JP5358840B2 - Gfp(緑色蛍光蛋白質)の機能賦活・回復方法 - Google Patents

Gfp(緑色蛍光蛋白質)の機能賦活・回復方法 Download PDF

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Description

本発明は、不活性GFP(緑色蛍光蛋白質)の機能賦活・回復方法に関するものであり、更に詳しくは、高次構造が未形成なために不活性なGFP(緑色蛍光蛋白質)(以下、GFPと記載することがある。)、あるいはある種の原因で立体構造が変化し、失活したGFPをβ型ゼオライト(ゼオライトベータと記載することがある。)を含むリフォールディングバッファーを用いてリフォールディングさせ、該GFP固有の本来機能を賦活・再生させることを可能とする不活性GFPの機能賦活・回復方法、及び該方法を利用した活性GFPの製造方法に関するものである。
生体内で実際的に作用し、働くのは遺伝子ではなく、それらから作られるタンパク質である。したがって、タンパク質の機能・構造の解明・解析は、例えば、病気の治療や創薬に直結し、極めて重要である。このため、種々のタンパク質を様々な方法で合成・生産し、それらの構造を調べ、生体内における作用機構と役割を解明することが活発に行われている。そして、今や、タンパク質の機能は、それらを構成するアミノ酸の配列・鎖長のみならず、それらの取る秩序だった立体構造(高次構造)によって決まることは周知のこととなっている。
タンパク質の合成は、一般には、大腸菌、昆虫細胞、哺乳動物細胞等の発現系を用いて行われる。昆虫細胞や哺乳動物細胞による合成では、得られるタンパク質は、高次構造が制御され、秩序だった立体構造を取り、可溶性である場合が多い。しかし、これらの方法は、分離精製の操作が非常に煩雑であり、目的のタンパク質を得るまでに時間がかかり、コスト高となるばかりか、得られるタンパク質の量も極めて少ないという欠点がある。
これに対して、大腸菌によるタンパク質合成は、操作が簡単で、目的タンパク質を得るのにさして時間を要せず、コストもさほどかからない。このため、現在は、目的タンパク質の合成を担う遺伝子コードを組み込ませた大腸菌を用いる方法が、タンパク質合成の主流となっており、生産プロセスも確立されつつある。
ところが、ヒト等の高等生物のタンパク質を大腸菌発現系で合成した場合、アミノ酸の結合順序や数、すなわちアミノ酸鎖長に関しては、設計どおりのタンパク質が得られるものの、その立体構造には秩序がなく、高次構造が制御されていないタンパク質、すなわちアミノ酸鎖が縺れ絡まった、いわゆるインクルージョンボディと呼ばれる不溶性タンパク質が得られる。
当然のことながら、この不溶性タンパク質のインクルージョンボディは、欲する機能・性能を持たず、活性を示さない。このため、大腸菌による生産プロセスでは、インクルージョンボディを解きほぐし、高次構造を整え、秩序だった立体構造を持つ可溶性タンパク質に変換する操作、すなわちインクルージョンボディのリフォールディング(巻き戻し)が必要である。この種のリフォールディングは、大腸菌による生産タンパク質のみならず、熱履歴等の、ある種の原因で失活したタンパク質の再生にも応用でき、極めて重要な技術である。
従来から、このリフォールディングは盛んに研究され、種々の方法が提案されている。しかし、それらのほとんどは、リフォールディング率が低いうえに、ある限定されたタンパク質(特に、分子量の低い特定タンパク質)に対して偶発的に好ましい結果が得られたに過ぎないことが多い。現在、このリフォールディングは、種々のタンパク質に適用可能な一般性、普遍性のある、しかもリフォールディング率の高い効率的で経済的な方法とはなっていない。
最も古くから良く用いられているリフォールディング操作は、透析や希釈である。前者は、タンパク質を界面活性剤や変性剤を含む水溶液に溶かし、これを、界面活性剤や変性剤を含まない緩衝液で透析することで、界面活性剤や変性剤の濃度を下げて、タンパク質をリフォールディングするもの(典型例:Hampton Research社製FoldItキット)である。
一方、後者は、タンパク質を界面活性剤や変性剤を含む水溶液に溶かした後に、これを、単に希釈して行くことで、界面活性剤や変性剤の濃度を下げ、リフォールディングさせるものである。これらが一般であるが、その他にも、界面活性剤のSodium N−lauroyl sarcosinate溶液にグルタチオンS−トランスフェラーゼ融合タンパク質を溶かし、それを1〜2%のTriton X−100で希釈し、巻き戻す方法(非特許文献1参照)等、希釈剤を用いてリフォールディングさせる方法もある。
透析と希釈の両方に対し、Hampton Research社から、使い捨てキットが市販されており、これらの操作法では、Ligand binding domains from glutamate and kainate receptors、Lysozyme、Carbonic anhydrase B等の、極限られたタンパク質でリフォールディングが起こることが認められているに過ぎず(非特許文献2参照)、この方法は、試行錯誤法の域にとどまっていると言っても過言ではない。したがって、たまたま上手くいった方法の場合でも、他のタンパク質に適用するとほとんどうまくいかないのが通例である。
リフォールディングに、ゲル濾過、又はサイズ排除カラムを用いることも試されている。尿素・塩酸グアニジンで変性させたタンパク質、チオレドキシンをゲル濾過にかけると、ゲル濾過中にその巻き戻りが起こる(非特許文献3参照)。しかし、この方法では、リフォールディングは、必ずしも十分ではなく、他のタンパク質では、満足できる結果が得られないのが通常である。
構造が壊れたタンパク質の巻き戻しを促進するタンパク質の一種である分子シャペロンGroELを固定したカラムに、8Mの尿素で可溶化したタンパク質を吸着させ、塩化カリウムと尿素をそれぞれ2M含む溶液で溶離すると、溶離タンパク質の巻き戻りが起こる(非特許文献4参照)。しかし、これらは、Cyclophilin A等、極めて限られたタンパク質で認められているに過ぎない。特に、分子シャペロンを用いる場合は、それが、ある種の鋳型であるために、その鋳型の形に適合しないものではまったく役に立たないというのが実情である。
また、リフォ−ルディング促進に関与すると考えられるタンパク質3種、GroEL 、DsbA(大腸菌のdisulfide oxidereductase)及びPPI (human proline cis−trans isomerase)を同時に固定した樹脂に、塩酸グアニジンで変性したタンパク質Scorpion toxin Cn5を混ぜると、このタンパク質の巻き戻りが樹脂上で起こることも報告されている(非特許文献5参照)。しかしながら、これについては、Scorpion toxin Cn5等の特定タンパク質にしか適用できない欠点に加え、タンパク質3種を固定した樹脂の調製が煩雑で、コスト高となるという問題もある。
カラム上の固定物質として、巻き戻しタンパク質の代わりに金属キレートを用いる場合もある。ニッケルキレートを固定した樹脂に、塩酸グアニジンと尿素を含む水溶液で溶解変性したHis6−タグ融合タンパク質を吸着させ、変性剤を含まない緩衝溶液で洗うと、該融合タンパク質の巻き戻りが起こる(非特許文献6参照)。該方法の適用が、このタンパク質に限られることと、樹脂の調製が煩雑で、コスト高となることは、前記方法と同じである。
人工シャペロンとして、β−シクロデキストリンやシクロアミロースを用い、このシャペロン溶液に界面活性剤で変性したタンパク質を混ぜると、界面活性剤の人工シャペロンによる取り込み除去が生じ、この過程で、タンパク質が巻き戻るとの報告もある(非特許文献7〜9参照)。しかし、この方法は、carbonic anhydrase B等で成功しているに過ぎない。しかも、この方法は、繰り返し行える方法ではなく、高コストである。
一方、本発明者らは、これまで、ZSMゼオライトやゼオライトベータ(例えば、非特許文献10、11、特許文献1、2参照)等のゼオライトへのバイオポリマーの吸着現象(非特許文献12参照)について、研究を続けてきた過程で、ゼオライトベータを用いたタンパク質巻き戻し材料を開発することに成功した(特許文献3)。
前述のように、大腸菌を用いた組換えタンパク質の発現系は、コスト、スケールアップの容易さ等から、医学的、産業的に有用なタンパク質を大量に生産する技術として最も注目される重要技術となっている。しかしながら、外来タンパク質を大量に発現させると、しばしば異常な立体構造を持ち、活性のないタンパク質が封入体として菌体内に蓄積する現象が観察される。そこで、該封入体から正しい立体構造及び活性を持ったタンパク質を得るためのリフォールディング技術の発展が望まれている。
リフォールディングを行う際には、バッファーpH、温度、添加剤の種類等、タンパク質ごとに条件検討を行う必要がある。また、分泌タンパク質等には、立体構造の安定化にシステイン残基間のS−S結合を必要とするものがあり、その場合、リフォールディングによる正しい立体構造の形成に加え、適切なS−S結合の形成が必要となる。
本発明者らは、これまで、ゼオライトベータを用いて、タンパク質のリフォールディングを効率よく行わせることに成功し、更に、ゼオライトを用いたタンパク質のリフォールディングにおける汎用性の検討の一環として、各種不活性タンパク質の機能賦活・回復化を種々試みてきた。しかし、リフォールディング技術は適用可能なタンパク質が特定のものに限られており、リフォールディング技術が有効か否かは適用対象のタンパク質との関係で好適な条件が設定し得るか否かにかかっている。ゼオライトベータによるリフォールディング技術を含めて、GFPについては、従来法では高効率のリフォールディング手法が確立されておらず、当技術分野では、該GFPのリフォールディングを可能とする新しいリフォールディング手法の開発が強く要請されていた。
特開平6−127937号公報 特開平8−319112号公報 WO2005/005459 A1 Anal.Biochem.Vol.210(1993)179−187 Protein Sci.Vol.8(1999):1475−1483 Biochemistry,Vol.26(1987)3135−3141 Natl.Acad.Sci.USA,Vol.94(1997) 3576−3578 Nat.Biotechnol.Vol.17(1999)187−191 Life Science News(Japan Ed.)Vol.3(2001)6−7 J.Am.Chem.Soc.Vol.117(1995)2373−2374 J.Biol.Chem.Vol.271(1996)3478−3487 FEBS Lett.Vol.486(2000)131−135 Zeolites,Vol.11(1991)842−845 Adv.Mater.,Vol.8(1996)517−520 Chem.Eur.J.,Vol.7(2001)1555−1560
このような状況下にあって、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、不活性GFPの機能賦活・回復方法として有用な新しいリフォールディング技術を開発することを目標として鋭意研究開発を積み重ねた結果、β型ゼオライトを含むリフォールディングバッファーを用いた新しい不活性GFPの機能賦活・回復方法を確立することに成功し、本発明を完成するに至った。本発明は、不活性GFPの機能賦活・回復方法及び該方法を用いた活性GFPの製造方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)GFP(緑色蛍光蛋白質)の機能を賦活・回復する方法であって、1)該GFPに、β型ゼオライト、及び少なくとも酸化還元剤を含むリフォールディングバッファーを加え、所定の温度で一定時間インキュベーションすることによって、GFPのリフォールディングを行いGFPの機能を賦活・回復させること、2)その際に、上記リフォールディングバッファーとしてPEG(ポリエチレングリコール)とアルギニンを含むリフォールディングバッファーを用いること、3)それにより発色団が形成され活性が回復するまでゼオライトとともにインキュベーションすることによりリフォールディングを行いGFPの機能を賦活・回復させること、を特徴とするGFPの機能賦活・回復方法。
(2)β型ゼオライトが、NH 若しくはNaフォームにしたゼオライトである、前記(1)に記載のGFPの機能賦活・回復方法。
)GFPが、不活性乃至低活性のGFPである、前記(1)又は(2)に記載のGFPの機能賦活・回復方法。
)前記(1)から()のいずれかに記載のGFPの機能賦活・回復方法を不活性乃至低活性GFPに適用して機能を賦活・回復させた活性GFPを回収することを特徴とする活性GFPの製造方法。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、GFP(緑色蛍光蛋白質)の機能を賦活・回復する方法であって、GFPに、β型ゼオライトを含むリフォールディングバッファーを加え、所定の温度で一定時間インキュベーションすることによって、GFPのリフォールディングを行いGFPの機能を賦活・回復させることを特徴とするものである。本発明では、β型ゼオライトが、NH 又はNaフォームにしたゼオライトであること、を好ましい実施の態様としている。
また、本発明では、アルギニンを添加したリフォールディングバッファーを用いること、PEG(ポリエチレングリコール)とアルギニンを含むリフォールディングバッファーを用いてリフォールディングを行いGFPの機能を賦活・回復させること、を実施の態様としている。更に、本発明は、上記のGFPの機能賦活・回復方法を不活性乃至低活性GFPに適用して機能を賦活・回復させた活性GFPを回収することからなる活性GFPの製造方法の点に特徴を有するものである。
本発明では、機能賦活の対象として、例えば、不活性乃至低活性のGFP、あるいは熱履歴等のある種の原因で失活したGFPが用いられる。本発明では、これらのGFPをゼオライトベータ(β型ゼオライト)で処理して該GFPの立体構造をリフォールディングすることにより、該GFP固有の本来機能の賦活・回復を行う。
賦活操作は、通常、該GFPを、変性剤や界面活性剤等を含む溶液に先ず分散溶解し、その後、ゼオライトベータを含む溶液との混合や、ゼオライトベータ充填カラムへの注入により、該GFPをゼオライトベータに吸着させ、次いで、ゼオライトベータから該タンパク質を脱着させる手順で行われる。
本発明で機能賦活剤として用いられるゼオライトベータとしては、未焼成ゼオライトベータ、及び、例えば、合成ゼオライトベータを300〜500℃で3〜10h焼成した焼成ゼオライトベータが例示されるが、これらに制限されるものではなく、これらと同等のものであれば同様に使用することができる。
ゼオライトベータに吸着前のGFPの分散溶媒としては、好適には、例えば、水が用いられる。しかし、必ずしもこれに限定されるものではなく、該GFPと反応を起こさないもの、及び、該GFPの立体構造を不本意な形に変えるものでなければ、基本的には問題はなく、このような場合は、それらの溶媒単独あるいは水と混合して用いることが可能である。この種の溶媒の典型例として、一価及び多価のアルコールを挙げることができる。
該GFPの吸脱着は、一般には、縺れ絡んだタンパク質鎖長を解きほぐし易くし、また、巻き戻り易くするために、変性剤や界面活性剤、pH調整剤、リフォールディング因子等の存在下、で行われる。
この種の変性剤や界面活性剤、pH調整剤、リフォールディング因子の典型例として、例えば、塩酸グアニジン、トリスアミノメタン塩酸塩、ポリエチレングリコール、シクロデキストリン、4−(2−hydroxyethyl)−1−piperazineethanesulfonic acid(HEPES)、ポリ燐酸、スクロース、グルコース、グリセロール、イノシトール、Dextran T−500やFicol1400等を挙げることができる。
また、該GFPの脱着には、一般には、置換吸着が用いられるが、基本的には該GFPの脱着後の機能賦活を阻まない操作であれば、いかなる操作も適用可能であり、特に限定されるものではない。したがって、pH変化、温度変化等も用いることができる上に、これらと置換吸着を併用することもできる。置換吸着で該GFPの脱着を促す物質には、一般的には、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)等の界面活性剤やハロゲン化アルカリ等の塩が用いられるが、これらに限定されるものではなく、カラムクロマトグラフィーでの溶離に用いられるもの等、種々のものが使用可能である。
以上述べてきた、不活性タンパク質の活性賦活機能・変性タンパク質の巻き戻し能を発揮するリフォールディング剤を構成するBEA構造のゼオライト、いわゆるゼオライトベータとしては、典型例として、例えば、通常の市販ゼオライトベータ(例えば、商品名HSZ−930NHA、東ソー社製)、文献等に従い自前で合成・調製したゼオライトベータ(Zeolites,Vol.11(1991)202.参照)、それらを、焼成して得られるゼオライトベータが挙げられる。
該ゼオライトの有する空間中に、アンモニウムや種々の脂肪族及び/又は芳香族アンモニウム等のアンモニウム類があるゼオライトベータ、該ゼオライトを形成する骨格ケイ素の一部が他の金属に変わった骨格置換ゼオライトベータ、前記アンモニウム含有骨格置換ゼオライトベータ等が挙げられるが、ゼオライトベータの骨格構造を持つものであれば、基本的には、全て該機能・能力を有しており、該ゼオライトベータは、ここに挙げたものに必ずしも限定されるものではない。
該ゼオライトベータの骨格を形成する元素は、一般にはケイ素と酸素、あるいはケイ素とアルミニウムと酸素であるが、ケイ素やアルミニウムの一部が他の元素に置換したゼオライトベータ、及びその細孔中に前記アンモニウム類を含む置換ゼオライトベータも、不活性GFPの活性賦活機能を行うリフォ−ルディング剤となり得る。
該ゼオライトベータの骨格ケイ素と置換可能なものの典型としては、例えば、アルミニウム、ホウ素、燐、ガリウム、錫、チタン、鉄、コバルト、銅、ニッケル、亜鉛、クロム、バナジウム等を挙げることができるが、これらに留まるものではなく、基本的にゼオライトベータの構造を破壊しないものであればいずれでも良い。また、その置換量に関しても、ゼオライトベータの構造を破壊しない量であれば、置換量はいかなる量でもかまわず、該置換ゼオライトベータは、不活性並びに変性GFPのリフォールディング剤となり得ることは同様である。
本発明では、リフォールディング剤は、BEA構造のゼオライト、いわゆるゼオライトベータ単味、又はゼオライトベータとそれを支持する基材(支持体)とから構成することができる。前者は、支持体無しで、後者は、支持体付きである。一般的に言って、ゼオライトという物質は、自己焼結性が乏しいため、単味単独では成形しにくいことが多いので、リフォールディング剤の作製、すなわち形態・形状の設計・制御に関しては、前者に比べ後者が、予め形が整えられた支持体上にゼオライトベータを固定・被覆すること等が可能なため、自由度が高く、有利である。
該ゼオライトベータの形態・形状につては、例えば、チップ状、膜状、ペレット状、ビーズ状等、該ゼオライトベータの利用方法・使用形態に応じて、適宜選定される。特に、支持体付き該ゼオライトベータでは、ゼオライトベータの固定・被覆を種々の形状、例えば、板、球、円筒、チューブ、カラム、溝、U字路等の支持体上に、前記方法等で行うことができるので、該ゼオライトベータの形状を如何様にも所望の形にすることができるという利点がある。この場合の支持体については、ガラス、石英、アルミナ、シリカ、コージェライトやムライト等の種々のセラミックス、濾紙等のセルロース、テフロン(登録商標)、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(ペット)等、種々の有機ポリマーを挙げることができる。
本発明において、変性還元GFPは、ゼオライトと混ぜると、急速に吸着される。また、6Mの高濃度のGdn−HCl(Guanidine−HCl)存在下においても変性還元GFPは強く吸着される。酸化還元剤の有無にかかわらず、リフォールディングバッファー中にGFPが回収されるが、このことは、まず、GFPが凝集しない正しい立体構造を持った状態で溶出されることを示唆している。
GFPのリフォールディングバッファーとしては、アルギニン、PEG及び還元剤を添加したリフォールディングバッファーが用いられる。930NHA(NH )に対する変性GFPの吸着量は、おおよそ50mg/g zeoliteである。また、930NHAに対して、GFPは、速やかに吸着し、吸着時間は1時間で十分である。また、リフォールディング時間は、GFPを回収するためには4時間程度で十分であるが、活性を回復させる(発色団を形成させる)ためには、約16時間以上必要である。
約8時間以降では、回収率は下がっていくので、回収ができ、高い活性を得るには16時間程度リフォールディングさせる必要がある。GFPは、リフォールド開始後約4時間で剥がれてくるが、活性が回復する約16時間までzeoliteとともにインキュベートすることが必要である。また、リフォールディングバッファー量は、少なすぎると高い活性は得られず、多すぎると濃度が低すぎてGFPを回収できないため、GFP吸着量1mg(最大吸着量の約50%)に対して1〜2mlが好適である。
アルギニン添加により、GFPの回収率が増加し、また、PEG(ポリエチレングリコール)と相乗効果を示す。このことから、アルギニンは、ゼオライトによるリフォールディングにおいても、GFPの凝集防止に有効であり、PEGと組み合わせることにより、更に、多くのGFPを回収することができる。
本発明により、次のような効果が奏される。
(1)β型ゼオライトを用いた変性GFPの新しい機能賦活・回復方法を確立し、提供することができる。
(2)変性GFPの活性を高活性で回復させることが可能なリフォールディング技術を提供することができる。
(3)活性GFPの回収率と活性回復率のバランスを高めたリフォールディング技術を提供することができる。
(4)アルギニン及びPEGとを組み合わせて、活性GFPの回収率を向上させたGFPのリフォールディング方法を提供することができる。
(5)封入体としての活性のないGFPから正しい立体構造及び活性を持った活性GFPを得るためのリフォールディング技術を提供することができる。
(6)他の方法と比べて、高効率でリフォールディングを行うことが可能な不活性GFPのリフォールディング技術を提供することができる。
(7)希釈法、透析法の欠点である、大量のバッファーを必要とし、リフォールディングしたタンパク質の濃度が低いといった欠点を改善できる、シンプルに高効率でリフォールディングを行わせることが可能なリフォールディング技術を提供することができる。
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
(96wellプレートを用いたGFPリフォールディング条件の検討)
本実施例では、96wellプレートを用いて、96通りの条件を振り、GFPのリフォールディング条件を調べた。
(1)材料
試験材料として、以下の材料を用いた。
zeolite:930NHA(東ソー);NH4型,30mg
protein solution:変性GFP溶液,1mg/ml,1ml
変性buffer:20mM Tris−HCl pH7.5,6Mグアニジン,0.5M NaCl
wash buffer:1mM Tris−HCl pH7.5
リフォールディングbufferとして、以下の基本bufferに、0.5M Arg+0.5%PEG20,000を加えたもの、又は0.5M Arg+0.5%PEG20,000+0.5%Tween20を加えたもの、を用いた。
(基本buffer)
・50mM MES−Na pH6.5
・50mM Tris−HCl pH7.5
・50mM Tris−HCl pH8.0
・50mM Tris−HCl pH8.5
Redox reagentとして、以下の材料を用いた。
・10mM 2−ME
・10mM Cysteine + 1 mM Cystine
また、Additiveとして、以下の材料を用いた。
・20% Glycerol
・1M Gdn−HCL
・0.5M NaCl
・0.5% Tween20
・1mM EDTA
これらのfactorを考慮に入れてマトリクス(表3)を作成した。
(2)方法
zeoliteを30mgずつ96wellのディープウェルプレートに測り取り、1mlの変性bufferを加えて平衡化した。3,000rpmで5分遠心分離して上清を捨てた。1mg/mlの変性GFP(緑色蛍光蛋白質)を1ml加え、ディープウェルにしっかりとフタをし、上下反転させてzeoliteを十分に懸濁した後、ローテーターで1時間回転させてzeoliteにGFPを吸着させた。
3,000rpmで5分遠心分離して上清を捨て、wash buffer 1mlで計5回washし、5回目の洗浄で上清を除いた後、更に3,000rpmで1分遠心して、残っている液をできるだけ除いた。1mlのリフォールディングバッファーを加え、フタをしてボルテックスで混合した。4℃で一晩回転させてリフォールドさせた。3,000rpmで5分遠心分離して上清の活性測定を行った。
活性測定は、CORONA Microplate Reader SH−8000を用いて、Ex:486nm,Em:511nmで蛍光強度を測定した。可溶性GFP溶液をリフォールディングバッファーで希釈して、0,1.875,3.75,7.5,15,30,60μg/mlのときの蛍光強度を測定し、検量線を作成した。Refolding sampleは、そのまま測定した。活性の高かったrefolding sample及びstandard(変性GFP)をTCA沈澱してから、BCA法でタンパク濃度を測定し、回収率及び活性回復率を算出した。
(3)結果
その結果を図1に示す。表1に、蛍光強度を示す。表2に、活性の高かったC1,C7,E1,E4,E7,E10,G1,G4,G7,G10,H3及びH9のタンパク濃度を測定し、回収率及び活性回復率を算出した結果を示す。また、表3に、上記factorを考慮に入れて作成したマトリックスを示す。
E7及びE10の回収率、活性回復率が最も良好であった。E7とE10は、条件がほぼ同じであり、E7のバッファーにRedox reagentであるCysteine/Cystineを添加したものがE10である。GFPは、S−S結合がないので、Redox reagentは必要がないこと、GFPのリフォールディングの好適条件は、以下のとおりであり、回収率は38.8%及び活性回復率は26.9%であった。
(GFPのリフォールディング条件)
pH8.0
0.5M Arg
0.5% PEG20,000
0.5M NaCl
10mM 2−ME
(930NHA(NH4)に対するGFPの吸着等温線)
930NHA(NH4)に対して、変性GFPがどれくらい吸着するか調べた。
(1)材料
試験材料として、以下の材料を用いた。
zeolite:930NHA(東ソー);NH4型,25mg
protein solution:変性GFP溶液,1ml
solvent:変性グアニジンbuffer(20mM Tris−HCl pH7.5,6Mグアニジン,0.5M NaCl)
protein concentration:5,4.18,3.14,2.09,1.05,0.523,0.261mg/ml
(2)方法
zeoliteを正確に25mgずつ2mlチューブに測り取り(2連)、各GFP solution 1mlを加えてvortexで混合した。3hローテーターで回転させて、zeoliteにGFPを吸着させた。最高回転数で10min遠心分離し、上清のタンパク濃度をBCA法で測定した。元のGFP solutionをstrandardとして、タンパク濃度と吸着量から、吸着等温線を作成した。
(3)結果
図2に、その結果を示す。930NHA(NH4)に対する変性GFPの吸着量は、およそ50mg/g zeoliteであった。
(930NHA(NH4)に対するGFPの吸着速度)
本実施例では、930NHA(NH4)に対して、変性GFPがどれくらいの速度で吸着するか調べた。
(1)材料
試験材料として、以下の材料を用いた。
zeolite:930NHA(東ソー);NH4型,10mg
protein solution:変性GFP溶液,2mg/ml,0.5ml
solvent:変性グアニジンbuffer(20mM Tris−HCl pH7.5,6Mグアニジン,0.5M NaCl)
(2)方法
zeoliteを正確に10mgずつ1.5mlチューブに測り取り(3連)、zeoliteに変性buffer 0.5mlを加え、5分ローテーターで回して平衡化させた。最高回転数で5分遠心してbufferを除去し、GFP solution(2mg/ml)0.5mlを加えてvortexで混合した。
ローテーターで回転させて(室温)、zeoliteにタンパクを吸着させ、10,20,30,45,60,90及び120分後にサンプリングした。最高回転数で5分遠心分離し、上清のタンパク濃度をBCAで測定した。元のGFP solutionをstandardとした。尚、930NHAに対するGFPの吸着量:50mg/g
(3)結果
図3に、その結果を示す。この結果から、930NHAに対して、GFPは速やかに吸着し、吸着時間は1時間で十分であることが分かった。
(リフォールディング時間による930NHAのGFPリフォールディング効率)
本実施例では、930NHA−NH4によるGFPリフォールディングにおいて、高い回収率及び活性回復率の得られるリフォールディング時間を調べた。
(1)材料
材料は、以下の材料を用いた。
zeolite:930NHA(東ソー);NH4型,50mg
protein solution:変性GFP溶液,1mg/ml,1ml
変性buffer:20mM Tris−HCl pH7.5,6Mグアニジン,0.5M NaCl
wash buffer:1mM Tris−HCl pH7.5
リフォールディングbuffer:20mM Tris−HCl pH8.0,0.5M Arg,10mM 2−ME
(2)方法
zeoliteを50mgずつ10mlチューブに測り取り(n=3)、zeoliteに変性buffer 1mlを加え、5分ローテーターで回して平衡化した。3,000rpm、5分遠心してbufferを除去し、変性GFP溶液(1mg/ml)を1mlずつ分注した。1時間以上ローテーターで回転させてzeoliteにGFPを吸着させ、最高回転数で10分遠心分離し、上清の未吸着タンパク濃度をBCA法で測定して、未吸着量を算出した。
5mM Tris−HCl pH7.5で5ml×4回washした。リフォールディングbufferを2ml加えて(0.5 mg/ml)、4℃で回転させてリフォールディングさせ、1,2,4,8,16,24,48時間後にサンプリングした。3,000rpmで5分遠心分離して上清の活性測定を行った。活性測定は、CORONA Microplate Reader SH−8000を用いて、Ex:486nm,Em:511nmで蛍光強度を測定した。
可溶性GFP溶液をリフォールディングバッファーで希釈して、0,1.875,3.75,7.5,15,30,60μg/mlのときの蛍光強度を測定し、検量線を作成した。リフォールディングsampleは、そのまま測定した。リフォールディングsample及びstandard(変性GFP)をTCA沈澱してから、BCA法でタンパク濃度を測定した。回収率及び活性回復率を算出した。
(3)結果
図4に、その結果を示す。この結果から、リフォールディング時間は、GFPを回収するためには4時間で十分であるが、活性を回復させる(発色団を形成させる)ためには、16時間以上必要であることが分かった。8時間以降回収率は下がっていくので、回収もでき高い活性も得るには16時間リフォールディングさせることが好適と考えられる。8時間以降回収率が下がって行くのは、共存するzeoliteの影響であるかもしれないことを考慮して、zeoliteからGFPが剥がれた後にzeoliteを除去して、上清のみインキュベートして確認することにした。
(リフォールディング時間(1or4時間後zeolite除去)による930NHAのGFPリフォールディング効率)
本実施例では、930NHA−NH4によるGFPリフォールディングにおいて、リフォールディング8時間以降回収率を下げないために、リフォールディング開始1時間又は4時間後にzeoliteを除去することが有効か調べた。
(1)材料
試験材料として、以下の材料を用いた。
zeolite:930NHA(東ソー);NH4型,50mg
protein solution:変性GFP溶液,1mg/ml,1ml
変性buffer:20mM Tris−HCl pH7.5,6Mグアニジン,0.5M NaCl
wash buffer:1mM Tris−HCl pH7.5
リフォールディングbuffer:20mM Tris−HCl pH8.0,0.5M NaCl,0.5% PEG20000,0.5M Arg,10mM 2−ME
(2)方法
zeoliteを50mgずつ10mlチューブに測り取り(n=3)、zeoliteに変性buffer 1mlを加え、5分ローテーターで回して平衡化した。3,000rpm、5分遠心してbufferを除去し、変性GFP溶液(1mg/ml)を1mlずつ分注した。1時間以上ローテーターで回転させてzeoliteにGFPを吸着させ、最高回転数で10分遠心分離し、上清の未吸着タンパク濃度をBCA法で測定して、未吸着量を算出した。
5mM Tris−HCl pH7.5で5ml×4回washし、リフォールディングbufferを2ml加えて(0.5mg/ml)、4℃で回転させてリフォールディングさせた。1又は4時間後にzeoliteを除去して、その後は上清のみインキュベートして、1,2,4,8,16,24,48時間後にサンプリングし、3,000rpmで5分遠心分離して上清の活性測定を行った。活性測定は、CORONA Microplate Reader SH−8000を用いて、Ex:486nm,Em:511nmで蛍光強度を測定した。
可溶性GFP溶液をリフォールディングバッファーで希釈して、0,1.875,3.75,7.5,15,30,60μg/mlのときの蛍光強度を測定し、検量線を作成した。リフォールディングsampleは、そのまま測定した。リフォールディングsample及びstandard(変性GFP)をTCA沈澱してから、BCA法でタンパク濃度を測定し、回収率及び活性回復率を算出した。
(3)結果
図5に、その結果を示す。これらの結果から、タンパクが剥がれてからzeoliteを除去して上清のみインキュベートすると、zeoliteとともにインキュベートしたときと比べて、回収率及び活性ともに低下すことが分かった。GFPは、リフォールド開始後4時間で剥がれてはくるが、活性が回復する16時間までzeoliteとともにインキュベートすることがよいと考えられる。
(吸着量及びリフォールディングバッファー量による930NHAのGFPリフォールディング効率)
本実施例では、930NHA−NH4によるGFPリフォールディングにおいて、高い回収率及び活性回復率の得られる吸着量及びリフォールディングバッファー量を調べた。
(1)材料
試験材料として、以下の材料を用いた。
zeolite:930NHA(東ソー);NH4型,50mg
protein solution:変性GFP溶液,0.5,1,2mg/ml,1 ml
変性buffer:20mM Tris−HCl pH7.5,6Mグアニジン,0.5M NaCl
wash buffer:1mM Tris−HCl pH7.5
リフォールディングbuffer:20mM Tris−HCl pH8.0,0.5MNaCl,0.5% PEG20000,0.5M Arg,10mM 2−ME
(2)方法
zeoliteを50mgずつ2mlチューブ(リフォールディングbuffer 0.5,1,1.5ml)又は10mlチューブ(リフォールディングbuffer 2,3,4ml)に測り取り(n=3)、zeoliteに変性buffer 1mlを加え、5分ローテーターで回して平衡化した。3,000rpm、5分遠心してbufferを除去し、変性GFP溶液(0.5、1、2 mg/ml)を1mlずつ分注した。1時間以上ローテーターで回転させてzeoliteにGFPを吸着させ、最高回転数で10分遠心分離し、上清の未吸着タンパク濃度をBCA法で測定して、未吸着量を算出した。
5mM Tris−HCl pH7.5でwashした(2mlチューブは1.5 ml×4回、10mlチューブは5ml×4回)。リフォールディングbufferを、0.5、1、1.5、2、3又は4ml加えて、4℃で16時間回転させてリフォールディングさせた。3,000rpmで5分遠心分離して上清の活性測定を行った。活性測定は、CORONA Microplate Reader SH−8000を用いて、Ex:486nm,Em:511nmで蛍光強度を測定した。
可溶性GFP溶液をリフォールディングbufferで希釈して、0,1.875,3.75,7.5,15,30,60μg/mlのときの蛍光強度を測定し、検量線を作成した。リフォールディングsampleは、そのまま測定した。リフォールディングsample及びstandard(変性GFP)をTCA沈澱してから、BCA法でタンパク濃度を測定し、回収率及び活性回復率を算出した。
(3)結果
図6〜9に、その結果を示す。これらの結果から、refoldingバッファー量は、少なすぎると高い活性は得られず、多すぎると濃度が低すぎて回収できないため、1〜2mlがよいことが分かった。吸着量については、回収率と活性で一長一短があるが、zeolite 50mgに対して1mg(最大吸着量の約50%)が好適と考えられる。
以上詳述したように、本発明は、GFPの機能賦活・回復方法に係るものであり、本発明により、β型ゼオライトを用いた変性GFPの新しい機能賦活・回復方法を確立し、提供することができる。本発明により、封入体としての活性のないGFPから正しい立体構造及び活性を持った活性GFPを得るためのリフォールディング技術を提供することができる。また、本発明は、他の方法と比べて、高効率でリフォールディングを行うことが可能な不活性GFPのリフォールディング技術を提供することを可能にするものとして有用である。
蛍光強度を測定した結果を示す。 蛋白質濃度と吸着量の関係を示す。 吸着時間と吸着量の関係を示す。 リフォールディング時間とGFPリフォールディング効率の関係を示す。 リフォールディング時間とsGFP回収率の関係を示す。 リフォールディング時間とsGFP全活性の関係を示す。 GFP吸着量によるbuffer量と回収濃度の関係を示す。 GFP吸着量によるbuffer量と回収率の関係を示す。 GFP吸着量によるbuffer量と全活性の関係を示す。

Claims (4)

  1. GFP(緑色蛍光蛋白質)の機能を賦活・回復する方法であって、1)該GFPに、β型ゼオライト、及び少なくとも酸化還元剤を含むリフォールディングバッファーを加え、所定の温度で一定時間インキュベーションすることによって、GFPのリフォールディングを行いGFPの機能を賦活・回復させること、2)その際に、上記リフォールディングバッファーとしてPEG(ポリエチレングリコール)とアルギニンを含むリフォールディングバッファーを用いること、3)それにより発色団が形成され活性が回復するまでゼオライトとともにインキュベーションすることによりリフォールディングを行いGFPの機能を賦活・回復させること、を特徴とするGFPの機能賦活・回復方法。
  2. β型ゼオライトが、NH 若しくはNaフォームにしたゼオライトである、請求項1に記載のGFPの機能賦活・回復方法。
  3. GFPが、不活性乃至低活性のGFPである、請求項1又は2に記載のGFPの機能賦活・回復方法。
  4. 請求項1からのいずれかに記載のGFPの機能賦活・回復方法を不活性乃至低活性GFPに適用して機能を賦活・回復させた活性GFPを回収することを特徴とする活性GFPの製造方法。
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