(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る降圧型スイッチングレギュレータ200の構成を示す回路図である。図2は、図1の降圧型スイッチングレギュレータ200を搭載した電子機器300の構成を示すブロック図である。電子機器300は、例えばノート型パソコンであり、電池310、マイクロプロセッサ320、降圧型スイッチングレギュレータ200を備える。
電池310は、例えば複数のリチウムイオン電池のセルで構成され、12V程度の電池電圧Vbatを出力する。マイクロプロセッサ320は、様々な演算処理を行い、また電子機器300全体を統括的に制御するブロックであり、電源電圧が1.5V程度で動作するLSIである。
本実施形態に係る降圧型スイッチングレギュレータ200は、12V程度の電池電圧Vbatを降圧して、マイクロプロセッサ320の電源電圧として供給する。マイクロプロセッサ320は、演算処理を行う際には消費電流が大きく、演算処理を行わない待機状態においては、消費電流を低下させ、省電力化を図る。従って、降圧型スイッチングレギュレータ200からマイクロプロセッサ320に流れる電流Ioutは、マイクロプロセッサ320の動作状態によって大きく変化する。本実施形態に係る降圧型スイッチングレギュレータ200は、消費電流が非常に小さいモードで動作するデバイスを負荷として高効率に電圧変換を行う用途に好適に使用される。以下、図1をもとに、降圧型スイッチングレギュレータ200の構成について詳細に説明する。
降圧型スイッチングレギュレータ200は、スイッチングレギュレータ出力回路120と、制御回路100を含む。スイッチングレギュレータ出力回路120は、一般的な同期整流方式の降圧型スイッチングレギュレータの出力回路であって、入力端子202に印加された入力電圧Vinを降圧し、出力端子204から出力電圧Voutを出力する。入力電圧Vinは、図2の電池電圧Vbatである。入力端子202と接地端との間には、スイッチングトランジスタM1、同期整流用トランジスタM2が直列に接続される。スイッチングトランジスタM1、同期整流用トランジスタM2は、NチャンネルMOSトランジスタであり、ゲートに印加される第1制御信号Vg1、第2制御信号Vg2によりオン/オフが制御される。なお、図中の符号D1、D2で示されている素子は、スイッチングトランジスタM1、同期整流用トランジスタM2のバックゲートとドレインとの間に存在するボディダイオード(寄生ダイオード)である。
スイッチングトランジスタM1と同期整流用トランジスタM2との接続点と出力端子204との間には、出力インダクタL1が設けられる。出力キャパシタCoは、出力端子204と接地端との間に設けられる。本実施の形態において、スイッチングトランジスタM1と同期整流用トランジスタM2との接続点の電圧をスイッチング電圧Vswと呼ぶ。また、出力インダクタL1に流れる電流をインダクタ電流ILと呼ぶ。このインダクタ電流ILは、出力キャパシタCoに向かって流れる向きを正とする。また、出力キャパシタCoから出力端子204を介して負荷に流れる電流を出力電流Ioutと呼ぶ。
制御回路100は、スイッチングトランジスタM1、同期整流用トランジスタM2のゲートに印加すべき第1制御信号Vg1、第2制御信号Vg2を生成し、スイッチングトランジスタM1、同期整流用トランジスタM2のオン/オフを制御する。降圧型スイッチングレギュレータ200は、スイッチングトランジスタM1、同期整流用トランジスタM2が交互にオン/オフを繰り返すことにより、出力インダクタL1によりエネルギ変換が行われ、入力電圧Vinが降圧される。降圧された電圧は、出力インダクタL1、出力キャパシタCoによって平滑化され、出力電圧Voutとして出力される。
制御回路100は、一つの半導体基板に集積化されたLSIチップである。本実施の形態においては、スイッチングトランジスタM1、同期整流用トランジスタM2は、制御回路100の外部に設けられるが、制御回路100に内蔵してもよい。制御回路100は、入出力用の端子として、第1スイッチング端子102、第2スイッチング端子104、帰還端子106、スイッチング電圧検出端子108を備える。第1スイッチング端子102は、スイッチングトランジスタM1のゲートに接続されており、第2スイッチング端子104は、同期整流用トランジスタM2のゲートに接続されている。第1スイッチング端子102、第2スイッチング端子104からは、それぞれ、第1制御信号Vg1、第2制御信号Vg2が出力される。帰還端子106は、降圧型スイッチングレギュレータ200の出力端子204と接続され、降圧型スイッチングレギュレータ200の出力電圧Voutが帰還される端子である。スイッチング電圧検出端子108は、スイッチングトランジスタM1と同期整流用トランジスタM2との接続点に接続され、スイッチング電圧Vswが入力される。
制御回路100は、出力監視コンパレータ10と、パルス変調器12と、ドライバ回路20と、軽負荷モード検出部30と、オフセット制御部40を含む。この制御回路100は、所定のオン時間Tonの期間、スイッチングトランジスタM1をオンし、同期整流用トランジスタM2をオフする第1状態と、同期整流用トランジスタM2をオンし、スイッチングトランジスタM1をオフする第2状態を交互に繰り返す。第1状態と第2状態の間には、スイッチングトランジスタM1、同期整流用トランジスタM2がいずれもオンしない期間(以下、デッドタイムTdと呼ぶ)が設けられる。
制御回路は、第1状態において、所定のオン時間Tonの間、スイッチングトランジスタM1を介して出力キャパシタCoを充電し、出力電圧Voutをわずかに上昇させる。オン時間Ton経過後、第2状態に移行し、同期整流用トランジスタM2をオンする。第2状態において、出力電圧Voutが所定の基準電圧Vrefまで低下すると、制御回路100は、再度第1状態に移行する。
この第1、第2状態間の遷移は、出力監視コンパレータ10、パルス変調器12によって行われる。出力監視コンパレータ10は、反転入力端子に降圧型スイッチングレギュレータ200の出力電圧Voutが入力され、第1非反転入力端子にソフトスタート電圧Vssが入力され、第2非反転入力端子に基準電圧Vrefが入力される。出力監視コンパレータ10は、降圧型スイッチングレギュレータ200の出力電圧Voutと、ソフトスタート電圧Vssと基準電圧Vrefのいずれか低い方とを比較し、前者が後者よりも低くなるとハイレベルのオン信号SIG10を出力する。パルス変調器12は、出力監視コンパレータ10からオン信号SIG10が出力されてから所定のオン時間Tonの間、ハイレベルとなるパルス信号SIG16を生成する。出力監視コンパレータ10は、出力電圧Voutを抵抗により分圧して基準電圧Vrefと比較してもよい。
なお、降圧型スイッチングレギュレータ200が起動してから所定のソフトスタート期間が経過するまでの間は、基準電圧Vrefよりもソフトスタート電圧Vssの方が低いため、出力監視コンパレータ10では、出力電圧Voutとソフトスタート電圧Vssが比較される。一方、降圧型スイッチングレギュレータ200が起動してから上記のソフトスタート期間が経過し、ソフトスタート電圧Vssが基準電圧Vrefを上回るレベルまで上昇すると、出力監視コンパレータ10では、出力電圧Voutと基準電圧Vrefが比較される。このような構成とすることにより、降圧型スイッチングレギュレータ200の起動直後に、出力キャパシタCoに突入電流が流れることを防止することができる。
パルス変調器12は、ANDゲート14、RSフリップフロップ回路16、オン時間設定回路18を含む。ANDゲート14は、出力監視コンパレータ10から出力されるオン信号SIG10と、軽負荷モード検出部30から出力される軽負荷検出信号SIG12の論理積を出力する。RSフリップフロップ回路16のセット端子には、ANDゲート14の出力信号SIG14が入力されており、軽負荷検出信号SIG12がハイレベルのときには、オン信号SIG10によりセットされる。
オン時間設定回路18は、RSフリップフロップ回路16の反転出力信号SIG16’が入力される。オン時間設定回路18は、RSフリップフロップ回路16がセットされてから所定のオン時間Ton経過後に、ハイレベルのリセット信号SIG18を出力する。このリセット信号SIG18により、RSフリップフロップ回路16はリセットされる。RSフリップフロップ回路16の出力信号SIG16は、出力監視コンパレータ10からオン信号SIG10が出力されてからオン時間Tonが経過するまでの期間、ハイレベルとなり、その後、再度オン信号SIG10が出力されるまでの期間、ローレベルとなる。パルス変調器12は、RSフリップフロップ回路16の出力信号SIG16及び反転出力信号SIG16’をパルス信号として出力する。
ドライバ回路20は、パルス変調器12から出力されるパルス信号SIG16、SIG16’及び出力監視コンパレータ10から出力されるオン信号SIG10に基づき、スイッチングトランジスタM1及び同期整流用トランジスタM2をデッドタイムTdを挟んで交互にオンする。図3は、ドライバ回路20の構成を示す回路図である。ドライバ回路20は、RSフリップフロップ回路21、第1デッドタイム生成回路22、第2デッドタイム生成回路23、第1バッファ回路24、第2バッファ回路25を含む。
第1デッドタイム生成回路22、第1バッファ回路24は、パルス信号SIG16に基づき、第1制御信号Vg1を生成する。第1デッドタイム生成回路22は、パルス信号SIG16の立ち上がりエッジ(以下、ポジエッジと呼ぶ)から所定のデッドタイムTd経過後にその出力をハイレベルとし、パルス信号SIG16の立ち下がりエッジ(以下、ネガエッジと呼ぶ)と同時にその出力をローレベルとする。第1バッファ回路24は、第1デッドタイム生成回路22の出力信号に基づき、第1制御信号Vg1を生成する。
RSフリップフロップ回路21、第2デッドタイム生成回路23、第2バッファ回路25は、パルス信号SIG16’に基づき、第2制御信号Vg2を生成する。RSフリップフロップ回路21のセット端子には、パルス信号SIG16’が入力され、リセット端子には、オン信号SIG10が入力される。RSフリップフロップ回路21の出力信号SIG17は、第2デッドタイム生成回路23に入力される。第2デッドタイム生成回路23は、RSフリップフロップ回路21の出力信号SIG17のポジエッジから所定のデッドタイムTd経過後にその出力をハイレベルとし、出力信号SIG17のネガエッジと同時にその出力をローレベルとする。第2バッファ回路25は、第2デッドタイム生成回路23の出力信号に基づき、第2制御信号Vg2を生成する。
スイッチングトランジスタM1及び同期整流用トランジスタM2は、それぞれ、第1制御信号Vg1、第2制御信号Vg2がハイレベルの期間にオンすることから、デッドタイムTdの期間、スイッチングトランジスタM1、同期整流用トランジスタM2は、いずれもオフとなる。
ここで、出力監視コンパレータ10、パルス変調器12、ドライバ回路20、スイッチングレギュレータ出力回路120の動作について、図4をもとに説明する。図4は、降圧型スイッチングレギュレータ200の動作状態を示すタイムチャートである。ここでは、説明の簡略化のため、軽負荷検出信号SIG12はハイレベルであるとし、ANDゲート14を無視して考える。同様に、オフセット制御信号Sdはハイレベルであるとし、出力監視コンパレータ10のオフセットは無視して考える。
時刻T0に、出力電圧Voutが基準電圧Vrefより低くなると、出力監視コンパレータ10からハイレベルのオン信号SIG10が出力される。このオン信号SIG10によって、RSフリップフロップ回路16はセットされ、パルス信号SIG16はハイレベルとなる。
パルス信号SIG16がハイレベルとなってからデッドタイムTd経過後の時刻T1において、ドライバ回路20は、第1制御信号Vg1をハイレベルとしてスイッチングトランジスタM1をオンして、出力電圧Voutを上昇させる。また、オン時間設定回路18は、時刻T0から所定のオン時間Ton経過後の時刻T2において、ハイレベルのリセット信号SIG18を出力する。このリセット信号SIG18によってRSフリップフロップ回路16はリセットされ、パルス信号SIG16はローレベルとなる。ドライバ回路20は、時刻T2に第1制御信号Vg1をローレベルとしてスイッチングトランジスタM1をオフする。
ドライバ回路20は、時刻T2からデッドタイムTd経過後の時刻T3において、第2制御信号Vg2をハイレベルとする。第2制御信号Vg2がハイレベルになると、同期整流用トランジスタM2がオンし、出力電圧Voutが下降し始める。その後、時刻T4において、出力電圧Voutが再び基準電圧Vrefまで低下すると、出力監視コンパレータ10は、ハイレベルのオン信号SIG10を出力し、RSフリップフロップ回路16をセットする。
図4に示すように、軽負荷検出信号SIG12がハイレベルのとき、RSフリップフロップ回路16の反転出力信号SIG16’と、RSフリップフロップ回路21の出力信号SIG17は同じ信号となっている。従って、重負荷時のみを考えた場合、RSフリップフロップ回路21は設けなくてもよいことになる。RSフリップフロップ回路21を設ける理由については後述する。
本実施の形態に係る降圧型スイッチングレギュレータ200は、時刻T0〜T4の状態を繰り返すことにより、スイッチングトランジスタM1、同期整流用トランジスタM2を駆動し、出力電圧Voutを所定の基準電圧Vrefに安定化する。
図1に戻る。本実施の形態に係る制御回路100は、軽負荷時における効率を改善するために、軽負荷モード検出部30をさらに備える。軽負荷モード検出部30は、スイッチング電圧Vswと接地電位(0V)とを比較し、出力監視コンパレータ10からハイレベルのオン信号SIG10が出力されるタイミングにおいて、スイッチング電圧Vswが接地電位より高いとき、オン信号SIG10を強制的にローレベルに固定して無効化する。
軽負荷モード検出部30は、軽負荷検出用コンパレータ31、RSフリップフロップ回路32、遅延回路33を含む。
軽負荷検出用コンパレータ31の非反転入力端子は接地されており、反転入力端子にはスイッチング電圧Vswが入力される。軽負荷検出用コンパレータ31は、スイッチング電圧Vswと接地電位とを比較し、Vsw<0Vのときハイレベル、Vsw>0Vのときローレベルとなる比較信号SIG20を出力する。
RSフリップフロップ回路32のリセット端子は、軽負荷検出用コンパレータ31の出力端子と接続され、比較信号SIG20が入力される。また、RSフリップフロップ回路32のセット端子は、第2スイッチング端子104と接続され、第2制御信号Vg2が入力される。RSフリップフロップ回路32から出力される軽負荷監視信号SIG22は、遅延回路33に出力される。
遅延回路33は、RSフリップフロップ回路32がセットされた状態においてアクティブ(M14オン)となり、同期整流用トランジスタM2の第2制御信号Vg2を遅延し、非アクティブ(M14オフ)の状態においては、第2制御信号Vg2を遅延せずに出力する。遅延回路33の出力信号は、軽負荷検出信号SIG12としてパルス変調器12に出力される。
遅延回路33は、第1トランジスタM10、第2トランジスタM12、第3トランジスタM14、遅延抵抗R10、遅延キャパシタC10を含む。
遅延回路33は、電源電圧と接地間に直列接続された第1トランジスタM10、遅延抵抗R10、及び、第2トランジスタM12を含む。第1トランジスタM10、第2トランジスタM12のゲートは共通に接続され、第2制御信号Vg2が入力される。第1トランジスタM10、第2トランジスタM12、遅延抵抗R10は、第2制御信号Vg2を反転して出力するインバータである。
遅延抵抗R10と第2トランジスタM12の接続点と接地間には、遅延キャパシタC10及び第3トランジスタM14が直列に接続される。第3トランジスタM14の制御端子であるゲートには、RSフリップフロップ回路32の出力信号SIG22が入力される。第3トランジスタM14は、RSフリップフロップ回路32から出力される軽負荷監視信号SIG22がハイレベルのときオン、軽負荷監視信号SIG22がローレベルのときオフとなる。第3トランジスタM14がオンのとき、遅延キャパシタC10と遅延抵抗R10とによってCR回路が形成され、遅延回路33から出力される軽負荷検出信号SIG12は、CR時定数に従って上昇する。一方、第3トランジスタM14がオフのとき、遅延キャパシタC10の一端は開放されるため、CR回路は形成されず、遅延回路33は、第2制御信号Vg2の反転信号を遅延せずに出力する。このようにして、遅延回路33は、RSフリップフロップ回路32から出力される軽負荷監視信号SIG22に基づき、アクティブ/非アクティブの状態が切り替えられる。
また、本実施の形態に係る制御回路100は、低入力電圧時の軽負荷動作における効率を改善するために、オフセット制御部40をさらに備える。オフセット制御部40は、軽負荷モードでスイッチングトランジスタM1及び同期整流用トランジスタM2が駆動されるとき、出力監視コンパレータ10の入力段に所定のオフセットを与える手段であり、インバータ42と、ワンショット生成部44と、ANDゲート46と、RSフリップフロップ48と、を有して成る。
インバータ42は、第2制御信号Vgの反転信号Saを生成し、これをワンショット生成部44に出力する。ワンショット生成部44は、反転信号Saのポジエッジをトリガとしてワンショットパルス信号Sbを生成し、これをRSフリップフロップ回路48のセット入力端に出力する。ANDゲート46は、第1制御信号Vg1と軽負荷監視信号SIG22との論理積信号Scを生成し、これをRSフリップフロップ48のリセット入力端に出力する。RSフリップフロップ回路48は、ワンショットパルス信号Sbのポジエッジで出力信号をハイレベルにセットし、論理積信号Scのポジエッジで出力信号をローレベルにリセットする。なお、RSフリップフロップ回路48は、リセット入力端に入力される論理積信号Scがハイレベルである限り、セット入力端に入力されるワンショットパルス信号Sbに関係なく、その出力信号をローレベルとするリセット優先型のRSフリップフロップである。RSフリップフロップ回路48の出力信号は、オフセット制御信号Sdとして、出力監視コンパレータ10に出力される。
図5は、出力監視コンパレータ10の一構成例を示す回路図である。本構成例の出力監視コンパレータ10は、Pチャネル型MOS電界効果トランジスタP1〜P7と、Nチャネル型MOS電界効果トランジスタN1〜N4と、定電流源I1〜I5と、抵抗R1〜R3と、インバータINV1、INV2と、を有して成る。
トランジスタP1〜P3のソースは、いずれも定電流源I1を介して電源端に接続されている。トランジスタP1のドレインは、抵抗R1及び抵抗R3を介して、接地端に接続されている。トランジスタP2、P3のドレインは、いずれも抵抗R2を介して接地端に接続されている。トランジスタP1のゲートは、出力電圧Voutの印加端に接続されている。トランジスタP2のゲートは、ソフトスタート電圧Vssの印加端に接続されている。トランジスタP3のゲートは、基準電圧Vrefの印加端に接続されている。トランジスタN1のドレインは、抵抗R1と抵抗R3の接続ノードに接続されている。トランジスタN1のソースは、接地端に接続されている。トランジスタN1のゲートは、オフセット制御信号Sdの印加端に接続されている。トランジスタP4のソースは、定電流源I2を介して、電源端に接続されている。トランジスタP4のドレインは、接地端に接続されている。トランジスタP4のゲートは、トランジスタP2、P3のドレインに接続されている。トランジスタP5、P6のソースは、いずれも定電流源I3を介して電源端に接続されている。トランジスタP5のドレインは、トランジスタN2のドレインに接続されている。トランジスタP5のゲートは、トランジスタP4のソースに接続されている。トランジスタP6のドレインは、トランジスタN3のドレインに接続されている。トランジスタP6のゲートは、トランジスタP7のソースに接続されている。トランジスタN2、N3のゲートは、いずれもトランジスタN2のドレインに接続されている。トランジスタN2、N3のソースは、いずれも接地端に接続されている。トランジスタP7のソースは、定電流源I4を介して電源端に接続されている。トランジスタP7のドレインは、接地端に接続されている。トランジスタP7のゲートは、トランジスタP1のドレインに接続されている。トランジスタN4のドレインは、定電流源I5を介して電源端に接続される一方、インバータINV1、INV2を介してオン信号SIG10の出力端にも接続されている。トランジスタN4のソースは接地端に接続されている。トランジスタN4のゲートは、トランジスタN3のドレインに接続されている。
上記構成から成る出力監視コンパレータ10において、オフセット制御信号Sdがハイレベルである場合には、トランジスタN1がオンとなり、抵抗R3の両端間がショートされる。従って、出力監視コンパレータ10の入力段には、何らオフセットが与えられない状態となる。一方、オフセット制御信号Sdがローレベルである場合には、トランジスタN1がオフとなり、抵抗R3が回路に組み込まれる。従って、出力監視コンパレータ10の入力段には、所定のオフセット(抵抗R3での電圧降下分)が与えられた状態となる。
以上のように構成された降圧型スイッチングレギュレータ200の動作について、図6〜図8をもとに説明する。図6は、重負荷時における降圧型スイッチングレギュレータ200の動作波形図を示す。図7は、軽負荷時における降圧型スイッチングレギュレータ200の動作波形図を示す。また、図8は、重負荷時、軽負荷時におけるインダクタ電流IL、出力電流Ioutを示す。
まず、重負荷時の基本動作(降圧動作並びに軽負荷検出動作)について、図6及び図8(a)を参照しながら説明する。図6において、時刻T0〜T1の期間は、同期整流用トランジスタM2がオンの状態を示している。同期整流用トランジスタM2がオンのとき、スイッチング電圧Vswは、ほぼ接地電位となる。図4で説明した通り、同期整流用トランジスタM2がオンの期間においては、出力電圧Voutは時間とともに低下する。時刻T1に、出力電圧Voutが基準電圧Vrefを下回ると、出力監視コンパレータ10の出力であるオン信号SIG10はハイレベルとなる。
時刻T1にオン信号SIG10がハイレベルとなると、ドライバ回路20は、第2制御信号Vg2をハイレベルからローレベルに切り替え、同期整流用トランジスタM2をオフする。このとき、遅延回路33は非アクティブであり、第2制御信号Vg2を反転して出力するため、軽負荷検出信号SIG12は時刻T1にハイレベルとなる。時刻T1に、オン信号SIG10、軽負荷検出信号SIG12がともにハイレベルとなると、ANDゲート14の出力信号SIG14はハイレベルとなり、RSフリップフロップ回路16がセットされ、パルス信号SIG16がハイレベルとなる。
ここで、重負荷時におけるインダクタ電流ILの向きに着目する。図8(a)に示すように、スイッチングトランジスタM1がオンする第1期間Tp1、及び、同期整流用トランジスタM2がオンする第2期間Tp2のいずれにおいても、インダクタ電流ILは正である。従って、スイッチングトランジスタM1と同期整流用トランジスタM2がいずれもオフされるデッドタイムTdの期間、インダクタ電流ILは、ボディダイオードD2を介して供給される。ボディダイオードD2を介して接地端からインダクタ電流ILが流れると、スイッチング電圧Vswは、接地電位よりもボディダイオードD2の順方向降下電圧Vfだけ低い負電圧(=−Vf)となる。
時刻T1にボディダイオードD2がオンし、スイッチング電圧Vswが負となると、軽負荷検出用コンパレータ31は、ハイレベルの比較信号SIG20を出力する。ハイレベルの比較信号SIG20によってRSフリップフロップ回路32はリセットされ、RSフリップフロップ回路32から出力される軽負荷監視信号SIG22はローレベルとなる。この軽負荷監視信号SIG22がローレベルのとき、遅延回路33は非アクティブとなるため、第2制御信号Vg2を反転して出力する。その結果、軽負荷検出信号SIG12はハイレベルとなる。オン信号SIG10、軽負荷検出信号SIG12がともにハイレベルとなると、ANDゲート14の出力信号SIG14もハイレベルとなるため、RSフリップフロップ回路16がセットされ、パルス信号SIG16がハイレベルとなる。
ドライバ回路20は、時刻T1にパルス信号SIG16がハイレベルとなってからデッドタイムTd経過後の時刻T2に、第1制御信号Vg1をハイレベルとして、スイッチングトランジスタM1をオンする。スイッチングトランジスタM1がオンの期間、スイッチング電圧Vswは、入力電圧Vinにほぼ等しくなる。スイッチングトランジスタM1がオンされると、出力電圧Voutは上昇を開始する。
時刻T1から所定のオン時間Ton経過後の時刻T3に、RSフリップフロップ回路16がリセットされ、パルス信号SIG16はローレベルとなる。同時に、ドライバ回路20は、第1制御信号Vg1をローレベルとして、スイッチングトランジスタM1をオフする。時刻T3にスイッチングトランジスタM1がオフされると、スイッチングトランジスタM1と同期整流用トランジスタM2が両方ともオフとなる。その結果、インダクタ電流ILは、時刻T1〜T2と同様に、ボディダイオードD2を介して供給される。この間、スイッチング電圧Vswは−Vfとなり、比較信号SIG20はハイレベルとなる。このとき、RSフリップフロップ回路32はリセット状態であるため、軽負荷監視信号SIG22はローレベルから変化しない。
時刻T3から所定のデッドタイムTd経過後の時刻T4に、ドライバ回路20は、第2制御信号Vg2をハイレベルとして同期整流用トランジスタM2をオンする。このとき、遅延回路36は非アクティブであるため、軽負荷検出信号SIG12は、遅延なくローレベルに遷移する。時刻T5に、出力電圧Voutが基準電圧Vrefまで低下すると、出力監視コンパレータ10は、再度ハイレベルのオン信号SIG10を出力する。
このように、本実施の形態に係る降圧型スイッチングレギュレータ200は、重負荷時において、時刻T1〜T5に示す動作を一周期として降圧動作を行い、出力電圧Voutを基準電圧Vref付近に安定させる。
次に、重負荷時のオフセット制御動作について説明する。時刻T1において、第2制御信号Vg2がローレベルとされると、反転信号Saはハイレベルとされ、ワンショットパルス信号Sbは、反転信号Saのポジエッジをトリガとしてハイレベルとされる。その結果、オフセット制御信号Sdはハイレベルにセットされ、出力監視コンパレータ10は、その入力段に何らオフセットが与えられていない状態となる。
なお、時刻T1〜T5において、第1制御信号Vg1と軽負荷監視信号SIG22の少なくとも一方は必ずローレベルとされており、論理積信号Scは常にローレベルとされるため、RSフリップフロップ回路33はリセットされることなく、オフセット制御信号Sdはハイレベルに維持される。また、時刻T5以降についても、時刻T1〜T5と同様の動作が行われ、オフセット制御信号Sdはハイレベルに維持される。
このように、本実施の形態に係る降圧型スイッチングレギュレータ200は、重負荷時において、オフセット制御信号Sdをハイレベルに維持し、出力監視コンパレータ10の入力段に対して何らオフセットを与えない状態となる。
次に、軽負荷時の基本動作(降圧動作並びに軽負荷検出動作)について、図7及び図8(b)を参照しながら説明する。図7において、時刻T0〜T4までは重負荷の状態を示しており、時刻T4に軽負荷に切り替わったものとする。
時刻T4に軽負荷に切り替わると、インダクタ電流IL及び出力電流Ioutは、図8(b)に示す波形となる。図8(b)で斜線を付した部分は、インダクタ電流ILが負となっている。従って、スイッチングトランジスタM1、同期整流用トランジスタM2がともにオフするデッドタイムTdにおいて、インダクタ電流ILは、出力キャパシタCoからボディダイオードD1を介して入力端子202に流れることになる。このとき、ボディダイオードD1はオンするため、スイッチング電圧Vswは、入力端子202に印加される入力電圧Vinよりも、ダイオードD1の順方向降下電圧Vfだけ高い電圧(=Vin+Vf)となる。
図7に戻る。時刻T4以降、出力電圧Voutは徐々に低下していく。時刻T5に出力電圧Voutが基準電圧Vrefより低くなると、出力監視コンパレータ10は、ハイレベルのオン信号SIG10を出力する。このオン信号SIG10によって、ドライバ回路20内部のRSフリップフロップ回路21はリセットされるため、第2制御信号Vg2はローレベルとなり、同期整流用トランジスタM2がオフされる。時刻T5に同期整流用トランジスタM2がオフすると、図8(b)で説明したように、ボディダイオードD1を介してインダクタ電流ILが流れることになる。その結果、スイッチング電圧Vswは、Vin+Vfまで上昇し、出力電圧Voutもこれに伴って上昇する。
ここで、時刻T5における軽負荷モード検出部30の動作に着目する。時刻T5においてはVsw>0Vであるため、比較信号SIG20はローレベルのままとなる。従って、RSフリップフロップ回路32はリセットされず、軽負荷監視信号SIG22はハイレベルを保持し続ける。軽負荷監視信号SIG22がハイレベルのとき、第3トランジスタM14はオンとなり、遅延回路33はアクティブとなり、軽負荷検出信号SIG12は、時定数を持って上昇していく。時刻T5において、オン信号SIG10はハイレベルであるが、軽負荷検出信号SIG12は、遅延されることによりローレベルとなるため、ANDゲート14の出力信号SIG14はローレベルとなる。その結果、時刻T5において、RSフリップフロップ回路16がセットされず、パルス信号SIG16はローレベルを保持し続ける。
パルス信号SIG16がローレベルを保持し続けると、ドライバ回路20によるスイッチングトランジスタM1、同期整流用トランジスタM2の駆動がいずれも停止する。時刻T5以降、スイッチングトランジスタM1、同期整流用トランジスタM2が共にハイインピーダンスになると、スイッチングレギュレータ出力回路120の出力インダクタL1、出力キャパシタCoによりLC共振が誘起され、出力電圧Voutは振動しながら徐々に低下していく。このようにして、出力電圧Voutが基準電圧Vrefに低下するまでの期間、スイッチングトランジスタM1、同期整流用トランジスタM2のスイッチング動作が停止される。
以上のように、本実施の形態に係る降圧型スイッチングレギュレータ200によれば、軽負荷時においてスイッチングトランジスタM1、同期整流用トランジスタM2のスイッチング動作を停止することにより、ゲートドライブ電流を低減することができる。ゲートドライブ電流を低減することにより、降圧型スイッチングレギュレータ200全体の変換効率を改善することができる。
軽負荷状態の検出には、抵抗素子による電圧降下ではなく、接地から入力電圧より広い範囲でフルスイングするスイッチング電圧Vswをモニタする。その結果、軽負荷検出用コンパレータ31として高性能なコンパレータを用いる必要がないため、回路面積の増大を抑えることができる。
また、パルス変調器12は、遅延した第2制御信号Vg2すなわち軽負荷検出信号SIG12とオン信号SIG10をANDゲート14により論理演算し、その結果に基づきパルス信号SIG16を生成する。その結果、第2制御信号Vg2が遅延される軽負荷状態において、オン信号SIG10を無効化し、スイッチング動作を停止することができる。
さらに、軽負荷検出用コンパレータ31を設け、第2制御信号Vg2に遅延を与える遅延回路33のアクティブ/非アクティブをスイッチング電圧Vswに基づいて切り替えることにより、第2制御信号Vg2を軽負荷時にのみ遅延してオン信号SIG10を無効化し、スイッチング動作を停止することができる。
次に、軽負荷時のオフセット制御動作について説明する。先述したように、時刻T5以降、第1制御信号Vg1及び第2制御信号Vg2がいずれもローレベルに維持され、スイッチングトランジスタM1及び同期整流用トランジスタM2の駆動がいずれも停止されると、出力電圧Voutは一旦上昇した後、振動しながら徐々に低下していく。そして、時刻T6において、出力電圧Voutが基準電圧Vrefを下回ったときに、オン信号SIG10がハイレベルとなる。一方、軽負荷検出信号SIG12は、時刻T5から所定の時定数を持ってハイレベルに立ち上がって以降、時刻T6においてもハイレベルに維持されている。従って、オン信号SIG10は、軽負荷検出信号SIG12によってマスクされることなく、論理積信号SIG14としてRSフリップフロップ回路16のセット入力端子に入力される。その結果、時刻T6において、パルス信号SIG16はハイレベルにセットされ、ドライバ回路20では、時刻T6〜時刻T10にかけて、先に述べた一連の動作による第1制御信号Vg1及び第2制御信号Vg2の生成が行われる。
ここで、時刻T7において、第1制御信号Vg1がハイレベルとされたとき、軽負荷監視信号SIG22はハイレベルに維持されているため、論理積信号Scはハイレベルとなる。その結果、RSフリップフロップ回路48がリセットされ、オフセット制御信号Sdがローレベルとなるので、出力監視コンパレータ10の入力段には、所定のオフセットが与えられる。なお、図7では、上記のオフセット付与により、見かけ上の基準電圧Vrefが高められている様子を描写している。
その後、時刻T8、T9を経て、スイッチングトランジスタM1と同期整流用トランジスタM2のオン/オフ状態が切り替えられると、出力電圧Voutは上昇から下降に転じる。そして、時刻T10において、出力電圧Voutが基準電圧Vrefまで下回ると、出力監視コンパレータ10は、ハイレベルのオン信号SIG10を出力する。このオン信号SIG10によって、ドライバ回路20内部のRSフリップフロップ回路21はリセットされるため、第2制御信号Vg2はローレベルとなり、同期整流用トランジスタM2がオフされる。
このとき、時刻T10においてはVsw>0Vであるため、比較信号SIG20はローレベルのままとなる。従って、RSフリップフロップ回路32はリセットされず、軽負荷監視信号SIG22はハイレベルを保持し続ける。軽負荷監視信号SIG22がハイレベルのとき、第3トランジスタM14はオンとなり、遅延回路33はアクティブとなり、軽負荷検出信号SIG12は、時定数を持って上昇していく。時刻T10において、オン信号SIG10はハイレベルであるが、軽負荷検出信号SIG12は、遅延されることによりローレベルとなるため、ANDゲート14の出力信号SIG14はローレベルとなる。その結果、時刻T10において、RSフリップフロップ回路16がセットされず、パルス信号SIG16はローレベルを保持し続けるので、時刻T10以降、スイッチングトランジスタM1と同期整流用トランジスタM2のスイッチング動作が停止される。このような状況は、先述の時刻T5と同様である。
なお、時刻T10において、第2制御信号Vg2がローレベルとされると、反転信号Saはハイレベルとされ、ワンショットパルス信号Sbは、反転信号Saのポジエッジをトリガとしてハイレベルとされる。その結果、オフセット制御信号Sdがハイレベルにセットされて、出力監視コンパレータ10は、その入力段に何らオフセットが与えられていない状態に戻される。
このように、本実施の形態に係る降圧型スイッチングレギュレータ200によれば、軽負荷モードでスイッチングトランジスタM1及び同期整流用トランジスタM2が駆動されるとき(図7では時刻T7〜時刻T10)に、出力監視コンパレータ10の入力段にオフセットを与えて、見かけ上の基準電圧Vrefを持ち上げておくことができる。従って、時刻T9以降、上昇から下降に転じる出力電圧Voutは、上記のオフセットが与えられていない場合に比べて、より高い電圧レベルで基準電圧Vrefを下回ることになる。
従って、時刻T10において、出力監視コンパレータ10の入力段に与えられていたオフセットが解除され、見かけ上の基準電圧Vrefが元の電圧レベルまで戻されると、出力電圧Voutは、その時点における基準電圧Vrefよりも、上記のオフセット分だけ高い電圧レベルまで持ち上げられた形となる。このような構成とすることにより、例えば入力電圧Vinが低く、時刻T10以降、出力電圧Voutが十分に持ち上がらない場合であっても、出力電圧Voutが基準電圧Vrefを長期間に亘って下回ることはなくなるので、遅延回路33の時定数を不必要に大きく設定しなくても、オン信号SIG10のハイレベル期間を軽負荷検出信号SIG12で適切にマスクすることが可能となり、延いては、不要なスイッチング動作を停止して、降圧型スイッチングレギュレータ200全体の変換効率を改善することが可能となる。
(第2の実施の形態)
図9は、第2の実施の形態に係る降圧型スイッチングレギュレータ200aの構成を示す回路図である。同図において、図1と同一もしくは同等の構成要素には、同一の符号を付し、適宜説明を省略する。以下では、第1の実施の形態で説明した図1の降圧型スイッチングレギュレータ200との相違点を中心に説明する。
図9の制御回路100aは、図1の制御回路100とその内部の構成を異にするものであり、特に、軽負荷モード検出部30およびドライバ回路20の内部構成を異にする。
図9の軽負荷モード検出部30aは、図1の軽負荷モード検出部30の構成要素に加えて、デッドタイム生成回路34、インバータ35、ANDゲート36を更に備える。
デッドタイム生成回路34は、第2制御信号Vg2のネガエッジを遅延した信号SIG30を出力する。インバータ35は、デッドタイム生成回路34の出力信号SIG30を反転する。ANDゲート36は、遅延回路33の出力信号SIG12と、インバータ35の出力信号SIG32の論理積をとって出力する。軽負荷モード検出部30aからパルス変調器12へは、ANDゲート36の出力信号SIG12’が出力される。
図10は、図9のドライバ回路20aの構成を示す回路図である。ドライバ回路20aは、パルス変調器12から出力されるパルス信号SIG10及び出力監視コンパレータ10から出力されるオン信号SIG10に基づき、スイッチングトランジスタM1及び同期整流用トランジスタM2をデッドタイムTdを挟んで交互にオンする。ドライバ回路20aは、図3に示したRSフリップフロップ回路21とバッファ回路24、25を有するほか、デッドタイム生成回路26とインバータ27を含む。一方、図3に示したデッドタイム生成回路22、23は除かれている。
バッファ回路24は、パルス信号SIG16に基づき第1制御信号Vg1を生成する。デッドタイム生成回路26、インバータ27、RSフリップフロップ回路21、及び、バッファ回路25は、パルス信号SIG16に基づき第2制御信号Vg2を生成する。デッドタイム生成回路26は、パルス信号SIG16のネガエッジから所定のデッドタイムTd経過後にその出力をローレベルとし、パルス信号SIG16のポジエッジと同時にその出力をハイレベルとする。インバータ27は、デッドタイム生成回路26の出力信号SIG24を反転する。RSフリップフロップ回路21のセット端子には、インバータ27の出力信号SIG26が入力され、リセット端子には、出力監視コンパレータ10から出力されるオン信号SIG10が入力される。バッファ回路25は、RSフリップフロップ回路21の出力信号SIG28に基づき第2制御信号Vg2を生成する。
以上のように構成された第2の実施の形態に係る降圧型スイッチングレギュレータ200aの動作について、図11、図12をもとに説明する。図11は、重負荷時における降圧型スイッチングレギュレータ200aの動作波形図を示す。図12は、軽負荷時における降圧型スイッチングレギュレータ200aの動作波形図を示す。
まず、重負荷時の基本動作(降圧動作並びに軽負荷検出動作)について、図11を参照しながら説明する。図11において、時刻T0〜T1の期間は、同期整流用トランジスタM2がオンの状態を示している。同期整流用トランジスタM2がオンのとき、スイッチング電圧Vswは、ほぼ接地電位となる。同期整流用トランジスタM2がオンの期間においては、出力電圧Voutは時間とともに低下する。時刻T1に、出力電圧Voutが基準電圧Vrefを下回ると、出力監視コンパレータ10の出力であるオン信号SIG10はハイレベルとなる。
時刻T1にオン信号SIG10がハイレベルとなると、ドライバ回路20aのRSフリップフロップ回路21がリセットされ、その出力信号SIG28がローレベルに遷移される。その結果、第2制御信号Vg2がハイレベルからローレベルに切り替えられ、同期整流用トランジスタM2がオフする。同期整流用トランジスタM2がオフすると、ボディダイオードD2に電流が流れ、スイッチング電圧Vswは負電圧となる。その結果、軽負荷検出用コンパレータ31の出力信号である比較信号SIG20はハイレベルとなり、RSフリップフロップ回路32はリセットされ、RSフリップフロップ回路32から出力される軽負荷監視信号SIG22はローレベルとなる。この軽負荷監視信号SIG22がローレベルとなることにより、遅延回路33は非アクティブとなる。時刻T1に遅延回路33が非アクティブとなることにより、遅延回路33の出力信号SIG12は、第2制御信号Vgを遅延なく反転した信号となる。
第2制御信号Vg2のネガエッジは、デッドタイム生成回路34によって所定のデッドタイムTdだけ遅延される。時刻T1からデッドタイムTd経過後の時刻T2に、デッドタイム生成回路34の出力信号SIG30はローレベルとなり、同時にインバータ35の出力信号SIG32はハイレベルとなる。
時刻T2にインバータ35の出力信号SIG32がハイレベルとなると、ANDゲート36の出力信号SIG12’はハイレベルとなる。同時にANDゲート14の出力信号SIG14もハイレベルとなり、RSフリップフロップ回路16がセットされて、第1制御信号Vg1がハイレベルとなり、スイッチングトランジスタM1がオンする。スイッチングトランジスタM1がオンすると、出力電圧Voutは上昇を開始し、基準電圧Vrefを上回った時点でオン信号SIG10は再度ローレベルとなる。スイッチングトランジスタM1がオンの期間、スイッチング電圧Vswは入力電圧Vin付近の電圧となるため、軽負荷検出用コンパレータ31の出力である比較信号SIG20はローレベルとなる。
時刻T2にRSフリップフロップ回路16がセットされてから所定のオン時間Ton経過後の時刻T3に、パルス信号SIG16及び第1制御信号Vg1はローレベルとなり、スイッチングトランジスタM1がオフする。スイッチングトランジスタM1がオフされると、再びボディダイオードD2に電流が流れ、スイッチング電圧Vswは負電圧となり、比較信号SIG20がハイレベルとなる。
また、ドライバ回路20aのデッドタイム生成回路26は、パルス信号SIG16のネガエッジを遅延するため、時刻T3からデッドタイムTd経過後の時刻T4に、出力信号SIG24はローレベルとなる。従って、時刻T4にRSフリップフロップ回路21がセットされ、RSフリップフロップ回路21の出力信号SIG28、及び、第2制御信号Vg2はハイレベルとなって、同期整流用トランジスタM2がオンする。同期整流用トランジスタM2がオンすると、スイッチング電圧Vswは接地電位付近に設定され、第2制御信号Vg2を遅延なく反転した出力信号SIG12が出力される。
デッドタイム生成回路34は、第2制御信号Vg2のネガエッジのみを遅延するため、その出力信号SIG30は、時刻T4に第2制御信号Vg2がハイレベルになると同時にハイレベルとなり、インバータ35の出力信号SIG32はローレベルとなる。この時刻T4に、ANDゲート36の出力信号SIG12’はローレベルに遷移する。
時刻T4に同期整流用トランジスタM2がオンすると、出力電圧Voutは降下し始めて、時刻T5に再び基準電圧Vrefよりも低くなる。
このように、本実施の形態に係る降圧型スイッチングレギュレータ200aは、重負荷時において、時刻T1〜T5に示す動作を一周期として降圧動作を行い、出力電圧Voutを基準電圧Vref付近に安定させる。
次に、重負荷時のオフセット制御動作について説明する。時刻T1において、第2制御信号Vg2がローレベルとされると、反転信号Saはハイレベルとされ、ワンショットパルス信号Sbは、反転信号Saのポジエッジをトリガとしてハイレベルとされる。その結果、オフセット制御信号Sdはハイレベルにセットされ、出力監視コンパレータ10は、その入力段に何らオフセットが与えられていない状態となる。
なお、時刻T1〜T5において、第1制御信号Vg1と軽負荷監視信号SIG22の少なくとも一方は必ずローレベルとされており、論理積信号Scは常にローレベルとされるため、RSフリップフロップ回路33はリセットされることなく、オフセット制御信号Sdはハイレベルに維持される。また、時刻T5以降についても、時刻T1〜T5と同様の動作が行われ、オフセット制御信号Sdはハイレベルに維持される。
このように、本実施の形態に係る降圧型スイッチングレギュレータ200aは、重負荷時において、オフセット制御信号Sdをハイレベルに維持し、出力監視コンパレータ10の入力段に対して何らオフセットを与えない状態となる。
次に、軽負荷時の基本動作(降圧動作並びに軽負荷検出動作)について、図12を参照しながら説明する。図12において、時刻T0〜T4までは重負荷の状態を示しており、時刻T4に軽負荷に切り替わったものとする。
時刻T4以降、出力電圧Voutは徐々に低下していく。そして、時刻T5に出力電圧Voutが基準電圧Vrefを下回ると、オン信号SIG10がハイレベルとなる。オン信号SIG10がハイレベルになると、ドライバ回路20aは、第2制御信号Vg2をローレベルとして、同期整流用トランジスタM2をオフする。軽負荷時において、スイッチングトランジスタM1、同期整流用トランジスタM2が共にオフとなると、ボディダイオードD1に電流が流れるため、スイッチング電圧Vswは、入力電圧VinよりもボディダイオードD1の順方向降下電圧Vfだけ高い電圧となる。このとき、Vsw>0Vが成り立っているので、比較信号SIG20はローレベルを維持し続ける。
比較信号SIG20がローレベルを維持すると、RSフリップフロップ回路32がリセットされないため、軽負荷監視信号SIG22はハイレベルのまま固定され、遅延回路33はアクティブとなる。第2制御信号Vg2がハイレベルからローレベルに変化する時刻T5において、遅延回路33はアクティブであるから、遅延回路33の出力信号SIG12は、時定数に従って徐々に上昇していく。時刻T5からデッドタイムTd経過後の時刻T6において、デッドタイム生成回路34の出力信号SIG30はローレベルとなる。
時刻T6にデッドタイム生成回路34の出力信号SIG30がローレベルとなり、インバータ35の出力信号SIG32がハイレベルとなるが、遅延回路33の出力信号SIG12はハイレベルに達していないため、ANDゲート36の出力信号SIG12’はハイレベルに遷移しない。その後、時刻T7に遅延回路33の出力信号SIG12がハイレベルに達すると、ANDゲート36の出力信号SIG12’はハイレベルとなる。
このとき、すでにオン信号SIG10はローレベルとなっているため、ANDゲート14の出力信号SIG14はハイレベルに遷移せず、ローレベルが持続する。その結果、RSフリップフロップ回路16がセットされず、パルス信号SIG16がハイレベルとならないため、スイッチングトランジスタM1、同期整流用トランジスタM2がいずれもオフとなり、スイッチング動作が停止する。
このように、本実施の形態に係る降圧型スイッチングレギュレータ200aは、第1の実施の形態に係る降圧型スイッチングレギュレータ200と同様に、軽負荷時においてスイッチングトランジスタM1、同期整流用トランジスタM2のスイッチング動作を停止することにより、ゲートドライブ電流を低減することができる。ゲートドライブ電流を低減することにより、降圧型スイッチングレギュレータ200a全体の変換効率を改善することができる。
次に、軽負荷時のオフセット制御動作について説明する。時刻T5以降、第1制御信号Vg1及び第2制御信号Vg2がいずれもローレベルに維持され、スイッチングトランジスタM1及び同期整流用トランジスタM2の駆動がいずれも停止されると、出力電圧Voutは、一旦上昇した後に、振動しながら徐々に低下していく。そして、時刻T8において、出力電圧Voutが基準電圧Vrefを下回ったときに、オン信号SIG10がハイレベルとなる。一方、ANDゲート36の出力信号SIG12’は、時刻T7にハイレベルに立ち上がって以降、時刻T8においてもハイレベルに維持されている。従って、オン信号SIG10は、出力信号SIG12’によってマスクされることなく、論理積信号SIG14としてRSフリップフロップ回路16のセット入力端に入力される。その結果、時刻T8において、パルス信号SIG16はハイレベルにセットされ、ドライバ回路20aでは、時刻T8〜時刻T11にかけて、先に述べた一連の動作による第1制御信号Vg1及び第2制御信号Vg2の生成が行われる。
ここで、時刻T8において、第1制御信号Vg1がハイレベルとされたとき、軽負荷監視信号SIG22はハイレベルに維持されているため、論理積信号Scはハイレベルとなる。その結果、RSフリップフロップ回路48がリセットされ、オフセット制御信号Sdがローレベルとなるので、出力監視コンパレータ10の入力段には、所定のオフセットが与えられる。なお、図12では、上記のオフセット付与により、見かけ上の基準電圧Vrefが高められている様子を描写している。
その後、時刻T9、T10を経て、スイッチングトランジスタM1と同期整流用トランジスタM2のオン/オフ状態が切り替えられると、出力電圧Voutは上昇から下降に転じる。そして、時刻T11において出力電圧Voutが基準電圧Vrefまで下回ると、出力監視コンパレータ10は、ハイレベルのオン信号SIG10を出力する。このオン信号SIG10によって、ドライバ回路20a内部のRSフリップフロップ回路21はリセットされるため、第2制御信号Vg2はローレベルとなり、同期整流用トランジスタM2がオフされる。
このとき、時刻T11においてはVsw>0Vであるため、比較信号SIG20はローレベルのままとなる。従って、RSフリップフロップ回路32はリセットされず、軽負荷監視信号SIG22はハイレベルを保持し続ける。軽負荷監視信号SIG22がハイレベルのとき、第3トランジスタM14はオンとなり、遅延回路33はアクティブとなり、軽負荷検出信号SIG12は、時定数を持って上昇していく。時刻T11において、オン信号SIG10はハイレベルであるが、軽負荷検出信号SIG12は、遅延されることによってローレベルとなるため、ANDゲート36の出力信号SIG12’もローレベルとなり、ANDゲート14の出力信号SIG14はローレベルとなる。その結果、時刻T11において、RSフリップフロップ回路16がセットされず、パルス信号SIG16はローレベルを保持し続けるので、時刻T11以降、スイッチングトランジスタM1と同期整流用トランジスタM2のスイッチング動作が停止される。このような状況は、先述の時刻T5と同様である。
なお、時刻T11において、第2制御信号Vg2がローレベルとされると、反転信号Saはハイレベルとされ、ワンショットパルス信号Sbは、反転信号Saのポジエッジをトリガとしてハイレベルとされる。その結果、オフセット制御信号Sdがハイレベルにセットされて、出力監視コンパレータ10は、その入力段に何らオフセットが与えられていない状態に戻される。
このように、本実施の形態に係る降圧型スイッチングレギュレータ200aによれば、第1の実施の形態に係る降圧型スイッチングレギュレータ200と同様に、軽負荷モードでスイッチングトランジスタM1及び同期整流用トランジスタM2が駆動されるとき(図12では時刻T8〜時刻T11)に、出力監視コンパレータ10の入力段にオフセットを与えて、見かけ上の基準電圧Vrefを持ち上げておくことができる。従って、時刻T10以降、上昇から下降に転じる出力電圧Voutは、上記のオフセットが与えられていない場合に比べて、より高い電圧レベルで基準電圧Vrefを下回ることになる。
従って、時刻T11において、出力監視コンパレータ10の入力段に与えられていたオフセットが解除され、見かけ上の基準電圧Vrefが元の電圧レベルまで戻されると、出力電圧Voutは、その時点における基準電圧Vrefよりも、上記のオフセット分だけ高い電圧レベルまで持ち上げられた形となる。このような構成とすることにより、例えば入力電圧Vinが低く、時刻T11以降、出力電圧Voutが十分に持ち上がらない場合であっても、出力電圧Voutが基準電圧Vrefを長期間に亘って下回ることはなくなるので、遅延回路33の時定数を不必要に大きく設定しなくても、オン信号SIG10のハイレベル期間を軽負荷検出信号SIG12(より正確にはANDゲート36の出力信号SIG12’)で適切にマスクすることが可能となり、延いては、不要なスイッチング動作を停止して、降圧型スイッチングレギュレータ200a全体の変換効率を改善することが可能となる。
なお、上記の実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせに色々な変形例が可能なこと、また、そうした変形例も本発明の範囲にあることは、当業者に理解されるところである。
例えば、上記実施形態では、オフセット制御信号Sdに応じて、出力監視コンパレータ10の入力段にオフセットを与えるか否かを制御する構成を例に挙げて説明を行ったが、本発明の構成はこれに限定されるものではなく、基準電圧Vrefの電圧レベル自体を可変制御する構成としてもよいし、或いは、帰還入力される出力電圧Voutに対してオフセットを与える構成としても構わない。
また、上記実施形態では、制御回路100が一つのLSIに一体集積化される場合について説明したが、これには限定されず、一部の構成要素がLSIの外部にディスクリート素子或いはチップ部品として設けられ、或いは、複数のLSIにより構成されてもよい。どの部分をどの程度集積化するかは、コストや占有面積などによって決めればよい。
また、上記実施形態では、スイッチングトランジスタM1、同期整流用トランジスタM2がいずれもNチャンネルMOSFETの場合について説明したが、PチャンネルMOSFETを用いてもよい。また、MOSFETで示されるトランジスタは、バイポーラトランジスタで置換してもよい。
また、上記実施形態において、ハイレベル、ローレベルの論理値の設定は一例であり、インバータなどによって適宜反転させることにより、自由に変更することが可能である。