JP2017162961A - レーザ加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】パルスレーザビームの平均パワーの測定精度の低下を回避し、かつ測定時間の短縮を図ることが可能な測定器を備えたレーザ加工装置を提供する。
【解決手段】レーザ光源から出力されたパルスレーザビームの経路に、減衰量可変のアッテネータが配置されている。吸光部材が、パルスレーザビームを受光して発熱する。ステージに加工対象物が保持される。レーザ光源から出力されたパルスレーザビームが加工対象物に入射する状態と、吸光部材に入射する状態とが、切替器によって切り替えられる。温度センサが吸光部材の温度を測定する。制御装置が、レーザ光源からパルスレーザビームを出力させ、パルスレーザビームが吸光部材に入射するように切替器の状態を切り替える。その後、吸光部材の温度が空間的に均一になった状態における温度センサの測定値に基づいて、アッテネータの減衰量を調整する。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体ウエハに注入されたドーパントの活性化アニールに適したレーザ加工装置に関する。
シリコン等の半導体ウエハに注入したドーパントを活性化する方法として、レーザアニールが適用される場合がある(特許文献1)。パルスレーザビームを用いてレーザアニールを行う際には、半導体ウエハの加熱温度及び加熱深さを調整するために、パルス幅及びパルスエネルギを目標とする値に制御することが望まれる。半導体ウエハの表面におけるパルスエネルギを測定するために、パワーメータが用いられる。パワーメータは、ある時間幅におけるパルスレーザビームの平均パワーを測定することができる。測定された平均パワーと、パルスの繰り返し周波数とから、パルスエネルギが算出される。
特開2014−192277号公報
一般的なサーモパイル方式のパワーメータの測定原理について簡単に説明する。板状のレーザ吸収体の中心部にレーザビームが入射し、中心部の温度が上昇する。中心部と外周部との温度差を熱電対で測定することにより、レーザビームの平均パワーを求めることができる。
レーザ吸収体にレーザビームが入射し始めた時点では、中心部の温度が上昇しても、外周部の温度が上昇していないため、両者の間に大きな温度差が生じる。レーザビームの入射が継続すると、レーザ吸収体の中心部から外周部に熱が伝搬することにより、中心部と外周部との温度差が小さくなる。従って、サーモパイル方式のパワーメータの出力信号は、レーザビームの入射の開始によって上昇し、ある時点で極大値を示す。その後、時間の経過とともに緩やかに低下する。レーザ吸収体の温度分布が定常状態に達すると、パワーメータの出力信号が一定値に落ち着く。
パルスレーザビームの平均パワーを高精度に測定するためには、パワーメータの出力信号が安定するまで待つことが好ましい。言い換えると、パワーメータのレーザ吸収体の中心部から外周部まで熱が伝搬して、定常状態になるまで待つことが好ましい。定常状態になる前のパワーメータからの出力信号から平均パワーを求めると、測定精度が低下してしまう。
本発明の目的は、パルスレーザビームの平均パワーの測定精度の低下を回避し、かつ測定時間の短縮を図ることが可能な測定器を備えたレーザ加工装置を提供することである。
本発明の一観点によると、
パルスレーザビームを出力するレーザ光源と、
前記レーザ光源から出力されたパルスレーザビームの経路に配置され、パルスレーザビームの光強度を減衰させる減衰量可変のアッテネータと、
パルスレーザビームを受光して発熱する吸光部材と、
加工対象物を保持するステージと、
前記レーザ光源から出力されたパルスレーザビームが前記ステージに保持された加工対象物に入射する状態と、前記吸光部材に入射する状態とを切り替える切替器と、
前記吸光部材の温度を測定する温度センサと、
前記レーザ光源からのパルスレーザビームの出力タイミング、前記アッテネータの減衰量、前記切替器の状態を制御する制御装置と
を有し、
前記制御装置は、前記レーザ光源からパルスレーザビームを出力させ、パルスレーザビームが前記吸光部材に入射するように前記切替器の状態を切り替え、前記吸光部材の温度が空間的に均一になった状態における前記温度センサの測定値に基づいて、前記アッテネータの減衰量を調整するレーザ加工装置が提供される。
吸光部材の温度が均一になった時点の温度に基づいて、パルスレーザビームの平均パワーを算出することができる。吸光部材内のパルスレーザビームが入射する吸熱部から、外周の低温部まで熱が伝搬して定常状態に達するまでの時間より短い時間で、吸光部材の温度が定常状態に達する。このため、測定精度を低下させることなく、測定時間を短縮することができる。
図1は、実施例によるレーザ加工装置の概略図である。 図2Aは、実施例によるレーザ加工装置に用いられている吸光部材の斜視図であり、図2Bは、吸光部材にパルスレーザビームが入射したときの温度の時間変化の一例を示すグラフである。 図3Aは、一般的なサーモパイル方式のパワーメータの吸光部材の正面図であり、図3Bは、パワーメータにパルスレーザビームが入射したときに、パワーメータの熱電対から出力される電気信号の時間変化の一例を示すグラフである。 図4は、実施例によるレーザ加工装置の制御装置が実行するアッテネータの減衰量の調整処理を示すフローチャートである。 図5A及び図5Bは、それぞれ他の実施例、及びその変形例によるレーザ加工装置で用いられる吸光部材の概略図である。
図1に、実施例によるレーザ加工装置の概略図を示す。レーザ光源10が、制御装置50からの発振指令信号S0を受けて、パルスレーザビームを出力する。レーザ光源10には、例えばレーザダイオードが用いられる。レーザダイオードは、例えば波長808nmの擬似連続発振(QCW)レーザビームを出力する。
レーザ光源10から出力されたパルスレーザビームの経路に、減衰量可変のアッテネータ11が配置されている。アッテネータ11は、パルスレーザビームの光強度を減衰させる。アッテネータ11の減衰量は、制御装置50からの減衰量指令信号S1によって指令される。アッテネータ11を透過したパルスレーザビームが、ビームホモジナイザ12、折り返しミラー13、及び対物レンズ14を経由して、加工チャンバ15内に導入される。
加工チャンバ15の中にステージ20が配置されている。ステージ20の上に、加工対象物30が保持される。加工対象物30は、例えばドーパントがイオン注入されている半導体ウエハである。ステージ20は、制御装置50から制御されることにより、加工対象物30を、その表面に平行な二次元方向に移動させる。
パルスレーザビームは、加工チャンバ15の上方の壁面に設けられた入射窓16を通って、加工チャンバ15内に導入される。ステージ20が加工対象物30を移動させることにより、加工対象物30の表面上を、パルスレーザビームの入射位置が移動する。パルスレーザビームの入射位置の主走査方向への移動と、副走査方向への移動とを繰り返すことにより、加工対象物30の表面の全域をアニールすることができる。
ビームホモジナイザ12と対物レンズ14とは、加工対象物30の表面におけるパルスレーザビームの断面形状を長尺化するとともに、長さ方向及び幅方向に関するビームプロファイルを均一化する。ステージ20の側面に、ミラー21が取付けられている。図1では、加工チャンバ15内に導入されたパルスレーザビームがミラー21に入射している状態を示している。
ミラー21に入射したパルスレーザビームは、ミラー21によって水平方向に反射される。ミラー21で反射されたパルスレーザビームは、加工チャンバ15の側壁に設けられた窓17を通って、加工チャンバ15の外に配置された吸光部材40に入射する。吸光部材40は、パルスレーザビームを受光して発熱する。
ミラー21から吸光部材40までのパルスレーザビームの経路にレンズ22が配置されている。レンズ22は、吸光部材40の表面におけるパルスレーザビームのビーム断面の大きさを調整する。例えば、ビーム断面が小さすぎると、吸光部材40が局所的に過度に加熱されて、損傷を受けやすい。逆に、ビーム断面が大きくなりすぎて、吸光部材40によってケラレが生じると、パルスレーザビームのパワーの測定精度が低下してしまう。温度センサ41が吸光部材40の温度を測定する。温度センサ41から出力される測定値に対応した電気信号S3が制御装置50に入力される。
ステージ20及びミラー21は、制御装置50からの制御信号S5を受けて、レーザ光源10から出力されたパルスレーザビームがステージ20に保持された加工対象物30に入射する状態(加工状態)と、吸光部材40に入射する状態(モニタ状態)とを切り替える。ステージ20及びミラー21を、切替器23ということとする。
レーザ光源10とアッテネータ11との間のパルスレーザビームの経路に、分岐装置18が配置されている。分岐装置18は、制御装置50からの切替信号S2を受けて、パルスレーザビームがアッテネータ11に入射する状態(加工状態)と、パワーメータ45に入射する状態(待機状態)とを切り替える。パワーメータ45は、入射するパルスレーザビームのパワーに応じた電気信号S4を出力する。電気信号S4は、制御装置50に入力される。パワーメータ45には、例えばサーモパイル方式のものを用いることができる。
制御装置50は、レーザ光源10からのパルスレーザビームの出力タイミング、アッテネータ11の減衰量、切替器23の状態、及び分岐装置18の状態を制御する。
図2Aに、吸光部材40(図1)の斜視図を示す。吸光部材40は、矩形、円形等の板状の外形を有し、複数のワイヤ42により支持されている。加工チャンバ15(図1)に対する吸光部材40の相対位置、言い換えると、ミラー21で反射されたパルスレーザビームの経路43に対する吸光部材40の相対位置が固定されている。温度センサ41が吸光部材40に熱的に結合している。温度センサ41から出力される電気信号S3が制御装置50に入力される。
図2Bに、吸光部材40へのパルスレーザビームの入射開始時点からの温度の時間変化のグラフの一例を示す。横軸は、パルスレーザビームの入射開始時点からの経過時間を表し、縦軸は温度を表す。図2Bの実線及び破線は、それぞれ吸光部材40の平均温度Tav、最高温度Tmax、及び最低温度Tminを示す。通常は、吸光部材40の前面のほぼ中心の温度が最高温度Tmaxになり、最外周部の温度が最低温度Tminになる。
パルスレーザビームの入射時点からある時間が経過した時点(時刻t1)において、吸光部材40の温度が均一になり、平均温度Tav、最高温度Tmax、及び最低温度Tminが全て一致する。さらに時間が経過すると、吸光部材40への入熱量と放熱量とが釣り合う(時刻t2)。吸光部材40への入熱量と放熱量とが釣り合った時点よりも後は、平均温度Tavはほぼ一定になる。
平均温度Tavが一定になるまでの時間を短くするために、吸光部材40の熱容量を小さくすることが好ましい。一例として、吸光部材40の外形を薄板状とし、平面形状を、ビーム断面の形状とほぼ等しくすることが好ましい。また、吸光部材40に、比熱が小さい材料を用いることが好ましい。さらに、吸光部材40の温度が均一になるまでの時間(時刻t1までの時間)を短くするために、吸光部材40の材料として、熱伝導率が高いものを用いることが好ましい。
吸光部材40の温度が均一になるまでの時間を短くするために、吸光部材40の前面(パルスレーザビームが入射する面)のうち、パルスレーザビームの入射領域の比率を大きくすることが好ましい。例えば、パルスレーザビームの入射領域の面積を、前面の面積の80%以上にすることが好ましい。
図3Aに、一般的なサーモパイル方式のパワーメータ45(図1)の吸光部材46の正面図を示す。吸光部材46は、例えば円盤状の外形を有する。吸光部材46の中心を含む吸光領域48に、パルスレーザビームが入射する。吸光領域48と、外周部の低温部49との間に温度差が生じる。この温度差が、熱電対47によって電気信号に変換される。熱電対47の2種の金属の複数の接合点が、内側の円周60及び外側の円周61に沿って配置される。熱電対47から取り出された電気信号S4が制御装置50に入力される。
図3Bに、パワーメータ45の熱電対47から出力される電気信号S4の時間変化の一例のグラフを示す。横軸は、パルスレーザビームの入射時点からの経過時間を表し、縦軸は電気信号S4の大きさを表す。パルスレーザビームの入射が開始されると、吸光部材46の吸光領域48の温度が上昇し始める。このため、吸光領域48と低温部49との温度差が大きくなる。この温度差に依存して、電気信号S4の値が上昇する。
さらに時間が経過すると、吸光領域48から低温部49に熱が伝わることにより、両者の温度差が小さくなる。その結果、電気信号S4の値は、ある時刻t5において極大値を示し、その後、徐々に低下する。吸光領域48への入熱量と、低温部49からの放熱量とが釣り合った時点(時刻t6)より後は、電気信号S4の値はほぼ一定になる。時刻t6以降の電気信号S4の値T2から、吸光部材46への入熱量、言い換えるとパワーレーザビームの平均パワーを求めることができる。
図4に、制御装置50が実行するアッテネータ11の減衰量の調整処理のフローチャートを示す。
制御装置50がレーザ光源10に発振指令信号S0を送出すると、レーザ光源10から、指令された繰り返し周波数でパルスレーザビームが出力される。
ステップST1において、出力測定モードを判定する。出力測定モードには、「出口出力測定モード」と、「加工面出力測定モード」とが含まれる。出力測定モードが「出口出力測定モード」に設定されているとき、分岐装置18(図1)が待機状態にされる。出力測定モードが「加工面出力測定モード」に設定されているとき、分岐装置18が加工状態にされ、切替器23(図1)がモニタ状態にされる。
レーザ光源10からのパルスレーザビームの出力が開始された時点では、出力測定モードが「出口出力測定モード」にされている。出力測定モードが「出口出力測定モード」である場合、ステップST2において、パルスレーザビームがパワーメータ45(図1)に入射する。ステップST3において、制御装置50がパワーメータ45から、温度の測定値に相当する電気信号S4を取得する。
ステップST4において、温度の測定値(電気信号S4の大きさ)が定常状態に達したか否かを判定する。例えば、図3Bに示したグラフにおいて、パルスレーザビームの入射開始時点からの経過時間が判定下限値LLTを超え、かつ電気信号S4の時間変化の傾きが基準値以下になったら、温度の測定値が定常状態になったと判定される。経過時間の判定下限値LLTは、パワーメータ45の特性に応じて事前に設定されている。
温度の測定値が定常状態に達していない場合には、定常状態に達するまでステップST3からステップST4までの処理を繰り返す。温度の測定値が定常状態に達した場合には、「出口出力測定モード」の処理を終了する。制御装置50は、定常状態の測定値に基づいて、レーザ光源10から出力されているパルスレーザビームの平均パワーを算出することができる。算出された平均パワーが許容範囲内であれば、オペレータは、出力測定モードを「加工面出力測定モード」に切り替える。算出された平均パワーが許容範囲から外れている場合は、制御装置50が警告メッセージを出力する。警告メッセージが出力されると、オペレータまたはメンテナンス要員が、レーザ光源10のメンテナンスを行う。
ステップST1において出力測定モードが「加工面出力測定モード」であると判定された場合には、ステップST5において、制御装置50が分岐装置18(図1)の状態を加工状態に設定する。この時点で、ステージ20及びミラー21からなる切替器23の状態はモニタ状態にされている。分岐装置18の状態が加工状態になると、パルスレーザビームが吸光部材40に入射する。
ステップST6において、制御装置50がアッテネータ11の減衰量を調整する。当初は、減衰量を予め決められた初期値に設定する。ステップST7において、吸光部材40の温度が均一になるまで待機した後、温度センサ41から吸光部材40の温度の測定値を取得する。吸光部材40の温度が均一になるまでの待機時間(図2Bにおいてパルスレーザビームの入射開始時点から時刻t1までの時間)は、制御装置50に予め記憶されている。この待機時間は、種々の平均パワーのパルスレーザビームを吸光部材40に入射させる評価実験を行うことにより、決定することができる。
ステップST8において、制御装置50は、吸光部材40の温度の測定値が定常状態に達したか否かを判定する。例えば、温度の測定値の時間変化の傾きが基準値以下になった場合(図2Bの時刻t2)に、温度の測定値が定常状態に達したと判定される。温度の測定値が定常状態に達していない場合には、定常状態に達するまでステップST7からステップST8までの処理を繰り返す。
吸光部材40の温度の測定値が定常状態に達すると、ステップST9において、定常状態に達したときの温度の測定値から算出されるパルスレーザビームの平均パワーが許容範囲内か否かを判定する。
以下、温度の測定値からパルスレーザビームの平均パワーを求める方法について説明する。吸光部材40の位置に校正済のパワーメータを配置して、パルスレーザビームの平均パワーを測定する。その後、このパルスレーザビームを吸光部材40に入射させて、吸光部材40の温度を測定する。種々の平均パワーのパルスレーザビームを用いてこの評価実験を繰り返すことにより、温度の測定値と、パルスレーザビームの平均パワーとの対応関係を得ることができる。この対応関係を、予め制御装置50に記憶させておく。制御装置50は、この対応関係と、温度センサ41の測定値とに基づいて、パルスレーザビームの平均パワーを算出することができる。
ステップST9において、算出された平均パワーが許容範囲から外れていると判定された場合には、ステップST6からステップST9までの処理を再度実行する。ステップST6においては、吸光部材40に入射するパルスレーザビームの平均パワーが許容範囲に収まるように、アッテネータ11の減衰量が調整される。減衰量の変化量は、例えば算出された平均パワーと、許容範囲の中心値との差から求めることができる。
パルスレーザビームの平均パワーの許容値を制御装置50に記憶させておく代わりに、温度センサ41から出力された電気信号S3の大きさ、すなわち吸光部材40の温度の測定値の許容範囲を記憶させておいてもよい。この場合には、温度の測定値をパルスレーザビームの平均パワーに換算することなく、ステップST9の判定を行うことができる。
ステップST9で温度の測定値から算出されるパルスレーザビームの平均パワーが許容範囲に収まっていると判定された場合には、平均パワーの測定を終了して、レーザ加工を開始する。
次に、上記実施例の優れた効果について説明する。一般的なサーモパイル方式のパワーメータでは、図3Aに示したように、吸光部材46内の高温部と低温部との温度差に基づいて、パルスレーザビームの平均パワーを求める。このため、高温部から低温部に熱が伝搬し、吸光部材46の温度分布が定常状態に到達するまで、平均パワーの算出処理の開始を待たなければならない。吸光部材40の温度分布が定常状態に到達する前の測定結果に基づいて、パルスレーザビームの平均パワーを求める場合には、測定精度が低下してしまう。
これに対し、図2Aに示した吸光部材40を用いる方法では、吸光部材40の温度が空間的に均一になった時点の平均温度に基づいて、パルスレーザビームの平均パワーを求める。図3Aに示した低温部49を設ける必要が無いため、吸光部材40の体積を小さくすることができる。その結果、吸光部材40の熱容量も小さくすることができる。吸光部材40の熱容量が小さくなると、より短い時間で吸光部材40の温度が定常状態に到達する。このため、測定精度を低下させることなく、加工面におけるパルスレーザビームの平均パワーを測定するための所要時間を短縮することができる。
次に、図5A及び図5Bを参照して、他の実施例について説明する。以下、図1〜図4に示した実施例との相違点について説明し、共通の構成については説明を省略する。図1〜図4に示した実施例では、吸光部材40に入射したパルスレーザビームのほぼ全ての光エネルギが吸光部材40に吸収された。以下に説明する実施例では、パルスレーザビームの光エネルギの一部が吸光部材40に吸収される。
図5Aに、本実施例によるレーザ加工装置で用いられる吸光部材40の概略図を示す。測定対象のパルスレーザビームの経路43が、吸光部材40の表面に対して傾いている。吸光部材40は、入射したパルスレーザビームの一部のエネルギを吸収し、残りのエネルギを反射する。吸光部材40で反射したパルスレーザビームは、ビームダンパ44に入射する。
図5Bに、図5Aに示した実施例の変形例によるレーザ加工装置で用いられる吸光部材40の概略図を示す。パルスレーザビームの経路43に部分反射鏡65が配置されている。部分反射鏡65は、パルスレーザビームの一部のエネルギを吸光部材40に向かわせ、残りのエネルギをビームダンパ44に向かわせる。
図5A及び図5Bに示した実施例では、図1〜図4に示した実施例と比べて、吸光部材40に入射するパルスレーザビームの平均パワーが低下する。パルスレーザビームの平均パワーが大きい場合には、吸光部材40の過度の温度上昇を回避するために、吸光部材40をある程度の大きさにしなければならない。図5A及び図5Bに示した実施例では、吸光部材40に入射するパルスレーザビームの平均パワーが弱められているため、吸光部材40の体積を小さくすることができる。吸光部材40が小さくなると、温度が均一になるまでの時間が短くなる。このため、ステップST7(図4)において、均一温度になるまでの待機時間を短縮することができる。
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
10 レーザ光源
11 アッテネータ
12 ビームホモジナイザ
13 折り返しミラー
14 対物レンズ
15 加工チャンバ
16 入射窓
17 窓
18 分岐装置
20 ステージ
21 ミラー
22 レンズ
23 切替器
30 加工対象物
40 吸光部材
41 温度センサ
42 ワイヤ
43 パルスレーザビームの経路
44 ビームダンパ
45 パワーメータ
46 パワーメータの吸光部材
47 熱電対
48 吸光領域
49 低温部
50 制御装置
60 内側の円周
61 外側の円周
65 部分反射鏡
LLT 判定下限値
S0 発振指令信号
S1 減衰量指令信号
S2 切替信号
S3、S4 電気信号
S5 制御信号
Tav 平均温度
Tmax 最高温度
Tmin 最低温度

Claims (5)

  1. パルスレーザビームを出力するレーザ光源と、
    前記レーザ光源から出力されたパルスレーザビームの経路に配置され、パルスレーザビームの光強度を減衰させる減衰量可変のアッテネータと、
    パルスレーザビームを受光して発熱する吸光部材と、
    加工対象物を保持するステージと、
    前記レーザ光源から出力されたパルスレーザビームが前記ステージに保持された加工対象物に入射する状態と、前記吸光部材に入射する状態とを切り替える切替器と、
    前記吸光部材の温度を測定する温度センサと、
    前記レーザ光源からのパルスレーザビームの出力タイミング、前記アッテネータの減衰量、前記切替器の状態を制御する制御装置と
    を有し、
    前記制御装置は、前記レーザ光源からパルスレーザビームを出力させ、パルスレーザビームが前記吸光部材に入射するように前記切替器の状態を切り替え、前記吸光部材の温度が空間的に均一になった状態における前記温度センサの測定値に基づいて、前記アッテネータの減衰量を調整するレーザ加工装置。
  2. 前記切替器から前記吸光部材までのパルスレーザビームの経路に配置され、パルスレーザビームの一部のエネルギを前記吸光部材に向かわせ、残りのエネルギをビームダンパに向かわせる部分反射鏡を有する請求項1に記載のレーザ加工装置。
  3. 前記吸光部材は、入射したパルスレーザビームの一部のエネルギを吸収し、残りのエネルギを反射し、
    前記吸光部材で反射されたパルスレーザビームが入射する位置に配置されたビームダンパを、さらに有する請求項1に記載のレーザ加工装置。
  4. 前記制御装置は、前記温度センサの前記測定値の時間変化の傾きが、基準値以下になった時点の前記測定値に基づいて、前記アッテネータの減衰量を調整する請求項1乃至3のいずれかのレーザ加工装置。
  5. 前記制御装置は、前記吸光部材に入射するパルスレーザビームの平均パワーが許容範囲に収まるように、前記アッテネータの減衰量を調整する請求項1乃至4のいずれか1項に記載のレーザ加工装置。
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CN112872703A (zh) * 2021-02-21 2021-06-01 维格斯(上海)流体技术有限公司 一种自保护管件焊接的脉冲能量控制方法

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