JP2009505876A - エアバッグを有する運転席用又は助手席用エアバッグモジュール - Google Patents

エアバッグを有する運転席用又は助手席用エアバッグモジュール Download PDF

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Abstract

本発明は、2つのエアバッグ部分を有するとともに、乗員を保護するために膨張可能であるエアバッグを備えた運転席用又は助手席用エアバッグモジュールにおいて、膨張したエアバッグが、保護対象乗員に対向する前面側に、2つのエアバッグ部分間に延在する間隙を形成し、間隙によって、2つのエアバッグ部分は、エアバッグの前面側で互いに完全に分離されるように構成されたエアバッグモジュールに関する。本発明によると、エアバッグ部分(11,12)の間隙(3)に隣接する内側面(11b,12b)間の最大距離がエアバッグ(1)の充填の程度によって決まるようにするための手段(4,6,71,72,9,50,60,70)が設けられ、この最大距離がエアバッグ(1)の充填が進むにつれて減少するように構成されている。
【選択図】 図4

Description

本発明は、請求項1の前文に記載のエアバッグを有する運転席用又は助手席用エアバッグモジュールに関する。
エアバッグモジュールのエアバッグの展開は、場合によっては、衝撃時に保護対象乗員に危険が伴う恐れがあることが知られている。特に、運転者席又は助手席の正常な着座位置(姿勢)にいない状態(「アウト・オブ・ポジション(OOP)状態」、「正常着座位置ではない着座状態」または「非定常着座状態」とも称呼する)や、ステアリングホイールに接近して運転者席に着座している非常に小柄な乗員、あるいは助手席にチャイルドシートが後ろ向きに取り付けられた状態(「チャイルドシートの後ろ向き装着状態、「RFIS状態」とも称呼する)に着座した幼児には危険である。このような状態における受傷の危険を最小限に抑えるべく、様々な手段が講じられている。その一つに、エアバッグの低リスク展開(LRP)と称される方法がある。低リスク展開は、エアバッグの展開時に有効な手段によって負傷の危険性を最小限に抑えることを意図したものである。
EP1364840A1は、2つのエアバッグ部分を有するエアバッグを備えたこの種のエアバッグモジュールを開示している。この場合、膨張したエアバッグは、保護対象乗員に対向する前面側で、2つのエアバッグ部分の間に延在する間隙を形成する。前記間隙によって、2つのエアバッグ部分は、エアバッグの前面側で互いに完全に分離されている。反対に、2つのエアバッグ部分は、保護対象乗員から遠い方の側のエアバッグの背面側で互いに接続され、起動時に2つのエアバッグ部分を膨張させる単一のガス発生装置が設けられている。更に、EP1364840A1は、エアバッグの前面側に渡されたシート状要素を提供している。当該シート状要素は、エアバッグ前面側の方向への衝撃時に、できる限り2つのエアバッグ部分ではなく、シート状要素によって、保護対象乗員を受け止めるためのものである。保護対象乗員が2つのエアバッグ部分の間に形成された間隙に完全に入り込んでしまうと、その乗員は、特にエアバッグの高温の繊維部分に触れるなどして熱負荷を受ける恐れがあるため、乗員が2つのエアバッグ部分の間に形成された間隙に完全に入り込まないようになされている。
WO02/02376A1は、乗員拘束装置用のエアバッグを開示している。当該エアバッグも、2つのエアバッグ部分を有し、膨張時に、当該2つのエアバッグ部分の間に間隙が形成される。エアバッグの膨張時に、OOP状態の乗員は、エアバッグに対向する体の一部が、形成されつつある間隙に入り込み、前記間隙を押し広げる。これによって、乗員に対向するエアバッグケーシング表面と乗員との直接衝突が阻止される。
EP1364840A1号 EP1364840A1号 WO02/02376A1号
エアバッグの低リスク展開を可能とすることによって、乗員が非定常位置に着座した状態、ないしチャイルドシートの後ろ向き装着状態における危険を最小限に抑えることが可能な更なるシステムが必要とされている。特に、乗員に対する保護効果に関して、2つのエアバッグ部分を備え、当該エアバッグ部分間の乗員に対向する側に間隙を有する公知のエアバッグモジュールの更なる最適化が求められている。
本発明は、2つのエアバッグ部分を有するエアバッグを備えた運転者席用又は助手席用エアバッグモジュールにおいて、乗員に対する受傷リスクを低減した状態(以下、「低リスク状態」とも称呼する)でエアバッグを展開させることによって、乗員が非定常位置に着座した状態、ないしチャイルドシートの後ろ向き装着状態における負傷の危険性を効果的に低減することが可能なエアバッグを提供するという課題に基づいたものである。
この目的は、本発明に係る請求項1に記載の特徴を有するエアバッグモジュールによって達成される。
また本発明の好適かつ有利な変更例については、従属項に記載される。
本発明によれば、当該エアバッグモジュールは、2つのエアバッグ部分間に形成された間隙に隣接するエアバッグ部分の内側面間の最大距離がエアバッグの充填の程度によって決まるようにするための手段が設けられ、この最大距離がエアバッグの充填が進むにつれて減少するように構成されている。したがって、エアバッグ部分の内側面間の最大距離は、エアバッグの初期充填段階では大きく、そのため、OOP状態、すなわち非定常着座状態にある乗員は、この初期充填段階では広くなっている2つのエアバッグ部分間の間隙に入り込むことが可能である。したがって、展開中のエアバッグカバーとの直接衝突は実質的に回避され、乗員に作用する力は低減する。助手席に配置された後ろ向きのチャイルドシートの場合には、2つのエアバッグ部分は、初期充填段階ではチャイルドシートの外側方に位置するため、進行方向に向けられているチャイルドシート背もたれにかかる力が低減する。
反対に、エアバッグの充填が進むと、2つのエアバッグ部分の間、すなわち、2つのエアバッグ部分の互いに対向する内側面の間の距離が減少する。したがって、十分に又は完全に充填されたエアバッグと接触する保護対象乗員は、エアバッグの前面側に衝突する。この場合、2つのエアバッグ部分間の間隙は、ほんの僅かであるか、または、事実上消滅している。したがって、実質的に閉鎖されたエアバッグの外部表面が乗員と接触するため、チャンバが一つしかいない従来のエアバッグにおける場合と同じように乗員を保護する。
2つのエアバッグ部分の内側面間の距離は、進行方向を見ている乗員から見て、右側のエアバッグ部分の左内側面と左側のエアバッグ部分の右内側面との間の、進行方向に対して交差する方向における距離である。
2つのエアバッグ部分の間の間隙は、2つのエアバッグ部分の相互に対向する繊維部分(内側面)の間に延在する空間を意味するものと解される。この間隙は、特にエアバッグ充填の初期段階では、相当の広さを有する可能性があるが、本願明細書中では、間隙の幅が比較的広い初期状態についても間隙と称呼することとする。
本発明の好適な発展例においては、前記手段は、エアバッグの外皮に少なくとも部分的に固着され、可変長の第1及び第2部分を少なくとも一つずつ有するストラップから成る。この場合、第1部分の長さは、第2部分の長さの減少(又は増大)の範囲内で増大(又は減少)し、第2部分の長さは、エアバッグ部分の内側面間の最大距離を規定する。この場合、第1部分の長さは、エアバッグの充填が進むにつれて増大し、第2部分の長さは、エアバッグの充填が進むにつれて減少する。
ストラップは、少なくとも一つの第1点で一方のエアバッグ部分に接続され、少なくとも一つの第2点で他方のエアバッグ部分に接続され、更に少なくとも一つの第3点でエアバッグ又は他のエアバッグモジュール要素に接続されていることが好ましい。
特に、ストラップは、一方の端部でエアバッグ又は他のエアバッグモジュール要素の第1固着点に固定され、他方の端部で一方のエアバッグ部分の第2固着点に固定されるとともに、前記固着点の間で、他方のエアバッグ部分に形成された偏向点で偏向されるように構成されることが好ましい。この場合、第1部分は、第1固着点と偏向点との間に形成され、第2部分は、偏向点と第2固着点との間に形成されている。偏向点と第2固着点は違うエアバッグ部分に位置し、これら2つの地点間のストラップ部分の長さが、2つのエアバッグ部分の内側面間の最大距離を規定する。
偏向点は、例えば、ストラップが通されて案内されるループ又は小穴によって、エアバッグ上に形成されている。この場合、ストラップは、偏向点に対して相対移動が可能とされる。
第1固着点は、第1固着点の位置がエアバッグの膨張後も実質的に変化しないように設定されることが好ましい。あるいは、第1固着点は、その位置がエアバッグの膨張によって影響を受けないように設定される。いずれの場合も、エアバッグの膨張が完了すると、2つのエアバッグ部分の相対的な位置は変化しないという効果が得られる。第1固着点は、例えば、エアバッグモジュールのモジュールハウジングに形成されるが、エアバッグ、特に、エアバッグの2つのエアバッグチャンバが合流し、ガス発生装置近傍に位置する部分に形成してもよい。
更なる発展例では、偏向点と第2固着点は、それぞれ、エアバッグ部分の保護対象乗員に対向する前面領域に形成されている。この構成は、エアバッグの展開が進むに従って、乗員に対向するエアバッグ部分の前面領域が、前記2点間に配設されたストラップを介して互いに接近するという利点がある。したがって、乗員は、衝突事故の際にエアバッグの比較的均一な表面に接触することになる。
別の実施の形態では、ストラップは閉鎖構造を有し、2つの偏向点と1つの固着点を介して、あるいは、3つの偏向点を介して、エアバッグ又は他のエアバッグモジュール要素に接続されている。2つのエアバッグ部分のそれぞれには偏向点が設けられている。
更なる発展例では、前記手段は、2つのエアバッグ部分を互いに接続する少なくとも一つのストラップから成る。特に、少なくとも一つのストラップは、一方のエアバッグ部分の間隙から遠い方の側の外側面と、他方のエアバッグ部分の間隙から遠い方の側の外側面との間の最大距離を規定するとともに、エアバッグ部分の間隙に隣接する内側面は、エアバッグの充填が進むにつれて互いに接近する。
これに関連した第1の実施形態は、前記手段がストラップから成り、当該ストラップの一方の端部が一方のエアバッグ部分の間隙から遠い方の側の外側面に固定され、他方の端部が他方のエアバッグ部分の間隙から遠い方の側の外側面に固定されるとともに、ストラップは、エアバッグ部分を貫通している。この場合、ストラップは、エアバッグの内部と接触することなく、エアバッグ部分を貫通するトンネル状のガイド内に通されていることが好ましい。エアバッグ部分の外側面間の距離がストラップによって予め固定設定されているので、エアバッグが充填されるにつれて、エアバッグ部分の内側面は互いに接近する。
これに関連した第2の実施形態は、各エアバッグ部分が、2つのエアバッグ部分を接続する外部ストラップと相互に作用する内部ストラップを有するように構成されている。内部ストラップは、それぞれ、エアバッグ内部を、エアバッグ部分の間隙に対向する内側面上の固着点から、同エアバッグ部分の間隙から遠い方の側の外側面へエアバッグの内部を案内されるとともに、内部偏向装置で偏向され、外部ストラップの一方の端部に接続されることが好ましい。外部ストラップは、エアバッグチャンバ内をエアバッグチャンバの内部へ接続されていない各繊維管を通って案内される。したがって、ガスが繊維管を介して流出することはない。各エアバッグチャンバにおいて、内部ストラップの一方の端部と、繊維管の一方の端部と、外部ストラップの一方の端部は、縫合された接続領域で互いに接続されていることが好ましい。
一変更例では、2つの内部ストラップと一つの外部ストラップを単一のストラップとして一体構成にすることも可能である。この場合、各エアバッグチャンバの繊維管は、エアバッグチャンバの内部に位置する端部がストラップに気密状に接続されていることが好ましい。
別の実施の形態は、前記手段が2つのストラップから成り、固着点において、一方のストラップの一方の端部が、一方のエアバッグ部分の間隙から遠い方の側の外側面に固定され、前記ストラップの他方の端部が、他方のエアバッグ部分の間隙に対向する内側面に固定され、更に、他方のストラップの一方の端部が、他方のエアバッグ部分の間隙から遠い方の側の外側面に固定され、前記ストラップの他方の端部が、一方のエアバッグ部分の間隙に対向する内側面に固定されている。この場合、2つのストラップは、各エアバッグ部分の外側面上の固着点間に、それぞれがエアバッグ部分の乗員に対向する前面領域に沿って配設されている。したがって、エアバッグ充填時に、2つのストラップは、偏向されるとともに、その過程で、エアバッグ部分の内側面を互いに引っ張り合う。
別の実施の形態は、前記手段が、エアバッグ部分間の間隙の領域に設けられた可動部から成り、エアバッグの充填時に移動し、その過程で、2つのエアバッグ部分の内側面上のジッパ状構造との相互作用により内側面を互いに接続するように構成されている。この形態は、エアバッグの膨張時に引っ張られて閉まるジッパを、2つのエアバッグ部分の間に、所定の範囲で配置している。
この場合、前記手段は、更にストラップを備え、ストラップの一方の端部が一方のエアバッグチャンバの間隙から遠い方の側の外側面に固定され、ストラップの他方の端部が、他方のエアバッグチャンバの間隙から遠い方の側の外側面に固定され、また、ストラップは、エアバッグの外側面に沿って配設されて可動部に接続され、エアバッグの充填時に可動部をエアバッグの前面側の方向に移動させるように構成されていることが好ましい。これは、エアバッグの充填時にストラップが偏向されるとともに、その過程で、ストラップが可動部を移動させるからである。
2つのエアバッグ部分は、保護対象乗員から遠い方の側の背面側で合流する2つのエアバッグチャンバによって形成されていることが好ましい。
本発明につき、図面を参照しつつ、いくつかの実施の形態を用いて以下に詳細に説明する。
図2は、実質的にEP1364840A1に開示された公知の助手席用エアバッグである。エアバッグ1は、以下にエアバッグチャンバとも称す2つのエアバッグ部分11,12を有している。2つのエアバッグチャンバ11,12は、保護対象乗員から遠い方の側、すなわちフロントガラスに面する側で互いに接続され、ガス発生装置(図示されていない)のガスが起動時に流入する中央領域13を形成している。中央の共通領域13から乗員の方へとエアバッグ1の外部ケーシングをたどってみると、エアバッグ1は、2つのエアバッグチャンバ11,12を形成している。当該エアバッグチャンバ11,12は、エアバッグ1の乗員に対向する前面側で互いに完全に分離し、チャンバ間に間隙3を形成する。2つのエアバッグチャンバ11,12は、膨張状態において離れ離れにならないように所定の長さのシート状要素5を介して互いに接続され、保護対象乗員の衝突面が構成されるようになされている。
同様の形状のエアバッグを同様の方法で運転席側に配設することが可能である。
図1には、2つのエアバッグチャンバ11,12を有し、この2つのエアバッグチャンバ11,12がストラップ4を介して互いに接続されているエアバッグが示されている。ストラップ4は、ストラップ4をエアバッグ1又はエアバッグチャンバ11,12に接続する2つの固着点A,C及び偏向点Bを有している。第1固着点Aは、間隙3の乗員から遠い方の側の端部に設けられている。当該固着点Aは、エアバッグの展開中は全く移動しないか、あるいは僅かにしか移動せず、展開が終了すると安定位置、例えば、上述の中央領域13又はその近傍に位置するように構成されている。また、当該固着点Aは、エアバッグの展開とは完全に切り離して、例えばエアバッグモジュールのハウジング(図示されていない)に固着させることも考えられる。
偏向点Bは、一方のエアバッグチャンバ12上に、正確には乗員に対向する(向かう)前面側付近に設けられる。偏向点Bは、ここではエアバッグチャンバ12の内側に形成される。第2固着点Cは、他方のエアバッグチャンバ11上の偏向点Bに対応する位置に設けられる。
したがって、ストラップ4は2つの部分41,42を形成し、一方は固着点Aと偏向点Bとの間に延在し、他方は偏向点Bと固着点Cとの間に延在する。この状態は、エアバッグの初期充填の状態を示す図3にも図示されている。
この場合、エアバッグチャンバ11,12間、すなわち内側面11b,12b間の最大距離は、偏向点Bと第2固着点Cの間のストラップ部42の長さによって規定される。ストラップ4の全長は明らかに一定であるが、2つの部分41,42の長さは展開中に変化する。このことは、図3及び4に図示されている。
図3には、展開の初期段階にあるエアバッグ1が示されている。2つのエアバッグチャンバ11,12は、まだガスで完全に充填されていないため、保護対象乗員方向への広がりは小さい。したがって、2つのエアバッグチャンバ11,12の間の間隙3はあまり深くなく、点A,B間のストラップ部41の長さは、比較的短く、点B,C間のストラップ部42の長さは、比較的長い。これにより、2つのエアバッグチャンバ11,12を径方向に離間する方向に押し広げることが可能となる。このような展開の状態にある時に、OOP状態、すなわち非定常着座状態にある乗員の体の一部がエアバッグ1に接触すると、その体の一部は、形成されつつある間隙3に入り込む可能性がある。展開中のエアバッグ1が乗員に及ぼす力は、かなり減少する。後ろ向きに配置されたチャイルドシートの場合は、2つのエアバッグチャンバ11,12は、チャイルドシートのシート外郭にあまり大きな力をかけることなくチャイルドシートの両側に展開可能である。
エアバッグ1の充填が更に進行する間は、エアバッグチャンバ11,12に次第にガスが充填される。これにより、点A,B間のストラップ部41の長さは長くなり、点B,C間のストラップ部42の長さは短くなる。この結果、2つのエアバッグ部分11,12の内側面11b,12bの間の横方向の距離が縮小する。図4にこの状態が示されている。この状態のエアバッグに乗員が接触すると、2つのエアバッグ部分11,12における乗員に対向する2つの端部領域111,112によって実質的に平面的な衝突面が乗員に提供され、2つのエアバッグチャンバ11,12間の間隙3はほんの僅かとなる。
したがって、2つのエアバッグチャンバ11,12間の距離を制御するストラップ部42は、エアバッグ1の展開の第1段階においては比較的長いため、2つのエアバッグチャンバ11,12の内側面11b,12bは(ひいては、エアバッグチャンバ自体も)、互いに大きく離間している。更に、当該内側面11b,12bは、乗員と接触すると、径方向外側へ押し広げられ、内側面11b,12b間が最大距離となる。エアバッグ1及び2つのエアバッグチャンバ11,12の充填が進むと、点B,C間のストラップ部42の長さは自動的に縮小し、2つのエアバッグチャンバ11,12間の距離が狭まり、実質的に互いに当接する。2つのエアバッグチャンバ11,12の充填が完了すると、図2の従来技術によるシート状要素5を使用する場合と同様、当該エアバッグチャンバは、互いに相対的な位置に位置する。
ストラップ4は、例えば殆ど弾力性のない材料からなる繊維片であってもよい。当該繊維片は、シート状の構成を有するか、あるいは弦材として構成されてもよいが、シート状の構成が好ましい。
図5から図8は、2つのエアバッグチャンバ11,12を有するエアバッグ1の別の構成を示しており、エアバッグチャンバ11,12の内側面間の最大距離が、展開の状態に応じて少なくとも一つのストラップを介して制御される。
図5の構成は、図1、3及び4の構成とは、ほんの僅か異なっている。ストラップ4は、閉鎖ストラップとして構成され、更にストラップ部43が点C,A間に配設されている。ここでは、点B,Cが偏向点として構成され、点Aが固着点として構成されているが、3点A,B,C全てを偏向点として構成してもよい。
ストラップ部の長さの合計は、一定である。2つのエアバッグチャンバ11,12の充填が進むに従って、ストラップ部41,43は長くなり、ストラップ部42は短くなる。このため、2つのエアバッグチャンバ11,12の内側面11b,12b間の最大距離は、展開の進行に伴って自動的に減少する。エアバッグチャンバ11,12の展開時、拡張部41及び43の双方にストラップが設けられているため、この形態では、2つのエアバッグチャンバ11,12の内側面11b,12b間の距離は、加速度的に減少する。
図6には、2つのエアバッグチャンバ11,12がストラップ6を介して互いに接続されている実施の形態が図示されている。各エアバッグチャンバ11,12は、他方のエアバッグチャンバから遠い方の側の外側面11a,12aと、他方のエアバッグチャンバに面し、間隙3に隣接する内側面11b,12bとを有する。ストラップ6は、一方の外側面11a上の固着点Aから他方の外側面12a上の固着点Bへ直接渡されている。この場合、ストラップ6は、エアバッグに設けられた一種のトンネル61に通され、エアバッグの内部には接続されていない。
2つのエアバッグチャンバ11,12にガスがほんの少し充填されれば、エアバッグチャンバ内側面11b,12bは、離間する最大距離が広くなるように径方向外側にかなり押圧可能である。反対に、外側面11a,12aの位置は、ストラップ6の長さによって予め決まっている。エアバッグの充填が進むと、内側面11b,12bは互いに接近し、内側面間の距離は狭くなる。
図7の構成の場合、2つのストラップ71,72が設けられている。一方のストラップ71は、一方のエアバッグチャンバ11の外側面11aに第1固着点Aを有し、他方のエアバッグチャンバ12の内側面12bに固着点Cを有している。他方のストラップ72は、一方のエアバッグチャンバ11の内側面11bに固着点Bを有し、他方のエアバッグチャンバ12の外側面12aに固着点Dを有している。この場合も、エアバッグチャンバ11,12に僅かに充填された状態で、内側面11b,12bは、押圧されて径方向にかなり離間する。更に充填が進み、端部領域111,112に充填されると、端部領域111,112周りに案内されているストラップ71,72も下方へ案内されて偏向される。この結果、内側面11b,12bは互いに接近し、間隙3の幅は狭くなる。
図8は、ストラップ9が、以下に説明される可動部10を介して、一方のエアバッグチャンバ11の一方の外側面11aの固着点Aから他方のエアバッグチャンバ12の外側面12aの固着点Bへ案内される構成を示している。
可動部10は、2つのエアバッグチャンバ11,12の内側面11b,12b間に案内される一種のジッパ装置20の一部であり、図8に図示されている。ジッパ装置20は、例えば、2つのストラップをエアバッグチャンバ11,12の内側面11b,12bに縫合し、この2つのストラップにリング(図示されていない)を取り付けることによって構成される。この場合、リングが可動部10である。
2つのエアバッグチャンバ11,12の展開が進むに従って、端部領域111,112が拡張し、それに伴って、ストラップ9が偏向することによって、可動部10は下方に移動する。その結果、「ジッパ」が締まり、2つのエアバッグチャンバ11,12は互いに接近する。
「ジッパ装置」は、必ずしも、互いに密接状に係合し合う要素を有する装置を意味するものと解されるわけではない。
図9の実施の形態においては、2つのエアバッグチャンバ11,12を接続させるために、内部及び外部のストラップ50,60,70が組み合わせて設けられている。このため、一方のエアバッグチャンバ11は、内部ストラップ60(すなわちエアバッグチャンバの内部を通るストラップ)と、偏向ループ又は環状リング62と、内部繊維管64とを有する。同様に、他方のエアバッグチャンバ12も、内部ストラップ70と、偏向ループ又は偏向リング72と、内部繊維管74とを有する。外部ストラップ50は、2つの繊維管64,74の中を通って間隙3を渡されている。これに関して、一方のエアバッグチャンバ11を示す図10の拡大図を参照して詳細に説明する。その態様は、他方のエアバッグチャンバ12にも同様に適用される。
内部ストラップ60は、一方のエアバッグチャンバ11に間隙3に対向する内側面11bで接続されている。これは、例えば、縫目61を介して行われる。この場合の縫目61は、内部ストラップ60の固着点Aを形成する。内部ストラップ60は、エアバッグチャンバ11内部の固着点Aから、他方のエアバッグチャンバ12から遠い方の側の外側面11aの方向に渡され、偏向ループ62によって偏向される。偏向ループは、例えば、繊維ループ62であり、ここでは、エアバッグチャンバ11の内部で偏向されるようにエアバッグチャンバ11の内部に固着されている。
内部ストラップ60の偏向端は、接続領域63で繊維管64の端部に縫合されている。繊維管64は、外部ストラップ50用の一種のトンネルを形成している。繊維管64は、エアバッグチャンバ11の内部とは連通していない。すなわち、ガスがエアバッグチャンバ11から繊維管64へ流入することも、繊維管64からエアバッグチャンバ11へ流入することもない。繊維管64は、例えば、内側へ反転した鼻状の構造をしている。
外部ストラップ50の一方の端部も、内部ストラップ60の一方の端部と繊維管64の一方の端部とが縫合された接続領域63で縫合され、その結果、外部ストラップ50の固着点Bが形成される。ストラップ50は、固着点Bから繊維管64を通って、開口部65で繊維管64から抜け出る、つまり、左側のエアバッグチャンバ11から出ることになる。図9によれば、ストラップ50は、間隙3を渡して、他方のエアバッグチャンバ12の繊維管74の入口開口部を介して繊維管74内へ入り、同様に、内部ストラップ70の一方の端部とエアバッグチャンバ12の繊維管74の一方の端部に固着点Cで縫合される。内部ストラップ70の他方の端部は、固着点Dでエアバッグチャンバ12の内側面12bに接続される。
エアバッグ装置は以下のように動作する。2つのエアバッグチャンバ11,12にガスがほんの少し充填されれば、エアバッグチャンバ内側面11b,12bは、離間する最大距離が広くなるように径方向外側にかなり押圧可能である。この場合、固着点A,Dも、図9に示された位置に対して径方向外側に移動するため、ストラップ50はそれほど引張されない。そのため、外側面11a,12aは、乗員の衝撃で、すなわち、乗員にエアバッグが当った瞬間、いくらか外側へ移動可能となり、OOP状態(乗員が非定常位置に着座した状態)の乗員の体の一部は、形成されつつある間隙3にかなり入り込むことが可能となる。この場合、展開中のエアバッグが乗員に及ぼす力は、更に削減される。
エアバッグの展開及び充填が進むに従って、2つの内側面11b,12b、ひいては固着点A,Dは、径方向内側へ移動し、その結果、外部ストラップ50は引張される。最終の展開状態においては、外部ストラップ50が引張された状態で、内部ストラップ60,70と外部ストラップ50の長さの総計によってエアバッグチャンバ11,12の外側面11a,12a間の最大距離が規定される。内側面11b,12b間の距離は、当初の位置に対して減少する。外側面11a,12a間の最大距離(ストラップ50,60,70によって決められる所定の)が決められているため、展開に伴って内側面11b,12bの間の距離が減少することは当然のことである。
図6の構成の場合も、図9,10の構成の場合も、乗員の体の一部がエアバッグに接触すると、2つのエアバッグチャンバ11,12は、衝撃によって、離間する方向に押し広げられる、すなわち膨張するので、各ストラップは自動的に引張される。これによって、2つのエアバッグチャンバ11,12が押圧されて離間し過ぎないように規制され、2つのエアバッグチャンバ11,12は、OOP状態や、少ししか充填されていない状態にある場合でも、なおも拘束機能を発揮する。
図9及び10の実施の形態の変更例においては、2つの内部ストラップ60,70及び外部ストラップ50は、単一のストラップ、すなわち一体構成のストラップとして構成されている。一体形ストラップは、点A,D間に配設され、偏向ループ62,72で偏向されるとともに、2つの繊維管64,74を貫通している。繊維管64,74は、固着点B,Cの領域において気密状にストラップに接合、具体的には気密状に縫合されている。
図5から10までの実施の形態においても、エアバッグ部分11,12の間隙3に隣接する内側面11b,12b間の最大距離は、エアバッグの充填の程度によって決まり、エアバッグの充填が進むにつれて減少する。この場合の最大距離は、展開が不規則であるために、内側面11b,12bが、展開の初期でも互いに隣接することもあると考えられる。OOP状態の乗員又は幼児用シートの乗員と接触すると、内側面は互いに離間し、エアバッグ部分が膨張する。このような内側面の離間は、内側面間が最大距離に到達すると終了する。最大距離は、ガス充填の程度に応じて変化する。
エアバッグ表面に3点で接続されたストラップを介して互いに接続されている2つのエアバッグ部分を有するエアバッグの第1の実施の形態の一部切り取り斜視図である。 従来の技術に係る2つのエアバッグ部分を有するエアバッグの斜視図である。 初期展開段階にある図1の形態と同様のエアバッグを示す。 エアバッグ充填完了後の図3のエアバッグを示す。 図3と同様の初期充填段階にあるエアバッグを示し、2つのエアバッグ部分の間の横方向の距離を制御するストラップが、エアバッグに3箇所で接続された閉鎖ストラップとして構成されている。 2つのエアバッグ部分を有するエアバッグの別の実施の形態を示し、2つのエアバッグ部分の互いに反対方向外方に面している外側面が、エアバッグ部分を貫通する固定長のストラップを介して互いに接続されている。 エアバッグの更に別の実施の形態を示し、2つのストラップは、それぞれ、2つのエアバッグ部分の一方の外側部と2つのエアバッグ部分の他方の内側面に接続されている。 エアバッグの更に別の実施の形態を示し、2つのエアバッグ部分の2つの互いに対向する内側面は、ジッパのように互いに接続可能である。 2つのエアバッグ部分を有するエアバッグの更に別の実施の形態を示し、2つのエアバッグ部分は、エアバッグ部分内に通された内部ストラップを外部ストラップと組合せて互いに接続されている。 図9の一方のエアバッグ部分の拡大図である。
符号の説明
1 エアバッグ
3 間隙
4 ストラップ
5 シート状要素
11,12 エアバッグチャンバ(エアバッグ部分)
13 中央領域
A、C 固着点
B 偏向点

Claims (25)

  1. 2つのエアバッグ部分を有するとともに、乗員を保護するために膨張可能であるエアバッグを備えた運転席用又は助手席用エアバッグモジュールにおいて、膨張した前記エアバッグが、保護対象乗員に対向する前面側に、前記2つのエアバッグ部分間に延在する間隙を形成し、前記間隙によって、前記2つのエアバッグ部分は、前記エアバッグの前記前面側で互いに完全に分離されるように構成されたエアバッグモジュールであって、
    前記エアバッグ部分(11,12)の前記間隙(3)に隣接する前記内側面(11b,12b)間の最大距離が前記エアバッグ(1)の充填の程度によって決まるようにするための手段(4,6,71,72,9,50,60,70)が設けられ、前記最大距離が前記エアバッグ(1)の充填が進むにつれて減少するように構成されていることを特徴とするエアバッグモジュール。
  2. 請求項1に記載のエアバッグモジュールであって、前記手段(4)は、前記エアバッグの外皮に少なくとも部分的に固着され、可変長の第1及び第2部分(41,42)を少なくとも一つずつ有するストラップから成り、
    前記第1部分(41)の長さは、前記第2部分(42)の長さの減少の範囲内で増大し、または、前記第2部分(42)の長さの増大の範囲内で減少するように構成され、
    前記第2部分(42)の長さは、前記エアバッグ部分(11,12)の前記内側面(11b,12b)間の前記最大距離を規定することを特徴とするエアバッグモジュール。
  3. 請求項2に記載のエアバッグモジュールであって、前記第1部分(41)の長さは、前記エアバッグの充填が進むにつれて増大し、前記第2部分(42)の長さは、前記エアバッグの充填が進むにつれて減少することを特徴とするエアバッグモジュール。
  4. 請求項2又は3に記載のエアバッグモジュールであって、前記ストラップ(4)は、少なくとも一つの第1点(C)で前記一方のエアバッグ部分(11)に接続され、少なくとも一つの第2点(B)で前記他方のエアバッグ部分(12)に接続され、更に少なくとも一つの第3点(A)で前記エアバッグ(1)又は他のエアバッグモジュール要素に接続されていることを特徴とするエアバッグモジュール。
  5. 請求項4に記載のエアバッグであって、前記ストラップ(4)は、一方の端部で前記エアバッグ又は他のエアバッグモジュール要素の第1固着点(A)に固定され、他方の端部で前記一方のエアバッグ部分(11)の第2固着点(C)に固定されるとともに、前記固着点(A,C)間で、前記他方のエアバッグ部分(12)に形成された偏向点(B)で偏向され、前記第1部分(41)は、前記第1固着点(A)と前記偏向点(B)との間に形成され、前記第2部分(42)は、前記偏向点(B)と前記第2固着点(C)との間に形成されていることを特徴とするエアバッグモジュール。
  6. 請求項5に記載のエアバッグモジュールであって、前記偏向点(B)は、前記ストラップ(4)が通されて案内されるループ又は小穴によって前記エアバッグ上に形成されていることを特徴とするエアバッグモジュール。
  7. 請求項5又は6に記載のエアバッグモジュールであって、前記第1固着点(A)は、前記第1固着点(A)の位置が前記エアバッグの膨張後も実質的に変化しないように設定されていることを特徴とするエアバッグモジュール。
  8. 請求項5又は6に記載のエアバッグモジュールであって、前記第1固着点(A)は、当該第1固着点(A)の位置が前記エアバッグの膨張によって影響を受けないように設定されていることを特徴とするエアバッグモジュール。
  9. 請求項5から8の少なくとも1項に記載のエアバッグモジュールであって、前記偏向点(B)と前記第2固着点(C)は、それぞれ前記エアバッグ部分(11,12)の保護対象乗員に対向する前面領域(111,112)に形成されていることを特徴とするエアバッグモジュール。
  10. 請求項4に記載のエアバッグモジュールであって、前記ストラップ(4)は閉鎖構造を有し、2つの偏向点(B,C)と一つの固着点(A)を介して、あるいは、3つの偏向点を介して、前記エアバッグ又は前記エアバッグモジュールの他の要素に接続されていることを特徴とするエアバッグモジュール。
  11. 請求項1に記載のエアバッグモジュールであって、前記手段は、前記2つのエアバッグ部分(11,12)を互いに接続する少なくとも一つのストラップ(6,50,60,70)から成ることを特徴とするエアバッグモジュール。
  12. 請求項11に記載のエアバッグモジュールであって、前記少なくとも一つのストラップ(6,50,60,70)は、前記一方のエアバッグ部分(11)の前記間隙(3)から遠い方の側の前記外側面(11a)と、前記他方のエアバッグ部分(12)の前記間隙(3)から遠い方の側の前記外側面(12a)との間の前記最大距離を規定するとともに、前記エアバッグ部分(11,12)の前記間隙(3)に隣接する前記内側面(11b,12b)は、前記エアバッグ(1)の充填が進むにつれて互いに接近することを特徴とするエアバッグモジュール。
  13. 請求項1、11又は12に記載のエアバッグモジュールであって、前記手段がストラップ(6)から成り、前記ストラップ(6)の一方の端部は、前記一方のエアバッグ部分(11)の前記間隙(3)から遠い方の側の前記外側面(11a)に固定され、前記ストラップ(6)の他方の端部は、前記他方のエアバッグ部分(12)の前記間隙(3)から遠い方の側の前記外側面(12a)に固定されるとともに、前記ストラップ(6)は、前記エアバッグ部分(11,12)を貫通していることを特徴とするエアバッグモジュール。
  14. 請求項13に記載のエアバッグモジュールであって、前記ストラップ(6)は、前記エアバッグ部分(11,12)を貫通するトンネル状のガイド(61)内に通されていることを特徴とするエアバッグモジュール。
  15. 請求項11又は12に記載のエアバッグモジュールであって、各エアバッグ部分(11,12)は、前記2つのエアバッグ部分(11,12)を接続する外部ストラップ(50)と相互に作用する内部ストラップ(60,70)を有することを特徴とするエアバッグモジュール。
  16. 請求項15に記載のエアバッグモジュールであって、前記内部ストラップ(60,70)は、それぞれ、前記エアバッグ部分(11,12)の前記間隙(3)に対向する前記内側面(11b,12b)上の固着点(A,D)から、同エアバッグ部分の前記間隙(3)から遠い方の側の前記外側面(11a,12a)へ前記エアバッグの内部を案内されるとともに、内部偏向装置(62,72)で偏向され、前記外部ストラップ(50)の一方の端部に接続されていることを特徴とするエアバッグモジュール。
  17. 請求項15又は16に記載のエアバッグモジュールであって、前記外部ストラップ(50)は、前記エアバッグチャンバ(11,12)内を前記エアバッグチャンバ(11,12)の内部へ接続されていない各繊維管(64,74)を通って案内されることを特徴とするエアバッグモジュール。
  18. 請求項17に記載のエアバッグモジュールであって、各エアバッグチャンバ(11,12)において、前記内部ストラップ(60,70)の一方の端部、前記繊維管(64,74)の一方の端部と前記外部ストラップ(50)の一方の端部は、縫合された接続領域(63,73)で互いに接続されていることを特徴とするエアバッグモジュール。
  19. 請求項15から17のいずれか1項に記載のエアバッグモジュールであって、前記内部ストラップ(60,70)と前記外部ストラップ(50)が単一のストラップとして一体形成されていることを特徴とするエアバッグモジュール。
  20. 請求項17及び19に記載のエアバッグモジュールであって、各エアバッグチャンバ(11,12)の前記繊維管(64,74)は、前記エアバッグチャンバ(11,12)の内部に位置する端部が前記ストラップに気密状に接続されていることを特徴とするエアバッグモジュール。
  21. 請求項1又は11に記載のエアバッグモジュールであって、前記手段が2つのストラップ(71,72)から成り、固着点(A,B,C,D)において、
    前記一方のストラップ(71)の前記一方の端部が、前記一方のエアバッグ部分(11)の前記間隙(3)から遠い方の側の前記外側面(11a)に固定され、当該ストラップの前記他方の端部が、前記他方のエアバッグ部分(12)の前記間隙(3)に対向する前記内側面(12b)に固定され、更に、
    前記他方のストラップ(72)の前記一方の端部が、前記他方のエアバッグ部分(12)の前記間隙(3)から遠い方の側の前記外側面(12a)に固定され、当該ストラップの前記他方の端部が、前記一方のエアバッグ部分(11)の前記間隙(3)に対向する前記内側面(11b)に固定され、
    前記2つのストラップ(71,72)は、前記各エアバッグ部分の前記外側面上の前記固着点間に、それぞれが前記エアバッグ部分(11,12)の乗員に対向する前記前面領域(111,112)に沿って配設されていることを特徴とするエアバッグモジュール。
  22. 請求項1に記載のエアバッグモジュールであって、前記手段は、前記エアバッグ部分(11,12)間の前記間隙(3)の領域に設けられた可動部(10)から成り、前記エアバッグの充填時に移動し、前記2つのエアバッグ部分(11,12)の前記内側面(11b,12b)上のジッパ状構造(20)との相互作用により前記内側面(11b,12b)を互いに接続することを特徴とするエアバッグモジュール。
  23. 請求項22に記載のエアバッグモジュールであって、前記手段は、更にストラップ(9)を備え、前記ストラップ(9)の一方の端部は、前記一方のエアバッグ部分(11)の前記間隙(3)から遠い方の側の前記外側面(11a)に固定され、前記ストラップ(9)の他方の端部は、前記他方のエアバッグ部分(12)の前記間隙(3)から遠い方の側の前記外側面(12a)に固定され、また、前記ストラップ(9)は、前記エアバッグの前記外側面に沿って配設されて前記可動部(10)に接続され、前記エアバッグの充填時に前記可動部を前記エアバッグの前記前面側の方向に移動させるように構成されていることを特徴とするエアバッグモジュール。
  24. 請求項1から23のいずれか1項に記載のエアバッグモジュールであって、前記2つのエアバッグ部分(11,12)は、保護対象乗員から遠い方の側の背面側(13)で合流する2つのエアバッグチャンバによって形成されていることを特徴とするエアバッグモジュール。
  25. 請求項2から24のいずれか1項に記載のエアバッグモジュールであって、前記ストラップ(4,6,71,72,9)は、繊維片によって形成されていることを特徴とするエアバッグモジュール。
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