JP2009518778A - 高調波誘導電力を提供する為の装置および方法 - Google Patents

高調波誘導電力を提供する為の装置および方法 Download PDF

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Abstract

高調波誘導電力を提供する為の方法および装置に関するものであり、より具体的には、物品の誘導加熱のために所望量の高周波数高調波のパルスエネルギーを負荷回路に提供する電流パルスを供給する方法および装置に関する。このような電流パルスの形状および/または周波数を制御することによって、ヒーターコイルにより提供される誘導加熱の速度、強度および/または電力を強化するために、そして/または誘導加熱電源の寿命の延長またはコストと複雑性の低減のために、本装置および方法が利用可能である。特に重要なのは、ヒーターコイル中の電流の増大を必要とすることなく、強磁性または他の誘導加熱負荷へと誘導的に送られる電力を大幅に増大させるために、本装置および方法が利用可能である。これにより新たな加熱アプリケーションの可能性が生じ、そして一部の既知のアプリケーションにおいては、消費エネルギーまたは冷却の必要性を低減すること、および/またはヒーターコイルの寿命を延ばすことが可能である。
【選択図】図1

Description

(関連出願)
本出願は、いずれもValery Kaganにより、2003年7月2日に出願された“Apparatus andmethod for InductiveHeating”と題された米国特許出願番号第10/612,272号、および2004年7月2日に出願された”HeatingSystemsand Methods”と題された米国特許出願番号第10/884,851号に対する優先権を主張するものであり、この参照によりその対象物全てが本願に取り入れられるものである。
本発明は高調波誘導電力を提供する為の方法および装置に関するものであり、より具体的には、誘導加熱器コイルに高周波数高調波を提供する電流パルスのエネルギー含量を調節するための電源およびその電源を制御する方法の実施形態に関する。
従来の誘導加熱システムは、共振周波数の正弦波電流をヒーターコイルへと送る共振周波数電源を用いたものである。このようなシステムにおいては、負荷へと送られる加熱力を増すために大電流がヒーターコイルへと送られなければならない。このような大電流の利用により、スイッチング回路における大量の電力損失、コイルの寄生加熱、大型タンクキャパシタの必要性(共振回路を調整するため)、および制御回路の複雑化を含むさまざまな問題が生じている。最も注目すべきは、このようなシステムは、その信号が時間の連続関数である正弦波共振周波数電流を負荷に送るものであるという点である。
所望の誘導加熱速度を提供可能とした、そして/または既知の誘導加熱電源よりも効率的な、柔軟かつ制御可能な誘導加熱システム用電源を提供することが望まれている。このようなシステムは、従来から周知の電源の複雑性、不良およびコスト問題の1つ以上を回避するものであることが望ましい。
一実施例においては、本発明は、物品を誘導加熱するために誘導電力を電源回路から負荷回路へと送る方法を提供するものであり、電源回路が負荷回路へと結合する充電回路を含むことを特徴とし、方法は、負荷回路のインピーダンスパラメータを決定するステップと、充電回路のインピーダンスパラメータを決定するステップと、そして負荷回路および充電回路の決定されたインピーダンスパラメータに基づき、物品の誘導加熱のために所望量の高周波数高調波のパルスエネルギーを負荷回路に提供する電流パルスを負荷回路へと供給するステップとを含む。一実施例においては、パルスエネルギーの50%以上が高周波数高調波であり、より望ましくは90%以上が高周波数高調波である。
電源回路は、充電回路を制御するためのスイッチング装置を含むことが望ましい。方法は、所望の電流パルスを提供するためにスイッチング装置のオン時間(ton)を決定するステップを含む。方法はさらに所望の電流パルスを提供するためにスイッチング装置のオフ時間(toff)を決定するステップを含む。tonおよびtoffは、充電回路中に蓄積されたエネルギーの実質的部分(例えば50%以上、より望ましくは90%以上)を負荷回路へと送ることが可能となるように決定されることが望ましい。より望ましくは、tonおよびtoffが、実質的に充電回路中に蓄積されたエネルギーの全てを負荷回路へと送ることを可能とすることである。
負荷回路中の電流パルス信号は、電流パルス信号を減衰させる負荷の抵抗成分に依存する。一般に負荷中の高い渦電流に付随する高い減衰比は、高い誘導加熱電力とするために、そして本発明においてはヒーターコイル中で低電流(P=IR)とするためには望ましいものである。本発明の利点の一つは、このように高減衰の負荷を、誘導加熱に一般に用いられる共振正弦波信号ではなく、たとえば高周波数高調波を持つ電流パルスで駆動する(電源供給する)能力にある。さまざまな実施例において、負荷回路は0.01〜0.2、より望ましくは0.05〜0.1の範囲の減衰比を持つ。このような減衰比はスイッチが開となる前に1パルスあたりそれぞれ約3回又は2回の発振を生じることができる。
他の実施例においては、この方法を物品の加熱サイクル中に断続的に実施して、決定したインピーダンスパラメータの少なくとも1つにおける変化を検出することができる。他の実施例においては、方法は充電回路のインピーダンスパラメータを、負荷回路への所望の電力供給に基づいて変更するステップを含む。
さらに他の実施例においては、方法は、物品の誘導加熱用に高周波数高調波の電流パルスを負荷回路に送るための電源回路を設けるステップを含む。電流パルスを送る前に負荷回路のインピーダンスパラメータが決定され(例えばテストパルスを供給して応答を監視することにより)、そして決定されたインピーダンスパラメータに基づいて電流パルスのエネルギー含量が決定される。方法はさらに、負荷回路の応答を監視して決定されたインピーダンスパラメータの変化を見るステップを含む場合がある。方法はさらに電圧限界、電流スパイク、RMS電流、スイッチング周波数および温度を含む電源回路の1つ以上の限界に基づいて電流パルスのエネルギー含量を決定するステップを含む場合がある。さらには、この監視は:電源への入力;負荷回路の電源への接続;負荷回路中のヒーターコイル不良;物品の加熱中における電磁結合の喪失または変化;およびヒーターコイルの1つ以上の巻きの間における接触;の、有無または変化を検出するために利用することができる。
本発明の他の実施例によれば、可変インピーダンスパラメータを有する負荷回路の誘導加熱のための方法が提供される。例えば、特定の負荷の抵抗、キャパシタンスおよび/またはインダクタンスは、全て温度と共に変化する可能性がある。方法は、負荷回路の1つ以上のインピーダンスパラメータを決定する信号を供給するステップと、決定された1つ以上のインピーダンスパラメータに基づいて負荷回路中に高周波数高調波を提供する電流パルスを、負荷回路へと供給するステップとを含む。負荷回路は、物品を誘導加熱するための磁束を発生するヒーターコイルを含む。負荷回路の可変インピーダンスパラメータはさらに、ヒーターコイルにおける1つ以上の変化およびヒーターコイルと物品間の電磁結合における変化に基づくものであっても良い。
さらに他の実施例においては、動的な加熱制御方法が提供されるものであり、方法は所望量の高周波数高調波のパルスエネルギーを提供する電流パルスを、物品を誘導加熱するために負荷回路へと供給するステップと、加熱中に負荷回路の1つ以上のインピーダンスパラメータを決定するための信号を供給するステップと、そして電流パルスのエネルギー含量を決定された1つ以上のインピーダンスパラメータに基づいて変更するステップとを含む。さらに、信号のエネルギー含量は、例えば信号のパルスの周波数(従ってエネルギー含量)を増やすことにより負荷に送られる電力を増すことで、信号の周波数(単位時間当たりのパルス数)を変更することにより変えることができる(各パルスが同じエネルギー含量を持つ場合)。
さらなる方法の実施例においては、物品を誘導加熱する為に高周波数高調波の電流パルスを負荷回路へと供給するステップと、負荷回路の1つ以上のインピーダンスパラメータを決定するステップと、そして1つ以上のインピーダンスパラメータおよび負荷回路への所望の電力供給に基づいて電流パルスのエネルギー含量を決定するステップが含まれる。
さらなる実施例においては、誘導電力を電源回路から電源回路に結合する負荷回路へと送るための方法が提供される。方法は、物品を誘導加熱するために高周波数高調波の電流パルスを負荷回路中に供給するステップと、電源回路の1つ以上の限界を決定するステップと、負荷回路の1つ以上のインピーダンスパラメータを決定するステップと、そして決定された1つ以上のインピーダンスパラメータおよび限界に基づいて、所望の電力を電源回路の限界内において負荷回路へと送るための電流パルスのエネルギー含量を決定するステップとを含む。電源回路は、負荷回路へと結合する充電回路を含む場合があり、この場合、方法は充電回路の周波数応答に基づいて充電回路のインピーダンスを決定するステップを含む。方法はさらに、負荷回路のインピーダンスを負荷回路の発振周波数に基づいて決定するステップを含む。発振周波数は、負荷回路へと供給される電圧または電流の連続するゼロ交差を監視することにより決定することができる。さらに、負荷回路へと送られる電力は減衰係数に依存する。減衰係数は、負荷回路へと供給される電圧または電流の連続するピークの振幅を監視することにより決定することができる。
本発明の他の実施例によれば、電源制御装置が提供されるものであり、これは充電回路および充電回路に結合する負荷回路を含む。スイッチング装置が充電回路を制御してスイッチング装置のオン時間中には電流パルスを負荷回路中に送り、監視・制御回路が加熱サイクル中のスイッチング装置のオン時間およびオフ時間を制御して負荷回路中に所望量の高周波数高調波のパルスエネルギーを供給する。
さまざまな実施例においては、監視・制御回路は、充電回路および負荷回路中の電流を監視することによりスイッチング装置の開時間を制御する。所望量の高周波数高調波のパルスエネルギーは、少なくとも50%とすることができる。スイッチング装置は、充電回路中に蓄積されたエネルギーの50%以上(そしてより望ましくは90%以上)が負荷回路へと送られることになるように、充電回路および負荷回路を結合することができる。スイッチング装置は、充電回路への入力電圧Uに対して、少なくとも2Uの電圧が負荷回路へと送られることになるように、充電回路を負荷回路へと結合させることができる。スイッチング装置は、電流パルスの負荷回路への送出中にスイッチング装置を通じて電流が発振することになるように、充電回路を負荷回路へと結合させることができる。さらにスイッチング装置は、後の充電サイクルにおいて負荷回路中に非ゼロ電流状態が得られるように、充電回路中に蓄積されるエネルギーを残しておくように充電回路を負荷回路へと結合させることもできる。オン時間および/またはオフ時間を制御することにより、スイッチを通じて実質的にゼロ電流状態を作る一方で、負荷回路や充電回路にはいずれもゼロ電流状態を持たせないようにすることが可能である。監視回路は電流パルス中の電流または電圧の連続するゼロ交差を監視するための、そしてそのような監視に基づいて電流パルスの所望の形状および周波数を決定するための手段を含んでいても良い。スイッチング装置は、並列に配置された複数のスイッチを含んでいる場合がある。装置はさらに、負荷回路中の電流の充電回路を通じた逆流を防止するための手段を具備していても良い。
さまざまな実施例において、負荷回路は、0.01〜0.2範囲、そしてより望ましくは0.05〜0.1範囲の減衰比を持っている。装置は、負荷の少なくとも1つのインピーダンスパラメータを決定する信号の負荷回路への提供および/またはインピーダンスパラメータにおける変化による負荷回路の応答の監視を行う信号発生器を含む場合がある。負荷回路は、強磁性または導電性の物品に磁気的に結合したヒーターコイルを含む場合がある。装置は、負荷回路へと供給される電圧または電流の1つ以上のゼロ交差および/または負荷回路中の電圧または電流の連続するピークの振幅を監視するための手段を含む場合がある。
他の実施例においては、物品を誘導加熱するために、所望量の高周波数高調波のパルスエネルギーを負荷回路中に提供する電流パルスを生成するための方法が提供される。方法は高周波数高調波の電流パルスを生成するステップを含み、負荷回路へと50%以上のパルスエネルギーを伝達するために、各パルスは高周波長高調波中に少なくとも1つの急峻な変化部を含んでいる。方法はさらに、電流パルスのオン/オフタイミングを制御することにより、このようなパルスを複数、誘導加熱用の望ましい電流信号として生成するステップを含む。さまざまな実施例において、オン/オフタイミングは、2つまたは3つの振幅が各電流パルス中に作られることになるように制御することができる。オン/オフ時間はさらに、各電流パルスが、その振幅が電流パルス中の最高ピークの振幅から50%以上落ちた後に終わることになるように制御することができる。代わりに、電流パルスはその振幅が70%以上、90%以上又は95%以上落ちた後に終わるものであっても良い。
一部の実施例においては、オン/オフタイミングは、各電流パルスが、同じ基本周波数およびRMS電流振幅の正弦波信号の最大変化率の5倍以上の最大変化率を持つ、少なくとも1つの急峻な変化部を含むことになるように制御することができる。最大変化率は10倍以上、又は20倍以上としても良い。最大変化率の上限は、負荷回路における電圧限界により決まる。さらには、オン/オフ時間は、各電流パルスが、その電流パルスの最高ピーク振幅の10%未満に減衰するまでに、少なくとも2つの完全な振幅サイクルを含むことになるように制御することができる。
本発明のこれらおよび他の特徴は、以下の詳細説明および図により、より具体的に理解することができるものである。
本発明のさまざまな実施例は、以下の説明を添付図とともに読むことにより理解を深めることができる。
加熱素子(本願においては「ヒーターコイル」と呼ぶ)により提供される誘導加熱の速度、強度および/または電力を強化するために、そして/または誘導加熱システムの寿命の延長またはコストと複雑性の低減のために、特定プロファイルを持つ電流パルスを利用することができることはわかっている。これは、選択された実施例においては、ヒーターコイル中の電流を対応的に増大させる必要なく実現することができる。さまざまな実施例において、これはより低い基本周波数の利用を可能とするものであり(負荷へと送られる所望の電力レベルを維持しつつ)、そしてより厳しい温度制御、高い電力密度および/または短いサイクル時間のために、有向の(局所化された)加熱および冷却効果を実現する構造加熱・冷却素子へと連結することができるものである。
より具体的には、本願においては、高周波数高調波を提供する電流パルスであるこれらの電流パルスは、誘導加熱性能を向上させるものである急激に変化する電流プロファイルを持っている。電流パルスは一般に離散した狭い幅のパルスで、相対的に長い遅延により分離されたものと特徴付けられるもので、パルスは、コイル中の電流の基本(即ちルート)周波数の高調波を提供する1つ以上の急峻な変化部(大きい一次導関数)を持つ。このようなパルスのヒーターコイルへの供給は、強磁性または他の誘導加熱負荷へと誘導的に送られる電力を、コイル中の実効(RMS)電流の増大を必要とすることなく大幅に増大させるために用いることができる。これにより新たな加熱アプリケーションの可能性が生じ、そして一部の既知のアプリケーションにおいては、消費エネルギーまたは冷却の必要性を低減すること、および/またはヒーターコイルの寿命を延ばすことが可能である。
これらの電流パルスを、それ自体のみ、または本願に記載する構造加熱および冷却素子と組み合わせることで取り組むことができる問題の1つは、所定のヒーターコイルが耐用年数を耐え得る最大許容範囲または限界RMS電流(Ic−limit)内に抑えつつ、誘導加熱電力を増大させたいという要求である。従って、Ic−limt、コイルの巻き数N、そして電磁接続係数Kを所定値とした場合、これらの電流パルスを用いることにより誘導加熱電力を増大させることができる。さらに、従来の誘導加熱システムと異なり、これらのパルスは例えば以下の高い等化抵抗(Req)の負荷と共に用いられる。
Figure 2009518778
ここでLは負荷回路のインダクタンス、Cは負荷回路のキャパシタンスである。
ヒーターコイル電流限界に起因する問題に対して提案された従来技術のソリューションには:電源の共振周波数の増大;コイル抵抗の低減;および/またはヒーターコイルの冷却の増大(後者には冷却されたコイルを加熱される物品から熱的に絶縁することが必要とされる)が含まれる。共振周波数が増大される場合、特別なキャパシタが「共振コンバータ」としてコイルと並列に設けられることにより、ヒーターコイルへと供給される正弦波電流の共振周波数が調整(厳しく制御)される。このソリューションにおける問題の1つは、電源が負荷抵抗(抵抗コイルおよび/または負荷中の高渦電流抵抗)と共に作動するように適合していないという点である。このアプローチの他の欠点は、これらの高出力、高周波共振コンバータに用いられる増幅器のコストが高いという点である。
従来の誘導加熱システムにおいては、高調波は一般に好まれておらず、この結果、共振加熱システム中に供給される電流信号の微々たる量(最小限)しか構成していない。このことはあらゆるパワーエレクトロニクスにおいて高周波数の高調波が一般に好まれていないことと合致しており、それはそれらの生成が困難で、制御が難しく、望ましくない副次効果を生じるためである。これらの理由から、電力会社はその配電システムから高調波を除去するためのフィルタキャパシタを利用しており、それは顧客の電気機器に干渉してノイズと認識される高調波を顧客が望まないためである。
対照的に本願では故意に、コイル電流のルート周波数よりも上の高調波で電流パルスが供給されている。これらの離散した狭い幅の電流パルスは急峻な傾斜(振幅変化)を含み、パルス間には相対的に長い遅延が設けられている。これらはパルス間に相対的に大きな遅延を持つチョップパルス、または発振パルスのように見える場合がある。
高調波は、電流パルス信号の有効加熱周波数を増大させるもので、特には高調波の振幅が大きく維持される場合にそうであることから、誘導加熱電力が高い。スペクトルアナライザで見ると、電流パルスは複数の周波数成分を含んでいる。全高調波の振幅は、例えば負荷回路への適正な入力電圧を選択することにより増幅することが可能であり、そして/または選択された高調波の振幅は、電流パルスの形状を変化させることにより増幅することができる。
本発明のさまざまな態様を、それらの態様が拠るところの各種設計要素の一般説明に続いて以下に説明するものである。
所望される高周波数高調波の電流パルスは、高周波数高調波のパルスエネルギーの大部分を生成するための高速スイッチングを提供するさまざまな電子デバイスにより生成することができる。多相デバイスの利用を用いることによりさらにパルスの基本周波数を押し上げることができる。
高周波数高調波の電流パルス信号を送るための電源を実現することに関しては、複数の問題が生じ得る。難題の1つは、電流パルス信号自体の特性に起因するものである。個々のパルスの高いエネルギー含量により、電源および/または負荷回路の選択部分に過剰に高いレベルの電圧および/または電流が生じる可能性がある。よって電源および/または負荷回路の部品が許容する電圧、電流、変化速度(電圧または電流)、周波数、および/または温度のうち、1つ以上の限界を認識し、これを超えないようにしなければならない。
2つめの難題は、パルスが急峻な変化部を持っており、そのようなパルスをゼロ交差などの特定の電流レベルにおいて開始および/または終了させることが難しいことから生じるものである。この結果、電源回路を駆動するスイッチング装置は、前の(パルス生成)サイクルから生じる非ゼロ状態を監視および制御することが出来るものであることが望ましい。これらの非ゼロ初期状態は、電源回路および/または負荷回路の1つ以上の部品を破壊し得る(または寿命を縮める)潜在的に有害な電流または電圧レベルを生じる可能性がある。
さらなる難題は、個々の電流パルスのエネルギー含量およびパルス間のオフ時間(toff)に依存する負荷回路への電力供給が、負荷回路の減衰特性により異なるという点である。減衰特性とは、加熱コイル中を交流が流れる場合に負荷回路においてどれくらいのエネルギーが散逸するかを決定付けるものであり、これは未知である場合がある。さらなる未知の要因には加熱プロセス自体の間に生じ得る動的変化があり、この場合負荷回路および/または電源の特性が温度、速度および/または加熱強度に応じて変化する可能性がある。
これらの制約範囲において、物品の誘導加熱速度および/または強度を変化させるために、可変レベルの電力を負荷回路に伝達することが可能な高周波数高調波の電流パルスを提供することが望ましい。さらには、負荷回路が物品の誘導加熱に用いられている間においても、負荷への電力供給を動的に制御することが望ましい。またさらに、異なる特性を持つヒーターコイル(異なる材料、巻きの数、コイル構成、ワイヤ径等)や、ヒーターコイルと加熱対象物品との間に異なる磁気結合特性を持つ負荷を含む、異なる負荷回路を駆動することができる電源を設けることも望ましい。さらには、所定の制約群、具体的には電源回路および/または負荷回路の部品特性について、負荷へと送られる加熱電力が最適化(最大化)されることが望ましい。またさらには、電源回路および/または負荷回路の1つ以上の部品の限界を超えることがないように、使用(物品の加熱)前、または最中に電源部品の特性および/または負荷特性を識別および/または検証することが可能な電源を設けることが望ましい。これらの識別および/または検証ステップとしては、例えば負荷の特性、電源への入力信号の特性、ヒーターコイルが適切に電源へと取り付けられたかどうか、ヒーターコイルが不具合を起こしたかどうか、加熱中に誘導結合が喪失または変化したかどうか(例えば負荷がキュリー点を越えて加熱されていないか(透磁率が変化する)、または隣接する巻き同士が触れ合って(接触して)いることにより負荷回路のインダクタンスが変化していないか)を識別または検証することが含まれる。これらの目的の1つ以上は、本願に記載の電源装置および方法のさまざまな実施例により実現することができる。
大量(少なくとも50%)の高周波数高調波を含む電流パルスを負荷へと送ることは、いくつかの基本的制約事項により制限される。最も厳しいのは、電流におけるサージ(急激な振幅変化)、そしてこのような電流サージを作るために要する対応して高い電圧ピークの必要性である。加熱電力はRMS電流とRMS電圧の積に等しく(2つの間に位相ずれが無い場合)、RMS電圧は高く保つことが望ましい。パルスがより短い幅およびより急峻なエッジで作られた場合、これらは一般により大量の高周波数高調波を含むことになる。しかしながら、パルス幅が小さくなるに従い、高電力を維持するためにパルスは振幅を増大させなければならない。この振幅の増大は、高電圧が作られなければならない、そしてその高電圧は制御されなければならない、という2つの理由から制約的である。
高電圧を作るには、複数の方法から1つを採用することが出来る。図1を参照すると、1つの方法においては、入力電圧Uが端子対41〜42に印加される。スイッチ20が閉、スイッチ30が開の場合、電流は、インダクタ18およびキャパシタ22で形成される直列LC回路を流れ、そしてキャパシタ22は入力電圧の2倍2Uに充電される(図4参照)。完全に充電されると、スイッチ30が閉じられ、実質的にキャパシタ22中の全てのエネルギーが負荷24へと送られる。このような伝達の後、スイッチ30は次の充電サイクルに向けて開かれる。負荷に2倍の入力電圧を送ることで、負荷への所定電力の供給を維持しつつも、パルス幅を小さく、そして/または電流パルス中の高周波数高調波のパーセンテージを増大させることが可能となる。他の実施例においては、キャパシタ22は2Uよりも大きい値に充電することができる。
キャパシタ22を2Uよりも高く充電するための方法の1つにおいては、スイッチ20および30が同時に閉じられ、これにより電流はインダクタ18、スイッチ20およびスイッチ30を通じて直線的にサージする。電流増加速度(dl/dt)はU(41から42にわたる電位)およびLch(充電回路のインダクタンス)の関数である。この時点でキャパシタ22には著しい充電は生じていないが、しかしエネルギーはインダクタ18中に蓄積される。そしてスイッチ30が開になると、インダクタ18の磁場(1/2LI)中に蓄積されたエネルギーが、キャパシタ22を(1/2CVの電位エネルギーへと)システムにおける損失を差し引いた分だけ充電する。キャパシタに2Uよりも大きい非常に高い電圧を実現することが可能である。その後スイッチ30が閉じられると、キャパシタ22中のエネルギーが負荷へと送られる。スイッチ30をいつ開くかの選択には、スイッチ30が開かれた場合にスイッチ30に生じる電圧スパイクによりスイッチ30が不具合を起こす潜在性があるため、配慮が必要である。
キャパシタ22を2Uよりも高く充電するための第二の方法は、幾つかの充電サイクルを採用したものである。第一の充電サイクル(インダクタ18およびキャパシタ22はいずれもゼロエネルギー状態から始まる)においては、スイッチ20が閉じ、スイッチ30が開かれ、そしてキャパシタ22が2U未満に充電され、インダクタ18の磁場中にある程度のエネルギーが蓄積された状態に残される。次にスイッチ30が閉じると、電流はインダクタ18、スイッチ20およびスイッチ30を通じて直線的にサージしてキャパシタ22中に蓄積されたエネルギーが負荷24へと送られる。スイッチ20および30が閉じている間、電流は発振してキャパシタ22からスイッチ30および負荷24のインダクタ26を通り(逆時計回り)、そして方向を変え(時計回り)流れを逆にしてキャパシタ22からインダクタ26を通ってスイッチ30へと戻る(図3aおよび図3b参照)。ここでスイッチ30を開くタイミングは、負荷回路の発振により30を通じて上流に流れる電流と、インダクタ18を通じて直線的に増大する電流により30を通じて下流に流れる電流とが互いに充分に相殺することになるタイミングとすることができる。するとスイッチ30中には実質的に電流が無いこととなり、スイッチを安全に開くことができ、インダクタ18の磁場中に蓄積されるいくらかのエネルギーをキャパシタの後の充電用に維持することができる。これは「非ゼロ」初期状態と呼ばれ、これにより一連のサイクルを経てキャパシタ22を最終的には2Uよりも大きい値へと充電することができるものである(スイッチの電圧限界内での処理に関する後の記述で説明される図8を参照)。インダクタ18の磁場は、平衡に達するまでサイクル毎に成長し、ここで1つのサイクルから次のサイクルまでのエネルギー蓄積量には実質的に変化はない(換言すると、各サイクルの終わりにインダクタ18およびキャパシタ22中に蓄積されるエネルギー、従って負荷24へと届くエネルギーは、パルス間において一定である)。この平衡に達するまでには、インダクタ18およびキャパシタ22のゼロ初期状態から始まっていくつかのサイクルを要する。本実施例のさらなる利点は、スイッチの電圧限界を超える危険を生じることなくスイッチ30を開くことができる(開時点のスイッチにおける電流は低レベルにあるため)という能力にある。
図1〜図3のスイッチング回路の動作を、より詳細な実施例において以下にさらに説明する。
高電位差とこれに対応する電流中のサージを制御するため、そして高速スイッチングを提供するために、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)を利用することができる(図1のスイッチ30等)。IGBTはさまざまな定格電圧および定格電流のものが市販されており、特定の実施態様向けに選択することができる。他の実施例においては、単一の大型IGBTの代わりに、複数のより小型の並列IGBTを負荷の駆動に利用することができる。こうすることで、特に所望の電力レベルが高い程、電源回路のスイッチング装置のコストを下げることができる。複数のより小型のIGBTの利用により、スイッチの電流限界を超えることなく信号の周波数(単位時間あたりのパルス数)を増大させる、従って電力を増大させることができる。
発振する電流パルス(非定サイン)は定サインパルスよりも高周波数高調波を多く有することから、これを作ることが望ましい。発振する電流パルスを作るには、バイポーラ充電キャパシタ22を利用することができる。このキャパシタ上の電荷は、そのパルスが持続する間に交互の側面から何回かにわたり負荷を通じて放出(放電)される。放電の間、IGBTスイッチ30は電流のコレクタからエミッタへの流れのみを許容し(図3a参照)、そして電流Iは両方向に流れることから、スイッチング回路はこの2方向フローに適合するように設計されなければならない。ある設計ではダイオード33がスイッチ30と並列に設けられており、これにより電流はスイッチを迂回して戻ることができるようになっている(図3a参照)。
当業者には明らかなように、絶縁された負荷回路は充電キャパシタと負荷抵抗(または著しく、またはそれ以上に減衰した負荷)のみでは発振しない。加熱コイル中のインダクタンスの一部が発振パルスを生成することが望ましい。従って加熱コイルは負荷回路の重要部分であり、充電キャパシタと共に特定の実施例における電流パルス形状を決定するものである。
加熱コイルへと届く電流パルス信号の形状が各高周波数高調波の相対量を決定し、信号の形状および振幅の組み合わせがエネルギー含量を決める。信号の所望形状は、多くの場合において未知かつ動的なものである負荷パラメータに依存する。以下の例においては、1つ以上の負荷パラメータが最初に決定され、次にそれを用いて所望の信号形状が決定される。本例において使用された場合、信号形状とはデューティーサイクル(オン時間およびオフ時間の比)とパルス中の波形(オン時間中のもの)の両方を言う。
以下に本発明の一実施例に基づくさまざまな態様を説明する選択実施例について記述する。
図1はネットワーク10の概略図であり、これは負荷回路(右側)に接続された電源回路(左側)を含んでいる。ネットワークはネットワーク構成要素の相互接続を含み、これら構成要素とは物理的部品またはデバイスの模範を含む。ネットワークは、図2に示した充電サブネットワークおよび図3に示した負荷サブネットワークを含む幾つかのサブネットワークへと分割することができる。
電圧源12は、(例えば)回線周波数(60HZ)にある115Vの入力AC信号をブリッジ回路14へと供給する。ブリッジ14はフィルタキャパシタ16と並列に配置されており、端子対41〜42にDC電位Uを提供している。このDC入力(供給)電圧Uによって電流Ichが図2に描いたように充電回路中を流れている。監視・制御回路はスイッチ20および30を制御し、充電回路および負荷回路中の電流および/または電圧を監視する。
充電サブネットワークは、スイッチ20を閉じ、スイッチ30を開くことで使用可能となり、直列LC回路を端子対41〜42間に作る。インダクタ18によりDC電流のフローが可能となり、直列キャパシタ22を充電する。キャパシタ22中に(電界として)蓄積されたエネルギーは、後に図3の負荷回路へと電力を伝達するために使われる。図2においては図示の便宜上、負荷24は示されていないが、それはインダクタ18のインダクタンスLchが負荷26のインダクタンスLよりも大幅に大きくなるよう選択され、負荷が充電回路に有意な影響を与えるものではないためである。このような選択をしない他の例においては、インダクタ18および負荷26の両方のインダクタンスが、充電回路の応答(例えば充電時間)の決定において考慮されることになる。
図4に描かれているように、キャパシタ22の充電中は、端子対43〜44にわたる電圧は増大する。本実施例においては、充電キャパシタ22の電圧は、図4において時間tmaxのポイント38に示されるように、実質的に最高電位2Uに到達することが許される。先に説明したように、スイッチ30の開が「ゼロ電流」初期状態時に限定される場合、2Uが最高値である。他の実施例においては、先に説明したように「非ゼロ」初期状態下ではより高い電位を得ることができる。
端子対43〜44にわたり最高電位2Uになると、スイッチ30はここで図3に示されたように閉じられ、キャパシタ22中に蓄積されたエネルギーを負荷24へと伝達する(放電する)ことができるようになる。図3の電力供給回路は、電流Iが負荷24へと届けられる直列RLC回路である。負荷は誘導要素26と抵抗要素28の両方を含む。ヒーターコイル中の電流Iは、図5に示したように高周波数高調波を持つ電流パルスを含む。本願においては(スイッチ)オン時間tonと呼ばれる、スイッチ30が閉じている間、電流パルスは負荷(ヒーターコイル)へと届けられる。負荷の抵抗要素28は発振する電流パルスを減衰する。このことは単一の信号パルスの減衰を示す図6および図7において最も良くわかり、時間と共にパルスの振幅が連続的に減少している。振幅が実質的になくなると、スイッチ30は開かれ(オフ時間toffの開始)、そして新たな充電サイクルが次のパルスを生成するために開始される。
先に説明したように、本発明のさまざまな実施例においては、限界を超えることなく、そして/または電源および/または負荷回路部品の寿命を実質的に損なうことなく負荷への電力供給を最大化することが望ましい。このような方法のさまざまな例を次に説明する。
充電回路のインダクタンスの決定
図2の充電回路は、充電回路のインダクタンス(インダクタ18および負荷26のインダクタンスを含む)を決定するために(キャパシタ22のキャパシタンスが既知である場合)測定可能な周波数fchを持つ。充電キャパシタ22が最高電圧38(図4参照)に到達するまでの測定時間tmaxを、式1.0から得られる充電回路の周波数の計算に使うことができる。
Figure 2009518778
充電回路22のfchおよびキャパシタンスCが既知であることで、充電回路のインダクタンスLchを式1.1から計算することができる。
Figure 2009518778
充電回路のインダクタンスは、後にスイッチ30に所望の電流信号関数および所望のオフ時間を決定するために用いられる。
負荷回路のインダクタンスの決定
図3の負荷回路は、電流Iの2つの連続するゼロ交差間の時間tcross(図7のポイント72および73参照)を計測し、式2.0を使うことにより決定することができる周波数fを持つ。
Figure 2009518778
ここでω=2πfが負荷回路の角周波数である。
fと充電キャパシタ22のキャパシタンスCがわかれば、負荷回路のインダクタンスLは式2.1で計算できる。
Figure 2009518778
負荷回路のインダクタンスは、後にスイッチ30のオン時間およびオフ時間の望ましい値の決定に利用される。
負荷回路の共振抵抗の決定
図3の直列RLC負荷回路は、本願においてはR で示される共振抵抗を持ち、これは(負荷回路のインダクタンスLおよび充電キャパシタ22のキャパシタンスCが既知であることにより)式3.1を用いて計算することができる。
Figure 2009518778
負荷回路はさらに、式3.2により決定される角共振周波数ωを持つ。
Figure 2009518778
負荷回路の共振抵抗と角周波数は、後に所望の電流信号関数とスイッチ30のオン時間tonの最適値を決定するために利用される。
減衰比の決定
図3に示したような直列RLC回路においては、図5〜図7に示したように、抵抗要素28が電流パルス信号Iを減衰させる。ギリシャ文字ζで示される減衰比は、2つの連続する電流ピークα、α(例えば図7のポイント71および74)の振幅を計測し、式4.1を用いることにより決定することができる。
Figure 2009518778
代わりに、減衰比は2つの連続する電圧ピークを計測することにより決定することもできる。
減衰比は、後に所望の電流信号関数を選択するために利用される。
負荷電流の決定
減衰非定サイン電流パルス信号Iの電圧60および電流50間の時間で見た場合の関係を図7に示した。図3の基本の負荷ネットワークにおける電流Iは、電圧60と電流50の2つの連続するゼロ交差(ポイント70および75)間の時間として図7に示される時間tlag分、電圧に遅れている。この位相差は、後に電力供給の最大化について説明する電力供給に影響を与える。
高い初期電圧61は、大きな振幅の電流信号50を得る上で、そしてその結果高い加熱電力を得る上で望ましい。図6は、包絡線62内の減衰する発振電圧信号60を描いたものであり、負荷へと届く電流パルスにおける電圧振幅の変化率を示している。
負荷回路における電流パルス信号Iの形状は、本実施例のネットワーク構成要素のパラメータが得られていれば、式4.2を用いて決定することができる。
Figure 2009518778
ここでUは負荷全体の初期電圧(図6および図7におけるポイント61)、R は先に式3.1により決定された負荷回路の共振抵抗、ζは先に式4.1により決定された負荷回路の減衰比、ωは式3.2にて決定された負荷回路の共振角周波数、そしてωは式2.0にてfから決定された負荷回路の共振周波数である。
するとこの電流関数I(t)を利用して、キャパシタ22を放電する上で望ましいパルス継続時間(スイッチ30のオン時間)およびスイッチ30を開く上で望ましい安全時間(例えば低電流)を算出することができる。
電源スイッチの電圧限界内でのオペレーション
先に説明したように、スイッチ30は電源部品の1つであり、超えてはならない1つ以上の限界を持っている。本例においては、スイッチ30の電圧限界を超えないようにするに望ましい電流パルス信号が決定される。
スイッチ30は、キャパシタ22の電圧限界および/またはスイッチ30を通じて流れる総電流によっては超えても良い電圧限界Umaxを持っており、ここで言う総電流とは負荷および充電回路両方からの成分IおよびIChを含む場合がある。
一般に、充電回路の電流Ichが低い場合、スイッチ30を閉にする(オン時間の開始)ことが望ましい。これはキャパシタ22が望ましい最高電圧(図4の38)を超えて充電されないようにする理由の一つである。インダクタ18を通る充電電流がこのインダクタの電流限界を超えた場合、スイッチ30は、閉状態で過剰な電流に晒されることになり得る。
図8は、充電キャパシタ22を非ゼロ初期状態で2Uを超えて充電するという先に説明した方法において、インダクタ18中の電流振幅80を複数の充電サイクルにわたって示したものである。第一の充電サイクル(tからt)の間、電流は徐々に増え、時間tにてポイント81に達する(オン時間の開始)。するとスイッチ30が閉じ、キャパシタ22中に蓄積された電荷(この初期サイクルにおいては2U未満)が、後の時間周期ton(tからt)中に負荷へと届けられる。負荷へとほとんどの、または全てのエネルギーが届けられると、スイッチ30は次の充電サイクルの開始点であるtにて開く。第二の充電サイクルからその後の充電サイクル(tからt)の間、電流はポイント83まで増大することはあるが、インダクタ18の電流限界を超えることはない。これは、これらの連続する各充電サイクル中の電流サージを回避するために望ましいことである。toff(t)の終わりにおいては、キャパシタ22は2Uを超えて充電されており、これが次のton(tからt)の間に負荷へと届けられる。最終的に(例えば10〜20サイクル)、インダクタ18およびキャパシタ22により負荷へと届けられたエネルギーがパルス間で実質的に一定となる平衡に到達する。
もう一つの配慮は、充電キャパシタ22中に蓄積されたほとんど(例えば一実施例においては50%以上、他の実施例においては90%以上)または全てが負荷へと届けられた後、Iが低い時にスイッチ30を開にしたいという要求である。
オフ時間の開始時、スイッチ30が開く直前においてスイッチ30中を流れる電流の和は、スナバ回路(図3bにおける31)の抵抗と共にスイッチ30全体にわたる電圧スパイク(V=IR)の振幅を決定する。スイッチ30全体の電圧の振幅は、スイッチを通じた総電流と、例えばスイッチ30と並列に設けられたスナバ31の抵抗との積である。スイッチ30が開の時点(オフ時間の開始時)においては、スイッチ30中の電流は、スイッチ30が開く直前に負荷回路中を流れていた電流Iと、スイッチ30が開く直前に充電回路中を流れていた電流Ichとの両方を含んでいる。電流Ichは式6.4により決定することができる。
Figure 2009518778
が端子対41〜42を通じた供給電圧とした場合;
φoff=ωchoff (6.1)
A=sinφoff (6.2)
B=cosφoff (6.3)
chは式1.1から決定され;
ωchは、ωch=2TTfchの場合にfch式1.0から決定され;
offは式7.1から決定され;そして
ch は式6.5を使って計算することができる充電回路の共振抵抗である。
Figure 2009518778
ここでLchは充電回路のインダクタンス、Lは負荷回路のインダクタンス、そしてCは充電回路のキャパシタンスである。
開の時のスイッチ30を通じたいずれの電圧スパイクの振幅も、総電流(Ich+I)にスナバ抵抗Rを掛けた積であり、ここで負荷回路を通る電流Iの決定には式4.2を使うことができる。総電流の値は、スイッチ30の最高電圧限界を超えてはならない。従って最低の総電流を得るには、IchとIが互いに打ち消しあうように、スイッチを通じて逆方向に流れ、同様の振幅を持っている時にスイッチを開くようにすることが一般に望ましい。
最大電力供給に向けたオペレーション
負荷24へと流れ込むエネルギーの時間流量が負荷へと届く電力である。この電力は、端子対45〜46(図1および図3を参照)を通じて計測された負荷24中の電圧および電流の積である。最大電力供給のためには、端子対45〜46にわたって最大電圧を供給することが望ましいが、しかしこれはスイッチ30の電圧限界により制限される。また、負荷24に最大電流を流すことが望ましいが、これもスイッチ30の電流限界により制限される。
スイッチ30の最大電流Imaxおよび最大電圧Umaxを利用すれば、式7.0を用いて最大電力供給に最適のオン時間を計算することができる。
Figure 2009518778
ここで:
Figure 2009518778
スイッチ30の最大オフ時間は、式7.1を用いて計算することができる。
Figure 2009518778
ここでImaxおよびUmaxは、先に説明したスイッチ30の電流および電圧限界であり、LchおよびLは、それぞれ充電回路18および負荷26のインダクタンスである。一般にオフ時間(エネルギーが負荷に供給されない間)は、充電キャパシタ22を最高電位にするために必要な時間量を最少化することにより、短くすることが望ましい。
充電回路の電流限界内でのオペレーション
インダクタ18の電流限界および整流器14の電流限界といった電源回路のさらなる制約は、識別し、監視することができる。インダクタ18の電流限界を超えた場合、インダクタのコアは飽和してインダクタンスを失い、式6.4は充電回路の電流を制御することができなくなる。この時点で、スイッチ30の開と同時にスイッチ20および30中を大きい電流が流れると、スイッチの電圧限界を超えてしまう可能性がある。このような電流サージを防止するために、インダクタ18と直列にヒューズを設けることができる。
最適な負荷周波数の決定
最適な負荷周波数ωoptは、式8.0を用いて決定することができる。
Figure 2009518778
従って最適な負荷周波数は、スイッチ30の最大電圧Umaxおよび最大電流Imaxと負荷回路のインダクタンスL(式2.1により決まる)に依存する。
最適な負荷回路周波数が既知であれば、式8.1を用いてこの周波数を得る上で、適正な充電キャパシタ22を選択することができる。
Figure 2009518778
ここではωoptがωに代入される。
高力率の維持
先に説明したように、負荷へと届く電力は(負荷全体にわたる)電圧および(負荷を通る)電流の積である。電圧と電流が、図7に示したように異なる位相角にある場合、Irmsを基準に計測したフェイザーの角度Vrmsは、力率角θとして、そしてcosθは力率として既知である。平均電力Pavをパワーアナライザで、Vrmsの絶対値を電圧計で、そしてIrmsの絶対値を電流計で計測することは日常化している。式9.1を使ってこれら3つの計測値からcosθを決定することができる。
Figure 2009518778
高力率を維持することは、負荷への電力供給を最適化するために望ましい。加熱時における力率の低下は、加熱速度を監視することにより、または負荷中の電流および電圧のゼロ交差間の時間を監視することにより検出可能である。力率角は、図3の直列負荷回路におけるC、LおよびRの1つ以上の値を調節することにより変えることができる。
力率は負荷からの電流がインダクタ18を通って逆方向に流れる場合に小さくなることがある。これはインダクタ18と端子43の間にダイオードを配置することにより防止することができる(図1a参照)。
負荷回路の監視
負荷パラメータ(例えば透過率や抵抗率)における変化を検出するために、負荷回路を監視することが望ましい。これらの変化は、減衰係数に対するおよび/または電流パルス信号の有効周波数(さまざまな高周波数高調波成分により決定する)に対する負荷中の応答を監視することにより検出することができる。代わりに、そのような監視を、負荷回路への所望される電力供給に基づいて負荷および/または充電回路のインピーダンスパラメータを(例えば、利用可能な整流器または可変コンデンサの利用によって)変更するために用いることもできる。
図9および図10は、負荷回路を監視する2つの異なる方法を説明するものである。図9の方法においては、低電力試験パルスが生成され(101)、負荷の応答が監視され(102)、そしてその応答から駆動信号が決定されて(103)高周波数高調波の所望の電流パルスが生成され、その後この駆動信号が負荷への電力供給に使用される(104)。低電力パルスは図1の回路において低入力電圧、過剰に長い充電時間(キャパシタ22がU平衡に達するまで)により、または別個の信号生成回路により生成することができる。
図10の他の方法においては、負荷中の高周波数高調波を持つ選択された電流パルスにより負荷が駆動され(111)、そして付加の応答に変化がないかが監視される(112)。変化が生じた場合、スイッチ30のオン時間および/またはオフ時間が調整されるなど、駆動信号とその結果としての電流パルス信号が調整される(113)。
負荷パラメータにおける変化は、例えばワット計、電圧計、電流計、またはパワーアナライザにより監視し測定することができる。そのような計器の出力は、例えばスイッチ30の開閉制御用にフィードバック制御システムへと供給される(例えば図1の監視・制御回路15を参照)。フィードバック制御システムは、1つ以上のプロセッサ、マイクロコントローラ、アナログ個別部品、PCベースのソフトウェア、埋め込み信号プロセッサおよび/または他の電子フィードバック・制御処理の方法を含んでいる。情報の監視および/または入力および/または出力のためにユーザーインターフェースを設けることもできる。
負荷回路のインピーダンスパラメータには、抵抗R、キャパシタンスCおよびインダクタンスLが含まれる。インピーダンスは抵抗RおよびリアクタンスXのベクトルの和であり、ここで容量性リアクタンスは1/(ωC)であり、誘導性リアクタンスはωLである。
負荷のインピーダンスパラメータ(図1の実施例のもの)を、より具体的に図1bに示した。これらのパラメータはヒーターコイル抵抗RcoilおよびヒーターコイルインダクタンスLcoilを含む。加熱される物品は、主要コイル92が渦電流回路91へと磁気結合したトランスとして描かれており、後者(渦電流回路91)は副コイル93、渦電流抵抗RecおよびインダクタンスLarticleを含んでいる。
負荷回路(図1の28)の総抵抗値は、有効周波数(表皮効果を考慮したもの)におけるヒーターコイルのオーム抵抗(図1bのRcoil)と、負荷の渦電流回路(図1bの91)の渦電流抵抗(図1bのRec)とを含む。
負荷回路の総キャパシタンスとは、キャパシタ22のキャパシタンスおよびヒーターコイルとアース(図示せず)間のキャパシタンスである。
負荷回路(図1の26)の総インダクタンスとは、ヒーターコイルのインダクタンス(図1bのLcoil)、負荷回路のリークインダクタンス(図示せず)、および渦電流回路のインダクタンス(図1bのLarticle)である。
充電回路のインピーダンスパラメータは、負荷回路と同様に定義されるが、しかしさらにインダクタ18および整流器/フィルタ回路14/16のリアクタンスを含んでいる。
キャパシタ22中のエネルギーの実質的に全てが各パルスに届けられることを特徴とする開示した実施例において、電流パルスのエネルギーはE=1/2C(2Uとして表すことができる。
より一般的には、離散パルスのエネルギーは、パルス(ton)の時間間隔中に取られた関数IRの積分として表すことができる。
Figure 2009518778
電流パルスのフーリエ変換を基本周波数に対する高周波数高調波のパルスエネルギー量の決定に利用することができる。周期関数(電流パルスは周期関数である)のフーリエ変換によりフーリエ級数が得られる。F(t)=A+Asin(ωt)+Asin(2ωt)+Asin(3ωt)+・・・
ここで、
ω=2TTF=基本角周波数、
f=1/T=基本周波数
t=時間
T=この周期関数の周期
=定数、そして
、A、A、・・・=第一、第二、第三・・・高調波の振幅である。
高周波数高調波と言う場合、それは基本(第一高調波またはルート)周波数を超えた(その倍数にある)周波数にある高調波を意味する。「ルート」周波数とは、信号が周期性を維持しつつ分解し得る最小時間を言う。高周波数高調波はルート周波数を超えた周波数の信号であり、ルート周波数と併せて所望の信号を作るものである。一般に、高調波中に大きい振幅を作ることにより、負荷へと届けられる電力を大きくすることが望ましい。高周波数高調波を持つ電流パルスを、基本(ルート)周波数、即ち第一高調波と、ルート周波数を超えた高い高調波との両方を含むものとして説明してきた。従って、パルス信号はそのような成分から構築されるものであると理解することができる。
スペクトルアナライザもまた、高周波数高調波を持つ複数の離散電流パルスを含む周期信号の解析に利用することができる。高周波数高調波を持つ電流パルス信号のスペクトルは、振幅aのルート周波数ωから始まり、ルート周波数を超えた高周波数高調波2ωと振幅a、3ωと振幅a、4ωと振幅aなどというように、正弦波信号の和として説明することができる。周波数の増大に伴い、振幅は高いまま維持されることが望ましい。
負荷は、加熱される物品に電磁結合したヒーターコイルを含む。「ヒーターコイル」とは、交流が供給された場合に交番磁場を作る目的で、導電性(さまざまな抵抗レベルを持つ)としたいずれかの種類の材料または素子を含むものとして広義的に使われる。それは、いずれの特定の形態(例えばワイヤ、スタンド、コイル、厚膜または薄膜、ペンまたはスクリーン印刷、溶射、化学または物理蒸着、ウエハ等)にも、いずれの特定の形状にも限定されるものではない。ニッケルクロミウム(ニクロム)または銅製ヒーターコイルを利用することができる。他のヒーターコイル材料としては、例えばニッケル合金、タングステン、クロミウム、アルミニウム、鉄、銅、銀等が含まれる。
加熱される物品は、全体的または部分的に強磁性および/または導電性を有し、磁束の印加により誘導加熱されてその中に渦電流を生じることができる、いかなる物体、基板または材料でも良い(例えば液体、固体、またはその組合せ)。好ましくは、物品は磁気結合を助長する鉄のような透磁性材料、または他の強磁性材料から製作されるのが良い。この物品中に誘導的に生じた熱をその後移動して他の物体(強磁性または導電性であってもなくても良い)を加熱することもできる。物品の形状、寸法および/またはヒーターコイルに対する物理位置には、何らの制約もない。
高周波数高調波電流パルスを利用した誘導加熱のさまざまな方法および装置は、いずれもこの参照によりその全てが本願に含まれる2004年7月2日にValery Kaganにより米国特許出願番号第10/884,851号として出願され、2005年1月13日に公開された米国特許出願公開第2005/0006380 A1号”Heating Systemsand Methods”と、2003年7月2日にValery Kaganにより米国特許出願番号第10/612,272号として出願され、2005年1月6日に公開された米国特許出願公開第2005/0000959 A1号”Apparatus andMethod for InductiveHeating”に記載されている。
高速スイッチングを提供し、ほとんどのパルスエネルギーを高周波数高調波で生成するさまざまな電子デバイスによって、所望の電流パルスを生成することができる。パルスの基本周波数を底上げするためにさらに多相デバイスを用いることもできる。好適なIGBTデバイスはカリフォルニア州エルスゲンドにあるInternational Rectifier Corp.社から入手でき、例えば、25KHzで長時間にわたり600Vの電圧および140ampの電流でハードスイッチングを提供するIRGKI140U06デバイス、または10KHz、500Vおよび60ampでハードスイッチングを提供するIRGP450Uがある。サイリスタ、ゲートターンオフ(GTO)サイリスタ、シリコン制御整流器(SCR)および集積ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)デバイスを含むさまざまなパルス発生デバイスまたはスイッチングデバイスを、所望の電流パルスを提供するパルス発生器として利用することができる。好適なサイリスタは、International Rectifier Corp.社から入手できる。サイリスタの制御用にドライバを含む集積回路チップも利用可能である。好適なGTOは、英国リンカーンにあるDynexSemiconductor社から入手できる。
充電サイクル中に入力電圧がスイッチ30の限界を超えた場合、制御可能な整流器(例えば位相制御式)に差し替えて図1の41〜42の電圧を変えることができる。
ヒーターコイルは銅のような固体導体から、またはニッケルクロミウムのようなより抵抗率の高い材料から作ることができる。コイルは電気絶縁性材料(酸化マグネシウムまたは酸化アルミナ等の層またはコーティング)により覆われている。コイルは加熱される物品に物理的に密着していても、コイルと物品との間に空隙があっても良い。さらには随意選択として伝熱性材料または断熱性材料がコイルと物品の間にあっても良い。
ヒーターコイルは物品の表面上、または近傍に配置された蛇行パターンに巻かれたもので、物品全体にわたり交互方向に(その位置に応じて)磁場を提供するものとすることができる。ヒーターコイルは3次元の物品の周囲を囲むように円筒形パターンに形成され、同じ方向に(その位置に応じて)コイル内部に磁場を提供するものであっても良い。さまざまな実施例においては、導電体は中空素子または非中空素子とすることができ、そして螺旋、蛇行、またはループ状蛇行など、さまざまな形状および形態とすることができる。導電性コイルは、結果的に作られる磁場に影響を与えるさまざまなピッチ(巻き間の距離)とすることができる。利用可能スペースと所望される加熱力に応じ、コイルの形状および距離を変化させることにより加熱力密度を変えることができる。ヒーターコイルの基本設計に関する記述は、Heat Treating誌1988年6月、8月、10月号に三回に分けて掲載されたS.ZinnおよびS. L. Semiaten著”Coil Design andFabrication”に記載されている。
コイルの加熱出力は周波数、電流および加熱素子の巻き数の関数である。この相関関係は以下のように表すことができる。
Figure 2009518778
ここでαは材料および形状の関数で、
1=電流
N=巻き数
ω=電源周波数
req=材料の加熱に要する加熱力である。
式(10.1)は、シリンダを形成する強磁性材料中の渦電流(R)の流れに対する期待抵抗値の計算に、式(10.2)は平坦なプレートとした場合の同様の計算に用いることができる。ここでシリンダもプレートも閉じた磁気ループの一部と想定され、電流はシリンダ周囲を取り巻くヒーターコイル、または平坦なプレート上に蛇行形状に搭載された面へと印加される。シリンダの場合、渦電流(R)の流れに対する等価抵抗は以下の通りである。
Figure 2009518778
ここで、
Dはシリンダの直径
Lはシリンダの長さ
ρはシリンダ材料の抵抗率
μはシリンダ材料の透磁率、そして
ωはシリンダ中の渦電流の角周波数である。また、プレートの場合は以下の通りである。
Figure 2009518778
ここで、
Lはコイル導体の長さ
pはコイル導体の周囲長
ρは平坦プレート材料の抵抗率
μは平坦プレート材料の透磁率
ωはプレート中の渦電流の角周波数である。そしてω=2πfである時、いずれの(シリンダおよびプレート)場合においてもfは基本周波数であり、周期Tに対してf=1/Tである。
本発明のさまざまな実施例においてtonおよびtoffは、充電回路中に蓄積されたエネルギーの少なくともあるパーセンテージ分を電流パルスで伝達することが可能となるように決定されるもので、そのパーセンテージの下限とは、50%以上、75%以上または90%以上とすることができる。
本発明の他の実施例方法および装置のさまざまな実施例はさらに、高周波数高調波にあるパルスエネルギーのあるパーセンテージ分を供給することもできる。そのパーセンテージの下限とは、50%以上、75%以上または90%以上とすることができる。
またさらに、さまざまな実施例においてはパルスの幅(ton)は、パルス中の最大ピークの振幅の特定パーセンテージ分減少するパルス振幅により決定される。そのパーセンテージ分の減少は、50%以上、75%以上、90%以上または95%以上とすることができる。パルス幅は、スイッチが開となる前は、1パルスあたりに2、3回の発振が生じるように選択することができる。負荷回路が0.05〜0.1の減衰比を持つ一実施例においては、1パルスあたりに3または2回発振するパルス幅がそれぞれに提供される。
各電流パルスは、少なくとも1つの、そして好ましくは複数の、急峻な立ち上がり部および立ち下り部を含んでいる。これらの部分は、急峻に立ち上がる前縁部と、急峻に立ち下がる後縁部と、そして(随意選択として)それら前縁部と後縁部との間に更なる急峻な立ち上がりおよび立下り部を含んでいる場合がある。さまざまな実施例においては、所望のパルス形状は位相ずれ(電圧および電流の)と周波数(小さい位相ずれおよび高い周波数が望ましい)との間で折衷することにより、パルス中の最大ピークの振幅の10%未満の振幅へと減衰する前に2回の完全なサイクルを持つ発振パルスが作られることになる。
一例においては、電流パルス中の最大(通常は最初のもの)ピークの振幅は100アンペアよりも大きく、そしてパルス振幅はその初期ピーク振幅の8%未満にまで減衰する。しかしながら他の実施例においては、例えば減衰係数が低い場合、パルス振幅が50%未満となった時点でパルスを終わらせる(スイッチを開にする)ことが望ましいこともある。この後者の例においては、スイッチ中の電流レベルは前者の例よりも著しく高くなる。
他の実施例においては、同じ基本周波数およびRMS電流振幅の正弦波信号の最大変化率よりも5倍以上大きい最大変化率を持つ少なくとも1つの急峻な変化部を各電流パルスが含むことになるように、オン/オフが制御される。選択実施例においては、最大変化率は10倍以上、または20倍以上とすることができる。最大変化率の上限は負荷回路の電圧限界に基づいて決定することができる。オン/オフのタイミングもまた、各電流パルスが、電流パルス中の最大ピークの10%未満のレベルに減衰する前に少なくとも2回の発振サイクルを含むことになるように制御することができる。
本願の開示に基づけば、当業者であれば、所望の電流信号を加熱素子へと伝達するために個々の電流パルスの形状および電流パルスのオン/オフタイミングを制御することができる。一般に、加熱素子へと届けられるエネルギーは、パルスの周波数(単位時間あたりのパルス数)およびパルスの形状(高周波数高調波中に提供されるエネルギー量)の両方に依存する。よってより大きなエネルギーを加熱素子へと伝達する必要がある場合、パルスの周波数を増大し、そして/またはより大量の高周波数高調波を含むことになるように個々のパルス形状を変更すれば良い。また、より高い入力電圧が提供される場合、パルス周波数を低減し、そして/または高周波数高調波の量を低減することになるようにパルス形状を変更することができる。
以下に説明する他の実施例においては、電源のオン/オフのタイミングを決定する上で、より単純化した(計算量を減じたという意味で)方法を用いた制御システムが提供される。
他の制御システム
本例においては、充電回路から負荷回路へと届けられるエネルギー量に所定値が設定されており、tonおよびtoff時間の決定に利用される。
この他の制御システムの説明においても再度図1を参照し、以下のことを想定している。2つの制御スイッチ20および30が、同じ周波数、具体的には充電周波数fch(式1.0を参照)でスイッチング可能であり、そして同じ最大スイッチング周波数fmax switchを持っている。ここでも、スイッチ20および30は同時に閉じることは無い。以下は回路から既知の値である。
・ Lch−スイッチ18のインダクタンス
・ C−充電キャパシタ22のキャパシタンス
・ fmax switch−スイッチ20および30の最大スイッチング周波数
・ U−整流後のDC電圧(段落82を参照)
・ Umax−スイッチ30の最大電圧(段落85を参照)
以下の負荷のパラメータは未知ではあるが、以下の通りに限定されている。
・ R<2R 、ここでRは負荷抵抗に等しく、R (式3.1から)は共振抵抗であり、ここで負荷中にはいくらかの発振がある(決定的に減衰してはいない)。
・ L<<Lchであり、ここでL(式2.1から)およびLch(式1.1から)は、充電周波数がほとんど負荷に依存しないことになるものである(図2参照)。
ここでも、キャパシタは約2Uに充電される。充電時間は1/2Tchであり、ここでTchは充電回路の周期であり(図4参照)、Umaxをスイッチの最大定格電圧とした場合U<1/2Umaxとなる。よって充電サイクル以前には、充電回路中にゼロ電流状態が存在する。放電時間ton≧1/2Tchは、スイッチ30が最高スイッチング速度を超えることがないように決定される。
電源はtmaxと等しい一回の充電時間toffを持つようにプログラミングされるものであり、ここで充電時間はスイッチ20および30の所定最大動作周波数fmax switchのLchおよびCにより決定される。これらの条件下においては、スイッチは負荷とは無関係にそれらの電圧および周波数限界内にて動作することになる。
第一のステップにおいては、図7に示す負荷電流Iのゼロ交差を監視し、そのゼロ交差時間を最大スイッチング周波数と比較する(例えばスイッチ30の開閉間の時間が、スイッチ30の最高スイッチング速度を超えないように)。従って、キャパシタ22が約2Uへと完全に充電された後、スイッチ30が閉じて(そしてスイッチ20が開いて)、負荷へのエネルギーの放電が行われる。先に述べたように、スイッチ30はIがゼロ以下(図1の43から44への電流の流れを正と定義することを想定して)となっている間にのみ開くことができる。この状態が最初に起きるのは、第一のゼロ交差72と、第二のゼロ交差73との間であり、その後は第三のゼロ交差75と第四のゼロ交差76の間、第五のゼロ交差と第六のゼロ交差の間などで生じる。スイッチ30を開いてもスイッチ30の最大動作周波数を超えることがなくなるまでの周期数を決める必要がある。以下の式を使う。
Figure 2009518778
ここでtは当初は第二のゼロ交差73であり、その後第四のゼロ交差76などとなっていくもので、カウンタが設定され、スイッチ30を安全に開けるようになるまでに要する時間が決定される。例えば、上記の式が第二のゼロ交差(73)時に真となる場合、スイッチ30を、第二のゼロ交差直前に開くことができる。もし真とはならず、しかしこのステートメントが第四のゼロ交差(76)で真となる場合、スイッチ30を、第四のゼロ交差直前に安全に開くことができる。nは、スイッチがスイッチの最大動作周波数内で開くことができる発振の最低数に等しくなるように設定する。
次のステップにおいては、連続する電流ピークIの振幅を測定し、そのような電流ピークの減衰する振幅の二乗の比を、所定値(ここでは、キャパシタ中に蓄積されたエネルギーの約95%を負荷へと伝達することを表す20:1)と比較する。より具体的には、放電サイクル中、ゼロ交差が検出されている間、ピークa、a、a等(71、74、77等)の振幅がそれぞれにサンプリングされる。ピークは図6に示すように指数関数的に減衰する包絡関数上にある。ここでもカウンタが設定され、以下の式が真となる時点が決定される。
Figure 2009518778
ここでaはまずはaであり、次にa等となっていく。この比較は、真の値が返され、充電キャパシタ中に蓄積されたエネルギーの実質的に95%を負荷回路へと送るために要する発振数と等しくなるようにnを設定するまで実施される。
最後のステップとして、上記2つの状態がいずれも真である場合、具体的にはnが最高スイッチング速度を超えておらず、そしてnがキャパシタの実質的に全て(例えば95%)のエネルギーを負荷回路へと伝達するものである場合に放電時間tonを計算する。放電時間tonは、ton=n(t73−t70)と設定するものとする。ここでnはnおよびnよりも大きく、(t73−t70)は1周期である。
上記方法は、図9または図10に説明したフィードバック制御法のいずれかに基づいて電源を制御するために利用することができる。
上記方法は、スイッチ20が開くと共にスイッチ30が閉じた時(最大電力供給)のtonの値を決定するものである。代わりに、負荷へと届けられる電力を低減したい場合、スイッチの閉鎖と閉鎖の間に間隔を加えることが可能である。
従って、本発明の方法および装置は、負荷へと届けられるエネルギー含量の制御を、インピーダンスパラメータの値が未知であったり、直接的に測定したり判定したりすることもできない場合に負荷のインピーダンスパラメータに基づいて行うことを可能としたものである。インピーダンスパラメータは代わりに、例えば先に説明した負荷中の電流振幅の比のような、負荷の応答に基づいて間接的に決定することができる。
従って、当業者には明らかなように、特定の推奨される実施例に関する上記説明は、説明目的で提供したものであり、限定するものではない。請求する本発明の範囲から離れることなく、変更および代替を加えることが可能である。
本発明の一実施例に基づく誘導加熱装置の概略図であり、装置は電源回路および負荷回路を含む。 図1の部分的拡大図であり、図1aはスイッチ20の代わりに設けることができるダイオードを示し、図1bは負荷の構成要素を描いたものである。 図1の装置の充電回路部の概略図である。 図1の装置の負荷回路部の概略図である。 負荷回路における他のスイッチ実施例を描いた図である。 一実施例における充電キャパシタの電圧を時間の関数として示す概略グラフである。 負荷回路を流れる電流を時間の関数として示す概略グラフであり、一実施例に基づく複数の電流パルスが高周波数高調波を負荷回路に供給していることを示す。 負荷回路を流れる電圧を時間の関数として示す概略グラフであり、一実施例における単一パルスの形状を示す。 一実施例において、負荷へと1パルス中で伝達される電圧および電流の概略グラフである。 インダクタ18中の電流を時間の関数として示す概略グラフであり、一実施例における交互のスイッチング時間tonおよびtoffを示す。 所望の電流パルス信号を決定する為の方法のブロック図である。 所望の電流パルス信号を決定する為の他の方法のブロック図である。
符号の説明
10 ネットワーク
15 監視・制御回路
18 インダクタ
20 スイッチ
22 キャパシタ
24 負荷
30 スイッチ

Claims (54)

  1. 物品の誘導加熱用に誘導電力を電源回路から負荷回路へと伝達する方法であって、前記電源回路が前記負荷回路へと結合する充電回路を含み、
    前記負荷回路のインピーダンスパラメータを決定するステップと;
    前記充電回路のインピーダンスパラメータを決定するステップと;そして
    前記決定された負荷回路と充電回路のインピーダンスパラメータに基づいて、前記物品の誘導加熱のために所望される量の高周波数高調波のパルスエネルギーを前記負荷回路中に提供する電流パルスを、前記負荷回路へと供給するステップとを含む方法。
  2. 前記電源回路が、前記充電回路を制御するためのスイッチング装置を含むと共に、所望される前記電流パルスを提供するために、前記スイッチング装置のオン時間(ton)を決定するステップを含む請求項1に記載の方法。
  3. 所望される前記電流パルスを提供するために、前記スイッチング装置のオフ時間(toff)を決定するステップを含む請求項2に記載の方法。
  4. 前記充電回路中に蓄積されたエネルギーの少なくとも50%を前記電流パルス中で伝達することができるようにtonおよびtoffが決定されることを特徴とする請求項3に記載の方法。
  5. 前記充電回路中に蓄積されたエネルギーの少なくとも90%を前記電流パルス中で伝達することができるようにtonおよびtoffが決定されることを特徴とする請求項3に記載の方法。
  6. 前記パルスエネルギーの少なくとも50%が高周波数高調波であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  7. 前記パルスエネルギーの少なくとも90%が高周波数高調波であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  8. 前記負荷回路が、0.01〜0.2の範囲の減衰比を持つことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  9. 前記決定されたインピーダンスパラメータの少なくとも1つにおける変化を検出するために、前記物品の加熱サイクル中に、断続的に利用されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  10. 前記負荷回路への所望の電力供給に基づき、前記充電回路の前記インピーダンスパラメータを変更するステップを含む請求項1に記載の方法。
  11. 物品の誘導加熱用に高周波数高調波の電流パルスを負荷回路へと伝達するための電源回路を設けるステップと;
    前記電流パルスを伝達する前に前記負荷回路のインピーダンスパラメータを決定し、前記インピーダンスパラメータに基づいて前記電流パルスのエネルギー含量を決定するステップと;を含む方法。
  12. 前記インピーダンスパラメータの変更のために、前記負荷回路の応答を監視するステップを含む請求項11に記載の方法。
  13. 前記電流パルスの前記エネルギー含量を、前記電源回路の1つ以上の限界に基づいて決定するステップを含み、前記限界が、電圧、電流スパイク、RMS電流、スイッチング周波数および温度における限界を含むものであることを特徴とする請求項11に記載の方法。
  14. 前記インピーダンスパラメータが:
    前記電源への入力;
    前記負荷回路の電源への接続;
    前記負荷回路におけるヒーターコイルの不良;
    前記物品の加熱中における磁気結合の喪失または変化;および
    前記負荷回路のヒーターコイルの1つ以上の巻き間における接触;の存否または変化を検出する為に用いられることを特徴とする請求項11に記載の方法。
  15. 前記負荷回路の1つ以上のインピーダンスパラメータを決定するための信号を供給するステップと;
    決定された前記1つ以上のインピーダンスパラメータに基づき、高周波数高調波を前記負荷回路中に提供する電流パルスを前記負荷回路へと供給するステップとを含む可変インピーダンスパラメータを持つ負荷回路の誘導加熱法。
  16. 前記負荷回路が、物品を誘導加熱するための磁束を発生するヒーターコイルを含み、前記負荷回路の前記可変インピーダンスパラメータが:
    前記ヒーターコイルにおける変化;および
    前記ヒーターコイルと前記物品との間の磁気結合における変化;のうち、1つ以上に基づいたものであることを特徴とする請求項15に記載の方法。
  17. 物品の誘導加熱用に負荷回路へと所望量の高周波数高調波のパルスエネルギーを提供する電流パルスを供給するステップと;
    加熱中に前記負荷回路の1つ以上のインピーダンスパラメータを決定するための信号を供給するステップと;そして
    前記電流パルスのエネルギー含量を前記決定された1つ以上のインピーダンスパラメータに基づいて変更するステップと;を含む動的加熱制御法。
  18. 物品の誘導加熱用に負荷回路へと高周波数高調波の電流パルスを供給するステップと;
    前記負荷回路の1つ以上のインピーダンスパラメータを決定するステップと;
    決定された前記1つ以上のインピーダンスパラメータおよび前記負荷回路への所望される電力供給に基づき、前記電流パルスのエネルギー含量を決定するステップと;を含む方法。
  19. 物品の誘導加熱用に高周波数高調波の電流パルスを前記負荷回路へと供給するステップと;
    前記電源供給回路の1つ以上の限界を決定するステップと;
    前記負荷回路の1つ以上のインピーダンスパラメータを決定するステップと;
    決定した前記1つ以上のインピーダンスパラメータおよび限界に基づいて、前記負荷回路へと所望の電力を伝達するための前記電流パルスのエネルギー含量を、前記電源供給回路の前記限界内において決定するステップとを含む電源供給回路から前記電源供給回路に結合した負荷回路へと誘導電力を伝達する方法。
  20. 前記電源回路が、前記負荷回路へと結合する充電回路を含み、前記充電回路のインピーダンスパラメータを、前記充電回路の周波数応答に基づいて決定するステップを含む請求項19に記載の方法。
  21. 前記負荷回路のインピーダンスパラメータを、前記負荷回路の発振周波数に基づいて決定するステップを含む請求項19に記載の方法。
  22. 前記発振周波数が、前記負荷回路へと供給される電圧または電流の連続するゼロ交差を監視することにより決定されることを特徴とする請求項21に記載の方法。
  23. 前記負荷回路の減衰係数を決定することにより、前記所望の電力が決定されることを特徴とする請求項19に記載の方法。
  24. 前記減衰係数が、前記負荷回路へと供給される電圧または電流の連続するピークの振幅を監視することにより決定されることを特徴とする請求項23に記載の方法。
  25. 充電回路と;
    前記充電回路に結合する負荷回路と;
    そのオン時間中には前記負荷回路へと電流パルスを伝達するように前記充電回路を制御するためのスイッチング装置と;そして
    前記負荷回路へと所望量の高周波数高調波のパルスエネルギーを供給するように、加熱サイクルにおいて前記スイッチング装置のオン時間およびオフ時間を制御するための監視・制御回路と;を具備した電源制御装置。
  26. 前記監視・制御回路が、前記充電回路および負荷回路中の電流を監視することにより前記スイッチング装置の開時間を制御することを特徴とする請求項25に記載の装置。
  27. 前記所望量は少なくとも50%であることを特徴とする請求項25に記載の装置。
  28. 前記充電回路に蓄積された前記エネルギーの50%以上が前記負荷回路へと伝達されることになるように、前記スイッチング装置が前記充電回路および前記負荷回路を結合することを特徴とする請求項25に記載の装置。
  29. 前記充電回路に蓄積された前記エネルギーの90%以上が前記負荷回路へと伝達されることになるように、前記スイッチング装置が前記充電回路および前記負荷回路を結合することを特徴とする請求項28に記載の装置。
  30. 前記充電回路への入力電圧がUである場合に、前記負荷回路へと伝達される電圧が少なくとも2Uとなるように前記スイッチング装置が前記充電回路を前記負荷回路へと結合することを特徴とする請求項25に記載の装置。
  31. 前記負荷回路への前記電流パルスの伝達中に電流が前記スイッチング装置を通じて発振することになるように、前記スイッチング装置が前記充電回路を前記負荷回路へと結合することを特徴とする請求項25に記載の装置。
  32. 後の充電サイクルで前記負荷回路中に非ゼロ電流状態を得るために、前記充電回路中にエネルギーの蓄積が残されることになるように前記スイッチング装置が前記充電回路を前記負荷回路へと結合することを特徴とする請求項25に記載の装置。
  33. 前記スイッチを通じて実質的にゼロ電流状態を得る一方で、前記負荷回路および充電回路のいずれにもゼロ電流状態が作られないように、前記オン時間および/またはオフ時間が制御されることを特徴とする請求項30に記載の装置。
  34. 前記監視回路が、前記電流パルス中の電流または電圧の連続するゼロ交差を監視し、そのような監視に基づいて前記電流パルスに所望される形状と周波数を決定することを特徴とする請求項25に記載の装置。
  35. 前記負荷回路が、0.01〜0.2の範囲の減衰比を持つことを特徴とする請求項25に記載の装置。
  36. 前記負荷回路が、0.05〜0.1の範囲の減衰比を持つことを特徴とする請求項35に記載の装置。
  37. 前記負荷回路の少なくとも1つのインピーダンスパラメータを決定する為の信号を供給する信号発生器を含む請求項25に記載の装置。
  38. 前記負荷回路の少なくとも1つのインピーダンスパラメータの変更のために、前記負荷回路の応答を監視するための手段を含む請求項25に記載の装置。
  39. 前記負荷回路が、強磁性および/または導電性の物品へと磁気結合するヒーターコイルを含むことを特徴とする請求項25に記載の装置。
  40. 前記負荷回路へと供給される電圧または電流のゼロ交差を監視するための手段を含む請求項25に記載の装置。
  41. 前記負荷回路へと供給される電圧または電流の振幅の連続するピークを監視するための手段を含む請求項25に記載の装置。
  42. 前記スイッチング装置が並列に配置された複数のスイッチを含むことを特徴とする請求項25に記載の装置。
  43. 前記負荷回路から前記充電回路を通じて電流が逆流することを防止するための手段を含む請求項25に記載の装置。
  44. 高周波数高調波で電流パルスを生成し、パルスエネルギーの少なくとも50%を高周波数高調波で前記負荷回路へと伝達するために、各パルスが少なくとも1つの急峻な変化部を含むステップと;
    誘導加熱に所望される電流信号として複数のそのようなパルスを生成するために前記電流パルスのオン/オフタイミングを制御するステップとを含む物品の誘導加熱用に負荷回路中に所望量の高周波数高調波のパルスエネルギーを供給する電流パルスを生成するための方法。
  45. 各電流パルス中に2つまたは3つの発振を作ることになるように前記オン/オフタイミングが制御されることを特徴とする請求項44に記載の方法。
  46. 電流パルスの振幅がその電流パルスにおける最大ピークの振幅から50%以上下降した後に各電流パルスが終わることになるように前記オン/オフタイミングが制御されることを特徴とする請求項44に記載の方法。
  47. 電流パルスの振幅がその電流パルスにおける最大ピークの振幅から75%以上下降した後に各電流パルスが終わることになるように前記オン/オフタイミングが制御されることを特徴とする請求項44に記載の方法。
  48. 電流パルスの振幅がその電流パルスにおける最大ピークの振幅から90%以上下降した後に各電流パルスが終わることになるように前記オン/オフタイミングが制御されることを特徴とする請求項47に記載の方法。
  49. 電流パルスの振幅がその電流パルスにおける最大ピークの振幅から95%以上下降した後に各電流パルスが終わることになるように前記オン/オフタイミングが制御されることを特徴とする請求項48に記載の方法。
  50. その最大変化率が、同じ基本周波数およびRMS電流振幅の正弦波信号の最大変化率が少なくとも5倍以上大きい、少なくとも1つの急峻な変化部を各電流パルスが含むことになるように前記オン/オフタイミングが制御されることを特徴とする請求項44に記載の方法。
  51. 最大変化率が、10倍以上であることを特徴とする請求項50に記載の方法。
  52. 前記最大変化率が、20倍以上であることを特徴とする請求項51に記載の方法。
  53. 前記最大変化率の上限が、前記負荷回路の電圧限界に基づいて決定されることを特徴とする請求項50に記載の方法。
  54. 各電流パルスが、前記電流パルス中の最大ピークの振幅の10%未満のレベルにまで減衰する前に、少なくとも2つの完全な発振サイクルを含むことになるように、前記オン/オフタイミングが制御されることを特徴とする請求項44に記載の方法。
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