JPH0587619A - 音抽出方法及び装置 - Google Patents

音抽出方法及び装置

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JPH0587619A
JPH0587619A JP3247526A JP24752691A JPH0587619A JP H0587619 A JPH0587619 A JP H0587619A JP 3247526 A JP3247526 A JP 3247526A JP 24752691 A JP24752691 A JP 24752691A JP H0587619 A JPH0587619 A JP H0587619A
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清人 藤井
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正人 安倍
Toshio Sone
敏夫 曽根
Kenichi Kido
健一 城戸
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】複数の音源から同時に発せられた複数の音のう
ちから所望とする音のみを抽出する音抽出方法及び装置
に関し、従来と比べSN比を向上させる。 【構成】複数の音源のうち所望とする音源以外の音源か
ら音が発せられるとともに所望とする音源休止時の音を
互いに異なる位置に配置された複数のセンサのそれぞれ
で収録して複数の合成音信号を得、これら信号の各クロ
ススペクトル及び各パワースペクトルを求め、これらス
ペクトルを要素とし、所望とする音源と複数のセンサの
それぞれとの間の音伝達の時間遅れを表わす関数を要素
とする伝達関数行列の逆行列を求め、所望とする音源を
含む複数の音源から発せられた音を複数のセンサのそれ
ぞれで収録して得られた各合成音信号に、逆行列の、所
望とする音源に対応するとともに複数のマイクロフォン
のそれぞれに対応する各要素を各伝達関数とするフィル
タリング処理を施し、該各合成音信号を互いに加算す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の音源から同時に
発せられた音を複数のマイクロフォン等のセンサで収録
して得た複数の合成音信号に基づいて、上記複数の音源
のうちの所望とする音源から発せられた音を抽出する音
抽出方法およびその方法の実施に用いる音抽出装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】例えばパーティ会場等における大勢の人
の話し声の中から特定の人の話し声のみを抽出して録音
することや、周囲に多くの騒音源のある工場内において
特定の装置から発せられる異常音を抽出して故障診断に
役立てること等、複数の音源のうち所望とする音源から
発せられた音を抽出することが要望されており、そのた
めの試みが種々行なわれている。
【0003】以下、本発明の前提となる従来の技術につ
いて説明する(日本音響学会誌46巻7号(1990)
「多数センサによる音源位置の推定」永田仁史ほか 参
照)。図11は、自由空間内に配置された複数の音源と
複数のセンサとの位置関係を模式的に表わした図であ
る。この図の△印は点音源を表わし、〇印はセンサを表
わしている。
【0004】図11に示すように、自由空間内にセンサ
がM個、点音源がN個あるものとすると、m番目のセン
サの出力信号xm (t)は次式のように表わされる。
【0005】
【数1】
【0006】ここで、an はn番目の音源波形をその音
源から単位長さだけ離れた位置で観測したときの信号、
n , m はn番目の音源とm番目のセンサとの間の距
離、cは音速である。式(1)をフーリエ変換すると次
式が得られる。
【0007】
【数2】
【0008】はn番目の音源an (t)のフーリエ変
換、w(t)は長さTの時間窓である。ここで空間内に
仮想点Pi を導入する。この仮想点にセンサアレイの焦
点を合わせるために、仮想点とすべてのセンサとの間の
距離を用いて上式のスペクトルXm (ω)の位相と振幅
を補正し、重み関数Wi,m を掛けた補正スペクトルYm
(ω)は Ym (ω)=Wi,mi,mm (ω)exp (jωri,m /c) ……(4) となる。更にすべてのセンサについて平均すると次式の
ようになる。
【0009】
【数3】
【0010】ここでWi,m =1とすると、式(5)にお
いて、スペクトルXm (ω)に距離ri,m が乗じてある
ので、センサから遠くに存在する音源信号に対する重み
が大きくなる。一般に遠方から到来する信号はS/Nが
低いのでこのような重みづけを行うと不安定になる可能
性が大きい。そこで、ここではWi,m =1/ri,m なる
重み関数を用いることとする。このとき補正したスペク
トルの加算平均値は次式のように表わされる。
【0011】
【数4】
【0012】上式のパワーをとれば、その値は仮想点が
n番目の音源と一致した場合に、全てのセンサについて
i,m −rn,m =0となるので平均しても小さくならな
いが、一致しない場合についてはri,m −rn,m がばら
ばらの値をとるので平均すると小さくなる。従って、対
象となる空間内に仮想点を多数分布させ、各仮想点にお
いて上式の加算平均のパワーを計算すれば、音源位置に
ピークができることにより音源位置が推定できる。ま
た、そのときのZ(ω、i)がその位置にある音源のス
ペクトルの推定値となる。したがってこの音源のスペク
トルを逆フーリエ変換することによりこの音源から発せ
られた音を求めることができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記方法を採用した場
合は、仮想点が所定の音源と一致した場合にその所定の
音源以外の音源から発せられた音はたかだかパワーで1
/M(Mはセンサの総数を表わす)に減衰されるだけで
あり、例えばセンサを16個配置した場合であっても1
2dB程度の減衰率にとどまり、所定の音源から発せら
れた音のみを抽出しようとしているにも拘らず、該所定
の音源以外の音源から発せられた音がかなり大きな雑音
として入り込んでしまい、音の分離度が十分ではないと
いう問題がある。
【0014】本発明は、上記問題を解決し、分離度のよ
い音抽出方法及びその方法の実施に用いる装置を提供す
ることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】図1は、本発明の音抽出
方法の各ステップを表わしたフローチャートである。先
ず、互いに異なる位置に配置された複数(M個)のセン
サのそれぞれで、複数(N個)の音源のうち所望とする
音源(n番目の音源)以外の音源から音が発せられると
ともに該所望とする音源が休止している時点の音を収録
して各センサでそれぞれ収録された各合成音信号xm
(t)(m=1,2,…M)を求める(ステップ
(a))。
【0016】ここで、上記所望とする音源以外の音源か
ら音が発せられるとともに該所望とする音源が休止して
いる時点を検出する方法としては、各音源から音が発せ
られているか否かの情報を何らかの形で受け取ることが
できさえすればよく、したがって特定の方法に限られる
ものではないが、図11を参照して説明した上記方法を
用いて各音源位置に生じるピークをモニタし所望とする
音源以外の各音源の位置にピークが存在するとともに該
所望とする音源の位置のピークが消えたことをもって上
記「時点」とすることもできる。
【0017】このようにして、上記「時点」における複
数の合成音信号xm (t)(m=1,2,…M)が求め
られると、次にこれら複数の合成音信号xm (t)(m
=1,2,…M)のクロススペクトル及びパワースペク
トルが求められる(ステップ(b))。このクロススペ
クトル及びパワースペクトルは、上記各合成音信号xm
(t)のスペクトルXm (f)を
【0018】
【数5】
【0019】ここで、Lは時間窓の長さ、Pはその時間
窓内におけるサンプリング点数を表わす。としたとき、
【0020】
【数6】
【0021】ここで*は複素共役を表わし、m1、m2
はそれぞれ1からMのうちのいずれかの整数値を表わ
す。で表わされ、m1≠m2の場合をクロススペクト
ル、m1=m2の場合をパワースペクトルと呼ぶ。ここ
で、上記時間窓の長さLが十分に長い場合、この時間窓
を複数(I個)に分割して分割された各時間窓内で求め
られたxm (t)のスペクトルをXi,m (f)(i=
1,2,…,I)としたとき、これら各スペクトルX
i,m (f)(i=1,2,…,I)のそれぞれから各ク
ロススペクトル及び各パワースペクトルを
【0022】
【数7】
【0023】として求め、これら各クロススペクトル及
び各パワースペクトルの平均値Wm1,m 2 (f)を、
【0024】
【数8】
【0025】として求め、この平均値Wm1,m2 (f)を
(9)式に示すクロススペクトル及びパワースペクトル
に代えて用いてもよく、この場合この平均化処理によ
り、最終的な音抽出の精度を向上させることができる。
本発明では、例えばこの平均化処理等、精度向上のため
の各種の付随的な処理が同時に実施されてもよく、これ
らの場合も本発明に含まれるものとされる。
【0026】このようにして複数の合成音信号xm
(t)(m=1,2,…M)のクロススペクトル及びパ
ワースペクトル(平均化処理後のものを含む)Xm1,m2
(f)(m1,m2=1,2,…,M)が求められる
と、これら求められた各クロススペクトル及び各パワー
スペクトルXm1,m2 (f)(m1,m2=1,2,…,
M)を要素とするとともに、所望とする音源と複数のセ
ンサのそれぞれとの間の音伝達の位相遅れを要素とする
伝達関数行列の逆行列が求められる(ステップc)。
【0027】ここで、各音源から発せられた音のスペク
トルをAn(n=1,2,…,N)としたとき、式
【0028】
【数9】
【0029】が成立する。式(12)において、Hnm
n番目の音源からm番目のセンサまでの音の伝達関数で
あり、したがってHnm(m=1,2,…,M)を要素と
する式(12)の行列は伝達関数行列と呼ばれる。ここ
で、今求めたいものはAn(n=1,2,…,N)であ
るので、式(12)をAm を変数とする連立方程式と見
なし、その解を求めてみる。
【0030】最小2乗解は、伝達関数行列をQR分解し
てR-1T を両辺に掛けることによって得られるので、
【0031】
【数10】
【0032】となる。但し、 R-1T =G ……(14) であり、また
【0033】
【数11】
【0034】はn番目の音源から放射されるスペクトル
の推定値である。式(15)からわかるように、この計
算を各周波数毎に行ない、式(15)を逆フーリエ変換
することにより、n番目の波形を推定するためのフィル
タ係数が得られる。ここで、各音源から発せられた音を
互いに完全に分離して抽出するためには、式(12)の
伝達関数行列(Hnm)を正確に知ることが必要となる。
しかし、実際に適用する場合においては伝達関数が不明
である場合が普通であり、そこでここでは所望とする音
源(ここではこれを1番目の音源とする。このように仮
定しても以下の議論の一般性は失われない。)から発せ
られた音のみを抽出することを目的とし、以下のように
して式(12)に代わる伝達関数行列を推定する。
【0035】ここでは各センサと所望とする音源の位置
が既知であるとする。なお、この音源の位置が不明の場
合、前述したように多数センサを用いて音源の位置を推
定することも可能である。伝達関数行列のn行1列の要
素はその音源(1番目の音源)から発せられた音が各セ
ンサに伝達されるまでの間の位相遅れと減衰を考慮し、
かつその音が壁等により反射されることにより生じる残
響成分は無視することにより、exp(jωτ1m
1m)と近似的におくことができる。但しτ1m,r 1m
それぞれ音源1からセンサm(j=1,2,…M)まで
の伝達時間(τ1m=r1m/C(Cは音速を表わす))と
距離である。また目的の音源が休止している時の各セン
サ出力は次式で表され、
【0036】
【数12】
【0037】これらのセンサ出力m1、m2(m1,m
2=1,2,…M)間のクロススペクトル及びパワース
ペクトルは
【0038】
【数13】
【0039】となる。ここでm1番目(m1=1,2、
…,n;n≧N)のセンサとm2番目(m2=1,2,
…,M)のセンサ間のクロススペクトル及びパワースペ
クトルをm2行m1+1列の要素を持つ行列を考える
と、以下のようになる。
【0040】
【数14】
【0041】行列の一般法則として、 (a)行列の2列目以降の列を整数倍しても左逆行列の
1行目は変らない。 (b)行列の2列目以降の列どうしを加えても左逆行列
の1行目は変らない。 ので、この行列をQR分解することによって得られるフ
ィルタは、1番目の音源から発せられた音を抽出するも
のにかぎり伝達関数行列をQR分解して得られるフィル
タと同一なものになる。したがって、ここでは所望とす
る音源(上記例では1番目の音源)から発せられた音を
抽出するのが目的であるため、この目的に沿った例えば
式(18)に示すような行列も本発明にいう「伝達関数
行列」に含まれるものとする。
【0042】また、式(18)の第1列目の各要素に
は、1番目の音源と各センサとの間の距離による減衰の
項が含まれていないが、これは前述した従来例の場合と
同様、S/Nの改善を図るために重みづけを行ったため
であり、したがって音伝達の時間遅れとともに距離によ
る減衰の項を含んでいてもよいものである。また前述し
たように式(18)では所望とする音源(ここでは1番
目の音源)から発せられた音の残響成分は考慮されてい
ないが、この残響成分は壁等の反射によって仮想的に作
られた虚像音源と考えられるので、従来の技術の説明に
おいて述べたように、この虚像音源から発せられた音
(残響成分)は1/Mに抑えられることとなり、しかも
この残響成分のパワーはもともとの音源から発せられた
音のパワーよりもかなり低いのが通常であり、したがっ
て式(18)は、1番目の音源から発せられた音の伝達
関数としてはかなり良好な近似を与えるものとなる。
【0043】ここで実際の計算にあたっては、式(9)
で求められたクロススペクトル及びパワースペクトルW
m1,m2 が式(18)に代入され、その最小2乗解、即ち
式(13)に示す逆行列(Gij)が求められる。ここで
は第1番目の音源から発せられた音のみを抽出するのが
目的であるから、この逆行列(Gij)の各要素全てを求
める必要はなく、式(13)の第1行目の各要素G
1m(m=1,2,…,M)のみを求めればよい。したが
って本発明にいう「逆行列を求める」とは、このように
逆行列中の必要な要素を求めることを指している。
【0044】図1に示すステップ(c)において、以上
のようにして逆行列が求められると、次に所望とする音
源を含む複数の音源から発せられた音を複数のセンサ
(M個)のそれぞれで収録して各合成音信号が求められ
(ステップ(d))、この各合成音信号に対し、ステッ
プ(c)で求められた各要素G1m(m=1,2,…M)
を各伝達関数とするフィルタリング処理を施し(ステッ
プ(e))、このフィルタリング処理後の各合成音信号
が互いに加算される(ステップ(f))。この互いに加
算された信号は、所望とする音源(ここでは1番目の音
源)から発せられた音が抽出された信号となる。
【0045】尚、本発明は、所望とする音源を含む複数
の音源から発せられた音の収録を、逆行列演算(ステッ
プ(c))を行った後に行なうことを必ずしも必要とす
るものではなく、例えばステップ(a)で所望とする音
源が休止している時点の音の収録と合せて所望とする音
源から音が発せられている時点の音の収録を行ってもよ
い。
【0046】次に、本発明の音抽出装置について説明す
る。図2は、本発明の音抽出装置の構成を表わしたブロ
ック図である。この音抽出装置には複数(ここではM個
とする)のセンサ1(1),2(2),…,1(M)が
備えられている。これら各センサ1(1),2(2),
…,1(M)は複数の音源から発せられた音を収録する
ために互いに異なる位置に配置される。これらの各セン
サ1(1),2(2),…,1(M)から出力された各
合成音信号は、スペクトル演算手段2に入力されるとと
もに各フィルタ5(1),5(2),…,5(M)にも
それぞれ入力される。
【0047】ここでは各音源の位置が既知の場合を想定
しているが、各音源の位置が不明の場合は、前述した各
音源の位置を求める演算を行う位置検出手段を、上記ス
ペクトル演算手段2の前段に配置してもよい。スペクト
ル演算手段2では、複数の音源のうち所望とする音源以
外の音源から音が発せられると共に該所望とする音源が
休止している時点における合成音信号のクロススペクト
ル及びパワースペクトルWm1, 2m(m1,m2=1,
2,…,M)が求められ、この求められたクロススペク
トル及びパワースペクトルWm1, 2m(m1,m2=1,
2,…,M)が逆行列演算手段3に入力される。この逆
行列演算手段3では入力されたクロススペクトル及びパ
ワースペクトルWm1, 2m(m1,m2=1,2,…,
M)、及び複数の音源のうちの所望とする音源と各セン
サ1(1),2(2),…,1(M)との間における音
の伝達の遅れ時間を考慮した伝達関数行列(式(18)
参照)が求められ、その逆行列(式(13)参照)が求
められる。式(18)は1番目の音源を所望とする音源
とした場合の式であり、したがってこの場合は、式(1
3)の逆行列(Gij)の1行目の各要素G1m(m=1,
2,…,M)が求められてフィルタリング制御手段4に
入力される。
【0048】ここで各フィルタ1(1),2(2),
…,1(M)はその各伝達関数を変更できるように構成
されており、フィルタリング手段4に入力された各要素
1m(m=1,2,…,M)が各フィルタ1(1),2
(2),…,1(M)の各伝達関数となるように、フィ
ルタリング手段4により各フィルタ1(1),2
(2),…,1(M)が制御される。
【0049】以上のような準備が行われた後各センサ1
(1),2(2),…,1(M)で所望とする音源を含
む複数の音源から発せられた音が収録され、各フィルタ
5(1),5(2),…,5(M)でフィリングされて
加算器6で互いに加算される。この加算された信号は所
望とする音源から発せられた音のみを担持する信号とな
る。
【0050】ここで、上記スペクトル演算手段2,逆行
列演算手段3、フィルタリング制御手段4、各フィルタ
5(1),5(2),…,5(M)、加算器6及び図示
しない上記位置検出手段は、ハードウエア的にそれぞれ
の機能を有する装置として構成されたものであってもよ
いが、これに限られず、汎用のコンピュータ等を用いソ
フトウエア的に各機能を実現したものであってもよい。
【0051】
【作用】本発明の音抽出方法及び装置は、上記構成を備
え、特に所望とする音源で発せられた音が各センサに伝
達されるまでの間の伝達関数をその間の伝達時間遅れ
(及びその間の減衰)を表わす関数で近似したため、理
論的には所望とする音源以外の音は完全にキャンセルす
ることができ、雑音としては、所望とする音源から発せ
られた音のうち残響成分のみがパワーで1/M減衰した
状態で残存するだけとなり、従来と比べより良好なS/
Nで所望とする音源から発せられた音を抽出することが
できる。
【0052】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。こ
こでは、まず、伝達関数行列の推定に必要なデータ数、
つまりクロススペクトルの時間平均の回数がどの程度必
要か、という目安を得るために行ったシミュレーション
について説明する。シミュレーションの条件は、センサ
数14、ノイズ音源数1、サンプリング周波数10kH
z、センサ及び音源の配置は図3のとおりである。この
系の伝達関数は図4に示すようなもので、残響時間はお
よそ、0.1秒である。フィルタのタップ数を変えてそ
れぞれシミュレーションを行った。その結果を図5に示
す。このシミュレーションではクロススペクトルの時間
平均を計算する際に、時間窓を全時間窓長の半分だけず
らして、次の波形を切り出しているので、タップ数10
24を例にとると、フィルタ係数は1024、136、
2048…ポイント目に更新されることになる。タップ
数がどの長さの時でも、だいたい3回〜5回の平均回数
で収束している。よってタップ数1024ポイントの場
合の例では、所望とする音源の休止時間が0.3秒程度
あれば、フィルタの学習が終了することになる。
【0053】次に、本発明の有効性を確認するために行
った実験について説明する。ここでは、およそ4[m]
×4[m]×4[m]の残響時間が約0.5[s]の部
屋に図6に示すようにマイクロフォンを16個、インパ
ルスとホワイトノイズをそれぞれ発生する2つの音源
A,Bを配置した。まず、ノイズ音源Bのみを駆動し、
妨害音を抑圧するフィルタ係数を学習させ、その後、音
源Aも同時に駆動し妨害音抑圧の様子を調べた。図7は
音源Aの直前3cmの位置に置いたマイクロホンの出力
信号、図8は処理を施す前のマイクロフォン1での観測
波形、図9は本発明方法を用いて音源Aから発せられた
インパルスの抽出を行った結果を示す。図10に示すよ
うに20[dB]程度のS/Nの改善が見られた。な
お、これは処理前の各マイクロフォンのうち、最もS/
N比の高かった、マイクロフォン2との比較である。
【0054】このように、従来の方法と比べより良好な
S/Nを得ることができる。
【0055】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の音
抽出方法及び装置は、前述した構成を備え、特に所望と
する音源と各センサの間の伝達関数をその音の伝達時間
遅れ(及び減衰)を表わす関数で近似したことにより、
従来と比べより良好なS/Nをもって所望とする音源か
ら発せられた音を抽出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の音抽出方法の各ステップを表わしたフ
ローチャートである。
【図2】本発明の音抽出装置の構成を表わしたブロック
図である。
【図3】本発明のシミュレーションにおける、部屋内の
センサ及び音源の配置を示した図である。
【図4】図3に示す部屋の伝達関数を示した図である。
【図5】シミュレーション結果を示した図である。
【図6】本発明の有効性を確認するために行った実験に
用いた、部屋内のマイクロフォン(センサ)及び音源の
配置を示した図である。
【図7】図6に示す音源Aから発せられた音を示した図
である。
【図8】マイクロフォン1で観測された処理前の波形で
ある。
【図9】本発明方法を用いて音源Aから発せられたイン
パルスの抽出を行った結果を示した図である。
【図10】ノイズ成分の減衰率を示した図である。
【図11】自由空間内に配置された複数の音源と複数の
センサとの位置関係を模式的に表わした図である。
【符号の説明】
1(1)、1(2)、…1(M) センサ 2 スペクトル演算手段 3 逆行列演算手段 4 フィルタリング制御手段 5(1)、5(2)、…5(M) フィルタ 6 加算器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 591212567 曽根 敏夫 宮城県仙台市太白区緑ケ丘4丁目9番5号 (71)出願人 591212578 城戸 健一 神奈川県横浜市緑区新治町543番地1 (72)発明者 藤井 清人 仙台市青葉区山手町24番18号 アークハウ ス103 (72)発明者 安倍 正人 仙台市泉区高森6丁目8番地の3 (72)発明者 曽根 敏夫 仙台市太白区緑ケ丘4丁目9番5号 (72)発明者 城戸 健一 横浜市緑区新治町543番地1

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の音源のうち所望とする音源以外の
    音源から音が発せられるとともに該所望とする音源が休
    止している時点の音を互いに異なる位置に配置された複
    数のセンサのそれぞれで収録することにより複数の合成
    音信号を得、 これら複数の合成音信号の各クロススペクトル及び各パ
    ワースペクトルを求め、 これら求められた各クロススペクトル及び各パワースペ
    クトルを要素とするとともに、前記所望とする音源と前
    記複数のセンサのそれぞれとの間の音伝達の時間遅れを
    表わす関数を要素とする伝達関数行列の逆行列を求め、 前記所望とする音源を含む前記複数の音源から発せられ
    た音を前記複数のセンサのそれぞれで収録することによ
    り得られた各合成音信号に、前記逆行列の、前記所望と
    する音源に対応するとともに前記複数のセンサのそれぞ
    れに対応する各要素を各伝達関数とするフィルタリング
    処理を施し、 該フィルタリング処理の施された各合成音信号を互いに
    加算することを特徴とする音抽出方法。
  2. 【請求項2】 複数の音源から発せられた音を収録する
    ために互いに異なる位置に配置される複数のセンサと、 これら複数のセンサのそれぞれで収録された、前記複数
    の音源のうち所望とする音源以外の音源から音が発せら
    れるとともに該所望とする音源が休止している時点の音
    を担持する複数の合成音信号の各クロススペクトル及び
    各パワースペクトルを求めるスペクトル演算手段と、 該スペクトル演算手段で求められた各クロススペクトル
    及び各パワースペクトルを要素とするとともに、前記所
    望とする音源と前記複数のセンサのそれぞれとの間の音
    伝達の時間遅れを表わす関数を要素とする伝達関数行列
    の逆行列を求める逆行列演算手段と、 前記複数のセンサのそれぞれから出力された各合成音信
    号に各フィルタリング処理を施す、該複数のセンサのそ
    れぞれに対応して設けられた伝達関数可変の複数のフィ
    ルタリング手段と、 該複数のフィルタリング手段のそれぞれに、前記逆行列
    の、前記所望とする音源に対応するとともに前記複数の
    センサのそれぞれに対応する各要素を各伝達関数として
    設定するフィルタリング制御手段と、 前記複数のフィルタリング手段のそれぞれから出力され
    た各合成音信号を互いに加算する加算手段とを備えたこ
    とを特徴とする音抽出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009506363A (ja) * 2005-08-26 2009-02-12 ステップ・コミュニケーションズ・コーポレーション センサアレイにおけるデバイスおよび/または信号のミスマッチに適応するための方法および装置
JP2012165273A (ja) * 2011-02-08 2012-08-30 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 音源信号抽出装置、方法及びプログラム
JP2015171111A (ja) * 2014-03-11 2015-09-28 日本電信電話株式会社 音場収音再生装置、システム、方法及びプログラム
JP2017059956A (ja) * 2015-09-15 2017-03-23 国立大学法人東北大学 音源抽出システム及び音源抽出方法

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