JP2009516152A - トンネル炉 - Google Patents
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Abstract
【課題】電気及びガスをベースとした加熱要素の中から選別された加熱要素から構成され、ガラス材料を発泡させるためのトンネル炉を提供する。
【解決手段】このトンネル炉は少なくとも以下の温度区域から構成される。供給される材料を400から900℃の範囲の温度に加熱するのに適切な加熱前区域(8)とガラス材料を900℃以上の温度に加熱するのに適切な発泡区域(9)とを備える。該炉はまた典型的に発泡区域(9)で上昇した温度を低減させるのに適切な冷却区域(10)を備える。加熱前区域(8)は少なくとも発泡区域(9)よりも15%長い。
【選択図】図1
【解決手段】このトンネル炉は少なくとも以下の温度区域から構成される。供給される材料を400から900℃の範囲の温度に加熱するのに適切な加熱前区域(8)とガラス材料を900℃以上の温度に加熱するのに適切な発泡区域(9)とを備える。該炉はまた典型的に発泡区域(9)で上昇した温度を低減させるのに適切な冷却区域(10)を備える。加熱前区域(8)は少なくとも発泡区域(9)よりも15%長い。
【選択図】図1
Description
本発明は、トンネル炉、より特徴的にはガラスを原材料とした発泡ガラス粒子の生産またその他の製品及び材料の生産のためのトンネル炉に関する。
埋め立て地や他の投棄場所に放棄されることを防ぐために、異なる種類のリサイクル用ガラスを大々的に活用することが望ましく、必要性がある。同時に、建設業には軽量の断熱材や防音材への需要がある。
さらには、加熱された発泡状のガラスは、薄壁により分離された密閉気孔からなる非常に軽量で比較的強い構造を形成し、これらを断熱材や防音材として使用できることは公知である。しかし、この目的に適したガラスの種類は限られており、また発泡工程はガラスの混濁による影響を受けやすい。そこで、発泡工程が問題なく処理されることを保証するために、異なる種類のガラスに対し高度の選別が要求され、またそれに対応したガラスの高度の精製を必要とする。
特許文献1には、実証済みの技術に基づく処理過程が記載されている。ランプガラスは典型的に重量の5%以上に渡り、難融ガラスと組み合わさって、発泡性の接着剤、ベークライト、プラスチック他を含有する。当該特許文献によれば、当該処理過程でこの種類のランプガラスを使用した場合、該過程は期待通り進行せず、発泡は不適切で制御できず、その結果、物質には非反応のガラス粉末が取り残されると共に大きく、不規則な孔が形成される。
EP 0 292 424 B1
この目的のために造られた炉は、スイスのMISAPOR AG、ノルウェーのMeraaker,ドイツのGrossenhain製のものが知られ、全てはMutAdvanced Heating GmbHによって供給され、またノルウェーのSjaak製のものはJenaer Schmeltztechnik Jodeit GmbHによって供給されている。これらの炉は最も適した品質のガラス材が多量使用された時、期待に沿う結果を残すが、上述のような5重量%を超えるガラス残分が組み合わされる場合、これらの炉はコンベヤーバンドの速度、つまり生産能力が著しく低下されない限り、所望の品質の製品を提供し得ない。これはガラスの原料がガラスの2重量%以上のセラミック、磁器および石材(CPS)の不純物含有している場合も同様である。
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その第一の目的は、異なる調達源からの(発泡)ガラスを含む原料から最も効率よく粒状の発泡ガラスを生成するのに適したトンネル炉を提供することにある。
また、本発明の第二の目的は、ガラスから軽量の断熱材や防音材を生産することを可能とするトンネル炉を提供することにあり、特に現存する炉や処理過程においては、望ましい製品品質を産出できない一定量のランプガラスあるいはセラミック、磁器、石材、プラスチック、紙、有機材料又は水分による混濁を含有するリサイクルガラスにおいても、それらを原料として処理できるトンネル炉を提供することにある。
また、本発明の第三の目的は、材料の性質及び製品品質を維持又は向上させることができると同時に、ガラス材料の選別によらない、以前から使用可能であったレベルよりも高い純度や組成の変化度を有するガラス材料でさえも使用できるトンネル炉を提供することにある。
上述の目的は請求項1により限定された本発明により達成される。
本発明の好ましい実施形態は従属項により開示されている。
材料はトンネル炉内を一定の速度で通過する。加熱前区域を備えることにより、大幅な集積量で存在する場合、発泡過程に影響を与える、相当な量の不純物が取り除かれる。
トンネル炉内で処理される材料は、典型的に炉内を耐熱のエンドレスコンベヤー上を通り、運送される。本発明によれば、加熱前区域を発泡区域よりも長くすることで、加熱前区域での保持時間が発泡区域での保持時間よりも長くなる。これは材料の温度が、ガラス微粒子が焼結を開始するレベルに到達する前に、ガラスの揮発性の破片が蒸発したことを意味する。
例えば、電灯又は蛍光灯から精製されたガラスが使用された時、このようなガラスはベークライトの破片、プラスチック、セラミック破片そして接着剤を含有する。本発明に係る炉によれば、粒状の発泡ガラスの生産品質及び生産能力は、このようなガラスの含有量が全ガラス含有量の重量の5%を超えても維持される。(例えば、このようなガラスの重量の10%又はそれ以上の増加。)
また、別の例としては家庭のリサイクルガラスの利用で、これは通常セラミック、磁器、石材及び他の不要物質(2%を超える)を含有し、ガラス中の制御し得ない孔形成に繋がる。この場合、延長された加熱前区域の代わりとして、ガラスの高価な事前分離又は上述の生産能力の低減が考えられる。
本発明に係るトンネル炉が使用された場合、粉砕されたリサイクルガラスは900℃以下の温度、好ましくは500−700℃の範囲で第一の処理ステップにさらされる。この分離ステップにおいて、炭酸カルシウム、プラスチック、又は他の炭化水素を含む物質、紙、水分などの形で存在する不純物が蒸発されるか、もしくは反応混合物から取り除かれる。
ガラスは炉の後続区域にて発泡され、発泡を実現させるために、温度は少なくとも900℃以上に上げられる必要がある。その最も簡単な形態において、この後続ステップは既知の過程や炉の処理に相等する。
この処理過程で原料として使用されるガラス材料は、多種の異なる調達源からのガラスを含有することができ、典型的には窓ガラス、合わせ(白)ガラス、ランプガラス、セラミックガラス、CRTガラス(例えばテレビ画面に使用されるガラス)、強化ガラス及び包装ガラスの中から選別されたガラスから構成される。包装ガラス(瓶ガラス)はガラス総量の重量の少なくとも20%の量で存在するべきである。
発泡区域の温度は、供給されるリサイクルガラスの組成に対応して選択又は適合される。ランプガラス及び/又はセラミックガラスの含有量が高い場合は、第二の処理ステップでより高い温度設定をする必要がある。
加熱前区域での典型的な保持時間は4−10分の範囲であり、また発泡区域での典型的な保持時間は3−7分の範囲である。本発明による望ましい結果は、過熱前区域での保持時間を発泡区域よりも少なくとも15%以上長くした時達成される。
この炉は少なくとも上述の2つの区域で構成されることを必須とする傍ら、好ましくは上述の加熱前区域よりも上流に配置される、焼き入れ区域と称される第三の区域を含む。焼き入れ区域では原料は典型的に加熱前区域よりも低い温度、つまり200から400℃の範囲の温度に加熱される。焼き入れ区域の更なる目的は、該原料が加熱前区域の処理にさらされる前に、既に紙やプラスチックの残存物のような最も揮発性の高い不純物を取り除くことである。
本発明に係るトンネル炉で特に達成されるのは、上述のように製品の品質や処理過程に悪影響を与えないで、より多種の調達源からのガラスを使用できることである。更には、発泡過程に先立って不純物がおおよそ取り除かれるので、概して不純物の影響をより受け難くなる。これまでに炉に供給されたCPS(セラミック、磁器、石材)類の不純物の最も高い含有量は重量のおよそ7%で、これは十分に申し分ない断熱材及び防音材を産出した。
以下、図面を参照して本発明に係る炉の実施の形態を詳細に説明する。
異なる品質と調達源からのガラスは、圧搾ステーション1で圧搾され、一時的に他の品質と調達源からのガラスと分離して保存される。その後、圧搾されたガラスは、計量ステーション2及び3でその種類と品質に応じて特定の量/割合で分割され、研削ステーション4にて混合され、この研削ステーション4において所望の粒度に粉砕され、ふるいに掛けられる。粉砕されたガラスはそこから容器5に移送され、ここで規定量の活性剤が加えられ、混合物が均質となるまで粉砕されたガラスと混合される。
活性化されたガラスは、容器5から材料の流れ6として、必須でない焼き入れ区域7に移送され、およそ400℃の温度に加熱(焼き入れ)される。焼き入れ区域から焼き入れられたガラスは、加熱前区域8に移送され、そこで更におよそ500−700℃の範囲の温度に加熱される。ガラスは典型的に4−10分この区域に保持される。
発泡はこの過程の最後の活性工程として、ガラスが加熱前区域から移送される発泡区域9で起こり、ガラスはここで多少ガラス組成により更に900−1000℃の範囲の温度に加熱される。この過程での保持時間はおよそ3−7分である。
最後に、ガラス粒子は発泡区域から冷却区域10に排出され、そこで最初は900℃以下の温度に、その後典型的には300−400℃以下の温度に冷却されることを可能とする。産業上の利用では、常に発泡区域から離れてガラス粒子を冷却することが要求される。冷却処理が炉中の特定の室内で行われるか、炉外の別の室内で行われるかは重要でない。
個別の過程からなるこの工程は、以下のようにまとめることができる。
<焼き入れ過程>
焼き入れ区域7において、紙やプラスチック材料のような最も揮発性が高い、易酸化性の可燃性不純物は、供給される混合物から取り除かれる。更に、この過程は、該材料が過熱前区域に到達する前に既に比較的高い温度を有しているために、加熱前区域の保持時間を短縮するのに貢献する。
焼き入れ区域7において、紙やプラスチック材料のような最も揮発性が高い、易酸化性の可燃性不純物は、供給される混合物から取り除かれる。更に、この過程は、該材料が過熱前区域に到達する前に既に比較的高い温度を有しているために、加熱前区域の保持時間を短縮するのに貢献する。
<加熱前過程>
加熱前区域8において、セラミック、磁器および石材(CPS)などの不純物は、望ましくない低い温度レベルで発泡活性剤として機能する材料を含有し、該材料が発泡過程中に存在すると最終製品の品質に悪影響を与えるため、取り除かれる。
加熱前区域8において、セラミック、磁器および石材(CPS)などの不純物は、望ましくない低い温度レベルで発泡活性剤として機能する材料を含有し、該材料が発泡過程中に存在すると最終製品の品質に悪影響を与えるため、取り除かれる。
<発泡過程>
発泡区域8では、ガラス粒子と存在する発泡活性剤とが発泡され、密度が215−580kg/m3の範囲で、気孔率が65−87%の範囲での、密閉気孔を有するガラスの多孔質構造を形成する。発泡ガラスは典型的に3−13N/mm2の範囲の圧縮強度を有し、ガラス毛管が中断され(水分吸引バリアー)、つまり、発泡ガラスと接触している水分を吸収する傾向を示さない。
発泡区域8では、ガラス粒子と存在する発泡活性剤とが発泡され、密度が215−580kg/m3の範囲で、気孔率が65−87%の範囲での、密閉気孔を有するガラスの多孔質構造を形成する。発泡ガラスは典型的に3−13N/mm2の範囲の圧縮強度を有し、ガラス毛管が中断され(水分吸引バリアー)、つまり、発泡ガラスと接触している水分を吸収する傾向を示さない。
加熱前区域での保持時間は、供給されるガラス中のCPS不純物の含有量の増加により、多少延長する必要がある。ただし、保持時間の比例的な増加は要求されていない。1%のCPS含有量では、適切な保持時間は約5分であることが確定している。CPS含有量が5%に増加すると、すなわち、400%の増加であると、保持時間は7分に増加されるべきで、すなわち、およそ40%の増加である。
実行する上で、本発明に係るトンネル炉はモジュールを用いて組み立てるのが便利で、これにより、異なる長さの炉を一定の標準化された建築要素により組み立てることができる。モジュール要素が規定された基礎の長さもしくはこのような基礎の長さの倍数を構成する長さを有していれば更に便利である。一例として、適切な基礎の長さは32cmであることができる。
工場での適切な生産能力のための合理的な保持時間を得るために、炉の全長は12−30メートルの範囲であることが便利で好ましい。典型的な生産速度は500kg/時の規模である。「炉の全長」とは焼き入れ区域(存在する時)、加熱前区域、発泡区域および冷却区域を合わせた長さをいう。コンベヤーの好ましい速度は20−100cm/分の範囲にある。
1・・・圧搾ステーション
2・・・計量ステーション
3・・・計量ステーション
4・・・研削ステーション
5・・・容器
6・・・材料の流れ
7・・・焼き入れ区域
8・・・加熱前区域
9・・・発泡区域
10・・・冷却区域
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Claims (10)
- ガラス粒子を発泡させるために粉末ガラス材料を発泡するためのトンネル炉であって、
前記トンネル炉は電気及びガスをベースとした加熱要素、又はこれらの組み合わせから選別された加熱要素から構成され、
前記トンネル炉はガラス供給材料を400−900℃の範囲の温度に加熱するのに適切な加熱前区域(8)と、
前記ガラス供給材料を900℃以上の温度に加熱するのに適切な発泡区域(9)とから構成される温度領域を少なくとも備え、
前記加熱前区域(8)は前記発泡区域(9)より少なくとも15%長いことを特徴とするトンネル炉。 - 前記炉の前記加熱前区域(8)の壁は異なる長さでの組み立てを可能とするモジュール要素で構成されていることを特徴とする請求項1に記載のトンネル炉。
- 前記モジュール要素は規定された基礎の長さもしくは規定された基礎の長さの倍数で構成される長さを有することを特徴とする請求項2に記載のトンネル炉。
- 前記規定された基礎の長さはおよそ32センチメートルであることを特徴とする請求項3に記載のトンネル炉。
- 前記炉はまた前記加熱前区域(8)の上流に配置され、供給される材料を200℃以上の温度、好ましくは200−400℃の範囲の温度に焼き入れする焼き入れ区域(7)を備えることを特徴とする請求項1に記載のトンネル炉。
- 前記炉はまた前記発泡区域(9)の下流に配置され、発泡したガラス粒子を200℃以上の温度に冷却するよう配置された冷却区域(10)を備えることを特徴とする請求項1に記載のトンネル炉。
- 前記冷却区域(10)はガラス材料が前記炉を離れる前に、前記ガラス材料をおよそ400℃の温度に冷却するよう配置されていることを特徴とする請求項6に記載のトンネル炉。
- 前記ガラス材料を前記炉の全ての区域に渡り運送するよう配置された、耐熱材料からなるエンドレスコンベヤーを備えていることを特徴とする請求項1に記載のトンネル炉。
- 前記コンベヤーは20−100cm/分の速度で前記炉内の各区域を移動するよう配置されていることを特徴とする請求項1に記載のトンネル炉。
- 前記炉の全長が12−30メートルの範囲であることを特徴とする請求項1に記載のトンネル炉。
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