JP2009515510A - 活性化分割ポリペプチドならびにその生成法および使用 - Google Patents

活性化分割ポリペプチドならびにその生成法および使用 Download PDF

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    • C12Q2563/107Nucleic acid detection characterized by the use of physical, structural and functional properties fluorescence

Abstract

本発明は、再構成に際して即時に活性タンパク質を形成する活性化分割ポリペプチドフラグメントの生成法に関する。該方法はリアルタイムのタンパク質相補に関する。再構成に際して即時に蛍光シグナルを生成する活性状態にある分割蛍光タンパク質を分割し生成する方法も本発明に包含される。本出願はまた、本発明の新規な活性化分割ポリペプチドフラグメントを使用して核酸;非核酸分析物および核酸ハイブリダイゼーションをリアルタイムで検出する方法を提供する。

Description

関連出願の相互参照
本願は2005年10月27日に出願した米国仮特許出願第60/730,752号の35U.S.C.119(e)の下の恩典を主張するものであり、この内容の全体を参照により本明細書に組み入れる。
技術分野
本発明は、高速生体分子タンパク質相補のための新規な活性化分割ポリペプチドタンパク質ならびにその生成法および使用を提供する。
背景
タンパク質相補は、再集合して活性タンパク質を形成することが可能な2つ以上の不活性フラグメントにタンパク質を分割する比較的新しい方法である。不活性分割ポリペプチドフラグメントの使用の1つの制限は、再構成の際、それらは活性タンパク質を形成するためにリフォールディングされ、再集合する必要があることである。これらの折り畳み特性の不十分さは、リアルタイムに高反応速度で生体分子相互作用を検出する方法では、タンパク質相補における不活性分割ポリペプチドの使用を制限する。
GFPおよびその多数の関連した蛍光タンパク質は現在、タンパク質タグ化剤として広く使用されている(概説は、Verkhushaら、2003, Ch. 18, pp. 405-439を参照)。また、GFPは末端に融合された試験タンパク質の可溶性レポーターとして使用されている(Waldoら、1999, Nat. Biotechnol. 17: 691-695; 米国特許第6,448,087号)。GFP様タンパク質は、保存された11個のβストランド「バレル」構造を共有する相同の25〜30kDaのポリペプチドの増大するファミリーである。GFP様タンパク質ファミリーには現在、多様な花虫綱およびヒドロ虫類種からクローン化された数百のメンバーが含まれ、赤色、黄色および緑色蛍光タンパク質および多種の非蛍光色素タンパク質が含まれる(Verkhushaら、上記参照)。多様な蛍光タンパク質標識アッセイおよびキットが市販されており、広域スペクトルのGFPスペクトル変異体およびGFP様蛍光タンパク質が包含され、DsRedおよび他の赤色蛍光タンパク質(Clontech, Palo Alto, Calif.; Amersham, Piscataway, N. J.)が含まれる。
GFPおよび関連したタンパク質の可溶性を改善するための様々な戦略が記録されており、その結果、改善した折り畳み、可溶性および撹乱耐性特性を有する多数の変異体が生成した。現行のタンパク質タグ化および検出のプラットフォームは強力であるが欠点がある。分割タンパク質タグはタンパク質可溶性を撹乱するか(Ullmann, Jacobら、1967; NixonおよびBenkovic 2000; Fox, Kapustら、2001; Wigley, Stidhamら、2001; Wehrman, Kleavelandら、2002)、あるいは生きた細胞内では作用しない可能性がある(RichardsおよびVithayathil 1959; KimおよびRaines 1993; Kelemen, Klinkら、1999)。緑色蛍光タンパク質融合体は誤って折り畳まれるか(Waldo, Standishら、1999)、あるいは変化したプロセシングを示す(Bertens, Heijneら、2003)可能性がある。蛍光発生二ヒ素FLaSHまたはReASH(Adams, Campbellら、2002)基質はこれら制限の多くを克服しているが、ポリシステインタグモチーフ、還元環境および細胞トランスフェクションまたは透過処理を必要とする(Adams, Campbellら、2002)。
GFPフラグメント再構成系はタンパク質−タンパク質相互作用を検出することを主に報告しているが、正しく折り畳まれて可溶性で蛍光性の再構成GFPへと、補助されずに自己集合できるものは皆無である。また、これらのアプローチからは一般的な分割GFP折り畳みレポーター系は現れていない。例えば、Ghoshらの報告によると、GFP構造のアミノ酸1〜157および158〜238に対応する2つのGFPフラグメントは、個々のフラグメントが逆平行ロイシンジッパーを形成可能なコイルドコイル配列に融合すると、インビトロで、またはE.coli内で共発現することで再構成され、蛍光生成物を生じるように再構成されることができる(Ghoshら、2000, J. Am. Chem. Soc. 122: 5658-5659)。同様に、米国特許第6,780,599号には、GFP分子の分割フラグメントを連結する逆平行ロイシンジッパーを形成可能ならせんコイルの使用を記載している。しかし、この方法は陽性シグナルを得るのに2日を要するため、使用には非実用的すぎる。
同様に、相互作用しているタンパク質bZIPおよびRelが、GFPの2つのフラグメントに融合した場合、その相互作用によりGFP再構成を媒介できるということをHuら、2002は示した(Huら、2002, Mol. Cell 9: 789-798)。カルモジュリンおよびM13に融合した黄色蛍光タンパク質(YFP)のフラグメントはカルシウム存在下でYFPの再構成を媒介できることをNagaiら、2001は示した(Nagaiら、2001, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 98: 3197-3202)。このアプローチの変形では、OzawaらはカルモジュリンおよびM13を、自己スプライスするインテインポリペプチド配列を介して2つのGFPフラグメントに融合させ、これにより、カルシウム存在下でGFPフラグメントの共有結合再構成が媒介された(Ozawaら、2001, Anal. Chem. 72: 5151-5157; Ozawaら、2002 Anal. Chem. 73: 5866-5874)。
上記のGFP再構成系は、スペクトルが異なる2つの蛍光タンパク質タグの使用よりも利点を持つが、フラグメントの大きさ、およびそれに付随した不十分な折り畳み特性(Ghoshら、Huら、上記参照)、検出可能な折り畳まれた蛍光性のGFPを生成する化学ライゲーションおよび共発現または共リフォールディングの要件(Ghoshら、2000; Huら、2001, 上記参照)によって制限される。
折り畳み特性が不十分であると、これらのフラグメントおよび他の不活性分割ポリペプチドフラグメントの使用が制限される。なぜならそれらは減少した蛍光を有しているか、あるいはリアルタイムのアッセイに有用であるインビボでの蛍光発光に時間がかかりすぎるからである。また該フラグメントは、相補に先立つ個々のフラグメントの長期間安定性および可溶性が必要な、インビトロアッセイには有用ではない。
活性タンパク質形成のための再構成に際して折り畳みを必要としない分割蛍光ポリペプチドの生成は、活性タンパク質の生成に対する時間の遅れを排除し、リアルタイムタンパク質相補アッセイに利用可能である。
理想的な分割ポリペプチドフラグメントは遺伝子にコードされ、インビボでもインビトロでも作用可能となり、可逆的な高感度分析シグナルを与え、標的認識の際に活性タンパク質、ひいてはシグナルを即時に生成する。しかしこれまで、リアルタイムタンパク質相補の目的を効率的に果たす、事前に活性化された分割ポリペプチドフラグメントは報告されていなかった。
発明の概要
本発明は、DNA、RNA標的を含む標的核酸分子、ならびに核酸アナログおよび非核酸分析物のリアルタイム検出のための新規な系に関する。特に、本発明は分子ならびにその生成法および使用を含む。本発明の分子は、i)リアルタイムに、そして認識と検出との間の時間の遅れが皆無かほとんどなく活性化分割ポリペプチドの再構成を通じて核酸および非核酸分析物を検出し、ii)核酸または分析物などのその標的分子の検出に応じてそのシグナルを可逆的に増減させることが可能である。一実施態様では、分子は、再構成に際して活性タンパク質を即時に形成する活性化分割ポリペプチドフラグメントのハイブリダイゼーションに駆動される相補に基づいている。別の実施態様では、分子は、標的分析物への分割ポリペプチドフラグメントの結合に基づいている。タンパク質相補法に使用されるタンパク質は、フラグメントに分割できる任意のタンパク質であり得、再構成して活性タンパク質、特に、蛍光特性の酵素活性、例えば蛍光発生活性または発色性活性を有する活性タンパク質を生成するマーカータンパク質を形成することが可能である。一実施態様では、分割ポリペプチドは、分割蛍光フラグメントの1つが事前形成発色団を含む蛍光タンパク質またはポリペプチドである。該実施態様では、発色団がすでに形成され、成熟立体構造にあることから、蛍光シグナルのために発色団が形成されるまで待つ必要はない。
本発明の分子は、核酸診断、病原体モニタリングおよびバイオコンピューティングなどの様々な生体分子応用のリアルタイムのモニタリングに有用である。
本発明の活性化分割ポリペプチドは、分割され、再会合に際して活性タンパク質を即時に形成することが可能な任意のポリペプチドを包含している。該活性化分割ポリペプチドは例えば、発色性活性を有する酵素または蛍光タンパク質などの酵素活性または蛍光発生活性を持つタンパク質を含む。
本発明の一態様は、対応する蛍光ポリペプチドパートナーと会合すると即時に蛍光発光できるが、解離すると非蛍光性になる成熟事前形成発色団を含む活性化蛍光ポリペプチドフラグメントの生成を包含する。一実施態様では、発色団はフラグメント内では蛍光性ではない。なぜなら、フラグメントは溶媒に暴露されて消光されており、他のフラグメントのアミノ酸との必要な接触が欠如しているからである。2つのタンパク質フラグメントが核酸相補性相互作用により互いに接近すると、第2のポリペプチドは発色団に対する遮蔽として作用し、溶液からそれを隔離し、かつ蛍光の即時発生をもたらすアミノ酸接触の欠如のすべてを回復させる。フラグメントの1つに事前形成発色団が存在すれば、その相補性タンパク質フラグメントと会合したときに事実上即時に蛍光発光することが可能になる。発色団は事前に形成されており、よってその正常な折り畳みおよび形成に必要とされる時間の遅れを排除できるので、蛍光は即時に発生する。
一実施態様では、本発明は、本明細書で生体分子構築物とも称し得る分割ポリペプチド分子を生成する新規の方法を提供する。該方法は、1つのフラグメントにすでに発色団が存在する分割蛍光タンパク質などの活性化分割ポリペプチドフラグメントのインビトロでの単離を提供する。特に、分割ポリペプチドフラグメントは、小さい自己分割Ssp DNABインテインとの融合タンパク質としてE.coli内で発現する。これらのポリペプチドはリフォールディング後に封入体から単離され、これは例えば1つのフラグメント内で発色団を成熟させるが、蛍光は発生させない。活性化分割ポリペプチドタンパク質を含む封入体を、高度に効果的な方法で宿主細胞ポリペプチドおよび他の宿主細胞由来不純物から精製することは可能である。なぜなら、封入体に含まれる全ての物質の大部分はタンパク質精製を可能にするがタンパク質を変性させることのない変性条件下で易溶性だからである。インテインはタンパク質精製を容易にし、分割ポリペプチドタンパク質フラグメントの構造は変化させない。インテイン以外のペプチドは当業者に公知であり、本発明の精製方法に使用可能である。
いくつかの実施態様では、分割ポリペプチドフラグメントが分割蛍光タンパク質である場合、1つのフラグメントは、活性であるが非蛍光状態にある成熟事前形成発色団を含む。成熟しているが依然として不活性な状態で発色団を単離すると、その対応するフラグメントとの相補に際して、即時に蛍光を検出することが可能となる。
一実施態様では、蛍光タンパク質は緑色蛍光タンパク質(GFP)または高感度緑色蛍光タンパク質(EGFP)である。別の実施態様では、蛍光タンパク質は黄色蛍光タンパク質(YFP)、高感度黄色蛍光タンパク質(EYFP)、青色蛍光タンパク質(BFP)、高感度青色蛍光タンパク質(EBFP)、シアン蛍光タンパク質(CFP)、高感度シアン蛍光タンパク質(ECFP)または赤色蛍光タンパク質(dsRED)もしくは上記で列挙したタンパク質の任意の他の天然または遺伝子操作蛍光タンパク質である。またさらなる実施態様では、再構成された蛍光タンパク質は、上記で列挙した蛍光タンパク質と同じもの、またはそのいずれかの組み合わせから得たフラグメントの混合物から構成されていてよい。
蛍光タンパク質がEGFPである実施態様では、EGFPタンパク質はαフラグメント(およそアミノ酸1〜158)およびβフラグメント(およそアミノ酸159〜239)へと分割される。αフラグメントは成熟発色団を含み、単独では蛍光を発することはないが、βフラグメントと対になったときに蛍光を発する準備ができる。発色団を事前形成しているため、即時に蛍光を発することが可能である。重要なことに、αおよびβフラグメントは、会合が促進されなければ再会合の蛍光発光もしない。また、EGFPでの488/507nmと比較して、再集合したEGFPの励起/発光極大は490/524nmに赤色シフトする。さらに、本明細書に記載された再集合EGFPはMg2+存在下では安定する。
本発明の別の実施態様では、活性化分割ポリペプチドフラグメントは酵素活性アッセイにより検出可能な活性酵素のフラグメントを含むことが可能である。該実施態様では、酵素活性は発色性または蛍光発生反応で検出する。一実施態様では、酵素はジヒドロ葉酸レダクターゼまたはβ−ラクタマーゼである。
本発明の別の態様は活性化分割ポリペプチド分子である。一実施態様では、分子は少なくとも2つの活性化分割ポリペプチドフラグメントを含み、各フラグメントは核酸結合部分または核酸結合モチーフに結合している。核酸結合部分は例えば、DNA、RNAなどの核酸およびPNA、LNAなどの核酸アナログ、ならびに目的の核酸標的に特異的な他のアナログおよびオリゴヌクレオチドであり得るが、これらに限定されない。一実施態様では、核酸結合部分はオリゴヌクレオチドである。別の実施態様では、核酸結合部分が核酸結合タンパク質、ポリペプチドまたはペプチドであり得る。核酸結合部分は少なくとも2つの活性化分割ポリペプチドフラグメントと結合され、標的核酸と近接して会合すると、活性タンパク質の即時の形成、および即時のシグナル生成が促進される。活性化分割ポリペプチド分子が活性化分割蛍光フラグメントを含む場合、活性化蛍光フラグメントが緊密に会合すると即時に蛍光が生じる。核酸結合部分は個別に機能することで標的核酸に会合してもよく、あるいは共同して単一部位に結合してもよい。一実施態様では、標的核酸が例えば、DNA、RNA、PNAまたは核酸のアナログもしくは変異体であり得る。
本発明の一実施態様では、核酸結合部分は可動性リンカーを介して活性化分割ポリペプチドフラグメントに抱合される。一実施態様では、リンカーはビオチン−ストレプトアビジン化学反応である(例えば図1参照)。該実施態様では、スルフヒドリル反応性試薬、ビオチン−HPDPでビオチン化するため、2つの蛍光フラグメントをそれぞれCおよびN末端の余分のシステイン残基を有して発現させてよい。CおよびN末端でビオチン化したポリペプチドはその後、ビオチン化核酸結合部分と、例えばストレプトアビジンを介してオリゴヌクレオチドと結合することが可能である。ストレプトアビジン(高親和性ビオチン結合タンパク質)はリンカーとして作用する。別の実施態様では、可動性リンカーの改変は、各ポリペプチドのN末端アミノ酸および/またはC末端アミノ酸をシステインに変化させることを含み、核酸結合部分(またはオリゴヌクレオチド)の3’または5’末端のチオール基は、N末端および/またはC末端のシステインへの結合を可能にする。
別の実施態様では、本発明の蛍光タンパク質フラグメントに結合した核酸結合部分は、他の核酸結合分子、非限定的例としてはPNA、アプタマー、RNA等であってよい。別の実施態様では核酸結合部分はRNAまたはDNA結合タンパク質であってよい。蛍光タンパク質は、核酸結合モチーフに付着する2つの不活性フラグメントであってよく、ここで核酸結合モチーフは個別に機能するか、あるいは共同して単一部位に結合してもよい。蛍光タンパク質の全長タンパク質への再会合は標的結合部位の存在下でのみ生じる(例えばRNA結合タンパク質のRNA上のその同族結合部位(単数または複数)との相互作用)。この相互作用は二分割した蛍光タンパク質を一緒にし、シグナル検出を可能にするであろう。
本発明の別の態様は、各々が非核酸分析物の結合モチーフに結合される少なくとも2つの活性化分割ポリペプチドフラグメントを含む活性化分割ポリペプチド分子である。該非核酸結合モチーフは例えば、タンパク質、ポリペプチドまたはペプチドであり得るが、これらに限定されない。別の実施態様では、非核酸分析物用の結合モチーフは例えば、生体分子、有機分子または無機分子であり得る。該実施態様では、標的分析物は例えば、生体分子、無機分子もしくは有機分子またはその変異体であり得る。
蛍光タンパク質を使用する場合、蛍光タンパク質は以下を含む群から選択することが可能である:緑色蛍光タンパク質(GFP);GFP様蛍光タンパク質(GFP様);高感度緑色蛍光タンパク質(EGFP);黄色蛍光タンパク質(YFP);高感度黄色蛍光タンパク質(EYFP);青色蛍光タンパク質(BFP);高感度青色蛍光タンパク質(EBFP);シアン蛍光タンパク質(CFP);高感度シアン蛍光タンパク質(ECFP);赤色蛍光タンパク質(dsRED)およびその変異体。
一実施態様では、活性化分割ポリペプチド分子は核酸分子のリアルタイム検出法を提供する。標的核酸分子はDNA、RNAならびに核酸アナログであり得る。標的核酸は一本鎖または二本鎖であり得る。いくつかの実施態様では、標的核酸は、分割蛍光分子への暴露に先だって増幅が可能である。例えば、ローリングサークル増幅(RCA)を使用して、相補複合体のプローブに結合する、複数の同じハイブリダイゼーション部位を有する一本鎖DNA標的を生成できる。
一実施態様では、1つの核酸結合部分が第1の標的配列に結合し、第2の核酸結合部分が第2の標的配列に結合するように、結合部分は標的核酸上の2つの隣接した配列に結合する。本実施態様では、隣接した配列は互いに十分接近しており、両結合部分が標的に結合すると第1および第2のポリペプチドは相互作用することが可能となり、蛍光フラグメントの相補が可能になる。本実施態様は一本鎖および二本鎖標的核酸の検出を提供する。二本鎖標的の検出では、一本鎖プローブが二本鎖標的と相互作用し、三重鎖を形成する。
別の実施態様では、両核酸結合部分は核酸またはオリゴヌクレオチドであり、一本鎖標的核酸上の同じ配列に結合し、三重鎖を形成する。本実施態様では、両結合部分が核酸標的上の同じ配列と相互作用するときに蛍光フラグメントの相補が生じる。
三重鎖の形成を提供する実施態様では、プローブはオリゴヌクレオチドまたはポリペプチドであり得る。好ましい三重鎖形成オリゴヌクレオチドはGCリッチである。好ましい三重鎖は、ピリミジン−プリン−プリンから成るプリン三重鎖である。
一実施態様では、本発明は、試料中に存在する標的核酸の存在および/または量をリアルタイムに検出する方法を提供する。標的核酸を含む試料をハイブリダイゼーション条件下で分割蛍光分子と接触させると、核酸結合部分が標的核酸と会合したときに分割蛍光フラグメントの相補および蛍光の即時の発生が生じる。蛍光の存在および/または量は標的核酸の存在および/または量の指標となる。
本発明はまた、非標的配列の存在下でも試料中の標的核酸を単離する方法を提供する。
別の実施態様では、本発明の方法によってリアルタイム核酸診断が可能になる。特に、試料中の病原体核酸の検出である。一実施態様では、ウイルス核酸のリアルタイム検出に使用するような核酸診断である。該実施態様では、特定のウイルスヌクレオチド配列またはウイルスヌクレオチド配列に起因するヌクレオチド配列の異常に特異的である核酸結合部分またはオリゴヌクレオチドに分割蛍光タンパク質が結合するように、本発明の分子は設計される。
別の実施態様では、本発明の分子により核酸ハイブリダイゼーションの変化の即時の検出が可能となる。例えば、標的核酸の存在下では、二分割した活性化分割ポリペプチドは会合して活性タンパク質を即時に形成し、よってリアルタイムにシグナルを生成する。特に、分子の分割ポリペプチドフラグメントが活性化分割蛍光フラグメントを含む蛍光シグナルの即時生成である。しかし、競合的阻害物質が過剰に存在するなどで、標的核酸が利用できなくなるのであれば、活性タンパク質は解体し、シグナルは散逸し、もはや検出されない。シグナルおよび/または蛍光が減少することで解離が検出可能となり、該検出は即時性のものである。解離に際して検出の即時性は現在、当技術分野における分子中では利用不可能である。
別の実施態様では、本発明は、活性化分割ポリペプチドフラグメントに抱合されたヌクレオチド結合部分として働くオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションのリアルタイム即時検出法を提供する。例えば、局在的な加熱(Hamad-Schifferliら、Nature, vol. 415, 10 January 2002に記載、参照により全体を本明細書に組み入れる)を使用して結合オリゴヌクレオチドを変性し、それにより蛍光を消光してもよい。本発明のタンパク質フラグメントは、解離に際して活性タンパク質のシグナルが即時に消光するか、回復するという点で特有である。それらはまた、オリゴヌクレオチドが再会合させられるとシグナルは即時に再確立されるという点で特有である。本実施態様の本分子を使用すると、多重オン−オフサイクルを必要とする多様なアッセイの効率の良い実行およびそれから得た結果の記録が可能となり、核酸ハイブリダイゼーション事象のリアルタイム光学的可視化が可能となる。さらに、本発明の方法は、ハイブリダイゼーションを妨害または促進する、および/または核酸ハイブリダイゼーションサイクリング事象を干渉する薬剤のスクリーニングを可能にする。
別の実施態様では、本発明は個体または被検体の遺伝子変異、多型または異常をリアルタイムに検出することを可能にする。生物試料を個体から単離し、DNAおよび/またはRNAを抽出する。検出しようとする特定の変異、多型または異常に特異的なオリゴヌクレオチドに活性化分割ポリペプチドフラグメントが結合するように、本発明の分子を設計する。あるいは、分子のプールを使用し、それにより多くの変異、多型または異常を検出し得る。本実施態様では、活性化分割ポリペプチドフラグメントに付着しているオリゴヌクレオチドは互いに相補的であり、よってベースラインは活性タンパク質からのシグナルである。その後試料からのDNAおよび/またはRNAを分子(単数または複数)に接触させる。そこから試料を得た個体に特定の変異または多型があれば、それは分割ポリペプチド分子と競合し、活性タンパク質シグナルを減少させる。個体のDNAおよび/またはRNAは、活性化分割ポリペプチド分子との接触に先だって増幅してよい。このことは、公知の多型の単一ヌクレオチド多型を検出することに特に有用である。シグナルおよび/または蛍光の生成に即時性があることから、本分子は高感度検出を可能にする。
類似の実施態様では、本発明は、個体から得た生物試料中の分析物、特に非核酸分析物をリアルタイムに検出することを可能にする。生物試料は標的分析物を含む被検体から単離する。いくつかの実施態様では、標的分析物を抽出することができる。検出しようとする分析物に特異的な結合モチーフに活性化分割ポリペプチドフラグメントが抱合されるように、本発明の分子を設計する。あるいは、分子または分析物のプールを含む試料を使用してもよく、ここで1つ以上の分析物を検出してもよい。本実施態様では、分析物に対する結合モチーフは、試験対象の分析物に特異的な活性化分割ポリペプチドフラグメントに付着させ、その後分析物を含む生物試料に接触させる。そこから試料を得た被検体に特定の分析物があれば、分割ポリペプチドフラグメントは再会合し、活性化分割ポリペプチド分子をもたらす。このことは、試料中の単一および複数の分析物を検出する際に、とりわけ検出タンパク質が蛍光タンパク質のフラグメントである場合、およびフラグメントが異なる蛍光スペクトルを有する異なる蛍光タンパク質に由来する場合に特に有用である。シグナルおよび/または蛍光の生成に即時性があることから、本分子は高感度検出を可能にする。
別の実施態様では、本発明は試料中の標的核酸または標的非核酸分析物の存在および/または量を検出するのに適したキットを提供する。一実施態様では、キットは少なくとも活性化分割蛍光タンパク質分子の成分、すなわち事前形成された発色団を含む第1の蛍光フラグメントおよびは即時蛍光のために第1のフラグメントを相補する第2の蛍光タンパク質フラグメントを含む。別の実施態様では、キットは少なくとも、活性化分割ポリペプチドが再構成して発色活性を有する酵素を形成する活性化分割ポリペプチド分子の成分を含む。いくつかの実施態様では、分析物の核酸結合部分または結合モチーフはすでに活性化分割ポリペプチドタンパク質フラグメントと会合している。別の実施態様では、分割ポリペプチドフラグメントはスルフヒドリル反応性試薬、ビオチン−HPDPでビオチン化してよい。該キットでは、使用者自身の対象の結合部分を分割ポリペプチドフラグメントと結合させる試薬をキットは含む。いくつかの実施態様では、キットはまた、試料中の標的核酸または標的非核酸分析物の存在または量を把握および/または検出するのに適した試薬を含む。標的核酸の存在および/または量を検出する試薬は酵素活性試薬または集合したタンパク質に特異的な抗体を含むことが可能である。抗体は標識することができる。
発明を実施するための形態
本発明者らは、インビトロで活性化分割ポリペプチドフラグメントを生成することを含む新規な迅速リアルタイムタンパク質相補法を見出した。該方法はまた、核酸分子のリアルタイム検出および核酸ハイブリダイゼーションまたは活性化分割ポリペプチドフラグメント(生体分子構築物とも称し得る)のタンパク質相補を使用した非核酸分析に関する。本発明において、本発明者らは準備のできた状態の活性化分割ポリペプチドフラグメントの生成法を見出し、ここで、同様に活性化した相補性分割ポリペプチドフラグメント(単数または複数)と近接していれば、即時に活性タンパク質が形成される。また、蛍光タンパク質を活性化分割蛍光タンパク質に分割する新規な方法も開示している。準備のできた状態にありかつ活性立体配置にある活性化分割ポリペプチドフラグメントを生成すると、リアルタイムのタンパク質相補が可能になるが、一方、以前のタンパク質相補方法では不活性分割ポリペプチドフラグメントを使用しており、これは活性タンパク質を形成するために再配置を必要としていた。活性化分割ポリペプチドフラグメントを使用する本発明の方法は、迅速かつ高感度で可逆的なリアルタイムタンパク質相補を可能にする。
一実施態様では、本発明の方法は、微生物宿主細胞内で第1および第2のポリペプチドフラグメントをコードする核酸を発現し、封入体を形成することを含む。封入体は適正なタンパク質の折り畳みを可能にし、したがって従来の精製法よりインビボ状態を反映している状態で折り畳まれるタンパク質を含んでいる。他の手段は小胞を有する細胞などの公知の技術に基づいて使用可能である。例えば封入体は、活性化された準備のできた状態の分割ポリペプチドタンパク質を生成することを可能にする。封入体を回収し、溶解し、再可溶化して分割ポリペプチドタンパク質フラグメントを得る。
活性化分割ポリペプチドフラグメント
活性化分割ポリペプチドフラグメントは、近接されときに会合しタンパク質を生成する任意のポリペプチドであることが可能であり、これは、集合したポリペプチドフラグメントの認識は可能にするが個々のポリペプチドフラグメントの認識は可能にしない任意の手段により検出可能である。本発明の一実施態様では、その方法は、再構成に際して即時に活性になるように分割ポリペプチドフラグメントを設計することを含んでいる。
活性化分割ポリペプチドフラグメントは、活性タンパク質を生成するように近接されたときに会合する任意のポリペプチドであることが可能であり、これは集合活性タンパク質の認識は可能にするが個々のポリペプチドの認識は可能にしない任意の手段によって検出が可能である。例えば、2つのポリペプチドは再会合して、酵素活性を持つタンパク質を生成するか、発色性または蛍光発生活性を持つタンパク質を生成するか、あるいは抗体に認識されるタンパク質を作製してもよい。さらに、インビトロおよびインビボでのタンパク質相補について従来から見られるいかなる遅延をも最小限に抑えるため、それは活性状態になるように、そして活性タンパク質の再構成に対して準備されている(すなわち準備のできた状態にある)ように設計する。
一実施態様では、活性化分割ポリペプチドフラグメントは蛍光タンパク質またはポリペプチドである。該実施態様では、活性化分割蛍光タンパク質フラグメントの1つは、その同族の活性化分割蛍光フラグメント(単数または複数)との相補に際して即時に蛍光発生するように準備されており準備のできた状態にある成熟事前形成発色団を含む。例えば、該分割蛍光フラグメントを含む封入体の使用には、約半分の完全に折り畳まれた蛍光タンパク質を、単独では蛍光を発しないがその同族の対との会合に際しての蛍光発生の準備がされている状態になる正常に折り畳まれた成熟発色団が含まれる。
該一実施態様では、集合したタンパク質は、緑色蛍光タンパク質(GFP)、EGFPまたはGFP様蛍光タンパク質などの改変GFP、または、限定はしないがCFP、YFPおよびRFPを含む当業者に公知の任意の他の天然または遺伝子的操作蛍光タンパク質である。
いくつかの実施態様では、成熟発色団含有分割蛍光フラグメントと組み合わされる同族非蛍光ポリペプチドフラグメントは、1つより多い活性非蛍光フラグメントから構成されることが可能である。該活性化非蛍光ポリペプチドは通常、適当な部位で一つの蛍光タンパク質のコードヌクレオチド配列を分割し、各ヌクレオチド配列フラグメントを個々に発現させることで生成する。活性化分割蛍光タンパク質フラグメントは単独で、または1つ以上のタンパク質融合パートナーと融合して発現させてもよい。
本発明の一実施態様では、再構成された活性タンパク質は活性化分割EGFPフラグメントから構成され、ここで第1のフラグメントは、アミノ酸番号1からおよそアミノ酸番号158までの一続きのアミノ酸を含むEGFPのN末端フラグメントである。発現後に多様な核酸結合モチーフの抱合を支援するためにこのフラグメントにC末端システインを付加してもよい。第2の活性化分割EGFPフラグメントはおよそアミノ酸番号159からアミノ酸番号239までの一続きのアミノ酸である。N末端システインを付加してもよい。
アミノ酸1はEGFPの最初のアミノ酸を示すことを意味する。アミノ酸239はGFPの最後のアミノ酸を示すことを意味する。全残基は、野生型オワンクラゲ(A. victoria)GFP(GenBankアクセッション番号M62653;配列番号7)の番号付けにしたがって番号が付され、その番号付けは相同配列の等価の位置にも適用する。従って、(野生型GFPと比較して)切断されたGFPを用いて作業する場合、またはアミノ酸が付加されたGFPを用いて作業する場合、それに応じて番号付けは改変しなければならない。
緑色蛍光タンパク質(GFP)はクラゲのオワンクラゲ(Aequorea Victoria)由来の238アミノ酸長のタンパク質である(配列番号8におけるmRNA配列を参照)。しかし蛍光タンパク質は、ディスコソマ(Discosoma)種由来の赤色蛍光タンパク質(Matz, M. V.ら、1999, Nature Biotechnology 17: 969-973)、レニラ・レニフォルミス(Renilla reniformis)由来のGFP、レニラ・ミューレリ(Renilla Muelleri)由来のGFP、または他の動物、真菌または植物由来の蛍光タンパク質(米国特許第7,109,315号)などの腔腸動物の他のメンバーからも単離されている。GFPは多様な改変形態で存在し、野生型GFPのY66H変異体であるHeimら(Heim, R.ら、1994, Proc. Natl. Acad. Sci. 91:26, pp 12501-12504)が開示したGFPの青色蛍光変異体(BFP);S65G、S72AおよびT203Y変異を有するGFPの黄色蛍光変異体(YFP)(WO98/06737);Y66W色調変異、場合によりF64L、S65T、N146I、M153T、V163A折り畳み/可溶性変異を有するGFPのシアン蛍光変異体(CFP)(Heim, R., Tsien, R. Y. (1996) Curr. Biol. 6, 178-182)が含まれる。最も広く使用されるGFPの変異体はF64LおよびS65Tの変異(WO97/11094およびWO96/23810)および最初のMetの後方の1つのバリン残基の挿入を有するEGFPである。F64L変異は発色団の上流の1位にあるアミノ酸である。この折り畳み変異を含んだGFPは、約30℃を超える温度にて細胞内で発現されると、蛍光強度を増大させる(WO97/11094)。上記の蛍光タンパク質およびその機能的フラグメントのすべては本発明の使用に対して包含される。また当業者に公知の蛍光タンパク質およびそのフラグメントも包含される。
別の実施態様では、再構成した蛍光タンパク質は緑色蛍光タンパク質(GFP)、高感度緑色蛍光タンパク質(EGFP)、緑色蛍光様タンパク質;黄色蛍光タンパク質(YFP)、高感度黄色蛍光タンパク質(EYFP)、青色蛍光タンパク質(BFP)、高感度青色蛍光タンパク質(EBFP)、シアン蛍光タンパク質(CFP)、高感度シアン蛍光タンパク質(ECFP)または赤色蛍光タンパク質(dsRED)を含む群から選択される活性化分割蛍光フラグメントから構成されてもよく、ここで再構成した蛍光タンパク質中のフラグメントの1つは成熟事前形成発色団を含んでいる。蛍光発生する蛍光タンパク質を生じる上記の蛍光タンパク質およびそのフラグメントのすべては本発明の使用に対して包含される。また当業者に公知の蛍光タンパク質ならびにそのフラグメントおよび遺伝子操作タンパク質も包含される。
別の実施態様では、再集合した蛍光タンパク質は、異なりそしてスペクトルが異なる蛍光タンパク質由来の活性化分割蛍光フラグメントを含んでよい。再構成された活性蛍光タンパク質は、相補に用いる活性化分割蛍光フラグメントに依存して異なるそして/または特有のスペクトル特性を有してもよい。例えば、多色蛍光相補は、多色生体分子蛍光相補(多色BiFC)ののための異なる蛍光タンパク質由来のフラグメントを再構成して達成されている(Huら、Nature Biotechnology, 2003; 21; 539-545; Kerppola, 2006, 7; 449-456, Huら、Protein-Protein Interactions (P. AdamsおよびE. Golemis編)、Cold Spring Harbor Laboratory Press. 2005を参照、全体を参照により本明細書に組み入れる)。フラグメントの1つが事前形成成熟発色団を含む多色リアルタイム蛍光のための複数の蛍光タンパク質由来の活性化分割蛍光フラグメントの使用は本発明における使用に包含される。
一実施態様では、蛍光タンパク質は、フローサイトメトリー、蛍光プレートリーダー、蛍光光度計、顕微鏡、蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)により、肉眼により、または当業者に公知の他の方法により検出可能である。別の実施態様では、蛍光は蛍光標示細胞分取器(FACS)または微速度顕微鏡を使用するフローサイトメトリーにより検出する。
本発明の別の実施態様では、活性化分割ポリペプチドフラグメントは近接して会合し、酵素活性アッセイを用いて検出可能な集合した活性酵素を形成する。好ましくは、酵素活性は発色または蛍光発生反応で検出する。好ましい一実施態様では、酵素はジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)またはβ−ラクタマーゼである。
別の実施態様では、酵素はジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)である。例えば、Michnickらは、単独では酵素活性を欠如しているが、近接した場合には機能的酵素を形成するDHFRのN末端およびC末端フラグメントから成る「タンパク質相補アッセイ」を開発した。米国特許第6,428,951号、第6,294,330号および第6,270,964号を参照されたい。これらを参照により本明細書に組み入れる。発色法および蛍光発生法を含む、DHFR活性を検出する方法は当技術分野で周知である。
別の実施態様では、他の分割ポリペプチドが使用可能である。例えば、基質を検出可能生成物に変換することを触媒する酵素。分割ポリペプチドの再集合用のいくつかの該系には以下の再集合が含まれるが、これらに限定されない:β−ガラクトシダーゼ(Rossiら、1997, PNAS, 94; 8405-8410);ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)(Pelletierら、PNAS, 1998; 95; 12141-12146);TEM−1β−ラクタマーゼ(LAC)(Galarneauら、Nat. Biotech. 2002; 20; 619-622)および蛍ルシフェラーゼ(Rayら、PNAS, 2002, 99; 3105-3110およびPaulmuruganら、2002; PNAS, 99; 15608-15613)。例えば、分割β−ラクタマーゼは二本鎖DNAの検出に使用されている(Ooiら、Biochemistry, 2006; 45; 3620-3525を参照)。リアルタイムシグナル検出用の活性化分割ポリペプチドフラグメントの使用は本発明での使用に包含され、ここでそのフラグメントは相補に際して迅速なシグナル検出を可能にする完全に折り畳まれた成熟立体構造にある。
本発明の別の実施態様では、活性化分割ポリペプチドフラグメントが会合すると、不連続エピトープを含む集合タンパク質が形成され得、これは、集合タンパク質上にある不連続エピトープは特異的に認識するが、各個別のポリペプチドに存在する部分的エピトープは認識しない抗体を使用することによって検出し得る。該不連続エピトープの一例はHIVのgp120に見られる。これらおよび他の該誘導体は周知の技術に基づいて当業者が容易に作製し、単独ではいずれのタンパク質フラグメントによっても集合タンパク質を認識しない抗体をスクリーニングすることができる。
本発明の別の実施態様では、活性化分割ポリペプチドは、相互作用して集合タンパク質を形成する分子であり得る。例えば、分子はタンパク質フラグメント、もしくは二量体または多量体のサブユニットでもよい。
対象とする分割ポリペプチドフラグメントをコードする核酸配列およびコドンは、例えば所望の系で優先的に使用されるものにコドンを変換して最適化してよい。例えば、哺乳動物細胞。非哺乳動物細胞のタンパク質の発現に最適なコドンは当技術分野でも公知であり、宿主細胞が非哺乳動物細胞(例えば昆虫細胞)である場合に使用できる。
本発明の活性化分割ポリペプチドは、所望の任意の追加の改変を含むこともできる。例えば、一実施態様では、活性化分割ポリペプチドは核酸結合部分に連結している可動性リンカーも含むこともできる。
蛍光フラグメントの発現および封入体
多数の刊行物が封入体経路を介した微生物/原核生物内でのタンパク質の組換え生成を記載している。該概説の例としては、Misawa, S.ら、Biopolymers 51 (1999)297-307; Lilie, H., Curr. Opin. Biotechnol. 9 (1998) 497-501; Hockney, R. C., Trends Biotechnol. 12 (1994) 456-463が挙げられる。
本発明によるペプチドは微生物/原核生物内で過剰発現される。過剰発現は封入体の形成を導く。開始コドンにコードされたメチオニンは主に、宿主細胞内での発現/翻訳中に除去される。微生物/原核生物内でタンパク質の過剰発現のための一般的な方法は当該分野で周知である。当分野の刊行物の例としては、Skelly, J. V.ら、Methods Mol. Biol. 56 (1996) 23-53; Das, A., Methods Enzymol. 182 (1990) 93-112;およびKopetzki, E.ら、Clin. Chem. 40 (1994) 688-704が挙げられる。
本明細書で使用する、原核生物内での過剰発現は、tacまたはlacプロモーターなどのプロモーター(欧州特許第0067540号)を含む、最適化された発現カセット(米国特許第6,291,245号)を使用する発現を意味する。通常これは、化学誘導性プロモーターまたは温度変化を介して誘導性のプロモーターを含むベクターを使用することで実行可能になる。温度感受性ラムダ−PLプロモーターはE.coliのために有用なプロモーターの1つである(欧州特許第0041767号)。さらに効率的なプロモーターはtacプロモーターである(米国特許第4,551,433号)。E.coliなどの原核生物のための該強力な調節シグナルは通常、細菌攻撃性バクテリオファージ由来である(Lanzer, M.ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85 (1988) 8973-8977; Knaus, R.およびBujard, H., EMBO Journal 7 (1988) 2919-2923; ラムダT7プロモーターについては:Studier, F. W.ら、Methods Enzymol. 185 (1990) 60-89);T5プロモーターについては:欧州特許公開第0186069号;Stuber, D.ら、System for high-level production in Escherichia coli and rapid application to epitope mapping, preparation of antibodies, and structure-function analysis; In: Immunological Methods IV (1990) 121-152を参照)。
該過剰生成原核細胞発現系の使用により、本発明によるペプチドは、少なくとも細胞中の総発現タンパク質の10%、典型的には30〜40%、場合により50%も含むレベルで生成される。
本明細書で使用する「封入体」(IB)は、微生物/原核生物内のコード核酸の過剰発現後に組換え技術で生成されたポリペプチドの不溶性形態を指す。
封入体の可溶化はpH値約9以上の水溶液を使用して行うことが好ましい。pH値は10.0以上であることが最も好ましい。可溶化のための界面活性剤や変性剤を添加する必要はない。最適なpH値は容易に決定することができる。強いアルカリ条件はポリペプチドを変性し得るので最適なpH範囲が存在することは明らかである。この最適範囲はpH9とpH12との間に見出される。
蛍光ペプチドをコードする核酸(DNA)は、当該分野で公知の方法にしたがって生成可能である。宿主細胞での発現を最適化するためには、追加の調節および転写エレメントにより核酸配列を伸長させることがさらに好ましい。発現に適した核酸(DNA)は化学合成により好適に生成できる。該プロセスは当業者にはよく知られており、例えばBeattie, K. L.およびFowler, R. F., Nature 352 (1991) 548-549;欧州特許第0424990号; Itakura, K.ら、Science 198 (1977) 1056-1063に記載されている。本発明によるペプチドの核酸配列を改変することも適切であり得る。
該改変としては、例えば;制限酵素の多様な認識配列を導入してライゲーション、クローニングおよび変異誘発の工程を促進することを目的とした核酸配列の改変;宿主細胞に好ましいコドンを組み込むための核酸配列の改変;宿主細胞中で遺伝子発現を最適化することを目的とした、追加の調節および転写エレメントによる核酸配列の伸長が挙げられるがこれらに限定されない。
対象のタンパク質を合成するために使用するコドンは、望ましい系で優先的に使用されるものにコドンを変換して最適化してよい。例えば、哺乳動物細胞。非哺動物細胞でのタンパク質の発現に最適なコドンも公知であり、宿主細胞が非哺乳動物細胞(例えば昆虫細胞)である場合に使用できる。
分割ポリペプチド分子
また、本明細書に記載した方法で生成した活性化分割ポリペプチド分子(生体分子抱合体とも称する)は本発明に包含される。一実施態様では、活性化分割ポリペプチド分子は発色または蛍光発生活性を有する酵素の分割ポリペプチドを含む。一実施態様では、酵素はジヒドロ葉酸レダクターゼまたはβ−ラクタマーゼまたはルシフェラーゼである。一実施態様では、蛍光タンパク質はGFPまたはGFP様蛍光タンパク質である。
いくつかの実施態様では、分子の活性化分割ポリペプチドは核酸結合モチーフまたは核酸結合部分をさらに含む。標的核酸の存在下では、核酸結合部分が核酸標的配列に結合すると、活性化分割ポリペプチドフラグメントの会合が促進され、活性タンパク質が形成される。
別の実施態様では、分子の活性化分割ポリペプチドは非核酸分析物に対する結合モチーフをさらに含む。標的分析物、典型的には、非核酸分析物の存在下では、分析物結合モチーフが標的分析物に結合すると、活性化分割ポリペプチドフラグメントの会合が促進され、活性タンパク質が形成される。
別の実施態様では、活性化分割ポリペプチド分子は分割蛍光分子である。該実施態様では、分子は、GFP、GFP様蛍光タンパク質、蛍光タンパク質およびその変異体から成る群から選択される少なくとも2つの活性化分割蛍光フラグメントを含む。分割蛍光フラグメントの1つは成熟事前形成発色団を含み、これは解離したフラグメント内で非蛍光状態で活性である。活性化蛍光フラグメントは互いに会合すると、蛍光に必要なβストランドの完全な相補を含むが、単独では蛍光性ではない。分子の各活性化分割蛍光フラグメントの各々は核酸接合モチーフをさらに含む。核酸結合モチーフが標的核酸に結合すると、少なくとも2つの活性分割蛍光フラグメントの会合、ならびにリアルタイムでの活性蛍光タンパク質および蛍光表現型の再構築が促進される。
核酸結合部分
各分割ポリペプチド分子の核酸結合部分は、標的核酸への結合を可能にする任意の分子であり得る。いくつかの実施態様では、核酸結合部分は核酸、核酸アナログおよびポリペプチドを含む。一実施態様では、核酸結合部分はオリゴヌクレオチドである。活性化分割ポリペプチドフラグメントの所定の対の核酸結合部分は同種の分子(例えばオリゴヌクレオチド)であり得るか、あるいはそれらは異なっていることもあり得、例えば、対の1つの分割ポリペプチドは活性タンパク質を含み、オリゴヌクレオチド核酸結合部分を有することができ、対の他のメンバーはポリペプチド核酸結合部分を有することができる。
核酸結合部分は、ポリペプチドなどの別の分子に連結可能な任意の分子であり得、近接した標的核酸に結合することが可能である。一実施態様では、核酸結合部分は核酸または核酸アナログ(例えば、オリゴヌクレオチド)である。本発明の別の実施態様では、核酸結合部分は標的核酸と高親和性で相互作用する核酸結合ポリペプチドまたはタンパク質である。核酸アナログとしては例えば、ペプチド核酸(PNA)偽相補性PNA(pcPNA)、ロックト核酸(locked nucleic acid)、モルホリンDNA、ホスホロチオエートDNAおよび2’−O−メトキシメチル−RNA、2’−O,4’−Cメチレン架橋を含む核酸アナログであるロックト核酸(LNA)が挙げられるが、これらに限定されない。
核酸結合部分は一本鎖標的上の同じハイブリダイゼーション部位に結合し、ハイブリダイゼーション部位で三重鎖を作製することが可能である。あるいは、核酸結合部分は一本鎖または二本鎖標的核酸上の近接したハイブリダイゼーション部位に結合し、それぞれ各ハイブリダイゼーション部位で二本鎖または三重鎖のいずれかを作製することが可能である。
核酸結合部分が核酸である実施態様では、核酸結合部分の長さは核酸標的に結合する相補を可能にするほど十分な長さがあるべきであり、両プローブ部が同じ標的核酸に結合するとき分割ポリペプチドフラグメントの1つがその対応する分割ポリペプチドフラグメント(単数または複数)と相互作用させるべきである。例えば、核酸結合部分プローブは5〜30塩基長、より好ましくは5〜15塩基長であり得る。
三重鎖の形成を提供する実施態様では、核酸結合部分は三重鎖形成を可能にする任意の核酸であり得る。好ましい三重鎖形成オリゴヌクレオチドはGCリッチである。好ましい三重鎖は、ピリミジン−プリン−プリンから成るプリン三重鎖である。
一つの好ましい三重鎖形成オリゴヌクレオチドはGCリッチである。好ましい三重鎖は、ピリミジン−プリン−プリンから成るプリン三重鎖である。
核酸結合部分は;オリゴヌクレオチド;一本鎖RNA分子;および偽相補性PNA(pcPNA)、ロックト核酸(LNA)および他の核酸アナログを含むペプチド核酸(PNA)を含む群から選択することが可能である。
一実施態様では、核酸結合部分はオリゴヌクレオチドである。オリゴヌクレオチドを設計および合成する方法は当技術分野で周知である。オリゴヌクレオチドをオリゴヌクレオチドプライマーと称することもある。
本発明で有用なオリゴヌクレオチドは、確立されているオリゴヌクレオチド合成法を使用して合成することが可能である。オリゴヌクレオチドの合成法は当技術分野で周知である。該方法は、標準的酵素消化、続くヌクレオチドフラグメントの単離(例えばSambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor, N. Y., (1989)Wuら、Methods in Gene Biotechnology (CRC Press, New York, N. Y. 1997)およびRecombinant Gene Expression Protocols, in Methods in Molecular Biology, Vol. 62, (Tuan、Humana Press, Totowa, N. J., 1997)、これらの開示内容を参照により本明細書に組み入れる)から、例えばMilligenまたはBeckman System 1 Plus DNA合成装置(例えば、Milligen-Biosearch, Burlington, Mass.のModel 8700自動合成装置またはABI Model 380B)を使用するシアノエチルホスホラミダイト法による純合成法まで多岐にわたることができる。オリゴヌクレオチドの作製に有用な合成法は、Ikutaら、Ann. Rev. Biochem. 53: 323-356 (1984)(ホスホトリエステルおよびホスフィト−トリエステル法)、およびNarangら、Methods Enzymol., 65: 610-620 (1980)(ホスホトリエステル法)でも報告している。
本明細書に記載しているオリゴヌクレオチドの多くは、他のオリゴヌクレオチドまたは核酸の特定の部位に、安定的なハイブリッドがそれらの間に形成され得るように、相補的であるように設計する。これらのハイブリッドの安定性は、LesnickおよびFreier, Biochemistry 34: 10807-10815 (1995), McGrawら、Biotechniques 8: 674-678 (1990)およびRychlikら、Nucleic Acids Res. 18: 6409-6412 (1990)で報告しているような公知の方法を使用して算出可能である。
一実施態様では、核酸結合部分は一本鎖RNA分子である。一本鎖RNA分子を設計および合成する方法は当技術分野で周知である。
いくつかの実施態様では、核酸結合部分は偽相補性PNA(pcPNA)を含むペプチド核酸(PNA)である。PNAおよびpcPNAを設計および合成する方法は当技術分野で周知である。ペプチド核酸(PNA)は、骨格が糖ではなく偽ペプチドであるDNAのアナログである。したがって、それらの挙動はDNAの挙動を模倣し、相補性核酸鎖に結合する。ペプチド核酸では、オリゴヌクレオチドのデオキシリボースリン酸骨格は、糖ホスホジエステルよりペプチドに類似した骨格と置換している。各サブユニットはこの骨格に付着している天然または非天然の塩基を有する。一つの該骨格はアミド結合を介して結合したN−(2−アミノエチル)グリシンの反復単位から構築される。
PNAはDNAおよびRNAの両方に結合する。得られたPNA/DNAまたはPNA/RNA二重鎖は、対応するDNA/DNAまたはDNA/RNA二重鎖よりも、高い親和性で、および増加した特異性で結合する。また、それらの(それに結合した適当なヌクレオベースまたは他の側鎖基を有する)ポリアミド骨格はヌクレアーゼまたはプロテアーゼに認識されず、従ってPNAは、DNAやペプチドと異なり、酵素による分解に耐性である。PNA鎖のDNAまたはRNA鎖への結合は、平行または逆平行のいずれかの配向で起こり得る。PNAは一本鎖DNAおよび二本鎖DNAの両方に結合する。
従来のPNAの配列制限に対処するため、偽相補性PNA(psPNA)が開発されている。グアニンおよびシトシンに加えて、pcPNAはアデニンおよびチミンの代わりにそれぞれ2,6−ジアミノプリン(D)および2−チオウラシルを有する。pcPNAは異なる結合様式である二重二重鎖侵入を示し、これは偽相補性の概念で補われたワトソン−クリックの認識原理に基づいている。pcPNAはその天然のA、T、(U)、またはG、C対応物を認識し、結合する。pcPNAは当技術分野で公知の任意の方法にしたがって作製することが可能である。例えば、PNAの化学的集合のための方法は周知である(米国特許第5,539,082号、第5,527,675号、第5,623,049号、第5,714,331号、第5,736,336号、第5,773,571号または第5,786,571号を参照、これらを参照により本明細書に組み入れる)。
本発明の別の実施態様は、ポリペプチドまたはペプチドである核酸結合部分を提供する。ポリペプチドは標的核酸に対する高親和性を有する任意のポリペプチドであり得る。本実施態様では、標的核酸は二本鎖、三本鎖または一本鎖DNAまたはRNAであり得る。いくつかの実施態様では、ポリペプチドはペプチド、100アミノ酸未満または全長タンパク質である。標的核酸に対するポリペプチドの親和性は低ナノモルから高ピコモルの範囲にあることが可能である。ポリペプチドは、天然の、もしくは合理的なまたはスクリーニングのアプローチで設計された亜鉛フィンガーを含むポリペプチドを含み得る。亜鉛フィンガーの例として、Zif2g8、Sp1、Gfi−1のフィンガー5、YY1のフィンガー3、CF2IIのフィンガー4および6ならびにTTKのフィンガー2が挙げられる(PNAS (2000) 97: 1495-1500; J Biol Chem (20010 276 (21): 29466-78; Nucl Acids Res (2001) 29 (24): 4920-9; Nucl Acid Res (2001) 29 (11): 2427-36)。他のポリペプチドは、インビトロ選択で得られ、特異的な核酸配列に結合するポリペプチドを含む。該アプタマーの例として、血小板由来増殖因子(PDGF)(Nat Biotech (2002) 20: 473-77)およびトロンビン(Nature (1992) 355: 564-6が挙げられる。さらに他のポリペプチドはインビトロでDNA三重鎖に結合するポリペプチドであり;例はhnRNP、K、L、E1、A2/B1およびIなどのヘテロ核のリボ核粒子(hnRNP)タンパク質のメンバーを含む(Nucl Acids Res (2001) 29 (11): 2427-36)。
核酸結合部分としてポリペプチドを有する分割ポリペプチドフラグメントについては、全体の分割ポリペプチドフラグメントおよび核酸結合部分分子は、ポリペプチドタンパク質、リンカーおよび核酸結合部分ポリペプチドを含む単一構築物にコードされることが可能である。この構築物は細胞内で発現させるか、あるいは細胞内にマイクロインジェクションすることが可能である。これらの構築物は対象の核酸のインビトロ検出にも使用可能である。
核酸標的
本発明の方法を使用して、相補複合体の形成と関連した検出可能シグナルを生成することで一本鎖核酸標的または二本鎖核酸の存在が検出可能となる。
核酸標的は、活性化分割ポリペプチドフラグメントに会合した核酸結合部分の結合のためのハイブリダイゼーション部位を含む任意の核酸であり得る。例えば、標的核酸はDNA、RNAまたは核酸アナログであり得る。標的核酸は一本鎖または二本鎖であり得る。標的核酸はインビボまたはインビトロで検出可能である。一実施態様では、本発明の方法を使用してインビトロで標的核酸を検出し、活性化分割ポリペプチドは相互作用し、発色および/または蛍光発生活性を有する活性タンパク質を生成する。いくつかの実施態様では、ポリペプチドはGFP、GFP様蛍光タンパク質のEGFPなどの改変GFP、またはCFP、YFPおよびRFPを含む任意の他の天然もしくは遺伝子操作蛍光タンパク質をコードする。
別の実施態様では、一つの核酸結合部分が一つの標的配列に結合し、第2の核酸結合部分が別の標的配列に結合するように、核酸結合部分は標的核酸上の2つの隣接した配列に結合する。本実施態様では、隣接した配列は、それらの会合した核酸結合部分が標的に結合すると、会合した活性化分割ポリペプチドフラグメントが相互作用することが可能となり、活性タンパク質の集合を可能にするために互いに十分接近している。本実施態様は一本鎖および二本鎖標的核酸の検出を提供する。二本鎖標的の検出では、一本鎖プローブが二本鎖標的と相互作用し、三重鎖を形成する。
試料由来の任意の核酸標的を本発明の実施において使用してよく、真核生物、原核生物およびウイルスのDNAまたはRNAが含まれるがこれらに限定されない。一実施態様では、標的核酸は患者から単離したゲノムDNAの試料を表す。このDNAは任意の細胞供給源または体液から得てもよい。臨床現場で利用可能な細胞供給源の非限定的例としては、血液細胞、頬側細胞、頚膣部細胞、尿由来の上皮細胞、胎児細胞または生検で得られた組織に存在する任意の細胞が挙げられる。体液としては、血液、尿、脳脊髄液、精液および感染または炎症部位の組織滲出液が挙げられる。別の実施態様では、DNAは、さらなる精製なしで試料中で直接検出する。別の実施態様では、当技術分野で標準的な多数の方法のいずれかを利用して細胞供給源または体液からDNAを抽出する。DNAを抽出するために用いる特定の方法は供給源の性質に依存することが理解される。特定の実施態様では、本発明で使用するために抽出されるDNAの量は少なくとも5pg(4×109塩基対のゲノムサイズの約1細胞等量に相当する)である。
一実施態様では、標的核酸は、相補複合体の成分への暴露に先だって増幅させることが可能である。核酸標的増幅の任意の方法が利用可能であり、これには複数の同じハイブリダイゼーション部位を持つ一本鎖核酸を生成する方法が含まれる。増幅反応は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、鎖置換増幅(SDA)、転写媒介増幅(TMA)Qβ−レプリカーゼ増幅(Q−β)またはローリングサークル増幅(RCA)であり得る。
いくつかの実施態様では、PCRを利用し、核酸標的を増幅させる。
所望の核酸を合成できる任意のポリメラーゼを使用してよい。好ましいポリメラーゼには、Sequenase、VentおよびTaqポリメラーゼが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、ポリメラーゼ導入変異を最小限にするために高忠実度のポリメラーゼ(Clontech HF-2など)を使用する。
別の実施態様では、ローリングサークル増幅(RCA)を使用し、複数の同じハイブリダイゼーション部位を有する一本鎖DNA標的を生成する。ローリングサークル増幅(RCA)は、配列の複数のコピーを生成するための等温プロセスである。インビボでのローリングサークルDNA複製では、DNAポリメラーゼは環状テンプレート上でプライマーを伸長させる(Komberg, A.およびBaker, T. A. DNA Replication, W. H. Freeman, New York, 1991)。生成物は、テンプレートの相補性配列のタンデムに連結したコピーから成る。RCAは、DNA増幅のためのインビトロでの使用に適合された方法である(Fire, A.およびSi-Qun Xu, Proc. Natl. Acad Sci. USA, 1995, 92: 4641-4645; Lui, D.ら、J. Am. Chem. Soc., 1996, 118: 1587-1594; Lizardi, P. M.ら、Nature Genetics, 1998, 19: 225-232; Koolの米国特許第5,714,320号)。
別の実施態様では、核酸結合モチーフを含む分割ポリペプチド分子を免疫RCA(免疫ローリングサークル増幅)および免疫PCRにおける核酸検出に使用可能である。該実施態様では、分割ポリペプチド分子の核酸結合モチーフ成分はPCR生成物の存在下で検出タンパク質分子の再集合を促進し、インビトロでの免疫PCRのリアルタイム法が可能となる。また、別の実施態様では、検出分子の核酸結合成分は、免疫RCA(ローリングサークル増幅)法において核酸存在下で、分割検出分子、ひいてはシグナルの再集合を促進することが可能であり、その結果インビトロでのシグナル増幅が高まる。
RCA技術では、増幅標的サークル(ATC)に相補的な領域を有するプライマー配列がATCと組み合わされる。ハイブリダイゼーションの後、酵素、dNTP等はATCテンプレートに沿ってプライマーを伸長させ、DNAポリメラーゼは初期のセグメントを置換し、元のATC配列の反復タンデム単位から成る一本鎖DNA産物を生成する。
リニアRCA(LRCA)を含む、RCA技術は当技術分野で周知である。任意のそのようなRCA技術を本発明で使用可能である。RCA中の鎖置換は、ヘリカーゼなどの鎖置換因子の使用を介して促進される。概して、鎖置換因子の存在下でローリングサークル複製を行うことが可能な任意のDNAポリメラーゼは、該因子の非存在下でDNAポリメラーゼがローリングサークル複製を行わなくとも、本発明の方法での使用に適している。RCAに有用な鎖置換因子には、BMRF1ポリメラーゼアクセサリーサブユニット(Tsurumiら、J. Virology 67 (12): 7648-7653 (1993))、アデノウイルスDNA結合タンパク質(Zijderveldおよびvan der Vliet, J. Virology 68 (2): 1158-1164 (1994))、単純ヘルペスウイルスタンパク質ICP8(BoehmerおよびLehman, J. Virology 67 (2): 711-715 (1993); SkaliterおよびLehman, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91 (22): 10665-10669 (1994))、一本鎖DNA結合タンパク質(SSB; RiglerおよびRomano, J. Biol. Chem. 270: 8910-8919 (1995))、および仔ウシ胸腺ヘリカーゼ(Siegelら、J Biol. Chem. 267: 13629-13635 (1992))が挙げられる。ポリメラーゼのローリングサークル複製を行う能力は、FireおよびXu, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92: 4641-4645 (1995)およびLizardi(米国特許第5,854,033号、例えばこの中の実施例1)で報告しているようなローリングサークル複製アッセイにおけるポリメラーゼを使用して決定することが可能である。
非核酸分析物に結合する結合モチーフ
いくつかの実施態様では、分割ポリペプチド分子は非核酸分析物に結合する結合モチーフを含むことが可能である。該モチーフが例えば、ポリペプチドまたはペプチドであり得る。他の実施態様では、非核酸分析物結合モチーフは、生体分子、有機分子または無機分子であり得る。該実施態様では、標的分析物は任意の代謝産物、生体分子、有機または無機分子であり得る。これらの同定は当業者に公知である。
適用
本発明の一実施態様では、本明細書で生成された分割ポリペプチド分子および/または分割蛍光タンパク質分子は、リアルタイムインビトロ検出アッセイおよび生体分子相互作用のリアルタイム検出、例えば、ウイルス核酸および/またはゲノムの検出、核酸検出(RNA、DNA等);ホモ(DNA−DNA;RNA−RNA)およびヘテロ(DNA−RNA等)核酸相互作用を含む核酸二重鎖および三重鎖形成などの核酸ハイブリダイゼーションに使用可能であるが、これらに限定されない。別の実施態様では、本発明の分割ポリペプチド分子は、非核酸分析物のリアルタイムインビトロ検出および非核酸相互作用、例えば生体分子、有機分子および無機分子のリアルタイム検出に使用可能である。いくつかの実施態様では、本発明の方法は病原性および/またはウイルス性生体分子、無機および有機病原性および/またはウイルス性分子の検出に使用可能である。
該実施態様では、本発明はリアルタイムタンパク質相補のための方法に関する。特に、本発明の方法は、DNAおよびRNA標的ならびに核酸アナログを含む標的核酸分子のリアルタイム検出に関する。該方法では、標的核酸は、活性化分割ポリペプチドと会合する核酸結合部分の結合により検出され、ここで核酸結合部分の標的核酸への結合は、活性化分割ポリペプチドの近接および活性タンパク質の即時の形成をもたらす。
一実施態様では、活性化分割ポリペプチドフラグメントに会合している核酸結合部分は標的核酸上の2つの隣接した配列に結合する。本実施態様では、隣接している配列は、会合した核酸結合部分の各々が標的核酸に結合したときに活性化分割ポリペプチドフラグメントの会合および活性タンパク質の集合を可能にするために十分に互いに接近している。本実施態様は一本鎖および二本鎖標的核酸の検出を提供する。二本鎖標的の検出については、一本鎖プローブは二本鎖標的と相互作用し三重鎖を形成する。
別の実施態様では、活性化分割ポリペプチドフラグメントと会合した核酸結合部分は核酸またはオリゴヌクレオチドであり、一本鎖標的核酸上の同じ配列に結合し三重鎖を形成する。本実施態様では、活性化分割ポリペプチドフラグメントは、それらの会合した核酸結合部分が標的に結合すると相互作用し、相補複合体を集合させる。
例えば、本発明はリアルタイムタンパク質相補のための方法に関する。特に、本発明の方法は、生体分子、有機分子および無機分子ならびにそのフラグメントまたは代謝産物を含む標的分析物のリアルタイム検出に関する。該方法では、標的分析物は活性化分割ポリペプチドと会合したその分析物結合モチーフにより検出され、ここでモチーフの標的分析物への結合は、活性化分割ポリペプチドの近接および活性タンパク質の即時の形成をもたらす。
特定の実施態様では、本発明の方法を使用し、対象の標的核酸の存在をインビトロで検出することが可能である。本発明の方法、キットおよび組成物は、非標的分子の存在下でさえも標的核酸および標的分析物を特異的に検出することに関しているので、それらは、点変異用の分析をするために設計した高感度かつ信頼性の高いプローブベースのハイブリダイゼーションアッセイまたは標的分析物の信頼性の高い検出を開発するのに特に良好に適している。本発明の方法、キットおよび組成物はまた、対象の生物(微生物)、ウイルス、真菌および遺伝子に基づく臨床状態の検出、定量または分析に有用である。
一実施態様では、本発明は、非標的配列の存在下でも、試料中の標的核酸を単離する方法を提供する。別の実施態様では、本発明は試料中の標的分析物の単離法を提供する。
本発明の別の重要な態様は、核酸ハイブリダイゼーションのリアルタイムの評価および核酸相互作用のアッセイのための活性化分割ポリペプチドの使用である。該実施態様では、本発明は、活性化分割ポリペプチドタンパク質フラグメントに抱合したヌクレオチド結合部分として働くオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションのリアルタイム即時検出のための方法を提供する。例えば局在的な加熱(Hamad-Schifferliら、Nature, vol. 415, 10 January 2002に記載、参照により全体を本明細書に組み入れる)を利用して結合したオリゴヌクレオチドを変性させてもよく、これにより活性化分割ポリペプチドフラグメントを解離させ、シグナルおよび/または蛍光をシャットダウンする。本発明の活性化分割ポリペプチドは、オリグヌクレオチドの解離に際して活性タンパク質は即時に解体し、シグナルが回復するという点で特有である。分割ポリペプチドフラグメントが分割蛍光フラグメントである実施態様では、蛍光は、核酸ハイブリダイゼーションとリアルタイムで即時に消光するかまたは回復する。さらに、分割ポリペプチドはまた、オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションによって促進された再会合が可能となれば、活性タンパク質シグナル(例えば蛍光)が即時に再確立するという点で特有である。
本実施態様における本分子の使用は、多重オン−オフサイクリングが必要な多様なアッセイを効率的に行い、その結果を記録することを可能にし、核酸ハイブリダイゼーション事象のリアルタイムの光学的な可視化を可能にする。さらに、本発明の方法は、ハイブリダイゼーションを妨害または促進する、および/または核酸ハイブリダイゼーションサイクリング事象を干渉する薬剤のスクリーニングを可能にする。例えば、本発明の活性化分割ポリペプチドタンパク質分子および/または活性化分割蛍光タンパク質分子の使用は、ハイブリダイゼーションまたはハイブリダイゼーションサイクリング事象を干渉する薬剤の迅速なリアルタイムスクリーニングに使用可能である。非限定的な例として、本発明の方法を使用し、アンチセンス核酸、RNAi、siRNA、shRNA、mRNAi等の特異的阻害性核酸配列、および/または該阻害性核酸の活性を促進または防止する薬剤を迅速にスクリーニングすることが可能である。該実施態様では、活性化分割蛍光タンパク質と会合した結合部分間でのハイブリダイゼーションを減少させる薬剤または分子は、活性タンパク質シグナルを弱め、または減少させるが、一方、結合部分間でハイブリダイゼーションを促進する薬剤は活性タンパク質シグナルを増加させる。
別の実施態様では、分子は核酸のリアルタイムの定量に使用可能である。関連の実施態様では、本発明の方法は免疫RCAおよび免疫PCR法に使用可能である。別の実施態様では、本発明は、インビトロで標的核酸をスクリーニングするためのリアルタイムタンパク質相補の使用を提供する。例えば、他の非標的核酸の集団内にある対象の標的核酸を同定するためである。本実施態様では、本発明の標的核酸または分割ポリペプチド分子は、何らかの型の固体支持体に、任意の都合のよい手段によって、それらが付着する形態で使用可能である。該支持体への付着は、本発明の方法を使用してローリングサークル増幅により生成されたタンデム配列DNAの検出を促進するように、前記プライマーまたはATCを固体支持体に付着させるように作用する何らかの分子種、例えば何らかのポリマー(生体またはその他)によることができる。
本発明の方法に有用な該固体基材は、オリゴヌクレオチドを付着させ得る任意の固体物質を含むことができる。これには、アクリルアミド、セルロース、ニトロセルロース、ガラス、ポリスチレン、ポリエチレン酢酸ビニル、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸、ポリエチレン、ポリエチレンオキシド、ガラス、ポリケイ酸塩、ポリカーボネート、テフロン、フルオロカーボン、ナイロン、シリコンゴム、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリオルトエステル、ポリプロピルフメレート、コラーゲン、グリコサミノグリカンおよびポリアミノ酸などの物質が含まれる。固体基材は、薄膜または膜、ビーズ、ボトル、ディッシュ、繊維、織物、成形ポリマー、粒子および微粒子を含む任意の有用な形態を有することが可能である。固体基材の好ましい形態はスライドガラスまたはマイクロタイターディッシュ(例えば標準的な96ウェルディッシュ)である。さらなる配置については米国特許第5,854,033号の記載を参照のこと。
オリゴヌクレオチドの固体基材への固定化のための方法は十分に確立されている。アドレスプローブおよび検出プローブを含むオリゴヌクレオチドは確立されたカップリング法を使用して基材にカップリングすることが可能である。例えば好適な付着法は、Peaseら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91 (11): 5022-5026 (1994) が報告している。オリゴヌクレオチドを固体基材に付着させる好ましい方法は、Guoら、Nucleic Acid Res. 22: 5456-5465 (1994)が報告している。
別の実施態様では、本発明の分子は非核酸分析物の定量に使用可能である。別の実施態様では、本発明は、インビトロで標的分析物をスクリーニングするためのリアルタイムのタンパク質相補の使用を提供する。例えば、他の非標的分析物集団内にある対象の標的分析物を同定するためである。本実施態様では、本発明の分割ポリペプチド分子に抱合された分析物の結合モチーフは、何らかの型の固体支持体に任意の都合のよい手段によってそれらが付着する形態で使用可能である。該支持体への付着は、本発明の方法を使用してローリングサークル増幅により生成された分析物DNAの検出を促進するように、前記プライマーまたはATCを固体支持体に付着させるように作用する、何らかの分子種、例えば何らかの型のポリマー(生体またはその他)によることができる。
本発明の別の重要な実施態様は、インビトロでの特異的核酸配列のリアルタイム検出のための分割ポリペプチド分子の使用である。特に、本発明により個体の遺伝子変異、多型または異常をリアルタイムに検出できる。生物試料を個体から単離し、DNAおよび/またはRNAを抽出する。本発明の分子は、分割蛍光タンパク質が、検出しようとしている特定の変異、多型または異常に特異的なオリゴヌクレオチドに結合するように設計される。あるいは、分子のプールを使用し、これにより、多くの変異、多型または異常が検出してもよい。本実施態様では、分割蛍光タンパク質に付着しているオリゴヌクレオチドは互いに相補的であり、したがってベースラインは蛍光である。その後個々のDNAおよび/またはRNAを前記分子(単数または複数)に接触させる。個体が特定の変異または多型を有する場合、それは分割蛍光分子と競合し、蛍光を減少させる。好ましくは、個体のDNAおよび/またはRNAを蛍光分子との接触に先だって増幅する。これは特に、既知の多型の単一ヌクレオチド多型の検出に有用である。蛍光検出の即時性のために、本分子によって高感度の検出が可能である。
一実施態様では、分子はインビトロでの病原体のリアルタイム検出に使用可能である。一実施態様では、本発明の分子を使用し、病原体および/または病原体核酸が存在する結果としての病原体核酸配列および/または核酸配列中の異常の存在を検出することが可能である。別の実施態様では、本発明の分子を使用し、病原体での感染の結果としての非核酸分析物の存在を検出することが可能である。病原体はウイルス感染、真菌感染、細菌感染、寄生虫感染および他の感染疾患であり得る。ウイルスは、以下を含むウイルス群から選択できる:単純ヘルペスウイルス1型、単純ヘルペスウイルス2型、サイトメガロウイルス、エプスタイン・バーウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、ヒトヘルペスウイルス6、ヒトヘルペスウイルス7、ヒトヘルペスウイルス8、痘瘡ウイルス、水疱性口内炎ウイルス、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、D型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルス、ライノウイルス、コロナウイルス、A型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルス、麻疹ウイルス、ポリオーマウイルス、ヒトパピローマウイルス、呼吸器多核体ウイルス、アデノウイルス、コクサッキーウイルス、デングウイルス、ムンプスウイルス、ポリオウイルス、狂犬病ウイルス、ラウス肉腫ウイルス、黄熱病ウイルス、エボラウイルス、マールブルグウイルス、ラッサ熱ウイルス、東部ウマ脳炎ウイルス、日本脳炎ウイルス、セントルイス脳炎ウイルス、マレー渓谷熱ウイルス、ウエストナイルウイルス、リフトバレー出血熱ウイルス、ロタウイルスA、ロタウイルスB、ロタウイルスC、シンドビスウイルス、サル免疫不全ウイルス、ヒトT細胞白血病ウイルス1型、ハンタウイルス、風疹ウイルス、サル免疫不全ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス1型およびヒト免疫不全ウイルス2型。
標的核酸または標的分析物の検出はまた、食品、飲料、水、医薬品、パーソナルケア製品、乳製品または環境試料中の細菌および真核生物の検出に有用であり得る。好ましい飲料としては、ソーダ、瓶入りの水、果汁、ビール、ワインまたはアルコール製品が挙げられる。開発されたアッセイは、食品、飲料、水、医薬品、パーソナルケア製品、乳製品または環境試料を製造または保存するために使用する原料、器具、製品またはプロセスの分析に特に有用であろう。
本発明の別の関連する実施態様において、活性化分割蛍光ポリペプチドが集合することにより、不連続的エピトープを含む集合タンパク質が形成され、その不連続的エピトープは、集合タンパク質上の不連続的エピトープを特異的に認識するが、個々のポリペプチドのいずれかに存在する部分的エピトープは認識しない、抗体の使用により検出され得る。不連続的エピトープの一例はHIVのgp120に見出される。これらの抗原は、免疫検出など当技術分野で公知の方法による後の検出用の検出タンパク質として用いることができる。これらの誘導体および他の該誘導体は周知の技術に基づいて当業者が容易に作製でき、単独ではタンパク質フラグメントのいずれによっても集合タンパク質を認識しない抗体をスクリーニングすることができる。
標的核酸はヒト起源であり得る。標的核酸がDNAまたはRNAであり得る。標的核酸は溶液中で遊離し得、あるいは固体支持体に固定され得る。
一実施態様では、標的核酸または標的分析物は遺伝子に基づく疾患に特異的であり、あるいは遺伝子に基づく疾患に対する素因に特異的である。前記疾患は、例えば、β−サラセミア、鎌状赤血球貧血または第5因子ライデン、嚢胞性線維症(CF)などの遺伝子に基づく疾患、p53およびp10などの癌関連標的、または乳癌感受性に対するBRC−1およびBRC−2であり得る。さらに別の実施態様では、単離した染色体DNAを親子鑑定、身元確認または犯罪捜査に関連して調査してもよい。
標的核酸または標的分析物は病原体または微生物に特異的であり得る。あるいは、標的核酸または標的分析物はウイルス、細菌、真菌、寄生生物または酵母由来であり得る;ここで相補分子の標的核酸とのハイブリダイゼーションは、試料中の前記病原体または微生物の存在の指標となる。
別の実施態様では、本発明は試料中の標的核酸または標的分析物の存在および/または量を検出するのに適したキットを提供する。キットは少なくとも第1の分子と結合した第1のプローブおよび第2の分子と結合した第2のプローブを含み、ここでプローブは標的核酸中のハイブリダイゼーション配列に結合できる。好ましくは、該プローブはバイアル中に存在する。キットはまた、試料中の標的核酸または標的分析物の存在または量をとらえるおよび/または検出するのに適した試薬を含む。標的核酸および/または標的分析物の存在および/または量を検出するための試薬は、酵素活性試薬または集合タンパク質に特異的な抗体を含むことが可能である。抗体は標識可能である。該キットは任意に、RCA反応を行うために必要な試薬、例えばDNAポリメラーゼ、DNAポリメラーゼ補因子およびデオキシリボヌクレオチド−5’−三リン酸を含む。任意にキットは多様なポリヌクレオチド分子、DNAまたはRNAリガーゼ、制限エンドヌクレアーゼ、逆転写酵素、末端転移酵素、多様なバッファーおよび試薬、ならびにDNAポリメラーゼ活性を阻害する抗体も含んでもよい。これらの成分はバイアルなどの容器中に存在する。キットは、陽性および陰性対照反応を行うのに必要な試薬ならびに説明書も含んでもよい。所定の反応に使用される試薬の最適量は、本開示による利益を得ている当業者が容易に決定できる。
別の実施態様では、本発明の方法は、複数の核酸標的または複数の分析物についてのタンパク質相補のために同時に使用可能である。例示的で非限定的な例として、会合した異なる核酸結合モチーフを有する相補性分割ポリペプチドフラグメントのタンパク質相補がある。例えば、1つの標的核酸が存在すると、1つの活性分割ポリペプチドフラグメント対のタンパク質相補が促進され、一方、別の標的が存在すると、別の対の活性化分割ポリペプチドフラグメントのタンパク質相補が促進され、異なる活性タンパク質および検出可能シグナルがもたらされる。該実施態様では、複数の核酸標的が同時に検出可能である。別の実施態様では、RNAおよびDNAなどの標的核酸の同時検出がリアルタイムタンパク質相補によってモニタリングできる。別の実施態様では、複数の非核酸分析物を、特異性分析物結合モチーフを含む分割ポリペプチドフラグメントを使用することにより同時に検出することができる。該実施態様は、例えば、疾患、障害あるいは機能不全の診断のため、症状に寄与する1つより多い分析物の存在またはレベルを評価する際に特に特に有用である。
関連した実施態様では、複数のタンパク質相補は異なる蛍光タンパク質由来の分割蛍光タンパク質フラグメントを使用する。関連した実施態様では、本発明の方法により、多様な他の推定的ではあるが異なる核酸標的の中で、特異的な標的核酸をリアルタイムに検出および同定することが可能となる(Huら、Nature Biotechnology, 2003; 21; 539-545; Kerppola, 2006, 7; 449-456, Huら、Protein-Protein Interactions (P. AdamsおよびE. Golemis編), Cold Spring Harbor Laboratory Press. 2005を参照されたい。その全体を参照により本明細書に組み入れる)。
定義
別段の記載がない限り、本明細書で使用している以下の用語および表現は以下の意味を持つことを意図している:
用語「リフォールディング」は、可溶化プロセスで生成した解離タンパク質分子がそのネイティブな三次元立体構造に折り畳まれることを指す。この手順はタンパク質のアミノ酸配列に影響される。リフォールディングがタンパク質中でのジスルフィド結合の形成に先行すると正しい位置でジスルフィド結合が形成され、それによってネイティブな立体構造の活性タンパク質の形成が引き起こされることは周知である。
本明細書で使用する用語「事前形成」は、すでに形成された立体構造および構造を指す。用語「事前形成した発色団」は蛍光の生成に必要である発色団の成熟立体構造を指す。事前形成した発色団は活性立体構造にあり、活性になるために構造的改変を必要としない。
用語「ポリヌクレオチド」は、核酸または構築物中に存在する任意の1つ以上の核酸セグメントまたは核酸分子、例えばDNAまたはRNAフラグメントを指す。「対象の遺伝子をコードするポリヌクレオチド」は、該ポリペプチドのコード領域を含むポリヌクレオチドを指す。さらに、ポリヌクレオチドはプロモーターまたは転写ターミネーターなどの調節エレメントをコードしてもよく、あるいは、分泌シグナルペプチドまたは機能的ドメインなどのポリペプチドまたはタンパク質の特定のエレメントをコードしてもよい。
「ヌクレオチド」はDNAまたはRNAなどのポリマー核酸中のモノマー単位であり、3つの異なる小部分または部分:糖、リン酸およびヌクレオベースから構成されている(Blackburn, M., 1996)。二重鎖の一部である場合、ヌクレオチドは「塩基」または「塩基対」とも称する。最も一般的な天然ヌクレオベース、アデニン(A)、グアニン(G)、ウラシル(U)、シトシン(C)およびチミン(T)は、配列特異的に1つの核酸鎖を別の核酸鎖に結合させる水素結合機能性を有する。「ヌクレオシド」はリン酸を欠くヌクレオチドを指す。DNAおよびRNAでは、ヌクレオシドモノマーはホスホジエステル結合により連結しており、ここで本明細書で使用する用語「ホスホジエステル結合」は、ホスホジエステル結合、または、関連する対イオン、例えばIT’、NW、Na’を含むそのリン酸アナログを含む結合を指す。
本明細書で使用する用語「オリゴヌクレオチド」および「プライマー」は、標準的な核酸手順においてそれに関連した従来からの意味を持ち、すなわち、ポリヌクレオチドテンプレートにハイブリダイズし、テンプレート鎖に相補的なプライマー伸長生成物の合成の開始点として作用することが可能なオリゴヌクレオチドである。
「ポリヌクレオチド」または「オリゴヌクレオチド」は、天然のヌクレオチドモノマーまたはそのアナログの直鎖状ポリマー(二本鎖および一本鎖デオキシリボヌクレオチド「DNA」、リボヌクレオチド「RNA」等を含む)を指す。換言すると、「オリゴヌクレオチド」は、それぞれデオキシリボ核酸(DNA)およびリボ核酸(RNA)を含む構造単位であるデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドの鎖である。ポリヌクレオチドの大きさは典型的には、数モノマー単位、例えば8〜40から数千のモノマー単位の範囲にある。DNAポリヌクレオチドを「ATGCCTG」などの文字の配列によって表す場合はいつも、別段指示がない限り、ヌクレオチドは左から右に5’→3’の順であり、「A」はデオキシアデノシンを、「C」はデオキシシチジンを、「G」はデオキシグアノシンを、そして「T」はチミジンを示すことが理解される。
「ワトソン/クリック塩基対合」および「ワトソン/クリック相補性」は、水素結合を介して一緒に結合するヌクレオチドおよびそのアナログの特異的な対のパターンを指し、例えばAはTおよびUと、GはCと対合する。特異的塩基対合の作用は「ハイブリダイゼーション」または「ハイブリダイズ」である。核酸または核酸アナログの2つ以上の相補鎖が塩基対合を受けると、ハイブリッドが形成される。
本明細書で使用する用語「オリゴヌクレオチド」および「プライマー」は、標準的な核酸手順においてそれに関連した従来からの意味を持ち、すなわち、ポリヌクレオチドテンプレートにハイブリダイズし、テンプレート鎖に相補的なプライマー伸長生成物の合成の開始点として作用することが可能なオリゴヌクレオチドである。
本明細書に記載のオリゴヌクレオチドの多くは他のオリゴヌクレオチドまたは核酸の特定の部分に相補的であるように設計され、その結果それらの間に安定なハイブリッドが形成され得る。これらのハイブリッドの安定性は、LesnickおよびFreier, Biochemistry 34: 10807-10815 (1995), McGrawら、Biotechniques 8: 674-678 (1990)、およびRychlikら、Nucleic Acids Res. 18: 6409-6412 (1990)に記載のような公知の方法を使用して算出可能である。
「抱合体」または「抱合した」は、2つ以上の物質の連結を指す。連結は、2つ以上のポリペプチドの融合、あるいはそれによって分子の部分が一緒に維持され近接して保持される共有結合性、イオン性または疎水性相互作用であり得る。物質の結合は、リンカー、化学修飾、ペプチドリンカー、化学リンカー、共有結合もしくは非共有結合またはタンパク質融合によって、あるいは当業者に公知の任意の手段によって一緒にされ得る。連結は永久的でもよく、または可逆的でもよい。いくつかの実施態様では、抱合体中の各リンカーおよび各タンパク質の所望の特性を利用するためにいくつかのリンカーが含まれてもよい。可動性リンカーおよび抱合体の可溶性を増加させ、単独でまたは別のリンカーとともに使用することが意図されるリンカーは、本明細書に組み入れられる。ペプチドリンカーは、リンカーをコードするDNAを発現することで抱合体中の1つ以上のタンパク質に連結してよい。リンカーは酸切断性、光切断性および熱感受性のリンカーであってよい。
本明細書で互換的に使用する用語「部分」または「モチーフ」は、特定の機能を行うことができる分子;核酸またはタンパク質またはその他のものを指す。「核酸結合部分」または「核酸結合モチーフ」は特異的に核酸に結合できる分子を指す。
「検出」は、検出標識の特性に基づいて構築物を検出、観察または測定することを指す。
用語「ヌクレオベース改変」は、DNAおよびRNA中に見出される天然のヌクレオベースであるAGC、T、Uの塩基対合誘導体を指す。
用語「プロモーター」は、転写を指図するために十分な最小のヌクレオチド配列を指す。細胞型特異的、組織特異的に制御可能な、または外部シグナルまたは薬剤によって誘導性のプロモーター依存性遺伝子発現を与えるために十分なプロモーターエレメントもまた本発明に含まれ;該エレメントは、ネイティブな遺伝子の5’または3’領域に、またはイントロン中に位置している可能性がある。用語「誘導性プロモーター」は、RNAポリメラーゼ結合の速度および転写開始が外部刺激により調節可能であるプロモーターを指す。用語「構成的プロモーター」は、RNAポリメラーゼ結合の速度および転写開始が一定で、比較的外部刺激に非依存性であるプロモーターを指す。「一時的調節プロモーター」はRNAポリメラーゼ結合の速度および転写開始が発生の間の特定の時点で調節されるプロモーターである。これらプロモーターの型のすべては本発明に包含される。
本明細書で互換的に使用する用語「ポリペプチド」または「ペプチド」はタンパク質を指す。
本明細書で使用する用語「インビトロ」は、生体外にある任意の溶液または任意の細胞を包含することを意図している。典型的には、インビトロは試験管、バイアルまたは任意の他の容器またはホルダー中で生じる反応を指し、ここで溶液および/または細胞は、それが通常見出される環境から分離されている。
本明細書において非核酸分析物の関連で使用する用語「分析物」は、核酸でもヌクレオチドでも核酸アナログでもない任意の化学的、生物学的または構造的物質を指すことを意図している。該分析物としては有機分子、無機分子、生体分子、代謝産物等が挙げられるが、これらに限定されない。
実施例
実施例1
方法
分子モデリング。EGFPおよびそのフラグメントのモデリングを一連ビーズ法(a string of beads method)を使用して行った18。ポリペプチドの各アミノ酸は、CαおよびCβ位置に対応する2つのビーズで表される。隣接したビーズは骨格の幾何学および可動性を模倣するように強制される。アミノ酸間の相互作用はGo様の構造に基づいたポテンシャルによってシミュレーションされる18。該モデルでは、2つのアミノ酸には、ネイティブなタンパク質の状態で接触を形成するか否かに依存して誘引性または反発性のポテンシャルが割り当てられる。ネイティブなEGFPの立体構造をProtein Database Bankから入手した(X線構造;PDBコード1c4f)。EGFPフラグメント中のアミノ酸についての接触ポテンシャルを選択するために、完全サイズのタンパク質のネイティブな構造を使用した。タンパク質折り畳み熱力学および反応速度を離散分子動力学(discrete molecular dynamics)(DMD)アプローチにより分析した18
ポリペプチドのクローニング、発現および精製。大(A)小(B)のEGFPフラグメントをコードするDNA配列をPCR増幅するためのテンプレートとしてEGFP−1遺伝子を含むプラスミド(Clontech)を使用した。大フラグメントには158個のN末端アミノ酸+C末端システインが含まれ、小フラグメントには残りのC末端81アミノ酸+N末端システインが含まれた。PCR生成物をTWIN−1ベクター(New England Biolabs)中にクローン化し、(インテイン自己分割化学21、22を使用して所望のタンパク質フラグメントを精製するために)SspDNABインテインのC末端融合物を産生し、BL21(DE3)pLysコンピテントE.coli細胞(Stratagene)中で発現させた。全構築物の構造を配列決定することで確認した。PCR増幅用のプライマーは:C末端システインを有する大EGFPフラグメント:
Figure 2009515510

であり、N末端システインを有する小EGFPフラグメント:
Figure 2009515510

である。
細胞を一晩OD600=0.6まで培養し、0.35mMのIPTGにより25℃で一晩誘導した。遠心分離により細胞をペレット状にし、50mMのトリス−HCl、pH8.5、25%のスクロース、1mMのEDTA、10mMのDTTを含有するバッファーで洗浄し、凍結(−70℃、10分)融解(37℃、5分)を3回行った。各に30秒の間隔(このときに細胞を氷上で静置させる)が続く3×30秒間のバーストでの超音波処理によって細胞を溶解した(Sonifier cell disrupter W185c, Branson Sonic Power)。得られた混合液を15000rpm、4℃で5分間遠心分離し、そのペレットを同じバッファー中に再懸濁し、さらに3×30秒間のバーストで再度超音波処理した。ペレットを3回洗浄し、その後25mMのMES pH8.5、8Mの尿素、10mMのNaEDTA、0.1mMのDTTを含有するバッファー中に再懸濁し、室温で1時間静置した。可溶化したタンパク質を15000rpmで5分間遠心分離し、その後上清をリフォールディングバッファー(50mMのトリスpH8.5、500mMのNaCl、1mMのDTT)に希釈比1:100で滴下してリフォールディングした。リフォールディングされたタンパク質を、供給者が推奨するキチンカラムを使用して精製した。全タンパク質の純度をSDS−PAGEにより分析した(図3A)。タンパク質吸収スペクトルをHitachi U-3010蛍光光度計で記録した。
タンパク質のオリグヌクレオチドとの結合、タンパク質相補および蛍光測定。初めにEGFPタンパク質フラグメントを、G-25マイクロスピンカラム(Amersham Biosciences)を使用してPBS−EDTAバッファー、pH7.5中にゲルろ過した。その後、これらの溶液を、ジメチルホルムアミド中の10mMのビオチン−HPDP(Pierce)と10:1の体積比で混合し、室温で2時間、ビオチン化が≧70%になるまでインキュベートした。未反応ビオチン−HPDPをビオチン化タンパク質から、ゲルろ過により除去した。次に、これらのフラグメントを等モル量のストレプトアビジン(滴定実験により測定;図4Aを参照)とともに、PBS−EDTAバッファー中、37℃で15分間インキュベートすることによってビオチン化EGFPフラグメントのストレプトアビジンとの1:1複合体を得た。最後に、等モル量の対応するビオチン化オリゴヌクレオチドを各二成分複合体に添加し、1:1:1の三部分子構築物を得た。このようにして得た三部分子構築物(図4B参照)をPBS−EDTAバッファー中に1:1のモル比で混合し、終濃度約200nMにした。回復した分割EGFPの蛍光応答をHitachi F-2500蛍光光度計でモニタリングした。回復した、オリゴヌクレオチド支持タンパク質構築物を解離させるために、100倍過剰の非ビオチン化オリゴヌクレオチド(大EGFPフラグメントとの結合に使用するビオチン化オリゴマーと同じ配列を有する)を添加し、得られた蛍光変化を記録した。
結果
本発明者らの設計(図1A)では、蛍光タンパク質の2つのフラグメントを相補性オリゴヌクレオチドと結合させる。1つのポリペプチドは完全サイズのタンパク質内で明るい蛍光を発生することが可能な発色団を含む。しかし、この発色団は溶媒に暴露され消光されることからタンパク質フラグメント中では蛍光発生せず、そして他のフラグメントのアミノ酸との必要な接触も欠如し得る。核酸相補性相互作用により2つのタンパク質フラグメントが互いに接近すると、第2のポリペプチドは、溶液からそれを隔離する発色団に対する遮蔽として作用し、蛍光を発生させるアミノ酸接触の全ての欠如を回復させる。本研究では、9個のアミノ酸(153〜161EGFP残基)16の可動性ループにより連結したその大および小ドメインに対応している高感度緑色蛍光タンパク質(EGFP)の2つのフラグメントを操作した。大きい方のN末端EGFPドメインは、ネイティブなタンパク質では蛍光を発するが変性タンパク質では蛍光を発しない発色団を形成する3つのアミノ酸を含むことが知られている2,17。さらに、このトリペプチドは分離した大EGFPフラグメント内では蛍光を示さない6〜9
EGFP発色団形成は正しいタンパク質の折り畳みを必要とする自己触媒プロセスである17。本発明者らは、N末端EGFPフラグメント(全EGFPの約2/3)はコンパクトな折り畳み構造を単独で発展させるのに十分な大きさであると仮定した。また本発明者らは、たとえ蛍光性でなくても、折り畳まれた大EGFPフラグメント内で発色団が自然に形成されるために、その構造が完全EGFPの対応する部分に立体構造的に近いと仮定した。
本発明者らは、離散分子動力学(DMD)シミュレーションを使用して、EGFPおよびその大フラグメントの分子モデリング分析を行った18。DMDシミュレーションの結果は、実質的に減少したポテンシャルエネルギーを特徴とする、大EGFPフラグメントが実際に折り畳まれる温度(T<0.6)であり;より高温(T>0.6)では、タンパク質は高ポテンシャルエネルギーを有して折り畳まれないままである。このポリペプチドの折り畳み熱力学および反応速度は単一ドメインタンパク質に典型的な二状態全か無か様式(two-state, all-or-none mode)に従う。転移温度T約0.60付近で、大EGFPフラグメントは、折り畳み状態および非折り畳み状態をほぼ等しい確率で、ポテンシャルエネルギーの大きな変動を有して示す(図2B)。折り畳みおよび非折り畳み事象の間、大EGFPフラグメントの中間体状態は観察されなかった。
図2Cは、そのぶら下がる20残基長のC末端部以外の、折り畳まれた大EGFPフラグメントのコンパクトな構造を示す。さらに、完全サイズEGFP中の、およびその大フラグメント内の発色団形成アミノ酸の配置は本質的に同じであり(図2D、E)、よって発色団形成を可能にする。それでもなお図2Cは、大EGFPフラグメント中の発色団形成アミノ酸は溶媒に暴露しており、これは、これらのアミノ酸がタンパク質内に深く埋まっている完全サイズEGFPの場合とは異なっていることを示している(図2D)。その上、これらのアミノ酸は、完全サイズのタンパク質に存在する、より小さいEGFPフラグメントの他の残基との多くの重要な接触を欠いている19。したがって、発色団が形成されても、不完全EGFP内であれば強力な蛍光を示すことに欠陥があり得る。
小EGFPフラグメントは、互いに接触していない2つのβ−ヘアピンから成っており、そのためこのポリペプチドは十分に規定されたコンパクトな構造を単独で形成することができない。しかし、EGFPの折り畳みについての本発明者らのDMDシミュレーションは、一旦小EGFPフラグメントがそのより大きな対応物と結合すると、それは正しい位置を見出し、合体したコンパクトなタンパク質構造の一部になり、その結果大EGFPフラグメント中のぶら下がり部分も折り畳まれることを示唆している。
次いで、本発明者らは、DMDシミュレーションに使用した大および小ドメインに対応するこのタンパク質の2つの分離したフラグメントをクローン化および単離することにより、可動性ループ内のアミノ酸158と159との間でEGFPを遺伝子操作的に切断した。最適な機能のために、分割EGFPベース光学スイッチはDNAハイブリダイゼーション−脱ハイブリダイゼーション事象に素早く応答できるはずである。核酸相補性相互作用は高速(数分以内)であることが知られている12、13、20。対照的に、成熟前蛍光性EGFP発色団のデノボ形成は数時間を要する17。分子モデリング分析に基づいて、大EGFPフラグメントを事前形成発色団によりインビトロで隔離することが可能であると本発明者らは考えた。この場合には、2つのEGFPフラグメントの蛍光活性相補がその後速く進行し、数時間ではなく数分かかるはずである。従来の報告すべてにおいて、おそらく再集合の結果としてのみ形成される成熟発色団を欠くタンパク質を用いてインビトロのEGFP再集合が行われたことに留意すべきである6〜9。それゆえ、これらの研究における蛍光発生は非常に緩慢であった。
タンパク質精製を促進するための小さい自己分割SspDNABインテイン21との融合物として、大および小EGFPフラグメントをE.coli内で過剰発現させた22。リフォールディング後にこれらのポリペプチドを封入体から単離した(詳細は方法を参照)。蛍光タンパク質との融合物内のインテインはその適正な折り畳みに影響を及ぼさないことが示されている22。図3Aは、両方のEGFPフラグメントが十分に高い純度で得られ、リフォールディングされたタンパク質試料には大EGFPフラグメントの≧70%および小EGFPフラグメントの約90%が含まれていたことを示す。
図3Bはこれらのポリペプチドの吸収スペクトルを示す。両方のEGFPフラグメントがネイティブなEGFPで見られる特徴的な490nmでのピークを欠いていることがわかる(図3B差し込み図)。しかし、小EGFPフラグメントおよび他の非蛍光/無発光団タンパク質(ストレプトアビジン)とは対照的に、大EGFPフラグメントは300〜400nmの範囲で有意な吸収の特徴を示す。これは変性EGFP17の発色団について予想され、他の光活性分割EGFP変異体にも観察された23。大EGFPフラグメント中の発色団の存在は蛍光スペクトルにおいて、より明らかになり(図3C):このフラグメントは、励起スペクトルでは360nmで、発光スペクトルでは460nmで明確な極大を持つ弱い蛍光(インタクトなEGFPのピーク蛍光と比較して約100倍弱い)を示す。これらのスペクトルは全長EGFPのものと非常に異なっている(EGFP発光スペクトルについては図4Aを参照;EGFP励起スペクトルは、図3B差し込み図に示したその吸収スペクトルと類似している)。しかし、それらは、合成発色団の蛍光スペクトルに、そして部分的タンパク質分解によりインタクトな蛍光タンパク質から単離された短い発色団含有ペプチドのスペクトルに対応している24。したがって、これらのデータは、封入体から単離され、リフォールディングされた大EGFPフラグメントは事前形成発色団を含むことを示す。
DNA支持EGFP相補のために、ビオチン−ストレプトアビジン化学反応を使用し、タンパク質フラグメントを相補性オリゴヌクレオチドと結合させた(図1)。スルフヒドリル反応性試薬、ビオチン−HPDPを用いるビオチン化のために、大および小EGFPフラグメントをそれぞれCおよびN末端で余分のシステイン残基を有して発現させた。CおよびN末端でビオチン化したポリペプチドは次いでストレプトアビジンを介してビオチン化オリゴヌクレオチドと結合させることが可能であり;この高親和性ビオチン結合タンパク質25、26はリンカーとして作用する。本発明者らは、EGFPのAフラグメント中の末端Cysはビオチン化のための主要な標的部位であり、一方(図2c、eにおけるDMD構造に支持されるとおり)ポリペプチドの内部にある程度埋まっている内部Cys49およびCys71はずっと反応性が低いと推測した。
モジュラー設計27、28を可能にすることから、本発明者らはこの非共有結合を選択した。これは異なるEGFPベースの光学スイッチを調製する場合に有利であり得る。S−S結合を介してタンパク質とビオチンHPDPとの間に形成された連結は、その後に解体が必要であれば、還元剤を用いて容易に切断可能であることに留意すべきである。この設計を計画する際、本発明者らは、その空間配置が、オリゴヌクレオチドが二重鎖を形成すること、およびEGFPフラグメントが互いに接近することを同時に可能にすると推測した。実際、2つのストレプトアビジン分子が併置されている場合、それらの中心は約60Å離れている25。ビオチン結合部位が各ストレプトアビジンサブユニットの中央付近に位置していれば26、接触しているタンパク質中の2つの該部位間の最小距離が約30Åであると推定できる。ビオチン−HPDP試薬およびオリゴヌクレオチド中のビオチンリンカーの長さは≧25Åであり、従って集合の対応するパートナーのすべてが会合するために十分である。
ビオチン化EGFPフラグメントを1:1の割合でストレプトアビジンに付着させ(図4a)、次いで5’または3’末端にビオチンを有する対応するオリゴヌクレオチドと結合させた(図4b;概略は図1参照)。これらの三部分子構築物を等モル量で組み合わせると、蛍光の強い増加が、EGFPに類似した励起/発光スペクトルを有して検出された(図4c)。対照的に、ストレプトアビジン結合タンパク質フラグメントを相補性オリゴヌクレオチドなしで混合した対照実験は、感知可能な蛍光を示さなかった。DNAを鋳型にしたEGFP再集合の反応速度は、t1/2≦1分と高速であった(図4a差し込み図)。これは成熟発色団を有する変性タンパク質からのEGFPの復元の反応速度に近く2、17、DNA二重鎖の本質的に即時の形成とよく一致している20。再集合複合体の蛍光強度は実験間で変動し、最大応答はインタクトなEGFPと近かった。
インタクトなEGFPの蛍光スペクトルと再集合タンパク質の蛍光スペクトルとの間の2つの差異に留意すべきである。第1に、EGFPでの488/507nmと比較して、再集合タンパク質の励起/発光極大は490/524nmに赤色シフトした。スペクトル変化は、再集合タンパク質内の発色団の周囲にあるアミノ酸の配置が多少異なること、ならびに複合体内にストレプトアビジンおよび/または負に荷電したDNAが存在することにより説明できる。第2の差異はMg2+イオンの添加に際して明らかになる。2mMのMgSOの添加後にネイティブなEGFPの蛍光は徐々に増加し、3時間のうちにその初期値の約70%に達し、これはEGFP蛍光に対する二価カチオンの公知の消光効果に従う。対照的に、再集合複合体の蛍光度は、Mg2+の添加に際して数分以内に約30%増加し、本質的に変化のないままであった(図4d)。この効果は、DNA−タンパク質複合体内でのEGFPの再集合において主要な役割を担う二重鎖DNAに対するMg2+の安定化効果により説明できる。
最後に、回復した分割EGFPの蛍光を、集合した多成分複合体を解離させることによって消すことの可能性を検討した。この目的のために、本発明者らはDNAハイブリダイゼーションも使用した(図1の第2部参照)。2つの相補性オリゴヌクレオチドの1つを蛍光複合体に過剰に添加すると、蛍光の本質的に即時の下降が検出された(図4c)。明らかに、非タグ化オリゴヌクレオチドの競合ハイブリダイゼーションは、そのタンパク質タグ化した等価物を置換し、結果として、相補したタンパク質複合体を分割する。あるいは、DNAハイブリダイゼーション−脱ハイブリダイゼーション事象は局所的な加熱により遠隔制御可能であり20、系で発生する光学シグナルの多重オン−オフサイクリングの実施を可能にした。本発明者らはこのアプローチをその可能な適用を意味するハイブリダイゼーションによってトリガーおよびコントロールされる迅速な点滅するイルミネーション(Swift & Winked Illumination Triggered & Controlled by Hybridization )(SWITCH)と命名した。
オワンクラゲ緑色蛍光タンパク質(アクセッション M62653):
Figure 2009515510
オワンクラゲ緑色蛍光タンパク質mRNA、完全cds(アクセッション M62653):
Figure 2009515510

Figure 2009515510

Figure 2009515510

Figure 2009515510
本明細書に記載したすべての参考文献の全体を参照により本明細書に組み入れる。
DNAハイブリダイゼーションにより調節された蛍光タンパク質ベース光学ナノスイッチの設計。蛍光タンパク質(EGFP)を2つの非蛍光フラグメントへと切断し、そのうちの1つは、完全サイズのタンパク質内で明るい蛍光を発生することが可能な事前形成発色団を含む。両方のタンパク質フラグメントは、ビオチン−ストレプトアビジン相互作用を介して相補性オリゴヌクレオチドに連結される;ストレプトアビジンはビオチンの4つまでの分子に結合することができるが、本発明者らのプロトコルにおいて、本発明者らは1:1:1の割合のタンパク質/ストレプトアビジン/オリゴヌクレオチド複合体を確実にする。混合物内では、大および小EGFPフラグメントの相補をトリガーする配列特異的二重鎖DNA形成により、これら2つのヌクレオプロテイン構築物が一緒になり、蛍光が高速に発生する(スイッチオン状態)。オリゴヌクレオチドの1つの過剰の添加は、対応するヌクレオプロテイン成分を置換し、蛍光をシャットダウンする(スイッチオフ状態)。 DMDシミュレーションによって分析した大EGFPフラグメント(1〜158N末端アミノ酸)の構造。図2A。温度の関数としての大EGFPフラグメントのポテンシャルエネルギー(標準偏差をエラーバーで示す)。遷移点T約0.60に近い狭い温度範囲でタンパク質の折り畳みが生じる。 図2B。T=0.59でのシミュレーション時間の関数としてのポテンシャルエネルギーの軌道、T付近でタンパク質構造は折り畳まれた状態(下の線)と折り畳まれていない状態(上の線)との間で迅速に変化することを実証する。 図2C。DMDシミュレーションで得られた大EGFPフラグメントの10個の折り畳まれ整列された構造の骨格表現。発色団形成アミノ酸(T66、Y67およびG68)を含む62〜70アミノ酸のセグメントに青色を付す。分子の残りとの少数の接触に起因して、このポリペプチドのC末端は非常に可動性であり、そのため対応するアミノ酸を省略することによって整列を行った。 図2D。DMD折り畳み大EGFPフラグメントの1つ(青色)および全長EGFP(黄色)の骨格整列。ここで、両ポリペプチドの発色団形成残基を赤色で示す。 図2E。折り畳まれた大EGFPフラグメント中の各残基の二乗平均平方根偏差(RMSD)。発色団形成残基は斜線部であり、その空間的配置は2未満の偏差で本質的に固定されている。 図3A〜3C。クローン化EGFPフラグメントのスペクトル特性。図3A。E.coli中で過剰発現させ、インテイン自己スプライシング技術を使用して単離した大(レーン1)および小(レーン2)EGFPフラグメントを含む例示的なタンパク質試料のSDS−PAGE分析(15%PAGE)。レーンMはタンパク質分子量ラダーに対応する。大および小EGFPフラグメントはそれぞれ約15kDおよび約10kDのバンドとして見られる(赤色のアスタリスクで印を付す)。小EGFPフラグメントは実際的に純粋であるが、大EGFPフラグメントにはインテイン(約25kD)および非分割融合物(約40kD)が多少混入している。 図3B。大(曲線1)および小(曲線2)EGFPフラグメントを含むタンパク質試料の吸収スペクトル。タンパク質試料を、2つの典型的なスペクトル(PBSバッファー、pH7.4中、40μMのEGFPフラグメントに対応する)で表し、各波長でのその吸収の範囲を示す。曲線3:40μMのストレプトアビジン;差し込み図:2μMのEGFP。 図3c。大EGFPフラグメント(PBSバッファー、pH7.4中、2μM)の蛍光励起(曲線1)および発光(曲線2)スペクトル。 図4A〜4B。DNAハイブリダイゼーション駆動光学ナノスイッチの集合および性能。図4A。固定した量のストレプトアビジン(2μg;60kDのバンド)を用いる増加した量のビオチン化EGFPフラグメントの結合のゲルシフトアッセイ(SDS−10%PAGE)。赤色の矢印は1:1の複合体(70〜75kDのバンド)を生じるタンパク質量を示し、これはビオチン化の≧70%の収率に対応している。 図4B。図1に示す、大または小EGFPフラグメント、ストレプトアビジンおよび対応するオリゴヌクレオチドを含む1:1:1三部分子構築物の形成を実証するゲルシフトアッセイ(10%PAGE)。レーン1および2:ストレプトアビジンに結合した大EGFPフラグメントの非存在下(1)または存在下(2)でのビオチン化オリゴ1;レーン3および4:ストレプトアビジンに結合した小EGFPフラグメントの非存在下(3)または存在下(4)でのビオチン化オリゴヌクレオチド2;M:20bpサイズマーカー。赤色の矢印は、予想通り上方に強くシフトされている、必要とされるオリゴヌクレオチド−タンパク質複合体の位置を示す。 図4C。各々がPBSバッファー、pH7.4中、約200nM濃度で得られた、インタクトなEGFPの(1)、および三部分子構築物からDNAハイブリダイゼーションにより再集合した分割EGFPベースタンパク質複合体(2)の蛍光スペクトル(スペクトルは混合の20分後に記録した)。曲線3:試料2と同じ+100倍過剰の2つの相補性オリゴヌクレオチドの1つ(非ビオチン化オリゴ1)。曲線4:ストレプトアビジンに結合した両EGFPフラグメントを含むがオリゴヌクレオチドは含まない対照。差し込み図は524nmで記録した試料2における蛍光発生の経時変化を示す。 図4D。Mg+2カチオンの、インタクトなEGFP(青色)および二重鎖DNAを含む再集合分割EGFP複合体(紫色)に対する効果。列1:Mg+2なし;列2および3:2mMのMg+2の添加の2分後および3時間後。 全長EGFPはその大フラグメントより安定である。グラフは全長EGFPと比較した大EGFPフラグメント(別名αドメイン)の折り畳みの熱力学を示し;後者がより高い転移温度Tを有することは明白である。明らかに、安定性の増加は大および小EGFPフラグメント間の相互作用の結果である。従って、より小さいEGFPドメインの存在は、完全サイズのタンパク質の折り畳みを実質的に安定化する。折り畳みEGFP構造:X線構造(PDBコード1c4f;S65T GFP変異体/pH4.6);この構造といくつかの他のEGFP X線構造との間の差異が小さいことから、本発明者らはこの立体構造をネイティブなEGFPの折り畳みとして考える。例えば、PDB 1c4fとPDB 1emg(S65T GFP変異体/pH8.0)との間のrmsdは、わずか0.18Åである。 全長EGFPは、2つの折り畳み−非折り畳み中間体状態を有する。これら2つのグラフは、Berendsenのサーモスタットを使用した準平衡加熱DMDシミュレーションにより調べたEGFPの準平衡非折り畳みを示している31。折り畳み状態から開始して、タンパク質系の温度を徐々にT=0.6<TからT=0.8>Tへ上昇させる。本発明者らは、EGFPの10の非折り畳みのシミュレーションを行った。典型的な軌道を示す(上段);2つの非折り畳み中間体状態、I およびI が平均化折り畳み経路に沿って観察される(下段)。10の準平衡EGFP折り畳みシミュレーションについて同様の結果が得られた。 非折り畳み中間体I (左図)はN末端βストランドの広がりに対応し、第2の非折り畳み中間体I (右図)は、そのC末端がより小さいEGFPドメイン(暗色)と相互作用しているほぼ全体の大EGFPドメイン(明色)の非折り畳みに対応する。

Claims (52)

  1. 個体の疾患または障害を検出するための方法であって、以下の工程を含む方法:
    a.個体から試験生物試料を得る工程;
    b.該生物試料からDNAまたはRNAを単離する工程;
    c.DNAまたはRNAを分割蛍光ポリペプチド分子と接触させる工程であって、該分割蛍光ポリペプチドのフラグメントが核酸結合モチーフに抱合され、少なくとも1つの該核酸結合モチーフが疾患または障害に関連する特定の核酸に特異的である、工程;および
    d.検出可能タンパク質からのシグナルの変化を検出する工程であって、該シグナルの変化が疾患または障害の存在の指標となる、工程。
  2. 個体の疾患または障害を検出するための方法であって、以下の工程を含む方法:
    a.個体から試験生物試料を得る工程;
    b.該生物試料から非核酸分析物を単離する工程;
    c.該非核酸分析物を分割蛍光ポリペプチド分子と接触させる工程であって、該分割蛍光ポリペプチドのフラグメントが該非核酸分析物の結合モチーフに抱合され、少なくとも1つの該分析物結合モチーフが疾患または障害に関連する特定の核酸に特異的である、工程;および
    d.検出可能タンパク質からのシグナルの変化を検出する工程であって、該シグナルの変化が疾患または障害の存在の指標となる、工程。
  3. 請求項1および2記載の方法であって、該分割蛍光ポリペプチドが以下を含む方法:
    a.アミノ酸1からおよそアミノ酸158を含むEGFRペプチドの第1のフラグメント;および
    b.およそアミノ酸159からアミノ酸239を含むEGFRペプチドの第2のフラグメント;および
    c.該第1および該第2のEGFRフラグメントの間に位置した切断ペプチド。
  4. 該疾患が病原体である請求項1および2記載の方法。
  5. 該病原体がウイルス、インフルエンザ、細菌、真菌、寄生生物または酵母を含む群から選択される請求項1および2記載の方法。
  6. 該病原体がウイルスである請求項4記載の方法。
  7. 該疾患が、疾患に対する遺伝的素質である請求項1および2記載の方法。
  8. 分割蛍光ポリペプチドを含む封入体の調製物であって、前記分割蛍光ポリペプチドが以下を含む調製物:
    a.アミノ酸1からおよそアミノ酸158を含むEGFRペプチドの第1のフラグメント;および
    b.およそアミノ酸159からアミノ酸239を含むEGFRペプチドの第2のフラグメント;および
    c.該第1および該第2のEGFRフラグメントの間に位置した切断ペプチド。
  9. 検出可能タンパク質の少なくとも2つのポリペプチドフラグメントを含む分割ポリペプチドタンパク質フラグメント分子であって、該フラグメントが:(a)活性化形態であり、(b)単独では活性でなく;(c)核酸結合モチーフをさらに含み;(d)標的核酸の存在下、迅速に相補してリアルタイムに活性タンパク質を再構成する、分割ポリペプチドタンパク質フラグメント分子。
  10. 該標的核酸がDNA、RNA、PNAおよびそのアナログを含む群から選択される、請求項7記載の分割ポリペプチドタンパク質フラグメント分子。
  11. 検出可能タンパク質の少なくとも2つのポリペプチドフラグメントを含む分割ポリペプチドタンパク質フラグメント分子であっって、該フラグメントが:(a)活性化形態であり、(b)単独では活性でなく;(c)非核酸分析物に対する結合モチーフをさらに含み;(d)標的分析物分子の存在下、迅速に相補してリアルタイムに活性タンパク質を再構成する、分割ポリペプチドタンパク質フラグメント分子。
  12. 該標的分析物分子が生体分子、有機分子または無機分子である、請求項9記載の分割ポリペプチドタンパク質フラグメント分子。
  13. 該検出可能タンパク質が蛍光タンパク質である、請求項9および11記載の分割ポリペプチドタンパク質フラグメント分子。
  14. 該蛍光タンパク質が以下から成る群より選択される、請求項9および11記載の分割ポリペプチドタンパク質フラグメント分子:緑色蛍光タンパク質(GFP)、GFP様蛍光タンパク質(GFP様);高感度緑色蛍光タンパク質(EGFP);黄色蛍光タンパク質(YFP);高感度黄色蛍光タンパク質(EYFP);青色蛍光タンパク質(BFP);高感度青色蛍光タンパク質(EBFP);シアン蛍光タンパク質(CFP);高感度シアン蛍光タンパク質(ECFP);および赤色蛍光タンパク質(dsRED)およびそれらの変異体。
  15. 請求項9および11記載の分割ポリペプチドタンパク質フラグメント分子であって、該分子が分割蛍光タンパク質分子であり、1つのポリペプチドフラグメントが蛍光タンパク質の成熟発色団を含み、該分子の該分割蛍光フラグメントが(a)一緒に蛍光タンパク質の発色団遮蔽バレル中のβストランドの完全相補体を含み;(b)単独では蛍光性ではなく;(c)核酸結合モチーフをさらに含み;(d)標的核酸または標的分析物分子の存在下、迅速に相補してリアルタイムに該蛍光タンパク質および蛍光表現型を再構成する、分割ポリペプチドタンパク質フラグメント分子。
  16. 該蛍光タンパク質がEGFPである、請求項9記載の分割ポリペプチドタンパク質フラグメント分子。
  17. 該核酸結合モチーフがDNA、RNA、PNA、LNA DNA結合タンパク質またはペプチド;RNA結合タンパク質またはペプチドを含む群から選択される、請求項9記載の分割ポリペプチドタンパク質フラグメント分子。
  18. 1つのフラグメント上の該核酸結合モチーフが他方のフラグメント上の該核酸結合フラグメントと同じ型である、請求項9記載の分割ポリペプチドタンパク質フラグメント分子。
  19. 1つのフラグメント上の該核酸結合モチーフが他方のフラグメント上の該核酸結合フラグメントと異なる型である、請求項9記載の分割ポリペプチドタンパク質フラグメント分子。
  20. 核酸ハイブリダイゼーションにおける変化のリアルタイム検出法であって、該方法が以下の工程を含む検出法:(a)請求項2に記載する分子のベースラインシグナルを検出する工程であって、生物試料中、1つのフラグメント上の該核酸結合モチーフが核酸を有する第2のフラグメント上の該核酸結合モチーフに結合する、工程;(b)該試料中の2つのフラグメントの結合が変化し得るようにアッセイ条件を改変する工程;および(c)該生物試料からの蛍光シグナルの変化を即時に検出する工程であって、シグナルの減少が、アッセイ条件の該変化により、その元の核酸標的に対する分離したポリペプチドフラグメントの親和性が減少することの指標である、工程。
  21. 1つのフラグメント上の該核酸結合モチーフが第2のフラグメント上の該核酸結合モチーフと同じ型である、請求項20記載の方法。
  22. 1つのフラグメント上の該核酸結合モチーフが第2のフラグメント上の該核酸結合モチーフと異なる型である、請求項20記載の方法。
  23. 活性化分割ポリペプチドタンパク質フラグメントの生成法であって、以下の工程を含む方法:
    a.第1のポリペプチドフラグメントおよび少なくとも1つの他のポリペプチドフラグメントをコードする核酸配列を発現させる工程であって、2つのポリペプチドフラグメントが標的核酸または標的非核酸分析物の存在下で組み合わされて、その活性状態の検出可能タンパク質を形成し、ポリペプチドフラグメントが、活性野生型タンパク質と比較した場合、活性化され立体構造的に正しい形態である、工程;および、
    b.前記ポリペプチドフラグメントを回収し、立体構造的に正しく活性化された状態にある2つの分離したタンパク質フラグメントを得る工程。
  24. 第1のポリペプチドフラグメントおよび少なくとも1つの他のポリペプチドフラグメントをコードする核酸配列が1つの核酸配列としてコードされ、核酸配列が第1のポリペプチドフラグメントと他のポリペプチドフラグメントとの間に分割可能部位をコードし、第1のポリペプチドフラグメントおよび他のポリペプチドフラグメントが分離可能であり、活性野生型タンパク質と比較した場合、活性化されそして立体構造的に正しい形態である、請求項21記載の方法。
  25. 分割可能部位が、酵素切断;化学切断;光切断;波長切断;熱切断;酸切断から成る群より選択される切断手段により他のポリペプチドフラグメントから第1のポリペプチドフラグメントを分離することを可能にする、請求項24記載の方法。
  26. 請求項23記載の方法であって、以下の工程を含む方法:
    a.微生物宿主細胞中で第1のポリペプチドフラグメントおよび少なくとも1つの他のポリペプチドフラグメントをコードする核酸配列を発現させて封入体を形成する工程であって、封入体が該ポリペプチドフラグメントを含む、工程;および、
    b.宿主細胞を溶解し、封入体を回収し、工程(a)の前記封入体中に含まれるポリペプチドフラグメントを再可溶化およびリフォールディングして、第1のポリペプチドフラグメントおよび少なくとも1つの他のポリペプチドフラグメントを活性化立体構造で得る工程。
  27. 第1および少なくとも1つの他のポリペプチドフラグメントを含むポリペプチドを酵素的あるいは化学的に分割し、第1および少なくとも1つの他のポリペプチドフラグメントをその活性化状態で得る工程をさらに含む、請求項26記載の方法。
  28. ポリペプチドフラグメントを前記宿主細胞の可溶性画分から回収し、第1のポリペプチドおよび少なくとも1つの他のポリペプチドフラグメントをその活性化立体構造の状態で得る工程をさらに含む、請求項26記載の方法。
  29. 該検出可能タンパク質が酵素である、請求項23記載の方法。
  30. 該酵素が発色性活性を有する、請求項25記載の方法。
  31. 該検出可能タンパク質が蛍光タンパク質である、請求項23記載の方法。
  32. 蛍光タンパク質の第1のポリペプチドフラグメントが蛍光のために準備された成熟事前形成発色団を含む、請求項23記載の方法。
  33. 該蛍光タンパク質が以下を含む群より選択される、請求項31記載の方法:緑色蛍光タンパク質(GFP);高感度緑色蛍光タンパク質(EGFP);黄色蛍光タンパク質(YFP);高感度黄色蛍光タンパク質(EYFP);青色蛍光タンパク質(BFP);高感度青色蛍光タンパク質(EBFP);シアン蛍光タンパク質(CFP);高感度シアン蛍光タンパク質(ECFP);赤色蛍光タンパク質(dsRED);およびそれらの変異体。
  34. 該蛍光タンパク質がEGFP蛍光タンパク質である、請求項31記載の方法。
  35. 該EGFP蛍光タンパク質が、アミノ酸1からおよそアミノ酸158までから構成される第1のポリペプチドフラグメントタンパク質を含み、該EGFP蛍光タンパク質の第2のポリペプチドフラグメントがおよそアミノ酸159からアミノ酸239である、請求項34記載の方法。
  36. 該第1のポリペプチドフラグメントがC末端システインをさらに含み、該第2のポリペプチドフラグメントがN末端システインをさらに含む、請求項23記載の方法。
  37. 該第1および少なくとも1つの他のポリペプチドフラグメントをスルフヒドリル反応性試薬でビオチン化する工程をさらに含む、請求項23記載の方法。
  38. 該スルフヒドリル反応性試薬がビオチン−HPDPである、請求項37記載の方法。
  39. 該第1および少なくとも他のポリペプチドフラグメントがストレプトアビジン抱合オリゴヌクレオチドにさらに抱合されている、請求項23記載の方法。
  40. 該オリゴヌクレオチドがDNA、RNA、PNA、LNAおよびそれらのアナログを含む群から選択される、請求項39記載の方法。
  41. 該第1および少なくとも1つのポリペプチドフラグメントをコードする核酸が核酸結合部分をさらにコードする、請求項23記載の方法。
  42. 該核酸結合部分が核酸である、請求項41記載の方法。
  43. 該核酸結合部分が第1および少なくとも1つの他のポリペプチドフラグメントに抱合されている、請求項42記載の方法。
  44. 該核酸結合部分がDNA結合タンパク質;DNA結合ペプチド;RNA結合タンパク質;RNA結合ペプチドを含む群から選択される、請求項42記載の方法。
  45. 以下を含むキット:
    a.各分割ポリペプチドフラグメントが核酸結合ドメインまたは非核酸分析物に対する結合モチーフを含む、第1および少なくとも1つの他の活性化分割ポリペプチドフラグメント;
    b.相補およびシグナル検出に関する試薬および説明書。
  46. 以下を含むキット:
    a.第1および少なくとも1つの他の活性化分割ポリペプチドフラグメント;
    b.対象とする、使用者自身の核酸結合モチーフまたは非核酸分析物に対する結合モチーフの付着に関する試薬および説明書;
    c.相補およびシグナル検出に関する試薬および説明書。
  47. 該第1および第2の活性化分割ポリペプチドフラグメントが再構成して、検出可能タンパク質を形成する、請求項45および46記載のキット。
  48. 該検出可能タンパク質が、β−ラクタマーゼ;DFHR;ルシフェラーゼ;蛍光タンパク質を含むリストから選択される、請求項47記載のキット。
  49. 該検出可能タンパク質が抗原である、請求項47記載のキット。
  50. 該試料の標的核酸の増幅に関する試薬および説明書をさらに含む、請求項45および46記載のキット。
  51. 該変化がシグナルの減少である、請求項1および2記載の方法。
  52. 該変化がシグナルの増加である、請求項1および2記載の方法。
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