JP2009537744A - サクションジェットポンプ - Google Patents

Abstract

本発明は、サクションジェットポンプであって、該サクションジェットポンプが燃料噴射ノズル、混合管、吸込み開口、前記燃料噴射ノズルに接続された燃料導管及び該燃料導管内に配置された弁から成っており、該弁のケーシングが流入部及び流出部を有している形式のものに関する。前記ケーシング（１３）内に通流開口（１７）が配置されており、該通流開口（１７）が流入側でも流出側でも閉鎖可能であるように、当該通流開口（１７）の両側に弁体（１８）が配置されており、少なくとも１つのばね（２５，２７，２８）が前記ケーシング（１３）内に、システム圧に到達するまで当該ばねが前記弁体（１８）を、前記通流開口（１７）の流出側を閉鎖する位置に保持するように配置されている。

Description

本発明は、サクションジェットポンプであって、該サクションジェットポンプが燃料噴射ノズル、混合管、吸込み開口、前記燃料噴射ノズルに接続された燃料導管及び該燃料導管内に配置された弁から成っており、該弁のケーシングが流入部及び流出部を有している形式のものに関する。サクションジェットポンプは自動車の燃料タンクにおいて使用される。

このようなサクションジェットポンプは燃料タンク内で使用され、これにより、燃料は燃料タンクの複数の異なる領域から１つの圧送ユニットへ供給され、この圧送ユニットは燃料を燃料タンクから自動車の内燃機関に圧送する。サクションジェットポンプを駆動するためには、燃料ポンプから圧送される燃料の一部が分岐され且つ燃料導管を介してサクションジェットポンプに供給される。内燃機関の始動時には、燃料ポンプができるだけ迅速に十分な量の燃料を内燃機関に圧送することが望ましい。このためには燃料導管内に、システム圧に到達して初めて開く弁が配置されており、これにより、特に始動過程時に圧送される燃料は全て、まず最初に内燃機関に供給される。

自動車の始動特性を改善するためには、供給導管内の圧力を一時的に高めることが公知である。このためには、燃料ポンプの出力が始動過程中に一時的に高められる。しかしこれにより、システム圧が得られて初めて燃料導管を解放すべき、燃料導管内の弁の作用は無効になる。このことは、始動過程用のサクションジェットポンプを燃料供給部から分離すべき弁が、圧力増大に基づき開いてしまうという欠点を有している。これにより、燃料の一部はサクションジェットポンプに到達して、内燃機関には供与されない。それにも関わらず始動過程中に燃料を内燃機関に十分に供給することを保証するためには、燃料ポンプが内燃機関における増大された需要の他に、前記の開かれた弁に基づき増大されたサクションジェットポンプのための圧送量をも供給するように、当該燃料ポンプを寸法決めする必要がある。これらの増大された両圧送量は、燃料ポンプの過剰寸法をもたらす。このような燃料ポンプは著しく多くの構成空間を必要とし、より一層費用がかかる。

従って本発明の課題は、燃料供給システムがシステム圧で働く場合にのみ専ら作動する、サクションジェットポンプを提供することである。

この課題を解決するために本発明では、ケーシング内に通流開口が配置されており、該通流開口が流入側でも流出側でも閉鎖可能であるように、当該通流開口の両側に弁体が配置されており、少なくとも１つのばねが前記ケーシング内に、システム圧に到達するまで当該ばねが前記弁体を、前記通流開口の流出側を閉鎖する位置に保持するように配置されているようにした。

サクションジェットポンプの燃料導管内に配置された弁は、ばねが弁体を、流出側で通流開口を閉鎖する位置に保持することにより、無圧状態では閉じられている。燃料ポンプがシステム圧に達すると直ちに、弁体に作用する力はばね力よりも大きくなるので、これにより弁体は通流開口を流出側で閉鎖する位置から運動される。つまり、弁は開放されており且つ燃料はサクションジェットポンプに到達することができる。始動過程時に圧力がシステム圧を越えて増大すると、弁体はばね力に抗して、この弁体が通流開口を流入側で閉鎖する位置に到達するまで更に運動され、これにより弁は閉じる。本発明による弁は、予め調整可能な圧力範囲内でのサクションジェットポンプの運転を可能にし、この場合、このサクションジェットポンプは当該圧力範囲未満及び当該圧力範囲の上位では遮断される。これにより、サクションジェットポンプは専ら標準的な条件下でのみ作動する一方で、まず最初に内燃機関の燃料供給が保証されているべき臨界的な状況では、燃料ポンプから圧送される燃料は、専ら内燃機関のみに到達する。これにより、燃料ポンプを比較的小型に寸法決めすることができる。それというのも、当該燃料ポンプの圧送出力はシステム圧においてのみ内燃機関及びサクションジェットポンプによって規定される一方で、燃料ポンプがシステム圧よりも高い圧力で運転する間は、圧送出力はサクションジェットポンプの遮断に基づき、専ら内燃機関によってのみ規定されるからである。

通流開口は阻流板として構成されていると、特に簡単に構成される。

別の有利な構成に基づき、弁体が２つのシール部材を有しており、これらのシール部材が流入側と流出側とでシール座と相俟って通流開口において協働することにより、確実なシールが得られる。

弁体のシール部材は、簡単且つ廉価な構成で、それぞれ弁体に配置された各１つの環状円盤から成っている。

更に別の有利な構成に基づき、シール部材が流れ方向に関して阻流板の両側に通流開口を取り囲むように配置されていると、弁体の構成が簡略化される。

更に別の有利な構成において、システム圧において開放状態にある弁体の規定された位置は、第１のばねに対して第２のばねが配置されており、この場合、第１のばねは弁の開放圧に設定されており且つ第２のばねは弁体の更なる運動をシステム圧よりも高い圧力で初めて可能にすることによって得られる。このようにして、システム圧における弁体の開放状態での運動は防止される。

使用されるばねは、圧縮ばねでも引っ張りばねでもよく、これらのばねは、ケーシングと弁体との間に配置されている。

圧縮ばねが用いられる限り、この圧縮ばねは更に別の有利な構成において、弁体と通流開口との間にも配置され得る。当該圧縮ばねをより良くガイドし且つ取り付けるためには、更に別の有利な構成において、弁体に段部が一体成形されている。

以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面につき詳しく説明する。

図１には、内燃機関３に燃料を圧送するための圧送ユニット２が内部に配置された、自動車の燃料タンク１が概略的に示されている。圧送ユニット２は、電動モータ４により駆動される燃料ポンプ５を有しており且つ供給導管６を介して内燃機関３に接続されている。供給導管６からは、燃料導管７がサクションジェットポンプ８に通じており、このサクションジェットポンプ８は、燃料を圧送ユニット２へ圧送する。サクションジェットポンプ８は、燃料導管７の他に、この燃料導管７内に配置された弁９と、燃料導管７に接続された燃料噴射ノズル１０と、混合管１１と、燃料噴射ノズル１０から流出する燃料を混合管１１に吸い込む吸込み開口１２とから成っている。

図２には、図１に示した弁９の第１実施例が概略的に示されている。流れ方向は矢印で図示されている。弁９は、流入部１４と流出部１５とを有する弁ケーシング１３を有している。この弁ケーシング１３内には、通流開口１７を有する阻流板１６が配置されている。弁９は、２つの円盤状の領域１９，２０を備えた弁体１８を有しており、前記円盤状の領域１９，２０は、前記通流開口１７を貫通する中間部材を介して互いに結合されているので、当該の円盤状の領域１９，２０は、それぞれ通流開口１７の流入側と流出側とに配置されている。両領域１９，２０は、それぞれ円盤形のシール部材２１，２２を有しており、これらのシール部材２１，２２は、それぞれ阻流板１６のシール座２３，２４と協働する。流出側には圧縮ばね２５が配置されており、この圧縮ばね２５は弁体１８を流れ方向とは逆方向に運動させる。図２には、燃料が弁９を通流していない無圧状態が示されている。ばね力に基づいて、弁体１８は流出側で阻流板１６に当接しており、この場合、シール部材２１がシール座２３と協働して、通流開口１７を閉鎖している。

図３にはシステム圧状態の弁９が示されている。システム圧により流入部１４を介して流入する燃料は、長手方向で作用する力を生ぜしめ、この力はばね力に抗している。この場合、圧縮ばね２５は、両シール部材２１，２２がそれぞれシール座２３，２４と接触しない程度に、システム圧において弁体１８が流れ方向で運動されるように設定されている。これにより、通流開口１７は開放状態にあり、燃料は流出部１５に向かって弁９を通流し、更にサクションジェットポンプに向かって流れることができる。

図４には、内燃機関の始動過程中の弁９が示されている。この場合、燃料ポンプは、供給導管内の圧力が一時的に高まるように制御される。これにより、この高められた圧力は、燃料導管及び弁の流入部１４においても作用する。圧縮ばね２５により生ぜしめられるばね力は、前記の高められた圧力に基づき弁体１８に作用する力よりも小さいので、弁体１８は、前記領域２０のシール部材２２が阻流板１６の流入側のシール座２４に当接するまで、更に流れ方向で運動される。これにより通流開口１７は閉鎖されているので、始動過程中に燃料がサクションジェットポンプに到達することはない。

図５に示した弁９は、図２に示した弁と、圧縮ばね２５の配置が異なっている。当該圧縮ばね２５は、阻流板１６と弁体１８の領域２０との間に支持されている。このためにこの領域２０は段部２６を有している。この段部２６は、一方では圧縮ばね２５のためのガイドとして働き且つ他方では圧縮ばね２５が圧縮されると、軸方向延在部における十分な構成空間を保証する。

図６に示した弁９は引っ張りばね２７を備えており、この引っ張りばね２７は流入側でケーシング１３と弁体１８との間に固定されており且つこの弁体１８を無圧状態において流れ方向とは逆方向で運動させ、これにより、シール部材２１が阻流板１６のシール座２３と協働するので、弁９は閉鎖されている。

図７には、システム圧における弁９の更に別の構成が示されている。この場合、流出側に２つの圧縮ばね２５，２８が配置されている。圧縮ばね２５は、図２〜図４に示した構成に対応して動作する。圧縮ばね２８はより強力に且つより短い構成長さで構成されており、この場合、当該圧縮ばね２８の長さ及びばね剛性は、システム圧において弁体１８が、この弁体１８に作用する力に基づき流れ方向で、当該圧縮ばね２８が圧縮されること無しでこの圧縮ばね２８に当接するまで運動されるように選択されている。この位置において、弁９は開放位置に位置している。このようにして、弁体１８のためにシステム圧における規定された位置が得られる。始動過程の場合に更に圧力が増大されると、弁体１８に作用する力は圧縮ばね２５，２８のばね力よりも大であるので、弁は図４に示したように動作する。

圧送ユニットと本発明によるサクションジェットポンプとを備えた燃料タンクの概略図である。 図１に示したサクションジェットポンプの弁の位置を示した図である。 図２に示した弁の位置とは異なる、サクションジェットポンプの弁の位置を示した図である。 図２及び図３に示した弁の位置とは異なる、サクションジェットポンプの弁の位置を示した図である。 図２に示した弁の別の実施例を示した図である。 図２に示した弁の別の実施例を示した図である。 図２に示した弁の別の実施例を示した図である。

Claims (11)

1. サクションジェットポンプであって、該サクションジェットポンプが燃料噴射ノズル、混合管、吸込み開口、前記燃料噴射ノズルに接続された燃料導管及び該燃料導管内に配置された弁から成っており、該弁のケーシングが流入部及び流出部を有している形式のものにおいて、
   前記ケーシング（１３）内に通流開口（１７）が配置されており、該通流開口（１７）が流入側でも流出側でも閉鎖可能であるように、当該通流開口（１７）の両側に弁体（１８）が配置されており、少なくとも１つのばね（２５，２７，２８）が前記ケーシング（１３）内に、システム圧に到達するまで当該ばねが前記弁体（１８）を、前記通流開口（１７）の流出側を閉鎖する位置に保持するように配置されていることを特徴とする、サクションジェットポンプ。
2. 前記通流開口が阻流板（１６）として形成されている、請求項１記載のサクションジェットポンプ。
3. 前記弁体（１８）が２つのシール部材（２１，２２）を有しており、これらのシール部材が流入側と流出側とでそれぞれ通流開口（１７）の各１つのシール座（２３，２４）と協働する、請求項１又は２記載のサクションジェットポンプ。
4. 前記シール部材（２１，２２）が環状円盤である、請求項３記載のサクションジェットポンプ。
5. 前記シール部材（２１，２２）が流れ方向に関して前記阻流板（１６）の両側に、当該シール部材が通流開口（１７）を取り囲むように配置されている、請求項１又は２記載のサクションジェットポンプ。
6. 第１のばね（２５）に対して第２のばね（２８）が配置されており、前記第１のばね（２５）が弁（９）の開放圧に設定されており、前記第２のばね（２８）が弁体（１８）の更なる運動をシステム圧よりも高い圧力で初めて可能にする、請求項１から５までのいずれか１項記載のサクションジェットポンプ。
7. 少なくとも１つのばね（２５，２８）が圧縮ばねである、請求項１から６までのいずれか１項記載のサクションジェットポンプ。
8. 少なくとも１つのばね（２７）が引っ張りばねである、請求項１から６までのいずれか１項記載のサクションジェットポンプ。
9. 前記ばね（２５，２７，２８）が、前記ケーシング（１３）と弁体（１８）との間に配置されている、請求項７又は８記載のサクションジェットポンプ。
10. 前記ばね（２５，２８）が、弁体（１８）と通流開口（１７）との間に配置されている、請求項７記載のサクションジェットポンプ。
11. 弁体（１８）に、前記ばね（２５，２８）を取り付けるために段部（２６）が一体成形されている、請求項１０記載のサクションジェットポンプ。

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