JP2009506836A - 生物学的に統合された電極装置 - Google Patents

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アビディアン、モハンマド、レーザ
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Abstract

向上した生体適合性及び生体模倣の特徴を持つバイオ電極が提供された。このバイオ電極を製造しそして使用する方法も提供された。第一電気伝導性基質及び生物学的要素を含むバイオ電極を使用して電子的信号を検出するための生物学的に統合されたバイオ電極及び方法。このバイオ電極はバイオ電極を規定する第一電気伝導性基質及び生物学的要素に電気的に結合した伝導性ポリマーを含む。このバイオ電極は電気伝導性基質及び生物学的要素及び伝導性ポリマーの間の電気信号を伝達又は受信することができる。

Description

政府の権利
この開示は、国立科学財団助成金No.DMR−0084304及び国立衛生研究所助成金No.N01−NS−1−2338による政府の支援により行われた。政府は本発明に一定の権利を保有する。
この教示は、生物学的構成要素が存在する中に伝導性ポリマーが無毒性で堆積しそして重合することにより形成される生体適合性で、生物学的に統合された電極装置に関係する。特に、本教示は、バイオ電極と種々の生物学的及び化学的標的の間の電気的、化学的及びイオン的相互作用の検出、刺激及び記録のための装置及び方法に関係する。この方法は、伝導性ポリマーとバイオ電極と相互作用することができる周囲の組織、細胞、化学物質、電解質、チャージキャリアー受容体及び酵素の間の電荷移動相互作用の検出と刺激のために使用することができる。
本質的に、「伝導性ポリマー」(π−結合伝導性ポリマー)及び伝導性ドーパントを含有する非伝導性ポリマーは、以前から存在する電極、プローブ及びセンサーのための独特の電気的、生化学的及び電気活性特性を示す生体適合ポリマーコーティング材料として有用である。重合して伝導性ポリマーを形成するモノマーは、3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDOT)、ピロール、アニリン、アセチレン、チオフェン及びそれらの混合物の一つ以上を含むことができる。
生物医学装置の電極として現在使用されている表面及び大量の材料は生体適合性に限界があり、埋め込まれた装置の近傍に組織傷害及び炎症を生じる。限定された生体適合性に加えて、慢性陰性免疫系反応の刺激はしばしば存在する移植電極の生体汚染及び装置表面物質の腐食を生じる。中枢神経系(CNS)を含む種々の生体組織は埋め込んだ装置に否定的に反応し、埋め込んだ部位、使用した材料及び電極の形態及び埋め込みの方法の相違によりその重症度はまちまちである。CNSに埋め込み可能な装置の慢性的拒絶反応は、フィラメントタンパク質及びビメンチンの発現増加による周囲の星状細胞の肥大反応により特徴付けることができる。装置表面へのタンパク質の吸着に加えて、ミクログリア細胞及び異物巨細胞が埋め込んだ装置を包み、装置がカプセルの中に閉じ込められ、電気抵抗の高い繊維質の瘢痕組織を生じる。これにより、組織と装置の間の信号伝達は減少し、最終的に無くなる。同様な異物反応は、新規の埋め込み生物医学装置の主要な標的である脳、心臓及び皮膚を含めて、ヒト及び動物の組織全てに認められる。生体非適合性は、現在開発中の新しい埋め込み可能な生物医学装置の重要な弱点であり、インビボにおける試験及び使用に成功するために真っ先に解決すべき障碍である。
埋め込み可能な電極及びセンサーの表面の修飾は、長期的生体適合性及び電気的性能の両者の改善をもたらすはずである。電極の部位を生きている組織に密着して境界面を接することができ、同時にイオン伝導性の組織から電気伝導性の電極へ有効に電荷を移動させ、周囲の組織を埋め込まれた装置に接着又は直接境界面を接しさせる電極装置を設計することは非常に好ましいであろう。
要約
本教示は、電気化学的に検出しそして刺激する装置を構築するための組成物を提供し、その中の電極は記録及び刺激操作の間生物学的要素に密着して接触している。電気的に伝導性の物質又は作動中の電極は、生きている組織、細胞、細胞構成成分及び人工的足場の存在する中に伝導性ポリマーとして重合することができる伝導性ポリマーでコーティングされており、それはバイオ電極の有効表面積を大きく増加し、インピーダンスの減少を生じ、そして生体適合性を増加し、それにより信号伝達を容易にする。生物学的に統合された電極は、埋め込んだ時に周囲の細胞及び/又は組織と電気伝導性物質が境界を接することにより、さらに電気伝導性基質を安定化させ、そして好ましくない免疫拒絶反応の形成を予防する生物活性物質を負荷することができる。
本教示の別の態様は、第一の電気伝導性物質及び生物学的要素を含む生物学的に統合された電極に関係する。バイオ電極は、又生物学的要素に第一の伝導性物質を電気的に結合する一つ以上の伝導性ポリマーを含む伝導性ポリマーを含み、バイオ電極を定義する。バイオ電極は、第一の電気伝導物質及び生物学的要素及び伝導性ポリマーの間の電気信号を伝達又は受け取ることができる。
本教示の別の態様は、生きている組織中の細胞間又は細胞内の電荷の移動を電気的に検出する方法に関係する。この方法は、電荷を移動させることができる組織と密着して接触した第一の電気伝導性物質又は作動電極を含むバイオ電極装置を提供するステップを含む。バイオ電極装置は第一の電気伝導性基質及び生物学的要素から作られている。バイオ電極は、また第一の電気伝導性物質を生物学的要素に電気的に結合している伝導性ポリマーを含み、集合してバイオ電極を定義する。このバイオ電極は、第一の電気伝導性物質、生物学的要素のいずれか一つ及び伝導性ポリマーの間の電気信号を伝達するか又は受け取ることができる。この方法は、又バイオ電極装置及びバイオ電極と電気的に結合した第二の電気伝導性物質(別の電極)を電源に電気的に連結することも含む。この方法は、さらに、第一及び第二の電気伝導性物質を横断して電圧又は電流を適用することを含み、それによりこの伝導性ポリマーを通る電圧又は電流を誘発する。この方法は、バイオ電極装置により電気信号の移動の検出もする。
本教示のこの他の応用分野は、この後に示される詳細な説明により明らかになるであろう。詳細な説明及び特定の実施例は、本教示の一定の態様を示しているが、説明の目的のみを意図しており、この発明の範囲を限定することは意図していないことは理解されなければならない。
図面
ここに記述された図面は、いずれにしても、説明の目的のためだけのものであり、本開示の範囲を限定することは意図していない。
本教示の一定の態様により考慮されている生体適合性電極(バイオ電極)、改良電極及びコーティングは、インビボ条件において低い生分解性、低い電気的インピーダンス、長期の電気的安定性を持つ電極装置及び/又は伝導性ポリマーコーティングを含み、機械的に柔らかであり、ナノメーター及びマイクロメーターの表面特徴を持つ(細胞特徴/細胞表面を模った及びパターンを持つ)生体模倣物である。本教示の一定の態様は、伝導性の細胞を模った、生きた細胞を接種したバイオ電極、又は分子電極ネットワークに関係し、それらはいずれの分子種にも適用することができ、例えば:伝導性高分子ネットワークを形成することができる:ポリマー又は高分子の状態において生体適合性で無毒性及び/又は非免疫原性である:UV/光、電気、熱、化学又は自働開始のいずれかにより電気化学又は化学的重合又は交差結合することにより水又は食塩液の溶液又はモノマー単位のゲル又は小型のオリゴマー成分から高分子又はポリマーフィルム又はネットワークを調製することができることを含む。こうして得られた電気伝導性フィルム及び電極被膜は、実施している間、機械的に安定であり、分解に抵抗し、そして電気的完全性と連結性を維持することができる。
組織、細胞及び膜、受容体、抗体、イオン−チャネル、成長因子及びその他の生物学的分子及び作用物質を含む細胞構成物を含む生化学的要素の存在する中で重合した該電気伝導性ポリマーにより、マクロ、マイクロ及びナノ−スケールの部品を持つ装置が形作られる。本教示のバイオ電極、改良電極及び電極被膜は、組織に埋め込まれた後に電気的に安定であり、シリコン、白金、イリジウム、インジウム、酸化チタン及びタングステンのような一般的に使用されている伝導性基質材料に比較して非生分解性であるが生体適合性があり、免疫反応の発現のレベルが低い電極及び電極被膜材料を含む有用な特徴を示す。本教示のバイオ電極又は電極被膜は、標的細胞上の特定のタンパク質又は生体分子との相互作用を促進するために、容易に改良して多様な生物活性物質を含有することができ、そして装置表面の生体汚染による非特異的相互作用を制限することができる。タンパク質は、電気化学的沈殿、共有結合及びポリマーマトリックス中への取り込みのような種々な方法により伝導性ポリマーの中に取り込むことができる。ここに記述した電極被膜を含むバイオ電極及び装置は、低い電気的インピーダンスと生体類似の表面パターン(細胞の形を持つ孔及び細胞表面を模ったナノスケールの特徴を持つトンネル)の大きな表面積を持つ軟らかく、ふわふわした電極でありえる。この大きな表面積は、電極と標的組織の間の最大の電荷移動を促進するのに理想的である。ポリマーの柔軟性は、硬い金属電極に比較して、軟組織と硬い装置表面の間の接触面における機械的緊張を減少させることができる。まとめて、これらの品質は、本教示の伝導性ポリマーで覆われた細胞、細胞構成成分及び生物活性分子を、既存の電極を使用する生物医学装置の代わりに、大きな表面積の、軟らかい、生体適合性のそして電気的に安定な表面被膜として役立たせることができ、そしてそれは免疫反応の減少及び信号伝達の改善及び組織と装置の間の境界面における融合(組織接着)を生じる。
一部の態様において、電気伝導性基質の表面上に模様をつけた伝導性ポリマーを使用することにより、イオン性伝導組織から電気伝導電極へ信号の伝達を容易にする。生物学的要素と共に重合した伝導性ポリマーも、伝導性基質被膜の3次元の性質を記述するために、ここでは「伝導性ポリマーネットワーク」又は「生化学的要素−伝導性ポリマー複合材料」と称される。本教示の一定の態様は、電極を使用する装置の表面及び生物学的環境の間の密着した、直接の境界面を生じる組織、細胞、細胞構成成分及びその他の生物活性分子が存在する中において、新規伝導性ポリマーネットワーク並びに伝導性ポリマーを重合する方法を提供する。
本教示の詳細な説明は、電気伝導性基質、共役伝導性ポリマー、生物学的要素、コントローラー及び分析装置及び電源を含む追加の機器構成を含む電極構成要素を別々に扱う。種々の代表的バイオ電極及び生物学的要素を埋め込んだ伝導性ポリマーにより修飾された電極及びその使用は別に記述される。最後に、本教示は、その有用性及び新規性を示すために、多数のバイオ電極及び装置及び実験により例示する。
A.装置構成要素及び材料
1.電気伝導性基質
電極基質は、伝導性材料又は伝導性及び非伝導性の材料の組合せのいずれかを含むことができる。電気伝導性基質の代表的形状は多数記述されており、他の形状を使用することができると理解されうる。非限定的な態様において、電気伝導性基質は、限定はしないが:金(Au)、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、パラジウム(Pd)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ステンレス鋼(SS)、インジウム−スズ−酸化物(ITO)、亜鉛(Zn)、チタン(Ti)、タングステン(W)及びそれらの合金及び酸化物を含む金属から製造することができる。他の電気伝導性基質として:炭素、炭素繊維、ガラス状炭素、炭素コンポジット、炭素ペースト、伝導性セラミック、例えば、ドープシリコン(Si)、伝導性モノマー及びポリマーが含まれうる。ここに使用されている第一電気伝導性基質は、生物学的要素及び伝導性ポリマーと接触又は連結している基質又は電極である。第一電気伝導性基質は、マルチ伝導性基質バイオ電極装置における作動電極とも呼ばれる。第二電気伝導性基質は、次のいずれか一つと呼ばれることがあり得る:対照電極、対電極又は飽和カロメル電極。
一部の態様において、電極は、金属粉、伝導性ポリマー又は伝導性セラミックのような電気伝導性材料により模様をつけることができる。下にある支持材料は、この支持材料を伝導性にすることができるか又は非伝導性支持体の中又は上に伝導性材料を形成又は模様をつけることができる限り、伝導性材料で構成されている必要は無い。
一つ以上の電極のアレイを含む装置は、いずれかの適する支持材料を含み、その上に複数の伝導性材料のチャネル、点、スポットが形成される。一般的に、この電極の支持材料は、生物学的な液と接触するようになった場合に、この支持体は本質的に生体適合性でなければならない。本教示のマイクロ電極アレイはいずれかの特別な形である必要はなく、すなわち、この電極は正方形のマトリックス形である必要はない。考慮されている電極アレイの形状は次のものを含むことができる:正方形;長方形;直線で囲まれそして6角形の格子状アレイ;種々の多角形の境界線;電極が共通の中心の周りに同心円を形成している同心円格子形状、そしてそれは任意の多角形により結束されていることがある;また、それぞれの格子アレイ形状が同じ又は異なる直径の電極を持つ。織り合わせた電極も、本教示に従って使用することができる。一部の態様において、電極のアレイは、4×4マトリックス中に約9から約16個の電極、5×5マトリックス中に16から約25個の電極、10×10マトリックス中に10から100個の電極を含むことができる。この分野で知られている他のサイズを、本教示に従って使用することができる。
マイクロ電極のパターン化されたアレイの製造は、限定せずに、マルチラインヘッドのノズルにより複数の電気伝導性ポリマーの射出、インクジェット技術などを含む、マイクロアレイの生産において一般的に知られている種々のマイクロプリンティング方法により実施することができる。それらは、コンピューターチップ製造のために知られている写真平板法及びエッチング法を使用してパターン化することができる。微小機械部品は、適合する「マイクロマシーン」操作(シリコンウエーファー、又は相当する基質の部分を選択的にエッチングにより取り除く)を使用するか又は新たに構造層を追加して機械的及び/又は電気機械的部品を形成することにより製造することができる
マイクロ−電気−機械的システム(MEMS)製造において想定されているようなポリマー支持体上に形成された電極は、支持材料の上に伝導性材料の薄いフィルムを沈殿させ、写真平板画像又は他の既知リトグラフ法によりフィルムの上にパターン化マスクを適用し、そしてフィルムを選択的にエッチングする。薄いフィルムは数ナノメーターから100マイクロメーターの範囲の厚さを持つことができる。本教示において想定されているマイクロ又はナノ電極として使用するための電気伝導性材料の沈殿は、化学気相成長法(CVD)、電着、エピタキシー及び熱酸化のような化学的方法及び物理気相成長法(PVD)及び鋳造のような物理的方法も含むことができる。伝導性ポリマー及び細胞及び細胞構成成分を含む生体分子を含む強化された生体適合境界面を持つナノ−電気機械システムの製造方法は、本開示の一定の態様に使用することができる。(例えば、Craighead,Science 290:1532−36,2000参照)。
本教示の一部の態様において、電極上に1以上の細胞、細胞構成成分及び/又は生物活性分子を含む伝導性ポリマーのアレイ又はサブアレイは、マイクロ流体チャネル、ナノチャネル及び/又はマイクロチャネルのようなコンパートメントを充たす種々の液(細胞、細胞構成成分を含むモノマー溶液、ヒドロゲル及び生物学的分子を含む)に連結することができる。装置のこれら及び他の部品は、一つの単位、例えば、チップ、マイクロキャピラリー又はマイクロ流体チップの形に形成することができる。マイクロ成型チップの種々な形は、例えばCaliper Technologies Inc.(Mountain View,CA,USA)及びACLARA BioSciences Inc(Mountain View,CA,USA)から商業的に入手できる。
一部の態様において、電極基質の分解性は装置又は電極により提供される機能に依存することがあり得る。例えば、伝導性材料及び伝導性分解性ポリマーを伴う非伝導性材料は、PLGA,PLA,HA,バイオゴム、酸化ガラス及び当業者には既知の生体適合性の生分解性材料を含む材料から合成することができる。該材料の妥当性は、装置又は電極の機能が、一時的に刺激し、傷害され又は欠損した組織を再生し、次いで細胞又は組織の完全な再生と連結性のための空間を作るために成功した埋め込みの後に広がりをしぼませることである場合には、明らかである。一部の態様において、この電気伝導性基質は、永久的から半永久的であることができ、その場合、装置が長時間使用できるか又は埋め込んだ後は除去することが有害である時、例えば、深部の脳神経の人工補綴物、心臓ペースメーカーなどに使用することができる。該長期使用を想定した電気伝導性基質は、金属、セラミック及び非分解性伝導性ポリマー、例えば、PEDOTを含むことができる。
一部の態様において、電極は、バイオ電極、細胞、伝導性ポリマー−細胞境界面又は埋め込み部位のインピーダンス、インダクタンス、抵抗又はキャパシタンスにおける電流の測定、記録及び分析又は電荷の検出に使用されるほかの装置部品と電気的連絡をしている電線、リード、伝導性ポリマーを含む装置の他の部品に部分的に又は全体的に連結することができる。本教示の種々の態様において、伝導性モノマーを重合し、電気化学的酸化/還元反応を行い、組織及び/又は細胞を刺激するために電流及び電圧を供給し、生物活性物質を放出するために、電気化学事象を記録又は検出するために、複数又は多数の電極が並列又は直列で使用することができる。ここに記述した装置の中に設置することができるほかの電極は、さらに、種々の対電極及び飽和カロメル電極又は対照電極を含むことができる。
II.伝導性ポリマー
本教示の一定の態様において、伝導性ポリマーは好ましい特徴に影響を及ぼすことができ、例えば:組織内に埋め込まれた後の時間電気的に安定であり、比較的非−生分解性であるが、生体適合性があり、一般に使用されている伝導性材料、例えば、シリコン、白金、イリジウム、インジウム−スズ−酸化物及びタングステンよりは免疫反応性は低い。ここに使用されている伝導性ポリマーは、電子を伝導することができる共役ポリマーである。用語“conductive polymer(s)”は“conducting polymer(s)”と互換的に使用される。伝導性ポリマーは、そのモノマー型から電気化学的重合、酸化的重合及び当業者が一般的に使用しているほかの方法により形成される。電気伝導基質の周りに重合した伝導性ポリマーは、電気伝導性基質から広がったその3次元の、ふわふわした、軟らかい原線維であるために、伝導性ポリマーネットワークとも呼ばれる。一部の態様において、この伝導ポリマーネットワークは、細胞、細胞構成成分、生物活性分子又は物質及びそれらの組合せを含む生物学的要素を埋め込んで含んでいる。一つ以上の生物学的要素を持つ伝導性ポリマーネットワークは、また生物学的要素−伝導性ポリマー複合材料とも呼ばれる。本教示の一定の態様において、この伝導性ポリマーは、ドーパント、組織、細胞、細胞のパーツ、細胞構成成分、他の生物活性分子、ウイルス、プラスミド、イースト、デンドロマー、量子ドット又はマイクロ−ナノ粒子遺伝子輸送ベクター及び/又は標的組織の特定の細胞又は分子と相互作用することを意図した表面官能基又は分子で修飾することができる天然由来又は合成ポリマーからなる生分解性マイクロ−ナノ粒子又は線維が存在する中で重合でき、又はその中に含有された生物活性分子の調節放出のために使用することができる。
一部の態様において、伝導性ポリマーは、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)、ポリ(ピロール)、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリ(塩化ジアリルジメチルアンモニウム)、ポリ−4−ビニルピリジン、ポリ(ビニルアルコール)、ポリチオフェン、それらのポリマー混合物、及び電荷又はイオンを伝導する能力を持つコンポジット、及び電気又はイオンの伝導性があるポリマー−金属複合材料を含むことができるがこれに限定されない。他の伝導性ポリマーは、EDOT及び他の伝導性ポリマー誘導体、RGD,IKVAV,YIGSRペプチドのような官能基、及び伝導性モノマーに共有結合で接着できる他の官能基から造られる官能化コポリマーを含むことができ、或いはそれらは伝導性モノマーに接着することができる2価官能基を持つスペーサーに連結することができる。共有結合による接着は、当業者に既知の共有化学のいずれかを使用して行うことができる。好ましい共有結合による接着化学の例は、アミン、アミド、エステル、エーテル及びそのヘテロ原子同族体、例えば、スルホンアミド、チオエーテルなどを含む。一対の結合する物のそれぞれは、一対の反応基、例えば求核基及び求電子基を、共同してその対になったメンバーのそれぞれに一つ含むことができる。生物学的実体(生体分子、細胞、細胞フラグメント、細胞小器官又は他の生物体)がモノマー又はポリマーに直接接着する場合は、それぞれ一対の反応基を含むであろう。接着がリンカーを介して生じる場合は、リンカーは二つの反応基を含み、その一つはモノマーの反応基と共有結合反応をすることができ、そして他の一つは生物学的実体の反応基と共有結合反応をすることができる。反応基は、モノマー、リンカー又は生物学的実体の部分として予め存在することができ、或いは接着反応の実施に先立って反応によりそこに付加することができる。接着がリンカーを介して生じる場合は、リンカーは最初にポリマーに、最初に生物学的実体に、又は両者に同時に接着することができる。共有結合による接着の形成に使用するための好ましい求核基及び求電子基の非限定的例を表1に示す。
典型的に、共有結合により接着する実体は、適するpH,一般的にはpH約7からpH約10において、また約10℃から約40℃の温度において、適する溶媒、例えば、水性メタノール、水性エタノール、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、アセトン、ジメチルスルホキシド又はそれらの組合せの中に懸濁又は溶解することができる。中性から塩基性のpHが典型的に使用され、そしてこれはほとんどの場合に、反応液に塩基を加えることにより達成される。この目的に好ましい塩基の例は、無機塩基及び有機窒素系塩基を含む。無機塩基の中では、金属の水酸化物、炭酸塩及び重炭酸塩が好ましく、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩及び重炭酸塩およびそれらの組合せが好ましい。好ましい無機塩の例は、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、水酸化リチウム、炭酸リチウム、水酸化カリウム及びそれらの組合せを含む。
Figure 2009506836
一部の態様において、伝導性ポリマーは、適当なドーピングシステムの存在により伝導性にすることができる非伝導性のモノマー又はポリマーのいずれかであり得る。一部の態様において、ここに記述した共役ポリマーは、化学的に合成され、重合の前又は後にタンパク質、脂質及び核酸と結合することができる官能基を含むことができる。伝導性ポリマーの官能化に加えて、タンパク質、脂質及び核酸を含む生物活性分子を、水素結合、静電的及び非極性相互作用により伝導性ポリマーに接着することもできる。一部の態様において、伝導性ポリマーは生分解性であり、そして生物学的液の存在により溶解する、例えば、装置がその場に埋め込まれた場合、例えば、埋め込み可能な脳補綴物、神経刺激物、一時的心臓装置など。生分解性伝導性ポリマーは、限定せずに、ポリピロール ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)ブロックPEG及びポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、テトラメタクリレート及びTDA Research Inc.,Wheat Ridge CO,USAから商業的に入手できるものを含むことができる。
本教示により想定されている伝導性ポリマーは、典型的に重合及び電極−組織境界面を横切る電気伝導性のために対イオンを必要とする。伝導性ポリマーは、分子レベルにおいてポリ電解質になる。電子の非局在性は、伝導性ポリマー骨格の中に共役二重結合が存在する結果である。伝導性ポリマーを電気伝導性にするために、二重結合の中に移動担体を導入することが必要であり、これは酸化又は還元反応(「ドーピング」と呼ばれる)により達成される。ドーピングのコンセプトにより、伝導性ポリマーは他の種類のポリマーとは区別される。この方法は、無機半導体におけるドーピングに類似して、ポリマー鎖の中に注入された電荷の符号の正又は負によりp−ドーピング又はn−ドーピングとして指定することができる。これらの電荷は非局在化しており、ドーパントを指定する対イオン(アニオン又はカチオン)の導入により中和される。一定の態様において、伝導性ポリマーを重合するために使用されるイオン性電解質又はドーパントは、限定せずに、ポリ(スチレンスルホナート)(PSS;Sigma Aldrich,St.Louis,MO,USA),LiClO,リン酸緩衝食塩液(PBS;HyClone,Logan,UT),Hankの平衡塩類溶液(HBSS,HyClone),コラーゲン、ポリ−D−リシン(PDL)、ポリ−L−リシン、ポリ−オルニチン、及び使用するタイプのドーピングシステムに適するイオン電荷を持つ関心の生物活性分子を含み、そして、限定せずに、デキサメタゾン又は他の抗炎症剤、抗生物質、抗有糸分裂薬、成長因子、瘢痕減少薬、ポリアクリル酸、ドデシルベンゼンスルホン酸(DBSA)、p−トルエンスルホン酸(p−TSA)及びそれらの組合せを含むことができる。
III.生物学的要素
装置、電極及び電極に基づく装置の被膜は、1以上の生物学的要素を使用することを想定している。この用語「生物学的要素」は、細胞の集合のような複雑な材料、例えば組織から単位、例えば細胞構成成分、例えば細胞の中の、上の或いは細胞により生産される受容体、イオンチャネル、膜、細胞小器官、酵素、抗体及び染色体及びアミノ酸の重合体、糖及び核酸までを含む有機材料のいずれも包含することができる。種々の態様において、生物活性分子は、バイオ電極に、或いは細胞、組織及び他の生物学的要素の増殖を支持するために使用されるヒドロゲル足場に加えることができる。生物活性分子は、いずれかの生物学的要素の発現、分化又は増殖に影響することができる自然に細胞が生産するタンパク質、脂質、糖類又は核酸分子のいずれかであり得るが、また同じパラメーターに影響することができる天然及び合成分子も含むことができ、また原核及び真核細胞の両者における該細胞パラメーターに影響することが知られている薬物、医薬品、生物学的物質及び化学物質を含むことができる。したがって、本教示の目的のために、生物学的要素は、限定せずに、組織、真核及び原核細胞を含む細胞、古細菌、細胞の膜、膜タンパク質、例えば、いずれかの細胞により生産された受容体、細胞外マトリックス分子、例えば、ラミニン、コラーゲン及びフィブロネクチン、受容体、抗体、イオンチャネル、タンパク質、ポリペプチド、脂質、糖含有代謝物酵素を持つ或いは持たない細胞膜類似合成膜又はフィルム、及び核酸(RNA,DNA及びcDNA)を含む細胞構成成分を含むことができる。一部の態様において、有機的な生きている細胞は、いずれかの生きている原核細胞、例えば、細菌、そして真核細胞、例えば、イースト及び種々の組織及び器官において見出される哺乳動物細胞であり得る。有機的生きた細胞は天然に見出すことができ、或いはそれらは天然に由来し、当業者に一般的に知られている方法を使用して操作されて、外来DNA及びRNA分子を導入され、いずれかの細胞のタンパク質及び他の生体分子の発現、分化及び成長の特性を変化させることができる。一部の態様において、生物学的要素は、限定せずに、心臓細胞、ニューロン、グリア細胞を含む神経細胞及び天然に筋肉中に見出される細胞を含む電気的に活性な組織に由来する1以上の細胞であり得る。
一部の態様において、細胞(真核細胞又は細菌のような原核細胞)は、RGD,IKVAV,YIGSRペプチドのような官能基、及び細菌、細胞又は細胞部分、細胞膜、外膜タンパク質(OMP)、細胞表面タンパク質などに共有結合により接着できる他の官能基を加えることにより機能化することができ、或いはそれらは、細菌、細胞又は細胞の部分、細胞膜、外膜タンパク質(OMP)、細胞表面タンパク質などと同様に接着することができる2価官能基を持つスペーサーに連結することができる。一部の態様において、真核細胞(電気的活性細胞を含む)及び細菌細胞は、組換え操作を受けて、埋め込み部位の周囲に細胞を誘引しそして/又は支持することができる成長及び分化因子、ホルモン、酵素、細胞表面抗原(CD抗原)、イオンチャネルを含めてバイオ電極の生体適合性を増強するために使用することができる種々の細胞構成成分及び生物活性分子を発現及び/又は分泌することができる。
IV.バイオセンサー、診断装置及び装置/プローブ及び電極の被膜
本教示の種々な態様において、生物学的要素が存在する中において重合した本伝導性ポリマー構造は、裸の電極基質上に適用することができ、既存の電極に基づく装置の質を高め、生理的液、組織、細胞培養及び空気検体や水検体中で遭遇するような非生理的環境における電気的事象を検出し、記録しそして刺激するための改良されたマイクロアレイ電極部品を創り出すことができる。
限定せずに、マイクロ電極に基づく神経補綴装置、心臓の抗不整脈装置(ペースメーカー)、除細動器、蝸牛、網膜の補綴物、深部脳刺激装置及び生物学的要素−伝導性ポリマー境界面上のインピーダンス、抵抗又はキャパシタンス又は表面エネルギーの電流又は変化の検出に基づいて有機及び無機の基質、薬物、及び生化学物質を検出するために現在使用されている電極に基づく装置を含む多様な装置及び電極に基づくシステムは、ここに記述した伝導性ポリマー−生物学的要素混成材料の適用により機能的に強化することができる。
同族のリガンド、薬物、基質のポリマーに捕捉された受容体、イオンチャネル又は酵素への結合は、1以上の電極及び処理部品を使用して検出及び処理することができる。一部の態様において、酵素は、電気化学的に重合した伝導性ポリマーのなかに埋め込むことができる。種々の態様において、本教示のバイオセンサーの製造に想定されている酵素は、酸化酵素、還元酵素、転移酵素、酸化還元酵素、分解酵素、加水分解酵素、結合酵素及び異性化酵素を含むいずれかの補因子に対する同族基質に結合した時に酸化還元反応に関与するいずれかの酵素を含むことができる。グルコース酸化酵素は、グルコースを監視するために、本教示のバイオセンサーに使用することができる。同様に他の医学的に重要な酵素は、診断検査装置の分野において同族基質を監視するために使用することができる。標的分析物と生物学的要素の間の特異的結合が、サイクリックボルタンメトリー及びインピーダンススペクトルを使用して測定することができる電気抵抗に物理的変化を生じる場合に、バイオ電極はバイオセンシング装置の部分であり得る。生物学的要素−伝導性ポリマーと分析物の境界面において生じる表面エネルギー及び抵抗の変化に対応する伝導性ポリマーから得られる電気信号を読み取りそしてバイオ電極に接着する感知及び処理装置へ変換する自働システムは当業者には既知である。
V.器具類及び分析の道具
既存の電極を修飾するために使用される電極、電極に基づく装置及び被膜は、電流又は電圧の出力を調節するために使用することができる調節器、分析器及び他の検出装置及びコンピューターを任意に含むことができる。これらの任意の部品は、電子の流れに対する統合ネットワークの電気的事象、電流、電気的インピーダンススペクトル、サイクリックボルタンメトリー、抵抗、コンダクタンス、キャパシタンス、及び電位差を実施、測定及び記録のために使用することができる。これらの分析システム及び装置は、例えば、Brinkman Instruments Inc.,Westbury,NY USA)から入手できる種々のCPU(Windows(登録商標)又はMacintoshコンピューター)に連結したBrinkman’s(Eco Chemie)Autolab systemを商業的に入手することができる。
VI.電源、調節器及び分析
既存の電極を修飾するために使用されるバイオ電極、電極に基づく装置及び被膜は、生物学的要素の周囲の伝導性モノマーの電気重合のための電流及び/又は電圧を供給するための、及び生物学的要素と隣接して接触している伝導性ポリマーに電流及び電圧を供給するための電源、作動器及びコントローラーを任意に含むことができる。電源は、電圧、AC及びDC電流を供給することができる。一部の態様において、生物学的要素−伝導性ポリマー被膜を用いるバイオ電極及び電極に基づく装置は、電池を電源にすることもできる。
B.製造の方法
1.生きている細胞の電極及び電極被膜
電極は、生きている組織中、血流中、湖、川又は大洋の中、複雑な化学的溶液の中、又はほとんどのタイプのゲルの中のような水性又は液体で飽和した環境中で使用することができる。バイオ電極は、1)細胞の小集団、1個の細胞、又は細胞の膜の高度に局在化した領域の直接的電気刺激又は記録;2)細胞集団の細胞外電気刺激又は記録;3)タンパク質(成長因子)、薬物、化学物質、ビタミン、トキシン、薬物輸送ベジクル/パーティクルのような分子の供給(受動的又は一時的調節);4)環境からの機械的、電気化学的及び/又は生物化学的情報の感知/検出を含む多数の活動を行うことができる。記録又は検出機構により得られた情報は、バイオ電極装置から直接又は記録装置及びコンピューターに付属した検出装置に連結したほかの電極を介して間接的にコンピューターに中継することができる。一部の態様において、生きている細胞は、金属プローブ又は電線のような第一電気伝導基質と接触していることがある。細胞を含む生物学的要素は、第一電気伝導性基質上で増殖することができ、或いは、第一電気伝導基質は生きている組織又は生物学的に適合した電極を造るために生物学的要素を含む溶液に挿入されるか又はそれと接触することができる。
図1に示すように、モノマー、例えばEDOT30の溶液は、電極(図1に示された陰極)上に接着したいずれかの生きている細胞であり得る生物学的要素を浸す。バイオ電極の伝導性ポリマー30成分は適当なドーパント34と混合されて、重合のための必要な酸化還元条件を提供する。定電流又は定電圧の電流を適用した後、陰極として図1に示されている電気伝導性基質から送られる電流によりモノマーは重合する。電導性ポリマー50は、電極に送られたいずれの電荷も同様に伝導性ポリマーを介して送られ、そして伝導性ポリマーマトリックスが電極自体になるように、伝導性基質/電極の表面に直接堆積することができる。一部の態様において、伝導性ポリマー、例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)はバイオ電極を製造するために使用することができる。本教示のバイオ電極は、低い生分解性、低い電気的インピーダンス、水溶液中における長期間の電気的安定性を有することができ、機械的に柔らかであり、(ナノメーター及び/又はマイクロメータースケールの次数、多孔性及び粗さのレベルを変えて)種々の表面形態を持つように仕立てることができ、そして天然又は合成の生物活性分子/タンパク質(薬物、化学物質、ビタミン、成長因子、細胞接着タンパク質、シグナリングタンパク質、酵素、酵素の基質)を空間的に管理された場所に取り込むことができ、そして必要があれば、これらの分子は低い電流を適用することにより一時的に管理された場所に放出することができ、またマイクロ又はナノパーティクル又は薬物/分子輸送ベシクルを取り込むこともできる。
一部の態様において電気的に活性な細胞、例えば、心臓、脳、CNS及び筋肉の細胞を含めて生きている細胞を含む生物学的要素は、図2に示すように細胞の原形質膜がポリマー分子と密着した境界面を作って、伝導性ポリマー、細胞及び電極の間の継ぎ目の無い電気信号伝達ができるように、伝導性ポリマーマトリックスの中に完全に取り込むことができる。バイオ電極装置又は電極被膜中に取り込まれる細胞のタイプは、得られるバイオ電極の求める機能に従って選ぶことができる。例えば、一部の態様において、水性環境中の重金属及び殺虫剤を伝導度測定により検出するための生物学的要素として、微小藻類の使用を取り入れることができる。他の態様において、生物学的要素は、組織再生及び脳の中に埋め込まれた神経補綴装置のようなバイオ電極装置へ向う神経突起伸長を促進するために、バイオ電極又は電極被膜の中に取り込まれる成長因子を分泌する神経幹細胞であり得る。
II.細胞を鋳型にした電極及び電極被膜
種々の態様において、ナノメーター及びマイクロメータースケールの表面特徴を鋳型とするか又はそれをパターン化した細胞の特徴/細胞表面の特徴を持つ高度に生体模倣電極及び既存の電極基質及びマイクロアレイ電極に基づく装置のための電極被膜が記述される。本教示による伝導性ポリマーは、種々の厚さのフィルムとして鋳造することができる。伝導性ポリマーのモノマーは電極上で電気化学的に重合することができる。本教示の一定の態様において、伝導性モノマーは、電極の表面上で増殖した生細胞が存在する中で重合することができる。伝導性ポリマーの中に捕捉されうる細胞は、電気信号を伝達することができる電気的に活性な細胞(例えば、限定せずに、ニューロン、骨格及び心臓の細胞)又は周囲の環境とイオン的に相互作用できる細胞であり得る。周囲の環境中の標的細胞は、伝導性ポリマーの中に埋め込まれた細胞と化学的に反応することができ、信号伝達又は他の化学的酸化還元(還元/酸化)反応、例えば、リガンド−受容体、及びリガンド−酵素結合事象、例えば、グルコース酸化酵素/グルコース反応を促進することができる。
一定の態様において、細胞の形/模様を持つ伝導性ポリマーネットワークは、その細胞を取り去った後にプローブ細胞で鋳造された電気伝導性基質の表面上で生細胞の単層培養が存在する中で電気化学的に堆積した伝導性ポリマーにより創ることができる。多孔性で織り地のような細胞に基づく伝導電極は、ふわふわした伝導性ポリマーの高い表面積及び細胞の形の模様により、細胞、例えば、ニューロン又は筋細胞に電極表面に密に接触させることができる。図3パネルA〜Cに示すように、細胞に規定されたポリマーの形状は、ポリマー表面の細胞の形の孔及び模様並びにミクロンサイズのトンネル、裂け目及び、例えば、神経突起の大きさの陥入を生じる伸長した神経突起の周囲に形成されたニューロン、神経突起の形を鋳型にした伝導性ポリマーのトンネルによる陥没を含む。一定の態様において、細胞を鋳型にしたバイオ電極は、組織内に埋め込むことができ、宿主組織中の細胞を細胞の形をした孔の中に再度増殖させることができそしてポリマー表面のミクロンサイズの裂け目及び陥入の中に突起を送り込むことができる細胞を鋳型とするポリマー電極表面を生じる。一つの表面の細胞と伝導性ポリマーの間及び他の表面の伝導性ポリマーと電極基質の間の密着は、細胞を鋳型にしてコートされたバイオ電極により提供される電気シグナルの利点により示される電極と標的組織の継ぎ目の無い電気的接触を可能にするであろう。
細胞鋳型の特徴を持つバイオ電極は、またそして裸の電極ワイヤーに比較して電極の有効表面積の増加により、電極の電荷移動能力を増加し、バイオ電極により経験する電気的インピーダンスを減少させる。図4、パネル(A)に示すように、細胞を鋳型にしたPEDOTは、PEDOTでコートされた電気伝導性基質とPEDOTに埋め込まれたSY5Y細胞(生細胞のバイオ電極)の間のインピーダンスプロットを示す。
III.空間を充たすヒドロゲルバイオ電極及び電極被膜
本教示による一定の態様において、生体適合性で埋め込み可能な電極は、1以上の生物学的要素、例えば、それにより伝導性ポリマーが電気化学的に堆積する生細胞を接種したヒドロゲルを含む。図5に示すように、空間を充たすバイオ電極は、生きている組織、例えば、脳の中に埋め込むことができる。生体適合性ヒドロゲル120又は親水性ポリマーの3次元的に交差結合した高分子は頭蓋90を通して注入することができ、そして生きている細胞110の栄養物質及び物理的支持環境の両者として役立ち、そしてマイクロメーター及びナノメーターの細い線維の拡散した伝導性ポリマーネットワークを造る足場として役立つことができる。組織に注入されるとすれば、細胞110は、天然又は組換え細胞、例えば、埋め込み部位へ神経突起を誘引する作用因子のような成長因子を発現する細胞のいずれかであり得る。一定の態様において、ヒドロゲル材料は極めて軟らかく、親水性でありそして「組織様」であるので、生物医学的装置の被膜として充分に適しており、装置の埋め込みの間の宿主組織に対する外傷性傷害を低いレベルにすることを可能にする。さらに、ヒドロゲルには生物活性分子、例えば、薬物(限定せずに、抗ウイルス薬、抗微生物薬、抗酸化薬及び抗炎症薬を含む)を加えることができ、好ましくない免疫系の反応及び/又は生体分子(細胞接着タンパク質、例えば、インテグリン、神経細胞接着分子、NCAM;ラミニン;フィブロネクチン;ビトロネクチン;カドヘリンなど)を阻止し、シナプス形成及び神経誘導のような特異的細胞−ポリマー相互作用を促進する。ヒドロゲルマトリックスは、生きている幹細胞を接種することもでき、それは、埋め込み部位に近い宿主組織に対して、局所組織再生を促進するための成長因子分泌、装置の埋め込み部位へ外来性幹細胞の動員、及び装置の埋め込み操作の間に傷害を受け或いは殺された細胞を置き換えるための多能性前駆細胞の源を含む様々な利点を提供する。ヒドロゲルの生分解性は、ゆっくりと吸収されるように調節することができ、遊走細胞(例えば、ニューロン)を伝導性ポリマーネットワークの中に侵入させることができ、最終的にホスト組織中の細胞をバイオ電極と直接接触させる。まとめると、炎症、走化性/接着及び成長因子の追加の調節を含めることは、少なくとも3つの異なる機能に役立つ:(1)これらの因子は組織の傷害及び炎症を改善し、緩和する、(2)装置埋め込み部位における再生の増加、及び(3)バイオ電極と宿主細胞の間の密着した接触を容易にする。
一定の態様において、ヒドロゲルが3次元の足場に交差結合する前に、生きている細胞を水性ヒドロゲルの中に取り込むことができる。本教示の方法に従って、限定せずに、アルギン酸カルシウム(交差結合剤)及びポリビニルアルコール(PVA)、キトサン、自己集合性タンパク質及び機能性ポリ(エチレングリコール)−ポリ(L−グリコール酸)(PEG−PLGA)を含む多数の適当な無毒性ヒドロゲル組成物は生きている細胞の存在する中で交差結合することができる。伝導性ポリマー−細胞−ヒドロゲルの混成組成物は、例えば、限定せずに、電極の周囲に交差結合することができる細胞接種ヒドロゲルでコートした白金、シリコン又は金電極基質のような伝導性基質を使用することにより電極を細胞−ヒドロゲル複合物中に埋めることにより調製することができ、或いは伝導性マイクロワイヤーを治療される生組織の中の細胞を含む交差結合した3次元ヒドロゲル足場の中へ挿入することができる
重合のために、ヒドロゲル−電極複合体を、PBS又はHBSSのような食塩液中に必要なモノマー並びにイオン性ドーパント又はポリ電解質を含む電気的に連結した容器の中に沈めることができる。AutoLab Potentiostat/Galvanostat(EcoChemie)を使用して1分間〜2時間、電極基質及び溶液に定電流(典型的に0.1〜100μA/mm)を適用することができる。モノマーの電気化学的な酸化/還元は、ヒドロゲル−細胞複合体の中に拡散した伝導性ポリマーネットワークを生じる。一部の態様において、組織内に埋め込まれた細胞−ヒドロゲルマトリックスに対して伝導性モノマーを輸送するためにマイクロ液体モノマー輸送装置を使用することができる。
図5に示すように、生きているモルモットの蝸牛のような生組織の中に埋め込んだ空間を充たす電極の電気化学的インピーダンススペクトル(EIS)及びサイクリックボルタンメトリー(CV)分析は、パネル(A)に示すようにPBS中の裸の金に比較して有効にインピーダンスを減らすことを示した。本教示の空間を充たすバイオ電極は、モルモット蝸牛中の栄養性ヒドロゲルの中の伝導性ポリマーの大きな表面積を開発したことに関連して数桁の大きさでインピーダンスの減少を示した。パネル(A)及び(B)において、ヒドロゲルは、アルギン酸塩交差結合剤及び伝導性モノマーを含んでいた。伝導性モノマーはその場で重合した。CVは、多孔性ヒドロゲルの中の伝導性ポリマーネットワークの生成に関連して電荷貯蔵能力の増加を示した。
一定の態様において、ヒドロゲルは、バイオ電極挿入部位における組織再生及び損傷治癒を促進することができる生きている幹細胞又は前駆細胞のための足場又はマトリックスであり得る。他の態様において、ヒドロゲルの足場は、薬物、タンパク質及び他の生物活性分子及び標的組織の標識試薬のための輸送装置として使用することができる。一定の態様において、ヒドロゲルの足場の中に伝導性ポリマーネットワークを含むバイオ電極は、薬物又は他の試薬をヒドロゲルの中から放出させるために、又はヒドロゲルマトリックスの中の前駆細胞の分化を調節して刺激するために使用することができる。一定の態様において、ヒドロゲルマトリックスの中に含まれる伝導性ポリマーは、機械的に軟らかく、免疫原生の無い被膜として役立つことができる。さらに、一定の態様において、ヒドロゲルは、必ずしも標的組織の中に挿入される必要ななく、むしろ標的に隣接して置かれているが、ヒドロゲル内に含まれる伝導性ポリマーネットワークの成長による標的組織の電気的な神経支配ができる「空間充満」電極として使用することができる。
IV.その場に注入できる電極
本教示の一定の態様において、伝導性ポリマーネットワークは生きている組織内で直接重合することができ、それにより電極による傷害のようなもの及び電極の埋め込みの間及びその後の組織障害を減少させる。一定の態様において、得られた伝導性ポリマーネットワークは、生きている細胞の細胞膜と密接に接触することができる。一定の態様において、埋め込んだマイクロ液体バイオ電極装置の表面の拡散した生物学的要素−伝導性ポリマー混成物の成長は、電気的に連結した、細胞の周囲を囲む分子ほどに細い線維及び鎖の拡散したネットワークを創ることができ、有効に組織を神経支配する。図7参照。種々の態様において、伝導性モノマー150にバイオ電極を埋め込む組織を浸す。種々の態様において、モノマー溶液150は組織160、例えば、脳又は心臓又は筋肉組織の中に注入することができる。伝導性モノマー150をその場で重合させるために、作動電極又は第一電気伝導性基質180をモノマー150が注入される組織の中に挿入する。ついで第二電気伝導基質170(対照又は対電極)が第一電気伝導基質180の近くに置かれ、そしてその場で伝導性ポリマーを重合させるために一定の電流が適用される。この操作により、ホスト組織の電気的に活性な細胞と埋め込まれた装置の電極の間の密着した、特異的そして高感度の信号伝達が達成され、電極の改善された電荷転移能力を生じる。図7参照。本教示の一定の態様において、本技術による伝導性ポリマーは、生きている組織の中で重合することができ、完全に統合されそして有効な埋め込み電極、例えば、限定せずに、皮質の記録/刺激、深部脳刺激装置、末梢神経電極、心臓の抗不整脈治療(徐脈、頻脈及び他の不整脈)、筋肉刺激、外科的切除、(例えば、てんかんの治療)、pH監視、グルコース検査、蝸牛移植及び網膜補綴を生じる。さらに、拡散した伝導性ポリマーは、硬いシリコンに基づく又は金属に基づくプローブ電極の必要性を最小にし、そして新しい生細胞を組み込んだ極めて軟らかいナノ電極の周りに建設された電極パラダイムを重要にする。また、直接重合して、生きている組織の中に埋め込まれた電極に達する拡散した伝導性ポリマーネットワークは、独立して伝導性ポリマーネットワークの境界の中に挿入された別の電極を介して電気的に連結することもできる。必要があれば、最初に伝導性ポリマーが重合した埋め込み電極は取り去ることができ、そして新しい独立した電極を伝導性ポリマーネットワークの中に挿入することができ、そして伝導性ポリマーネットワークと境界を接する主電極として機能することができる。
V.全ポリマー電極
一部の態様において、電極基質及び埋め込み部品の全てポリマーの、非金属性の部品で組み立てられる。ポリマーワイヤー/電極は、非金属、非セラミックであり、半金属(例えば、シリコン)又は合金を含まない。ポリマー電極は、伝導性ポリマー又は伝導性ポリマーと非伝導性ポリマーの組合せ、又は「通常の」金属電極又はワイヤーの代わりに使用することができる電極リードを生じる特殊な配置で併置されたヒドロゲルからなる。一部の態様において、ポリマー電極は、炭素又は炭素ナノチューブも含むことができる。ポリマー電極は、磁場の存在(例えば、金属製の電極装置又はバイオ補綴物を含む埋め込み装置をつけている人のMRIスキャン)のような金属を使用することが好ましくない、危険であるか又は不可能であるような状態のいずれにおいても使用することができる。第二に、ポリマー電極は、多様な基質及び材料からいくつもの方法で創ることができ、そして高度に適用性があり、特別な、種々の応用に対して容易に仕立てることができる。
C.使用の方法
本教示において想定されている電極及び電極に基づく装置の被膜は、心臓のペースメーカー及び除細動器、バイオセンサー、深部脳刺激装置、蝸牛インプラント、網膜補綴及び薬物検出及び生物活性物質輸送装置を含む多様な電気的生物医学的装置の応用における電極の性能を改良する能力を提供する。本教示の一部の態様において、裸の電極又は既存の電極に基づく装置に適用される多用途の伝導性ポリマー被膜は、低い電気的インピーダンスによって電気的に活性であるだけでなく、それらは生体適合性、機械的に軟らかく、そして「ふわふわ」して、マイクロ及びナノスケールの高い表面積を持っているので、電極装置と標的組織又は培地の間の直接的相互作用及び継ぎ目の無い統合を容易にする装置表面を提供する。さらに、これらの新規電気的に活性な伝導性ポリマーは、生物活性にすることができ、幹細胞又はその表面上に、受容体、イオンチャネル、抗原又は抗体、成長因子、又は他のバイオ分子のような種々の分子又は成長因子及び受容体を発現させるために、並びにナノ線維及び小結節、細胞の形状の孔、ナノ球状鋳型、及び神経突起を鋳型にしたマイクロチューブを模ることができる外来性生物活性分子を生産させる。
ここに記述された埋め込み生物医学装置上の電気活性伝導性ポリマー被膜により付け加えられた新規機能は、線維性瘢痕中への装置の封入の形成及び程度の減少に対応し、高品質の電気信号を記録する能力を改善し、電気刺激能力を増加し、そして装置の寿命を延長する。一部の態様において、電極基質は伝導性ポリマー及び生物学的要素を含む本教示の電気的に活性な生体材料でコーティングされている。少なくとも、電気伝導性ポリマーの一部は、生物学的要素及び電気伝導基質に隣接して堆積及び重合する。
I.検出及び記録電極
既存のマイクロ電極に基づく神経補綴装置の慢性的埋め込みはCNS傷害及び炎症と関連し、そのことは電極周囲のニューロン消失を生じ、補綴装置のグリア/免疫細胞中封入による高インピーダンスの発生を生じる。まとめると、これらの現象は、埋め込み後に時間と共に記録しうる神経のシグナルの品質の低下を生じ、最終的に記録する能力を阻害する。これは皮質補綴物の機能に必要である脳−コンピューターインターフェースを確立する能力を損なう。
この生物学的要素を含む新規の生物活性、生体適合性、低インピーダンス電気活性伝導性ポリマー被膜は、神経補綴装置の記録電極の理想的表面改良である。この「ふわふわ」した、大きな有効表面積は、電極−組織境界における低電気インピーダンスを促進し、それにより、たとえ線維性グリア封入が存在しても、標的細胞からの高品質シグナルを記録する可能性が増加する。
種々な態様において、神経の活性マッピングのための検出及び記録電極及びマイクロアレイ電極は、周囲の組織と密接に境界を接することができる統合されたバイオ電極装置が必要である。このタイプの電極の改良された電気応答は電極の有効表面積を増加することにより達成される。本教示の伝導性ポリマーは、有効表面積の該増加を提供し、生きている細胞、例えば埋め込み部位に成長因子及び分化因子を発現する幹細胞の増殖と生存を支持することができる。検出電極は、細胞及び薬物、成長因子、抗炎症薬及び抗生物質を含む生物活性分子を含む天然の足場を模倣することにより選択性及び感受性をさらに増加させることができる。一部の態様において、生きている細胞の周囲に重合した伝導性ポリマーを含むバイオ電極は組織の中に埋め込まれ、荷電容量の増加及び免疫及びグリア細胞封入によるバイオ電極周囲の瘢痕形成によるインピーダンスの減少のために、高品質信号を記録する正確で高い確率を可能にすることができる。まとめて、この意図は、現在の神経補綴電極技術よりも安定で感受性があり、長期間の神経の記録を可能にする。本教示の細胞を埋め込んだ伝導性ポリマーネットワークでコートした電極は、心臓、CNS及び筋肉のような電気的活動性組織の電気生理学的マッピングのための皮質補綴物、改良カテーテルを含む。
一部の態様において、本教示の電極は、修飾されて、電気的活動性組織に接着するための高度に組織特異的で生体適合性の被膜を提供することができる。一つ以上の生物学的要素及び電極基質の周囲の伝導性ポリマーの重合に続いて、埋め込んだ生物学的要素、例えば、細胞(ニューロン、筋肉細胞、線維芽細胞、幹細胞など)を取り除いた跡に細胞膜成分、及び孔又は陥入、及び電極に隣接するか又は近隣の細胞の結合及びクローン化を促進する3次元構造を残すことにより、電極の3次元表面は周囲の組織の細胞をさらに誘引するようにすることができる。得られる電極は高度に統合されそして生体に類似し、電気活動性細胞の機能特性の高感度記録を可能にする。本教示の発明者らは、本教示の電極が、細胞を鋳型にした「ふわふわ」した伝導性ポリマー構造でコートされた時に、電荷移動能力の有意な増加及び電気的インピーダンスの著しい低下を発見した。電極に細胞を引き寄せ、そして電極基質から生物学的要素を取り除いた後に残される細胞の形をした孔、トンネル及び裂け目に入り、占有するように隣接細胞を仕向けることは、電極の安定性を改善し、電極表面の腐食を防止し、電極の好ましくない免疫反応による生体汚染を減らし、そして現在使用されている硬い金属電極に比較して電極の性能を改善するのに役立つ。
一部の態様において、細胞動員及び電極基質と周囲の組織の間の連絡にはより多くのナノスケールの細胞鋳型構造が必要である。これらのタイプ又は応用、例えば脳、心臓、及び中枢及び末梢神経系の中に埋め込むことができる電極のために、検出及び記録電極は、さらに大きな生体適合性と分子の類似性が必要である。一部の態様において、本教示の電極は、任意にヒドロゲル材料を電極基質の挿入の前に対象の中に埋め込むことができ、或いは電極基質と同時に対象の中に埋め込むこともできる。
アルギン酸、ポリビニルアルコール及びその他の生体適合性材料を含むヒドロゲルの足場は、電極の挿入の前に電極の部位に埋め込むか又は注入することができる。一部の態様において、ヒドロゲル足場は、生分解性であるか又は非生分解性でありうる。伝導性ポリマーと共に使用するためのヒドロゲル足場の例として、Gilmore,K.et al.,Polymer Gel and Networks,2:(1994)135−143,及びGhosh,S.et al.,J.The Electrochem.Soc.147:1872−1877(2000)を参照。本教示は、その場に使用した場合に、1以上の生物学的要素の存在する中のヒドロゲル中の伝導性ポリマーの重合のために、著しく改良されたヒドロゲル足場を提供する。一部の態様において、伝導性モノマーを含むヒドロゲルは隙間の部位、例えば、くぼみの中に、一般的に関心の細胞又は組織の中に注入され、次いで第一電気伝導基質が挿入され、その場で伝導性ポリマーは重合する。伝導ポリマーネットワークはヒドロゲルを含む高分子及び線維を周囲に形成し、これらのヒドロゲル成分及び特徴を、組織の中で直接重合する場合に伝導性ポリマーネットワークを形成するのと同じように重合するための足場として使用する。生じたバイオ電極は、ヒドロゲルの枠内に細胞の周囲に詰まった伝導性ポリマーを含む。一部の態様において、ヒドロゲルは、他の細胞、例えば、神経栄養性成長因子を生産する組換え幹細胞及び周囲の細胞及び組織の成長と分化を支持することができる他の関心の生体分子を添加することができる。
一部の態様において、生物学的に統合されたバイオ電極を含む記録装置は、細胞間及び組織間の電気信号を記録又は検出するために使用することができる。生きている細胞の間の電気信号の移動を電気的に検出する方法は次のステップを含む:電荷を移動することができる組織と密接に接触した第一電気伝導基質を含むバイオ電極装置を提供する。バイオ電極装置は、第一電気伝導基質;生物学的要素;及び電気的に第一電気伝導性基質を生物学的要素に電気的に結合して集合的にバイオ電極を規定する伝導性ポリマーを含む。バイオ電極は、第一電気伝導基質、いずれか一つの生物学的要素及び伝導性ポリマーの間の電気信号を伝達又は受け取る。回路は、バイオ電極装置及びバイオ電極と電気的に結合した第二電気伝導基質を電源に連結することにより達成される。連結した後に、電源が適用され、第一及び第二電気伝導基質を通して電圧又は電流の有効量が供給され、伝導性ポリマーを通して電圧又は電流を導入する。このシステムは、該バイオ電極装置により電気信号の移動を検出する。
一部の態様において、このバイオ電極装置は、検出、記録及び細胞刺激の間及び伝導性モノマーの重合のために、対照電極、対電極及び飽和カロメル電極のような他の電極を含むこともできる。
II.刺激電極
電極上の1以上の生物学的要素、例えば、細胞、受容体、細胞の膜、細胞のマトリックスタンパク質などを含む伝導性ポリマー被膜は、バイオ電極に接触しているか又はその近傍のニューロン、電極の電荷容量を増加することにより、及び平坦な電極からニューロンに向って柔らかなポリマーの弦により表面を拡大することにより、筋細胞及び筋肉細胞を含む細胞の電気刺激を改善する。一部の態様において、本開示のバイオ電極及び生物学的要素−伝導性ポリマー電極混成被膜は、薬物、又は生きている細胞を固定化することができ、瘢痕の予防/減少のために物質を分泌し、神経の生存能力を改善し、神経突起を誘引し、そして安定で直接の信号伝達のための組織とバイオ電極の間の統合を促進する。一部の態様において、神経の前駆細胞を接種された第一電気伝導基質を含み、そして電気化学的に重合した伝導性ポリマーでコートされたバイオ電極は、脳又は中枢又は末梢神経系のようなニューロンに富む組織の中に埋め込むことができ、内因性ニューロンの成長を電気的にそして生物学的に刺激することができる。神経前駆細胞はニューロンの常在母集団を誘引できる因子を分泌することができ、バイオ電極を統合し、それと連絡する。形態学的に小さな足及び神経突起のバイオ電極の方向への伸長により裏付けられるニューロンの統合の後に、バイオ電極は電圧及び/又は電流バイアスを適用することにより作動することができ、バイオ電極と連絡している相互に連結したニューロンの成長を刺激する。いずれの特別な理論に限定されずに、バイオ電極及び周囲の組織の間の改善された生体適合性には、炎症及びグリアの瘢痕形成の減少、埋め込んだ装置の近くの組織再生の促進及び電極表面と標的ニューロンの間の密接な接触の形成が寄与している可能性がある。
一部の態様において、本教示のバイオ電極は、電気的機能及び心臓の細胞又は線維芽細胞のような電気的に応答する細胞、及び骨生成細胞を含む他の電気的活動性細胞に同様に作用することができる。電極基質上に重合した伝導性ポリマー−生物学的要素の混成被膜は、電気的活動性心筋細胞と埋め込まれた電極の間の直接の統合を提供する。生物学的要素、例えば、細胞又は細胞の膜、イオンチャネル、受容体、成長因子及び酵素を含むふわふわした、軟らかい線維性の伝導性ポリマーを含む電極被膜は刺激電荷容量を増加し、一方で記録電極インピーダンスの減少を生じる。一部の態様において、創傷治癒及び骨の治癒及び成長に関係する療法のための電気刺激のようなものに応答する細胞は、治療の形として、本教示の埋め込み可能なバイオ電極により提供される刺激療法により特に利益を受けることができる。生きている細胞は、天然又は合成ヒドロゲルの足場の中に増殖又は不動化することができ、そして電極基質、例えば、埋め込む前のワイヤー又はプローブに適合し、バイオ電極装置に対する細胞の応答を改善しそして指令し、そして活性組織との統合を促進する。一部の態様において、伝導性ポリマー中に埋め込まれた生細胞は、成長因子、分化因子(1以上のインシュリン様成長因子、神経栄養因子のNGFファミリー、毛様体神経栄養因子(CNTF)及び下垂体アデニル酸シクラーゼ−活性化ペプチド(PACAP)、骨形成因子1〜17、線維芽細胞成長因子及び神経、心臓、骨及び筋肉組織を再生するために使用される一般的に知られている成長因子のいずれかを含む)、受容体アゴニスト及び/又はアンタゴニスト、酵素阻害物質、及び心臓、脳、中枢及び末梢神経系及び筋肉系を含む電気的活動性組織の疾患及び病気を持つ被検者に投与されることが知られている治療上有効な生物活性物質を発現及び分泌をするように組換えられた細胞を含む治療上利点がある細胞のいずれかを含むことができる。
種々の態様において、組織再生は、抗炎症薬及び他の成長及び分化因子を含むヒドロゲル足場においてニューロン、筋肉細胞及び心筋細胞に分化することができる胚性及び/又は造血及び/又は実質の幹細の周囲に重合した伝導性ポリマーを含むバイオ電極を埋め込むことにより促進することができる。一部の態様において、バイオ電極は、特に対イオンとして使用された場合、又はヒドロゲルの足場に添加された場合に、組織−電極境界の中に、貯蔵した薬物及び他の生物活性物質を放出することができる。一部の態様において、バイオ電極の周囲の栄養性ヒドロゲル足場は、バイオ電極上又は周囲の伝導性ポリマー及び/又はヒドロゲルを免疫系から防護することができ、そしてそれらを増殖させそして分化させることができる。重合した伝導性ポリマーを含むヒドロゲル足場は、重合した伝導性ポリマーを介して電極基質と密に接触しているので、未熟電気活動性細胞に成熟細胞機能をプログラムするために電機療法を行うことができる。
III.電極の位置を記す方法
一部の態様において、マイクロメーターの細いワイヤー及び他の電極基質を含む電極の設置は、特に、電極が金属材料を全く含まない場合又は組織の組織学的分析をする前に取り去られた場合には、後に位置の確認を困難にする可能性がある。一部の態様において、バイオ電極、電極被膜、及びここに記述されたその場で重合した生物学的要素−伝導性ポリマー材料は、修飾することができ、既存の電極は目に見える位置の手掛りを、ある場合は組織中に埋め込まれた電極の以前の位置を提供することができる。伝導性ポリマーは、生きている組織中に埋め込まれた場合には、典型的によく造影される。
IV.埋め込んだ組織へ電極を接着する方法
一部の態様において、既存の電極及び新しい電極装置は、埋め込んだ電極の周囲の組織内のその場で重合した伝導性ポリマーネットワークにより埋めこまれた組織内に固定又は定着させることができる。この方法は、組織の隙間空間にナノスケールの線維、原線維及び他の構造を与える「ふわふわ」した3次元構造を提供するので、電極を埋め込んだ組織内に固定する。これは時間経過の間の電極のずれ及び移動の問題を改善し、電極は埋め込まれ、そしてその適切な刺激及び記録部位に電極の位置を固定することができる。
V.生物、細胞、薬物、化学物質及びバイオ分子のセンサー
電気活性伝導性ポリマーは、電流を適用した時にポリマー内に生じる電気反応により検出装置として働くことができる伝導性ポリマーの本来の性質を損なわずに、限定せずに、生きている細胞、細胞成分、核酸、分子機能化マイクロ−ナノパーティクル、酵素、タンパク質、又はペプチドを含めて検出する物質を電極の表面上に固定化するために使用することができる。この反応は、ポリマーの表面の近く又は伝導性ポリマーマトリックスの中で生じる酸化/還元反応を検出するために利用することができる。多様な検出物質を伝導性ポリマーマトリックスの中に取り込む能力と対になって、これは、検出物質とその相補的相手、例えば、酵素とその基質、受容体とリガンド、抗体と抗原又は細胞と病原体の間に生じる電子移動反応を検出するための強力なシステムを提供する。不動化した分子の電子移動を検出することにより、電気活性伝導性ポリマー電極は、グルコース、コリン、リン酸イオン、核酸及びクロルプロマジン及びドパミンを含む多数の分子の濃度変動を検出することが示された。
さらに、伝導性ポリマーは、容易に修飾することができ、特定のタンパク質又は生体分子との相互作用を促進し、そして装置表面の汚染による非特異的な相互作用を制限するための種々の生物活性物質を含むことができる。タンパク質は、種々の方法、例えば電気化学的な沈殿、共有結合及び伝導性ポリマーネットワークの中への捕捉により伝導性ポリマーフィルムの中に取り込むことができる。伝導性ポリマーのこの特徴は、1以上の生物学的要素を埋め込んだ伝導性ポリマーネットワークを生物活性にすると共に、特別な刺激により電気伝導度の可逆的変化を可能にして、このバイオ電極がバイオ分子検出装置として働くことが出来るようにするために利用することができる。
一部の態様において、細胞又は受容体、抗体、イオンチャネルのような特定の生物学的要素の周囲に重合した伝導性ポリマーを含む電極を特定の化学的存在を検出するために使用することができる。一部の態様において、電極基質上に存在する伝導性ポリマーの中に埋め込まれた生物学的細胞は、環境中の栄養を使用して生存を維持して、(使用した細胞のタイプにより予め定められた)特定の生化学的又は電気化学的変化を検出するために定常的に環境をサンプリングすることによりバイオセンシング機能を実行することができる。環境における変化が検出された場合には、その信号は細胞又は受容体上の正味表面電荷の局所変動を生じる細胞関連酵素反応により伝達され、それは次いで伝導性ポリマー−生物学的要素混成電極上の伝導性ポリマーを介して電極に伝達される。
一部の態様において、バイオセンサーは液体中の生物学的物質を検出するために使用することができる。該装置を製造するために使用される方法は、第一及び第二電気伝導性基質を支持体上に組み合わせて取り付けることを含むことができる。支持体は、分解を受けない生体適合性材料、例えば、生体適合性プラスチック、例えば、テフロン(登録商標)、セラミック、例えば、磁器、及び金属材料、例えば、ステンレススチールのいずれかであり得る。生物学的要素、例えば、酵素又は細胞受容体又は抗体の溶液は、第一電気伝導性基質の部分に適用される。生物学的要素は、電気伝導性基質上に層を形成するために、生体適合性ヒドロゲル、例えば、アルギン酸ヒドロゲルを含む保護的、多孔性そして液体透過性物質を持つことができる。伝導性モノマーは、生物学的要素及びヒドロゲルを含む溶液中に加えられ、そして第一電極基質の部分の上で均一に混合される。次いで、定電流又は定電圧の電流を第一電気伝導性基質に適用するか又は直接的酸化重合によりこの伝導性モノマーは重合し、ヒドロゲルマトリックス中の生物学的要素の周囲に伝導性ポリマーを含むネットワークを形成する。分析すべき標的分析物を含む検体を入れる容器を準備する(それは溶液及び二つの電気伝導性基質を入れることができる容器、例えば、非伝導性材料で造られた立方体フローセルを含む)。一部の態様において、標的分析物は、その存在又は量が測定される基質のいずれかであり得る。標的分析物は、生物学的要素に対する結合パートナー、例えば、その抗体に対する特定の抗原、その受容体に対する特定のリガンドである。適用する電圧を選択して、生物学的要素と伝導性ポリマーの間の電荷移動を促進する。
生物学的要素に対する標的分析物の特異的結合は、該生物学的要素の表面に測定可能な電位差測定上の又は電流測定上の電荷の相違を生じ、それは第一電気伝導性基質に密着接触している伝導性ポリマーに伝達される。生物学的要素から伝導性ポリマーに、次いで第一電気伝導性基質へ移動した電荷の結果として発生した電流は、標的分析物の濃度に正比例するので、標的分析物の濃度の定量化が可能である。バイアス源として、装置が容器内で標的分析物を含む液と接触している場合には、第一及び第二電気伝導性基質の間の一定の電位差を利用する。
一部の態様において、バイオ電極は、バイオ電極の細胞−伝導性ポリマー混成マトリックスの周囲の薄い非生分解性ヒドロゲル被膜を含むことができ、生物学的要素の外部環境への暴露を防ぐ。同様に、さらに他の態様において、細胞−伝導性ポリマー混成電極は、電極上に埋め込まれた細胞に栄養源を供給することにより、維持することができる。毒性の可能性がある環境から栄養性ゲルを保護するために、非吸収性ヒドロゲルの追加の薄層を使用することができ、栄養性ゲルを分解から保護する。伝導性ポリマーに含まれそしてそれで覆われた埋め込まれた細胞に栄養源を供給することは、実際に環境に暴露されずに、そして本教示のバイオ電極の細胞に対する環境に細胞/組織を暴露することなく、電極の細胞が環境と相互作用すること(例えば、生化学物質の検出又は薬物の分泌)を可能にする。
電極に基づく薬物輸送装置のための新規伝導性ポリマーセンサー被膜は、薬物輸送装置に対するフィードバックによる標的分子のリアルタイム検出、次いで調節薬物放出の刺激の統合を可能にする。生物活性分子の検出/監視又は化学的サンプリング装置は、溶液中の一つの標的生物活性分子であっても定量化を可能にする。「賢明な」ポリマー表面は、特定の細胞型と接触している時に、ポリマー内のリガンドがその標的受容体に結合した時に生じる酵素仲介検出反応により、検出することができる。この過程は、ポリマーフィルムの細胞型特異的信号を運ぶために使用することができるであろう。
VI.生物活性カテーテル
埋め込んだカテーテルの周囲に閉塞/凝血を防ぐために、本「賢明な」カテーテルは薬物溶出ポリマー被膜を使用し、細胞及びタンパク質の接着及び封入を防止する。本教示の伝導性ポリマー−生物学的要素混成ポリマー被膜は、調節可能な表面電荷、調節された形の変化、結合又は放出可能な薬物又はタンパク質の取り込み、及び周囲の組織と装置お集積体に直接治療薬を放出することができる生細胞の固定により、細胞及び非特異的タンパク質の吸着を減少させることができる。
一部の態様において、本態様により想定される電極被膜及び関連するバイオ電極装置は、伝導性ポリマーが生物学的要素、例えば、生きている細胞の細胞膜と境界を接する能力を生じた。本バイオ電極装置は、生きている細胞を埋め込みそして包み込むための材料の新しい型として取り入れることができ、細胞の3次元「反転」画像を形成する能力による細胞表面特性の研究及び細胞領域(体細胞、樹状突起/突起)にわたる細胞膜分極及びイオンチャネル活動のリアルタイム動態の研究を促進する。基質上の生きている細胞を固定化するための新規材料は、非真空又は低真空顕微鏡画像(TEM,AFM,ESEM,EFM)及び多分生きている細胞には未だ使用されていないFTIR及びSFGのような他の表面分析技術のために(使用することができる又は適している可能性がある)。
一部の態様において、電気信号を受け取るために作動する1以上の生物学的要素を含む本教示の伝導性ポリマーに基づくマイクロ電極アレイ(MEA)装置及び電気信号を受け取るための電気伝導性基質;及び電極及び生物学的要素に隣接して配置され、その中で少なくとも複数の伝導性ポリマーの一部は電気信号を電極と生物学的要素の間に伝達する、重合した複数の伝導性ポリマーを含む伝導性ポリマーマトリックス、は電気的刺激及び細胞の活動電位及び一つ又は多数の生きている電気的活性細胞の細胞外フィールドポテンシャルの記録のために使用することができる。伝導性ポリマー及び細胞の細胞膜の間の密着した接触は、現在利用できるMEA又は一般的パッチクランプに基づく電気生理学的技術では不可能である高感度の、高度に局所的な、さらに細胞部分のシナプス連絡及び神経活動の活性化に関する研究を可能にする。
種々の態様において、細胞の膜が接着している基質の領域上には伝導性ポリマーが形成できないことにより、この電極は、細胞−基質接着の可視化及び分析に使用することができる。このことは、細胞−基質接着の詳細をナノメータースケールで明らかにする。これらの研究のために電気的に活性な生体材料を使用することは、生物医学研究分野では広く使用されている免疫細胞/組織化学及び全反射顕微鏡(TIRF)を含む現在の方法に代わる安価で、早い代替方法であろう。石英結晶微量天秤も細胞−基質接着をアッセイするために使用することができるが、この方法は生物医学研究に広くは利用されない。
本教示の電極組成物は、体の他の末梢組織に埋め込んだ同様な生物医学装置に代わることができる。
本教示の一定の態様において、細胞に基づく伝導性ポリマー電極は、低い電気的インピーダンスと非常に大きな有効表面積を持つ軟らかい、ふわふわした材料である。伝導性ポリマーの大きな表面積は、電極と標的環境の間の最大電荷移動を容易にすることができる。さらに、一定の態様において、伝導性ポリマーの柔軟性は、金属電極基質のみに比較して、軟らかい組織と硬い装置表面の間の境界における機械的緊張減少させることができる。
さらに、バイオ電極は、組織の中の隙間空間及び細胞の間の細胞外マトリックスに挿入又は埋め込むことができ、細胞表面に密着して組み込むことができる電極を生じるが、その分子又はナノメータースケールのために免疫反応は発生しないはずである。
本開示は以下の非限定的な実施例を参照してさらに理解されるであろう。
実施例
実施例1.生きている細胞を含むバイオ電極
電極の作成と細胞培養の細胞培養容器:細胞は、電気化学的重合工程用に伝導性基質「又は電極に接着されるか又はその上で培養される。電極は細胞に暴露される前に70%エタノール(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)で10分間洗うか、又はUV光線に20分間暴露することにより滅菌した。次いで、必要なタイプの細胞を培養するために滅菌電極を培養皿の中に入れる。電極の形状によっては、ある場合には電極を細胞培養皿の底に貼り付けて、電極の横への移動を抑える。これは、Loctite Cyanoacrylate(Henkel Corp.,Rocky Hill,CT)のような液状環境において接着するスーパーグルーの最少量(例えば1〜10μl)を使用して、電極を皿の底に接着することにより行う。大部分の細胞型について、細胞を接着できるように、電極の高さは細胞培養皿の表面から250〜500μmを越えてはならず、電極表面積は、多数の細胞を伝導表面上に接種できるように充分広くなくてはならない(例えば、>100μm)。細胞培養皿は細胞接着を促進する荷電表面を持っていなくてはならないので、われわれはCorning(Corning,NY)の血漿処理培養容器及びポリ(リシン)コーティング培養容器(BD Biosiences,San Jose,CA)を使用する。さらに、一部の細胞型(例えば、ニューロン)については、細胞が表面に接着できるようにポリ(リシン)で電極をコーティングすることも必要である。そうして、電極を最初に滅菌し、次いで血漿処理細胞培養容器の底に接着し、次いでリン酸緩衝食塩液(PBS;Hyclone Media,Kansas City,MO)中のポリ(リシン)溶液(1mg/ml;Sigma−Aldrich)を皿に加え、そして無菌状態(組織培養フード中)の下に室温(RT)で2〜12時間(h)インキュベートする。インキュベーション後、ポリ(リシン)溶液をPBSによる1回洗浄ですすいで、細胞を接種することができる。
組織/細胞の培養;選択した細胞型を、その細胞型に適する公表されている方法に従って、培養中で維持する。例えば、現在の研究において、われわれの実験室は、SH−SY5Y神経細胞芽腫−由来細胞系(ミシガン大学のDr.Eva Feldmanより供与;また、American Tissue Culture Collection,www.atcc.orgで入手可能)、並びにマウス胚から分離した皮質神経培養を使用している。SY5Y細胞は、penn−strep混合抗生物質溶液(細胞培地中1:100に希釈;Gibco/Invitrogen)及び10%胎児ウシ血清(FBS;Gibco/Invitrogen)を添加したダルベッコ改良イーグル培地(DMEM、グルコース添加、L−グルタミン添加;Gibco/Invitrogen、Carlsbad,CA)の中で維持される。培地は1週間に1度交換され、細胞は継代/1:4分割を2週間毎に行う。
生きている細胞が存在する中における電気化学的な重合:生細胞電極を作成するために、細胞を接種した電極を、(細胞型による)水溶液、例えばイオン性ドーパント及び/又はバイオ分子と共に必要なモノマーを含む水、PBS又はHBSSを入れた電気的に連結した保存容器に入れる。伝導性ポリマーフィルムの必要な厚さに応じて1〜10μA/mmの直流(DC)を0.5〜10分間供給することができるAutoLab Potentiostat/Galvanostat(EcoChemie,オランダ)或いは類似の装置を使用して、電極及びモノマー溶液に定電流を適用する。モノマーの電気化学的酸化/還元により、接着細胞の周囲及び上に伝導性ポリマーフィルム及びネットワークが形成するので、伝導性ポリマーの足場の中にそれらの包埋及び固定を生じる。生細胞電極を作成するために、生じた細胞−伝導性ポリマー混成材料が、ポリマーが生きている細胞を取り囲むが、その操作により細胞全体を覆わない状態になるように、電気化学的重合をそれぞれの細胞型及び電極の形状に応じて最適化することができる。
細胞−ポリマー混成電極マトリックス中の細胞維持:生細胞電極が適切に機能するために、細胞−伝導性ポリマーマトリックスに取り込まれた細胞は、装置が機能することが期待されている長期間にわたり生存を維持しなければならない。生きている細胞は、それぞれの細胞型に特異的な栄養、増殖因子及び溶解ガスの宿主に接触する。
表面形状の特性解析:生細胞電極の表面形状は、「生きている」電極の統合性を破壊せずに特性解析することはできない。2バッチの電極、1バッチは電気的特性解析と実験に、他のバッチは顕微鏡検査のために作成された。光学及び蛍光顕微鏡を使用して、細胞の生存、細胞形態、及び細胞−伝導性ポリマー混成マトリックスの統合性/品質を評価するために、バイオ電極を顕微鏡検査する。さらに、水性環境中においてタッピングモードのAFM並びにチャンバー内湿度50〜70%の冷却ステージ(Peltierステージ)上きわめて低い真空中で実施される環境制御型走査電子顕微鏡(ESEM)を使用して、表面の形状/特徴を解明する。
光学顕微鏡は、反射光及び透過光の両者の観察ができるNikon Optiphot POLを使用して行う。Macintosh G4コンピューターで作動するSpot RTデジタルカメラで画像を撮影した。傾向顕微鏡については、われわれは、Hoffmanコントラスト調節装置、Olympus CCDカメラ及びDell PCコンピューターで作動する付属Olympusデジタル画像ソフトウエアを装備したOlympus IMT−2上向光顕微鏡を使用する。検体表面の形状に関する情報は、Michigan Electron Microbeam Analysis Laboratory(EMAL)に設置されているマルチモードヘッドを持つDigital Instruments Nanoscope IIIによりAFMで得られるであろう。得られた画像は、典型的に100ミクロンから1ミクロンのスキャンサイズにわたる高さデータの512×512アレイからなっている。生細胞電極の表面及び微細構造に関する情報は、FEI Quanta 200 3D集束イオンビームワークステーション及び環境制御型走査顕微鏡を使用して得ることができる。
細胞生存能力の評価:生細胞電極が適切に機能するために、細胞−伝導性ポリマー混成マトリックスの中へ取り込まれた細胞は、ポリマー中に埋め込まれた後並びに装置の寿命を通して生存能力を維持しなければならない。細胞生存能力は、種々の方法を使用して評価することができ、その多くは細胞型に特異的である。哺乳動物細胞の多くに共通する二つのアッセイを使用することができる;Vybrant Live/Dead assay(Molecular Probes,Eugene OR)及び細胞死に関係するタンパク質、特異的にアポトーシス関連プロテアーゼ活性化カスパーゼ3(抗体はCell Signaling Tchnologies,Beverly,MAから入手可能)の免疫細胞化学。Vybrant Live/Deadアッセイでは、3つの異なる色素、特にHoechst(全ての細胞に対して透過性であるが、染色する細胞においてより明るい)、SYTOXグリーン(アポトーシスにより染色する細胞に大部分存在する)及びヨードプロピジウム(傷害された膜を持つ細胞;アポトーシス又は壊死の細胞のいずれにも存在する)を使用して、細胞数量、大きさ及び核の染色強度のタイプを測定する。免疫細胞化学(ICC)では、細胞はPBSで希釈した3.7%ホルムアルデヒド中30分間室温(RT)で、又は終夜(ON)4℃で固定する。次いで細胞を冷PBS中で洗い、次いでPBS+0.1%Triton−x(PBSX)中1時間からON透過性にした。非特異的標識を、1時間RTで3〜5%ウシ血清アルブミン(BSA)+PBSX中インキュベーションしてブロックする。次いで、1.5〜3%BSA/PBSX又はBSA/PBSで希釈した一次抗体(この場合、抗−活性化カスパーゼ3@1:100)に細胞を2時間〜ON暴露する。次いで、細胞をPBS又はPBSX中3回洗い、次いで暗所室温において蛍光団結合二次抗体(1%BSA/PBSX中1:100)とインキュベートする。次いで、細胞をPBSX中3回洗い、全ての核をHoecht33342で対比染色し、細胞をVectashield水性マウントにのせ、顕微鏡画像を作成するまで4℃で保存する。
培養細胞は以下を含むことができるが、これに限定されない:線維芽細胞、ニューロン、筋細胞、平滑筋、グリア、Schwann細胞、前駆細胞、胚性幹細胞。神経又は他の幹細胞は、電気化学的な重合操作のために、電極基質上で培養することができる。電極は細胞に暴露する前に、70%エタノール(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)中で10分間洗うか又はUV光線に20分間暴露することにより滅菌することができる。Loctite Cyanoacrylate(Henkel Corp.,Rocky Hill,CT)のような液状環境において接着するスーパーグルーの最少量(例えば1〜10μl)を使用して、滅菌電極を細胞培養皿の底に固定することができる。細胞が電極に接着できるように、電極の高さは細胞培養皿の表面から250〜500μmを越えることはできない。電極基質表面積は、多数の細胞を伝導表面上に接触できるように充分広くなくてはならない(例えば、>20μm)。細胞培養皿は、細胞接着を促進するために、(Corning(Corning,NY)の血漿処理培養容器)及びポリ(リシン)コーティング培養容器(BD Biosiences,San Jose,CA)を使用する。さらに、ニューロンは、細胞が表面に接着できるようにポリ(リシン)で電極基質をコーティングした後に、電極基質上で培養することができる。そうして、電極を最初に滅菌し、次いで血漿処理細胞培養容器の底に接着し、次いでリン酸緩衝食塩液(PBS;Hyclone Media,Kansas City,MO)中のポリ(リシン)溶液(1mg/ml;Sigma−Aldrich)を皿に加え、そして無菌状態(組織培養フード中)で室温(RT)において2〜12時間(h)インキュベートすることができる。インキュベーション後、ポリ(リシン)溶液をPBSによる1回洗浄ですすいで、細胞を接種することができる。
組織/細胞培養:選択した細胞タイプは、その細胞型に適する公表された方法に従って、上記のように培地中に維持することができる。組織培養の方法及び材料は、Coligan,et al.,Current Protocols in Immunology,Wiley Interscience,1991の中に見出すことができ、引用してここに取り入れられている。
一次神経細胞培養は胎齢13〜14日に到着するように注文することができる適時の妊娠マウス(Swiss−Webster)から調製することができる。胎齢18,19又は20日に、CO窒息によりマウスを殺処理し、胎児を取り出し、直ちに氷冷Hankの緩衝食塩液(MgCl又はCaClを除いたHBSS:Hyclone Media)に入れる。胎児を断頭し、頭蓋から脳を取り出し、髄膜を除去し、新皮質を切り取る。解離を行うまで、皮質組織の小片を45mlの氷冷HBSSの中に入れる(通常20分以内)。組織を移動するための滅菌10mlピペットを使用して、この組織小片を新鮮氷冷HBSSで3回洗う。10〜15匹のマウス胎児の皮質組織を2ml解離培地に沈める。解離培地は、0.5mM L−グルタミン(Gibco/Invitrogen)、5%FBS及びpenn−strep(培地で1:100希釈)を添加したNeurobasal media(Gibco/Invitrogen)で構成される。解離培地中における組織の機械的な破壊/解離を行うために1000mLピペットチップを使用する(500μlのダイアルピペッター及び20回処理、泡を発生させない)。組織が完全に解離した後、細胞懸濁を1000×gで3分間室温(RT)で遠心分離する。上清を除去し、細胞ペレットをプレーティング培地中に再懸濁する。プレーティング培地は、0.5mMグルタミン、penn−strep,1%FBS,2%B27無血清培地添加物(Gibco/Invitrogen)を添加したNeurobasal培地である。細胞はポリ(リシン)コーティング培養容器にプレートすることができる。プレート後5〜7日毎に、30%の培地交換をすることができる。培養は、7〜10日までに実験の準備をすることができ、培養21日もの長い間使用することができる。
実施例2.細胞鋳型電極及び電極被膜
細胞鋳型伝導性ポリマーフィルムを作成するための細胞の除去:実施例1に既に記述した電極基質の表面上の電気化学的重合に続いて、伝導性ポリマーに埋め込まれた細胞は、水、食塩液の中で激しく振とうすることによる機械的破壊によるか、又は電極基質に細胞を接着しているタンパク質を分解するカルシウムキレート剤(EDTA,EGTA;Sigma−Aldrich)及びトリプシン(Hyclone Media)のようなタンパク質分解酵素に暴露することにより除去される。一定の態様において、水洗浄及び機械的分解の併用は、細胞本体及び細胞成分の大部分を取り除くであろうが、しかし通常細胞表面に存在する一部の細胞成分及び細胞接着タンパク質は残される。得られた伝導性ポリマー表面は、細胞表面及び細胞−基質接着タンパク質及び/又はタンパク質フラグメントを有しており、これはこの生物活性及び生体模倣材料に接触する細胞及び組織の結合を促進することができる。これに対して、タンパク質分解酵素への暴露により除去された細胞は、細胞鋳型特徴を持つ伝導性フィルムを生じるが、細胞成分を全て除去するために本質的生物学的活性は持っていない。
実験
材料及び方法:SH−SY5Y神経芽細胞腫由来細胞を、Penn−Strep混合抗生物質溶液(細胞培地中1:100に希釈;Gibco/Invitrogen,Carlsbad,CA)及び10%胎児ウシ血清(FBS;Gibco/Invitrogen)を添加したダルベッコ改良イーグル培地(DMEM、グルコース添加、L−グルタミン添加;Gibco/Invitrogen、Carlsbad,CA)の中で維持した。マウス解離皮質一次培養(MCC)を胎齢18〜20日(E18〜20)マウスから調製した。脳を取り出し、氷冷Hankの緩衝食塩液(HBSS;塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸カルシウム又はフェノールレッドを除く;Invitrogen)に浸し、新皮質を切り出し、髄膜を除き、組織を氷冷HBSSで洗い、次いで1mlピペットチップを使用して手動で解離した。MCCを0.5mM L−グルタミン及び2%無血清栄養添加物B27(Invitogen)を塩化したNeurobasal培地中に37℃で5%CO中維持した。培地の3分の1を4日毎に置換し、そして実験に使用する前に少なくとも7日間成熟させた。
細胞培養のための電極:細胞に暴露する前に、電極(裸又はPEDOT−コーティング)を70%エタノール(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)で10分間洗浄して滅菌した。われわれは、この試験に二つの異なるタイプの電極を使用した、特別に設計した自作のAu/Pdスパッターコーティング電極(Au/Pd;直径6mm)及びApplied BioPhysics(Troy,NY)ECIS電極(ABP;直径250μm)。Au/Pd電極では、電極を細胞培養皿の底に貼り付けて、電極の横の動きを防ぐ必要があった(1〜10μl Loctite Cyanoacrylate;Henkel Corp.,Rochy Hill,CT)。細胞培養では、われわれは、SY5Y細胞に関する全ての実験においてCorning(Corning,NY)の血漿処理ポリスチレンを使用し、MCCに関する全ての実験は、ポリ(リシン)(PDL)コーティング培養容器(BD Biosciences,San Jose,CA)又はPBS中の1mg/ml PDL(Sigma−Aldrich)で2〜12時間コーティングした(次いで、細胞暴露の前にPBSで洗った)皿及び電極で行った。生きている細胞の周囲にPEDOTが重合する実験では、神経細胞は電気化学的重合操作の前に24〜48時間電極上で培養した。
電気化学的重合及びPEDOTから細胞の除去:モノマー水溶液(この試験では:リン酸緩衝食塩液(PBS;Hyclone Media,Logan,UT)中0.01 M EDOT及び0.02 Mポリ−アニオン性ドーパントであるポリ(スチレンスルホン酸ナトリウム)(PSS))を含む電気的に連結した容器に電極を入れた。AutoLab PGstat12 Potentiostat/Galvanostat(EcoChemie,オランダ)を使用して電極の形状及びポリマーフィルムの必要な厚さに応じて0.5〜10分間、定電流(0.5〜10μA/mm)を電極及びモノマー溶液に適用した。細胞鋳型PEDOT基質では、細胞を電極上で培養し、PEDOTは電気化学的に細胞周囲に堆積し、重合の後直ちに100mM trypsin−versene(Hyclone)に37℃で2時間暴露し、次いで機械的に破壊することにより細胞を除去した。
顕微鏡。われわれは、いくつかの異なるタイプの顕微鏡を使用して、電極と神経細胞の相互作用の特性解析をした。1)光学顕微鏡:Spot RT デジタルカメラを装着したNikon Optiphot POL;2)位相差/蛍光顕微鏡:Hgアークランプ装着Nikon T2000倒立光学/蛍光顕微鏡、Hamamatsu CCD 16ビットカメラとSimple PCI画像ソフトウエア(Takayama labの好意);Hgアークランプ装着Olympus BZ−51,Olympus CCDカメラ及びOlympus画像ソフトウエア(University of Michigan Microscopy and Image Anaysis Core Laboratory,MIL);3)走査電子顕微鏡(SEM)及び環境制御SEM(ESEM):FEI Quanta 3D Dualbeam Focused Ion Beam(University of Michigan Electron Microbeam Analysis Laboratory,EMAL);4)原子力顕微鏡(AFM):マルチモードヘッド装着Digital Instruments Nanoscope III,タッピングモード(EMAL)。
細胞生存能力アッセイ:細胞生存能力は、3つのアッセイを使用して評価した;Vybrant Live/Dead Assay(Molecular Probes),MTT細胞生存能力アッセイ(Chemicon,Temecula,CA)及びアポトーシス関連プロテアーゼ、活性化カスパーゼ3に関する免疫細胞化学(ICC)(Cell Sgnalling Technologies,Beverly,MA)。Vybrant Leve/Deadアッセイでは、3つの異なる色素、Hoechst 33342(全ての細胞核を標識するが、アポトーシス細胞の核で明るい)、YoPro−3(アポトーシス細胞を標識する)及びヨードプロピジウム(PI)(傷害膜を持つ細胞;アポトーシス及び壊死細胞を標識)を使用して、蛍光顕微鏡により細胞数量、大きさ及び核染色強度のタイプを評価した。
免疫細胞化学及び細胞染色:細胞を3.7%ホルムアルデヒド/PBS中室温で30分〜1時間固定した。ICCでは、非特異的結合を3%BSA/PBS+0.1%Triton X(PBSX)でブロックし、一次抗体(活性化カスパーゼ3;Cell Signaling Technology,Biverly,MA)をブロッキング緩衝液で1:100に希釈し、そして細胞と終夜4℃でインキュベートした。翌日、細胞をPBSXで洗い、二次抗体(ブロッキング緩衝液中1:300)とインキュベートし、核をHoechst/PBS(Molecular Probes/Invtrogen)で対比染色し、次いで、画像化するためにFluoromount G(Fischer)で水性マウントした。F−アクチン細胞骨格をPhalloidin−Oregon Green(Molecular Probes)(PBSX中1:300)で1時間室温又は終夜4℃で標識した。蛍光顕微鏡及びESEMでは、細胞を4%ホルムアルデヒドで固定し、PBS中に維持し、次いで、画像化の前に水で洗った。SEMでは、1%グルタルデヒドを使用して細胞を固定し、水で洗い、次いで、エタノールの濃度を上げて(50%、75%、95%、100%;各10分)脱水し、次いでPeldri II又はヘキサメチルジシラザン(HMDS)(Ted Pella,Redding,CA)中で終夜乾燥した。
電気的性質の分析;電極の電気的試験は、AutoLab PGstat及び電解質としてPBS(pH 7.0)、対電極(CE)としてプラチナワイヤー、対照電極(RE)として飽和Ag/AgClカロメル電極(SCE)の3つの電極システムを使用して、PEDOT堆積の前と後に行った。電極自体は刺激/作動電極(SE/WE)であった。電気化学的インピーダンススペクトル(EIS)により、周波数(1〜100,000Hz)の範囲の交流(AC)に対する応答を評価し、典型的にマイクロ電極による神経活動の検出に関係する周波数である100〜1000Hzにおける反応を厳密に観察した。サイクリックボルタンメトリー(CV)を、電極の荷電容量の測定に使用した。電圧を、SCEに対して−1から+1V又は−0.9から0.5V(0.1V/秒)の率で循環し、電流を測定した。
等価回路モデル:EISデータから回路モデルを開発するために、ZSimpWin(EChemSoftware,Ann Arbor,MI)を使用した。データはAutoLab PGstatソフトウエア、Frequency Response Analyzer(FRA)から輸入した。得られたモデルの実験データへの合致を決定するために、モデル全体のχ自乗値(χ)及び各回路成分のパーセント誤差値を使用して、モデル作成プロセスを反復した。電気化学的細胞試験の理論及び各成分追加はχ値を一桁減少するというBoukampの示唆を使用して、成分を選択した。回路モデルは、Boukampの示唆を使用して呈示されている。χ値は以下のアルゴリズムにしたがって計算した:
Figure 2009506836

実験データポイントが理論的データポイントと相関する場合には、χ値は最小となった。これは、実験及び計算のデータポイントの間の差を最初に計算することにより行われた。この差は、自乗して大きな分散を与える程、有意性は大きい。全てのデータポイントに対する差は合計され、次いで重み付け係数で割られる。1×10−3又はそれより低いχ値は当てられたモデルに受け入れられる。
結果と考察
インビトロにおける伝導性ポリマー、PEDOT及びニューロンの間の相互作用を試験するために、われわれは二つの異なるタイプの神経細胞培養、一次マウス皮質培養(MCC)及びSH−SY5Y神経芽細胞腫由来細胞系(SY5Y)及び二つのタイプの電極、特別設計、自作Au/Pdスパッターコーティング(Au/Pd;6mm直径電極)及びApplied BioPhysics(Troy,NY,USA)ECIS電極(ABP;250μm直径電極)を使用した。細胞を数日から数週間、PEDOT及びポリ(ピロール)のような伝導性ポリマー上で、ほとんど又は全く毒性無く培養することができた。しかし、モノマーの細胞生存能力に対する影響は判らなかった。したがって、われわれは、PEDOTモノマー、エチレンヂオキシチオフェン(EDOT)及びポリ−アニオン性ドーパントポリ(スチレンスルホン酸塩)(PSS,0.02M)の系統希釈に対する細胞毒性用量作用曲線を最初に測定した。SY5Y細胞及びMCCのいずれも、少なくとも75%の細胞生存能力維持であったが、0.01M EDOT、0.02M PSSまでの量に72時間まで培養することができることを、われわれは見出した。したがって、それ以後、われわれは典型的に30秒〜10分間のPEDOT重合操作を使用したのでわれわれは細胞毒性を無視できると予想している。
生きている細胞周囲のPEDOTの重合。PEDOTが、生きている神経細胞が存在する中で直接重合できるか否かを調べるために、われわれは、0.5〜1μA/mmの定電流を使用して、0.01M EDOT,0.02M PSSを含むモノマー溶液から電気化学的にPEDOTを、神経細胞を接種した電極上に堆積させた。これにより、細胞を取り囲み、細胞を埋め込んだPEDOTを電極上に生じた。われわれは、光学顕微鏡及び走査電子顕微鏡(SEM)を使用して、神経細胞の周囲に重合したPEDOTの形態と形状を評価した。堆積の後、PEDOTは細胞を取り囲む暗い、不透明な物質のように見え、細胞の核は重合の間そしてその後無傷で残った。興味あることに、PEDOTは、細胞が基質に明らかに強く接着している領域には堆積できなかった。SEMを使用して、電極上、細胞を取り囲んでいるPEDOTは、PEDOTに典型的な、ふわふわした、結節性の表面形状を示した。また、このポリマーは、細胞の外側を包み込み、ある場合には成長して細胞体を巻き込んでいるように見えた。
細胞を鋳型にしたPEDOT被膜の作成。次いで、われわれは、細胞表面の模様と同じスケールの細胞の形の孔と模様からなる生物模倣の形状を持つ伝導性ポリマー基質を作成するためにこの技術を応用した。ニューロンの周囲のPEDOTの重合の後、酵素的及び機械的破壊を使用してPEDOTマトリックスから細胞及び細胞物質を除去した。これにより、ナノメーター及びマイクロメータースケールの模様を持つ神経細胞を鋳型とするふわふわしたPEDOT材料が生じた。神経細胞を鋳型にしたポリマーの形状は、細胞本体及び伸びた神経突起の周囲を囲む伝導性ポリマーから生じたニューロンの形をした孔及びトンネル、裂け目、及びくぼみであった。この方法を使用して、われわれは、PEDOT(暗い物質)が神経突起の先端のナノスケールの弦を明示しているPEDOTマトリックスと細胞膜の間の境界面における密着した接触のエビデンスを見出した。AFG画像はポリマー表面の形状について更に詳細を提供し、ニューロンの鋳型による模様は約1.5〜3μmの高さであった。
細胞の鋳型によるPEDOTの生体模倣表面は、ナノメートルスケールの「ふわふわさ」及び独特な細胞の形をした孔と模様のために、細胞にとって魅力があるとわれわれは仮定した。細胞の鋳型によるPEDOTの上に新しい細胞を接種した後、細胞の形をした孔の細胞の最生息又は細胞の鋳型による表面への接着の増加のエビデンスを調べた。ニューロンの鋳型によるPEDOT基質上において培養されたSY5Y細胞は、鋳型を使用しないPEDOTの領域よりも、細胞鋳型を使用した領域へ優先して接着することを示すことを、われわれは発見した。細胞のサブセットはこのフィルムの細胞型の穴に再生息するように見えたが、鋳型にするために使用した元の細胞と同じ位置には定着しなかった。
PEDOTに包埋されたことに対する細胞反応の評価。電気的重合方法及びPEDOTの中に包埋することに対する細胞の反応をより良く理解するために、われわれは、重合後数分から数日の細胞生存能力、細胞骨格及び核の形態、細胞接着及び細胞膜の統合性を評価した。これらの実験のために、完全に包み込まずに、栄養素に対する細胞の活性及び接近が維持できるPEDOTマトリックスを生じる重合方法を、われわれは使用した。重合後24時間は正常核形態(Hoechst 33342染色)により裏付けられるように、細胞は分解的又は壊死的死を受けていないことを、われわれは認めた。従って、われわれは、Vybrant Live/Deadアッセイ(Invitrogen)及びアポトーシス関連プロテアーゼである活性化カスパーゼ3(Cell Signaling Technologies)の免疫細胞化学を使用して、誘因損傷の後24〜96時間に生じるプログラム死又はアポトーシスの細胞をアッセイした。事実、重合後72時間から、核内の活性化カスパーゼ3の存在によって示されるように、PEDOTマトリックスに埋め込まれた細胞中のアポトーシスのパーセンテージの増加の検出が始まった。例えば、重合後0h(図5c)及び120hにおけるMCC中の活性化カスパーゼ(+)細胞のパーセンテージの比較。重合後0hにおけるアポトーシス細胞数は、あったとしてもわずかであったが、重合後120hでは、SY5Y及びMCCにおいて、それぞれ25%及び33%のアポトーシス細胞が検出された。
無傷の細胞膜を持つ細胞に対しては浸透性のない核酸色素であるヨウ化プロピジウム(PI)によって細胞は染色された。PI(+)染色は一過性であり、24hでは電気化学的重合の細胞と対照(電流暴露なし)の間に有意な相違は無かった。細胞は、体細胞の近くの最も高い細胞の領域を残して大部分の神経突起を覆う厚い、密集したPEDOTマトリックス(暗い、不透明な物質)に取り囲まれていた。
細胞を含むPEDOTの電気的性質の特性分析。ついで、われわれは、電気的インピーダンススペクトル(EIS)及びサイクリックボルタンメトリー(CV)を使用して、ニューロンを鋳型としたPEDOT及びPEDOT+生ニューロン電極被膜の電気的特性の分析を行った。ニューロン及び心筋細胞のような電気的に活性名細胞からの電気生理学的シグナルの記録は、典型的に、0.1〜1kHzの周波数範囲において、最高の信号対ノイズ比及び記録可能単位数を提供する低インピーダンス、高感度の電極で行った。電極のインピーダンスは電極と電解質の間の境界表面積に関係し、表面積の増加に従ってインピーダンスは減少した。既報に一致して、PEDOTによる電極のコーティングは、0.01〜100Hzの間の周波数において1〜2桁の電極インピーダンスの低下を生じた。これは明らかに、大部分はふわふわした、ナノ−多孔性、かつ伝導性PEDOTマトリックスにより提供される電極の有効表面積の増加によるものである。PEDOT単独に比較して、PEDOT+ニューロン被膜のインピーダンスは細胞の存在のために増加する。これは、電極の一部の領域上の細胞はPEDOT重合に対して障碍として働くために、電極表面のPEDOTによる被覆を減らすことに関係しているようである。しかし、神経細胞を鋳型にしたPEDOT被膜はPEDOTでコーティングした電極とPEDOT+神経細胞の間のインピーダンススペクトルを示したというわれわれが予想しなかった結果は、PEDOTに比較してPEDOT+ニューロンのインピーダンス増加の一部は電極とPEDOTの間の信号伝達を妨害する可能性がある細胞の電気活動性による可能性があることを示唆している。神経細胞を接種した電極(2.7kオーム)、PEDOTコーティング限局(0.2kオーム)、PEDOT+生神経細胞(2.7kオーム)及び神経細胞を鋳型にしたPEDOT電極(0.7kオーム)のインピーダンスに対して、裸の、コーティングを施してない電極(4.4kオーム)の1000Hzインピーダンス(Z)を比較せよ。
インピーダンススペクトルのフェーズプロットは、<10kHzの周波数において、裸及び神経細胞を接種したABP電極の位相角は75〜85°であることを明らかにし、電極は主としてコンデンサーとして機能していることを示した。PEDOTによるコーティングは、位相角を<20°に劇的に低下させ、0.1kHzを超す周波数において電極を蓄電性でなくより抵抗性にした。しかし、PEDOTマトリックス中に神経細胞が存在することは、この反応を緩和し、位相角の減少を少なくして、>10kHz周波数まで主として抵抗性にならない。これは、本来抵抗性と蓄電性の二つの要素を持つ神経細胞の膜の間の複雑な相互作用によるらしい(通常、脱分極抵抗R及び膜電荷蓄積能C及びPEDOTが生きている細胞の存在下に重合する時に形成される独特なPEDOTマトリックスの微細構造を持つRC回路により現される)。
電極の電気的インピーダンスを減少させる能力に関して、PEDOT+ニューロン及びニューロンを鋳型にしたPEDOT被膜がPEDOT被膜とどのような関係にあるかをより良く理解するために、われわれは、これらを以前の出版中で特性分析をした二つの類似のPEDOTと比較した。PEDOT+ニューロン及びニューロンを鋳型にしたPEDOT被膜を、本試験に使用したのと同じポリアニオン性ドーパント、PSSを含むEDOTモノマー溶液から成るPEDOT、並びに細胞を鋳型にしたPEDOTを調製するためにここに示した方法に類似する方法を使用して485nmポリ(スチレン)スフェアーを鋳型にしたPEDOT被膜と比較した。われわれの出版物の中では多様な電極のタイプと形状を使用したので、比較の目的で、データを電極表面積(Z*A=オーム*m)について正規化し、そして1kHzインピーダンス値を蓄積電荷密度(C/A=C/m)の関数としてグラフにした。
また、われわれは、いかにPEDOT被膜の複雑さ、ミクロ多孔性、及び非均一性を増加させることがPEDOTの被膜の抵抗性に劇的に影響するかをより良く理解するために、等価回路モデルを作成した。典型的な裸の電極はR(T(RQ))によって表すことができ、式中Rは溶液抵抗、Tは拡散に関係するWarburg成分(定位相成分Q=0.5)、Rは電極−電荷質境界における電荷移動抵抗、及びQは多孔性及び電解質−電極境界のキャパシタンスを表す定位相成分である。既に、PEDOT−コーティング電極の等価回路モデルはR(C(R=0.5))と定義されており、式中裸の電極のTは、ポリマー表面におけるイオンの拡散及び裸の電極よりもより蓄電的であるポリマーを介しての電流伝導のために、Cに置換されている。興味あることに、PEDOT、PEDOT+ニューロン及びABP電極上のニューロンを鋳型にしたPEDOT被膜のモデル計算は、PEDOTマトリックスは、PEDOT単独についてはQ=0.97、PEDOT+ニューロンについてはQ=0.88、そしてニューロンを鋳型にしたPEDOTについてはQ=0.72の定位相成分によって最もよく表されることを示した(表2参照)。この減少傾向は、PEDOT、PEDOT+ニューロン及びニューロンを鋳型にしたPEDOTの定量的分析により確証することができたPEDOTの表面多孔性の増加を表しており、それはニューロンを鋳型にしたPEDOTは、PEDOTマトリックス中に細胞の形をした孔が存在するために最高の総多孔性を有していることを示している。
PEDOTマトリックス中に神経細胞が存在することは、PEDOTのC(RQ)と同様に、神経細胞膜に典型的なRC成分を与え、[R(C(RQ)(RC))]を生じる。興味あることに、同じモデルは神経細胞を鋳型にしたPEDOTに適用することができるが、この場合に、追加のRCは細胞膜の影響でなく、PEDOTから細胞を取り除いた後に残される蓄電的ギャップによるものである。同じモデルであるにも係らず、RC成分中の抵抗器及び蓄電器の両者に対する値は、ニューロンを鋳型にしたPEDOT被膜(R=7.14×10−3オームcm,C=7.66×10−1F/cm)と比較して、PEDOT+ニューロン被膜では高かった(R=3.18×10−3オームcm,C=2.46×10−1F/cm)。抵抗及び蓄電のこの増加は、ニューロンを鋳型にしたPEDOTがPEDOT+ニューロンマトリックスよりも伝導性がよい理由を説明できる電荷移動能力の増加に現れた。
Au/Pd電極上のPEDOT、PEDOT+ニューロン及びニューロンを鋳型にしたPEDOT被膜の電荷移動能力を評価するために、サイクリックボルタンメトリーを使用した。裸のAu/Pd電極に比較してPEDOT及びニューロンを鋳型にしたPEDOTでコーティングした電極に対する電荷移動能力(CV曲線下面積)の劇的増加は、PEDOT被膜と一致した。CVスペクトルは、電極の電位の偏りがマイナスからプラスへそして復帰を繰り返す時に電極材料の内因性の酸化還元反応を示した。これが電極と電解質の間でのイオン交換を推進し、PEDOTマトリックスの中及び外の移動性イオンキャリアーを移動させた。この電圧偏差のスイッチング過程は、このフィルムの電気的又は物理的安定性をほとんど又は全く損なうことなくPEDOT被膜に繰り返して適用することができ、PEDOTコーティング電極をバイオセンシング及び薬物放出−生体材料への応用のための理想的候補にしている。PEDOT+ニューロン電極被膜の電荷容量は、神経細胞を接種した裸のAu/Pd電極より大きく増加するが、PEDOTで認められるレベルには達せず、明らかに異なる形をしている。
神経細胞培養と伝動性ポリマーの間の相互作用は、脳及び心臓のような電気的に活性な組織と接触することを意図している電気伝導性生体材料の開発には利点である。PEDOTは、電極の上に接種した神経細胞の存在下に直接電気的に重合し、接着した細胞の周囲及び上に伝動性ポリマーを形成する。SEM及び光学的画像は、モノマーからの重合は、重合の足場として細胞、細胞膜、及び細胞外マトリックス(ECM)を使用して、細胞−電極境界にポリマーが沈殿することを可能にしていることを示唆した。
生神経細胞を含むPEDOTマトリックスの電気的特性分析は、神経細胞が金属電極の上又は近傍で培養され、電気的にニューロンと境界を接するために使用されたより典型的な形状とは異なる電極と神経細胞の間の関係を示唆した。伝導性ポリマーと神経の膜の間の密着した相互作用は、PEDOTが繊細な糸状仮足及び神経突起を覆っていることを明らかにした。独特の細胞−ポリマー−電極境界は、新しい世代のバイオセンサー及び「スマートな」バイオ電極を開発のための理想的候補物質であり得る。電気的に応答し、電極に接着する細胞を伝導性ポリマー中に取り込むことは、センシングの目的に取り込まれた細胞の生化学的及び電気化学的性質を利用する新たな機会を提供する。
電極上で培養された細胞の周囲に重合したPEDOTは、また、生きている細胞の周囲に電気的に重合する方法は、固定された伝導性マトリックス中に細胞を捕捉し、固定するための新規方法であることを示した。PEDOT中の電極部位上に細胞を捕捉することは、電極部位からニューロンが移動することにより現在では困難である神経ネットワーク内のシグナリングのマルチ電極アレイ(MEA)に基づく塩基生理学的試験を単純化する。電極上の細胞の電気重合は、伝導性基質及び/又は固定化標的が必要である原子力顕微鏡(AFM)及び走査トンネル顕微鏡(STM)を使用して細胞の画像化を容易にすることができる。電極上で培養された細胞の周囲に重合したPEDOTは、細胞の外側の周囲にPEDOTが沈殿する方式であるために、細胞−基質接着の形態の「陰」画を明らかにする新規方法であることも、われわれは認めた。これは、免疫細胞化学及び全内部反射蛍光(TIRF)顕微鏡のような細胞−基質相互作用を可視化するためのほかの方法の代替を提供する可能性がある。
次に、われわれは、細胞の周囲に重合した後に、PEDOTマトリックスから細胞及び細胞物質を除去することによりニューロンを鋳型にしたPEDOT被膜を作成した。細胞を鋳型にした表面は細胞類似であり、生態適合性である可能性があり、細胞誘因性である可能性があると、とわれわれは仮定した。事実、細胞に規定されたPEDOTマトリックスは細胞上のそして神経突起の長さのスケールの表面特徴を提供し、延びた神経突起及び種々の細胞突起の周囲を埋めたPEDOTから生じたトンネル、溝、裂け目及びくぼみを含んでいた。ここに示したわれわれのインビトロの結果は、組織内に埋め込まれた場合に、この細胞を鋳型にしたポリマー表面は、組織内の細胞に細胞を模った孔に再生息させ、トンネル及び裂け目の中に突起を送り込むようにさせることができることを示している。これは、細胞と伝導性ポリマーの間の非常に密着した接触を提供し、電極と組織の間の連続的電気的接触を可能にするであろう。細胞の除去の技術を変えることは、細胞のそして細胞以下の大きさのスケールにおける標的細胞と電極の間の相互作用を空間的に局在した生化学的な調節ための機会を提供することができる。細胞を模倣した形状により提供される機械的調節、細胞を鋳型にした表面の生化学の個別化は、神経突起の誘導、成長及び信号伝達の操作と追跡を可能にする。
他の伝導性ポリマー電極被膜と一致して、ここに記述した細胞を鋳型にしたPEDOT及びPEDOT+ニューロン被膜は、1kHzにおける電気的インピーダンスの少なくとも一桁の減少及び裸の電極の2〜4倍の電荷容量の増加により示されるように、電極機能を向上させる能力を立証した。従って、生体を模倣した性質と併せて、これらの新規電極被膜は電極−組織境界を改善するための優れた候補材料である。
実施例3.ヒドロゲルの足場の中に含まれる細胞を含むバイオ電極。
ゲルの中及び細胞の周囲に堆積した伝導性ポリマーネットワークにより3Dヒドロゲル足場の中に固定され、生きている、活性細胞を含む電極。伝導性ポリマーは、バイオ電極が電気的交信のために他の装置へ、及びから電気的又は電子的信号を中継することを可能にする。ヒドロゲル中に懸垂された細胞は、電極により直接監視することができ、そして必要な交信源と生化学的に又は電気的に相互作用するために使用することができる。
方法及び材料。組織/細胞培養:実験1に記述したように、細胞を回収する。実験1に従って調製した神経細胞については、ポリ(リシン)コーティング培養容器にプレートした。培地中のグリア細胞は、培地交換のために使用する培地中にFBSを含めないことにより制限することができる。実験1に従って細胞を増殖する。ヒドロゲル足場の中に固定する前に、皿の中で培養された細胞を、トリプシン−EDTA 0.25%(Bibco/Invitrogen)と37℃で10〜15分間インキュベーションすることのより基質から酵素的に取り出す。細胞と培地を1000 RPMで2分間遠心分離して、上清を捨てる。残る細胞ペレットを再懸濁し、細胞を解離するために10〜10細胞/mlの濃度になる量の培地中で処理する。
一定の態様において、アルギン酸塩及びポリ(ビニルアルコール)(PVA)ヒドロゲルは使用できるが、しかし、この方法は無毒性交差結合を持つ多数の生体適合性ヒドロゲル又は化学的に機能性のあるヒドロゲルを使用することができる。アルギン酸ヒドロゲルは、PBS(1〜6%(w/v))の中に溶解した高いGで、中粘度アルギン酸パウダー(Sigma Aldrich,St.Louis,MO)から作られ、次いで.45μmシリンジフィルター(Fisher Scientific,Hampton,NH)を使用して濾過、滅菌する。次いで、アルギン酸塩:PBS溶液を、細胞濃度が5×10〜5×10細胞/ml及びアルギン酸塩濃度が05〜%(w/v)になる量の細胞溶液と充分に混合する。Ca2+又はMg2+のような二価イオンの滅菌した溶液を加えて交差結合を行う。生細胞を含むヒドロゲルの薄い電極被膜(5μm〜2mm)は、電極又はワイヤーをヒドロゲル−細胞溶液中に浸し、次いで、22μmシリンジフィルター(Fisher Scientific)を使用して滅菌した脱イオン水中の2%(w/v)CaCl(Sigma−Aldrich)溶液中に沈めることにより適用する。ヒドロゲル適用及び交差結合の反復を厚い被膜を創るために使用することができる。大きな(10cmまでの)かさばったヒドロゲルは、ヒドロゲル水溶液とフィルター滅菌した脱イオン水中の4%(w/v)CaSO4溶液をモル比0.18で充分に混合することにより造られる。次いで、ゲルは滅菌した鋳型又は選択した容器中に注入される。ヒドロゲルの足場は、ヒドロゲル−空間充満バイオ電極を作る間PBS又はHBSS中に一時的に保存することができる。
生きている細胞が存在する中における電気化学的重合:細胞を接種したヒドロゲルでコーティングした電極を、PBS又はHBSSのような食塩溶液及びドーパント及び/又は生態分子を含む必要なモノマーを含む電気的に連結した容器中に入れることができる。かさばったヒドロゲルについては、電極又はマイクロワイヤーをヒドロゲル中に挿入する。AutoLab Potentiostat/Galvanostat(EcoChemie,オランダ)又はポリマーフィルムの必要な厚さに応じて1〜10μA/mmの直流を0.5〜120分間供給できる類似の装置を使用して、定電流を電極及びモノマー溶液に適用する。モノマーの電気化学的酸化/還元は、ヒドロゲルの中及び細胞の周囲に伝導性ポリマーフィルム及びネットワークを生じるので、3Dポリマーヒドロゲル足場の中に細胞を埋め込みそして固定する。
細胞生存能力の評価:伝導性ポリマー電極ネットワークに接触している細胞の生存能力は、実施例1及び2における記述に従って初めて評価することができる。
機能と有効性の特性分析/測定:表面形態の特性分析:電気的性質の評価:生きている細胞の存在する中における電気化学的重合により生じる伝導性ポリマーフィルム/ネットワーク及び細胞を鋳型にした孔とチューブのマイクロメータ及びナノメータースケールの粗さの組合せは、電極の有効表面積の増加及び電気的インピーダンスの有意な減少、一方で電極の電荷容量の増加を示すことができる。これらの変化を評価するために、われわれは、電気的インピーダンススペクトル(EIS)及び大クリックボルタンメトリー(CV)を行うことにより3次元電極ネットワークの電気的性質を測定する。この測定を行うために、Dellコンピューターに接続したBrinkmann Autolabシステムをわれわれは使用する。3電極電池の電解質として0.1M PBS(pH7.0)の溶液を使用する。白金ホイルを対電極として使用し、対照電極として飽和カロメル電極を使用する。伝導性ポリマー電極ネットワークは作動電極に連結される(そして作動電極になる)。
EISについては、5mV振幅のAC正弦曲線の信号を使用し、そしてDCポテンシャルを0にセットする。インピーダンスの値は、10〜10Hzの範囲について10毎に5つの異なる周波数において測定する。インピーダンスの実数及び虚数成分を周波数の関数として測定し、分析のために種々の様式(振幅対周波数、位相角対周波数、実数部分対虚数部分)でプロットした。CVについては、3電極電池セットアップはEISに使用したものと同じである。10mV/sのスキャン速度が使用されるであろう、そして作動電極のポテンシャルはSCEに対して−1.0から1.0Vの間でスイープするであろう。この限界は、可逆的酸化還元反応を含むには広すぎるし、過剰酸化を避けそして水ウインドウ内に留まるには狭すぎる。
実施例4.その場で重合した電極ネットワーク
この態様において、伝導性ポリマーは、組織内の間隙空間及び細胞間の細胞外マトリックスの中のその場で成長する分子的な薄さ及びナノメータースケールの伝導性ポリマー原線維の拡散したネットワークである。組織内に電極を作るために、植込み可能な生物医学的装置上に、電極部位を通して伝導性モノマーの重合を行うための電流を供給するための電極基質を持つ必要があり得る。伝導性ポリマーの重合のために、電極部位に近い組織は無毒性のモノマー溶液で飽和されている必要があり、それは生物医学的装置のマイクロ液体チャネルを介するか又は注入により行うことができる。
モノマー溶液の存在下に電流が供給された時に、先ずポリマー電極が電極部位上に堆積し、次いで電極部位から、電極によって作られた電場に従って成長する。その結果、細いポリマー線維の電気的に連結し、拡散したネットワーク及び細胞の周囲及びその間に織られた鎖を創製し、有効に組織を神経支配し、そして生きている組織の3D空間にある細胞の形質膜と密着接触する。拡散ポリマーネットワーク電極は、生組織内に完全に統合されており、組織と共に移動した時に電気的完全性及び安定性を維持しているので、組織−装置の境界において充分に統合されていない物理的につなぎ合わせた、硬い電極ではよく認められる微動による組織障害を除去する。
一定の態様において、伝導性ポリマーは、限定せずに、上皮組織、皮膚、心筋及び脳を含む多様な組織の中で重合することができる。それは電極の部位から少なくとも500μmから1mmの長さまで細胞間のナノメーターの狭い空間の中及び空間を通して成長できるので、このタイプの3次元電極ネットワークは、埋め込んだ電極の周囲に形成することがよくある繊維性の瘢痕による包埋及び免疫細胞の集合に浸透しそして回避することができる。これにより、装置が電気的インピーダンスが高い中に取り囲まれそして信号を遮断する瘢痕組織があっても、埋め込んだ生物医学的装置と健康な標的細胞組織の間の機能的、長期的電気的交信が可能になる。
拡散したポリマー電極ネットワークの合成:1以上の電極部位を持つ電極又は生物医学的装置は、標的組織の中に挿入される。この電極は、(電気的ワイヤー又はある種の遠隔測定により)埋め込んだ装置の電極に電気的刺激を供給することができる装置及び/又はコンピューターに電気的に連結されていなければならない。伝導性ポリマーを重合させるために、電極部位に近い組織は無毒性モノマー溶液で飽和されていなければならず、これは生物医学的装置のマイクロ液体チャネル又はそれぞれ注射又は注入によりモノマーを供給することにより行うことができる。
急性インビトロ試験のための組織中重合:その中に拡散ポリマー電極ネットワークが作られる組織(例えば、脳、心臓、皮膚、筋肉など)は、屠殺(過量のC)した成熟Swiss−Websterマウスから切除し、直ちに氷冷モノマー溶液に4℃で10〜30分間浸す。このモノマー溶液は、0.01M 3,4−エチレンヂオキシチオフェン(EDOT)、イオン性ドーパント ポリ(スチレンスルホナート)(PSS)0.25mg/mlを含有する食塩液(PBS又はHBSS)である。種々のほかのドーパント及び生体分子をモノマー溶液に含めることもできる。モノマー溶液中でインキュベーション後、組織を、電気的に連結し、冷却したモノマー溶液を充たした容器に入れることができ、そして75μm直径の金(Au;テフロン(登録商標)コーティング)マイクロワイヤー(Ted Pella,Redding,CA)電極を組織の必要な位置に挿入する。ついで、AutoLab Potentiostat/Galvenostat(EcoChemie,オランダ)又は1〜10μA/mmの直流(DC)を供給でき、コンピューター及び電気的分析ソフトウエアに連結されている類似の装置を使用して、定電流を電極及びモノマー溶液に適用する。重合操作は、15分〜4時間室温(RT)で進行する。モノマーの電気化学的酸化/還元は、組織内細胞の周囲及び間隙空間内に、分子的に細くそしてナノメータースケールの伝導性ポリマーの弦及びネットワークを生じる。重合操作の後、組織は(埋め込んだ電極と共に)、4%パラホルムアルデヒド又は2.5%グルタルデヒド(いずれもPBSで希釈)中で終夜、4℃で固定することができる。翌日、組織をPBSで洗い、次いで組織切片を作成する。
慢性試験のための脳スライスの器官型培養における重合:雄のラット又はマウス(5〜10日齢)をイソフルオラン暴露により深麻酔し、次いで速やかに断頭する。脳を取り出し、25mM HEPES及び6%グルコースを加えたHankの緩衝液からなる氷冷切開培地に入れる。海馬及び新皮質を切り出し、400μmの厚さに横にスライスする。スライスを、35mmポリ(リシン)−コーティング組織培養皿(BD Bioscinces,San Jose,CA)中の平板マイクロ電極アレイ(MultiChannel Systems Reutlingen,ドイツのMEA)上に置くか、又は75μm直径金(Au,テフロン(登録商標)コーティング)ミイクロワイヤー(Ted Pella)をスライスに挿入し、そしてスライスを半多孔性膜(0.4μm、Millipore,Billerica,MA)の上におく。電極を付けたスライスを、50%MEM,25%ウマ血清,25%Hankの緩衝液,20mM HEPES,1mMグルタミン及び5mg/mlグルコースを含む増殖培地中、5%CO中、37℃で培養する。実験まで及び実験中2〜3日毎に培地を交換して培養を3〜21日間インビトロで維持する。培養の3〜7日後、組織をモノマー(0.01M EDOT)を培地中に浸し、1〜4時間37℃でインキュベートする。次いで、組織スライスに接触している電極をAutoLab Potentiostat/Galvenostat(EcoChemie,オランダ)又は1〜10μA/mmの直流(DC)を供給でき、コンピューター及び電気的分析ソフトウエアに連結されている類似の装置に電気的に連結する。次いで、細胞の生存を維持するインビボの条件(5%CO中、37℃)の下に15分間〜1時間、定電流を組織内の電極に適用する。モノマーの電気化学的酸化/還元により、組織内の細胞の周囲及び間隙空間中に分子的細さの、ナノメータースケールの伝導性ポリマーの弦とネットワークを生じる。重合操作の後、組織を重合後必要な時間インキュベーターに戻し、次いで、実験の終わりに、組織(及び関連電極)を4%パラホルムアルデヒド又は2.5%グルタルデヒド(いずれもPBSで希釈)のいずれかの中に浸して終夜(ON)4℃で固定する。翌日、組織をPBSで洗い、組織切片を作成する。
拡散したポリマー電極の機能及び有効性の特性分析/測定:拡散したポリマー電極形状の特性分析:拡散したポリマー電極は、生きている組織に埋め込まれた電極から動的に、リアルタイムに合成することができる。拡散したポリマー電極ネットワークは、3次元ポリマー電極ネットワークのもう一つの例である。拡散したポリマー電極を含む組織は、通常は顕微鏡法を使用して画像化するには厚すぎるので、組織を切片にする必要がある。これは、使用する組織染色及び顕微鏡のタイプにより、いくつかの方法のうちの一つにより行われる:1)固定又は未固定の組織をアルミニウムフォイルに包み、次いで液体窒素又はドライアイス冷却イソプロパノール中瞬間凍結し、次いでTissue−Tek.C.T Compound(Electron Microscopy Sciences,Hatfield,PA)中に包埋し、次いでCryostatにより超薄切する(4〜20μmスライス);2)固定した組織を脱水、キシレン処理、パラフィン包埋、次いで、ミクロトームで超薄切する(4〜12μmスライス);3)未固定組織を10%ゼラチン中に包埋し(<50℃)、次いで、ビブラトームで薄切(20〜500μm);4)固定組織を10%ゼラチン中に包埋し、組織+ゼラチン複合体を終夜4℃で固定し、次いで、ビブラトームで薄切する(20〜500μm)
薄切の後、完全に統合された組織−伝導性ポリマー混成ネットワークの細胞の生存能力、細胞形態及び統合性/品質を評価するために、拡散した電極ネットワークを光学及び蛍光顕微鏡を使用して顕微鏡的に評価する。さらに、水性環境においてタッピングモードのAFM、並びにチャンバー内湿度50〜70%で冷却ステージ(Peltierステージ)上極めて低い真空で行われる環境制御走査電子顕微鏡(ESEM)を使用して、表面の形状/特徴を探求する。降格顕微鏡観察は、反射光及び透過光のいずれの観察も可能であるNikon Optiphot POLにより行った。画像は、コンピューター上で作動するSpot RTデジタルカメラにより撮影した。
蛍光顕微鏡については、われわれは、Hoffman変調コントラスト付きOlympus IMT−2直立光顕微鏡及びLeica DMIRB蛍光倒立顕微鏡を使用し、いずれもUV光用の水銀アークランプ、Olympus CCDカメラ及びDell PCコンピューターで作動する付属Olympusデジタル画像ソフトウエアを装着している。さらに、厚い組織切片(>20μm)については、われわれは、透過光画像で4画像まで供給するUV,Argon及び2グリーンHeNeレーザーによるZeiss Axiovert 100M倒立顕微鏡に装着したZeiss LSM 510共焦点顕微鏡そしてそれに付属するDell PC上で作動するZeis META画像分析ソフトウエアを使用する。その場で重合したバイオ電極の表面及び微細構造に関する情報は、自動コンパステージ及びKodak 1.6 Megaplus高分解能デジタルカメラを装着したFEI Quanta 200 3D Focused Ion Beam Workstation及び環境制御遠視顕微鏡及びPhillips CM−100透過電子顕微鏡(TEM)を使用して得られるであろう。
拡散したポリマー電極ネットワークの電気的性質の評価:生組織の足場の上で電気化学的重合により得られた分子的に細くそしてナノスケールの伝導性ポリマーの小繊維のネットワークは、電極の有効表面積の大きな増加及び電気的インピーダンスの有意な減少を示し、一方で電極の電荷容量を増加する。これらの変化を評価するために、われわれは、実施例1及び2に記述したように、電気的インピーダンススペクトル(EIS)及びサイクリックボルタンメトリー(CV)を行うことにより、拡散ポリマー電極ネットワークの電気的性質を測定する。
実施例5.全ポリマー電極
一定の態様において、ポリマーワイヤー/電極は、非金属性、非セラミックであり、半金属(例えば、シリコン)又は合金を含まない。ポリマー電極は、伝導性ポリマー、又は「通常の」金属電極又はワイヤーに代わって使用することができる電極リードを生じる特別な配置で併置される伝導性ポリマーと非伝導性ポリマー又はヒドロゲルの組合せから構成される。一部の態様において、ポリマー電極は、炭素又は炭素ナノチューブを含むこともできる。全てのポリマーワイヤー/電極は、従来の金属電極よりも優れる少なくとも2つの利点を提供する。ポリマー電極は、磁場が存在する場における金属の使用(例えば、金属製の電極又は生体補綴物を着けている人のMRIスキャン)が好ましくない、危険又は不可能であるような状況においても使用することができる。二番目に、ポリマー電極は、基質及び材料の供給により種々な方法で創ることができ、そして高度に適用性があり、また、次世代の実験室及び科学的試験/分析装置のための化学的検出から組織工学まで特別な、様々な応用のために容易に仕立てることができる。これらを含むポリマーに加えて、ポリマー電極は、電極と電解質の境界における電極(又は装置)の機能及び交信/統合を向上させることができる生物活性物質を含有し、そして放出するように造ることができる。
電極が破壊されてしまうような水性環境における応用は、全ポリマー電極の使用により最も利益を受ける可能性があるであろう。これは、一部は、金属性ワイヤーの機能は水性環境において損なわれることが多く、同時に、全ポリマー電極の機能は一部は水性環境において電解質との相互作用に依存しそしてそれにより向上することがあるという事実による。さらに、ポリマー電極と電解質の間の特別なイオン性の相互作用を、装置の機能を向上させるために利用することができ、その装置とのポリマー電極の交信類似の柔軟性は従来の金属性電極には本来備わっていない。全ポリマー電極に対する4つの可能なデザインを添付する図に示す。
方法及び材料。0.5cm〜10cmの長さで、直径1〜5cmの非分解性のチューブ状ポリマー容器を滅菌する。0.5〜9cmの長さのポリマーのマイクロ/ナノ線維をこの容器の内側に並べる。EDOTモノマー溶液及び適当なドーパント、例えば、ポリ(スチレンスルホナート)をこの容器の中に入れ、そしてリードを介して線維を電流源に連結する。伝導性モノマーの重合は実施例1&2に記述したように行う。過剰の試薬を除去して、伝導性ポリマーでコーティングされた線維が残される。電気的接続は容器の一端に接続されている。任意に、ヒドロゲルを容器の中に注ぎ、伝導性マイクロ/なの線維の周囲をコーティングする。ヒドロゲルは、任意に、生きている細胞、例えば、幹細胞又は生物活性物質、例えば、薬物、医薬品、酵素、成長因子などを含む生分解性マイクロ/ナノ粒子を含むことができる。容器をバイオ電極を埋め込む部位に埋め込むことができ、そして金属又は伝導性ポリマーのポリマーリードを介して電源に接続することができる。
ポリマー電極の機能及び有効性の特性分析/測定。全ポリマー電極が電気的に活性で、機能的電極であるか否かを評価するために、実施例1〜3に記述したように電極を試験する。
従来の金属性ワイヤーを介して装置に連結することができる特殊のリードとして、全ポリマー電極を埋め込むことができる。したがって、全ポリマー電極/リードに連結するために使用できる種々の装置及びリード/ワイヤーを持つ必要がある。多様な装置;バイオ/イオン/化学検出器、「lab−on−chip」装置、埋め込み生物医学的装置及び生体補綴部品と互換性があるとわれわれは予想している。
実施例6.診断及び「Lab−on Chip」装置
伝導性ポリマーに基づく被膜を、本教示の種々な態様に記述されている伝導性モノマーの電気化学的重合により、「lab−on−chip」電極に応用することができる。種々の生物学的要素を、電気化学的重合操作の間に伝導性ポリマーマトリックスの中に取り込むことができる。この要素には、限定せずに、抗原、抗体、受容体、天然又は合成のタンパク質を含む膜、抗体、抗原又はリガンド特異的表面被膜(例えば、ペプチド、核酸、化学物質、受容体、タンパク質)、生きている細胞又は生物(例えば、細菌、ウイルス)、酵素、合成又は天然のポリマー/高分子及び複数タンパク質複合体が含まれる。
これらの生物学的要素は、次の方法の一つを使用して、電気化学的重合の間にポリマーマトリックスに取り込まれる;1)物質は直接モノマー溶液中に加えられる(イオン性ドーパント及び対イオンも含むことができる)、2)物質は裸の電極の表面上に堆積するか又は接着する、3)電気化学的重合操作が行われた後に、物質は電極部位の近くに注射される。これらの状況の全てにおいて、電極の総表面積は計算され、この装置のマイクロ電極はモノマー溶液に浸され、次いで、典型的に30秒から30分間の範囲で電流(0.5〜1.5μA/mm)を適用される。モノマーは生物学的要素の周囲に重合し、(ポリマーマトリックスを通してイオンの流れ及び大量のイオンを輸送/拡散することができる)ナノ多孔性のポリマーマトリックス中にそれらを取り込み、そのマトリックスはマイクロ電極部位の上に直接そして優先的に形成する。
「lab−on−chip」電極用の伝導性ポリマーに基づく被膜の機能及び有効性の特性分析/測定:
「lab−on−chip」電極用の伝導性ポリマーに基づく被膜の電気的性質は、ここに記述された他の伝導性ポリマー(例えば、PEDOT)に基づく電極被膜(特に、生きている細胞のバイオ電極及び細胞を鋳型にしたバイオ電極)に対して記述されたのと同じ方法を使用して評価される。「lab−on−chip」上のPEDOTに基づく被膜の検出及び刺激機能は、各「lab−on−chip」装置の文脈の中において一意的に評価することができる。例えば:「lab−on−chip」装置は、PEDOTマトリックス内に埋め込まれた抗体を使用して特異的抗原の存在を検出する。病原体が存在する場合には、病原体表面上jの抗原はポリマーマトリックス内の抗体と結合して、電極抵抗を増加させそして/又は伝導性ポリマーの表面電荷の変化を誘発する。抵抗の増加及び/又はポリマー表面の電荷の変化は下にある電極により検出され、それはその情報を装置に伝え、それにより装置は抗原の検出に成功したことを報告することができる。このようにして、「lab−on−chip」電極上のPEDOTに基づく検出器/被膜の機能及び有効性は、電極被膜の電気的性質並びに被膜の生物活性/検出の性質の両者に依存する多数のパラメーターを使用して評価することができる。病原体検出能力の感度と特異性は測定され、そして問題の病原体を検出する既存の従来方法と比較することが好ましい。
伝導性ポリマーの独特の電気的性質及び伝導性ポリマーマトリックスに取り込まれた生物学的要素により提供される特異的に検出する機能を最もよく利用するために、種々の電気化学的分析が使用され、伝導性ポリマーマトリックス中の生物学的要素と検体溶液中の「標的分析物」の間の結合事象の検出を可能にするであろう。これには、限定せずに、電圧測定、電流測定、サイクリックボルタンメトリー、容量結合、及び/又は電気的インピーダンススペクトルが含まれる。装置が使用する特異的電気化学的分析は、伝導性ポリマーマトリックス中に存在する生物学区的要素のタイプ及び検出すべき検体溶液中の標的分析物のタイプによるであろう。種々の電気化学的分析方法は以下に記述され、そして実施例が(伝導性ポリマーマトリックス、「lab−on−chip」応用の文脈の中で)その使用のために示される。
電位差測定:この電気化学的分析方法において、電圧又は電位差は、2電極システム、陽極と陰極を使用して、ゼロ電流の条件の下に測定される。陽極と陰極の間の電圧差は電気化学電池の電位差と考えられる。lab−on−chip応用のために、生物学的要素を含む伝導性ポリマーマトリックスを第一電極基質(通常陽極)にコーティングする。検体溶液に第一及び第二電極を浸し、そして検体溶液中の標的分析物は伝導性ポリマーマトリックス中の生物学的要素に結合することができる。この事象は、第一電極表面の分子種(及びその電荷)を変化させること、並びに生物学的要素及び標的分析物のいずれか又は両者における立体配座変化を誘発する可能性により伝導性ポリマーマトリックス及び下にある陽極の表面エネルギーの変化をひきおこし、これが結合/複合体化した物質上の電荷分布を変化させる。表面のエネルギー変化は、陰極と陽極の間の電圧差を生じる。これが、lab−on−chip装置の陽性検出応答を誘発する。
電流測定:この電気化学的分析方法において、2電極間の電流の差が測定され、一方、定電圧が電極の一つ(作動電極を考慮)に適用される。電位差測定と同様に、この方法は伝導性ポリマーマトリックス/電極の表面エネルギーの変化を検出するためにも使用することができ、そして同様なコンセプトを応用することができる。
ボルタンメトリー(リニアスイープ及びサイクリック):この電気化学的分析方法のために3電極セットアップ、作動電極、対電極及び対照電極を使用する。(対照電極に比較した)電圧をある電圧から別の電圧へ一定の速度でスイープし、アッセイの間中電流の変化を測定する。リニアスイープボルタンメトリーのために、電圧は低い電位(0.5から5V)から少し高い電位までスイープし、一方、サイクリックボルタンメトリー(CV)に対しては三角波形が用いられ、その場合に電圧は、ある負電位から正電位までスイープして、次いで負電位へ戻る(−1Vから+1Vそして−1V)。CVは一般的に、電解質溶液中の化学物質及び境界の酸化還元電位を測定するために使用される。lab−on−chip装置への応用のために、標的分析物を含有する検体溶液に暴露する前及びその後に、生物学的要素を含む伝導性ポリマーマトリックスでコーティングした第一電極基質上においてCVを行うことができる。結合/複合体化した物質は、検体溶液への暴露又は結合事象の前の伝導性ポリマーマトリックスに特徴的な位置とは異なる位置に酸化還元ピークを持つ独特のCVスキャンを示すであろう。酸化還元活性を検出する能力のために、このCVスキャンは2つの新たな分析に使用することができる;1)伝導性ポリマーマトリックスにおける相補的分子間の結合事象の形成のリアルタイム検出、及び2)伝導性ポリマーマトリックスの分解又は電気的又は物理的安定性の変化の検出。
電気的インピーダンススペクトル(EIS):ボルタンメトリーと同様に、3電極セットアップをEISのために使用する。この方法では、交流(AC)を一連の増加する周波数(Hz)を適用して、インピーダンス(Z)を記録する。ZはDC環境における抵抗に類似するが、この場合にACであるために、Zは本質的にオーム則の抵抗と等価であり、3要素、抵抗、キャパシタンス及びインダクタンスの間の関係によって決定される。lab−on−chip装置の態様では、生物学的要素を含む伝導性ポリマーでコーティングされた第一電気伝導基質のインピーダンスは、検体溶液に暴露する前と後に測定する。検体溶液中の標的分析物の伝導性ポリマーマトリックス中の生物学的要素との特異的結合は、インピーダンスを増加させ、またインピーダンスの位相角を変化させ、そしてこれが装置の陽性検出応答を引き出すであろう。CVと同様に、EISは、電極と溶液の間の相互作用の他の局面を測定するためにも使用することができる。例えば、相補的生物学的要素−標的分析物の間の特異的結合は、異なるEISプロフィールと関係するであろう、一方、伝導性ポリマーマトリックス及び電極に対する検体溶液中の物質の非特異的結合もまたインピーダンスを増加させるであろうが、これは特異的結合事象とは区別される独特のパターンを示すであろう。
電位差測定及び電流測定はいずれも単純な、一段階分析であり、プログラミング又は電源をほとんど必要としない利点がある。したがって、選択された電気化学的分析方法は、使用される生物学的要素並びに電極が暴露される検体溶液の種類に基づくことができる。例えば、電位差測定を使用するlab−on−chip装置は、その他に食塩溶液を含んでいる実験室検体から核酸を検出することが求められているような応用に好ましいであろう。これに対して、電位差測定は選択性が低い。血液又は血清中の抗体の検出には、CV又はEIS電気化学的分析を使用するlab−on−chip装置を設計することが好ましいであろう。
伝導性ポリマーに基づく被膜は装置上の電極に応用されるので、装置上の電極基質は重合操作を行いやすい必要がある。更に、伝導性ポリマー被膜は向上した電極感度及び電荷移動能力を提供するので、装置の機能に関係するハードウエア及びソフトウエアのいずれも、lab−on−chip装置から来る情報を伝達しそして判断する能力があることが好ましい。
本開示の記述は本質的に説明に過ぎず、従って、本発明の要旨から外れない変更は本発明の範囲内にあると考えられている。そのような変更は本発明の本質及び範囲から外れていないと見なされる。
図1は、本開示にしたがって電気伝導性物質上に電気的に重合された生きた細胞の図を示している。 図2パネルA及びBは、本開示の態様に従って電気伝導性物質が成長しそして重合したニューロン周囲のPEDOTポリマーの走査電子顕微鏡写真を示す。パネルCは、伝導性ポリマーと本開示に従って埋め込まれたニューロンの細胞膜の間の密着した接触を高倍率で示す。 図3パネルA,B及びCは、SH−SY5Y細胞の周囲に重合したPEDOT(EDOT−PBS−PSS)により鋳造された細胞の走査電子顕微鏡写真を示す。SEM画像は、本開示に従うポリマーのナノメーター及びマイクロメータースケールの凹凸並びに細胞の形の孔とトンネルを示す。 図4パネルA−Cは、本開示に従って、PEDOT及び/又はSY5Y細胞でコーティングした種々のプローブの電気化学インピーダンススペクトル、フェーズアングルプロット及び電荷密度対インピーダンスのグラフ表示を示す。 図5は、本開示に従って、ニューロンを含む組織中へインザイチューバイオ電極挿入及びヒドロゲル中へ伝導性ポリマーの挿入の図示である。 図6は、本開示に従って、生きているモルモットの蝸牛中に生成したヒドロゲルバイオ電極の電気化学的インピーダンススペクトル及びサイクリックボルタンメトリーのグラフ表示である。 図7は、本開示に従って、インザイチューバイオ電極装置を製造するために使用された方法と要素を示す。詳細な説明

Claims (31)

  1. (i)第一電気伝導性基質;
    (ii)生物学的要素;及び
    (iii)該第一電気伝導性基質を該生物学的要素に電気的に結合して、総合的にバイオ電極を定義する伝導性ポリマーであって、該バイオ電極は第一伝導性基質、生物学的要素及び伝導性ポリマーのいずれか一つの間の電気信号を伝達又は受信するものである上記伝導性ポリマー
    を含む生物学的に統合されたバイオ電極装置。
  2. 前記生物学的要素が1以上の組織、有機の生きている細胞、細胞成分又はそれらの組合せを含んでいる請求項1に記載の生物学的に統合されたバイオ電極装置。
  3. 前記有機の生きている細胞が、天然又は組換えの真核細胞又は原核細胞から本質的になる群から選択されている請求項2に記載の生物学的に統合されたバイオ電極装置。
  4. 前記細胞成分が、膜、細胞小器官、イオンチャネル、脂質二重層、受容体、酵素、タンパク質、抗体、抗原、核酸又はそれらの組合せから本質的になる群から選択される請求項2に記載の生物学的に統合されたバイオ電極装置。
  5. 前記の真核細胞が、心臓細胞、神経細胞、筋肉細胞、幹細胞、間質細胞、造血細胞及びそれらの組合せから本質的になる群から選択されている請求項3に記載の生物学的に統合されたバイオ電極装置。
  6. 前記神経細胞がニューロンを含む請求項5に記載の生物学的に統合されたバイオ電極装置。
  7. 前記バイオ電極が前記伝導性ポリマーに近接して接触した少なくとも一つのヒドロゲルをさらに含む請求項1に記載の生物学的に統合されたバイオ電極装置。
  8. 前記ヒドロゲルが生物活性物質をさらに含む請求項7に記載の生物学的に統合されたバイオ電極装置。
  9. 前記の伝導性ポリマーが、EDOT、ピロールのコポリマー及びホモポリマー、及びその官能化誘導体及びコポリマー、ポリアニリン、ポリアニリンの塩、ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリ(3,4−エチレンジチアチオフェン)、それらのポリマーブレンド、ポリマー−金属混成材料及びそれらの組合せから本質的になる群から選択される請求項1に記載の生物学的に統合されたバイオ電極装置。
  10. EDOT及びピロールのポリマーが、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)、ポリ(ピロール)、その誘導体及びそれらの組合せから本質的になる群から選択される請求項9に記載の生物学的に統合されたバイオ電極装置。
  11. 前記伝導性ポリマーが前記生物学的要素及び前記第一電気伝導基質の周囲に重合されている請求項1に記載の生物学的に統合されたバイオ電極装置。
  12. 前記第一電気伝導性基質が、金、銀、プラチナ、パラジウム、タングステン、ニッケル、チタン、インジウムスズ酸化物、銅、炭素、カーボンブラック、炭素線維、カーボンペースト、グラファイト、ドープシリコン、セラミック、伝導性ポリマー及びそれらの組合せから本質的になる群から選択された導体を含む請求項1に記載の生物学的に統合されたバイオ電極装置。
  13. 前記バイオ電極がさらに、第一電気伝導性基質及び該伝導性ポリマーの間の前記電気信号を伝達又は受信する伝導ポリマーの重合に関与し、1以上のドーパントを含む、請求項1に記載の生物学的に統合されたバイオ電極装置。
  14. さらに第二電気伝導性基質を含む請求項1に記載の生物学的に統合されたバイオ電極装置。
  15. 装置の1以上の電気信号を使用して前記第一及び第二電極基質及び生物学的要素と交信することができる電源又は電流源をさらに含む請求項1に記載の生物学的に統合されたバイオ電極装置。
  16. (a)電気伝導性基質;
    (b)該電気伝導性基質の少なくとも一つの表面の少なくとも一部の上の被膜を含む生体適合性電極であって、その被膜は
    (i)生物学的要素、及び
    (ii)伝導性ポリマー
    を含み、該電気伝導性ポリマーの少なくとも一部が該生物学的要素及び電気伝導性基質と隣接して接触して配置され、重合されているものである上記生体適合性電極。
  17. (a)電気伝導性ポリマー、及び
    (b)生物学的要素
    を含み、該電気伝導性ポリマーの少なくとも一部が該生物学的要素及び電気伝導性基質と隣接して接触して配置され、重合されている電気伝導性基質のための生体適合性及び生体模倣被膜。
  18. 該被膜がマイクロ電極アレイ、ラブオンチップ(lab on chip)装置及び標的分析物検出装置に応用される請求項17に記載の生体適合性及び生体模倣被膜。
  19. 以下のステップ:
    (a)電荷を移動することができる組織に密着接触している第一電気伝導性基質を含むバイオ電極装置を準備し、該電極装置は
    (i)第一電気伝導性基質;
    (ii)生物学的要素;及び
    (iii)該第一電気伝導性基質を該生物学的要素に電気的に結合して、総合的にバイオ電極を定義する伝導性ポリマーであって、該バイオ電極は第一伝導性基質、生物学的要素及び伝導性ポリマーのいずれか一つの間の電気信号を伝達又は受信するものである上記伝導性ポリマー、
    を含み、
    (b)該バイオ電極装置及び該バイオ電極に電気的に結合した第二電気伝導性基質を電源に電気的に連結し;そして
    (c)該第一及び第二電気伝導性基質を通して電圧又は電流を適用し、これにより該伝導性ポリマーを通して電圧又は電流を誘発し;
    (d)該バイオ電極装置により電気信号の移動を検出する
    を含む、生きている細胞間の電気的信号の移動を電気的に検出する方法。
  20. 生物学的要素を含むバイオ電極を準備するステップ(a)(ii)において、該生物学的要素が、心臓細胞、神経細胞及び筋肉細胞から本質的になる群から選択されている請求項19に記載の方法。
  21. 検出ステップ(c)が電気信号の移動を検出することを含み、該信号がインピーダンス、抵抗、キャパシタンス、インダクタンス及び電流から本質的になる群から選択されている請求項19に記載の方法。
  22. 前記の伝導性ポリマーが、EDOT、ピロールのコポリマー及びホモポリマー、及びその官能化誘導体及びコポリマー、ポリアニリン、ポリアニリンの塩、ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリ(3,4−エチレンジチアチオフェン)、それらのポリマーブレンド、ポリマー−金属混成材料及びそれらの組合せから本質的になる群から選択されている請求項19に記載の方法。
  23. EDOT及びピロールのコポリマー及びホモポリマーが、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)、ポリ(ピロール)及びそれらの組み合わせから本質的になる群から選択されている請求項22に記載の方法。
  24. 以下のステップ:
    (a)第一及び第二電気伝導性基質を支持体上に配置する;
    (b)生物学的要素、ヒドロゲル及び伝導性モノマーを含む伝導性ゲルを適用して該第一電気伝導性基質上の一部に層を形成する;
    (c)該伝導性モノマーを重合させて該生物学的要素の周囲に重合した伝導性ポリマーを含む伝導性ゲル層を形成する;
    (d)分析する標的分析物を含む検体を入れる容器を準備する;
    (e)該第一電極及び第二電極を該容器中の分析する該検体と接触させ、それによる生物学的要素への標的分析物の特異的結合は該生物学的要素の表面上に測定可能な電荷の差を生じ、それは該第一及び第二電気伝導性基質に充分な量の電流又は電圧を充分な時間適用した後に伝導性ポリマーへ移転される;
    (f)伝導性ポリマーに移転された電荷の該差を検出する、
    を含む液体又は気体中の生物学的物質を検出する方法。
  25. 伝導性ポリマーに移転された電荷の差をインピーダンス、抵抗、キャパシタンス、インダクタンス及び電流電位及びそれらの組合せのいずれか一つを測定することにより検出する請求項24に記載の方法。
  26. ステップ(d)において重合する伝導性モノマーが、EDOT、ピロールのコポリマー及びホモポリマー、及びその官能化誘導体、ポリアニリン、ポリアニリンの塩、ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリ(3,4−エチレンジチアチオフェン)、それらのポリマーブレンド、ポリマー−金属混成材料及びそれらの組合せから本質的になる群から選択されている請求項24に記載の方法。
  27. 前記伝導性ポリマーが電気化学的に重合している請求項24に記載の方法。
  28. 重合及び検出ステップが第一及び第二電気伝導性基質を電力、定電流、定電圧電流又はそれらの組合せの源のいずれか一つに連結した1以上の電気的リードに連結することを更に含む請求項24に記載の方法。
  29. 生物学的要素を含む伝導性ゲルを適用する前記ステップにおいて、該生物学的要素が1以上の組織、細胞、膜、細胞小器官、イオンチャネル、脂質二重層、受容体、受容体フラグメント、タンパク質、酵素、抗体、核酸又は誘導体化核酸を含む請求項24に記載の方法。
  30. 伝導性ゲルを適用する前記ステップにおいて、該ゲルが、ポリ(スチレンスルホナート)、LiClO,リン酸緩衝食塩溶液、Hankの平衡塩溶液、コラーゲン、ポリ−D−リシン、ポリ−L−リシン及びポリ−オルニチンから本質的になる群から選択された1以上のドーパントをさらに含む請求項24に記載の方法。
  31. 以下のステップ:
    (a)該生物学的要素を該第一電気伝導性基質と接触させ、生物学的に適合した電極を形成し、該第一電気伝導性基質は、金属、セラミック、炭素、伝導性ポリマー及びそれらの組合せから本質的になる群から選択されるものであり;
    (b)生物学的に適合した電極を伝導性モノマー及びドーパントを含む溶液中に浸す;そして
    (c)第二電気伝導性基質をステップ(b)の該溶液の中に挿入し、生物学的に適合した電極を伝導性ポリマーでコーティングするのに十分な時間定電流又は定電圧電流を該第一及び第二電気伝導基質に適用することにより該モノマーを該生物学的に適合した電極の周囲に重合させる、
    ことにより形成される第一電気伝導性基質及び少なくとも一つの生物学的要素と隣接して接触している伝導性ポリマーを含む生物学的に統合された電極装置。
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