JP2009526915A - 繊維ウェブ機における化学物質又は化合物の供給方法及びその方法を実行するための装置 - Google Patents

Abstract

本発明は、繊維ウェブ機における化学物質又は化合物（Ｌ）の供給方法に関する。その方法において、その化学物質又は化合物（Ｌ）は、少なくとも二つの移送ポンプ（１、４）を経て共通の供給ライン（１１）に供給され、それを通してその化学物質又は化合物（Ｌ）は、その繊維ウェブ機の操作装置（１２）に供給される。移送ポンプ（１、４）のそれぞれは、対応する電動アクチュエータ（２、５）を有する。その方法において、電動アクチュエータ（２、５）のそれぞれは、対応する制御ドライブ（３、６）を備え、その繊維ウェブ機は、少なくとも第一及び第二アクチュエータ（２、５）の位相角を判定するための測定装置（８、８ａ、８ｂ）を備え、その判定された位相角情報に基づく制御信号が形成され、かつ、第一制御ドライブ（３）に伝えられ、その制御信号に基づいて、第一及び第二アクチュエータ（２、５）の間の差は、要望通りとなるように調節される。第一及び第二制御ドライブ（３、６）の間で、第一及び第二アクチュエータ（２、５）の位相角の間の差を要望通りに維持するための電気的同期信号が形成される。

Description

本発明は、繊維ウェブ機における化学物質又は化合物の供給方法に関し、その方法において、その化学物質又は化合物は、少なくとも二つのディスプレイスメント（移送）ポンプを通って共通の供給ラインに供給され、それを通じてその化学物質又は化合物は、その繊維ウェブ機の操作装置に供給され、また、そこで、各移送ポンプは、対応する電動アクチュエータを有する。

これに加えて、本発明はまた、繊維ウェブ機において化学物質又は化合物を供給するための装置に関し、その装置は、二つの移送ポンプを有し、それによってその化学物質又は化合物を共通の供給ラインに供給でき、それを通じてその化学物質又は化合物をその繊維ウェブ機の操作装置に供給でき、また、そこで、各移送ポンプは、対応する電動アクチュエータを有する。

その繊維ウェブ機の一部は、例えば、抄紙機において、化学物質若しくは化合物又は同様のマス（密集体）を加工するシステムであるので、それは、その供給システムを通して固有の繊維ウェブ加工機に接続される。コーティング機の場合、その供給システムは、例えば、紙コーティング機に接続される機械サイクルであり、その塗料（化合物）は、例えば、カーテンコーター（例えば、スプレー、ブレード及びローラーコーティング装置を含む。）のような塗布器を用いて、その紙の表面に塗布される。その塗料は、例えば、一以上の移送ポンプを用いて、タンクからそのフィードチャネル（その後、そのコーターに接続される。）にそれを給送することによって、そのコーティング機に供給される。

二以上のポンプを通して同じプロセスコネクションに供給されたプロセス流体に関する場合、問題は、それら移送ポンプによるその流体の拍動ポンピングから生じる。これは、そのプロセス流速における圧力パルス、及び、その流量における揺らぎを生み出す。このことが、二つのポンプを経てそのコーティング機に供給される塗料の量における好ましくない変動をもたらし、更には、その紙の表面の品質の悪化をもたらすということは、一例として言及され得る。

問題のある別の分野は、例えば、化学物質の交換又は停電のようなプロセス条件における変化であり、それに関連して、二以上のポンプの正確な再同期は、かなり困難である。

本発明の目的は、方法及び装置であり、それらを用いることで、上述の不利点が少なくとも実質的に軽減し得るという方法及び装置を提供することである。その目的は、そのプロセスにおけるプロセス流体のよりコンスタント（一定）なフロー出力を実現させることであり、そこでは、移送ポンプによってもたらされる圧力サイクルは、その共通のプロセスにおいて、実質的な圧力変動、又は、流速における凹凸を生じさせない。本発明の別の目的は、プロセス条件における変化に迅速且つ容易に適応する方法及び装置を提供することである。

上述の目的を達成するために、本発明に従った方法は、各電動アクチュエータが、対応する制御ドライブを備え、その繊維ウェブ機が、少なくともその第一及び第二電動アクチュエータの位相角を判定するための測定装置を備え、その判定された位相角情報に基づく制御信号が形成されてその第一制御ドライブに伝えられ、その制御信号に基づいて、その第一及び第二電動アクチュエータの間の差が要望通りとなるように調節され、また、その第一及び第二制御ドライブの間で、その第一及び第二電動アクチュエータの間の差を要望通りに維持するための電気的な同期信号が形成されることを特徴とする。

更に、上述の目的を達成するために、本発明に従った方法を実行する装置は、各電動アクチュエータが、対応する制御ドライブを備え、その繊維ウェブ機が測定装置を備え、それを用いて、少なくともその第一及び第二アクチュエータの位相角を判定可能であり、データ伝送手段によって、その判定された位相角情報に基づく制御信号をその第一制御ドライブに伝送可能であり、それによってその第一及び第二電動アクチュエータの間の位相角における差が要望通りとなるように調節可能であり、また、その第一及び第二制御ドライブの間に、その第一及び第二電動アクチュエータの位相角の間の差を要望通りに維持するための電気的な同期信号を形成するためのデータ伝送手段が配置されることを特徴とする。

本発明の好適な実施例は、添付の従属項において開示される。

本発明は、以下において、添付図面を参照しながら、より詳細に説明される。

図１は、本発明に従った方法を実行する装置配置の一実施例を図示する。その図は、主に、発明力のある着想を例証するために必要な特徴を示す。図１は、ペーパーウェブＷの表面に塗布される塗料Ｌが、参照数字１２でマークされるコーターに給送されるところの配置を示す。

この配置は、塗料Ｌが入っているタンクＴを含む。タンクＴは、二つのフィーダライン又はチャネル９及び１０に接続される。フィーダライン９は、対応する移送ポンプ１を備え、また、フィーダライン１０は、対応する移送ポンプ４を備える。それらポンプの後で、フィーダライン９及び１０は、コーター１２に接続される共通の供給ライン１１と一緒になる。このように、ポンプ１及び４は、並列に接続される。代替的に、三以上のポンプがあってもよく、それにより、フィーダラインも、例えば、共通の供給ライン１１に結合される３又は４本のものであってもよい。それら移送ポンプは、例えば、スクリューポンプ又はホースポンプである。

ポンプ１は、例えば、速度制御型モータドライブ及びインバータ又はサーボのような、対応する電動アクチュエータを備える。同じように、ポンプ４は、それ自身に対応する電動アクチュエータ５を備える。

第一電動アクチュエータ２と連結して第一制御ドライブ３が配置され、それは例えば、周波数変更器、又は、アクチュエータ２の位相角速度を制御するためのサーボであってもよい。同じように、第二制御ドライブ６は、第二電気的アクチュエータ５と連結して配置される。

その機械サイクルにおける適切な地点に、測定装置８が配置される。この場合、その測定装置は、共通の供給ライン１１と連結して配置される圧力センサであり、その圧力センサは、そのフィーダライン内で変化する圧力パルスを測定する。なお、その圧力パルスは、塗料Ｌをフィーダライン１１に給送するときにポンプ１及び４によってもたらされる。代替的に、その測定装置は、フィーダライン１１における振動の強さ、並びに、その振動の周波数及び振幅のような、第一及び第二アクチュエータの位相角に相当する他の特性を測定する振動計であってもよい。更に、それらの図に示されない配置において、測定装置８は、上述のタイプの二つのセンサで構成されてもよく、そのうちの第一のものは、フィーダライン９とつないでポンプ１に対する吸い込み側又は送出側に配置され、また、第二のセンサは、フィーダライン１０とつないでポンプ４に対する吸い込み側又は送出側に配置される。

圧力パルスを均一にする好適な方法は、そのポンプの吸い込み側の吸い込み端がその送出側の出力となるべく、或いは、その逆となるべく方向を変えられるようにそのポンプを回転させることである。そのスクリューの回転方向は、同時に変えられる。その均一化による効果は、そのポンプ及びそのスクリューの構造に起因し、そこで、そのポンプの変更された回転方向は、そのパルスを均一化し、また、エアポケットを減少させる。

これに加え、均一化リザーバ（蓄圧器）１８は、ポンプ１及び４に関連して流体圧回路に接続されてもよい。その均一化リザーバは、例えば、共通の供給ライン１１とつないで位置付けられてもよい。

測定データは、好適には電子データ伝送手段７を経て、第一制御ドライブ３（特に、そのプロセッサ）に、すなわち、測定データに基づく制御信号が第一制御ドライブ３のために形成されるところである対応ブロック３ａに伝えられる。プロセッサ３ａは、例えば、圧力データ又は振動データの特性に基づいて、その制御信号を決定してもよい。そのプロセッサは、代替的に、その制御ドライブから切り離された装置であってもよい。その制御信号は、その第一制御ドライブの制御部３に伝えられてもよく、それによって、第一及び第二電動アクチュエータ２及び５の位相角間の差は、要望通りとなるように調節され得る。これは、例えば、データ伝送手段１４を経てその制御信号を第一電動アクチュエータ２に伝えることによって為される。上述のように、位相角間の差は、（特に、それらポンプと操作装置１２との間の）機械サイクルにおけるプロセス流体の圧力（また流量も同じ）の変動ができるだけ良好に均一化されるように、特に調節される。実現し得る最善の位相差間の差は、プロセスに固有のものであり、それ故に、好適には、プロセスに固有となるように決定される。

これに加えて、第一及び第二電動アクチュエータ２及び５の間で、データ伝送手段１６を用いて電気的同期信号が形成される。この同期信号を用いて、第一及び第二電動アクチュエータ２及び５の位相角を要望通りに維持することができ、言い換えれば、上述の調節の後は原則的に一定とされる。

位相角に関する実際の速度命令は、プロセス制御システム１３からやってくる。外部制御信号は、制御システム１３から、例えば、第一制御ドライブ３を経て第二制御ドライブ６に伝送され、或いは、直接的に第二制御ドライブ６に伝送される。この外部制御信号に基づいて、第二電動アクチュエータ５の角速度は、このようにして、要望通りとなるように調節され、それとの関連で、位相角間の差が調節され得る。言い換えれば、この場合、第二電動アクチュエータ５がそのプロセス条件によって要求される速度を決定し、それとの関連で、所望の位相角差を実現させるために第一アクチュエータ２が調節される。

その速度命令に加えて、プロセス制御システム１３は、その位相角の自動シフトの必要性に関する情報、及び、その位相角をシフトさせるための外部制御信号の双方を第一アクチュエータ２に供給する。この目的は、それ故、アクチュエータ２とアクチュエータ５との間の位相角における差を変えることである。そのような位相角のシフトは、例えば、ある化合物を別のものに変えた場合、又は、停電による、若しくは、その機械が再始動されるときの他の理由による停止の後に、必要である。

更に、位相角をシフトさせることは、ポンプのモータのような機械部品の摩耗に起因して必要となる場合がある。この理由による位相角シフトの必要性は、測定装置８によって継続的に監視され、測定装置８は、測定データを与え、必要であれば、それに基づいて位相角がシフトされる。一般的には、プロセス条件のそれぞれによって求められるレベルにまで、位相角間の差が自動的に調節され得るという有利点が、この配置によって実現されると言える。プロセス条件は、典型的には、８〜１２時間間隔で変化し、それは、位相角間の差を自動的に調節することによって、所望のプロセス条件に対する以前よりも迅速な変更が実現され得ることを意味する。それらプロセス条件は、当然のことながら、上述よりもより頻繁に、或いは、より頻度低く変化するものであってもよい。

図２は、第一実施例に加えて、或いは、それの代わりに実行され得る方法を実行する装置の別の実施例を示す。この実施例は、振動又は圧力を測定する代わりに、電動装置２及び５におけるいわゆるゼロパルスを判定するために、外部位置センサ８ａ及び８ｂが用いられるという点で第一のものと異なる。そのゼロパルスは、電動装置２及び５における一つのポイントであり、それと関連して、それが方向を変える各ラウンドにおけるその電動装置の位置（回転角における変化）が決定され得る。それら位置センサは、ポンプ１（４）とギアボックス２ａ（５ａ）との間、又は、モータ２（５）とギアボックス２ａ（５ａ）との間の何れかに位置付けられる。それらパルスに基づいて、両ポンプの位置データがスタートアップ毎に取得される。ポンプ１及び４のゼロパルスは、対応するデータ伝送手段７ａ及び７ｂを経て、制御ドライブ３及び６に伝えられ得る。このデータに基づいて、それらポンプにより生成される圧力サイクルを等しくするために、制御ドライブ３及び６によって、必要な位相角シフトが、電動アクチュエータの何れかに対して行われ得る。

アクチュエータ２及び５によってまとめられる（電気の）流れ、又は、それらのトルクは、第一実施例に従った測定装置８から得られるデータに良好に関連付けられるということが見出されている。従って、モータから得られる流れ又はトルクのデータが第一実施例に従った測定装置８から得られるデータを置き換えるために用いられ得るということが考えられる。

制御ドライブの電気的なゼロパルスは、第三実施例に従って判定可能であり、そこで、それらポンプの互いの機械的な位置は、例えば、供給電圧の遮断の後、或いは、それらポンプの機械部品が新しいものと置き換えられた場合には、不明である。その判定は、それら制御ドライブの内部プログラム又はパラメータによって実行され得る。その場合、例えば、正確な位相角を構築するため、また、位相角間の差を調節するために第一実施例に従った配置が追加的に必要とされる。

本発明は、説明された実施例群のみに限定されるものではなく、プロセス流体又は化合物が取り扱われる繊維ウェブ機の他の部分にも適用され得る。本発明は、例えば、大量の化合物のための一定のプロセス流れが必要とされる、抄紙機又は板紙抄紙機のヘッドボックスで用いられてもよい。実施例の一つには、グラスファイバーを製造するための装置があり、それと共に、製造されるグラスファイバーのための化学物質及び化合物のフィードが配置される。本発明は、請求項の保護範囲内において、開示された実施例及び代表例にそれを限定することなく、様々な方法で実施され得る。

本発明の一実施例に従った方法を実行する装置を図示する。 本発明の別の実施例に従った方法を実行する装置を図示する。

Claims (13)

1. 繊維ウェブ機において化学物質又は化合物を供給するための方法であり、該方法において、前記化学物質又は化合物は、少なくとも二つの移送ポンプを経て共通の供給ラインに供給され、それを通して前記化学物質又は化合物は、前記繊維ウェブ機の操作装置に供給され、また、各移送ポンプは、対応する電動アクチュエータを有し、
   各電動アクチュエータは、対応する制御ドライブを備え、前記繊維ウェブ機は、少なくとも第一及び第二電動アクチュエータの位相角を判定するための測定装置を備え、前記判定が為された位相角情報に基づく制御信号が形成され、かつ、第一制御ドライブに伝えられ、前記制御信号に基づいて、第一及び第二電動アクチュエータの間の差が要望通りとなるように調節され、また、第一及び第二制御ドライブの間で、第一及び第二電動アクチュエータの位相角間の差を要望通りに維持するための電気的な同期信号が形成される、
   ことを特徴とする方法。
2. 外部制御信号は、第二電動アクチュエータの第二制御ドライブに伝えられ、第二電動アクチュエータの角速度は、前記外部制御信号に基づいて、要望通りとなるように調節される、
   請求項１に記載の方法。
3. 前記操作装置は、紙塗工ユニットであり、前記化学物質又は化合物は、紙をコーティングするための塗料である、
   請求項１又は２に記載の方法。
4. 前記化学物質又は化合物は、接着剤、着色接着剤、又は、サイズ剤である、
   請求項１乃至３の何れか一項に記載の方法。
5. 前記測定装置は、共通の供給ラインに位置付けられる圧力センサ及び／又は振動センサである、
   請求項１乃至４の何れか一項に記載の方法。
6. 各電動アクチュエータのゼロパルスは、位置センサである測定装置によって判定される、
   請求項１乃至５の何れか一項に記載の方法。
7. 各制御ドライブの電気的なゼロパルスが判定される、
   請求項１乃至６の何れか一項に記載の方法。
8. 繊維ウェブ機において化学物質又は化合物を供給するための装置であり、該装置は、少なくとも二つの移送ポンプを有し、それらによって、前記化学物質又は化合物は、共通の供給ラインに供給可能であり、それを通して前記化学物質又は化合物は、前記繊維ウェブ機の操作装置に供給可能であり、また、各移送ポンプは、対応する電動アクチュエータを有し、
   各電動アクチュエータは、対応する制御ドライブを備え、前記繊維ウェブ機は、測定装置を備え、それによって、少なくとも第一及び第二電動アクチュエータの位相角が判定可能であり、データ伝送手段によって、前記判定が為された位相角情報に基づく制御信号が第一制御ドライブに伝達可能であり、それによって、第一及び第二電動アクチュエータの間の差が要望通りとなるように調節可能であり、また、第一及び第二制御ドライブの間に、第一及び第二電動アクチュエータの差を要望通りに維持するための電気的な同期信号を形成するためのデータ伝送手段が配置される、
   ことを特徴とする装置。
9. 外部制御信号は、第二電動アクチュエータの第二制御ドライブに伝えられ得、それにより、第二電動アクチュエータの角速度は、要望通りとなるように調節される、
   請求項８に記載の装置。
10. 前記操作装置は、紙塗工ユニットであり、前記化学物質又は化合物は、紙をコーティングするための塗料である、
    請求項８又は９に記載の装置。
11. 前記測定装置は、共通の供給ラインに位置付けられる圧力センサ及び／又は振動センサである、
    請求項８乃至１０の何れか一項に記載の装置。
12. 前記測定装置は、ゼロパルスを判定するために、各電動アクチュエータと共に位置付けられる位置センサである、
    請求項８乃至１１の何れか一項に記載の装置。
13. 各制御ドライブの電気的なゼロパルスが判定され得る、
    請求項８乃至１２の何れか一項に記載の装置。

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