JP2019122335A - 人工三次元組織のバリア機能測定システム、人工三次元組織のバリア機能測定方法及び人工三次元組織を用いた薬剤評価方法 - Google Patents

人工三次元組織のバリア機能測定システム、人工三次元組織のバリア機能測定方法及び人工三次元組織を用いた薬剤評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高い信頼性で経内皮電気抵抗の測定及びバリア機能の評価が可能となる人工三次元組織のバリア機能測定システムを提供する。【解決手段】所定方向に延びる灌流流路を有する管腔部15と、管腔部の外側に配置された組織部10と、灌流流路に培地を供給する供給装置と、灌流流路に配置された流路電極70と、組織部に配置された組織電極80と、流路電極及び組織電極を介して経内皮電気抵抗を測定する測定装置90と、を備える。【選択図】図8

Description

本発明は、人工三次元組織のバリア機能測定システム、人工三次元組織のバリア機能測定方法及び人工三次元組織を用いた薬剤評価方法に関する。
近年、薬剤の開発において血管の壁面におけるバリア機能、例えば、中枢神経系をターゲットとして脳血管の壁面におけるバリア機能である血液脳関門(blood-brain barrier, BBB)のモデルが必要とされている。上記のバリア機能を評価する指標としては、管腔側と管腔外側との間の電気抵抗である経内皮電気抵抗(trans endothelial electrical resistance: TEER)が広く用いられている。
非特許文献1には、一面側に血管内皮細胞を配置し、他面側に神経細胞(astrocytes)を配置した平面状の多孔質膜を挟んだ両側に電極を配置し、電極間の電気抵抗を測定する技術が開示されている。
Y.Wang,et al,Biotechnology and Bioengineering (2017)
非特許文献1に記載された技術は、血管内皮細胞及び神経細胞が二次元的に配置されているため、血管内皮細胞側を流動する培地の流れが不均一になりやすい。そのため、測定された電気抵抗が培地の流動方向で不均一になり、結果として、得られた経内皮電気抵抗及びバリア機能の評価に対する信頼性が低下する可能性がある。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、高い信頼性で経内皮電気抵抗の測定及びバリア機能の評価が可能となる人工三次元組織のバリア機能測定システム、人工三次元組織のバリア機能測定方法及び人工三次元組織を用いた薬剤評価方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に従えば、所定方向に延びる灌流流路を有する管状の管腔部と、前記管腔部の外側に配置された組織部と、前記灌流流路に培地を供給する供給装置と、前記灌流流路に配置された流路電極と、前記組織部に配置された組織電極と、前記流路電極及び前記組織電極を介して経内皮電気抵抗を測定する測定装置と、を備えることを特徴とする人工三次元組織のバリア機能測定システムが提供される。
本発明の第2の態様に従えば、所定方向に延びる灌流流路を有する管状の管腔部と、前記管腔部の外側に配置された組織部と、を有する人工三次元組織を形成することと、前記灌流流路に培地を供給することと、前記灌流流路に配置した流路電極及び前記組織部に配置した組織電極を介して経内皮電気抵抗を測定することと、を含むことを特徴とする人工三次元組織のバリア機能測定方法が提供される。
本発明の第3の態様に従えば、本発明の第2の態様の測定方法で人工三次元組織のバリア機能を測定することと、薬剤を前記人工三次元組織に接触させることと、前記薬剤の接触による刺激に対する前記人工三次元組織の応答を測定することと、を含むことを特徴とする人工三次元組織を用いた薬剤評価方法が提供される。
本発明によれば、信頼性が高い経内皮電気抵抗及びバリア機能が得られる人工三次元組織のバリア機能測定システム、人工三次元組織のバリア機能測定方法及び人工三次元組織を用いた薬剤評価方法を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る人工三次元組織1を模式的に示した斜視断面図である。 人工三次元組織を形成(培養)する前段階の灌流デバイス40の外観斜視図である。 流路形成部材43を長さ方向に含む面で灌流デバイス40を切断した断面図である。 流路形成部材43を移動させた後の灌流デバイス40断面図である。 係合部42cを軸方向で視た正面図である。 図5におけるA−A線視断面図である。 測定部90に流路電極70及び組織電極80が接続された図である。 人工三次元組織1の概略的な構成図である。 人工三次元組織1の製造手順を示す図である。 人工三次元組織1の製造手順を示す図である。 人工三次元組織1の製造手順を示す図である。 人工三次元組織1の製造手順を示す図である。 人工三次元組織1における培養時間と経内皮電気抵抗(TEER)との関係を示す図である。
以下、本発明の人工三次元組織のバリア機能測定システム、人工三次元組織のバリア機能測定方法及び人工三次元組織を用いた薬剤評価方法の実施の形態を、図1ないし図13を参照して説明する。
なお、以下の実施の実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせている。
(バリア機能測定システム)
まず、本発明に係るバリア機能測定システムについて、図1を参照して説明する。
図1は、バリア機能測定システム100の概略的な構成図である。
図1に示すように、バリア機能測定システム100は、灌流デバイス(デバイス)40、培養皿50、ポンプ(供給装置)60、培地リザーバー61、フィルター62、流路電極70、組織電極80及び測定部90を備えている。
培養皿50の内部空間には、灌流デバイス40が載置される。培地リザーバー61は、培地Mを貯留する。ポンプ60は、培地リザーバー61に貯留された培地Mを配管63を介して灌流デバイス40に培地Mを供給する。灌流デバイス40から排出された培地Mは、フィルター62によって異物が除去された後に灌流デバイス40に供給される。ポンプ60としては、一例として、ペリスタルティックポンプが用いられる。
(灌流デバイス40)
図2は、人工三次元組織を形成(培養)する前段階の灌流デバイス40の外観斜視図である。
灌流デバイス40は、培養槽41、コネクタ(支持部)42、流路形成部材43及び組織電極80を備えている。培養槽41は、側壁44に囲まれた上部が開口する培養空間45と、底壁46に設けられた底板47を備えている。側壁44は、平面視で矩形状に設けられている。底板47は、培養槽41に取り付けおよび取り外し自在である。底板47は、培養槽41の底壁46に設けられた開口部を開閉可能である。
コネクタ42は、対向する側壁44のそれぞれに貫通孔42dが同軸となる位置に複数対(図2では6対)装着される。3対のコネクタ42は、第1方向に沿って配置され、他の3対のコネクタ42は、第1方向とで水平方向で直交する第2方向に沿って配置されている。コネクタ42のうち、少なくとも培養空間45に露出する領域には、細胞外マトリックス成分11(後述;図6、図8参照)に対する親液化処理が施されている。親液化処理としては、例えば、Oプラズマ処理を採用できる。
本実施形態では、6対のコネクタ42のうち、隣り合う2対のコネクタ42のうちの一方に流路形成部材43及び流路電極70を挿通させ、他方に組織電極80を挿通させる場合について説明する。以下では、組織電極80は、コネクタ(第1支持部)42Aに挿通されて支持され、流路形成部材43及び流路電極70は、コネクタ(第2支持部)42Bに挿通されて支持されるものとして説明する。
図3は、流路形成部材43を長さ方向に含む面で灌流デバイス40を切断した断面図である。
図3に示すように、コネクタ42A、42Bは、装着部(筒部)42a、接続部42b、係合部42cおよび流路形成部材43の延びる方向(側壁44を貫通する方向)に内部を貫通する貫通孔42dを有している。装着部42aは軸状に形成され培養槽41の側壁44を貫通して装着されている。接続部42bは、装着部42bの一端に設けられている。接続部42bは、培養槽41の外側に配置された配管64に接続可能である。
人工三次元組織を形成(培養)する前段階において、コネクタ42Bの貫通孔(挿通孔)42dには、流路形成部材43が長さ方向に移動可能に挿通し培養空間45に懸架されている。流路形成部材43は、一例として外径が0.5mmの軸状に形成されている。流路形成部材43は、端部がコネクタ42B(接続部42b)から突出する長さに形成されている。流路形成部材43の一端には、流路電極70の一端が連結されている。
図4は、流路形成部材43を移動させた後の灌流デバイス40断面図である。
図4に示すように、流路形成部材43を長さ方向の他端側(図4中、左側)に移動させることにより、流路電極70が培養空間45に懸架される。
図3及び図4に示すように、配管64には、測定部90に接続される流路電極70が挿通される挿通孔65aを有する挿通部65と、流路電極70が培養空間45に懸架されたときに、図1に示したように、配管63を介して培地が供給される供給孔66aを有する培地供給部66とに分岐された二股構造になっている。
なお、図3及び図4においては、配管64は、流路形成部材43及び流路電極70が懸架される対向するコネクタ42の一方のみに接続されているが、実際には対向するコネクタ42A、42Bの両方にそれぞれ接続されている。
係合部42cは、装着部42bの他端に設けられている。係合部42cは、培養槽41の培養空間45に側壁44と隙間をあけて配置されている。図5は、係合部42cを軸方向で視た正面図である。図6は、図5におけるA−A線視断面図である。図5および図6に示すように、係合部42cは、装着部42aの外周面と隙間をあけて同軸で配置された第2筒部42eと、装着部42aの周方向に間隔をあけて配置された複数のリブ部42fとを備えている。リブ部42fは、装着部42aの外周面と第2筒部42eの内周面とを接続する。リブ部42fは、90度間隔で4つ設けられている。装着部42a、第2筒部42eおよびリブ部42fで囲まれた隙間42gは、係合部42cを軸方向に貫通している。
図7は、測定部90に流路電極70及び組織電極80が接続された図である。
図7に示すように、流路電極70は、第1流路電極71及び第2流路電極72を有している。第1流路電極71と第2流路電極72とは、互いに撚り合わされた第1撚り線73を形成している。組織電極80は、第1組織電極81及び第2組織電極82を有している。第1組織電極81と第2組織電極82とは、互いに撚り合わされた第2撚り線83を形成している。第1撚り線73の最大外径は、流路形成部材43の外径よりも小さく形成されている。
第1流路電極71、第2流路電極72、第1組織電極81及び第2組織電極82としては、Ag、AgCl、白金、金、カーボン等で形成された金属線材を用いることができる。第1撚り線73を構成する第1流路電極71及び第2流路電極72のうち、第2流路電極72は、外周面が絶縁被覆されている。第2流路電極72の端面は、金属線材が露出している。第2撚り線83を構成する第1組織電極81及び第2組織電極82のうち、第2組織電極82は、外周面が絶縁被覆されている。第2組織電極82の端面は、金属線材が露出している。これにより、第1流路電極71と第2流路電極72との短絡、及び第1組織電極81と第2組織電極82との短絡を抑制できる。第2流路電極72及び第2組織電極82の外周面は、一例として、ポリパラキシリレン(以下、パリレンと称する)によって絶縁被覆されている。
(人工三次元組織)
次に、図8を参照して人工三次元組織について説明する。図8は、人工三次元組織1の概略的な構成図である。
図8に示すように、人工三次元組織1は、灌流流路13を有する管状の管腔部15と、管腔部15の外側に配置された組織部10とを含む。本実施形態における組織部10は、細胞外マトリックス成分11で形成されている。
細胞外マトリックス成分11としては、特に限定されないが、例えば、コラーゲン(I型、II型、III型、V型、XI型など)、マウスEHS腫瘍抽出物(IV型コラーゲン、ラミニン、ヘパラン硫酸プロテオグリカンなどを含む)より再構成された基底膜成分(商品名:マトリゲル)、ゼラチン、寒天、アガロース、フィブリン、グリコサミノグリカン、ヒアルロン酸、プロテオグリカンなどを例示することができる。
灌流流路13は、培地が灌流する流路であり、組織部10の内部を貫通し第1方向に延びている。管腔部15は、灌流流路13に臨む組織部10の表面に血管系細胞14を用いて形成されている。血管系細胞14としては、例えば、内皮細胞を用いることができる。
血管系細胞としては、血管上皮細胞、血管内皮細胞等が挙げられ、血管内皮細胞が好ましい。血管内皮細胞としては、ヒト、マウス、ラット等、哺乳動物由来の細胞が挙げられ、ヒト由来血管内皮細胞が好ましい。ヒト由来血管内皮細胞としては、ヒト臍帯静脈内皮細胞(Human Umbilical Vein Endothelial Cells:HUVEC)、 ヒト臍帯動脈内皮細胞(Human Umbilical Artery Endothelial Cells:HUAEC) 、ヒト冠状動脈内皮細胞(Human Coronary Artery Endothelial Cells:HCAEC)、 ヒト伏在静脈内皮細胞(Human Saphenous Vein Endothelial Cells:HSaVEC)、 ヒト肺動脈内皮細胞(Human Pulmonary Artery Endothelial Cells:HPAEC)、 ヒト大動脈内皮細胞(Human Aortic Endothelial Cells:HAoEC)、ヒト皮膚微小血管内皮細胞(Human Dermal Microvascular Endothelial Cells:HDMEC)、 ヒト皮膚血管内皮細胞(Human Dermal Blood Endothelial Cells:HDBEC)、 ヒト皮膚リンパ管内皮細胞(Human Dermal Lymphatic Endothelial Cells:HDLEC)、 ヒト肺微小血管内皮細胞(Human Pulmonary Microvascular Endothelial Cells:HPMEC)、 ヒト心臓微小血管内皮細胞(Human Cardiac Microvascular Endothelial Cells:HCMEC)、 ヒト膀胱微小血管内皮細胞(Human Bladder Microvascular Endothelial Cells:HBdMEC)、 ヒト子宮微小血管内皮細胞(Human Uterine Microvascular Endothelial Cells:HUtMEC)、ヒト脳微小血管内皮細胞等が挙げられる。
(人工三次元組織製造方法)
次に、人工三次元組織1の製造方法について、図9乃至図12を参照して説明する。
本発明に係る人工三次元組織1の製造方法は、側壁44に囲まれた培養空間45を有する培養槽41と、対向する側壁44を貫いて培養空間45に所定方向に沿って懸架された流路形成部材43及び組織電極80とを備えた灌流デバイス(人工三次元組織灌流デバイス、デバイス)40を準備することと、培養空間45で細胞外マトリックス成分11を培養して、流路形成部材43及び組織電極80が貫く組織部10を形成することと、組織部10から流路形成部材43を抜去して組織部10を貫通する灌流流路13を形成することと、灌流流路13に流路電極70を配置することと、灌流流路13に臨む組織部10の表面に血管系細胞を播種して管腔部15を形成することを含む。
以下、人工三次元組織の製造方法について詳細に説明する。
図9乃至図12においては、適宜、灌流デバイス40のみを図示し、培養皿50、ポンプ60等の図示を省略している。
(灌流デバイス40の準備)
灌流デバイス40の準備としては、図2及び図9に示すように、上記の培養槽41の対向する側壁44に貫通孔42dが同軸となるようにコネクタ42A、42Bを装着する。同軸となっているコネクタ42Bの貫通孔42dに流路形成部材43を挿通し、コネクタ42Aの貫通孔42dに組織電極80を挿通し、培養空間45に流路形成部材43及び組織電極80を懸架させる。
側壁44へのコネクタ42A、42Bの装着部の隙間、および底壁46への底板47の取付部の隙間をシールするために、シール材で培養空間45に臨む培養槽41の表面を被膜する。シール材としては、細胞外マトリックス成分11に悪影響を与えない材料、一例として、ポリパラキシリレン(以下、パリレンと称する)が蒸着等の成膜方法により成膜される。シール材の膜厚としては、上記装着部の隙間および取付部の隙間に対して1/100〜1/10であることが好ましい。また、シール材の膜厚は、上記装着部の隙間および取付部の隙間に対して1/50〜1/10であることが好ましく、1/50〜1/20であることがより好ましい。本実施形態では、約50μmの隙間に対して2μmの膜厚(1/25)でシール材を成膜した。
コネクタ42A、42Bのうち、少なくとも培養空間45に露出する領域に親液化処理を施す。親液化処理は、培養槽41に装着する前にコネクタ42A、42Bに実施してもよいし、側壁44に装着したコネクタ42A、42Bに対して実施してもよい。
(組織部10の形成)
灌流デバイス40の準備が完了すると、組織部10を形成する。組織部10の形成は、図9に示すように、細胞外マトリックス成分11の溶液を培養槽41の培養空間45に注ぎ込む。細胞外マトリックス成分11は、流路形成部材43及び組織電極80が浸漬される高さとなる量で注ぎ込まれる。本実施形態では、細胞外マトリックス成分11としてコラーゲン、10倍濃度のPBS及び細胞培養液の混合液を用いており、混合比は、9:1:5である。細胞培養液としては、例えば血管内皮細胞用の培養液であるEGMを用いる。また、混合比はコラーゲン溶液がゲル化される範囲であれば、必ずしも前記比率でなくともよい。
細胞外マトリックス成分11が培養槽41に注ぎ込まれると、所定条件で培養(インキュベーション)する。培養条件は、一例として、37℃の温度下で30〜60分間行った。
培養によって細胞外マトリックス成分11はゲル化する。細胞外マトリックス成分11がゲル化して培養が完了することにより、内部を流路形成部材43が貫く組織部10が形成される。また、組織部10においては、部分平面断面図である図11に示されるように、流路形成部材43と間隔をあけて平行に組織電極80が貫いている。
なお、細胞外マトリックス成分11に細胞が含まれている場合、さらに培養を継続することで細胞外マトリックス成分11は収縮する。細胞外マトリックス成分11は収縮時に係合部42cに係合しているため、積層方向の収縮は拘束されないが、第1方向および第2方向の収縮は拘束される。より詳細には、図6に示されるように、細胞外マトリックス成分11は、培養空間45の中心とは逆側から係合部42cの第2筒部42e、リブ部42fに係合しているため、第2筒部42e、リブ部42fが障壁となって中心側への収縮が抑制される。また、細胞外マトリックス成分11が収縮する場合には、積層方向への収縮により、第2筒部42eの外周面、装着部42aの先端側の外周面に圧着されることになる。従って、細胞外マトリックス成分11と係合部42cとの間の摩擦力が大きくなり、第1方向および第2方向への収縮に対する抵抗力が大きくなる。特に、本実施形態では、係合部42cが細胞外マトリックス成分11に対する親液化処理が施されているため、細胞外マトリックス成分11は、より大きな密着力で係合部42cに密着し第1方向および第2方向への収縮に対する抵抗力が大きくなる。従って、細胞が含まれている場合等、細胞外マトリックス成分11が収縮する条件で培養を行っても、細胞外マトリックス成分11を安定して支持できる。
(灌流流路13および管腔部15の形成)
次に、コネクタ42Bに支持されている流路形成部材43を抜去する。具体的には、流路電極70が連結された一端側とは逆側(図10中。左側)に流路形成部材43を移動させる。流路形成部材43が他端側へ移動することにより、組織部10には流路形成部材43の外径に応じた直径で直線状に延びる空洞である灌流流路13が形成される。このとき、組織部10は、両端部において係合部42cに係合しているため、流路形成部材43の抜去時にコネクタ42Bから脱離することなく安定してコネクタ42Bに支持される。
また、流路形成部材43が他端側へ移動することにより、灌流流路13には、図12に示すように、流路形成部材43の一端側に連結された流路電極70が挿通される。また、流路形成部材43に連結されていた流路電極70の一端側は、流路形成部材43と切り離されて、例えば、コネクタ42Bの貫通孔42dに配置される。
組織電極80における第2組織電極82は、絶縁被覆されているが、端面が露出しているため、組織部(コラーゲン)10と接触した状態となる。また、流路電極70における第2流路電極72は、絶縁被覆されているが、流路形成部材43と切り離された端面が露出し、灌流流路13と連通する貫通孔42dに配置される。
次に、図12に示すように、コネクタ42Bの貫通孔42dを介して、灌流流路13に臨む組織部10の表面に血管系細胞14として上述したHUVECを注入(播種)し、一例として、37℃、5%のCO雰囲気下で一定時間培養することにより、管腔部15を形成する。血管系細胞14の培養時には、図1に示したフィルター62の下流の配管63の端部を、培養槽41の外側に配置された配管64における培地供給部66と接続する。また、培地排出側の配管64については、ポンプ60に導入される側の配管63の端部を接続する。
そして、図1に示したポンプ60を駆動することにより、培地リザーバー61に貯留された培地Mは、フィルター62を経た後に灌流流路13に供給される。また、灌流流路13から排出された培地Mは、配管63に戻されフィルター62で異物等を除去された後に灌流流路13に供給されて循環する。使用された培地Mは、管腔部15が、例えば、70〜90%に集密するまで2〜3日毎に交換する。これにより、灌流流路13は、管腔部15に囲まれた状態となり、管腔部15の外側に組織部10が配置された人工三次元組織1が形成される。
(バリア機能測定)
次に、形成された人工三次元組織1のバリア機能を測定する方法について、図13を参照して説明する。
上述したように、組織電極80における第1組織電極81は、露出した状態で組織部10に配置され、流路電極70における第1流路電極71は、灌流流路13及び培地M内に露出した状態で配置されている。測定部90は、灌流流路13に培地Mが灌流する状態で第1組織電極81及び第1流路電極71を介して電流値を測定する。
また、組織電極80における第2組織電極82は、露出した端面が貫通孔42dに配置され組織部10と接触し、流路電極70における第2流路電極72は、露出した端面が貫通孔42dに配置され培地Mと接触している。測定部90は、灌流流路13に培地Mが灌流する状態で第2組織電極82及び第2流路電極72を介して電圧値を測定する。測定部90における内部インピーダンスは、管腔部15の電気抵抗(経内皮抵抗)と比較して十分に大きな内部インピーダンスを有している。
そして、測定部90は、第1組織電極81及び第1流路電極71を介して測定した電流値と、第2組織電極82及び第2流路電極72を介して測定した電圧値とを用いた4端子法により、組織部10と灌流流路13における培地Mとの間の電気抵抗値(経内皮抵抗値)を測定する。
例えば、第1組織電極81及び第1流路電極71を介して2端子法で電気抵抗値を測定した場合は、電極自体の抵抗及び組織部10、培地Mとの接触抵抗による電圧降下が誤差として含まれる電気抵抗値を測定することになる。これに対して、測定部90における内部インピーダンスが大きいことから、第2組織電極82及び第2流路電極72にはほとんど電流が流れない。そのため、電極自体の抵抗及び組織部10、培地Mとの接触抵抗による電圧降下の影響を受けることなく高精度に電圧値を測定可能になる。
図13は、上記の人工三次元組織1において、血管系細胞14を注入(播種)し、ほぼ一日経過後から培地の灌流を実施して培養した場合(perfused)と、培地の灌流を実施しないで培養した場合(non-perfused)の、培養時間と経内皮電気抵抗(TEER)との関係を示す図である。
図13に示されるように、血管系細胞14を播種後、培地の灌流を開始するまで経内皮電気抵抗が上昇した。これは、血管系細胞14が増加して、灌流流路13に臨む組織部10の表面を覆ったためと考えられ、観察結果と一致する。
そして、播種後、一日経過した後には、培地の灌流の有無により経内皮電気抵抗に差が生じた。これは、培養時に培地の灌流による栄養供給と、非灌流による栄養供給遮断との差により、血管系細胞14の成長状態の差に応じて生じたと考えられる。
すなわち、本実施形態では、管腔部15における血管系細胞14の成長状態の差に伴って生じる経内皮電気抵抗の差を測定できることを確認できた。
(評価方法)
本発明は、さらにその他の態様として、本発明の人工三次元組織1を用いた薬剤の組織部10に対する刺激性を評価する方法に関する。本発明における薬剤とは、医薬品等の薬物、化粧品や医薬部外品等を含む。本発明の評価方法によれば、例えば、従来の方法と比較して実際の組織部10に近い環境で薬剤の評価を行うことができる。また、本発明の評価方法は、例えば、新薬の創出(スクリーニング)等における各種分子量の薬物の動態評価、化粧品や医薬部外品等の開発における評価において極めて有用である。
本発明の評価方法は、例えば、薬剤を人工三次元組織1と接触させること、及び、薬剤の接触による刺激に対する応答を測定することにより行うことができる。応答の測定は、例えば、経皮電気抵抗を測定すること等によって行うことができる。薬剤は、評価対象となる物質のことをいい、例えば、無機化合物及び有機化合物等が挙げられる。
また、上記のバリア機能測定システム100及びバリア機能測定方法を用いることにより、薬剤を管腔部(血管)15内に流動させたときに組織部10に透過する量を測定するに際して、人工三次元組織1における経内皮電気抵抗を生体における経内皮電気抵抗に対して評価することができる。あるいは、上記のバリア機能測定システム100及びバリア機能測定方法を用いることにより、管腔部(血管)15のバリア機能に影響を与える薬剤を管腔部15に流動させた際にバリア機能の変動を測定することができる。
また、上記のバリア機能測定方法を用いることにより、バリア機能測定システム100における管腔部においてバリア機能が十分に構築されているかどうかバリデートすることができる。
以上説明したように、本実施形態では、管状の管腔部15の外側に組織部10が配置された人工三次元組織1を用いて経内皮抵抗値及びバリア機能の指標を測定しているため、二次元的に配置された組織を用いて電気抵抗値を測定した場合のように、培地の流れが不均一になることで、得られた経内皮抵抗値の信頼性が低下することを抑制できる。そのため、本実施形態のバリア機能測定システム100及び測定方法では、信頼性が高い経内皮電気抵抗が得られ、バリア機能を高い信頼性で評価することが可能となる。
また、本実施形態では、経内皮抵抗値を測定する際に、第1流路電極71、第2流路電極72、第1組織電極81及び第2組織電極82の4つの電極を用いた4端子測定を行っているため、電極自体の抵抗及び組織部10、培地Mとの接触抵抗の影響を抑えることができ、より高精度、高信頼性で経内皮抵抗値の測定及びバリア機能の評価が可能となる。
さらに、本実施形態では、流路電極70を構成する第1流路電極71及び第2流路電極72が第1撚り線73を形成し、組織電極80を構成する第1組織電極81及び第2組織電極82が第2撚り線83を形成しているため、流路電極70のハンドリング性及び組織電極80のハンドリング性が向上し、バリア機能を評価の指標する際の作業性が向上する。また、第1撚り線73を形成する第2流路電極72の外周面及び第2撚り線83を形成する第2組織電極82の外周面に絶縁被覆を施しているため、第1撚り線73及び第2撚り線83のそれぞれで電極同士が短絡することを防止することができる。
加えて、本実施形態では、流路形成部材43の一端側に流路電極70を連結しているため、流路形成部材43を他端側に抜去することにより、流路電極70を容易に灌流流路13に配置することができる。また、本実施形態では、コネクタ42Bに装着される配管64が、流路電極70が挿通される挿通孔65aと培地が供給される供給孔66aとを有しているため、測定部90に接続された状態の流路電極70が配置された灌流流路13への培地供給を容易に実施することが可能である。
また、本実施形態では、コネクタ42A、42Bが設けられた側壁44に対向する面を有する係合部42cに細胞外マトリックス成分11が係合することにより、細胞外マトリックス成分11の収縮を抑えながら組織部10を形成するため、細胞外マトリックス成分11の収縮が大きい場合でも、灌流流路13を保持することで、高品質の人工三次元組織1を安定して製造することが可能である。
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、血管系細胞14を培養して管腔部(血管)15を形成する構成を例示したが、この構成に限定されない。例えば、食道、腸等の管腔臓器系の細胞を培養して管腔部15を形成してもよい。
また、上記実施形態では、細胞外マトリックス成分11を培養して組織部10を形成する構成を例示したが、この構成に限定されない。例えば、神経細胞、脳血管内皮細胞、星状膠細胞、血管周皮細胞を含む細胞外マトリックス成分11を培養して組織部を形成してもよい。この場合には、上記のバリア機能測定システム100を用いて経内皮電気抵抗を測定することにより、血液脳関門透過性を評価することが可能になる。
ヒトの脳から細胞を採取することは困難であるから、血液脳関門モデルを構築する際に必要な細胞は、iPS細胞から分化させた細胞であってもよい。iPS細胞へ初期化する際に用いられる細胞としては、脂肪細胞、軟骨細胞、骨芽細胞、血液細胞、線維芽細胞等が挙げられる。
また、神経系細胞の他に、線維芽細胞、骨格筋細胞または心筋細胞を用いた筋組織であってもよい。さらに、肝細胞を用いた肝臓組織、膵臓系細胞を用いた膵臓組織であってもよい。このような組織に本発明を適用する場合には、上記実施形態で用いた細胞外マトリクスは必ずしも存在していなくてもよく、各種細胞のみを集積したものであってもよい。
また、上記実施形態では、4端子測定にて経内皮電気抵抗を測定する構成を例示したが、この構成に限定されず2端子測定で経内皮電気抵抗を測定する構成であってもよい。2端子測定を実施する場合は、電極自体の抵抗及び組織部10、培地Mとの接触抵抗を補正値として実験やシミュレーション等により予め求めておき、測定された経内皮電気抵抗を上記の補正値で補正すればよい。
また、上記実施形態では、第1流路電極71及び第2流路電極72が第1撚り線73を形成し、組織電極80を構成する第1組織電極81及び第2組織電極82が第2撚り線83を形成する構成を例示したが、この構成に限定されず、互いに間隔をあけて配置されている構成であってもよい。
また、上記実施形態で示した電圧参照極である第2流路電極72及び第2組織電極82が配置された位置、すなわち、第2流路電極72及び第2組織電極82の露出した各端面が配置される位置(測定位置)は一例であり、第2流路電極72の測定位置は灌流流路13のどの位置でもよく、第2組織電極82の測定位置は組織部10のどの位置であってもよい。
また、上記実施形態では、流路形成部材43の一端に流路電極70を連結し、流路形成部材43を他端側に移動させることにより、流路電極70を灌流流路13に引き込む構成を例示したが、この構成に限定されない。例えば、筒状の流路形成部材43の内部空間に流路電極70を挿通し、流路形成部材43を抜去したときに流路電極70が灌流流路13に露出する構成であってもよい。
また、上記実施形態では、管腔部15が直線状に形成される構成を例示したが、途中で分岐するY字状に形成される構成であってもよい。この場合、流路形成部材43は、側壁44の一方と直交する基部と、基部の一端から分岐して側壁44の他方に延び、基部に対して分離可能な二つの分岐部とからなる構成とし、基部を側壁44の一方側に移動させ、分岐部を側壁44の他方側に移動させることにより、Y字状の灌流流路13を形成することができる。この構成を採る場合には、基部及び分岐部を上述したように、それぞれ筒状に形成し、基部及び分岐部の内部空間に流路電極70を挿通すればよい。
本発明によれば、高い信頼性で経内皮電気抵抗の測定及びバリア機能の評価が可能となる人工三次元組織のバリア機能測定システム、人工三次元組織のバリア機能測定方法及び人工三次元組織を用いた薬剤評価方法を提供できる。このため、本発明は、例えば、化粧品、医薬、製薬等の分野において有用である。
1…人工三次元組織、 10…組織部、 11…細胞外マトリックス成分、 13…灌流流路、 14…血管系細胞、 15…管腔部、 40…灌流デバイス(デバイス)、 41…培養槽、 42…コネクタ(支持部)、 42A…コネクタ(第1支持部)、 42Bコネクタ(第2支持部)、 42c…係合部、 42d…貫通孔(挿通孔)、 43…流路形成部材、 44…側壁、 45…培養空間、 60…ポンプ(供給装置)、 70…流路電極、 71…第1流路電極、 72…第2流路電極、 80…組織電極、 81…第1組織電極、 82…第2組織電極、 90…測定部、 100…バリア機能測定システム、 M…培地

Claims (20)

  1. 所定方向に延びる灌流流路を有する管腔部と、
    前記管腔部の外側に配置された組織部と、
    前記灌流流路に培地を供給する供給装置と、
    前記灌流流路に配置された流路電極と、
    前記組織部に配置された組織電極と、
    前記流路電極及び前記組織電極を介して経内皮電気抵抗を測定する測定装置と、
    を備えることを特徴とする人工三次元組織のバリア機能測定システム。
  2. 前記流路電極は、前記灌流流路に配置された第1流路電極及び第2流路電極を有し、
    前記組織電極は、前記組織部に配置された第1組織電極及び第2組織電極を有し、
    前記測定装置は、前記第1流路電極及び前記第1組織電極を介して測定された電流値と、前記第2流路電極及び前記第2組織電極を介して測定された電圧値とに基づいて前記経内皮電気抵抗を測定することを特徴とする請求項1記載の人工三次元組織のバリア機能測定システム。
  3. 前記第1流路電極と外周面を絶縁被覆された前記第2流路電極とは、互いに撚り合わされた第1撚り線を形成し、
    前記第1組織電極と外周面を絶縁被覆された前記第2組織電極とは、互いに撚り合わされた第2撚り線を形成することを特徴とする請求項2記載の人工三次元組織のバリア機能測定システム。
  4. 前記人工三次元組織を培養するデバイスを備え、
    前記デバイスは、側壁に囲まれた培養空間を有する培養槽と、
    対向する前記側壁を貫いて前記培養空間における前記人工三次元組織を配置する領域に前記所定方向に沿って懸架される前記組織電極を支持する第1支持部と、
    対向する前記側壁を貫いて前記培養空間における前記人工三次元組織を配置する領域に前記所定方向に沿って懸架される軸状の流路形成部材を取り付けおよび取り外し自在に支持する第2支持部とを有し、
    前記人工三次元組織から前記流路形成部材が抜去された空間に前記灌流流路が形成されるとともに、前記流路電極が配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の人工三次元組織のバリア機能測定システム。
  5. 前記流路形成部材の一端に前記流路電極の一端が連結され、
    前記流路形成部材を他端側に抜去した際に前記流路電極が前記灌流流路に配置されることを特徴とする請求項4記載の人工三次元組織のバリア機能測定システム。
  6. 前記第1支持部及び前記第2支持部は、前記人工三次元組織に係合して前記人工三次元組織の前記所定方向への収縮を抑える係合部をそれぞれ有することを特徴とする請求項4または5記載の人工三次元組織のバリア機能測定システム。
  7. 前記第2支持部は、前記流路形成部材及び前記流路電極が挿通される挿通孔を有し、
    前記供給装置は、前記挿通孔を介して前記灌流流路に培地を供給することを特徴とする請求項4から6のいずれか一項に記載の人工三次元組織のバリア機能測定システム。
  8. 前記管腔部は、血管系細胞を用いて形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の人工三次元組織のバリア機能測定システム。
  9. 前記組織部は、細胞外マトリックス成分を含むことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の人工三次元組織のバリア機能測定システム。
  10. 前記組織部は、神経系細胞を含むことを特徴とする請求項9記載の人工三次元組織のバリア機能測定システム。
  11. 所定方向に延びる灌流流路を有する管腔部と、前記管腔部の外側に配置された組織部と、を有する人工三次元組織を形成することと、
    前記灌流流路に培地を供給することと、
    前記灌流流路に配置した流路電極及び前記組織部に配置した組織電極を介して経内皮電気抵抗を測定することと、を含むことを特徴とする人工三次元組織のバリア機能測定方法。
  12. 前記流路電極は、前記灌流流路に配置された第1流路電極及び第2流路電極を有し、
    前記組織電極は、前記組織部に配置された第1組織電極及び第2組織電極を有し、
    前記経内皮電気抵抗を測定することは、前記第1流路電極及び前記第1組織電極を介して測定された電流値と、前記第2流路電極及び前記第2組織電極を介して測定された電圧値とに基づいて前記経内皮電気抵抗を測定することを特徴とする請求項11記載の人工三次元組織のバリア機能測定方法。
  13. 前記第1流路電極と外周面を絶縁被覆された前記第2流路電極とは、互いに撚り合わされた第1撚り線を形成し、
    前記第1組織電極と外周面を絶縁被覆された前記第2組織電極とは、互いに撚り合わされた第2撚り線を形成することを特徴とする請求項12記載の人工三次元組織のバリア機能測定方法。
  14. 側壁に囲まれた培養空間を有する培養槽と、対向する前記側壁を貫いて前記培養空間に前記所定方向に沿って懸架された軸状の流路形成部材及び前記組織電極とを備えたデバイスを準備することと、
    前記培養空間で細胞を培養して、前記流路形成部材及び前記組織電極が貫く前記組織部を形成することと、
    前記人工三次元組織から前記流路形成部材を抜去して前記人工三次元組織を貫通する前記灌流流路を形成することと、
    前記灌流流路に前記流路電極を配置することと、
    前記灌流流路に臨む前記組織部の表面に血管系細胞を播種して前記管腔部を形成することと、を含むことを特徴とする請求項11から13のいずれか一項に記載の人工三次元組織のバリア機能測定方法。
  15. 前記デバイスは、前記所定方向に沿って懸架される前記組織電極を支持する第1支持部と、前記所定方向に沿って懸架される前記流路形成部材を取り付けおよび取り外し自在に支持する第2支持部とを有し、
    前記第1支持部及び前記第2支持部にそれぞれ設けた係合部に、前記人工三次元組織の一部を係合させて前記所定方向への収縮を抑えながら前記組織部を形成することを特徴とする請求項14記載の人工三次元組織のバリア機能測定方法。
  16. 前記第2支持部は、前記流路形成部材及び前記流路電極が挿通される挿通孔を有し、
    前記灌流流路に培地を供給することは、前記挿通孔を介して前記灌流流路に培地を供給することを特徴とする請求項15記載の人工三次元組織のバリア機能測定方法。
  17. 前記灌流流路に前記流路電極を配置することは、一端に前記流路電極の一端が連結された前記流路形成部材を他端側に抜去することにより、前記流路電極を前記灌流流路に配置することを含むことを特徴とする請求項14から16のいずれか一項に記載の人工三次元組織のバリア機能測定方法。
  18. 前記組織部は、細胞外マトリックス成分を含むことを特徴とする請求項11から17のいずれか一項に記載の人工三次元組織のバリア機能測定方法。
  19. 前記組織部は、神経系細胞を含むことを特徴とする請求項11から18のいずれか一項に記載の人工三次元組織のバリア機能測定方法。
  20. 請求項11から19のいずれか一項に記載の測定方法で人工三次元組織のバリア機能を測定することと、
    薬剤を前記人工三次元組織に接触させることと、
    前記薬剤の接触による刺激に対する前記人工三次元組織の応答を測定することと、
    を含むことを特徴とする人工三次元組織を用いた薬剤評価方法。
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