JP2009506363A - センサアレイにおけるデバイスおよび/または信号のミスマッチに適応するための方法および装置 - Google Patents

センサアレイにおけるデバイスおよび/または信号のミスマッチに適応するための方法および装置 Download PDF

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Abstract

複数のセンサからの信号における雑音弁別は、軸外ピックアップは抑圧されるが軸上ピックアップが強調されるように、信号中の位相差を強調することにより行われる。代替的には、軸外ピックアップの抑圧および軸上の強調と一致させて、減衰/拡大が位相差に依存する方法で信号に適用される。感度ローブ間のヌルが拡大され、有効に感度ローブが狭くなり、指向性および雑音弁別が改良される。

Description

本発明は、信号検出および処理における雑音弁別に関する。
図1は、周波数サブバンド法またはフレーム重畳加算(overlap-and-add)法と呼ばれることのある方法を使用する従来の実時間周波数ドメイン信号処理システム10のブロック図である。この方法は、到来するサンプリングされた時間信号情報をフレームと呼ばれるデータのブロックに分割するために回路11を使用する。サンプリングされたデータは、デジタルセンサまたは他の処理システムから直接提供されうるか、あるいは標準のアナログ/デジタル変換(A/DまたはADC)法(図示せず)を介して、アナログセンサ、または処理システムから提供されうる。フレームは、隣接することも重複することもできる。データは時間ドメインデータのサンプルであるため、フレーム内のサンプルすべてが虚数成分を有しておらず、データは厳密に「実数(real)」である。用途により必要な場合、これらのデータフレームは、次いで、乗算回路12中で解析ウィンドウ14aを乗算することができ、サンプリングされた時間データのその後の周波数ドメインへの変換によって生ずる可能性のあるアーティファクトを低減する。その後、窓かけされた(windowed)フレームは、例えば、ハートレー変換、ウェーブレット変換などの当業者に知られた多くのこのような変換のうちの任意の1つにより、周波数ドメインへと変換される。これらの変換のうち最も一般に使用されるものは、フーリエ変換である。データはサンプリングされデジタル化されるので、これらの場合、DFT、すなわち離散フーリエ変換が使用されるが、好みにより、回路16で示される高速フーリエ変換、すなわちFFTとして知られるこの変換の高速計算バージョンの1つが使用される。
合成ウィンドウの複雑性および計算コストが追加されることなく、正確に時間ドメイン信号を再構成するハニングウィンドウなど、解析ウィンドウに対する選択肢があるが、このような解析ウィンドウでは、改良された効率化を達成するために精度を妥協することになる。一般に、これらの妥協を克服するために、(図1で示された)重畳加算回路19で信号が再構成される前に、乗算により別個の合成ウィンドウ14bが適用されるが、コストがさらにかかる。
周波数ドメインに入ると、データは、「実数」と「虚数」成分を共に含む複素数により表される。変換の周波数「ビン(bin)」ごとに1つのこれらの複素数は、フレーム長に含まれた(また窓かけ関数により重み付けされた)時間間隔にわたり、ならびに「ビン」の帯域幅内に含まれた周波数範囲にわたり平均された時間的な入力信号データの大きさおよび相対的な位相角を表す。この入力変換データが、次いで、選択されたプロセスにより回路17で処理されて、処理された周波数ドメインデータの出力変換を作成する。
データが処理された後、標準の周波数ドメイン法は、次いで、処理されたデータの各フレームの逆変換を必要とし、「実数」データの処理された時間ドメインフレームのストリングを作成する。逆高速フーリエ変換(IFFT)プロセスを示す回路18はこの目的を実施する。合成ウィンドウ14bが使用される場合、それは、回路13において、時間ドメインデータの出力フレームと選択された合成ウィンドウとの乗算により適用され、そうではない場合、回路18からのデータの出力フレームは、回路19に直接渡される。代替的には、合成ウィンドウの周波数ドメイン表現は、回路18で逆フーリエ変換を実施する前に、変換された合成ウィンドウを用いたプロセスからの出力を畳み込むことにより、信号プロセス17からの出力に適用することができる。時間ドメインフレームは、その後、回路19で、処理された実時間データのフレームの連結または重畳加算を行うことにより再アセンブリされて、処理された信号情報を含む、最終的にデジタル化され、かつサンプリングされた時間的な出力信号波形を作成する。当然であるが、このサンプリングされた信号は、標準のデジタル/アナログ変換(D/AまたはDAC)法(図示せず)を使用することにより、アナログ信号に変換されることが可能であり、また変換されることが多く、したがって、処理された出力信号は、科学的な測定、電話通信、娯楽システム、通信システム、以下同様のものなど、無数の応用分野で使用することができる。
代替的には、プロセスを時間ドメインで適用することが可能であり、その場合、例えば、アナログまたはデジタル化された入力信号は、(必要に応じて、アナログまたはデジタルの)帯域通過周波数弁別フィルタバンクに通される。各周波数フィルタの出力は、その後処理され、その処理された信号は、次いで、処理された信号を共に加算することにより、処理された出力信号を形成するように合成される。
図2(a)は、従来技術のビーム形成システムのエレメントを示し、センサシステム21は、対象とする信号に対して時間で整列された2つ以上の入力信号22を提供する。最良の性能のために、これらのセンサ信号は、すべての信号に対してマッチした感度を有するべきである。入力センサ信号22は、回路23で示されたシステムのベクトル加算ビーム形成プロセスのための入力データを提供する。
ベクトル加算プロセス23は、しばしば、ベクトル平均として実施されるが、ベクトル平均は、単にスカラー数で除算されたベクトル和に過ぎず、以降、それは単にベクトル和と呼ぶことにする。
最も簡単なビーム形成センサシステムの1つである、図3に示す2エレメントのブロードサイドアレイ30を検討する。このアレイの2センサエレメント32および34は、軸X上に位置している。このようなビーム形成システムは、従来の信号遅延法を用いてステアリングされうることがよく知られている。具体的には、従来のビームステアリングは、到来する信号パターンを、所望の方向に強化し、また所望しない方向に抑圧するような方法で、入力信号の相対的な位相を変化させることにより達成される。位相の変化は時間遅延と等価である。すなわち、各周波数における位相変化は、固定されたオフセットであり、また周波数にわたる位相変化は線形である。しかし、簡単化のために、対象とする信号源がアレイの感度軸I上に存在する、すなわち、対象とする所望の信号に対して時間整列されるように、2つのセンサ信号は適切に時間遅延されていると仮定する。センサエレメント32および34が無指向性であり、半波長(180電気角度)離間される場合、図2(a)に示す2エレメントのブロードサイドビーム形成システムは、2センサエレメント信号のベクトル和に直接比例する信号を出力する。この出力は、8の字に類似する、すなわち、図3に示すように、2つの感度ローブ35および36を有する感度ビームパターンを有する。これらのローブは、軸上方向で最大であるが、±90°方位方向(軸Xの方向)でゼロである。それらは、センサの信号間の電気的な位相差が±180°である方向であり、したがって、信号は共に加算された場合キャンセルされる。得られる低感度領域37および38は「ヌル(null)」と呼ばれる。
センサシステムの指向性を改良することは、通常、図3で、ローブ35または36(あるいは両方)である、感度のメインローブの幅を狭くすることを暗示する。従来のビーム形成システムでは、メイン感度ローブを狭くすることは、アレイを拡大するように追加のセンサエレメント組み込むことによって達成され、それにより、受入れ開口を増加させ、それに伴いビーム幅を低減させる。しかし、この手法には、追加のセンサエレメントならびに関連する増幅器およびA/D変換器(デジタルシステムで)またはフィルタ(アナログシステムで)と、すべてのセンサ信号を処理するための追加の計算コストと、ビームパターンが多くの追加のサイドローブによって複雑になり、不要な信号源に対するシステム感度が比較的高くなる(すなわち、システムは比較的低い耐雑音障害性を有する)結果と、センサアレイの大きな物理的サイズと、軸外信号に対する非一様な周波数応答とを含むコストが特にかかる。
これらの理由のために、「スーパーソリューション(super solution)」ビーム形成と呼ばれる他の方法が使用されてきており、増加した開口は、追加のセンサエレメントで満たされるが、そのエレメントは非一様な間隔であり、その結果得られるセンサ信号は、振幅が非一様に重み付けられる。このようなシステムでは(図示せず)、感度のメインローブ幅は、一様な間隔のセンサエレメントを有する同様のビーム形成システムと比較して、さらに大幅に狭くすることができる。しかし、スーパーソリューション手法を成功させるには、なお、多数のセンサエレメントおよび関連する回路を必要とし、大幅に増加した計算コスト、高いサイドローブ感度、大きな物理的サイズ、および非一様な軸外周波数応答の影響を受ける。
サイドローブのピックアップ問題に対処するために、追加のビームフォーマシステムがアレイセンサ信号の同じ組を用いて使用される他の方法が使用されてきた。追加のビームフォーマは、主ビームフォーマのサイドローブ方向にある感度ビームを作成する。これらの追加のビームフォーマからの出力信号は、次いで、主ビームフォーマのサイドローブを部分的にキャンセルするために基準化(scaled)され、かつ主ビームフォーマからの出力信号から減算される。概して、このような手法を用いてサイドローブは低減されうるが、トレードオフは、広いメインローブ、高い複雑性およびコスト、ならびに多数のセンサの保持を含む。
さらに、従来のビームフォーマの他の範疇は、一般化サイドローブキャンセラ(GSC)であり、複数のセンサシステムがヌルステアリング法を用いて組み合わされる。この技術では、所望のソース方向の感度は一定に維持されるが、一方、1つまたは複数のヌルは、検出された軸外雑音源の方向にステアリングされる。このタイプのビーム形成システムの例は、よく知られたGriffiths-Jim(グリフィス-ジム)ビームフォーマおよびFrost(フロスト)ビームフォーマである。このタイプのビーム形成システムでは、ヌル化されうる個別の雑音源の数は、独立してステアリング可能なヌルの数と等しく、また独立してステアリング可能なヌルの数は、センサ数未満の数に等しい。したがって、数多くの雑音源があり、かつそれらの雑音源の繰り返し反射が存在する大部分の実生活状況で有効であるためには、関連する高いシステムの複雑性、大きな計算能力要件、および高コストと共に、多数のセンサが必要である。さらに、このようなシステムは、ヌルが非常に狭いため、雑音源方向にあるヌルの中心に正確に向くように、適応的な回路技法を必要とし、またこれらの適応的な方法は、適応するのが遅く、その適応時間中にかなりの雑音を通過させる可能性がある。
これらの従来技術システムの1つの共通な特性は、これらの方法により作成されるヌルが非常に狭いことである。センサエレメントがさらに組み込まれると、さらなるヌルが作成され、数多くの得られたヌルはやはり狭くなる。
本発明の一態様によれば、信号刺激(stimulus)に応じて、位相および大きさ成分を有する入力ベクトルによって表すことのできるセンサ入力信号をそれぞれが生成する複数のセンサを有するシステムにおける雑音弁別を改良する方法が提供され、その複数のセンサは、軸上方向を有するように配置される。この方法は、少なくとも2つの入力ベクトルから入力位相差値を生成するステップと、軸上方向に対する信号刺激の位置に応じて、入力位相差値を強調するステップと、強調された入力位相差値に基づく位相差を有する、2つの入力ベクトルに対応する2つの出力ベクトルを生成するステップと、2つの出力ベクトルを合成するステップとを含む。
本発明の他の態様によれば、信号刺激に応じて、位相および大きさ成分を有する入力ベクトルによって表すことのできるセンサ入力信号をそれぞれが生成する複数のセンサを有するシステムにおける雑音弁別を改良する方法が提供され、その複数のセンサは、軸上方向を有するように配置される。本方法は、2つの入力ベクトルから位相差に応じた減衰ファクタを生成するステップと、出力ベクトルを取得するために2つの入力ベクトルを合成するステップと、出力ベクトルを減衰ファクタにより減衰させるステップとを含む。
本発明の他の態様によれば、位相成分および大きさ成分を有する入力ベクトルによって表すことのできる入力信号をそれぞれが生成する複数のセンサを有するシステムにおける雑音弁別を改良する方法が提供され、その複数のセンサは、軸上方向を有するように配置される。本方法は、軸上方向に対する信号入力源の到来角の粗い測定に対応する粗いベクトル位相差を取得するためにセンサの第1の対を用いるステップと、信号入力源の到来角の精密な測定に対応する精密なベクトル位相差を取得するためにセンサの第2の対を用いるステップと、その粗いベクトル位相差、および精密なベクトル位相差から入力位相差値を生成するステップと、到来角に応じて、入力位相差値を強調して出力位相差値を生成するステップと、出力位相差値に基づいて位相差を有する第1および第2の出力ベクトルを生成するステップと、第1および第2の出力ベクトルを合成するステップとを含む。
本発明の他の態様によれば、位相成分および大きさ成分を有する入力ベクトルによって表すことのできる入力信号をそれぞれが生成する複数のセンサを有するシステムにおける雑音弁別を改良する方法が提供され、その複数のセンサは、軸上方向を有するように配置される。この方法は、軸上方向に対する信号入力源の到来角の粗い測定に対応する粗いベクトル位相差を取得するためにセンサの第1の対を使用するステップと、信号入力源の到来角の精密な測定に対応する精密なベクトル位相差を取得するために、センサの第2の対を使用するステップと、その粗いベクトル位相差、および精密なベクトル位相差に応じて、減衰ファクタを生成するステップと、出力ベクトルを取得するために、センサの第2の対に対応する入力ベクトルを合成するステップと、減衰ファクタにより出力ベクトルを減衰させるステップとを含む。
本発明の他の態様によれば、センサの第1および第2の対から、領域的な感度の雑音弁別を高めるための方法が提供され、各センサが、大きさおよび位相を有する入力ベクトルによって表すことのできるセンサ入力信号を生成する。この方法は、第1の領域における感度に対応する第1の出力を取得するために、第1のプロセスをセンサの第1の対に適用するステップと、第2の領域における感度に対応する第2の出力を取得するために、第2のプロセスをセンサの第2の対に適用するステップと、第1および第2の出力を合成するステップとを含む。第1のプロセスは、センサの第1の対における第1と第2のセンサからの信号間の位相差に対応する入力位相差値を強調するステップを含む。
本発明の他の態様によれば、センサの第1および第2の対から、領域的な感度の雑音弁別を高めるための方法が提供され、各センサが、大きさおよび位相を有する入力ベクトルによって表すことのできるセンサ入力信号を生成する。本方法は、第1の領域における感度に対応する第1の出力を取得するために、第1のプロセスをセンサの第1の対に適用するステップと、第2の領域における感度に対応する第2の出力を取得するために、第2のプロセスをセンサの第2の対に適用するステップと、第1および第2の出力を合成するステップとを含む。第1のプロセスは、センサの第1の対の第1および第2のセンサからの信号に対する第1および第2の入力ベクトルを合成することにより取得された出力ベクトルを、第1と第2の入力ベクトルの間の位相差の関数である減衰ファクタにより減衰させるステップを含む。
本発明の他の態様によれば、少なくとも1つの周波数で、位相成分および大きさ成分をそれぞれが有する第1および第2の入力ベクトルにより表すことのできる第1および第2の入力信号を生成する第1および第2のセンサを含むセンサアレイシステムにおいて、デバイスおよび/または信号のミスマッチに適応する方法が提供される。本方法は、少なくとも1つの周波数で、第1および第2の入力ベクトルの大きさを用いて、対応する第1および第2の数学的に平均のマッチするベクトルを取得するステップを含む。
本発明の他の態様によれば、位相および大きさ成分を有する入力ベクトルにより表すことのできるセンサ入力信号をそれぞれが生成する複数のセンサを用いるビームフォーマが提供される。ビームフォーマは、センサ入力信号を受け取り、かつ合成された信号をそれから生成するための合成回路と、センサ入力信号を受け取り、かつ第1の差分信号をそれから生成する第1の差分回路と、差分信号を受け取り、かつフィルタされた信号をそれから生成するための適応フィルタと、フィルタされた信号および合成された信号の遅延バージョンを受け取り、かつ出力信号をそれから生成するための第2の差分回路と、複数のセンサからのセンサ入力信号を表す入力ベクトルの位相差を強調するための位相差強調回路とを含む。
本発明の他の態様によれば、位相および大きさ成分を有する入力ベクトルによって表すことのできるセンサ入力信号をそれぞれが生成する複数のセンサを用いるビームフォーマが提供され、そのビームフォーマが、センサ入力信号を受け取り、かつ合成された信号をそれから生成するための合成回路と、センサ入力信号を受け取り、かつ第1の差分信号をそれから生成する第1の差分回路と、差分信号を受け取り、かつフィルタされた信号をそれから生成するための適応フィルタと、フィルタされた信号および合成された信号の遅延バージョンを受け取り、かつ出力信号をそれから生成するための第2の差分回路と、信号の少なくとも1つを受け取り、かつその信号を、複数のセンサからの入力信号の位相差の関数である変更された信号を生成するように変更するための位相差応答回路とを含む。
本発明の他の態様によれば、位相および大きさ成分を有する入力ベクトルによって表すことのできるセンサ入力信号をそれぞれが生成する複数のセンサを用いるビームフォーマが提供される。ビームフォーマは、センサ入力信号を受け取り、かつ処理された信号をそれから生成するための処理回路を含み、その処理回路が、複数のセンサからのセンサ入力信号を表す入力ベクトルの位相差を強調するための第1の位相差強調回路と、センサ入力信号を受け取り、かつ第1の差分信号をそれから生成するための第1の差分回路と、差分信号を受け取り、かつフィルタされた信号をそれから生成するための適応フィルタと、フィルタされた信号および処理された信号の遅延バージョンを受け取り、かつ出力信号をそれから生成するための第2の差分回路と、複数のセンサからのセンサ入力信号を表す入力ベクトルの位相差を強調するための第2の位相差強調回路とを含む。
本発明の他の態様によれば、複数のセンサからの信号の時間ドメイン処理のための方法が提供される。本方法は、複数のセンサから、複数の対応する入力信号を取得するステップと、入力信号を、帯域通過周波数弁別フィルタのバンクに適用して、それにより、各フィルタからフィルタされた信号を取得するステップと、フィルタされた信号から位相角差値を生成するステップと、位相角差値の関数である減衰ファクタにより、複数の入力信号のそれぞれを減衰するステップと、複数の減衰された入力信号を合成するステップとを含む。
本発明の他の態様によれば、複数のセンサからの信号の時間ドメイン処理のための方法が提供され、本方法は、複数のセンサから、位相および大きさ成分を有する入力ベクトルによってそれぞれを表すことのできる複数の対応する入力信号を取得するステップと、入力信号を、帯域通過周波数弁別フィルタのバンクに適用して、それにより、各フィルタから各センサに対応したフィルタされた信号を取得するステップと、そのフィルタからのフィルタされた信号間の位相角差を表す瞬時位相角差値をフィルタごとに生成するステップと、そのフィルタと関連する瞬時位相角差値の関数である強調値により、各フィルタされた信号の位相成分を強調して、それにより、強調された出力信号を取得するステップと、強調された出力信号を合成するステップとを含む。
本発明の他の態様によれば、信号刺激に応じて、第1および第2のセンサ入力信号を、それぞれ生成する少なくとも第1および第2のセンサを含むピックアップデバイスが提供され、第1および第2の入力信号が、位相成分および大きさ成分をそれぞれが有する第1および第2の入力ベクトルにより表される。ピックアップデバイスはまた、第1および第2のセンサ入力ベクトルから入力位相差値を生成し、少なくとも第1および第2のセンサの軸上方向に対して、信号刺激の位置に応じて入力位相差値を強調し、強調された入力位相差値に基づく位相差を有する、第1および第2の入力ベクトルに対応する2つの出力ベクトルを生成し、かつ2つの出力ベクトルを合成するように適合された少なくとも1つの回路を含む。
本発明の他の態様によれば、位相成分および大きさ成分をそれぞれが有する第1および第2の入力ベクトルによって表すことのできる少なくとも第1および第2入力信号における雑音弁別を改良するためのシステムが提供される。本システムは、第1および第2の入力ベクトルの位相差に応じて減衰ファクタを生成するように適合された第1の回路と、第1および第2の入力ベクトルを合成して出力ベクトルにするための合成器と、減衰ファクタにより出力ベクトルを減衰させるための減衰回路とを含む。
本発明の他の態様によれば、雑音弁別を改良するためのデバイスが提供される。デバイスは、軸上方向を有するように配置されたセンサの第1および第2の対を含み、各センサは、位相成分および大きさ成分を有する入力ベクトルにより表すことのできる入力信号を生成する。デバイスはさらに、センサの第1の対から、軸上方向に対する信号入力源の到来角の粗い測定に対応する粗いベクトル位相差を生成し、センサの第2の対から、信号入力源の到来角の精密な測定に対応する精密なベクトル位相差を生成し、粗いベクトル位相差と精密なベクトル位相差から入力位相差値を生成し、到来角に応じて入力位相差値を強調して出力位相差値を生成し、出力位相差値に基づく位相差を有する第1および第2の出力ベクトルを生成し、かつ第1および第2の出力ベクトルを合成するように適合された少なくとも1つの回路を含む。
本発明の他の態様によれば、雑音弁別を改良するためのデバイスが提供され、そのデバイスは、軸上方向を有するように配置されたセンサの第1および第2の対を含み、各センサが位相成分および大きさ成分を有する入力ベクトルによって表すことのできる入力信号を生成する。デバイスはまた、センサの第1の対から、軸上方向に対する信号入力源の到来角の粗い測定に対応する粗いベクトル位相差を生成し、センサの第2の対から、信号入力源の到来角の精密な測定に対応する精密なベクトル位相差を生成し、粗いベクトル位相差および精密なベクトル位相差に応じて減衰ファクタを生成し、センサの第2の対に対応する入力ベクトルを合成して出力ベクトルを取得し、かつ出力ベクトルを減衰ファクタにより減衰させるように適合された少なくとも1つの回路を含む。
本発明の他の態様によれば、強調された領域的な感度の雑音弁別を示すシステムが提供される。システムは、大きさおよび位相を有する入力ベクトルによって表すことのできるセンサ入力信号をそれぞれが生成するセンサの第1および第2の対と、第1のプロセスをセンサの第1の対に適用して、第1の領域における感度に対応する第1の出力を取得し、第2のプロセスをセンサの第2の対に適用して、第2の領域における感度に対応する第2の出力を取得し、かつ第1および第2の出力を合成するように適合された少なくとも1つの回路とを含む。第1のプロセスは、センサの第1の対における第1および第2のセンサからの信号間の位相差に対応する入力位相差値を強調するステップを含む。
本発明の他の態様によれば、強調された領域的な感度の雑音弁別を示すシステムが提供される。システムは、大きさおよび位相を有する入力ベクトルによって表すことのできるセンサ入力信号をそれぞれが生成するセンサの第1および第2の対と、第1のプロセスをセンサの第1の対に適用して、第1の領域における感度に対応する第1の出力を取得し、第2のプロセスをセンサの第2の対に提供して、第2の領域における感度に対応する第2の出力を取得し、かつ第1および第2の出力を合成するように適合された少なくとも1つの回路とを含む。第1のプロセスは、センサの第1の対の第1および第2のセンサからの信号に対応する第1および第2の入力ベクトルを合成することにより取得される出力ベクトルを、第1および第2の入力ベクトル間の位相差の関数である減衰ファクタにより減衰させるステップを含む。
本発明の他の態様によれば、少なくとも1つの周波数において、位相成分および大きさ成分をそれぞれが有する第1および第2の入力ベクトルによって表すことのできる第1および第2の入力信号を生成する第1および第2のセンサを含むセンサアレイシステムにおけるデバイスおよび/または信号のミスマッチに適応するように適合された感度マッチング回路が提供される。感度マッチング回路は、第1および第2の入力ベクトルの大きさを用いて、対応する第1および第2の数学的に平均のマッチするベクトルを取得するように適合された1つまたは複数の回路を含む。
当業者であれば、添付の図面と併せてこの明細書を読めば、本発明の多くの利点が明らかとなろう。図面中、同様の参照番号は、同様のエレメントに適用される。
本発明の一態様によれば、ビーム形成システムの性能を高めることに基づく新規の手法が開示される。概略の目的として、本発明の一態様は、このようなビーム形成システムにより作成されるビームパターンのヌルを強調し、または拡大する原理に基づいて動作する。
本発明の一態様による新規の手法は、ビーム形成システムのメインローブ35および36を狭くするのではなく、ヌルを、すなわち、図3の領域37および38を広げることである。この手法は、特有のかつ有利な装置および方法を用いて指向性を改善する。本発明の方法を用いてヌルを拡大することにより、他の利点の中でも特に、センサエレメントの数ならびに関連する増幅器およびA/D変換器(デジタルシステムで)、またはフィルタ(アナログシステムで)の数を増加させることなく、センサ信号を処理するための低減された計算コストで、追加されたサイドローブおよび不要な雑音信号源への増加した感度を有することなくビームパターンが単純になり、センサアレイの小さな物理的サイズで、低いシステムハードウェアコストで、適応時間を長くとることなく、または軸外信号に対する一様な周波数応答を生成する追加された能力を有して、改良された指向性が達成される。簡単化のために以下の説明では、本発明の2センサの実装形態を論ずるが、本技法は、1次元、2次元、および3次元構成で、2を超える数を有するアレイに拡張可能であることを理解されたい。
図2(b)で示すように、本発明の一態様では、位相強調プロセス24が、センサ信号の取得21とビーム形成プロセス23の間に配置される。位相強調プロセス24は、ビーム形成プロセス23により入力信号として次に使用される位相強調信号25を生成する。
本発明の一態様の背景の原理が図4に示されており、ブロードサイドアレイ構成40で、線Xに沿って配置された2つのセンサエレメントAおよびB、ならびに最大感度のI軸から物理的な方位方向到来角φNだけ離れて位置する軸外雑音源Nを示す。このシステムの場合、各センサエレメントAおよびBから1つずつ、2つの入力信号があるので、2つのフーリエ入力信号変換がこのプロセスに利用可能である。各変換は、データの多くの周波数「ビン」からなり、またビンにおける各データ値は、複素数Zであり、
Z=M cosθ+iM sinθ
は、特定の時間間隔、すなわち、特定のフレーム中の各信号の大きさ(M)および相対的な信号位相(θ)に関する情報を含む。
フレーム内で、例えば、入力信号Aの場合、その入力フーリエ変換のn番目のビンの値は、
ZA(n)=MA(n)cosθA(n)+iMA(n)sinθA(n)
ただし、MA(n)は、周波数ビンnにより表される周波数に対する入力信号Aの平均の大きさであり、またθA(n)は、同じ周波数ビンnにより表される周波数に対する入力信号Aの平均の相対的な信号位相である。信号位相は、しばしば、信号の「電気的位相」と呼ばれる。
同様に、入力信号Bの場合、その入力フーリエ変換のn番目のビンにおける値は、
ZB(n)=MB(n)cosθB(n)+iMB(n)sinθB(n)
ただし、MB(n)は、周波数ビンnにより表される周波数に対する入力信号Bの平均の大きさであり、またθB(n)は、周波数ビンnにより表される周波数に対する入力信号Bの平均の相対的な信号位相である。したがって、ビンに対応する各周波数に対して2つの複素数がプロセスに利用可能であり、2つの相対的な入力信号位相角値、すなわち、θA(n)およびθB(n)を計算することができる。
以降は、簡単化のために、各計算はビンごとに実施され、周波数ビンの指標nは削除するものとする。
図5は、本発明の一態様の実施を示す流れ図である。51aおよび51bで、センサAおよびBからの信号の大きさおよび位相情報が取得される。各ビンの対に対して、2つの相対的な入力信号の電気的位相角値の間の差が52で計算される。言い換えると、
ΔθIA B または、代替的に、ΔθIBA
ただし、θAまたはθBは、入力信号の虚数部分を入力信号の一部の実数部分により除した比のアークタンジェントであり、またΔθIは、各周波数ビンの対に対する2つの入力信号AとBの間の信号電気的位相角差である。
上記に示す数学的方法は理論的に正しいが、実際の(現実の)システムでは、アークタンジェント関数は、通常、間隔-π≦Δθ<πに制限された相対的な位相値を生成する。したがって、入力信号位相差角値ΔθIを計算するとき、計算結果は、間隔-2π≦Δθ<2πにある。この値は、本発明のプロセスを実施するために直接使用することができるが、数学的な理由のために、その値が間隔-π≦Δθ<πに存在すると、より好都合であることが多い。計算された入力信号位相差角値ΔθIは、値が-π未満のとき2πを加え、値がπを超えるとき2πを減算するプロセスにより、所望の間隔に存在するように「再ラップする(re-wrapped)」ことができる。値がすでに間隔-π≦Δθ<πにあるときは変更は行われない。この計算後に得られるΔθIの値は、所望の間隔-π≦Δθ<πに存在する。
得られた位相差値を再ラップした後、2つのセンサ信号間の入力信号位相差値を表す入力電気的位相差数が生成される。理論的には、対象とする信号は、アレイシステム40の感知軸I上にあるので、言い換えると、所望の信号を表す信号AおよびBの部分が時間で整列されているので、その信号に対する位相差はなく、位相差数はゼロとすべきである。しかし、不要な軸外「雑音」源Nから到来する信号に対しては。電気的な位相差があり、位相差数は、方位方向の到来角φNの関数である。
図4を参照すると、以下が適用されることが理解されよう。
Figure 2009506363
ただし、fは周波数ビンに対する中心周波数、sはセンサエレメント間の物理的な間隔、Dはセンサアレイの中心から雑音源Nまでの距離、cは信号の伝播速度(ここでは、空気中の音速)、およびφNは雑音源Nからの信号の方位方向の到来角である。
D>>sである場合、言い換えると、雑音源Nがアレイからかなりの距離に位置している場合、電気的位相差数は以下のように簡略化される。
Figure 2009506363
大部分の軸外雑音信号の到来がほぼ±90°方位角にあるソースからであることを、本発明のシステムに「考えさせる(think)」ことにより、これらの信号はヌルに含まれるようにされ、次いで、信号ベクトル加算後のビーム形成プロセスによりかなり減衰される。本発明の一態様によれば、これは、図5の53で、適切な拡大関数を用いて、測定された入力電気的位相差数ΔθIを±180°の方向に拡大することにより達成される。
ベクトル和は、加算回路に提供される信号をまず反転させることを含む場合と、含まない場合の加算を共に含むことを理解されたい。一般に、ブロードサイドアレイのビーム形成は、信号反転を使用しないが、エンドファイアアレイのビーム形成は使用する。ビーム形成システムの両方のタイプは、この発明の範囲に含まれることが企図される。
さらに、この発明では、位相強調は、上記で論じた拡大関数を用いる位相拡大と、以下で述べる位相圧縮を共に含む。位相拡大は、メインの感度ローブを狭くするために、ブロードサイドビームフォーマなどの多くのアレイシステムで適用される。代替的には、多くのエンドファイアアレイシステムなどの信号差分アレイシステムでは、メインの感度ローブを狭くするために位相圧縮が必要である。しかし、そうではなくて、ヌルを狭くする応用分野があり、このようなシステムでは、位相拡大と位相圧縮がまた企図される。これは、例えば、GSCビーム形成システムに関して以下で論ずる。
次に、反転することなく加算が行われる場合を検討すると、入力電気的位相差数を拡大するために多くの関数を使用することができる。所望の音響信号源が、センサエレメントにより生成される電気的信号が同相になるように時間整列されるこの発明の一実施形態では、利用可能な拡大関数のすべてが共通の1つの特性を有している。すなわち、拡大関数は、0°である位相差を変更することはなく、それは、このような差を有する信号は、所望のソースからのものである可能性が最も高く、減衰すべきではないからである。しかし、入力信号間の電気的位相差が、0°から離れて(プラスまたはマイナスに)増加すると、信号の対が、望ましくない軸外雑音源から生成された可能性が高まる。したがって、例えば、45°の電気的位相差は、2つの信号がビーム形成プロセスで合成される前に、例えば、80°に拡大されうる。2つの信号は、ビーム形成プロセスで加算されるので、このような拡大は、出力信号の大きさを減少させることになり、また拡大された後、2信号はさらに位相がずれることになる。入力位相角差が増加するにつれて、拡大された出力差はより一層±180°の方に移動される。したがって、例えば、90°の電気的位相差は、2つの信号がビーム形成プロセスで合成される前に、179°に拡大される可能性があり、このような信号に対してほぼ完全な減衰を与える。
入力電気的位相角差数ΔθIを拡大して、拡大された出力信号位相角差数ΔθOを作成することは、いま述べた特性を有する適切な拡大関数を適用することにより達成される。1つのこのような関数は以下のようになる。
Figure 2009506363
ただし、角ΔθIおよびΔθOはラジアンで表され、またSは得られた感度ビームの狭さまたは尖鋭度を制御するパラメータであり、1<S≦∞である。
図6(a)は、2つの入力信号ベクトルの間の角度の位相差を強調するために、この数式を適用する効果を示すグラフである。入力電気的位相差数ΔθIは、縦座標または水平軸上にプロットされるが、拡大された電気的位相角差数ΔθOは、横座標または垂直軸上にプロットされる。
拡大されない場合、例えば、尖鋭度パラメータSが上式で1に等しく設定された場合、出力信号位相角差数ΔθOは、入力信号位相角差数ΔθIと等しい、すなわち、ΔθO=ΔθIであり、またシステムは従来のビーム形成システムと同様に動作する。この条件は、図6(a)で、対角のグラフ曲線60により示される。
しかしSのより大きな値に対しては、位相差が拡大され、対応する感度ビームパターンの改良が実現される。図6(a)に示すグラフ曲線62は、式1で尖鋭度パラメータSを10の値に等しく設定することにより得られる拡大曲線を示す。主感度軸上にある所望のソース位置から到来する信号に対しては何も変更が行われないように、曲線は、点0、0を通過することに留意されたい。主感度軸から離れた方位角から到来する信号に対しては、入力電気的位相角差数ΔθIが、非ゼロの値を有し、したがって、曲線62〜64に対応する拡大が行われた場合、得られる強調された出力電気的位相角差数ΔθOは元の入力電気的位相角差値から離れて、±180電気角度の方向に変更される。
曲線63および64は、S値がそれぞれ5、20である場合における式1の位相拡大特性を示す。したがって、この式の場合、尖鋭度値が増加するにつれ、位相強調が増加する。これは、特定の用途において得られるビーム幅を設定する方法を提供し、その用途で必要な軸外雑音信号のピックアップを排除する。しかし、それはまた、例えば、すべての周波数にわたり一定な幅のビームを作成するために、パラメータSの値を周波数の関数として変化させることにより、軸外信号に対するシステムの感度を周波数補償するように、任意の他のパラメータの関数として、得られるビーム特性を制御する方法を提供する。代替的には、尖鋭度パラメータSは、実時間のビーム制御を提供するために、実時間で変化させることができる。
この時点で、従来のビームステアリングシステムの挙動を比較することは有益である。このようなシステムでは、ビームステアリングは、到来する信号パターンが望ましい方向では強化され、望ましくない方向では抑圧されるように入力信号の相対的な位相を変化させることによって達成されることが思い出されよう。位相の変化は、時間遅延と等価である、すなわち、各周波数における位相変化は固定されたオフセットであり、周波数にわたる位相変化は線形である。特許請求される本発明とは異なり、従来のビームステアリングシステムでは位相強調がないので(すなわち、本発明の言語で表現した場合、このようなシステムにおける「S」は、1の値を有するはずである)、図6(a)における従来のビームステアリングシステム曲線は、線60に平行な直線の形をとり、点0、0を通過しないはずである。このような線は、図6(a)における69で指定される。
図6(b)は、さらなる強調関数、およびそれぞれに対して得られる強調曲線の例を示す。65および66でラベル付けされた曲線により例示されるように、位相は、点0、0から離れたすべての値で拡大される必要はない。これらの曲線では、0、0に近い限られた範囲にわたり圧縮されるが、さらに離れた入力差値で、位相拡大が行われる。67でラベル付けされた曲線は、拡大はやはり点0、0に近い入力電気的位相差数に制限されるが、±180度に近い入力位相差値に対しては拡大もしくは、圧縮さえも行われえないことを示す。
この議論は、可能な強調式および曲線の数例を述べているに過ぎず、限定することを意図していない。他の点で位相差を拡大する、言い換えると、位相差を増加させる、点0、0を含む数式および点0、0を通過する曲線は、本発明の一態様に一致する。いくつかの他の選択された点で、一定な位相差を維持し、他の点で位相差を拡大する数式および曲線は、本発明の他の態様に一致する。本発明の他の態様によれば、拡大は、いくつかの入力位相角差数値、ΔθIに適用されるだけである。実際には、多かれ少なかれ、大部分の値に位相拡大が適用される可能性が高いが、値の大部分にまたはかなりの部分に対してさえ拡大を適用する要件のないことを理解されたい。さらに、いくつかの用途では、位相強調は、連続関数または曲線を用いるのではなく、個別の値の参照テーブルを用いて適用することができ、また、位相強調という用語は一般的な意味で使用されるが、位相差の圧縮、または低減が、本明細書で参照される位相強調の一般的な概念に含まれることが理解されよう。
上記の式1から分かるように、入力位相角差数ΔθIの符号は、その大きさとは別に使用される。大きさは、決して負の値を取らないので、再ラップされた入力位相角差数の大きさは、区間0≦|ΔθI|≦πにわたり有効な関数を用いて拡大することができ、また、次いで、入力位相角差ΔθIの符号と合成されて出力電気的位相角差数ΔθOを生成する。代替的には、ラップされていない入力位相角差値は、区間-2π≦ΔθI(ラップされていない)≦2πにわたる繰返し関数を用いて拡大することができる。このような関数の一例は、以下のようになる。
Figure 2009506363
ただし、ΔθIおよびΔθOはラジアンで測定されたラップされていない信号位相差値である。
さらに強調プロセスは、2つのアークタンジェントの計算を必要とする入力信号の電気的位相角差数ΔθIを直接計算することなく実施することができる。多くのデジタル計算システムでは、アークタンジェント関数の直接計算は、比較的、計算的に負荷がかかり、アークタンジェント計算を必要としない強調方法が望ましい。この目的は、例えば、ΔθIそれ自体ではなく入力信号の位相角差数ΔθIのタンジェントに比例する値を用いて達成することができる。このような値は、入力信号ベクトルAおよびBの単位ベクトルを用いて容易に計算することができる。単位ベクトルは、単に、1の大きさを有するが、元のベクトルと同じ角度を有するベクトルである。単位ベクトルは、入力ベクトルを表す複素数を、それ自体のスカラー量で除算することにより計算することができる。
A"およびB"をAおよびBの単位ベクトルとする。A"とB"の合計の大きさに対するA"とB"の差の大きさの比は、ΔθI/2のタンジェントに等しい。この結果は、ΔθIを2tan(ΔθI/2)で置換することにより変更され、かつ当業界でよく知られた方法を用いて適切に基準化された任意の強調関数を用いることにより、強調された出力電気的位相角差数ΔθOを計算するために直接使用することができる。
図5を再度参照すると、53に示すように、入力電気的位相差数が強調されて出力電気的位相差数ΔθOを作成した後、54で示すように、元の入力電気的位相差数は、出力電気的位相差数から減算され、角度強調値が作成される。この値は、次いで、2つの部分に分割され、各部分は各入力信号の位相に、必要に応じて、加算もしくは減算され、それにより、(拡大の場合)信号の位相を離れるようにし、また2つの入力信号間で、「さらに位相のずれた」状態を生成する。角度強調値は、すべてを1つの入力信号に割り当てることができるが、あるいは2つの信号間で任意の比で分割することもできる。一実施形態では、54で、角度強調値を等しく2つの部分に分割し、各半分は、各入力信号の位相に、必要に応じて、加算もしくは減算され、それにより、(拡大の場合)信号の位相を離れるようにし、同じ平均の相対的出力信号位相を保存しながら、「さらに位相のずれた」状態を生成する。他の実施形態では、ベクトルの大きさにより角度強調値を分割し、したがって、得られた出力ベクトルの相対的な位相は、強調が何も行われなかった場合にベクトル加算後に存在するはずの相対的な位相に一致する。
本発明のこの態様を説明するために、ベクトル図7(a)は、信号AおよびBが所望の信号ベクトル成分SDと、雑音ベクトル成分NAおよびNBそれぞれとのベクトル和から構成されることを示す。所望の信号は、軸上の時間で整列されたソースから生成されるので、二重ベクトルSDにより示されるように、その成分は両方の信号で同一である。しかし、雑音信号は、軸外のソースから生成されるので、雑音成分NAおよびNBは等しくない。それらの大きさは、(センサエレメント感度の何らかの差または回路の不均衡は除いて)等しくなるが、図7(a)に示すように、その電気的な位相は、概して、等しくない。したがって、図示のように、得られた入力信号ベクトルAおよびBは、概して、位相または大きさにおいて等しくならない。
図7(b)は、上記で述べた拡大プロセスを示しており、入力ベクトルAおよびBが、入力電気的位相差数ΔθIから、出力ベクトルA'およびB'となる出力電気的位相差数ΔθOへと(開放矢印の方向に)位相拡大される。
その複素数表現が、その元の大きさは別として、より大きな位相差を有するように2つの入力信号が図5の56および57で示されるように変更された後、それらは、次いで、55で示されるように従来のビーム形成法で合成される。前に述べたように、2つの入力信号は、システムの感度ビームを所望の信号の方向にステアリングするために必要な信号遅延を有するセンサアレイシステムから得られていると見なされる。したがって、入力信号は、所望のソースから到来する信号に対して時間で整列されかつ同位相であるが、軸外「雑音」源から生成される信号に対する位相のずれた成分を含む。標準のブロードサイドビーム形成システムの原理に従って、ベクトルは、次いで、ベクトル和として反転されずに加算されて出力信号が生成される。この場合、位相が拡大された出力ベクトルA'およびB'は、図5の55で示されるように、ベクトル的に加算される。言い換えると、複素数A'およびB'の各n番目ビンの対が、ベクトル的に共に加算されて、出力変換のn番目のビンに配置される複素数を形成する。
ベクトル的な加算プロセスは、図7(c)に示されており、本発明のシステムからの出力と比較して、従来のビームフォーマシステムからの出力が示されている。Outとラベル付けられた信号ベクトルは、元の入力ベクトルAおよびBのベクトル平均(2で除されたベクトル和)である。雑音低減システムの主目的は、雑音を除去し、かつ所望の信号に最も近い表現である信号を出力することである。従来のビームフォーマ出力ベクトルのOutは、大きさおよび位相が共に、所望の信号ベクトルSDとは異なることが、図7(a)と比較することによって理解できる。信号のOutとSDの間のベクトル差はいずれも、従来のビームフォーマプロセスが適用された後、出力信号中に残された残留雑音を表すベクトル(図示せず)である。
それとは反対に、本発明の方法により生成された信号A'およびB'のベクトル平均である、Out'とラベル付けされた出力ベクトルは、所望の信号SDに対して非常によくマッチしている。残留雑音は、従来のビームフォーマの出力信号の雑音におけるものと比較してかなり低減され、本発明の手法の著しい雑音低減の利益を示している。
すべての周波数ビンの対に対するデータが上記方法に従って処理された後、完全な出力フーリエ変換フレームが生成される。図1に示し、また前に述べたように、出力フーリエ変換フレームは、次いで、逆フーリエ変換され、処理された時間ドメイン出力フレームを生成する。続いて処理された出力フレームは、次いで、連結され、または重畳加算されて、完全に処理されたデジタル出力時間ドメイン信号を生成する。
代替的には、ビンのグループ中の信号情報は、まず、例えば、ベクトル加算により合成されて、信号処理計算が行われる前に周波数帯域ベースで信号情報を生成する。これは、帯域ごとの処理により作成される信号歪みが許容できる用途に対して、計算コストを低減するためにしばしば行われる。したがって、各計算がビンごとに、または帯域ごとに実施されることが企図される。
図8は、本発明の手法のビーム形成性能を示す。一例として、図8(a)では、7cm離間された2つのカーディオイド型マイクロフォンセンサエレメントを用いた従来のビーム形成システムの性能が示されている。感度ビームパターンは、実質的に、波長が、エレメントからエレメントの間隔sに対して大きく、したがって、アレイの開口が、半波長よりもはるかに小さい場合の低周波(1000Hz以下)に対するカーディオイド型エレメントそれ自体のビームパターンであることが図8(a)から容易に分かる。より高い周波数では、ビームパターンは狭くなるが、ビームパターンが狭くなると、サイドローブが形成される。例えば、3000Hzで、比較的狭いメインローブが形成されるが、いくつかのサイドローブが明らかに顕著になる。さらに、感度パターンは、すべての周波数に対して異なっていることが明らかであり、特に軸外の音に対しては、感度は周波数依存であり、したがって、軸外の音信号は変化する、または「色が付く(colored)」。
それと比較して、図8(b)は、同じマイクロフォンアレイ、および1000Hzで10の尖鋭度値SDを有する式1により与えられた拡大関数を用いた本発明によるシステムのビーム形成性能を示す。従来のビーム形成システムのものよりもメインローブが狭いだけではなく、サイドローブが生成されていない。さらに、感度パターンの形状をすべての周波数に対して同様に維持するために、各周波数ビンに対する尖鋭度値を選択することにより、すべての周波数に対するビーム形状が同じとなり、また軸外信号からの音に対する「色付き」がない。このような音は、聴感的には「正常」であるが所望に応じて減衰される。
従来のビーム形成システムは、2つの理由で、軸外信号に対するその周波数応答を訂正し、または「平坦化」することができない。すなわち、1)周波数に応じてビーム幅を変更するために利用可能なパラメータがないこと(一方、新規のシステムは、尖鋭度パラメータSを有する)、2)ビームパターンは、各周波数に対してかなり異なる形状を示し、したがって、周波数によりビーム幅を補償するためのパラメータがある場合でも、ビーム形状はなおマッチしないことである。本発明のシステムでは、ビーム形状は、実質的にすべての周波数で同じであり、望ましい場合、尖鋭度パラメータ値対周波数に対して適正な傾斜を用いることにより、容易に周波数補償を行うことができる。
図8(c)は、図8(b)に対して述べた条件と同条件下で、メインの感度ローブのFWHM(半値全幅、ビーム幅を測定する標準の方法)を新規システムのものと等しくするために、さらなるエレメントが追加された従来のビーム形成システムに対する1000Hzにおけるビーム形状を示す。この等しくなる条件を達成するために、従来システムは、(6mm直径のエレクトレットマイクロフォンのエレメントが容易に利用できると仮定して)85cmを超える合計開口(アレイ)サイズに対して、すべて7cm離間させた13個のセンサエレメントを必要とする。このシステムは大きくかつ複雑であるが、なお、感度のサイドローブを取り除くことはない。
比較した場合、新規の手法は、図8(d)に示す1000Hzのビームパターンを提供する。ビームパターンが、有害なサイドローブを有しないだけではなく、このシステムは、(付随して、A/D変換器、前置増幅器の回路、およびコンピュータ処理パワーを低減させて)2つのマイクロフォンセンサエレメントを必要とするだけであり、またサイズが9cm未満である。
ピックアップのより大きな雑音低減のために、ビームをさらに狭くし、軸外雑音源への感度をさらに低減することができる。図8(e)は、尖鋭度パラメータSを20の値に増加させたとき、新規のシステムにより生成される1000Hzのビームパターンを示す。ビームの実際的な狭さに対する唯一の限度は、ビームが狭すぎて所望のソースを指示することが維持できない場合、または処理が所望の信号の望ましくないレベルの歪みを生成する場合である。2つのカーディオイド型マイクロフォンエレメントを用いた音声帯域通信用途における尖鋭度パラメータに対する実用的な値は、約5から約50の範囲であるが、その範囲に限定されない。
図5の方法では、位相強調処理がビーム形成プロセスに先行する。したがって、図5の方法は、図2(b)で示されるように、従来のビーム形成システムに対して、センサ電子機器とビーム形成システムの間に、容易に追加することができる。その結果、上記の新規の位相強調手法は、ほぼどのビーム形成システムの性能も改良することに関して、従来のビーム形成技術に対して高い互換性があることが明らかである。同様の理由で、それはまた、従来のビームステアリングおよびビームトラッキングシステムと高い互換性があり、それは、当業者であれば容易に理解されよう。さらに、従来のビーム形成システムと同様に、新規の手法は、無指向、2方向、または単方向センサ、もしくはセンサアレイの使用と高い互換性がある。例えば、新規の手法は、2つ以上の従来のビーム形成アレイシステムの出力を有用に合成するために使用することができる。好都合には、2つ以上の新規のビーム形成システムは、従来のビーム形成システムでさらに合成するための改良された入力信号を提供することができる。
「風雑音(wind noise)」は、例えば、テレマティックス用途に対する自動車中など、多くの音響的な音声信号ピックアップ状況において、特にやっかいな問題である。風雑音は、ある距離からマイクロフォンセンサに対して作用するコヒーレントな音波として特徴付けることができないため、背景の音響雑音とは異なる。そうではなくて、風雑音は、各マイクロフォンおよび/またはマイクロフォンポートで、またはそのほぼ近傍において、空気の乱流により生成される圧力パルスにより特徴付けられる。したがって、個々のセンサ信号の電気的位相角の相互間に相関がないので、風雑音に対する到来角を決定することは可能ではない。
そうではあるが、この出願で開示される本発明の装置および方法は、所望の音声信号を保存しながら、その出力信号における風雑音の大幅な低減を提供する。風雑音に対する入力信号の電気的位相角差は、確率過程の結果として特徴付けることができるので、このような雑音に対する電気的角度差は、可能な入力信号の電気的位相角差の範囲にわたり、統計的に一様に分散される。本発明のプロセスは、所望の信号に対して、先験的(a priori)に知られた差(通常、0度)から離れた入力信号の電気的位相角差を有する信号を効果的に減衰させるので、風雑音はまた、入力信号の電気的位相角差範囲の大部分にわたって有効に減衰される。このような動作は、風または移動する空気が、それにより作られる「風雑音」により問題となる音響センサシステムにおいて、非常に望ましい。
従来のビーム形成技術が遭遇する問題は、最高の雑音低減性能を達成するためにセンサ信号の感度をマッチングさせる必要性である。センサ増幅器およびA/Dチャネルを適切にマッチングさせることは比較的単純であるが、センサそれ自体のマッチングは単純ではない。音響的オーディオの例の使用を続けると、マイクロフォンエレメントでは、マッチさせるのが困難でかつ費用がかかり、また温度変化および経時変化に対してそのマッチを維持することはさらに難しい。さらに、1つの周波数におけるセンサ感度をマッチングさせることは可能であるが、温度変動および経時変化の影響を考慮しないとしても、すべての周波数にわたってマッチングさせることは非常に困難である。
いくつかのビーム形成システムは、自動利得制御(AGC)増幅を各センサチャネルごとに適用することにより、後で動作中に訂正用として適用するためにメモリシステムに保存される工場測定の感度差で制御されることにより、またはセンサ内に、マッチするエネルギー信号を積極的かつ周期的に注入し、これらの「プローブ」信号の結果の測定に基づいて任意の感度差を訂正することにより、センサを自動的にマッチさせるように試みる。
図2(c)に示すように、上記で述べた信号感度マッチング法は、通常、これらの信号が処理される前に、センサ信号22に適用される。したがって、本発明の新規のシステムで使用する場合、感度マッチング回路26は、図示のように、位相強調回路24の前に位置される。代替的には、信号マッチングはまた、強調回路24が入力信号の位相を変更するだけであり、その大きさを変えることはないので、位相強調後に適用することもできる。さらに、等化回路26は、大きさ(振幅)マッチングのためにだけ使用される必要はなく、さらに、必要な場合、周波数等化を提供することができる。
従来技術の感度マッチング法のそれぞれは欠点を有している。AGC法は、1つの周波数における感度差を訂正することができるが、すべての周波数にわたる感度をマッチさせることができない。それはまた、調整するために時間がかかり、この訂正遅延は、到来する信号に対して迅速な応答を必要とするシステムでは問題となり得る。工場測定のマッチング法は、遅延することなく周波数にわたり動作することができるが、温度、湿度、または経時変化による感度変化を追跡することができない。プローブ信号法は、周期的に信号を注入する動作フェーズ中、ビーム形成システムをオフラインにすることが必要になる。さらに、これらの方法のすべては、かなりのコストおよび複雑性をシステムに追加する。
感度マッチングに対する必要性を示すために、雑音中の会話を検出するために従来のビーム形成システムを使用することを検討する。会話は、静かな期間、すなわち、会話バースト相互間の休止により分離された音声サウンドの短いバーストからなる。会話休止中の時間では、わずかな量の残留雑音の影響をマスクする音声信号がなく、いずれの残留雑音もよく聞こえるようになるので、ビーム形成雑音低減システムが、会話休止中に軸外雑音の影響を低減することが重要である。
図7(a)を再度参照すると、会話休止中、所望の信号SDはゼロとなり、入力信号AおよびBは、図7(d)に示されるように、雑音ベクトルNAおよびNBだけから構成される。この場合、信号は雑音だけであり、また望ましい結果は出力ゼロである。
入力信号が、従来のビーム形成システム中でマッチするセンサ信号と合成された場合、得られた出力信号は、予想通り低減されるが、望ましい値のゼロまで低減されない。これは、雑音信号A=NAおよびB=NBだけを従来方法でビーム成形した結果であるOutとラベル付けされた平均の出力ベクトルにより図7(e)で示されている。
しかし、センサ信号のミスマッチがある場合、システムの出力信号中の残留雑音は大幅に増加する。典型的なマイクロフォンエレメントは、1kHzで±3から±4dBの感度マッチングで利用可能である。したがって、2センサの場合では、1つのセンサが感度分布の低い端にあり、他方が高い端にある場合、2つのセンサ信号は、2:1以上の感度差によりミスマッチになる可能性がある。図7(f)は、図7(e)に示すものと比較して、センサ信号Aが3dB低下し、センサ信号Bが3dB増加するように、センサがミスマッチした従来のビーム形成システムから得られた出力ベクトルを示す。この場合では、従来のビームフォーマ出力信号ベクトルOutが大きさでかなり増加し、または位相でかなり変更される。この影響により、従来のビーム形成システムにより出力された軸外雑音の可聴性が増加される結果となる。
図7(e)はまた、再度、信号の大きさがマッチしていると仮定して、この出願の新規システムにより処理された後の残留出力雑音を示している。図7(d)で示されるように、比較的大きい入力信号の位相角差数ΔθIは、拡大された出力位相差数Δθoが180電気角度に非常に近いことを意味する。したがって、出力信号ベクトルA'およびB'は、図7(e)で示すように、実質的に位相がずれているが、同じ大きさである。この条件が達成された場合、2つの信号A'およびB'は、図5の55でベクトル的に加算されたとき、互いにキャンセルし、Out'とラベル付けされた点で図7(e)に示されるように、実質的にゼロの長さの出力ベクトルが得られる。したがって、センサ信号が感度でよくマッチしている場合、新規の本発明は、このような雑音だけの信号に対して非常に低い出力の望ましい結果を達成する。従来のビーム形成システムにより提供される残留雑音出力ベクトルOutと比較して、本新規システムにより提供される残留雑音出力ベクトルOut'ははるかに小さい、すなわち、本新規システムの出力中の残留雑音は、さらに大きく低減される。
新規のビーム形成システムは、ビーム幅にわたって制御することのできる尖鋭度パラメータSを含む位相強調関数を使用することを理解されたい。したがって、尖鋭度パラメータの値は、ビームフォーマに対して有益な新しい特性を生成するように選択され、または制御されうる。例えば、さらなる雑音除去が必要とされる場合、雑音レベルの増加に応じて尖鋭度パラメータを調整することを、ビーム幅を狭くするために使用することができる。Sの値は、出力信号中の雑音を検出することにより、また例えば、指定された出力信号対雑音比を維持するために値を調整することにより、自動的に調整することができる。
代替的には、雑音が特定の周波数特性を有することが知られている場合、例えば、大部分の雑音が低い周波数からなる場合の用途では、Sの値は、最良の信号品質を維持するために、それらの周波数において広いビームを生成するように調整することができ、一方、それらの雑音の除去を最大にするために、他の周波数では狭いビームを生成することができる。このような周波数のビーム幅のテーパ付け(tapering)は固定されうるか、または手動で調整されうるか、あるいは制御信号の変動に応じて尖鋭度パラメータSの値を制御することによって適応化もしくは自動化されうる。尖鋭度パラメータにより可能になる特別の自由度を適用するこのような多くの方法があり、そのすべてが、本発明に従うものであることが企図される。
さらに本発明によれば、従来のビームフォーマシステムの信号マッチング法に関連する遅い応答、変化のトラッキング、追加コスト、および複雑性の欠点を回避するために、新規のアルゴリズム的マッチング法が提供される。この新規のマッチングシステムは、すべての周波数に対して、また温度、湿度、およびセンサの経年変化条件に対して、即時に感度をマッチさせる利益を提供する。さらに、この新規の信号マッチングプロセスは、マッチした信号感度が必要な、または望ましい実質的にどのアレイシステムに対しても適用可能であり、本明細書で提供される新規のビーム形成システムでの使用に限定されないが、このシステムにおいて、最高の雑音低減性能に対するマッチした信号を保証するようによく動作する。
図9は、新規のビーム形成システムのフレームワーク内で実施される本発明の信号感度マッチングシステムを示す。このような限定を意図するものではないが、2センサアレイのコンテキストで再度述べると、入力信号AおよびBはまず、91aおよび91bでそれらの位相および大きさ成分に分離される。回路ブロック92〜97は、図5で52〜57とラベル付けされた同じブロックに対応し、実質的に同じプロセスステップを表す。信号振幅マッチングが新しい回路ブロック98により生成され、そこで2つの入力スカラー信号量|A|および|B|が合成されて、|A|と|B|の数学的平均に等しい新しい共通のスカラー量値GMが作成される。この例では、幾何平均値が使用される。この新しいスカラー量値は、次いで、96および97で使用され、拡大された位相値ΔθAOおよびΔθBOと合成されて、位相が拡大された出力信号A'およびB'を生成する。
センサ感度ミスマッチおよびセンサ信号経路差に対して補償する本発明の方法は、入力ベクトルの個々の大きさの数学的平均値を、拡大された電気的位相角ベクトルに再度割り当てるプロセスを使用する。例えば、算術、二乗平均平方根(rms)、幾何、調和、など数多くのタイプの数学的平均がある。本発明では、すべての数学的平均が利用可能であり、また特定の数学的平均を設計の必要性に応じて使用することができる。
Figure 2009506363
として定義される算術平均を使用すると(ただし、Siはi番目のセンサからの信号であり、Nはセンサの合計数である)、大きくミスマッチした信号に対してもほとんど減衰を生成せず、1つのセンサが完全に故障した場合にも出力信号を消すことはない。rmsは、大きくミスマッチした信号の減衰を阻止するその能力において幾分甘くなるが、センサの故障に対して出力を消去することはない。これらの数学的平均のフェールセーフ特性は、信頼性のあるシステムが、センサが故障した場合に、低減された有効性にもかかわらず、動作し続ける必要のある多くの実際の用途に対して、非常に望ましいものとする。
しかし、大きくミスマッチした信号振幅はまた、望ましくないマルチパス、クラッタ(clutter)、または残響アーティファクトにより作成され、このような状況では、このような信号のさらなる減衰が望ましい。
Figure 2009506363
として定義される調和平均を使用すると、このような望ましくないアーティファクトの比較的に積極的な減衰を作成する。このアーティファクト低減能力は、クラッタが著しい問題である用途に対して、調和平均をよい選択肢にする。
Figure 2009506363
として定義される幾何平均は、それとは対照的に、望ましい軸上信号の品質を保存しながら、このような望ましくないアーティファクト雑音信号を減衰させることの間のよい妥協を提供する。見える(光)、または聞こえる(音および会話)など、人間の信号知覚の場合では、対数平均が望ましく、また幾何平均がこの特性を提供する。例えば、1つのセンサが、公称よりも+XdB(大きい)感度を有しており、一方、他のセンサが公称よりも-XdB(低い)感度を有する場合、幾何平均を使用すると、公称感度のセンサエレメントのマッチした対により提供されるものに等しい出力の大きさを提供することになり、したがって、ユーザに対してミスマッチは透明なものとなる。
システム設計者は、対処する特定の用途に対して好ましい手段を選択することになるが、音響的な音声信号に対しては、幾何平均が好ましい。
この新しい信号感度マッチングシステムにおける価値ある要素は、入力信号の個々の大きさを置き換えるために、数学的平均の大きさの値を使用することである。従来のビーム形成システムに適用された場合、位相強調プロセスはバイパスされるはずであり、またこの場合θAとθBである元の入力信号位相が96および97でそれに代えて使用されるはずである。
図2(c)を再度参照すると、この新規の信号感度マッチング手段は、位相強調プロセスの前、または後に適用することができる。この図では、回路ブロック26が、位相強調ブロック24の前に示されているが、システム全体の性能に影響を与えることなく位置を逆にすることができる。実際、位相強調回路ブロック24が削除された場合、上記で開示された新規の感度マッチングプロセスは、センサ電子機器とビーム形成システムの間に、従来のビーム形成システムに容易に追加できることが容易に分かる。
この新規の感度マッチングシステムの利点は、その連続的なマッチングの能力、すなわち、実質的には即座のマッチングであり、遅延またはデッドタイムのない、実時間ですべての周波数で連続的に訂正する能力であり、ミスマッチ、ドリフト、経時変化、温度、湿度、および感度変化の他のすべての原因の影響を除外する。適用可能範囲には、無線、ソナー、オーディオ、レーダー、医療用撮像、光学、およびマッチしたセンサが必要な他のアレイシステムが含まれる。
図10のベクトル図で示されるように、信号の大きさがマッチしたとき、入力信号ベクトルAおよびBは二等辺三角形を形成する。従来のビーム形成システムでは、出力信号Outは、AおよびBのベクトル平均を計算することにより作成され、得られた出力信号ベクトルは、図示のように三角形を二等分する。したがって、直角三角形O-B-Outが形成され、出力信号ベクトルOutの大きさは、以下により与えられる。
Figure 2009506363
同様に、新規のビーム形成システムでは、信号の大きさがマッチした場合、入力信号ベクトルA'およびB'は、他の二等辺三角形を形成する。出力信号Out'は、A'およびB'のベクトル平均を計算することにより作成され(図5の55、または図9の95で)、また新しい出力信号ベクトルOut'がこの三角形を二等分する。したがって、直角三角形O-B'-Out'が形成され、出力信号ベクトルOut'の大きさは、以下により与えられる。
Figure 2009506363
位相拡大が入力信号の電気的位相角差に適用される場合、出力ベクトルOut'の大きさは、常に、従来のビームフォーマの出力ベクトルOutの大きさ未満であるが、出力信号の位相は変更されない。したがって、マッチした信号レベルを用いると、新規の雑音低減ビーム形成システムの位相拡大プロセスは、従来のビーム形成システムによって生成された出力信号の大きさを低減させるが、位相は保持する。大きさにおけるこの低減は、ベクトル長さ101の差として、図10で示される。
さらに計算的に効率のよい手法は、拡大された位相ベクトルA'およびB'をまず計算するのではなく、この信号減衰特性を直接使用する。図11はこの手法を示す。図11に示すように、センサアレイ111からの入力信号112は、本来はマッチしていない場合であっても、116で振幅がマッチされる。マッチングは、従来のアレイマッチング法を使用することにより、または上記で述べた新規の数学的平均マッチング法を使用することにより生成することができる。マッチした信号は、次いで、回路ブロック117から提供された減衰量により118で減衰される前に、従来のビームフォーマ113でベクトル加算される。減衰量は、回路ブロック117で、測定された入力信号の電気的位相角差数ΔθIから決定され、それを後で説明する。減衰量は、入力ベクトルの大きさに、またはその絶対位相に依存しておらず、入力信号の電気的位相角差値もしくは数にだけ依存する。
出力電気的位相角差数ΔθOは、入力電気的位相角差数ΔθIから(例えば、式1により述べたように)直接計算されるので、出力信号Out'を生成するためのより計算的に効率のよい方法は、入力信号がマッチされているかのように減衰を計算し、次いで、この減衰を、従来のビーム形成システムの出力に適用することである。信号マッチングなしに、または従来の信号マッチング法を用いる場合、入力信号の大きさは十分にマッチされていないとしてもこの計算的に効率のよい方法をなお適用可能であるが、出力信号の位相にエラーを生ずる可能性がある。
オーディオ用途の場合、人間の耳が信号の位相を容易に区別できないことを理解すると、このわずかな0位相エラーは重要ではなくなる。したがって、オーディオ通信デバイスの場合は、システムの雑音低減の有効性を損なうことなく、出力信号の位相をわずかに変えることができる。実際に、この方法で使用される出力位相におけるわずかな偏倚は、例えば、ソナー、レーダー、光学的、無線アンテナシステムなど、最も企図される用途では問題にならない可能性が高い。しかし、新規の信号の大きさマッチング法を用いれば、出力信号位相は完全に保持されることになるので、位相エラーは問題にはならない。
図10で分かるように、適用される減衰量は、出力ベクトルOut'とOutの大きさの比である。信号A'およびB'は感度がマッチしており、等しく拡大されていると仮定されるので、出力ベクトルOut'およびOutは、図10に示すように、同じ電気的位相角を有する。したがって、その大きさの比は、式2および3から、以下で定義される簡単なスカラー減衰値となる。
Figure 2009506363
ΔθOはΔθIの関数なので、減衰値はΔθIだけの関数である。
図12は、本発明の雑音低減法を実施する他の方法を提供するためにこの減衰比をどのように使用できるかに関する流れ図を示す。式4に加えて、拡大された出力電気的位相差数ΔθOを決定するための関連する位相強調関数を用いると、減衰値は、入力電気的位相角差数ΔθIから決定することができる。この減衰値は、次いで、従来のビームフォーマからの出力を変更するために使用されて、位相強調法により生成されたものと同じ雑音の低減された出力を生成する。この方法では、125で、2つの入力信号がまずベクトル加算されて、減衰されていない中間の信号を生成する。121aおよび121bで、入力信号の電気的位相だけを使用すると、122で、入力電気的位相差数ΔθIが計算され、その後、出力電気的位相差数ΔθOを計算するために、位相強調関数または参照テーブルと共に使用される。次いで、128で、式4に従って減衰値が計算される。
入力信号が所望の軸上ソースからのものである場合、2つの電気的位相差数は、等しく、減衰値は1であり、その結果、この所望の信号は減衰されずに通過する。入力信号が軸外雑音源からのものである場合、2つの電気的位相差数は等しくなく、その出力電気的位相差数は常に入力電気的位相差数よりも大きくなる。位相差数は半分に分割されるので、それらは、区間-π/2≦Δθ≦π/2にあり、常に同じ符号を有する。したがって、このような信号の減衰値は、式4によれば、1未満となり、また入力雑音信号の到来方位角がアレイ軸から離れて90度方向に増加するにつれ、ゼロに向けて減少することになる。
この減衰特性の例として、図13は、式4、および(尖鋭度パラメータSの異なる値に対して図6(a)でグラフ化されている)式1の位相強調関数を用いて作成された減衰値のグラフを示す。このグラフの水平軸は入力電気的位相差数ΔθIであり、垂直軸は減衰値である。曲線130、131、および132は、尖鋭度値5、10、および20、それぞれに対する入力信号の電気的位相差数に応じた減衰値を示す。0度の入力電気的位相差数では、これは所望の信号に対する位相差を表しているので、減衰値は1に等しいことに留意されたい。入力電気的位相差が、いずれの方向であってもゼロから離れて増加するにつれて、減衰は増加する、すなわち、減衰値はゼロに向かって減少する。
図12を再度参照すると、128での減衰値の計算の後、125からの従来のビームフォーマ中間信号ベクトルは、129で、スカラー減衰値により乗算されて、最終的に減衰された出力信号が生成される。したがって、入力電気的位相差数がいずれの方向であってもゼロから離れて増加すると、このような入力信号は軸外雑音源からのものにちがいないので、従来のビームフォーマ出力信号が減衰される。本発明の方法の位相拡大プロセスのように、この減衰プロセスは、システムの出力信号中の軸外雑音源の影響を同様に除く。
この減衰法は、入力信号AおよびBの大きさの計算を必要としないことにより、121aおよび121bにおける計算を節約し、さらに、位相が拡大された出力ベクトルA'およびB'の計算も節約することに留意されたい。しかし、拡大された出力位相差数ΔθOの計算をなお必要とする。計算のさらなる節約は、前に述べたものなどの位相拡大関数ではなく、減衰関数を使用することにより行うことができる。
直感的には不足するが、この非常に計算的に効率のよい手法は、本発明のシステムに関して前に述べられた手法と同じ雑音低減を達成する。この手法は、図14を参照して説明する。
入力信号AおよびBがフーリエ変換のビン/帯域値であることを思い出すと、入力は、実数および虚数部を有する複素数により表されるベクトルである。回路140で、入力信号Bの大きさに対する入力信号Aの大きさの比の平方根が計算される、すなわち、回路140の出力はスカラー値である。
Figure 2009506363
このスカラー値出力140は、大きさが|A|である入力ベクトルAを除するために回路141で使用される。回路141からの出力ベクトル信号、すなわち、信号A'''が、入力ベクトルAの電気的位相角ではなく、2つの入力ベクトルAおよびBの大きさの幾何平均に等しい大きさを有するという結果が得られる。140からのスカラー値はまた、入力ベクトルBを乗算するために回路142で使用されて、ベクトル信号B'''が得られ、その大きさはまた、2つの入力ベクトルの大きさの幾何平均であるが、その電気的位相角は、入力ベクトルBのものと同じである。図14に示す方法は、本来、2つのセンサのマッチしない性質を訂正するように働く幾何平均の大きさ等化を提供することが理解されよう。
2つの幾何平均の大きさがマッチするベクトル信号A'''およびB'''は、次いで、144で加算されて、減衰されていない中間の出力ベクトルを取得し、一方、A'''とB'''のベクトル差は、回路143の出力で取得される。ベクトル和で除されたベクトル差は、角度差の半分のタンジェントの虚数演算子(√-1)倍に等しいことを思い出すと、回路145はこの比を計算する、すなわち、信号Tは、
Figure 2009506363
虚数演算子は、Tの大きさをとることにより、回路146で除かれ、タンジェントに等しいスカラー値が得られる。この入力電気的位相差数ΔθIの2分の1のタンジェントは、次いで、回路147で使用されて、減衰関数または参照テーブルを適用することにより減衰を計算する。関数またはテーブルから減衰値が決定された後、それは、ベクトル信号を減衰値で乗算することにより、回路144からの中間の出力ベクトル信号に適用される。これは、雑音低減プロセスからの最終出力を生成する。
図15は、この新規のビーム形成雑音低減システムで使用できるいくつかの典型的な減衰関数のグラフを、またそのための定義式を示している。図13に示す様々な曲線を参照して論じたように、0度の入力電気的位相差数に対する減衰値は1である、言い換えると、このような信号は減衰されずに通過する。したがって、所望の信号、すなわち、アレイの感度軸に沿った位置から生成された信号は減衰されない。しかし、入力電気的位相差数がゼロの値から離れたいずれの方向にも増加すると、減衰値は1の値未満でかつゼロの方向に低下するので、さらなる減衰が生成される。したがって、軸外雑音源から生成された信号は減衰される。
図15の曲線151で分かるように、180度の入力電気的位相差を含む任意の入力電気的位相差に対して、減衰値がゼロに達する必要はない。さらに、減衰は、0度のいずれの側に対しても、単調に下がる必要はない。実際、ゼロから離れた少なくともいくつかの入力電気的位相差数に対して減衰させる限り、多くの他の関数および曲線を使用することができる。
図15の実線のグラフ曲線150で示される減衰関数は、図14に関して述べた方法と共に使用すると特に興味深い。これは、その曲線に対する定義式で示されるように、減衰値が、図14の回路147の入力で本来利用可能な信号である入力電気的位相差数ΔθIの2分の1のタンジェントにより決定されるからである。
この関数はまた、尖鋭度パラメータが、指数としてではなく簡単な乗算的方法で使用されているため、効率的な計算を促進する。この、または同様の減衰関数が図14の方法で使用されたとき、非常に簡単で効率のよい計算が得られる。尖鋭度パラメータの乗算的使用を組み込む関数は、その低い計算能力要件のため、非常に望ましい。
前述の議論は、諸関数から減衰値の計算をすることにより、利用可能な減衰値を決定する方法を述べてきた。代替的に、減衰値は、回路ブロック147で、事前に計算された値の参照テーブルから取得することもできる。このような実装形態では、関数から値を計算することに関する計算的なオーバヘッドがなくなる。この方法は、変化する条件に応じて減衰テーブル値への実時間の変更を行う能力を低下させることと引き換えに、さらに優れた実時間の計算効率を提供する。
この議論は、可能な減衰の数式および曲線の数例を述べているに過ぎず、限定することを意図していない。他の点で減衰を増加させる点0、1を含む数式、および点0、1を通過する曲線は、本発明の一態様に一致する。いくつかの他の選択された点における無減衰を維持し、他の点で減衰を増加させる数式および曲線は、本発明の他の態様に一致する。本発明のさらなる態様によれば、減衰はいくつかの入力位相角差数値ΔθIに適用されるだけである。実際には、減衰は、多かれ少なかれ、大部分の値に適用される可能性が高いが、値の大部分に対して、またはかなりの部分に対しても減衰を適用すべきであるという要件はないことが理解されよう。さらに、対称的な減衰関数が適用可能なシステムの場合、入力位相角差数値ΔθIの大きさを使用することにより、減衰の計算を簡単化し、または参照テーブルを最小化することができる。さらに、区間πから2π、および-2πから-πにわたり繰り返される減衰関数が使用される場合、入力位相角差値ΔθIの再ラップは必要がない。上記のものは、減衰法を実行する例示的なモードであり、限定することを意図していない。本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、変更を加えることが可能であることは当業者には明らかであろう。
減衰値の最大値が1に等しいことは必要がないことに留意されたい。最大の値をより低い値になるようにし、したがって、減衰値がゼロからこの低い値までの範囲に適合するように基準化される場合、ビーム形状強調は保持されるが、感度全体が低下することになる。同様に、最大値が1よりも高い値に等しくされた場合、したがって、減衰値が、ゼロからこの高い値の範囲に適合するように基準化された場合、ビーム形状はやはり変わらないが、全体の感度が増加することになる。「減衰」という用語は、減衰値が1を超える場合であってもなお適用されるが、このような状況では、減衰とは反対のことが生ずることに留意されたい。言い換えると、1を超える「減衰」値により乗算された信号は、減衰されるのではなく、実際には拡大される(利得を得る)。そうではあるが、本明細書では、減衰という用語を使用する。こうすると、新規のビーム形成プロセスを実施する減衰法に容易に統合できる利得制御のための簡単な方法が導かれる。このような利得制御は、例えば、当業者によく知られた、適切な制御信号を用いたこのようなシステムの自動利得制御に対して使用することができる。AGCを含む利得制御が非常に有益である用途が数多くある。
さらに本発明によれば、0度以外の位相差を、位相拡大または減衰をどこか他で提供する関数を用いて、位相強調または減衰を行わない位相差として使用することができる。この方法では、最大感度の方向は、0°の電気的位相差を生成する以外の方位角に相当する角度にステアリングされる。他のパラメータを一定に保持して、位相強調または減衰が適用されない入力信号の電気的位相差を変えることにより、センサシステムの最大感度の方位角がシフトされる。
図13の減衰曲線130、131、および132は、入力信号の電気的位相角差数に対して、0°の軸上「ルック(look)」方向における無減衰の状態を示しているが、0度から離れた、入力信号の電気的位相角差数に対しては、信号の減衰を示している。本発明の装置および方法に対する他の用途は、ビームステアリングの新しい方法を提供することである。従来のビームステアリングの方法は、時間遅延技法、および/または周波数ドメインにおけるその等価な技法の適用を必要とする。それに代えて、例えば、曲線133で示されるように、図13に示された曲線が横方向に変位され、したがって、ゼロの減衰が0度以外の角度で生ずる場合、有効なビームが、減衰がゼロであるこの新しい角度へと移動しまたはステアリングされる。
このようなステアリングは、必要に応じて、またはビームトラッキングシステム(図示せず)からの制御信号に応じて、そのピークを横方向にシフトする減衰関数を適用することにより、固定された方法で、または動的に実時間で達成することができる。式4は、すべての減衰関数に対して対応する位相拡大関数が存在し、また逆の場合も同様であることを示していることを思い出すと、この新しいビームステアリングの形式はまた、上記で述べた位相強調法と共に、適切な(または対応する)位相強調関数を使用することにより達成されうることが当業者には明らかとなろう。
さらに、例えば、ソナーおよびレーダー用途など、複数の同時ビームが必要となる数多くのビームフォーマ用途がある。2つ以上の減衰のないピークを有するが、それらのピークの間に有限の減衰を有する減衰関数を用いることにより、複数のビームパターン感度ピークまたはビームを生成することができる。同様に、それらのビームをステアリングすることができ、それぞれを、例えば、適切な制御信号(ビームトラッキング制御信号とすることもできる)に応じて、必要に応じて減衰関数のピークの横方向位置を動的に移動させることにより独立してステアリングできる。さらに、上記で述べたように、この複数のビーム装置および方法は、対応する位相拡大関数を使用することにより、前に詳細に述べた位相拡大法を用いて達成することができる。
この技法に対する優れた用途の例は、超分解能ビームフォーマであり、第1のビームフォーマの感度パターンにおける信号感度サイドローブの有害な影響が、ちょうど述べたタイプの第2のビームフォーマからの適切に基準化され、かつ反転された信号を、第1のビームフォーマからの信号に加えることにより、低減されまたはキャンセルされる。このキャンセルを達成するために、第2のビームフォーマの感度パターンは、第1のサイドローブを模倣するはずである。したがって、第1のビーム形成システムのサイドローブが、この手段を用いて有効にキャンセルされ、感度の狭いメインローブだけを残すようにする。
ビーム形成システムはすべて、所望の信号の何らかの歪み量を生成する。このようなシステムがさらに積極的になるにつれ、すなわち、それがより狭い感度ビームパターンを生成するにつれて、その歪みは増加する。本発明のシステムでは、生成された歪みは、測定可能になるが、尖鋭度パラメータSの高い値に対してだけである。したがって、歪みを最小化するために、可能な場合はいつでも、尖鋭度パラメータSの値を最小化する試みは価値があり、個々の用途に従って、増加した尖鋭度パラメータと増加した歪みのトレードオフの平衡を取ることができる。
本発明の信号プロセスの実施に関して上記で述べたように、位相拡大と、位相ベースの減衰法が、例えば、図6、13、および15で示すように、対称的な改良関数を用いて示されてきた。しかし、その改良関数は、直接計算の形で実施されようと、あるいは参照テーブルの形で実施されようと、対称的である必要はない。いくつかの用途では、非対称のビームパターンを使用することにより利益が得られる。例えば、明るい星の隣のかすかな星からの信号を分解しようとする場合の光学的な用途である。明るく干渉する星の側部に対する狭いビーム、または大きな減衰は、この「雑音」源からの干渉を減衰することができ、一方、すべての他の方向に、正常なビームまたは減衰を提供し、したがって、より狭いビームを生成するために使用される尖鋭度の高い値の歪みの影響を最小化することができる。この方法では、強調または減衰が、選択された位相角差に関して非対称的に行われ、その位相角差は、例えば、曲線130〜132(図13)の場合0度であり、曲線133の場合は、0度以外の値である。
このような非対称的な指向性の改良は、例えば、正の入力信号位相差値に対する1つの尖鋭度値を使用し、一方、負の入力信号位相差値に対しては異なる尖鋭度値を使用することにより生成することができる。同様に、1つの改良関数またはテーブルは、正の側に対して使用することができ、一方、他の改良関数は、負の側に対して使用される。
さらに、尖鋭度パラメータSの値は、周波数と共に変化し得る。例えば、すべての周波数に対して単一の値を使用することは、低周波数で比較的広いが、高周波数ではより狭くなるビームパターンを作成する。これは、信号の波長が周波数とは逆に変化し、したがって、軸外信号に対する入力電気的位相差は、周波数と共に線形に変化するからである。
この影響を訂正することにより、ビーム幅をすべての周波数に対して等しくすることができる。この影響を訂正する1つの手段は、変化に対して補償するような方法で、各周波数に対して、異なる尖鋭度パラメータ値を選択することである。例えば、図8(b)に示す一様なビーム幅は、尖鋭度パラメータSが周波数差の逆になるように調整されたときに生ずる。1kHzの尖鋭度パラメータが500Hzで値10に設定されたとき、同じビーム幅が尖鋭度値20により作成され、また2kHzの周波数では、必要な尖鋭度値は5である。したがって、周波数に応じて尖鋭度パラメータ値を選択することにより、実質的に、軸外感度に対する任意の所望の周波数応答を作成することができる。
対称的な改良が適用されるまたは望ましい用途の場合、計算コストは、その対称性を活用して低減することができる。雑音改良の量を決定するために、入力信号の位相差値の大きさを用いることにより、例えば、式1などの符号sgn(ΔθI)関数を計算する必要性を除くことができ、あるいは参照テーブルを2分の1のサイズに低減することができる。
概して、マイクロフォン間隔(図4のs)は、対象とする最も高い周波数における2分の1波長以下であるはずである。これは、計算された入力信号の電気的位相差が±180°を超えるべきではないからである。その差が±180°を超える場合、値は曖昧なものとなる。例えば、センサ間隔が全波長に等しく、雑音源が方位角90°に位置している場合、入力信号の電気的位相差ΔθIの真の値は360°になるはずである。しかし、入力信号の電気的位相差の計算は、0°の数学的値を作成し、次いで、得られた信号は減衰されないはずである。得られた感度ビームは、間隔が2分の1波長である周波数を超える周波数で、サイドローブを有する結果となる。これは、いくつかの用途で、例えば、すべての重要な雑音源が、センサ間隔が2分の1波長である周波数に満たない周波数コンテンツを有しているが、所望のソースは、その周波数を超えるコンテンツを有する用途では、必ずしも望ましくないとは言えない。
しかし、他の用途では、真の入力信号の電気的位相差を計算する手段を用いない場合、このような大きなセンサ間隔は問題となり得る。図16は、2エレメントを超える線形ブロードサイドアレイに、新規の方法を拡張するための方法と、より大きなセンサ間隔により作成された入力信号の電気的位相差の曖昧性を解決する手段とを共に示す。図16は、3つのセンサエレメントA(162)、B(164)、およびC(166)を有するアレイ160を示しており、センサからセンサへのエレメント間隔sは2分の1波長であるが、アレイ幅は1つの全波長である。ここで、システムは、すべてのセンサ信号対、A-B、B-C、およびA-Cの間の入力信号の電気的位相差を決定し、その場合、内側の対の電気的位相差、A-B、およびB-Cは常に±180°の間にあるが、外側の対の差は区間±360°の範囲にある。内側の対の電気的位相差値は、到来する方位角の粗い測定として平均され、または単独で使用されうるが、一方、外側の対の電気的位相差値は、到来角の精密な測定として使用される。内側の対の位相差値は、曖昧性を解決するが、外側の対の位相差値は、位相拡大または雑音の位相ベースの減衰を生成するために使用される。したがって、有効なビーム168をより一層狭くすることが、所望の信号のさらなる歪みを与えることなく達成することができる。この方法は、一様な間隔であろうと、非一様であろうと、任意の数のエレメントを有する任意のサイズのアレイに拡張することができる。
前述の構成では、新規の技術は、アレイからのその距離にかかわらず、感度軸I上に存在するすべての信号源に対して、等しく感度があり、またその到来角に基づいて信号を減衰するだけである。しかし、多くの用途では、特定の距離または「レンジ(range)」から生成される信号だけを受け入れるための手段を提供することもまた望ましい。図17は、本発明に従って、レンジ感度ビームパターンを生成する2つの方法を示す。
図17、18、および19では、プロセス(PROCESS)とラベル付けられた回路ブロックが、位相強調および/または減衰法を含む開示された方法のうちの任意のものを用いて、この発明の新規のビーム形成プロセスを実施する。同様に、Δθ ENHとラベル付けられた回路ブロックが、任意の開示の方法を用いて、この発明の位相強調プロセスを実施する。本発明のプロセスのこのような使用は、限定することを意図していない。
図17(a)では、4つのセンサA、B、C、およびDにより形成されたアレイから、ある距離における領域175内に位置する所望のソースSDが示されている。センサAおよびBは、プロセス171と共に、ビーム172を生成する本発明のビーム形成システムの第1のシステムを形成する。センサCおよびDは、プロセス173と共に、ビーム174を生成する本発明のビーム形成システムの第2のシステムを形成する。センサは所望のソースSDから(図示のように)同じ距離にすべて配置され、またはその信号を、従来の信号時間整列技法を用いて所望のソースに対して時間整列させることができる。これらの第1および第2のビーム形成システムから出力された信号は、本発明のプロセスの第3のもの、すなわち、プロセス177で合成され、最終的な出力信号を生成する。このような方法では、感度領域175内のソースから生成される信号だけが検出されるが、一方、感度領域175の外に位置する「雑音」源からの信号は減衰される。したがって、このようなシステムにより、角度およびレンジ分解能が共に得られる。
このようなシステムでは、プロセスとラベル付けられた回路ブロックが同じである必要はない。例えば、171および173のプロセスが、位相強調法を実施することができ、一方、177のプロセスが、減衰法を実施することもできる。さらに、1つまたは複数のプロセス回路ブロックは、従来のビームフォーマとして実装されうる。
図17(b)は、本発明の方法を用いてレンジ分解能を作成するためのより簡単な方法を示す。図17(b)の同様な部分は、図17(a)で使用された指定と同じものを用いてラベル付けされる。ここでは、センサが一直線上に存在し、また時間遅延回路178および179が、図示のように、2つのビーム172および174を内方向にステアリングするために使用される。したがって、センサ信号のすべては、この手段によって時間整列される。代替的には、図17(a)で示すように、センサを所望のソースから等距離に配置することができ、それにより、図17(b)で示す時間遅延に対する要件を除外することができる。センサにより生成された信号が、このように時間整列された場合、それは、単一のビーム形成プロセスであるプロセス177で使用することができ、信号の対A-BとC-Dに対する入力信号の電気的位相差値がまず決定される。さらに、プロセス177に到来する4信号はすべて、従来のビーム形成システムにおけるように、共にベクトル的に加算されて、中間の出力信号が形成される。次いで、図12または図14を参照して述べられたものと同様の方法で、中間の出力信号に適用すべき減衰を決定するために、電気的位相差値の最大のものが使用される。減衰が適用された後、その結果が、図17(b)で示す最終の出力信号である。代替的には、得られた4つの位相拡大信号が次にベクトル的に共に加算されて最終出力を生成する前に、図5および9を参照して述べた位相拡大技法を、まず、信号の対A-BおよびC-Dに対して別々に適用することができる。このようにして、本発明によるレンジ感度システムを実現することができる。
線形ブロードサイドアレイを参照してこれまで述べたように、本発明の方法は、センサのアレイにより生成されるセンサビーム幅の有効な低減を生成する。図18は、「ペンシル」ビーム、すなわち、低減された方位方向(幅)、および低減された仰角方向(高さ)の広がりを共に有するビームを作成するために、新規の技術を使用する3つの異なる手段を示す。3つの異なる構成が示されているが、それらは、本発明の例として意図されているに過ぎず、または限定することを意図していない。
図18(a)は、4センサ法を示しており、センサAおよびBからの信号は、本発明のプロセスの第1のもの、すなわち、プロセス181により使用されて、X方向には狭いが、Y方向には比較的広い第1の有効な感度ビームを表す第1の中間信号182を生成する。同時に、センサCおよびDからの信号は、本発明のプロセスの第2のもの、すなわち、プロセス183により使用されて、X方向には狭いが、Y方向には比較的広い第2の有効な感度ビームを表す第2の中間信号184を生成する。2つの中間信号182と184の間の位相差は、Y方向で軸外にある信号に対する到来する仰角についての情報を含む。本発明のプロセスの第3のもの、すなわち、プロセス183は、これらの2つの中間の信号に含まれるこの到来する仰角情報を用いて、X方向とY方向共に狭い最終的にペンシル形状の感度ビームを表す最終の出力信号を生成する。
作成し、理解するには比較的単純であるが、図18(a)のペンシルビーム法は、複雑であり、比較的多数のコンポーネントを使用し、かつ比較的高い計算能力を必要とする。このコストを低減するために、他のペンシルビーム法が、図18(b)に示されている。ここでは、三角形構成のセンサA、B、およびCからなる3センサアレイが示されている。センサエレメントは、等辺三角形構成に配置されることが好ましいが、この発明では、その構成に限定されることなく、他の3センサ構成も企図される。3センサ信号は、186で示される本発明のプロセスにより使用される。新規のシステムを実施する位相拡大法を186で使用することができるが、図12および14に関して述べたものなど、減衰プロセスの1つを説明する。
まずプロセスは、センサ信号の対A-B、B-C、およびC-Aに対する入力信号の電気的位相差値の絶対値を計算する。次いで、これらの3つの入力信号の電気的位相差値の平均値が選択され、または最も大きい値が選択され、得られた入力信号の電気的位相差の選択が、3センサ信号のベクトル平均に対して適用される減衰量を決定するために使用される。この減衰されたベクトル平均は、システムに対する最終的な出力信号であり、またそれは、所望に応じて、XおよびY方向共に狭いビームパターンを表す。任意の数学的手段を使用することができるが、概して平均値が望ましい。このペンシルビームシステムは、図18(a)に関して述べた4センサシステムよりもかなり簡単であり、コスト的に低い。しかし、本発明の技術を用いて、ペンシルビームを生成するためのさらに簡単なシステム構成がある。
図18(c)はこのようなシステムを示す。2センサアレイが、感度軸Iに沿ったエンドファイアアレイとして構成されたセンサエレメントAおよびBにより形成される。時間遅延回路187を用いて、前方センサAからのセンサ信号を時間遅延させることにより、センサAからの遅延された信号188およびセンサBからの直接の信号は、時間整列されてプロセス189に達する。プロセス189は、2エレメントのブロードサイドアレイに関して上記で述べた新規のビーム形成法のいずれとも同一である。感度軸Iに関して軸対象であるため、このペンシルビーム構成は、XおよびY方向共に制限された感度を有する感度ビームを生成する。
本発明の装置および方法は、狭い感度ビームを作成するためにだけ使用される必要はない。それはまた、広い感度ビームの幅を増加するために、言い換えると、感度ローブ間のヌルの幅を狭くするために使用することもできる。このような動作は、いくつかの用途で、例えば、一般化サイドローブキャンセラ(GSC)と呼ばれるビームフォーマシステムのタイプで有益である。最もよく知られたGSCは、元来、無線周波数アンテナシステムの性能を改良する手段として提案されたGriffiths-Jimビームフォーマである。
Griffiths-Jimビームフォーマでは、アレイのブロードサイドアレイセンサエレメントからの信号は、1)所望の信号および雑音を共に合成する信号を捕捉する第1の方法により、また2)雑音だけのバージョンである異なる信号を生成することが目的である第2の方法により合成される。第2の方法の信号は、所望の信号の方向にヌルを作成するようにセンサ信号を合成するブロッキング行列により生成される。ブロッキング行列からの信号は、次いで、適応フィルタにより変更され、その後、この合成された信号から雑音を除去するために第1の方法で得られた信号から減算される。その結果は、雑音が低減された最終信号として出力される。この雑音が低減された最終信号からのフィードバックは、雑音が低減された最終信号中の残留雑音を最小化するために、最小二乗(LMS)または他の適応方法を用いて適応フィルタ係数を適応させるために使用される。
このビーム形成技法は、1を超える任意の数のアレイセンサを用いて使用することができるが、本発明の装置および方法の用途を参照して、簡単化のために、2センサの例を本明細書で論ずることとする。図19(a)は、このタイプの従来技術の2エレメント雑音低減システムの構造を示す。エレメントAおよびBを有する2センサのブロードサイドアレイ190aが示されており、所望の信号が、アレイ軸Iに沿った方向から到来しているものと仮定する。2つのセンサからの入力信号は、2つのアレイエレメントにより生成された2つのセンサ信号を、(古典的な遅延和(delay-and-sum)型ビームフォーマにおけるように)回路191で加算することにより第1の方法で合成されて、DSとラベル付けされた合成信号を生成する。この第1の信号は、周波数で変化するビーム形状を有しており、アレイエレメントが、2分の1波長の距離だけ離れている場合、望ましい信号の到来方向に最大の指示を有する8の字パターンであるが、半波長周波数よりも十分低い周波数では、ほぼ円形のビームパターンを有する。
同じ入力信号はまた、192で、2つの信号の差分をとることにより第2の方法で合成されて、NSとラベル付けされた第2の雑音だけの信号を生成する。差分回路192は、この2エレメントアレイの例の場合のブロッキング行列である。第2の信号に対する感度パターンは、すべての周波数において8の字ビーム形状を有するが、所望の信号の方向を直接指すヌル、および直交軸Xに沿った最大感度を有する。したがって、信号DSは、所望の信号に加えて雑音を共に含み、一方、第2の信号NSは雑音だけを含む。
信号NSは、次いで、ここでは、デジタル有限長インパルス応答フィルタ(FIR)として示されたフィルタ194により適応的にフィルタされる。このフィルタの適応性は、フィルタ係数を調整することにより最終的な出力信号における雑音パワーを最小化しようと試みる最小二乗(LMS)回路195により制御される。196で、フィルタ回路からの出力が、合成された信号DSの遅延バージョンから減算されて、最終的に雑音が低減された出力信号が提供される。時間遅延193は、合成された信号DSを、196で減算される前に、フィルタ194により作成された雑音だけの信号と時間整列させることを目的として、フィルタ194における時間遅延を補償するために必要である。
このシステムでは、第2の方法の信号NSのビームパターンにおけるヌルの幅は、Griffiths-Jimビームフォーマで可能な最大の雑音低減を決定し、より狭いヌルは、より大きな可能な雑音低減を生成する。しかし、図19(a)で示す従来技術のシステムでは、ヌルの幅は固定され、変えることができず、したがって、雑音低減の最大量は固定される。
それに代えて、図19(b)で示すように、Griffiths-Jim型ビームフォーマで使用されるブロッキング行列の信号差分回路の前に、この発明の位相強調プロセス198を置いた場合、所望の信号方向におけるヌルの幅を、位相拡大量に比例して低減させることができ、それにより、Griffiths-Jimビームフォーマの雑音低減能力を高めることができる。
図19(a)に示す従来技術のシステムの他の雑音低減の限界は、信号DSに対するビーム形状の周波数変動の結果である。この変動は、到来角のすべてに対して、異なる周波数応答特性を生成する。したがって、軸外雑音源は「色付け」され、センサアレイと雑音源の間に相対的な運動がある場合は常に、適応フィルタを再度適応させる必要がある。フィルタが適応されている時間中は、雑音が低減されることはなく、そのまま出力へと渡される。
信号DSを作成するために使用された図19(a)の第1の信号法191に代えて、この発明の新規のプロセスを使用することにより、パラメータSの値が周波数変動を補償するように調整されうるので、周波数変動を除くことができる。これは、回路ブロック197により図19(b)で示される。ビーム形状の周波数変動を除くことにより、軸外雑音信号の相対運動により生ずる周波数応答変動が除かれ、それにより、センサアレイと雑音源の間の相対運動により生ずる再適応時間が低減または除かれる。
広帯域幅用途では、Griffiths-Jimビームフォーマおよび多くの他のGSCは、エンドファイアセンサアレイ構成で動作することはない。この限界は、すべての周波数で、ブロッキング行列信号に対する所望のソース方向にビームパターンのヌルを維持することが必要なためである。例えば、図19(a)に示すシステムでは、センサアレイが図19(c)の190bとして示されるようにエンドファイアアレイとして構成される場合、第1の方法および第2の方法のビームが、90度だけ回転されるので、図19(a)の信号NSとDSは交換されることになる。しかし、上記で述べたように、加算回路191により形成されたビームパターンは、センサエレメントが2分の1波長だけ離間された場合にヌルを有するだけである。2分の1波長条件は、単一の周波数において行われるに過ぎないので、このようなシステムは、その周波数で、またはその近傍の周波数に対して正しく動作できるに過ぎない。回路エレメント191は、この構成で信号NSを生成しているため、2分の1波長周波数から離れた周波数において、ヌルは消失し、また所望の信号のいくつかが雑音キャンセリング適応フィルタ中に「漏れる(leak)」。その結果、所望の信号の一部分が不必要に出力信号から除去されて所望の信号の歪みを作る。したがって、従来のGriffiths-Jimビームフォーマのエンドファイアバージョンを作成することは可能であるが、エレメントの間隔を、2分の1波長に等しくできる非常に狭い帯域幅用途に対してだけ可能である。
それに代えて、図19(c)のエンドファイアアレイ構成190b'の場合、雑音信号NSが、新規の位相強調プロセスからなるブロッキング行列192により生成される場合、雑音感知ビームパターンの変動は、尖鋭度パラメータSに対して使用される値を周波数で傾斜させることにより除くことができる。したがって、所望の信号方向のヌルは、周波数全体にわたり一定に維持することができ、それはGSCの適応雑音低減プロセスの正しい動作のために必要となる。
同様に、合成された信号DSは、ベクトル信号差分回路の前に、新規の位相強調を適用することにより、このエンドファイア構成で取得することができ、それを図19(c)の199で示す。しかし、図18(c)に示すシステムを、合成された信号DSを生成するために、代替的に、図19(c)の回路ブロック199に代えて使用することもできる。
上記で述べたビーム形成システムの大部分は、加算的ビーム形成法を使用しており、位相強調された信号が加算されて出力信号が生成される。しかし、対象とするビームパターンを作成するために、信号の差分だけを使用するビームフォーマの他のクラスがある。これらのビームフォーマは、減算的ビームフォーマと呼ばれ、その最も単純なものは、2エレメントのエンドファイアアレイである。
位相拡大の逆である位相圧縮は、減算的ビーム形成アレイシステムで有益に使用することができる。例えば、2つの無指向性マイクロフォンエレメントを用いて、後方エレメントの信号が前方エレメントの信号から減算される場合、音響的エンドファイアビームフォーマが作成される。例えば、音響的ピックアップセンサの用途では、得られるビームパターンは縦型の(end-fire)8の字であり、一般に、雑音キャンセリングマイクロフォンシステムと呼ばれる。
減算する前に、2つの入力信号間の電気的位相差を圧縮することにより、ビームパターンを狭くすることができる。言い換えると、ビームパターンは、軸外雑音のピックアップに対する感度を低くすることが望ましい。図19(c)に示す構成では、合成された信号DSは、図19(c)の回路ブロック199により示されるように、上記で述べた革新的な方法に従って、まずセンサ信号の位相を強調することにより、また、次いで、それらの信号の差分をとることにより生成することができる。この場合、位相強調は位相圧縮であることが好ましい。
位相圧縮の一例として、式1において、位相圧縮は、パラメータSに対して、0と1の間の値、言い換えると、0≦S<1を用いることにより達成される。この特定の信号位相圧縮特性に対する曲線は、グラフ曲線61として図6(a)に示される。この曲線は、尖鋭度パラメータSに対して、1/2の値が使用された場合の結果である。多くの他の位相圧縮関数および曲線が可能であり、また任意のこのような関数または曲線が、限定されることなくこの発明の範囲内で使用できることが企図される。同様に、式4で示されるように、対応する減衰関数があり、これらはまた、この発明の範囲内に限定されないことも企図される。
上記で述べた周波数ドメイン処理の代替として、プロセスは時間ドメインにおいても適用可能であり、例えば、アナログまたはデジタル化された入力信号が、帯域通過周波数弁別フィルタのバンクを通される(必要に応じて、アナログまたはデジタルで)。各周波数フィルタの出力は、その後、例えば、ヒルベルト変換を用いることにより処理されて、各入力信号チャネルに対する解析的な信号を作成する。解析的な信号は、次いで、当技術分野でよく知られた方法を用いて、瞬時位相および瞬時位相差、ならびに瞬時信号の大きさを、実時間で計算するために使用される。位相差が、例えば、上記で述べたように、いずれかの減衰関数または参照テーブルを使用し、位相差に応じて、信号の大きさを減衰するために使用された後、処理された信号は、それを共に加えることにより、次に合成され、処理された出力信号を形成する。代替的には、いずれかの強調関数または参照テーブルを用いて、瞬時信号電気的位相差を強調することができ、その後、位相が拡大された信号を共に加えることにより信号を合成して、処理された出力信号を形成する。
さらに、新規の信号マッチング法は、個々の瞬時信号の大きさを、個々の信号の大きさの数学的な平均値となるように再割当てすることにより、このような時間ドメイン処理技法内で適用することができる。
時間ドメイン処理技法では、処理中に雑音を作るスプリアス効果を低減するように、測定されたパラメータまたは処理の変更をフィルタすることがしばしば望ましい。このようなフィルタリングは、本発明の範囲に含まれることが企図される。上記の時間ドメイン法は、本発明を実行する例示的なモードであり、限定することを意図していない。
大部分が、ブロードサイドアレイとして構成された1対のマイクロフォンからのオーディオ信号に関して本明細書で述べられているが、本発明の方法およびシステムは、1次元、2次元、または3次元で構成された、すべてのタイプのセンサエレメントの任意の数に適用可能であることを理解されたい。マイクロフォン、または他のサウンドセンサエレメントは、概して、市民用および軍用のための車両のキャビン(電話、命令およびコントロール)中で、PC、タブレットPC、PDA、機器、会議電話、マイクロフォンアレイ(例えば、PCモニタの上)、コンサート、スポーツイベント、および他の大規模な集会で使用することができる。さらに、本発明の信号強調の態様は、非オーディオ信号に対しても等しく適用が可能であり、例えば、超音波および可聴下音システム、ソナーおよびソナー撮像、レーダーおよびレーダー撮像、X線およびX線撮像、水中戦(underwater warfare)、エコロケーション、天文学、医療用途、光撮像、重力波検出および定位、赤外線応用分野など、実質的に任意の波エネルギーシステムにおける用途が見出される。
上記のものは、本発明を実行する例示的なモードであり、限定することを意図していない。添付の特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、変更を加えることができることは当業者には明らかであろう。
周波数サブバンド法またはフレーム重畳加算法と呼ばれることのある方法を使用する従来の実時間周波数ドメイン信号処理システム10のブロック図である。 センサシステム21が、対象とする信号に対して時間で整列された2つ以上の入力信号22を提供する従来のビーム形成システムのエレメントを示すブロック図である。 センサ信号の取得とビーム形成プロセスの間に、位相強調プロセス24が配置された本発明のシステムのエレメントを示すブロック図である。 図2に示す位相強調回路に先行して配置された信号感度マッチング回路の本発明の使用を示すブロック図である。 2エレメントのブロードサイドアレイからなる従来のビーム形成センサシステムの概略図である。 ブロードサイドアレイ構成40で、線Xに沿って配置された2つのセンサエレメントAおよびBが示され、かつ軸外雑音源Nが、最大感度の軸Iから物理的な方位方向到来角φNだけ離れて示された、本発明の一態様の背景の原理を示す図である。 本発明の一態様の実施を示す流れ図である。 2つの入力信号ベクトル間の角度位相差を強調するための本発明のいくつかの数式を適用する効果を示すグラフの図である。 2つの入力信号ベクトル間の角度位相差を強調するための本発明のいくつかの数式を適用する効果を示すグラフの図である。 入力信号の合成に含まれる本発明の原理のいくつかを示すベクトル図である。 入力信号の合成に含まれる本発明の原理のいくつかを示すベクトル図である。 入力信号の合成に含まれる本発明の原理のいくつかを示すベクトル図である。 入力信号の合成に含まれる本発明の原理のいくつかを示すベクトル図である。 入力信号の合成に含まれる本発明の原理のいくつかを示すベクトル図である。 入力信号の合成に含まれる本発明の原理のいくつかを示すベクトル図である。 7cm離間された2つのカーディオイド型マイクロフォンセンサエレメントを用いる従来のビーム形成システムの性能をグラフ的に示す図である。 図8Aと同じマイクロフォンアレイ、および1000Hzで10の尖鋭度値SDを有する式1により与えられる拡大関数を用いた本発明によるシステムの性能をグラフ的に示す図である。 85cmを超える合計の開口(アレイ)サイズに対してすべてを7cm離間させた13個のセンサエレメントを用いて達成された(6mm直径のエレクトレットマイクロフォンエレメントが容易に利用可能であると仮定する)、図8Bに対して述べたものと同条件下で、メイン感度ローブのFWHW(半値全幅、すなわち、ビーム幅を測定する標準の方法)を、新規システムの半値全幅に等しくするためにさらなるエレメントが追加された、従来のビーム形成システムに対する1000Hzにおけるビーム形状を示すグラフ的な図である。 1000Hzのビームパターンを提供する本発明による手法のグラフ的な図である。 尖鋭度パラメータSが値20に増加された場合、新規のシステムにより生成される1000Hzのビームパターンを示す図である。 本発明によるビーム形成システムのフレームワーク内で実施される信号感度マッチングシステムの流れ図である。 信号の大きさがマッチしたとき、二等辺三角形を形成する入力信号ベクトルAおよびBを示すベクトル図である。 本発明に従って、拡大された位相ベクトルA'およびB'を最初に計算する代わりに信号減衰特性を直接利用する、より計算的に効率のよい手法を示すブロック図である。 本発明の雑音低減法を実施する他の方法を提供するために、減衰比をどのように使用することができるかを示す流れ図である。 本発明に従って、式4、および式1の位相強調関数を用いて作成された減衰値のグラフである。 本発明に従って、雑音低減を達成するための計算的に効率のよい手法の流れ図である。 本発明によるビーム形成雑音低減システムで使用できるいくつかの典型的な減衰関数のグラフ、および減衰関数に対する定義式を示す図である。 新規の方法を2エレメントを超える線形ブロードサイドアレイに拡張する方法と、より大きなセンサ間隔により生成される入力信号の電気的位相差の曖昧性を解決する手段とを共に示す概略図である。 本発明に従ってレンジ感度ビームパターンを生成するための2つの手法の概略図である。 本発明に従ってレンジ感度ビームパターンを生成するための2つの手法の概略図である。 本発明に従って「ペンシルビーム」、すなわち、低減された方位方向の(幅)、および低減された仰角方向の(高さ)の広がりを共に有するビームを作成するための3つの異なる手法の概略図である。 本発明に従って「ペンシルビーム」、すなわち、低減された方位方向の(幅)、および低減された仰角方向の(高さ)の広がりを共に有するビームを作成するための3つの異なる手法の概略図である。 本発明に従って「ペンシルビーム」、すなわち、低減された方位方向の(幅)、および低減された仰角方向の(高さ)の広がりを共に有するビームを作成するための3つの異なる手法の概略図である。 従来技術の2エレメントの雑音低減システムの概略図である。 Griffiths-Jimビームフォーマ構成における位相強調プロセスの本発明の方法を示す概略図である。 Griffiths-Jimビームフォーマ構成における位相強調プロセスの本発明の方法を示す概略図である。
符号の説明
10 周波数ドメイン信号処理システム
12 乗算回路
14a 解析ウィンドウ
14b 合成ウィンドウ
17 信号プロセス
19 重畳加算回路
21 センサシステム
22 入力センサ信号
23 ベクトル加算プロセス、ビーム形成プロセス
24 位相強調プロセス、位相強調回路
25 位相強調信号
26 感度マッチング回路、等化回路
30 ブロードサイドアレイ
32、34 センサエレメント
35、36 感度ローブ、メインローブ
37、38 低感度領域
40 ブロードサイドアレイ構成
61〜67 曲線
101 ベクトル長さ
111 センサアレイ
112 入力信号
113 ビームフォーマ
130〜133 曲線
140 出力
150 曲線
162、164、166 センサエレメント
171 プロセス
172 ビーム
173 プロセス
174 ビーム
175 感度領域
177 プロセス
178、179 時間遅延回路
181 プロセス
182 第1の中間信号
183 プロセス
184 第2の中間信号
187 時間遅延回路
188 遅延された信号
189 プロセス
190a ブロードサイドアレイ
190b エンドファイアアレイ構成
191 加算回路
192 差分回路
193 時間遅延
194 フィルタ
195 最小二乗(LMS)回路
198 位相強調プロセス

Claims (51)

  1. 少なくとも1つの周波数で、位相成分および大きさ成分をそれぞれが有する第1および第2の入力ベクトルにより表すことのできる第1および第2の入力信号を生成する第1および第2のセンサを含むセンサアレイシステムにおいて、デバイスおよび/または信号のミスマッチに適応するための方法であって、
    少なくとも1つの周波数で、
    前記第1および第2の入力ベクトルの大きさを用いて、対応する第1および第2の数学的に平均のマッチするベクトルを取得するステップ
    を含む方法。
  2. 数学的に平均のマッチするベクトルが、複数の周波数のそれぞれで取得される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1および第2の入力ベクトルの入力位相差を強調するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  4. 強調する前記ステップが、周波数に依存する方法で前記入力位相差を増加または減少させるステップを含む、請求項3に記載の方法。
  5. 増加させる前記ステップが、拡大関数を用いて行われる、請求項4に記載の方法。
  6. 増加させる前記ステップが、参照テーブルを用いて行われる、請求項4に記載の方法。
  7. 強調する前記ステップが、調整可能な尖鋭度パラメータに応じて実施される、請求項3に記載の方法。
  8. 前記調整可能な尖鋭度パラメータが、乗算的に適用される、請求項7に記載の方法。
  9. 前記調整可能な尖鋭度パラメータが周波数の関数である、請求項7に記載の方法。
  10. 前記調整可能な尖鋭度パラメータが、周波数スペクトルにわたり一様な感度が得られるように周波数に反比例する、請求項7に記載の方法。
  11. 前記調整可能な尖鋭度パラメータが複数の値のうちの1つを有し、またその値が、前記第1の入力ベクトルと前記第2の入力ベクトルの間の位相差の符号に依存する、請求項7に記載の方法。
  12. 前記入力位相差の前記強調が、前記第1および第2の入力ベクトルに対応する1対の単位ベクトルの大きさの合計に対する前記差の比を用いて計算される、請求項3に記載の方法。
  13. 前記第1および第2の入力ベクトルの入力位相差の関数である減衰ファクタにより、前記数学的に平均のマッチするベクトルを減衰させるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  14. 前記第1および第2の数学的に平均のマッチするベクトルが、それぞれ、前記第1および第2の入力ベクトルの位相に等しい位相を有し、かつ前記第1および第2の入力ベクトルの大きさの幾何平均に等しい大きさを有する、請求項1に記載の方法。
  15. 前記第1および第2の数学的に平均のマッチするベクトルが、それぞれ、前記第1および第2の入力ベクトルの位相に等しい位相を有し、かつ前記第1および第2の入力ベクトルの大きさの算術平均に等しい大きさを有する、請求項1に記載の方法。
  16. 前記第1および第2の数学的に平均のマッチするベクトルが、それぞれ、前記第1および第2の入力ベクトルの位相に等しい位相を有し、かつ前記第1および第2の入力ベクトルの大きさの調和平均に等しい大きさを有する、請求項1に記載の方法。
  17. 前記第1および第2の数学的に平均のマッチするベクトルが、それぞれ、前記第1および第2の入力ベクトルの位相に等しい位相を有し、かつ前記第1および第2の入力ベクトルの大きさの二乗平均平方根(rms)に等しい大きさを有する、請求項1に記載の方法。
  18. 前記数学的に平均のマッチするベクトルを合成するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  19. 合成する前記ステップが加算するステップを含む、請求項18に記載の方法。
  20. 合成する前記ステップが差分をとるステップを含む、請求項18に記載の方法。
  21. 強調する前記ステップが、選択された位相差値以外の位相差値に対して行われる、請求項3に記載の方法。
  22. 選択された位相差値に対してゼロ強調するステップが適用され、また他の位相差値に対して、ゼロを超える強調が適用される、請求項3に記載の方法。
  23. 減衰が、選択された位相差値以外の位相差値に対して行われる、請求項13に記載の方法。
  24. 最大の減衰ファクタ値が、選択された位相差値に対して適用され、前記最大の減衰ファクタ値未満の減衰ファクタが、他の位相差値に対して適用される、請求項13に記載の方法。
  25. 強調する前記ステップが、選択された非強調位相差角に関して非対称に行われる、請求項3に記載の方法。
  26. 減衰が、選択された非減衰位相角差に関して非対称に行われる、請求項13に記載の方法。
  27. 少なくとも1つの周波数で、位相成分および大きさ成分をそれぞれが有する第1および第2の入力ベクトルにより表すことのできる第1および第2の入力信号を生成する第1および第2のセンサを含むセンサアレイシステムにおいて、デバイスおよび/または信号のミスマッチに適応するように適合された感度マッチング回路であって、
    対応する第1および第2の数学的に平均のマッチするベクトルを取得するために、前記第1および第2の入力ベクトルの前記大きさを使用するように適合された1つまたは複数の回路を備える感度マッチング回路。
  28. 前記数学的に平均のマッチするベクトルが、複数の周波数のそれぞれで取得される、請求項27に記載のデバイス。
  29. 前記1つまたは複数の回路が、さらに、前記第1および第2の入力ベクトルの入力位相差を強調するように適合される、請求項27に記載のデバイス。
  30. 強調する前記ステップが、周波数に依存する方法で前記入力位相差を増加または減少させるステップを含む、請求項29に記載のデバイス。
  31. 増加させる前記ステップが、拡大関数を用いて行われる、請求項30に記載のデバイス。
  32. 増加させる前記ステップが、参照テーブルを用いて行われる、請求項30に記載のデバイス。
  33. 強調する前記ステップが、調整可能な尖鋭度パラメータに応じて実施される、請求項29に記載のデバイス。
  34. 前記調整可能な尖鋭度パラメータが、乗算的に適用される、請求項33に記載のデバイス。
  35. 前記調整可能な尖鋭度パラメータが、周波数の関数である、請求項33に記載のデバイス。
  36. 前記調整可能な尖鋭度パラメータが、周波数スペクトルにわたり一様な感度が得られるように周波数に反比例する、請求項33に記載のデバイス。
  37. 前記調整可能な尖鋭度パラメータが複数の値のうちの1つを有し、またその値が、前記第1の入力ベクトルと前記第2の入力ベクトルの間の位相差の符号に依存する、請求項33に記載のデバイス。
  38. 前記入力位相差の前記強調が、前記第1および第2の入力ベクトルに対応する1対の単位ベクトルの大きさの合計に対する前記差の比を用いて計算される、請求項29に記載のデバイス。
  39. 前記1つまたは複数の回路がさらに、前記第1および第2の入力ベクトルの入力位相差の関数である減衰ファクタにより、前記数学的に平均のマッチするベクトルを減衰させるように適合される、請求項27に記載のデバイス。
  40. 前記第1および第2の数学的に平均のマッチするベクトルが、前記第1および第2の入力ベクトルの位相に等しい位相を有し、かつ前記第1および第2の入力ベクトルの大きさの幾何平均に等しい大きさを有する、請求項27に記載のデバイス。
  41. 前記第1および第2の数学的に平均のマッチするベクトルが、それぞれ、前記第1および第2の入力ベクトルの位相に等しい位相を有し、かつ前記第1および第2の入力ベクトルの大きさの算術平均に等しい大きさを有する、請求項27に記載のデバイス。
  42. 前記第1および第2の数学的に平均のマッチするベクトルが、それぞれ、前記第1および第2の入力ベクトルの位相に等しい位相を有し、かつ前記第1および第2の入力ベクトルの大きさの調和平均に等しい大きさを有する、請求項27に記載のデバイス。
  43. 前記第1および第2の数学的に平均のマッチするベクトルが、それぞれ、前記第1および第2の入力ベクトルの位相に等しい位相を有し、かつ前記第1および第2の入力ベクトルの大きさの二乗平均平方根(rms)に等しい大きさを有する、請求項27に記載のデバイス。
  44. 前記1つまたは複数の回路がさらに、前記数学的に平均のマッチするベクトルを合成するように適合される、請求項27に記載のデバイス。
  45. 合成する前記ステップが加算するステップを含む、請求項44に記載のデバイス。
  46. 合成する前記ステップが、差分をとるステップを含む、請求項44に記載のデバイス。
  47. 強調する前記ステップが、選択された位相差値以外の位相差値に対して行われる、請求項29に記載のデバイス。
  48. 選択された位相差値に対してゼロ強調するステップが適用され、また他の位相差値に対して、ゼロを超える強調が適用される、請求項29に記載のデバイス。
  49. 減衰が、選択された位相差値以外の位相差値に対して行われる、請求項39に記載のデバイス。
  50. 最大の減衰ファクタ値が、選択された位相差値に対して適用され、前記最大の減衰ファクタ値未満の減衰ファクタが、他の位相差値に対して適用される、請求項39に記載のデバイス。
  51. 強調する前記ステップが、選択された非強調位相差角に関して非対称に行われる、請求項29に記載のデバイス。
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