JP2009513718A - 治療特性を有する新規の1,4−ベンゾジアゼピン−2,5−ジオン - Google Patents

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Abstract

本発明は、新規化合物、その発見方法、およびその治療上の使用に関する。具体的には、本発明は、新規の1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオン化合物を提供し、プログラム細胞死、自己免疫、炎症、過剰増殖などのプロセスの制御不全に関連した様々な状態を治療する治療薬として新規の1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオン化合物を利用する方法を提供する。

Description

発明の分野
本発明は、新規化合物、その発見方法およびその治療上の使用に関する。具体的には、本発明は、新規の1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオン化合物を提供し、プログラム細胞死、自己免疫、炎症、過剰増殖、血管異常、癌、抗血管新生作用などのプロセスの制御不全に関連した様々な状態を治療する治療薬として新規の1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオン化合物を利用する方法を提供する。
本願は2005年11月1日に出願された米国仮出願番号第60/732,045号に対して優先権を主張するものであり、これは本明細書に参照としてすべて組み込まれる。
本発明は、米国国立衛生研究所によって付与されたAI47450の下における政府支援を受けてなされた。政府は、本発明において特定の権利を有する。
発明の背景
多細胞生物は細胞数に対して正確な統制を及ぼす。この恒常性は細胞増殖と細胞死のバランスを取ることにより実現される。細胞死は、壊死またはアポトーシスとして知られる自殺的な細胞死により、ほぼ全種類の脊椎動物細胞で生じる。アポトーシスは共通の、遺伝子的にプログラムされた死のメカニズムに携わる様々な細胞外および細胞内シグナルにより引き起こされる。
多細胞生物は、その生物の利益のために、アポトーシスを利用し、損傷した細胞または不必要な細胞に自己破壊するよう指示を出す。したがって、アポトーシスプロセスの制御は、正常な発育において非常に重要であり、例えば、胎児における手足の指の成長にはアポトーシスによる過剰な相互結合組織の制御された除去が必要であり、また、脳における神経シナプスの形成も同様である。同じく、制御されたアポトーシスは生理開始時の子宮の内膜(子宮内膜)の脱落に関与している。アポトーシスは、組織形成および正常な細胞維持に重要な役割を果たしている一方で、生物の健康を脅かす細胞および侵入者(ウイルス等)に対する一次防御の役割も果たしている。
当然のことながら、多くの疾患は細胞死のプロセスの調節不全に関連している。実験モデルにより、異常なアポトーシス制御と様々な腫瘍性、自己免疫性およびウイルス性疾患の病原性との間の因果関係が確立された。例えば、細胞性免疫反応において、エフェクター細胞(例えば、細胞障害性Tリンパ球(CTL))は感染細胞がアポトーシスを遂げるよう誘導することにより、ウイルス感染した細胞を破壊する。その後、その個体は、アポトーシスプロセスに依存して、エフェクター細胞がもはや必要無くなった時にそれを破壊する。自己免疫は、通常、CTLが互いにアポトーシスを誘導し合うことにより、また、自己においてもアポトーシスを誘導することにより阻止されている。このプロセスにおける欠陥は、エリテマトーデスおよびリウマチ性関節炎など、種々の自己免疫疾患と関連している。
多細胞生物は損傷を受けた核酸(DNA等)を有する細胞が癌化する前に自己破壊するよう指示するためにもアポトーシスを利用する。一部の発癌性ウイルスは感染(形質転換)細胞を再プログラムすることにより正常なアポトーシスプロセスを中止させ、この保護手段を克服する。例えば、いくつかのヒトパピローマウイルス(HPV)は、p53アポトーシスプロモーターを不活性化するタンパク質(E6)を生産し、アポトーシスによる形質転換細胞の除去を抑制することにより、子宮頸癌を引き起こすとされている。同様に、単核球症およびバーキットリンパ腫の原因物質であるエプスタイン・バーウイルス(EBV)は感染細胞を再プログラムすることにより正常なアポトーシスによる異常細胞の除去を阻止するタンパク質を生産させ、その結果、癌性細胞が増殖し生物体全体に広がることが可能になる。
なお、他のウイルスで、直接的に癌の発生をもたらさずに細胞のアポトーシス機構を破壊するよう操作するものもある。例えば、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染した個体の免疫系の破壊は、感染したCD4+T細胞(約100,000個につき1個)が感染していない姉妹細胞にアポトーシスを起こすように指示することにより、進行すると考えられている。
非ウイルス的手段により発生するいくつかの癌もアポトーシスによる破壊を逃れるメカニズムを作り上げている。例えば、メラノーマ細胞はApaf-1をコードする遺伝子の発現を阻害することにより、アポトーシスを回避している。他の癌細胞、特に肺癌細胞および大腸癌細胞は、CTL媒介による異常細胞の排除の開始を阻害する可溶性デコイ分子を大量に分泌する。アポトーシス機構の不完全な制御も様々な変性状態および血管性疾患に関与しているとされている。
アポトーシスプロセスおよびその細胞機構の制御された調節が多細胞生物の生存にとって重要であることは明らかである。一般的に、アポトーシスを起こすように指示された細胞において起こる生化学的変化は整然と進行する。しかしながら、上記のとおり、欠陥のあるアポトーシス制御は生物において大変有害な影響を及ぼす可能性がある。
異常細胞(癌細胞など)におけるアポトーシス機構の制御を制御および回復させるため、様々な試みがなされている。例えば、異常細胞が増殖する前にそれらを破壊するために、細胞傷害性物質を開発する努力が多くなされてきた。そのようなものとして、細胞傷害性物質は、ヒトおよび動物の両方の健康において幅広い有用性があり、ほぼ全種類の癌、ならびにエリテマトーデスおよび関節リウマチ等の過剰増殖性自己免疫障害の治療における第一選択である。
臨床上用いられている多くの細胞傷害性物質はDNAを傷害することによりその効果を発揮する(例えば、シス-ジアミンジクロロ白金(II)はDNAをクロスリンクし、一方、ブレオマイシンは鎖切断を引き起こす)。この核の損傷がp53システムのような細胞因子に認識されると、その結果として損傷した細胞が死に至るアポトーシスカスケードが開始される。
しかしながら、既存の細胞傷害性化学療法剤には大きな欠点がある。例えば、多くの既知の細胞傷害性物質は健康な細胞と異常細胞をほとんど区別しない。この特異性の欠如はしばしば有効性を制限することとなる重篤な副作用を引き起こす、および/または、死亡を早める結果となる。その上、多くの既存の細胞傷害性物質は長期にわたって投与すると、その結果、更なる投薬の効果が弱まる、あるいは、無用となる耐性遺伝子(例えば、bcl-2ファミリータンパク質または多剤耐性(MDR)タンパク質)が発現される。一部の細胞傷害性物質はp53および関連するタンパク質において突然変異を誘導する。これらの考察によると、理想的な細胞傷害性薬物は、異常細胞のみを死滅させ、化学療法耐性を起こしにくいものである必要がある。
多くの自己免疫疾患および血液悪性疾患はB細胞およびT細胞の中枢および末梢リンパ器官における異常な生存および拡大によるものである。これらの疾患に対する近年の治療には、一般的に、細胞傷害性薬物が採用され、その作用機構は高い頻度でDNA損傷を伴う。従って、これらの薬物の特異性には限度があり、異常な細胞ならびに健康な細胞が持つ、薬物により誘発される細胞の損傷に耐えたりそれを修復する能力の差異に依存する場合が多い。
必要とされるのは、これらのプロセス(例えば、ウイルス感染、過剰増殖性自己免疫障害、慢性的な炎症状態、および癌)の不完全な調節に特徴づけられる疾患および状態に罹患している被験体においてアポトーシスプロセスを調節するための改良された組成物および方法である。
概要
本発明は、新規化合物、その発見方法およびその治療上の使用に関する。具体的には、本発明は、新規の1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオン化合物を提供し、プログラム細胞死、癌、抗血管新生作用、自己免疫、炎症、過剰増殖、血管異常などのプロセスの制御不全に関連した様々な状態を治療する治療薬として新規の1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオン化合物を利用する方法を提供する。そのような化合物およびその使用は、本願中において説明されており、多様な組成物および応用が提示される。
特定の好ましい組成物および使用について以下に説明する。本発明はこれらの特定の好ましい組成物および使用に制限されるものではない。本発明は、本願中において説明されるように、多数の有用な組成物を提供する。
特定の態様において、本発明は新規の1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオン化合物を含む組成物を提供する。特定の態様において、本発明は置換されているかまたは置換されておらず、RおよびS鏡像異性体の両方ならびにラセミ混合物を含む、以下からなる群より選択される式により記述される化合物を含む組成物を提供する。
Figure 2009513718
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いくつかの態様において、R1は電子豊富な複素環である。いくつかの態様において、電子豊富な複素環は5個またはそれ以上の複素環原子を含む。
いくつかの態様において、R1
Figure 2009513718
(式中R1’は環状脂肪族、アリール、置換アリール、複素環、および置換複素環からなる群より選択される)からなる群より選択される。
いくつかの態様において、R2はH、アルキル、置換アルキル、およびR1からなる群より選択される。
いくつかの態様において、R3はH、アルキル、および置換アルキルからなる群より選択される。
いくつかの態様において、R3は水素;ハロゲン;OH;アリール亜基(subgroup)を含む化学的部分;置換アリール亜基を含む化学的部分;環状脂肪族亜基を含む化学的部分;置換環状脂肪族亜基を含む化学的部分;複素環式亜基を含む化学的部分;置換複素環式亜基を含む化学的部分;少なくとも1個のエステル亜基を含む化学的部分;少なくとも1個のエーテル亜基を含む化学的部分;少なくとも2個の炭素を含む直鎖または分枝鎖、飽和または不飽和、置換または非置換の脂肪族鎖;硫黄を含む化学的部分;窒素を含む化学的部分;-OR-(式中、Rはアリール亜基を含む化学的部分;置換アリール亜基を含む化学的部分;環状脂肪族亜基を含む化学的部分;置換環状脂肪族亜基を含む化学的部分;複素環式亜基を含む化学的部分;置換複素環式亜基を含む化学的部分;少なくとも2個の炭素を含む直鎖または分枝鎖、飽和または不飽和、置換または非置換の脂肪族鎖;少なくとも1個のエステル亜基を含む化学的部分;少なくとも1個のエーテル亜基を含む化学的部分;硫黄を含む化学的部分;窒素を含む化学的部分からなる群より選択される)からなる群より選択される。
いくつかの態様において、R3はナフタレン;フェノール;1-ナフタレノール;2-ナフタレノール;
Figure 2009513718
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;キノリン、およびすべての芳香族位置異性体からなる群より選択される。
いくつかの態様において、R1およびR3基は互いに置き換わってもよい(例えば、いくつかの態様において、R1基はベンゾジアゼピン環の1位に位置し、R3基はベンゾジアゼピン環の3位に位置し;いくつかの態様において、R1基はベンゾジアゼピン環の3位に位置し、R3基はベンゾジアゼピン環の1位に位置する)。
いくつかの態様において、R4およびR4’は、それぞれ独立にCH3、ハロゲン、SO2R4”、SO2N(R4”)2、OR4”、N(R4”)2、CON(R4”)2、NHCOR4”、NHSO2R4’、アルキル、一置換アルキル、二置換アルキル、三置換アルキルからなる群より選択され;ここでR4”はハロゲン、H、アルキル、一置換アルキル、二置換アルキル、三置換アルキル、アリール、一置換アリール、二置換アリール、三置換アリール、環状脂肪族、一置換環状脂肪族、二置換環状脂肪族、三置換環状脂肪族からなる群より選択される。
いくつかの態様において、R5はH、アルキル、一置換アリール、二置換アリール、および三置換アリールからなる群より選択される。
いくつかの態様において、R6はC、N、またはSからなる群より選択される。
いくつかの態様において、R1は
Figure 2009513718
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ならびにそれらが置換されているおよび置換されていないもの、ならびにそれらの誘導体からなる群より選択される。
本発明の特定の1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオン化合物は
Figure 2009513718
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を含むが、それらに限定されるわけではない。
特定の態様において、本発明は、以下の工程を含む、細胞を治療する方法を提供する:
a)i)標的細胞;および
ii)ベンゾジアゼピン構造の3位の炭素に電子豊富な複素環を有する1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオン化合物を含む組成物
を提供する工程;ならびに
b)細胞アポトーシスを誘導するために、該組成物が該標的細胞と相互作用する条件で該標的細胞を該組成物に曝露する工程。このような方法は、研究、薬物スクリーニング、治療への応用において利用される。
いくつかの態様において、標的細胞は、例えば、自己免疫障害、血液悪性疾患、過剰増殖性障害等を患っている被験体が有する細胞である。いくつかの態様において、標的細胞は、インビトロの細胞、インビボの細胞、エクスビボの細胞からなる群より選択される。他の態様において、標的細胞は癌細胞である。更に他の態様において、標的細胞はB細胞、T細胞、および顆粒球からなる群より選択される。
定義
本発明の理解を容易にするために、いくつかの用語と表現を以下に定義する。
本明細書における「ベンゾジアゼピン」という用語は、フェニル環に融合した7員環の非芳香族の複素環を意味し、該7員環は複素環の一部として2個の窒素原子を有する。いくつかの態様において、下記一般構造に示すように、2個の窒素原子は1位と4位、または1位と5位に存在する。
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「ベンゼンより大きい」という用語は、7個またはそれ以上の非水素原子を含む任意の化学基を意味する。
「化学的部分」という用語は、少なくとも1個の炭素原子を含む任意の化合物を意味する。化学的部分の例としては、芳香族の化学的部分、硫黄を含む化学的部分、窒素を含む化学的部分、親水性の化学的部分、および疎水性の化学的部分が挙げられるが、それらに限定されない。
本明細書における「脂肪族」という用語は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、非環式基を含む基を意味するが、それらに限定されない。
本明細書における「アリール」という用語は、フェニル環などの単環式芳香環、2個またはそれ以上の芳香環(ビフェニル、ナフタレン、アントラセン等)、あるいは芳香環と1個または複数の非芳香環を意味する。アリール基は低級脂肪族基(アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、非環式基等)で置換されてもよい。更に、脂肪族基およびアリール基はさらに1個または複数の、N、S、O、-NH2、-NHCOCH3、-OH、低級アルコキシ(C1-C4)およびハロ(-F、-Cl、-Br、または-I)を含む化学的部分が挙げられるが、それらに限定されない官能基で置換されてもよい。
本明細書における「置換脂肪族」という用語は、脂肪性水素原子の少なくとも一つが、例えば、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、エーテル、ニトロ、チオ、ケトン、スルホン、スルホンアミド、アルデヒド、エステル、アミド、低級脂肪族、置換低級脂肪族、または環(アリール、置換アリール、環状脂肪族、置換環状脂肪族等)で置換されているアルカン、アルケン、アルキンまたは非環式部分を意味する。そのような例には、1-クロロエチル等が挙げられるが、それらに限定されない。
本明細書における「置換アリール」という用語は、環炭素上の水素原子の少なくとも1個が、例えば、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、チオ、ケトン、アルデヒド、エーテル、エステル、アミド、スルホン、スルホンアミド、低級脂肪族、置換低級脂肪族、または環(アリール、置換アリール、環状脂肪族、もしくは置換環状脂肪族)で置換されている少なくとも一つの芳香族環からなる芳香族環あるいは融合芳香族環系を意味する。そのような例には、ヒドロキシフェニル等が挙げられるが、それらに限定されない。
本明細書における「環状脂肪族」という用語は、融合環系を含む脂肪族構造を意味する。そのような例には、デカリン等が挙げられるが、それらに限定されない。
本明細書における「置換環状脂肪族」という用語は、少なくとも一つの脂肪族水素原子がハロゲン、ヘテロ原子、ニトロ、チオ、アミノ、ヒドロキシ、ケトン、アルデヒド、エステル、アミド、低級脂肪族、置換低級脂肪族、または環(アリール、置換アリール、環状脂肪族、もしくは置換環状脂肪族)で置換されている環状脂肪族構造を意味する。具体的には、1-クロロデカリル、ビシクロヘプタン、オクタン、ノナン(例えば、ノルボルニル)等が挙げられるが、それらに限定されない。
本明細書における「複素環」という用語は、例えば、一つまたは複数のヘテロ原子を含む芳香族または非芳香族環を意味する。ヘテロ原子は、互いに同一または異なっていてもよい。ヘテロ原子の例としては、窒素、酸素および硫黄が挙げられるが、それらに限定されない。芳香族および非芳香族複素環は当技術分野において周知である。芳香族複素環の非限定的な例には、ピリジン、ピリミジン、インドール、プリン、キノリンおよびイソキノリンが挙げられる。非芳香族複素環化合物の非限定的な例には、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ピロリジンおよびピラゾリジンが挙げられる。酸素を含有する複素環の例としては、フラン、オキシラン、2H-ピラン、4H-ピラン、2H-クロメンおよびベンゾフランが挙げられるが、それらに限定されない。硫黄を含有する複素環の例としては、チオフェン、ベンゾチオフェンおよびパラチアジンが挙げられるが、それらに限定されない。窒素を含有する環の例としては、ピロール、ピロリジン、ピラゾール、ピラゾリジン、イミダゾール、イミダゾリン、イミダゾリジン、ピリジン、ピペリジン、ピラジン、ピペラジン、ピリミジン、インドール、プリン、ベンゾイミダゾール、キノリン、イソキノリン、トリアゾールおよびトリアジンが挙げられるが、それらに限定されない。二つの異なるヘテロ原子を含有する複素環の例としては、フェノチアジン、モルホリン、パラチアジン、オキサジン、オキサゾール、チアジンおよびチアゾールが挙げられるが、それらに限定されない。複素環は更に脂肪族、ニトロ、アセチル(即ち、-C(=O)-CH3)またはアリール基より選択される一つまたは複数の基で置換されてもよい。
本明細書における「置換複素環」という用語は、少なくとも一つの環水素原子が酸素、窒素または硫黄で置換され、少なくとも一つの脂肪族水素原子がハロゲン、ヒドロキシ、チオ、ニトロ、アミノ、エーテル、スルホン、スルホンアミド、ケトン、アルデヒド、エステル、アミド、低級脂肪族、置換低級脂肪族、または環(アリール、置換アリール、環状脂肪族、もしくは置換環状脂肪族)で置換されている複素環構造を意味する。そのような例には、2-クロロピラニル等が挙げられるが、それらに限定されない。
本明細書における「電子豊富な複素環」という用語は、一つまたは複数の環原子がヘテロ原子(例えば、酸素、窒素、または硫黄)、かつヘテロ原子が6-π電子系に寄与する不対電子を有する環状化合物を意味する。例示的な電子豊富な複素環は、ピロール、インドール、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェンおよび他の類似構造を含むが、それらに限定されない。
本明細書における「リンカー」という用語は、二つの異なる構造部分を連結し、最大8個の連続する原子を含有して含み、その原子が例えば炭素、窒素、酸素、または硫黄である鎖を意味する。一つの非限定的な例として、エチレングリコールが挙げられる。
本明細書における「低級アルキルで置換されたアミノ」という用語は、最大8個の炭素原子を含有して含み、その脂肪族水素原子の一つがアミノ基で置換されている任意のアルキル単位を意味する。そのような例としては、エチルアミノ等が挙げられるが、それらに限定されない。
本明細書における「低級アルキルで置換されたハロゲン」という用語は、最大8個の炭素原子を含有して含み、その脂肪族水素原子の一つがハロゲンで置換されている任意のアルキル鎖を意味する。そのような例としては、クロロエチル等が挙げられるが、それらに限定されない。
本明細書における「アセチルアミノ」という用語は、アセチル化された任意の一級または二級アミノを意味する。そのような例としては、アセトアミド等が挙げられるが、それらに限定されない。
本明細書における「水素結合に参加する部分」という用語は、プロトンを受容または供与することにより水素結合を形成できる基を意味する。水素結合に参加する部分の具体的な非限定的な例として、当技術分野において周知であるフルオロ、酸素含有基および窒素含有基が挙げられる。水素結合に参加する酸素含有基の例としては、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、低級カルボニル基、低級カルボキシル基、低級エーテル基およびフェノール基が挙げられる。ここで「低級」という限定詞は、各々の酸素含有官能基が結合している低級脂肪族基(C1-C4)を指す。従って、例えば、「低級カルボニル」という用語は、とりわけホルムアルデヒド、アセトアルデヒドを意味する。水素結合形成に参加する窒素含有基の非限定的な例として、アミノおよびアミド基が挙げられる。更に、酸素と窒素原子の両方を含む基も水素結合形成に参加できる。そのような基の例としては、ニトロ、N-ヒドロキシおよび亜硝酸基が挙げられる。本発明における水素結合受容体は、芳香族環のπ電子である可能性もある。
本明細書において、化合物の「誘導体」という用語は、化合物の官能基(例えば、芳香族環)またはベンゾジアゼピン骨格のいずれかにおいて化学修飾がされた、化学的に修飾された化合物を意味する。このような誘導体としては、アルコール含有化合物のエステル、カルボキシ含有化合物のエステル、アミン含有化合物のアミド、カルボキシ含有化合物のアミド、アミノ含有化合物のイミン、アルデヒド含有化合物のアセタール、カルボニル含有化合物のケタル等が挙げられるが、それらに限定されない。
本明細書において、「被験体」という用語は、本発明の方法により治療される生物を意味する。このような生物としては、好ましくは哺乳動物(例えば、ネズミ、サル、ウマ、ウシ、ブタ、イヌ、ネコなど)を含み、最も好ましくはヒトを含むが、それらに限定されない。本発明の文脈において「被験体」という用語は、通常、アポトーシスプロセスの調節不全に特徴づけられる状態に対して治療を受けるかまたは治療を受けた(例えば、本発明の化合物および任意に一つまたは複数の他の薬剤を投与された)個体を意味する。
本明細書において、「診断された」という用語は、疾患がその兆候および症状(例えば、一般的な治療方法に対する耐性)、または遺伝子解析、病理学的解析、組織学的解析などにより認識されたことを意味する。
本明細書において、「抗癌剤」または「一般的な抗癌剤」という用語は、癌の治療に用いられる任意の化学療法化合物、放射線治療または外科的処置を意味する。
本明細書において、「インビトロ」という用語は、人工的な環境、および、人工的な環境において起こるプロセスまたは反応を意味する。インビトロの環境としては、試験管および細胞培養物が挙げられるが、それらに限定されない。「インビボ」という用語は、自然な環境(例えば、動物または細胞)、および自然な環境において起こるプロセスまたは反応を意味する。
本明細書において、「宿主細胞」という用語は、インビトロかインビボのいずれに位置しようと、任意の真核生物または原核生物(例えば、哺乳動物細胞、鳥類細胞、両生類細胞、植物細胞、魚類細胞、および昆虫細胞)を意味する。
本明細書において、「細胞培養物」という用語は、細胞の任意のインビトロ培養物を意味する。連続細胞系(例えば、不死の表現型を有する)、初代細胞培養物、有限細胞系(例えば、非形質転換細胞)、ならびに卵母細胞および胚を含む、インビトロにおいて維持される任意のその他の細胞集団もこの用語に含まれる。
好ましい態様において、本発明の組成物および方法における「標的細胞」は、リンパ球系細胞または癌細胞を含み意味するが、それらに限定されない。リンパ球系細胞としては、B細胞、T細胞、顆粒球、樹状細胞、および抗原提示細胞が含まれる。顆粒球としては、好酸球およびマクロファージが含まれる。いくつかの態様において、標的細胞は連続培養細胞または患者の生検から得られた無培養細胞である。
癌細胞としては、腫瘍細胞、新生細胞、悪性細胞、転移性細胞、および過形成細胞が含まれる。新生細胞は悪性であっても良性であってもよい。新生細胞は浸潤または転移しなければ良性である。悪性細胞は、浸潤および/または転移することが可能な細胞である。過形成は、構造または機能の著しい変化を伴わない、組織または臓器における病的な細胞の集積である。
一つの具体的な態様において、標的細胞は病的な成長あるいは増殖を見せる。ここで「病的な成長あるいは増殖を行う細胞」という用語は、正常な増殖が受ける通常の制限によって制御されていない、動物における局在性増殖細胞集団を意味する。
本明細書において、「活性化されていない標的細胞」という用語は、G0期の細胞、あるいは刺激が与えられていない細胞を意味する。
本明細書において、「活性化されたリンパ球系細胞」という用語は、シグナル伝達カスケードを引き起こすための適切な刺激を与えられたリンパ球系細胞、あるいはG0期にいないリンパ球系細胞を意味する。活性化されたリンパ球系細胞は増殖するか、活性化により誘導された細胞死を起こすか、または細胞毒素、サイトカイン、および、細胞型に特徴的なその他の関連する膜結合性タンパク質(例えば、CD8+またはCD4+)の一つまたは複数を生産し得る。更に、これらの細胞は、特定の抗原をその表面に表示する任意の標的細胞を認識して結合し、その後エフェクター分子を放出することができる。
本明細書において、「活性化された癌細胞」という用語は、シグナル伝達を引き起こすための適切な刺激を与えられた癌細胞を意味する。活性化された癌細胞はG0期にいてもいなくてもよい。
活性化剤とは、標的細胞と相互作用することによりシグナル伝達カスケードを引き起こす刺激である。活性化刺激の例としては、低分子、放射性エネルギー、および細胞活性化細胞表面受容体に結合する分子が挙げられるが、それらに限定されない。活性化刺激により誘発された応答は、とりわけ、細胞内Ca2+、ヒドロキシルラジカルの量;キナーゼもしくはホスファターゼのような酵素の活性;または、細胞のエネルギー状態の変化によって特徴づけることが可能である。癌細胞に対する活性化剤はトランスフォーミング癌遺伝子も含む。
本明細書において、「有効量」という用語は、有益なまたは所望の結果を実現するのに十分な化合物(例えば、本発明の化合物)の量を意味する。有効量は1回または複数回の投与、適用、または用量により投与でき、特定の製剤または投与経路に限定されず、限定することを目的としない。
本明細書において、「細胞死のプロセスの調節不全」という用語は、ネクローシスまたはアポトーシスのいずれかにより細胞が細胞死を行う能力における任意の異常(例えば、素因)を意味する。細胞死の調節不全は例えば、自己免疫障害(例えば、全身性エリテマトーデス、リウマチ性関節炎、重症筋無力症、シェーグレン症候群等)、慢性炎症性状態(例えば、移植片対宿主病、乾癬、喘息およびクローン病)、過剰増殖性障害(例えば、腫瘍、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫等)、ウイルス感染症(例えば、ヘルペス、乳頭腫、HIV)および変形性関節症およびアテローム性動脈硬化症などのその他の状態を含む様々な状態に関係している、あるいはそれらに誘発される。
ただし、調節不全がウイルス感染に誘発される、あるいは、関連している場合、調節不全時または調節不全が観察された時にウイルス感染は検出可能かどうか分からない、ということに注目すべきである。即ち、ウイルス誘発性調節不全はウイルス感染の症状が消えた後でもなお起こりうる。
本明細書における「過剰増殖性障害」とは、動物において局在化した増殖細胞集団が、正常な増殖が受ける通常の制限により制御されていない任意の状態を意味する。過剰増殖性障害の例としては、腫瘍、新生物、リンパ腫などが挙げられる。新生物は、浸潤あるいは転移をしないものでなければ、良性といわれ、浸潤あるいは転移するものであれば、悪性といわれる。転移性細胞または組織とは、隣接する身体構造を侵し破壊できる細胞を意味する。過形成とは、組織または臓器中の細胞数増加を伴いつつ、その構造または機能が顕著に変化しない、一種の細胞増殖である。異形成とは、一種類の完全に分化した細胞により別の種類の分化細胞が置換される、一種の制御された細胞増殖である。異形成は、上皮または結合組織細胞において起こりうる。典型的な異形成は、多少無秩序な異形成上皮を含む。
活性化リンパ球系細胞の病的増殖は、自己免疫障害、あるいは慢性炎症性状態をもたらすことが多い。本明細書において、「自己免疫障害」という用語は、生物がその生物自身の分子、細胞、または組織を認識する、抗体あるいは免疫細胞を生産する、任意の状態を意味する。自己免疫疾患の非限定的な例としては、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性肝炎、ベルジェ病またはIgA腎障害、セリアックスプルー、慢性疲労症候群、クローン病、皮膚筋炎、線維筋痛症、移植片対宿主病、グレーブス病、橋本甲状腺炎、特発性血小板減少性紫斑病、扁平苔癬、多発性硬化症、重症筋無力症、乾癬、リウマチ熱、リウマチ性関節炎、強皮症、シェーグレン症候群、全身性エリテマトーデス、1型糖尿病、潰瘍性大腸炎、白斑、結核などが挙げられる。
本明細書において、「慢性炎症性状態」という用語は、生物の免疫細胞が活性化されている状態を意味する。このような疾患は、病的後遺症を伴う持続性の炎症反応を特徴とする。この状態は、単核細胞の浸潤、線維芽細胞および小さい血管の増殖、結合組織の増加、および、組織の破壊を特徴とする。慢性炎症性疾患の例としては、クローン病、乾癬、慢性閉塞性肺疾患、炎症性腸疾患、多発性硬化症および喘息が挙げられるが、それらに限定されない。リウマチ性関節症および全身性エリテマトーデスなどの自己免疫疾患も、慢性的な炎症状態をもたらすことが可能である。
本明細書において、「併用(co-administration)」という用語は、被験体に少なくとも二つの薬剤(例えば、本発明の化合物)または治療を投与することを意味する。いくつかの態様において、二つまたはそれ以上の薬剤/治療の併用は同時である。他の態様においては、第一の薬剤/治療の投与の後、第二の薬剤/治療を投与する。様々な薬剤/治療の製剤、および/または投与経路が異なる可能性があることは、当業者において理解されている。当業者は、併用に適当な用量を容易に決定することができる。いくつかの態様において、薬剤/治療が併用される場合、各々の薬剤/治療はそれらが単独で投与される場合に適当な用量よりも少ない用量で投与される。従って、併用は有害な恐れのある(例えば、有毒な)公知の薬剤の必要用量が薬剤/治療の併用により減少する態様において特に望ましい。
本明細書において、「有毒な」という用語は、同じ細胞または組織に有害物質を投与する前と比較して、細胞または組織に対する任意の致命的または有害な効果を意味する。
本明細書において、「医薬組成物」という用語は、インビボ、インビトロ、もしくはエクスビボにおける診断または治療に使用するのに特に適した組成物を作り出す、活性薬剤と不活性または活性のある担体との組み合わせを意味する。
本明細書において、「薬学的に許容される担体」という用語は、任意の標準的な医薬担体、例えば、リン酸緩衝食塩水、水、乳濁液(例えば、油/水または水/油乳濁液)、および様々な種類の湿潤剤を意味する。組成物は安定剤および保存料を含んでもよい。担体、安定剤およびアジュバントの例としては、例えば、Martin, Remington’s Pharmaceutical Sciences, 15th Ed., Mack Publ. Co., Easton, PA [1975]を参照されたい。
本明細書において、「薬学的に許容される塩」という用語は、本発明の化合物の薬学的に許容される任意の塩(例えば、酸または塩基)であって、被験体に投与すると本発明の化合物、その活性代謝物または残渣を提供できるものを意味する。当業者において公知のとおり、本発明の化合物の「塩」は無機もしくは有機の酸および塩基から得られるものであってよい。酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、化塩素酸、フマル酸、マレイン酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、コハク酸、トルエン-p-スルホン酸、酒石酸、酢酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、安息香酸、マロン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ベンゼンスルホン酸などが挙げられるが、それらに限定されない。シュウ酸など、その他の酸は、それそのものが薬学的に許容されないものであっても、本発明の化合物とその薬学的に許容される酸付加塩を得るための中間体として有用な塩の調製に用いることが可能である。
塩基の例としては、アルカリ金属(例えば、ナトリウム)水酸化物、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム)、水酸化物、アンモニア、および一般式NW4 +で表され、式中、WがC1-4アルキルである化合物などが挙げられるが、それらに限定されない。
塩の例としては、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、樟脳塩、樟脳スルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、フルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、亜硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パモエート、ペクチン酸塩、過硫酸塩、フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバレート、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシレートおよびウンデカン酸塩などが挙げられるが、それらに限定されない。その他の塩の例としては、適当なカチオン、例えばNa+、NH4 +、およびNW4 +(式中、WがC1-4アルキル)等と複合した本発明の化合物のアニオンを含む。
治療上の使用に関して、本発明の化合物の塩は薬学的に許容されるものであると企図されている。しかしながら、薬学的に許容されない酸および塩基の塩も、例えば、薬学的に許容される化合物の調製または精製において利用法が見つかる可能性がある。
本明細書において、「病原体」という用語は、宿主において病状(例えば、感染症、癌など)を引き起こす生物剤を意味する。「病原体」としては、ウイルス、細菌、古細菌、真菌、原虫、マイコプラズマ、プリオン、および寄生性の生物が挙げられるが、それらに限定されない。
「細菌」という用語は、原核生物界の全ての門に属する生物を含む、全原核生物を意味する。この用語は細菌と考えられるすべての微生物、例えばマイコプラズマ属、クラミジア属、アクチノミセス属、ストレプトミセス属、および、リケッチア属を含むことを意図されている。この定義には球菌、桿菌、スピロヘータ、スフェロプラスト、プロトプラストなどを含むすべての形態の細菌が含まれる。グラム陰性またはグラム陽性の原核生物もこの用語に含まれる。「グラム陰性」と「グラム陽性」という用語は、当技術分野において周知のグラム染色プロセスによる染色パターンを意味する。(例えば、Finegold and Martin, Diagnostic Microbiology, 6th Ed., CV Mosby St. Louis, pp. 13-15 [1982]を参照)。「グラム陽性菌」はグラム染色に用いられる一次色素を保持する細菌であって、その結果、染色された細胞は顕微鏡下で紺青色から紫に見える。「グラム陰性菌」はグラム染色に用いられる一次色素を保持しないが、対比染色により染色される。従って、グラム陰性菌は赤く見える。
本明細書において、「微生物」という用語は、微生物の任意の種またはタイプを意味し、細菌、古細菌、真菌、原虫、マイコプラズマ、寄生性の生物を含むが、それらに限定されない。本発明は、ここに包含される多くの微生物も被験体に対して病原性であると企図している。
本明細書において、「真菌」という用語は、二形性の真菌を含む酵母およびカビなどの真核生物に関して使用される。
本明細書において、「ウイルス」という用語は、例外はあるものの、光学顕微鏡による観察が不可能であり、独立した代謝が無く、かつ生きた宿主細胞内でのみ複製できる微小感染病原体を意味する。各々の粒子(即ち、ビリオン)は、典型的に核酸とタンパク質の殻あるいはコートからなり、一部のビリオンは脂質を含む膜も有する。「ウイルス」という用語は、動物、植物、ファージ、および、その他のウイルスを含む全種類のウイルスを包含する。
本明細書において、「サンプル」という用語は、そのもっとも広い意味で用いられる。アポトーシス機能の調節不全に特徴づけられる状態を示すことが疑われるサンプルは、細胞、組織、液体、細胞より単離した染色体(例えば、分裂中期の染色体の広がり)、ゲノムDNA(溶液中、あるいは例えばサザンブロット解析用の固相担体に結合したもの)、RNA(溶液中、あるいは例えばノーザンブロット解析用の固相担体に結合したもの)、cDNA(溶液中、あるいは固相担体に結合したもの)等を含んでもよい。タンパク質を含むと疑われるサンプルは、細胞、組織の一部、一つまたは複数のタンパク質を含む抽出物などを含んでもよい。
本明細書において、「精製された」あるいは「精製する」という用語は、サンプルからの不要な成分の除去を意味する。本明細書において、「実質的に精製された」という用語は、通常、分子と会合するその他の成分が、少なくとも60%、好ましくは75%、および最も好ましくは90%またはそれ以上取り除かれた分子を意味する。
本明細書において、「抗原結合タンパク質」という用語は、特異抗原に結合するタンパク質を意味する。「抗原結合タンパク質」は、ポリクローナル、モノクローナル、キメラ、一本鎖、およびヒト化抗体を含む免疫グロブリン、Fabフラグメント、F(ab’)2フラグメント、ならびにFab発現ライブラリーを含むが、それらに限定されない。当技術分野において公知の様々な手順がポリクローナル抗体の生産に利用されている。抗体を生産するために、目的とするエピトープに相当するペプチドを、ウサギ、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギ等を含むがそれらに限定されない、様々な宿主動物に注射し、免疫することができる。好ましい態様において、ペプチドは免疫原性担体(例えば、ジフテリアトキソイド、ウシ血清アルブミン(BSA)またはキーホールリンペットヘモシアニン[KLH])と結合されている。免疫応答を増強するために、宿主の種に応じて、フロイント(完全および不完全)、水酸化アルミニウム等のミネラルゲル、リソレシチン等の表面活性物質、プルロニックポリオール、ポリアニオン、ペプチド、油エマルジョン、キーホールリンペットヘモシアニン、ジニトロフェノール、ならびにBCG(Bacille Calmette-Guerin)およびコリネバクテリウム・パルバム等の潜在的に有用なヒトアジュバントが含まれるが、それらに限定されない様々なアジュバントが使用される。
モノクローナル抗体の調製には、培養下の連続細胞系により抗体分子の製造が提供される任意の手法を用いることができる(例えば、Harlow and Lane, Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY 参照)。それには、Kohler と Milstein が最初に開発したハイブリドーマ技術(Kohler and Milstein, Nature, 256:495-497 [1975])、ならびにヒトモノクローナル抗体を生産するためのトリオーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(例えば、Kozbor et al., Immunol. Today, 4:72 [1983] 参照)、およびEBVハイブリドーマ技術(Cole et al., in Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R. Liss, Inc., pp. 77-96 [1985])が含まれるが、それらに限定されない。
本発明によれば、一本鎖抗体の生産のために説明された技術(米国特許第4,946,778号;ここに参照として組み入れられる)を、所望どおりに特異的な一本鎖抗体の生産に適応できる。本発明の更なる態様では、当技術分野において公知のFab発現ライブラリー構築のための技術(Huse et al., Science, 246:1275-1281 [1989])が所望の特異性を有するモノクローナルFab断片の迅速かつ容易な同定のために利用されている。
抗体分子のイディオタイプ(抗原結合領域)を含む抗体断片は公知の手法により作成することができる。例えば、そのような断片としては、抗体分子のペプシン消化により作成できるF(ab’)2断片、F(ab’)2断片のジスルフィド架橋の還元により作成できるFab’断片、および抗体分子をパパインと還元剤で処理することにより作成できるFab断片が挙げられるが、それらに限定されない。
抗原結合タンパク質をコードする遺伝子は当技術分野において公知の方法により単離できる。抗体の生産において所望の抗体のスクリーニングは、当技術分野において公知の方法(例えば、ラジオイムノアッセイ、ELISA(enzyme-linked immunosorbant assay)、「サンドイッチ」イムノアッセイ、免疫放射線測定法、ゲル拡散沈降反応、免疫拡散アッセイ、インサイチューイムノアッセイ(例えば、コロイド金、酵素またはラジオアイソトープ標識などを利用したもの)ウエスタンブロット、沈降反応、凝集アッセイ(例えば、ゲル凝集アッセイ、血球凝集アッセイ等)、補体結合アッセイ、免疫蛍光アッセイ、プロテインAアッセイ、および免疫電気泳動アッセイ等)等により成し遂げることができる。
本明細書において、「イムノグロブリン」または「抗体」という用語は、特定の抗原に結合するタンパク質を意味する。イムノグロブリンとしては、ポリクローナル、モノクローナル、キメラおよびヒト化抗体;Fab断片、F(ab’)2断片を含むがそれらに限定されず、および下記のクラスに属するイムノグロブリンを含む:IgG、IgA、IgM、IgD、IbE、および分泌イムノグロブリン(sIg)。イムノグロブリンは一般的に二つの同一の重鎖と二つの軽鎖を含む。しかしながら、「抗体」および「イムノグロブリン」という用語は一本鎖抗体および二本鎖抗体を包含する。
本明細書において使用される「エピトープ」という用語は、特定のイムノグロブリンと接触する抗原のその部分を意味する。宿主動物を免疫するためにタンパク質またはタンパク質の断片が使用される場合、タンパク質の多数の領域が、タンパク質上の特定の領域あるいは立体構造に特異的に結合する抗体の生産を生じさせる可能性があり、これらの領域または構造は「抗原決定基」と呼ばれている。抗原決定基は無傷の抗原(即ち、免疫反応を誘導するために使用される「免疫原」)と抗体への結合を競い合う可能性がある。
抗体とタンパク質あるいはペプチドの相互作用に関連して「特異的な結合」あるいは「特異的に結合する」という用語が使用される場合、相互作用がタンパク質上の特定の構造(即ち、抗原決定基あるいはエピトープ)の存在に依存していることを意味し、言い換えると、抗体はタンパク質全般ではなく、特定のタンパク質構造を認識し、それに結合する。例えば、抗体がエピトープ「A」に特異的な場合、標識された「A」と抗体を含む反応におけるエピトープAを含むタンパク質(または遊離した標識されていないA)の存在は、抗体に結合している標識されたAの量を減少させる。
本明細書において、「非特異的結合」および「バックグラウンド結合」という用語は、抗体とタンパク質あるいはペプチドの相互作用に関連して使用された場合、特定の構造の存在に依存しない相互作用(即ち、抗体がエピトープ等のような特定の構造よりはむしろタンパク質全般に結合すること)を意味する。
本明細書において、「調節する」という用語は、細胞の成長、増殖、アポトーシス等を含むがそれらに限定されない細胞機能の局面に影響を与える(例えば、促進あるいは遅延させる)化合物(例えば、本発明に記載の化合物)の活性を意味する。
「被験化合物」という用語は、身体の機能の疾患、疾病、病気もしくは障害を治療または予防する、あるいはサンプルの生理学的状態または細胞の状態(例えば、細胞または組織におけるアポトーシス調節不全の度合い)を変化させるために用いることができる任意の化学物質、医薬、薬物などを意味する。被験化合物は公知の治療化合物と潜在的な治療化合物の両方を含む。被験化合物は、本発明のスクリーニング法を使用することによって、治療的であるかどうかを決定することができる。「公知の治療化合物」は、(例えば、動物試験または以前のヒトへの投与の経験によって)このような治療または予防において有効であることが示されている治療化合物を意味する。好ましい態様において、「被験化合物」は細胞においてアポトーシスを調節する薬剤である。
本発明の一般的な説明
薬物クラスとして、ベンゾジアゼピン化合物は広く研究されており、複数の疾患の治療に有用な医用薬剤であることが報告されている。それぞれすべて参照として本明細書に組み入れられる米国特許第4,076,823号、第4,110,337号、第4,495,101号、第4,751,223号および第5,776,946号において、特定のベンゾジアゼピン化合物は鎮痛剤および抗炎症剤として効果的であることが報告されている。同様に、それぞれすべて参照として組み入れられる米国特許第5,324,726号、および第5,597,915号において、特定のベンゾジアゼピン化合物はコレシストキニンおよびガストリンのアンタゴニストであり、従って、特定の胃腸障害の治療に有用であり得ることが報告されている。
その他のベンゾジアゼピン化合物は、ヒト好中球エラスターゼ介在性の症状、とりわけ、心筋虚血、敗血症性ショック症候群などの治療においてヒト好中球エラスターゼの阻害剤として研究されている(すべて参照として本明細書に組み入れられる米国特許第5,861,380号参照)。すべて参照として本明細書に組み入れられる米国特許第5,041,438号において、特定のベンゾジアゼピン化合物は抗レトロウイルス剤として有用であることが報告されている。
ベンゾジアゼピン化合物は注目を集めているにもかかわらず、本発明が新規化合物(例えば、1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオン化合物)および関連化合物、ならびにその新規化合物および公知の化合物を様々な疾患の治療に利用する方法を提供することが以下の説明により明らかになる。
ベンゾジアゼピン化合物は、中枢神経系(CNS)に存在するベンゾジアゼピンレセプターに結合することが知られており、従って、これらは不安症およびてんかんを含む様々なCNS障害を治療するために利用されている。末梢ベンゾジアゼピン受容体も同定されており、これらの受容体は偶発的にCNSにも存在してよい。本発明は、例えばベンゾジアゼピン環のC3位に位置する電子豊富な複素環部分を有する1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオン化合物が、ミトコンドリアF1F0-ATPaseとの相互作用に起因しないメカニズムと一致するアポトーシス促進特性を有することを示す。本発明は、B細胞よりもT細胞に対して選択的な細胞傷害性を示す1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオン化合物も提供する。
発明の詳細な説明
本発明は、新規化合物、その発見方法、ならびにその治療上、研究上および診断上の使用を提供する。具体的には、本発明は1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオン化合物を提供し、プログラム細胞死、自己免疫、炎症、および過剰増殖などのプロセスの制御不全に関連した様々な状態を治療する治療薬として1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオン化合物を利用する方法も提供する。
本発明の例示的な組成物および方法を以下の節に更に具体的に説明する:I.細胞死のモジュレーター;II.例示的化合物;III.医薬組成物、製剤、ならびに例示的な投与経路および投薬における考慮事項;IV.薬物スクリーニング;およびV.治療への応用。
本発明は、
Figure 2009513718
Wrighton Biomedical Publishingより出版されたTrimble, M. and Hindmarch, I. (2000) Benzodiazepines、および、Humana Pressより出版されたSalamone, S. J. (2001) Benzodiazepines and GHB-Detection and Pharmacologyに記載の使用を含むがそれらに限定されない公知のベンゾジアゼピン化合物の使用を、参照として本明細書に組み入れる。
本発明の実施には、特に他に記載がない限り、当技術分野に属する一般的な有機化学、薬理学、分子生物学(組み換え技術を含む)、細胞生物学、生化学、免疫学の手法が利用される。これらの技術は「Molecular cloning: a laboratory manual」Second Edition (Sambrook et al., 1989)、「Oligonucleotide synthesis」(M.J. Gait, ed., 1984)、「Animal cell culture」(R.I. Freshney, ed., 1987)、「Methods in enzymology」のシリーズ(Academic Press, Inc.)、「Handbook of experimental immunology」(D.M. Weir & C.C. Blackwell, eds.)、「Gene transfer vectors for mammalian cells」(J.M.Miller & M.P. Calos, eds., 1987)、「Current protocols in molecular biology」 (F.M. Ausubel et al., eds., 1987、および定期的な更新版)、「PCR: the polymerase chain reaction」(Mullis et al., eds., 1994)、および「Current protocols in immunology」(J.E. Coligan et al., eds., 1991)などの文献中に詳細に説明されており、それぞれすべて参照として本明細書に組み込まれる。
I.細胞死のモジュレーター
好ましい態様において、本発明は、細胞を本発明の化合物(例えば、1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオン)に曝露することによりアポトーシスを制御する。具体的には、本発明は、例えばベンゾジアゼピン環のC3位に位置する特定の複素環部分を有する1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオンが、ミトコンドリアF1F0-ATPaseとの相互作用に起因しないメカニズムと一致するアポトーシス促進特性を有することを示す。本発明は、ベンゾジアゼピン環のC3位に電子豊富な複素環部分を有する1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオンがB細胞よりもT細胞に選択的なアポトーシス促進性を有することが可能であることも示す。
化合物の効果はあらゆる細胞変化を検出することにより測定できる。細胞死は本明細書および当技術分野において説明されているようにアッセイすることができる。好ましい態様において、細胞系は、密度依存的な制限の無い指数増殖に到達するように、適当な細胞培養条件下(例えば、ガス(CO2)、温度、および培地)において、適当な期間維持される。細胞数および/または生存率は、標準的な方法、例えばトリパンブルー排除法/血球計算法またはMTT色素変換アッセイを用いて測定される。あるいは、アポトーシスもしくは壊死における異常に関連する遺伝子の発現または遺伝子産物について細胞を解析することができる。
II.例示的化合物
本発明の例示的化合物は以下に提供される。特定の1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオン誘導体はすでに説明されている(例えば、米国特許出願第09/700,101号;米国特許第6,506,744号;Kamal, et al., 2004 Synlett 14:2533-2535;Hulme, et al., 1998 J. Org. Chem. 63:8021-8022;Raboisson et al., 2005 Bioorg. Med. Chem. Lett. 15:1857-1861;Raboisson et al., 2005 Bioorg. Med. Chem. Lett. 15:765-770;Rabiosson et al., 2005 J. Med. Chem. 48:909-912参照;それぞれすべて参照として本明細書に組み入れられる)。本発明は新規の1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオン化合物、および1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオン化合物の使用を提供する。
特定の態様は以下からなる群より選択される式により記述される化合物を含む組成物を提供する。
特定の態様において、本発明は新規の1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオン化合物を含む組成物を提供する。特定の態様において、本発明は置換されているかまたは置換されておらず、RおよびS鏡像異性体の両方ならびにラセミ混合物を含む、以下からなる群より選択される式により記述される化合物を含む組成物を提供する。
Figure 2009513718
Figure 2009513718
いくつかの態様において、R1は電子豊富な複素環である。いくつかの態様において、電子豊富な複素環は5個またはそれ以上の複素環原子を含む。
いくつかの態様において、R1
Figure 2009513718
(式中R1’は環状脂肪族、アリール、置換アリール、複素環、および置換複素環からなる群より選択される)からなる群より選択される。
いくつかの態様において、R2はH、アルキル、置換アルキルおよびR1からなる群より選択される。
いくつかの態様において、R3はH、アルキル、および置換アルキルからなる群より選択される。
いくつかの態様において、R3は水素;ハロゲン;OH;アリール亜基を含む化学的部分;置換アリール亜基を含む化学的部分;環状脂肪族亜基を含む化学的部分;置換環状脂肪族亜基を含む化学的部分;複素環式亜基を含む化学的部分;置換複素環式亜基を含む化学的部分;少なくとも一つのエステル亜基を含む化学的部分;少なくとも一つのエーテル亜基を含む化学的部分;少なくとも2個の炭素を含む直鎖または分枝鎖、飽和または不飽和、置換または非置換の脂肪族鎖;硫黄を含む化学的部分;窒素を含む化学的部分;-OR-(式中、Rはアリール亜基を含む化学的部分;置換アリール亜基を含む化学的部分;環状脂肪族亜基を含む化学的部分;置換環状脂肪族亜基を含む化学的部分;複素環式亜基を含む化学的部分;置換複素環式亜基を含む化学的部分;少なくとも2個の炭素を含む直鎖または分枝鎖、飽和または不飽和、置換または非置換の脂肪族鎖;少なくとも1個のエステル亜基を含む化学的部分;少なくとも一つのエーテル亜基を含む化学的部分;硫黄を含む化学的部分;窒素を含む化学的部分からなる群より選択される)からなる群より選択される。
いくつかの態様において、R3はナフタレン;フェノール;1-ナフタレノール;2-ナフタレノール;
Figure 2009513718
Figure 2009513718
;キノリン、およびすべての芳香族位置異性体からなる群より選択される。
いくつかの態様において、R1およびR3基は互いに置き換わってもよい(例えば、いくつかの態様において、R1基はベンゾジアゼピン環の1位に位置し、R3基はベンゾジアゼピン環の3位に位置し;いくつかの態様において、R1基はベンゾジアゼピン環の3位に位置し、R3基はベンゾジアゼピン環の1位に位置する)。
いくつかの態様において、R4およびR4’は、それぞれ独立にCH3、ハロゲン、SO2R4”、SO2N(R4”)2、OR4”、N(R4”)2、CON(R4”)2、NHCOR4”、NHSO2R4’、アルキル、一置換アルキル、二置換アルキル、三置換アルキルからなる群より選択され;ここでR4”はハロゲン、H、アルキル、一置換アルキル、二置換アルキル、三置換アルキル、アリール、一置換アリール、二置換アリール、三置換アリール、環状脂肪族、一置換環状脂肪族、二置換環状脂肪族、三置換環状脂肪族からなる群より選択される。
いくつかの態様において、R5はH、アルキル、一置換アリール、二置換アリール、および三置換アリールからなる群より選択される。
いくつかの態様において、R6はC、N、またはSからなる群より選択される。
いくつかの態様において、R1は置換されているおよび置換されていない以下のもの、ならびにそれらの誘導体からなる群より選択される。
Figure 2009513718
Figure 2009513718
Figure 2009513718
Figure 2009513718
本発明の特定の1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオン化合物は
Figure 2009513718
を含むが、それらに限定されるわけではない。
上記の説明から、多くの具体的な例が上記の一般式により表わされることが明らかである。各置換基位置において特定の基を選択することに起因する多様なサブコンビネーションが可能であり、このようなコンビネーションのすべてが本発明の範囲内にある。下記の実験例は、これらの化合物の生物学的活性を説明し、誘導体あるいはその他の関連化合物の活性を評価するためのアッセイを提供する。
要約すると、本明細書には多数の化合物が示されている。本明細書の他の個所に説明されているとおり、細胞死に関連する様々な調節不全による障害の治療には、これらの化合物の任意の一つまたは複数を使用することができる。更に、医薬組成物においては、これらの化合物の任意の一つまたは複数を少なくとも一つの他の治療薬(例えば、カリウムチャンネルオープナー、カルシウムチャンネル遮断薬、ナトリウム水素交換体阻害剤、抗不整脈剤、抗アテローム性動脈硬化剤、抗凝固剤、抗血栓剤、血栓溶解促進剤、フィブリノーゲン拮抗薬、利尿剤、降圧剤、ATPase阻害剤、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬、ホスホジエステラーゼ阻害剤、抗糖尿病剤、抗炎症剤、抗酸化剤、血管新生調節剤、抗骨粗鬆症剤、ホルモン補充療法、ホルモン受容体調節剤、経口避妊薬、抗肥満剤、抗うつ剤、抗不安剤、抗精神病薬、抗増殖剤、抗腫瘍剤、抗潰瘍および胃食道逆流症剤、成長ホルモン剤および/または成長ホルモン分泌促進物質、甲状腺ホルモン模倣薬、抗感染薬、抗ウイルス剤、抗菌剤、抗真菌剤、コレステロール/脂質低下薬、および脂質プロフィール治療、ならびに虚血プレコンディショニングおよび/または気絶心筋を模倣する薬剤、抗アテローム硬化剤、抗凝固剤、抗血栓剤、降圧剤、抗糖尿病剤、ならびにACE阻害剤、AT-1受容体拮抗薬、ET受容体拮抗薬、二重ET/AII受容体拮抗薬および血管ペプチダーゼ阻害薬より選択される降圧剤、GPIIb/IIIa遮断薬、P2Y1およびP2Y12拮抗薬、トロンボキサン受容体拮抗薬およびアスピリンより選択される抗血小板剤)細胞活性剤を、薬学的に許容される担体または希釈剤と共に組み合わせて使用することができる。上記化合物は、薬物スクリーニングアッセイならびにその他の診断法および研究方法に用いることもできる。
III.医薬組成物、製剤、ならびに例示的な投与経路および投薬における考慮事項
以下に、様々な企図される医用薬剤および医薬組成物の例示的な態様を示す。
A.薬物の調製
本発明の化合物は、細胞死の調節不全、異常な細胞増殖、および過剰増殖に関連する様々な状態を治療するための医用薬剤の調製に有用である。
更に、これらの化合物は、化合物の有効性が知られている、あるいは予測されているその他の障害を治療するための医用薬剤を調製する際にも有用である。このような障害としては、自己免疫障害が挙げられるが、それに限定されない。本発明の化合物の医用薬剤を調製する方法および技術は、当技術分野において周知である。例示的な医薬製剤および送達経路を以下に説明する。
当業者は、多くの特定の態様を含む本明細書に記載の化合物の任意の一つまたは複数が標準的な医薬製造手順を適用することにより調製されることを認識する。このような医用薬剤は医薬技術において周知の送達方法を利用することにより被験体に送達することができる。
B.例示的な医薬組成物および製剤
本発明のいくつかの態様において、組成物は単独で投与され、またいくつかの他の態様において組成物は、好ましくは、少なくとも一つの上に定義された活性成分/薬剤と共に固体担体あるいは一つまたは複数の薬学的に許容される担体と共に、および、任意でその他の治療薬(例えば、第60/812,270号、第60/802,394号、第60/607,599号および第60/641,040号ならびに米国特許出願第11/445,010号、第11/324,419号、第11/176,719号、第11/110,228号、第10/935,333号、第10/886,450号、第10/795,535号、第10/634,114号、第10/427,211号、第10/427,212号、第10/217878号、第09/767,283号、第09/700,101号および関連出願に記載のベンゾジアゼピン化合物;それぞれすべて参照として本明細書に組み入れられる)を含む医薬製剤中に存在する。各担体は、製剤のその他の成分と適合性があり、被験体に対して有害性がないという意味で「許容される」必要がある。
企図される製剤としては、経口、直腸内、経鼻、局所(経皮、頬側、および舌下を含む)、経膣、非経口(皮下、筋肉内、静脈内、および皮内を含む)、ならびに経肺投与に適したものが挙げられる。いくつかの態様において、製剤は都合良く単位剤形で提示され、薬学の分野において公知の任意の方法により調製される。それらの方法は、活性成分を一つまたは複数の付属の成分を構成する担体と会合させる工程を含む。一般的に、製剤は、均一にそして緊密に活性成分を液体担体あるいは微粉化した固体担体またはその両方と会合(例えば、混合)させ、必要な場合には産物を成形することにより調製される。
経口投与に適した本発明の製剤は個別の単位、例えば、カプセル剤、カシェ剤または錠剤として存在させてもよく、ここで各々は好ましくは所定の量の活性成分を粉末または顆粒として、水性のもしくは非水性の液体中の溶液または懸濁液として、あるいは水中油型乳濁液または油中水型乳濁液として含む。その他の態様において、活性成分は、ボーラス剤、舐剤、またはペースト等として存在する。
いくつかの態様において、錠剤は少なくとも一つの活性成分および任意で一つまたは複数の付属の薬剤/担体を含み、それぞれの薬剤を圧縮または成型することにより製造される。好ましい態様において、圧縮錠は、適当な装置内において自由流動形態、例えば粉末または顆粒である活性成分を圧縮することにより調製される。活性成分は結合剤(例えば、ポビドン、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、滑沢剤、不活性希釈剤、保存剤、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウム、架橋ポビドン、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)表面活性剤または分散剤と任意に混合されている。成型錠は、適当な装置において、不活性希釈液で湿らせた粉末化合物(例えば、活性成分)の混合物を成型して製造してもよい。錠剤を、任意にコーティングするか、もしくは刻み目を入れることができ、かつその中の活性成分の放出を遅らせるかもしくは制御するように製剤化することもでき、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを種々の割合で用いて、望ましい溶出特性を付与する。錠剤は、任意に、胃の他に腸の部分で放出されるように腸溶性コーティングを施して提供され得る。
口内の局所的な投与に適した製剤には、風味付けした基剤、通常、ショ糖、アカシアもしくはトラガカントゴム中に活性成分を含むロゼンジ;ゼラチンおよびグリセリン、もしくはショ糖およびアカシアゴムのような不活性基材中に活性成分を含む香錠;ならびに適当な液体担体中に活性成分を含む口内洗浄剤が含まれる。
本発明に記載の局所投与のための薬学的組成物は、任意で軟膏、クリーム、懸濁液、ローション、粉末、溶液、ペースト、ゲル、スプレー、エアロゾルまたは油として製剤化される。別の態様において、局所製剤はパッチまたは外科用医薬材料、例えば、活性成分および任意で一つもしくは複数の賦形剤または希釈剤を含浸させた包帯または絆創膏を含む。好ましい態様において、局所製剤は、皮膚またはその他の患部を通過して活性成分の吸収または浸透を増強させる化合物を含む。このような皮膚透過促進剤の例としては、ジメチルスルホキシド(DMSO)および関連する類似体が含まれる。
必要に応じて、クリーム基材の水相は、例えば、少なくとも約30%w/wの多価アルコール、即ち二つまたはそれ以上の水酸基を持つアルコール、例えばプロピレングリコール、ブタン-1,3-ジオール、マンニトール、ソルビトール、グリセロールおよびポリエチレングリコール、ならびにそれらの混合物を含む。
いくつかの態様において、本発明の乳濁液の油相は既知の様式における公知成分から構成されている。この相は、通常、一つの乳化剤(またはエマルジェント(emulgent)として知られる)を含む。いくつかの態様において、この相が更に少なくとも一つの乳化剤と脂肪もしくは油、または脂肪と油の両方の混合物を含むことも望ましい。
好ましくは、親水性乳化剤は、安定剤として作用させるために、親油性乳化剤と一緒に含められる。いくつかの態様においては、油と脂肪の両方を含めることも好ましい。併せて、安定剤を含んでも含まなくてもよい乳化剤がいわゆる乳化性ワックスを構成し、ワックスは油および/または脂肪と共に、クリーム製剤の油性分散相を形成するいわゆる乳化性軟膏基材を構成する。
本発明の製剤において使用するのに適したエマルジェントおよび乳濁液安定剤としては、Tween 60、Span 80、セトステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、グリセリルモノステアレート、およびラウリル硫酸ナトリウムが挙げられる。
医薬乳濁液製剤において使用されると思われる大部分の油において活性化合物/薬剤の溶解性が極めて低いため、製剤に好適な油あるいは脂肪の選択は、所望の性質(例えば、化粧用性質)を獲得することに基づいている。従って、クリームは、好ましくは非脂肪性、非染色性そして洗浄可能な産物であって、チューブまたはその他の容器からの漏れを防ぐのに好適な粘度である必要がある。直鎖または分枝鎖の、一塩基または二塩基アルキルエステル、例えばジイソアジピン酸塩、ステアリン酸イソセチル、ヤシ脂肪酸のプロピレングリコールジエステル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、または、Crodamol CAPとして公知の分枝鎖エステルの混合物を使用することができ、最後の3つが好ましいエステルである。これらは、必要とされる性質に応じて、単独あるいは組み合わせて使用することができる。または、例えば白色軟パラフィンおよび/または液体パラフィンまたは他の鉱油のような高融点脂質を用いることができる。
眼への局所的な投与に適した製剤には、目薬も含まれ、目薬において活性成分は適当な担体、特に薬剤の水性溶媒に溶解または懸濁されている。
直腸投与用の製剤は、例えばココアバターもしくはサリチラートを含有する適当な基材を有する坐剤として提示され得る。
膣内投与に適した製剤は、薬剤に加えて、当分野で適切であることが公知の担体を含むペッサリー、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム、あるいは、スプレー製剤として提示され得る。
鼻内投与に適した製剤であり、担体が固体である製剤は、粒径が例えば約20ミクロンから約500ミクロンの範囲内の粗い粉末を含有し、嗅ぎ薬を摂取する方法、即ち、鼻に近付けた粉末入り容器から鼻道を通す素早い(例えば、強制的な)吸入により投与される。その他の適当な製剤であり、その担体が投与用の液体である製剤としては、スプレー式点鼻薬、点鼻薬、噴霧器を利用したエアロゾルを含むが、それらに限定されず、薬剤の水溶液または油性溶液を含む。
非経口投与に適した製剤には、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤、および製剤を意図するレシピエントの血液と等張にする溶質を含有してもよい、水性および非水性の等張滅菌注入溶液;ならびに懸濁剤および増粘剤を含んでもよい水性および非水性の滅菌懸濁液、ならびに血液成分または一つもしくは複数の臓器を化合物の標的とするように設計されたリポソームもしくは他の微粒子系が含まれる。いくつかの態様において、製剤は、単位用量もしくは複数用量密封容器、例えば、アンプルおよびバイアルで提示/製剤化することができ、使用直前に滅菌液体担体、例えば注射用水の添加のみを要する凍結乾燥(freeze-dried)(凍結乾燥(lyophilized))状態で保存することができる。必要に応じて調合される注射溶液および懸濁液は、前述のそのような滅菌粉末、顆粒および錠剤から調製することができる。
望ましい単位用量製剤は、本明細書において上に列記したように、薬剤の一日量もしくは単位、一日サブ用量、もしくはその適当な画分を含んでいる。
本発明の製剤は、具体的に上で言及した成分に加えて、問題の製剤型に関連を有する分野においては標準的な他の薬剤を含み得ることを理解すべきである。例えば、経口投与に適した製剤は、甘味料、増粘剤、および矯味矯臭剤のようなさらなる薬剤を含み得る。本発明の薬剤、組成物、および方法を他の適当な組成物および治療法と組み合わせることも目的とする。更にその他の製剤は任意に食品添加物(適当な甘味料、矯味矯臭剤、着色剤など)、植物性栄養素(例えば、亜麻仁油)、ミネラル(例えば、Ca、Fe、K等)、ビタミン、およびその他の許容される組成物(例えば、共役リノール酸)、増量剤、安定剤などを含む。
C.例示的な投与経路および投薬における考慮事項
例えば、リポソーム、微小粒子、マイクロカプセルへの封入、受容体依存性エンドサイトーシス等の様々な送達系が公知であり、それらを本発明の治療薬(例えば、上記第II節に記載の例示的化合物)の投与に利用することができる。送達方法としては、動脈内、筋肉内、静脈内、鼻腔内、および経口経路が挙げられるが、それらに限定されない。具体的な態様において、本発明の医薬組成物は、治療を必要とする範囲への局所的な投与が望ましいと考えられ、これは、例えば、手術中の局所注入、注射、あるいはカテーテルを用いて達成し得るが、それらに限定されない。
上に示した薬剤は、被験体、または標的細胞の病的増殖および関連する状態を発症しやすいもしくはその恐れのある個体に投与することができる。薬剤をマウス、ラット、または人間の患者などの被験体に投与する場合、その薬剤を、薬学的に許容される担体に加えて、被験体に全身的あるいは局所的に投与し得る。有益に治療できる患者を特定するには、組織サンプルを患者から採取し、薬剤に対するその細胞の感受性をアッセイする。治療量は実験的に決定され、治療される病状、治療される被験体、ならびに薬剤の有効性および毒性により異なる。
いくつかの態様において、インビボ投与は治療中の全期間にわたって一回で、連続的に、または断続的に行われる。最も効果的な手法および投与量を決定する方法は当業者に周知であり、治療に使用される組成物、治療目的、治療の標的である細胞、および治療される被験体により異なる。一回または複数回投与は、治療を施す医師により選択される用量レベルおよびパターンにより実施される。
適当な投与製剤および薬剤の投与方法は、当業者により容易に決定される。好ましくは、化合物は約0.01mg/kgから約200mg/kg、より好ましくは約0.1mg/kgから約100mg/kg、更により好ましくは約0.5mg/kgから約50mg/kgで投与される。本明細書に記載の化合物がその他の薬剤(例えば、感作剤)と併用される場合、その有効量はその薬剤の単独量の場合と比較して少ないと考えられる。
医薬組成物は経口、鼻腔内、非経口または吸入療法による投与が可能であり、錠剤、ロゼンジ、顆粒剤、カプセル、丸剤、アンプル、坐剤またはエアロゾルの形態であり得る。これらは、水性または非水性の希釈液における活性成分の懸濁液、溶液および乳濁液、シロップ、顆粒、または粉末の形態もとり得る。本発明の薬剤に加えて、医薬組成物は、その他の薬学的に活性な化合物または複数の本発明の化合物を含有することも可能である。
より具体的に、本明細書において活性成分ともいわれている本発明の薬剤は、治療のために経口、直腸内、経鼻、局所(経皮、エアロゾル、頬側、舌下を含むが、それらに限定されない)、経膣、非経口(皮下、筋肉内、静脈内および皮内を含むが、それらに限定されない)および経肺を含むがそれらに限定されない、任意の適当な経路により投与されてもよい。好ましい経路が、レシピエントの状態および年齢、治療される疾患により異なることも理解される。
理想的には、疾患部位において活性化合物が最大濃度となるように薬剤を投与するべきである。これは、例えば、任意に食塩水中に含まれる薬剤の静脈内注射、あるいは、例えば、活性成分を含有する錠剤、カプセルまたはシロップとしての経口投与により達成され得る。
薬剤の望ましい血中濃度は、疾患組織内に治療量の活性成分を提供する持続注入を行うことにより維持可能となり得る。治療用化合物または薬剤がそれぞれ単独で使用された場合に必要となり得る量と比較して少ない、成分である各抗ウイルス剤の合計投与量を必要とし、その結果有害作用を減少させる併用治療を提供するために、有効な組み合わせの使用が企図される。
D.例示的な併用経路および投薬における考慮事項
本発明は、本明細書に記載の化合物を一つまたは複数の追加の活性薬剤と共に併用することに関連する方法も含む。もちろん、本発明に記載の化合物を併用することにより、先行技術の治療法および/または医薬組成物を改善する方法を提供することは、本発明の別の局面である。併用の手順において、薬剤は同時あるいは連続して投与され得る。一つの態様において、本明細書に記載の化合物は、その他の活性薬剤よりも先に投与される。医薬製剤および投与方法は上記のいずれのものでもよい。更に、二つまたはそれ以上の併用される化学剤、生物剤、または、放射線はそれぞれ異なる方式あるいは異なる製剤を用いて投与され得る。
併用される薬剤は、治療する状態の種類に依存する。例えば、治療する状態が癌の場合、追加の薬剤は化学療法剤または放射線であり得る。治療する状態が自己免疫障害の場合、追加の薬剤は免疫抑制剤または抗炎症剤であり得る。治療する状態が慢性炎症の場合、追加の薬剤は抗炎症剤であり得る。併用される追加の薬剤、例えば、抗癌剤、免疫抑制剤、抗炎症剤は当技術分野において周知の薬剤のいずれのものでもよく、現在臨床に用いられている薬剤を含むが、それらに限定されない。放射線治療の適当な種類および線量の決定も当技術分野の範囲内である、または比較的容易に決定し得る。
異常なアポトーシスに関連する様々な状態の治療は、一般的に次の二つの主要な要因により制限されている:(1)薬物耐性の発現、および(2)公知の治療薬の毒性。例えば、特定の癌において、化学薬品および放射線治療に対する耐性はアポトーシスの抑制に関連していることが示されている。いくつかの治療薬は、非特異的リンパ球毒性、腎臓および骨髄毒性などを含む有害な副作用を有する。
本明細書に記載の方法は、これらの両方の課題に対処する。用量の増加が治療的恩恵を得るために必要とされる場合の薬物耐性は、公知の薬剤を本明細書に記載の化合物と併用することにより克服される。本明細書に記載の化合物は標的細胞を公知の薬剤に対して感作し(逆の場合も同じ)、したがって、治療的恩恵を達成するのに必要なこれらの薬剤の量はより少ない。
主張されている化合物の感作機能は、公知の治療薬の毒性作用に関する問題にも対処する。公知の薬剤が有毒である場合、全ての事例、および特に薬物耐性により必要な用量が増加した事例において、投与される用量を制限することが望ましい。主張されている化合物が公知の薬剤と併用される場合、必要とされる用量は減少され、その結果、有害な作用が減少する。更に、主張されている化合物は、それ自身が大用量で有効かつ無害であるため、公知の有毒な治療薬と比べてこれらの化合物を比較的多く併用した場合、有害な作用を最小としつつ所望の効果が得られる。
IV.薬物スクリーニング
本発明のいくつかの態様において、本発明の化合物およびその他の潜在的に有用な化合物は、ミトコンドリアF1F0-ATPaseとの相互作用に起因しないメカニズムと一致するアポトーシス促進特性についてスクリーニングされる。本発明の好ましい態様において、本発明の化合物、およびその他の潜在的に有用な化合物は、B細胞よりもT細胞に選択的なアポトーシス促進性についてスクリーニングされる。
当技術分野においては、受容体に対する薬物およびその他の低分子の結合親和性を測定するための適当なスクリーニング法が多数知られている。いくつかの態様において、結合親和性のスクリーニングは、インビトロのシステムにおいて実施される。その他の態様において、これらのスクリーニングはインビボまたはエクスビボのシステムにおいて実施される。
V.治療への応用
特に好ましい態様において、本発明の組成物は、罹患した細胞または組織におけるアポトーシスを調節(例えば、阻害または促進)することにより、多数の状態(例えば、細胞または組織における壊死および/もしくはアポトーシスのプロセスの調節不全に特徴づけられる疾患、異常な細胞増殖および/または過剰増殖に特徴付けられる疾患、自己免疫疾患、B細胞およびT細胞の中枢および末梢リンパ器官における異常な生存および増殖に起因する悪性血液疾患等)の任意の一つまたは複数に苦しむ患者に治療的恩恵を提供するよう企図されている。さらに好ましい態様において、本発明の組成物は、自己免疫性/慢性炎症性の状態の治療に使用される。
特に好ましい態様において、本発明の組成物は、細胞を本発明の化合物(例えば、1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオン)に曝露することによりアポトーシスを制御する。具体的には、本発明は、例えばベンゾジアゼピン環のC3位に電子豊富な複素環部分を有する1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオンが、ミトコンドリアF1F0-ATPaseとの相互作用に起因しないメカニズムと一致するアポトーシス促進特性を有することを示す。本発明は、更に、ベンゾジアゼピン環のC3位に電子豊富な複素環部分を有する1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオンがB細胞よりもT細胞に選択的なアポトーシス促進性を有することを示す。
したがって、本発明に包含される好ましい方法は、罹患した細胞または組織における細胞性アポトーシスをミトコンドリアF1F0-ATPaseと相互作用せずに調節(例えば、阻害または促進)する本発明の化合物を提供することにより、患者に治療的恩恵を提供する。
いくつかの態様において、本発明の方法における潜在的に有用な化合物は、米国国立がん研究所(NCI-60)の癌細胞系に対して有効性についてスクリーニングを行う。(例えば、A. Monks et al., J. Natl. Cancer Inst., 83:757-766 [1991]、K. D. Paull et al., J. Natl. Cancer Inst., 81:1088-1092 [1989]参照)。更なるスクリーニング、適当なスクリーニング(例えば、自己免疫疾患モデル等)は、当技術分野に含まれる。
一つの局面において、例示化合物またはその他の適当な化合物の誘導体(例えば、薬学的に許容される塩、類縁体、立体異性体など)は、本発明の方法において有用であるとして企図される。
医薬品化合物および製剤を調製する当業者は、本明細書に開示される方法において用いられる任意の化合物を選択する場合、適合性に関して考慮する事項は、特定の化合物の毒性、安全性、有効性、入手の可能性、およびコストを含むが、それらに限定されないことを理解する。
実施例
以下の実施例は本発明の特定の好ましい態様を示しさらに説明するために提供されるが、本発明の範囲を制限すると解釈すべきものではない。
実施例1
本実施例は、例示的な1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオンの製剤化について説明する。図1に示すように、Bz-423は、狼瘡の動物モデルにおいて強力な活性を有するアポトーシス促進性の1,4-ベンゾジアゼピンである(例えば、Blatt, N. B., et al., J. Clin. Invest. 2002, 10, 1123、Bednarski, J. J., et al., Arthritis Rheum. 2003, 48, 757 参照;すべて参照として本明細書に組み入れられる)。Bz-423は、ミトコンドリアF1F0-ATPaseのオリゴマイシン感受性付与タンパク質(OSCP)コンポーネントと結合する(例えば、Johnson, K. M., et al., Chemistry and Biology. 2005, 12, 485 参照;すべて参照として本明細書に組み入れられる)。Bz-423は、ミトコンドリア呼吸鎖(MRC)における状態3から状態4への移行を生じさせる酵素を阻害し、最終的にはMRC複合体IIIからO2 -が生産される結果となる。この活性酸素種は厳重に制御されているアポトーシスプロセスを開始するシグナルとして作用する(例えば、Johnson, K. M., et al., Chemistry and Biology. 2005, 12, 485 参照;すべて参照として本明細書に組み入れられる)。
これまでの研究から、Bz-423の細胞傷害活性にはC3位に疎水性芳香族置換基、ならびに、フェノール性水酸基が必要であることが明らかである。F1F0-ATPaseを阻害するために必要とされるBz-423の要素をさらに明らかにする取り組みの一環として、一連の1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオンをその他の化学反応の中間体として合成した。これらの化合物のほとんどは細胞傷害性であり、Bz-423と異なり、多くはB細胞よりもT細胞に特異的であった(図2)。ナフチル部分を同等の大きさであって別の空間を占有するその他の疎水性基で置き換えた場合(2、3)、1と比べて活性に対する影響は比較的少なく、場合によっては選択性が変化した。対照的に、C3基の大きさの縮小(4、5)は許容されなかった。図2に示す構造の類似性と既に報告されている1,4-ベンゾジアゼピンのアポートシス促進性(例えば、Johnson, K. M., et al., Chemistry and Biology. 2005, 12, 485 参照;すべて参照として本明細書に組み入れられる)を考慮して、1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオン化合物がBz-423と同様にF1F0-ATPaseを阻害してO2 -を発生させるかどうかを確認する実験を行った。図2に示した化合物は、F1F0-ATPaseをブロックせず、また、スーパーオキシドを特異的に除去する薬剤により阻害されることもなかった。これらの結果は、図2に示す1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオン化合物がBz-423とは異なる分子標的とアポトーシス機構を有することを示す。一方、m-ビフェニル類似体は、既に報告された1,4-ベンゾジアゼピンと同様に(例えば、Hamann, L.G., et al., Bio. Med. Chem. Lett. 2004, 14, 1031参照;すべて参照として本明細書に組み入れられる)、ATP加水分解を阻害したものの合成は阻害しなかった。
実施例2
本実施例は、本発明の新規の1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオン化合物の最適化について説明する。図2に記載のデータは、C3の大きさが1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオン化合物の活性に重要であることを示す。更に、これらのデータは、ビフェニルまたは2-ナフタレンC3側鎖に基づいて効力および選択性を最適化することが可能であることを示唆する。一連の置換されたビフェニルは、ハロゲン化アリールと市販のボロン酸間のスズキカップリング(例えば、Suzuki, A. Acc. Chem. Res. 1982, 15, 178 参照;すべて参照として本明細書に組み入れられる)により容易に調製できる。従って、C3側鎖の立体電子効果と1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオン化合物の細胞傷害性との関係を10の置換された類似体(図3)を合成することにより、更に評価した。
第一の誘導体の群においては、2’、3’、4’位のそれぞれをメチル基あるいは塩素原子で置換した。これらの化合物を解析した結果、置換はT細胞の死滅においてはほとんど効果を示さなかったが、B細胞に対する効力が改善されたことが明らかになった。3’または4’位における置換が効力の最大の改善をもたらしたため、これらの位置における置換を更に探索した。メタおよびパラ位への電子豊富な置換基の付加(26、27)は効力を増加させた一方、カルボン酸28は逆の効果を示した。更に、電子豊富な複素環式芳香環(30-33)は選択的に強力な化合物、すなわち(30、31)を提供した。総合的に、これらのデータは、図4に示したR1の電子豊富な芳香族複素環が最適な活性および選択性を提供することを示すが、本発明はこれらの化合物に限定されない。
図5は追加の本発明の1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオン化合物のさらなる選択性データを示す。ラモス(Ramos) EC50とは、50%のラモスB細胞に対して必要な薬物の濃度であり、ジャーカット(Jurkat) EC50とは、50%のジャーカットT細胞に対して必要な薬物の濃度である。選択性は、B細胞EC50のデータをT細胞のそれで割ることにより算出した。すべての測定は既に説明されているとおりに実施された(例えば、T. Francis, et al., Bioorg. Med. Chem. Lett. 2006 16, 2423-2427 参照;すべて参照として本明細書に組み入れられる)。
実施例3
本実施例は、本発明の1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオン化合物がATP合成を阻害しないことを示す。以下に示す4つの化合物を細胞に曝露し、ATP合成を測定した:
Figure 2009513718

図6に示すように、以下に示す化合物
Figure 2009513718
はATP合成を阻害できなかったが、
Figure 2009513718
はATP合成を阻害した。
上記明細書中に記載の全ての刊行物および特許は、参照により本明細書に組み入れられる。本発明は特定の好ましい態様と共に記載しているが、特許請求の範囲に記載の本発明はこのような特定の態様に過度に制限されないと理解すべきである。実際、関連分野の当業者に自明の本発明の実施のために記載の様式の種々の修正形態は、特許請求の範囲内であることが意図される。
Bz-423および例示的な1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオンの構造を示す図である。 本発明の例示的な化合物とその生物学的活性を示す図である。 1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオンによるATP合成および加水分解の阻害を示すグラフである。 本発明の例示的な化合物とその生物学的活性を示す図である。 本発明の追加の1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオン化合物のさらなる特異性データを示す図である。 本発明の化合物存在下における細胞内ATP合成を示す図である。

Claims (15)

  1. 置換されているかまたは置換されておらず、RおよびS鏡像異性体の両方ならびにラセミ混合物を含む、以下からなる群より選択される式により記述される化合物を含む組成物であって、細胞においてアポトーシスを誘導するよう構成された組成物:
    Figure 2009513718
    Figure 2009513718
    式中、R1は電子豊富な複素環であり;
    R2はH、アルキル、置換アルキルおよびR1からなる群より選択され、
    R3はH、アルキルおよび置換アルキルからなる群より選択され、
    R4およびR4’はそれぞれ独立にCH3、ハロゲン、SO2R4”、SO2N(R4”)2、OR4”、N(R4”)2、CON(R4”)2、NHCOR4”、NHSO2R4’、アルキル、一置換アルキル、二置換アルキル、三置換アルキルからなる群より選択され;ここでR4”はハロゲン、H、アルキル、一置換アルキル、二置換アルキル、三置換アルキル、アリール、一置換アリール、二置換アリール、三置換アリール、環状脂肪族、一置換環状脂肪族、二置換環状脂肪族、三置換環状脂肪族からなる群より選択され、
    R5はH、アルキル、一置換アリール、二置換アリールおよび三置換アリールからなる群より選択され、ならびに
    R6はC、N、またはSからなる群より選択される。
  2. 電子豊富な複素環が5個またはそれ以上の複素環原子を含む、請求項1記載の組成物。
  3. R1が以下からなる群より選択される、請求項1記載の組成物:
    Figure 2009513718
    式中、R1’は環状脂肪族、アリール、置換アリール、複素環および置換複素環からなる群より選択される。
  4. いくつかの態様において、R1が以下およびそれらの誘導体からなる群より選択される、以下からなる群より選択される、請求項1記載の組成物:
    Figure 2009513718
    Figure 2009513718
    Figure 2009513718
    Figure 2009513718
  5. 化合物が以下の式により記述される、請求項1記載の組成物:
    Figure 2009513718
  6. 化合物が以下からなる群より選択される、請求項1記載の組成物:
    Figure 2009513718
  7. 細胞がB細胞、T細胞、顆粒球および増殖細胞からなる群より選択される、請求項1記載の組成物。
  8. 以下の工程を含む、細胞死を制御するための方法:
    a. i.標的細胞;
    請求項1記載の組成物
    を提供する工程;および
    b.細胞アポトーシスを誘導するために、該組成物が該標的細胞に結合する条件で該標的細胞を該組成物に曝露する工程。
  9. 標的細胞がインビトロの細胞である、請求項8記載の方法。
  10. 標的細胞がインビボの細胞である、請求項8記載の方法。
  11. 標的細胞がエクスビボの細胞である、請求項8記載の方法。
  12. 標的細胞が癌細胞である、請求項8記載の方法。
  13. 標的細胞がB細胞、T細胞および顆粒球からなる群より選択される、請求項8記載の方法。
  14. 標的細胞が増殖細胞である、請求項8記載の方法。
  15. 以下の工程を含む、自己免疫障害を治療する方法:
    a)被験体および請求項1記載の組成物を提供する工程であって、該組成物が細胞アポトーシスを誘導することができ、かつ該組成物がB細胞と比較してT細胞に対して選択的な細胞傷害性を示す、工程;および
    b)該組成物を該被験体に投与する工程。
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