JPH0621838A - 信号処理システム - Google Patents

信号処理システム

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JPH0621838A
JPH0621838A JP5082160A JP8216093A JPH0621838A JP H0621838 A JPH0621838 A JP H0621838A JP 5082160 A JP5082160 A JP 5082160A JP 8216093 A JP8216093 A JP 8216093A JP H0621838 A JPH0621838 A JP H0621838A
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JP
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signal
reconstruction filter
equation
approach
signals
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JP5082160A
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Ehud Weinstein
エヒュード・ウェインステイン
Daniel Yellin
ダニエル・イエリン
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Ramot at Tel Aviv University Ltd
Original Assignee
Ramot at Tel Aviv University Ltd
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Publication date
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    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H21/00Adaptive networks
    • H03H21/0012Digital adaptive filters
    • H03H21/0025Particular filtering methods
    • H03H21/0029Particular filtering methods based on statistics
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F18/00Pattern recognition
    • G06F18/20Analysing
    • G06F18/21Design or setup of recognition systems or techniques; Extraction of features in feature space; Blind source separation
    • G06F18/213Feature extraction, e.g. by transforming the feature space; Summarisation; Mappings, e.g. subspace methods
    • G06F18/2134Feature extraction, e.g. by transforming the feature space; Summarisation; Mappings, e.g. subspace methods based on separation criteria, e.g. independent component analysis
    • G06F18/21343Feature extraction, e.g. by transforming the feature space; Summarisation; Mappings, e.g. subspace methods based on separation criteria, e.g. independent component analysis using decorrelation or non-stationarity, e.g. minimising lagged cross-correlations
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
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    • H03H21/0025Particular filtering methods
    • H03H2021/0034Blind source separation
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R3/00Circuits for transducers, loudspeakers or microphones
    • H04R3/005Circuits for transducers, loudspeakers or microphones for combining the signals of two or more microphones

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  • Noise Elimination (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 互いに結合して観測された2以上の信号を分
離する信号処理システム。 【構成】 信号処理システムは信号を検出するための複
数個の検出器を含み、各検出器は複数個のソースから信
号を受信し、さらに検出された信号を受信しかつ検出さ
れた信号をフィルタするための再構成フィルタ12を生
成して、再構成されたソース信号を生成するためのプロ
セッサ14を含み、プロセッサ14の中で各ソース信号
は他のソース信号からの干渉なしに再構成される。再構
成フィルタ12は再構成された信号のクロス多スペクト
ルが0に近づくように強制されるように生成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】互いに重畳された2つ以上の信号を分離す
る問題が多数の信号処理の応用において発生する。古典
的な例としては、干渉があるときの所望される音声信号
の強調の問題、または多マイクロホン測定を用いて競合
している話し手を分離する問題がある。他の例として
は、指向性干渉のあるときの信号を検出し、または分散
配置した受信器アレイを用いて信号を同時に観測するこ
とにより、幾つかの分散配置されたソースを検出しかつ
その位置を探知する問題である。ソース信号および信号
を受信器に結合する伝送チャンネルは一般に未知である
ので、2つの信号を分離しかつ識別する問題は幾つかの
単純化のための仮定をつくらなければ解決されない。興
味のある多くの場合において、チャンネルは安定な線形
時不変(LTI)システムとしてモデル化されることが
でき、かつ信号は異なるソースによって発生するのでそ
れらは統計的に独立であると仮定してもよい。したがっ
て問題はこれらの仮定がソース信号を分離しかつ回復す
るために十分であるかどうかということである。
【0002】最近の一連の論文(1)シー・ジュテンお
よびジェイ・エイロー(C. Jutten,and J. Herault)著
の「ソースのブラインド分離パートI:神経模倣アーキ
テクチャに基づく適応的アルゴリズム(Blind separati
on of sources, Part I : Anadaptive algorithm based
on neuromimetic architecture) 」(『信号処理(Sig
nal Processing)』第24巻、No.1、1-10頁、1991年7
月)(2)ピー・コーモン(P. Comon) 、シー・ジュテ
ンおよびジェイ・エイロー著の「ソースのブラインド分
離パートII:問題陳述(Blind separation of source
s, Part II : Problems statement)」(『信号処理』第
24巻、No.1、11-20 頁、1991年7月)および(3)イー
・ソローチャーリ(E. Sorouchyari) 、シー・ジュテン
およびジェイ・エイロー著の「ソースのブラインド分離
パートIII:安定性の分析(Blind separation of so
urces, Part III : Stability analysis) 」(『信号処
理』第24巻、No.1、21-29 頁、1991年7月)は、時間の
各ポイントで観測された信号がソース信号の未知だが固
定された線形組合せによって与えられる(つまり未知の
チャンネルが定利得マトリックスである)、特別の場合
についてのソースの分離の問題を考察する。これらの論
文は幾つかの重要な観測を含む。
【0003】第1に、ソースの分離のためには、信号が
統計的に独立であると仮定することが十分であり得ると
いうことが指摘される。ソース信号の各々の確率的性格
に関する情報はそれ以上必要とされない。したがってソ
ースを分離するために、統計的に独立である復元された
信号をつくることを試みることが提案される。しかしな
がら、統計的独立性のためのテストは一般に複雑であ
り、かつ信号の各々の基礎の確率分布に関する仮定を前
もって必要とする。したがって、問題を解決するため
に、再構成された信号の高次の統計からなる目的関数を
使用し、それからその目的を最小にするためのアルゴリ
ズムを用いることが提案される。もしアルゴリズムが収
束すれば、収束のポイントにおいて、それは同じサンプ
リング時に計算される再構成された信号の幾つかの予め
特定された非線形関数間の相関を最小にしようと試み
る。再構成された過程の標本の非線形関数間に相関がな
いことは、全過程間の統計的独立性よりも弱い条件であ
る、過程の標本間の統計的独立性よりも弱い条件であ
る。しかしながら、単純化されたチャンネルモデルのた
めに、これは信号分離のための十分条件である。実際、
同じサンプリング時間での再構成された信号の脱相関も
またこの場合においては十分である(上記の論文(1)
には記載せず)。
【0004】イー・ウェインステイン(E. Weinstein)
(本出願の共同発明者のうちの一人)、エム・フェイダ
およびエー・ブイ・オッペンハイム(M. Feder and A.
V. Oppenheim) によって1991年8月28日に出願された特
許出願連続番号第07/750,917号の、マサチューセッツ工
科大学(Massachusetts Institute of Technology)に譲
渡された(未発行)、「多チャンネル信号分離(Multi-
Channel Signal Separation)」は、チャンネルが多入力
多出力(MIMO)LTIシステムとしてモデル化され
た、より一般的問題を考察する。上記の特許出願におい
て、再構成された信号が統計的に無相関であるという条
件を課することによって入力(ソース)信号を分離かつ
復元することが提案されている。結果として、脱相関条
件は、未知のチャンネルに関して或る仮定、たとえばそ
れがMIMO有限インパルス応答(FIR)フィルタで
あるといった仮定をつくらなければ、問題を一意に解決
するには不十分である。
【0005】単純化のために特に2チャンネルの場合に
集中し、未知の2×2システムの出力を観測し、そこか
らその入力信号を復元しようとする場合を考える。しか
しながら本出願人らはすべての分析および結果はより一
般的な事例に容易に拡張可能であることを注記してお
く。2チャンネルの場合において、2つの出力信号y1
[n]およびy2 [n]の観察から2つのソース信号s
1 [n]およびs2 [n]を推定することが所望され
る。幾つかの応用においては、一方の信号s1 [n]は
所望される信号であり、一方、他方の信号s2 [n]は
干渉またはノイズ信号である。所望される信号とノイズ
信号との両方は未知のシステムを介して結合されて観測
された信号を形成する。 [数学的基礎][A.線形系]安定な1入力1出力(S
ISO)線形時不変(LTI)システムは、単位サンプ
ル応答h[n]または伝達関数(周波数応答とも呼ばれ
る)H(w)を特徴とし、h[n]のフーリエ変換とし
て次式
【0006】
【数13】
【0007】として規定され、ここでΣn はnのすべて
の可能な値の総和を示す。LTIシステムの出力y
[n]は次式:
【0008】
【数14】
【0009】によってその入力s[n]に関連づけら
れ、ここで「○」はコンボリューション演算を示す。
【0010】安定な多入力多出力(MIMO)LTIシ
ステムもまた単位サンプル応答、または伝達関数(周波
数応答とも呼ばれる)を特徴とする。たとえば、2入力
2出力安定LTIシステムは2×2単位サンプル応答マ
トリックス:
【0011】
【数15】
【0012】を特徴とし、ここでhij[n](i,j=
1,2)はSISO LTIシステムの単位サンプル応
答である。2×2システムの伝達関数は:
【0013】
【数16】
【0014】であり、ここでHij(w)(i,j=1,
2)はそれぞれhij[n](i,j=1,2)のフーリ
エ変換である。
【0015】2×2LTIシステムの出力y1 [n]お
よびy2 [n]は次式
【0016】
【数17】
【0017】によってその入力s1 [n]およびs
2 [n]に関連づけられる。時間インデックスnおよび
周波数インデックスwはベクトルであってもよい。ここ
に表わされるすべての結果はまたベクトル値の時間およ
び周波数インデックスおよびにも成立する。一例と
して、s1 [n]およびs2 [n]が像である場合を考
えると、インデックスnは位置ベクトル(nx ,ny
を表わし、かつインデックスwは空間周波数ベクトル
(wx ,wy )を表わす。表記を単純にするためにスカ
ラー値インデックスについて常に考えるものとする。 [B.キュムラントおよび多スペクトル]x1 ,x2
…,xk を次の結合特性関数を有する実数値の確率変数
の集合とする。
【0018】
【数18】
【0019】ここでj=√−1であり、Ε{・}は期待
値演算を意味する。x1 ,…,xk の結合キュムラント
【0020】
【数19】
【0021】によって規定され、ここでln(・)は自
然対数を表わす。もしx1 ,x2 ,…がゼロ平均なら
ば、
【0022】
【数20】
【0023】であることを注記しておく。以下の特性は
容易に実証される。 (p.1)線形性:cum(…,Σi i i ,…)=
Σi i cum(…,x i ,…)(p.2)もしx1
…,xk が2つ以上の統計的に独立な部分集合に分割可
能であるならば、 cum(x1 ,…,xk )=0 (p.3)もしx1 ,…,xk が結合的にガウス系であ
るならば、k>2のときは常に cum(x1 ,…,xk )=0 である。
【0024】x0 [n],x1 [n],…,xk [n]
を結合的定常離散時間確率過程とする。するとその結合
k次スペクトル(多スペクトル)は次式
【0025】
【数21】
【0026】によって規定される。Px0x0(w)はx0
[n]のパワースペクトルであり、Px0x1(w)はx0
[n]とx1 [n]との間のクロススペクトルであり、
x0x0x0(w1 ,w2 )はx0 [n]の2次多スペクト
ル、またはバイスペクトルであり、Px0x1x2(w1,w
2 )は示された過程間のクロス・バイスペクトルであ
り、Px0x0x0x0(w1,w2 ,w3 )はx0 [n]等の
3次多スペクトルまたはトリスペクトルである。(p.
4)もしx0 [n],x1 [n],…,xk [n]が2
つ以上の統計的に独立な過程の部分集合に分割可能であ
れば、(p.2)によって
【0027】
【数22】
【0028】となる。(p.5)もしx0 [n],x1
[n],…,xk [n]が結合的にガウス系であれば、
(p.3)より、k≧2のときは常に
【0029】
【数23】
【0030】である。(p.6)多入力多出力LTIシ
ステムを通る多スペクトルの遷移は:
【0031】
【数24】
【0032】とし、ここでhij[n]はその周波数応答
がHij(w)である安定SISO LTIシステムの単
位サンプル応答である。したがって、
【0033】
【数25】
【0034】である。
【0035】
【発明の概要】この発明は未知のシステムを通過した複
数個の入力ソース信号を推定するためのアプローチを提
案する。実際にはこれは結合した観測結果から信号を分
離する問題の解決を提案する。2チャンネルの場合にお
いて、この発明は所望される信号を推定する(つまり干
渉信号を消去する)ための、または両方のソース信号を
推定するためのアプローチを提案する。
【0036】上述の特許出願連続番号第07/750,917号に
おいて、再構成された信号が統計的に無相関であるとい
う条件を課すことにより入力(ソース)信号を分離かつ
復元することが提案されている。結局この条件は、未知
のチャンネルに関する或る仮定、たとえばそれが2×2
FIRフィルタであるという仮定をつくらなければ問題
を一意に解決するには不十分である。未知のチャンネル
に関するいかなる限定的仮定もなく問題を解決するため
に、その特許出願において高次の統計(たとえば多スペ
クトル)を使用することがさらに提案されている。本件
発明において、本出願人らはこのアプローチを発展さ
せ、再構成された信号のクロス・バイスペクトル、また
はクロス・トリスペクトル、またはいずれの高次の0で
はないクロス・多スペクトルをも含む十分条件を発見す
る。これらの条件を課すことにより信号分離のためのあ
る基準を獲得する。
【0037】この発明によれば、信号処理システムが提
供され、このシステムは各々が複数個のソースから信号
を受信する、信号を検出するための複数個の検出器と、
検出された信号を受信しかつ検出された信号をフィルタ
するための再構成フィルタを生成して、各ソース信号が
他のソース信号からの干渉なしに再構成される再構成さ
れたソース信号を生成するためのプロセッサを含み、再
構成フィルタは再構成された信号のクロス多スペクトル
が0に近づくように強制されるように生成されることを
特徴とする。
【0038】より特定的にはこの発明は、複数個の観測
された信号を受信するための複数個の検出器を含む信号
処理システムを含み、それは前記システムに従う複数個
のソース信号から結果として生じる。プロセッサは観測
された信号を受信し、かつ再構成された信号の幾つかの
クロス多スペクトルが0であるかまたは0近くであるよ
うに再構成フィルタを生成する。この発明の主要な概念
はそのクロス多スペクトルを用いて再構成された信号に
条件を課することである。これらの条件は再構成された
信号を統計的に独立にさせる。もし再構成された信号が
統計的に独立であれば、観測されたときには結合のため
に統計的に独立ではなくなったソース信号が再構成にお
いて分離されることを意味する。提案された方法はソー
ス信号が統計的に独立であることを除いてはそれらにつ
いていかなる仮定もなされないという意味で汎用的であ
る。
【0039】もし再構成フィルタの1つの伝達関数(ま
たは単位サンプル応答)が公知ならば、他の伝達関数
(または単位サンプル応答)が推定できる。
【0040】他の実施例において、再構成フィルタを生
成するプロセッサは適応的である。プロセッサは、より
多くのデータが利用可能であるとき、入力ソース信号の
先の推定に基づいて、再構成フィルタの成分を更新す
る。この実施例は再構成フィルタの連続更新のための様
々な方法の可能なアルゴリズムの分類を表わす。
【0041】この発明の1つの応用は部屋内の信号強調
シナリオであろう。第1のマイクロホンが話し手の近く
に置かれ、かつ他方のマイクロホンがノイズソースの近
くに置かれる。第1のマイクロホンは幾らかのノイズと
ともに所望される音声信号を検出し、かつ第2のマイク
ロホンは幾らかの音声信号とともにノイズを検出する。
結合は未知の音響的部屋環境による。この発明のプロセ
ッサは干渉ノイズなしに所望される音声信号を再構成す
るために用いられる。第2の信号ソースが別の話し手の
場合は、この発明のプロセッサは両方の音声信号を、結
合された測定を含んで検出されたマイクロホン信号から
分離する。音声信号に関連して、この発明のプロセッサ
はノイズの多い環境で動作する自動音声認識システムの
フロントエンドとして、または干渉している話し手から
クロストークがある場合に用いられることができる。
【0042】上記の例においては音声強調の問題を主と
して議論したが、多チャンネル信号分離のためのシステ
ムは多くの異なる分野に応用可能である。それはたとえ
ば幾つかの混合画像の分離や遠隔計測システムにおける
ノイズ信号の消去である。また、アンテナシステム中の
重畳された/干渉している信号は提案された方法を用い
て分離/消去可能である。
【0043】部分の構造および組合せの様々な新規の詳
細を含むこの発明の上記のおよび他の特徴は添付の図面
を参照してより特定的に説明されかつ前掲の特許請求の
範囲において指摘される。この発明を実施する特定の選
択は例示によってのみ示されこの発明を制限するもので
はないということを理解されたい。この発明の原理およ
び特徴はこの発明の範囲から逸脱することなく様々な多
数の実施例において用いられ得る。
【0044】
【詳細な説明】2チャンネルの場合において、興味のあ
る基礎的な問題が図3に示される。未知の2×2安定L
TIシステムH′の出力y1 [n]およびy2 [n]を
観測し、その入力はs1 [n]およびs2 [n]であ
り、かつその周波数応答は
【0045】
【数26】
【0046】であり、ここでHij(w)は入力s
j [n]から出力yi [n]へのシステムの周波数応答
である。
【0047】プロセッサによって調節された2×2再構
成フィルタG′を用いて入力信号を復元しようとし、そ
の出力はυ1 [n]およびυ2 [n]で示され、その周
波数応答は
【0048】
【数27】
【0049】である。したがって、もしT′(w)=
G′(w)H′(w)によって、組合わされたシステム
の周波数応答を示すとすれば、T′(w)が
【0050】
【数28】
【0051】の形か、または
【0052】
【数29】
【0053】の形であるように、G′(w)の成分を調
節したい。さらに(3)においてすべてのwについてT
11(w)=T22(w)=1であるか、または(4)にお
いてすべてのwについてT12(w)=T21(w)=1で
あるとすれば、第1の場合にはυ1 [n]=s1 [n]
かつυ2 [n]=s2 [n]となり、第2の場合にはυ
1 [n]=s2 [n]かつυ2 [n]=s1 [n]とな
り、こうして入力信号が正確に復元される。しかしなが
ら、本出願人らの主たる目標は入力信号の分離であるの
で、交差結合効果を排除し、かつs1 [n]およびs2
[n]を整形フィルタまで回復することで十分であろ
う。もし残存しているシングルチャンネル・デコンボリ
ューション問題を解決したければ(つまり、(3)にお
いてすべてのwについてT11(w)=T22(w)=1、
または(4)においてすべてのwについてT12(w)=
21(w)=1を強制する)、s 1 [n]およびs
2 [n]の性質について、たとえばそれらが既知の平均
パワーを有する定常独立(i.i.d.)確率変数のシ
ーケンスであるといったことを前もって知っておく必要
がある。
【0054】単純にマトリックスの乗算をすることによ
り、T′(w)=G′(w)H′(w)は、もし
【0055】
【数30】
【0056】ならば(3)の形であり、もし
【0057】
【数31】
【0058】ならば(4)の形であることがわかる。等
式対(5)(6)または等式対(7)(8)を満足させ
る無限に多数のGij(w)i,j=1,2の組合せが存
在する。したがって、G11およびG22を単位変換、つま
【0059】
【数32】
【0060】として任意に設定して、かつ脱結合フィル
タG12およびG21を調節するだけでよい。この場合、
(5)(6)に対する解は
【0061】
【数33】
【0062】によって与えられ、かつ(7)(8)に対
する解は
【0063】
【数34】
【0064】によって与えられる。これらの解は、もし
1 [n]およびs2 [n]が統計的に独立ならば、H
11通過後のs1 [n]およびH22通過後のs2 [n]、
またはH21通過後のs1 [n]およびH12通過後のs2
[n]ないしH12もまた統計的に独立であるので、予期
されるべきである。したがって、統計的独立条件に基づ
いて、図4に示されるようにH12/H22とH21/H11
の対、またはH11/H21とH22/H12との対のみを識別
できる。当然もしHij(i,j=1,2)が既知なら
ば、(10)または(11)を満足させるように脱結合
システムG12およびG21を設定することにより、所望さ
れる信号分離を得ることができる。しかしながら、Hij
は未知であるので、所望される解のうちの1つを自動的
に生成する方法または基準を発見する必要がある。
【0065】
【数35】
【0066】の形の再構成システムを使用し得るという
ことに注意する。このスキームの可能な実現例が図5に
示される。もし(10)で解を発見すれば、T11(w)
=H11(w)およびT22(w)=H22(w)であり、か
つ他のソース信号がない場合に各センサ中で測定された
であろう信号を正確に復元したことになる。同様にもし
(11)において解を発見すれば、T12(w)=H
12(w)およびT21(w)=H21(w)であり、別個に
測定されたであろう信号を再び回復したことになるが、
この場合は端子を切換える。これは多くの実用的状況に
おいて有用であろう。たとえば競合している話し手を分
離する問題において、もし各話し手がマイクロホンの近
くに位置していれば、H11およびH22はほぼ恒等変換で
あり、本来の音声信号が歪みがほとんどなく復元される
ことが可能である。
【0067】図1はこの発明の信号分離器の動作を概略
的に示す。2つの信号s1 [n]およびs2 [n]は伝
達関数H′によって表わされる環境10によって処理さ
れる。図2は伝達関数H′をより詳細に示す図である。
伝達関数H′は出力信号y1[n]およびy2 [n]を
生成する。H′によって表わされる環境10は出力信号
1 [n]およびy2 [n]の両方において結合または
クロストークを生成する。プロセッサ14および再構成
フィルタ12は、υ1 [n](またはs^1 [n])
(注:この明細書においてsの右側の^は本来sの上に
付されるべきものである)およびυ2 [n](またはs
2 [n])によって示される再構成されたソース信号
が幾つかのゼロクロス高次多スペクトルを有するように
強制されるように動作する。
【0068】もしプロセッサ14が分離システムG
12(w)およびG21(w)を調節し、その結果k≧2の
オーダの2つ以上のクロス多スペクトルが0または0近
くになれば、組合わされたシステムの周波数応答T′
(w)=G′(w)H′(w)は(3)または(4)の
所望される形となり、信号は分離されて整形フィルタま
で復元される。 [A.クロス・バイスペクトル(3次クロスキュムラン
ト)およびクロス・トリスペクトル(4次クロスキュム
ラント)に基づく推定]ここでバイスペクトルであるk
=2のオーダのクロス多スペクトル、およびトリスペク
トルであるk=3のオーダのクロス多スペクトルを用い
る、本出願人らのアプローチを使用する場合に得られる
基準およびアルゴリズムについて詳しく述べる。
【0069】もしプロセッサ14が
【0070】
【数36】
【0071】となるように再構成フィルタ12を調節す
れば、T′(w)は(3)または(4)の形でなければ
ならないということが実証される。実際(13)および
(14)が周波数の部分集合のみ、つまり−π<w1
π,w2 =0のみに対して成立することで十分である。
【0072】再構成された信号のクロス多スペクトル
は、成分G12(w)およびG21(w)ならびに観測され
た(測定された)信号の多スペクトルで表現されること
が可能である。周波数ドメインまたは時間ドメインで明
白に解かれることが可能である(幾つかの、少なくと
も)2つの等式を得て、所望される分離フィルタG
12(w)およびG21(w)を見つける。
【0073】ここで(13)(14)から展開する時間
ドメインアルゴリズムについて詳細に述べる。そのため
にG12およびG21
【0074】
【数37】
【0075】の形のカジュアル(casual) 有限周波数応
答(FIR)フィルタ(図11参照)とし、ここでq1
およびq2 は或る予め特定されたフィルタのオーダであ
り、その場合再構成された信号υ1 [n]およびυ
2 [n]は
【0076】
【数38】
【0077】によって与えられる。この設定において問
題はフィルタ係数ak およびbk を選択された基準等式
を満足させるように調節する問題に帰着する。
【0078】(13)(14)によって提案される基準
をまず考察する。等式
【0079】
【数39】
【0080】を逆フーリエ変換する。(18)を(1
9)へかつ(17)を(20)へ代入すると、次式が得
られる。
【0081】
【数40】
【0082】キュムラントは未知であるので、それらは
標本推定値によって近似される。単純にするためにsi
[n](i=1,2)はゼロ平均であると仮定すると、
【0083】
【数41】
【0084】(21)および(22)はτ1 およびτ2
のすべての組合せにより満たされるので、ak およびb
k について解くための優決定された等式の組を有する。
(21)(22)をτ1 ,τ2 の幾つかの値(たとえば
或る正の整数Mについて|τ 1 |,|τ2 |≦M)につ
いてマトリックスの形で記述すると
【0085】
【数42】
【0086】が得られ、ここでマトリックス
【0087】
【数43】
【0088】のi番目の行は整数Bの或る予め選択され
た組について
【0089】
【数44】
【0090】であり、ベクトル
【0091】
【数45】
【0092】のi番目の要素は
【0093】
【数46】
【0094】であり、同様にマトリックス
【0095】
【数47】
【0096】のi番目の行は
【0097】
【数48】
【0098】であり、ベクトル
【0099】
【数49】
【0100】のi番目の要素は
【0101】
【数50】
【0102】である。等式(24)(25)の形は、現
在のbk を用いてak について(24)を解くことと、
現在のak を用いてbk について(25)を解くことと
を交互にする反復的アルゴリズムを示唆する。各反復サ
イクルは基準線形最小自乗問題に対する解を含む。
【0103】図7および図8のフローチャートは等式
(24)(25)を用いておよびを反復的に推定す
る反復的アルゴリズムを示す。それから(17)および
(18)のそれぞれに従って新規のおよびを用いて
υ1 [n]およびυ2 [n]を発生する。ブロック11
0はおよびの最初の推定の設定と、反復インデック
スkの0への設定とを示す。ブロック112に示される
ように、υ1 [n]およびυ2 [n]は、等式(17)
(18)にそれぞれ従って、 (k) および (k)ならび
に検出された信号y1 [n]およびy2 [n]を使用し
て計算される。値υ1 [n]はブロック114中の
【0104】
【数51】
【0105】の作成のために必要なキュムラント推定量
を計算するために使用される。ブロック116において
についての新規の値は(25)の最小自乗問題を解く
こと、つまり
【0106】
【数52】
【0107】によって計算され、ここでWは所定の重み
付けマトリックスである。ブロック118において、値
υ2 [n]は
【0108】
【数53】
【0109】の作成のために必要なキュムラント推定量
を計算するために使用され、かつブロック120におい
についての新規の値は(24)の最小自乗問題を解
くこと、つまり
【0110】
【数54】
【0111】によって計算される。ブロック122は収
束が発生したかどうかを判別する。もしより多くの反復
が計算されるべきならば、kはk+1に等しく設定さ
れ、かつブロック112で計算が再び開始される。もし
収束が発生していれば、 (k+1)および (k+1) はそれ
ぞれg12[n]およびg21[n]に等しく設定される。
ここでgij[n]はGij(w)(i,j=1,2 i≠
j)の単位サンプル応答である。ここで入力信号の推定
量がブロック128においてg12[n]およびg
21[n]を使用して計算される。
【0112】トリスペクトルまたは4次クロスキュムラ
ントに基づいて同様のアルゴリズムを導出する。もしプ
ロセッサ14が
【0113】
【数55】
【0114】となるように再構成フィルタ12を調節す
れば、T′(w)は(3)または(4)の形でなければ
ならないということが実証される。実際(32)および
(33)が周波数の部分集合、たとえば−π<w1 =w
2 ≦π,w3 =0のみで成立することで十分である。
【0115】(32)(33)によって提案された基準
を逆フーリエ変換し(17)および(18)を用いると
【0116】
【数56】
【0117】が得られる。(34)および(35)はτ
1 ,τ2 およびτ3 のすべての組合せを満たすので、a
k およびbk について解くために仮決定された等式の組
を有する。(34)(35)をτ1 ,τ2 ,τ3 の幾つ
かの値(たとえば或る正の整数Mについて|τ1 |,|
τ2 |,|τ3 |<M)についてマトリックスの形で書
くと
【0118】
【数57】
【0119】が得られる。再び、これらの等式の形は、
k の現在の値を(36)に代入してak の新規の組を
得て、かつak の現在の値を(37)に代入してbk
新規の組を得る反復的手順を示唆する。各反復サイクル
は標準的な線形最小自乗問題に対する解を含む。当然、
アルゴリズムの実際の実現において、(34)および
(35)に現われるキュムラントはその標本推定によっ
て代替される。
【0120】統計的安定性を向上するために、基準等式
の幾つかの対を組合せてもよい。a k について組合わさ
れた(21)および(34)を、かつbk について組合
わされた(22)および(35)を反復的に解くアルゴ
リズムを考案することが直接的である。異なる重みを異
なる等式に割り当てて(つまり重み付けされた最小自乗
解を用いる)、たとえば3次経験キュムラントの4次経
験キュムラントへの統計的可変性を反映してもよい。
【0121】上述のアルゴリズムは他のクロス高次多ス
ペクトル(またはキュムラント)で容易に言い換え可能
である。図1のプロセッサ14はその出力が0近くの幾
つかの高次クロス多スペクトルを所有するように再構成
フィルタ12を生成することを目的とする。 [B.脱相関基準の結合]上述の特許出願連続番号第07
/750,917号において提案された脱相関基準を、本出願人
らが提案した基準に組入れることもまた考慮されてもよ
い。脱相関条件は再構成された信号υ1 [n]およびυ
2 [n]が統計的に無相関である、またはそのクロスス
ペクトルが同一に0である、つまり
【0122】
【数58】
【0123】であることを必要とし、ここで(・)*
複素共役を示す。この等式はG12およびG21の両方につ
いての一意の解を特定しないことを理解されたい。いか
なる予め特定されたG21についても等式を満たすG12
見つけることが可能であり、その逆もまた可能である。
【0124】脱相関等式を他の基準等式と結合するため
に、(38)を以下の2つの代替的形で書き替える
【0125】
【数59】
【0126】(39)および(40)を時間ドメインに
変換すると
【0127】
【数60】
【0128】となる。これらの等式を提案された基準等
式のいずれかに組入れる、たとえば反復的にak につい
て(21)を(41)と結合的に解き、かつbk につい
て(22)を(42)と結合的に解くことが直接的であ
る。再び、2次経験キュムラント(相関)の高次経験キ
ュムラントへの統計的可変性を反映するように、異なる
重みを異なる基準等式に割り当ててもよい。 [C.再帰的/逐次的アルゴリズム]多数の応用におい
て、データを再帰的/逐次的に処理することが所望され
る。再帰的/逐次的アルゴリズムのバッチアルゴリズム
に対する利点は必ずしも最終結果ではなくて、計算効
率、記憶要求の低減、および全データが処理されるのを
待たずに実際に結果が得られるということにある。さら
にもし基礎システム(チャンネル)が時間の変化を示せ
ば、バッチアルゴリズムの計算および記憶負荷に適応で
きたとしても、異なるデータセグメントは異なるチャン
ネル応答に対応するので、利用可能なデータをすべて結
合的に処理することは望ましくない。その場合チャンネ
ルの変化する特性をトラッキング可能な適応的のルゴリ
ズムを有することが望まれる。
【0129】τ1 =0およびτ2 =0,1,2,…,q
1 についての(21)の等式と、τ 1 =0およびτ2
0,1,2,…,q2 についての(22)の等式とを連
結し(その結果、等式の数が未知のパラメータの数に等
しくなる)、かつ単純さのためにゼロ平均過程をとると
すると
【0130】
【数61】
【0131】ここで
【0132】
【数62】
【0133】期待値を(23)で示されるような標本平
均と取り替えることにより、以下の反復再帰的アルゴリ
ズムが得られる:
【0134】
【数63】
【0135】ここで
【0136】
【数64】
【0137】ここで
【0138】
【数65】
【0139】ここでγn =1/nであり、かつ
【0140】
【数66】
【0141】は時間nに対する標本平均に基づく、アル
ゴリズムのL(このLは数式中では小文字である。以下
同じ。)番目の反復でのおよびの値である。L番目
の反復サイクルへの入力は先の反復サイクルからの値
【0142】
【数67】
【0143】である。それから(49)ないし(52)
を用いて次の反復サイクルがnで再帰的に実行される。
【0144】もし反復の代わりに再帰過程において
よびの最新の値を使用すれば、次の逐次アルゴリズム
が得られる
【0145】
【数68】
【0146】ここで(n)および(n)は時間nで
およびの値であり、かつQ(n)およびR(n)
は(50)および(52)を用いてそれぞれ再帰的に計
算される。
【0147】逐次アルゴリズムを発生するための他のア
プローチは、1次確率近似方法に基づく。結果として生
じるアルゴリズムは
【0148】
【数69】
【0149】である。もしγn =γ(定数)を選択すれ
ば、それは新規のデータに対して過去のデータの効果を
低減する指数重み付けに対応し、かつチャンネルの様々
な特性をトラッキング可能な適応的アルゴリズムが効果
的に得られる。
【0150】(53)(54)のアルゴリズムは現在の
問題についての再帰的最小自乗(RLS)アルゴリズム
の等価物として見ることができ、一方(55)(56)
のアルゴリズムは最小自乗平均(LMS)アルゴリズム
の等価物として見ることが可能である。同様の反復再帰
的かつ逐次的アルゴリズムは他の基準等式を解くために
展開可能であるということに注意する。異なる基準等式
に対応する幾つかの再帰的/逐次的アルゴリズムを結合
する可能性もまたここに存在する。 [D.余計なノイズの効果]観測された信号y1 [n]
およびy2 [n]が余計なノイズw1 [n]およびw2
[n]によってそれぞれ汚染される、図6に示されるシ
ステムを考慮されたい。そのとき再構成フィルタの出力
は信号およびノイズによる成分の和として表わされる、
つまり
【0151】
【数70】
【0152】si [n](i=1,2)およびw
i [n](i=1,2)が統計的に独立であると仮定す
ると、
【0153】
【数71】
【0154】ここで(p.6)により
【0155】
【数72】
【0156】である。もしw1 [n]およびw2 [n]
が統計的に独立ならば、(59)の三重和のすべての項
はi=j=kを除いては0である。しかしながら、w1
[n]およびw2 [n]は統計的に従属であり得、たと
えばそれらは指向性干渉の結果として生じる。余計なノ
イズの自己およびクロスバイスペクトルがアプリオリに
既知ならば、または独立的に測定されることが可能なら
ば、
【0157】
【数73】
【0158】は別個に計算され、かつ(58)から減算
される。同様の減算演算は他のすべての基準等式に対し
て実行されることができる。
【0159】w1 [n]およびw2 [n]が結合的にガ
ウス系である特別の場合において、(p.5)によりk
≧2のオーダのすべての多スペクトルは0であり、特に
i,j,k∈{1,2}のすべての組合せについて
【0160】
【数74】
【0161】である。したがって、提案されたすべての
基準は余計なガウス系ノイズに影響されない(ブライン
ドである)。例外として上述の特許出願連続番号第07/7
50,917号の脱相関基準があり、これは相関するガウス系
ノイズに感応し得る。
【0162】アルゴリズムの実際の実現において、多ス
ペクトルまたはそれぞれのキュムラントはその標本推定
によって代替される。したがって余計なノイズの効果は
ガウス系の場合においてさえも0ではなく、かつυi
(s) [n]およびυi (w) [n](i=1,2)間の経
験クロス多スペクトルもまた0ではない。
【0163】上に導出されたアルゴリズムは例であり限
定的ではなく、この発明の信号処理装置が用いられる本
出願人らの一般的アプローチを代表しているに過ぎな
い。
【0164】図9は音声強調およびノイズ消去システム
でのこの発明の用途を示す。部屋内で干渉ノイズ信号か
らのボイス信号の分離は、この発明の信号処理装置を用
いて容易にできる。たとえば図9は部屋57内の人61
を示す。他に部屋の中にあるものはテレビまたはラジオ
等のノイズソース60である。マイクロホン54はノイ
ズソース60近くに置かれる。マイクロホン56は人6
1から所望される信号ソースの近くにある。部屋の音響
効果のために、両方の信号が両方のマイクロホンによっ
てピックアップされる。処理および再構成装置58は上
述の原理に従って検出された信号について演算を行な
う。したがってソース61から所望される信号が導出で
きる。58から再構成された所望される信号はそれから
音声認識装置63によって処理される。
【0165】この発明の信号分離器はまた自動車等の移
動運搬具においても使用可能である。1つのマイクロホ
ンがマフラ近くに置かれ、かつ他のマイクロホンは話し
手近くに置かれる。話し手のマイクロホンは自動車電話
であってもよい。マフラによって引き起こされるノイズ
はこの発明の信号分離器を用いることによって排除され
る。さらに、母伝達関数のあるものは既知であるか、ま
たは自動車の音響環境から計算されることができるの
で、計算は再構成フィルタ中で単純化される。
【0166】図10はこの発明に従う水中音響環境での
信号強調システムを示す。標的66の位置を決定するた
めにソナーアレイ64が使用される。プロペラ70によ
って発生したノイズはこの決定を妨害する。したがって
マイクロホン62は信号分離装置68によってアレイ6
4からの信号とともに処理される出力信号を発生し、か
つ正確な標的信号が計算される。
【0167】当業者はルーチンの実験のみを用いて、こ
こに説明されたこの発明の具体例に対する多くの等価物
を認識または達成可能であると理解するであろう。これ
らのおよび他のすべての等価物は前掲の特許請求の範囲
によって包括されると意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を実施する一般的信号処理システムの
概略図である。
【図2】Hij(w)(i,j=1,2)が4つのSIS
Oシステムの伝達関数を表わす、一般的2チャンネルL
TIシステムを示す図である。
【図3】LTI2チャンネル信号分離問題を示す図であ
る。
【図4】未知のシステムの等価の形式を示す図である。
【図5】再構成システムの1つの可能な構造を示す図で
ある。
【図6】余計なノイズが存在する場合のLTI2チャン
ネル信号分離問題を示す図である。
【図7】結合システムを推定するために反復過程を実行
する信号処理システムの一実施例の前半を示す図であ
る。
【図8】結合システムを推定するために反復過程を実行
する信号処理システムの一実施例の後半を示す図であ
る。
【図9】この発明の信号処理回路を用いる音声強調およ
びノイズ消去システムを示す図である。
【図10】水中音響環境での信号強調システムを示す図
である。
【図11】タップが設けられた遅延ライン(FIRフィ
ルタ)を示す図である。
【符号の説明】
12 再構成フィルタ 14 プロセッサ
フロントページの続き (72)発明者 エヒュード・ウェインステイン イスラエル、52355 ラマト・ガン、ハレ チャシム・ストリート、10 (72)発明者 ダニエル・イエリン イスラエル、72910 カルメイ・ヨセフ、 エレツ・ストリート、13

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各々が複数個のソースから信号を受信す
    る、信号を検出するための複数個の検出器と、 検出された信号を受信しかつ検出された信号をフィルタ
    するための再構成フィルタを生成して、各ソース信号が
    他のソース信号からの干渉なしに再構成される再構成さ
    れたソース信号を生成するためのプロセッサを含み、 再構成フィルタが、再構成された信号のクロス多スペク
    トルが0に強制的に近づくように生成されることを特徴
    とする、信号処理システム。
  2. 【請求項2】 検出器およびソースの数は2であり、か
    つ再構成フィルタは、再構成フィルタの出力で再構成さ
    れたソース信号υ1 [n]およびυ2 [n]の以下の多
    スペクトル: 【数1】 が0に近づくように調節され、ここでΩ2 は予め選択さ
    れた周波数領域である、請求項1に記載の信号処理シス
    テム。
  3. 【請求項3】 検出器およびソースの数は2であり、か
    つ再構成フィルタは、再構成フィルタの出力で再構成さ
    れたソース信号υ1 [n]およびυ2 [n]の以下の多
    スペクトル: 【数2】 が0に近づくように調節され、ここでΩ3 は予め選択さ
    れた周波数領域である、請求項1に記載の信号処理シス
    テム。
  4. 【請求項4】 再構成フィルタは、その出力で再構成さ
    れたソース信号υ1[n]およびυ2 [n]の以下の多
    スペクトル: 【数3】 が0に近づくように調節され、ここでΩ3 は予め選択さ
    れた周波数領域である、請求項2に記載の信号処理シス
    テム。
  5. 【請求項5】 再構成フィルタは、再構成フィルタの出
    力で再構成されたソース信号υ1 [n]およびυ
    2 [n]の以下のクロススペクトル: 【数4】 が0に近づくように調節され、ここでΩは予め選択され
    た周波数領域である、請求項2に記載の信号処理システ
    ム。
  6. 【請求項6】 再構成フィルタは、再構成フィルタの出
    力で再構成されたソース信号υ1 [n]およびυ
    2 [n]の以下のクロススペクトル: 【数5】 が0に近づくように調節され、ここでΩは予め選択され
    た周波数領域である、請求項3に記載の信号処理システ
    ム。
  7. 【請求項7】 再構成フィルタは、再構成フィルタの出
    力で再構成されたソース信号υ1 [n]およびυ
    2 [n]の以下のクロススペクトル: 【数6】 が0に近づくように調節され、ここでΩは予め選択され
    た周波数領域である、請求項4に記載の信号処理システ
    ム。
  8. 【請求項8】 再構成フィルタは、その出力で信号υ1
    [n]およびυ2 [n]の以下のキュムラント: 【数7】 が0に近づくように調節され、ここでB2 は予め選択さ
    れた整数の集合である、請求項2に記載の信号処理シス
    テム。
  9. 【請求項9】 再構成フィルタは、その出力で信号υ1
    [n]およびυ2 [n]の以下のキュムラント: 【数8】 が0に近づくように調節され、ここでB3 は予め選択さ
    れた整数の集合である、請求項3に記載の信号処理シス
    テム。
  10. 【請求項10】 再構成フィルタは、その出力で信号υ
    1 [n]およびυ2[n]の以下のキュムラント: 【数9】 が0に近づくように調節され、ここでB3 は予め選択さ
    れた整数の集合である、請求項8に記載の信号処理シス
    テム。
  11. 【請求項11】 再構成フィルタは、再構成フィルタの
    出力で信号υ1 [n]およびυ2 [n]の以下のキュム
    ラント: 【数10】 が0に近づくように調節され、ここでBは予め選択され
    た整数の集合である、請求項8に記載の信号処理システ
    ム。
  12. 【請求項12】 再構成フィルタは、再構成フィルタの
    出力で信号υ1 [n]およびυ2 [n]の以下のキュム
    ラント: 【数11】 が0に近づくように調節され、ここでBは予め選択され
    た整数の集合である、請求項9に記載の信号処理システ
    ム。
  13. 【請求項13】 再構成フィルタは、再構成フィルタの
    出力で信号υ1 [n]およびυ2 [n]の以下のキュム
    ラント: 【数12】 が0に近づくように調節され、ここでBは予め選択され
    た整数の集合である、請求項10に記載の信号処理シス
    テム。
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