JP2009513713A - p38阻害剤化合物による心房細動の治療方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本出願は、米国仮特許出願第60/732,676号(2005年11月1日出願)に対する優先権を主張し、この米国出願は、本明細書中でその全体が参考として援用される。
本発明は、一般に、心房細胞を治療または予防するのに有用な化合物および方法に関する。
心房細動(AFまたはA−fib)は、世界で、最も広く知られた不整脈の1つであり、かつ心血管疾患に関連する病的状態の主要原因の1つである。2〜3百万のアメリカ人がAFを患っていると見積もられる。正常な洞調律では、心房(心臓上部チャンバー)が収縮し、弁膜が開き、血液が心室(下部チャンバー)を満たす。次いで、心室が収縮し、整った周期の各心拍動を完成する。AFは、心房に効果的な拍動の代わりに震えまたは細動を生じさせる、心房中で起こる、電気的刺激の形成および伝導の異常に関連する。心臓は、正常には、安静時で毎分60〜80回収縮(拍動)する。AFでは、心房が、毎分300〜600回ほども細動する。AFの間、血液は、各心拍動で心房から心室へ効果的に移ることができない。そこで、血液は、心房中で鬱血して流れなくなり、血餅形成のための部位を創り出す可能性がある。このような血餅形成は、AFを有する患者における脳卒中の主な源になる可能性がある。AFの他の合併症には、鬱血性心不全および心筋症が含まれる。
Nattel S.Newer、Am Heart J.、1995年、130巻、1094〜106頁 Roden DM.、Am J Cardiol.、1998年、82巻、491〜571頁 Nattel S.、Cardiovasc Res.、2002年、54巻、347〜60頁 Kumagai K.らJ Am Coll Cardiol.、2003年、41巻、2197〜204頁 Li D.ら、Circulation、2001年、104巻、2608〜14頁
本明細書で開示するのは、心房細動(AF)を治療または予防するための組成物および方法である。
p38キナーゼ阻害剤化合物を使用して、AF治療において高い治療効果を達成できることが発見されるに至った。
「p38阻害剤」は、p38の活性を阻害する(低下させる)、例えばp38 MAPKの活性を阻害する化合物である。p38の活性に対する化合物の阻害効果は、当業者に周知の各種方法で測定できる。例えば、阻害効果は、リポ多糖(LPS)で刺激されたサイトカイン産生の阻害程度を測定することによって測定できる(Leeら、1988年、Int J Immunopharmacol、10巻、835〜843頁;Leeら、1993年Ann NY Acad Sci、696巻、149〜170頁;Leeら、1994年、Nature、372巻、739〜746頁;Leeら、1999年、Pharmacol Ther、82巻、389〜397頁)。
R1、R2、R3、およびR4は、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、ハロアルキル、ニトロアルキル、チオアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、フェニル、置換フェニル、ハロ、ヒドロキシル、アルコキシアルキル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、CO−ウロナイド、CO−単糖、CO−オリゴ糖、およびCO−多糖からなる群から独立に選択され、かつ
X1、X2、X3、X4、およびX5は、H、ハロ、アルコキシ、およびヒドロキシからなる群から独立に選択される。
X3は、H、ハロゲン、およびOHからなる群から選択され、
R2は、H、C1〜C6アルキル、置換C1〜C6アルキル、C1〜C6ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、カルボキシ、C1〜C6アルコキシカルボニル、CO−ウロナイド、CO−単糖、CO−オリゴ糖、およびCO−多糖からなる群から選択され、かつ
R4は、H、ハロゲン、およびOHからなる群から選択される。
X3は、H、F、およびOHからなる群から選択され、
R2は、H、CF3、CH2OH、COOH、CO−グルコロニド(CO−Glucoronide)、CH3、およびCH2OCH3からなる群から選択され、かつ
R4は、HおよびOHからなる群から選択され、
但し、R4およびX3がHの場合、R2はCH3ではない。
X3は、HおよびOHからなる群から選択され、
R2は、H、CH2OH、COOH、CO−グルコロニド、CH3、およびCH2OCH3からなる群から選択され、かつ
R4は、HおよびOHからなる群から選択される。
X3は、H、ハロ、アルコキシ、OH、アルキル、置換アルキル、アルケニル、ハロアルキル、ニトロアルキル、チオアルキル、ヒドロキシアルキル、フェニル、置換フェニル、アルコキシアルキル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、CO−ウロナイド、CO−単糖、CO−オリゴ糖、およびCO−多糖からなる群から選択される。
X3は、H、ハロ、アルコキシ、OH、アルキル、置換アルキル、アルケニル、ハロアルキル、ニトロアルキル、チオアルキル、ヒドロキシアルキル、フェニル、置換フェニル、アルコキシアルキル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、CO−ウロナイド、CO−単糖、CO−オリゴ糖、およびCO−多糖からなる群から選択される。
Arは、ピリジニルまたはフェニルであり、
Zは、OまたはSであり、
X3は、H、F、Cl、OH、またはOCH3であり、
R2は、メチル、C(=O)H、C(=O)CH3、C(=O)O−グルコシル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、メチルメトキシル、メチルヒドロキシル、またはフェニルであり、かつ
R4は、Hまたはヒドロキシルであり、
但し、R2がトリフルオロメチルであり、ZがOであり、R4がHであり、かつArがフェニルである場合には、フェニルは、4’の位置が、H、F、またはOHで、単独では置換されない。
R1=R2=R3=R4=R5=H、アルキル、アルケニル、ニトロアルキル、チオアルキル、フェニル、置換フェニル、CH2Phe、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルキル
本明細書に記載の方法で有用な化合物を単独で投与することも可能であるが、該化合物を医薬組成物として製剤することが好ましい場合がある。かくして、さらに別の態様では、本発明の方法で有用な医薬組成物が提供される。より詳細には、本明細書に記載の医薬組成物は、とりわけ、AFを治療または予防するのに有用である可能性がある。医薬組成物は、病状を治療または改善するために、in vitroまたはin vivo、あるいはその双方で対象に投与できる任意の組成物である。好ましい実施形態において、医薬組成物は、in vivoで投与できる。哺乳動物には、非制限的例を挙げれば、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ラクダ、スイギュウ、ネコ、イヌ、ラット、マウス、およびヒトなどの任意の哺乳動物が含まれる。極めて好ましい対象はヒトである。
動物モデル
簡潔には、15匹の成熟雑種イヌ(体重20〜30kg)を次のような3群(各群n=5)、群1:正常、群2:PFDで治療されないCHFイヌ(すなわちCHF群)、群3:PFDで治療されるCHFイヌ(すなわちCHF+PED群)に分割した。正常イヌには、ペースメーカーを埋め込まず、かつPFDを与えない。CHF群およびCHF+PFD群のイヌには、右心室尖部に配置されたペーシングリードを備えた永久シングルチャンバー型ペースメーカーを留置し、続いて、AV連結部のラジオ周波数カテーテルアブレーションにより完全な心ブロックを創り出す。CHF群およびCHF+PFD群のイヌには、220bpmで3週間のVTPを与える。経口でのPFD(800mg1日3回)(InterMune、Brisbane、CA)を、VTP開始の2日前に始め、ペーシング期間の全継続期間の間与えた。
データ変数を、正規性および等分散性についてチェックした(コルモゴロフ−スミルニフおよびルビーン検定)。多重群差の比較を、事後ボンフェローニ修正を用いるANOVAを使用して実施した。データ変数(AF継続期間)が等分散で正規的に分布していない場合には、クルスカル−ウォリス検定を使用した。すべての結果を、平均±SDとして示し、p<0.05を統計的に有意と考えた。データ解析は、SPSS13.0ソフトウェアパッケージを用いて実施した。
CHFモデルのモニタリング
CHF群およびCHF+PFD群は、ペースメーカーの埋込み時に、および引き続いて経食道超音波心臓造影を受けた。調律された群のイヌは、週に1度の経胸腔超音波心臓造影、右心室捕捉を確実にするための週に1度のECGモニタリング、および週に1度の身体検査を受けた。CHFは、嗜眠、末梢性浮腫、および粘膜色変化などの臨床的徴候によって確認した。左心房(LA)の大きさを、拡張期中に2−チャンバー視野からの2−D超音波心臓造影画像からの面積測定によってLA面積を測定して判定した。左心室(LV)の収縮機能は、乳頭筋レベルのLA短縮率を測定することによって判定した。LA面積およびLV短縮率について2回反復測定し、解析には平均値を使用した。
3週間のVTP後のLV短縮率は、ベースラインと比較すると、CHF群(−63±7%、p<0.001)およびCHF+PFD群(−69±8%、p<0.001)の双方のイヌで顕著に低下した。CHF群およびCHF+PFD群についての群間ベースラインおよび1週に1度のLV短縮率測定値は、類似していた。双方の群に関して、LA面積(図1)は、1週間のVTP後に有意に増加し、この増加は、3週間のVTPに渡って増進した。ベースラインからのLA面積の増加は、1週に1度の各時点において2つの調律群で類似していた。CHFの徴候は、調律群の間で異なるとは思われなかった。
電気生理学的試験
追跡的EP試験の間、各動物は、イソフルランで麻酔され、人工呼吸が行なわれた。ペースメーカーの速度は、すべてのEP試験の間、拡張期閾値の2倍の80bpmに設定した。胸部を正中線切開法で開口した。心膜クレードルを創り出し、4つの特注の心外膜高密度プラーク(左心房自由壁(LAFW)、左心房バッハマン束(LABB)、右心房自由壁(RAFW)、左心房バッハマン束(RABB))をVerheule S.ら、Circulation 107巻、2615〜22頁(2003年)およびSih HJ.ら、J Am Coll Cardiol.、36巻、924〜31頁(2000年)中に記載されている設定と同様に心房の上に(電極間距離が2.5mmの512電極)留置した。UnEmapマッピング装置(オークランド大学、ニュージーランド)を用いて単極電極シグナルを得て(サンプリング速度2kHz)、記憶装置に貯蔵した。心外膜プラーク上の電極対を、拡張期閾値の2倍での双極刺激のために使用した。200、300、および400msの8−拍駆動系基本周期(BCL)での単発期外刺激プロトコール(S1S2)を使用して12の心房部位(LAで6つ、RAで6つ)で有効不応期(ERP)を測定した。反対側のバッハマン束を刺激中に、特注のソフトウェアを用いて活性化波面に垂直なプラーク電極の対の間で伝導速度(CV)を計算した。Verheule S.ら、Am J Physiol Heart Circ Physiol.、2004年、287巻、634〜44頁;およびBayly PV.ら、IEEE Trans Biomed Eng.、1998年、45巻、563〜71頁。伝導不均一性のマーカーとして使用される(Verheule S.ら、Am J Physiol Heart Circ Physiol.、2004年、287巻、634〜44頁;Bayly PV.ら、IEEE Trans Biomed Eng.、1998年、45巻、563〜71頁;およびAusma J.ら、Circulation 、1997年、96巻、3157〜63頁)、位相差(ms/mm)を、電極間距離で正規化されたその近傍電極のすべてからのプラーク電極間の活性化時間の平均差として定義した。心房領域内の位相差について、周波数ヒストグラムを作図した。ヒストグラムを、それぞれ、メディアン相(P50)、および5番目および95番目のパーセンタイル相、または分布のP5およびP95として要約した。伝導不均一性、すなわち、1)P95−P5(P95−5)として定義される絶対伝導不均一性、および2)メディアン相で正規化された絶対伝導不均一性、またはP95−5/P50として定義される伝導不均一性指数を数量化するために2つの測定値を誘導した。
開胸実験において、継続したAFは、非治療CHFイヌで観察されるだけであった(4/5、p<0.007)。VTP誘発性CHFは、正常群の16±25秒から1488±698秒への平均AF継続時間の有意な増加をもたらした(p<0.009)(図2)。PFD治療は、AF継続時間の、正常群で見出されたものに類似した12±13秒への有意な短縮をもたらした(CHFに対してp<0.009)。
図3Aおよび3Bに、3種のペーシングBCL(200、300、および400ms)での試験群に関するそれぞれLAおよびRAのERPを示す。VTP誘発性CHFは、正常群に比較してLAのより長いERPに向かう傾向をもたらした(p=NS)。PFDでの治療は、非治療イヌ(p=NS)および正常イヌ(すべてのBCLについてp<003)と比較してLAのERPのさらなる延長をもたらした。RAのERPは、すべての群間で類似していた。図3Cおよび3Dに、3種のペーシングBCLでの試験群に関するそれぞれLAおよびRAのCVを示す。正常群のLA CVに較べ、VTP誘発CHFをもつイヌのLA CVはすべてのBCLで低下し、200msのBCLで統計的有意に達した(p<0.04)。PFDでの治療は、非治療群と比較して非統計的の有意なLA CVの増加をもたらした。RAのCVは、3の群間で類似していた。
図4に、300msのペーシングCLでの4つの心房プラークのそれぞれに関する等時性活性化マップの比較を示す。心房伝導は、正常群と比較してCHF群でより不均一であり(より分離した低伝導領域)、この局所的伝導不均一性はPFD治療でより少なかった。
組織学的試験
EP試験の終結時に、動物を安楽死させた。心房組織検体を中性緩衝化10%ホルマリン中で固定した。検体を処理し、パラフィン中に包埋し、4〜5μm厚の切片に切断した。切片を、H&E、マッソントリクローム、またはシリウスレッドで染色した。切片画像を、Spot Camera(Diagnostics Instruments、Sterling Height、ミシガン州)を使用してデジタル化した。線維化を定量するため、Adobe Photoshop7.0ソフトウェアパッケージを用い、全組織領域(赤色および緑色の画素)に比較したデジタル画像の赤色画素の含有量を測定した。血管および血管周囲間質細胞を含む領域は、線維化の定量から排除した。心房組織検体を液体窒素中で凍結し、可溶化緩衝液中でホモジナイズした。
シリウスレッドで染色された代表的なLA切片を図6に示す。VTPにかけないイヌのLAは、正常と思われた。しかし、非治療CHFイヌのLA断片は、広範な間質性線維化を有した。さらに、筋細胞肥大および細胞欠損は、非治療CHF群でより顕著であった。PFDでの治療は、間質性線維化の有意な減弱をもたらした。組織学的変化は、LAでよりいっそう広範であったが、RAでも見られた(示さない)。
心房組織中でのMAPKの発現を、ウェスタンブロット分析を使用して評価した。簡潔には、等量の総タンパク質(10μg)を含む心房組織標本を4〜20%トリス−グリセリンゲルでの電気泳動にかけ、次いで、ニトロセルロース濾紙上に転写した。非特異的結合部位を4%BSAで遮断し、濾紙を希釈された抗体と共にインキュベートし、二次抗体を結びつけた(すべての抗体は、Chemicon、Temecular、カリフォルニア州から入手した)。製造業者(NEN Life Science、ボストン、マサチューセッツ州)からの勧告をベースにして、西洋ワサビペルオキシダーゼを使用する強化された化学発光検出法でタンパク質のバンドを分析した。
心房組織におけるギャップ結合タンパク質コネキシン43(Cx43)およびコネキシン40(Cx40)の分布についても試験した。心房標本を、Cx40に対するマウスモノクロナール抗体およびCx43に対するウサギポリクロナール抗体(Dako)と共に4℃で一夜インキュベートした。続いて、FITCで標識したヤギ抗ウサギ抗体(Cx43用)およびテキサスレッドで標識したロバ抗マウス抗体(Cx40用)(Jackson ImmunoResearch Laboratories、West Grove、ペンシルヴェニア州)と一緒のインキュベーションを実施した。標本を処理し、蛍光顕微鏡法で分析した。
3週間のVTPの後、この試験のイヌは、他の研究者の報告と同様、かなりのLA線維症、LV機能不全、およびLA拡張を発現した。Li D.ら、Circulation、1999年、100巻、87〜95頁;およびShinagawa K.ら、Circulation、2002年、105巻、2672〜8頁。PFDで治療したイヌは、対応する非治療イヌと類似の重症度を有したが、治療群は、LA線維化およびAF発症性のかなりの低下があった。PFD治療での注目すべき電気生理学的変化には、より少ない間質性線維化による細胞対細胞カップリングの改善のためである可能性がある、LA ERPおよびCVの増加に向かう傾向が含まれる。
上記のような4週間の急速心室ペーシングによって引き起こされた心不全を有する2匹の成熟雑種イヌ(体重20〜32kg)をPFD治療後のAF誘発性について評価した。
AFと診断された患者は、p38阻害剤化合物を使用するAFの治療への識見を提供するために、二重盲検、プラセボ対照、無作為化試験に参加する。AFの診断は、EKGで確認した。患者は、修正された置換ブロック無作為化法を使用して、p38阻害剤化合物またはプラセボに無作為に割り振られる。患者は、3週間の試験過程中に1日に3回、400mgの用量で経口錠剤(p38阻害剤またはプラセボ)を受け入れる。
心臓手術をちょうど受けたばかりの患者は、高リスク患者におけるp38阻害剤化合物を使用するAFの予防への識見を提供するために、二重盲検、プラセボ対照、無作為化試験に参加する。患者は、修正された置換ブロック無作為化法を使用して、p38阻害剤化合物またはプラセボに無作為に割り振られる。患者は、3ヶ月の試験過程中に1日に3回、100mgの用量で経口錠剤(p38阻害剤またはプラセボ)を受け入れる。
1−(4−ヒドロキシフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリドン(化合物10)の調製:5−(トリフルオロメチル)−2(1H)−ピリドン(815.5mg、5ミリモル)、4−ヨードアニソール(2.34g、10ミリモル)、CuI(952mg、5ミリモル)、K2CO3(691mg、5ミリモル)およびDMF(5mL)の混合物を135℃で一夜加熱した。反応混合物を、10%アンモニア(15mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を、飽和塩化ナトリウムで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(30%酢酸エチル/ヘキサン)で精製すると、526mg(39.2%)の1−(4−メトキシフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリドンが得られた。この化合物(268.2g、1ミリモル)を、DCM(5mL)中、1M BBr3/ジクロロメタン(DCM、2mL)溶液と0℃で2時間処理する。反応混合物を、DCMで希釈し、水で3回洗浄する。有機相を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして蒸発させた。残留物を、カラムクロマトグラフィー(20%酢酸エチル/DCM)で分離し、オフホワイト色固体として標題化合物226mg(89%)を得た。1H−NMRスペクトルは化合物10の構造と一致した。
1−フェニル−5−アセチル−2−ピリドン(化合物16)の調製:2−メトキシ−5−アセチルピリジン(1.51g、10ミリモル)を6N HClと100℃で5時間処理した。反応混合物を、水酸化ナトリウムでpH7まで中和し、次いで、DCMで数回抽出した。有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発させ、残留物を、酢酸エチルから結晶化して、白色固体として5−アセチル−2(1H)−ピリドン1.06g(78%)を得た。この化合物(685.7mg、5ミリモル)を、DMF(5mL)中、CuI(95mg、0.5ミリモル)およびK2CO3(691mg、5ミリモル)の存在下にヨードベンゼン(0.84mL、7.5ミリモル)と135℃で一夜反応させた。反応混合物を、10%アンモニア(15mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を、飽和塩化ナトリウムで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(10%酢酸エチル/DCM)により、白色固体として407mg(38%)の目的化合物を得た。1H−NMRスペクトルは、化合物16の構造と一致した。
1−(4−ピリジニル)−5−メチル−2−ピリドン(化合物22)の調製:化合物22は、5−メチル−2(1H)−ピリドン(327.4mg、3ミリモル)を、DMF(3mL)中、CuI(60mg、0.3ミリモル)およびK2CO3(1.36g、10ミリモル)の存在下に4−ブロモピリジン塩酸塩(778mg、4ミリモル)と135℃で一夜縮合させて合成した。反応混合物を、10%アンモニア(15mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を、飽和塩化ナトリウムで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(5%MeOH/DCM)により、黄色固体として197mg(35%)の目的化合物を得た。1H−NMRスペクトルは、化合物22の構造と一致した。
1−フェニル−5−メチル−2−ピリジンチオン(化合物18)の調製:1−フェニル−5−メチル−2−ピリジノン(555.7mg、3ミリモル)を、トルエン(5mL)中、ローソン(Lawesson)試薬(606.7mg、1.5ミリモル)と90℃で反応させた。反応混合物を蒸発させ、カラムクロマトグラフィー(20〜30%酢酸エチル/ヘキサン)、続いてメチル−tert−ブチルエーテルからの再結晶によって目的化合物を単離した。収量403mg(67%)、黄色固体。1H−NMRスペクトルは、化合物18の構造と一致した。
心房線維症/細動のトランスジェニックマウスモデルにおける化合物の効力の特徴付け
実験は、ミオシン重鎖(MHC)プロモーターの制御下でTGF−βバリアントを発現するように設計されたトランスジェニックマウスの系統を採用する。このプロモーターから発現されるTGF−βアイソフォームは、位置33にCysからSerへの突然変異を所持し、この突然変異は、活性TGF−βレベルの増加につながる潜在型複合体への会合を妨げる。この導入遺伝子を発現しているマウスは、心房細動の発症性を増加させることが判っている(Verheuleら、Circ Res、2004年、94巻、1458〜65頁)選択的心房線維症を発現する(Nakajimaら、Circ Res.、2000年、86巻、571〜79頁)。
ECGおよび開胸電気生理学的試験
このモデルにおける表面ECGおよび開胸電気生理学に対する心房線維化の影響を判定するための方法は、発表されている(Verheuleら、2004年)。非治療トランスジェニックマウスのECGは、P−波の大きさの減少を示す。トランスジェニックマウスをp38阻害剤化合物で治療すると、P−波の大きさが典型的な値まで回復する予想される。左心房の経食道バーストペーシングは、非治療トランスジェニックマウスのサブセットにおける心房細動を誘発すると予想される。p38阻害剤化合物で治療すると、トランスジェニックマウスにおける心房細動の誘発性または継続期間、あるいはその双方が低下すると予想される。
線維化の組織学的特徴付け
電気生理学的試験に続いて、マウスを屠殺し、線維化を、実施例4に記載したような組織学により特徴付ける。簡潔には、心臓を、固定具(Triangle Biomedical Science、Durham、ノースカロライナ州)に取り付け、ホルマリンで固定し、シリウスレッド/ファーストグリーンまたはマッソントリクロームで染色する。以前の試験は、このモデルにおけるTGF−βの過剰発現は、心房線維化の増加につながることを示した(Verheuleら、Circulation Research、2004年;Nakajimaら、Circulation Research、200)。トランスジェニックマウスをp38阻害剤化合物で治療すると、非治療トランスジェニックマウスと比較して、線維化度が低下すると予想される。
線維化に関連するタンパク質レベルの特徴付け
線維化に関連する重要なタンパク質のレベルは、屠殺に続いて、実施例5に記載のイヌモデルについて説明した方法を使用して観察できる。線維化に関連する重要タンパク質の例には、限定はされないが、TGF−β1(マウスモデル中で発現される導入ヒト遺伝子)、TGF−β1(マウス)、MMP−9、ERK−1/2、JNK、およびp38アイソフォームが含まれる。実施例5に記載のイヌモデルでのように、p38阻害剤化合物で治療すると、これらタンパク質の1種または複数の発現が調節されると予想される。いくつかの実施形態において、p38阻害剤化合物で治療すると、TNF−α(発現低下)および/またはTIMP−4(発現増加)の発現が調節されると予想される。
Claims (142)
- それを必要とする対象における心房細動の治療方法であって、該対象に対して治療有効量のp38阻害剤化合物を投与することを含む方法。
- 前記対象がヒトである、請求項1に記載の方法。
- 前記p38阻害剤化合物が、低効力p38阻害剤化合物である、請求項1または2に記載の方法。
- 前記低効力p38阻害剤化合物が、p38 MAPKの阻害に関して、約100μM〜約1000μMの範囲のIC50を示す、請求項3に記載の方法。
- 前記治療有効量が、p38 MAPKの阻害に関するIC30未満の血中または血清中またはその他の体液中濃度を生じさせる、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記治療有効量が、前記対象において望ましくない副作用を引き起こす量の50%未満である、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
- 前記p38阻害剤化合物の前記治療有効量が、前記細動を抑制する、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
- 前記p38阻害剤化合物の前記治療有効量が、前記細動を阻害する、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
- 前記p38阻害剤化合物の前記治療有効量が、前記細動を終結させる、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
- 前記p38阻害剤化合物の前記治療有効量が、正常な洞調律を回復する、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
- 前記p38阻害剤が、実質上、血行動態的効果を欠く、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
- 前記p38阻害剤化合物が、ピルフェニドンである、請求項1から11のいずれかに記載の方法。
- 前記p38阻害剤化合物が、本明細書に開示の表1中の化合物1から23から選択される、請求項1から11のいずれかに記載の方法。
- 前記p38阻害剤化合物が、部類Iaの化合物の代謝産物、水和物、溶媒和物、またはプロドラッグである、請求項14に記載の方法。
- 前記p38阻害剤化合物が、部類VI
Arは、ピリジニルまたはフェニルであり、
Zは、OまたはSであり、
X3は、H、F、Cl、OH、またはOCH3であり、
R2は、メチル、C(=O)H、C(=O)CH3、C(=O)O−グルコシル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、メチルメトキシル、メチルヒドロキシル、またはフェニルであり、かつ
R4は、Hまたはヒドロキシルであり、
但し、R2がトリフルオロメチルであり、ZがOであり、R4がHであり、かつArがフェニルである場合には、該フェニルは、4’の位置が、H、F、またはOHで、単独では置換されない]のものである、請求項1から11のいずれかに記載の方法。 - 前記投与が、前記p38阻害剤化合物を薬学上許容される担体と組み合わせて投与することを含む、請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
- 前記投与が、前記p38阻害剤化合物を経口で投与することを含む、請求項1から23のいずれか一項に記載の方法。
- 前記投与が、錠剤またはカプセルを投与することを含み、該錠剤またはカプセルが、前記p38阻害剤化合物を含む、請求項1から24のいずれか一項に記載の方法。
- 前記投与が、前記対象に対して1日に1回以上、1つ以上の前記錠剤またはカプセルを投与することを含む、請求項25に記載の方法。
- 前記投与が、前記対象に対して1日に2回、1つ以上の前記カプセルを投与することを含む、請求項26に記載の方法。
- 前記投与が、前記対象に対して1日に3回、1つ以上の前記カプセルを投与することを含む、請求項26に記載の方法。
- 前記投与が、前記p38阻害剤化合物を約100〜約400mgの用量で提供することを含む、請求項1から28のいずれか一項に記載の方法。
- 前記投与が、前記p38阻害剤化合物を、該p38阻害剤化合物の毎日の摂取量が約800〜約4000mg/日であるように投与することを含む、請求項1から29のいずれか一項に記載の方法。
- 前記投与が、前記p38阻害剤化合物を、該p38阻害剤化合物の毎日の摂取量が約1200mg/日以上であるように投与することを含む、請求項1から30のいずれか一項に記載の方法。
- 心房細動の発症に苦しむまたはその危険にさらされている対象を識別することをさらに含む、請求項1から31のいずれか一項に記載の方法。
- それを必要とする対象における不整脈の予防方法であって、該対象に対してp38阻害剤化合物を、該不整脈を予防するのに有効な量で投与することを含む方法。
- 前記不整脈が、心房細動である、請求項32に記載の方法。
- 前記対象がヒトである、請求項33または34に記載の方法。
- 前記p38阻害剤化合物が、低効力p38阻害剤化合物である、請求項33から35のいずれか一項に記載の方法。
- 前記低効力p38阻害剤化合物が、p38 MAPKの阻害に関して、約100μM〜約1000μMの範囲のIC50を示す、請求項36に記載の方法。
- 前記治療有効量が、p38 MAPKの阻害に関するIC30未満の血中または血清中またはその他の体液中濃度を生じさせる、請求項33から37のいずれか一項に記載の方法。
- 前記治療有効量が、前記対象において望ましくない副作用を引き起こす量の50%未満である、請求項33から38のいずれかに記載の方法。
- 前記p38阻害剤が、実質上、血行動態的効果を欠く、請求項33から39のいずれかに記載の方法。
- 前記p38阻害剤化合物が、ピルフェニドンである、請求項33から40のいずれかに記載の方法。
- 前記p38阻害剤化合物が、本明細書に開示の表1中の化合物1から23から選択される、請求項33から41のいずれかに記載の方法。
- 前記p38阻害剤化合物が、部類Iaの化合物の代謝産物、水和物、溶媒和物、またはプロドラッグである、請求項43に記載の方法。
- 前記p38阻害剤化合物が、部類VI
Arは、ピリジニルまたはフェニルであり、
Zは、OまたはSであり、
X3は、H、F、Cl、OH、またはOCH3であり、
R2は、メチル、C(=O)H、C(=O)CH3、C(=O)O−グルコシル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、メチルメトキシル、メチルヒドロキシル、またはフェニルであり、かつ
R4は、Hまたはヒドロキシルであり、
但し、R2がトリフルオロメチルであり、ZがOであり、R4がHであり、かつArがフェニルである場合には、該フェニルは、4’の位置が、H、F、またはOHで、単独では置換されない]のものである、請求項33から42のいずれかに記載の方法。 - 前記投与が、前記p38阻害剤化合物を薬学上許容される担体と組み合わせて投与することを含む、請求項33から51のいずれか一項に記載の方法。
- 前記投与が、前記p38阻害剤化合物を経口で投与することを含む、請求項33から52のいずれか一項に記載の方法。
- 前記投与が、錠剤またはカプセルを投与することを含み、該錠剤またはカプセルが、前記p38阻害剤化合物を含む、請求項33から54のいずれか一項に記載の方法。
- 前記投与が、前記対象に対して1日に1回以上、1つ以上の前記錠剤またはカプセルを投与することを含む、請求項54に記載の方法。
- 前記投与が、前記対象に対して1日に2回、1つ以上の前記カプセルを投与することを含む、請求項55に記載の方法。
- 前記投与が、前記対象に対して1日に3回、1つ以上の前記カプセルを投与することを含む、請求項55に記載の方法。
- 前記投与が、前記p38阻害剤化合物を約100〜約400mgの用量で提供することを含む、請求項33〜57のいずれか一項に記載の方法。
- 前記投与が、前記p38阻害剤化合物を、該p38阻害剤化合物の毎日の摂取量が約800〜約4000mg/日であるように投与することを含む、請求項33から58のいずれか一項に記載の方法。
- 前記投与が、前記p38阻害剤化合物を、該p38阻害剤化合物の毎日の摂取量が約1200mg/日以上であるように投与することを含む、請求項33から59のいずれか一項に記載の方法。
- 不整脈の危険にさらされているまたは不整脈を経験している不整脈対象を識別することをさらに含む、請求項33から60のいずれか一項に記載の方法。
- 心臓障害を有する対象における心房細動の予防方法であって、対象に対して治療有効量のp38阻害剤化合物を投与することを含む方法。
- 前記対象がヒトである、請求項62に記載の方法。
- 前記p38阻害剤化合物が、低効力p38阻害剤化合物である、請求項62または63に記載の方法。
- 前記低効力p38阻害剤化合物が、p38 MAPKの阻害に関して、約100μM〜約1000μMの範囲のIC50を示す、請求項64に記載の方法。
- 前記治療有効量が、p38 MAPKの阻害に関するIC30未満の血中または血清中またはその他の体液中濃度を生じさせる、請求項62から65のいずれか一項に記載の方法。
- 前記治療有効量が、前記対象において望ましくない副作用を引き起こす量の50%未満である、請求項62から66のいずれかに記載の方法。
- 前記p38阻害剤が、実質上、血行動態的効果を欠く、請求項62から67のいずれかに記載の方法。
- 前記p38阻害剤化合物が、ピルフェニドンである、請求項62から68のいずれかに記載の方法。
- 前記p38阻害剤化合物が、本明細書に開示の表1中の化合物1から23から選択される、請求項62から68のいずれかに記載の方法。
- 前記p38阻害剤化合物が、部類Iaの化合物の代謝産物、水和物、溶媒和物、またはプロドラッグである、請求項71に記載の方法。
- 前記p38阻害剤化合物が、部類VI
Arは、ピリジニルまたはフェニルであり、
Zは、OまたはSであり、
X3は、H、F、Cl、OH、またはOCH3であり、
R2は、メチル、C(=O)H、C(=O)CH3、C(=O)O−グルコシル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、メチルメトキシル、メチルヒドロキシル、またはフェニルであり、かつ
R4は、Hまたはヒドロキシルであり、
但し、R2がトリフルオロメチルであり、ZがOであり、R4がHであり、かつArがフェニルである場合には、該フェニルは、4’の位置が、H、F、またはOHで、単独では置換されない]のものである、請求項62から68のいずれかに記載の方法。 - 前記投与が、前記p38阻害剤化合物を薬学上許容される担体と組み合わせて投与することを含む、請求項62から79のいずれか一項に記載の方法。
- 前記投与が、前記p38阻害剤化合物を経口で投与することを含む、請求項62から80のいずれか一項に記載の方法。
- 前記投与が、錠剤またはカプセルを投与することを含み、該錠剤またはカプセルが、前記p38阻害剤化合物を含む、請求項62から81のいずれか一項に記載の方法。
- 前記投与が、前記対象に対して1日に1回以上、1つ以上の前記錠剤またはカプセルを投与することを含む、請求項82に記載の方法。
- 前記投与が、前記対象に対して1日に2回、1つ以上の前記カプセルを投与することを含む、請求項83に記載の方法。
- 前記投与が、前記対象に対して1日に3回、1つ以上の前記カプセルを投与することを含む、請求項83に記載の方法。
- 前記投与が、前記p38阻害剤化合物を約100〜約400mgの用量で提供することを含む、請求項62から85のいずれか一項に記載の方法。
- 前記投与が、前記p38阻害剤化合物を、該p38阻害剤化合物の毎日の摂取量が約800〜約4000mg/日であるように投与することを含む、請求項62から86のいずれか一項に記載の方法。
- 前記投与が、前記p38阻害剤化合物を、該p38阻害剤化合物の毎日の摂取量が約1200mg/日以上であるように投与することを含む、請求項62から87のいずれか一項に記載の方法。
- 心臓障害を患う対象を識別することをさらに含む、請求項62から88のいずれか一項に記載の方法。
- それを必要とする対象における心房線維化の予防方法であって、該対象に対して治療有効量のp38阻害剤化合物を投与することを含む方法。
- 前記対象がヒトである、請求項90に記載の方法。
- 前記p38阻害剤化合物が、低効力p38阻害剤化合物である、請求項90または91に記載の方法。
- 前記低効力p38阻害剤化合物が、p38 MAPKの阻害に関して、約100μM〜約1000μMの範囲のIC50を示す、請求項92に記載の方法。
- 前記治療有効量が、p38 MAPKの阻害に関するIC30未満の血中または血清中またはその他の体液中濃度を生じさせる、請求項90〜93のいずれか一項に記載の方法。
- 前記治療有効量が、前記対象において望ましくない副作用を引き起こす量の50%未満である、請求項90〜94のいずれかに記載の方法。
- 前記p38阻害剤が、実質上、血行動態的効果を欠く、請求項90〜95のいずれかに記載の方法。
- 前記p38阻害剤化合物が、ピルフェニドンである、請求項90から96のいずれかに記載の方法。
- 前記p38阻害剤化合物が、本明細書に開示の表1中の化合物1〜23から選択される、請求項90から96のいずれかに記載の方法。
- 前記p38阻害剤化合物が、部類Iaの化合物の代謝産物、水和物、溶媒和物、またはプロドラッグである、請求項99に記載の方法。
- 前記p38阻害剤化合物が、部類VI
Arは、ピリジニルまたはフェニルであり、
Zは、OまたはSであり、
X3は、H、F、Cl、OH、またはOCH3であり、
R2は、メチル、C(=O)H、C(=O)CH3、C(=O)O−グルコシル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、メチルメトキシル、メチルヒドロキシル、またはフェニルであり、かつ
R4は、Hまたはヒドロキシルであり、
但し、R2がトリフルオロメチルであり、ZがOであり、R4がHであり、かつArがフェニルである場合には、該フェニルは、4’の位置が、H、F、またはOHで、単独では置換されない]のものである、請求項90から96のいずれかに記載の方法。 - 前記投与が、前記p38阻害剤化合物を薬学上許容される担体と組み合わせて投与することを含む、請求項90から107のいずれか一項に記載の方法。
- 前記投与が、前記p38阻害剤化合物を経口で投与することを含む、請求項90から108のいずれか一項に記載の方法。
- 前記投与が、錠剤またはカプセルを投与することを含み、該錠剤またはカプセルが、前記p38阻害剤化合物を含む、請求項90から109のいずれか一項に記載の方法。
- 前記投与が、前記対象に対して1日に1回以上、1つ以上の前記錠剤またはカプセルを投与することを含む、請求項110に記載の方法。
- 前記投与が、前記対象に対して1日に2回、1つ以上の前記カプセルを投与することを含む、請求項111に記載の方法。
- 前記投与が、前記対象に対して1日に3回、1つ以上の前記カプセルを投与することを含む、請求項111に記載の方法。
- 前記投与が、前記p38阻害剤化合物を約100〜約400mgの用量で提供することを含む、請求項90から113のいずれか一項に記載の方法。
- 前記投与が、前記p38阻害剤化合物を、該p38阻害剤化合物の毎日の摂取量が約800〜約4000mg/日であるように投与することを含む、請求項90から114のいずれか一項に記載の方法。
- 前記投与が、前記p38阻害剤化合物を、該p38阻害剤化合物の毎日の摂取量が約1200mg/日以上であるように投与することを含む、請求項90から115のいずれか一項に記載の方法。
- 心房細動を患う対象を識別することをさらに含む、請求項90から116のいずれか一項に記載の方法。
- 有効治療量または有効抑制量のp38阻害剤化合物を含有する、心房細動を治療または抑制するための医薬組成物。
- 前記p38阻害剤化合物が、低効力p38阻害剤化合物である、請求項118に記載の組成物。
- 前記低効力p38阻害剤化合物が、p38 MAPKの阻害に関して、約100μM〜約1000μMの範囲のIC50を示す、請求項119に記載の組成物。
- 前記有効治療量または有効抑制量が、p38 MAPKの阻害に関するIC30未満の血中または血清中またはその他の体液中濃度を生じさせる、請求項118から120のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記有効治療量または有効抑制量が、前記対象において望ましくない副作用を引き起こす量の50%未満である、請求項118から121のいずれかに記載の組成物。
- 前記p38阻害剤化合物の前記有効治療量または有効抑制量が、心房細動を抑制する、請求項118から122のいずれかに記載の組成物。
- 前記p38阻害剤化合物の前記有効治療量または有効抑制量が、心房細動を阻害する、請求項118から122のいずれかに記載の組成物。
- 前記p38阻害剤化合物の前記有効治療量または有効抑制量が、心房細動を終結させる、請求項118から122のいずれかに記載の組成物。
- 前記p38阻害剤化合物の前記有効治療量または有効抑制量が、正常な洞調律を回復する、請求項118から122のいずれかに記載の組成物。
- 前記p38阻害剤が、実質上、血行動態的効果を欠く、請求項118から126のいずれかに記載の組成物。
- 前記p38阻害剤化合物が、ピルフェニドンである、請求項118から127のいずれかに記載の組成物。
- 前記p38阻害剤化合物が、本明細書に開示の表1中の化合物1から23から選択される、請求項118から127のいずれかに記載の組成物。
- 前記p38阻害剤化合物が、部類Iaの化合物の代謝産物、水和物、溶媒和物、またはプロドラッグである、請求項130に記載の組成物。
- 前記p38阻害剤化合物が、部類VI
Arは、ピリジニルまたはフェニルであり、
Zは、OまたはSであり、
X3は、H、F、Cl、OH、またはOCH3であり、
R2は、メチル、C(=O)H、C(=O)CH3、C(=O)O−グルコシル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、メチルメトキシル、メチルヒドロキシル、またはフェニルであり、かつ
R4は、Hまたはヒドロキシルであり、
但し、R2がトリフルオロメチルであり、ZがOであり、R4がHであり、かつArがフェニルである場合には、該フェニルは、4’の位置が、H、F、またはOHで、単独では置換されない]のものである、請求項118から127のいずれか一項に記載の組成物。 - 前記p38阻害剤化合物を薬学上許容される担体と組み合わせて含有する、請求項118から138のいずれか一項に記載の組成物。
- 経口投与用である、請求項118から139のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記p38阻害剤化合物を含有する錠剤またはカプセルの形態である、請求項118から140のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記p38阻害剤化合物を約100〜約400mgの用量で含有する、請求項118から141のいずれか一項に記載の組成物。
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