JP2009500506A - 粉体塗料組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、熱硬化性非晶質ポリアミドを含む熱硬化性粉体塗料組成物に関する。この非晶質ポリアミドは、ガラス転移温度が20℃〜200℃である。このポリアミドは、カルボキシル−、ヒドロキシル−、またはアミン官能性ポリアミドであってもよい。カルボキシル官能性ポリアミドは、酸価が10〜150mgKOH/グラム樹脂である。本発明はまた、熱硬化性非晶質ポリアミドならびにハロゲン化銅および他のハロゲン化物を含む添加剤を含む熱硬化性粉体塗料組成物にも関する。さらに本発明は、低温硬化(LTC)条件で基材を塗装する方法およびLTCに好適な組成物に関する。
【選択図】なし

Description

発明の詳細な説明
本発明は、ポリマーおよび架橋剤を含む熱硬化性粉体塗料バインダー組成物に関する。本発明はまた、このバインダー組成物を含む粉体塗料組成物およびその使用に関する。
ポリマーおよび架橋剤を含む熱硬化性粉体塗料バインダー組成物に関する一般的な概要が、マイセフ(Misev)による粉体塗装の化学と技術(Powder Coatings,Chemistry and Technology)(1991年、ジョン・ワイリー(John Wiley))、42〜54ページ、148ページ、および224〜226ページに開示されている。好ましいポリマーはポリエステルである。ポリエステル粉体塗膜の特徴は、屋外曝露における耐変色性および光沢保持性が非常に優れていることにある。さらにポリエステル粉体は、硬化し過ぎた場合の変色に対する耐性が高いことに加えて、エッジカバリング性、流動性、耐摩耗性に非常に優れている。酸性環境下における耐薬品性も良好である(アルカリ性環境下の場合はそれよりも劣っている)。しかしながら、溶剤に対する耐性には限界がある。表面塗装技術(Surface Coatings Technology)(デイビッド・ハウエル(David Howell)、ワイリー(Wiley)、2000年、SITAテクノロジー・リミテッド(SITA Technology Limited))に説明されているように、塗膜にエポキシ樹脂を混ぜるとエーテル結合によって優れた耐薬品性が得られるが、芳香族含有量が高いことが屋外耐久性を低下させる原因となる。
本発明の目的は、他の特性に関する所要の品質水準を維持したまま溶剤に対する耐薬品性が改善された熱硬化性粉体塗料組成物を提供することにある。
本発明による熱硬化性粉体塗料バインダー組成物は、ポリマーが熱硬化性非晶質ポリアミドであることを特徴とする。既に述べた、他の特性が良好な水準に維持されたまま耐薬品性が向上されていることに優るさらなる利点は、耐加水分解性が例えばポリエステル系粉体塗膜よりも優れていることにある。
本発明の他の目的は、粉体塗装に一般に用いられているものよりもはるかに低い硬化温度が使用可能でありながら、硬化後の塗膜に関しては依然として優れた結果が得られる熱硬化性粉体塗料バインダー組成物を提供することにある。この目的は、酸官能性非晶質ポリアミドおよびエポキシ系架橋剤を含むバインダー組成物によって達成される。このポリアミドと架橋剤との特定の組合せを、以後、「低温硬化」(LTC)粉体塗料バインダー組成物と称することとする。
本発明による非晶質ポリアミドは、例えば、カルボキシル基、エポキシ基、無水物基、ヒドロキシル基、アミノ基、アセト酢酸基、リン酸基、亜リン酸基、および/またはチオ基等の官能性末端基を含んでいてもよい。本発明の好ましい実施態様によれば、ポリアミドは、カルボキシル−、ヒドロキシル−、アミン官能性ポリアミドであるかまたはこれらの好ましい官能基のいずれかの組合せを有する。より好ましくは、ポリアミドは、カルボキシル官能基を含む。好ましくは、このカルボキシル官能性ポリマーは、酸価が150mgKOH/グラム樹脂(ポリマー)未満であり、より好ましくは、酸価が70mgKOH/グラム樹脂未満である。酸価は、通常は5を超え、好ましくは10mgKOH/グラム樹脂を超える。
低温硬化(LTC)粉体塗料バインダー組成物の場合、非晶質ポリアミドは酸官能性である。脂肪族末端基を有するポリアミドから誘導された塗膜は外観がより優れたものになる傾向にあるとともにクレーターやブリスターのような表面欠陥がより生じにくいことから、LTC用途には、脂肪族末端基を有する酸官能性非晶質ポリアミドを使用することが有利であることが判明した。
本発明の好ましい実施態様によれば、通常、ガラス転移温度(T)は20℃〜200℃の間にある。温度が20℃未満の場合は、物理的安定性が許容できない系になり、温度が200℃を超えると、加工することができない組成物になる。より好ましくは、ガラス転移温度(T)は、40℃〜100℃である。それは、この範囲で得られる組成物の物理的安定性および加工性の組合せが最適であるためである。
ポリアミドの分子量(Mn)は、特に決定的な要素ではなく、例えば、1000〜10000g/molの間、好ましくは2000〜6000g/molの間で選択することができる。分子量は、ポリスチレン標準を用いたGPCで測定されたものである。
本発明による熱硬化性粉体塗料バインダー組成物によって、例えば、溶剤(例えばキシレンやアセトン等)に対する耐薬品性、耐摩耗性、耐熱性、および耐衝撃性に関し所望の特性を有する塗膜が得られる。さらに、本発明による組成物により、優れた加水分解安定性が得られる。
本発明によるバインダーに使用される非晶質ポリアミドは、少なくとも1種のジアミン成分および少なくとも1種のジカルボン酸成分の重縮合反応生成物(または残留物)を含んでいてもよい。ジカルボン酸に替えて、またはジカルボン酸と組み合わせて、無水物も使用することができることが当業者には明らかであろう。以下、ジカルボン酸には無水物の意味も含まれるものとする。
本発明による非晶質ポリアミドは、1種のアミンおよび1種のカルボン酸をベースとするものであってもよく、例えば1種のアミンに1種またはそれ以上のカルボン酸を組み合わせたものをベースとするポリアミドであってもよく、1種のカルボン酸および1種を超えるアミンをベースとするものであってもよく、1種を超えるアミンおよび1種を超えるカルボン酸の組合せをベースとするものであってもよい。しかしながら、2〜4種のジアミンおよび1〜3種のジカルボン酸をベースとするポリアミドを使用することが好ましい。
好適なジカルボン酸としては、例えば、3〜約40個の炭素原子を有するジカルボン酸、より好ましくは、好ましくは8〜14個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸、好ましくは4〜12個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸、および/または好ましくは8〜12個の炭素原子を有する脂環式ジカルボン酸から選択されるジカルボン酸が挙げられる。ジカルボン酸は、分岐鎖状、非直鎖状、または直鎖状であってもよい。好ましくは、ジカルボン酸は、分岐鎖状または非直鎖状である。好適なジカルボン酸の例としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、シクロヘキサン二酢酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、フェニレンジ(オキシ酢酸)、セバシン酸、コハク酸、アジピン酸、グルタル酸、および/またはアゼライン酸が挙げられる。
ジアミンの性質は、最終的に得られるポリアミドが非晶質である限り特に決定的な要素ではない。ジアミンは、例えば脂肪族、脂環式、脂肪族−芳香族、または芳香族の性質を有するものであってもよい。ジアミン成分は、例えば2〜12個の炭素原子を有する脂肪族ジアミンを含んでいてもよい。この脂肪族ジアミンは、分子内に芳香族基も含んでいてもよい。芳香族アミンを有するポリアミドのガラス転移温度は非常に高くなる可能性がある。したがって、脂肪族および芳香族−脂肪族アミンを使用することが好ましい。脂肪族アミンとは、アミン基が直接脂肪族鎖に結合している化合物を意味する。芳香族アミンとは、アミン基が芳香環構造に直接結合している化合物を意味する。脂肪族ジアミンには、例えばピペラジン等の脂環式ジアミンも含まれる。好適な脂肪族ジアミンの例としては、例えばイソホロンジアミン、1,2−エチレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,12−ドデシレンジアミン、1,4シクロヘキサンビスメチルアミン、ピペラジン、p−キシリレンジアミン、および/またはm−キシリレンジアミンが挙げられる。アミン成分は、分岐ポリアミドを得るための分岐成分も含んでいてもよい。好適な例としては、例えば、ジアルキレントリアミン(例えばジエチレントリアミン等)、ジアルキレンテトラアミン、ジアルキレンペンタアミン、ジヘキサメチレントリアミン、多官能性酸(例えば1,3,5−ベンゼントリカルボン酸等)、無水トリメリット酸および無水ピロメリット酸、ならびに多官能性アミノ酸(例えば、アスパラギン酸およびグルタミン酸等)が挙げられる。
ここで言う(これ以後も)「非晶質」とは、本発明に適用される非晶質ポリアミドに5℃/分の速度で第2回目のDSC走査を行った際に結晶化ピーク上に明確な定まった融解を示さないことを意味する。一般に、非晶質ポリマーおよび/またはポリマー組成物は、透明度(transparency)(明澄度(clarity))が高いことおよび明確な定まった融点がないことを特徴とする。ここで言う非晶質とは、DSC測定から求められる結晶化度が10%未満、好ましくは5%未満、より好ましくは1%未満であることを意味する。
ポリアミドは、例えば、直鎖状もしくはほぼ直鎖状、分岐状、星型、または樹枝状構造を有していてもよい。
本発明は、ポリエステルアミドを熱硬化性非晶質ポリアミドとして使用することは対象としていない。ここで言う(これ以後も)ポリエステルアミドとは、エステル結合およびアミド結合の両方を含むポリマーを指す。一方、本発明によるポリアミドはエステル結合を含んでいない。
様々な種類の架橋剤を熱硬化性非晶質ポリアミドと組み合わせて用いてもよい。好適なポリアミド/架橋剤の組合せとしては、例えば、飽和カルボキシル官能性ポリアミド樹脂/トリグリシジルイソシアヌレート(TGIC)、飽和カルボキシル官能性ポリアミド樹脂/エポキシ樹脂、飽和カルボキシル官能性ポリアミド樹脂/ヒドロキシルアミド基含有架橋剤、飽和カルボキシル官能性ポリアミド樹脂/脂肪族オキシラン、飽和ヒドロキシル官能性ポリアミド樹脂/イソシアネート、飽和ヒドロキシル官能性ポリアミド樹脂/フタル酸ジグリシジル含有架橋剤、飽和ヒドロキシル官能性ポリアミド樹脂/ヘキサメトキシメチルメラミン(HMMM)、飽和ヒドロキシル官能性ポリアミド樹脂/グリコールウリル(誘導体)、飽和ヒドロキシル官能性ポリアミド樹脂/ベンゾグアナミン(誘導体)、飽和ヒドロキシル官能性ポリアミド樹脂/アミノ樹脂、飽和ヒドロキシル官能性ポリアミド樹脂/フェノール樹脂、アミン官能性ポリアミド樹脂/トリグリシジルイソシアヌレート(TGIC)、アミン官能性ポリアミド樹脂/エポキシ樹脂、アミン官能性ポリアミド樹脂/イソシアネート、およびアミン官能性ポリアミド樹脂/フタル酸ジグリシジル含有架橋剤が挙げられる。
本発明の好ましい実施態様によれば、ポリアミド/架橋剤組成物は、飽和カルボキシル官能性ポリアミド樹脂/トリグリシジルイソシアヌレート(TGIC)、飽和カルボキシル官能性ポリアミド樹脂/エポキシ樹脂、飽和カルボキシル官能性ポリアミド樹脂/ヒドロキシルアミド基含有架橋剤、アミン官能性ポリアミド樹脂/トリグリシジルイソシアヌレート(TGIC)、アミン官能性ポリアミド樹脂/エポキシ樹脂、アミン官能性ポリアミド樹脂/イソシアネート、および/またはアミン官能性ポリアミド樹脂/フタル酸ジグリシジル含有架橋剤を含む組成物である。エポキシ架橋剤を選択する場合は、屋外耐久性がより優れているという理由から、ビスフェノールA型以外のエポキシ架橋剤を使用することが好ましい。
LTC用途において酸官能性非晶質ポリアミドと組み合わせて用いられる架橋剤は、好ましくは、アラルダイト(Araldite)(登録商標)PT910、アラルダイト(登録商標)PT912、TGICを含む一覧から選択され、より好ましくは、アラルダイト(登録商標)PT912が選択される。
一般に、ポリアミド:架橋剤の重量比は、50:50〜98:2の範囲にあり、より好ましくは、この比は、75:25〜95:5の範囲にある。この比は、例えば、選択された架橋剤および塗装の最終用途に応じて選択される。
熱硬化性粉体塗装の一般的な調製および粉体塗料を硬化させて硬化粉体塗膜を形成するための化学反応は、マイセフによる粉体塗装の化学と技術(1991年、ジョン・ワイリー)、42〜54ページ、148ページ、および224〜226ページに記載されている。試験手順は284〜300ページに記載されている。熱硬化性粉体塗料バインダー組成物は、一般に、ポリマーおよび架橋剤からなる粉体塗料組成物の樹脂状部分と定義され、通常、この組成物は、ポリマー50重量%超および架橋剤50重量%未満を含んでいる。
粉体塗料バインダー組成物は別として、本発明による粉体塗料組成物は、通常、少なくとも1種の添加剤、例えば、顔料、フィラー、脱ガス剤、流動化剤、および/または安定剤等を含んでいる。好適な顔料の例としては、例えば、二酸化チタン、硫化亜鉛、酸化鉄、および酸化クロム等の無機顔料に加えて、例えばアゾ化合物等の有機顔料が挙げられる。好適なフィラーは、例えば、金属酸化物、ケイ酸塩、炭酸塩、および硫酸塩である。一次および/または二次酸化防止剤、UV安定剤、例えば、キノン、(立体障害性)フェノール系化合物、亜ホスホン酸エステル、亜リン酸エステル、チオエーテル、HALS化合物(ヒンダードアミン光安定剤)、芳香族アミンを例えば安定剤として使用してもよい。脱ガス剤としては、例えば、ベンゾインおよびシクロヘキサンジメタノールビスベンゾエートが挙げられる。流動化剤としては、例えば、ポリアルキルアクリレート、フッ化炭化水素、およびシリコーンオイルが挙げられる。他の好適な添加剤としては、例えば、EP−B−371528号明細書に記載されている第3級立体障害性アミン等の摩擦帯電を改善するための添加剤が挙げられる。
本発明による粉体塗料は、例えば、接地された基材に粉体を静電噴霧し、この粉体塗料組成物を好適な温度の熱に十分な時間曝すことによって粉体塗料を粉体塗膜にするなどの通常の態様で好適な基材に適用することができる。適用された粉体は、例えば、ガスオーブンで、電気オーブンで、または赤外線もしくは紫外線を活用することによって加熱することができる。
本発明はまた、ポリアミド、架橋剤、および安定剤組成物を含む熱硬化性粉体塗料組成物にも関する。ポリアミド粉体塗料組成物を硬化させると変色が起こる場合があることがわかっていた。したがって、本発明の目的は、硬化時に変色しないポリアミドを含む粉体塗料組成物を提供することにあった。変色は、オーブンで硬化を行う場合に最も起こりやすかった。
本発明の目的は、ハロゲン化銅および少なくとも1種の他のハロゲン化物の組合せを含む添加剤を、ポリアミドを含む粉体塗料組成物に添加することによって達成された。
ハロゲン化銅および少なくとも1種の他のハロゲン化物を含有する添加剤を添加することが非晶質の非アミン官能性ポリアミドに有利であることがわかった。ハロゲン化銅および少なくとも1種の他のハロゲン化物を含む添加剤は、非晶質のカルボキシル官能性ポリアミドに特に有利であることがわかった。ポリアミドならびに少なくとも1種のハロゲン化銅および少なくとも1種の他のハロゲン化物を含む添加剤を含む組成物は、あらゆる種類の好適な架橋剤と組み合わせることができる。好適な架橋剤とは、ポリアミド上に存在する官能基と反応することができる架橋剤を意味する。この官能基の性質に応じて、異なる架橋剤を選択することができる。例えば、上述した一覧から選択することができる。
本発明による添加剤は、少なくとも1種の銅含有ハロゲン化物および少なくとも1種の他のハロゲン化物を含む。好適な他のハロゲン化物としては、例えば、ハロゲン化カリウムおよびナトリウム、好ましくはハロゲン化カリウムが使用される。ハロゲン化銅とハロゲン化カリウムとの比率は幅広い範囲から選択することができる。唯一の要件は、ハロゲン化物が銅に対し過剰に存在することである。過剰のハロゲン化物、したがって、銅のモル数を超える量は、ハロゲン化カリウムに由来する。過剰とは、好ましくは少なくとも200%、好ましくは少なくとも600%、より好ましくは少なくとも900%過剰であることを意味する。100%過剰であるとは、ハロゲン化銅が1モル存在する場合、他のハロゲン化物が1モル存在することを意味し、これは以下の式で表すこともできる:
EH=(TH−CH)/CH
(式中、
EHは、過剰なハロゲン化物であり、
THは、総ハロゲン化物であり、
CHは、ハロゲン化銅である)。
ハロゲン化物は、フッ化物、塩化物、臭化物、またはヨウ化物となるように選択することができる。好ましくは、臭化物またはヨウ化物が使用される。ハロゲン化銅および他のハロゲン化物として異なるハロゲン化物を使用することも本発明の範囲に包含される。異なる種類のハロゲン化銅および異なる種類のハロゲン化カリウムを使用することも可能であり、これも本発明の範囲に包含される。したがって、例えば、塩化銅を臭化銅と一緒に使用することが可能である。
ポリアミドに添加される本発明による添加剤の量は、特に決定的な要素ではない。一般に、所望の量は、硬化および加工条件に依存するであろう。当業者は、その要求を満たす最適な量を容易に決定することができる。通常は、0.05重量%(塗料全体を基準とした重量)〜5重量%の量で用いられ、好ましくは、本発明による添加剤は、0.1重量%〜3重量%使用され、最も好ましくは、0.2重量%〜0.6重量%である。
本発明による添加剤は、他の安定剤、例えば、一次および/または二次酸化防止剤、UV安定剤と併用することができ、例えば、キノン、(立体障害性)フェノール系化合物、亜ホスホン酸エステル、亜リン酸エステル、チオエーテル、HALS化合物(ヒンダードアミン光安定剤)、および芳香族アミンを例えば安定剤として使用してもよい。
さらに本発明は、本発明による熱硬化性粉体塗料組成物で基材を塗装するための、少なくとも以下のステップ:
a.場合により、基材を前処理および/または予備加熱するステップ、
b.非晶質ポリアミドおよび架橋剤を含む熱硬化性粉体塗料組成物を基材に適用するステップ、
c.ステップb)からの塗装された基材を、ある温度で、この塗装の少なくとも一部が硬化する時間、加熱するステップ
d.場合により第2硬化ステップを適用するステップ
を含む方法に関する。
本発明による方法を用いる際は、好ましくは、ステップa)および/またはd)を用いない。本発明による方法は、有利には、上述した非晶質ポリアミド/架橋剤の組合せで基材を塗装するために用いられる。
本発明による方法は、様々な温度領域で使用することができる。当業者は、対象とする用途にどの温度領域が最も好適であるかを容易に決定することができる。この方法は、ステップc)の温度が150℃未満という(ただし、好ましくは110℃未満ではない)温度領域のときに特に有利であることが判明した。当業者は、満足のいく塗膜を得るためにはこの温度をどれだけの時間維持すべきかをも周知しているかまたは容易に決定することができる。温度が150℃未満である場合、ステップc)の時間を25分未満とすると有利であることが判明している。
本発明による方法は、あらゆる種類の基材の塗装に使用することができるが、当業者が理解しているように、この方法を比較的低温で短時間用いると、熱に弱い基材を粉体塗装組成物で塗装することが可能になる。熱に弱い基材としては、例えば、プラスチック、紙、厚紙、コルク、無垢材、ベニヤ、削片材(chip wood)、複合木材、例えば、パーティクルボード、高、中、または低密度ファイバーボード、合板、および相当量の木材を含む他の基材が挙げられる。しかしながら、本発明は、伝統的な耐熱性基材、例えば、金属、(亜鉛メッキされた)鋼、鋳鉄、他の合金、ガラス、セラミック、および煉瓦にも好適である。
本発明はまた、本発明による組成物で完全にもしくは部分的に塗装された基材または本発明による方法によって得られる基材にも関する。
工業用の熱硬化性塗装に関する一般的な概要が、粉体塗装の化学と技術、マイセフ、141〜173ページ(1991年)にさらに記載されている。
本発明による組成物は、例えば、金属、木、またはプラスチック製基材上で用いられる粉体塗料に使用してもよい。好ましい基材は金属である。この組成物は、管の内面または外面塗装、化学工場および精油所の付属物の塗装、タンクの内面塗装、工業用塗装、ならびに機械および工具の塗装の技術分野に使用するのに非常に好適である。この塗装は、自動車産業における部品および付属物の塗装用にも、家庭用にも、建物の一部に使用するのにも好適である。上述した低温硬化(LTC)系を用いると、例えば予め組み立てられた構造体、熱に弱い基材への適用等の様々な特殊用途に利用できるようになる。特に好ましい用途は、家具、台所の戸棚の扉、電子産業(例えばプリント基板等)である。
ポリアミドを含む熱可塑性粉体塗料組成物は、例えば、粉体塗装の化学と技術、マイセフ、(1991年)の28〜34ページに開示されている。しかしながら、この熱可塑性粉体塗料組成物は、特に、架橋機構が異なり、結晶化度が異なり、かつ分子量が異なっているため、本発明による熱硬化性粉体塗料組成物とは全く異なるものである。ポリアミドを含む熱可塑性組成物は、一般に、硬さが不十分であるか少なくとも低下した塗膜となる。
以下の非限定的な実施例を参照することにより、本発明が明らかになるであろう。
[実験1]
[アミノ官能性ポリアミド樹脂の調製]
イソホロンジアミン1447グラム、ヘキサンジアミン357グラム、および水700グラムを、攪拌機、窒素導入管(nitrogen sparge)、温度制御装置、および蒸留用ガラス器具を備えた6リットルの反応フラスコに仕込んだ。すべての成分が溶解するまで反応混合物を撹拌した。次いで、発熱反応を80℃未満に維持しながらセバシン酸2021グラムを60分以内に加え、この添加が完了した後、水を留去しながら混合物をゆっくりと220℃に加熱した。反応温度が220℃に達した後、酸価およびアミン価測定用の試料を1時間毎に採取した。目標のアミン価に到達した後、混合物を30分間減圧蒸留し、減圧を解除して樹脂を排出した。
得られた樹脂は、アミン価が45mgKOH/グラム樹脂、Tgが81℃、分子量が2337g/molの、非常に透明性の高い非晶質ポリアミドであった。
[実験2]
[カルボキシル官能性ポリアミド樹脂の調製]
実験1の方法に従い、以下の成分を用いてカルボキシル官能性ポリアミドを調製した:イソホロンジアミン1266グラム、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン280グラム、水700グラム、およびセバシン酸2305グラム。
得られたポリアミド樹脂は、酸価が50.8mgKOH/グラム樹脂、Tgが76.5℃、分子量が2209g/molの透明な非晶質樹脂であった。
[実施例I〜II]
[粉体塗料の調製]
実験1および実験2によるポリアミド樹脂を使用し、以下の手順を用いて粉体塗料組成物Iおよび粉体塗料組成物IIを製造した。
表1に示すように、実験1または実験2によるポリアミド樹脂、架橋剤TGIC(アラルダイト(登録商標)PT912またはベスタゴン(Vestagon)(登録商標)BF1430)、流動助剤(レジフロー(Resiflow)(登録商標)CP77)、二酸化チタン(クロノス(KRONOS)(登録商標)2160)、酸化防止剤(サントホワイト(Santowhite)(登録商標))、および脱ガス剤(ベンゾイン)を、110℃の押出機で混合した。押出成形物を冷却し、粉砕して篩別した。篩別された90マイクロメートル未満の画分を粉体塗料として使用した。
この粉体をアルミニウム板に静電噴霧した。この板を230℃の炉内で2分間硬化させた。
表1に、使用量のグラム数および硬化条件を示し、表2に試験結果を示す。この試験結果から、熱硬化性非晶質ポリアミドを含む熱硬化性粉体塗料バインダー組成物による所望の水準の特性(例えば、光沢、外観、機械特性等)を有する塗膜が得られることがわかる。耐薬品性は非常に優れている。
[試験方法]
以下の方法に従い、各種試験を実施した。
耐衝撃性(裏面)(Reverse impact)を、ASTM2794/69により測定する。
外観
塗膜に光源を反射させて観察し、目視で比較する。
流動性
塗装された板上での流動性を目視で評価する。
光沢を、ASTM D523/70により測定する。
ケーニヒ(Koenig)硬度を、DIN53157により測定する。
クロスカットを、DIN53151により測定する。
テーバー摩耗を、ASTM D40 60により測定する。
[耐薬品性試験]
綿の小片を特定の薬品に浸し、硬化した塗膜に載せる。薬品の蒸発を防ぐため、綿の小片をペトリ皿で覆う。16時間後、ペトリ皿を綿片と一緒に取り除き、残った薬品を拭き取る。塗膜を5分以内に1〜5の尺度で判定する。回復後の塗膜についても同様に判定する。
[アセトン/エタノール往復摩擦(double rubs)]
布の小片を所要の溶剤に浸す。硬化した塗膜を浸漬した布で擦る。前後の動きを合わせて1回の摩擦と定める。この摩擦を塗膜が完全に基材から除去されるかまたは摩擦が100回に達するまで継続する。塗膜を、非常に悪い(塗膜がほぼ完全に除去される)から非常に良い(塗膜の付着なし)の間で判定する。
[エタノール対アセトン往復摩擦]
ポリアミド粉体塗膜は、たとえ塗膜が完全に硬化していなくても必ず100回のアセトン往復摩擦に耐える。これは、ポリアミド樹脂がアセトンに不溶であることに起因する。ポリアミド樹脂はエタノールに可溶である。したがって、アセトンに替えてエタノールをポリアミド粉体塗膜の試験に使用することは、ポリエステル粉体塗膜にアセトン往復摩擦試験を行うことに匹敵する、硬化塗膜にとって非常に厳しい試験である。
[実験3]
[酸およびアミノ官能性ポリアミド樹脂の調製]
イソホロンジアミン866.27グラム、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン525グラム、ビス−ヘキサメチレントリアミン87.36グラム、次亜リン酸ナトリウム1グラム、および脱塩水500グラムを、攪拌機、窒素導入管、温度制御装置、および蒸留用ガラス器具を備えた6リットルの反応フラスコに仕込んだ。成分が溶解するまで反応混合物を撹拌した。セバシン酸2378.86グラムを、発熱反応を80℃未満に維持しながら60分以内にゆっくりと添加した。この添加が完了した後、水を蒸留しながら混合物をゆっくりと220℃に加熱した。反応温度が220℃に達した後、この混合物を2時間反応させた。アミンおよび酸価を1時間毎に測定した。目標のアミンおよび酸価に到達した後、混合物を1時間減圧蒸留した。減圧を解除し、樹脂を排出した。
得られた樹脂は、酸価が52mgKOH/g樹脂、Tgが57℃の非常に透明性の高いほぼ無色の非晶質ポリアミドであった。
[実験4〜8]
[様々な非晶質ポリアミドの調製]
他の非晶質ポリアミドを同様の方法により調製した。出発化合物およびその量を表3に示す。
[比較実験1]
[脂肪族ポリエステル樹脂の調製]
水素化ビスフェノールA484.59グラム、グリセリン8.03グラム、無水コハク酸99.42グラム、ファスキャット(Fascat)(登録商標)4101(触媒)0.75グラム、およびジステアリルペンタジホスファイト(酸化防止剤)0.75グラムを、攪拌機、窒素導入管、温度制御装置、および蒸留用ガラス器具を備えた1リットルの反応フラスコに仕込んだ。反応混合物を150℃に加熱して混合物を溶融させ、均質化した。150℃で無水コハク酸を加えて、この混合物を水を蒸留しながらゆっくりと200℃に加熱した。この混合物を200℃で1時間反応させた後、150℃に冷却した。150℃でアジピン酸217.36グラムを添加し、混合物を水を蒸留しながらゆっくりと230℃に加熱した。混合物を230℃で1時間反応させた。酸価測定用の試料を30分間毎に採取した。酸価が安定したら混合物を215℃に冷却し、目標の酸価に到達するまで減圧蒸留した。樹脂を190℃に冷却して排出した。
得られた樹脂は、酸価が50mgKOH/g樹脂、Tgが43℃の非常に透明性の高い無色の非晶質ポリエステルであった。
[比較実験2]
[芳香族ポリエステル樹脂の調製]
比較実験1と同様の方法によって他のポリエステルを調製した。出発化合物およびその量を表3に示す。
[実施例III〜VIIIおよび比較例I〜II]
[粉体塗料の調製]
実験3〜8によるポリアミド樹脂を用いて粉体塗料組成物である実施例III〜VIIIを作製した。比較用ポリエステル樹脂(比較実験1および2)を用いて粉体塗料組成物である比較例IおよびIIを製造した。
粉体塗料の原料を計量して予備混合した。この予備混合物を、プリズム(Prism)TSE 16PC押出機を用いて、200rpm、最小80%トルクで、所望の温度で押出成形した。押出成形物をレッチェ(Retsch)ZM−100(0.5mm、18000rpm)で粉砕した。粉砕物を篩別することにより、90μ未満の大きさの画分を抽出して粉体として使用した。粉体塗料の組成および調製条件を表4に示す。
表5に標準的な粉体塗装条件下で硬化された塗装組成物の試験結果を示す。この試験結果から、熱硬化性非晶質ポリアミドを含む熱硬化性粉体塗料バインダー組成物により、所要の特性を有する塗膜が得られることがわかる。標準的なポリエステル系粉体塗膜と比較すると、例えば耐薬品性および耐衝撃性(裏面)に関する特性がはっきりと改善されていることがわかる。
表6に、低温硬化(LTC)塗装条件下で、温度勾配板(gradient panel)上および一定温度(120℃)のいずれかで硬化された塗装組成物の試験結果を示す。この試験結果から、熱硬化性非晶質ポリアミドを含む熱硬化性粉体塗料バインダー組成物により、所要の特性を有する塗膜が得られることがわかる。標準的なポリエステル系粉体塗膜と比較すると、例えば耐薬品性および耐衝撃性(裏面)に関する特性がはっきりと改善されていることがわかる。したがって、これらの改善された特性は低温条件下でも得られるが、脂肪族アミドも有していることを特に考慮すると、このことは非常に意外なことである。一般に、芳香族末端基を含むポリエステル粉体塗装組成物が、エポキシ架橋剤と組み合わせると、脂肪族末端基を有するポリエステルよりもはるかに速く反応することは当業者に周知である。したがって、脂肪族末端基を有するポリアミドが、耐薬品性や耐衝撃性(裏面)等の好ましい特性を保持しながら、たとえ硬化温度が低くても非常に速やかに反応することは非常に意外なことである。
表7に、比較的高温(240℃)で硬化された塗装組成物の試験結果を示す。ここに示した結果から、特定の酸化防止剤、すなわちハロゲン化銅および少なくとも1種の他のハロゲン化物の組合せを有する酸化防止剤を塗装組成物に添加することによって、外観、色、および耐衝撃性(裏面)に関する特性が改善されることがわかる。

Claims (14)

  1. ポリマーおよび架橋剤を含む熱硬化性粉体塗料バインダー組成物であって、
    前記ポリマーが、熱硬化性非晶質ポリアミドであることを特徴とする組成物。
  2. 前記ポリアミドが、カルボキシル−、ヒドロキシル−、またはアミン官能性ポリアミドであることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記ポリアミドのガラス転移温度が20℃〜200℃であることを特徴とする、請求項1〜2のいずれか一項に記載の組成物。
  4. 前記ポリマーが、酸官能性非晶質ポリアミドであり、前記架橋剤が、エポキシ系架橋剤であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 前記酸官能性非晶質ポリアミドが、脂肪族末端基を有することを特徴とする、請求項4に記載の組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱硬化性粉体塗料バインダー組成物および少なくとも1種の添加剤を含む粉体塗料組成物。
  7. ハロゲン化銅および少なくとも1種の他のハロゲン化物の組合せを含む添加剤が存在することを特徴とする、請求項6に記載の粉体塗料組成物。
  8. 前記他のハロゲン化物が、ハロゲン化カリウムであることを特徴とする、請求項7に記載の粉体塗料組成物。
  9. 請求項6〜8のいずれか一項に記載の粉体塗料組成物を硬化させることによって得られる粉体塗膜。
  10. 熱硬化性粉体塗料組成物で基材を塗装する方法であって、少なくとも以下のステップ:
    a.場合により、前記基材を前処理および/または予備加熱するステップ、
    b.非晶質ポリアミドおよび架橋剤を含む熱硬化性粉体塗料組成物を前記基材に適用するステップ、
    c.ステップb)からの前記塗装された基材を、ある温度で、前記塗装の少なくとも一部が硬化する時間、加熱するステップ、
    d.場合により、第2硬化ステップを適用するステップ
    を含む方法。
  11. 前記ポリアミド/架橋剤の組合せが、酸官能性ポリアミド樹脂およびエポキシ系架橋剤からなることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  12. ステップc)における温度が150℃未満であり、ステップc)における前記時間が25分未満であることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  13. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物、請求項9に記載の粉体塗膜で完全にまたは部分的に塗装されているかまたは請求項10〜12のいずれか一項に記載の方法により得られる基材。
  14. 管の内面および外面塗装、精油所および化学工場の付属物の塗装、タンクの内面塗装、工業用塗装、ならびに機械および工具の塗装の技術分野における、請求項9に記載の塗膜の使用。
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