JPH10139664A - 抗不整脈薬 - Google Patents

抗不整脈薬

Info

Publication number
JPH10139664A
JPH10139664A JP30067396A JP30067396A JPH10139664A JP H10139664 A JPH10139664 A JP H10139664A JP 30067396 A JP30067396 A JP 30067396A JP 30067396 A JP30067396 A JP 30067396A JP H10139664 A JPH10139664 A JP H10139664A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
administration
dha
ascorbic acid
arrhythmia
aconitine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP30067396A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuyoshi Yazawa
一良 矢澤
Chikako Ishikawa
千夏子 石川
Sei Kondo
聖 近藤
Yasunori Momose
弥寿徳 百瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sagami Chemical Research Institute
Original Assignee
Sagami Chemical Research Institute
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sagami Chemical Research Institute filed Critical Sagami Chemical Research Institute
Priority to JP30067396A priority Critical patent/JPH10139664A/ja
Publication of JPH10139664A publication Critical patent/JPH10139664A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Furan Compounds (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた抗不整脈作用を有する新規な抗不整脈
薬を提供する。 【解決手段】 ドコサヘキサエン酸のアスコルビン酸エ
ステルを有効成分として含有することを特徴とする抗不
整脈薬。 【効果】 上記抗不整脈薬の前投与は、ウィスター系雄
性ラットにアコニチンを投与することにより誘発される
不整脈を抑制し、さらに、誘発された不整脈の心室細動
へ移行をも抑制する。このことから、頻拍性不整脈とし
ての心室細動・粗動の予防及び治療薬として期待され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は頻拍性不整脈として
の心室細動・粗動の予防並びに治療に有効な抗不整脈薬
に関し、更に詳しくは、ドコサヘキサエン酸のアスコル
ビン酸エステルを有効成分として含有することを特徴と
する抗不整脈薬に関するものである。
【0002】
【従来の技術】抗不整脈薬には、Naチャネルの遮断作用
による薬剤、キニジン、リドカイン、フレカイニド、β
遮断薬、プロプラノール、活動電位の持続時間を遅延さ
せるアシオダロン、Caチャネル遮断薬、ベラパミール等
がある。抗不整脈薬には、それぞれ長所と短所があり、
時として不整脈を誘発する作用、即ち催不整脈作用を有
することなど、その副作用が大きな問題となっている。
そのため、臨床家からも使いやすい抗不整脈薬が待望さ
れている。
【0003】本発明の抗不整脈薬の製造原料であるドコ
サヘキサエン酸は、幾つかの有用な生理作用を有するこ
とが知られている。例えば、特開平4−29928号公
報には抗不整脈薬として記載されているが、試験方法は
虚血に対する評価であるとの疑問があり、かつ、この作
用を発揮するためには多量のドコサヘキサエン酸を必要
とする。ドコサヘキサエン酸のアスコルビン酸エステル
については、特開平3−99073号、特開平6−
263634号に記載されている。の公報にはアスコ
ルビン酸の抗酸化作用及びビタミンC効果と高度不飽和
脂肪酸の生理活性効果をあわせ持つ、用途の応用性の高
いアスコルビン酸エステルであるとの記載があるにすぎ
ない。の公報にはL-タイプのカルシウムチャネルを遮
断し、心筋収縮抑制作用を示すことからカルシウム拮抗
薬としての虚血性心疾患および高血圧症の予防及び治療
薬の用途が記載されている。しかしながら、タイプが限
定されており、ましてや、NaやKチャネルの抑制等の抗
不整脈作用を有することについては全く知られていな
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、優れ
た抗不整脈作用を有し、かつ副作用の少ない薬剤を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、アコニチ
ンを投与することにより誘発される不整脈について、心
電図および血圧を指標として鋭意検討した結果、ドコサ
ヘキサエン酸のアスコルビン酸エステルの前投与が頻拍
性不整脈、特に心室細動・粗動を抑制することを見い出
し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は下記の式
【0007】
【化2】
【0008】で示されるドコサヘキサエン酸のアスコル
ビン酸エステル(以下DHA−Asと略す。)を有効成
分として含有することを特徴とする抗不整脈薬に関する
ものである。
【0009】本発明において、アスコルビン酸とは、ア
スコルビン酸のみならず、イソアスコルビン酸のような
他の立体異性体をも包含するものである。
【0010】本発明の抗不整脈薬であるDHA−As
は、前記特開平6−135956号に記載の方法によ
り、ドコサヘキサエン酸とアスコルビン酸とから製造す
ることができる化合物である。
【0011】本発明の抗不整脈薬は治療のために経口的
あるいは非経口的に投与することができる。経口投与剤
としては散剤、顆粒剤、カプセル剤、錠剤などの固形製
剤あるいはシロップ剤、エリキシル剤などの液状製剤と
することができる。また、非経口投与剤として注射剤、
経皮製剤あるいは座薬等とすることができる。
【0012】これらの製剤は活性成分に薬理学的、製剤
学的に認容される製造助剤を加えることにより常法に従
って製造される。更に公知の技術により持続性製剤とす
ることも可能である。当該製造助剤を用いる場合は、本
発明の抗不整脈薬中のDHA−Asの配合量は通常は
0.1〜10重量%、好ましくは0.2〜5重量%であ
る。
【0013】上記製造助剤としては、内服用製剤(経口
剤)、注射用製剤(注射剤)、粘膜投与剤(バッカル、
トロ−チ、坐剤等)、外用剤(軟膏、貼付剤等)などの
投与経路に応じた適当な製剤用成分が使用される。例え
ば、経口剤および粘膜投与剤にあっては、賦形剤(例:
澱粉、乳糖、結晶セルロース、乳糖カルシウム、メタケ
イ酸アルミン酸マグネシウム、無水ケイ酸)、崩壊剤
(例:カルボキシメチルセルロ−ス、カルボキシメチル
セルロースカルシウム)、滑沢剤(例:ステアリン酸マ
グネシム、タルク)、コ−テング剤(例:ヒドロキシエ
チルセルロ−ス)、矯味剤などの製剤用成分が、また注
射剤にあっては、水性注射剤を構成し得る溶解剤ないし
溶解補助剤(例:注射用蒸留水、生理食塩水、プロピレ
ングリコ−ル)、懸濁化剤(例:ポリソルベ−ト80な
どの界面活性剤)、pH調整剤(例:有機酸またはその
金属塩)、安定剤などの製剤用成分が、さらに外用剤に
あっては、水性ないし油性の溶解剤ないし溶解補助剤
(例:アルコ−ル、脂肪酸エステル類)、粘着剤(例:
カルボキシビニルポリマ−、多糖類)、乳化剤(例:界
面活性剤)などの製剤用成分が使用される。
【0014】上記構成を有する本発明の抗不整脈薬は、
公知の製造法、例えば日本薬局方第10版製剤総則記載
の方法ないし適当な改良を加えた方法によって製造する
ことができる。
【0015】投与量は、対象疾患の種類、患者の年齢、
性別、体重、症状、あるいは投与形態により異なるが、
一般には、DHA−Asの量として、1日あたり約0.
01〜500mg、好ましくは0.1〜250mgであ
り、1回あるいは数回に分けて服用される。
【0016】〔試験方法1〕実験にはウィスター系雄性
ラット(10〜11週齢、体重360〜500g)5匹
を用いた。ラットをペントバルビタール30mg/kgの腹腔
内投与により麻酔した。気管内にカニューレを挿入し、
人口呼吸器(SN-480-7)に接続した。呼気量は10ml/1回、
換気量は70回/分とした。心電図は四肢および心尖部の
皮下に刺した電極から誘導し、心電計を介し記録した。
心電図は第II誘導で測定した。血圧は左大腿動脈へ挿入
したカニューレから圧トランスジューサおよび血圧測定
アンプを介して測定した。また同時に、左大腿動脈にカ
ニューレを挿入し、薬物を投与した。 DHA−As〔ドコサヘキサエン酸のアスコルビン酸エ
ステル(M.W. 486)〕は生理食塩水に溶解して1mg/mlと
して用いた。また、不整脈は、Na、K交換機構を介する
もので、NaやKのオーバロードに因ると考えられている
アコニチン(aconitin)を用い、その粉末1.0mgを500μl
のジメチルスルホキシドに溶かし、生理食塩水を加え25
μg/mlの溶液として投与し誘発させた。 〔不整脈の同定および死亡の判定〕不整脈、心室細動(V
F:Ventricular Fibrillation)は心電図上のQRS波の識別
が不可能な波形と定義した。死亡は収縮期血圧が0mmHg
で、しかもその状態が2分以上持続した場合と定義し
た。以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
【0017】
【実施例】 〔試験結果1 アコニチンによる心室細動(VF)の発生〕
アコニチン投与による、心電図と血圧の変化を図1に示
す。1回目のアコニチン(6.2μg/kg)投与では、心電図
にはほとんど変化は見られなかった。続けて、アコニチ
ン12.5μg/kgを投与したところ、20秒後に不整脈が誘発
され、心室細動へ移行後、6分後に死亡した。したがっ
て、合計約20μg/kgのアコニチンの投与でラットは死亡
したことになる。
【0018】〔試験結果2 DHA−Asの累積投与に
よる心電図の変化〕コントロールとして、DHA−As
(1mg/kg)を35分間隔で6回投与した(図2)。1〜4回
目において、DHA−Asの投与直後に血圧の低下とP
波消失の徐脈性不整脈の発生が認められた。しかしこの
現象は、一過性かつ短時間で消失し、5回目以降では著
しい不整脈の発生は認められなくなった。
【0019】〔試験結果3 DHA−Asの前投与にお
けるアコニチン誘発不整脈〕生理食塩水0.5mlを投与
し、心電図に変化が見られないことを確認した後、試験
を開始した。 始めに、DHA−As(1mg/kg)を投与
し、次に、アコニチン12.5μg/kgを投与した。投与間隔
は、約30分とした。このDHA−Asとアコニチンの投
与を繰り返し行った。但し、第4回目のアコニチンの投
与量は25μg/kgとし、第5回目はDHA−Asのみを投
与した。結果を図3に示す。1回目のDHA−As(1mg
/kg)の投与では、一過性かつ短時間の徐脈性不整脈の発
生が認められたが、2回目以降のDHA−Asの投与で
は不整脈の発生は認められなかった。アコニチンの投与
についてみてみると、1、2回目共に不整脈の発生は認
められなかった。3回目では不整脈を発生し、約40分後
に解消した。4回目(累積投与量62.5μg/kg)でも不整
脈を発生し、第5回目のDHA−As(1mg/kg)を投与し
て約30分経過後、不整脈は消失した。
【0020】これらのことから、DHA−Asの前投与
は、アコニチンによる不整脈の誘発を明らかに抑制し、
さらに、誘発された不整脈の心室細動への移行をも抑制
したことになる。
【0021】〔比較対照試験結果1 リドカインの前投
与におけるアコニチン誘発不整脈〕対照薬として、Naチ
ャネル遮断薬であるリドカイン(1.5mg/kg)の前投与で
は、アコニチン(12.5μg/kg投与)による不整脈の誘発を
抑制する効果は認められなかった。
【0022】〔比較対照試験結果2 DHA、Asの前
投与におけるアコニチン誘発不整脈〕DHA(200mg/k
g)、As(1mg/kg)それぞれ単独の前投与では、アコニチ
ン(12.5μg/kg投与)により誘発される不整脈の抑制は認
められなかった。
【0023】
【発明の効果】本発明のDHA−As抗不整脈薬はウィ
スター系雄性ラットにおいて、アコニチンによる不整脈
の誘発を明らかに抑制し、さらに、誘発された不整脈の
心室細動への移行をも抑制した。このDHA−Asによ
る不整脈の抑制作用は、刺激伝導系の作用に基づくもの
と考えられるが、対照薬であるリドカインには認められ
ない強力なものであった。従って、本発明の抗不整脈薬
は、頻拍性不整脈としての心室細動・粗動の予防及び治
療薬として有望である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、アコニチン投与による、心電図及び血
圧の変化を表す。
【図2】図2は、DHA−Asの累積投与による、心電
図及び血圧の変化を表す。
【図3】図3は、約30分の間隔で、DHA−As、アコ
ニチンの順に投与を繰り返した時の心電図と血圧の変化
を表す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の式 【化1】 で示されるドコサヘキサエン酸のアスコルビン酸エステ
    ルを有効成分として含有することを特徴とする抗不整脈
    薬。
JP30067396A 1996-11-12 1996-11-12 抗不整脈薬 Pending JPH10139664A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30067396A JPH10139664A (ja) 1996-11-12 1996-11-12 抗不整脈薬

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30067396A JPH10139664A (ja) 1996-11-12 1996-11-12 抗不整脈薬

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10139664A true JPH10139664A (ja) 1998-05-26

Family

ID=17887703

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30067396A Pending JPH10139664A (ja) 1996-11-12 1996-11-12 抗不整脈薬

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10139664A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003146874A (ja) * 2001-11-12 2003-05-21 Quatex Nv 大心血管イベントの一次予防のための多価不飽和脂肪酸の使用
US7989642B2 (en) 2003-02-28 2011-08-02 Suntory Holdings Limited Process for producing powdered compositions containing highly unsaturated fatty acid esters of ascorbic acid and powdered compositions containing the esters
TWI386166B (zh) * 2004-08-18 2013-02-21 Suntory Holdings Ltd 含有6-0-pufa抗壞血酸酯類之護膚產品、食品及飲料

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003146874A (ja) * 2001-11-12 2003-05-21 Quatex Nv 大心血管イベントの一次予防のための多価不飽和脂肪酸の使用
JP4731789B2 (ja) * 2001-11-12 2011-07-27 プロ・アパルツ・インベステイメントス・エ・コンサルトリア・リミターダ 大心血管イベントの一次予防のための多価不飽和脂肪酸の使用
US7989642B2 (en) 2003-02-28 2011-08-02 Suntory Holdings Limited Process for producing powdered compositions containing highly unsaturated fatty acid esters of ascorbic acid and powdered compositions containing the esters
TWI386166B (zh) * 2004-08-18 2013-02-21 Suntory Holdings Ltd 含有6-0-pufa抗壞血酸酯類之護膚產品、食品及飲料

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3313714B2 (ja) 抗虚血薬剤
JP2002540144A (ja) 心血管及び関連病理学治療のためのピリドキシン化合物の使用
US20110166220A1 (en) Dronedarone for the prevention of permanent atrial fibrillation
WO2016091996A1 (en) Dosing regimen for a selective s1p1 receptor agonist
AU2020203936A1 (en) The use of isosteviol in the manufacture of medicament for treatment of cardiac fibrosis remodeling
JP6052175B2 (ja) 左室拡張機能改善剤
JP2017186353A (ja) Sglt2阻害薬と抗高血圧薬との組み合わせ
US20210283049A1 (en) Intravenous sotalol hydrochloride loading and maintenance for cardiac surgery patients
JPH0761923A (ja) アルツハイマー病治療剤
MX2014003256A (es) Uso de hidroxamatos de indolilo e indolinilo para tratar insuficiencia cardiaca o lesion neuronal.
JPH10139664A (ja) 抗不整脈薬
JP2710633B2 (ja) 心臓疾患治療剤
Iacobellis et al. Combined treatment with tranexamic acid and oral contraceptive pill causes coronary ulcerated plaque and acute myocardial infarction
Sloman et al. Oral disopyramide in the management of cardiac arrhythmias
Yeşil et al. Cardioversion with sotalol in selected patients with vagally and adrenergically mediated paroxysmal atrial fibrillation
EP2386300A1 (en) Use of dronedarone for the preparation of a medicament for use in the prevention of cardiovascular hospitalization or of mortality in patients having a first recurrence of atrial fibrillation or atrial flutter
US6911209B1 (en) Method of treating sick sinus syndrome with levosimendan
JP2000034231A (ja) ロラタジンを含んでなる不整脈治療剤
RU2320328C2 (ru) Способ лечения персистирующей формы фибрилляции предсердий
EA003470B1 (ru) Фармацевтическая композиция тгп и ингибитора апф
JP2003512328A5 (ja)
JP3758700B2 (ja) 徐脈性不整脈治療剤
JPH08165239A (ja) 抗動脈硬化剤
CN114099679A (zh) 钠-葡萄糖协同转运蛋白2抑制剂的新用途
WO2008043211A1 (fr) Utilisation de la kétansérine pour la préparation de médicaments prévenant l'apoplexie cérébrale