するために、事前ひずみ荷重を省略したヒステリシス試験にかけられたが、結果が表1に要約されている。
Figure 2009539481
表1の結果は、活性化の間に生じたセット率を実質的に減らすことにより伸長性外側カバーの回復を受ける不織布の能力を増加させる、層間メルトブロー繊維の能力を示している。結果は、メルトブローされた層が、活性化の間、不織布材料の機械的一体性を維持するのに役立つことを示唆している。両方の場合において、活性化後に不織布材料の柔軟性は改善される。
(実施例2)
試料2Aは、それぞれが30g/mの坪量を有する弾性繊維(V2120繊維等級ビスタマックス弾性ポリプロピレン)の2つの重ね合わされた層から形成されたスパンボンド材料であった。試料2Bは、それぞれが30g/mの坪量を有する弾性スパンボンド繊維(V2120弾性ポリプロピレン)の2層の間の、5g/mの坪量を有する弾性ナノ繊維(「Nel」;V2120弾性ポリプロピレン)の層から形成された、熱的に結合された複合不織布材料であった。スパンボンド及びメルトブロー繊維は、それぞれ20μm以上及び1μm未満の公称直径を有していた。
試料2A及び2Bを不透明度試験に従って分析した。図3は機械的活性化前の試料2BのSEMである。結果が表2に要約されている。
Figure 2009539481
表2の結果は、不織布材料の不透明度を実質的に増加させることにより伸長性外側カバーの審美的特性を改善する、層間ナノ繊維の能力を示している。このデータに基づくと、メルトブロー繊維の推定合計(projected total)が10g/m〜20g/m、例えば15g/mであれば、活性化前の、弛緩状態の不織布材料が少なくとも65%の不透明度に達するのに十分である。
(実施例3)
実施例3の試料は、弾性繊維(V2120繊維等級ビスタマックス弾性ポリプロピレン)と塑性体繊維(ポリオレフィン系)との混合物から形成された不織布塑弾性材料の引張特性を示している。表3Aは、試験した様々な試料、各試料中の弾性繊維及び塑性体繊維のおおよその相対量、及び混合繊維試料の公称坪量を記載している。
Figure 2009539481
試料3B〜3Gの引張特性は、CD及びMDの両方に活性化後に、油圧プレスに定置した平板一式を使用して試験された。活性化は、中間体のひずみ速度値及び2.5mmの係合深さで実施された。表3Bは、試験した試料、試料の実際の坪量、及び引張特性を測定した方向に関する結果を要約している。引張特性は、標点距離25mm及び試料の幅25mmに対して254mm/分で動作する空気式グリップを備えた標準EDANA法及びMTS・ALLIANCE・RT1/2引張試験装置(ミネソタ州プレイリーのMTSシステムズ社から入手可能)を用いて測定された。
Figure 2009539481
試料3A及び3Eはヒステリシス試験にかけられ、その結果が表3Cに示される。「セット率」の値は第1サイクルセット率である。事前に活性化された試料がテスト中に事前ひずみされなかったことを除いて、試験方法の項目で記載した通りに、試料はヒステリシス試験にかけられた。「最大荷重」値は、事前ひずみサイクルの間に活性化されなかった試料の200%ひずみにおける力又は最初の荷重サイクル中に活性化された試料の75%ひずみにおける力のいずれかを表している。活性化された試料は、2.5mmの係合深さを有するベンチトップ油圧プレスでCD及びMDの両方に活性化した後に試験された。
Figure 2009539481
高速リサーチプレス(High-Speed Research Press)(「HSRP」)を使用して、試料3E〜3Gも高ひずみ速度活性化試験にかけられた。試験中、8.2mmの係合深さ及び1.5mmのピッチを有する2つのリングロール用平板を用いて、1000s−1までのひずみ速度で1000%ひずみまで試料を伸長した状態で不織布材料試料に適用された力が測定された。試験の終わりには、試料は本質的に完全に寸断された。適用された力が最大である時のひずみを同定するために、得られたデータ(即ち、一定のひずみ速度におけるひずみに応じて適用された力)が分析された。正規化された適用力(即ち、不織布試料の単位重量あたりの適用された力)が最大である時、不織布材料は、材料劣化の可能性の増大なしにさらなる荷重に耐える能力を失う。最大適用力でのひずみは、ほぼ同程度のひずみを有する機械的活性化プロセスに耐える不織布材料の能力を示している。表3Dはこれらの試験の結果を要約している。
Figure 2009539481
表3Dの結果は、本開示の塑弾性材料は、非常に速いひずみ速度条件においてでさえ、わずかな損傷を受けた状態で200%までのひずみレベル、例えば300%までのひずみレベルでの機械的活性化プロセスに耐えることができることを示唆している。これは、同程度のひずみ速度にさらされた時に150%までのひずみにしか耐えることのできない典型的な市販の延伸性不織布材とは対照的である。
活性化プロセスはまた、塑弾性不織布材料の柔軟性及び感触も改善する。この効果は、活性化プロセスの間に生成されるウェブのかさばり/厚さの増加に大きく関連している。図6〜図9は、実施例3の不織布塑弾性材料に対するこの効果を示している。図6及び図7は、活性化前の固着された塑弾性不織布材料のSEMである(それぞれ、平面図及び側面図)。図8及び図9は、同じ不織布材料の活性化後のSEMであり(それぞれ、平面図及び側面図)、これらの図は材料の増加した厚さを示している。
(実施例4)
実施例4の試料は、2成分スパンボンド繊維の層と弾性スパンボンド繊維の層とから形成された複合不織布塑弾性材の引張特性を示している。V2120繊維等級ビスタマックス弾性ポリプロピレンが、2成分繊維の弾性構成成分として、及び弾性繊維そのものに使用された。試料4A〜4Dでは、2成分繊維の塑性体構成成分は、PH−835チーグラー系ポリプロピレン(50重量%、メリーランド州エルクトンのバセルポリオレフィンズ社から入手可能)とHH−441高メルトフローレートポリプロピレン{50重量%、メルトフローレート=400g/10分、デラウェア州ウィルミントン(Wilmington, DE)のハイモント社(Himont Co.)から入手可能}との混合であった。試料4E〜4Gでは、2成分繊維の塑性体構成成分は、少量のポリエチレン(これもまたバセルポリオレフィンズ社から入手可能)を有するバセルモプレン(Basell Moplen)1669ランダムポリプロピレンコポリマーであった。2成分繊維は弾性コア及び塑性体シースを有し、それぞれの構成成分の重量分画が表4に与えられている。弾性繊維はまた、繊維の紡績能力を改善するために3.5重量%のブロッキング防止剤を含有していた。2つのスパンボンド層のそれぞれは不織布材料の全坪量(即ち、表4の2番目の縦列に記載の値)の半分に相当する。2つのスパンボンド層は、2つの加熱されたロールを用いて熱的に結合され、1つ目が84℃、及び2つ目が70℃であった。
表4は、不活性化状態で試験されたスパンボンド−スパンボンド複合材料の引張特性を要約している。特性は、標準EDANA法(坪量はEDANA法40.3〜90及び引張特性はEDANA法20.2〜89)によって測定された。
表4はまた、ヒステリシス試験によって測定された複合材料の特性も要約している。上記の「試験方法」の項で記載したヒステリシス試験は次の態様において修正した:(1)試料の寸法(幅5cm×長さ15cm)、(2)クロスヘッド速度(500mm/分)、(3)事前ひずみ荷重/除荷(省略)、及び(4)第1及び第2サイクル荷重/除荷(最大ひずみ100%、最大ひずみで1秒間保持、除荷後に30秒間保持)。各サイクルに関し、表4で100%ひずみでの力(試料の幅で規格化されている)及び除荷後のセット率を提供している。第1サイクルに関しては、セット率は第1サイクル除荷後のひずみである。第2サイクルに関しては、セット率は、第1サイクルの除荷状態と第2サイクルの除荷状態との間のひずみの相対的増加である。例えば、初期長が10cm、第1の除荷時の長さが15cm、及び第2の除荷時の長さが18cmの試料は、第1サイクルセット率が50%及び第2サイクルセット率が20%である。
Figure 2009539481
表4の結果は、本開示の塑弾性材料から形成された機械的に活性化された伸長性外側カバーが好ましい伸長性を有し、20%未満、及び10%未満という低いセット率を示すことができることを示している。
(実施例5)
実施例5の試料は、エラストマー構成成分(V1100フィルム等級ビスタマックス弾性ポリプロピレン)、塑性体構成成分(ポリオレフィン系)、及び任意の乳白剤で形成された塑弾性フィルム材料の引張特性を示している。様々な塑性体構成成分が表5Aに要約されており、線状低密度ポリエチレン(LL6201)、低分子量のポリエチレンワックス(A−C 617、A−C 735、及びパルワーン1580)、及び低分子量のポリプロピレンワックス(リコワックスPP230)が含まれている。前記構成成分の引張特性を測定するために非活性化試料が試験され、続いて次の修正を有するヒステリシス試験にかけられた:この試験は事前ひずみ及び第1サイクル荷重(50%の最大ひずみ及び30秒の保持時間を有する)のみを含んだ。この試験の結果は表5B及び表5Cに示される。試料の表記は表に示されている処方に従って調製された試料を示していることに留意されたい。次に、試料は特定の試験にかけられる。結果として、試料の表記が同じであるにもかかわらず、坪量などの試料の物理的パラメータが異なる場合がある。例えば、表5Bの試料5Eは表5Cの試料5Eと異なる坪量を記載している。
Figure 2009539481
Figure 2009539481
Figure 2009539481
表5A〜表5Cの結果は、本開示の塑弾性フィルムの処方は、該塑弾性フィルムを伸長性外側カバーに備えさせるのを好適とする有益な機械的特性を有していることを示している。
(実施例6)
実施例6の試料は、エラストマー構成成分、ブロッキング防止剤、及び乳白剤(二酸化チタン)で形成された弾性フィルムの引張特性を示している。表6には様々な構成成分が要約されており、これらの成分は、弾性ポリプロピレン(V1100フィルム等級ビスタマックス)、スチレン系ブロックコポリマー[ベクター(VECTOR)V4211及びPS3190{ペンシルベニア州ピッツバーグ(Pittsburgh)のノヴァ・ケミカルズ社(Nova Chemicals)から入手可能}]、軟質ポリプロピレン系熱可塑性エラストマー反応器ブレンド{アドフレックス(ADFLEX)7353、メリーランド州エルクトンのバセルポリオレフィンズ社から入手可能}、及びブロッキング防止剤{クロダミド(CRODAMIDE)及びインクロスリップ(INCROSLIP)、ともにニュージャージー州エジソン(Edison, NJ)のクローダ(Croda)から入手可能}を含んでいる。これらの引張特性を測定するために非活性化試料が試験され、続いて実施例5に記載の通りに修正されたヒステリシス試験{即ち、事前ひずみ及び第1サイクル荷重(50%の最大ひずみ及び30秒の保持時間を有する)のみを含む}にかけられた。結果を表6B及び表6Cに示す。試料の表記は表に示されている処方に従って調製された試料を示していることに留意されたい。次に、試料は特定の試験にかけられる。結果として、試料の表記が同じであるにもかかわらず、坪量などの試料の物理的パラメータが異なる場合がある。例えば、表6Bの試料6Bは表6Cの試料6Bと異なる坪量を記載している。
Figure 2009539481
Figure 2009539481
Figure 2009539481
表6A〜表6Cの結果は、本開示の塑弾性フィルムの処方は、不織布材料と組み合わされて積層体構造とされた時、この塑弾性フィルムを伸長性外側カバーに含ませるのを好適とする好ましい機械的特性を有していることを示している。
(実施例7)
実施例7の試料は、可塑剤を含むことが弾性フィルムの引張特性に与える影響を示している。様々な構成成分が表7Aに要約されている。使用された可塑剤は鉱油であり、V1100弾性ポリプロピレンをこの油に接触させた状態で50℃で加熱することによりこの鉱油は処方に添加された。次に、非活性化試料が(実施例5及び6に記載の通りに修正された)ヒステリシス試験にかけられたが、この試験の結果を表7Bに示す。
Figure 2009539481
Figure 2009539481
表7A〜表7Bの結果は、可塑剤を本開示のフィルム処方に含ませることで、好ましいセット率の値を維持した状態で荷重/除荷の力を実質的に減少させることができることを示している。
(実施例8)
実施例8の試料は、充填剤粒子を含有することが、エラストマー構成成分(V1100フィルム等級ビスタマックス弾性ポリプロピレン及び任意でベクターV4211スチレン系ブロックコポリマー)、塑性体構成成分(LL6201線状低密度ポリエチレン)、炭酸カルシウム充填剤粒子、及び二酸化チタン不透明粒子で形成される塑弾性フィルムの通気性及び引張特性に与える影響を示している。試料は、CDだけに500s−1のひずみ速度、4.4mmの係合深さ、及び3.8mm(0.150インチ)のピッチで活性化した後に試験された。処方及び得られた特性を表8A及び表8Bに示す。表8Bに記載の試料が(実施例5及び6に記載のように修正された)ヒステリシス試験にかけられた。
Figure 2009539481
Figure 2009539481
表8A〜8Bの結果は、本開示のフィルム処方に充填剤粒子を含むことで、好ましい機械的特性を維持した状態でフィルムの通気性を実質的に増加させることができることを示している。
表9及び図4は、6つの試料201の比較データを示している。結果のデータグラフ202は図4に見ることができる。試料201は、下着203の4つの商業ブランド及び本発明の少なくとも1つの実施形態による2つの伸長性外側カバー204を含んでいた。試験方法の項で記載された修正されたヒステリシス試験に従って試料201を測定した。下着試料203の測定は横方向(即ち、下着の腰部バンドと実質的に平行な方向)に行われた。市販の下着203は長手方向よりも横方向により伸長するが、それでも長手方向に低力で回復可能な好適な伸長性を示す。
Figure 2009539481
表10及び図9は、様々な坪量の不織布基材の不透明度の比較データを示している。図9は、ナノ繊維の傾向線302及び標準メルトブロー繊維の傾向線303を示している。ナノ繊維の傾向線302は、表10で試料1〜9として標識されているナノ繊維基材に対応するナノ繊維のデータ点305から出現していた。表10の試料1〜10は非接着スパンボンド−ナノ繊維−スパンボンド基材に対応している。それぞれの個々の層の坪量はID縦列に一覧にされている。坪量はグラム毎平方メートル(「gsm」)で測定された。全坪量は個々の層の坪量の和と一致する。標準メルトブロー繊維傾向線303は、表10で試料11〜17として標識されている標準メルトブロー基材に対応する標準メルトブローデータ点306から作成されていた。標準メルトブロー繊維基材は市販の基材である。それぞれの層の坪量がID縦列に一覧にされている。データから見て取れるように、ナノ繊維を含む不織布基材は、所与の坪量の標準不織布基材上一面に改善された不透明度を提供し得る。
Figure 2009539481
本明細書に開示されている寸法及び値は、列挙した正確な数値に厳しく制限されるものとして理解されるべきではない。それよりむしろ、特に指定されない限り、こうした寸法はそれぞれ、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味するものとする。例えば、「40mm」と開示されている寸法は「40mm」を意味することを意図している。
本発明の「発明を実施するための最良の形態」で引用されている全ての文献は、その関連部分を参照することにより本明細書に組み込まれる;任意の文献の引用は、本発明の少なくとも1つの実施形態に対する先行技術であることを認めることであると考えるべきではない。本明細書における用語のいずれかの意味又は定義が、参照することにより組み込まれる文献における用語のいずれかの意味又は定義と対立する範囲においては、本明細書においてその用語に付与した意味又は定義を適用するものとする。
本発明の特定の実施形態を図示し説明してきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、多様な他の変更及び修正が可能であることが、当業者には明白であろう。従って、本発明の範囲内にあるこのようなすべての変更及び修正を、付加された「特許請求の範囲」でカバーするものとする。
本発明の実施形態による外側カバーを備える吸収性物品の断面図。 本発明の実施形態による外側カバーの断面図。 本発明の実施形態の外側カバーとともに使用するための不織布基材の走査電子顕微鏡写真。 表9に記載されたデータのグラフ表示。 表10に記載されたデータのグラフ表示。

Claims (10)

  1. 下着のような、低力で回復可能に伸長する吸収性物品用伸長性外側カバー(124)であって、
    i)エラストマーフィルム(165)と、
    ii)少なくとも1つの不織布(162)と、を備え、
    少なくとも横断方向で、約40g/cm未満の15%ひずみにおける第1サイクル荷重、及び約20%未満のセット率を有し、
    前記第1サイクル荷重及びセット率が、修正されたヒステリシス試験に従って測定されることを特徴とする、伸長性外側カバー(124)。
  2. 前記エラストマーフィルム(165)の坪量が約30gsm未満である、請求項1に記載の伸長性外側カバー(124)。
  3. 前記エラストマーフィルム(165)が、エラストマーポリプロピレン組成物を含む、請求項1又は2のいずれか一項に記載の伸長性外側カバー(124)。
  4. 前記外側カバー(124)が7単位未満の光沢度を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の伸長性外側カバー(124)。
  5. 前記エラストマーフィルム(124)が、開口及びミクロ細孔の少なくとも1つを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の伸長性外側カバー(124)。
  6. 前記外側カバー(124)が65%を超える不透明度を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の伸長性外側カバー(124)。
  7. 前記外側カバー(124)が少なくとも1方向へ活性化される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の伸長性外側カバー(124)。
  8. 前記エラストマーフィルム(165)が、積層体を形成させるために、接着剤を用いて前記不織布(162)に接合される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の伸長性外側カバー(124)。
  9. 50%ひずみにおける第1サイクル荷重が75g/cm未満である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の伸長性外側カバー(124)。
  10. 請求項1に記載の伸長性外側カバーと、弾性腰部バンドと、少なくとも1つの弾性脚バンドと、を備えた使い捨て吸収性物品。
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