JP2009535023A - 子宮内膜増殖のバイオマーカー - Google Patents

子宮内膜増殖のバイオマーカー Download PDF

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サラ−ディン・シブ
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Abstract

本発明は、サンプルにおける子宮内膜増殖を定性的および/または定量的に測定する方法に関する。本発明はまた、子宮内膜増殖を定性的および/または定量的に測定するための組成物またはキットおよびアレイに関する。さらに、本発明は、対象における子宮内膜増殖の機能不全と関連する障害またはその素因の診断方法に関する。

Description

発明の分野
本発明は、サンプルにおける子宮内膜増殖を定性的および/または定量的に測定する方法に関する。本発明はまた、組成物またはキットおよび子宮内膜増殖を定性的および/または定量的に測定するためのアレイに関する。さらに、本発明は、対象における子宮内膜増殖の機能不全と関連する障害またはその素因の診断方法に関する。
発明の背景
子宮内膜は、子宮を裏打ちする腔の粘膜である。卵巣ホルモンの影響下で、子宮内膜の本質的な解剖学的および機能的変化が起こる。
故に、生理学的条件下で、女性の生殖可能な期間中、子宮内膜肥厚はホルモン性調節下にあり、妊娠が起こらなければ、月経中に流れ、各月経サイクルで再生する。月経サイクルの5日目までに、子宮内膜は、その間質および腺の増殖を示し、後者は伸長する。腺を裏打ちする細胞は、厳密に規定された膜を有する立方形であり、間質細胞は薄く、細長くて、初期増殖性相を示す。1週間後、12日目に、腺は非常に大きくなり、今や膨張しており、後期増殖性相を示す。この段階で、血管もまた顕著であり、毛細血管が拡張する。これらの増殖性変化は、エストロゲン、特にこの時点で卵巣から分泌される17−β−エストラジオールの影響による。排卵に続き、黄体が大量のプロゲステロンを産生し、それが腺の分泌性の変化を誘発し、間質細胞を膨張させる。豊富な血液供給があり、毛細血管が洞様血管となる。28日サイクルの最後に向かって、間質はより血管性および浮腫状になり、小出血および血栓が現れ、最終的に子宮内膜がホルモンによる支持の撤退により破壊する。子宮内膜の表在層は、血液および白血球と共に、流れ、廃棄され、月経となる。1日または2日以内に、むき出しの表面は、腺の基底部分から増殖する上皮により治癒する。
しかしながら、障害された子宮内膜増殖は、子宮内膜症、腺筋症、子宮内膜増殖症および婦人科癌を含むいくつかの婦人科疾患に関与し得る。
現在まで、子宮内膜増殖に関与する生理学的および病態生理学的機構はほとんど分かっていない。さらに、現在まで、子宮内膜増殖に関連する疾患の有効な治療および/または予防は確立されていない。
これらの生理学的および病態生理学的機構およびそれに関連する遺伝子およびタンパク質の洞察が、子宮内膜増殖の診断および予後のためのツールを、そしてそれ故に、子宮内膜増殖に関連する疾患の予防および/または治療のためのツールを提供するはずである。
発明の要約
本発明は、対象における子宮内膜増殖の段階を同定する方法を提供する。この目的は、本発明により、サンプルにおける子宮内膜増殖を定性的および/または定量的に測定する方法であって、該サンプルにおけるエストロゲンおよび/または選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERMs)により調節される少なくとも1種の遺伝子の発現および/または活性レベルを測定することを含む方法により、達成される。
驚くべきことに、数個の遺伝子がエストロゲンおよびSERMsにより調節されることが同定され、ここで、該遺伝子の該調節は、エストロゲンおよび/またはSERMsが子宮内膜増殖を誘発する種々の可能性と相関する。
好ましい態様の詳細な記載
エストロゲンは、子宮内膜のような女性生殖器の正常な性的発育および機能に必須であるステロイドホルモンである。エストロゲンはまた骨および心臓に対して重要な非生殖的効果も有する。エストロゲンは、天然および合成物質の群を含む。天然エストロゲンはエストラジオール(すなわち17β−エストラジオール)、エストロンおよびエストリオールを含む。特に17β−エストラジオールの影響下で、子宮内膜の増殖が起こる。17β−エストラジオールは、それ自体の受容体ならびにプロゲステロン受容体の合成を誘発する。それ故に、子宮内膜は、サイクルの前半、すなわち増殖相において増殖し、子宮内膜の一定の肥厚をもたらし、それは最大8〜10mmに達する。天然エストロゲン以外に、エストロゲンは、コンジュゲート、例えばエチニルエストラジオール、例えば、接合したエストロゲンまたはジエチルスチルベストロールの形で治療的に投与されることがある。
エストロゲンに応答する身体組織は、“エストロゲン感受性”または“エストロゲン応答性”組織と呼ばれ、尿生殖路、心血管系および骨格系の細胞を含む。エストロゲン感受性組織を構成する細胞は、エストロゲン受容体(ER)を含む。ERはアルファ型またはベータ型であり得る。エストロゲンは細胞に入り、このような細胞の細胞質におけるERと結合し、エストロゲン−ER複合体を形成する。受容体に結合したエストロゲンのような分子を、“リガンド”と呼ぶ。
エストロゲンリガンドがERに結合すると、エストロゲン−ER複合体が細胞核に移動し、そして、“エストロゲン応答要素”と呼ばれる細胞ゲノム内のDNAの特異的配列に結合する。このようなエストロゲン応答要素は、細胞核の特異的遺伝子のプロモーターに存在する。
エストロゲン−ER複合体のエストロゲン応答性要素への結合は、特異的遺伝子の転写の活性化または抑制をもたらす。特異的遺伝子転写の活性化または抑制は、リガンド−受容体複合体の形成によりもたらされる分子および/または細胞応答の一つのタイプである。このような応答が起こると、受容体は“活性化されている”というべきである。
エストロゲン−ER複合体は、それ故に、これらの遺伝子の発現を制御するための転写因子として作用する。リガンドが受容体に結合し、分子および/または細胞応答(例えば遺伝子の転写制御)が起こると、このようなリガンドは“アゴニスト”と呼ばれ、生じる応答は“拮抗”と呼ばれる。
エストロゲンおよびERが細胞組織の正常な発育および機能において果たす役割に加えて、エストロゲンおよびERは、ある種のヒト疾患状態、例えば亢進された子宮内膜増殖、子宮内膜症、婦人科癌、例えば乳癌などにおいて顕著な役割を有する。
ERに結合し、エストロゲンが原因の分子および/または細胞応答を防止する物質は、一般的な名称“選択的エストロゲン受容体モジュレーター”またはSERMsが与えられる。SERMsはまた“抗エストロゲン”とも呼び得る。SERMsは、異なる応答を生じるERリガンドを包含する。例えば、一つの特定のSERMはアンタゴニストであり得る。他の特定のSERMは部分的アゴニストであり得る。さらに別の特定のSERMはERに結合し、エストロゲンによりもたらされる応答よりもほんのわずかに低い強度の分子および/または細胞応答を生じ得る。このようなSERMは、部分的アゴニストにより生じる応答よりも高い強度の分子および/または細胞応答をもたらすであろうが、分子および/または細胞応答がアゴニスト様エストロゲンにより生じるより低いため、アゴニストとは呼ばれない。
化学的に、SERMsは3群に分類できる。第一群はトリフェニルエチレン誘導体を含み、抗癌剤であるタモキシフェンがその一つである。トリフェニルエチレン誘導体である他の物質は、トレミフェン、ドロロキシフェン、(3−ヒドロキシタモキシフェン)、イドキシフェン(idoxifene)、TAT−59(4−ヒドロキシタモキシフェンのリン酸化誘導体)およびGW5638(タモキシフェンのカルボン酸誘導体)である。SERMsの第二群は、他の非ステロイド性化合物を含む。この群は、EM−800、EM652(ベンゾピラン)、ラロキシフェン、LY353381(SERM3)およびLY357489を含む。SERMsの第三の群は、エストロゲンにより生じる応答を阻害するより良い能力を有するステロイド性化合物を含む。ICE−182,780(ICE)がこの第三群のメンバーである。各群に含まれるサブセンサー(sub-sensor)のリストは完全ではなく、他のものが存在し得る。
本発明によって、特定の遺伝子の発現および/または活性のレベルが、エストロゲンおよび/またはSERMsにより調節され、それが該エストロゲンおよびSERMsが子宮内膜増殖を誘発する種々の能力と相関することが判明した。それ故に、該特定の遺伝子の発現および/または活性のレベルの測定が、サンプルにおける子宮内膜増殖を定性的および/または定量的に測定する方法を提供する。
好ましくは、エストロゲンがエストラジオールであり、SERMsがタモキシフェンおよび/またはラロキシフェンである。
本発明の方法の好ましい態様において、エストロゲンおよび/またはSERMsにより調節される遺伝子は哺乳動物遺伝子、好ましくはヒト遺伝子である。
本発明の方法は、ヒト、獣医用および/または診断薬への提供を意図する。
好ましくは、エストロゲンおよび/またはSERMsにより調節される少なくとも1種の遺伝子は、遺伝子前部勾配(anterior gradient)2ホモログ(アフリカツメガエル)(遺伝子番号10551);硫酸コンドロイチンプロテオグリカン2(バーシカン)(遺伝子番号13003);コラーゲン、I型、アルファ1(遺伝子番号1277);コラーゲン、I型、アルファ2(遺伝子番号1278);コラーゲン、III型、アルファ1、(エーラース・ダンロス症候群IV型常染色体優性)(遺伝子番号1281);コラーゲン、IV型、アルファ1(遺伝子番号1282);コラーゲン、VI型、アルファ3(遺伝子番号1293);クレアチンキナーゼ、脳(遺伝子番号24264);ダイニン、細胞質性、軽ポリペプチド1(遺伝子番号8655);グリセロアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ(遺伝子番号2597);熱ショック27kDaタンパク質1(遺伝子番号3315);マウス肢芽および心臓遺伝子の恐らくオルソログ(遺伝子番号81606);リジルオキシダーゼ様1(遺伝子番号4016);黒色腫抗原、ファミリーD,1(遺伝子番号9500);RGS16の膜相互作用タンパク質(遺伝子番号51573);プロコラーゲンC−エンドペプチダーゼエンハンサー(遺伝子番号5118);プロスタグランジンD2シンターゼ21kDa(脳)(遺伝子番号5730);分泌型フリッズルド(Frizzled)関連タンパク質4(遺伝子番号6424);セリン(またはシステイン)プロテイナーゼ阻害剤、クレイドH(熱ショックタンパク質47)、メンバー1、(コラーゲン結合タンパク質1)(遺伝子番号871);トロポミオシン1(アルファ)(遺伝子番号7168)および/またはインシュリン様増殖因子結合タンパク質5(遺伝子番号3488)および/またはそれらの組み合わせから成る群から選択される。
より好ましくは、少なくとも1種の遺伝子はコラーゲン、I型、アルファ1(遺伝子番号1277);コラーゲン、I型、アルファ2(遺伝子番号1278);コラーゲン、III型、アルファ1、(エーラース・ダンロス症候群IV型常染色体優性)(遺伝子番号1281);クレアチンキナーゼ、脳(遺伝子番号24264)および/またはプロスタグランジンD2シンターゼ21kDa(脳)(遺伝子番号5730)である。
最も好ましくは、少なくとも1種の遺伝子はプロスタグランジンD2シンターゼ21kDa(脳)(遺伝子番号5730)である。
上記遺伝子の受託番号は、公的遺伝子データベースNCBI Entrez Gene database(http//www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi-db=gene)に対応して示す。
本発明の好ましい態様において、エストロゲンおよび/またはSERMsにより調節される少なくとも1種の遺伝子の遺伝子発現および/または活性のレベルは、該遺伝子の転写レベルの測定により決定する。
驚くべきことに、転写物の転写レベル(実施例1参照)が、エストロゲンおよびSERMsの子宮内膜増殖を誘発する種々のエストロゲン様効果と関連することが判明した。
好ましくは、有意性の決定は、実施例1に記載の通り行い得る。有意性の決定は、十分な数、例えば少なくとも500、好ましくは500〜700プローブセット(遺伝子)の遺伝子発現分析により行い得る。転写物を得る組織は、好ましくは下垂体および子宮組織である。
遺伝子転写レベルの測定方法は、mRNAレベルの測定を含む。RNAは、当業者に既知の方法により、例えばMolecular Cloning, A Laboratory Manual, Volume 1, Chapter 7, pp 7.4 to 7.12, Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York, 3rd Edition (2001)に記載の通り、サンプルから単離できる。
本発明の好ましい態様において、転写レベルの決定は、ハイブリダイゼーション反応を使用して行う。通常、ハイブリダイゼーション反応は、少なくとも1種のオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドの、転写産物、mRNAへのハイブリダイゼーションを含む。好ましくは、この決定は、さらに伸長および/または増幅反応を含む。
本発明の好ましい態様において、増幅は、逆転写酵素PCRおよび/または実時間PCRから成る群から選択される少なくとも1種の技術を含む。
オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドは、好ましくは、本発明に従い上記遺伝子の相補的転写物に特異的にハイブリダイズするのに十分な長さである。ここで使用する用語“オリゴヌクレオチド(olignucleotide)”または“ポリヌクレオチド”は、一本鎖核酸を意味する。一般に、オリゴヌクレオチド(olignucleotide)またはポリヌクレオチドは、少なくとも16〜20ヌクレオチド長であるが、ある場合、少なくとも20〜25ヌクレオチドの長いプローブが望ましい。オリゴヌクレオチド(olignucleotide)またはポリヌクレオチドを、1個以上の標識部分で標識し、ハイブリダイズしたプローブ/標的ポリヌクレオチド複合体の検出を可能にする。標識部分は、分光的、生化学的、光化学的、生物電子工学的、免疫化学的、電気的、光学的または化学的手段により検出できる組成物を含み得る。標識部分の例は、放射性同位体、例えば32P、33P、35S、化学発光化合物、標識された結合タンパク質、重金属原子、分光マーカー、例えば蛍光マーカーおよび色素、架橋酵素、質量分析標識および磁気ラベルを含み、これに限定されない。
本発明の他の好ましい態様によって、遺伝子発現レベルを、エストロゲンおよび/またはSERMsにより調節される少なくとも1種の遺伝子のタンパク質産物のレベルの測定により決定する。好ましくは、タンパク質産物は、対応する受託番号前部勾配(anterior gradient)2ホモログ(NP_006399)、硫酸コンドロイチンプロテオグリカン2(バーシカン)(NP_004376)、アルファ1 I型コラーゲンプレプロタンパク質(NP_000079)、アルファ2 I型コラーゲン(NP_000080)、アルファ1 III型コラーゲン(NP_000081)、アルファ3 IV型コラーゲンアイソフォーム1、前駆体(NP_000082)、アルファ4 IV型コラーゲン前駆体(NP_000083)、アルファ1 IV型コラーゲンプレプロタンパク質(NP_001836)、アルファ3 IV型コラーゲンアイソフォーム1前駆体(NP_004360)、脳クレアチンキナーゼ(NP_001814)、細胞質性ダイニン軽ポリペプチド(NP_003737)、グリセロアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ(NP_002037)、グリシル−tRNAシンテターゼ(NP_002038)、増殖停止特異的1(NP_002039)、熱ショック27kDaタンパク質1(NP_001531)、仮説タンパク質DKFZp 566J091(NP_112177)、リジルオキシダーゼ様1(NP_005567)、黒色腫抗原ファミリーD、1アイソフォームb(NP_008917)、RGS16の膜相互作用タンパク質(NP_057725)、プロコラーゲンC−エンドペプチダーゼエンハンサー(NP_002584)、プロスタグランジンD2シンターゼ21kDa(NP_000945)、分泌型フリッズルド(Frizzled)関連タンパク質4、(NP_003005)、セリン(またはシステイン)プロテイナーゼ阻害剤、クレイドH1、メンバー1前駆体(NP_001226)、トロポミオシン1(アルファ)(NP_000357)および/またはインシュリン様増殖因子結合タンパク質5(NP_000590)を有するタンパク質産物から成る群から選択される。
より好ましくは、タンパク質産物は、アルファ1 I型コラーゲンプレプロタンパク質(NP_000079)、アルファ2 I型コラーゲン(NP_000080)、アルファ1 III型コラーゲン(NP_000081)、脳クレアチンキナーゼ(NP_001814)および/またはプロスタグランジンD2シンターゼ21kDa(NP_000945)である。
最も好ましくは、タンパク質産物はプロスタグランジンD2シンターゼ21kDa(NP_000945)である。
上記タンパク質の全ては、公的に利用可能なタンパク質配列のデータベース、NCBI Entrez Protein database(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entry/query.fcgi-db=protein)から選択した。
好ましくは、タンパク質産物レベルを、例えば免疫アッセイまたは質量分析のようなタンパク質決定に適する酵素的結合、免疫学的および/または物理的方法により決定する。
少なくとも1種のタンパク質またはそのフラグメント、例えば触媒ドメインの発現は、検出可能に標識された、またはその後に標識できるプローブにより検出できる。一般に、プローブは、発現されたタンパク質を認識できる抗体、抗体誘導体または抗体フラグメントであり得る。ここで使用する用語“抗体”は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、ヒト化またはキメラ抗体および生物学的に機能性の抗体フラグメント(これは、タンパク質またはそのフラグメントへの抗体フラグメントの結合に十分なフラグメントである)を含み、これに限定されない。
開示の遺伝子の一つによりコードされるタンパク質またはタンパク質のフラグメントに対するフラグメントを産生するために、種々の宿主動物を、ポリペプチドまたはその一部の注射により免疫し得る。このような宿主動物は、ウサギ、マウスおよびラットなどを含み、これに限定されない。種々のアジュバントを免疫学的応答を増加させるために使用してよく、宿主の種に依存して、フロインド(完全および不完全)、ミネラルゲル、例えば水酸化アルミニウム、界面活性物質、例えばリソレシチン、pluronicポリオール、ポリアニオン、ペプチド、油性エマルジョン、キーホールリンペットヘモシアニン、ジニトロフェノールおよび恐らく有用なヒトアジュバント、例えばBCG(bacille Calnett-Guerlin)およびCorinebacterium parvumを含み、これに限定されない。ポリクローナル抗体は、抗原で免疫した動物の血清由来の抗体分子の異種集団、例えば標的産物、または抗原性に機能するその誘導体である。ポリクローナル抗体の産生のために、上記のような宿主動物を、同様に上記のアジュバントを補った、コードされるタンパク質、またはその一部の注射により免疫し得る。
特定の抗原に対する抗体の均一集団であるモノクローナル抗体(mABs)は培養中の連続的細胞株による抗体分子の産生のために提供される任意の技術により得てよい。これらは、Kohler and Milstein(Nature, Vol. 256, pp. 495-497(1975);および米国特許4,376,110)のハイブリドーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kosbor et al., Immunology Today, Vol. 4, p. 72(1983);Cole at al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA, Vol. 80, pp. 2026-2030(1983)、およびEBVハイブリドーマ技術((Cole et al., Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R. Liss, Inc. pp. 77-96 (1985)を含み、これに限定されない。このような抗体は、IgG、IgM、IgE、IgA、IgDおよびそれらの全てのサブクラスを含む、何らかの免疫グロブリンクラスであり得る。本発明のmAbを産生するハイブリドーマはインビトロまたはインビボで培養し得る。インビボでの高力価のmAbの産生は、それを現在好ましい産生法とする。加えて、適当な抗原特異性のマウス抗体分子からの遺伝子の、適当な生物学的活性のヒト抗体分子からの遺伝子と一緒のスプライシングによる、“キメラ抗体”の産生のために開発された技術(Morrison et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, Vol. 81, pp. 6851-6855(1984);Neuberger et al., Nature, Vol. 312, pp. 604-608(1984);Takeda et al., Nature, Vol. 314, pp. 452-454(1985)を使用できる。キメラ抗体は、異なる部分が異なる動物種に由来する分子、例えば、マウスmAbの可変または超可変領域およびヒト免疫グロブリン定常領域を有する分子である。あるいは、一本鎖抗体の産生について記載する技術(米国特許4,946,778;Bird, Science, Vol. 242, pp. 423-426(1988);Huston et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, Vol. 85, pp. 5879-5883(1988);およびWard et al., Nature, Vol. 334, pp. 544-546(1989))を、異なって発現される遺伝子一本鎖抗体の産生に適合できる。一本鎖抗体は、Fv領域の重および軽鎖フラグメントの、一本鎖ポリペプチドをもたらすアミノ酸架橋を介した架橋により形成する。最も好ましくは、“ヒト化抗体”の産生に有用な技術を、タンパク質、フラグメントまたはその誘導体の産生に適合できる。このような技術は、米国特許5,932,448;5,693,762;5,693,761;5.585,089;5,530,101;5,569,825;5,625,126;5,633,425;5,789,650;5,661,016および5,770,429に開示されている。特異的エピトープを認識する抗体フラグメントを、既知の技術により製造し得る。例えば、このようなフラグメントは、抗体分子のペプシン消化により産生できるF(ab')フラグメント、および、F(ab')フラグメントのジスルフィド架橋の還元により製造できるFabフラグメントを含み、これに限定されない。あるいは、所望の特異性のモノクローナルFabフラグメントの急速で容易な同定を可能にするためにFab発現ライブラリーを構築してよい(Huse et al., Science, Vol. 246, pp. 1275-1281(1989))。
生物学的サンプルで発現されるタンパク質(フラグメント)レベルを、次いで、上記の抗体、抗体誘導体、または抗体フラグメントを使用する免疫アッセイ方法により決定してよい。このような免疫アッセイ方法は、ウェスタンブロッティング、蛍光−活性化細胞分取(FACS)、免疫組織化学、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)、酵素結合免疫スポットアッセイ(ELISPOT)、ドットブロッティング、競合的および非競合的タンパク質結合アッセイ、および一般的に使用され、科学および特許文献に広く記載されており、多くが商業的に用いられている他の方法を含み、これに限定されない。
特に好ましいのは、検出の容易さのために、サンドイッチELISAであり、それには多くの変法が存在するが、その全てが本発明により包含されることを意図する。例えば、典型的前向きアッセイにおいて、非標識抗体、抗体誘導体または抗体フラグメントを固体支持体上に固定し、試験するサンプルを結合した分子と接触させ、抗体−抗原バイナリー複合体の形成に十分な時間、インキュベートする。この時点で、検出可能なシグナルを誘発できる分子で標識した第二の抗体、抗体誘導体、または抗体フラグメントを次いで添加し、抗体−抗原−標識抗体のターナリー複合体の形成に十分な時間、インキュベートする。何らかの未反応物質を洗い流し、抗原の存在をシグナルの観察により決定するか、または既知量の抗原を含むコントロールサンプルとの比較により、定量し得る。前向きアッセイのバリエーションは、サンプルおよび抗体の両方を結合した抗体に同時に添加する同時アッセイ、または標識抗体および試験するサンプルを最初に合わせ、インキュベートし、非標識表面結合抗体を添加する逆アッセイを含む。これらの技術は当業者には既知であり、微細な変化の可能性は容易に明白となろう。ここで使用する“サンドイッチアッセイ”は、基本的な2面技術の全てのバリエーションを包含することを意図する。
このタイプのアッセイにおいて抗体、抗体フラグメントまたは誘導体を標識するために最も一般的に使用されるレポーター分子は、酵素、フルオロフォア−または放射性核種含有分子である。酵素免疫アッセイ(EIA)の場合、酵素を、第二抗体に、通常グルタラルデヒドまたはペリオデートの手段によりコンジュゲートする。容易に認識される通り、しかしながら、当業者に既知の広範囲の種々のライゲーション技術が存在する。一般的に使用される酵素は、とりわけホースラディッシュペルオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、ベータ−ガラクトシダーゼおよびアルカリホスファターゼである。特異的酵素と共に使用する基質は、一般に対応する酵素による加水分解により検出可能な色変化を生じるように選択する。例えば、p−ニトロフェニルホスフェートは、アルカリホスファターゼコンジュゲートと使用するのに適し;ペルオキシダーゼコンジュゲートのためには、1,2−フェニレンジアミンまたはトルイジンを一般に使用する。上記の色素生産性基質よりむしろ蛍光産物を生じる蛍光性基質を用いることも可能である。次いで、適当な基質を含む溶液をターシャリー複合体に添加する。基質は酵素と反応して第二抗体と結合し、定性的可視シグナルを生じ、それを、通常分光光度法でさらに定量して、タンパク質またはそのフラグメントの量を評価し得る。あるいは、蛍光化合物、例えばフルオレッセインおよびローダミンを、その結合能を変えることなく抗体に化学的に結合させる。特定波長の光での照射により活性化したとき、蛍光色素標識抗体は光エネルギーを吸収し、分子の励起状態を誘発し、その後、特徴的長波長の光を発光する。発光は光学顕微鏡で可視的に検出可能な特徴的色として見える。免疫蛍光およびEIA技術は両方とも当分野で非常に確立されており、本方法に特に好ましい。しかしながら、他のレポーター分子、例えば放射性同位体、化学発光または生物発光分子も用い得る。必要な使用に適するためにどのように方法を変えるかは、当業者には容易に明らかとなろう。
好ましくは、本発明の方法に付すサンプルは体液または組織サンプルである。好ましくは、体液は血液、血漿、尿および/または血清である。
本発明のさらなる局面は、サンプルにおける子宮内膜増殖の定性的および/または定量的測定用の組成物またはキットであって、エストロゲンおよび/またはSERMsにより調節される少なくとも1種の遺伝子の遺伝子発現および/または活性のレベルを測定するための試薬を含むキットに関する。好ましくは、エストロゲンおよび/またはSERMsにより調節される少なくとも1種の遺伝子の遺伝子発現および/または活性は、上記の遺伝子の群から選択される。
本発明の好ましい態様において、組成物またはキットは、エストロゲンおよび/またはSERMsにより調節される少なくとも1種の遺伝子の転写レベルを測定するための試薬を含む。好ましくは、転写レベルを測定するための該試薬は、ハイブリダイゼーションプローブおよび、所望により、伸長および/または増幅用プライマーを含む。好ましくは、ハイブリダイゼーションプローブおよびプライマーは、上記遺伝子の転写物に結合できる。
本発明の他の好ましい態様は、サンプルにおける子宮内膜増殖を定性的および/または定量的に測定するための組成物またはキットであって、上記の少なくとも1種の遺伝子のタンパク質産物のレベルを測定するための試薬を含んでなる、キットを含む。
好ましくは、組成物またはキットは、上記の少なくとも1種の遺伝子によりコードされるタンパク質産物のレベルの決定のための酵素的、結合、生理学的および/または免疫学的測定のための試薬を含む。より好ましくは、組成物またはキットは、上記の少なくとも1種の遺伝子によりコードされる少なくとも1種のタンパク質産物に結合できる少なくとも1種の抗体、抗体誘導体または抗体フラグメントを含む。好ましくは、該組成物またはキットは、上記に詳述したモノクローナル抗体を含む。
他の好ましい態様において、組成物またはキットは、生物学的サンプルを採取するためのデバイスを含む。より好ましくは、本発明の組成物またはキットは、さらに、対象の生物学的サンプルを採取するためのデバイスを含み、加えて、キットの使用および遺伝子発現および/または活性および/またはタンパク質産物レベルの決定されたレベルの解釈のための指示書を含み得る。
本発明のさらに別の局面は、サンプルにおける子宮内膜増殖の定性的および/または定量的測定のためのアレイであって、担体および該サンプルにおけるエストロゲンおよび/またはSERMsにより調節される少なくとも1種の遺伝子の発現および/または活性のレベルおよび/または転写レベルを測定するためのプローブを含むアレイに関する。
アレイは、オリゴヌクレオチド(olignucleotide)またはポリヌクレオチドの規則正しいアレイに対する標識mRNAのハイブリダイゼーションを含む、複数の遺伝子から得られるmRNAレベル転写物の検出方法に特に有用である。典型的に、このハイブリダイゼーション方法に使用するオリゴヌクレオチド(olignucleotide)またはポリヌクレオチドは、固体支持体に結合する。固体支持体の例は、膜、フィルター、スライド、紙、ナイロン、ウエハー、繊維、磁気または非磁気床、ゲル、管系、ポリマー、ポリビニルクロライド皿などを含み、これに限定されない。オリゴヌクレオチド(olignucleotide)またはポリヌクレオチドが、直接的または間接的に、共有的にまたは非共有的にのいずれかで結合できる任意の固体表面を使用できる。発現モニタリングのためのこのようなプローブアレイを、例えば、Affymetrix社のマニュアルに記載のような当業者に既知の技術を使用して製造し、使用できる。このような方法は、遺伝子発現プロファイルまたはパターンを作製するための、複数の遺伝子の転写レベルを同時に測定することが可能である。
さらに、アレイは、上記遺伝子中の少なくとも1種の多型を測定するための好ましい方法である。このようなアレイは、好ましくは担体とそれに固定化された、エストロゲンおよび/またはSERMsにより調節される遺伝子の少なくとも1種の多型の存在を測定するための、少なくとも1種のプローブを含む。好ましくは、アレイ担体、例えば平面担体またはマイクロチャネルデバイスは、試験すべき多型が位置する配列を含む、核酸分子、例えばRNA分子またはDNA分子、増幅産物、プライマー伸長産物等に結合できるように設計された、担体の種々の領域に位置する、それに固定化された複数の種々の固定化されたプローブを有する。故に、担体上に固定化されたプローブへの核酸サンプル分子の部位特異的結合事象の検出により分析すべき多型の同定が達成され得る。
本発明のさらなる局面は、対象における子宮内膜増殖と関連する障害および/または状態またはその素因の診断方法であって、該サンプル中の上記の少なくとも1種の遺伝子の発現および/または活性のレベルの測定を含み、ここで、健常対象の参照値から有意に逸脱した発現および/または活性のレベルが子宮内膜増殖の機能異常またはその素因の指標である、方法に関する。
用語“障害”は、哺乳動物、好ましくはヒトの病的状態として定義され、そして用語“状態”は、哺乳動物、好ましくはヒトの非病的状態として定義される。本明細書の文脈内で、子宮内膜増殖と関連する状態は、例えば、妊娠または排卵であり、一方で、子宮内膜増殖と関連する障害は、例えば、子宮内膜症または子宮内膜炎である。好ましくは、本発明に従う障害の診断方法は、子宮内膜増殖の機能異常と関連する。
本発明は、子宮内膜増殖の機能異常またはその素因を有する対象において異なって発現される遺伝子について初めて開示した。対象から得た生物学的サンプルに由来する遺伝子発現プロファイルを、子宮内膜増殖の機能異常またはその素因を有しない対象または対照集団から得たサンプル由来の遺伝子発現プロファイルと比較できる。それにより、該対象が子宮内膜増殖の機能異常に罹患しているか、またはそれに罹患するリスクにあるかどうかを決定できる。
好ましくは、対象は哺乳動物、より好ましくはヒトである。
好ましい態様において、遺伝子発現および/または活性のレベルを、少なくとも1種の遺伝子の転写レベルおよび/またはタンパク質産物のレベルの測定により決定する。
上記遺伝子によりコードされる(codified)タンパク質を、体液で測定可能であるならば、子宮内膜増殖のバイオマーカーとして使用できる。
好ましくは、子宮内膜増殖と関連する障害および/または状態またはその素因は、子宮内膜萎縮症、未発達子宮内膜、無月経、子宮内膜炎、亢進された子宮内膜増殖、子宮内膜症、月経周期障害、妊娠、排卵、不妊症、子宮内膜増殖症、子宮内膜ポリープおよび/または婦人科腫瘍から成る群から選択される。
子宮内膜萎縮症は、子宮内膜適切な発育に抵抗する障害である。子宮内膜萎縮症の典型的な原因は、生物におけるエストロゲンの強い涸渇をもたらす、ゲスターゲンでの長期処置である。
子宮内膜は、子宮発育不全の結果として未発達であろう。
さらに、無月経のような月経異常が子宮内膜増殖の機能異常と関連する。無月経は、広範な状況下で月経がないとして定義される。生理学的条件下で、無月経は、生存中4つの異なる相で起こる:初潮の初期段階、妊娠中、授乳中および閉経後。病的条件下で、無月経は、例えば子宮内膜萎縮症または未発達子宮内膜の結果として起こる。次いで、妊娠および排卵のような月経サイクルに関連する状態が、子宮内膜増殖と関連する。
子宮内膜増殖の機能異常と関連するさらなる障害は、例えば以下にさらに説明する子宮内膜症または子宮内膜炎の結果としての、不妊症である。
本発明による、子宮内膜増殖の機能異常と関連する他の重要な疾患は子宮内膜症である。
子宮内膜症は、女性で二番目に一般的な疾患であり、子宮外への子宮内膜細胞の出現として定義される。子宮内膜症は、生殖可能年齢の女性の約1/5に影響し、1/2ほど多くの女性が生殖問題を有する。
正常な状況下では、子宮内膜は子宮にしか見られない。子宮内膜症において、子宮内膜に組織学上見かけが似た組織が子宮の外、例えば子宮の外側、腸または膵臓または肺にさえ見られる。これらの子宮内膜症病巣は子宮外に位置するが、それらは月経中出血もし、それ故に、それは女性サイクルのホルモンに影響される。子宮内膜症病巣が、子宮内膜と同様、このサイクル中容積変化を受けるため、これらの変化は、位置によって痛みの原因となり得る。さらに、生体は子宮内膜症細胞に応答し、また痛みの原因となる炎症性応答をする。さらに、炎症は卵巣およびファロピウス管の領域の癒着を引き起こし、その結果、罹患している女性のいわゆる機構的(mechanical)不妊を担う。明らかに、しかしながら、子宮内膜症において、メッセンジャーも放出され(例えばサイトカイン、プロスタグランジン)、それが癒着がなくてさえ、罹患している女性の生殖能を減少し得る。
それらの病態生物学的特性の観点から、子宮内膜症細胞は正常細胞と腫瘍細胞の間として分類される:他方でそれらは新生物行動を示さず、他方で、しかしながら、転移腫瘍細胞のように、それらは生物の臓器境界を超えて移動でき、他の臓器中に増殖でき、すなわちそれらは侵襲性行動を示す。この理由のため、子宮内膜症細胞は文献では“良性腫瘍細胞”として定義されているが、現在まで、このタイプの細胞において癌原遺伝子における腫瘍特異的変異は見つかっていない。
子宮内膜増殖の機能異常またはその素因と関連するさらなる障害は、子宮内膜炎である。この障害は、出産もしくは中絶後の関連に応答して、または避妊具の挿入に応答して、または淋病感染の一部として、発症し得る子宮内膜の急性炎症として定義される。
本発明に従いさらに関連する障害は、亢進された子宮内膜、特に腺上皮増殖として定義される子宮内膜増殖症である。本障害は、I〜IIIのグレードに分割される(異型過形成)。最初に、グレードIIIは、子宮内膜癌腫の前癌状態である。子宮内膜増殖症は、ゲスターゲン(“対立しないエストロゲン”)の非存在下で、ほとんど、更年期および閉経後に、エストロゲンの遅延性の影響下に発症する。
さらに、子宮内膜ポリープは、主に更年期に、全女性の10%で起こる。ほとんどのポリープは、子宮内膜底部の限局性過形成として増殖する。子宮内膜ポリープの患者において、筋腫の発症が正常集団よりも高い。これは、子宮における一般的増殖性活性の指標である。症例の1%未満のみが、子宮内膜ポリープにおいて見られる癌腫である。子宮内膜ポリープにおいて、子宮からの不規則なまたは進行中の出血が起こり得る。
更に、子宮内膜癌、乳癌、卵巣癌、外陰癌および/または膣の癌から成る群から選択されるいくつかの婦人科腫瘍が子宮内膜増殖の機能異常と関連する。
子宮内膜癌は、最も一般的な婦人科癌の一つである。それは、通常閉経後女性(75%)、最も頻繁には55〜65歳の女性にみられ、大多数、60%が寿命の後半である。腫瘍(60%)の大多数は、純粋な腺癌である。それらは、腺分化の程度によって3群に分けることができる。一般に、この癌は子宮腔から拡散するのが遅く、恐らく子宮内膜がリンパ管を欠くためである。遠距離転移が進行症例では起こる。肺沈着は最も一般できである。この癌の実際の原因は未知である。腫瘍とエストロゲンの間の疑う余地のない関係が議論の中心である。閉経後ホルモン補充療法としてエストロゲンのみを受けている女性、および、卵巣のエストロゲン分泌性腫瘍を発症している患者において、増加した発症例が報告されている。子宮内膜癌の病因におけるエストロゲンの中心的位置は、ホルモン補充療法におけるエストロゲンへのプロゲストーゲンの付加が、子宮内膜癌の増加を無くすように見えるとの事実により強められている。
本発明のさらなる局面は、子宮内膜増殖の機能不全と関連する障害またはその素因をスクリーニングする方法であって、子宮内膜増殖に対する効果を試験すべき候補薬剤の存在下、細胞サンプル中の、上記の少なくとも1種の遺伝子の発現および/または活性のレベルレベルを測定し、該候補薬剤の非存在下の該発現および/または活性のレベルと比較することを含む、方法に関する。このような方法は、エストロゲンおよび/またはSERMsにより調節される上記の少なくとも1種の遺伝子の発現および/または活性を妨害できる化合物を同定するための、インビボまたは細胞ベースのおよび/または無細胞アッセイの使用を含む。
本発明はまた、子宮内膜増殖と関連する障害および/または状態に対して活性な医薬の開発のための標的として、上記で定義の少なくとも1種の遺伝子および/またはタンパク質産物を使用することに関する。薬物ターゲティングは、化合物を身体の特定の組織に送達することを目的とした戦略である。ある標的の薬効発揮力(drugability)は、どれだけ良好に化合物、例えば小分子薬剤または抗体が標的に接近し得るか、または化合物が実際に標的に達成できる効力のいずれかによって定まる。多くのパラメータがある標的の薬効発揮力に影響する;これらは、細胞位置、耐性の発達、輸送機構、例えば排出ポンプ、副作用、毒性およびその他を含む。治療的介入の標的として、受容体、タンパク質、酵素、DNA、RNAおよびリボソーム標的が考慮される。本発明によって、エストロゲンおよび/または選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERMs)により調節される遺伝子、該遺伝子の転写物ならびにそのタンパク質産物が、標的として特に有用である。該遺伝子、転写物および/またはタンパク質産物を、薬になり得る(drugable)標的のマーカーとして使用することにより、子宮内膜増殖と関連する障害および/または状態のための新規で良好な治療の開発が可能である。
本発明に従い、医薬組成物は、好ましくは活性成分を、1種以上の薬学的に許容される担体、賦形剤および/または添加剤と組み合わせて含む。このような組成物は、単独で、または少なくとも1種の他の薬剤、例えば、安定化化合物と組み合わせて投与してよく、それを、食塩水、緩衝化食塩水、デキストロースおよび水を含み、これに限定されない、何らかの、生体適合性医薬担体中で投与してよい。本組成物は、他の薬剤、医薬またはホルモンと組み合わせて、ここで、少なくとも1種の遺伝子のレベルおよび/または少なくとも1種のタンパク質産物のレベルが、健常対象の参照値から有意に逸脱しており、これが子宮内膜増殖の機能異常またはその素因の指標である患者に投与してよい。
本医薬組成物は、任意の数の経路により投与してよい。本医薬組成物は、経口、舌下、静脈内、筋肉内、関節内、関節内、髄内、髄腔内、室内、眼内、脳内、頭蓋内、呼吸器(respiratoral)、気管内、鼻咽頭、経皮、皮内、皮下、腹腔内、鼻腔内、経腸、局所、または直腸手段、輸液またはインプラントを介してを含み、これらに限定されない多くの経路により投与し得る。好ましくは、該投与経路は経口である。
投与するとき、本発明の医薬組成物は薬学的に許容される製剤で投与する。ここで使用する用語“薬学的に許容される担体”は、ヒトを含む哺乳動物への投与に適する1種以上の適合性の固体または液体増量剤、希釈剤またはカプセル封入物質を意味する。用語“担体”は、活性成分を、投与を容易にするために組み合わせる、天然であれ合成であれ、有機または無機成分を意味する。
用語“薬学的に許容される”は、活性成分の生物学的活性の有効性を妨害しない、非毒性物質を意味する。このような製剤は、慣用的に薬学的に許容される濃度の塩、緩衝剤、防腐剤、適合性担体、アジュバントおよびサイトカインのような補助的な免疫増強剤、および所望により他の治療剤、例えば化学療法剤を含み得る。
医薬で使用するとき、塩は薬学的に許容されなければならないが、薬学的に許容されない塩も、薬学的に許容されるその塩の製造のために簡便に使用でき、本発明の範囲から除外されない。
本医薬組成物は、塩の酢酸;塩のクエン酸;塩のホウ酸;および塩のリン酸を含む、適当な緩衝剤を含み得る。
本医薬組成物はまた、所望により、適当な防腐剤、例えばベンズアルコニウムクロライド;クロロブタノール;パラベンおよびチメロサール(thiomerosal)を含み得る。
本医薬組成物は、簡便には単位投与形態で提示され、医薬分野で既知の任意の方法で製造できる。全ての方法は、活剤と、1種以上の補助成分から成る担体の結合を含む。一般に、本組成物は、均一に、そして密接に、活性化合物を液体担体、粉砕固体担体、または両方と結合させ、次いで、必要であれば、製品の形を整えることにより製造する。
経口投与に適当な組成物は、各々予定量の活性化合物を含む、カプセル剤、錠剤、ロゼンジ剤のような別々の単位として提示され得る。他の組成物は、水性液体または非水性液体中の懸濁液、例えばシロップ剤、エリキシル剤またはエマルジョン剤である。
非経腸投与に適当な組成物は、簡便にポリペプチドまたはポリペプチドをコードする核酸の滅菌水性または非水性製剤を含み、それは、好ましくはレシピエントの血液と等張である。この製剤は、適当な分散または湿潤剤および懸濁化剤を使用して、既知の方法に従い製剤できる。滅菌注射可能製剤もまた、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液のような、非毒性の非経腸的許容される希釈剤または溶媒中の溶液または懸濁液である。用いうる許容される媒体および溶媒は、とりわけ、水、リンゲル液、および等張塩化ナトリウム溶液である。加えて、滅菌、固定油を、溶媒または懸濁媒体として簡便に使用する。この目的で、任意のブランドの固定油を用いてよく、合成モノ−またはジグリセリドを含む。加えて、脂肪酸、例えばレイン酸を注射製剤に使用し得る。
経口、皮下、静脈内、筋肉内などの投与に適当な担体製剤は、Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, PAに見ることができる。
本発明のさらなる局面は、子宮内膜増殖と関連する障害および/または状態の予防および/または処置用医薬の製造のための、上記の少なくとも1種の遺伝子のモジュレーターの使用を包含する。
好ましくは、医薬組成物のモジュレーターは、エストロゲンおよび/または選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)、そのアンタゴニストおよび/またはアゴニスト、例えば抗体または抗体フラグメント、siRNA(低分子干渉RNA)、miRNA(ミクロRNA)、アンチセンス分子および/またはリボザイムである。
タンパク質またはホルモン、例えばエストロゲンまたはSERMのアゴニストは、各タンパク質またはホルモンの活性を増加させる、酵素、コエンザイム、膜受容体などのような物質である。
一つの局面において、本発明のタンパク質産物および相同タンパク質産物に特異的な抗体を、直接モジュレーター、例えばアンタゴニストまたはアゴニストとして、または間接的に、薬剤を、該タンパク質を発現する細胞または組織に送達するためのターゲティングまたは送達機構として使用し得る。抗体は、当分野で既知の方法により産生され得る。このような抗体は、ポリクローナル、モノクローナル、キメラ一本鎖、FabフラグメントおよびFab発現ライブラリーから産生したフラグメントを含み得て、これに限定されない。中和抗体(すなわち二量体形成を阻害するもの)が、治療使用にとりわけ好ましい。
抗体産生のために、ヤギ、ウサギ、ラット、マウス、ヒト、およびその他を含む種々の宿主を、免疫原性特性を有するタンパク質またはその何らかのフラグメントまたはオリゴペプチドの注射により免疫し得る。宿主種によって、種々のアジュバントを、免疫学的応答を増強するために使用し得る。タンパク質産物に対する抗体の誘導のために使用するペプチド、フラグメントまたはオリゴペプチドが、少なくとも5アミノ酸、およびより好ましくは少なくとも10アミノ酸を含むアミノ酸配列を有することが好ましい。
タンパク質産物に対するモノクローナル抗体を、培養中の連続的細胞株による抗体分子の産生のために提供される任意の技術により得てよい。これらは、ハイブリドーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術、およびEBV−ハイブリドーマ技術(Koehler, G. et al. (1975)Nature 256:495-497;Kozbor, D. et al. (1985)J. Immunol. Methods 81:31-42;Cote, R. J. et al. Proc. Natl. Acad. Sci. 80:2026-2030;Cole, S. P. et al. (1984)Mol. Cell Biol. 62:109-120)を含み、これらに限定されない。
加えて、適当な抗原特異性および生物学的活性の分子を得るために、マウス抗体遺伝子のヒト抗体遺伝子へのスプライシングにより、‘キメラ抗体'の産生のために開発された技術を使用できる(Morrison, S. L. et al. (1984)Proc. Natl. Acad. Sci. 81:6851-6855;Neuberger, M. S. et al(1984)Nature 312:604-608;Takeda, S. et al. (1985)Nature 314:452-454)。あるいは、一本鎖抗体の産生について記載する技術を、当分野で既知の方法を使用して、本発明のタンパク質産物および相同タンパク質産物に特異的な一本鎖抗体の産生に適合し得る。関連する特性を有するが、異なるイディオタイプ組成の抗体を、無作為コンビナトリアル免疫グロブリンライブラリーからのシャフリングにより製造し得る(Burton, D. R. (1991)Proc. Natl. Acad. Sci. 88:11120-11123)。抗体をまた、文献に記載のように、リンパ球集団でのインビボ産生により、または、組み換え免疫グロブリンライブラリーまたは非常に特異的に結合する一団の試薬のスクリーニングにより、また製造し得る(Orlandi, R. et al. (1989)Proc. Natl. Acad. Sci. 86:3833-3837;Winter, G. et al. (1991)Nature 349:293-299)。
タンパク質産物に対する特異的結合部位を含む物抗体フラグメントもまた産生し得る。例えば、このようなフラグメントは、抗体分子のペプシン消化により産生できるF(ab')フラグメントおよびF(ab')フラグメントのジスルフィド架橋の還元により製造できるFabフラグメントを含み、これに限定されない。あるいは、所望の特異性のモノクローナルFabフラグメントの急速で容易な同定を可能にするためにFab発現ライブラリーを構築してよい(Huse, W. D. et al. (1989)Science 254:1275-1281)。
種々の免疫アッセイを、所望の特異性を有する抗体の同定のためのスクリーニングに使用できる。確立された特性のポリクローナルまたはモノクローナル抗体いずれかを使用した競合的結合および免疫放射線アッセイのための多くのプロトコールが当分野で既知である。このような免疫アッセイは、典型的にタンパク質とその特異的抗体の間の複合体の測定を含む。2つの非干渉タンパク質エピトープに反応性のモノクローナル抗体を利用する2部位、モノクローナルベースの免疫アッセイが好ましいのが、競合的結合アッセイも使用し得る(Maddox, supra)。
本発明の他の態様において、ポリヌクレオチドまたはそのフラグメントまたは核酸モジュレーター分子、例えばアンチセンス分子、アプタマー、siRNA分子、miRNA分子またはリボザイムを治療目的で使用し得る。一つの局面において、アプタマー、すなわち本発明のタンパク質産物に結合でき、その活性を調節する核酸分子を、コンビナトリアル核酸ライブラリーの使用を含むスクリーニングおよび選択法により産生し得る。
さらなる局面において、アンチセンス分子を、mRNA転写の遮断が望ましいであろう状況で使用し得る。特に、細胞を、上記で定義のタンパク質産物および相同タンパク質産物をコードするポリヌクレオチドに相補的な配列で形質転換する。故に、アンチセンス分子を使用して、タンパク質産物活性を調節するか、または遺伝子機能の制御を達成し得る。このような技術は現在当分野で既知であり、センスまたはアンチセンスオリゴマーまたはより大きなフラグメントを、タンパク質産物をコードする配列のコーディングまたは制御領域に沿った種々の位置から設計できる。レトロウイルス、アデノウイルス、ヘルペスまたはワクシニアウイルスに由来する、または種々の細菌プラスミドに由来する発現ベクターを、クレオチド配列を標的臓器、組織または細胞集団に送達するのに使用し得る。当業者に既知の方を使用して組み換えベクターを構築でき、これは、本発明のタンパク質および相同タンパク質産物をコードする遺伝子のポリヌクレオチドに相補的なアンチセンス分子を発現する。これらの技術は、Sambrook et al. (supra)およびin Ausubel et al. (supra)の両方に記載されている。本発明のタンパク質産物および相同タンパク質産物をコードする遺伝子を、細胞または組織を、本発明のタンパク質産物および相同タンパク質産物またはそのフラグメントをコードする高レベルのポリヌクレオチドを発現する、発現ベクターで形質転換することによりターンオフできる。このような構築物を、非翻訳可能センスまたはアンチセンス配列の細胞への導入に使用し得る。DNAへの統合の非存在下でさえ、このようなベクターは、内因性ヌクレアーゼにより無能にされるまでRNA分子を転写し続ける。一過性発現は、適当な複製要素がベクター系の一部であるならば、非複製ベクターで1ヶ月またはそれ以上続き得る。
上記の通り、遺伝子発現の修飾は、上記のタンパク質産物および相同タンパク質産物をコードする遺伝子の制御領域、すなわち、プロモーター、エンハンサー、およびイントロンに対するアンチセンス分子、例えばDNA、RNAまたは核酸アナログ、例えばPNAの設計により得ることができる。転写開始部位、例えば、開始部位から−10位から+10位に由来するオリゴヌクレオチドが好ましい。同様に、阻害は、“三重螺旋”塩基対形成法を使用して達成できる。三重螺旋対形成は、それが、二重螺旋がポリメラーゼ、転写因子または制御分子の結合に対して十分に開放される能力の阻害をもたらすため、有用である。三重螺旋DNAを用いた最近の治療的有益性は、文献に記載されている(Gee, J. E. et al. (1994)In;Huber, B. E. and B. I. Carr, Molecular and Immunologic Approaches, Futura Publishing Co., Mt. Kisco, N.Y.)。アンチセンス分子もまた、転写物のリボソームへの結合を妨げることにより、mRNAの転写を遮断するためにも設計し得る。
酵素的RNA分子であるリボザイムもまたRNAの特異的開裂を触媒するために使用し得る。リボザイム作用の機構は、リボザイム分子が相補的標的RNAと配列特異的ハイブリダイゼーションし、続いてエンドヌクレアーゼ的開裂する能力を含む。使用し得る例は、本発明のタンパク質産物および相同タンパク質産物をコードする配列のエンドヌクレアーゼ的開裂を特異的にそして効率よく触媒できる、操作されたハンマーヘッドモチーフリボザイム分子を含む。何らかの可能なRNA標的内の特異的リボザイム開裂部位を、最初に、以下の配列を含むリボザイム開裂部位について標的分子をスキャンすることにより同定する:GUA、GUU、およびGUC。同定されたら、開裂部位を含む標的遺伝子の領域に対応する15〜20リボヌクレオチドの短RNA配列を、オリゴヌクレオチドを操作不能とし得る二次行動特性について評価し得る。候補標的の適性は、リボヌクレアーゼ保護アッセイを使用した、相補的オリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションへの利用性を試験することによりまた評価し得る。
核酸モジュレーター分子、例えばアンチセンス分子およびリボザイムは、核酸分子の合成について当分野で既知の任意の方法により製造できる。これらは、固相ホスホロアミデート化学合成のようなオリゴヌクレオチドを化学的に合成するための技術を含み得る。あるいは、RNA分子を、DNA配列のインビトロおよびインビボ転写により産生し得る。このようなDNA配列を、適当なRNAポリメラーゼプロモーター、例えばT7またはSP6と共に、種々のベクターに挿入し得る。あるいは、アンチセンスRNAを構成的にまたは誘導性に合成するこれらのcDNA構築物を細胞株、細胞または組織に導入できる。RNA分子を修飾して、細胞内安定性および半減期を高め得る。可能性のある方法は、分子の5'および/または3'末端のフランキング配列の付加、または核酸塩基、糖および/またはホスフェート部分内の修飾、例えば分子の骨格内のホスホジエステラーゼ架橋よりむしろホスホロチオエートまたは2' O−メチルの使用を含み、これに限定されない。この概念はPNAの産生に固有であり、内因性エンドヌクレアーゼにより容易に認識されない、イノシン、クエオシン(queosine)、およびワイブトシン、ならびにアデニン、シチジン、グアニン、チミン、およびウリジンのアセチル−、メチル−、チオ−、および同様に修飾された形のような非伝統的塩基の包含により全てのこのような分子にまで拡大できる。
ベクターを細胞または組織に導入する多くの方法が利用可能であり、インビボ、インビトロ、およびエクスビボでの使用に等しく適当である。エクスビボ治療のために、ベクターを患者から採った幹細胞に導入し、自己移植のためにクローン増殖させて、同じ患者に戻し得る。トランスフェクションおよびリポソーム注射による送達は、当分野で既知の方法を使用して達成し得る。上記の全ての治療方法を、例えば、哺乳動物、例えばイヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ウサギ、サル、および最も好ましくは、ヒトを含む任意の適当な対象に適用し得る。
遺伝子発現分析
材料および方法
動物
エストロゲンおよびSERMsのヒト臨床試験における結果を予測する有用なモデルであることが確認されているOVXカニクイザル(Macaca fascicularis)を、エストロゲン欠乏のモデルとして使用した。本試験は、実験または他の科学目的で使用する動物の保護に関する制限および規定の法律に属する、Animal Health regulation, Council Directive No. 86/609/EECにしたがって行った。動物を処置前に少なくとも14日間処置施設に馴化させた。動物は、自由に水を飲め、1日約180gのOWMペレット餌(Dietex France, SDS, Saint Gratien, France)を、動物を絶食させた最終日以外、投与の少なくとも1時間後に与えた。加えて、各動物に、1日に2種の果実または野菜を与えた。約48ヶ月齢である性的に成熟した雌カニクイザル(R.C. Hartelust BV, Tilburg, the Netherlandsから得たMacaca fascicularis)を、薬剤処置1週間前に手術した(OVXまたは偽)。
手術法
卵巣摘出術を、処置の最初の日の10週間前に、CIT(Evreux, France)で標準外科法により行った。卵巣を、キシラジン(Rompun(登録商標):0.4mL/動物、Bayer Pharma Division Sante Animale, Puteaux, France)およびケタミンヒドロクロライド(Imalgene(登録商標):0.6mL/kg、Merial, Lyon, France)の複合筋肉内注射後に摘出した。偽手術した動物は卵巣摘出以外同じ手術法を受けた。
エストラジオールアッセイ
エストラジオール血清レベルを、各動物で、手術の約2週間後に測定し、卵巣摘出術の影響を確認した。非絶食動物の静脈血液サンプル(約1.5mL)を、抗凝固剤なしのチューブに集め、放射免疫アッセイ(Sorin, Ecole Nationale Veterinaire de Lyon, France)を使用して分析した。加えて、エストラジオールアッセイを、薬剤処置開始約2および4週間後に行い、何れかの動物が異所性卵巣組織増殖を有しないかを決定した;全てのこのような動物を試験およびその後の分析から除いた。
処置プロトコール
卵巣摘出したおよび偽手術した動物を4群に分けた。偽手術したおよびOVX動物の1群は媒体のみを投与され、一方、OVXサルの残りの群は、エストラジオール(Sigma No. E8875)、またはタモキシフェン(Tamofene(登録商標)、Aventis Pharma)、またはラロキシフェン(Evista(登録商標)、Lilly France SA)を投与された。試験物質を、媒体中の懸濁液として調製し、毎日胃ゾンデにより投与した。処置最終日、動物を、筋肉内ケタミンヒドロクロライドおよび静脈内ペントサルナトリウムにより誘導される深麻酔により殺し、続いて瀉血した。
下垂体および子宮遺伝子発現
組織調製
遺伝子発現を、薬剤治療の最後に下垂体および子宮で測定した。分析すべき組織(下垂体および子宮)を摘出し、液体窒素で急速冷凍し、RNA抽出を行うまで−80℃で貯蔵した。
DNAミクロアレイ分析
総RNAを、酸グアニジニウムイソチオシアネート−フェノール−クロロホルム抽出(Trizol;Invitrogen Life Technologies, San Diego, CA, USA)により得て、製造社の指示に従い、親和性樹脂カラム(RNeasy;Quiagen, Hilden, Germany)で精製した。DNAミクロアレイ実験を、GeneChip System(Affymetrix, Inc. 2002)の製造社の推奨に従い行った。以前のミクロアレイ試験が、異種間DNAチップ分析の価値を証明しているため、そのために、予めアノテーションされたヒト遺伝子をインテロゲートする22,283プローブセットを含む、ヒト遺伝子発現プローブアレイHGU133A(Affymetrix Inc., Santa Clara, CA, USA)を使用した。1個のGeneChipを組織あたり、動物あたりに使用した。得られた画像ファイル(.datファイル)を、Microarray Analysis Suite 5(MAS5)ソフトウエア(Affymetrix, Inc.)を使用して処理した。シグナル強度(シグナル)および分類上発現レベル測定(絶対コール)を含む、タブで区切られたファイルを得た。
異なって発現されることが判明した転写物は、Affymetrixプローブセット番号209173_at、221731_x_at、202310_s_at、202403_s_at、201852_x_at、215076_s_at、211161_s_at、211980_at、201438_at、200884_at、200703_at、217398_x_at、213453_x_at、212581_x_at、201841_s_at、221011_s_at、203570_at、209014_at、202593_s_at、202465_at、211663_x_at、204051_s_at、207714_s_at、206116_s_atおよび/または211959_atを参照して示す。
エストロゲン様有効性の定量
エストロゲン様スコア軸
薬剤処置のエストロゲン様有効性を示すための参照軸を規定するために、2つの状態を極値を示すために選択した − 卵巣摘出した動物(OVX群;エストロゲン欠乏)およびエストラジオール処置OVX(OVX−EE)群(最大エストロゲン)。これらの2種の群を使用して、それらの相対的エストロゲン様効果を各々0%および100%とスコアにして軸を定量的に評価した。次いで、偽手術した動物およびタモキシフェンまたはラロキシフェンで処置した動物からの遺伝子発現をこの軸に配置して、それらのエストロゲン様効果を順位付けした。
この分析に使用するための遺伝子(プローブセット)の選択は、エストロゲンによる制御の操作上の定義に合うために、数学的および統計学的基準に基づいて選択した;加えて、遺伝子を生物学的機能の以前の知識に基づき、分類した。プローブセットA(n=544)を、遺伝子発現データのための以下のフィルタリング基準を提供することにより定義した;(1)あるプローブの平均シグナル強度は、試験条件の少なくとも1個の50より大きくなければならない、(2)OVX条件と偽を比較したとき、発現レベルで1.5倍以上の変化(上方または下方)がなければならない、および(3)変えられた発現パターンがエストラジオール処置で回復しなければならない(OVX−EE)。プローブセットB(n=74)は、遺伝子機能の以前の知識を使用して、遺伝子をカテゴリー(シグナル伝達、輸送、細胞外マトリクス、および増殖因子)に分けたものに基づき、セットAのサブセットとして同定した。プローブセットC(n=225)は厳密な、データをフィルタリングするための不偏の数学的および統計学的パラメータを使用して定義し、(1)OVXおよびOVX−EE条件のいずれか一方または両方より50高い中央シグナル強度を有する、(2)これらの条件の間で1.5倍以上の発現の変化を示す、および(3)P.05を示す(log10変換強度値の統計学的有意差についてのt検定を使用)プローブのみを含んだ。
OVXおよびOVX−EE動物のlog10変換遺伝子発現(GEP)データの共分散マトリクスを、ミクロアレイ遺伝子発現データを記載するために以前に使用された統計学的次元縮小法である主成分分析(PCA)に付した。PCAアルゴリズムは、いわゆる“負荷”および“スコア”を計算した。負荷は、変数(遺伝子)の直線組み合わせにおける加重であり、それは、座標系の軸(主成分、PCs)を規定する。スコアは、同じ座標系におけるそれらのGEPデータに基づく個々の動物の座標を示す。
全ての他のlog変換GEPデータを、次いで、このPCAモデルのインプットとして使用し、それらのスコアを計算した。ただ一つのPCを計算し、このPC上の全サンプルのスコアをその後の計算に使用した。OVXサンプルのスコアの中央値を全スコアから引いた。次いで、全スコアを、それらをOVX−EE動物の中央値で割り、100を掛けることにより比例させた。この章に記載の計算は、多変量分析のためのSIMCAソフトウエア(Version 10, Umetrics., Umea, Sweden)およびExcel 2002(Microsoft Corp., Redman WA, USA)を使用して行った。
この発現プロファイリング試験は、子宮内膜増殖のレギュレーターとしてのエストロゲンおよび/またはSERMsにより調節される分析した転写物の対応する遺伝子の特定の影響を確認する。故に、これらの遺伝子によりコードされる(codified)タンパク質を、子宮内膜(enodmetrial)増殖のバイオマーカーとして使用できる。
以下の表1に含まれる候補の選択は、化学的基準および遺伝子の良好な発現レベル(平均コントロールに対して少なくとも180)、およびエストロゲンエチニルエストラジオール(etradiol)による少なくとも平均2倍の制御に基づいた。表1の値は、表2に示す測定した個々の遺伝子発現レベルの遺伝子の平均発現レベル、すなわち存在する転写物の計算した平均数を反映する任意の単位を示す。表1の灰色のカラムのヘッドラインにおいて示す増加倍率は、エチニルエストラジオールおよびSERMsタモキシフェンおよびラロキシフェンの影響により調節された分析した転写物の各遺伝子の遺伝子発現を示す。
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Claims (24)

  1. サンプルにおける子宮内膜増殖を定性的および/または定量的に測定する方法であって、該サンプルにおけるエストロゲンおよび/または選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERMs)により調節される少なくとも1種の遺伝子の発現および/または活性のレベルを測定することを含み、ここで、該少なくとも1種の遺伝子が遺伝子前部勾配(anterior gradient)2ホモログ(アフリカツメガエル)(遺伝子番号10551);カドヘリン11、2型;硫酸コンドロイチンプロテオグリカン2(バーシカン)(遺伝子番号13003);コラーゲン、I型、アルファ1(遺伝子番号1277);コラーゲン、I型、アルファ2(遺伝子番号1278);コラーゲン、III型、アルファ1、(エーラース・ダンロス症候群IV型常染色体優性)(遺伝子番号1281);コラーゲン、IV型、アルファ1(遺伝子番号1282);コラーゲン、VI型、アルファ3(遺伝子番号1293);クレアチンキナーゼ、脳(遺伝子番号24264);ダイニン、細胞質性、軽ポリペプチド1(遺伝子番号8655);グリセロアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ(遺伝子番号2597);熱ショック27kDaタンパク質1(遺伝子番号3315);マウス肢芽および心臓遺伝子の恐らくオルソログ(遺伝子番号81606);リジルオキシダーゼ様1(遺伝子番号4016);黒色腫抗原、ファミリーD,1(遺伝子番号9500);RGS16の膜相互作用タンパク質(遺伝子番号51573);プロコラーゲンC−エンドペプチダーゼエンハンサー(遺伝子番号5118);プロスタグランジンD2シンターゼ21kDa(脳)(遺伝子番号5730);分泌型フリッズルド(Frizzled)関連タンパク質4(遺伝子番号6424);セリン(またはシステイン)プロテイナーゼ阻害剤、クレイドH(熱ショックタンパク質47)、メンバー1、(コラーゲン結合タンパク質1)(遺伝子番号871);トロポミオシン1(アルファ)(遺伝子番号7168)および/またはインシュリン様増殖因子結合タンパク質5(遺伝子番号3488)およびそれらの組み合わせから成る群から選択される、方法。
  2. 遺伝子がコラーゲン、I型、アルファ1(遺伝子番号1277);コラーゲン、I型、アルファ2(遺伝子番号1278);コラーゲン、III型、アルファ1、(エーラース・ダンロス症候群IV型常染色体優性)(遺伝子番号1281);クレアチンキナーゼ、脳(遺伝子番号24264)および/またはプロスタグランジンD2シンターゼ21kDa(脳)(遺伝子番号5730)である、請求項1に記載の方法。
  3. 遺伝子がプロスタグランジンD2シンターゼ21kDa(脳)(遺伝子番号5730)である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 遺伝子発現および/または活性のレベルを、転写レベルの測定により決定する、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  5. 決定がハイブリダイゼーション反応を含む、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
  6. 決定が増幅および/または伸長反応をさらに含む、請求項4から5のいずれかに記載の方法。
  7. 増幅が、逆転写酵素PCRおよび/または実時間PCRから成る群から選択される少なくとも1種の技術を含む、請求項6に記載の方法。
  8. 遺伝子発現レベルを、タンパク質産物前部勾配(anterior gradient)2ホモログ(NP_006399)、硫酸コンドロイチンプロテオグリカン2(バーシカン)(NP_004376)、アルファ1 I型コラーゲンプレプロタンパク質(NP_000079)、アルファ2 I型コラーゲン(NP_000080)、アルファ1 III型コラーゲン(NP_000081)、アルファ3 IV型コラーゲンアイソフォーム1、前駆体(NP_000082)、アルファ4 IV型コラーゲン前駆体(NP_000083)、アルファ1 IV型コラーゲンプレプロタンパク質(NP_001836)、アルファ3 IV型コラーゲンアイソフォーム1前駆体(NP_004360)、脳クレアチンキナーゼ(NP_001814)、細胞質性ダイニン軽ポリペプチド(NP_003737)、グリセロアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ(NP_002037)、グリシル−tRNAシンテターゼ(NP_002038)、増殖停止特異的1(NP_002039)、熱ショック27kDaタンパク質1(NP_001531)、仮説タンパク質DKFZp 566J091(NP_112177)、リジルオキシダーゼ様1(NP_005567)、黒色腫抗原ファミリーD、1アイソフォームb(NP_008917)、RGS16の膜相互作用タンパク質(NP_057725)、プロコラーゲンC−エンドペプチダーゼエンハンサー(NP_002584)、プロスタグランジンD2シンターゼ21kDa(NP_000945)、分泌型フリッズルド(Frizzled)関連タンパク質4、(NP_003005)、セリン(またはシステイン)プロテイナーゼ阻害剤、クレイドH1、メンバー1前駆体(NP_001226)、トロポミオシン1(アルファ)(NP_000357)および/またはインシュリン様増殖因子結合タンパク質5(NP_000590)から成る群から選択されるタンパク質産物のレベルの測定により決定する、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  9. タンパク質産物がアルファ1 I型コラーゲンプレプロタンパク質(NP_000079)、アルファ2 I型コラーゲン(NP_000080)、アルファ1 III型コラーゲン(NP_000081)、脳クレアチンキナーゼ(NP_001814)および/またはプロスタグランジンD2シンターゼ21kDa(NP_000945)である、請求項8に記載の方法。
  10. タンパク質産物がプロスタグランジンD2シンターゼ21kDa(NP_000945)である、請求項9に記載の方法。
  11. タンパク質産物レベルを、酵素的、結合、物理的および/または免疫学的方法により決定する、請求項8から10のいずれかに記載の方法。
  12. サンプルが体液または組織サンプルである、請求項1から11のいずれかに記載の方法。
  13. 体液が血液、血漿、尿および/または血清である、請求項12に記載の方法。
  14. サンプルにおける子宮内膜増殖の定性的および/または定量的測定のためのアレイであって、担体および該サンプルにおけるエストロゲンおよび/またはSERMsにより調節される少なくとも1種の遺伝子の発現および/または活性のレベルおよび/または転写レベルを測定するためのプローブを含み、ここで、該少なくとも1種の遺伝子が請求項1から3のいずれかに記載した遺伝子から成る群から選択される、アレイ。
  15. 対象における子宮内膜増殖と関連する障害および/または状態またはその素因を診断する方法であって、該サンプル中の請求項1から3のいずれかに定義した少なくとも1種の遺伝子の発現および/または活性のレベルを測定し、ここで、健常対象の参照値から有意に逸脱した発現および/または活性のレベルが子宮内膜増殖の機能異常またはその素因の指標である、方法。
  16. 対象が哺乳動物である、請求項15に記載の方法。
  17. 哺乳動物がヒトである、請求項16に記載の方法。
  18. 遺伝子発現および/または活性のレベルを、少なくとも1種の遺伝子の転写レベルおよび/またはタンパク質産物のレベルの測定により決定する、請求項15から17のいずれかに記載の方法。
  19. 障害および/または状態が、子宮内膜萎縮症、未発達子宮内膜、無月経、子宮内膜炎、亢進された子宮内膜増殖、子宮内膜症、月経周期障害、妊娠、不妊症、子宮内膜増殖症、子宮内膜ポリープおよび/または婦人科腫瘍から成る群から選択される、請求項15から18のいずれかに記載の方法。
  20. 婦人科腫瘍が、子宮内膜癌、乳癌、卵巣癌、外陰癌および/または膣の癌から成る群から選択される、請求項19に記載の方法。
  21. 子宮内膜増殖と関連する障害および/または状態またはその素因のモジュレーターをスクリーニングする方法であって、子宮内膜増殖に対する効果を試験すべき候補薬剤の存在下、細胞サンプル中の、請求項1から3のいずれかに記載した少なくとも1種の遺伝子の発現および/または活性のレベルを測定し、該候補薬剤の非存在下の該発現および/または活性のレベルと比較することを含む、方法。
  22. 子宮内膜増殖の標的および/またはモジュレーターとしての、請求項1から3のいずれかに記載した少なくとも1種の遺伝子および/または請求項8から10のいずれかに記載した少なくとも1種のタンパク質産物の使用。
  23. 子宮内膜増殖と関連する障害および/または状態に対して活性である薬剤の製造のための、請求項22に記載の使用。
  24. 子宮内膜増殖と関連する障害および/または状態の予防および/または処置用医薬の製造のための、請求項1から3のいずれかに記載した少なくとも1種の遺伝子のモジュレーターの使用。
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