JP2009531163A - 熱回収ガス吸収プロセス - Google Patents

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Abstract

ガス流をその中に流すための複数の順次隣接する区分を設けた吸収器を備える装置。吸収器の各区分に入り、該区分と連通し、かつ該区分から出るように構成された区分と、回収および再生区分と、を備える導管設備が、複数の熱交換および冷却設備を有して構成される。選択されたガス成分と化学反応するように選択された少なくとも1つの化学物質を備える液体溶剤が、ガス流に向流されかつ該ガス流と混合される、プロセス。液体溶剤の温度は、塔の各区分の間で制御可能に操作されて、(a)吸収器の前端で熱力学的に駆動される物質移動と、(b)吸収器の後端で動力学的に駆動される物質移動とを提供する。吸収液溶剤系からガス成分が回収される間に発生した熱は、溶剤系を再生する際に使用するために回収される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、工業用ガス流からのガス成分の除去に関する。より詳しくは、本発明は、プロセスガス流および/または排ガス流からガス成分を分離および回収するための装置およびプロセスに関する。
様々なガスの吸収、分離および回収プロセスが、工業的および環境的目的のために以前から提供されてきた。工業的用途は、通常、プロセスガス流から少なくとも1つのガス成分を分離および除去するためのプロセスを伴うが、これは、生成されるガスの品質を高めることおよび/または下流プロセスにおいて後に起こり得る望ましくない下流での動作上の問題を防止することが目的である。例としては、天然ガスおよび合成ガスから二酸化炭素(CO)および/または硫化水素(HS)を除去することや、工業用プロセスガス流から揮発性有機化合物(VOCs)や、窒素(N)、酸素(O)および水素(H)などのガスを除去および分離することが挙げられる。環境的用途は、大気への汚染物質の放出を低減するために、通常は、燃焼煙道ガスまたは排ガス流から、二酸化硫黄(SO)、CO、窒素の酸化物(NO)および水銀(Hg)などの、少なくとも1つのガス成分を除去することを伴う。
大規模な燃焼プロセスは、都市用のエネルギーや工業用のエネルギーを生成するために、粗鉱や他の粗製材料から精製した製品を製造する際に、また、都市廃棄物や産業廃棄物を処分するために、一般に使用される。このような燃焼プロセスは、通常、とりわけCO、HSおよびNOなどの1つまたは複数の極めて望ましくないガス化合物を含む大量のガス排気流を連続的に生成し、これらのガス化合物が、環境汚染や健康リスクの大きな原因となる。特に、都市用や工業用の大規模で連続的な燃焼から生じる増加し続けるCOの大気濃度は、地球温暖化の主たる原因であり、この地球温暖化のせいで、環境変動や汚染に関係する健康問題がますます発生する傾向にある。
これらのプロセスが広範囲に使用されているにもかかわらず、現在使用されている工業用ガス吸収プロセスには、経済的欠点がある。なぜなら、選択したガスをプロセスガス流または排出ガス流から吸収するために使用する溶剤の再生には、大量のエネルギーが必要であるからである。このことは、工業界がエネルギーコストおよびプロセスコストを削減し、かつ自らの環境パフォーマンス目標を満たす際の、障害となっている。
本発明の少なくとも好ましい形態での例示的な実施形態は、装置およびプロセスであって、高能力でエネルギー効率が良く、(a)少なくとも1つのガス成分を、プロセスガス流または排ガス流から、該ガス成分を吸収および同化するように構成された液体溶剤系内に除去し、続いて、(b)この液体溶剤系から該ガス成分を分離および回収するための、装置およびプロセスを対象とする。
本発明の好ましい一実施形態によれば、複数の順次隣接する区分が設けられた吸収器を備える装置であって、上記吸収器が、液体溶剤系をその中に運んでいる導管設備と連通しており、上記導管設備が、吸収器の各区分に出入りするように構成されている装置が提供される。好ましい形態において、吸収器は、鉛直方向に順次位置づけられた複数の隣接する区分が設けられた、鉛直方向を向いた塔を備える。プロセスガス流のための入口が、吸収器の底部付近に設けられており、一方で、選択されたガス成分が除去されたガス流のための出口が、吸収器の頂部に設けられている。あるいは、排ガス流が、選択されたガス成分を排ガス流自体から除去するために、吸収器を通して流され得る。ガス流は、液体溶剤系の向流または交差流に逆らって、吸収器の隣接する区分を通り、順次進む。液体溶剤系には、ガス流からガス成分を吸収および/または同化および/または隔離するための、少なくとも1つの化学成分が備えられている。
一態様によれば、第1の区分の頂部(すなわち、吸収器のガス流出口に隣接した区分)と連通することによって吸収器に入り、かつ吸収器の底部から出るように構成された導管設備が、設けられる。導管設備は配管設備であることが好ましい。好ましい形態では、配管設備は、順次、吸収器の各隣接する区分の、頂部に入り底部から出る。更なる好ましい形態では、配管設備の、吸収器の第1の区分の頂部に入る部分に配置された、リーン熱伝達ユニットが設けられる。配管設備には、上記リーン熱伝達ユニットと吸収器の第1の区分との間に配置された、リーン冷却ユニットが設けられることが、好ましい。配管設備は、温度操作されたリーン吸収液を吸収器の第1の区分の頂部に流入することが、更に好ましい。
更なる態様によれば、上記配管設備の、吸収器の第1の区分の底部から出て吸収器の隣接する区分の頂部へ入る部分に配置された、熱伝達ユニットが、設けられる。好ましい形態においては、配管設備の上記部分には、配管設備の、加熱された液体溶剤系をその中に運んでいる部分との相互接続部が、上記熱伝達ユニットと吸収器の隣接する区分の頂部との間に配置された状態で、設けられる。
更なる別の態様によれば、配管設備の、吸収器の一つの区分の底部から出て吸収器の隣接する区分の頂部へ入る各部分に配置された、熱伝達ユニットが、設けられる。好ましい形態では、配管設備の各部分には、冷却ユニットが、上記熱伝達ユニットと吸収器の隣接する区分の頂部との間に配置された状態で、設けられる。冷却ユニットは、ピンチ冷却ユニットであることが、好ましい。
本発明の更なる態様によれば、吸収器の底部からリッチ化された吸収液(すなわち、プロセスガス流または排ガス流から除去されたガス成分を含む吸収液)を除去するための、吸収器の底部と連通する除去用配管設備が、設けられる。好ましい形態では、除去用配管設備は、吸収器の第1の区分に隣接する複数の区分と連通している液体設備の各部分のために設けられた複数の熱交換ユニットと、相互接続および協動し、それによって、各区分の底部から抜き出された吸収液から熱交換ユニットによって除去された熱エネルギーが、除去用配管設備によって上記熱交換ユニットを通して運ばれているリッチ化された吸収液に、伝達される。除去用配管設備はリーン−リッチ熱交換ユニットと相互接続および協動することが更に好ましく、このリーン−リッチ熱交換ユニットは、高温のリーン吸収液からの熱を、除去用配管設備によって上記リーン−リッチ熱交換ユニットを通して運ばれているリッチ化された吸収液に伝達することを、目的とする。
本発明の更に別の態様によれば、除去用配管設備は、第1の複数の機器であって、(a)リッチ化された吸収液溶剤から、ガス流から除去された選択されたガス成分を含む流れを分離し、かつ(b)リッチ化された吸収液をリーン吸収液へと再生するように構成された、第1の複数の機器と、相互接続および協動する。好ましい形態では、第2の複数の機器であって、選択されたガス成分の分離された流れを回収し、上記選択されたガス成分を他の工業プロセスのために使用される前に更に処理および/または精製するための、第2の複数の機器が、設けられる。あるいは、回収および精製されたガス成分は、該目的のために選択された容器へ運ばれ貯蔵されてもよい。
本発明の更なる好ましい実施形態によれば、選択されたガス成分をプロセスガス流または排ガス流から除去および回収するためのプロセスが、提供される。ガス流は、多区分化された吸収器ユニットを通って順次流され、選択されたガス成分は、上方へ流れるガス流を向流または交差流の温度操作可能かつ温度制御可能な液体溶剤系と繰り返し混合および接触させることによって、除去される。この液体溶剤系は、上記ガス成分を吸収および/または同化および/または隔離する、および/または上記ガス成分と化学反応する傾向のために選択された、少なくとも1つの化学的成分を備える。この液体溶剤系は、頂部(すなわち、吸収器の第1の区分)に流入される前に制御可能に冷却されているリーン吸収液であり、このリーン吸収液が、向流的にまたは交差流的にガス流と混合および接触し、それによって、選択されたガス成分の一部をガス流から除去し、リーン吸収液を部分的に負荷することが、好ましい。部分的に負荷された吸収液は、配管設備によって第1の区分の底部から流出され、少なくとも1つの熱交換ユニットを通って運ばれ、そこにおいて、部分的に負荷された吸収液は、高温に加熱され、その後、下にある(すなわち第2の)区分の頂部に流入される。好ましい形態では、加熱された部分的に負荷された吸収液の温度は、高温のリーン吸収液と制御可能に相互混合することによって調整される。部分的に負荷された吸収液は、第2の区分を、その中を流れているガス流に逆らって対向または交差して流れ、選択されたガス成分の更なる部分をガス流から除去し、それによって、漸次負荷された吸収液になる。漸次負荷された吸収液は、配管設備によって第2の区分の底部から流出され、少なくとも1つの熱交換ユニットと、漸次負荷された吸収液の温度を冷却および制御するように構成された少なくとも1つの冷却ユニットとを通って運ばれ、その後、下にある(すなわち第3の)区分の頂部に流入される。この漸次負荷された吸収液は、第3の区分を、その中を流れているガス流に逆らって対向または交差して流れ、選択されたガス成分の更なる部分をガス流から除去し、それによって、高度に負荷された吸収液になる。この高度に負荷された吸収液は、配管設備によって第3の区分の底部から抜き出され、少なくとも1つの熱交換ユニットと、吸収液の温度を冷却および制御するように構成された少なくとも1つの冷却ユニットとを通って運ばれ、その後、底部の(すなわち最後の)区分の頂部に戻される。高度に負荷された吸収液は、最後の区分を、その中を流れているガス流に逆らって対向または交差して流れ、選択されたガス成分の最終部分をガス流から除去し、それによって、リッチ化された吸収液になる。リッチ化された吸収液は、吸収器の底部から除去用配管設備によって除去されて、吸収液内に含まれる吸収されたガス成分を回収するために、また、吸収液をリーン吸収液に再生し、その後、吸収器にリーン吸収液を再利用するために、選択および構成された、複数の機器に運ばれる。
一態様によれば、配管設備と連通した状態で吸収器の中を運ばれることによって、吸収器と連通するための液体溶剤系が、提供される。液体溶剤系は、吸収器を流れているプロセスガス流から、あるいは排ガス流から、選択されたガス成分を吸収および/または同化および/または隔離する、および/または該ガス成分と化学反応するように構成された、吸収溶液を含む。吸収溶液は、吸収器のガス流出口に隣接する第1の区分の頂部に入る時にはリーン吸収液であると考えられ、吸収器を通るガス流の流れに逆らって吸収溶液が隣接する複数の区分を対向または交差して流れるにつれて、選択されたガス成分で漸次リッチ化され、それによって、吸収器の底部から出る時には、リッチ吸収液になる。
好ましい形態では、吸収液は、プロセスガス流もしくは排ガス流または精製ガス流内に存在する選択されたガス成分を、吸収および/または同化および/または隔離するおよび/または該ガス成分と化学反応するように選択された、少なくとも1つの化学成分を備える吸収溶液を含む。選択されたガス成分は、CO、HS、SOおよびNOを含む群から選択されるガスを含む。
更なる好ましい形態では、吸収液は、(a)水溶液であって、プロセスガス流または排ガス流内に存在する選択されたガス成分を、吸収および/または同化および/または隔離する、および/または該ガス成分と化学反応するように選択された、少なくとも1つの化学成分を備える、水溶液と、(b)少なくとも1つの化学成分であって、動力学的エンハンサ、腐食防止剤、消泡剤、脱酸素剤、塩中和剤、防汚剤および抗劣化剤を含む群から選択された、少なくとも1つの化学成分と、を含む。
リーン吸収液は、吸収器の第1の区分に入る前に、選択された温度に制御可能に冷却および調整されることが好ましい。好ましい形態では、上記リーン吸収液の温度を冷却および制御するための複数の機器が、提供される。更なる好ましい形態では、リーン吸収液を冷却するためのリーン−リッチ熱交換器などの少なくとも1つの熱伝達ユニットと、冷却された液体溶剤の温度を調整および改善するための少なくとも1つの熱伝達ユニットと、が提供される。
更なる態様によれば、液体溶剤系は、本発明の装置を使用して燃焼排ガス流からCOを除去するように構成される。液体溶剤系は、モノエタノールアミン(MEA)、ジグリコールアミン(DGA)、ジエタノールアミン(DEA)、メチルジエタノールアミン(MDEA)、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(AMP)、ピペラジン(PZ)、アンモニア、アミン、アルカノールアミン、これらの誘導体、および他の化学溶剤ならびに/またはこれらの混合物を含む群から選択された、少なくとも1つの化学物質を含む吸収液を備える。液体溶剤系は、更に、動力学的エンハンサ、腐食防止剤、消泡剤、脱酸素剤、塩中和剤、防汚剤および抗劣化剤を含む群から選択された、少なくとも1つの化学成分を備えることができる。
本発明の更に別の好ましい実施形態によれば、選択されたガス成分を、リッチ化された吸収液から分離、除去および回収するためのプロセスが、提供される。吸収器の底部から流出する加熱されリッチ化された吸収液が、再生器内へと運ばれ、そこにおいて、このリッチ化された吸収液は、(a)再生器の底部から流出され、続いて、リボイラユニットへ運ばれる高温のリーン吸収液の流れと、(b)再生器の頂部から流出する高温の蒸気混合物の流れとに、分離される。還流凝縮器を通ってプロセスからあるいは除去され得る廃熱エネルギーの大部分が、熱回収用凝縮器を有する本発明のプロセスによって回収され、それによって、リボイラユニットに送出される加熱された凝縮物の流れを生成し、このリボイラユニットにおいて、回収されたエネルギーは液体溶剤系の再生のために利用され、それによって、本発明のプロセスのために必要とされるエネルギー導入量を、著しく低減する。
本発明の更なる好ましい実施形態によれば、吸収器の頂部から流出する処理済みのガスを介した水および吸収液の蒸気損失を、低減するためのプロセスが、提供される。このプロセスは、2ステップの蒸気低減を伴う。蒸気低減の第1のステップは、吸収器の第1の区分において行われるが、この吸収器の第1の区分に、制御可能に冷却されたリーン吸収液が流入され、それによって、処理済みのガス流の温度を下げ、水蒸気と吸収液の蒸気を静める。蒸気低減の第2のステップは、低温で動作される処理済みガス凝縮器内で行われる。
本発明を、添付の図面を参照して説明する。
本発明は、化学プロセスおよび/または燃焼プロセスから発せられるプロセスガス流または排ガス流から、少なくとも1つのガス成分をエネルギー効率良く除去および回収するための装置およびプロセスを提供する。本発明は、複数の順次隣接する区分を有して構成された吸収器を備える装置であって、上記吸収器が、液体溶剤系をその中において運んでいる多区分化された配管設備と連通しており、上記配管設備が、吸収器の各区分に出入りするように構成されている、装置を提供する。ガス流は、液体溶剤系の向流に逆らって、吸収器の隣接する複数の区分を通り、順次進む。液体溶剤系は、ガス流からガス成分を吸収および/または同化および/または隔離する、および/または該ガス成分と化学反応するための、少なくとも1つの化学成分を備える。
多区分化された配管設備には、(a)その中を流れている吸収液を冷却するように構成された少なくとも2つの熱交換ユニットと、(b)その中を流れている液体溶剤系を加熱するように構成された少なくとも1つの熱交換ユニットと、が設けられており、アイテム(a)の冷却のための上記熱交換ユニットのそれぞれが、配管設備を通り吸収器の異なる区分に流れ込む液体溶剤系を正確に温度制御するための、少なくとも1つの専用の冷却ユニットと協動する。多区分化された配管設備は、(1)吸収器内に設けられた各区分の頂部へ入り、底部から出て、かつ、(2)吸収器の各区分の間に挿置された熱交換ユニットおよび/または冷却ユニットと協動するように構成されており、上記ユニットが、その中を通って流れている液体溶剤系の温度を調節、操作および制御するように構成されている。吸収器は、それ自体の底端部付近で、除去されるべき少なくとも1つのガス成分を含むプロセスガス流または排ガス流を受け入れ、吸収器の反対側の端部から、低減された濃度の上記ガス成分を含む処理済みのガスの流れを放出するように、構成されている。
配管設備は、液体溶剤系を再生するための少なくとも1つのリボイラユニットと、その中を流れる液体溶剤系を冷却するように構成された少なくとも2つの熱交換ユニットと、吸収器の第1の区分に送出されるべき冷却された液体溶剤系を正確に温度制御するための少なくとも1つの冷却ユニットと、協動する。配管設備の送出側は、処理済みのガス流が放出される端部に隣接する、吸収器の第1の区分と連通している。
吸収器には、第1の区分に隣接する第2の区分が設けられている。第2の区分は、(a)吸収器の第1の区分の底部から流出する液体溶剤系を、第2の区分の頂部に吸収液が戻る前に加熱するように構成された上記熱交換ユニットと協動する、配管設備の第1の部分と連通し、かつ、(b)吸収液を第2の区分の底部から流出させ、下にある第3の区分の頂部へ流入させる、配管設備の第2の部分と連通するように、構成されている。少なくとも1つの熱交換ユニットおよび少なくとも1つの冷却ユニットが、吸収器の第2の区分から第3の区分へと配管設備の中を流れている吸収液溶剤の温度を制御可能に冷却および操作するために、配管設備の第2の部分に配置されている。
吸収器には、第2の区分に隣接する第3の区分が設けられている。第3の区分は、(a)吸収器の第2の区分の底部から流出する吸収液溶剤系の温度を、第3の区分の頂部に吸収液が戻る前に制御可能に冷却および操作するように構成された、少なくとも1つの熱交換ユニットおよび少なくとも1つの冷却ユニットと協動する、配管設備の第1の部分と連通し、かつ(b)吸収液を第3の区分の底部から流出させ、下にある第4の区分の頂部に流入させる、配管設備の第2の部分と連通するように、構成されている。少なくとも1つの熱交換ユニットおよび少なくとも1つの冷却ユニットが、吸収器の第3の区分から第4の区分へと配管設備中を流れている吸収液溶剤の温度を制御可能に冷却および操作するために、配管設備の第2の部分に配置されている。
所望される場合、吸収器には、第3の区分と同様に構成された複数の区分が設けられ得る。これらの複数の区分は、その中を流れる吸収液溶剤を冷却するように構成された少なくとも1つの専用の熱交換ユニットと、1つの区分の底部から流れる吸収液溶剤を吸収器の隣接する下の区分の頂部に入る前に正確に温度制御するための少なくとも1つの専用の冷却ユニットと、協動する、配管設備の対応する部分と連通するように、構成される。
配管設備の出口側(すなわち、吸収器の最後の区分から液体溶剤系を除去するように構成された配管設備の部分)は、ガス流用の入口に隣接する吸収器の底端部と、相互接続している。吸収器からの出口側で、配管設備は、少なくとも1つの熱交換ユニットであって、吸収器の出口側の配管設備を通って流れている液体溶剤系を加熱し、その一方で同時に、吸収器の第2の区分と底部の区分との間に配置された配管設備を通って流れている液体溶剤系を冷却するように構成された、少なくとも1つの熱交換ユニット、と連通しており、次いで、少なくとも1つの熱交換ユニットであって、配管設備を通って吸収器へと流れている液体溶剤系を冷却するように構成された、少なくとも1つの熱交換ユニット、と連通しており、次いで、一連の設備であって、(a)液体溶剤系内に含まれる吸収されたガス成分を分離および回収し、それによって、液体溶剤系をストリッピングおよび再生し、(b)ストリッピングされた液体溶剤系をそれ自体の沸点にもっていき、それによって、再生プロセスを完了するように、選択され構成された、一連の設備と相互接続している。当業者ならば、適切な設備には、加熱および冷却設備に一般に使用される、凝縮器、相分離器、再生器およびリボイラが含まれ得ることが、分かるであろう。適切な再生器ユニットは、充填型もしくはトレイ型またはスプレー型もしくは膜型ユニットとして構成され得る。本発明の装置の構造は、1つの再生器ユニットあるいは複数の協動するユニットを、含むことができる。リボイラユニットは、当業界で公知の標準リボイラユニットであってもよく、かつ、スチーム、燃焼、電気または他の適切な加熱源によって操作可能であってもよい。
本発明はまた、プロセスであって、除去されるべき少なくとも1つのガス成分を含むガス流を、上記多区分化された吸収器を通して流すことによって、化学プロセスおよび/または燃焼プロセスから発せられるガス流から、少なくとも1つの選択されたガス成分を除去するためのプロセスと、ガス流が上記吸収器の中を上方へ流れている間に、順次、一連の温度調整を吸収液溶剤系に対して行うことを通して、上記ガス成分を吸収および/または隔離する、および/または該成分と化学反応するように構成された温度操作可能かつ温度制御可能なリーン吸収液溶剤系に、ガス流を混合および接触させるためのプロセスと、を提供する。当業者ならば、リーン吸収液とは、選択されたガス成分と化学反応するおよび/または該ガス成分を隔離および/または吸収するように選択された少なくとも1つの化学物質を含む吸収液であるが、実際には、この特定のガス成分を殆ど含んでいないこと、ならびに、リッチ化された吸収液とは、ガス流から除去された選択されたガス成分で飽和されている吸収液溶剤であることが、分かるであろう。吸収液は、例えば、動力学的エンハンサ、腐食防止剤、消泡剤、脱酸素剤、抗劣化剤、塩中和剤、防汚剤および他の選択された添加剤などの添加剤を、更に任意に含むことができる。当業者ならばまた、「スクラビング」という用語は、上記ガス成分と化学反応するおよび/または上記ガス成分を隔離および/または吸収するように構成された吸収液によって、選択されたガス成分と化学反応することおよび/または該ガス成分を隔離および/または吸収することを説明するために使用され得ること、ならびに、「処理済みの」という用語は、ガス流であって、このガス流から上記ガス成分が、化学反応および/または隔離および/または吸収する目的のために構成された吸収液と、化学反応するおよび/または該吸収液で隔離および/または吸収されることによって除去された、ガス流のことを説明するために使用され得ることも、分かるであろう。「スクラビングされた」という用語は、ガス流から吸収液によって除去された上記ガス成分のことを説明するために使用され得る。
本プロセスは、ガス流を複数の順次隣接する区分が設けられた吸収器を通して流すことであって、流入してくるガス流が、区分内および複数の区分全体にわたって介在する温度操作可能かつ温度制御可能な吸収液溶剤系と混合され、それによって、ガス流内に存在するガス成分が、ガス流が吸収器の順次隣接する区分を通って流れるにつれて、吸収液溶剤系によって漸次スクラビングされる、ことを含む。ガス流が、多区分化された吸収器を通って流れるのと同時に、温度操作可能かつ温度制御可能な吸収液は、吸収器の各区分を、ガス流の流れに逆らって対向または交差して流れる。特に、吸収液の温度は比較的低い温度に調整され、その後、冷却された吸収液が、吸収器の第1の区分の頂部に送出および流入される。冷却された吸収液は、次いで、第1の区分をガス流の上昇流に逆らって下向きに流れ、それによって上記ガス流と混合および接触し、その結果、ガス成分が吸収液内へスクラビングおよび除去され、ここで、吸収液は部分的に負荷された吸収液になっていると考えられる。スクラビングという局面に加えて、冷却された吸収液をガス流と混合および接触させることにより、吸収液内に熱エネルギーが発生する。加熱された部分的に負荷された吸収液溶剤は、第1の区分の底部から流出し、熱交換ユニットを通過し、上記部分的に負荷された吸収液の温度は、さらに上げられ、その後、加熱および温度操作された部分的に負荷された吸収液は、吸収器の第2の区分の頂部に流入される。温度調整された部分的に負荷された吸収液は、次いで、第2の区分内をガス流の上昇流に逆らって下向きに流れ、それによって、上記ガス流と混合および接触し、その結果、更に、熱が発生し、かつガス成分が吸収液溶剤内へスクラビングおよび除去され、ここで、この吸収液溶剤は加熱された漸次負荷された吸収液溶剤になっていると考えられる。この加熱された漸次負荷された吸収液溶剤は、次いで、第2の区分の底部から流出し、熱交換ユニット内へ流れ込み、この熱交換ユニット内で、上記漸次負荷された吸収液の温度は下げられ、その後、温度操作された漸次負荷された吸収液は、冷却ユニットを流れ、この冷却ユニット内で、上記吸収液の温度は選択された値まで更に冷却され、その後、この冷却および温度調整された漸次負荷された吸収液溶剤は、吸収器の第3の区分の頂部に入る。温度調整された漸次負荷された吸収液は、次いで、吸収器の第3の区分をガス流の上昇流に逆らって下向きに流れ、それによって、上記ガス流と混合および接触し、その結果、更なる熱が発生し、かつガス成分が吸収液内へ更にスクラビングおよび除去され、ここで、この吸収液は加熱された高度に負荷された吸収液になっていると考えられる。加熱された高度に負荷された吸収液溶剤は、次いで、第3の区分の底部から出て熱交換ユニット内へ流れ込み、この熱交換ユニット内で、上記高度に負荷された吸収液溶剤の温度は、冷却され、その後、温度操作され高度に負荷された吸収液は、冷却ユニットを流れ、この冷却ユニット内で、上記吸収液の温度は、調整されて選択された値まで更に冷却され、その後、この冷却されて温度調整された高度に負荷された吸収液溶剤は、吸収器の第4の区分の頂部に流入する。冷却され温度調整された高度に負荷された吸収液は、次いで、吸収器の第4の区分をガス流の上昇流に逆らって下向きに流れ、それによって、上記ガス流が吸収器に入り上方へ流れ始めるにつれて、上記ガス流と混合および接触し、その結果、更に熱が発生し、かつ高度に負荷された吸収液内へガス成分がスクラビングおよび除去され、ここで、この吸収液は、加熱されたリッチ化された吸収液になっていると考えられる。当業者ならば、リッチ化された吸収液とは、ガス流から除去されたガス成分で飽和しているリーン吸収液であることが分かるであろう。この選択されたガス成分を含むガス流は、ガス流が吸収器の第4の、次いで第3の、次いで第2の、次いで第1の区分を通って上方へと流れていくにつれて、ガス成分を漸次ストリッピングされ、一方、リーン吸収液は、吸収液が吸収器の第1の、次いで第2の、次いで第3の、次いで第4の区分を通って下向きに流れていくにつれて、スクラビングされたガス成分を漸次負荷されることに、留意されたい。
吸収器を流れているガス流の更なるスクラビングを提供して、選択されたガス成分をガス流からエネルギー効率良く除去することを確実にするために、更なる区分が順次第3の区分の下に隣接して追加され得ることに、留意されたい。
本発明のプロセスは、吸収器において、従来技術の従来のプロセスのプロファイルとは反対の、逆温度プロファイルを提供する。従来のプロセスの典型的な動作においては、吸収器頂部の温度は、ガス吸収からの熱エネルギー放出により、吸収器底部の温度よりはるかに低い。対照的に、本発明のプロセスは、熱伝達設備を使用することによって、吸収器頂部付近の第2の区分において、吸収器のガス入口端における温度よりも高い温度を提供する。この熱伝達設備の目的は、(a)吸収器の第2の区分のところで部分的に負荷された吸収液溶剤を加熱すること、および(b)吸収液溶剤が吸収器のガス入口端の方へ進むにつれ漸次リッチ化されるにつれて、吸収液溶剤を冷却することである。結果的に、漸次リッチ化された液体溶剤を冷却する間に取り込まれた熱は、吸収器の底部から出ていくリッチ吸収液溶剤を加熱するために使用される。漸次リッチ化された吸収液溶剤の吸収能力は、吸収器に再び入るリッチ化された液体溶剤の温度を制御するための熱伝達設備と協動する、ピンチ冷却器の使用によって、増大される。
多区分化された吸収器および配管設備に加えて、本発明はまた、加熱されたリッチ化され吸収液から、選択されたガス成分を回収するためのプロセスをも提供する。加熱されリッチ化された液体は、再生器に供給され、再生器の底部においてリボイラユニットから抜き出される高温のリーン吸収液の流れと、再生器の頂部を出ていく高温の蒸気混合物の流れと、を提供するように処理される。高温蒸気流内の廃熱エネルギーは、熱回収用凝縮器によって回収されて、リボイラユニットに送出される加熱された凝縮物の流れを生成し、リボイラユニットにおいて、この回収された熱エネルギーは液体再生のために利用され、このようにして、吸収プロセスのエネルギー消費量を低減させる。
本発明は、吸収器の頂部からガス出口を通ってガス流となって出ていく、水および吸収液の損失を低減させるためのプロセスを提供する。このプロセスは、2ステップの水バランス制御を伴い、第1のステップは、リーン冷却器からの低温のリーン吸収液を使用して処理済みガスの温度を下げ、水および吸収液の蒸気を静める。第2のステップの水制御は、ガス流が本発明の装置から出る前に最終の蒸気損失を低減するために、低温で動作される処理済みガス凝縮器を使用する。
本発明の熱回収ガス吸収装置の例示的な実施形態が、添付の図1に示されており、この実施形態は、吸収器20の底部付近のガス入口25と、吸収器20の頂部のガス出口26と、複数の順次積み重ねられた第1の区分21、第2の区分22、第3の区分23および第4の区分24と、を有して構成された、沿直方向を向いた吸収器20を含み、上記区分は、出口26と入口25との間に順次配置されている。少なくとも1つのガス成分(例えば、CO)を含むプロセスガス流または排ガス流100が、入口25から吸収器20に入り、区分24、23、22および21を通って上方へ向って流れ、次いで、出口26を通って吸収器20を出る。処理済みガスは、次いで、飛沫同伴(すなわち、水蒸気および液体溶剤蒸気)を除去する役割を果たす、処理済みガス凝縮器27を通過する。
この例では、吸収液溶剤系は、例えば、モノエタノールアミン、ジグリコールアミン、ジエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、ピペラジンおよびこれらの混合物などの、単一のまたは混合されたアルカノールアミンを含む水溶液を調製することによって、ガス流からのCOと化学反応する、および/または、該COを隔離および/または同化および/または吸収するように構成され得る。吸収液溶剤系は、リボイラ95内で沸騰するまで加熱される。この沸騰は、吸収液溶剤系のアルカノールアミン組成に依存して、105°C〜125°Cの範囲の温度で生じ得る。上記沸点での吸収液溶剤系は、それ自体のCO含有量が低くなるため、「リーン」吸収液であると考えられる。リーン吸収液は、リーン−液体ポンプ51によってリボイラ95から管路110へと抜き出される。次いで、リーン吸収液は、第1に、リーン−リッチ熱交換ユニット34の高温側を通して移送され、ここで、上記熱交換ユニット34(以下に更に詳細に説明する)の低温側を通過するリッチ化された吸収液にリーン吸収液の熱が伝達されることにより、リーン吸収液の温度が下げられ、次いで、第2に、第1の熱回収熱交換ユニット31の高温側を通過し、ここで、上記熱交換ユニット31の低温側を通過する部分的に負荷された吸収液にリーン吸収液の熱が伝達されることにより、リーン吸収液の温度が更に下げられ、第3に、冷却ユニット41を通り、ここで、リーン吸収液の温度は、30°C〜40°Cの範囲の最終温度まで更に下げられ、その後、リーン吸収液は、吸収器20の第1の区分21の頂部に入る。このような温度は、出口26を通って吸収器を出ていく処理済みのガス流から、水蒸気と液体溶剤蒸気との飛沫同伴を除去するように、設定される。
リーン吸収液は、次いで、上方へ流れるガス流に逆らって下向きに対向または交差して流れ、かつ該ガス流と混合および接触し、それによって、COを吸収し、かつ、吸収液内に備わっている1つまたは複数のアルカノールアミンとCOが発熱反応することによって発生した熱を保持する。加熱および部分的に負荷された吸収液は、第1の区分21の底部から出て管路111に入り、この管路111が第1の熱回収熱交換ユニット31の低温側の中を通り、ここで、熱が、上記熱交換ユニット31の高温側を通過しているリーン吸収液から、部分的に負荷された吸収液へ伝達され、それによって、部分的に負荷された吸収液を、40°C〜70°Cの範囲の選択された温度に更に加熱する。この高温の部分的に負荷された吸収液は、管路112を経由して熱交換ユニット31を出る。部分的に負荷された吸収液の温度は、管路112内で更に調整され得るが、これは、リーン−リッチ熱交換ユニット34から出ていくリーン吸収液の一部を、三方弁すなわちスプリッタ35を介して管路113内へと制御可能に迂回させ、その結果、迂回されたリーン吸収液が、高温の部分的に負荷された吸収液と管路112内で混合できるようにすることによって、行われる。部分的に負荷された吸収液をリーン吸収液と混合することの重要な結果は、高温の部分的に負荷された吸収液のCOに対する吸収能力が、吸収器20の第2の区分22の頂部に入る前に増大されることである。
この高温の部分的に負荷された吸収液は、次いで、上方へ流れるガス流に逆らって下向きに対向または交差して流れ、かつ該ガス流と混合および接触し、それによって、更に、COを吸収し、かつCOと吸収液との間の発熱反応によって放出された熱を保持する。漸次加熱され漸次負荷された吸収液は、第2の区分22の底部から出て管路121を通り、この管路121が第2の熱回収熱交換ユニット32の高温側に入り、ここで、熱が、加熱された漸次負荷された吸収液から、上記熱回収熱交換ユニット32の低温側を通過しているリッチ化された吸収液へと伝達され、それによって、上記漸次負荷された吸収液を冷却し、この漸次負荷された吸収液は、次いで、熱交換ユニット32の高温側を出て管路122に入り、次いで、第1のピンチ冷却ユニット42を通過して、この漸次負荷された吸収液を、30°C〜40°Cの範囲から選択された温度まで更に冷却する。冷却され漸次負荷された液体溶剤は、次いで、吸収器20の第3の区23の頂部に流入する。
冷却され漸次負荷された吸収液は、次いで、上方へ流れるガス流に逆らって下向きに対向または交差して流れ、かつ該ガス流と混合および接触し、それによって、更に、COを吸収し、かつCOと吸収液との間の発熱反応によって放出された熱を保持する。この加熱され高度に負荷された液体溶剤は、第3の区分23の底部から出て管路131を通り、この管路131が第3の熱回収熱交換ユニット33の高温側に入り、ここで、熱が、この加熱され高度に負荷された吸収液から伝達され、それによって、上記高度に負荷された吸収液を冷却し、この高度に負荷された吸収液は、次いで、熱交換ユニット33を出て管路132に入り、次いで、第2のピンチ冷却ユニット43を通過し、この高度に負荷された吸収液を20°C〜40°Cの範囲から選択された温度まで更に冷却する。冷却された高度に負荷された液体溶剤は、次いで、吸収器20の第4の区分24の頂部に入る。
冷却された高度に負荷された吸収液は、次いで、流入してくる上方へ流れるガス流に逆らって下向きに対向または交差して流れ、かつ該ガス流と混合および接触し、それによって、更に、COを吸収し、かつCOと吸収液との間の発熱反応によって放出された熱を保持し、それによって、加熱されたリッチ吸収液になる。この加熱されたリッチ吸収液は、リッチ液体ポンプ52によって管路140を介して吸収器20の底部から抜き出され、このリッチ液体ポンプ52が、第3の熱交換ユニット33の低温側へCOリッチ液体を移送し、ここで、加熱されたCOリッチ液体は、加熱され高度に負荷された吸収液によって、更に加熱され、第3の熱交換ユニット33を出て管路141に入り、この管路141が第2の熱交換ユニット32の低温側に入り、ここで、COリッチ液体は、加熱され漸次負荷された吸収液によって、更に加熱され、第2の熱交換ユニット32を出て管路142に入り、この管路142がリーン−リッチ交換ユニット34に入り、ここで、管路110内の高温のリーン吸収液から、更に多くの熱がリッチ吸収液に伝達される。COリッチ吸収液が、最初に、第3の熱交換ユニット33を、2番目に、第2の熱交換ユニット32を、3番目に、リーン−リッチ熱交換ユニット34を通過するにつれて、漸次加熱されていくにつれ、リッチ吸収液内に含まれるいくらかのCOは、「ストリッピング」され、すなわち、吸収液から放出されて気相へ戻り、したがって、2相の流体を形成する。
2相のCOリッチ流体流は、次いで、管路143を介してリーン−リッチ熱交換ユニット34を出て、相分離器60に送出され、ここで、熱交換ユニット33、32および34を順次通過する間にリッチ液体からストリッピングされたガスCOは分離および抽出されて、管路145を通って更なる処理、貯蔵または利用のために出ていき、その一方で、低減されたCO含有量を有するリッチ吸収液は、管路150を通って、再生器65の還流区分66の真下の区分へと移送される。リッチ吸収液は、次いで、スチーム蒸気であって、リボイラ95から発生し、かつ吸収されたCOをこの吸収液から更にストリッピングし、それによって、吸収液をますます「よりリーンに」する役割を果たす、スチーム蒸気の上昇流に逆らって、再生器65を通って下向きに進む。よりリーンな吸収液は、再生器65から管路152を通ってリボイラユニット95に移送される。ストリッピングされたCOと水蒸気とを含むガス流は、再生器65の上端部から管路151を通って出る。水蒸気は、まず、熱回収用凝縮器70の高温側を通って、次いで、第2に、還流凝縮器75を通って移送されることにより、2段階で凝縮される。このような2段階凝縮により2相の流体のスチームが生成され、次いで、このスチームが相分離器80を通って流され、次いで、この相分離器80から、高純度のCOガス流が、更なる処理、貯蔵または利用のために、管路155を通って除去される。
相分離器80内の凝縮物は、復水ポンプ85によって管路160を介して抜き出され、三方弁すなわちスプリッタ90によって2つの流れに分けられる。第1の流れは、管路161によって熱回収用凝縮器70の低温側に送出され、ここで、再生器65の還流区分66を出る高温蒸気流から除去された熱によって、著しく加熱される。加熱された凝縮物は、次いで、管路162を通ってリボイラユニット95に送出され、ここで、熱回収用凝縮器から回収された熱エネルギーが、吸収液を加熱し再生するために利用される。凝縮物の第2の流れは、管路165を通って再生器65の還流区分66の頂部へと送出される。
再生器65を出た高温蒸気流から熱回収用凝縮器70によって回収され、続いて、管路162によってリボイラユニット95に送出される熱は、結果として、吸収液をそれ自体の沸点にもっていくためにリボイラユニット95が必要とする、管路175を通る加熱媒体の量を削減し、それによって、エネルギー消費量をより少なくし、その一方で、COストリッピングおよび液体再生の性能を最大にする。再生されたすなわちリーンな吸収液は、次いで、管路110を通って再利用されて吸収器20に戻され、管路100を介して吸収器20に入ってくるガス流から、連続してCOのスクラビングを行う。リボイラユニット95内で発生した高温の蒸気流は、管路170を通って再生器65の底部に移送され、リッチ吸収液の下降流に逆らって上方へ流れて、リッチ吸収液からCOをストリッピングする。
要約すると、図1に示されかつ本願明細書において説明される例示的な実施形態を参照すると、管路100を介して吸収器20に送出されるガス流内に存在するCOは、ガス流が順次、区分24、23、22および21を通って上方へ流れるにつれて、ガス流から漸次スクラビングされる。区分21では、吸収液の比較的低い温度が処理済みのガスの温度を制御する結果、処理済みのガスと共に吸収器を出る可能性のあった水蒸気および液体溶剤蒸気の飛沫同伴が除去されるようになる。低減された濃度のCOを含む処理済みのガス流は、出口26を通って吸収器20を出る。この処理済みのガス流は、次いで、水蒸気および液体溶剤蒸気の飛沫同伴を更に除去する役割を果たす、処理済みガス凝縮器27を通過し、その後、蒸気を排除されたガス流は、管路101を通って機器から放出される。吸収器20を通るガス流の上昇流に対向または交差する状態で、リーン吸収液は吸収器20の頂部に導入され、その結果、吸収器20の区分21、22、23および24のそれぞれにおいて、ガス流に逆らって下向きに流れ、かつ繰り返し、ガス流と混合および接触する。本発明の装置は、吸収液が、各区分の頂部に入り底部から出るように構成されており、その結果、吸収液溶剤の温度が、図2に示すように、吸収器20の各区分間で正確に操作および調整され得ることができ、その結果、溶剤再生のために必要なエネルギーを低減しつつ、ガス流からCOを最適かつ最大限にスクラビングできるようになっている。
図2を参照すると、吸収器20の第1の区分21(図1に例示)内のリーン吸収液の温度プロファイル221は、供給液体の温度210が、流出する部分的に負荷された液体の温度211aと比較して、約32°Cから約40°Cへと上昇していることを示し、次いで、流出する部分的に負荷された吸収液を操作および調整して、該吸収液の温度211bを約70°Cに上昇させていることを示す。吸収器20の第2の区分22(図1に例示)内の部分的に負荷された吸収液の温度プロファイル222は、流入する部分的に負荷された吸収液の温度221が、流出する漸次負荷された吸収液の温度222aと比較して、約70°Cから80°Cへと上昇していることを示し、次いで、流出する漸次負荷された液体溶剤を操作および調整して、該溶剤の温度222bを約35°Cに下げていることを示す。吸収器20の第3の区分23(図1に例示)内の漸次負荷された液体溶剤の温度プロファイル223は、流入する低温の漸次負荷された吸収液の温度231が、流出する負荷された吸収液の温度232aと比較して、約35°Cから約52°Cへ上昇していることを示し、次いで、流出する高度に負荷された吸収液を操作および調整して、該吸収液の温度232bを更に約25°Cまで下げていることを示す。吸収器20の第4の区分24(図1に例示)内の高度に負荷された吸収液の温度プロファイル224は、流入する高度に負荷された吸収液の温度241が、流出するリッチ化された吸収液の温度242と比較して、該吸収液がリッチポンプ52(図1に示す)によって吸収器20の底部から除去される前に、約25°Cから約33°Cへと上昇していることを示す。リッチ化された吸収液は、熱交換器ユニット33、32および34によって、順次加熱され、次いで、再生器65に導入され、ここで、吸収されたガス成分が、吸収液からストリッピングされる。リーン吸収液は、リボイラユニット95を通って再生プロセスを離れ、高温の蒸気混合物の流れは、再生器65の頂部から出る。高温蒸気流内の廃熱エネルギーの大部分は、熱回収用凝縮器70によって回収されて、リボイラユニット95に送出される加熱された凝縮物の流れを生成し、リボイラユニット95において、回収された熱エネルギーは、液体再生のために利用される。
図3は、本願明細書において説明するように構成および動作される吸収器の、典型的なマッケーブ‐シーレ線図を示す。気相の特定のガス成分の濃度(ガス成分の分圧と呼ばれる)と吸収液内の上記ガス成分の濃度(ガス成分の液体モル分率と呼ばれる)との関係が、線300と311とによって表されている。線300は、動作曲線として当業者に一般に知られており、ガス成分の分圧と実際に吸収器に充満している該ガス成分の液体モル分率との関係を例示している。線311は、平衡曲線として当業者に一般に知られており、ガス成分の上記液体モル分率と平衡状態にあるガス成分の分圧を表している。ガス吸収操作において、ガス流から吸収液へガス成分の移送を容易にするためには、動作曲線は、平衡曲線より上になければならない。この動作曲線により、ガス成分の分圧は、液体モル分率が増加するにつれて増加することが示されていることに、留意されたい。典型的なガス吸収プロセスにおいては、平衡曲線におけるガス成分の分圧もまた、液体モル分率と共に増加する。しかし、ガス成分の平衡分圧は、ガス成分の操作分圧と比較して、遥かに高い割合で増加する。この結果、動作曲線と平衡曲線との交差が早期に生じ、したがって、ガス吸収能力を制限することになる。本発明では、吸収器を通過している吸収液の温度が、ピンチ冷却器によって操作および制御されており、それによって、動作曲線と平衡曲線との早期の交差を防止し、その代わりに、2本の線の間に305、306および307として示されるピンチ領域を確立し、それによって、ガス吸収能力を著しく高めている。
本実施形態の更なる例示的な実施形態は、吸収塔の底部付近のプロセスガス入口と吸収塔の頂部の処理済みプロセスガス出口との間に配置された、複数の鉛直に順次積み重ねられた区分を有して構成された、鉛直方向を向いた吸収塔の形の吸収器を提供する。これらの複数の区分は、当業者に公知であるランダム型パッキングまたは構造型パッキングで任意に充填され得る。あるいは、吸収器は、トレイ型吸収器、スプレー型吸収器および膜ガス吸収器などに例示される、当業者に公知である他のタイプのガス−液体接触装置を含んでよい。さらに、複数の異なるタイプの吸収器を順番に構成し、個々の吸収器が、本願明細書において開示する吸収器の個々の区分を提供するようにすることは、本発明の範囲内である。
要約すると、この例において例示する本発明の装置は、(1)再生されたリーン吸収液をリボイラユニットから吸収器へ運ぶ間に、再生されたリーン吸収液から熱を回収し、この回収された熱を、(a)部分的に負荷された吸収液が吸収器の第1の区分(すなわち、処理済みのガス流のための吸収器の出口に隣接する区分)から出た後に、この部分的に負荷された吸収液の温度を加熱および調整して、その結果、吸収器の第2の区分における吸収効率を改善するために、および(b)下流での吸収液の相分離および再生の前に、吸収器の底部から出てくるリッチ吸収液を更に加熱するために、使用することと、(2)漸次負荷された吸収液が吸収器の第2の区分および第3の区分から出た後に、この漸次負荷された吸収液から熱を回収して、(a)漸次負荷された吸収液を正確に冷却および調整して、この漸次負荷された吸収液のCO吸収能力および効率を更に増大し、かつ(b)リッチ吸収液が、吸収器から下流の相分離プロセスおよび液体再生プロセスに運ばれていく際に、リッチ吸収液を繰り返し加熱するために、回収された熱を使用することと、(3)再生器の頂部から出ていく高温蒸気流から熱を回収して、(a)還流凝縮器の下流に位置づけられた相分離器から抜き出された凝縮物を加熱し、かつ(b)リボイラ内での液体再生のために、回収された熱をリサイクルすることと、(4)処理済みのガス流と共に吸収器を出る可能性のあった水蒸気および液体溶剤蒸気の飛沫同伴を、処理済みガス凝縮器を用いて、低減させることと、を目的とする手段であって、それによって、ガス流からCOを除去するための、熱保持効率およびリサイクルエネルギー効率の極めて高いプロセスを提供する、手段を提供するように構成される。
本発明は、選択されたガス成分をプロセスガス流または排出ガス流から除去および回収する間に、高いガス吸収性能を達成しつつ廃熱を最小にするための、本発明の装置を動作するためのプロセスを提供する。吸収器は、2つのモード、すなわち(a)吸収器の前端で熱力学的に駆動される物質移動(すなわち、ガス流が吸収器に入る)、および(b)吸収器の後端で動力学的に駆動される物質移動(すなわち、ガス流が吸収器を出る)の2つのモードで動作される。動力学的に駆動される物質移動は、吸収器の第2の区分(すなわち、吸収器からのガス流出口に隣接する第1の区分の次の区分)において、高温の適切に構成されたリーン吸収液溶剤系を用いてガス吸収を行うことによって容易になる。熱力学的に駆動される物質移動は、低温の比較的高いガス含有量を有する溶液を用いてガス吸収を行うことによって、容易になる。ガス流からガス成分を除去するために使用される従来技術のプロセスでの吸収液溶剤系の温度プロファイルに対し、本発明のプロセスは、逆温度プロファイルを提供する。従来のプロセスの典型的な動作では、吸収器の後端の温度は、液体溶剤系によってガス成分が吸収される間に発熱反応による熱エネルギー放出があるために、吸収器の前端の温度よりも遥かに低い。対照的に、本発明のプロセスは、吸収器の前端で提供される低い温度と比較して、吸収器の後端において、より高い温度を提供する。
ある石炭火力発電所では、モノエタノールアミン(MEA)の30%水溶液を備えるガス吸収ユニットを使用して、95%の除去効率で燃焼煙道ガスからCOを除去する。煙道ガスは、5,000,000のm/日の速度で生成され、16.2%のCO(1,400トン/日)を含む。吸収器に入る煙道ガスの温度は、40°Cである。吸収器圧力は、1気圧である。リボイラ温度は、116°Cである。
企業内プロセスシミュレータを使用して、(a)本発明による装置、方法およびプロセス構造を使用した、CO吸収の動作のシミュレーションと、(b)上記動作と従来技術のシステムの動作との比較と、を行った。表1は、シミュレーション結果を示し、従来のプロセスおよび他のプロセスと比較して、本発明は、吸収器の底部においてリッチ吸収液のより低い温度を提供し、したがって、リッチ‐ピンチ操作を容易にし、それによって、よりCO負荷の高いリッチ吸収液を達成し、かつ吸収液の循環率を低減させることを、示している。加えて、本発明はまた、従来技術におけるよりも、再生器に入る前に、より高い%のCOフラッシングを提供し、それによって、溶剤再生のために使用されるエネルギーを節約する。ケースA(すなわち本発明)およびケースB(すなわち本発明)は、結果として、従来のプロセスと比較して、54%および56%のエネルギー節約になり、その一方で、米国特許第6800120B1号(「分流プロセス」システム)および国際公開第04/073838号のプロセスによって開示されている従来技術のシステムは、それぞれ、35%および42%のエネルギー節約をもたらしている。
Figure 2009531163
本発明を好ましい実施形態に関して説明したが、当業者ならば、燃焼によってまたは化学プロセス内で生成されたガス流からガス成分を除去および回収するために、本願明細書において開示した装置およびプロセスをどのように変更および適合させればよいかが、分かるであろう。したがって、本発明の範囲において、熱回収およびガス吸収機器ならびに関連するプロセスに様々な変更および修正を加えることが可能であることを、理解されたい。
本発明の一実施形態を例示する概略図である。 本発明の多区分化された吸収器を通過する吸収液の温度プロファイルを例示するグラフである。 吸収器の動作曲線および平衡曲線に対する温度操作の影響を例示するグラフである。
本発明は、工業用ガス流からのガス成分の除去に関する。より詳しくは、本発明は、プロセスガス流および/または排ガス流からガス成分を分離および回収するための装置およびプロセスに関する。
様々なガスの吸収、分離および回収プロセスが、工業的および環境的目的のために以前から提供されてきた。工業的用途は、通常、プロセスガス流から少なくとも1つのガス成分を分離および除去するためのプロセスを伴うが、これは、生成されるガスの品質を高めることおよび/または下流プロセスにおいて後に起こり得る望ましくない下流での動作上の問題を防止することが目的である。例としては、天然ガスおよび合成ガスから二酸化炭素(CO)および/または硫化水素(HS)を除去することや、工業用プロセスガス流から揮発性有機化合物(VOCs)や、窒素(N)、酸素(O)および水素(H)などのガスを除去および分離することが挙げられる。環境的用途は、大気への汚染物質の放出を低減するために、通常は、燃焼煙道ガスまたは排ガス流から、二酸化硫黄(SO)、CO、窒素の酸化物(NO)および水銀(Hg)などの、少なくとも1つのガス成分を除去することを伴う。
燃焼煙道ガスまたは排ガス流から望ましくないガス化合物をスクラビングするための数多くのシステムが、従来技術において周知であり、これらのシステムは、通常、望ましくないガス成分を含むガス流に逆らって、通常、1つまたは複数のアルカノールアミンを含む溶剤に、向流するように構成されている。このようなシステムは、一般に向流式吸収器またはストリッパと呼ばれ、数多くの構造とその動作が、KohlおよびNeilsonにより、「Gas Purification,5th Edition(1997,ElsivierB.V.)」において詳述されている。典型的な向流式吸収器システムは、ガス流をその中に受け入れるように構成された細長いストリッピング塔と、配管設備とを含み、この配管設備は、適切な溶剤を、溶剤再生器から出て、ストリッピング塔へ行き、ストリッピング塔を通り、ストリッピング塔からまた溶剤再生器へと戻るように送出するように構成されている。典型的な細長いストリッピング塔は、一般に立向姿勢で据付けられており、かつ該ストリッピング塔の下端部のあたりで、望ましくないガス成分を含むガス流を受け入れるように構成されている。ガス流は、ストリッピング塔を通って上方へ流れ、ストリッピング塔の上端部のあたりから出る。溶剤配管設備は、通常、ストリッパ塔の上端部のあたりからストリッパ塔内に溶剤を送出し、塔の下端部のあたりで溶剤を回収および除去する。溶剤が入口地点から出口地点まで下向きに徐々に流れていく際に溶剤がストリッパ塔内で接触する表面積を増大するために、ストリッパ塔の溶剤配管の入口地点と出口地点との間の部分を適切な充填材料で充填することが、広く行われている。ストリッパ塔の上端部に入る配管設備には、通常、入口地点の下にある充填材料のあたりに溶剤を散布するために、液体分配器が設けられている。ストリッパ塔には、また、通常、配管設備の出口地点のあたりに、ストリッパ塔から溶剤を収集および除去するための液体収集板が設けられている。当業者ならば、ストリッピング塔自体は、塔壁が配管設備の入口地点と出口地点との間に溶剤を収容しているため、溶剤配管設備の一体要素であることが、分かるであろう。また、ストリッパ塔は2つ以上の鉛直方向の段を有して構成され得、各段には、上部の溶剤配管入口地点と下部の溶剤配管出口地点とが設けられることも、周知である。このようなシステムにおいては、2つの鉛直方向の段の間に挿置された液体収集板には、カバーを具備されたガスライザが設けられており、このガスライザによって、これを通ってガスが下段から上段へと流れることができるようになっており、その一方で、上段を通って下方へ徐々に流れている溶剤は、収集板によって収集されかつ配管設備を通って流出される。この収集板が様々に設計されて、溶剤が塔内の2つの段の間を下向きに徐々に流れないようにしている。したがって、当業者ならば、各段を画成しているストリッパ塔の部分は各段へ出入りする溶剤配管設備の一体要素であることが、分かるであろう。
大規模な燃焼プロセスは、都市用のエネルギーや工業用のエネルギーを生成するために、粗鉱や他の粗製材料から精製した製品を製造する際に、また、都市廃棄物や産業廃棄物を処分するために、一般に使用される。このような燃焼プロセスは、通常、とりわけCO、HSおよびNOなどの1つまたは複数の極めて望ましくないガス化合物を含む大量のガス排気流を連続的に生成し、これらのガス化合物が、環境汚染や健康リスクの大きな原因となる。特に、都市用や工業用の大規模で連続的な燃焼から生じる増加し続けるCOの大気濃度は、地球温暖化の主たる原因であり、この地球温暖化のせいで、環境変動や汚染に関係する健康問題がますます発生する傾向にある。
これらのプロセスが広範囲に使用されているにもかかわらず、現在使用されている工業用ガス吸収プロセスには、経済的欠点がある。なぜなら、選択したガスをプロセスガス流または排出ガス流から吸収するために使用する溶剤の再生には、大量のエネルギーが必要であるからである。このことは、工業界がエネルギーコストおよびプロセスコストを削減し、かつ自らの環境パフォーマンス目標を満たす際の、障害となっている。
本発明の少なくとも好ましい形態での例示的な実施形態は、装置およびプロセスであって、高能力でエネルギー効率が良く、(a)少なくとも1つのガス成分を、プロセスガス流または排ガス流から、該ガス成分を吸収および同化するように構成された液体溶剤系内に除去し、続いて、(b)この液体溶剤系から該ガス成分を分離および回収するための、装置およびプロセスを対象とする。
本発明の好ましい一実施形態によれば、複数の順次隣接する区分が設けられた吸収器を備える装置であって、上記吸収器が、液体溶剤系をその中に運んでいる導管設備と連通しており、上記導管設備が、吸収器の各区分に出入りするように構成されている装置が提供される。好ましい形態において、吸収器は、鉛直方向に順次位置づけられた複数の隣接する区分が設けられた、鉛直方向を向いた塔を備える。プロセスガス流のための入口が、吸収器の底部付近に設けられており、一方で、選択されたガス成分が除去されたガス流のための出口が、吸収器の頂部に設けられている。あるいは、排ガス流が、選択されたガス成分を排ガス流自体から除去するために、吸収器を通して流され得る。ガス流は、液体溶剤系の向流または交差流に逆らって、吸収器の隣接する区分を通り、順次進む。液体溶剤系には、ガス流からガス成分を吸収および/または同化および/または隔離するための、少なくとも1つの化学成分が備えられている。
一態様によれば、第1の区分の頂部(すなわち、吸収器のガス流出口に隣接した区分)と連通することによって吸収器に入り、かつ吸収器の底部から出るように構成された導管設備が、設けられる。導管設備は配管設備であることが好ましい。好ましい形態では、配管設備は、順次、吸収器の各隣接する区分の、頂部に入り底部から出る。更なる好ましい形態では、配管設備の、吸収器の第1の区分の頂部に入る部分に配置された、リーン熱伝達ユニットが設けられる。配管設備には、上記リーン熱伝達ユニットと吸収器の第1の区分との間に配置された、リーン冷却ユニットが設けられることが、好ましい。配管設備は、温度操作されたリーン吸収液を吸収器の第1の区分の頂部に流入することが、更に好ましい。
更なる態様によれば、上記配管設備の、吸収器の第1の区分の底部から出て吸収器の隣接する区分の頂部へ入る部分に配置された、熱伝達ユニットが、設けられる。好ましい形態においては、配管設備の上記部分には、配管設備の、加熱された液体溶剤系をその中に運んでいる部分との相互接続部が、上記熱伝達ユニットと吸収器の隣接する区分の頂部との間に配置された状態で、設けられる。
更なる別の態様によれば、配管設備の、吸収器の一つの区分の底部から出て吸収器の隣接する区分の頂部へ入る各部分に配置された、熱伝達ユニットが、設けられる。好ましい形態では、配管設備の各部分には、冷却ユニットが、上記熱伝達ユニットと吸収器の隣接する区分の頂部との間に配置された状態で、設けられる。冷却ユニットは、ピンチ冷却ユニットであることが、好ましい。
本発明の更なる態様によれば、吸収器の底部からリッチ化された吸収液(すなわち、プロセスガス流または排ガス流から除去されたガス成分を含む吸収液)を除去するための、吸収器の底部と連通する除去用配管設備が、設けられる。好ましい形態では、除去用配管設備は、吸収器の第1の区分に隣接する複数の区分と連通している液体設備の各部分のために設けられた複数の熱交換ユニットと、相互接続および協動し、それによって、各区分の底部から抜き出された吸収液から熱交換ユニットによって除去された熱エネルギーが、除去用配管設備によって上記熱交換ユニットを通して運ばれているリッチ化された吸収液に、伝達される。除去用配管設備はリーン−リッチ熱交換ユニットと相互接続および協動することが更に好ましく、このリーン−リッチ熱交換ユニットは、高温のリーン吸収液からの熱を、除去用配管設備によって上記リーン−リッチ熱交換ユニットを通して運ばれているリッチ化された吸収液に伝達することを、目的とする。
本発明の更に別の態様によれば、除去用配管設備は、第1の複数の機器であって、(a)リッチ化された吸収液溶剤から、ガス流から除去された選択されたガス成分を含む流れを分離し、かつ(b)リッチ化された吸収液をリーン吸収液へと再生するように構成された、第1の複数の機器と、相互接続および協動する。好ましい形態では、第2の複数の機器であって、選択されたガス成分の分離された流れを回収し、上記選択されたガス成分を他の工業プロセスのために使用される前に更に処理および/または精製するための、第2の複数の機器が、設けられる。あるいは、回収および精製されたガス成分は、該目的のために選択された容器へ運ばれ貯蔵されてもよい。
本発明の更なる好ましい実施形態によれば、選択されたガス成分をプロセスガス流または排ガス流から除去および回収するためのプロセスが、提供される。ガス流は、多区分化された吸収器ユニットを通って順次流され、選択されたガス成分は、上方へ流れるガス流を向流または交差流の温度操作可能かつ温度制御可能な液体溶剤系と繰り返し混合および接触させることによって、除去される。この液体溶剤系は、上記ガス成分を吸収および/または同化および/または隔離する、および/または上記ガス成分と化学反応する傾向のために選択された、少なくとも1つの化学的成分を備える。この液体溶剤系は、頂部(すなわち、吸収器の第1の区分)に流入される前に制御可能に冷却されているリーン吸収液であり、このリーン吸収液が、向流的にまたは交差流的にガス流と混合および接触し、それによって、選択されたガス成分の一部をガス流から除去し、リーン吸収液を部分的に負荷することが、好ましい。部分的に負荷された吸収液は、配管設備によって第1の区分の底部から流出され、少なくとも1つの熱交換ユニットを通って運ばれ、そこにおいて、部分的に負荷された吸収液は、高温に加熱され、その後、下にある(すなわち第2の)区分の頂部に流入される。好ましい形態では、加熱された部分的に負荷された吸収液の温度は、高温のリーン吸収液と制御可能に相互混合することによって調整される。部分的に負荷された吸収液は、第2の区分を、その中を流れているガス流に逆らって対向または交差して流れ、選択されたガス成分の更なる部分をガス流から除去し、それによって、漸次負荷された吸収液になる。漸次負荷された吸収液は、配管設備によって第2の区分の底部から流出され、少なくとも1つの熱交換ユニットと、漸次負荷された吸収液の温度を冷却および制御するように構成された少なくとも1つの冷却ユニットとを通って運ばれ、その後、下にある(すなわち第3の)区分の頂部に流入される。この漸次負荷された吸収液は、第3の区分を、その中を流れているガス流に逆らって対向または交差して流れ、選択されたガス成分の更なる部分をガス流から除去し、それによって、高度に負荷された吸収液になる。この高度に負荷された吸収液は、配管設備によって第3の区分の底部から抜き出され、少なくとも1つの熱交換ユニットと、吸収液の温度を冷却および制御するように構成された少なくとも1つの冷却ユニットとを通って運ばれ、その後、底部の(すなわち最後の)区分の頂部に戻される。高度に負荷された吸収液は、最後の区分を、その中を流れているガス流に逆らって対向または交差して流れ、選択されたガス成分の最終部分をガス流から除去し、それによって、リッチ化された吸収液になる。リッチ化された吸収液は、吸収器の底部から除去用配管設備によって除去されて、吸収液内に含まれる吸収されたガス成分を回収するために、また、吸収液をリーン吸収液に再生し、その後、吸収器にリーン吸収液を再利用するために、選択および構成された、複数の機器に運ばれる。
一態様によれば、配管設備と連通した状態で吸収器の中を運ばれることによって、吸収器と連通するための液体溶剤系が、提供される。液体溶剤系は、吸収器を流れているプロセスガス流から、あるいは排ガス流から、選択されたガス成分を吸収および/または同化および/または隔離する、および/または該ガス成分と化学反応するように構成された、吸収溶液を含む。吸収溶液は、吸収器のガス流出口に隣接する第1の区分の頂部に入る時にはリーン吸収液であると考えられ、吸収器を通るガス流の流れに逆らって吸収溶液が隣接する複数の区分を対向または交差して流れるにつれて、選択されたガス成分で漸次リッチ化され、それによって、吸収器の底部から出る時には、リッチ吸収液になる。
好ましい形態では、吸収液は、プロセスガス流もしくは排ガス流または精製ガス流内に存在する選択されたガス成分を、吸収および/または同化および/または隔離するおよび/または該ガス成分と化学反応するように選択された、少なくとも1つの化学成分を備える吸収溶液を含む。選択されたガス成分は、CO、HS、SOおよびNOを含む群から選択されるガスを含む。
更なる好ましい形態では、吸収液は、(a)水溶液であって、プロセスガス流または排ガス流内に存在する選択されたガス成分を、吸収および/または同化および/または隔離する、および/または該ガス成分と化学反応するように選択された、少なくとも1つの化学成分を備える、水溶液と、(b)少なくとも1つの化学成分であって、動力学的エンハンサ、腐食防止剤、消泡剤、脱酸素剤、塩中和剤、防汚剤および抗劣化剤を含む群から選択された、少なくとも1つの化学成分と、を含む。
リーン吸収液は、吸収器の第1の区分に入る前に、選択された温度に制御可能に冷却および調整されることが好ましい。好ましい形態では、上記リーン吸収液の温度を冷却および制御するための複数の機器が、提供される。更なる好ましい形態では、リーン吸収液を冷却するためのリーン−リッチ熱交換器などの少なくとも1つの熱伝達ユニットと、冷却された液体溶剤の温度を調整および改善するための少なくとも1つの熱伝達ユニットと、が提供される。
更なる態様によれば、液体溶剤系は、本発明の装置を使用して燃焼排ガス流からCOを除去するように構成される。液体溶剤系は、モノエタノールアミン(MEA)、ジグリコールアミン(DGA)、ジエタノールアミン(DEA)、メチルジエタノールアミン(MDEA)、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(AMP)、ピペラジン(PZ)、アンモニア、アミン、アルカノールアミン、これらの誘導体、および他の化学溶剤ならびに/またはこれらの混合物を含む群から選択された、少なくとも1つの化学物質を含む吸収液を備える。液体溶剤系は、更に、動力学的エンハンサ、腐食防止剤、消泡剤、脱酸素剤、塩中和剤、防汚剤および抗劣化剤を含む群から選択された、少なくとも1つの化学成分を備えることができる。
本発明の更に別の好ましい実施形態によれば、選択されたガス成分を、リッチ化された吸収液から分離、除去および回収するためのプロセスが、提供される。吸収器の底部から流出する加熱されリッチ化された吸収液が、再生器内へと運ばれ、そこにおいて、このリッチ化された吸収液は、(a)再生器の底部から流出され、続いて、リボイラユニットへ運ばれる高温のリーン吸収液の流れと、(b)再生器の頂部から流出する高温の蒸気混合物の流れとに、分離される。還流凝縮器を通ってプロセスからあるいは除去され得る廃熱エネルギーの大部分が、熱回収用凝縮器を有する本発明のプロセスによって回収され、それによって、リボイラユニットに送出される加熱された凝縮物の流れを生成し、このリボイラユニットにおいて、回収されたエネルギーは液体溶剤系の再生のために利用され、それによって、本発明のプロセスのために必要とされるエネルギー導入量を、著しく低減する。
本発明の更なる好ましい実施形態によれば、吸収器の頂部から流出する処理済みのガスを介した水および吸収液の蒸気損失を、低減するためのプロセスが、提供される。このプロセスは、2ステップの蒸気低減を伴う。蒸気低減の第1のステップは、吸収器の第1の区分において行われるが、この吸収器の第1の区分に、制御可能に冷却されたリーン吸収液が流入され、それによって、処理済みのガス流の温度を下げ、水蒸気と吸収液の蒸気を静める。蒸気低減の第2のステップは、低温で動作される処理済みガス凝縮器内で行われる。
本発明を、添付の図面を参照して説明する。
本発明は、化学プロセスおよび/または燃焼プロセスから発せられるプロセスガス流または排ガス流から、少なくとも1つのガス成分をエネルギー効率良く除去および回収するための装置およびプロセスを提供する。本発明は、複数の順次隣接する区分を有して構成された吸収器を備える装置であって、上記吸収器が、液体溶剤系をその中において運んでいる多区分化された配管設備と連通しており、上記配管設備が、吸収器の各区分に出入りするように構成されている、装置を提供する。ガス流は、液体溶剤系の向流に逆らって、吸収器の隣接する複数の区分を通り、順次進む。液体溶剤系は、ガス流からガス成分を吸収および/または同化および/または隔離する、および/または該ガス成分と化学反応するための、少なくとも1つの化学成分を備える。
多区分化された配管設備には、(a)その中を流れている吸収液を冷却するように構成された少なくとも2つの熱交換ユニットと、(b)その中を流れている液体溶剤系を加熱するように構成された少なくとも1つの熱交換ユニットと、が設けられており、アイテム(a)の冷却のための上記熱交換ユニットのそれぞれが、配管設備を通り吸収器の異なる区分に流れ込む液体溶剤系を正確に温度制御するための、少なくとも1つの専用の冷却ユニットと協動する。多区分化された配管設備は、(1)吸収器内に設けられた各区分の頂部へ入り、底部から出て、かつ、(2)吸収器の各区分の間に挿置された熱交換ユニットおよび/または冷却ユニットと協動するように構成されており、上記ユニットが、その中を通って流れている液体溶剤系の温度を調節、操作および制御するように構成されている。吸収器の区分への流入及び流出に配置された配管設備のそれぞれの区分は、(a) 流入ポイントにおける流体分散装置及び(b)流出ポイント近辺における流体収集プレートを備える。適切な流体分散装置は、スプレー(噴霧)ノズルである。流体収集プレートは、ガス流が通過する一方で流体の通過を防ぐように形成された複数のガスライザーを備えている。流体分散装置及び流体収集プレートが挿し込まれた吸収器の区分を充填材料でパッキングするのが適切である。パッキングはランダム、どちらか一方の選択的なもの、あるいは構造的であってもよい。
吸収器は、それ自体の底端部付近で、除去されるべき少なくとも1つのガス成分を含むプロセスガス流または排ガス流を受け入れ、吸収器の反対側の端部から、低減された濃度の上記ガス成分を含む処理済みのガスの流れを放出するように、構成されている。
配管設備は、液体溶剤系を再生するための少なくとも1つのリボイラユニットと、その中を流れる液体溶剤系を冷却するように構成された少なくとも2つの熱交換ユニットと、吸収器の第1の区分に送出されるべき冷却された液体溶剤系を正確に温度制御するための少なくとも1つの冷却ユニットと、協動する。配管設備の送出側は、処理済みのガス流が放出される端部に隣接する、吸収器の第1の区分と連通している。
吸収器には、第1の区分に隣接する第2の区分が設けられている。第2の区分は、(a)吸収器の第1の区分の底部から流出する液体溶剤系を、第2の区分の頂部に吸収液が戻る前に加熱するように構成された上記熱交換ユニットと協動する、配管設備の第1の部分と連通し、かつ、(b)吸収液を第2の区分の底部から流出させ、下にある第3の区分の頂部へ流入させる、配管設備の第2の部分と連通するように、構成されている。少なくとも1つの熱交換ユニットおよび少なくとも1つの冷却ユニットが、吸収器の第2の区分から第3の区分へと配管設備の中を流れている吸収液溶剤の温度を制御可能に冷却および操作するために、配管設備の第2の部分に配置されている。
吸収器には、第2の区分に隣接する第3の区分が設けられている。第3の区分は、(a)吸収器の第2の区分の底部から流出する吸収液溶剤系の温度を、第3の区分の頂部に吸収液が戻る前に制御可能に冷却および操作するように構成された、少なくとも1つの熱交換ユニットおよび少なくとも1つの冷却ユニットと協動する、配管設備の第1の部分と連通し、かつ(b)吸収液を第3の区分の底部から流出させ、下にある第4の区分の頂部に流入させる、配管設備の第2の部分と連通するように、構成されている。少なくとも1つの熱交換ユニットおよび少なくとも1つの冷却ユニットが、吸収器の第3の区分から第4の区分へと配管設備中を流れている吸収液溶剤の温度を制御可能に冷却および操作するために、配管設備の第2の部分に配置されている。
所望される場合、吸収器には、第3の区分と同様に構成された複数の区分が設けられ得る。これらの複数の区分は、その中を流れる吸収液溶剤を冷却するように構成された少なくとも1つの専用の熱交換ユニットと、1つの区分の底部から流れる吸収液溶剤を吸収器の隣接する下の区分の頂部に入る前に正確に温度制御するための少なくとも1つの専用の冷却ユニットと、協動する、配管設備の対応する部分と連通するように、構成される。
配管設備の出口側(すなわち、吸収器の最後の区分から液体溶剤系を除去するように構成された配管設備の部分)は、ガス流用の入口に隣接する吸収器の底端部と、相互接続している。吸収器からの出口側で、配管設備は、少なくとも1つの熱交換ユニットであって、吸収器の出口側の配管設備を通って流れている液体溶剤系を加熱し、その一方で同時に、吸収器の第2の区分と底部の区分との間に配置された配管設備を通って流れている液体溶剤系を冷却するように構成された、少なくとも1つの熱交換ユニット、と連通しており、次いで、少なくとも1つの熱交換ユニットであって、配管設備を通って吸収器へと流れている液体溶剤系を冷却するように構成された、少なくとも1つの熱交換ユニット、と連通しており、次いで、一連の設備であって、(a)液体溶剤系内に含まれる吸収されたガス成分を分離および回収し、それによって、液体溶剤系をストリッピングおよび再生し、(b)ストリッピングされた液体溶剤系をそれ自体の沸点にもっていき、それによって、再生プロセスを完了するように、選択され構成された、一連の設備と相互接続している。当業者ならば、適切な設備には、加熱および冷却設備に一般に使用される、凝縮器、相分離器、再生器およびリボイラが含まれ得ることが、分かるであろう。適切な再生器ユニットは、充填型もしくはトレイ型またはスプレー型もしくは膜型ユニットとして構成され得る。本発明の装置の構造は、1つの再生器ユニットあるいは複数の協動するユニットを、含むことができる。リボイラユニットは、当業界で公知の標準リボイラユニットであってもよく、かつ、スチーム、燃焼、電気または他の適切な加熱源によって操作可能であってもよい。
本発明はまた、プロセスであって、除去されるべき少なくとも1つのガス成分を含むガス流を、上記多区分化された吸収器を通して流すことによって、化学プロセスおよび/または燃焼プロセスから発せられるガス流から、少なくとも1つの選択されたガス成分を除去するためのプロセスと、ガス流が上記吸収器の中を上方へ流れている間に、順次、一連の温度調整を吸収液溶剤系に対して行うことを通して、上記ガス成分を吸収および/または隔離する、および/または該成分と化学反応するように構成された温度操作可能かつ温度制御可能なリーン吸収液溶剤系に、ガス流を混合および接触させるためのプロセスと、を提供する。当業者ならば、リーン吸収液とは、選択されたガス成分と化学反応するおよび/または該ガス成分を隔離および/または吸収するように選択された少なくとも1つの化学物質を含む吸収液であるが、実際には、この特定のガス成分を殆ど含んでいないこと、ならびに、リッチ化された吸収液とは、ガス流から除去された選択されたガス成分で飽和されている吸収液溶剤であることが、分かるであろう。吸収液は、例えば、動力学的エンハンサ、腐食防止剤、消泡剤、脱酸素剤、抗劣化剤、塩中和剤、防汚剤および他の選択された添加剤などの添加剤を、更に任意に含むことができる。当業者ならばまた、「スクラビング」という用語は、上記ガス成分と化学反応するおよび/または上記ガス成分を隔離および/または吸収するように構成された吸収液によって、選択されたガス成分と化学反応することおよび/または該ガス成分を隔離および/または吸収することを説明するために使用され得ること、ならびに、「処理済みの」という用語は、ガス流であって、このガス流から上記ガス成分が、化学反応および/または隔離および/または吸収する目的のために構成された吸収液と、化学反応するおよび/または該吸収液で隔離および/または吸収されることによって除去された、ガス流のことを説明するために使用され得ることも、分かるであろう。「スクラビングされた」という用語は、ガス流から吸収液によって除去された上記ガス成分のことを説明するために使用され得る。
本プロセスは、ガス流を複数の順次隣接する区分が設けられた吸収器を通して流すことであって、流入してくるガス流が、区分内および複数の区分全体にわたって介在する温度操作可能かつ温度制御可能な吸収液溶剤系と混合され、それによって、ガス流内に存在するガス成分が、ガス流が吸収器の順次隣接する区分を通って流れるにつれて、吸収液溶剤系によって漸次スクラビングされる、ことを含む。ガス流が、多区分化された吸収器を通って流れるのと同時に、温度操作可能かつ温度制御可能な吸収液は、吸収器の各区分を、ガス流の流れに逆らって対向または交差して流れる。吸収器内への配管設備の流入ポイントに配置された流体分散装置が吸収液を薄膜内に分散または、流体分散装置に敷かれた充填剤の上または近辺に滴下し、その後、吸収液は吸収器の内壁部及びそれに含まれる充填剤の表面に沿ってしたたり落ち、配管設備の流出ポイント近辺の流体収集プレートに入る。吸収器を流れるガスは、吸収器の内壁部及びそれに含まれる充填剤の表面に沿ってしたたり落ちてきた吸収液と広い範囲に渡って自由に混合及び相互混合される。特に、吸収液の温度は比較的低い温度に調整され、その後、冷却された吸収液が、吸収器の第1の区分の頂部に送出および流入される。冷却された吸収液は、次いで、第1の区分をガス流の上昇流に逆らって下向きに流れ、それによって上記ガス流と混合および接触し、その結果、ガス成分が吸収液内へスクラビングおよび除去され、ここで、吸収液は部分的に負荷された吸収液になっていると考えられる。スクラビングという局面に加えて、冷却された吸収液をガス流と混合および接触させることにより、吸収液内に熱エネルギーが発生する。加熱された部分的に負荷された吸収液溶剤は、第1の区分の底部から流出し、熱交換ユニットを通過し、上記部分的に負荷された吸収液の温度は、さらに上げられ、その後、加熱および温度操作された部分的に負荷された吸収液は、吸収器の第2の区分の頂部に流入される。温度調整された部分的に負荷された吸収液は、次いで、第2の区分内をガス流の上昇流に逆らって下向きに流れ、それによって、上記ガス流と混合および接触し、その結果、更に、熱が発生し、かつガス成分が吸収液溶剤内へスクラビングおよび除去され、ここで、この吸収液溶剤は加熱された漸次負荷された吸収液溶剤になっていると考えられる。この加熱された漸次負荷された吸収液溶剤は、次いで、第2の区分の底部から流出し、熱交換ユニット内へ流れ込み、この熱交換ユニット内で、上記漸次負荷された吸収液の温度は下げられ、その後、温度操作された漸次負荷された吸収液は、冷却ユニットを流れ、この冷却ユニット内で、上記吸収液の温度は選択された値まで更に冷却され、その後、この冷却および温度調整された漸次負荷された吸収液溶剤は、吸収器の第3の区分の頂部に入る。温度調整された漸次負荷された吸収液は、次いで、吸収器の第3の区分をガス流の上昇流に逆らって下向きに流れ、それによって、上記ガス流と混合および接触し、その結果、更なる熱が発生し、かつガス成分が吸収液内へ更にスクラビングおよび除去され、ここで、この吸収液は加熱された高度に負荷された吸収液になっていると考えられる。加熱された高度に負荷された吸収液溶剤は、次いで、第3の区分の底部から出て熱交換ユニット内へ流れ込み、この熱交換ユニット内で、上記高度に負荷された吸収液溶剤の温度は、冷却され、その後、温度操作され高度に負荷された吸収液は、冷却ユニットを流れ、この冷却ユニット内で、上記吸収液の温度は、調整されて選択された値まで更に冷却され、その後、この冷却されて温度調整された高度に負荷された吸収液溶剤は、吸収器の第4の区分の頂部に流入する。冷却され温度調整された高度に負荷された吸収液は、次いで、吸収器の第4の区分をガス流の上昇流に逆らって下向きに流れ、それによって、上記ガス流が吸収器に入り上方へ流れ始めるにつれて、上記ガス流と混合および接触し、その結果、更に熱が発生し、かつ高度に負荷された吸収液内へガス成分がスクラビングおよび除去され、ここで、この吸収液は、加熱されたリッチ化された吸収液になっていると考えられる。当業者ならば、リッチ化された吸収液とは、ガス流から除去されたガス成分で飽和しているリーン吸収液であることが分かるであろう。この選択されたガス成分を含むガス流は、ガス流が吸収器の第4の、次いで第3の、次いで第2の、次いで第1の区分を通って上方へと流れていくにつれて、ガス成分を漸次ストリッピングされ、一方、リーン吸収液は、吸収液が吸収器の第1の、次いで第2の、次いで第3の、次いで第4の区分を通って下向きに流れていくにつれて、スクラビングされたガス成分を漸次負荷されることに、留意されたい。
吸収器を流れているガス流の更なるスクラビングを提供して、選択されたガス成分をガス流からエネルギー効率良く除去することを確実にするために、更なる区分が順次第3の区分の下に隣接して追加され得ることに、留意されたい。
本発明のプロセスは、吸収器において、従来技術の従来のプロセスのプロファイルとは反対の、逆温度プロファイルを提供する。従来のプロセスの典型的な動作においては、吸収器頂部の温度は、ガス吸収からの熱エネルギー放出により、吸収器底部の温度よりはるかに低い。対照的に、本発明のプロセスは、熱伝達設備を使用することによって、吸収器頂部付近の第2の区分において、吸収器のガス入口端における温度よりも高い温度を提供する。この熱伝達設備の目的は、(a)吸収器の第2の区分のところで部分的に負荷された吸収液溶剤を加熱すること、および(b)吸収液溶剤が吸収器のガス入口端の方へ進むにつれ漸次リッチ化されるにつれて、吸収液溶剤を冷却することである。結果的に、漸次リッチ化された液体溶剤を冷却する間に取り込まれた熱は、吸収器の底部から出ていくリッチ吸収液溶剤を加熱するために使用される。漸次リッチ化された吸収液溶剤の吸収能力は、吸収器に再び入るリッチ化された液体溶剤の温度を制御するための熱伝達設備と協動する、ピンチ冷却器の使用によって、増大される。
多区分化された吸収器および配管設備に加えて、本発明はまた、加熱されたリッチ化され吸収液から、選択されたガス成分を回収するためのプロセスをも提供する。加熱されリッチ化された液体は、再生器に供給され、再生器の底部においてリボイラユニットから抜き出される高温のリーン吸収液の流れと、再生器の頂部を出ていく高温の蒸気混合物の流れと、を提供するように処理される。高温蒸気流内の廃熱エネルギーは、熱回収用凝縮器によって回収されて、リボイラユニットに送出される加熱された凝縮物の流れを生成し、リボイラユニットにおいて、この回収された熱エネルギーは液体再生のために利用され、このようにして、吸収プロセスのエネルギー消費量を低減させる。
本発明は、吸収器の頂部からガス出口を通ってガス流となって出ていく、水および吸収液の損失を低減させるためのプロセスを提供する。このプロセスは、2ステップの水バランス制御を伴い、第1のステップは、リーン冷却器からの低温のリーン吸収液を使用して処理済みガスの温度を下げ、水および吸収液の蒸気を静める。第2のステップの水制御は、ガス流が本発明の装置から出る前に最終の蒸気損失を低減するために、低温で動作される処理済みガス凝縮器を使用する。
本発明の熱回収ガス吸収装置の例示的な実施形態が、添付の図1に示されており、この実施形態は、吸収器20の底部付近のガス入口25と、吸収器20の頂部のガス出口26と、複数の順次積み重ねられた第1の区分21、第2の区分22、第3の区分23および第4の区分24と、を有して構成された、沿直方向を向いた吸収器20を含み、上記区分は、出口26と入口25との間に順次配置されている。少なくとも1つのガス成分(例えば、CO)を含むプロセスガス流または排ガス流100が、入口25から吸収器20に入り、区分24、23、22および21を通って上方へ向って流れ、次いで、出口26を通って吸収器20を出る。処理済みガスは、次いで、飛沫同伴(すなわち、水蒸気および液体溶剤蒸気)を除去する役割を果たす、処理済みガス凝縮器27を通過する。
この例では、吸収液溶剤系は、例えば、モノエタノールアミン、ジグリコールアミン、ジエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、ピペラジンおよびこれらの混合物などの、単一のまたは混合されたアルカノールアミンを含む水溶液を調製することによって、ガス流からのCOと化学反応する、および/または、該COを隔離および/または同化および/または吸収するように構成され得る。吸収液溶剤系は、リボイラ95内で沸騰するまで加熱される。この沸騰は、吸収液溶剤系のアルカノールアミン組成に依存して、105°C〜125°Cの範囲の温度で生じ得る。上記沸点での吸収液溶剤系は、それ自体のCO含有量が低くなるため、「リーン」吸収液であると考えられる。リーン吸収液は、リーン−液体ポンプ51によってリボイラ95から管路110へと抜き出される。次いで、リーン吸収液は、第1に、リーン−リッチ熱交換ユニット34の高温側を通して移送され、ここで、上記熱交換ユニット34(以下に更に詳細に説明する)の低温側を通過するリッチ化された吸収液にリーン吸収液の熱が伝達されることにより、リーン吸収液の温度が下げられ、次いで、第2に、第1の熱回収熱交換ユニット31の高温側を通過し、ここで、上記熱交換ユニット31の低温側を通過する部分的に負荷された吸収液にリーン吸収液の熱が伝達されることにより、リーン吸収液の温度が更に下げられ、第3に、冷却ユニット41を通り、ここで、リーン吸収液の温度は、30°C〜40°Cの範囲の最終温度まで更に下げられ、その後、リーン吸収液は、吸収器20の第1の区分21の頂部に入る。このような温度は、出口26を通って吸収器を出ていく処理済みのガス流から、水蒸気と液体溶剤蒸気との飛沫同伴を除去するように、設定される。
リーン吸収液は、次いで、上方へ流れるガス流に逆らって下向きに対向または交差して流れ、かつ該ガス流と混合および接触し、それによって、COを吸収し、かつ、吸収液内に備わっている1つまたは複数のアルカノールアミンとCOが発熱反応することによって発生した熱を保持する。加熱および部分的に負荷された吸収液は、第1の区分21の底部から出て管路111に入り、この管路111が第1の熱回収熱交換ユニット31の低温側の中を通り、ここで、熱が、上記熱交換ユニット31の高温側を通過しているリーン吸収液から、部分的に負荷された吸収液へ伝達され、それによって、部分的に負荷された吸収液を、40°C〜70°Cの範囲の選択された温度に更に加熱する。この高温の部分的に負荷された吸収液は、管路112を経由して熱交換ユニット31を出る。部分的に負荷された吸収液の温度は、管路112内で更に調整され得るが、これは、リーン−リッチ熱交換ユニット34から出ていくリーン吸収液の一部を、三方弁すなわちスプリッタ35を介して管路113内へと制御可能に迂回させ、その結果、迂回されたリーン吸収液が、高温の部分的に負荷された吸収液と管路112内で混合できるようにすることによって、行われる。部分的に負荷された吸収液をリーン吸収液と混合することの重要な結果は、高温の部分的に負荷された吸収液のCOに対する吸収能力が、吸収器20の第2の区分22の頂部に入る前に増大されることである。
この高温の部分的に負荷された吸収液は、次いで、上方へ流れるガス流に逆らって下向きに対向または交差して流れ、かつ該ガス流と混合および接触し、それによって、更に、COを吸収し、かつCOと吸収液との間の発熱反応によって放出された熱を保持する。漸次加熱され漸次負荷された吸収液は、第2の区分22の底部から出て管路121を通り、この管路121が第2の熱回収熱交換ユニット32の高温側に入り、ここで、熱が、加熱された漸次負荷された吸収液から、上記熱回収熱交換ユニット32の低温側を通過しているリッチ化された吸収液へと伝達され、それによって、上記漸次負荷された吸収液を冷却し、この漸次負荷された吸収液は、次いで、熱交換ユニット32の高温側を出て管路122に入り、次いで、第1のピンチ冷却ユニット42を通過して、この漸次負荷された吸収液を、30°C〜40°Cの範囲から選択された温度まで更に冷却する。冷却され漸次負荷された液体溶剤は、次いで、吸収器20の第3の区23の頂部に流入する。
冷却され漸次負荷された吸収液は、次いで、上方へ流れるガス流に逆らって下向きに対向または交差して流れ、かつ該ガス流と混合および接触し、それによって、更に、COを吸収し、かつCOと吸収液との間の発熱反応によって放出された熱を保持する。この加熱され高度に負荷された液体溶剤は、第3の区分23の底部から出て管路131を通り、この管路131が第3の熱回収熱交換ユニット33の高温側に入り、ここで、熱が、この加熱され高度に負荷された吸収液から伝達され、それによって、上記高度に負荷された吸収液を冷却し、この高度に負荷された吸収液は、次いで、熱交換ユニット33を出て管路132に入り、次いで、第2のピンチ冷却ユニット43を通過し、この高度に負荷された吸収液を20°C〜40°Cの範囲から選択された温度まで更に冷却する。冷却された高度に負荷された液体溶剤は、次いで、吸収器20の第4の区分24の頂部に入る。
冷却された高度に負荷された吸収液は、次いで、流入してくる上方へ流れるガス流に逆らって下向きに対向または交差して流れ、かつ該ガス流と混合および接触し、それによって、更に、COを吸収し、かつCOと吸収液との間の発熱反応によって放出された熱を保持し、それによって、加熱されたリッチ吸収液になる。この加熱されたリッチ吸収液は、リッチ液体ポンプ52によって管路140を介して吸収器20の底部から抜き出され、このリッチ液体ポンプ52が、第3の熱交換ユニット33の低温側へCOリッチ液体を移送し、ここで、加熱されたCOリッチ液体は、加熱され高度に負荷された吸収液によって、更に加熱され、第3の熱交換ユニット33を出て管路141に入り、この管路141が第2の熱交換ユニット32の低温側に入り、ここで、COリッチ液体は、加熱され漸次負荷された吸収液によって、更に加熱され、第2の熱交換ユニット32を出て管路142に入り、この管路142がリーン−リッチ交換ユニット34に入り、ここで、管路110内の高温のリーン吸収液から、更に多くの熱がリッチ吸収液に伝達される。COリッチ吸収液が、最初に、第3の熱交換ユニット33を、2番目に、第2の熱交換ユニット32を、3番目に、リーン−リッチ熱交換ユニット34を通過するにつれて、漸次加熱されていくにつれ、リッチ吸収液内に含まれるいくらかのCOは、「ストリッピング」され、すなわち、吸収液から放出されて気相へ戻り、したがって、2相の流体を形成する。
2相のCOリッチ流体流は、次いで、管路143を介してリーン−リッチ熱交換ユニット34を出て、相分離器60に送出され、ここで、熱交換ユニット33、32および34を順次通過する間にリッチ液体からストリッピングされたガスCOは分離および抽出されて、管路145を通って更なる処理、貯蔵または利用のために出ていき、その一方で、低減されたCO含有量を有するリッチ吸収液は、管路150を通って、再生器65の還流区分66の真下の区分へと移送される。リッチ吸収液は、次いで、スチーム蒸気であって、リボイラ95から発生し、かつ吸収されたCOをこの吸収液から更にストリッピングし、それによって、吸収液をますます「よりリーンに」する役割を果たす、スチーム蒸気の上昇流に逆らって、再生器65を通って下向きに進む。よりリーンな吸収液は、再生器65から管路152を通ってリボイラユニット95に移送される。ストリッピングされたCOと水蒸気とを含むガス流は、再生器65の上端部から管路151を通って出る。水蒸気は、まず、熱回収用凝縮器70の高温側を通って、次いで、第2に、還流凝縮器75を通って移送されることにより、2段階で凝縮される。このような2段階凝縮により2相の流体のスチームが生成され、次いで、このスチームが相分離器80を通って流され、次いで、この相分離器80から、高純度のCOガス流が、更なる処理、貯蔵または利用のために、管路155を通って除去される。
相分離器80内の凝縮物は、復水ポンプ85によって管路160を介して抜き出され、三方弁すなわちスプリッタ90によって2つの流れに分けられる。第1の流れは、管路161によって熱回収用凝縮器70の低温側に送出され、ここで、再生器65の還流区分66を出る高温蒸気流から除去された熱によって、著しく加熱される。加熱された凝縮物は、次いで、管路162を通ってリボイラユニット95に送出され、ここで、熱回収用凝縮器から回収された熱エネルギーが、吸収液を加熱し再生するために利用される。凝縮物の第2の流れは、管路165を通って再生器65の還流区分66の頂部へと送出される。
再生器65を出た高温蒸気流から熱回収用凝縮器70によって回収され、続いて、管路162によってリボイラユニット95に送出される熱は、結果として、吸収液をそれ自体の沸点にもっていくためにリボイラユニット95が必要とする、管路175を通る加熱媒体の量を削減し、それによって、エネルギー消費量をより少なくし、その一方で、COストリッピングおよび液体再生の性能を最大にする。再生されたすなわちリーンな吸収液は、次いで、管路110を通って再利用されて吸収器20に戻され、管路100を介して吸収器20に入ってくるガス流から、連続してCOのスクラビングを行う。リボイラユニット95内で発生した高温の蒸気流は、管路170を通って再生器65の底部に移送され、リッチ吸収液の下降流に逆らって上方へ流れて、リッチ吸収液からCOをストリッピングする。
要約すると、図1に示されかつ本願明細書において説明される例示的な実施形態を参照すると、管路100を介して吸収器20に送出されるガス流内に存在するCOは、ガス流が順次、区分24、23、22および21を通って上方へ流れるにつれて、ガス流から漸次スクラビングされる。区分21では、吸収液の比較的低い温度が処理済みのガスの温度を制御する結果、処理済みのガスと共に吸収器を出る可能性のあった水蒸気および液体溶剤蒸気の飛沫同伴が除去されるようになる。低減された濃度のCOを含む処理済みのガス流は、出口26を通って吸収器20を出る。この処理済みのガス流は、次いで、水蒸気および液体溶剤蒸気の飛沫同伴を更に除去する役割を果たす、処理済みガス凝縮器27を通過し、その後、蒸気を排除されたガス流は、管路101を通って機器から放出される。吸収器20を通るガス流の上昇流に対向または交差する状態で、リーン吸収液は吸収器20の頂部に導入され、その結果、吸収器20の区分21、22、23および24のそれぞれにおいて、ガス流に逆らって下向きに流れ、かつ繰り返し、ガス流と混合および接触する。本発明の装置は、吸収液が、各区分の頂部に入り底部から出るように構成されており、その結果、吸収液溶剤の温度が、図2に示すように、吸収器20の各区分間で正確に操作および調整され得ることができ、その結果、溶剤再生のために必要なエネルギーを低減しつつ、ガス流からCOを最適かつ最大限にスクラビングできるようになっている。
図2を参照すると、吸収器20の第1の区分21(図1に例示)内のリーン吸収液の温度プロファイル221は、供給液体の温度210が、流出する部分的に負荷された液体の温度211aと比較して、約32°Cから約40°Cへと上昇していることを示し、次いで、流出する部分的に負荷された吸収液を操作および調整して、該吸収液の温度211bを約70°Cに上昇させていることを示す。吸収器20の第2の区分22(図1に例示)内の部分的に負荷された吸収液の温度プロファイル222は、流入する部分的に負荷された吸収液の温度221が、流出する漸次負荷された吸収液の温度222aと比較して、約70°Cから80°Cへと上昇していることを示し、次いで、流出する漸次負荷された液体溶剤を操作および調整して、該溶剤の温度222bを約35°Cに下げていることを示す。吸収器20の第3の区分23(図1に例示)内の漸次負荷された液体溶剤の温度プロファイル223は、流入する低温の漸次負荷された吸収液の温度231が、流出する負荷された吸収液の温度232aと比較して、約35°Cから約52°Cへ上昇していることを示し、次いで、流出する高度に負荷された吸収液を操作および調整して、該吸収液の温度232bを更に約25°Cまで下げていることを示す。吸収器20の第4の区分24(図1に例示)内の高度に負荷された吸収液の温度プロファイル224は、流入する高度に負荷された吸収液の温度241が、流出するリッチ化された吸収液の温度242と比較して、該吸収液がリッチポンプ52(図1に示す)によって吸収器20の底部から除去される前に、約25°Cから約33°Cへと上昇していることを示す。リッチ化された吸収液は、熱交換器ユニット33、32および34によって、順次加熱され、次いで、再生器65に導入され、ここで、吸収されたガス成分が、吸収液からストリッピングされる。リーン吸収液は、リボイラユニット95を通って再生プロセスを離れ、高温の蒸気混合物の流れは、再生器65の頂部から出る。高温蒸気流内の廃熱エネルギーの大部分は、熱回収用凝縮器70によって回収されて、リボイラユニット95に送出される加熱された凝縮物の流れを生成し、リボイラユニット95において、回収された熱エネルギーは、液体再生のために利用される。
図3は、本願明細書において説明するように構成および動作される吸収器の、典型的なマッケーブ‐シーレ線図を示す。気相の特定のガス成分の濃度(ガス成分の分圧と呼ばれる)と吸収液内の上記ガス成分の濃度(ガス成分の液体モル分率と呼ばれる)との関係が、線300と311とによって表されている。線300は、動作曲線として当業者に一般に知られており、ガス成分の分圧と実際に吸収器に充満している該ガス成分の液体モル分率との関係を例示している。線311は、平衡曲線として当業者に一般に知られており、ガス成分の上記液体モル分率と平衡状態にあるガス成分の分圧を表している。ガス吸収操作において、ガス流から吸収液へガス成分の移送を容易にするためには、動作曲線は、平衡曲線より上になければならない。この動作曲線により、ガス成分の分圧は、液体モル分率が増加するにつれて増加することが示されていることに、留意されたい。典型的なガス吸収プロセスにおいては、平衡曲線におけるガス成分の分圧もまた、液体モル分率と共に増加する。しかし、ガス成分の平衡分圧は、ガス成分の操作分圧と比較して、遥かに高い割合で増加する。この結果、動作曲線と平衡曲線との交差が早期に生じ、したがって、ガス吸収能力を制限することになる。本発明では、吸収器を通過している吸収液の温度が、ピンチ冷却器によって操作および制御されており、それによって、動作曲線と平衡曲線との早期の交差を防止し、その代わりに、2本の線の間に305、306および307として示されるピンチ領域を確立し、それによって、ガス吸収能力を著しく高めている。
本実施形態の更なる例示的な実施形態は、吸収塔の底部付近のプロセスガス入口と吸収塔の頂部の処理済みプロセスガス出口との間に配置された、複数の鉛直に順次積み重ねられた区分を有して構成された、鉛直方向を向いた吸収塔の形の吸収器を提供する。これらの複数の区分は、当業者に公知であるランダム型パッキングまたは構造型パッキングで任意に充填され得る。あるいは、吸収器は、トレイ型吸収器、スプレー型吸収器および膜ガス吸収器などに例示される、当業者に公知である他のタイプのガス−液体接触装置を含んでよい。さらに、複数の異なるタイプの吸収器を順番に構成し、個々の吸収器が、本願明細書において開示する吸収器の個々の区分を提供するようにすることは、本発明の範囲内である。
要約すると、この例において例示する本発明の装置は、(1)再生されたリーン吸収液をリボイラユニットから吸収器へ運ぶ間に、再生されたリーン吸収液から熱を回収し、この回収された熱を、(a)部分的に負荷された吸収液が吸収器の第1の区分(すなわち、処理済みのガス流のための吸収器の出口に隣接する区分)から出た後に、この部分的に負荷された吸収液の温度を加熱および調整して、その結果、吸収器の第2の区分における吸収効率を改善するために、および(b)下流での吸収液の相分離および再生の前に、吸収器の底部から出てくるリッチ吸収液を更に加熱するために、使用することと、(2)漸次負荷された吸収液が吸収器の第2の区分および第3の区分から出た後に、この漸次負荷された吸収液から熱を回収して、(a)漸次負荷された吸収液を正確に冷却および調整して、この漸次負荷された吸収液のCO吸収能力および効率を更に増大し、かつ(b)リッチ吸収液が、吸収器から下流の相分離プロセスおよび液体再生プロセスに運ばれていく際に、リッチ吸収液を繰り返し加熱するために、回収された熱を使用することと、(3)再生器の頂部から出ていく高温蒸気流から熱を回収して、(a)還流凝縮器の下流に位置づけられた相分離器から抜き出された凝縮物を加熱し、かつ(b)リボイラ内での液体再生のために、回収された熱をリサイクルすることと、(4)処理済みのガス流と共に吸収器を出る可能性のあった水蒸気および液体溶剤蒸気の飛沫同伴を、処理済みガス凝縮器を用いて、低減させることと、を目的とする手段であって、それによって、ガス流からCOを除去するための、熱保持効率およびリサイクルエネルギー効率の極めて高いプロセスを提供する、手段を提供するように構成される。
本発明は、選択されたガス成分をプロセスガス流または排出ガス流から除去および回収する間に、高いガス吸収性能を達成しつつ廃熱を最小にするための、本発明の装置を動作するためのプロセスを提供する。吸収器は、2つのモード、すなわち(a)吸収器の前端で熱力学的に駆動される物質移動(すなわち、ガス流が吸収器に入る)、および(b)吸収器の後端で動力学的に駆動される物質移動(すなわち、ガス流が吸収器を出る)の2つのモードで動作される。動力学的に駆動される物質移動は、吸収器の第2の区分(すなわち、吸収器からのガス流出口に隣接する第1の区分の次の区分)において、高温の適切に構成されたリーン吸収液溶剤系を用いてガス吸収を行うことによって容易になる。熱力学的に駆動される物質移動は、低温の比較的高いガス含有量を有する溶液を用いてガス吸収を行うことによって、容易になる。ガス流からガス成分を除去するために使用される従来技術のプロセスでの吸収液溶剤系の温度プロファイルに対し、本発明のプロセスは、逆温度プロファイルを提供する。従来のプロセスの典型的な動作では、吸収器の後端の温度は、液体溶剤系によってガス成分が吸収される間に発熱反応による熱エネルギー放出があるために、吸収器の前端の温度よりも遥かに低い。対照的に、本発明のプロセスは、吸収器の前端で提供される低い温度と比較して、吸収器の後端において、より高い温度を提供する。
ある石炭火力発電所では、モノエタノールアミン(MEA)の30%水溶液を備えるガス吸収ユニットを使用して、95%の除去効率で燃焼煙道ガスからCOを除去する。煙道ガスは、5,000,000のm/日の速度で生成され、16.2%のCO(1,400トン/日)を含む。吸収器に入る煙道ガスの温度は、40°Cである。吸収器圧力は、1気圧である。リボイラ温度は、116°Cである。
企業内プロセスシミュレータを使用して、(a)本発明による装置、方法およびプロセス構造を使用した、CO吸収の動作のシミュレーションと、(b)上記動作と従来技術のシステムの動作との比較と、を行った。表1は、シミュレーション結果を示し、従来のプロセスおよび他のプロセスと比較して、本発明は、吸収器の底部においてリッチ吸収液のより低い温度を提供し、したがって、リッチ‐ピンチ操作を容易にし、それによって、よりCO負荷の高いリッチ吸収液を達成し、かつ吸収液の循環率を低減させることを、示している。加えて、本発明はまた、従来技術におけるよりも、再生器に入る前に、より高い%のCOフラッシングを提供し、それによって、溶剤再生のために使用されるエネルギーを節約する。ケースA(すなわち本発明)およびケースB(すなわち本発明)は、結果として、従来のプロセスと比較して、54%および56%のエネルギー節約になり、その一方で、米国特許第6800120B1号(「分流プロセス」システム)および国際公開第04/073838号のプロセスによって開示されている従来技術のシステムは、それぞれ、35%および42%のエネルギー節約をもたらしている。
Figure 2009531163
本発明を特定の説明的実施形態に関して記載し、明示しているが、これらの実施形態は本発明を明確に説明するためのものであって、本発明を限定的に記載したものではない。
本発明の一実施形態を例示する概略図である。 本発明の多区分化された吸収器を通過する吸収液の温度プロファイルを例示するグラフである。 吸収器の動作曲線および平衡曲線に対する温度操作の影響を例示するグラフである。

Claims (43)

  1. 少なくとも1つの選択されたガス成分をガス流から除去および回収するための装置であって、
    ガス流を内部に流すための複数の順次隣接する区分を有して構成されており、前記ガス流のための、一端における入口と対向する端部における出口とが設けられている吸収器と;
    吸収液溶剤系を運ぶために設けられ、前記ガス流から、選択されたガス成分を吸収液溶剤系の中に除去、同化および蓄積するように構成されており、前記吸収器の各区分と連通するように構成されて、向流および交差流を含む群から選択されたパターンで、前記ガス流に逆らって前記溶剤系を前記吸収器の各区分の中に流し、一区分が、前記吸収器の各区分の底部から出て前記吸収器の隣接する区分の頂部に入る導管設備と;
    前記吸収器の各区分の底部から出て前記吸収器の隣接する区分の頂部に入る導管設備の各区分の間に配置されており、前記導管設備の前記区分内に運ばれた前記吸収液溶剤系の温度を制御可能に操作および調整するように構成された第1の複数の機器と;
    前記導管設備と連通および協動するように構成されており、(a)前記液体溶剤系から前記吸収および蓄積されたガス成分を除去および回収することと、(b)前記吸収液溶剤系を再生することと、(c)前記再生された吸収液溶剤系を前記吸収器へ再利用することと、(d)前記吸収器へ再利用されている間に、前記液体溶剤系の温度を制御可能に操作および調整することと、を目的とする、第2の複数の機器と;
    を備える装置。
  2. 前記吸収器の前記出口が、前記ガス流をその中に流すための凝縮器と連通している、請求項1の装置。
  3. 相分離器が、前記第1の複数の機器と前記第2の複数の機器との間に配置されている、請求項1の装置。
  4. 前記第2の複数の機器によって回収された前記ガス成分をその中に流すための相分離器が設けられている、請求項1の装置。
  5. 前記導管設備が配管設備である、請求項1の装置。
  6. 前記吸収器が、
    多区分化された方向に延びる吸収塔を有し、この吸収塔は、ガス流をその中を通して受け入れるための前記塔の底部付近のガス入口と、前記ガス流をその中を通して放出するための前記塔の頂部のガス出口とを有しており、前記入口と前記出口との間に配置された複数の順次隣接する区分が設けられており、第1の区分が前記塔の頂部の前記ガス出口と隣接しており、最後の区分が前記塔の底部付近の前記ガス入口と連通している、請求項1の装置。
  7. 前記第1の複数の機器が、前記導管設備を通って前記吸収器の前記第1の区分と第2の区分との間を運ぶ間に、前記溶剤系の温度を制御可能に上昇させるように構成されている、請求項1の装置。
  8. 前記第1の複数の機器が、前記導管設備を通って前記吸収器の後続の複数の区分の間を運ぶ間に、前記溶剤系の温度を制御可能に低下させるように構成されている、請求項1の装置。
  9. 前記第1の複数の機器が、前記吸収器の各区分の底部から出て前記吸収器の隣接する区分の頂部に入る前記導管設備の各区分の間に配置された、少なくとも1つの熱交換ユニットを有する、請求項1の装置。
  10. 前記第1の複数の機器には、前記吸収器の第2の区分と後続の複数の区分との間に配置された各熱交換ユニットと協動するように構成された、少なくとも1つの冷却ユニットが設けられている、請求項8の装置。
  11. 前記少なくとも1つの冷却ユニットが、前記吸収器の前記第2の区分と後続の複数の区分との間に配置された複数の熱交換ユニットと、協動するように構成されている、請求項10の装置。
  12. 前記冷却ユニットがピンチ冷却ユニットである、請求項10の装置。
  13. 前記第2の複数の機器には、前記吸収器の一区分の底部から出て前記吸収器の隣接する区分の頂部に入る前記導管設備と協動するように構成された、少なくとも1つの熱交換ユニットが設けられている、請求項1の装置。
  14. 前記第2の複数の機器が、
    前記吸収および同化されたガス成分をその中に含んでいる前記吸収液溶剤系を、前記ガス成分を含む流れと、部分的に再生された液体溶剤系の流れとに分離する、少なくとも1つの再生器と;
    前記液体溶剤系をその中で加熱および再生するための少なくとも1つのリボイラユニットと;
    前記リボイラユニットと連通しており、前記ガス成分を含む前記流れを内部に流すための少なくとも1つの熱交換ユニットと;
    前記再生された溶剤系の温度を制御可能に低下させるように構成された、少なくとも1つの熱交換ユニットと;
    前記再生された溶剤系の温度を制御可能に低下させてから、吸収器の前記第1の区分に前記吸収液溶剤系を流入するように構成された、少なくとも1つの冷却ユニットと;
    を有する、請求項1の装置。
  15. 前記ガス成分を含む前記流れがスチーム流である、請求項14の装置。
  16. 前記ガス成分を含む前記流れが水蒸気流である、請求項14の装置。
  17. 選択されたガス成分をガス流から除去および回収するためのプロセスであって、
    複数の順次隣接する区分が設けられた吸収器を通って前記ガス流を流し、前記ガス流が、前記吸収器の前端から後端に流れ、かつ前記後端から流出することと;
    前記ガス流を、前記吸収器の各区分内で、向流および交差流を含む群から選択されたパターンでその中を流れる吸収液溶剤系と混合および接触させ、それによって、前記吸収液溶剤系を前記ガス成分でリッチ化することと;
    (a)熱力学的駆動により前記選択されたガス成分を前記吸収液溶剤系内に物質移動させるための、前記吸収器の前記前端における条件、および(b)動力学的駆動により前記選択されたガス成分を前記吸収液溶剤系内に物質移動するための、前記吸収器の前記後端における条件を提供することと;
    前記吸収器の前記前端の区分に提供される温度に対し、前記吸収器の前記後端に隣接した区分においてより高い温度が提供される、前記吸収器内の逆温度プロファイルを提供することと;
    前記吸収液溶剤系から前記ガス成分を回収することと;
    再生器内で前記吸収液溶剤系を再生し、前記再生器がリボイラと協動することと;
    前記吸収液溶剤系を前記吸収器へ再利用することと、
    を含むプロセス。
  18. 前記流出するガス流がスチーム流である、請求項17のプロセス。
  19. 前記流出するガス流が水蒸気流である、請求項17のプロセス。
  20. 前記再生器から流出するガス流から過剰エネルギーを回収することと、前記回収したエネルギーを前記リボイラへ再利用することと、を追加的に含む、請求項17のプロセス。
  21. 前記ガス流が燃焼排ガス流である、請求項17のプロセス。
  22. 前記ガス流がプロセスガス流である、請求項17のプロセス。
  23. 前記吸収器の前記後端から流出する前記ガス流には2段階水バランス制御が提供されており、その第1のステップが、前記吸収器の前記後端で、前記ガス流を、冷却された吸収液溶剤系と混合および接触させることを含み、その第2のステップが、前記ガス流を、前記吸収器と相互接続および連通している凝縮器を通して流すことを含む、請求項17のプロセス。
  24. 前記ガス成分が、CO、HS、SOおよびNOを含む群から選択される、請求項17のプロセス。
  25. 前記動力学的に駆動される物質移動が、(a)前記吸収液溶剤系を、これが前記吸収器の前記後端の第1の区分に流入される前に、制御可能に冷却することと、(b)前記溶剤系を前記第1の区分から流出させ、前記溶剤系を、これが前記吸収器の第2の区分に流入される前に、制御可能に加熱することと、によって提供される、請求項17のプロセス。
  26. 前記溶剤系が、向流および交差流を含む群から選択されたパターンで、前記吸収器の複数の区分を通って、その中を流れる前記ガス流の流れに逆らって前記吸収器の前記後端から前記前端へと次第に順次流れていくにつれて、前記吸収液溶剤系が前記選択されたガス成分で次第にリッチ化される、請求項17のプロセス。
  27. 前記熱力学的に駆動される物質移動が、前記溶剤系を前記吸収器の前記第2の区分から流出させることと、前記溶剤系を、これが前記吸収器の隣接する区分に流入される前に、制御可能に冷却することと、によって提供される、請求項17のプロセス。
  28. 前記熱力学的に駆動される物質移動が、前記吸収器の前記第2の区分に隣接する複数の区分のそれぞれから、前記溶剤系を連続して流出させることと、前記溶剤系を、これが隣接する区分に流入される前に、制御可能に冷却することと、によって、提供される、請求項27のプロセス。
  29. 前記動力学的に駆動される物質移動を提供する前記条件の少なくとも一部が、前記再生された吸収液溶剤系から回収および伝達された熱に由来する、請求項17のプロセス。
  30. 前記熱力学的に駆動される物質移動の間に回収された熱の少なくとも一部が、前記リッチ化された液体溶剤へ伝達される、請求項17のプロセス。
  31. 前記吸収液溶剤系から前記ガス成分を回収する間に発生した熱が、前記溶剤系の再生に使用するために回収される、請求項17のプロセス。
  32. 前記吸収液溶剤系が、前記ガス流の前記ガス成分と化学反応しかつ前記ガス流から前記ガス成分を除去するように選択された少なくとも1つの化学物質を含む、請求項17のプロセス。
  33. 前記吸収液溶剤系が、前記ガス流の前記ガス成分と化学反応しかつ前記ガス流から前記ガス成分を除去するように選択された少なくとも1つの第1の化学物質と、動力学的エンハンサ、腐食防止剤、消泡剤、脱酸素剤、塩中和剤、防汚剤および抗劣化剤を含む群から選択された少なくとも1つの第2の化学物質と、を含む、請求項17のプロセス。
  34. 前記少なくとも1つの化学物質が、モノエタノールアミン、ジグリコールアミン、ジエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、ピペラジン、アンモニア、アミン、アルカノールアミンおよびこれらの誘導体を含む群から選択される、請求項32のプロセス。
  35. 前記少なくとも1つの第1の化学物質が、モノエタノールアミン、ジグリコールアミン、ジエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、ピペラジン、アンモニア、アミン、アルカノールアミンおよびこれらの誘導体を含む群から選択される、請求項33のプロセス。
  36. 選択されたガス成分をガス流から除去および回収するためのプロセスであって、
    複数の順次隣接する区分を設けられた吸収器を通して前記ガス流を流すことと;
    制御可能に冷却されたリーン吸収液溶剤を前記吸収器の最上位の区分に送出し、前記冷却されたリーン吸収液溶剤を向流および交差流を含む群から選択されたパターンで流し、前記冷却されたリーン吸収液溶剤を前記ガス流と混合し、それによって、前記ガス成分の一部を前記ガス流から前記液体溶剤内に除去し、前記最上位の区分の底部から前記液体溶剤を流出し、前記流出された液体溶剤の温度を制御可能に加熱することと;
    前記加熱された液体溶剤を、前記最上位の区分に隣接する前記吸収器の区分の頂部に流入し、前記加熱された液体溶剤を向流および交差流を含む群から選択されたパターンで流し、前記加熱された液体溶剤を前記ガス流と混合し、それによって、前記ガス成分の更なる部分を前記ガス流から除去し、それによって、前記液体溶剤系を前記ガス成分でリッチ化し、前記最上位の区分に隣接する前記区分の底部から前記液体溶剤を流出し、前記流出された液体溶剤の温度を制御可能に冷却することと;
    前記ガス成分を前記リッチ化された液体溶剤系から回収することと;
    前記液体溶剤をリーン吸収液溶剤系に再生することと;
    前記吸収液溶剤系を制御可能に冷却しかつ前記吸収器の前記最上位の区分へ送出することと、
    を含むプロセス。
  37. 前記溶剤系が、向流および交差流を含む群から選択されたパターンで、前記吸収器の前記順次隣接する区分を通って、その中を流れる前記ガス流の流れに逆らって次第に流れていくにつれ、前記吸収液溶剤系が、前記選択されたガス成分で次第にリッチ化される、請求項36のプロセス。
  38. 前記吸収液溶剤系からの前記ガス成分の回収を促進するために、熱が、前記吸収器内における前記熱力学的に駆動される物質移動の間に回収される、請求項36のプロセス。
  39. 前記ガス流から前記ガス成分を回収する間に発生する熱が、前記リッチ化された吸収液溶剤系の再生に使用するために回収される、請求項36のプロセス。
  40. 前記リーン吸収液溶剤から回収された熱が、前記吸収器の前記最上位の区分の底部から流出する前記吸収液溶剤に伝達される、請求項36のプロセス。
  41. 前記ガス成分が、CO、HS、SOおよびNOを含む群から選択され、前記ガス流が、燃焼排ガス流およびプロセスガス流を含む群から選択される、請求項36のプロセス。
  42. 前記吸収液溶剤が、モノエタノールアミン、ジグリコールアミン、ジエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、ピペラジン、アンモニア、アミン、アルカノールアミンおよびこれらの誘導体を含む群から選択された、少なくとも1つの化学物質を含む、請求項41のプロセス。
  43. 前記吸収液溶剤が、動力学的エンハンサ、腐食防止剤、消泡剤、脱酸素剤、塩中和剤、防汚剤および抗劣化剤を含む群から選択された少なくとも1つの化学物質を追加的に含む、請求項42のプロセス。
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