JP2009301764A - マイクロ波加熱装置及びマイクロ波加熱方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】マイクロ波加熱装置1は、加熱室12と、マイクロ波7を発生させるマグネトロン13と、加熱室12とマグネトロン13との間を連結する導波管14と、加熱室12内の温度分布を断続的に測定する赤外線サーモグラフィ(温度分布測定手段)15と、加熱室12内の加熱条件を制御する加熱条件制御装置16とを有する。加熱条件制御装置16は、加熱条件データから最適な加熱条件を選択して設定する初期条件設定手段161と、加熱室12内の温度分布が正常状態から外れた場合に、修正用の加熱条件データから加熱室12内の温度分布を正常状態に戻すために最適な加熱条件を選択し、先に設定されていた加熱条件を新たな加熱条件に変更する条件変更手段162とを備えている。
【選択図】図1
Description
例えば、特許文献1では、加熱室内において被処理材を載せたターンテーブルを回転させ、被処理材そのものを回転させることにより、照射されるマイクロ波の電界強度分布の強弱を平均化するマイクロ波加熱装置が提案されている。
すなわち、特許文献1では、被処理材自体に温度分布が生じてしまい、電界強度分布の平均化が十分とは言えなかった。また、特許文献2や特許文献3においても、加熱室内における電界強度分布のばらつきを十分に抑制しているとは言えなかった。
このように、従来の加熱装置や加熱方法では、被処理材をマイクロ波によって均一に加熱し、安定した品質を確保することが困難であった。
マイクロ波を発生させる1又は複数のマグネトロンと、
上記加熱室と上記マグネトロンとの間を連結するよう配設され、該マグネトロンにて発生させたマイクロ波を上記加熱室に導いて照射する導波管と、
上記加熱室内の温度分布を常時又は断続的に測定する温度分布測定手段と、
上記加熱室内の加熱条件を制御する加熱条件制御装置とを有し、
該加熱条件制御装置は、予め取得しておいた加熱条件データから上記加熱室内にセットした上記被処理材を加熱するに当たって最適な加熱条件を選択して設定する初期条件設定手段と、上記温度分布測定手段が測定した上記加熱室内の温度分布が正常状態から外れた場合に、予め取得しておいた修正用の加熱条件データから上記加熱室内の温度分布を正常状態に戻すために最適な加熱条件を選択し、先に設定されていた加熱条件を新たな加熱条件に変更する条件変更手段とを備えていることを特徴とするマイクロ波加熱装置(請求項1)。
そして、加熱中において、上記加熱室内の温度分布が正常状態から外れた場合には、上記加熱条件制御装置の上記条件変更手段によって、予め取得しておいた修正用の加熱条件データから上記加熱室内の温度分布を正常状態に戻すために最適な加熱条件を選択し、先に設定されていた加熱条件を新たな加熱条件に変更することができる。
上記加熱条件制御装置により、予め取得しておいた加熱条件データから上記加熱室内にセットした上記被処理材を加熱するに当たって最適な加熱条件を選択して設定する初期条件設定工程と、
該初期条件設定工程において設定した加熱条件に基づいて上記マグネトロンにてマイクロ波を発生させ、該マイクロ波を上記導波管から上記加熱室に導き、該加熱室内に照射して上記被処理材を加熱すると共に、上記温度分布測定手段により、上記加熱室内の温度分布を常時又は断続的に測定する加熱工程とを有し、
該加熱工程において、上記温度分布測定手段が測定した上記加熱室内の温度分布が正常状態から外れた場合には、上記加熱条件制御装置により、予め取得しておいた修正用の加熱条件データから上記加熱室内の温度分布を正常状態に戻すために最適な加熱条件を選択し、先に設定されていた加熱条件を新たな加熱条件に変更する条件変更工程を行うことを特徴とするマイクロ波加熱方法にある(請求項8)。
そして、上記加熱工程において、上記加熱室内の温度分布が正常状態から外れた場合には、上記加熱条件制御装置により、予め取得しておいた修正用の加熱条件データから上記加熱室内の温度分布を正常状態に戻すために最適な加熱条件を選択し、先に設定されていた加熱条件を新たな加熱条件に変更する条件変更工程を行う。
この場合には、上記出力制御手段によって上記マグネトロンのマイクロ波の出力を制御することにより、加熱条件を精度良く制御することができる。
なお、上記出力制御手段によるマイクロ波の出力の制御は、例えばアナログ的なインバータ制御、最適パルスでのON−OFF照射等によって行うことができる。
この場合には、上記出力制御手段によって上記各マグネトロンにて発生させるマイクロ波の出力を個々に制御することにより、加熱条件をさらに精度良く制御することができる。
また、上記複数のマグネトロンは、上記加熱室の周囲に配置し、該加熱室内を立体的に制御することが好ましい。また、上記マグネトロンを配置は、様々に変更することができる。
この場合には、上記開口出口制御手段によって上記開口出口の位置を制御することにより、上記開口出口から上記加熱室内に導出されるマイクロ波の照射条件を容易に変更することができる。これにより、加熱条件を精度良く制御することができる。
この場合には、上記可動板を動かすことにより、上記開口出口から上記加熱室内に導出されるマイクロ波の照射位置・方向を容易に変更することができる。これにより、加熱条件を容易に精度良く制御することができる。
なお、上記開口出口制御手段による上記開口出口の位置の制御は、上記可動板を例えばサーボモータ、ステッピングモータ等の機構を用いて移動させたり、ピストンピン、θ軸ステージ、カム等の機構を用いて傾きを変えたりすることによって行うことができる。
この場合には、上記マグネトロンにて発生させるマイクロ波の出力を制御することにより、加熱条件を精度良く制御することができる。
この場合には、上記各マグネトロンにて発生させるマイクロ波の出力を個々に制御することにより、加熱条件をさらに精度良く制御することができる。
この場合には、上記開口出口の位置を制御することにより、上記開口出口から上記加熱室内に導出されるマイクロ波の照射条件を容易に変更することができる。これにより、加熱条件を精度良く制御することができる。
この場合には、上記可動板を動かすことにより、上記開口出口から上記加熱室内に導出されるマイクロ波の照射位置・方向を容易に変更することができる。これにより、加熱条件を容易に精度良く制御することができる。
この場合には、上記温度分布測定手段によって上記加熱室内の温度分布を精度良く測定することができる。そのため、測定した温度分布のデータを基に、加熱条件をより一層適切に制御することができる。
すなわち、セラミックス材料は、マイクロ波の吸収特性である誘電損失特性に特有の温度依存性を有するものであり、温度変化も大きいことから、その均一加熱は非常に困難である。例えば、複数の被処理材を同時に一つの炉内で加熱する場合、一つの被処理材の温度が他のものより上がってしまうと、それに伴って誘電損失も大きくなる。この場合、この被処理材のみマイクロ波の吸収が大きくなって結果として急昇温により溶損したり、他の被処理材が加熱不十分になったりすることがある。したがって、本発明は、セラミックス材料に対して特に有効な手段である。
なお、セラミックス材料としては、例えば、PZT系等の圧電素子、DPFやモノリス用のセラミックハニカム構造体、SiC、コージェライト、その他一般的なアルミナ、ジルコニア等が挙げられる。
本発明の実施例にかかるマイクロ波加熱装置について、図を用いて説明する。
本例のマイクロ波加熱装置1は、図1に示すごとく、被処理材8を加熱するための加熱室12と、マイクロ波7を発生させるマグネトロン13と、加熱室12とマグネトロン13との間を連結するよう配設され、マグネトロン13にて発生させたマイクロ波7を加熱室12に導いて照射する導波管14と、加熱室12内の温度分布を断続的に測定する赤外線サーモグラフィ(温度分布測定手段)15と、加熱室12内の加熱条件を制御する加熱条件制御装置16とを有する。
以下、これを詳説する。
また、加熱炉11の外部には、マイクロ波7を発生させるためのマグネトロン13が1基配設されている。マグネトロン13と加熱炉11の加熱室12との間には、マグネトロンにて発生させたマイクロ波7を加熱室12に導入する導波管14が両者の間を連結するように設けられている。
まず、加熱炉11の加熱室12内に配設された設置台111に、所定の大きさの被処理材8(以下、適宜、ワークという)を所定の個数、所定の配列でセットする。このときのワーク8の大きさ、個数、配列等の条件を被処理材条件(以下、適宜、ワーク条件という)とする。
本例のマイクロ波加熱装置1は、加熱条件制御装置16の初期条件設定手段161によって設定した加熱条件に基づいてマグネトロン13にてマイクロ波7を発生させ、マイクロ波7を導波管14から加熱室12に導き、加熱室12内に照射して被処理材8を加熱することができる。また、被処理材8を加熱している間は、赤外線サーモグラフィ15によって加熱室12内の温度分布を経時的に測定することができる。
そして、加熱中において、加熱室12内の温度分布が正常状態から外れた場合には、加熱条件制御装置16の条件変更手段162によって、予め取得しておいた修正用の加熱条件データから加熱室12内の温度分布を正常状態に戻すために最適な加熱条件を選択し、先に設定されていた加熱条件を新たな加熱条件に変更することができる。
本例は、図5に示すごとく、マイクロ波加熱装置1の構成を変更し、マグネトロン13を複数配設すると共に実施例1の可動部19及び開口出口制御手段18を配設しない例である。
本例では、同図に示すごとく、加熱炉11の側面外周には、マイクロ波7を発生させるためのマグネトロン13が6基配設されている。なお、マグネトロン13は、底面側や上面側に配設することもできる。
その他は、実施例1と同様の構成である。
その他は、実施例1と同様の作用効果を有する。
12 加熱室
13 マグネトロン
14 導波管
15 赤外線サーモグラフィ(温度分布測定手段)
16 加熱条件制御装置
161 初期条件設定手段
162 条件変更手段
7 マイクロ波
8 被処理材
Claims (14)
- 被処理材を加熱するための加熱室と、
マイクロ波を発生させる1又は複数のマグネトロンと、
上記加熱室と上記マグネトロンとの間を連結するよう配設され、該マグネトロンにて発生させたマイクロ波を上記加熱室に導いて照射する導波管と、
上記加熱室内の温度分布を常時又は断続的に測定する温度分布測定手段と、
上記加熱室内の加熱条件を制御する加熱条件制御装置とを有し、
該加熱条件制御装置は、予め取得しておいた加熱条件データから上記加熱室内にセットした上記被処理材を加熱するに当たって最適な加熱条件を選択して設定する初期条件設定手段と、上記温度分布測定手段が測定した上記加熱室内の温度分布が正常状態から外れた場合に、予め取得しておいた修正用の加熱条件データから上記加熱室内の温度分布を正常状態に戻すために最適な加熱条件を選択し、先に設定されていた加熱条件を新たな加熱条件に変更する条件変更手段とを備えていることを特徴とするマイクロ波加熱装置。 - 請求項1において、上記マイクロ波加熱装置は、上記マグネトロンにて発生させるマイクロ波の出力を制御する出力制御手段を有し、
該出力制御手段は、上記加熱条件制御装置の上記初期条件設定手段及び上記条件変更手段によって定められた加熱条件に従って、上記マグネトロンのマイクロ波の出力を制御するよう構成されていることを特徴とするマイクロ波加熱装置。 - 請求項2において、上記マイクロ波加熱装置は、上記マグネトロンを複数有しており、
上記出力制御手段は、上記各マグネトロンにて発生させるマイクロ波の出力を個々に制御するよう構成されていることを特徴とするマイクロ波加熱装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項において、上記マイクロ波加熱装置は、上記導波管から上記加熱室内に導出されるマイクロ波が通過する開口出口の位置を制御する開口出口制御手段を有し、
該開口出口制御手段は、上記加熱条件制御装置の上記初期条件設定手段及び上記条件変更手段によって定められた加熱条件に従って、上記開口出口の位置を制御するよう構成されていることを特徴とするマイクロ波加熱装置。 - 請求項4において、上記開口出口は、上記加熱室の壁面に沿って平面方向に移動又は/及び出口方向角度の変更が可能な可動板に設けられていることを特徴とするマイクロ波加熱装置。
- 請求項1〜5のいずれか1項において、上記温度分布測定手段は、赤外線サーモグラフィであることを特徴とするマイクロ波加熱装置。
- 請求項1〜6のいずれか1項において、上記被処理材は、セラミックス材料であることを特徴とするマイクロ波加熱装置。
- 被処理材を加熱するための加熱室と、マイクロ波を発生させる1又は複数のマグネトロンと、上記加熱室と上記マグネトロンとの間を連結するよう配設され、該マグネトロンにより発生させたマイクロ波を上記加熱室に導いて照射する導波管と、上記加熱室内の温度分布を常時又は断続的に測定する温度分布測定手段と、上記加熱室内の加熱条件を制御する加熱条件制御装置とを有するマイクロ波加熱装置を用いて上記被処理材を加熱する方法であって、
上記加熱条件制御装置により、予め取得しておいた加熱条件データから上記加熱室内にセットした上記被処理材を加熱するに当たって最適な加熱条件を選択して設定する初期条件設定工程と、
該初期条件設定工程において設定した加熱条件に基づいて上記マグネトロンにてマイクロ波を発生させ、該マイクロ波を上記導波管から上記加熱室に導き、該加熱室内に照射して上記被処理材を加熱すると共に、上記温度分布測定手段により、上記加熱室内の温度分布を常時又は断続的に測定する加熱工程とを有し、
該加熱工程において、上記温度分布測定手段が測定した上記加熱室内の温度分布が正常状態から外れた場合には、上記加熱条件制御装置により、予め取得しておいた修正用の加熱条件データから上記加熱室内の温度分布を正常状態に戻すために最適な加熱条件を選択し、先に設定されていた加熱条件を新たな加熱条件に変更する条件変更工程を行うことを特徴とするマイクロ波加熱方法。 - 請求項8において、上記加熱工程では、上記加熱条件制御装置によって定められた加熱条件に従って、上記マグネトロンにて発生させるマイクロ波の出力を制御することを特徴とするマイクロ波加熱方法。
- 請求項9において、上記マイクロ波加熱装置は、上記マグネトロンを複数有しており、
上記加熱工程では、上記加熱条件制御装置によって定められた加熱条件に従って、上記各マグネトロンにて発生させるマイクロ波の出力を個々に制御することを特徴とするマイクロ波加熱方法。 - 請求項8〜10のいずれか1項において、上記加熱工程では、上記加熱条件制御装置によって定められた加熱条件に従って、上記導波管から上記加熱室内に導出されるマイクロ波が通過する開口出口の位置を制御することを特徴とするマイクロ波加熱方法。
- 請求項11において、上記開口出口は、上記加熱室の壁面に沿って平面方向に移動又は/及び出口方向角度の変更が可能な可動板に設けられていることを特徴とするマイクロ波加熱方法。
- 請求項8〜12のいずれか1項において、上記温度分布測定手段は、赤外線サーモグラフィであることを特徴とするマイクロ波加熱方法。
- 請求項8〜13のいずれか1項において、上記被処理材は、セラミックス材料であることを特徴とするマイクロ波加熱方法。
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