JP2009533658A - 最適化電流測定検出を用いる小型バイオセンサー - Google Patents

最適化電流測定検出を用いる小型バイオセンサー Download PDF

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Abstract

マイクロシステムの電流測定検出を最適化する方法は、検出を検出すべきアナライトの拡散層(18〜20)がマイクロチャネル(7)の高さより小さいままである時に限定することからなる。容量性電流の寄与を除去し、かつ該当する場合は、検出の最初に電極の上方のくぼみに存在するアナライト分子の還元又は酸化から生じる電流の寄与を除去するように、電流測定の第2の部分中に測定される電荷(これは、対応する時間にわたって測定される電流の積分に対応する)も考慮される。この方法を実施するための微小流体電流測定センサーは、少なくとも1つの電極(15〜17)を有し、マイクロチャネルの1つの壁に組み込まれ、かつマイクロチャネル高さの半分より小さい特徴的長さもしくは半径を有する少なくとも1つのマイクロチャネル(7)を含む。

Description

本発明は、少量試料中の生物学的又は化学的化合物の分析と検出のための電流測定センサー、及び該センサーを作製し使用する方法に関する。
分析器具の小型化は、分析化学において主に2つの明瞭な理由のために非常に魅力的な重要な分野になっている:すなわち、一回の分析に必要な時間を減少させ、試料と試薬ならびに廃液の量を減少させること。種々のタイプの測定法の開発のための微小流体器具の作製とその使用において、近年多くの進展がなされている。
小型化の1つの障害は、微小流体器具の容積の小ささと、そのためこれらの系に存在する分子の数の少なさにもかかわらず、検出下限を確保しなければならないことである。やや高濃度のアナライトの検出ではあるが、光学的、質量スペクトル的、又は電気化学的検出手段を含む異なる検出手段の使用が成功している。例えばグルコースの検出についてすでに多くの分析系が存在し、試料容量の低減に対する明らかな傾向がある。実際Therasense(US2004/0225230A1を参照)により開発されたある電気化学的グルコースセンサーはすでに、わずか0.3マイクロリットルの毛細管血液でグルコースの電量検出を行うため、小型器具と考えられている。これらのグルコースセンサーは純粋な酵素反応にのみ(毛細管充填以外の液体の扱いは無い)応用されており、高濃度アナライトに限定されている。電量検出は試料中の利用可能なアナライトのすべての測定を可能にするため、確かにかかる少ない試料容量では他の電気化学的検出法より正確であると言われている。実際、血液グルコースモニタリングシステムは電流測定法を使用し、これは血液試料中の一部のグルコースのみしか測定せず、小さな試料サイズから得られるシグナルを限定している。電流測定検出は器具の形に大きく依存するため、少ない容量中の目的のアナライトの量をプローブ検出し、追跡し、又は測定するために充分な感度と正確性を有する電流測定センサーを有することが多くの分析用途に好ましいであろう。
低濃度の検出には、微小流体器具の形ならびに検出法の最適化が必要である。検出窓の形と経路長は、光学的検出に依存する系の感度に直接影響を与え、検出能力は電極の形と配置ならびに電気化学的センサー中の電極周りの形に直接依存する。これらの因子は小型分析系、特に例えば蛍光ベースの検出系と比較して比較的低感度であると通常考えられている電気化学的マイクロセンサーの性能の重要な限界である。
電気化学的マイクロセンサーの性能に影響を与える1つの重要なパラメータは、一般に自然対流が存在しないため電極の上方に拡散層を確立することができないことである。マイクロシステムは電極表面と直交する大きさが無限ではなく、従って電流は決して一定値(定常電流)に達せず、絶えず時間とともに低下する。電極で電気活性分子種が消費されるため全濃度が絶えず放出され、従って溶液が弱くなり、測定可能な電流が低下する。これが検出感度を制限し、従って本発明の目的はマイクロシステムの形及び/又は電流測定検出法を最適化することにより、考えられる最大の電流を測定することを可能にする電気化学的マイクロセンサーと方法を提供することである。
電気化学的センサーは器具の取り扱いが容易で、測定を行うのに必要な構造が比較的簡単で、分析を並列処理する大きな可能性があるため、グルコース試験において広く受け入れられており、かつ結果を得るまでの時間が短く、消費容量が少なく、多重化の可能性が大きいため、小型のシステムに対して大きな関心が持たれているため、低濃度アナライトの正確で高感度な分析を実施できる電気化学的マイクロチップを開発することは極めて好ましくかつ便利であろう。また、測定法の検出限界を改善しその再現性を向上させるように、検出できるシグナルを最適化できるマイクロチップベースの電気化学的センサーを製造し使用する方法を開発することも好ましいであろう。
本発明は、電流測定による少量のアナライトの検出及び定量のための新規方法と、アナライトの最適化電流測定検出のためのマイクロチップベースの電気化学的センサーとを提供する。一般に本発明の方法と器具は、微細構造体中に存在する溶液と直接接触するように、該微細構造体の1つの壁に少なくとも1つの作用電極を有する微細構造(一般にマイクロチャネル)を含む微小流体システムにおいて、低濃度の電気活性化合物の検出を可能にする。本発明はまた、最適化電流測定検出を与えるように改変した小型化微小流体センサーの作製法を含む。本発明の分析器具は、生物学的及び/又は化学的分析において多くの用途を有し、酵素、抗原、抗体、タンパク質、ペプチド、免疫学的、オリゴヌクレオチド、DNA、細胞、ウイルス、又は病原体アッセイに特に適している。
本発明において以下の用語が定義される。
本明細書において「マイクロチップ」、「チップ」、「マイクロシステム」、又は「微小流体器具」は、反応チャンバーもしくは分離チャンバー、又は導管、例えばマイクロウェル、マイクロチャネル、毛細管、マイクロホールなど(サイズや形は限定されないが微小流体操作を可能にする)である少なくとも1つの小型化構造体(又は「微細構造体」)を含む任意のシステムである;微細構造体は任意の手段、例えばエンボス加工、射出成形、化学的エッチング、プラズマエッチング、レーザー削摩、ポリマー鋳造、UV Liga、2つの材料層間のスペーサーの組み込み、又はこれらの任意の組合せにより作製される;好適な実施態様においてマイクロチップは、微細構造体が作製される少なくとも1つの層(以後「チップ支持体」又は「微細構造支持体」と呼ぶ)、微細構造体を封鎖するための電導性トラック及び/又は電極の接続のためのパッド、及びカバー層(例えば積層、ポリマー箔、又はガラススライド)を含む多層体から作成される;さらに好適な実施態様においてマイクロチップは、ポリマー材料(例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリウレタン、液晶ポリマー、又はポリオレフィン)から作成されたチップ支持体と含み、カバー層もまたポリマー材料から作成され、電導性トラック及び/又はパッドは金属又は電導性インク(例えば、銅(金で被覆されるか又はされない)、又は銀及び/又は塩化銀を混ぜたカーボンインク)から作成される;別の実施態様において、マイクロチップは複数の微細構造体(例えば、マイクロチャネルのアレイ、又はマイクロチャネルのネットワーク、又は一連のマイクロウェルもしくはマイクロホール)を含む。
「微細構造体の高さ」は、その壁部分の少なくとも1つの組み込み電極を含む微細構造体の表面と微細構造体の反対の壁との距離である;凹型電極の場合、くぼみの高さは微細構造体の高さに含まれない。
「微小電極」は、特徴的な大きさ[また、以後特徴的な長さとも呼ぶ](すなわち、マイクロディスク又は微小半球の場合は半径、マイクロバンドの場合はバンド幅など)の1つが数十マイクロメートル又はそれ以下である電極である。
「作用電極」は、酸化還元メディエーターの助け有り又は無しで、電極とアナライトとの間の電子の移動によりアナライトが酸化又は還元される電極である。
「対電極」は、作用電極と対になる電極であり、ここを介して、作用電極中を通過する電流と同じ強度だが反対の符号を有する電気化学的電流が通過する。
「参照電極」は、電気化学的測定中に電位を固定するように機能する電極である。
「偽参照電極」は、対電極としても機能する参照電極である(すなわち、対電極/参照電極);さらに、本明細書において用語「参照電極」はまた、特に明記しない場合は偽参照電極を含む。
「アナライト」は、試料中に存在し、定量的もしくは定性的に、直接又は間接に、例えば化学的もしくは生物学的レポーター(例えば、抗原、抗体、酵素、オリゴヌクレオチドなど)により、検出又は追跡されるべき目的の化合物である。
「電流測定法」は、作用電極での還元及び/又は酸化からの電流を測定することからなる電気化学的検出法である;従って「電流測定法」は、クロノアンペロメトリー、パルスボルタンメトリー、及びコットレル形測定を含む。電流測定では、ポテンシオスタット(potentiostat)を使用して、作用電極と参照電極間の電位がポテンシオスタット内で設定された所望の電位値に到達するまで、作用電極中に電流を流す。簡単化のために以後我々は、電極である電位値に達することが所望の場合、通常の電気化学的専門語に従って、これを一般にポテンシオスタットによりこの電位が作用電極に印加されると言う。
「電気化学的マイクロセンサー」又は「電気化学的マイクロチップ」は、電気化学的酸化及び/又は還元反応によりアナライトの濃度を測定及び/又はその存在を検出するように設計かつ改変された器具である。これらの反応は、アナライトの量又は濃度に相関し得る電気シグナルに変換される。
化合物は、表面に捕捉されるか又は物理的もしくは化学的に結合する時、表面に「固定化」される。
ここで「消費層」は、アナライトを還元及び/又は酸化するのに必要な電位を印加すると、電極でこのアナライトが消費されるためにアナライト濃度の勾配が生成する電極に隣接した容量として定義される。消費層を超えると、アナライト濃度は一定のままであり、還元及び/又は酸化反応が起きると電極表面ではアナライト濃度はゼロである;電極で酸化還元反応が無い時は、アナライト濃度はマイクロセンサー内で均一であり、濃度勾配は、電極で反応するアナライト分子の拡散によってのみ生成される。
「消費層の厚さ」lは、ここで電位を印加すると電極でのアナライト消費により生じる濃度勾配の長さとして定義される。従って消費層の厚さは時間とともに変化し、器具の形に依存する。拡散が等方性の場合、消費層の厚さはアナライト濃度の勾配がある電極に隣接した容量を決定する。従って消費層の厚さは、電極表面と、酸化及び還元される分子種の濃度がこれらの初期濃度に等しい位置(すなわち、酸化還元反応に必要な電位がスイッチオンされる時の濃度)との距離により与えられる。
分子フラックスが拡散により制御されるマイクロシステムでは(すなわち、移動及び強制対流がゼロであるか又は無視できる時)、組み込み電極でのアナライトの消費は濃度勾配を生成し、これは電位の印加中、時間とともに連続的に変化する。この濃度勾配を包含する容量は、アナライト濃度がその初期濃度(すなわち電極でアナライトの還元又は酸化を誘導するのに必要な電位が印加される時の濃度)とは異なる電極表面より上の「消費層」を規定する。無限又は半無限状況に置かれた微小電極で起きるものと同様に、マイクロディスク及び微小半球電極の場合はこの消費層は半球形、そしてマイクロバンド電極の場合は半円筒形を有する。しかしマイクロシステムでは電極の上方の高さは数十マイクロメートル又はそれ以下に限定され(従って電極の周りの溶液の容量は数nL又はそれ以下に限定される)、その結果自然対流が起きる充分なスペースが無い。すなわち、自然対流によるアナライト分子の更新の可能性が無く、その結果拡散層が確立されない。その結果、測定された電流は定常状態に達しないで、これは電極での消費のために時間とともに低下する。
電極でのアナライト分子の消費は、時間とともに変化する濃度勾配を生成し、ここでアナライト分子は電極に向かって拡散する。この濃度勾配は、アナライト濃度がその初期濃度とは異なる電極周りの容量を決定する。無限又は半無限状況の拡散層の公知の考え方との類推により、電極の上方の濃度勾配により規定される容量は以後「消費層」と呼び、この消費層は、アナライトの還元又は酸化を誘導するのに必要な電位の印加中にアナライトが枯渇する容量である。
濃度勾配が拡散により制御されると、消費層の厚さlは、ネルンスト−アインスタイン(Nernst-Einstein)式により計算される:
l=2(Dt)1/2 Eq.1
ここで、Dはアナライト分子の拡散係数(m2/s)であり、tは時間(秒)であり、これは電極でアナライトを還元又は酸化するのに必要な電位の印加の持続時間に対応する。
純粋に拡散により制御されているため、微小電極でのアナライト消費は電極の上方に球形拡散フラックスを誘導し、従って微小電極の形に依存して半円筒形又は半球形を有する(これは、大きな電極と比較して物質移動の従って測定可能な電流の大きな上昇を引き起こす)。マイクロシステムの微小電極の上方の消費層はこの球形分散様式に従い、従ってマイクロディスク又は微小半球電極の場合は半球形、そしてマイクロバンド電極の場合は半円筒形を有する。
あるいは電極がくぼんでいる時、2つの拡散形が関与する:1方は、凹型電極の上方のくぼみに規定される微小円筒形(又は微小円錐形)中の線形拡散で、他方はマイクロディスク電極上で得られるような半球形拡散。この構成では、消費層はこれらの2つの拡散様式に従って変化し、電流測定の時間スケールでは、凹型のマイクロディスク電極は、拡散層の見かけの厚さがlapp=L+l(ここで、Lは電極の上方のくぼみの高さである)である微小電極のように作用すると考えられる。
組み込み電極を有するマイクロチャネルのような微細構造体では、電極の上方の溶液の容量は限定され、その結果、アナライトは検出中に消費が進行し、従って電極の上方の全容量が枯渇するため、消費層中の等濃度曲線は電極の上方の半球又は半円筒形からマイクロチャネルの断面に従って曲線に急速に変化する。従って拡散様式は電極の上方の球形からマイクロチャネル長さに沿った線形に変化し、こうして物質移動、還元もしくは酸化分子種の電極へのフラックス、従って測定可能な電流が低下する。従って検出中の微細構造体内のアナライトの枯渇と、半球型と線形型拡散との混合により、センサーの感度は限定される。従って本発明の目的は、電極の上方の微細構造体の高さより小さい厚さを有する電極の上方に消費層を誘導することにより、微細構造体と組み込み作用電極の形が、半球型又は半円筒形型拡散にされたアナライト分子を検出するように改変された電気化学的マイクロセンサーを提供することである。センサーが複数の組み込み電極を含む時、これらの電極はまた、隣接電極の上方の消費層が重複しないように、配置される。さらに本発明は、電極へのアナライト分子の拡散フラックスを最大にすることにより最大の可能な電流を測定することを可能にする方法を提供する。好適な方法において本発明は、容量性電流に影響を受けない電気化学的シグナルを与えるように改変される。センサーが組み込み凹型電極を含む時、本発明の方法はさらに、検出の最初にくぼみに存在するアナライト分子の検出から得られるシグナルを取り出すように改変される。従って本発明は、測定される電流が最大になり、従ってセンサーの感度を最適化し、一方容量性電流により及び/又は電極の上方のくぼみに存在するアナライト分子の検出により、バックグランドシグナルと再現性エラーを低下させる方法を与える。
従って本発明のセンサーは、電気活性アナライト、すなわち還元又は酸化反応(酸化還元反応)を受け易いアナライトの最適電流測定検出を可能にする形状的特徴を有する少なくとも1つの微細構造体(最も好ましくはカバーされたマイクロチャネル)を含むマイクロチップベースの分析システムを提供する。本発明の別の目的は、最大感度でマイクロチップ中のアナライトを電流測定検出する方法を提供することである。
第1の態様から本発明は、正確なサイズと位置を有する少なくとも1つの作用電極を含む少なくとも1つの微細構造体を含むマイクロチップシステムを提供し、該作用電極は検出すべき電気活性分子種を含有する溶液と直接接触している微細構造体の壁部分を規定する。微細構造体の形と微細構造体内に組み込まれた作用電極の位置とサイズは、微細構造体内(特に作用電極の周りの数マイクロメートル内)の溶液の部分に存在するアナライトの大幅な枯渇を可能にするように、かつ検出時間スケール中のチャネル高さの完全な枯渇を避けるように改変され、こうして、絶えず半球型又は円筒型拡散に留まり、電気化学的シグナルがマイクロチャネル方向の線形拡散により限定されるのを防ぐ。
好適な実施態様において微細構造体は、カバーされたマイクロチャネルのアレイ又はネットワークであり、該マイクロチャネルの形と大きさ、ならびに該マイクロチャネル内に組み込まれた作用電極のサイズ、形、及び位置は、半球型拡散を受ける電気活性アナライトのみが、電流測定検出工程の時間スケール中に作用電極で測定することができるように、設計され構成される。すなわちマイクロチャネル及び組み込み作用電極の技術的及び形状的特徴は、電流測定中にマイクロチャネルの一部のみが枯渇するが、マイクロチャネルの長さに沿った線形拡散を確立するには時間が不充分であるように、選択される。さらに好適な実施態様においてマイクロチャネル及び作用電極の形と大きさは、電極の上方のマイクロチャネルの高さに対応する最大距離にわたって電流測定中に電気活性アナライトが枯渇するようなものである。さらに好適な実施態様においてマイクロチャネルの高さは、組み込み作用電極の「特徴的長さ」(又は「特徴的大きさ」)r(すなわち、マイクロディスク又は微小半球の場合の半径、マイクロバンドの場合のバンド幅など)の少なくとも2倍である。さらに好適な実施態様において、マイクロチャネルの高さと作用電極の特徴的大きさの比は、2〜5である。最も好適な実施態様においてマイクロチャネルの高さは約500マイクロメートルより小さく、組み込み作用電極の特徴的大きさは約200マイクロメートルより小さい。後述するように、直径が50マイクロメートルでマイクロチャネルの高さが60マイクロメートルの組み込み作用電極を有する本発明の装置は、わずかに2秒だけ電流を測定する時も、電流測定検出を最適化することを可能にする。
本発明の器具の上記特徴はまた、くぼみが電極の特徴的大きさより小さい高さLを有するなら、凹型の組み込み作用電極の場合にも適用される。
ある実施態様において本発明の微細構造体は、約500nL以下の溶液、さらに好ましくは約200nL以下、最も好ましくは約100nL以下の溶液を含有するサイズに作成される。さらなる実施態様において微細構造体は、微細構造体の壁部分に少なくとも1つの組み込み作用電極を含み、この電極は直径が約100マイクロメートル以下、さらに好ましくは約50マイクロメートル以下、最も好ましくは約25マイクロメートル以下のマイクロディスクであり、従ってアッセイの電流測定検出工程(これは10秒以下持続し、最も好ましくは2秒以下である)中に、約500pL以下の溶液、それぞれ好ましくは約200pLの溶液、最も好ましくは約100pL以下の溶液が試験される測定ゾーンを形成する。微細構造体が複数の組み込み作用電極を含有する時、各電極は、アッセイの電流測定検出工程中に、約500pL以下の溶液、それぞれ好ましくは約200pLの溶液、最も好ましくは約100pL以下の溶液が試験される測定ゾーンを形成する。かかる構成において組み込み作用電極は、マイクロチャネルの長さの部分に沿って位置し、少なくとも電極の直径に等しい距離により分離され、従って最終的な検出シグナルは、それぞれ個々の電極で測定される電流の付加により与えられる。こうして、微細構造体中に閉じこめられた溶液の容量の大部分はアッセイ中に試験され、微細構造体と電極の大きさならびに印加電位の時間を改変することにより電流測定の最適化を維持し、こうしてアナライト分子が絶えず半球形もしくは球形拡散様式に提供されることを確実にし、消費層の厚さが電極の上方のマイクロチャネルの高さより小さいままであることを確実にする。
好適な実施態様において微細構造体は、チャネルの一端に入り口を有し他端に出口を有するカバーされたマイクロチャネルである。入り口及び/又は出口は、貯蔵部に囲まれて、試料と試薬の操作を容易にする。別の好適な実施態様において微細構造体内に組み込まれた電極は一連の作用電極である(相互連絡しているか又は個々にアドレス可能である)。多くの応用において本発明のマイクロチップは、参照電極が溶液と接触するように、マイクロチャネルの外、例えばマイクロチャネルの入り口又は出口に置かれた参照電極を有することが有利である。2電極系では、この参照電極はまた対電極の役割を果たし、従って偽参照電極を構成する。3電極系では、対電極は微細構造体の壁部分に組み込まれ、その結果微細構造体は作用電極と対電極の両方を含む。好適な実施態様において作用電極は対電極に面する。この構成では、作用電極は例えば微細構造体の底(微細構造体支持体の片側に置かれた電導性物質から作成される)に置かれ、対電極は微細構造体の上面(微細構造体支持体の反対側に置かれた電導性物質から作成される)に置かれる。別の実施態様において作用電極と対電極は隣接しており、複数の電極が使用される時、これらは作用電極と対電極との間で交互にかみ合った電極のアレイを形成することができる。
別の実施態様において本発明のマイクロチップ器具はまた、各電極(作用電極、参照電極、及び/又は対電極)間の電気的接触を与えるための電気的接続パッド及び/又はトラック、及び電気計器(例えば、ポテンシオスタット又は電源)を含む。
さらなる実施態様において組み込み作用電極は、微細構造体の反対にあるマイクロチップ支持体の片側に位置する電気接続パッドの明確な部分から作られ、該明確な部分は微細構造体の底の溶液に暴露される。本発明の器具は有利には、微細構造体に沿って置かれた一連の電気接続パッドに作成された一連のかかる組み込み電極を含む。別の実施態様において本発明の器具はまた、単一の電気接続パッドで製造される相互接続組み込み電極のアレイを含む。
本発明において電気的接続トラック又はパッドならびに各電極は、任意の電導性物質で作成される。好適な実施態様において電極は電導性インク(例えばカーボンインク)又は金属又は金属合金(例えば、金、白金、銀、オスミウム、チタン、クロムなど)から作成される。さらなる好適な実施態様において電気的接続トラック又はパッドならびに電極は、電気化学的に不活性な金属(例えば金、白金、銀など)で被覆された銅のような金属から作成される。ある応用において、不活性金属層への銅の拡散(これは電極が正しく作用することを妨害する)を防ぐように、例えばニッケルから作成された補助層が銅と不活性金属との間に添加される。あるいは1つ又はそれ以上の微細構造体中で1つ又はそれ以上の電極が接触するように、電気的接続トラックとパッドが構成され配置される。好適な実施態様において本発明のマイクロチップは、プリント回路基板であり、ここに微細構造体が作成される。
本発明のマイクロチップはまた、マイクロチャネルの一端がマイクロチップ支持体の端に位置するように配置される。ある実施態様においてこの末端は、マイクロチャネルに試料及び/又は試薬を充填するのに使用することができる。このためにマイクロチャネルの他端は、マイクロチャネル内の試料(ならびに試薬)の吸入排出や吸引を可能にする機械的手段に接続される。この構成ではマイクロチップ支持体は、マイクロチャネル内への溶液、試料、又は試薬の取り込み、及び/又はマイクロチャネルからの溶液、試料、又は試薬の回収又は供給を促進するように、チップ形で配置される。微細構造体は有利には、微細構造体支持体の端からの溶液、試料、又は試薬の取り込み、回収及び/又は供給に適合するように、端の1つが微細構造体支持体のチップ形の中間に位置する。微細構造体チップはまた、溶液、試料、又は試薬の直接の取り込み、回収及び/又は供給を可能にするように、固体材料(例えば膜、ポリマー箔、又は皮膚のような組織)を所望の貫通で突き通すように改変することもできる。
ある実施態様において本発明のマイクロチップセンサーは、化学化合物(例えばカルボキシ基、N−ヒドロキシスクシンイミド、又は目的の任意の分子)又は生物学的物質(例えば、酵素、抗原、抗体、親和性物質、ペプチド、オリゴヌクレオチド、DNA、DNA株、細胞、病原体、ウイルスなど)で官能基化することができる。マイクロチップの官能基化は、例えばマイクロチャネル表面及び/又は組み込み電極の少なくとも一部の固定化(例えば、吸着、物理吸着、化学吸着、イオン結合、及び/又は共有結合)により行われる。複数の組み込み電極を含むマイクロチップでは、異なる化学的又は異なる生物学的物質(例えば、異なる抗体又は抗原、異なるDNA株など)が、マルチアナライト試験を可能にするためにシリーズの各電極上に固定化される。ある応用では、微細構造体はまた乾燥試薬を含有してもよい。これは有利には、微細構造体内の試料又は別の溶液の導入による乾燥試薬の直接溶解により、アッセイの工程数を減少させるために行うことができる。
別の実施態様において本発明のセンサーの微細構造体は、微細構造体の少なくとも1つの部分が、流体、固体、ゲル、又はゾル−ゲルなどの媒体を受けることができるように形成することができる。例えば、微細構造体は、膜、ゲル化液体、例えば可塑化有機相、又はビーズを含有することができる。この媒体は1つ又は複数の化学的化合物又は生物学的物質で官能基化(例えば、可逆的又は不可逆的固定化)することができる。媒体はまた、固体構造でもよく、例えば分離手段を与えるクロマトグラフィー媒体、又は微細構造体内のある位置の液体の通過を変更又は防止する障害物もしくは制限物質でもよい。
具体的な実施態様において本発明のセンサーはまた、例えば凹型の組み込み電極で達成されるように微細構造体の少なくとも1つの部分に有機相(液体中又はゲル化形)を含んでよく、ここでくぼみは電極と接触した有機相を含有することができ、微細構造体の残りは、水溶液、例えば試料溶液で充填することができる。センサーの微細構造体中への有機相の取り込みは、有機相と水相の両方の存在を含む多くの応用で使用することができる。この構成では本発明のセンサーは、有機相と水相の間の分子種の移動又は通過を含む小型化したスケールの分析(例えば、イオン移動反応(イオノフォアにより補助されるか又は補助されない)又は透過性、溶解度、及び/又は親油性アッセイのような化合物の物理化学的特性の電流測定)を行うことを可能にする。本発明のセンサーは、試料容量を減少させ、分析時間を短縮することを可能にする一方、簡便な操作と容易な平行処理を提案し、これは無数の試料又は少量の化合物の大きなライブラリーを処理しなければならない診断薬や医薬研究において大きな関心事である。
本発明のマイクロチップはまた、試料、試薬、緩衝液などの貯蔵部、電極以外の反応チャンバー又は検出セル(例えば、UV−VIS、蛍光、又は任意の発光チャンバー)を含んでよく、これらは例えばマイクロチャネルに沿って作製され、器具の電流測定センサーとの接続を可能にするように配置され、こうして第2の検出手段を与えることが指摘される。本発明のマイクロチップはまた、貯蔵部、サンプル調製、前処理、又は分離チャネル、注入ループ又は、マイクロチップに組み込まれる他の機能のような追加の要素を含んでよい。これらのすべての要素は、別々に作製及び/又は微細加工され、組合せて1つの完全なシステムにされ、これは例えば、センサーのマイクロチャネルと電極を支持する集積回路基板、および貯蔵部、電気接続ピン又は他の目的の追加の要素を支持する装置ブロックを含み、両方の部品とも正確な接続を与えるように置かれ、こうして容易な操作を可能にする。貯蔵部とマイクロチップの電極の電気的接続を可能にするアクセスホールを含む機械加工又は射出成形される部品(例えばプリント回路基板)は、例えばマイクロチップ支持体に接着されるか支持体上に所望のマスクを使用して射出して固められ、一方チャネル入り口と出口に貯蔵部と、電極と接続するのに機能する接触パッドの上に開口部を作成する。
本発明のマイクロチップセンサーは、多くの用途、例えば、相互汚染及び/又は擬陽性もしくは擬陰性結果を避けなければならないインビトロ及びインビボの診断薬、産業用制御、医薬研究、又は環境分析に適したディスポーザブル器具として製造することができる。本発明のマイクロチップセンサーはまた、多数の試料の分析ならびに大量処理スクリーニングの低コスト自動化にも適している。さらに本発明のマイクロチップは、貴重な試料及び/又は試薬の容積及び量を減少させることを可能にし、非常に短時間に定量結果を与えることができる。本発明の特徴と利点はまた、しばしば本発明の好適な実施態様の以下の詳細な説明、その証明例、および特許請求の範囲からも明らかであろう。
第2の態様から本発明はマイクロチップでアッセイを行う方法を提供し、ここで目的のアナライトの検出は、電圧印加及び同時の電流測定中にマイクロチャネル部分の大部分が枯渇するが、マイクロチャネルの長さに沿った線形拡散を確立するには時間が不充分であるように、電流測定により行われる。従って本発明は、微細構造体高さの2倍より小さい特徴的長さを有する少なくとも1つの組み込み作用電極を含む少なくとも1つの微細構造体(好ましくはカバーされたマイクロチャネル又はカバーされたマイクロチャネルのアレイもしくはネットワーク)を含むマイクロシステムで電気活性アナライトの濃度を電流測定する方法を提供し、該方法は、比率r2/D(ここでrは組み込み作用電極の特徴的大きさであり、Dは電気活性アナライトの拡散係数である)より短い時間で、電位が組み込み作用電極に印加され、関連する電流が測定され、従って電極の上方のマイクロチャネル高さより小さい厚さを有する半球形消費層中に存在するアナライト分子のみが電流測定的に検出される。
好適な実施態様において本発明の方法は、a)微細構造体の壁部分に少なくとも1つの組み込み作用電極を含む少なくとも1つの微細構造体(好ましくはカバーされたマイクロチャネル又はカバーされたマイクロチャネルのアレイもしくはネットワーク)を含むマイクロチップを提供する工程;b)該マイクロチップに目的のアナライトを含む試料を充填する工程;c)比率r2/Dより短い時間で該アナライトを電流測定的に検出するのに必要な電位を印加し、この時間内に作用電極で対応する電流を測定する工程;及び随時d)比率r2/Dの半分より長い緩和時間後に工程c)を繰り返す工程、を含んでなる。
別の実施態様において本発明のアッセイを実施する方法は、工程c)とd)で測定される電流を測定期間の後半にわたって積分し、測定期間の後半中の作用電極での酸化還元反応から生じる電荷Qの値を得て、この電荷の値から目的のアナライトの存在、量、又は濃度を求めることを、さらに含む。好適な実施態様において本発明の方法は、10秒より短い時間で電流測定検出される分子種を還元又は酸化するのに必要な電位を組み込み作用電極に印加し、測定の最後の2秒間以下にわたって電流を積分して還元反応又は酸化反応から生じる電荷を考慮して、目的のアナライトの存在、量、及び/又は濃度を決定することにより、マイクロチップ中のアナライトの電流測定検出を行うことを含む。最も好適な実施態様において本発明の方法は、わずかに約2秒で必要な電位を印加し、測定の最後の2秒間以下に測定される電流の積分から得られる電荷を考慮して、目的のアナライトの存在、量、又は濃度を求めることにより、マイクロチップ中のアナライトの電流測定検出を行うことを含む。
別の実施態様において本発明の方法は、異なる時間に電流測定を繰り返し、連続的電流測定中に測定される電荷の経時変化から、目的のアナライトの存在、量、又は濃度を求めることを含む。好適な実施態様において本発明の方法は、種々の連続的電流測定中に測定される電荷の経時変化の傾きを考察して、目的のアナライトの存在、量、又は濃度を求める工程を含む。
ある実施態様において本発明の方法は、組み込み作用電極で電流測定検出される分子種の濃度又は量が時間とともに変化する、マイクロチップ中のアッセイを行うのに使用される(例えば、酵素反応で生成される電気活性分子種の場合、例えば通常の親和性もしくは免疫学的試験、又は生成物の増幅に至る化学的もしくは生物学的反応の場合、例えばDNA検査のように)。このような場合に電流測定検出工程のシーケンス中に測定される電荷は時間とともに変化する。連続的電流測定から推定される電荷の経時変化の傾きを考慮することからなる本発明の方法は、マイクロチップ中の最適化電流測定検出を可能にする。実際本発明の方法は、半球型又は球形型拡散を受けるアナライト分子のみを検出することにより、電極の上方の微細構造体の高さより小さい厚さを有する消費層を作成することにより、最大の可能な電流を絶えず測定するように改変される。電流測定の第2の部分にわたって測定された電流の積分はまた、容量性電流によるエラーと変動を最小にし、この電荷の経時変化の傾きを考慮すること(すなわち、繰り返し電流測定に対する電荷の変化)は、検出される電流及び/又は電荷の絶対値を考慮することは必要とせず、時間に伴うシグナルの変化に依存する最終結果を提供するのみであり、従って測定される電流及び/又は電荷の相対値に基づく。
凹型電極では、電流測定の最後の部分から推定される電荷を使用する方法は、電極のくぼみの容量中に存在するアナライト分子の枯渇から生じる電流を考慮しなくてもよいが、電極に向かって球形又は半球形拡散するアナライト分子のフラックスから生じる電流のみを考慮すればよい。こうしてマイクロチップセンサーは、最大の拡散フラックスと従って考えられる最大の測定可能電流に基づき、従って最適化電気化学的シグナルを与え、従って考えられる最大の感度を与える。
さらなる実施態様において本発明は、連続的電流測定を用いてアッセイを行う方法を提供し、ここで、電流測定中に還元又は酸化される電気活性分子種は電気化学的に可逆的であり、従って再生可能である。2電極系では、2つの連続的電流測定を分ける時間間隔中に作用電極に負荷される電位を逆転することにより電気活性分子種を再生することができる。3電極系では電気活性分子種の再生が可能になるように、対電極は有利に作用電極に充分近くに置かれる。
さらなる実施態様において本発明の方法は、例えば組み込み作用電極に異なる電位を印加することにより、又は複数の微細構造体を含むマイクロチップセンサーでは、異なる微細構造体中で異なる電位を印加することにより、複数のアナライトを同時に検出するように改変される。ある応用では本発明のマイクロチップセンサーはまた、複数の試験を同時に実施できるようにするために、複数の化学的又は生物学的化合物(例えば、複数の抗体、抗原、タンパク質、DNA株など)を用いて官能基化される。目的のアナライトを特異的に捕捉するために生物学的プローブの小さいスポットが作成されるマイクロアレイで達成されるものと同様に、微細構造体の部分は所望のシリーズのアッセイについて必要な化学的又は生物学的化合物を用いて特異的に官能基化(例えば固定化により)することができる。同様に、各電極が特定の試験専用となる捕捉部位のアレイ(例えば、特に限定されないがDNA、タンパク質、もしくは細胞アレイ)を製造するために、組み込み作用電極のそれぞれは他の化学的又は生物学的成分で官能基化することができ、従ってアッセイの並行処理及び/又は多重処理を可能にする。
第3の態様において本発明は、微細構造体高さの2倍より小さい特徴的長さを有する少なくとも1つの組み込み作用電極を含む少なくとも1つの微細構造体(好ましくはカバーされたマイクロチャネル又はカバーされたマイクロチャネルのアレイもしくはネットワーク)を含むマイクロチップシステムを作製する方法を提供する。
本発明のマイクロチップは、任意の微細加工手段(特に限定されないが、エンボス加工、射出成形、化学的エッチング、物理的エッチング、例えばプラズマエッチング、レーザー削摩、ポリマー鋳造、UV Liga、ケイ素ベースの方法、2つの材料層間のスペーサーの組み込み、又はこれらの任意の組合せ)により作製することができる。好適な実施態様においてマイクロチップは、微細構造体が作製される少なくとも1つの層(以後「チップ支持体」又は「微細構造体支持体」と呼ぶ)、電極の接続のための電気的接続トラック及び/又はパッド、微細構造体をカバー又は封止するために使用される第2の層(例えば、積層、ポリマー箔、又はガラススライド)を含む多層体から作成される。さらに好適な実施態様においてマイクロチップは、ポリマー材料(例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチレンメタクリレート、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリウレタン、液晶ポリマー、又はポリオレフィン)から作成されたチップ支持体を含み、カバー層もまたポリマー材料から作成され、電導性トラック及び/又はパッドは金属(例えば、金、白金、銀で被覆されるか又はされない銅など)、又は電導性インク、例えばカーボンブラック(これは例えば銀及び/又は塩化銀を含み、マイクロチップ支持体上にスクリーン印刷することができる)のような電気的接続インクから作成される。ある実施態様において微細構造体支持体はまた、ガラス又は石英で作成される。さらなる実施態様において微細構造体支持体は、約500マイクロメートルより小さい厚さ、最も好ましくは約100マイクロメートルより小さい厚さを有する。別の実施態様においてマイクロチップは複数の微細構造体(例えば、マイクロチャネルのアレイ、又はマイクロチャネルのネットワーク、又は一連のマイクロウェルもしくはマイクロホール)を含む。
ある実施態様において該少なくとも1つの組み込み作用電極は、微細構造体の底に、微細構造体の反対にあるマイクロチップ支持体の側に位置する電気接続パッドの明瞭な部分を暴露させることにより作製され、該明瞭な部分はこうして微細構造体内に存在する溶液に暴露される。作用電極の暴露は、例えば微細構造体の底と電気接続パッドとの間に置かれるマイクロチップ支持体の材料を除去することにより行われる。例えば固体支持体からの材料の除去は、微細構造体の底の機械的穴あけにより、化学的又は物理的エッチングにより、光削摩により、又は任意の他の方法もしくは組合せ法により行われる。
本発明のマイクロチップの使用のために、チップ支持体が器具の上部を構成し、カバーが器具の下部を構成するように、器具を上下反対にすることが有利な場合がある。電導性トラック及び/又はパッドがチップ支持体の反対側の微細構造体の下に配置される時、器具の上下を反対にすることは、電導性トラック及び/又はパッドへのアクセスを有利に促進し、従って器具と外部電気計器(例えばポテンシオスタット)への接続を促進する。
本発明の微小流体センサーは、組み込まれた試料採取器具及び/又はアナライト測定システムの一部でもよく、装置の消費部分(例えば、診断薬用途、医薬研究、又は大量処理スクリーニングプラットフォームで使用される組み込みロボット)を構成することができる。一方本発明の微小流体センサーは、ディスポーザブル、野外試験で使用されるように携帯用又は運搬用システムの消費部分、治療点検査、自己検査でもよい。本発明の微小流体センサーは、専用の分析を行うのに必要な溶液及び/又は試薬を含むキットの一部でもよい。
好適な実施態様の詳細な説明
半無限状況の微小電極(先行技術)
拡散電流対容量性電流の好ましい比率により、微小電極(1)が巨大電極より高感度であることは電気化学において公知である。半無限状況について図1に略図で示したように、固体の壁表面(2)上に置かれたマイクロディスク電極の使用は、感知部位(すなわち電極表面)の近くに溶解された分子の検出を最適化する半球型拡散層(3)を誘導する。図1に例示するように、半球形を有する拡散層(3)の厚さは球形微小電極のほぼ半径に限定される(例えば理論的詳細については、H.H. Girault, Analytical and physical electrochemistry, EPFL Press, 2004, Lausanne(スイス)、282-286頁を参照)。拡散層の上の半無限的状況では、自然対流(4)が溶液を均一化し、従って拡散層(3)に一定の分子フラックスを連続的に供給する。この現象は、短い平衡時間後拡散層中の勾配が一定になり、従って系が急速に定常状態電流(従って一定の電流値)(5)に達することを意味し、これは、半無限状況中のかかるマイクロディスク電極について得ることができるクロノアンペロメトリー応答の典型的な形により、図2に例示するように溶解した酸化還元分子の濃度の追跡を容易にする。
有限状況での1つの電極と先行技術の限界
図3は、一定の容量を決定する底の壁(8)とルーフ(9)(以後、カバー層又はシールとも呼ぶ)からなるマイクロチャネル(7)における微小電極(6)の使用を示し、これはやや異なる規則に従う。実際アナライト分子は検出中に消費され、このアナライトは、電極の周りの溶液の部分で枯渇する。本発明のマイクロセンサーにおける検出工程中の場合のように、移動と強制対流が無いと、枯渇はアナライト分子の拡散により制御され、これはマイクロディスク又は微小半球形電極では、半球形を有する消費層を規定する。しかし自然対流が溶液の均一化を引き起こすことは無く、従ってルーフ(9)と微細構造体壁が有限状況を規定する物理的バリアを構成するため、拡散層は形成されない。この場合、消費層はある厚さ(半無限状況では、これは拡散層の厚さに対応するであろう)に達しないが、自然対流がないため時間とともに連続的に増加する。図3Aに例示するように、組み込みマイクロディスク電極で目的のアナライトを酸化又は還元するのに必要な電位の印加により、消費層はまず、電極の周りの半球形拡散勾配に対応して半球形を有する。消費層が微細構造体のルーフ(9)に達すると(図3Bの消費層10’で示される状態)、これは電極表面に直交する方向にもう進まず、従ってこれは徐々に形を変え(図3Cの消費層10’で示される)て、マイクロチャネル長さに沿って線形拡散にのみ依存するようになる(図3Dの消費層10'''の形を参照)。この場合電流応答は定常状態に達しないが、これは、チャネル長さの方向に適用される第2の線形拡散様式のために、連続的に低下する。線形拡散様式の電流強度(これは電極表面に向かう酸化還元分子のフラックスに対応する)は、半球又は半円筒形拡散の同じ電極で得られるもの、又は半無限状況(例えばオープンマイクロチャネル)で得られるものよりはるかに小さい。従って同じマイクロセンサーは、カバーされたマイクロチャネル中では、又はオープンマイクロチャネルや半無限状況中より線形拡散様式を受けた場合は、同じマイクロセンサーが本質的に低い感度を有する。従って本発明は、検出の時間スケールにわたって半球又は半円筒形拡散様式の確立を確実にするために改変される形状パラメータを有する組み込み電極を有する微細構造体を作成することにより、及び半円筒形又は半球形拡散様式を受けるアナライト分子のみを検出する方法を規定することにより、得られる電流応答を最適化することを可能にするマイクロセンサー器具と検出手段を提供する。こうしてセンサーのカバーされた微細構造体中の電流応答は電極の形と大きさに依存するが、多くの作製工程の再現性の悪さにより起きる微細構造体の大きさのわずかな変化によっては影響を受けない。すなわち我々のマイクロセンサーは、電気化学的応答を例えば組み込み電極の上方の微細構造体の高さの変化に依存しないように設計されるため、本発明のマイクロセンサーは従来のマイクロシステムと比較して最適化されたシグナルを与えるのみでなく、さらにマイクロセンサー毎に結果の再現性を改良することを可能にする。
検出される電流に対する拡散様式の影響の例示のように、図4は、カバーされたマイクロチャネル中のマイクロディスク電極で得られる電流測定応答と、カバーされたマイクロチャネルと同じ形のオープンマイクロチャネル中の同じ微小電極で得られる電流測定応答との比較を示す。オープンマイクロチャネル(11)中の電流測定応答は、数秒間の電圧印加後に擬定常状態電流が得られることを示す。これに対してカバーされたマイクロチャネル(12)内の電流測定応答は定常状態に達しないが、時間とともに電流強度の大きな低下を示す。電流強度のこの低下は、カバーされたマイクロチャネルの構成では、特に長い実験についてアッセイの感度が劇的に低下することを意味する。さらに電流のこの低下は、拡散様式が微小電極の周りの半球拡散からカバーされたマイクロチャネルに沿った線形拡散に変化したことを意味し、これは異なる深さの2つのマイクロチャネルが異なる電流値を示すことを意味する。この場合電流は、クーロメトリ法で起きるとの同様に、マイクロチャネル自体の幾何学的大きさ(電極の大きさのみではない)に直接依存する。
電気化学的バイオセンサーと特に小型化電流測定センサーの感度を改良するために、ファラデー電流の最大値(しかし低容量性電流)を得ることができるシステムを有することが必要である。また、電流測定応答が反応及び/又は検出位置の形状的特徴に依存しないシステムを有することが大きな利点になるであろう。上記したようにこれは一般に、オープンマイクロチャネルを有するマイクロシステムを必要とする。しかしオープン器具は、操作の問題のために分析であまり関心を持たれず、微小流体センサーとして見られていない。かかる欠点により電気化学的システムは低感度の器具として見られ、これが、免疫学的又はDNA試験のような高感度分析(ここでは一般に光学系が好適である)における応用のためのその開発を邪魔している。本発明は、カバーされた微細構造体から作成されるにもかかわらず、この限界を克服する電流測定マイクロセンサーを提供する。
本発明の目的
本発明において我々は、電極の形状的特徴とマイクロチャネルの大きさが電流応答を最大にするように選択され、かつ半球形又は半円筒形拡散様式を受けたアナライト分子のみが検出されるような方法で電流測定が行われる電流測定マイクロセンサーを開示する。酸化還元過程について従って溶液中の目的のアナライトの濃度について重要な情報を与えない容量性電流を除去できる方法を示すために、特殊な電流測定検出法もまた開示される。こうして本発明の器具と組合せ法は、最適な検出を有する電流測定マイクロセンサーを提供する。これらのシステムは、生物学的及び化学的分析の種々の分野(例えば、特に限定されないが、免疫学的、オリゴヌクレオチド、DNA、細胞もしくは酵素アッセイ、又は化合物の物理化学的解析、分析のすべての領域に関係ある用途、例えば医学診断、環境分析、産業的コントロール、食品安全性、戦争媒体、水の管理、農業など)に多くの用途がある。
本発明の目的は、電気活性アナライト、すなわち還元又は酸化反応(酸化還元反応)を受け易いアナライトの最適な電流測定検出を可能にする形状的特徴を有するマイクロチップベースの分析システムを提供することである。本発明の別の目的は、カバーされたマイクロチャネルセンサーでアナライトの濃度を最大感度で電流測定検出する方法を提供することであり、本発明の第3の目的は、かかる電流測定マイクロセンサーの作製方法を提供することである。
本発明のマイクロシステムは、マイクロチャネルに存在するアナライト溶液の部分を大幅に枯渇させるが、チャネル高さの完全な枯渇は避け、従って絶えず組み込み作用電極の上方の半球形又は半円筒形拡散様式で残存し、電気化学的シグナルがマイクロチャネル方向に沿った線形拡散により制限されることを防ぐことを可能にするような、カバーされたマイクロチャネル内の正確なサイズと位置を有する少なくとも1つの作用電極を含む。
第1の拡散様式(すなわち半球形又は半円筒形拡散様式)の微細構造体中のアナライトを枯渇させ、チャネル方法に沿った第2の線形拡散様式に入ることを防ぐような電流測定法により、電気活性アナライト(すなわち酸化還元化合物)の濃度が検出される方法で、マイクロセンサーの形が選択され、かつ微細構造体中の電極が設計され配置される。好適な実施態様において微細構造体はマイクロチャネルであり、消費層の厚さがいつもマイクロチャネルの高さより小さくなるように、マイクロチャネルの高さは組み込み作用電極の特徴的長さの少なくとも2倍である。複数のアナライトを同時に又は連続的に検出しなければならない時、マイクロチャネルの高さは最大の消費層の厚さの少なくとも2倍(すなわち最大の拡散係数を有するアナライトに対応する消費層の厚さの2倍)である。さらに好適な実施態様においてマイクロチャネルの高さは組み込み作用電極の特徴的長さのちょうど2倍であり、電流測定の持続は、消費層の厚さが組み込み作用電極の上方のマイクロチャネルの高さより小さいままである時間に限定される。
本発明においてクロノアンペロメトリー検出は、電圧印加と同時の電流測定中の時間、しかしマイクロチャネルに沿った線形拡散様式が確立されるには充分では無い時間、マイクロチャネル部分の大部分が枯渇するように、クロノアンペロメトリー検出が行われる。拡散係数Dを有する化合物について電流測定(例えば、検出すべきアナライトを酸化又は還元するのに必要な電位の印加)の時間taは、ta=r2/D(ここで、rは作用電極の特徴的長さである)より小さい値に限定される。
例えばマイクロチャネルの壁部分に半径25マイクロメートルの円形又はマイクロディスク微小電極を含む70マイクロメートルの高さのマイクロチャネルにおいて、電流測定の持続は、拡散係数が2.5*10-102-1の薬剤アナライトについて2.5秒間未満である。純粋な拡散(すなわち、純粋に拡散で制御されるシステム)では、かかる測定時間は、マイクロチャネル部分の大部分を枯渇させることを可能にし、かつクロノアンペロメトリー測定の開始時に電位の印加により生成される容量性電流を低下させることを可能にするのに充分であり、しかし拡散様式の変化(電極表面の上の球形拡散からマイクロチャネル方向に沿って線形拡散まで)による電流低下を防ぐのに充分に短い。本例では、電流測定の最後の消費層の厚さは、約50マイクロメートル(すなわち2*(2.5:10-102-1*2.5s)1/2)であり、これはマイクロチャネルの高さより小さく、電極の特徴的長さの約2倍に相当する。
図5は、直径70マイクロメートルのカバーされたマイクロチャネル内又は幅70マイクロメートルと微小電極表面に直角な無限の壁とを有するオープンマイクロチャネル内の、直径50マイクロメートルの微小電極のクロノアンペロメトリー応答の詳細な図を示す。電位の印加開始後の最初の2秒間の、測定された電流強度の形は、カバーされたマイクロチャネルとオープンマイクロチャネルの両方についてほとんど同じである。クロノアンペロメトリー測定をかかる短時間に限定することにより、電流強度はオープンチャネル(上記したように、これは理論的に得られる最大の強度を与えるため)で得られるものに非常に近いため、可能な限り大きいものである。
従って本発明の別の目的は、マイクロシステム中、好ましくはカバーされたマイクロチャネル中、又はカバーされたマイクロチャネルのアレイもしくはネットワーク中の、電気活性アナライトの濃度を電流測定する方法であって、比率r2/D(ここでrは、マイクロシステムに組み込まれ、電流を測定するのに使用される作用電極の特徴的長さである)より短い時間で電流を追跡し、その結果、半球形又は半円筒形拡散様式にのみなっている、従って微細構造体高さより小さな厚さを有する消費層中に存在するアナライト分子を電流測定検出することを特徴とする上記方法を提供することである。
本発明のある実施態様においてアナライト濃度又は量は、容量性電流の寄与を含む第1の測定部分を排除し、電流測定の第2の時間部分中の電流のみ(これは測定シグナルのファラデー寄与に関し、容量性電流は無視することができる)を考慮することにより、測定される。直径が約50マイクロメートルの4つのマイクロディスク作用電極を含む容量が約100nLで直径が約60マイクロメートルのマイクロチャネル中の、リン酸緩衝化生理食塩水(pH7.4)中500μMフェロセンの酸化について得られたクロノアンペロメトリー電流を示す図6に例示されるように、測定された電流(14)は、主に電極材料と大きさ及びマイクロシステムの形に依存する容量性電流(13)と、組み込み作用電極での酸化反応から生じ、ここで実験の2秒間にわたって一定値として近似されるファラデー電流(13’)との合計である。本発明のある実施態様において測定方法は、容量性電流の寄与が無視できファラデー電流が大きく低下しない時間窓中に得られる電流を検出シグナルと見なすことにより、電流測定応答を最適化することからなる。この時間間隔で、ファラデー電流は最大の測定値であり、ファラデー電流と容量性電流との比も最大になる。本発明の方法において時間間隔t1〜t2(すなわちこれは、図6において2重斜線領域で示される)にわたって電流を積分して得られる電荷Qは、組み込み作用電極の周りの容量中の目的のアナライトの存在、濃度、又は量を決定するのに考慮される。これを考慮すると、電荷Qは実験中の測定される電流に影響を与える変動(ノイズ、電気的構成からのスパイクなど)にあまり依存しないため、このパラメータは非常に有利である。
微細構造体が凹型の組み込み電極を含む場合、測定の最初の部分を排除するこの方法は、くぼみの上方で微細構造体内に確立される半球形又は半円筒形消費層からの電流のみを検出シグナルとして考慮するように、電極の上方のくぼみ中に存在するアナライト分子の酸化又は還元から生じるファラデー電流も排除されることを確実にするように、有利に改変することができる。従って本発明の方法は、電極の上方のくぼみにより規定される容量中のアナライト分子が拡散により電極表面に達するのに必要な時間に対応する測定シグナルの部分を排除するように改変することができる。例えば微細構造体表面に対して15マイクロメートルくぼんでいる組み込み作用電極を有するマイクロセンサーにおいて、拡散係数が2.5*10-102-1を有するアナライトについて、最初の1秒の測定は排除され、検出シグナルとして考慮されない。こうして測定の最初にくぼみに存在するアナライト分子の酸化還元反応から生じる電流は、最終的検出結果では考慮されない。くぼみ中のアナライト分子の量と濃度は実験毎に変化するため、本発明はかかる変化に影響を受けず、従って測定の再現性を改良することを可能にする。
検出すべきアナライトを生成し及び/又は電流測定的に消費する反応を含む応用(例えば、検出すべき電気活性アナライトを酵素が生成する応用)において、上記クロノアンペロメトリー測定法を数回繰り返して、組み込み作用電極での酸化還元反応から生じる電荷の瞬間値を得て、こうして経時的にその変化を求めることが極めて有利であろう。従ってこの測定法は、所望の時間間隔で数回繰り返すことが有利である。かかる方法は、例えばアナライト濃度(すなわち、ELISA例中の酵素反応の生成物)が時間とともに変化する酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)のように、増幅を必要とするアッセイで極めて有利であろう。この場合電荷(連続的電流測定の第2の部分にわたって測定されるファラデー電流を積分する本方法により得られる)は酵素反応速度の関数として経時的に増加し、捕捉抗原又は抗体の濃度は追跡された電荷対時間曲線の傾きにより測定される。半球形又は半円筒形消費層中にのみ存在するアナライトの酸化還元反応から生じる電流を測定し、かつ容量性電流を除去することにより、本方法は容量性電流による拡散電流のマスキングを防ぎ、検出感度を上げることを可能にする。この検出法により低pM検出限界が得られ、一方従来の検出法は、感度がナノモル又はマイクロモル濃度範囲に限定される。
本発明の方法はまた、最終検出結果が例えば終点測定法のように測定電流の絶対値に依存しないという利点を有し、従ってノイズやバックグランド電流にあまり依存せず、これは良好な繰り返し性を与える。さらに連続的電流測定中の電流又は対応する電荷を考慮することは、シグナルの変化を経時的に追跡することを可能にするという利点を有する。実際、酵素試験又はイムノアッセイの場合のように検出すべきアナライトの増幅を含むアッセイでは、連続的電流測定中に得られる電流又は対応する電荷の変化は、酵素反応の速度を追跡することを可能にし、従って検出シグナルは、測定される時点に大きく依存する特異値に依存しない。これに対して、電荷の変化を経時的に追跡することは、シグナルが予測通り(例えば酵素反応の場合はミハエリス−メンテン挙動に従って)変化するように制御することを可能にし、測定の実際の出発点に関連するノイズやエラーの影響を低下させる。本発明の方法においてアナライトの存在、量、又は濃度は、連続的電流測定による経時的な電荷の変化を示す曲線の傾きを考慮することにより決定することができる。イムノアッセイでは、傾きは、捕捉アナライト(例えば抗原又は抗体)の濃度に正比例し、捕捉アナライトは、電流測定により検出するために組み込み電極で化合物(例えば、p−アミノフェニルリン酸)を還元又は酸化可能な電気活性分子種(例えばp−アミノフェノール)に変換するのに使用される酵素で標識した2次抗原もしくは抗体により証明される。この傾きのみが、目的のアナライトの存在、濃度、又は量を決定する最終的アッセイシグナルとなるため、1時点のみで測定される電流から得られるものと比較して、バックグランドシグナル又はノイズは結果の品質にあまり影響を与えない。実際、ある場合には、ブランク実験で測定された電流が、アナライトの低濃度で得られたものより大きいことがある(例えば、2つの実験で使用される個々のマイクロセンサーの形又は電極のサイズの変動のために)。しかし連続的電流測定にわたって電荷の変化を考慮することは、アナライトの低濃度でさえ経時的にシグナルの増加を示し、一方、ブランクについて得られた電荷は一定のままである。従ってアナライトの低濃度でさえ正の傾きが得られ、ブランクについては一定のままである。すなわち本発明の方法は、非常に少量又は低濃度でもアナライトを検出することを可能にし、従って非常に低い検出限界を得ることを可能にする。
また、ブランク測定値について得られる傾きは、例えばある程度の電気活性アナライトを生成させる非特異吸着の場合はわずかに正の値になり、従って検出限界を低下させることによりアッセイの感度に悪影響を与えるシグナルを誘導する。しかしこれに対して、組み込み電極で検出すべき電気活性アナライトが電流測定の最中及び/又はその間に再生されない時、又はこれが電気化学的に可逆的化合物ではない時、アナライトの濃度が検出中に低下し、従って連続的電流測定から得られる電荷の経時変化の傾きが負になる。この現象は、検出の時間スケールで電気活性アナライトの安定性が低い場合及びわずかに分解する場合、実際に強調される。こうして本発明の方法により負の傾きが測定されることは、実際の測定値(正の値を示すはずである)からブランク(又はゼロ較正点)を区別することを可能にし、従って検出限界を最適化する非常に強力な方法を与える。実際傾きがゼロであるか又は負になると、負の傾きに対するエラーが何であっても、アッセイ結果は目的のアナライトの欠如(又はゼロ濃度)を示す。検出限界に近づくと、ノイズ、バックグランドシグナル又は他の変動が測定の品質を撹乱するため、測定エラーが増加し、分析の検出限界は一般に20%より低い標準偏差を示すアナライトの量又は濃度により決定されるため、本発明のこの方法は、この限界をアナライトのより少ない量又は低濃度に押し下げることを可能にする。
前記の2つの段落で説明した方法は、アッセイの感度、さらに詳しくは電気化学的検出に基づきアナライトの感度を上昇させるための非常に興味深い方法を提供し、従って分析学において非常に関係がある。この方法を最適な電流測定検出を可能にするように改変された本発明のマイクロシステムと組合せることにより、このプラットフォ−ムが従来の電気化学的バイオセンサーと比較して非常に高感度の手段となる。
図7は、上記クロノアンペロメトリー測定法の例を示し、ここでは目的のアナライトの酸化還元反応から生じる電流を測定するために、ある時間範囲でマイクロチャネル中に存在する金被覆銅電極に電圧が印加される。この例では、試料中に存在するアルカリホスファターゼ(ALP)の濃度を測定するために、本発明のクロノアンペロメトリー測定が使用される。このために、120マイクロメートル幅、60マイクロメートルの深さ、及び1cm長さのマイクロチャネルを含むポリイミドマイクロチップはまず、抗アルカリホスファターゼ(抗ALP)で被覆され、ウシ血清アルブミン(BSA)でブロックすることにより非特異吸着に対して防御される。次にALPを含有する試料がマイクロチャネルに充填され、5分間インキュベートされて、ALP/抗ALP複合体が形成される。洗浄工程後、複合体ALP/抗ALPは、マイクロチャネルをp−アミノフェニルリン酸(PAPP)(これは、ここで酵素基質として使用される)で充填することにより検出される。ALPはPAPPをp−アミノフェノール(PAP)に変換し、これは電気活性化合物であり、200mV対Ag/AgClでpH9でキノンイミドに酸化することができる。こうしてこの電気化学的マイクロシステムを用いてクロノアンペロメトリー測定を行い、少量の試料中のALP濃度を決定することができる(本試料ではマイクロチャネル容量は100nL未満であり、電極の上方の検出容量は電流測定検出の時間スケールで500pL未満である)。
所望の感度に達するために、本発明のクロノアンペロメトリー測定は以下のように使用される:マイクロチャネル内の電極は250mV対Ag/AgClで2秒間分極され、この時間中に電流が記録される。容量性電流を除去するために、この期間に測定された総電荷Qの量を考慮して、本検出法でt=1sとt=2sとの間で測定された電流のみが考慮される(すなわち、時間t=1sとt=2sの間の時間に測定された電流の積分、及びこれは簡単化のために関係Q=IΔtにより推定される)。試料溶液中のALPの濃度は、測定された電荷Qの経時変化を測定し従ってマイクロチャネル中のPAP濃度の経時変化の測定を可能にする、ある時間間隔の上記クロノアンペロメトリー測定を繰り返すことにより、容易に決定することができる。本実験例では、クロノアンペロメトリー測定間の時間間隔(以後「緩和時間」と呼ぶ)を、電極の上の溶液の良好な均一化を可能にする40秒間に固定した。実際PAPの一部は電流測定中に酸化され、電極の周りで濃度勾配が生成され、次にこの勾配はこの40秒間に拡散により排除することができる。可逆的酸化還元基質を使用する電流測定検出のために、電位を逆転することにより電流測定中に消費される分子を回収することもできる(本ケースでは、これは緩和時間中に電位を約−200mV対Ag/AgClに設定して、電流測定中に生成したキノンイミドを変換してPAPに戻すことからなる)。従ってこの測定法は、容量性電流を除去し、電流測定で検出すべき電気活性アナライトの消費を防ぎ(及び/又は、2つの連続的測定の間でこれを再生する)、微細構造体高さより小さい厚さを有する電極の周りの消費層中のこの電気活性分子種のみを検出することを可能にする。この方法はまた、酸化還元反応の生成物が経時的に劣化又は分解する場合に特に有利である。
図7に示すように、測定される電荷は時間とともに増加し、これは、捕捉されたALPが連続的にPAPPをPAPに変換するという事実に一致し、従ってPAP濃度はそのキノンイミドへの酸化から生じる電流とともに経時的に増加する。本実験では、クロノアンペロメトリー測定は全部で500秒間にわたって、2秒間の個々の測定と、40秒間の緩和時間で行われる。この500秒間(図7の時間ta1を参照)後、PAPPの新鮮な溶液は酵素基質溶液の再生のためにマイクロチャネルを介してポンプで時間tb1まで供給され、ここで溶液の流れが停止される。図7に示すように検出された電荷は、PAPP溶液の再生により直接低下し、次に再度時間とともにマイクロチャネル内に流れが無い時上昇する。PAPP溶液の再生は、1000秒間の実験後に再度繰り返され(図7の時間ta2とtb2を参照)、得られたシグナルは、検出された電荷の時間変化が3つの検出で似ていることを明瞭に示す。
複数電極系
さらなる実施態様において微細構造体は複数の電極を含む。最も高い電流を得るために、これらの電極は消費層が電極毎に重複しないように配置される。本発明の器具では電極は、2つの隣接電極の上方の消費層が大きな交信をするのを防ぎ、検出がクーロメトリー測定になることを防ぐような距離に置かれる。実際、検出に時間がかかりすぎる場合、又は電極間の距離が小さすぎる場合、電流測定検出は微細構造体中に存在する分子の完全な枯渇を誘導する。これは例えば、TherasenseのFreeStyle グルコースセンサー(Abbott Laboratories company, Abbott Park, Illinois, USA)で使用されるクーロメトリー検出系の場合である。我々の場合は、検出がマイクロチャネル容量に依存性になり、電流測定のように主に酸化還元分子の濃度に依存しなくなるため、この種の測定は避けたい。
複数の組み込み作用電極を含む本発明のマイクロセンサーでは、電極はそれぞれを分ける距離が電流測定の最後の消費層の最終厚さと少なくとも等しくなるように置かれる。電流測定期間は、消費層の最終厚さが組み込み作用電極の特徴的長さの約2倍である時間に固定されるため、電極間の距離はこの特徴的長さの少なくとも2倍である。従って図8に例示するように、電極は距離a(これは個々の電極の上方の消費層(18〜20)の最終厚さより大きい)により分けられる。こうして各電極は、隣接電極でのアナライト消費により誘導されるアナライト枯渇からの妨害を受けることなく、自体の半球形消費層を成長させる。こうして各電極の電流が充分付加され、マイクロセンサーのシグナルは電極の数に正比例する。
図9に示すように、検出時間と電極間の距離が最適化されていない場合、各電極(15’〜17’)上の消費層(18’〜20’)は重複するか又は部分的に混合し、従って全体の電流は作用電極の数に比例しなくなり、これは感度の重要な低下を引き起こす。図10は、2つの隣接電極間のこの距離が消費層(曲線21)の厚さより大きいままであり、及びこの距離が組み込み電極(曲線22)のある数を超えて消費層の厚さより小さくなると、如何に全電流値が組み込み作用電極の数とともに変化するかを示す。この図は、電極間の距離が小さくなりすぎると、全電流が小さくなることを示す。
従って本発明の目的は、各電極の消費層がクロノアンペロメトリー測定中に重複しないように複数電極を配置させた、微小流体電流測定センサー器具を提供することである。本発明のある実施態様においてマイクロチップセンサーは、消費層の厚さがマイクロチャネル高さより小さく、2つの隣接作用電極間の距離より小さい複数の組み込み作用電極を含む。こうして、容量性電流を除去するのに充分に長いが、各電極の上の半球形又は半円筒形拡散様式を受けたアナライト分子のみを検出するのに充分に短い時間で、これらの電極で電流を測定することからなる本発明の上記方法を使用して、最適化電流測定が得られる。
さらに複数の組み込み作用電極を用いることにより、検出がマイクロチャネルの全容量から酸化還元分子を枯渇させ、従ってマイクロチャネル中に存在するアナライト分子の数に比例するようになり、電流測定で起きるのとは異なり、アナライト濃度には比例しなくなる危険がある。組み込み作用電極がマイクロチャネル表面の大部分である場合、又はマイクロチャネルの全長をカバーする1つだけの組み込み電極がある場合に起きるようなこの状態は、わずかな容量の変化が異なる電流測定応答を与え、従って再現性の無い結果を与えるため、電流測定センサーでは避けなければならない。
別の実施態様において本発明はまた、例えば深さ75マイクロメートルのマイクロチャネル中で100マイクロメートルにより分離された直径50マイクロメートルの電極の場合に、2秒間の電流測定で検出が行われるように、検出シグナルが電極の数に比例して上昇することを可能にする検出法を提供する。本発明の方法の例として図11は、増加する数の組み込み作用電極(すなわち6、12、24、及び48個の電極)を有する異なるマイクロチャネル中の100μMのフェロセンの検出を示す。測定される電流は電極の数に比例し、これは、検出のための方法と器具が最適であることを証明する。電流測定検出の時間が長すぎると(例えば10秒間)、電流は電極の数に比例しなくなり、これは感度の低下を招く。
別の実施態様において本発明は、微細構造体の少なくとも1つの壁に正確な位置で組み込まれ、かつ2つの隣接電極間の距離が少なくともその特徴的長さの2倍(すなわち、マイクロディスクの場合は半径の2倍、又はバンド電極の場合はバンド幅の2倍)に等しくなるように配置された複数の作用電極を有する、少なくとも1つの微細構造体(好ましくはマイクロチャネル、又はマイクロチャネルのアレイもしくはネットワーク)を含む電流測定マイクロセンサーの作製法を開示する。好適な実施態様において組み込み作用電極を分ける距離は、少なくともその特徴的長さの2倍に等しいが、特徴的長さの5倍より長くはない。さらなる好適な実施態様において本発明のマイクロセンサーは、10〜250マイクロメートルの高さを有するカバーされたマイクロチャネルと、20〜100マイクロメートルの直径を有する一連の組み込まれたマイクロディスク作用電極とを含む。このような場合に、作用電極は少なくとも20〜100マイクロメートルから最大100〜500マイクロメートルまでの距離により分離されなければならない。
別の実施態様において作製法は、いったん封止されると微細構造体を構成する溝又はくぼみと反対のマイクロチップ支持体側の微細構造体(好ましくは1つ又は複数のマイクロチャネル)の底に置かれた電導性パッド中に、1つ又は複数の作用電極を作製することからなる。従って電極の作製は、電導性パッドを微細構造体壁から分離する支持体材料の一部の除去(例えば、化学的又は物理的エッチング、光削摩、又は任意の適切な方法)を含み、こうして電導性パッドの対応する部分を露出させることを含み、該部分は、この場合くぼみを示しかつその高さは微細構造体の底と電導性パッドとを分離するマイクロチップ支持体の厚さに対応する該組み込み電極を構成する。電極を作成するために、電導性パッドを電気メッキで行われるように例えば不活性金属で被覆することが有利であり得る。
検出されたアナライトの再生利用
電流測定検出の時間が長い場合、全微細構造体容量と比較して検出される容量は大きく、従ってアナライト分子の無視できない部分が電極で酸化(又は還元)される。電流測定検出の最後に、アナライト分子の相当部分が組み込み作用電極での酸化還元反応により消費され、従ってアナライト濃度が再度均一になることはさらに困難である(これは、電極の上方の小さい消費層が枯渇し、これがアナライト分子のほんのわずかな部分の消費を誘導し、従って微細構造体内のアナライト消費の非常にわずかな変化しか誘導しないような、短い電流測定検出時間で起きるものとは異なる)。従っていくつかの応用において、還元もしくは酸化されたアナライト分子を再生し、次の電流測定検出で検出すべきアナライト分子を再生利用することは、大きな利点となり得る。
このために、検出すべきアナライトは可逆的又は少なくとも半可逆的でなければならない。こうして電流測定検出中に発生する酸化還元反応の生成物(すなわち酸化又は還元されたアナライト)は、アナライトに変換して戻すことができる(それぞれ還元、又は酸化により)。
図12は、アナライト濃度が時間とともに上昇する系において得られる分析オキシトシンに、アナライトの再生が如何に影響を与えるかを示す(例えば、酵素が検出すべきアナライトを連続的に産生する酵素増幅の場合)。実際図12は、2つの測定の間でアナライトの再生有り及び無しで連続的電流測定した時、電流測定の電流応答から推定される電荷が、経時的に如何に変化するかを示す。アナライトの再生がある場合、アナライト濃度はシーケンスの各電流測定の開始時に最も高いレベルで維持されるため、検出される電流は、緩和時間中にアナライトの再生が無い場合(曲線24)より絶えず大きい(曲線23)。
かかる再生を行うために、電気活性アナライトの更新又は再生を可能にする器具の略図を図13に示す。この例では、一連の作用マイクロ電極(15〜17)がマイクロチャネル(7)の片側に分布されて、これらの電極の周りの消費層中に存在するアナライト分子の酸化(又は還元)により、検出を可能にする。酸化(又は還元)アナライト分子の再生を可能にするために、マイクロセンサーはさらに作用電極の近くに位置する補助電極(25)を含む。この電極は、対電極として使用するか、又は作用電極で起きるものとは反対の反応(すなわち、作用電極で前に酸化されたアナライト分子の還元、又は作用電極で前に還元されたアナライト分子の酸化)を引き起こす電位で分極することができる。簡単化のために、補助電極(25)は以下の説明で「対電極」と呼ばれ、これは、再生のために使用される時、再生手段と対電極の両方の機能を有利に組み込むためである。
ある実施態様において、検出中に還元又は酸化されたアナライト分子の再生はまた、2つの連続的電流測定の間の緩和時間中に作用電極に印加される電位を逆転することにより(従って補助対電極の存在を必要とせずに)直接行うこともできる。
図13に概略的に示した器具では、作用電極で酸化(又は還元)されるアナライト分子は、拡散する酸化アナライト分子の還元(又は拡散する還元アナライト分子の酸化)従ってアナライトの再生を可能にするように位置し作成された対電極に達するまで、拡散する。
図13の例では、対電極は作用電極の前、微細構造体(ここではマイクロチャネル)の反対側に置かれ、溶液との接触を確実にするために、ルーフ(9)によりカバーされて微細構造体を封止する。用途とチップ作成法に依存して、対電極は例えば作用電極と同じ側に置かれ、例えば互いにかみ合った電極システムとして置かれる。マイクロチップが複数の作用電極を含む時、これは比較的大きな対電極を有するか又は複数の対電極を有して、アナライトの再生を最適化(例えば、作用電極を対電極と等しい距離に置いて、各作用電極で酸化(又は還元)される分子種が等しく再生できることを確実にすることにより)することが有利である。
酸化(又は還元)されたアナライト分子の効率的再生を可能にするために、作用電極と対電極との距離は充分に小さくして、酸化(又は還元)されたアナライト分子の大部分が対電極に達するまで拡散する時間があることを確実にしなければならない。検出持続時間を、消費層厚さが電極の上方の微細構造体高さより小さくなる時間に限定することにより電流測定検出が最適化される本発明において、作用電極と対電極との距離は好ましくは微細構造体高さより小さいか又はほぼ等しい。
微細構造体で起きる酵素反応の場合、検出すべき分子種(すなわちこの場合、酵素反応の生成物)の濃度は経時的に上昇する。しかし酵素反応がアナライト分子を産生するより速く検出が溶液中のアナライトを枯渇させる場合は、検出すべき濃度は変化しないか又は経時的に低下する。図14は、酵素的産生速度でアナライトを消費する検出について得られた電流を示す(曲線27)ことによりそのような例を示す。再生が可能になると、作用電極で消費されるアナライト分子は部分的又は完全に再生され、従って曲線26の得られる電流で示されるように、濃度は上昇し続ける。実際再生された分子は微細構造体中に存在し従ってさらなる検出のために利用でき、従って酵素により産生されるアナライト分子を増やし、従って検出可能な分子の総数を増加させる。こうして再生の組み込みは測定可能電流を増強することを可能にし、従ってアッセイの検出限界を改善し、本マイクロセンサーの感度を改善する。
再生の利点は、酵素反応が起きない時の一定濃度の分子の検出によりさらに例示される。この場合微細構造体中に存在する分子のみが枯渇され、新しい検出可能な分子種の生成は測定される電流に影響を与えない。図15は、マイクロチャネル内にある濃度のアナライト分子があって対電極(25)が作動している時の、マイクロチャネル中の消費層プロフィールの変化を示す。マイクロチャネル容量が完全に枯渇して電極の近くのアナライト濃度が低下する代わりに、対電極(25)に向かって第2の拡散(28)が起き、これが作用微小電極(15〜17)の上方の半球形消費層がチャネルの上部に達するのを妨害する。この場合定常状態が樹立され、図16の曲線29で示すように、一定濃度について一定の電流が枯渇される。酸化(又は還元)されたアナライト分子を再生するための対電極が存在しないと、半球形消費層がチャネルの上部に達して、チャネル長さの方向に線形拡散様式に従ってさらに進展するため、図16の曲線30で示すように電流は定常状態に達せずに連続的に低下する。第2の拡散様式(28)の形は作用電極の形に依存する。対電極がマイクロチャネル長さに沿った細いバンドである図15の例の場合、拡散様式は半円筒形であり、従ってアナライト分子は、基本的に作用電極に向かうのと同様の速さで対電極に移動する。組み込まれた対電極でアナライト分子が再生されると、作用電極でのアナライト分子の消費と、酸化(又は還元)されたアナライト分子の対電極での再生との間に平衡が確立される。
最後に、非常に速い酵素的産生であっても、マイクロチャネル内の検出可能な分子の数を最適化することを可能にするため、組み込まれた対電極のために検出されるアナライト分子のそのような再生が有効であろう。図17に例示するように、アナライトが酵素反応により生成される時作用電極で測定される電流は、再生されるアナライト分子が酵素反応により産生されるものに加えられるため、再生の無い場合(例えばそれぞれ曲線31及び曲線32を参照)より絶えず大きいであろう。
別の実施態様において本発明の方法は、検出から生じるもの以外に検出されたアナライト分子の再生から生じる(すなわち、作用電極での電気活性アナライトの酸化(又は還元)により生じる)電流を考慮することにより検出シグナルを上昇させるように、改変される。実際検出されたアナライト分子の再生から生じる電流が目的のアナライトの可逆的酸化還元反応の後方部分から生じるため、この再生電流は微細構造体内の目的のアナライトの存在、量、及び/又は濃度を示す。検出と再生の両方から生じる電流は同じ物質に関するため、両方とも検出シグナルとして使用することができる。ある応用では、これらの2つのシグナルを考慮することが有利であろう(検出電流と再生電流の絶対値を加えることにより、又は検出電流と酸化もしくは還元されたアナライト分子の再生から生じる電流との差を考慮することにより)。
このために、第1に電極の上で半球形又は半円筒形拡散様式を受けているアナライト分子のみを試験するのに充分短い時間中に、作用電極でアナライト分子を酸化(又は還元)するのに必要な電位を印加し、第2に同じ時間中にアナライトを再生するのに必要な電位(すなわち、検出されたアナライト分子を還元(又は酸化)して戻すのに必要な電位)を印加することにより、電流測定検出を達成することができる。場合によりこれらの2つの電流測定工程は、例えば酵素反応の速度に従わせるために、繰り返すことができる。次に、2つの電流測定工程中に測定される電流の絶対値を付加して、又はこれらの2つの電流測定の後半中のこれらの電流の組み込みから生じる電荷の絶対値を付加することにより、最終検出シグナルが与えられる。こうして、これは各電流測定検出工程中の作用電極で酸化(又は還元)された電気活性分子の再生から生じるシグナルを考慮するため、目的のアナライトの量及び/又は濃度を測定するのに使用されるシグナルを増加することができる。電気活性の可逆的アナライト(例えば、フェロセン、フェロセンカルボン酸、又はアミノフェノール)の場合、すべての検出された分子を再生することができるため、本方法を使用するとシグナルは理論的に2倍になる。例えばp−アミノフェノール/キノンイミド対を用いて行われるように、アナライト分子を酸化(又は還元)することができる値からアナライト分子を還元(又は酸化)により再生することができる値に交互に入れ替える電位を作用電極に印加して本発明の連続的電流測定を行うことは、高感度を必要とするアッセイの検出限界を改良する強力な手段を提供する。
器具の作成
本発明の目的はまた、1つ又は複数の目的のアナライトの最適な電流測定検出を可能にするように、微細構造体中に組み込まれた微小電極を有する電気化学的マイクロセンサーの作製方法を提供することである。すなわちこの目的は、微細構造体及び電極の大きさならびにそれぞれ形が、最適な電流測定検出を可能にするように、微細構造体中の電極又は電極のアレイ又は電極のネットワークを作製することである。好ましくは電極又は電極のアレイ又は電極のネットワークは数マイクロメートル又はそれ以下の大きさであり、微細構造体(これは好ましくはマイクロチャネル又はマイクロチャネルネットワークもしくはアレイである)の上又は下に配置される。
本発明において微細構造体(マイクロチャネル、アクセスホール、くぼみ、貯蔵部、中空通路、ならびにこれらの任意の組合せ)は、任意の支持体材料(ガラス、セラミック、ポリマー、エラストマーなど)で任意の微小作製法(例えば、エッチング、成形、エンボス加工、削摩、機械的穿孔、UV−LIGA、(光)重合など)により製造することができる。本発明においてマイクロセンサーは、微細構造体の1つの壁に少なくとも1つの電極が組み込まれている。好適な実施態様においてこの(これらの)電極は微細構造体の底又は上に置かれる。これ(これら)は、微細構造体の底又は上で規定される平面からくぼんでいても飛び出ていても良い。
微細構造体の1つの壁に組み込まれた電極以外に、微細構造体は(例えばポテンシオスタット、波形発生器、又は電源などへの)電気的接続を可能にするように、組み込み電極に接続された少なくとも1つの電導性パッド又は1つの電導性トラックを含んでよい。
図18は、本発明のマイクロチップ(100)の概略の例を示し、ここでマイクロチャネル(7)はチップ支持体(102)の片側に作製され、該支持体は、反対側に、マイクロチャネル中に存在する溶液に接触した作用電極もしくは作用電極のアレイを含む電導性パッド(103)、ならびにマイクロチャネルの一端(入り口又は出口)に参照電極及び/又は対電極(104)、及び外部電気計器(例えばポテンシオスタット)に種々の電極を接続する電導性トラック(105)とパッド(106)とを含む。
作製法に依存して、図19及び20に例示するように組み込み電極はくぼみ(108)を示して良い。この特徴は例えば、界面活性剤が電極表面の湿潤を可能にするまで、水溶液がアッセイの途中(例えば、抗原、抗体、オリゴヌクレオチド、DNA、細胞などで微細構造体をコーティング中)に微小電極の表面に接触することを防ぐのに使用することができる。これは、例えば検出工程の前に溶液の何らかの成分により電極表面が汚れることを防ぐのに使用することができる。
別の実施態様において、組み込み電極の上方のくぼみは、凹型電極の隅に泡が捕捉されるのを防ぐように、電導性物質(例えばメッキ金属)で充填される。この方法はまた、電極の周りの純粋な半球形拡散を促進し、くぼみに沿った線形拡散を排除することにより、電流を増強することを可能にする。
さらなる実施態様においてくぼみの壁は、組み込みマイクロ電極の側面からの分子の拡散を増強するためにロート型を示すように機械加工することができる。これは、微小電極表面とくぼみの壁との角度を修飾することを可能にするトレパン削摩法を使用してくぼみを作製することにより行われ、こうして例えば円錐形を有するくぼみが提供される。ある実施態様においてこれは、トレパンモードレーザー機械加工又は後加工により、尖った角を破壊してよりなめらかにするさらなるエッチング工程とともに行うことができる。ある実施態様においてこの特徴はくぼみの湿潤性を促進し、くぼみの充填を促進し、従って微細構造体中に存在する溶液とのの全電極の接触を促進するために有利に使用することができる。
かかる微小流体センサー器具の取り扱いと接続を可能にするために、システムは電気的絶縁物質(例えば、特に限定されないが、ポリマー、セラミック、ガラスなど)で作成しなければならない種々の支持体を用いて作製することができる。ある実施形態において図18に例示するように、本発明のマイクロチップ器具(100)は、好ましくはポリマー箔又はポリマー層のアセンブリーでできた支持体(102)で作製され、これは少なくとも1つの微細構造体(本例の場合、チップ支持体(102)の片側に作製されるマイクロチャネル(7))を含み、該支持体は反対側に、マイクロチャネル中に存在する時は溶液と接触しているように設計された作用電極又は作用電極のアレイを含む少なくとも1つの電導性パッド(103)を含む。チップ支持体(102)はさらに、マイクロチャネルの一端(入り口又は出口)に参照電極及び/又は対電極(104)、及び外部電気計器(例えばポテンシオスタット)に種々の電極を接続する電導性トラック(105)とパッド(106)とを含む。作用電極(103)を含む電導性パッドは、電導性トラック(105)及びパッド(106)と同じ物質で作成することができる。ある実施態様において、参照電極及び/又は対電極を支持するために、作用電極を支持するのに使用されるものと類似の電導性パッドを作製することができ、これは微細構造体の壁部分への組み込みを促進する。
マイクロチャネル長さに沿った図18の器具の断面により図19に概略的に示すように、作用電極を支持する電導性パッド(103)は、電気化学的検出に適合するように改変したコーティング剤(107)(例えば、別の金属層、電導性インク、又は電導性有機溶媒)でメッキ、コーティング、又はカバーすることができる。好適な実施態様において作用電極を支持する電導性パッド(103)、泡電導性トラック(105)とパッド(106)は銅で作られ、コーティング剤(107)は金であり、これはすべての露出した銅表面(作用電極を支持する電導性パッド(103)のみでなく、電導性トラック(105)とパッド(106)も)をコーティング(例えば電子メッキ)し、こうして金被覆銅電極を提供する。さらに好適な実施態様において参照電極(104)はさらに、銀及び/又は塩化銀を用いて部分的に又は完全に被覆される(例えば、銀及び/又は塩化銀インクのドットの沈着により)。
図19に例示するように微細構造体は、マイクロチャネル入り口と出口として機能するアクセスホール(109と109’)も含む基板(102)中に作製してもよい。この例では、チップ支持体(102)の全厚さを貫通するホールを作製することにより、これらの入り口と出口が製造される。マイクロチャネルをカバーするように機能する層(9)はまた、これらの貫通ホールの一端を閉じ、従って流体供給及び/又は取り出しに使用できるマイクロチャネルへのアクセスを作成する。ある実施態様においてマイクロチャネル入り口及び/又は出口は貯蔵部に有利に囲まれて、試料の沈着/取り出し及び流体操作を促進する。
本発明の器具の微細構造体の形は限定されず、これは、例えばレーザー削摩、エンボス加工、又は射出成形のような異方性作製法から得られるようなまっすな壁を示すことができる。同様に、図19の軸yに沿ったマイクロチップの断面を示す図20に概略的に示すように、微細構造体はまた、等方性微小作製法(例えば、プラズマエッチング又は湿潤エッチング法)から得られるような半円形を示すことができる。
図21は、微細構造体のカバーをする前の、本発明のマイクロチップ器具に組み込まれた微小電極の例を示す。これらの例ではチップ支持体(102)は75マイクロメートル厚さのポリイミド箔であり、この中にプラズマエッチング法を使用して溝が作製され、幅約100ミクロンで高さ約50ミクロンのオープンマイクロチャネル(7)が形成される。走査電子顕微鏡画像を反映する図21Aの線図は、直径50マイクロメートルの微小電極がマイクロチャネルの底に組み込まれ、電極の可視部分が金メッキ表面(107)であることを示す。顕微鏡写真を反映する図21Bの線図は、微小電極のアレイが組み込まれている同様のチップ器具を示す。この場合、電極は直径が約50マイクロメートルであり約50マイクロメートルの距離で分離される。オープンマイクロチャネルは半円筒形を有し、これは等方性エッチング作製法に典型的である。所望であれば他の微小作製法(例えば、射出成形、エンボス加工、スペーサーにより分離された層の添加など)により、まっすぐな壁を有し大きなアスペクト比を示す微細構造体が得られる。
図21Bに示す複数の微小電極の組み込みは、センサーの感度を上昇させるために非常に有利である。さらにそのような器具は、消費層が検出の時間スケールで重複せず、従って電極の周りにアナライト濃度の可能な最大勾配を作成することを可能にし、これは電極に向かうアナライト分子の可能な最大フラックスを誘導し、従って可能な最大電流を誘導するため、本発明の短時間電流測定検出法に特に有利である。かかる構成では、検出中に各電極の上方で枯渇される容量が微細構造体高さにより規定されるものより少なく、従って検出の時間スケールで各電極についてアナライト分子の最大数が利用できるため、各電極の固有の感度は短時間電流測定検出のために作成される。
多くの用途で、複数の分析を可能にする電気化学的マイクロチップセンサーを有することが有利である。このために、本発明の電流測定検出のアレイは同じチップ支持体に製造され、図22は、任意の数(8つ)の平行マイクロチャネルのアレイを含むかかるチップ(100)の略図を示す。
発明の説明
本発明のいくつかの実施態様を説明するために、種々の電流測定マイクロチップセンサーを設計かつ作製し、これらの器具を用いて最適化電流測定を行う方法も実施した。本発明を例示するために、器具の例、検出法、及び種々の分析結果が以下に記載される。
マイクロチップの説明
図22に概略的に示すように、最適な電流測定検出により分析を行うことができることを示すのに使用される電気化学的マイクロチップセンサー(100)の例は、8つの個々にアドレス可能なマイクロチャネルのアレイ(7)からなる。本例においてマイクロチャネルは、マイクロチップ支持体として機能する75又は100μm厚さのポリイミド基板へのプラズマエッチングにより作製された溝からなる。
各マイクロチャネルは本発明の電流測定センサーを構成し、およその大きさ(深さ60〜70μm、幅120μm、長さ1cm)を有する線形みぞの両端に入り口と出口を含む。いったんカバーされると、これらの大きさは高さ60〜70マイクロメートルを有するマイクロチャネルを規定し、次に組み込み電極は、75μm厚さのポリイミド支持体と5〜15マイクロメートルのくぼみを示し、100μm厚さのポリイミド支持体と30〜40マイクロメートルのくぼみを示す。
この場合、両側を銅層でカバーされたポリイミド基板(チップ支持体として機能する)でできた多層体を提供することにより、微細構造体(すなわち溝、入り口、及び出口)が製造され、ここで、最終的溝と入り口/出口の所望の形状と形に対応するパターンを有するマスクが、a)銅層上でフォトレジストのパターンを作成し、b)所望のマスクに対応する位置で露光してフォトレジストを除去して、対応する銅部分を露出させ、c)露出した銅部分を湿潤エッチング法により除去して、所望のパターンに対応するポリイミド部分を露出させ、かつ場合により、d)残存するフォトレジストを除去することにより、作製される。次にこのマスクを使用して、湿潤エッチング又はプラズマエッチングプロセスで化学的又は物理的エッチングによりポリマー支持体中の所望の各微細構造体をエッチングする。本例の場合、銅マスクを有するポリイミド体はプラズマオーブン中に入れられる(エッチングされる物質、及びエッチングされる表面の所望の物理化学的性質により、酸素、窒素、アルゴン、CF4、又はこれらの任意の組合せのプラズマが使用される)。プラズマは基板の露出部分を攻撃し、こうして所望の微細構造体を作成する。第2の工程で不要の銅を除去することにより、電導性トラック(105)とパッド(106)が作製される。次にチップ支持体物質の小さく明瞭なかつ正しく位置した部分を除去して、電極を支持するように機能する銅パッド(103)の所望の部分を露出させることにより、マイクロチャネルの底に微小電極が組み込まれる。上記の、又は本発明の説明について使用した例と類似の第2のプラズマエッチング工程として、レーザー光削摩を使用して微小電極を作成することができる。銅は電気化学的検出の目的にはあまり適していないため、銅表面は電気メッキ法を使用して金のような不活性金属でさらに被覆され、こうして金被覆銅ならびに金被覆銅電導性トラック(105)とパッド(106)でできた組み込み電極が提供され、その一部は、微細構造体の外であるが微細構造体の入り口及び/又は出口でアナライト溶液と接触している参照電極及び/又は対電極として使用することができる。本例の場合参照電極は、図18に示す参照電極(104)について図で詳細に示されるように、微細構造体の出口で接続トラック上にAg/AgClインクのドットを沈着させることにより作成される。最後の製造工程として、例えばポリエチレン/ポリエチレンテレフタレートでできたプラスチック層を積層することにより微細構造の溝がカバーされ、こうして微小流体操作を可能にする封止されたマイクロチャネルが生成される。
本説明例について製造されるマイクロチップ器具は、異なる数の組み込み作用微小電極を含む。図24と25で後述するアッセイを実施するために使用されるチップの写真を反映する図23に示す構成では、マイクロチャネルは、外部ポテンシオスタットへの接続のためのチップ支持体の端に近くに置かれた金被覆銅トラック(105)とパッド(106)とを介して相互接続された個々の金被覆銅支持体(103)上に支持された、一連の4つの作用微小電極を組み込む。これらの電極は約50マイクロメートルの直径を有し、約2mm分離されている。対電極及び/又は偽参照電極(104)は、マイクロチャネル入り口と出口の近傍で作製され、マイクロチャネル入り口の周りの補助貯蔵部に一般的に置かれるアナライト溶液との接触を確保する。かかるマイクロチップ器具において電極の上方の消費層の厚さはマイクロチャネルの高さより少し小さく、従って、各電極の上方の半球形又は半円筒形拡散様式にあるアナライト分子のみを検出することを可能にする本発明の迅速な電流測定検出法から最適な検出が得られる。
別のチップ構成において組み込み作用微小電極は単一のパッドにより支持され、ここで最大72個の電極が製造される。アナライトの再生有り又は無しのTSHアッセイについて後述されるアッセイ結果について、マイクロチャネルは、直径が約50μmで約50マイクロメートルの距離で分離されている48個の作用微小電極を含み、従ってマイクロチャネルの高さと電極間の距離が実質的に等しい電極の上方に、検出の時間スケールで、最大の消費層厚さを有する微小流体器具が提供される。
アッセイの実施のために8マイクロチャネルアレイチップが、16個の接触点を与えるホルダー(1つのマイクロチャネルについて1つの作用電極と1つの偽参照電極)によりスプリングを介して、及びマイクロチャネルの出口の8つの流体接続により、ポテンシオスタットに接続される。個々のチャネルは軟らかいチューブで、ホルダーの微小流体接続によりマルチペリスタポンプ(IPC−N−8モデル、Ismatec, Switzerland)に接続され、各電極は、ポテンシオスタットのポートのスイッチ操作で各マイクロチャネルの連続的測定を与えることを可能にする多重ボックスにより、マルチポテンシオスタット(Palmsens, Netherlands)に接続される(検出についての後の記載を参照)。マイクロチャネルの別の端で、ポリスチレン貯蔵部がポリイミドチップ基板に接着されて、最大50μlの容量を有する溶液(試料、試薬、洗浄溶液など)の供給を可能にする。この貯蔵部では、入り口貯蔵部の底の電気パッドの上に銀/塩化銀(Ag/AgCl)インクドットが沈着され、分析のために絶えず溶液と接触している偽参照電極を与える。
貯蔵部から溶液を吸引してマイクロチャネルに、次にペリスタポンプ後に置かれた廃液に向かって、微小流体操作が行われる。表示される流速は0.4又は1μl/分に設定されるが、ペリスタポンプのローラーに引き起こされる固有のパルスのために、溶液の線形速度は必ずしも一定ではないことに注意されたい。
イムノアッセイのためのチップの官能基化
マイクロチップ器具の応用と本発明の方法の例を示すために、免疫学的アッセイを行った。このために、マイクロチップ中の抗体の固定化のために2つの方法を使用した。まず単純な物理吸着を使用して、抗体を第1のシリーズのマイクロチップに固定化する。例えば抗ホスファターゼ(抗ALP)抗体を10μg/mlの濃度まで希釈し、8つのマイクロチャネルチップの貯蔵部に入れた後、ポンプでマイクロチャネルを介して0.4μl/分の流速で室温で1時間吸引する。平行した実験で、チップをあらかじめ酸性化してポリマーマイクロチャネルの表面上にカルボキシル基を作成しておく。次にN−ヒドロキシスクシンイミドを加えて、抗体との共有結合を可能にする活性化基を生成した。
これらの2つの異なる固定化法の後に、0.1%ツイーン20中で希釈した5%ウシ血清アルブミン(BSA)でチップをブロックし、これを再度ポンプでマイクロチャネルを介して0.4μl/分の流速で室温で30分間吸引する。次にチップを水で洗浄し、乾燥した後、アッセイを行った。
アッセイ操作と電流測定検出
アルカリホスファターゼ(ALP)溶液を異なる濃度で異なる時間ポンプで吸入排出して、本発明のマイクロチップ器具と電流測定検出法を用いて得られる検出限界を評価した。このホスファターゼ試料溶液を室温でインキュベーション後、貯蔵部中の過剰の溶液を取り出し、マイクロチャネルを再度洗浄した。次にALPの基質溶液(すなわち本例の場合、トリエタノールアミン(TEA)緩衝液(pH9)中のp−アミノフェニルリン酸(PAPP))を貯蔵部に入れ、マルチペリスタポンプにより平行してチップ機器の8つのマイクロチャネル内に導入した。次にこの基質溶液を静的条件下(溶液の流れは無し)で数秒間インキュベートして、固定化抗ALP抗体上に捕捉されたALP分子によりPAPPをp−アミノフェノール(PAP)に加水分解させた。次に作用電極と参照電極との間に250mV対Ag/AgClの電位差を負荷してPAPをキノンイミドに酸化して、p−アミノフェノールの検出を行うことができる。新鮮な基質溶液でマイクロチャネルを再生して、連続的電流測定検出を行うことができる。このために、所望量の基質溶液をマイクロチャネルを介して2秒間フラッシュすることができ、次に検出の間ポンプを停止させる。
本発明において、例えば酵素反応の速度を追跡することにより、すなわち時間関数としてアナライト濃度の増加を測定することにより、クロノアンペロメトリー検出を行うことができる(すなわち、ここでは酵素反応の生成物の濃度は捕捉されたALPの量に直接関連し、従ってアッセイで求めている情報が提供される)。あるいはクロノアンペロメトリー検出工程中に、酵素反応の生成物は作用電極で酸化反応により絶えず消費され、その結果、その濃度(従って測定される電流)はあまり速く上昇しない。電流測定応答を最適化するために、わずかに2秒間の電圧印加とこの時間中の電流の測定により、短時間のクロノアンペロメトリー検出工程が行われる。次に酵素反応がアナライト濃度を上昇させるように、40秒間の緩和時間が設定され、次に電流測定を2秒間行い、これらの操作を5〜10分間繰り返し、検出された電流の経時変化を得て、酵素反応の生成物であるアナライト濃度を得る。
電位印加の最初の1秒間中に容量性電流(酵素アッセイ又は免疫学的試験のような情報価値は無い)は急激に低下するため、かつ検出の最初に電極の上方のくぼみの容量中に存在するアナライト分子の検出から生じるシグナルを除去するために、クロノアンペロメトリー測定のt=1s〜t=2sの間で測定される電流のみが検出シグナルと見なされ、このシグナルが経時的に積分されて、結果としての電荷が得られ、これは次に各マイクロチャネルについて及び連続的電流測定について時間に対してプロットされる。検出の最後に、8つのアッセイについて8つの電流対時間プロットが得られる。プロットされた曲線の起点の傾きは、各マイクロチャネル中の酵素活性を直接示し、従ってこれらのマイクロチャネルの壁に固定化された抗ALP抗体上に捕捉されたALP分子の数を示す。この操作はまた、本発明の測定法では2つの測定時点の間のp−アミノフェノール濃度の差(このPAP濃度の絶対値ではない)のみを考慮するため、部分的に加水分解された酵素基質(すなわち不要なアナライト)に対して検出をやや低感度にする。
かかる検出の例は図24に示され、ここで、図23に示すような器具を使用して8つの平行アッセイと検出が行われる。4つの異なる濃度(すなわち0、1、2、及び10pM)のアルカリホスファターゼが、8つのマイクロチャネルチップ(1つの濃度について2つのチャネルが使用される)でインキュベートされる。次に上記したように検出を行い、新鮮な基質を用いて2秒間の電流測定検出の最初のシーケンスを450秒間行い、各チャネルについてt=1s〜t=2sで検出された電流から得られた電荷を、各マイクロチャネルについて時間の関数として報告する。450秒後、マイクロチャネルに再度新鮮な基質を充填するが、ALP酵素はチャネル壁上に固定化された抗体にまだ結合している。次に酵素反応の後に電流測定検出を行う。電流測定検出が種々のマイクロチャネルで各40秒毎に行われる、従って酵素反応が組み込み作用微小電極で検出される分子を生成しその濃度を上昇させることを可能にする。この40秒の緩和時間後、2秒間のみ電極を分極させると、この間に酵素反応の生成物の酸化が起きる。容量性電流の除去後の電流値はt=1s〜t=2sの時間にわたって積分され、得られた電荷は連続的電流測定の時間の関数として報告される。図24から推定されるように、完全な検出操作はこの例では3回行われ、これらの3回の繰り返し検出シーケンスのそれぞれの起点の傾きから、種々のマイクロチャネルの有効なALP濃度を容易に推定することができる。
体外診断薬のような臨床的分析における本発明の器具と方法の使用を示すために、全血中の卵胞刺激ホルモン(FSH)の検出について図23に示すものと類似の8チャネルチップで同様の実験を行った。マイクロチップセンサーを抗FSH抗体で被覆し、4つの異なる濃度の血液試料を異なるチャネルに注入した。次に試料溶液を除去し、酵素アルカリホスファターゼに結合したFSH抗体の溶液を種々のチャネルに注入して、マイクロチャネルの壁上に固定化された抗FSH抗体に捕捉されたFSH分子と複合体を形成させた。マイクロチャネルを緩衝液で洗浄し、次に酵素基質としてPAPPの溶液を再度充填し、これは、電流測定により検出することができるPAPを産生する。図24に示した結果を得るのに使用したものと同じ電流測定法を使用すると、血液試料中に存在する低濃度のFSH分子を図25に例示するように検出することができ、この図は、種々の試料中の実際のFSH濃度の関数として電荷対時間曲線から得られる起点での傾きの値を示す。
マイクロチャネル中に対電極が組み込まれた時に予測されるシグナルを示すために、マイクロチャネルの壁部分にそのような対電極を有するマイクロチップセンサー器具を、プラズマエッチングによりポリイミド箔中に作製した。検出されるアナライトの再生のための対電極の役割を示すために、血漿中56.1μUI/mlの既知濃度の甲状腺刺激ホルモン(TSH)の検出のために2つのイムノアッセイ実験を行った:1つは、一連の48個の組み込み作用電極を含み、マイクロチャネルの出口に偽参照電極のみを有する図19と20のチップを使用し、2つ目は、マイクロチャネル長さに沿って対電極をさらに取り込んだマイクロチップセンサーを使用した。酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)により血漿試料中のTSH濃度を測定するために、マイクロチャネルをまず抗TSHで被覆し、子牛血清溶液を使用して非特異吸着に対してブロックした。TSH試料のインキュベーション後、マイクロチャネルにALPで標識した抗TSH結合体の溶液を充填した。図25に示した結果に関して上記したものと同じ電流測定法を使用して、PAPPを酵素基質として用いて検出を行った。30秒間の緩和時間により分離される連続的電流測定中の時間の関数として2秒間の電流測定の時間間隔t=1s〜t=2sにわたって測定された電流の積分により得られた電荷を報告することにより、対電極の無い場合、電流従って電荷は一定レベルに達することが明瞭に証明され、これは、酵素反応の生成物の枯渇とマイクロチャネルに沿った抵抗(iR降下)の組合せがシグナル上昇を制限することを意味する。組み込み対電極を有するチップの場合、測定される電荷は限定されず、連続的電流測定の間連続的に上昇し、酸化された生成物(本例の場合キノンイミド)の少なくとも一部が再生されてPAPになることを示す。
チップ支持体の材料として液晶ポリマー(LCP)を使用して、他の実験も行った。50マイクロメートルの厚さを有するこの材料の箔を用いて、マイクロチャネルの高さを40μmに低下させ、一方電極半径は約25μmで維持した。この特徴は、上記したものとは異なるチャネル形を有するマイクロセンサーの電気化学的応答の試験を可能にする。同等のイムノアッセイ条件下でかつ2秒電流測定検出シーケンスで、より高い表面対容量比のために、大きなチャネルで得られたものと比較してこれらの小さなチャネルでより大きな電流を発生することができた。この大きさの変化を考慮すると、アッセイ性能はLCPとポリイミドについて同様であり、従ってLCPは本発明の器具を使用して電流測定アッセイを実施するための代替材料となる。
本発明を種々の特異的及び好適な実施態様と方法を参照して説明した。しかし添付の請求項により規定される本発明の範囲内で変更が可能であることは、当業者に明らかであろう。
本発明は実施例により添付図面を参照してさらに説明されるが、いくつかの図面を通して同様の参照数字と文字は、対応する構造と特徴を示す。
図1は、微小電極表面に直角な方向で半無限状況の固体支持体(2)の壁表面上に置かれたマイクロディスク電極(1)に確立された半球形拡散層(3)の略図を示し、ここで自然の対流が溶液を均一にする。 図2は、微小電極で電流測定検出中に得られる従来の電流対時間応答であり、ここで応答の第1の部分は、容量性電流による強い電流低下を示し、応答の第2の部分は、図1に示す状況で微小電極で起きる酸化還元反応のファラデー電流から生じる定常状態電流(5)に対応する平面プロフィールを示す。 底の壁(8)とルーフ(9)からなるカバーされたマイクロチャネルの壁部分に取り込まれた微小電極(6)の略図であり、ここで微小電極(6)の上方の消費層(10、10’、10”、10''')は経時的に拡大し、電極表面(図3A、図3B)と直交する方向に半球形拡散に対応する形から、半球形拡散と線形拡散との混合(図3C)に変化し、次にマイクロチャネル長さに沿った線形拡散に対応する形を取る(図3D)。 図4は、オープンのすなわちカバーされていないマイクロチャネル(11)、及びカバーされたマイクロチャネル(12)(両方ともマイクロチャネルの底の壁に組み込まれた一連の24個の作用マイクロディスク電極を含む)中のフェロセンの検出について得られた、クロノアンペロメトリー応答を示す。 図5は、測定の最初の10秒間の図4のクロノアンペロメトリー応答を示す。 図6は、直径が50マイクロメートルの4つのマイクロディスク作用電極を含む約100nL容量と約60マイクロメートル高さのマイクロチャネル中の、pH7.4のリン酸緩衝化生理食塩水中の500μMのフェロセンの酸化について、クロノアンペロメトリーにより測定された電流の異なる寄与を示す。この図は、得られた電流(14)が、急速に無視できる値まで低下する容量性電流(13)と、組み込み作用電極での酸化反応から生じるファラデー電流(13’)との合計であることを示す。本発明の方法において、時間間隔t1〜t2(すなわち、容量性電流が無視できるか又は少なくとも実験毎にほぼ一定である、電流測定の第2の部分)にわたって電流を積分して得られる電荷Qは、組み込み作用電極の周りの容量中の目的のアナライトの存在、濃度、又は量を決定するのに考慮される。 図7は、直径が約50マイクロメートルである組み込み微小電極を有するカバーされたマイクロチャネル中のp−アミノフェニルリン酸のアルカリホスファターゼ(ALP)を用いた酵素反応により生成したp−アミノフェノールの酸化の連続的電流測定中に得られた電流応答の第2の部分の積分から得られる電荷の変化を示す。連続的電流測定は2秒間行われ、50秒間の緩和時間後に繰り返され、全検出はマイクロチャネル中のp−アミノフェニルリン酸溶液を再び新しくすることにより3回繰り返される(時間ta1とta2に新鮮な溶液をポンプで吸い上げ、それぞれ時間tb1とtb2にポンプのスイッチを切り、ALPにアミノフェニルリン酸をp−アミノフェノールに変換させ、これを次に電流測定で種々の時点に2秒間測定する)。 図8は、電流測定応答がマイクロチャネルの形に依存せず電極の形にのみ依存するように、作用電極の特徴的長さの2倍に対応する個々の電極の上方のアナライトの拡散層(18、19、及び20)の厚さの2倍に対応する距離aにより分離された複数の電極(それぞれ15、16、及び17)を有するカバーされたマイクロチャネル(7)の略図である。 図9は、電流測定応答がマイクロチャネルと電極の形の両方に依存するように、電極間距離が、個々の電極の上方の消費層(18’、19’、および20’)が電流測定の時間スケールで重複しないようなものである複数の電極(それぞれ15’、16’、及び17’)を有するカバーされたマイクロチャネル(7)の略図である。 図10は、一定の長さのカバーされたマイクロチャネルにより、しかし増加する数の組み込まれた作用微小電極を用いる、電流測定検出により得られる電流応答の理論的(21)変化と実際の(22)変化とを示す。個々の電極の上方の消費層が隣接電極の上方のものと重複すると、限定拡散電流(すなわち、最大検出可能電流)はもう電極の数と線形に増加せず、さらに飽和する。 図11は、約60マイクロメートルの高さを有する下記の図20に示すものと同様の半円筒形を有する、長さが1cmで高さが約60マイクロメートルの1cm長の、75マイクロメートル厚さのポリイミド箔でできたマイクロチップで、かつポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート層の積層で封止された、850μm、350μm、150μm、および50μmで分離されたそれぞれ6、12、24、又は48金被覆銅電極のシリーズを含む、マイクロチップ中の、pH7.4のリン酸生理食塩水緩衝液中の500μMフェロセン溶液の電流測定検出により得られる電流の変化を示す。 図12は、2つの電流測定の間でアナライトの再生有り(23)又は無し(24)で、マイクロチャネル中の酵素反応により生成する電気活性アナライトの酸化又は還元の連続的電流測定中に得られた電流応答の後半の積分から得られる電荷の変化を示す。 図13は、マイクロチャネル(7)のルーフ(9)中に置かれ、このマイクロチャネル中に存在する溶液と接触している、電導性部分(25)を有するマイクロチャネルの略図であり、これは顕著には、強度の大きい電流の検出中のオーム抵抗を低下(又は電圧降下(iR drop)と呼ばれる) させるか、及び/又は電流測定中に作用電極(15〜17)で消費されるアナライト分子を再生するために使用することができる第3の対電極である。 図14は、カバーされたマイクロチャネルのルーフ中に置かれ、このマイクロチャネル中に存在する溶液と電解的接触をしている電導性部分有り(26)又は無し(27)で、直径50マイクロメートルの24個の組み込み作用電極を含むマイクロチャネル中の、酵素反応により生成する電気活性分子種の酸化又は還元の連続的電流測定中に得られた電流応答の後半の積分から得られる電荷の変化を示す。 図15は、マイクロチャネル(7)のルーフ(9)中に置かれ、このマイクロチャネル中に存在する溶液と接触している電導性部分(25)を有する微細構造体の軸x(B)に沿った縦断面(A)と横断面の略図であり、これは、そこでマイクロチャネルの長さに沿って、再生されたアナライト分子の半円筒形拡散勾配(28)が確立され、追加の検出可能なアナライト分子を用いて組み込まれたマイクロディスク作用電極(15〜17)の上方の消費層(18”〜20”)を提供することができる、第3のマイクロバンド対電極である。 図16は、1つ又は一連の作用マイクロディスク電極を含むカバーされたマイクロチャネル中の3電極モードで予測されたクロノアンペロメトリー応答を示し、マイクロチャネルの中(29)及び外(30)に第3の対電極が置かれる。 図17は、マイクロチャネル中に置かれた第3の対電極が有り(31)および無し(32)で電流測定による酵素反応の検出を示す。 図18は、本発明のマイクロチップ(100)の概略の例を示し、ここでマイクロチャネル(7)はチップ支持体(102)の片側に作製され、該支持体は反対側に、マイクロチャネル中に存在する溶液に接触した作用電極もしくは作用電極のアレイを含む電導性パッド(103)、ならびにマイクロチャネルの一端(入り口又は出口)に参照電極及び/又は対電極(104)、及び外部電気計器(例えばポテンシオスタット)に種々の電極を接続する電導性トラック(105)とパッド(106)を含む。 図19は、図18に例示したものと同様のチップの側面図を示し、ここではカバー層(9)で封止され、出口と入り口(109と109’)を含むマイクロチャネル(7)は、例えば銅でできた電気パッド(103)を含み、電導性パッド(103)上に沈積された金属層(107)(例えば銅パッド上にメッキされた金)でできた一連の作用電極を支持するチップ支持体(102)中に作成され、該電極はマイクロチャネルの壁に対してくぼみ(108)を示す。 図20は、図19に示すマイクロチップの側面図の軸yに沿った略断面図であり、マイクロチャネル(7)は半円筒形を有し、組み込み作用電極(107)は電気パッド(103)上に支持され、マイクロチャネルの底壁に対してくぼみ(108)を示す。 図21は、マイクロチャネル(7)の底の50μmの金マイクロディスク電極のSEM画像の線図(図21A)と、ポリイミドチップ支持体(102)中で作製されるマイクロチャネル(7)の底の50μmにより分離された一連の50μmの金マイクロディスク電極の顕微鏡写真の線図(図21B)を示す。図21に示すマイクロチャネル壁の形は、等方性プロセス(例えばプラズマエッチング)により作製されるマイクロチャネルに典型的である。本例の場合電極は、銅電導性パッドの上方のポリイミド材料を除去するようにマイクロチャネルの底にくぼみを作成(例えば、レーザー光削摩、化学的エッチング、又は他の改変法)することにより、及び電子メッキ法を使用して銅パッドの露出部分上に金を沈着することにより、作製される。 図22は、それぞれが組み込み作用電極を支持する電導性支持体(103)を含む8つの個々にアドレス可能なマイクロチャネルのアレイと、ならびに接続トラック(105)を介して電極を外部電気計器(例えばポテンシオスタット)に接続するための個々にアドレス可能な接続パッド(106)とを含む、本発明のマイクロチップ(100)の略図である。 図23は、ポリイミドチップ支持体(102)中のプラズマエッチングにより作製される8つの個々にアドレス可能なマイクロチャネル(7)のアレイを含む本発明のマイクロチップ器具(100)の線図であり、各マイクロチャネルは、端に入り口(109)と出口(109’)と、ならびに外部のポテンシオスタットへの接続を促進する電導性パッドに連結した電導性トラック(105)を介してに相互接続される個々の金被覆銅支持体(103)で作成された4つの金被覆銅組み込み作用電極とを含む。チップ支持体(102)はまた、マイクロチャネル(7)の入り口(109)と出口(109’)の近くに位置し、かつ補助電導性トラック(105)とパッド(106)を介して外部に接続された対電極又は偽参照電極として機能する補助パッド(104)を含む。 図24は、2秒間の連続的電流測定による、マイクロチャネルの壁に固定化された抗アルカリホスファターゼ上に種々の濃度で捕捉されたアルカリホスファターゼの免疫学的アッセイの結果を示し、電荷(t=1sからt=2sまでの時間で測定された電流の積分から得られる)が時間の関数としてプロットされている。電流測定は、8つの平行マイクロチャネルを含むマイクロチップ中で同時に行われ、測定の繰り返し性をチェックするために酵素基質溶液は2回交換される。 図25は、本発明の方法を使用して全血(既知濃度の10%のFSH溶液と、凝固防止のためにヘパリンを混合した90%の血液とを使用して調製した)中のFSH検出について得られた較正曲線を示し、ここで、PE/PET積層により封止した75マイクロメートル厚のポリイミド箔のプラズマエッチングにより作製され、約50マイクロメートルの直径と約15マイクロメートルのくぼみを有する一連の4つの金マイクロディスク電極を含む、長さ1cmで高さ約60マイクロメートルのポリイミドマイクロチャネル中の、2秒間の連続的電流測定中のp−アミノフェノールからキノンイミドへの酸化について得られた電荷の経時変化の傾き。

Claims (72)

  1. マイクロ流体センサー中のアナライトの存在、量、及び/又は濃度を測定するための電流測定検出法であって、
    a)微細構造体の1つの壁部分に正確なサイズと位置で組み込まれた少なくとも1つの作用電極を含む少なくとも1つの微細構造体を含む微小流体センサーを提供する工程(該組み込み作用電極の上方の微細構造体の高さは、組み込み作用電極のその特徴的長さ(又は円形電極の場合は半径)rの少なくとも2倍である);
    b)該微小流体センサーに分析すべき試料を充填する工程;及び
    c)比率r2/D(ここでrはメートルであり、Dは該アナライトの拡散係数(m2/s)である)より短い時間で該アナライトを電流測定により直接又は間接に検出するのに必要な電位を印加し、この時間内に組み込み作用電極で生じる酸化又は還元電流を測定し、従って上記少なくとも1つの組み込み作用電極の上方の半球形又は半円筒形拡散様式を受けているアナライト分子のみが、電流測定で試験される工程を含み、;さらに、
    d)比率r2/Dの半分より長い緩和時間後に工程c)を繰り返して連続的電流測定を行う工程を含むか又は含まない、上記方法。
  2. マイクロ流体センサー中のアナライトの存在、量、及び/又は濃度を測定するための電流測定検出法であって、
    a)微細構造体の壁部分に正確なサイズと位置で組み込まれた少なくとも1つの組み込み作用電極を含む少なくとも1つの微細構造体を含む微小流体センサーを提供する工程(該組み込み作用電極の上方の微細構造体の高さは、組み込み作用電極のその特徴的長さ(又は円形電極の場合は半径)r(メートル)の少なくとも2倍であり、該微細構造体は、該少なくとも1つの組み込み作用電極の上方に高さL(メートル)のくぼみを示す);
    b)該微小流体センサーに分析すべき試料を充填する工程;及び
    c)比率(r+L)2/D(ここでDは該アナライトの拡散係数(m2/s)である)より短い時間で該アナライトを電流測定により直接又は間接に検出するのに必要な電位を印加し、この時間内に組み込み作用電極で生じる酸化又は還元電流を測定し、従って該微細構造体内で半球形又は半円筒形拡散様式を受けているアナライト分子のみが、電流測定で試験される工程を含み;さらに、
    d)比率(r+L)2/Dの半分より長い緩和時間後に工程c)を繰り返して連続的電流測定を行う工程を含むか又は含まない、上記方法。
  3. 約10秒以下の時間中に該少なくとも1つの組み込み作用電極中で、電位が印加され、関連する電流が測定されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の電流測定検出法。
  4. 約2秒以下の時間中に該少なくとも1つの組み込み電極中で、電位が印加され、関連する電流が測定されることを特徴とする、請求項3に記載の電流測定検出法。
  5. 連続的電流測定を分離している緩和時間は約1秒より長いが約1分より短いことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電流測定検出法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電流測定検出法であって、該微小流体センサー中のアナライトの存在、濃度、及び/又は量を測定するために考慮される有効な検出シグナルは、工程c)又は、さらに工程d)で測定される電流のほんの一部分に限定され、測定される電流の該部分は、容量性電流がファラデー電流に対して一定であると見なされ、かつ半球形又は半円筒形拡散様式を受けているアナライト分子のみが検出される時間にわたって選択されることを特徴とする上記方法。
  7. 工程c)又は、さらに工程d)の電位印加の最初の部分で測定される電流は排除され、有効な検出シグナルとは見なされない請求項6の電流測定検出法であって、該電位印加の最初の部分は、少なくとも1秒間の持続時間、又は該少なくとも1つの組み込み作用電極が長さLのくぼみを有する場合は、少なくとも比率L2/2Dに等しい持続時間を有することを特徴とする上記方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の電流測定検出法であって、有効な検出シグナルは、工程c)又は、さらに工程d)で測定される電流を電位の印加期間のほんの一部分にわたって積分し、半球形又は半円筒形拡散様式を受けているアナライト分子のみの検出から得られる電荷Q(クーロン)の値に対応する検出シグナルを得ることにより得られ、この電荷Qの値から該アナライトの存在、量、又は濃度が求められることを特徴とする上記方法。
  9. 請求項8に記載の電流測定検出法であって、電位の印加の少なくとも最初の1秒間に測定された電流を排除するか、又は長さLのくぼみを有する組み込み作用電極の場合は、少なくともL2/2Dに等しい持続時間の最初の電位の印加中に測定された電流を排除し、かつ電位の印加の残りの時間にわたって測定された電流の積分に対応する電荷Qを考慮することにより、検出シグナルが得られることを特徴とする上記方法。
  10. 請求項4に係る請求項9に記載の電流測定検出法であって、検出シグナルは時間間隔t=約1s〜t=約2sにわたって測定された電流の積分に対応する電荷Qを考慮することにより得られることを特徴とする上記方法。
  11. 請求項8〜10のいずれか1項に記載の電流測定検出法であって、アナライトの存在、量、及び/又は濃度は、連続的電流測定中の該電荷Qの経時変化から決定されることを特徴とする上記方法。
  12. 請求項11に記載の電流測定検出法であって、アナライトの存在、量、及び/又は濃度は、連続的電流測定中の該電荷Qの経時変化を示す曲線の起点の傾きから決定されることを特徴とする上記方法。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の電流測定検出法であって、検出されたアナライト分子は、連続的電流測定の間及び/又は2つの連続的電流測定を分離する緩和時間の間に、部分的又は完全に再生されることを特徴とする上記方法。
  14. 請求項13に記載の電流測定検出法であって、検出されたアナライト分子は、該少なくとも1つの組み込み作用電極に印加される電位をある値に逆転することにより、検出された分子を還元又は酸化して、次の電流測定で検出可能なアナライト分子に戻すことを可能にすることにより、2つの連続的電流測定を分離する緩和時間の間に、部分的又は完全に再生されることを特徴とする上記方法。
  15. 請求項13又は14に記載の電流測定検出法であって、検出されたアナライト分子は、該微細構造体の少なくとも1つの壁部分に組み込まれた少なくとも1つの対電極で部分的又は完全に再生されることを特徴とする上記方法。
  16. 請求項13〜15のいずれか1項に記載の電流測定検出法であって、アナライトの存在、量、及び/又は濃度は、該電流測定と検出された分子の該再生から得られる電流を考慮することにより決定されることを特徴とする上記方法。
  17. 複数アナライトの存在、量、及び/又は濃度を検出するように改変された、請求項1〜16のいずれか1項に記載の電流測定検出法。
  18. 異なる印加電位を使用して酸化及び/又は還元により種々のアナライトが検出されることを特徴とする、請求項17に記載の電流測定検出法。
  19. 微小流体センサーは複数微細構造体を含み、シリーズの各微細構造体は1つ又は複数の異なるアナライトを検出するように機能することを特徴とする、請求項1〜18のいずれか1項に記載の電流測定検出法。
  20. 微細構造体の1つの壁部分に正確なサイズと位置で組み込まれた少なくとも1つの作用電極を含む少なくとも1つの微細構造体を含む電流測定微小流体センサーであって、該組み込み作用電極の上方の微細構造体の高さは、該組み込み作用電極のその特徴的長さ(又は円形電極の場合は半径)rの少なくとも2倍であり、又、該微細構造体は該少なくとも1つの組み込み電極の上方にくぼみを示すときは、該電流測定微小流体センサーは、該少なくとも1つの組み込み作用電極の上方で半球形又は半円筒形拡散様式を受けているアナライト分子のみから生じるシグナルを検出するように改変されていることを特徴とする上記センサー。
  21. 該微細構造体と該少なくとも1つの組み込み作用電極の形と大きさは、該組み込み作用電極の上方の微細構造体の高さに対応する最大距離にわたって、目的のアナライトを消耗させるように改変されていることを特徴とする、請求項20に記載の電流測定微小流体センサー。
  22. 微細構造体の高さと該少なくとも1つの組み込み作用電極の特徴的長さ又は半径の比は約2〜5であることを特徴とする、請求項20又は21に記載の電流測定微小流体センサー。
  23. 微細構造体の高さは約500マイクロメートルより小さく、かつ該少なくとも1つの組み込み作用電極の特徴的長さ又は半径は約200マイクロメートルより小さいことを特徴とする、請求項20〜22のいずれか1項に記載の電流測定微小流体センサー。
  24. 微細構造体の高さは約100マイクロメートルより小さく、かつ該少なくとも1つの組み込み作用電極の特徴的長さ又は半径は約50マイクロメートルより小さいことを特徴とする、請求項20〜23のいずれか1項に記載の電流測定微小流体センサー。
  25. 微細構造体はGAU少なくとも1つの組み込み作用電極の上方にくぼみを示し、該くぼみは、該少なくとも1つの組み込み作用電極の特徴的長さ又は半径より小さい高さLを有することを特徴とする、請求項20〜24のいずれか1項に記載の電流測定微小流体センサー。
  26. 該微細構造体と該少なくとも1つの組み込み作用電極の形と大きさは、電流測定の時間スケールで、500pL以下、最も好ましくは200pL以下の検出容量を規定することを特徴とする、請求項20〜25のいずれか1項に記載の電流測定微小流体センサー。
  27. 微細構造体は、該微細構造体の1つの壁部分に正確なサイズと位置で組み込まんだ、対電極、参照電極、及び/又は偽参照電極の少なくとも1つをさらに含むことを特徴とする、請求項20〜26のいずれか1項に記載の電流測定微小流体センサー。
  28. 該組み込み作用電極、対電極、参照電極、及び/又は偽参照電極は電導性パッドにより支持されることを特徴とする、請求項20〜27のいずれか1項に記載の電流測定微小流体センサー。
  29. 該電導性パッドは、該微細構造体の反対側で微細構造体支持体として機能する物質上に置かれ、該組み込み作用電極、対電極、参照電極、及び/又は偽参照電極は、該微細構造体の底の微細構造体支持体の物質を除去することにより製造されて、該微細構造体の底に凹型の電極を作成することを特徴とする、請求項28に記載の電流測定微小流体センサー。
  30. 1つの電導性パッドは複数の電極を含むことを特徴とする、請求項29に記載の電流測定微小流体センサー。
  31. 該組み込み電極の上方のくぼみは有機相を含むことを特徴とする、請求項29又は30に記載の電流測定微小流体センサー。
  32. 該組み込み作用電極、対電極、参照電極、及び/又は偽参照電極の少なくとも1つは、電気化学的に不活性な金属(例えば特に限定されないが、金、白金、銀/塩化銀)で被覆された銅から作成されることを特徴とする、請求項27〜31のいずれか1項に記載の電流測定微小流体センサー。
  33. 該少なくとも1つの組み込み作用電極は、約50マイクロメートル、最も好ましくは約25マイクロメートル以下の特徴的長さ又は半径を有する微小電極であることを特徴とする、請求項20〜32のいずれか1項に記載の電流測定微小流体センサー。
  34. 微細構造体支持体は、ポテンシオスタット又は電源のような外部電気計器と、組み込み作用電極、対電極、参照電極、及び/又は偽参照電極のいずれか1つとの電気的接触を与えるための電気的接続パッド及び/又はトラックをさらに含むことを特徴とする、請求項20〜33のいずれか1項に記載の電流測定微小流体センサー。
  35. 該微細構造体は、該微細構造体の1つの壁部分に正確なサイズと位置で組み込まれた複数の作用電極を含む、請求項20〜34のいずれか1項に記載の電流測定微小流体センサーであって、該組み込み作用電極の上方の該微細構造体の高さは該組み込み作用電極の特徴的長さ(又は円形電極の場合は半径)rの少なくとも2倍であり、かつ2つの隣接する作用電極間の距離は、その特徴的長さ(又は円形電極の場合は半径)と等しいか又は2倍より大きいことを特徴とする上記センサー。
  36. 該微細構造体は、約500nLの溶液、最も好ましくは約150nLの溶液を含有するサイズであることを特徴とする、請求項20〜36のいずれか1項に記載の電流測定微小流体センサー。
  37. 該微細構造体は、少なくとも1つの組み込み作用電極を含むカバーされたマイクロチャネル、又はそれぞれが少なくとも1つの組み込み作用電極を含むカバーされたマイクロチャネルのアレイもしくはネットワークを含むことを特徴とする、請求項20〜36のいずれか1項に記載の電流測定微小流体センサー。
  38. 該マイクロチャネル又はマイクロチャネルのアレイもしくはネットワークは積層でカバーされることを特徴とする、請求項20〜37のいずれか1項に記載の電流測定微小流体センサー。
  39. 該微細構造体及び/又は該少なくとも1つの組み込み作用電極は、物理的もしくは化学的エッチング、射出成形、レーザー光削摩、ポリマー鋳造、UV−LIGA、エンボス加工、シリコン技術、一連の層の組み立て、又はこれらのいずれかの組合せの少なくとも1つにより作製されることを特徴とする、請求項20〜38のいずれか1項に記載の電流測定微小流体センサー。
  40. 微細構造体支持体として機能する物質は、ポリマー、ガラス、又は石英であることを特徴とする、請求項20〜39のいずれか1項に記載の電流測定微小流体センサー。
  41. 該微細構造体支持体は電極の電気的接続のための電導性トラックを含むことを特徴とする、請求項20〜40のいずれか1項に記載の電流測定微小流体センサー。
  42. 該微細構造体支持体は、約500マイクロメートルより小さい厚さ、好ましくは約100マイクロメートルより小さい厚さを有することを特徴とする、請求項20〜41のいずれか1項に記載の電流測定微小流体センサー。
  43. 該微細構造体、該マイクロチャネル、又はマイクロチャネルのアレイもしくはネットワークは貯蔵部に囲まれていることを特徴とする、請求項20〜42のいずれか1項に記載の電流測定微小流体センサー。
  44. 参照電極又は偽参照電極は、該微細構造体、該マイクロチャネル、又はマイクロチャネルのアレイもしくはネットワークの入り口及び/又は出口の貯蔵部に置かれることを特徴とする、請求項43に記載の電流測定微小流体センサー。
  45. 該微細構造体及び/又は該微細構造体の入り口又は出口の周りの該貯蔵部は、生物学的物質、及び化学的化合物又は試薬の少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項1〜44のいずれか1項に記載の電流測定微小流体センサー。
  46. 該生物学的物質又は化学的化合物もしくは試薬は乾燥され、及び/又は該貯蔵部内及び/又は該微細構造体の少なくとも1つの部分、例えば壁部分もしくは該組み込み作用電極上に直接、又は該微細構造体の少なくとも1つの部分に置かれた膜、ゲル、ゾル−ゲル、もしくはビーズのような支持体上に可逆的もしくは不可逆的に固定化されることを特徴とする、請求項45に記載の電流測定微小流体センサー。
  47. 該生物学的物質は、酵素、抗原、抗体、親和性物質、細胞、病原体、タンパク質、ウイルス、DNA、DNA下部、オリゴヌクレオチド、ペプチド、及びこれらの組合せの1つであることを特徴とする、請求項45又は46に記載の電流測定微小流体センサー。
  48. 微細構造体支持体はチップ形で終わり、該微細構造体はその末端の1つが該支持体の端にあることを特徴とする、請求項20〜47のいずれか1項に記載の電流測定微小流体センサー。
  49. 該チップは、微細構造体工程の端からの溶液、試料、又は試薬の取り込み、回収、及び/又は供給のために改変されていることを特徴とする、請求項48に記載の電流測定微小流体センサー。
  50. 該チップは、溶液、試料、又は試薬の直接取り込み、回収、及び/又は供給を可能にするように、膜、薄いポリマー箔、又は皮膚のような固体物質を所望の貫通で突き通すように改変されていることを特徴とする、請求項48又は49のいずれか1項に記載の電流測定微小流体センサー。
  51. 該センサーは組み込み試料採取システム及び/又は分析測定器具の一部であることを特徴とする、請求項20〜50のいずれか1項に記載の電流測定微小流体センサー。
  52. 微細構造体の1つの壁部分に正確なサイズと位置で組み込まれた少なくとも1つの作用電極を含む少なくとも1つの微細構造体を含む電流測定微小流体センサーの作製方法であって、該組み込み作用電極の上方の微細構造体の高さは、該組み込み作用電極のその特徴的長さ(又は円形電極の場合は半径)rの少なくとも2倍であり、又はさらに、該微細構造体は該少なくとも1つの組み込み電極の上方にくぼみを示すときは、該電流測定微小流体センサーは、該少なくとも1つの組み込み作用電極の上方で半球形又は半円筒形拡散様式を受けているアナライト分子のみから生じるシグナルを検出するように改変されていることを特徴とする上記方法。
  53. 対電極、参照電極、及び/又は偽参照電極の少なくとも1つは、該微細構造体の1つの壁部分に正確なサイズと位置でさらに組み込まれることを特徴とする、請求項52に記載の電流測定微小流体センサーの作製方法。
  54. 該組み込み作用電極、対電極、参照電極、及び/又は偽参照電極は電導性パッドにより支持されることを特徴とする、請求項52又は請求項53に記載の電流測定微小流体センサーの作製方法。
  55. 該電導性パッドは、該微細構造体の反対側で微細構造体支持体として機能する物質上に置かれ、該組み込み作用電極、対電極、参照電極、及び/又は偽参照電極は、該微細構造体の底の微細構造体支持体の物質を除去することにより製造されて、該微細構造体の底に凹型の電極を作成することを特徴とする、請求項54に記載の電流測定微小流体センサーの作製方法。
  56. 1つの電導性パッドは複数の電極を含むことを特徴とする、請求項55に記載の電流測定微小流体センサーの作製方法。
  57. 該組み込み電極の上方のくぼみは有機相が置かれることを特徴とする、請求項52〜56のいずれか1項に記載の電流測定微小流体センサーの作製方法。
  58. 該組み込み作用電極、対電極、参照電極、及び/又は偽参照電極の少なくとも1つは、電気化学的に不活性な金属(例えば特に限定されないが、金、白金、銀/塩化銀)で被覆された銅から作成されることを特徴とする、請求項52〜57のいずれか1項に記載の電流測定微小流体センサーの作製方法。
  59. 微細構造体支持体として機能する物質は、ポリマー、ガラス、又は石英であることを特徴とする、請求項52〜58のいずれか1項に記載の電流測定微小流体センサーの作製方法。
  60. 該微細構造体及び/又は該少なくとも1つの組み込み作用電極は、物理的もしくは化学的エッチング、射出成形、レーザー光削摩、ポリマー鋳造、UV−LIGA、エンボス加工、シリコン技術、一連の層の組み立て、又はこれらのいずれかの組合せの少なくとも1つにより作製されることを特徴とする、請求項52〜59のいずれか1項に記載の電流測定微小流体センサーの作製方法。
  61. 請求項52〜60のいずれか1項に記載の電流測定微小流体センサーの作製方法であって、
    a.電導性層により防御される支持体物質を提供する工程、
    b.所望の微細構造体を作製するためのマスクとして機能する該電導性層に構造を作成する工程、
    c.エッチング及び/又は光削摩プロセスを使用して該支持体物質を微細加工して所望の微細構造体を作成する工程、
    d.防御性電導性層の少なくとも一部を除去して電気的接続のネットワークを作成する工程、
    e.第2のエッチング及び/又は光削摩プロセスにより該支持体物質をさらにエッチングして、該防御性電導性層の明瞭で正確に位置する部分を該微細構造体に暴露する工程を含むか又は含まず、
    f.該防御性電導性層の残りの部分を不活性金属で被覆して電極を作成する工程を含むか又は含まず、さらに、
    g.該微細構造体にカバー層を適用して該微細構造体を閉じる工程、
    を含んでなる上記方法。
  62. 該少なくとも1つの組み込み作用電極は、所望の位置で、該微細構造体の底と電導性パッドとを分離する微細構造体支持体の物質を除去することにより作製されることを特徴とする、請求項61に記載の電流測定センサー器具の作製方法。
  63. 微細構造体支持体からの物質を除去は、微細構造体の底からの機械的穿孔、化学的もしくは物理的エッチング、光削摩、又はこれらのいずれかの組合せにより行われることを特徴とする、請求項62に記載の電流測定センサー器具の作製方法。
  64. 該微細構造体は積層のようなカバー層の適用によりカバーされることを特徴とする、請求項52〜63のいずれか1項に記載の電流測定センサー器具の作製方法。
  65. 該微細構造体及び/又は該微細構造体の入り口又は出口の周りの該貯蔵部は、生物学的物質、及び化学的化合物又は試薬の少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項52〜64のいずれか1項に記載の電流測定微小流体センサーの作製方法。
  66. 該生物学的物質又は化学的化合物もしくは試薬は乾燥され、及び/又は該貯蔵部内及び/又は該微細構造体の少なくとも1つの部分、例えば壁部分もしくは該組み込み作用電極上に直接、又は該微細構造体の少なくとも1つの部分に置かれた膜、ゲル、ゾル−ゲル、もしくはビーズのような支持体上に可逆的もしくは不可逆的に固定化されることを特徴とする、請求項65に記載の電流測定微小流体センサーの作製方法。
  67. 該生物学的物質は、酵素、抗原、抗体、親和性物質、細胞、病原体、タンパク質、ウイルス、DNA、DNA下部、オリゴヌクレオチド、ペプチド、及びこれらの組合せの1つであることを特徴とする、請求項65又は66に記載の方法。
  68. 微細構造体支持体はチップ形で終わり、該微細構造体はその末端が該支持体の端に作成されることを特徴とする、請求項52〜67のいずれか1項に記載の方法。
  69. 溶液中の特に合成に関連する化学的及び/もしくは生物学的反応を実施するための、及び/又は特に化学的及び/もしくは生物学的アッセイ(例えば、特に限定されないが、タンパク質アッセイ、親和性アッセイ、イムノアッセイ、酵素アッセイ、酵素結合免疫吸着測定法、細胞アッセイ、ウイルスアッセイ、病原体アッセイ、DNAアッセイ、ハイブリダイゼーションアッセイ、オリゴヌクレオチドアッセイ、物理的−化学的性状解析アッセイ、親油性アッセイ、溶解度アッセイ、又は透過性アッセイ)に関連した化学的及び/もしくは生物学的分析を実施するための、請求項1〜19のいずれか1項に記載の電流測定検出法と組合せた、請求項20〜51のいずれか1項に記載の電流測定微小流体センサーの使用。
  70. タンパク質、ペプチド、抗体、抗原、酵素、オリゴヌクレオチド、病原体、ウイルス、DNA、DNA下部、又は細胞の分析を実施するための、請求項20〜51のいずれか1項に記載の電流測定微小流体センサーと請求項1〜19のいずれか1項に記載の電流測定検出法の使用。
  71. 請求項20〜51のいずれか1項に記載の電流測定微小流体器具と、請求項1〜19のいずれか1項に記載の電流測定検出法の生物学的もしくは化学的分析又は合成を実施するのに必要な試薬とを含むキット。
  72. 請求項20〜51のいずれか1項に記載の電流測定微小流体センサーに連結したポテンショスタットのような外部電気計器と連通するために、かつ請求項1〜19のいずれか1項に記載の電流測定検出法の化学的もしくは生物学的分析を実施するために、改変したソフトウェアの項目。
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