JP2002517209A - 子宮内膜症の診断および処置におけるプロサイモシンの使用 - Google Patents

子宮内膜症の診断および処置におけるプロサイモシンの使用

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Abstract

(57)【要約】 プロサイモシン発現は、子宮内膜症組織においてアップレギュレートされる。本発明は、プロサイモシン遺伝子産物のアップレギュレーションを検出することにより子宮内膜症を診断する方法、および異所性および正常位置の子宮内膜症組織におけるプロサイモシンの発現のダウンレギュレートによって子宮内膜症を処置する方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (関連出願の相互参照) 本願は、1998年3月25日に出願された米国特許出願第09/047,9
10号(J.Boydら)に関連するが、それに対して優先権は主張していない
【0002】 (連邦政府が支援した研究または開発) なし。
【0003】 (発明の背景) 本発明は、医療診断および処置の分野に関する。より詳細には、本発明は、子
宮内膜症組織におけるプロサイモシンの病因性アップレギュレーションに基づい
て、子宮内膜症を診断および処置する方法に関する。
【0004】 子宮内膜症は、疼痛を伴う障害であり、これは、腹壁および種々の器官(これ
は、最も一般的には、下部の腸、卵巣およびファローピウス管を含む)の外表面
に対する、機能的子宮内膜組織の異所性移植によって特徴付けられる。P.Vi
ganoら(1991)Fertility and Sterility 5
6:894。現在、子宮内膜症特異的遺伝子は同定されておらず、そして子宮内
膜症の発生に関連する事象はほとんど理解されていない。しかし、いくつかの報
告によれば、異常な免疫機能と関連する逆行性月経が異所性子宮内膜症病変の確
立に役割を果たし得ることが示唆されている。T.IshimaruおよびH.
Masuzaki(1991)Am.J.Obstet.Gynecol.16
5:210−214。遺伝子の同定では、健常な子宮内膜組織と比較して、子宮
内膜症病変において示差的に発現されるが、これは、子宮内膜症の診断のための
マーカー、および子宮内膜症への治療的介入のための標的を提供する。
【0005】 (発明の要旨) マウスにおいて培養されたヒト子宮内膜組織は成長し、そして子宮内膜症への
進行を模倣する。本発明者らは、プロサイモシン発現がこのような組織において
アップレギュレートされることを見い出した。本発明は、この事実を利用した方
法および材料を提供する。より詳細には、本発明は、子宮内膜症を有することが
疑われる患者からのサンプルにおいてプロサイモシンのアップレギュレーション
を検出することによって子宮内膜症を診断する方法を提供する。この方法は、正
常と比較して、そのサンプル中のプロサイモシンmRNAまたはプロサイモシン
タンパク質の量の増加を検出することを含む。本発明はまた、異所性または正常
位置の子宮内膜組織におけるプロサイモシン活性のレベルをダウンレギュレート
させることによって子宮内膜症を処置する方法を提供する。これらの方法は、プ
ロサイモシンmRNAの転写、プロセシングまたは翻訳、ならびにプロサイモシ
ンの生物学的活性を減少させることを含む。
【0006】 一つの局面において、本発明は、被験体において子宮内膜症の診断における使
用のための方法を提供する。本発明の方法は、その被験体からのサンプルにおい
てプロサイモシン遺伝子産物の試験量を検出する工程、およびコントロールサン
プルにおいてプロサイモシン遺伝子産物の正常量とその試験量を比較する工程を
包含する。その正常量より多い試験量は、子宮内膜症の診断において陽性の指標
を提供する。1つの局面において、この方法は、異所性子宮内膜組織、正常な位
置の子宮内膜組織、腹水、血液、膣分泌物、または尿を含む。
【0007】 この方法の1つの実施態様において、このプロサイモシン遺伝子産物は、プロ
サイモシンmRNAまたはcDNAである。検出する工程は、プロサイモシンm
RNAまたはcDNAと、少なくとも7〜約50ヌクレオチド長のポリヌクレオ
チドとを接触させる工程であって、該ポリヌクレオチドがプロサイモシンmRN
AまたはcDNAと特異的にハイブリダイズする、工程;および該ポリヌクレオ
チドと該mRNAまたはcDNAとの間のハイブリダイゼーションを検出する工
程、を包含し得る。1つの実施態様において、そのポリヌクレオチドは、プライ
マーであり、ハイブリダイゼーションを検出する工程は、そのプライマーを用い
てプロサイモシンmRNAの逆転写を開始すること、およびプロサイモシンmR
NA逆転写物を検出することを包含する。その逆転写物の検出が、そのポリヌク
レオチドがプロサイモシンmRNAに特異的にハイブリダイズしたことを示す。
別の実施態様において、プロサイモシンmRNAまたはcDNAは固定されてお
り、そして接触する工程は、ポリヌクレオチドと固定されたmRNAまたはcD
NAとを接触することを含む。別の実施態様において、そのポリヌクレオチドは
固定されており、そして接触する工程は、そのプロサイモシンmRNAまたはc
DNAとその固定したポリヌクレオチドを接触させることを含む。別の実施態様
において、その生物学的サンプルは、固定された組織サンプルであり、そして接
触させる工程は、そのポリヌクレオチドと、そのmRNAまたはcDNAをその
固定組織サンプル上でインサイチュで接触させることを含む。
【0008】 別の実施態様において、検出する工程は、そのプロサイモシンmRNAまたは
cDNAを増幅して、増幅産物を生じさせること、およびその増幅産物を検出す
ることを含む。1つの方法において、その増幅産物を検出する工程は、その増幅
産物と、その増幅産物に対して特異的にハイブリダイズする少なくとも7〜約5
0ヌクレオチド長のポリヌクレオチドとを接触させること、およびそのポリヌク
レオチドとその増幅産物との間のハイブリダイゼーションを検出することを含む
。別の方法において、その増幅産物を検出する工程は、その増幅産物のヌクレオ
チド配列を決定することを含む。別の方法において、その増幅産物を検出する工
程は、その増幅産物の質量を決定することを含む。
【0009】 別の実施態様において、プロサイモシン遺伝子産物は、プロサイモシンポリペ
プチドである。1つの方法において、検出する工程は、イムノアッセイにより結
合しているプロサイモシンポリペプチドを検出することを含む。このイムノアッ
セイは、非競合的であっても競合的であってもよい。
【0010】 競合的イムノアッセイは、前記プロサイモシンポリペプチドと、例えば、蛍光
標識、放射標識、酵素標識、ビオチン基、および二次レポーターによって認識さ
れるエピトープからなる群より選択される検出可能な部分を含む抗体との間の結
合を検出することを包含する。非競合的イムノアッセイは、そのサンプルからそ
のプロサイモシンポリペプチドを、プロサイモシンポリペプチドに特異的な第一
の抗体を有する固相上で捕捉する工程;およびその固相とプロサイモシンポリペ
プチドに特異的な第二の抗体とを接触させること、およびその二次抗体とプロサ
イモシンポリペプチドとの間の結合を検出することにより、そのプロサイモシン
ポリペプチドの捕捉を検出する工程、を包含する。別の非競合性イムノアッセイ
は、そのサンプルからのそのプロサイモシンポリペプチドを固相に結合させる工
程;およびその固相と、プロサイモシンポリペプチドに特異的な抗体とを接触さ
せること、およびその抗体とプロサイモシンポリペプチドとの間の結合を検出す
ることによって、そのプロサイモシンポリペプチドを検出する工程、を包含する
【0011】 別の実施態様において、この方法は、そのサンプルと、プロサイモシンポリペ
プチドに結合する親和性因子とを接触させること、および該親和性因子とそのプ
ロサイモシンポリペプチドとの間の結合を検出することによりポリペプチドを検
出することをを包含する。別の方法において、その検出する工程は、プロサイモ
シンポリペプチドの質量を有するサンプルにおける分析物を検出することを包含
する。
【0012】 別の局面において、本発明は、被験体中の子宮内膜症の進行をモニタリングす
るにおいて使用する方法を提供し、この方法は、以下の工程:最初の時期のその
被験体からのサンプル中のプロサイモシン遺伝子産物の第一試験量を検出する工
程;後の第二の時期のその被験体からのサンプル中のそのプロサイモシン遺伝子
産物の第二試験量を検出する工程;およびその第一試験量と、該第二試験量とを
比較する工程、を包含する。その最初の時期とその第二の時期との間の量の増加
が子宮内膜症の進行を示し、そしてその最初の時期とその第二の時期との間の量
の減少が、子宮内膜症の寛解を示す。
【0013】 別の局面において、本発明は、プロサイモシン遺伝子産物を結合する化合物お
よび指示書を含むキットを提供し、このキットは、(1)患者サンプル中のプロ
サイモシンを検出するためにその化合物を使用し、そして(2)正常量のプロサ
イモシンと比較して、そのサンプル中のそのプロサイモシン遺伝子産物の量の増
加に基づいて子宮内膜症を診断する。
【0014】 別の局面において、本発明は、被験体中の子宮内膜症の診断における使用のた
めの方法を提供し、この方法は、以下の工程:インビボで、その被験体由来の子
宮内膜組織中でプロサイモシン遺伝子産物を検出する工程であって、これにより
、その遺伝子産物の検出が、子宮内膜症の診断における正の指標を提供する、工
程、を包含する。1つの実施態様において、この方法は、その被験体に、プロサ
イモシン遺伝子産物に特異的に結合する化合物を投与する工程、およびその化合
物とそのプロサイモシン遺伝子産物との間の結合を検出する工程、を包含する。
この方法の1つの実施態様において、その化合物は、γ放射または陽電子放出放
射性同位体を含み、そして結合は、カメラによる画像化またはガイガー計数管に
より放射性同位体を検出することにより検出される。この方法の別の実施態様に
おいて、その化合物は、常磁性同位体を含み、そして結合は、磁気共鳴画像法(
「MRI」)によって常磁性同位体を検出することによって検出される。
【0015】 別の局面において、本発明は、被験体における子宮内膜症の処置のための方法
を提供し、この方法は以下の工程:検出可能な標識、およびプロサイモシン遺伝
子産物に特異的に結合するリガンドを含むプローブをその被験体に投与して、そ
のプローブとそのプロサイモシン遺伝子産物とを結合させる工程;子宮内膜症病
変を、インサイチュで、結合した標識を位置付けすることによって同定する工程
;ならびにその子宮内膜症病変を切除する工程、を包含する。1つの実施態様に
おいて、この方法は、その被験体の腹膜内にそのプローブを投与する工程であっ
て、ここで、そのプローブが、プロサイモシンに特異的に結合する抗体リガンド
および放射性標識を含む、工程;子宮内膜症病変を、インサイチュで、ガイガー
計数管を用いて結合したプローブを位置付けすることによって同定する工程;お
よびその子宮内膜症病変を、腹腔鏡によって切除する工程、を包含する。
【0016】 別の局面において、本発明は、ある化合物が子宮内膜細胞においてプロサイモ
シン遺伝子産物の発現を調節するか否かを決定するためのスクリーニング方法で
あって、以下の工程:その細胞とその化合物とを接触させる工程;そのプロサイ
モシン遺伝子産物が、その化合物と接触されていないコントロール細胞における
発現とは異なるか否かを決定する工程、を包含する。その子宮内膜細胞と、その
コントロール細胞との間の発現の差異が、その薬剤がそのプロサイモシン遺伝子
産物の発現を調節することを示す。この方法の1つの局面において、その子宮内
膜細胞は、マウスにおける異種移植片として培養された子宮内膜症組織内に含ま
れ;その接触する工程は、そのマウスにその化合物を投与することを含み;その
決定する工程は、そのマウスからその組織を取り出した後に、その遺伝子産物の
発現をインビトロで決定することを含む。
【0017】 別の局面において、本発明は、被験体における子宮内膜症の処置のための方法
を提供し、この方法は、その被験体において正常位置の子宮内膜組織または異所
性子宮内膜組織におけるプロサイモシン活性を減少させる化合物をその被験体に
投与する工程を包含する。その化合物は、プロサイモシンmRNAの発現または
プロサイモシンタンパク質の活性を阻害し得る。1つの局面において、その阻害
性ポリヌクレオチドは、プロサイモシンmRNA内のヌクレオチド配列に対して
特異的にハイブリダイズする、少なくとも7ヌクレオチドのアンチセンス配列を
含むポリヌクレオチドであり、これにより、そのポリヌクレオチドは、プロサイ
モシンmRNAの活性を阻害する。別の局面において、その阻害性ポリヌクレオ
チドは、プロサイモシンmRNAを切断するリボザイムである。別の局面におい
て、そのアンチセンスポリヌクレオチドをコードするヌクレオチド配列に作動可
能に連結された発現制御配列を含む発現ベクターを用いて子宮内膜細胞がトラン
スフェクトされ、それにより、そのベクターがそのポリヌクレオチドを発現する
【0018】 (発明の詳細な説明) (1.定義) 他に規定しない限り、本明細書において使用される全ての技術および科学用語
は、本発明が属する分野の当業者によって通常理解される定義を有する。以下の
参照は、当業者に対して、本発明において使用される用語の多くの一般的定義を
提供する。Singletonら、DICTIONARY OF MICROB
IOLOGY AND MOLECULAR BIOLOGY(第2版、199
4);THE CAMBRIDGE DICTIONARY OF SCIEN
CE AND TECHNOLOGY(Walker編、1988);THE
GLOSSARY OF GENETICS,第5版、R.Riegerら(編
)、Springer Verlag(1991);ならびにHaleおよびM
arham、THE HARPER COLLINS DICTIONARY
OF BIOLOGY(1991)。本明細書において使用される場合、他に特
定しない限り、以下の用語は、それらに割り当てられた意味を有する。
【0019】 「ポリヌクレオチド」とは、ヌクレオチド単位から構成されるポリマーをいう
。ヌクレオチド単位は、天然に存在するものでも、天然に存在しないものでもよ
い。天然に存在するヌクレオチドは、リボヌクレオチド(「RNA」)およびデ
オキシリボヌクレオチド(「DNA」)を含む。天然に存在しないヌクレオチド
は、天然に存在しない塩基を含むヌクレオチドアナログまたは、天然に存在する
ホスホジエステル結合以外の他のアナログと連結されているものを含む。従って
、ヌクレオチドアナログは、例えばそして限定することなく、ホスホロチオエー
ト、ホスホルアミデート、メチルホスホネート、キラル−メチルホスホネート、
2−O−メチルリボヌクレオチド、ペプチド核酸(PNA)などを含む。このよ
うなポリヌクレオチドは、例えば、自動化DNA合成機を使用して合成され得る
。用語「核酸」とは、代表的に、大きなポリヌクレオチドをいう、用語「オリゴ
ヌクレオチド」とは、代表的に、短いポリヌクレオチドをいい、一般的に約50
ヌクレオチド以下である。ヌクレオチド配列はDNA配列(すなわち、A、T、
G、C)で表されるが、これはまた、「U」で「T」が置き換えられた、RNA
配列(すなわち、A、U、G、C)を含むことが理解される。
【0020】 「cDNA」とは、一本鎖または二本鎖の形態のいずれかである、mRNAと
相補的または同一であるDNAをいう。
【0021】 従来の表記法を本明細書において使用して、ポリヌクレオチド配列を記載する
:一本鎖ポリヌクレオチド配列の左側末端は、5’末端であり;二本鎖ポリヌク
レオチド配列の左側の方向は、5’方向という。ヌクレオチドの新生RNA転写
物への5’から3’の方向の付加は、転写方向といわれる。mRNAと同じ配列
を有するDNA鎖は、「コード鎖」といわれ;そのDNAから転写されたmRN
Aと同じ配列を有するDNAの鎖上の配列であって、そしてそのRNA転写物の
5’末端の5’側に位置するものは、「上流配列」といわれ;そのRNAと同じ
配列を有するDNAの鎖上の配列であって、そしてそのコードRNA転写物の3
’末端の3’側は、「下流配列」といわれる。
【0022】 「相補的」とは、2つのポリヌクレオチドの相互作用する表面の、位相学的適
合性または相互に適合することをいう。従って、2つの分子は、相補的であると
記載され得、さらに、その接触表面の特徴は、たがいに相補的である。第一のポ
リヌクレオチドは、その第一のポリヌクレオチドのヌクレオチド配列が第二のポ
リヌクレオチドのポリヌクレオチド結合パートナーのヌクレオチド配列と同一で
ある場合、その第二のポリヌクレオチドに対して相補的である。従って、その配
列が5’−TATAC−3’であるポリヌクレオチドは、その配列が5’−GT
ATA−3’のポリヌクレオチドと相補的である。
【0023】 ヌクレオチド配列は、その対象ヌクレオチド配列に対して相補的な配列が、そ
の参照ヌクレオチド配列に対して実質的に同一である場合、その参照ヌクレオチ
ド配列に対して「実質的に相補的」である。
【0024】 「コード(する)」とは、ポリヌクレオチド(例えば、遺伝子、cDNAまた
はmRNA)におけるヌクレオチドの特定の配列が、規定された配列のヌクレオ
チド(すなわち、rRNA、tRNAおよびmRNA)または規定されたアミノ
酸配列およびそこから生じる生物学的特性のいずれかを有する、生物学的過程に
おける他のポリマーおよび高分子の合成についてのテンプレートとして作用する
固有の特性をいう。従って、ある遺伝子は、その遺伝子によって生成されるmR
NAの転写および翻訳が細胞または他の生物系においてあるタンパク質を生成す
る場合、そのタンパク質をコードする。遺伝子またはcDNAの、コード鎖(こ
れは、mRNA配列と同一であり、そして配列表に通常提供されるヌクレオチド
配列)および非コード鎖(これは、転写のテンプレートとして使用される)の両
方は、その遺伝子またはcDNAのタンパク質または他の産物をコードするとし
て言及され得る。他に規定しなければ、「アミノ酸配列をコードするヌクレオチ
ド配列」は、互いに縮重型であり、そして同じアミノ酸配列をコードする全ての
ヌクレオチド配列を含む。タンパク質およびRNAを含むヌクレオチド配列は、
イントロンを含み得る。
【0025】 「組換えポリヌクレオチド」とは、天然には互いに結合しない配列を有するポ
リヌクレオチドをいう。増幅されまたは構築された組換えポリヌクレオチドは、
適切なベクターに含まれ得、そしてそのベクターを使用して、適切な宿主細胞を
形質転換する。その組換えポリヌクレオチドを含む宿主細胞を、「組換え宿主細
胞」という。次いで、その遺伝子は、その組換え宿主細胞において発現されて、
例えば、「組換えポリペプチド」を産生する。組換えポリヌクレオチドはまた、
非コード機能(例えば、プロモーター、複製起点、リボソーム結合部位など)を
発揮し得る。
【0026】 「発現制御配列」とは、それに作動可能に連結したヌクレオチド配列の発現(
転写および/または翻訳)を制御するポリヌクレオチドにおけるヌクレオチド配
列をいう。「作動可能に連結された」とは、1つの部分の活性(例えば、転写を
調節する能力)が他の部分に対する作用をもたらす(例えば、配列の転写)場合
、2つの部分の間の機能的関係をいう。発現制御配列は、例えばそして限定する
ことなく、プロモーター(例えば、誘導性または構成性)、エンハンサー、転写
ターミネータ−、開始コドン(すなわち、ATG)、「イントロンのアンチシグ
ナル」のスプライシング、および終止コドンの配列を含み得る。
【0027】 「発現ベクター」とは、組換えポリヌクレオチドを含むベクターであって、こ
のポリヌクレオチドは、発現されるヌクレオチド配列に作動可能に連結された発
現制御配列を含む。発現ベクターは、発現についての充分なシス作用性エレメン
トを含み;発現のための他のエレメントは、その宿主細胞またはインビトロ発現
系によって供給され得る。発現ベクターは、当該分野で公知であるものはすべて
含まれる(例えば、コスミド、プラスミド(例えば、裸またはリポソームに含ま
れる)、およびその組換えポリヌクレオチドを組み込んだウイルス)。
【0028】 「増幅」とは、ポリヌクレオチド配列がコピーされ、従って、大量のポリヌク
レオチド分子へと拡張される任意の手段(例えば、逆転写、ポリメラーゼ連鎖反
応およびリガーゼ連鎖反応による)をいう。
【0029】 「プライマー」とは、設計されたポリヌクレオチドテンプレートに対して特異
的にハイブリダイズし得、そして相補性ポリヌクレオチドの合成のための開始点
を提供し得るポリヌクレオチドをいう。このような合成は、そのポリヌクレオチ
ドプライマーが、合成が誘発される条件下(すなわち、ヌクレオチド、相補性ポ
リヌクレオチドテンプレート、およびDNAポリメラーゼのような重合化のため
の因子の存在下)におかれる場合に起こる。プライマーは、代表的に、一本鎖で
あるが、二本鎖でもあり得る。プライマーは、代表的に、デオキシリボ核酸であ
るが、広汎な種々の合成および天然に存在するプライマーが多くの適用について
有用である。プライマーは、それが合成開始の部位として作用するようにハイブ
リダイズするように設計されるテンプレートと相補的であるが、そのテンプレー
トの正確な配列を反映する必要はない。そのような場合、そのテンプレートに対
するそのプライマーの特異的なハイブリダイゼーションは、そのハイブリダイゼ
ーション条件のストリンジェンシーに依存する。プライマーは、例えば、色素原
性、放射性、または蛍光性の部分で標識され得、そして検出可能な部分として使
用され得る。
【0030】 「プローブ」とは、ポリヌクレオチドに関して使用される場合、別のポリヌク
レオチドの指定された配列に対して特異的にハイブリダイズし得るポリヌクレオ
チドをいう。プローブは、標的相補的ポリヌクレオチドに対して特異的にハイブ
リダイズするが、そのテンプレートの正確な相補的配列を反映する必要はない。
このような場合、その標的に対するそのプローブの特異的なハイブリダイゼーシ
ョンは、そのハイブリダイゼーション条件のストリンジェンシーに依存する。プ
ローブは、例えば、色素原性、放射性または蛍光性の部分を用いて標識され得、
そして検出可能な部分として使用され得る。
【0031】 第一の配列は、その配列がその第一の配列であるポリヌクレオチドがその配列
が第二の配列であるポリヌクレオチドと特異的にハイブリダイズする場合、その
第二の配列に対して「アンチセンス配列」である。
【0032】 「特異的にハイブリダイズする」、または「特異的なハイブリダイゼーション
」または「選択的にハイブリダイズする」とは、その配列が複雑な混合物(例え
ば、細胞全体)DNAまたはRNAに存在する場合、ストリンジェントな条件下
で特定のヌクレオチド配列との優先的な核酸分子の結合、二重鎖化、またはハイ
ブリダイゼーションをいう。
【0033】 用語「ストリンジェント条件」とは、プローブがその標的サブ配列に優先的に
ハイブリダイズし、そしてより少ない程度でまたは全く他の配列にはハイブリダ
イズしない条件をいう。「ストリンジェントなハイブリダイゼーション」および
「ストリンジェントハイブリダイゼーション洗浄条件」は、サザンおよびノーザ
ンハイブリダイゼーションのような核酸ハイブリダイゼーション実験の状況にお
いては、配列依存的であり、そして異なる環境パラメータの下で異なる。核酸の
ハイブリダイゼーションに対する広汎なガイドは、Tijssen(1993)
、Laboratory Techniques in Biochemist
ry and Molecular Biology −− Hybridiz
ation with Nucleic Acid Probes,第1部、第
2章、「Overview of principles of hybrid
ization and the strategy of nucleic
acid probe assays」Elsevier、New Yorkに
見い出される。一般的に、高度なストリンジェント条件および洗浄条件は、規定
されたイオン強度およびpHにおける特定の配列についての熱融解点(Tm)よ
り約5℃低く選択される。このTmは、(規定されたイオン強度およびpHにお
いて)標的配列の50%が完全に一致するプローブにハイブリダイズする温度で
ある。非常にストリンジェントな条件は、特定のプローブについてのTmと等価
であるように選択される。
【0034】 サザンまたはノーザンブロットにおいてフィルター上の100を超える相補的
残基を有する相補的核酸のハイブリダイゼーションについてのストリンジェンハ
イブリダイゼーション条件の例は、1mgのヘパリンを有する50%ホルマリン
、42℃であり、このハイブリダイゼーションは一晩行われる。高度にストリン
ジェントな洗浄条件の例は、0.15M NaCl、72℃で約15分間である
。ストリンジェントな洗浄条件の例は、0.2×SSC、65℃で15分間の洗
浄である(SSC緩衝液の記載についてはSambrookらを参照のこと)。
しばしば、高度にストリンジェントな洗浄の前に、バックグラウンドプローブシ
グナルを除去するために低ストリンジェント洗浄が行われる。例えば、100ヌ
クレオチドを超える二重鎖についての中程度にストリンジェントな洗浄条件の例
は、1×SSC,45℃で15分間である。例えば、100ヌクレオチドを超え
る二重鎖についての低ストリンジェント洗浄の例は、4〜6×SSC、40℃で
15分間である。一般的に、特定のハイブリダイゼーションアッセイにおいて関
連しないプローブについて観察されるよりも2倍(またはそれを超える)のシグ
ナル対ノイズ比は、特定のハイブリダイゼーションの検出を示す。
【0035】 「ポリペプチド」とは、アミノ酸残基、関連する天然に存在する構造改変体、
およびそれらのペプチド結合で連結された、合成の天然に存在しないアナログ、
関連する天然に存在する構造改変体、ならびにそれらの天然に存在しない合成ア
ナログからなるポリマーをいう。合成ポリペプチドは、例えば、自動化ポリペプ
チド合成機を用いて合成され得る。用語「タンパク質」とは、代表的に、大きな
ポリペプチドをいう。用語「ペプチド」とは、代表的に短いポリペプチドをいう
【0036】 従来の表記法を本明細書において使用して、ポリペプチド配列を描く:ポリペ
プチド配列の左側末端は、アミノ末端であり;ポリペプチド配列の右側末端は、
カルボキシル末端である。
【0037】 「アフィニティー因子(薬剤)」とは、分析物を吸着し得る任意の物質をいう
。これは、限定することなく、陰イオン交換物質、金属キレート剤、抗体、タン
パク質リガンド、およびポリヌクレオチドを含む。
【0038】 「リガンド」とは、標的分子に特異的に結合する化合物をいう。
【0039】 「レセプター]とは、リガンドに特異的に結合する化合物をいう。
【0040】 「抗体」とは、イムノグロブリン遺伝子によって実質的にコードされるポリペ
プチドリガンドもしくはイムノグロブリン遺伝子またはそのフラグメントであっ
て、エピトープ(例えば、抗原)に特異的に結合し、そして認識するものをいう
。認識されたイムノグロブリン遺伝子は、κおよびλ軽鎖定常領域遺伝子、α、
γ、δ、εおよびμ重鎖定常領域遺伝子、ならびに無数のイムノグロブリン可変
領域遺伝子を含む。抗体は、例えば、インタクトなイムノグロブリンとして、ま
たは種々のペプチダーゼを用いる消化によって産生された、多数の充分に特徴付
けられたフラグメントとして存在する。これは、例えば、Fab’およびF(a
b)’2フラグメントを含む。用語「抗体」はまた、本明細書において使用され
る場合、抗体全体の改変によって産生されるか、または組換えDNA方法論をも
ちいてデノボで合成されたものによるかのいずれかの抗体フラグメントを含む。
これはまた、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ抗体、およびヒ
ト化抗体を含む。抗体の「Fc」部分とは、1以上の重鎖定常領域ドメイン(C
1、CH2およびCH3)を含むが、重鎖可変領域は含まない、イムノグロブリ
ン重鎖のその部分をいう。
【0041】 リガンドまたはレセプター(例えば、抗体)は、異種化合物のサンプル中の分
析物の存在の決定因子である結合反応において、リガンドまたはレセプターが機
能する場合、その化合物分析物と、「特異的に結合」、または「特異的に免疫反
応」する。従って、所定のアッセイ(例えば、イムノアッセイ)条件下で、リガ
ンドまたはレセプターは、特定の分析物に優先的に結合するが、そのサンプル中
に存在する他の化合物とは有意な量で結合しない。例えば、あるポリヌクレオチ
ドは、相補的な配列を含む分析物ポリヌクレオチドと、ハイブリダイゼーション
条件下で特異的に結合し;ある抗体は、その抗体が惹起されるエピトープを有す
る抗原分析物に対してイムノアッセイ条件下で特異的に結合し;そして吸着体は
、適切な溶出条件で分析物に特異的に結合する。
【0042】 「イムノアッセイ」とは、サンプル中の分析物を検出する方法であって、この
方法は、そのサンプルをその分析物に特異的に結合する抗体とサンプルとを接触
する工程、およびその抗体とその分析物とのあいだの結合を検出する工程を包含
する。種々のイムノアッセイ形式が、特定のタンパク質と特異的に免疫反応性で
ある抗体を選択するために使用され得る。例えば、固相ELISAイムノアッセ
イが、慣用的に使用されて、タンパク質と特異的に免疫反応するモノクローナル
抗体が選択される。特定の免疫反応性を決定するために使用され得るイムノアッ
セイ形式および条件の説明については、HarlowおよびLane(1988
)Antibodies、A Laboratory Manual、Cold
Spring Harbor Publications、New York
を参照のこと。
【0043】 「検出」とは、サンプルにおける分析物の存在、非存在または量を決定するこ
とをいい、そしてサンプル中の、またはサンプル中の1細胞当たりの分析物の量
を定量することを含む。
【0044】 「検出可能な部分」または「標識」とは、分光学的、光化学的、生化学的、免
疫化学的または化学的な手段によって検出可能な成分をいう。有用な標識は、例
えば、32P、35S、蛍光色素、高電子密度試薬、酵素(例えば、ELISAにお
いて一般的に使用されるような)、ビオチン−ストレプトアビジン、ジオキシゲ
ニン、抗血清もしくはモノクローナル抗体が利用可能なハプテンおよびタンパク
質、または標的に対して相補的な配列を有する核酸分子を含む。検出可能な部分
は、しばしば、測定可能なシグナル(例えば、放射性、色素原性または蛍光性の
シグナル)を生成し、これを使用して、サンプル中で結合された検出可能な部分
の量を定量し得る。検出可能な部分は、共有結合的に、またはイオン結合、ファ
ンデルワールス結合または水素結合を介して、プライマーもしくはプローブ中に
取り込まれるかまたはプライマーもしくはプローブに付着され得る(例えば、放
射性ヌクレオチドの取り込み、またはストレプトアビジンによって認識されるビ
オチン化ヌクレオチド)。検出可能な部分は、直接または間接的に検出可能であ
り得る。間接的な検出は、その検出可能な部分に対する直接または間接的に可能
な第二の部分の結合を含み得る。例えば、その検出可能な部分は、結合パートナ
ーのリガンド(例えば、ビオチン(これは、ストレプトアビジンについての結合
パートナーである))または相補性配列(それに対してそのヌクレオチドが特異
的にハイブリダイズし得る)についての結合パートナーであるヌクレオチド配列
であり得る。その結合パートナーは、それ自身が直接検出可能であり得、例えば
、抗体はそれ自身が蛍光分子を用いて標識され得る。その結合パートナーはまた
、間接的に検出可能であり得、例えば、分岐DNA分子の一部であり得る相補的
なヌクレオチド配列を有する核酸であり得、この核酸は次いで、他の標識された
核酸分子とのハイブリダイゼーションを通して検出可能である。(例えば、PD
.FahrlanderおよびA.Klausner、Bio/Technol
ogy(1988)6:1165を参照のこと。シグナルの定量は、例えば、シ
ンチレーション計数、密度測定またはフローサイトメトリにより達成される。
【0045】 「リンカー」とは、共有結合的、またはイオン結合、ファンデルワールス結合
もしくは水素結合を介してのいずれかで、2つの他の分子を結合し(例えば、1
つの相補的配列に5’末端でハイブリダイズし、そして別の相補的配列に3’末
端でハイブリダイズする核酸分子)、従って、2つの非相補的な配列を結合する
分子をいう。
【0046】 「薬学的組成物」とは、哺乳動物における薬学的用途に適切な組成物をいう。
薬学的組成物は、薬理学的有効量の活性薬剤および薬学的に受容可能なキャリア
を含む。「薬理学的有効量」とは、意図される薬理学的結果をもたらすに有効な
薬剤の量をいう。「薬学的に受容可能なキャリア」とは、標準的な薬学的キャリ
ア、緩衝液および賦形剤のいずれかをいう(例えば、リン酸緩衝化生理食塩水、
5%デキストロース水溶液、ならびに乳濁剤(例えば、油/水または水/油の乳
濁液)ならびに種々の型の湿潤剤および/またはアジュバント)。適切な薬学的
キャリアおよび処方物は、Remington’s Pharmaceutic
al Sciences、第19版、(Mack Publishing Co
.Easton,1995)に記載される。好ましい薬学的キャリアは、意図さ
れる、活性薬剤の投与の態様に依存する。投与の代表的な態様は、経腸(例えば
、経口)または非経口(例えば、皮下、筋肉内、静脈内、または腹腔内の注射;
または局所、経皮、または経粘膜の投与)を含む。「薬学的に受容可能な塩」は
、例えば、金属塩(ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなど)お
よびアンモニア塩または有機アミン塩を含む薬学的用途のための化合物へと処方
され得る塩をいう。
【0047】 「低分子」とは、約5000Daまで、約2000Daまで、または約100
0Daまでの有機分子または無機分子をいう。この用語は、有機生体高分子(例
えば、タンパク質、核酸など)を除外する。
【0048】 診断または処置の「被験体」とは、ヒトまたは非ヒト哺乳動物である。
【0049】 「処置」とは、予防的処置または治療的処置をいう。
【0050】 「予防的」処置とは、疾患の徴候を示さないか、または初期の徴候のみを示す
被験体に、病因が発生する危険を減少させる目的で、投与される処置をいう。
【0051】 「治療的」処置とは、病因の徴候を示す被験体に、その徴候を減少または除去
する目的で、投与される処置をいう。
【0052】 「診断」とは、病因の状態の存在または性質を同定することを意味する。診断
方法は、その特異性および選択性において異なる。特定の診断方法は、状態の確
定した診断を提供しないかもしれないが、その方法が、診断において補助する積
極的な指標を提供すれば十分である。
【0053】 「予後(的)」とは、病因の状態の潜在的発生(例えば、重篤度)を予知する
ことを意味する。
【0054】 「試験量」とは、被験体サンプルにおける分析物の量をいい、この量は、次い
で、サンプル(例えば健常個体からの)におけるその分析物の正常量と比較され
て、その結果、その値の相対的な比較が、所定の疾患の診断について参考となる
値を提供する。検出方法に依存して、その試験量は、その分析物の量の決定であ
り得るが、それは必ずしも量ではない。試験量はまた、相対値(例えば、+また
は−の値)であり得、そしてまた、サンプル中の分析物の存在または非存在を示
す量を含む。
【0055】 「正常量」とは、健常または病因の非存在を示す、生物学的サンプル中の分析
物の量または範囲をいう。
【0056】 「診断量」とは、所定の疾患について特定の診断に一貫する、被験体サンプル
中の分析物の量または範囲をいう。
【0057】 「予後量」とは、所定の疾患について特定の予後に一貫する、被験体サンプル
中の分析物の量をいう。
【0058】 「複数」とは、少なくとも2を意味する。
【0059】 「移植片」とは、移植のための、遊離の(付着していない)細胞、組織または
器官のいずれかをいう。
【0060】 「異種移植片」とは、異なる種の動物に由来する、移植された細胞、組織また
は器官をいう。
【0061】 (II.子宮内膜症のマーカーとしてのプロサイモシンのアップレギュレーシ
ョン) 本発明者らは、プロサイモシンが子宮内膜症のマウスモデルで培養されたヒト
子宮内膜組織でアップレギュレートされることを発見した。この発見は、プロサ
イモシン発現における増加を検出することにより子宮内膜症を診断する方法、お
よびプロサイモシン活性をダウンレギュレートすることによる子宮内膜症を処置
する方法を可能にする。本発明者らがこの発見をした実験を、実施例中に詳細に
記載する。しかし、本発明者らは、これらの実験をここで要約する。
【0062】 重篤複合免疫不全(SCID)マウスを、正常ヒト子宮内膜組織の宿主として
用いた。このマウスは、これらの異種移植を拒絶しない。成長において、この組
織は、子宮内膜症における組織損傷を模倣する。この方法は、1998年3月2
5日に出願された(J.Boydら)、同時係属中の米国特許出願第09/04
7,910号により詳細に記載されている。
【0063】 本発明者らは、異種移植組織からのcDNAをテスター、そして正常ヒト子宮
内膜cDNAおよび正常マウスcDNAをドライバーとして用い、サブトラクト
ライブラリーを調製した。本発明者らは、サブトラクトプローブを用いて子宮内
膜癌腫ライブラリーをスクリーニングした。このスクリーニングから、本発明者
らは、「REPRO−EN−203」と呼ばれるクローンを同定した。その配列
に基づき、本発明者らは、REPRO−EN−203がプロサイモシンをコード
したと決定した。
【0064】 プロサイモシンは、高度に酸性の、サイモシンの前駆体タンパク質である。プ
ロサイモシンは、正常細胞増殖に関与する核タンパク質であり、そしてナチュラ
ルキラー細胞およびT細胞を含む種々の細胞型に対して免疫調節効果をもつ。プ
ロサイモシンは、IL−2レセプターおよびIL−1レセプターの発現を増大す
ることによりNKおよびリンホカイン活性化キラー細胞を刺激する。さらに、プ
ロサイモシンは、IL−2活性化リンパ球の、インテグリン接着分子のリンパ球
機能関連抗原−1(LFA−1)を経由する内皮細胞への接着に対するアクセサ
リーシグナルとして作用する。LFA−1に対するリガンドICAM−1が、正
常被験体からの子宮内膜間質細胞中で高レベルで発現されるが、子宮内膜症患者
では脱落し、これは異所性の子宮内膜組織の低下した免疫検出を生じ得ることに
注目することは興味深い。
【0065】 「プロサイモシン」は、細胞増殖を刺激し、しかも本明細書に提示されるアミ
ノ酸配列に実質的に同一であるアミノ酸配列をもつタンパク質をいう。これには
プロサイモシンの対立遺伝子改変体が含まれる。プロサイモシンポリペプチドの
質量は約12kDである。プロサイモシンmRNAのサイズは約1.2kbであ
る。クローンREPRO−EN−203のヌクレオチド配列(配列番号1)およ
び推定されるアミノ酸配列(配列番号2)を表1に提示する。本発明者らはまた
、REPRO−EN−203の配列を、GenBankからのプロサイモシンの
配列と比較した。これらの配列は、コード領域で同一で、そして非コード領域で
実質的に同一であった。
【0066】
【表1】
【0067】 (III.子宮内膜症の経過を診断、予後判定またはモニターする方法) A.はじめに プロサイモシン発現は、子宮内膜症における異所性子宮内膜組織でアップレギ
ュレートされる。本発明は、子宮内膜症の経過を診断、予後判定またはモニター
する方法を提供する。診断方法は、患者からの生物学的サンプルにおけるか、ま
たは患者においてインサイチュで、プロサイモシン遺伝子産物(例えば、mRN
A、cDNAまたはポリペプチド(分解から得られ得るそれらのフラグメントを
含む))の試験量を測定することによりプロサイモシンのアップレギュレーショ
ンを検出する工程、およびこの量を、プロサイモシン遺伝子産物の正常量または
範囲と比較する工程を含む。この診断量が、コントロール量より高い場合、これ
は、子宮内膜症の診断における陽性の徴候である。
【0068】 子宮内膜を予後判定する方法はまた、患者からの生物学的サンプル中のプロサ
イモシン遺伝子産物の量を測定する工程を包含する。この方法は、この量を予後
判定量と比較する工程をさらに含む。サンプル中の種々の量の遺伝子産物は、子
宮内膜症の特定の予後判定と一致する。特定の予後判定レベルにおけるプロサイ
モシンmRNAまたはポリペプチドの量の検出は、被験体の予後判定を提供する
【0069】 子宮内膜症の進行をモニターする方法は、第1の時間および第2の時間で被験
体中のプロサイモシン遺伝子産物の量を検出する工程、およびこれらの量を比較
する工程を含む。量における変化は、疾患の経過における変化を示し、減少する
量は子宮内膜症の軽減を、そして増加は子宮内膜症の進行を示す。このようなア
ッセイは、子宮内膜症について処置されている患者における特定の治療介入の効
力を評価するために有用である。
【0070】 B.サンプル収集 診断または予後判定する方法の第1の工程は、試験されるべき生物学的サンプ
ルを提供することである。子宮内膜症におけるプロサイモシンの増加した発現は
、種々の組織および液体の生物学的サンプルにおいて検出され得る。これらは、
例えば、(遺伝子産物を発現する)異所性子宮内膜組織および正常位置の(eu
topic)子宮内膜組織、(子宮内膜細胞およびその内容物を含み得る)腹膜
液、膣分泌物、尿または血液を含む。従って、サンプルは、細胞(全細胞、細胞
画分、細胞抽出物)、組織、ならびに(微細針生検サンプルおよび体液のような
)組織サンプルを含む。生物学的サンプルはまた、組織学的目的のために採取さ
れた凍結切片のような組織の切片を含み得る。
【0071】 患者から得られた「生物学的サンプル」は、「生物学的サンプル」または「患
者サンプル」のいずれかとして称され得る。「患者サンプル」の分析は、患者か
ら細胞または組織を取り出す必要はかならずしもないことが認識される。例えば
、適切に標識されたプロサイモシン因子(例えば、抗体または核酸)が、標準的
な画影化技術(例えば、CAT、NMRなど)を用いて患者中に投与され、そし
て(標的に結合したときに)可視化され得る。
【0072】 サンプルは、所望であれば、必要に応じて、適切な緩衝液溶液における希釈に
より前処理され得るかまたは濃縮され得る。生理学的pHにおいて、リン酸塩、
Tris緩衝液などのような種々の緩衝液の1つを採用する、任意の数の標準的
な水性緩衝液溶液が用いられ得る。
【0073】 蛍光細胞分析分離装置(「FACS」)または相当する手段または方法を用い
るアッセイ形式は、(正常および悪性細胞の両者を含む生検サンプルのような)
不均一サンプル中のプロサイモシン遺伝子産物を測定する場合に利点を有する。
【0074】 C.正常、診断、および予後判断の値 本発明のアッセイでは、プロサイモシン遺伝子産物が検出され、そして必要に
応じて定量されて「試験量」を得る。次いで、この試験量を、サンプル中のプロ
サイモシンの正常量と比較する。正常量を超える量は、子宮内膜症の診断におけ
る陽性の徴候である。検出および定量の詳細な方法を以下に記載する。
【0075】 プロサイモシン発現の正常またはベースラインレベルもしくは範囲は、任意の
特定のサンプル型、患者または集団について測定され得る。一般に、プロサイモ
シンタンパク質またはmRNAのベースライン(正常)レベルは、正常(健常)
被験体、例えばヒト被験体からの生物学的サンプル型中のプロサイモシンタンパ
ク質および/またはmRNAの量を定量することにより測定される。プロサイモ
シン遺伝子産物の量は、サンプルが細胞を含まない場合、サンプル容量を基礎に
して測定または表現され得る。好ましくは、それは、細胞あたりを基礎に測定ま
たは表現される。サンプルの細胞充実性を測定するためには、サンプルが採取さ
れた型の細胞において構成的に発現される遺伝子産物または既知レベルで発現さ
れるその他の遺伝子産物のレベルを測定し得る。あるいは、プロサイモシンタン
パク質またはプロサイモシンmRNAの正常値は、健常であることが知られた細
胞または組織中のプロサイモシンタンパク質/RNAの量を定量することにより
測定され得、それらは、疾患(または疾患である可能性のある)細胞が採集され
る同一の患者、または健常個体から得られる。
【0076】 アッセイ方法は、プロサイモシンの絶対値の測定を必ずしも必要としないこと
が認識される。なぜなら、相対値が本発明の方法の多くの適用に十分であるから
である。
【0077】 当業者は、プロサイモシン遺伝子産物の量および豊富さに加えて、改変体また
は異常発現パターンあるいは改変体または異常発現産物(例えば、変異転写物、
短縮または非センスポリペプチド)がまた、正常発現レベルおよび正常発現産物
に対する比較により同定され得る。
【0078】 D.プロサイモシン遺伝子産物のアッセイ 本発明の診断および予後判断アッセイは、患者サンプルからのプロサイモシン
遺伝子産物を検出および定量する工程を含む。プロサイモシン遺伝子産物は、プ
ロサイモシンmRNAまたはプロサイモシンタンパク質を含む。このセクション
は、これらの産物を検出および定量する種々の方法を記載する。
【0079】 1.ポリヌクレオチドアッセイ 1つの実施態様では、本発明は、シグナル増幅を伴うかまたは伴わない増幅を
基礎にしたアッセイ、ハイブリダイゼーションを基礎にしたアッセイ、および組
み合わせ増幅−ハイブリダイゼーションアッセイを用いる、プロサイモシンmR
NAまたはcDNAの発現を検出および/または定量する方法を提供する。
【0080】 a.ポリヌクレオチドの調製 ポリヌクレオチドアッセイを、生物学的サンプルから単離された核酸のサンプ
ルを用いて実施する。ポリヌクレオチド(例えば、ゲノムDNA、RNAまたは
cDNA)は、当業者に周知の多くの任意の方法に従ってサンプルから単離され
得る。核酸を単離する方法は、当業者に周知であり、そして例えば、Tijss
en,P編のLABORATORY TECHNIQUES IN BIOCH
EMISTRY AND MOLECULAR BIOLOGY:HYBRID
IZATION WITH NUCLEIC ACID PROBES、第I部
、THEORY AND NUCLEIC ACID PREPARATION
、Elsevier、N.Y.(1993)第3章;Sambrookら、MO
LECULAR CLONING、A LABORATORY MANUAL、
第2版、Cold Spring Harbor Laboratory、Co
ld Spring Harbor、NY(1989)およびCURRENT
PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY、F.M.A
usubelら編、(Current Protocols、Greene P
ublishing Associates,Inc.およびJohn Wil
ey&Sons,Inc.のジョイントベンチャー)に記載されている。
【0081】 別の実施態様では、増幅、ハイブリダイゼーションまたはその他のアッセイを
実施する前に、生物学的サンプルから核酸(例えば、総またはポリA+RNA)
を単離することは必ずしも必要ではない。RNAが測定されるべきである場合、
これらの実施態様は特定の利点を有する。なぜなら、それらは、単離および取り
扱いの間のmRNAの損失の可能性を低減するからである。例えば、上で規定さ
れたPCRおよびRT−PCRのような多くの増幅技術は、透過処理細胞(組織
学的標本およびFACS分析)、全溶解細胞、または特定の細胞抽出物のような
粗細胞画分を用いて実施され得る。好ましくは、標的核酸(例えば、mRNA)
の完全性を保存するための工程が必要であれば採用される(例えば、RNase
インヒビターの添加)取られる。増幅およびハイブリダイゼーションアッセイは
また、例えば、生検サンプルからまたは細胞単層(例えば、血液細胞または凝集
を解離させた組織培養細胞)からの薄い組織切片においてインサイチュで実施さ
れ得る。増幅はまた、インタクトの全細胞または固定細胞中で実施され得る。例
えば、PCR、RT−PCR、またはLCR増幅方法は、当該分野で周知のよう
に、例えば、固定され、透過処理され、またはマイクロインジェクトされた細胞
上で、ポリメラーゼまたはリガーゼ、単数または複数のプライマー、および(デ
オキシ)リボヌクレオシド3リン酸(ポリメラーゼが利用される場合)、および
逆転写酵素およびプライマー(RNAが転写され、そしてcDNAが検出される
場合)を用いてインサイチュで実施され、標的プロサイモシンRNAを増幅し得
る。この方法は、蛍光標識されたdNTP、プライマー、またはその他の成分が
、顕微鏡観察、FACS分析または相当物と組み合わせて用いられる場合にしば
しば有用である。
【0082】 b.増幅を基礎にしたアッセイ 1つの実施態様では、本発明のアッセイは、プロサイモシン遺伝子産物(例え
ば、mRNAまたはcDNA;以後「標的」とも称される)の検出のための増幅
を基礎にしたアッセイである。増幅を基礎にしたアッセイでは、ポリヌクレオチ
ド標的のすべてまたは一部分が増幅され、次いで増幅産物が直接的または間接的
に検出される。これは、プローブとのハイブリダイゼーションにより、ゲル上で
適切なサイズの産物を検出することによるかまたは質量分析法により、例えば増
幅産物の少なくとも一部分の配列を決定することにより増幅産物を検出すること
を含む。鋳型として作用する基礎の遺伝子産物が存在しない場合、(例えば、予
想されたサイズの)増幅産物が産生されないか、または増幅は非特異的でありそ
して代表的にはシグナル増幅産物は存在しない。対照的に、基礎となる遺伝子ま
たは遺伝子産物が存在する場合、標的配列が増幅され、基礎となる遺伝子または
mRNAの存在および/または量の表示を提供する。標的増幅を基礎にしたアッ
セイは当業者に周知である。
【0083】 プロサイモシン遺伝子産物を検出するためのプライマーおよびプローブは、プ
ロサイモシン配列を参照することによって当業者により設計および産生され得る
。適切なプライマーおよびプローブは、標的核酸にハイブリダイズするに十分プ
ロサイモシン遺伝子産物に相補的である。通常、プライマーは約10〜約100
塩基の間、代表的には、約12〜約50塩基の間であり、そしてプロサイモシン
遺伝子産物のすべて、または任意の部分を増幅し得る。単一のオリゴマー(例え
ば、米国特許第5,545,522号)、ネストされたオリゴマーのセット、ま
たはオリゴマーの縮重プールでさえ、増幅に利用され得る。プロサイモシンmR
NAまたはcDNA配列を検出するための2つの適切なプライマーは:5’プラ
イマー:5’−ctgacaatgaggtagacgaag−3’(配列番号
3);3’プライマー:5’−agtaaagtcagaagtaggac−3
’(配列番号4)である。
【0084】 1つの実施態様では、プロサイモシン遺伝子産物は、ポリメラーゼ連鎖反応(
すべての改変法、例えば、逆転写酵素PCR;the Sunrise Amp
lification System(Oncor,Inc,Gaithers
burg MD);および当該分野で公知の多くのその他を含む)を用いて増幅
および検出される。1つの例示の実施態様では、PCR増幅は、核酸サンプル(
例えば、mRNAの逆転写により得られたcDNA)、100μMの各dNTP
(dATP、dCTP、dGTPおよびdTTP;Pharmacia LKB
Biotechnology,NJ)、mRNA特異的PCRプライマー、1
単位/Taqポリメラーゼ(Perkin Elmer,Norwalk CT
)、1×PCR緩衝液(50mM KCl、10mM Tris,室温でpH8
.3、1.5mM MgCl2 0.01%ゼラチン)を含む50μl溶液中、
94℃45秒間、55℃45秒間および72℃90秒間で約30サイクルの増幅
操作で実施される。
【0085】 しかし、認識されるように、多くの改変がなされて、任意の特定の反応につい
てPCR増幅を最適化し得る。その他の適切な標的増幅方法は、リガーゼ連鎖反
応(LCR;例えば、WuおよびWallace、1989、Genomics
4:560;Landegrenら、1988、Science、241:1
077、Barany、1991、Proc.Natl.Acad.Sci.U
SA 88:189およびBarringerら、1990、Gene、89:
117);鎖置換増幅(strand displacement ampli
fication)(SDA;例えば、Walkerら、1992、Proc.
Natl.Acad.Sci.U.S.A.89:392−396);転写増幅
(例えば、Kwohら、1989、Proc.Natl.Acad.Sci.U
SA、86:1173);自己持続配列複製(self−sustained
sequence replication)(3SR;例えば、Fahyら、
1992、PCR Methods Appl.1:125、Guatelli
ら、1990、Proc.Nal’l.Acad.Sci.USA、87:18
74);核酸配列を基礎にした増幅(NASBA、Cangene、Missi
ssauga、Ontario;例えば、Compton、1991、Natu
re 350:91);転写を基礎にした増幅系(TAS);および自己持続配
列複製系(self−sustained sequence replica
tion system)(SSR)を含む。
【0086】 PCRの1つの有用な改変法は、PCR ELISA(例えば、Boehri
nger Mannheimカタログ番号1636111)であり、そこでは、
ジゴキシゲニンdUTPが、PCR産物中に取り込まれる。PCR反応混合物を
変性し、そしてPCR産物の内部配列にアニールするように設計されたビオチン
標識オリゴヌクレオチドとハイブリダイズする。ハイブリダイゼーション産物を
、ストレプトアビジンでコートしたプレート上に固定化し、そして抗ジコキシゲ
ニン抗体を用いて検出する。当業者がインビトロ増幅方法を実施するに十分な技
術の例は、PCR TECHNOLOGY:PRINCIPLES AND A
PPLICATIONS FOR DNA AMPLIFICATION、H.
Erlich編、Freeman Press、New York、NY(19
92);PCR PROTOCOLS:A GUIDE TO METHODS
AND APPLICATIONS、編集、Innis、Gelfand、S
nisky、およびWhite、Academic Press、San Di
ego、CA(1990);Mattilaら、1991、Nucleic A
cids Res.19:4967;EckertおよびKunkel,(19
91)PCR METHODS AND APPLICATIONS 1:17
;PCR、編集、McPherson、Quirkes、およびTaylor、
IRL Press、Oxford;米国特許第4,683,195号、第4,
683,202号および第4,965,188号;Barringerら、19
90、Gene、89:117;Lomellら、1989、J.Clin.C
hem.、35:1826に見出される。
【0087】 増幅産物は、例えば、ゲル電気泳動によって測定したときのサイズにより;ビ
ーズ、メンブレン、スライド、またはチップのような固体支持体上に固定化され
た標的核酸へのハイブリダイゼーションにより;配列決定により;免疫学的に、
例えば、PCR−ELISAによって、蛍光、燐光、または放射活性シグナルの
検出により;または任意の種々のその他の周知の手段により直接分析され得る。
例えば、検出方法の例示の例は、プライマーが折り畳みを解かれそれらの標的に
結合しそして複製が起こる場合にのみ蛍光が発せられるようにフルオレセインお
よびクエンチング剤として作用する安息香酸誘導体に連結されたヘアピンループ
を有する増強されたPCRプライマーを用いる。
【0088】 さらに、標的配列の増幅により生成されたシグナルを増大することが知られる
方法が用いられ得る。増幅された標的を検出する能力を増大する方法は、分岐D
NAシグナル増幅(例えば、米国特許第5,124,246号:Urdea、1
994、Bio/Tech.12:926);チラミド(tyramide)シ
グナル増幅(TSA)系(DuPont);触媒シグナル増幅(CSA;Dak
o);Qβレプリカーゼ系(Tyagiら、1996、Proc.Nat.Ac
ad.Sci.USA、93:5395);などのようなシグナル増幅系を含む
【0089】 当業者は、どのような増幅方法が用いられようと、定量が所望される場合、当
該分野で公知の種々の定量方法が用いられ得ることを認識する。定量的PCRの
詳細なプロトコールは、PCR PROTOCOLS、A GUIDE TO
METHODS AND APPLICATIONS、Innisら、Acad
emic Press,Inc.N.Y.、(1990)およびAusubel
ら、前述(ユニット15)およびDiaco,R.(1995) Practi
cal Considerations for the Design of
Quantitative PCR Assays,in PCR STRA
TEGIES、84−108頁、Innisら編、Academic Pres
s、New York;および米国特許第5,629,154号に見出され得る
【0090】 c.ハイブリダイゼーションを基礎にしたアッセイ 核酸ハイブリダイゼーション技術を用いる特異的DNAおよびRNA測定のた
めの種々の方法が当業者に公知である(Sambrookら、前述、を参照のこ
と)。ハイブリダイゼーションを基礎にしたアッセイとは、プローブ核酸が標的
核酸にハイブリダイズするアッセイをいう。核酸ハイブリダイゼーションにおけ
る使用のための核酸プローブ配列を選択する方法は、Sambrookら、前述
、で論議されており、そしてプロサイモシン遺伝子配列を基礎にする。いくつか
の形式では、標的およびプローブの少なくとも1つが固定化される。固定化され
る核酸は、DNA、RNA、または別のオリゴまたはポリヌクレオチドであり得
、そして天然に存在するかまたは天然に存在しないヌクレオチド、ヌクレオチド
アナログ、または骨格を含み得る。このようなアッセイは、サザン、ノーザン、
ドットおよびスロットブロット、高密度ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオ
チドアレイ(例えば、GeneChipsTM Affymetrix)、ディッ
プスティック、ピン、チップ、またはビーズを含む種々の形式の任意であり得る
。これらの技術のすべては、当該分野で周知であり、そして多くの市販の診断キ
ットの基礎である。ハイブリダイゼーション技術は、一般に、Hamesら、編
、NUCLEIC ACID HYBRIDIZATION、A PRACTI
CAL APPROACH IRL Press、(1985);Gallおよ
びPardue Proc.Natl.Acad.Sci.、U.S.A.、6
3:378−383(1969);およびJohnら、Nature、223:
582−587(1969)に記載されている。
【0091】 1つの共通の形式は直接ハイブリダイゼーションであり、そこでは、標的核酸
は、標識された相補的プローブにハイブリダイズする。代表的には、標識核酸は
、検出可能なシグナルを提供する標識とのハイブリダイゼーションに用いられる
。プロサイモシンmRNAの存在、非存在、または量を評価する1つの方法は、
サンプルからRNAのノーザントランスファーおよび標識されたプロサイモシン
特異的核酸プローブのハイブリダイゼーションを実施することである。その他の
共通のハイブリダイゼーション形式は、サンドイッチアッセイおよび競合または
置換アッセイを含む。サンドイッチアッセイは、核酸配列を検出または単離する
ための市販の有用なハイブリダイゼーションアッセイである。このようなアッセ
イは、固体支持体に共有結合により固定化された「捕獲」核酸および溶液中の標
識された「シグナル」核酸を利用する。生物学的または臨床サンプルは、標的核
酸を提供する。この「捕獲」核酸および「シグナル」核酸プローブは、標的核酸
とハイブリダイズして「サンドイッチ」ハイブリダイゼーション複合体を形成す
る。効果的であるためには、このシグナル核酸は、捕獲核酸とハイブリダイズす
るはずがない。
【0092】 本発明はまた、固定化オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドのアレイを
利用するプロサイモシン遺伝子産物のためのプローブを基礎にしたハイブリダイ
ゼーションアッセイを提供し、固定化オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチ
ドのアレイに(すなわち、固定化オリゴ−またはポリヌクレオチドの、通常すべ
てではなくまたは大部分でさえない、いくつかに)プロサイモシン核酸がハイブ
リダイズし得る。高密度オリゴヌクレオチドアレイまたはポリヌクレオチドアレ
イは、標的核酸(例えば、プロサイモシン遺伝子、mRNA、またはcDNA)
の存在および特徴(例えば、配列)を効率的に検出する手段を提供する。インサ
イチュの合成のためのフォトリソグラフィー技術を用いる表面上の規定された位
置で、規定された配列に相補的な数千のオリゴヌクレオチドを含むアレイを生成
するための技術(例えば、米国特許第5,578,832号;第5,556,7
52号;および第5,510,270号;Fodorら、1991、Scien
ce 251:767;Peaseら、1994、Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA 91:5022;およびLockhartら、1996、
Nature Biotech 14:1657)または規定されたオリゴヌク
レオチドの迅速な合成および配置のためのその他の方法(Blanchardら
、1996、Biosensors&Bioelectronics 11:6
87)は公知である。これらの方法を用いる場合、既知配列のオリゴヌクレオチ
ド(例えば20マー)は、誘導体化ガラススライドのような表面上で直接合成さ
れる。通常、生成されるアレイは余分であり、検出されるべきプロサイモシンポ
リヌクレオチドに特異的なチップ上にいくつかのオリゴヌクレオチドプローブを
もつ。
【0093】 プロサイモシンタンパク質をコードする遺伝子の発現を検出するための代替手
段は、インサイチュハイブリダイゼーションである。インサイチュハイブリダイ
ゼーションアッセイは周知であり、そして一般にAngererら、METHO
DS ENZYMOL.、152:649−660(1987)およびAusu
belら、前述、に記載されている。インサイチュハイブリダイゼーションアッ
セイでは、細胞または組織標本は、固体支持体に、代表的には、透過処理された
状態で、代表的にはガラススライド上に固定化される。次いで、細胞を、穏和な
温度でハイブリダイゼーション溶液と接触させ、プロサイモシンmRNAに完全
にまたは実質的に相補的な標識核酸プローブ(例えば、35S標識リボプローブ、
蛍光標識プローブ)のアニーリングを可能にする。遊離のプローブは、洗浄およ
び/またはヌクレアーゼ消化により除去され、そして結合プローブは、当該分野
で公知のように、オートラジオグラフィーまたは適切な画像化技術によりスライ
ド上で直接見えるようにされる。
【0094】 2.プロサイモシンポリペプチドアッセイ a.一般 本発明は、プロサイモシンポリペプチドを検出および定量する方法および試薬
を提供する。これらの方法は、電気泳動、質量分析法、クロマトグラフィー法な
どのような分析生化学的方法、またはラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素連
結免疫吸着アッセイ(ELISA)、免疫蛍光アッセイ、ウェスタンブロッティ
ング、アフィニティー捕獲質量分析法、生物学的活性および以下に記載のその他
のような種々の免疫学的方法を含み、そして本開示を読めば当業者に明らかであ
る。
【0095】 (b.イムノアッセイ) 本発明はまた、1つ以上の抗プロサイモシン抗体試薬を使用するプロサイモシ
ンポリペプチドの検出方法を提供する(すなわち、イムノアッセイ)。本明細書
中で使用されるように、イムノアッセイはプロサイモシンポリペプチドまたはエ
ピトープに特異的に結合する抗体(本明細書中で広範に定義され、そして詳細に
はフラグメント、キメラおよび他の結合因子を包含する)を利用するアッセイで
ある。
【0096】 本発明の実施に適切な多数の非常に良く確立された免疫学的結合アッセイ形式
が公知である(例えば、米国特許第4,366,241号;同第4,376,1
10号;同第4,517,288号;および同第4,837,168号を参照の
こと)。例えば、METHODS IN CELL BIOLOGY VOLU
ME 37:ANTOBODIES IN CELL BIOLOGY,Asa
i編、Acadmic Press,Inc.New York(1993);
BASIC AND CLINICAL IMMUNOLOGY 第7版,St
itesおよびTerr編(1991);HarlowおよびLane,前述[
例えば、14章]、およびAusubelら、前述[例えば、11章]を参照の
こと。代表的には、免疫学的結合アッセイ(すなわち、イムノアッセイ)は、分
析物に特異的に結合し、そしてしばしば、分析物を固体相に固定化するための「
捕獲因子」を利用する。1つの実施態様において、捕獲因子はプロサイモシンポ
リペプチドまたはサブ配列に特異的に結合する部分(例えば、抗プロサイモシン
抗体)である。
【0097】 通常、アッセイされるプロサイモシン遺伝子産物は、検出標識を使用して、直
接的または間接的に検出される。このアッセイにおいて使用される特定の標識ま
たは検出基は、それがこのアッセイに使用される抗体の特異的結合を有意に妨げ
ない限りは、通常は本発明の重要な局面ではない。この標識は捕獲因子(例えば
、抗プロサイモシン抗体)に共有結合され得るか、またはプロサイモシンポリペ
プチドへと特異的に結合する第3の部分(例えば、別の抗体)へと結合され得る
【0098】 本発明は、プロサイモシンポリペプチドを検出するための競合的または非競合
的イムノアッセイのための方法および試薬を提供する。非競合的イムノアッセイ
は、捕獲される分析物(この場合はプロサイモシン)の量が直接的に測定される
アッセイである。このようなアッセイの1つは、プロサイモシンタンパク質上の
2つの非干渉的なエピトープに反応性であるモノクローナル抗体を利用する2部
分のモノクローナルベースのイムノアッセイである。例えば、背景の情報につい
ては、Maddoxら、1983,J.Exp.Med.,158:1211を
参照のこと。1つの好ましい「サンドイッチ」アッセイにおいて、捕獲因子(例
えば、抗プロサイモシン抗体)は、固定化される固体基板に直接的に結合される
。次いで、これらの固定化抗体は試験サンプル中に存在する任意のプロサイモシ
ンタンパク質を捕獲する。次いで、それによって固定化されたプロサイモシンが
標識され得る(すなわち、標識を保有する第2の抗プロサイモシン抗体へと結合
することによる)。あるいは、第2の抗プロサイモシン抗体は標識を欠損し得る
が、第2の抗体が由来する種の抗体に特異的な、標識された第3の抗体により結
合され得る。あるいは、第2の抗体は、第3の標識された分子(例えば、酵素標
識されたストレプトアビジン)が特異的に結合し得る検出部分(例えば、ビオチ
ン)を用いて、修飾され得る。
【0099】 競合アッセイにおいて、サンプル中に存在するプロサイモシンタンパク質の量
は、サンプル中に存在するプロサイモシンタンパク質によって、捕獲因子(例え
ば、抗プロサイモシン抗体)から置換された(すなわち、競合された)、添加さ
れた(外来性の)プロサイモシンの量を測定することによって間接的に測定され
る。
【0100】 ハプテン阻害アッセイは、競合アッセイの別の例である。このアッセイにおい
て、プロサイモシンタンパク質は固体基板上に固定化される。既知量の抗プロサ
イモシン抗体がサンプルへと添加され、次いでこのサンプルは固定化されたプロ
サイモシンタンパク質と接触される。この場合、固定化されたプロサイモシンタ
ンパク質に結合した抗プロサイモシン抗体の量は、サンプル中に存在するプロサ
イモシンタンパク質の量に反比例する。固定化された抗体の量は、抗体の固定化
された割合または溶液中に残存する抗体の割合のいずれかを検出することによっ
て検出され得る。この局面において、検出は、抗体が標識されている場合は直接
的であり得、または標識が上記のような抗体に特異的に結合する分子へと結合さ
れている場合には間接的であり得る。
【0101】 (c.他の抗体ベースのアッセイ形式) 本発明はまた、イムノブロット(ウエスタンブロット)形式の使用による、サ
ンプル中に存在するプロサイモシンポリペプチドの存在を検出および定量するた
めの試薬ならびに方法を提供する。別のイムノアッセイは、いわゆる「側流クロ
マトグラフィー(lateral flow chromatography)
」である。側流クロマトグラフィーの非競合的バージョンにおいて、サンプルは
、例えば毛管現象によって、基板を横切って移動し、そして分析物に結合して結
合体を形成する移動可能な標識された抗体と遭遇する。次いで、この結合体は基
板を横切って移動し、そして分析物と結合する固定化された二次抗体に遭遇する
。従って、固定化された分析物は、標識された抗体を検出することによって検出
される。側流クロマトグラフィーの競合的バージョンにおいて、標識されたバー
ジョンの分析物はキャリアを横切って移動し、そして固定化された抗体との結合
について標識されていない分析物と競合する。サンプル中の分析物の量がより多
い場合、標識された分析物による結合はより少なくなり、それゆえ、シグナルが
より弱くなる。例えば、Mayら、米国特許第5,622,871号およびRo
senstein、米国特許第5,591,645号を参照のこと。
【0102】 (d.固体相:基板、固体支持体、メンブラン、フィルター) 前記のように、アッセイに依存して、抗原、標的抗体または抗プロサイモシン
抗体を含む種々の成分は固体表面または支持体(すなわち、基板、メンブランま
たはろ紙)へと結合され得る。生体分子を種々の固体表面へと固定化するための
多数の方法が当該分野において公知である。例えば、固体表面はメンブラン(例
えば、ニトロセルロース)、マイクロタイターディッシュ(例えば、PVC、ポ
リプロピレンまたはポリスチレン)、試験管(ガラスまたはプラスチック)、デ
ィップスティック(例えば、ガラス、PVC、ポリプロピレン、ポリスチレン、
ラテックスなど)、微量遠心管またはガラスもしくはプラスチックビーズであり
得る。所望される成分は、非特異的な結合を介して共有的に結合され得るかまた
は非共有的に結合され得る。
【0103】 広範な種々の有機および無機ポリマー(天然および合成の両方)が、固体表面
のための物質として使用され得る。例示的なポリマーには、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリ(4−メチルブテン)、ポリスチレン、ポリメタクリレート、
ポリ(エチレンテレフタレート)、レーヨン、ナイロン、ポリ(ビニルブチレー
ト)、ポリビニリデンジフルオリド(PVDF)、シリコーン、ポリホルムアル
デヒド、セルロース、酢酸セルロース、ニトロセルロースなどが挙げられる。使
用され得る他の物質には、紙、ガラス、セラミック、金属、メタロイド、半導体
性物質、セメントなどが挙げられる。さらに、タンパク質(例えば、ゼラチン)
、リポポリサッカリド、ケイ酸塩、アガロースおよびポリアクリルアミドのよう
なゲルを形成する物質が使用され得る。例えば、デキストラン、ポリアルキレン
グリコールまたは界面活性剤(例えば、リン脂質、長鎖(12〜24個の炭素原
子)アルキルアンモニウム塩など)のような種々な水相を形成するポリマーもま
た、適切である。固体表面が多孔質である場合、種々の孔サイズが使用され得、
これは系の性質に依存する。
【0104】 (e.質量分析) 分子質量は、頻繁には、分子の識別因子として使用され得る。従って、質量分
析法は、タンパク質分析物を同定するために使用され得る。質量分析計は、イオ
ン化分析物が飛行管を下方に移動し、そしてイオン検出器によって検出されるの
に必要とされる時間を決定することによって質量を測定し得る。
【0105】 タンパク質の質量分析の1つの方法は、マトリックス補助レーザー脱着/イオ
ン化質量分析(「MALDI」)である。MALDIでは、分析物は、レーザー
の波長のエネルギーを吸着するエネルギー吸着マトリックス材料と混合され、そ
してプローブの表面に配置される。このマトリックスにレーザーで衝撃を与える
と、分析物は、プローブ表面から脱着され、イオン化され、そしてイオン検出器
によって検出される。例えば、Hillenkampら、米国特許第5,118
,937号を参照のこと。
【0106】 タンパク質についての質量分析の他の方法は、HutchensおよびYip
、米国特許第5,719,060号に記載される。親和性捕獲のための表面増強
(Surface Enhanced for Affinity Captu
re)(SEAC)と呼ばれる1つのこのような方法では、分析物を特異的また
は非特異的に結合する固相親和性試薬(例えば、抗体または金属イオン)が、サ
ンプル中の他の材料からこの分析物を分離するために使用される。次いで、捕獲
された分析物が、例えば、レーザーエネルギーによって、固相から脱着され、イ
オン化され、そして検出器によって検出される。
【0107】 (3.アッセイ組み合わせ) 本明細書中に記載の診断および予後アッセイは、種々の組み合わせで実施され
得、そしてまた、他の診断または予後試験と併用して実施され得る。例えば、本
方法が子宮内膜症を診断するために使用される場合、プロサイモシン遺伝子産物
の存在が、この疾患の段階を決定するために使用され得る。さらなる情報を提供
し得る試験は、生検サンプルの顕微鏡分析、子宮内膜症と関連した抗原(例えば
、細胞表面マーカー)の検出(例えば、組織細胞化学、FACSなどを使用する
)を包含する。
【0108】 (E.インビボでの診断および処置) 本発明の別の方法では、子宮内膜症は、インビボにおいて診断され得る。この
方法は、プロサイモシン遺伝子産物とこの産物に特異的に結合する化合物との間
の結合を検出する工程を包含する。この化合物はまた、検出可能標識を含む。一
般には、診断画像化を可視化するための任意の従来の方法が、用いられ得る。1
つの方法では、検出は、腹腔鏡検査によって実施される。この化合物は、疑われ
た病巣の部位で被験体に導入され、そして結合は、腹腔鏡検査を使用して検出さ
れる。あるいは、この結合が、例えば、磁気共鳴画像法(MRI)または電子ス
ピン共鳴(ESR)によって検出され得る。通常、γ放射放射性同位体および陽
電子放射放射性同位体は、カメラ画像化のために使用され、そして常磁性放射性
同位体が磁気共鳴画像化のために使用される。バックグラウンドを上回るいずれ
の結合量も、子宮内膜症の陽性徴候である。当業者は、全ての陽性徴候が疾患の
最終的な診断を生じるわけではないことを認識する。
【0109】 子宮内膜症病巣は、外科的に除去され得る。しかし、病巣は小さく、目視で同
定するのは困難であり得る。本発明は、子宮内膜症病巣を同定および除去する方
法を提供することにより、子宮内膜症についてのマーカーとしてプロサイモシン
を利用する。本方法は、プロサイモシン遺伝子産物に指向する標識化プローブを
使用してインサイチュで子宮内膜症病巣を同定する工程およびそれらを外科的に
除去する工程を包含する。
【0110】 本方法の実施において、プローブが提供される。このプローブは、プロサイモ
シン遺伝子産物に結合し、そして外科的手順において検出され得る検出可能マー
カーで標識される。このプローブは、好ましくは、プロサイモシンポリペプチド
に指向するが、プロサイモシンmRNAに指向し得る。特に、このプローブは、
プロサイモシンを特異的に結合する抗体であり得る。手術中に検出され得る好ま
しい標識は、放射性標識である。このような標識は、例えば、Geigerカウ
ンターの使用によって同定され得る。
【0111】 手術は、以下のように進行し得る。標識化プローブが、標識が子宮内膜症病巣
に結合するのに十分な時間、患者の腹膜に導入される。結合しない標識化プロー
ブは洗い流される。次いで、子宮内膜症病巣が、適切な検出器を用いて検出され
る。例えば、腹腔鏡手術において、Geigerカウンターが切開によって導入
され得る。放射性(「ホット」)スポットは、結合された標識化病巣、従って子
宮内膜症病巣を示す。これらの病巣は、次いで、患者から除去される。
【0112】 (F.キット) 本発明はまた、子宮内膜症を伴う患者のスクリーニング、モニタリング、診断
、および予後に有用なキットを提供する。このキットは、プロサイモシン遺伝子
産物(mRNA、cDNAまたはタンパク質)を検出するためまたはプロサイモ
シンの発現を定量するための1つ以上の試薬を含む。それらは、子宮内膜症を診
断、予後またはその経過をモニタリングするために検出されるプロサイモシン遺
伝子産物の量を使用するための指示書をさらに含む。
【0113】 プロサイモシン遺伝子産物を検出するための試薬は、本明細書中に記載の任意
の試薬を包含する。ポリヌクレオチドを検出するための試薬は、例えば、プロサ
イモシン遺伝子、RNA、cDNA、またはそれらの部分に特異的に結合するポ
リヌクレオチドプローブおよびプライマーを包含する。プロサイモシンポリペプ
チドを検出するための試薬は、例えば、親和性薬剤、抗体、およびタンパク質リ
ガンドを包含する。
【0114】 キット中の他の材料は、アッセイを実施するための試薬を包含し得る。これら
の材料は、例えば、逆転写酵素、DNAポリメラーゼ、リガーゼ、緩衝液、試薬
(標識、dNTP)などを包含する。ポリヌクレオチドまたはタンパク質プロー
ブは、別の部分(例えば、標識)に結合体化され得、そして/または固相上に固
定化され得る。キットはまた、プロサイモシンポリペプチド/抗体複合体の検出
またはハイブリダイズした核酸プローブの検出のための第二の抗体、およびコン
トロールまたは他の試薬として使用するための1つ以上のプロサイモシンペプチ
ドまたはタンパク質を含み得る。
【0115】 このようなフォーマットの例は、組織学によってシグナルを検出するフォーマ
ット(例えば、シグナル増強または標的増強増幅工程を有する免疫組織化学)ま
たは蛍光活性化細胞分析または細胞選別(FACS)を包含する。これらのフォ
ーマットは、特に、高度に不均質な細胞集団(例えば、1つまたは数個のタイプ
のみがプロサイモシンレベルを上昇させる複数の細胞タイプを含む、または異な
るレベルのプロサイモシンを発現する類似の細胞の集団)を扱う場合、有利であ
る。
【0116】 (IV.子宮内膜細胞においてプロサイモシン発現を阻害する化合物につい
てのスクリーニング) 子宮内膜細胞においてプロサイモシン遺伝子産物の発現を阻害する化合物は、
子宮内膜症の処置において有用である。本発明は、このような発現を阻害する能
力を有する化合物をスクリーニングする方法を提供する。本方法は、プロサイモ
シン遺伝子産物を発現する子宮内膜細胞を化合物と接触させる工程、およびこの
化合物がこの遺伝子産物の発現を調整するか否かを決定する工程を包含する。
【0117】 (A.組織サンプル) 好ましい実施態様において、組織は、免疫不全マウスにおいて培養されるヒト
子宮内膜組織である。化合物はマウスに投与される。次いで、この組織は、プロ
サイモシン遺伝子産物の発現を決定するために試験される。このマウスモデルは
、実施例Iにおいてより詳細に記載される。あるいは、この化合物は、子宮内膜
病巣からの組織を用いてインビトロでスクリーニングされ得る。
【0118】 (B.試験薬剤) プロサイモシン発現を調節するその能力についてスクリーニングされるべき試
験薬剤は、試験動物またはインビトロで培養細胞に投与される。試験されるべき
薬剤の選択は、実施者の決定に任される。しかし、その多様性および医薬として
の投与の容易性のために、低分子が試験薬剤として好ましい。
【0119】 (1.化学) 試験されるべき薬剤は、多数の供給源から選択され得る。例えば、分子のコン
ビナトリアルライブラリーが、スクリーニングに利用可能である。このようなラ
イブラリーを使用して、何千もの分子が、調節活性についてスクリーニングされ
得る。1つの好ましい実施態様において、高処理能力スクリーニング方法は、多
数の可能性のある治療用化合物(候補化合物)を含むライブラリーを提供する工
程を含む。次いで、このような「コンビナトリアルケミカルライブラリー」は、
本明細書中に記載されるような1つ以上のアッセイでスクリーニングされて、所
望の特徴的な活性を提示するそのライブラリーメンバー(特に、化学種またはサ
ブクラス)が同定される。従って、同定された化合物は、従来の「リード化合物
」として役立ち得るか、または、それ自身、可能性のある、または実際の治療薬
として使用され得る。
【0120】 コンビナトリアルケミカルライブラリーの調製およびスクリーニングは、当業
者に周知である。このようなコンビナトリアルケミカルライブラリーは、ペプチ
ドライブラリーを含むがこれに限定されない(例えば、米国特許第5,010,
175号、Furka(1991)Int.J.Pept.Prot.Res.
, 37:487−493、Houghtonら(1991)Nature,
354:84−88を参照のこと)。ペプチド合成は、決して、本発明での使用
に想定および意図される唯一のアプローチではない。化学的多様性ライブラリー
を作製するための他の化学もまた使用され得る。このような化学としては、以下
が挙げられるがそれらに限定されない:ペプトイド(PCT公開第WO91/1
9735、1991年12月26日)、コードされたペプチド(PCT公開第9
3/20242、1993年10月14日)、ランダムバイオオリゴマー(PC
T公開第92/00091、1992年1月9日)、ベンゾジアゼピン(米国特
許第5,288,514号)、ヒダントイン、ベンゾジアゼピン、およびジペプ
チドのようなダイバーゾマー(diversomer)(Hobbsら、(19
93)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6909−69
13)、ビニル性(vinylogous)ポリペプチド(Hagiharaら
(1992)J.Amer.Chem.Soc. 114:6568)、β−D
−グルコース足場を有する非ペプチド性ペプチド模倣物(Hirschaman
nら、(1992)J.Amer.Chem.Soc. 114:9217−9
218)、小化合物ライブラリーの類似の有機合成(Chenら(1994)J
.Amer.Chem.Soc. 116:2661)、オリゴカルバメート(
Choら、(1993)Science 261:1303)、および/または
ペプチジルホスホネート(Champbellら、(1994)J.Org.C
hem. 59:658)。一般的には、以下を参照のこと:Gordonら、
(1994)J.Med.Chem. 37:1385、核酸ライブラリー、ペ
プチド核酸ライブラリー(例えば、米国特許第5,539,083号を参照のこ
と)、抗体ライブラリー(例えば、Vaughnら(1996)Nature
Biotechnology, 14(3):309−314およびPCT/U
S96/10287を参照のこと)、糖質ライブラリー(例えば、Liangら
(1996)Science, 274:1520−1522、および米国特許
第5,593,853号を参照のこと)、および小有機分子ライブラリー(例え
ば、ベンゾジアゼピン(Baum(1993)C&EN,1月18日、33頁)
イソプレノイド(米国特許第5,569,588号)、チアゾリジノン(thi
azolidinone)およびメタチアザノン(metathiazanon
e)(米国特許第5,549,974号)、ピロリジン(米国特許第5,525
,735号および同第5,519,134号)、モルホリノ化合物(米国特許第
5,506,337号)、ベンゾジアゼピン(同第5,288,514)などを
参照のこと)。
【0121】 コンビナトリアルライブラリーの調製のためのデバイスは、市販されている(
例えば、357MPS、390MPS、Advanced Chem Tech
,Louisville KY,Symphony,Rainin,Wobur
n,MA, 433A Applied Biosystems, Foste
r City,CA, 9050およびMillipore,Bedford,
MAを参照のこと)。
【0122】 (2.投与経路) 組織が子宮内膜異種移植片として培養される場合、薬剤は、この組織にこの薬
剤を接近させる任意の経路で投与され得る。1つの実施態様において、この薬剤
は、この異種移植片が移植された腹腔に送達される。しかし、この薬剤は、この
薬剤が子宮内膜症の最終的な処置における使用のための薬物になる場合、任意の
可能性のある経路によって送達され得る。この薬剤は、薬学的組成物の形態で投
与され得る。これは、例えば、以下を含む:例えば、静脈内投与のために、強壮
剤としての経腸、非経口、または経粘膜投与のための水溶液、および例えば、点
鼻薬または目薬として粘膜または他の膜への投与のための水溶液;経腸または経
皮送達のための、例えば、ピル、錠剤、粉末、またはカプセルとしての、固体お
よび他の非水性組成物;局所投与のための経皮または経粘膜送達系、ならびに吸
入による送達のためのエアロゾルまたはミスト。例えば、経腸または静脈内もし
くは筋肉内注射による投与が容易である様式による送達の1つの利点は、もしこ
の薬剤は医薬として処方される場合に、このような様式が送達の可能な様式を模
倣する点である。
【0123】 (C.プロサイモシンの発現の検出) 十分な時間が経過した後、培養細胞または外植組織は、プロサイモシン遺伝子
産物の発現の存在および/または量を検出するために試験される。通常は、この
時間は、約6分と約10日との間である。この組織が免疫不全マウスにおいて培
養される場合、異種移植片は、好ましくは、動物から取り出され、そしてインビ
トロで分析される。プロサイモシン遺伝子産物の検出は、当該分野で公知の任意
の方法または本明細書中に記載される任意の方法によって達成され得る。
【0124】 (D.薬剤がプロサイモシン発現を調節するかどうかの決定) プロサイモシン発現試験の量およびコントロール組織が決定される。これらの
量は記録され、そして統計学的分析に供されて、任意の差異が統計学的に有意か
どうが決定される。統計学的に有意な差異(p<0.05)は、薬剤が子宮内膜
組織におけるプロサイモシンの発現を調節することを示す。従って、薬剤が、組
織におけるプロサイモシン発現の量を減少するか、増加するか、または何の影響
も及ぼさないかどうかを決定し得る。プロサイモシン発現を阻害すると同定され
た薬剤は、子宮内膜症の予防的処置および治療的処置のための薬物としての候補
である。
【0125】 薬剤は、例えば、より識別力のある条件下でそれらの影響を研究することによ
るか、または試験のための「第二世代」の薬剤を作製するようにこの薬剤を変化
させることによって、さらなる分析に供され得る。薬剤はまた、他の薬剤とコン
ビナトリアルて試験され得る。動物生理学のほかの局面におけるこの薬剤の効果
もまた試験され得る。
【0126】 (V.阻害性ポリヌクレオチド) (A.概要) プロサイモシン遺伝子またはmRNAに対する阻害性ポリヌクレオチドは、子
宮内膜症の処置に有用である。阻害性ポリヌクレオチドは、多数の方法でプロサ
イモシン活性を阻害し得る。ある機構によって、このポリヌクレオチドは、プロ
サイモシン遺伝子の転写を(例えば、トリプルへリックス形成によって)妨げる
。別の機構において、このポリヌクレオチドは、プロサイモシンを不安定化し、
そしてその半減期を減少させる。このポリヌクレオチドは、コード領域に指向さ
れ得るか、または発現制御配列を含む5’上流領域のような非コード領域に隣接
し得る。
【0127】 阻害性ポリヌクレオチドは、ストリンジェントな条件下で標的ポリヌクレオチ
ドとハイブリダイズし得、そして標的ポリヌクレオチドの転写、プロセシング、
翻訳、または他の活性を妨げる、ポリヌクレオチドである。阻害性ポリヌクレオ
チドは、一般的に一本鎖であり、そして標的配列に特異的にハイブリダイズし得
る、少なくとも7、8、9、10、または11ヌクレオチドの配列を有する。R
NA配列は一般的に、特異的ハイブリダイゼーションのために、少なくとも10
ヌクレオチドの配列を必要とする。阻害性ポリヌクレオチドは、アンチセンス分
子、リボザイム、センス分子、およびトリプレックス形成分子を含むがこれらに
限定されない。
【0128】 理論によって限定されることを望まないが、阻害性ポリヌクレオチドは、適切
な標的配列に結合することによって、部分的に、標的の機能を阻害すると考えら
れている。阻害性ポリヌクレオチドは、例えば、転写開始部位またはテンプレー
トに結合することによるDNAまたはRNAポリメラーゼのプロモーターへの結
合を妨げることによって、DNA複製またはDNA転写を阻害し得る。これは、
例えば、リボソーム結合部位のようなRNA転写物の領域に結合することによっ
て、mRNAのプロセシング、mRNAへのポリ(A)付加、またはmRNAの
翻訳を妨げ得る。これは、RNase作用を介してRNA分解を促進するような
細胞の阻害機構を促進し得る。阻害性ポリヌクレオチドは、二重鎖DNAの主溝
に結合して、三重へリックスまたは「トリプレックス」構造を形成し得る。それ
ゆえ、阻害性ポリヌクレオチドを用いる阻害方法は、異なる機構によって作動す
る特定の遺伝子の発現を変更する多数の異なるアプローチを包含する。これらの
異なる型の阻害性ポリヌクレオチド技術は、C.HeleneおよびJ.Tou
lme,(1990)Biochem.Biophys.Acta., 140
9:99−125に記載される。
【0129】 この文献はまた、リボ核タンパク質の機能のアンチセンスポリヌクレオチド阻
害の例を提供する。従って、機能的RNA(例えば、RNAスプライシングに関
与するsnRNP複合体)を含むリボ核タンパク質複合体について、アンチセン
スポリヌクレオチドが、インビトロ活性(例えば、スプライシング)を阻害し得
ることが示されている。
【0130】 アンチセンスポリヌクレオチドは、DNAまたはRNAであり得る。これらは
、化学的に改変されて、身体における安定性を改良し得る。このポリヌクレオチ
ドの特徴は、安定性(例えば、ヌクレアーゼ耐性)、より強固な結合、または所
望のTmを与えるように操作され得る。例えば、このポリヌクレオチドは、すで
に記載されたような、改変されたヌクレオチドアナログを含み得る。このポリヌ
クレオチドは、天然に存在するヌクレオチドとヌクレオチドアナログとの混合物
を含み得る。ポリヌクレオチドにヌクレアーゼ耐性を付与するための他の技術は
、国際特許公開第94/12633号に記載される技術を含む。
【0131】 阻害性ポリヌクレオチド療法に有用な種々のポリヌクレオチドを構築するため
の一般的なアプローチは、A.R.Vander Krolら(1988),B
iotechniques 6:958−976、およびC.A.Steinら
、(1988) Cancer Res.(1988) 48:2659−26
68によって概説されている。Oligodeoxynucleotides:
Antisense Inhibitors of Gene Express
ion,Cohen,J.S.編、MacMillan Press,Lond
on,79−196頁、(1989)、およびAntisense RNA a
nd DNA,(1988),D.A.Melton編、Cold Sprin
g Harbor Laboratory,Cold Spring Harn
or,NYもまた参照のこと。
【0132】 特定の実施態様において、阻害性ポリヌクレオチドは、誘導体化された置換体
を含み、この置換体は、阻害性ポリヌクレオチドの標的ポリヌクレオチドへのハ
イブリダイゼーションに関して実質的に影響しない。代表的には、このような阻
害性ポリヌクレオチドは誘導体化され、そしてさらなる化学置換体が結合される
(それぞれ、ポリヌクレオチド合成の間または後のいずれか)。従って、さらな
る化学置換体は、局所的なDNA配列および/またはタンパク質成分に対する変
化または化学修飾を生じる標的ポリヌクレオチドにおける相補的配列中に位置決
めされる。
【0133】 好ましい付加される化学置換基には、以下が含まれる:ユーロピウム(III
)、テキサフィリン、架橋剤、ソラーレン、金属キレート剤(例えば、鉄触媒化
切断のための鉄/EDTAキレート剤)、トポイソメラーゼ、エンドヌクレアー
ゼ、エキソヌクレアーゼ、リガーゼ、ホスホジエステラーゼ、光力学性ポルフィ
リン、化学治療薬物(例えば、アドリアマイシン、ドキソルビシン)、インター
カレート剤、塩基修飾剤、免疫グロブリン鎖、およびオリゴヌクレオチド。鉄/
EDTAキレート剤は、ポリヌクレオチド配列の局所的切断が所望される場合に
特に好ましい化学置換基である(Hertzbergら(1982)J.Am.
Chem.Soc.104:313;HertzbergおよびDervan(
1984)Biochemistry 23:3934;Taylorら(19
84)Tetrahedron 40:457;P.B.Dervan(198
6)Science 232:464)。
【0134】 好ましい付加化学には:直接結合(例えば、付属の反応性アミノ基を介して(
CoreyおよびSchultz(1988)Science 238:140
1)および他の直接連結化学が含まれるが、ストレプトアビジン/ビオチンおよ
びジゴキシゲニン/抗ジゴキシゲニン抗体結合法もまた使用され得る。化学置換
基を連結するための方法は、米国特許第5,135,720号および同第5,0
55,556号に提供される。他の連結化学は、実施者の裁量で使用され得る。
【0135】 (B.アンチセンス) 本発明は、プロサイモシン(例えば、プロサイモシン)の標的配列に特異的に
ハイブリダイズし得るアンチセンスポリヌクレオチドを提供する。アンチセンス
ポリヌクレオチドは、インビトロまたはインビボでプロサイモシンの活性を阻害
するために有用である。
【0136】 本発明のアンチセンスポリヌクレオチドは、プロサイモシンに由来する配列、
ならびにより詳細には哺乳動物プロサイモシンおよびヒトプロサイモシンに由来
する配列に特異的にハイブリダイズする少なくとも7個のヌクレオチドのアンチ
センス配列を含む。本発明の1つの局面において、そのアンチセンス配列がプロ
サイモシン遺伝子またはmRNAのコード領域または非コード領域に特異的にハ
イブリダイズするRNA配列。
【0137】 アンチセンス配列は、約10と約50ヌクレオチドとの間、または約15と約
35ヌクレオチドとの間であり得る。1つの実施態様において、そのポリペプチ
ドの配列は、アンチセンス配列をその中に含む。この場合、そのアンチセンス配
列は、より長い配列のポリヌクレオチド内に含まれる。別の実施態様において、
そのポリペプチドの配列は、本質的にアンチセンス配列からなるか、またはアン
チセンス配列である。従って、例えば、そのアンチセンスポリヌクレオチドは、
その標的配列に特異的にハイブリダイズする配列における約50ヌクレオチド未
満のポリヌクレオチドであり得る。
【0138】 一般的に、特異的なハイブリダイゼーションを確実にするために、アンチセン
ス配列は、プロサイモシンにおける標的配列に実質的に相補的である。特定の実
施態様において、アンチセンス配列は、標的配列に対して正確に相補的である。
アンチセンスポリヌクレオチドには、プロサイモシンに対応する関連の標的配列
への特異的結合が維持される限り、またはその遺伝子がそのポリヌクレオチドの
機能的特性として保持される限り、ヌクレオチド置換、付加、欠失、または転位
が含まれ得る。
【0139】 アンチセンスポリヌクレオチドは、安定な二重鎖を形成するのに十分なほど長
くあるべきであるが、送達の態様に依存して、所望であればインビボで投与する
のに十分なほど短くあるべきである。標的配列に特異的ハイブリダイゼーション
に必要とされるポリヌクレオチドの最小の長さは、とりわけG/C含有量、ミス
マッチ塩基(もしあれば)の位置、標的ポリヌクレオチドの集団に比較した場合
のその配列の独特性の程度、およびそのポリヌクレオチドの化学的性質(例えば
、メチルホスホネート骨格、ポリアミド核酸、ホスホロチオエートなど)のよう
ないくつかの因子に依存する。本発明のアンチセンスポリヌクレオチドは、少な
くとも7個のヌクレオチドのポリヌクレオチドであり、そして約10と約50ヌ
クレオチドとの間または約15と約30ヌクレオチドとの間であり得る。他の実
施態様において、アンチセンスポリヌクレオチドは、約100ヌクレオチド未満
、または約200ヌクレオチド未満である。
【0140】 従って、アンチセンスポリヌクレオチドの配列は、プロサイモシン配列(例え
ば、ヒトプロサイモシン遺伝子またはその転写されたRNA(プロサイモシンリ
ボヌクレオプロテインに関連し得る短縮形態を含む)に対するアンチセンスポリ
ヌクレオチド)の全てまたは一部に特異的にハイブリダイズし得る。
【0141】 アンチセンスポリヌクレオチドに関連する一般的な方法については、Anti
sense RNA and DNA(1988)、D.A.Melton編、
Cold Spring Harbor Laboratory,Cold S
pring Harbor,NY)を参照のこと。アンチセンス治療の総説につ
いては、例えば、Uhlmannら、Chem.Review、90:534−
584(1990)を参照のこと。
【0142】 アンチセンスDNA分子のプロサイモシンへのハイブリダイゼーションから生
じる二重鎖ポリヌクレオチドの形成は、プロサイモシンをRNase H切断を
受けやすくする。従って、プロサイモシンに対するアンチセンスポリヌクレオチ
ドは、RNase Hを含有する細胞またはサンプルにおいてプロサイモシン活
性を阻害するために特に有効である。
【0143】 (C.リボザイム) プロサイモシンの切断は、リボザイムまたは触媒性RNAの使用により誘導さ
れ得る。このアプローチにおいて、このリボザイムは、天然に生じるRNA(リ
ボザイム)または触媒活性を有する合成核酸のいずれかを含有する。Bratt
yら(1992)Biochim.Biophys.Acta.,1216:3
45−59(1993)およびDenhardt(1992)Ann.N.Y.
Acad.Sci.,660:70−76は、リボザイムを作製する方法を記載
する。
【0144】 RNA、DNA、またはプロサイモシンタンパク質成分に結合する上記のアン
チセンスおよび他のポリヌクレオチドとは異なり、リボザイムは、標的RNAに
結合するだけでなく、それを特異的に切断し、それによって潜在的に標的RNA
を不活化する。このようなリボザイムは、プロサイモシンRNAに相補的である
5’および3’末端配列を含み得る。
【0145】 切断の部位に依存して、リボザイムは、プロサイモシン酵素を不活化し得る。
ヒトプロサイモシンのRNA配列を検討するにおいて、当業者は、いくつかの有
用なリボザイム標的部位が存在し、そして例えば、ハンマーヘッドモチーフリボ
ザイムによる切断に感受性であることに気づく。プロサイモシン活性のリボザイ
ム媒介阻害のための最適な標的部位は、Sullivanら、PCT特許公開第
94/02595号およびDraperら、PCT特許公開第93/23569
号によって記載されるように決定され得る。Huら、PCT特許公開第94/0
3596号によって記載されるように、アンチセンスおよびリボザイム機能は、
単一のポリヌクレオチドにおいて合わせられ得る。
【0146】 このように操作されたリボザイムは、細胞において発現され得るか、または種
々の手段(例えば、リポソーム、イムノリポソーム、微粒子銃、細胞への直接取
り込みなど)によって移入され得る。リボザイムの他の形態(群Iイントロンリ
ボザイム(Cech(1995)Biotechnology 13;323)
;ハンマーヘッドリボザイム(Edgington(1992)Biotech
nology 10:256))は、プロサイモシンの切断を触媒するための開
示されたプロサイモシン配列の情報に基づいて操作され得る。
【0147】 (D.他の阻害性ポリヌクレオチド) アンチセンスおよびリボザイム阻害性ポリヌクレオチドに加えて、折り畳まれ
たRNAまたはRNAの遺伝子内のいずれかの二重鎖の核酸に結合し、プロサイ
モシン活性を阻害するための三重らせん含有核酸または三重鎖核酸を形成するポ
リヌクレオチドを構築し得る。本発明のこのようなポリヌクレオチドは、三重ら
せん形成の塩基対形成の規則および標的遺伝子のヌクレオチド配列を使用して構
築される。(Chengら(1988)J.Biol.Chem.263:15
110;FerrinおよびCamerini−Otero(1991)Sci
ence 354:1494;Ramdasら(1989)J.Biol.Ch
em.264:17395;Strobelら(1991)Science 2
54:1639;Hsiehら(1990)前掲;Rigasら(1986)P
roc.Natl.Acad.Sci.(U.S.A)83;9591)このよ
うなポリヌクレオチドは、多くの様式(プロサイモシン遺伝子の転写を阻害する
ことによってを含む)においてプロサイモシン活性をブロックし得る。代表的に
は、そして作用の態様に依存して、本発明の三重鎖形成ポリヌクレオチドは、安
定な三重らせんを形成するのに十分なほど大きいが、送達の態様に依存して、イ
ンビボで投与するのに十分なほど小さな配列を含む。
【0148】 (E.阻害性ポリヌクレオチドを作製する方法) 阻害性ポリヌクレオチドは、化学的にまたは組換え的に作製され得る。
【0149】 (1.化学合成) 直接送達のための小さな阻害性ポリヌクレオチドは、化学合成によって作製さ
れ得る。化学的に合成されたポリヌクレオチドは、DNAまたはRNAであり得
るか、あるいはホスホジエステル連結に限定されないヌクレオチドアナログまた
はヌクレオチド骨格を含み得る。
【0150】 (2.組み換え産生) 細胞への送達または遺伝子治療法のために、発現ベクターの使用による阻害性
ポリヌクレオチドの組み換え産生は、特に有用である。従って、本発明はまた、
発現ベクター(例えば、阻害性ポリヌクレオチドをコードするヌクレオチド配列
に作動可能に連結した発現制御配列を含む組み換え核酸分子)を提供する。発現
ベクターは、原核生物または真核生物(例えば、細菌細胞、哺乳動物細胞、酵母
細胞、Aspergillus細胞、および昆虫細胞)における機能について、
mRNAの転写および翻訳についての適切なプロモーター、複製配列、マーカー
などを含ませることによって適合され得る。発現ベクターの構築およびトランス
フェクトした細胞中での遺伝子の発現は、当該分野においても周知である分子ク
ローニング技術の使用を含む。Sambrookら、Molecular Cl
oning−−A Laboratory Manual,Cold Spri
ng Harbor Laboratory,Cold Spring Har
bor,NY,(1989),Current Protocols in M
olecular Biology,F.M. Ausubelら編、(Cur
rent Protocls,Greene Publiching Asso
ciates,Inc.とJohn Wiley&Sons、Inc.との間の
ジョイントベンチャー)、およびBergerおよびKimmel,Metho
ds in Enzymology,Volume 152,Guide to
Molecular Cloning Techniques(1987)、
Academic Press、Inc.,San Diego,CA。このよ
うな目的のための有用なプロモーターは、メタロチオネインプロモーター、構築
性アデノウイルス主要後期プロモーター、デキサメタゾン誘導性MMTVプロモ
ーター、SV40プロモーター、MRP polIIIプロモーター、構築性M
PSVプロモーター、テトラサイクリン誘導性CMVプロモーター(例えば、ヒ
ト前初期CMVプロモーター)、および構成性CMVプロモーターが含まれる。
遺伝子治療のために有用なプラスミドは、他の機能的エレメント(例えば、選択
マーカー、同定領域、および他の遺伝子)を含み得る。組み換えDNA発現プラ
スミドはまた、遺伝子治療以外の手段による送達のための本発明のポリヌクレオ
チドを調製するために使用され得るが、インビトロ化学合成によって短いオリゴ
ヌクレオチドを作製することがより経済的であり得る。
【0151】 哺乳動物細胞中に遺伝子をトランスフェクトし、そしてインビトロでの使用の
ためまたは遺伝子治療のためにそれらの発現を得る方法は、当該分野で周知であ
る。例えば、Methods in Enzymology,第185巻、Ac
ademic Press,Inc.,San Diego,CA(D.V.G
oeddel編)(1990)またはM.Krieger,Gene Tran
sfer and Expression−−A Laboratory Ma
nual,Stockton Press,New York,NY,(199
0)を参照のこと。細胞は、リン酸カルシウム沈降DNAリポソーム複合体によ
り、粒子媒介遺伝子移入(遺伝子銃)により、またはリポソームによりポリヌク
レオチドでトランスフェクトされ得る。
【0152】 本発明において有用である発現ベクターは、その意図される用途に依存する。
このような発現ベクターは、当然に、宿主細胞と適合する発現および複製のシグ
ナルを含有しなければならない。本発明の阻害性ポリヌクレオチドの発現のため
に有用な発現ベクターには、レトロウイルス、アデノウイルス、およびアデノ随
伴ウイルスのようなウイルスベクター、プラスミドベクター、コスミド、リポソ
ームなどが含まれる。ウイルスおよびプラスミドベクターは、哺乳動物細胞をト
ランスフェクトするために好ましい。発現制御配列がCMVプロモーターを含む
発現ベクターpcDNA1(Invitrogen,San Diego,CA
)は、トランスフェクションおよび発現の良好な割合を提供する。アデノ随伴ウ
イルスベクターは、本発明の遺伝子治療法において有用である。
【0153】 (F.細胞において) プロサイモシンに対する阻害性ポリヌクレオチドは、培養された細胞およびイ
ンビボの細胞の両方においてプロサイモシン活性を阻害するのに有用である。イ
ンビボでの細胞におけるプロサイモシン活性の阻害は、子宮内膜症を処置する予
防的および治療的方法において有用である。
【0154】 本発明は、阻害性ポリヌクレオチドを被験体に送達するための種々の手段(例
えば、細胞による溶液からの分子の直接取り込み、リポフェクション(例えば、
リポソームまたは免疫リポソーム)による容易化された取り込み、粒子媒介トラ
ンスフェクション、および阻害性核酸をコードするヌクレオチド配列に作動可能
に連結した発現制御配列を有する発現カセットからの細胞内発現)を意図する。
【0155】 例えば、培養培地においてインビトロで、または循環系、間質液、もしくは組
織塊においてインビボで、細胞に可溶性阻害性核酸を接触させることによって阻
害性ポリヌクレオチドを細胞に提供し得る。外部環境に存在する可溶性阻害性核
酸は、細胞質へのアクセスを得ることが示されている。治療目的のためのポリヌ
クレオチドの送達のために有用な方法は、Inouyeら、米国特許第5,27
2,065号に記載される。
【0156】 (VI.プロサイモシン発現を阻害する方法) 本発明は、インビトロ、エキソビボ、またはインビボのいずれかで、子宮内膜
細胞におけるプロサイモシン活性を阻害する方法を提供する。この方法は、細胞
をプロサイモシン発現を阻害する薬剤または組成物に接触させる工程を包含する
。その薬剤または組成物は、阻害性ポリヌクレオチド、低分子、およびプロサイ
モシンリガンド(例えば、プロサイモシンに特異的に結合し、それによりその活
性を阻害する抗体)を含むプロサイモシンの発現を阻害する任意の化合物または
組成物であり得る。プロサイモシンを子宮内膜細胞においてインビトロで阻害す
ることは、細胞増殖を阻害するにおいて有用である。プロサイモシンをインビボ
で阻害することは、子宮内膜症に対する治療として有用である。
【0157】 (VII.予防法および治療法) 本発明は、子宮内膜症を処置するためのプロサイモシン発現を阻害する方法を
提供する。本方法は、被験体にプロサイモシンの発現を阻害する薬剤(例えば、
化合物)をプロサイモシン活性を阻害するのに有効な量(「薬理学的有効量」)
投与する工程を包含する。プロサイモシン活性を発現し、そしてプロサイモシン
阻害治療の標的であり得る細胞には、正常位置の(eutopic)および異所
性(ectopic)子宮内膜細胞を含む。このような薬剤には、低分子、阻害
性ポリヌクレオチド、またはプロサイモシンポリペプチドに結合する抗体もしく
は他のリガンドが含まれる。
【0158】 (A.投与) 阻害性化合物は、薬学的に受容可能なキャリアおよび薬理学的有効量の薬剤を
含む薬学的組成物の形態で都合よく送達され得る。薬学的組成物は、このような
分子の送達のための当該分野で公知の任意の手段によって投与され得る。しかし
、注射による全身的投与が好ましい。子宮内膜障害が腹膜において生じるので、
もっとも好ましくは、これは腹腔内投与である。しかし、投与の他の全身的経路
には、筋肉内、静脈内、および皮下注射が含まれる。薬学的組成物は、投与の方
法に依存して種々の単位用量形態で投与され得る。例えば、非経口投与のための
単位用量形態には、注射可能な溶液の単位用量が含まれる。
【0159】 一般に、投与の形態、量、および時間は、主治医の裁量による事項である。1
つの実施態様において、薬学的組成物は、単位用量形態として送達される。遺伝
子治療において使用されるポリヌクレオチドまたはベクターの場合には、用量は
、最適用量が決定されるまで増加され得る。1mlのキャリアあたり約107
1013個の粒子のウイルスベクターの用量が有効である。全身的投与は、1日あ
たり約0.1mg/kg〜約2.0mg/kgまでであり得る。しかし、部位(
例えば、腹膜)に直接送達された場合、その量はより少ないことがあり得る。投
与される容量は、実施者によって選択され得る。本発明の1つの実施態様に従っ
て、約1mlの滅菌PBS中に懸濁さらた約1010個のベクターは、治療有効量
を構成する。
【0160】 主治医は、送達するべきポリヌクレオチドの量を決定し得る。低用量が最初に
投与され、患者の応答が観察される。
【0161】 (実施例) 以下の実施例は、例示の目的で提供されるが限定の目的でではない。
【0162】 (I.子宮内膜症マウスモデル) 子宮内膜症マウスモデルは、a)重篤複合免疫不全(SCID)雌性マウスか
ら内因性のプロゲステロンを排除する工程;b)微粉化内因性エストロゲン供給
源をヒト正常子宮内膜組織の異種移植片に添加する工程;c)異種移植片をマウ
スの腹腔内の腔に移植する工程;d)外因性のエストロゲン供給源を異種移植片
の移植の前および後にマウスに添加する工程;ならびにe)その異種移植片が増
殖し、そしてヒト子宮内膜組織の発達を模倣することを可能にする工程を包含す
る方法によって調製または生成される。進行の時間の長さは、代表的には、3〜
7週であり、好ましくは約5週である。
【0163】 通常、内因性のプロゲステロンは、SCIDマウスから、両側の卵巣摘出によ
り、または抗プロゲステロン剤の投与により排除される。このモデルのために選
択されるマウスは、その免疫系が重篤に損傷されている雌のマウスであり、その
ため移植された異種移植片は、受け入れられ、成長し、そして発達する。
【0164】 異種移植片を調製するにおいて、ヒトの正常な子宮内膜組織の切片が同定され
、そのヒトドナーから単離され、そして断片化され、次いでエストロゲンの外因
性の供給源が添加される。代表的には、このエストロゲンは、微粉化されており
、そして異種移植片へのその投与または添加の前に水溶性形態にある。
【0165】 調製された異種移植片は、腹腔内の腔に移植(implanted)または移
植(transplanted)され、そして外因性のエストロゲンが、移植の
前および後の両方でマウスに投与される。次いで、その異種移植片は、そのマウ
スにおいて成長し、そして発達し、ヒトの子宮内膜症の進行を模倣する。約0.
05〜約1.5立方センチメーターの固形組織が、単離され、その異種移植片が
必要に応じて生理学的に適合性の溶液または栄養培地中に懸濁され、その懸濁液
が約0.4cc〜約0.6ccの量で各マウスに注射され、その結果そのマウス
は約0.2ccの物質を受ける。また、抗生物質が異種移植片移植と組み合わせ
てそのマウスに投与され得る。
【0166】 異種移植片組織の供給源は、ヒト女性(通常は、子宮摘出または子宮内膜生検
の結果物)に由来する。好ましくは、その異種移植片は、予めゴナドトロピン放
出ホルモン(GnRH)アゴニストで処置されていない閉経前の女性から得られ
る。
【0167】 外因性のエストロゲンの種々の供給源(例えば、β−エストラジオール−17
−シピオネート(cypionate)、ポリエストラジオールホスフェート、
β−エストラジオールベンゾエートなど)が使用され得、そしてその異種移植片
およびマウスに異なる用量および方法で投与される。エストロゲンは、その異種
移植片に水溶性かまたは微粉化形態で添加され、約50〜約500ナノモル濃度
(nM)の濃度に達する;一方、マウスは、1週間に1キログラム(kg)あた
り約60マイクログラム(μg)〜1週間に1kgあたり約120μgの外因性
エストロゲンを受ける。エストロゲンは、そのマウスに、その異種移植片の移植
の少なくとも1日前に筋肉内投与されるか、または皮下投与され、そして移植後
1週間に一回継続される。
【0168】 異種移植片組織は、マウスから取り除かれ、そしてmRNAが単離された。サ
ブトラクティブハイブリダイゼーションを、ドライバーとしての正常なヒト子宮
内膜組織由来及び正常なマウス組織由来のcDNAを使用して、そして外植cD
NAをテスターとして使用して行った。子宮内膜癌細胞株cDNAライブラリー
を、サブトラクティブプローブでスクリーニングした。そのプローブにハイブリ
ダイズしたクローンの1つを単離し、そしてプロサイモシンをコードするものと
して同定した。
【0169】 (II.プロサイモシンがマウスで培養されたヒト組織においてアップレギュ
レートされる証拠) 本発明者らは、プロサイモシンが、免疫不全マウスにおいて培養されたヒト子
宮内膜組織においてアップレギュレートされることを見いだした。培養の後、そ
の組織由来のcDNAをテスターとして使用し、そしてドライバーとして正常な
ヒト子宮内膜組織に由来するcDNAおよび正常なマウス組織に由来するcDN
Aでサブトラクトした。サブトラクトされたライブラリーを使用して、子宮内膜
癌cDNAライブラリーをプローブした。プローブがハイブリダイズした1つの
クローンを単離した。分析の際に、そのクローンはプロサイモシンをコードする
ことが証明された。
【0170】 抑制サブトラクティブハイブリダイゼーション(SSH)を使用して、子宮内
膜症特異的配列を、子宮内膜症マウスモデルから得た材料を使用して同定した。
SSH法は、正常マウスRNAが正常子宮内膜RNAと混合され、正常なヒト子
宮内膜の配列と子宮内膜外植片からの正常マウス配列の完全なサブトラクション
を可能にするようにわずかに改変されなければならなかった。cDNAサブトラ
クションプロトコルに基づくSSH PCRを、Clontech PCR−S
electキット(Palo Alto,Ca)を使用して行い、そして外植片
(テスター)、正常子宮内膜(ドライバー)、および正常マウス(ドライバー)
の組織由来の材料を使用して含ませた。簡単には、各組織由来の約550ngの
ポリA選択mRNAを、10μmolのキットにより供給されるcDNA合成プ
ライマーおよびMMLV逆転写酵素とともにcDNA合成のためのテンプレート
として使用した。42℃での1.5時間のインキュベーションの後、そのcDN
AをDNAポリメラーゼとともに30分間16℃でインキュベートし、第二のc
DNA鎖を生成した。二重鎖DNAをフェノール/クロロホルム抽出し、エタノ
ールで沈殿させ、その後80%のエタノールで1回洗浄し、そして9μlの水に
再懸濁した。その9μlのcDNAを37℃でRsaで1.5時間消化し、その
後フェノール/クロロホルム抽出およびエタノール沈殿を上記のように行った。
正常子宮内膜および正常マウス組織由来のドライバーcDNAは、沈殿工程の後
に完全であった。
【0171】 テスターcDNAについて、アダプターリンカーを、10μモルのアダプター
1またはアダプター2のいずれかで消化したcDNAの2μlの量を混合し、そ
してリガーゼの存在下で16時間14℃でインキュベートすることによって、R
sa消化cDNAの末端に連結し、これによりテスターcDNAの集団(TS1
およびTS2)の生成を完了した。各テスターcDNA集団を混合ドライバーc
DNAで別々にハイブリダイズした(1:1のマウスドライバー:正常ドライバ
ー比で)。68℃での8時間のインキュベーションの後、2つの別々のcDNA
スター(TS1またはTS2)とドライバーとの混合物を混合し、そして68℃
でさらに16時間ハイブリダイズした。そのハイブリダイゼーション混合物を、
アダプター1およびアダプター2にマップされたプライマーを使用するPCR増
幅のテンプレートとして標準的な条件を用いて使用した。PCRアンプリコンを
、ランダムプライム放射標識プローブの産生のためのテンプレートとして使用し
、そのプローブをRL95−2(子宮内膜癌細胞株)cDNAライブラリーをス
クリーニングするために使用した。
【0172】 RL95−2(子宮内膜癌細胞活)λ−ZapcDNAライブラリーを、製造
業者(Stratagene、La Jolla、Ca)により示唆される標準
的なプロトコルを使用してスクリーニングした。簡単には、約106個の感染性
ファージ粒子をXL−1青色宿主細胞とともにインキュベートし、そして標準的
なプロトコル(Stratagene)を使用して、150mmディッシュあた
り50,000ファージの密度でプレートした。そのファージ粒子をナイロン膜
に移し、ハイブリダイゼーション溶液中でブロックし、そして放射標識したサブ
トラクトされたプロトコルとともにインキュベートした。いくつかの洗浄工程の
後、その膜をX線フィルムに曝露し、そして陽性のプラークを同定し、芯を抜き
(cored)、そしてプレートした。1つのそのようなクローンを「Repr
o−EN−203」と命名した。選択されたファージプラークが単一のクローン
を表すことを確実にするために、スクリーニングプロセスを上記のように3回繰
り返した。cDNAインサートを含有するプラスミドをファージクローンから製
造業者のプロトコル(Stratagene)を使用して切り出した。そのクロ
ーン化インサートのサイズを、cDNAフラグメントを救助されたpBlues
cript Repro−EN−203プラスミドから制限酵素EcoRIおよ
びXhoIで放出することによって決定した。放出されたインサートをアガロー
スゲル電気泳導でサイズ画分し、そしてインサートの見かけ上の長さをその移動
位置をDNA標準(1kbラダー;Gibco BRL)と比較することによっ
て決定した。そのインサートは、約1.2kbに移動した。クローン化したイン
サートのヌクレオチド配列を、Sangerらのジデオキシチェーンターミネー
ター法を改変したプロトコルおよびUSB Sequenase2.0(Bar
ker,D.F.(1993))Biotechniques)を使用して決定
した。アミノ酸配列を、Bionet Intelligeneticsスイー
ト(Oxford Molecular Group)を使用して予想した。
【0173】 (III.RT−PCRを使用してサンプル中の多型性mRNAを検出するた
めのプロトコル) 1つの局面において、本発明は、患者サンプル中のプロサイモシンmRNAの
検出を包含する子宮内膜症を診断するための方法を提供する。プロサイモシンm
RNAを検出するためにRT−PCRを行うためのプロトコルがここに提示され
る。
【0174】 (A.提供される材料) プロサイモシンのためのプライマー: 5’プライマー:5’−ctgacaatgaggtagacgaag−3’(
配列番号3)。 3’プライマー:5’−agtaaagtcagaagtaggac−3’(配
列番号4)。 RT酵素を含むcDNA合成キット成分 ポリメラーゼを含むPCRキット成分 cDNAコントロール材料 (B.プロトコル) (1.cDNA合成(RT)) マイクロ遠心器チューブに、以下の材料および量を添加する。
【0175】
【表2】
【0176】 注:これは、1μg/μLの濃度を仮定する。その濃度が異なる場合、RNAお
よび添加される水の量をそれに従って調整する。 70℃で水浴中で10分間インキュベートし、そして少なくとも1分間氷上で短
時間冷却する。 マスター混合物を、以下の材料および量で示された順序で調製する。1回余分の
反応のために十分な混合物を調製する。
【0177】
【表3】
【0178】 上記の混合物7μlをサンプルチューブのおのおのに添加する。 混合して短く遠心分離する。 室温で5分間インキュベートする。 SuperscriptII RTの1μlを各サンプルチューブに添加する。 混合して短く遠心分離する。 室温で10分間インキュベートする。 チューブを42℃に移し、そして50分間インキュベートする。 その反応を70℃で15分間インキュベートすることによって終結する。 氷上で少なくとも2分間冷却し、そして短く遠心分離する。
【0179】 (C.PCR増幅) マスター混合物を以下の材料および量で示された順序で調製する。1回余分の
反応のために十分な混合物を調製する。マスター混合物を氷上で維持する。
【0180】
【表4】
【0181】 各サンプルまたはcDNAコントロールについて、23μLの上記の混合物を薄
壁PCRチューブに添加する。 各PCRチューブに、第一鎖反応からの2μlのサンプルまたはコントロールc
DNAを添加する。すべてのPCRチューブを氷上に保持する。
【0182】 PCRを以下のサイクルを使用して行う。
【0183】
【表5】
【0184】 注:最適なサイクル数は、バンド強度に依存して決定されなければならない。
【0185】 10μLの産物を2%TAEアガロースゲル上でマーカーとしての1kbのラ
ダーとともに泳動する。
【0186】 本発明は、子宮内膜症の診断および処置のための新規の材料および方法を提供
する。特定の実施態様が提供されたが、上記の記載は、例示的であり、制限的で
はない。本発明の多くの改変が、本明細書を検討することによって当業者に明ら
かになる。従って、本発明の範囲は、上記の記載を参照して決定されるべきでは
なく、そのかわり添付の請求項をその等価物の全範囲とともに参照して、決定さ
れるべきである。
【0187】 本出願において引用された全ての刊行物および特許文献は、各々の個々の刊行
物または特許文献が、個々に引用されているのと同程度に、その全体が全ての目
的のために参考として援用される。本明細書中での種々の参考文献の引用によっ
て、出願人らは、いかなる特定の参考文献も本発明の「先行技術」であることを
認めるものではない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW (72)発明者 ヤマモト, カレン ケイ. アメリカ合衆国 カリフォルニア 92672, サン クレメンテ, ウエスト アベニ ダ デ ロス ロボス マリノス 524 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 CA01 CA04 CA09 CA11 CA12 CA20 DA02 DA03 HA08 HA11 HA12 HA14 4B063 QA01 QA19 QQ02 QQ03 QQ08 QQ42 QQ53 QQ79 QR08 QR32 QR35 QR42 QR48 QR56 QR62 QR82 QS25 QS34 QX01 QX02 QX07

Claims (56)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被験体において子宮内膜症の診断における使用のための方法
    であって、以下の工程: プロサイモシン遺伝子産物の試験量を、該被験体からのサンプル中で検出する
    工程;および 該試験量と、コントロールサンプル中の該プロサイモシン遺伝子産物の正常量
    とを比較する工程であって、これにより該正常量より多い試験量が、子宮内膜症
    の診断において正の指標を提供する、工程、 を包含する、方法。
  2. 【請求項2】 前記サンプルが、異所性子宮内膜組織、正常位置の子宮内膜
    組織、腹水、血液、膣分泌物または尿を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記プロサイモシン遺伝子産物がプロサイモシンmRNAま
    たはcDNAである、請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記検出する工程が、以下の工程: 前記プロサイモシンmRNAまたはcDNAと、少なくとも7〜約50ヌクレ
    オチド長のポリヌクレオチドとを接触させる工程であって、該ポリヌクレオチド
    がプロサイモシンmRNAまたはcDNAと特異的にハイブリダイズする、工程
    ;および 該ポリヌクレオチドと該プロサイモシンmRNAまたはcDNAとの間のハイ
    ブリダイゼーションを検出する工程、 を包含する、請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記ポリヌクレオチドが、DNAまたはRNAを含む、請求
    項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記ポリヌクレオチドが、ホスホロチオエート、ホスホルア
    ミデート、メチルホスホネート、キラル−メチルホスホネート、2−O−メチル
    リボヌクレオチド、およびペプチド核酸からなる群より選択されるヌクレオチド
    アナログを含む、請求項4に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記ポリヌクレオチドが、検出可能な部分を含み、そして前
    記ハイブリダイゼーションを検出する工程が該部分を検出することを包含する、
    請求項4に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記ポリヌクレオチドがプライマーであり、そして前記ハイ
    ブリダイゼーションを検出する工程が、以下: プロサイモシンmRNAの逆転写を該プライマーを用いて開始すること、およ
    び プロサイモシンmRNA逆転写物を検出することであって、これにより、該逆
    転写物の検出が、該ポリヌクレオチドがプロサイモシンmRNAに特異的にハイ
    ブリダイズしたことを示す、こと を包含する、請求項4に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記プロサイモシンmRNAまたはcDNAが固定されてお
    り、そして前記接触させる工程が、該固定されたmRNAまたはcDNAと前記
    ポリヌクレオチドとを接触させることを包含する、請求項4に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記ポリヌクレオチドが固定されており、前記接触させる
    工程が、該固定されたポリヌクレオチドと、前記プロサイモシンmRNAまたは
    cDNAとを接触させることを包含する、請求項4に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記検出可能な部分が、蛍光標識、放射標識、酵素標識、
    ビオチン基、または二次レポーターによって認識されるエピトープである、請求
    項7に記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記生物学的サンプルが固定した組織サンプルであり、そ
    して前記接触させる工程が、前記ポリヌクレオチドと。該固定した組織サンプル
    上で、インサイチュで前記プロサイモシンmRNAまたはcDNAとを接触させ
    ることを包含する、請求項9に記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記固定したポリヌクレオチドが、ポリヌクレオチドアレ
    イに含まれる、請求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記検出する工程が、以下: プロサイモシンmRNAまたはcDNAを増幅して、増幅産物を生成すること
    ;および 該増幅産物を検出すること、 を包含する、請求項3に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記増幅産物を検出する工程が、以下: 該増幅産物と、少なくとも7〜約50ヌクレオチド長のポリヌクレオチドを接
    触させることであって、該ポリヌクレオチドが該増幅産物と特異的にハイブリダ
    イズする、こと;および 該ポリヌクレオチドと該増幅産物との間のハイブリダイゼーションを検出する
    こと、 を包含する、請求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記増幅産物を検出する工程が、該増幅産物のヌクレオチ
    ド配列を決定することを包含する、請求項14に記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記増幅産物を検出する工程が、該増幅産物の質量を決定
    することを包含する、請求項14に記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記ポリヌクレオチドがDNAまたはRNAを含む、請求
    項15に記載の方法。
  19. 【請求項19】前記ポリヌクレオチドが、ホスホロチオエート、ホスホルア
    ミデート、メチルホスホネート、キラル−メチルホスホネート、2−O−メチル
    リボヌクレオチド、およびペプチド核酸からなる群より選択されるヌクレオチド
    アナログを含む、請求項15に記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記ポリヌクレオチドが検出可能な部分を含み、そして前
    記ハイブリダイゼーションを検出する工程が、該部分を検出することを包含する
    、請求項15に記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記検出可能な部分が、蛍光標識、放射標識、酵素標識、
    ビオチン基、または二次レポーターによって認識されるエピトープである、請求
    項20に記載の方法。
  22. 【請求項22】 前記プロサイモシン遺伝子産物がプロサイモシンポリペプ
    チドである、請求項1に記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記検出する工程が、イムノアッセイによってプロサイモ
    シンポリペプチドを検出することを包含する、請求項22に記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記検出する工程が、前記サンプルと、プロサイモシンポ
    リペプチドに結合する親和性因子とを接触させること、および該親和性因子と該
    プロサイモシンポリペプチドとの間の結合を検出することを包含する、請求項2
    2に記載の方法。
  25. 【請求項25】 前記検出する工程が、プロサイモシンポリペプチドの質量
    を有するサンプルにおける分析物を検出することを包含する、請求項22に記載
    の方法。
  26. 【請求項26】 前記イムノアッセイが非競合性イムノアッセイである、請
    求項23に記載の方法。
  27. 【請求項27】 前記イムノアッセイが競合性イムノアッセイである、請求
    項23に記載の方法。
  28. 【請求項28】 前記イムノアッセイが、前記プロサイモシンポリペプチド
    と、蛍光標識、放射標識、酵素標識、ビオチン基、および二次レポーターによっ
    て認識されるエピトープからなる群より選択される検出可能な部分を含む抗体と
    の間の結合を検出することを包含する、請求項23に記載の方法。
  29. 【請求項29】 前記結合を検出する工程が、質量分析によって、結合した
    プロサイモシンポリペプチドを検出することを包含する、請求項24に記載の方
    法。
  30. 【請求項30】 前記非競合性イムノアッセイが以下の工程: 前記サンプルから前記プロサイモシンポリペプチドを、プロサイモシンポリペ
    プチドに特異的な第一の抗体を有する固相上で捕捉する工程;および 該固相とプロサイモシンポリペプチドに特異的な第二の抗体とを接触させるこ
    と、および該二次抗体とプロサイモシンポリペプチドとの間の結合を検出するこ
    とにより、該プロサイモシンポリペプチドの捕捉を検出する工程、 を包含する、請求項26に記載の方法。
  31. 【請求項31】 前記非競合性イムノアッセイが以下の工程: 前記サンプルからの前記プロサイモシンポリペプチドを固相に結合させる工程
    ;および 該固相と、プロサイモシンポリペプチドに特異的な抗体とを接触させること、
    および該抗体とプロサイモシンポリペプチドとの間の結合を検出することによっ
    て、該プロサイモシンポリペプチドを検出する工程、 を包含する、請求項26に記載の方法。
  32. 【請求項32】 被験体中の子宮内膜症の存在をモニタリングするにおいて
    使用する方法であって、以下の工程: 最初の時期の該被験体からのサンプル中のプロサイモシン遺伝子産物の第一試
    験量を検出する工程; 後の第二の時期の該被験体からのサンプル中の該プロサイモシン遺伝子産物の
    第二試験量を検出する工程;および 該第一試験量と、該第二試験量とを比較する工程であって、これにより、該最
    初の時期と該第二の時期との間の量の増加が、子宮内膜症の進行を示し、そして
    該最初の時期と該第二の時期との間の量の減少が、子宮内膜症の寛解を示す、工
    程、 を包含する、方法。
  33. 【請求項33】 プロサイモシン遺伝子産物を結合する化合物および指示書
    を含むキットであって、 (1)患者サンプル中のプロサイモシンを検出するために該化合物を使用し、
    そして (2)正常量のプロサイモシンと比較して、該サンプル中の該プロサイモシン
    遺伝子産物の量の増加に基づいて子宮内膜症を診断する、 キット。
  34. 【請求項34】 前記プロサイモシン遺伝子産物が、プロサイモシンmRN
    AまたはcDNAであって、そして前記化合物が、ストリンジェントな条件下で
    、プロサイモシンmRNAまたはcDNAとハイブリダイズするポリヌクレオチ
    ドである、請求項33に記載のキット。
  35. 【請求項35】 前記プロサイモシン遺伝子産物がプロサイモシンポリペプ
    チドであり、そして前記化合物がプロサイモシンポリペプチドに特異的に結合す
    る抗体である、請求項33に記載のキット。
  36. 【請求項36】 被験体中の子宮内膜症の診断における使用のための方法で
    あって、以下の工程: インビボで、該被験体由来の子宮内膜症組織中にプロサイモシン遺伝子産物を
    検出する工程であって、これにより、該遺伝子産物の検出が、子宮内膜症の診断
    における正の指標を提供する、工程、 を包含する、方法。
  37. 【請求項37】 前記被験体に、プロサイモシン遺伝子産物に特異的に結合
    する化合物を投与する工程、および該化合物と該プロサイモシン遺伝子産物との
    間の結合を検出する工程、 を包含する、請求項36に記載の方法。
  38. 【請求項38】 前記化合物が、γ放射または陽電子放出放射性同位体を含
    み、そして結合が、カメラによる画像化またはガイガー計数管により放射性同位
    体を検出することにより検出される、請求項37に記載の方法。
  39. 【請求項39】 前記化合物が、常磁性同位体を含み、そして結合が、磁気
    共鳴画像法(「MRI」)によって常磁性同位体を検出することによって検出さ
    れる、請求項37に記載の方法。
  40. 【請求項40】 前記化合物が、プロサイモシンmRNAに特異的にハイブ
    リダイズするポリヌクレオチドである、請求項37に記載の方法。
  41. 【請求項41】 前記化合物が、プロサイモシンポリペプチドに特異的にハ
    イブリダイズする抗体である、請求項37に記載の方法。
  42. 【請求項42】 被験体における子宮内膜症の処置のための方法であって、
    以下の工程: 検出可能な標識、およびプロサイモシン遺伝子産物に特異的に結合するリガン
    ドを含むプローブを該被験体に投与して、該プローブと該プロサイモシン遺伝子
    産物とを結合させる工程; 子宮内膜症病変を、インサイチュで、結合した標識を位置付けすることによっ
    て同定する工程;および 該子宮内膜症病変を切除する工程、 を包含する、方法。
  43. 【請求項43】 以下の工程: 前記被験体の腹膜内に前記プローブを投与する工程であって、ここで、該プロ
    ーブが、プロサイモシンに特異的に結合する抗体リガンドおよび放射性標識を含
    む、工程; 子宮内膜症病変を、インサイチュで、ガイガー計数管を用いて結合したプロー
    ブを位置付けすることによって同定する工程;および 該子宮内膜症病変を、腹腔鏡によって切除する工程、 を包含する、請求項42に記載の方法。
  44. 【請求項44】 ある化合物が子宮内膜細胞においてプロサイモシン遺伝子
    産物の発現を調節するか否かを決定するためのスクリーニング方法であって、以
    下の工程: 該細胞と該化合物とを接触させる工程;および 該プロサイモシン遺伝子産物の発現が、該化合物と接触されていないコントロ
    ール細胞における発現とは異なるか否かを決定する工程であって、それによって
    、該子宮内膜細胞と、該コントロール細胞との間の発現の差異が、該薬剤が該プ
    ロサイモシン遺伝子産物の発現を調節することを示す、工程、 を包含する、スクリーニング方法。
  45. 【請求項45】 請求項44に記載の方法であって、 前記子宮内膜細胞が、マウスにおける異種移植片として培養された子宮内膜症
    組織内に含まれ; 前記接触させる工程が、該マウスに該化合物を投与することを含み; 前記決定する工程が、該マウスから該組織を取り出した後に、該遺伝子産物の
    発現をインビトロで決定することを含む、 方法。
  46. 【請求項46】 被験体における子宮内膜症の処置のための方法であって、 該被験体において正常位置の子宮内膜組織または異所性子宮内膜組織における
    プロサイモシン活性を減少させる化合物を該被験体に投与する工程を包含する、
    方法。
  47. 【請求項47】 前記化合物が、プロサイモシンmRNAの発現を阻害する
    、請求項46に記載の方法。
  48. 【請求項48】 前記化合物が、プロサイモシンタンパク質の活性を阻害す
    る、請求項46に記載の方法。
  49. 【請求項49】 前記化合物が、有機低分子である、請求項46に記載の方
    法。
  50. 【請求項50】 前記化合物が、腹腔内に投与される、請求項46に記載の
    方法。
  51. 【請求項51】 前記化合物が、プロサイモシンmRNA配列に対して、少
    なくとも7ヌクレオチドの同一または相補的な配列を含む阻害性ポリヌクレオチ
    ドを含み、ここで該阻害性ポリヌクレオチドは、プロサイモシンmRNAの転写
    、プロセシング、または翻訳を阻害する、請求項47に記載の方法。
  52. 【請求項52】 前記阻害性ポリヌクレオチドが、プロサイモシンmRNA
    内のヌクレオチド配列に対して特異的にハイブリダイズする、少なくとも7ヌク
    レオチドのアンチセンス配列を含むポリヌクレオチドであり、それにより、該ポ
    リヌクレオチドが該プロサイモシンmRNAの活性を阻害する、請求項51に記
    載の方法。
  53. 【請求項53】 前記阻害性ポリヌクレオチドが、プロサイモシンmRNA
    を切断するリボザイムである、請求項51に記載の方法。
  54. 【請求項54】 前記アンチセンス配列が、10〜50ヌクレオチド長の間
    である、請求項52に記載の方法。
  55. 【請求項55】 前記ポリヌクレオチドが、ホスホロチオエート、ホスホル
    アミデート、メチルホスホネート、キラル−メチルホスホネート、2−O−メチ
    ルリボヌクレオチド、およびペプチド核酸より選択されるヌクレオチドアナログ
    を含む、請求項52に記載の方法。
  56. 【請求項56】 前記ポリヌクレオチドを有する細胞を提供する工程が、前
    記アンチセンスポリヌクレオチドをコードするヌクレオチド配列に作動可能に連
    結された発現制御配列を含む発現ベクターを用いて該細胞をトランスフェクトし
    、それにより、該ベクターが該ポリヌクレオチドを発現することを包含する、請
    求項52に記載の方法。
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