JP2005031049A - 分析用マイクロリアクター - Google Patents

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JP2005031049A JP2003273592A JP2003273592A JP2005031049A JP 2005031049 A JP2005031049 A JP 2005031049A JP 2003273592 A JP2003273592 A JP 2003273592A JP 2003273592 A JP2003273592 A JP 2003273592A JP 2005031049 A JP2005031049 A JP 2005031049A
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Hiroaki Suzuki
博章 鈴木
Koichiro Iwasa
航一郎 岩佐
Satoshi Tamaki
聡史 玉木
Kazuyoshi Yamamoto
一喜 山本
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】 本発明は、非常に小型で簡便に且つ高感度に被検出物質を測定できる分析用マ
イクロリアクターを提供する。
【解決手段】 基板内に、流体試料の注入口と連結された微細流路が形成されており、該
微細流路に、被検出物質の濃縮部及び、電極間に電位を印加する又は電極間に電流を流す
ことにより、被検出物質の種類又は濃度を検出する、ボルタンメトリシステム、アンペロ
メトリシステム、ポテンシオメトリシステム又はクーロメトリシステム等の電気化学検出
部が連結されていることを特徴とする分析用マイクロリアクター。
【選択図】 図1

Description

本発明は、分析用マイクロリアクターに関する。
最近、医療診断を患者の近傍で行うベッドサイド診断、大気や水や土壌中の環境汚染物
質のモニタリング、食品の安全性検査等現場において短時間に安価に診断したり分析する
技術のニーズは非常に高くなってきている。
例えば、従来高価且つ大型の装置を必要とした分析を、持ち運び可能な小型の分析装置
が代替できれば、大病院にしか設置できなかった分析装置を開業医でも設置、利用するこ
とが可能になり、診断結果を患者に簡便に早期にフィードバックすることが可能になる。
又、高齢者の健康指標を高齢者の家族が測定し、その健康指標数値を在宅管理したり、病
院に定期的に送信して病院で管理することにより在宅医療環境がより優れたものとなる。
又、環境ホルモン、ダイオキシン等の環境汚染物質を、高価且つ大型装置を使用するこ
となく、簡易測定することができれば、簡単且つ安価に環境診断することができる。更に
、持ち運び可能な小型の分析装置を用いて現場で環境汚染物質を分析することができれば
、よりきめ細かい安全環境を供出することができる。
このような測定を簡易に行うためには、微量の試料で、高感度に分析検出が行えること
が必要である。そのために、キャピラリーガスクロマトグラフィー(CGC)、キャピラ
リー液体クロマトグラフィー(ILC)、誘導型プラズマ(ICP)等で分離し、質量分
析計(MS)で検出するGC−MS、LC−MS、ICP−MS等が微量、高感度で分析
できる方法として広く使用されてきている。
しかしながら、これらの装置は高価で大掛かりな装置なので、簡単に持ち運んだり所望
の場所に設置するには、非常に高いコストがかかり、上記のような幅広い医療診断や環境
診断のニーズには適合し得なかった。
一方、電気化学的な測定方法は、測定に供する電極と、電圧、電流を印加するシステム
さえあれば、被検出物質を検出できるという極めて簡易な測定方法である。安価コストに
て作製することが可能である点で、医療診断や環境診断現場にて、幅広く用い得る可能性
を有するものである。
これを、実際に現場を持ち運ぶ目的の製品形態としてなした例として、電気化学センサ
ーをマイクロリアクター中に備える形で幾つかの製品が販売されている。マイクロリアク
ターとは、掌サイズ程度のチップ内に、マイクロスケールの流体移送手段や反応部等を含
むものの総称であり、例えば、リアクター内部に幅0.1μm〜1000μm程度の流体
移送路を内包する。
マイクロリアクター内に電気化学センサーを備えた例として、例えばイオン選択性電極
、即ち、作用極上に形成した高分子膜の膜電位を計測することにより目的電解質イオンを
選択的に計測する電極が搭載されたものが挙げられる(例えば、特許文献1参照。)。こ
こでは、イオン選択性電極としてマイクロ電極を用いるとともに、マイクロレベルの幅及
び深さを有する流体移送用の流路を適宜使用することにより、掌サイズの微小な分析シス
テムを実現している。システムが非常に小さいため、持ち運びが可能であり、大掛かりな
測定装置を用いることなしに、血液中成分を測定することが出来る。
特開2000−65791号公報
しかし、電気化学測定手段を用いた微量物質の測定には下記のような欠点がある。
(1)被検出物質の種類や使用する電極の構造によっては、必ずしも充分な感度が得られ
ない場合がある。
(2)分離能が低いため夾雑物質と目的の被検出物質の検出結果との見分けがつきにくい
このような問題を解決するためには、検出の前段階で試料を濃縮しておけば、通常は高
い感度を得ることのできない電気化学センサを使用しても高感度で検出することが可能と
なる。また、前記濃縮工程と同時に、侠雑物質として問題となるような物質群を分離して
おけば、問題となる侠雑成分が除かれることにより、さらに高感度な検出が可能となる。
実際、前出の特許文献1に記載の簡易分析器を用いても、Na +やK +といった血液中
電解質成分を、イオン選択性電極のみでppbレベルの感度にて精度よく検出することは
極めて難しいが、これに濃縮工程を前工程として付加することにより、より高感度な検出
が可能となることが予想される。
しかし、このような濃縮あるいは分離工程を前工程で含むことは、複数工程になる上、
装置も複雑になるため簡単な分析装置には適用できなかった。さらには、このような複雑
な工程をマイクロリアクターに導入することは更に困難であった。
本発明の目的は、上記欠点に鑑み、非常に小型で簡便に且つ高感度に被検出物質を測定
できる分析用マイクロリアクターを提供することにある。
本発明の分析用マイクロリアクターは、基板内に、流体試料の注入口と連結された微細
流路が形成されており、該微細流路に、被検出物質の濃縮部及び、電極間に電位を印加す
る又は電極間に電流を流すことにより、被検出物質の種類又は濃度を検出する電気化学検
出部が連結されていることを特徴とする。
本発明で使用される基板の素材は、特に限定されるものではなく、例えば、従来から使
用されてきている、ガラス、石英、シリコン等の無機材料が挙げられる。これら無機材料
は精度、加工性等が優れており、例えば、半導体微細加工技術において広く用いられてい
る光リソグラフィー技術を利用すれば、ガラスやシリコン基板上にミクロンオーダーの溝
を自在に形成することができる。
しかしながら、分析用マイクロリアクターを大量に、容易に且つ安価に生産し、かつ廃
棄出来ることも重要である。このような場合、材料そのものが高価であるガラスやシリコ
ンの使用は望ましいとはいえない。
又、医療の現場においては、ガラス製の製品を使う場合には、廃棄の際に適切な処理費
用を支払うことが義務付けられており、それ以外にも軽い、割れない等のメリットがあり
、さらには、転写金型を利用した射出成形やホットプレス成形を行うことにより、非常に
高い生産性にて表面に溝や孔を形成することが可能であることから、基板は高分子樹脂か
ら形成されるのが好ましい。
上記高分子樹脂の種類は、特に限定されるものではないが、加熱により簡単に表面加工
出来るという点では、熱可塑性樹脂が好ましく、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリス
チレン系樹脂、ポリ乳酸系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等が挙げ
られる。本発明における分析用マイクロリアクターにおいては、濃縮部において被検出物
質を吸着・脱離するために、様々なpHの流体を用いることが多いので、耐酸・アルカリ
性を有する樹脂、例えば、ポリオレフィン系樹脂やポリアクリル系樹脂がより好ましい。
一方、熱硬化性樹脂は、加熱により可塑化して簡単に表面加工するという利点は有さな
いが、予め硬化剤等を混合した前駆体液を転写金型に導入しておき、その場硬化させるこ
とにより、樹脂表面を附形することが可能である。
この場合、前駆体が液状のため、転写金型の形状をより忠実に転写するという利点があ
る。又、一般に、静的に硬化された樹脂は、低い線膨張率、低い成形収縮率を示すことか
らも、有利に用いることができる。このような熱硬化樹脂としては、コストや易取扱い性
の点から、エポキシ樹脂を有利に用いることができる。
上記基板内には、被検出物質を含有する流体試料が流動可能な微細流路が形成されてお
り、微細流路の一端部は流体試料の注入口となされている。微細流路には、注入口側から
順に、被検出物質の濃縮部及び被検出物質の種類又は濃度を検出する電気化学検出部が連
結されている。又、微細流路には、濃縮部の手前に流体試料を貯蔵する微小流体貯蔵部が
連結されているのが好ましい。
上記微細流路は、流路をより微細に集積する目的から、その幅及び深さが1mm未満の
マイクロスケールである流路が好ましい。微小流体貯蔵部は体積が5cm3 以下のマイク
ロリットルレベルの貯蔵部が好ましく、より好ましくは1cm3 以下である。尚、流体試
料とは、検出すべき物質を含む流動体であって、液体であってもよいし気体であってもよ
い。
本発明における濃縮部とは、被検出物質を含有する流体試料から被検出物質を濃縮する
機能を有する分析用マイクロリアクターの特定領域を指し、例えば、分析用マイクロリア
クター内部に形成した吸着担体に流体試料を通過させ、被検出物質を吸着させ、次いで離
脱させる機能を担うものが挙げられる。
上記濃縮部の好ましい構造としては、微細流路の流路全体に亘り吸着担体を適宜長に形
成したカラム構造又は微細流路内部に吸着担体膜を形成した膜構造が挙げられる。この際
、カラム構造に比べて膜構造は、送液圧力を下げられるという点で有利である。
また、LSIの集積化等の事例にあるように、微小物体の集積化を行う際には、積層も
しくは表面実装によりその量産時のコストを下げることが重要である。マイクロリアクタ
ー中に濃縮部を形成する方法として、前記膜構造を用いる場合、その形状から、積層手段
のみで作製することが出来る点で、好ましい構造である。
また、カラム構造をマイクロリアクター中に形成する際にも、一般の円筒形カラムのよ
うな構造ではなく、表面実装手法を用いることがより好ましい。例えば、基板に形成した
微細流路の特定部分にスタンピング方式にて微粒子を設置し、その両端を同様にスタンピ
ング方式にて膜で塞ぎ、次いで基板全体をテープ素材などでシールするような方法をとれ
ば、製造ラインにおいて各工程を簡易に連結することで、マイクロリアクターを製造する
ことが可能となる。
上記吸着担体は、一般に液体クロマトグラフィーで使用されている吸着担体であれば特
に限定されず、例えば、微粒子、開放構造の多孔質体、繊維状材料、モノリス型多孔質カ
ラム材料、選択透過性物質等が挙げられる。
上記微粒子としては、例えば、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリメタクリレ
ート樹脂、ポリヒドロキシメタクリレート樹脂、ポリビニルアルコール、シリカ、アルミ
ナ等の微粒子が挙げられる。
微粒子の大きさは、特に限定されないが、吸着担体に測定試料が効率的に接触するには
、その直径が微小流路断面の短径以下が好ましく、より好ましくは、その1/2以下であ
る。
上記開放構造の多孔質体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン
ープロピレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂;エチレンーテトラフルオロエチレン共
重合体、エチレンークロロトリフルオロエチレン共重合体等のオレフィン−ハロゲン化オ
レフィン共重合体;ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリ
クロロトリフルオロエチレン樹脂等のハロゲン化ポリオレフィン系樹脂;ポリスルホン樹
脂;セルロース等の有機高分子からなる有機多孔質体や、シリカ、アルミナ等の多孔質セ
ラミック;多孔質ガラス等の無機多孔質体等が挙げられる。
上記繊維状材料としては、例えば、綿、麻等の植物性繊維;絹、羊毛等の動物性繊維;
再生繊維;ポリエステル繊維、ポリアミド繊維等の合成繊維等が挙げられる。
上記モノリス型多孔質カラム材料とは、ポリアクリルアミドゲル、スチレンージビニル
ベンゼン共重合体、シリカゲル等が微細流路内で合成され、貫通孔が形成されているもの
である(例えば、非特許文献1参照。)。
Chromatography,Vol.21 No.3(2000)195−202
上記選択透過性物質とは、その物質中に被検出物質を固溶し拡散しうるもので、被検出
物質以外の成分との拡散速度の相違により選択的に被検出物質を取り出す機能を有する物
質、又はその物質中に被検出物質を固溶し拡散しうるもので、被検出物質以外の成分は固
溶しないことにより選択的に被検出物質を取り出す機能を有する物質であり、例えば、パ
ーフルオロイオン交換膜、フェノール−アルデヒドスルホン酸、ポリスチレン−ジビニル
ベンゼンスルホン酸、フェノールアルデヒドカルボン酸等の固体電解質が挙げられる。
上記吸着担体は単独で使用されてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。尚、上記
吸着担体は、その表面を耐薬品性の改善、あるいは、圧力損失の低下、分離性能の改善な
どを目的として各種表面修飾剤で処理されていてもよい。
上記吸着担体には、吸着担体が特定成分を分離、吸着するための分子や官能基が導入さ
れてもよい。このような化合物や官能基は、特に限定されないが、試料中の各種イオンと
結合可能な官能基、配位結合可能な官能基、キレート結合可能な官能基等の官能基や該官
能基を有する化合物が挙げられ、例えば、スルホ基、第4級アンモニウム基、オクタデシ
ル基、オクチル基、ブチル基、アミノ基、トリメチル基、シアノプロピル基、アミノプロ
ピル基、ニトロフェニルエチル基、ピレニルエチル基、ジエチルアミノエチル基、スルホ
プロピル基、カルボキシル基、カルボキシメチル基、スルホキシエチル基、オルトリン酸
基、ジエチル(2−ヒドロキシプロピル)アミノエチル基、フェニル基、イミノジ酢酸基
、エチレンジアミン基、硫黄原子を含むキレート形成基(例えば、各種メルカプト基、ジ
チオカルバミン酸基、チオ尿素基等)の官能基及びこれらの官能基を有する化合物が挙げ
られる。これらは単独で使用されてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
上記官能基及びこれらの官能基を有する化合物を吸着担体へ固定化する方法は、従来公
知の任意の方法が採用されればよいが、例えば、吸着担体中に含まれる官能基、例えば水
酸基、カルボキシル基、アルデヒド基、アミノ基などと直接反応させる方法、酸無水物な
どの架橋剤で吸着担体を処理し、架橋剤と反応させる方法等が挙げられる。
試料中の検出物質の吸着は、一般に、イオン交換反応、配位子交換反応、抗原抗体反応
、静電気相互作用、疎水性相互作用、水素結合等によってなされる。例えば、測定物質が
金属イオンの場合、イオン交換能を有する吸着担体、即ち、イオン交換樹脂粒子を用いる
ことができる。
例えば、昭和電工製のイオン交換樹脂(商品名「SP−130」)は、pH6では試料
中の金属イオン成分をそのイオン交換サイトに吸着するが、pH4.5では吸着した金属
イオンを脱離する特性がある。従って、予めpH6に調整した流体試料を、分析用マイク
ロリアクター内部に形成したイオン交換樹脂カラム中に通液し、次いでpH4.5に調整
した液体を微小量イオン交換樹脂カラム中に通液すれば、目的とする金属イオンを濃縮す
ることができる。
上記吸着担体の設置方法は、特に限定されるものではないが、例えば、設置領域に堰状
の突起を形成し、これにより吸着担体の流出を防ぐ方法、特定サイズ以上の粒子を通過し
ない膜や繊維構造のストッパーを用いる方法等が挙げられる。
又、吸着担体の有する官能基を利用して、吸着担体とマイクロリアクターが形成された
基板とを共有結合等で結合し、固定化する方法も同様に好適に用いることができる。
前記吸着担体に吸着した被検出物質を吸着担体から脱離するための溶離液は、特に限定
されず、例えば、分離するために濃縮部を通過させた液と異なるpHあるいは塩濃度、イ
オン種を持つ水溶液あるいは有機溶媒あるいはそれらの混合溶媒が挙げられる。又、通過
する液体の温度を変えることも効果的な場合がある。
上記吸着担体膜としては、例えば、上記吸着担体を繊維に編みこんだもの、多孔質体を
薄膜加工したもの、選択透過性物質膜等が挙げられる。
又、濃縮部の異なる機構として、濃縮部の器壁に、被濃縮物質と特定条件にて相互作用
力を供する特定物質を担持させておき、相互作用力のON−OFF制御により、濃縮およ
び抽出を行う機構が挙げられる。
例えば、濃縮部の器壁にデオキシリボ核酸(DNA 1)を固定し、器壁を±0.1℃
にて温度制御出来る機構としておく。ここに、固定したDNA 1と例えば60℃にて相
補的にハイブリダイザーションする構造を有するデオキシリボ核酸(DNA 2)を含む
試料を、器壁温度60℃にて導入する。
次いで、器壁温度を40℃に低下し、濃縮部内試料を取り出せば、目的物質(DNA
2)のみを濃縮したサンプルとして取り出すことが可能である。
前記器壁を温度制御するための発熱体は、特に限定されるものではなく、例えば、Bi
、Te、Se及びSb元素からなる群より選択された少なくとも2種類以上の元素を含有
する合金に適当なドーパントを添加したP型あるいはN型熱電変換素子及びそれらをモジ
ュール化したペルチェ素子、薄膜形成技術で形成される微細ヒーター、ニクロムヒーター
等が挙げられる。
又、濃縮部の異なる機構として、被検出物質の溶媒もしくは分散媒成分を蒸発させるこ
とにより濃縮する機構及び被検出物質の溶媒もしくは分散媒とは異なる溶媒もしくは分散
媒により被検出物質を抽出することにより濃縮を行う機構が挙げられる。
一般に、上記機構は濃縮に長時間を要するのが難点であるが、微細流路上に配置する場
合には、流体試料の体積に比して形成する界面面積を非常に大きくすることができるので
、高速の蒸発速度若しくは抽出速度を得ることができる。
図2は、被検出物質の溶媒もしくは分散媒成分を蒸発させることにより濃縮する機構の
1例を示す断面模式図である。図中101は微細流路であり、微細流路101の下側に発
熱体(例えば、ペルチェ素子)102が設置されている。尚、103、103は発熱体の
配線である。
微細流路101の上側には、発熱体102に対向して気体透過性膜104が設置されて
いる。尚、105、105は気体不透過性膜であり、気体透過性膜104に連設されて、
微細流路101を被覆している。発熱体102を加熱することにより、微細流路101中
を流れる液体試料を加熱し、微細流路101上側に設置された気体透過性膜104を通っ
て溶媒もしくは分散媒成分を蒸発させることにより、被検出物質を濃縮するのである。
上記発熱体としては、特に限定されるものではなく、例えば、Bi、Te、Se及びS
b元素からなる群より選択された少なくとも2種類以上の元素を含有する合金に適当なド
ーパントを添加したP型あるいはN型熱電変換素子及びそれらをモジュール化したペルチ
ェ素子、薄膜形成技術で形成される微細ヒーター、ニクロムヒーター等が挙げられる。
被検出物質の溶媒もしくは分散媒とは異なる溶媒もしくは分散媒により被検出物質を抽
出することにより濃縮を行う機構とは、互いに混じりあわない2種の溶媒を用い、両溶媒
を接しておくことにより、被検出物質を片方の溶媒にのみ移動して濃縮する機構のことを
いう。
例えば、溶媒A及び溶媒Bがあり、溶媒Aの中に被検出物質が溶け込んでいる状態にお
いて、被検出物質がむしろ溶媒Bに溶解しやすい物質である場合、溶媒Aと溶媒Bを接液
させておくと、被検出物質は溶媒Aから溶媒Bに移動して濃縮することができる。
本発明における電気化学検出部とは、電極間に電位を印加するか又は電極間に電流を流
すことにより、被検出物質の種類又は濃度を検出しうる、電気化学測定法による検出部で
ある。
電気化学測定法とは、電極間に電位を印加するか又は電極間に電流を流すことにより、
被検出物質に対し電気的な信号を印加して化学的な反応を起こさせたり、応答信号から内
部で起こっている化学的反応を追跡する検出方法であって、例えば、ボルタンメトリ法、
ストリッピングボルタンメトリ法、アンペロメトリ法、ポテンシオメトリー法、クーロン
メトリ法が挙げられる。又、これらの電気化学測定法に際して印加する電圧や電流の波形
としては、例えば、適宜パルス波、微分パルス波、三角波、ステップ波等が挙げられる。
上記ボルタンメトリ法とは、作用電極と対極の間に電位を印加し、その時に流れる電流
と印加電位の関係を調べるものである。ボルタンメトリ法で使用する電極は、作用電極と
対極に参照電極を加えた3電極系であることが望ましい。参照電極は、印加電位の大きさ
に関わらず、常時一定の電位を示すため、参照電極を基準にすることにより、作用極に印
加した電位の絶対値の決定に有用である。
上記ストリッピングボルタンメトリ法とは、被検出物質の還元に適当な電位を作用極に
印加ことにより作用極上に被検出物質の還元体を濃縮し、次いで被検出物質の酸化に適当
な電位を印加することにより、被検出物質の還元体を作用極より脱離する手法である。こ
のとき、脱離は被検出物質に特有の電位にて生じるため、被検出物質の種類を特定するこ
とができ、同時に生じる電流を測定することにより、被検出物質の濃度を特定することが
できる。
作用極上に被検出物質の還元体を濃縮するという工程を含むため、より感度の高い分析
が可能である。この測定法においても、絶対的な電位を知るために、作用電極、対極及び
参照電極から成る3電極系であることが望ましい。
上記アンペロメトリ法とは、作用電極と対極の間に一定電位を印加しておき、電流の時
間変化をモニタリングする測定法である。この測定法においても、絶対的な電位を知るた
めに、作用電極、対極及び参照電極から成る3電極系であることが望ましい。
上記ポテンシオメトリー法とは、作用電極と対極の間に適当な電流を流し、そのときの
電位変化をモニタリングする測定法である。この測定法においても、絶対的な電位を知る
ために、作用電極、対極及び参照電極から成る3電極系であることが望ましい。
上記クーロメトリー法とは、作用電極と対極の間に電位を印加することにより被検出物
質を電気析出させ、そのクーロン量を測定するものである。
上記電気化学検出法を行う際に用いる電極の大きさは、特に限定されるものでないが、
マイクロリアクター内に配置しうる大きさであることが必要である。即ち、前記微細流路
に配置しうる大きさであることが必要である。これにより、掌サイズ程度のマイクロリア
クターに検出部、濃縮部を合わせて搭載することが可能とある。
上記電極には、電極上に高分子膜を積層した電極システムであってもよい。特定物質の
選択透過能を有する高分子膜を積層することにより、物質選択性の低い電極でも、特定物
質を感度良く検出することが可能になる。
又、高分子膜に電気化学活性物質もしくは電気化学活性物質を供出する反応性物質を保
持することにより、被検出物質そのものが電気化学活性物質でなくても、電気化学的に所
望の物質の分析を行うことが可能になる。
上記作用極の材質は、特に限定されるものではないが、被検出物質もしくはその溶媒、
分散媒、溶存酸素等により腐食や酸化を受けない材質であることが必要である。
又、一般にどんな材質の電極でも、負電位側で電極表面に水素イオンを吸着し、正電位
側で酸素皮膜を形成するが、水素イオン又は酸化皮膜が形成された状態は、通常の状態と
電気伝導度が異なるため、この状態は電気化学測定に用いる電極として好ましい状態では
ない。従って、水素イオン膜を形成する電位と、酸化皮膜を形成する電位の電位差(=電
位窓)が広ければ広いほど良く、このような条件を満たす金属種を、電極材料として用い
ることが好ましく、例えば、白金、金、水銀、銀、ビスマス等が挙げられる。但し、水銀
は環境負荷を生じるものであり、持ち運びや廃棄が可能なマイクロリアクターに用いる場
合には、なるべく用いないことが好ましい。
上記作用極の構造は、特に限定されるものではないが、電極面積を微小化、即ち、一般
に微小電極と言われる構造にすることにより、被検出物質の作用極上の物質拡散を高速化
することができる。
図3は電極を被検出溶液に浸漬した際、被検出イオンが電極表面にどのように拡散して
到達するか示す模式図である。電極面積が大きい電極201の場合(図3(イ))には被
検出物質同士のぶつかり(干渉作用)のため、まっすぐに電極表面に到達するのに対し、
電極面積が小さい電極202(図3(ロ))の場合には被検出物質同士の干渉作用が少な
いため、あらゆる方向から分子が電極表面に到達する。
従って、電極面積が小さい電極202の方が、電極面積が大きい電極201よりも被検
出物質が効率的に電極表面に達するため、効率よく、換言すれば、迅速に測定することが
できる。更に、感度が向上する、通常拡散を助けるために添加される支持電解質の添加の
必要が無い等の効果がある。
上記対極の材質は特に限定されるものではないが、被検出物質もしくはその溶媒、分散
媒、溶存酸素等により腐食や酸化を受けない材質であることが必要であり、白金が好適に
用いられる。
上記参照電極は、電位が安定していることが必要であり、例えば、水素電極、飽和カロ
メル電極(=水銀/塩化水銀電極)、銀/塩化銀電極等が挙げられ、材料の汎用性や加工
コストの観点から、銀/塩化銀電極が好ましい。
上記電極の製造方法は、従来公知の任意の方法が採用されてよく、例えば、蒸着、スパ
ッタリング、CVD、電解めっき、無電解めっき、スクリーン印刷等が挙げられ、精度及
び純度のよい電極を得るには蒸着やスパッタリングが好ましく、加工コストが安く簡単に
製造するには、めっきやスクリーン印刷が好ましい。
本発明における分析用マイクロリアクターにおいては、濃縮及び検出を行う工程が全自
動でなされることが好ましい。ここでいう自動化とは、
(1)濃縮部に被検出物質を通過/吸着する工程
(2)濃縮部に吸着した被検出物質を脱離する工程
(3)電気化学検出部に被検出物質を導入する工程
の少なくとも3工程を自動化することを意味し、場合によっては、通過/吸着に用いる溶
媒/分散媒や、脱離に用いる溶媒/分散媒の種類やpHを自動的に制御する機構が併せて
導入されるのが好ましい。
上記自動化は、一般に市販されている送液ポンプや吸引ポンプを導入し、送液の速度、
容量、時間等を予めコンピュタによりプログラミングしておくことにより可能である。
上記送液ポンプとしては、例えば、一般に液体クロマトグラフィーに用いられるシリン
ジポンプが挙げられるが、シリンジポンプはマイクロリアクターの大きさに比べて非常に
大きく、微細流路に濃縮部と検出部を連結したメリットがなくなるので、送液ポンプとし
てはマイクロポンプが好ましい。
上記マイクロポンプとは、その駆動部の総体積が1cm3 以下のポンプを意味し、例え
ば、ダイヤフラム構造をMEMS加工技術によりそのまま小型化したダイヤフラムポンプ
(例えば、特許文献2参照。)、微小ピストンによる断続的に送液するポンプ(例えば、
特許文献3参照。)、微細流路上に電気浸透流を発生させる方法による送液媒体の送液を
行うポンプ(例えば、特許文献4参照。)等が挙げられる。
特開2001−132646号公報 特開2002−021715号公報 特開平10−10088号公報
又、マイクロポンプとして水素ポンプ(例えば、特許文献5参照。)も好適に使用でき
る。上記マイクロポンプは、構造が複雑であり、濃縮部や検出部を作成する労力に比べて
ポンプの作成労力が非常に大きい、ダイヤフラム構造やピストン構造のポンプは送液媒体
に脈動が生じる、電気浸透流を用いるポンプは高電圧の印加が必要である等の欠点がある
が、水素ポンプはこのような欠点がなく、電極および配線以外の全ての材質を加工性の良
い高分子樹脂で形成することが可能であり、極限的に微小化することも容易なので好まし
い。
USP3,489,670号公報
図5は、水素ポンプの一例を示す断面図である。図中401は固体電解質膜である。固
体電解質膜401は、パーフルオロイオン交換膜等の水素イオンは透過するが、水素ガス
及び電子は実質的に透過しない固体電解質膜である。
固体電解質膜401の両面には一対の水素透過性電極402、403が積層されており
、水素透過性電極402、403にはそれぞれ配線404,405が接続されている。固
体電解質膜401と水素透過性電極402、403と配線404,405は上部基板40
6と下部基板407により挟持されており、水素透過性電極402と上部基板406の間
及び水素透過性電極403と下部基板407の間にそれぞれ上部貯蔵部408及び下部貯
蔵部409が形成されている。
又、上部基板406には、上部貯蔵部408に接続した給排出口410及び411が形
成され、上部基板407には、下部貯蔵部409に接続した給排出口412が形成されて
いる。
上記水素ポンプで水素を送るには、給排出口410から水素、水蒸気等を供給し、水素
透過性電極402と、水素透過性電極403の間に電圧を印加する。電圧を印加すると上
部貯蔵部408に酸素が発生し、下部貯蔵部409に水素が発生する。この水素が給排出
口412から排出されポンプとして作用する。尚、酸素は給排出口411から排出される
上記濃縮部の体積は1cm3 以下であることが望ましい。例えば、濃縮部がカラム構造
である場合、濃縮部体積が大きい場合には、カラムを流体試料を通過させるのに、非常に
高い送液圧力を要することとなるが、マイクロポンプにより送液出来る限界圧力は、ダイ
ヤフラムポンプを用いた場合は約10気圧であり、水素ポンプを用いた場合は約3気圧で
あるから、送液が困難になったり、送液に時間かかかったりするので、送液に要する圧力
が低減されるのが好ましく、即ち、濃縮部の体積は小さい方が好ましい。
上記電気化学検出部の体積は1cm3 以下であり、その最大長は21mm以下であるこ
とが好ましい。電気化学検出部で被検出物質を検出する時には、電気化学検出部内の被検
出物質の濃度は均一である必要があるが、被検出物質は濃縮部において一旦局在化された
後、電気化学検出部に導入されるので、被検出物質が電気化学検出部内に導入される時点
においては、濃度分布を有する状態で導入される。
攪拌等の複雑な工程を経ずにこの濃度を均一化するには、被検出物質の自己拡散に頼る
のが最も好ましく、従って、電気化学検出部の体積は小さければ小さいほど好ましい。
又、例えば、マグネシウムイオンを検出する場合、マグネシウムイオンの電解質液中で
の拡散係数は約1.0×10-92 /secであるから、電気化学検出部の最大長が6.
8mmであれば、鉛イオン濃度が均質化するのに3分間を要し、電気化学検出部の最大長
が21mmであれば、マグネシウムイオン濃度が均質化するのに10分間を要することと
なるが、医療現場、特に、オンサイトニーズにおいては、測定時間は10分間以下が好ま
しく、従って、電気化学検出部の最大長は21mm以下であることが好ましい。
上記濃縮部と電気化学検出部の重心間距離は、長くなると送液途中で被検出物質が拡散
してしまい、濃縮された被検出物質を効率的に電気化学検出部に導入することができなく
なるので、3cm以下であることが好ましい。
送液速度は、速くすると濃縮部における濃縮機能が不足するようになるので、4μl/
minより小さい流速で流すことが好ましい。しかし、送液速度が遅くなりすぎると、電
気化学検出部に到達するまでに、濃縮した被検出物質が微細流路中で拡散してしまい、検
出困難になるので、流体試料が濃縮部から電気化学検出部に至る移動時間が3分以下とな
るように液送されるのが好ましい。
このように作製されたマイクロリアクターを用いると、マイクロリアクター中に濃縮工
程を含むため、微量物質の検出をも精度よく、極めて簡易な装置にて行うことができる。
例えば、マグネシウムイオンは、マグネシウム用のイオノフォアを高分子膜中に含んだ
膜を連接してなるマグネシウムイオン選択性電極により測定することができる。しかし、
ここで精度よく検出できる濃度範囲は、30ppm〜3000ppm程度であり、ヒト血
液中のマグネシウムイオン量である18〜30ppmを直接検出することは難しい。
これに対し本発明にて開示の方法を用いると、マイクロリアクター中の濃縮部にて例え
ば10倍の濃縮をかけることによって、マグネシウムイオン選択性電極と接触する検体濃
度が実質的に10倍濃度となるため、イオン選択性電極による検出の好適範囲においてマ
グネシウムイオンを検出することが出来る。
血液中のマグネシウムイオン量は、人体中において、酵素活性化、神経や筋肉の興奮へ
の影響、エネルギー代謝などにおいて重要な働きをしており、低マグネシウム血症は主に
腸管の吸収不良により生じ、高マグネシウム血症は腎機能障害などにより生じる。
低マグネシウム血症を生じると、激しい頭痛等を発症することが多く、特に最近、ロキ
ソニンやボルタレンなどの抗炎症剤で生じる低マグネシウム血症の副作用が問題となって
いる。このように、血液中マグネシウム濃度の管理の臨床的意義は極めて高い。血液を分
析装置に直接導入するだけで、このような微量検出ができ、これが持ち運び可能な分析機
械により行えることは、極めて重要なことである。
また,その他の例としては、例えば、生体中のカテコールアミンは、脳、副腎髄質、交
換神経等の存在する生体アミンの総称であり、各種神経症の診断、あるいは心不全、心筋
梗塞、狭心症の副診断項目として、非常に重要である。
カテコールアミンは、アンペロメトリ法により電気化学的に検出することが出来るが、
ヒト血液中に含まれるカテコールアミン量は10〜1000ppt程度であり、種々のた
んぱく質等の侠雑物が存在するなか、直接検出することは難しい。
尿中のカテコールアミンを測定することは、臨床的によく行われているが、体内応答が
若干遅れる尿中カテコールアミンより、血中カテコールアミンを診断することの方が、極
めて臨床的意義が高い。血液を本発明にて開示するような分析装置に直接導入するだけで
、このような微量検出ができ、これが持ち運び可能な分析システムにより行えることは、
極めて重要なことである。
本発明の分析用マイクロリアクターの構成は上述の通りであり、濃縮部と、電極を用い
た電気化学測定法による検出部の両方を内部に備えているので、極めて高い感度の化学分
析を、多くの分析対象に対して行うことができる。
一般に、電気化学測定による電圧電位曲線において、被検出物質の検出ピークはそれほ
どシャープに得られないので、多種成分の検出ピークを分離するのは非常に困難であるし
、界面活性剤やイオン結合性物質などの物質は、それ自身が電気化学的に活性であるため
に、電気化学的に分析を行う際に、被検出物質の検出を妨害する場合があるが、このよう
な場合にも、電気化学検出部の前段の過程において、被検出物質のみが濃縮されているの
で、電気化学検出部において通常困難な対象物質に対しても、十分にな検出することがで
きる。
又、濃縮部から電気化学検出部に至る工程がマイクロリアクター化されているので、極
めて少ない試料量で、短時間かつ簡便に行うことができ、自動化して測定することもでき
る。更に、装置は小型であり、単純な電気制御で被検出物質を検出することができ、環境
汚染現場や医療現場などにおけるオンサイト分析も可能である。
図1は、本発明の分析用マイクロリアクターの一例を示す平面模式図である。図中1は
基板であり、基板1内に微細流路2が形成され、微細流路2により微細流路2の流体試料
注入口21と濃縮部3及び濃縮部3と電気化学検出部4が連結されている。
又、流体試料注入口21と濃縮部3の間の微細流路2に流体試料を貯蔵するための微小
流体貯蔵部6が連結されており、電気化学検出部4は微細流路2により廃液貯蔵部5と連
結されている。尚、51は廃液貯蔵部5の端部に開口されたガス抜き口である。
図中7は流体試料のpHを調整するためのpH調整液を貯蔵するための流体試料pH調
整液貯蔵部であり、71はカラムに吸着された被検出物質を溶出するための溶離液を貯蔵
するための溶離液貯蔵部であり、72はカラムに吸着された被検出物質を溶出した溶離液
のpHを調整するためのpH調整液を貯蔵するための溶離液pH調整液貯蔵部である。
流体試料pH調整液貯蔵部7及び溶離液貯蔵部71は、微小流体貯蔵部6と濃縮部3の
間の微細流路2に連結され、溶離液pH調整液貯蔵部72は濃縮部3と電気化学検出部4
の間の微細流路2に連結されている。
又、微小流体貯蔵部6、流体試料pH調整液貯蔵部7、溶離液貯蔵部71及び溶離液p
H調整液貯蔵部72には、貯蔵されている液体を押出すための水素ポンプ73が接続され
ている。更に、各水素ポンプ73には、水素ポンプに水蒸気を供給するための加湿器74
が接続されている。
濃縮部3はカラム31中に吸着担体32が収納されて形成されている。
電気化学検出部4は、電気化学検出セル41中に対極42及び作用極43が設置され、参
照電極44は、シリコンゴムシート45を介して形成された飽和KCl電解質セル46内
に設置されて形成されている。尚、47は対極電極パッドであり、48は作用極電極パッ
ドであり、49は参照電極電極パッドである。
次に、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるも
のではない。
(実施例1)
(微量マグネシウムイオンの測定)
下記手順で図1に示した、本発明の分析用マイクロリアクターを作成した。
基板の作成
ホットスタンピング用の転写金型とその受け型が形成するキャビティにアクリル樹脂を
充填し、150℃で5分間予熱し、次いで190℃で30分間加熱プレスすることにより
、図1に示した微細流路、微小貯蔵部、電極基板を挿入するための溝を有するアクリル樹
脂基板を得た。微細流路の幅は0.1mm、深さ0.1mm、流路断面積0.01mm2
であった。又、微小貯蔵部等の大きさは表1に示した通りであった。
Figure 2005031049
電極の作成と基板への設置
参照電極は図4(イ)(ロ)、対極は図4(ハ)(ニ)、作用極は図4(ホ)(ヘ)に
、それぞれに示すような薄膜構造とした。プラズマ処理装置(積水化学社製、商品名「P
XA−100」)に、厚さ0.5mmのポリイミド樹脂フィルムを供給し、220V、0
.8Aの印加電圧および印加電流にて、30秒間処理した。
次いで、イオンスパッタリング装置(日立製作所社製、商品名「E−1030」)に供
給し、各電極、配線及びパッド形状の金属薄膜を、所定の金属ターゲットにてスパッタリ
ングすることにより各電極を作成した。
尚、装置出力は100Wであり、0.3Paのアルゴン雰囲気下で行った。又、長時間
のスパッタリングは下地のポリイミド樹脂フィルムを劣化させるので、30秒間スパッタ
リングを行うごとに3分間の冷却し、所望の膜厚に達するまで、スパッタリングを継続し
た。各電極の形状は、薄膜の形成が不必要な部分を適宜マスクすることにより形成した。
作用極、対極、参照電極の金属薄膜組成およびその膜厚は下記の通りであった。
・作用極:クロム(下地)40nm、白金50nm(表面層)
・対極:クロム(下地)40nm、白金50nm(表面層)
・参照電極:クロム(下地)40nm、銀100nm(表面層)
尚、膜厚の測定は膜厚評価装置(リガク社製、商品名「GXR300」)により行った
作用極は、図4に示すような微小電極構造とするために、更に、以下の処理を行った。
4,13−Bis[N−(1−adamantyl)carbamoylacetyl
]−8−tetradecyl−1,7,10,16−tetraoxa−4,13−d
iazacyclooctadecane(同仁化学社製、商品名「C14−k22B5
」)3重量%及び2- ニトロフェニルオクチルエーテル(アルドリッチ社製、商品名「N
POH」)67重量%を含有する塩化ビニル樹脂30重量%(アルドリッチ社製)をプラ
ストミル(東洋製機社製)にて、ローター回転速度90rpm、140℃にて5分間混合
し、次いでプレス加工を行い厚み100μmのシートとした。このシートを、作用極形状
に打ち抜き、作用極上に押し付けることにより、作用極と一体化した。
血液中マグネシウムイオン定量分析用マイクロリアクターの作成
得られた対極42及び作用極43を、上記基板1の電気化学検出セル41の所定部所に
、又、参照電極44を上記基板1の飽和KCl電解質セル46に挿入した。電気化学検出
セル41と飽和KCl電解質セル46の間に、直径100μmの針によって3ヶ所穿孔さ
れたシリコンゴムシート45をエポキシ系接着剤にて接着した。
又、水素ポンプ73及び加湿器74を所定の場所にエポキシ系接着剤にて接着した。次
に、対極電極パッド47、作用極電極パッド48及び参照電極電極パッド49以外の部分
を両面テープで覆った。
先端径0.5mmのシリンジ先端を、流体試料注入口21に挿入し、血液凝固防止剤1
重量%加えた血液試料(試料)49mm3 を、微小流体貯蔵部6に充填した。次に、0.
5mmのシリンジ先端を、流体試料pH調整液貯蔵部7を覆う両面テープ部に貫入し、0
.1mMの水酸化ナトリウムを含有する1M酢酸緩衝液(流体試料pH調整液)1mm3
を、流体試料pH調整液貯蔵部7と水素ポンプ73までの微細流路2を完全に満たすよう
に充填した。
更に、先端径0.5mmのシリンジ先端を、溶離液貯蔵部71を覆う両面テープ部に貫
入し、0.1mMの硝酸を含有する1M酢酸緩衝液(溶離液)4mm3 を、溶離液貯蔵部
71と水素ポンプ73までの微細流路2を完全に満たすように充填した。
又、先端径0.5mmのシリンジ先端を、カラム31を覆う両面テープ部に貫入し、血
液直接注入法用カラム充填微粒子(平均粒径40μm)と水(重量比=1/2)をカラム
31内に充填し、カラム31内に前記微粒子を充填した。
尚、上記血液直接注入法用カラム充填微粒子は、以下の手法により作製した。すなわち
、シリカゲル(アルドリッチ社製)20gを1000cm3 の蒸留水中に分散し、スチレ
ン−ジビニルベンゼン−カルボン酸モノマー−ビニルトリメトキシシラン(全てアルドリ
ッチ社製)を、82/8/10の割合で混合したモノマーを蒸留水に対して8重量%の割
合で混合した。
これに重合開始剤としてアゾジイソブチロニトリルを全モノマー量に対して0.5重量
%添加し、次いで攪拌を行いながら60℃に昇温し、1時間反応を行った。得られたシリ
カゲル/樹脂複合体を遠心分離により回収し、500cm3 の95重量%硫酸中に再分散
させ、これをオートクレーブ中に封入し、これを110℃に昇温し、2時間反応を行った
得られたシリカゲル/樹脂複合体スルホン化物を遠心分離により回収し、60cm3
蒸留水に再分散した。この方法により得られた微粒子は、血液中のたんぱく質が入ること
の出来ない細孔をその表面に有し、かつ全表面がスルホン化されているため、この微粒子
を使用したカラムは、直接血液を導入することにより各種たんぱく質を効率良く除去する
ことができ、かつ陽イオンを微粒子表面、特に細孔内に吸着することが出来るものである
次に、先端径0.5mmのシリンジ先端を、溶離液pH調整液貯蔵部72を覆う両面テ
ープ部に貫入し、0.1mMの水酸化ナトリウムを含有する1M酢酸緩衝液(溶離液pH
調整液)1mm3 を、溶離液pH調整液貯蔵部72及びカラム31から電気化学測定セル
41までの微細流路2を完全に満たすように充填した。
更に、先端径0.5mmのシリンジ先端を、飽和KCl電解質セル46を覆う両面テー
プ部に貫入し、KCl飽和水溶液50mm3 を飽和KCl電解質セル46に充填した。尚
、参照電極は、表面層である銀層の表面付近ではKClと反応して速やかに塩化銀が形成
され、銀/塩化銀電極となっている。
次いで、基板上全体に、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製、商
品名「ルミラー」、膜厚100μm)をシールして、本発明の分析用マイクロリアクター
を得た。
マグネシウムイオンの濃縮
先ず、水素ポンプ73を作動させ、微小流体貯蔵部6から血液試料を1ml/minの
速度で、又、流体試料pH調整液貯蔵部7からpH調整液を1ml/minの速度でカラ
ムに導入した。
次いで、水素ポンプ73を作動させ、溶離液貯蔵部71から溶離液を2.7μl/mi
nの速度で濃縮部3にトラップされた吸着物を溶離し、又、溶離液pH調整液貯蔵部72
から溶離液pH調整液を0.3μl/minの速度で送液した。この各種イオンを濃縮し
て含有してなる溶離液pH調整液混合溶液を電気化学検出セル41に導入した。
マグネシウムイオンの電気検出
ポテンシオスタット(北斗電工社製、商品名「HZ3000」)を対極電極パッド47
、作用極電極パッド48及び参照電極電極パッド49に接続し、電気化学検出セル41に
濃縮液が導入された後3分間放置し、次いで、作用極と参照電極の間に生じる電位差(V
S.銀/塩化銀電極)を計測した。
マグネシウムイオン検量線の作成
血液を貯蔵部6に導入する代わりに、マグネシウムイオンを10ppm含有する溶液を
貯蔵部6に導入した以外は、前述と同様の手法でマグネシウムイオンの電気検出を行った
さらに、貯蔵部6に導入するマグネシウムイオンの濃度を、20ppm、30ppm、
40ppmと順次変更しながら同様の操作を行うことにより電気検出を行い、結果を図6
に示した。尚、マグネシウムイオンの存在量は、あらかじめ原子吸光分析法により確認し
たものである。
図6から明らかなように、得られた電位差値と、原子吸光分析法により確認されたマグ
ネシウムイオン濃度の間に、極めて直線関係に近い関係が確認され、相関係数は0.97
であった。
血液中のマグネシウムイオン定量
被測定血液のマグネシウムイオンに関して得られた電位差値を図6中にプロットするこ
とにより得られたマグネシウム量は、22.2ppmであった。被測定血液のマグネシウ
ムイオン濃度を原子吸光分析法により測定すると、その濃度は23.6ppmであり、両
者の値は極めて良く一致したといえる。全測定に要した測定時間と結果を表2に示した。
前述に詳述したように、血中のマグネシウム濃度管理は、人体の健康管理において重要
な事項であり、本発明に示す簡易な装置により簡単に測定を行えることは、極めて意義深
いことである。
(実施例2)
微小流体貯蔵部6に接続されている水素ポンプに変えて、他端に容量1mlのマイクロ
シリンジが接続されている直径0.3mm、長さ100mmのキャピラリーチューブを接
続した。又、マイクロシリンジをマイクロポンプ(室町機械社製、商品名「KDS250
」)に搭載した。
マイクロシリンジ中に、流体試料pH調整液、実施例1で用いた試料、溶離液及び溶離
液pH調整液を供給し、マイクロポンプを作動させ、流体試料pH調整液を1ml/mi
nの速度でカラムに導入した後、試料を1ml/minの速度で、カラムに導入し、次に
、溶離液を2.7μl/minの速度で電気化学検出セルまで導入し、最後に、溶離液p
H調整液を0.3μl/minの速度で送り、濃縮部で濃縮された濃縮液を電気化学検出
セルに導入した。
次いで、実施例1で行った手法と同様に、血中のマグネシウムイオンの測定を行い、測
定時間と結果を表2に示した。
Figure 2005031049
(実施例3)
血液中カテコールアミン定量分析用リアクターの作製
以下に示す点に関して、実施例1と異なる方法により行い、その他は実施例1と同様の
方法により分析用リアクターを作製した。
・作用極には高分子膜を搭載せず、白金電極表面上に、グラファイトカーボンをスクリ
ーン印刷によりプリントし、作用極として使用した。
・検量線作成用の対象溶液として、マグネシウムイオンを各種濃度含む溶液の代わりに
、100ppt、200ppt、300ppt、400pptのノルアドレナリンを含有
する擬似血清液を使用した。
・電気検出において、作用極/対極間に、650mVの電圧を印加した。また電気検出
セルに被測定溶液を貯蔵せず、溶離液を2.7μl/minの速度で、また溶離液pH調
整液を0.3μl/minの速度で送り続け、これらを動作する水素ポンプを動かし始め
てから60sec〜70secの間に検出される電流積分値を用いて、ノルアドレナリン
の定量を行い結果を図7に示した。
ノルアドレナリン検量線の作成
対象試料中の、ノルアドレナリンの存在量(100ppt、150ppt、200pp
t、250ppt、300ppt、350ppt、400ppt、450ppt)は、あ
らかじめLC−MS(島津製作所社製)により確認したものである。図7から明らかなよ
うに、得られた電流積分値と、LC−MSにより確認されたノルアドレナリン濃度の間に
、極めて直線関係に近い関係が確認され、相関係数は0.93であった。
血液中のノルアドレナリン定量
被測定血液のノルアドレナリンに関して得られた電位差値を図7中にプロットすること
により得られたマグネシウム量は、216pptであった。被測定血液のノルアドレナリ
ン濃度をLC−MSにより測定すると、その濃度は207pptであり、このクラスの微
量分析においては、両者の値は極めて良く一致したといえる。
全測定に要した測定時間と結果を表2に示した。前述に詳述したように、ノルアドレナ
リンに代表される血中のカテコールアミン濃度は、人体中の神経伝達系の管理において重
要な事項であり、本発明に示す簡易な装置により簡単に測定を行えることは、極めて意義
深いことである。
(比較例1)
実施例1で用いた10ppb、20ppb、30ppb、40ppbのマグネシウムイ
オン含有液および血液試料を、貯蔵部6に導入する代わりに、それぞれ電気化学測定セル
41に導入し、そのままマグネシウムイオン選択性電極により測定し、結果を図8に示し
た。
得られた電位差値と、原子吸光光度計による測定値のプロットを図8に示すように、こ
こで得られた相関係数は0.85と非常に低く、この検量線により血液試料中のマグネシ
ウムイオン量を測定することは、実質的に不可能なことが示された。
これは、マグネシウムイオン選択性電極の性能から対象濃度が外れていること、また被
測定溶液中にたんぱく質等の共存物質が多く存在するために電気検出が妨害されているこ
とによると考えられる。
(比較例2)
実施例3で用いた100ppt、200ppt、300ppt、400pptのノルア
ドレナリン含有液を貯蔵部6に導入する代わりに、それぞれ電気化学測定セル41に導入
し、そのままグラッシーカーボン電極による測定し、結果を図8に示した。
得られた電流積分値と、LS−MSによる測定値のプロットを図9に示すように、ここ
で得られた相関係数は0.46と非常に低く、この検量線により血液試料中のマグネシウ
ムイオン量を測定することは、実質的に不可能なことが示された。
これは、電極の性能に比して対象濃度が低すぎること、また被測定溶液中にたんぱく質
等の共存物質が多く存在するために電気検出が妨害されていることによると考えられる。
Figure 2005031049
例1に示したように、電気化学測定セル長が21mmより大きくなると、測定時間が1
0分を超える。これは、電気化学測定セルにおいて被検出物質が均質に拡散するまで分析
用マイクロリアクターを静置する必要があるためである。
又、例2に示したように、電気化学測定セルの体積が1cm3 を超えると、電気化学測
定セルを充填するのに多量の試料が必要であり、且つその廃液を溜める廃液溜めを分析用
マイクロリアクター内に設置すると、分析用マイクロリアクター全体の大きさが大きくな
ってしまう。
更に、試料量が多くなると電気化学測定セルの内部の流れが層流とならなくなり、より
多くの試料等の液量が必要になり、分析用マイクロリアクターの容積がおおきくなってし
まう。
又、例3に示したように、濃縮部の体積が1cm3 を超えると、濃縮部を通液するため
の圧力が増大するため、送液速度を遅くする必要が生じる。このため全測定時間が長くな
り、また濃縮部に試料溶液を満たす必要から試料溶液自身の必要量も多くなり、例2と同
様に、分析用マイクロリアクターの容積が大きくなる原因となる。
本発明の分析用マイクロリアクターの一例を示す平面模式図である。 被検出物質の溶媒もしくは分散媒成分を蒸発させることにより濃縮する機構の1例を示す断面模式図である。 電極を被検出溶液に浸漬した際、被検出イオンが電極表面にどのように拡散して到達するか示す模式図であり、(イ)は電極面積大きい場合を示し、(ロ)は電極面積が小さい場合を示す。 参照電極の一例を示す平面図(イ)及び平面図(イ)におけるA−A断面図(ロ)、対極の一例を示す平面図(ハ)及び平面図(ハ)におけるA−A断面図(ニ)及び作用極の一例を示す平面図(ホ)及び平面図(ホ)におけるA−A断面図(ヘ)である。 水素ポンプの一例を示す断面図である。 原子吸光分析法で測定された被測定溶液のマグネシウムイオン濃度と得られた電位差値の関係(検量線)を示す折れ線グラフである。 LC−MSで測定された被測定溶液のノルアドレナリン濃度と得られた電流値の関係(検量線)を示す折れ線グラフである。 原子吸光光度計で測定された被測定溶液のマグネシウムイオン濃度と得られた電位差値の関係(検量線)を示す折れ線グラフである。 LC−MSで測定された被測定溶液のノルアドレナリン濃度と得られた電流値の関係(検量線)を示す折れ線グラフである。
符号の説明
1 基板
2 微細流路
21 流体試料注入口
3 濃縮部
31 カラム
32 吸着担体
4 電気化学検出部
41 電気化学検出セル
42 対極
43 作用極
44 参照電極
45 シリコンゴムシート
46 飽和KCl電解質セル
5 廃液貯蔵部
6 微小流体貯蔵部
7 流体試料pH調整液貯蔵部
71 溶離液貯蔵部
72 溶離液pH調整液貯蔵部
73 水素ポンプ
74 加湿器
101 微細流路
102 発熱体
103 発熱体の配線
104 気体透過性膜
105 気体不透過性膜
201 電極面積が大きい電極
202 電極面積が小さい電極
301 基板
302 電極パッド
303 微小電極
304 配線
305 クロム薄膜
306 銀薄膜
307 白金薄膜
308 PVC 膜
401 固体電解質膜
402、403 水素透過性電極
404,405 配線
406 上部基板
407 下部基板
408 上部貯蔵部
409 下部貯蔵部
410、411,412 給排出口

Claims (13)

  1. 基板内に、流体試料の注入口と連結された微細流路が形成さており、該微細流路に、被検
    出物質の濃縮部及び、電極間に電位を印加する又 電極間に電流を流すことにより、被検
    出物質の種類又は濃度を検出する電気化学検出部が連結されていることを特徴とする分析
    用マイクロリアクター。
  2. 濃縮部が、吸着担体が装填されてなるカラム又は吸着担体含有膜であることを特徴とする
    請求項1記載の分析用マイクロリアクター。
  3. 吸着担体が、微粒子、開放構造の多孔質体、繊維状材料、モノリス型カラム材料又は選択
    透過性物質であることを特徴とする請求項1又は2記載の分析用マイクロリアクター。
  4. 濃縮部が、被検出物質の溶媒若しくは分散媒成分を蒸発させることにより濃縮する機構又
    は被検出物質の溶媒若しくは分散媒とは異なる溶媒若しくは分散媒により被検出物質を抽
    出することにより濃縮する機構であることを特徴とする請求項1記載の分析用マイクロリ
    アクター。
  5. 電気化学検出部の機構が、ボルタンメトリシステム、アンペロメトリシステム、ポテンシ
    オメトリシステム又はクーロメトリシステムであることを特徴とする請求項1〜4項のいずれか1項記載の分析用マイクロリアクター。
  6. 微細流路の注入口と濃縮部の間に微小流体貯蔵部が連結されていることを特徴とする請求
    項1〜5項のいずれか1項記載の分析用マイクロリアクター。
  7. 微細流路に、流体試料を液送可能にマイクロポンプが連設されていることを特徴とする請
    求項1〜6項のいずれか1項記載の分析用マイクロリアクター。
  8. マイクロポンプが水素ポンプであることを特徴とする請求項7記載の分析用マイクロリア
    クター。
  9. 微細流路の幅及び深さがそれぞれ1mm未満であることを特徴とする請求項1〜8項のい
    ずれか1項記載の分析用マイクロリアクター。
  10. 濃縮部の体積が1cm3 以下であることを特徴とする請求項1〜9項のいずれか1項記載
    の分析用マイクロリアクター。
  11. 電気分析検出部の体積が1cm3 以下であり、最大長が21mm以下であることを特徴と
    する請求項1〜10項のいずれか1項記載の分析用マイクロリアクター。
  12. 濃縮部と電気分析検出部の重心間距離が3cm以下であることを特徴とする請求項1〜1
    1項のいずれか1項記載の分析用マイクロリアクター。
  13. 濃縮部と電気分析検出部がコンピュタにより自動制御されていることを特徴とする請求項
    1〜12項のいずれか1項記載の分析用マイクロリアクター。
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