JP5590925B2 - 半導体装置の製造方法及びレーザアニール装置 - Google Patents

半導体装置の製造方法及びレーザアニール装置 Download PDF

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Description

本発明は、照射対象物にレーザビームを照射してアニールする工程を含む半導体装置の製造方法、及びレーザアニール装置に関する。
絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)の製造工程において、ゲート電極やエミッタが形成された表面(第1の表面)とは反対側の表面(第2の表面)にコレクタが形成される。半導体ウエハの第2の表面にレーザビームを照射することにより、コレクタに注入された不純物を活性化することができる。
半導体ウエハの深部に注入した不純物を活性化するために、波長690nm〜900nm、照射時間10μs〜100μs、パワー密度250kW/cm〜750kW/cmの条件でレーザアニールを行う方法が公知である(特許文献1)。連続発振のレーザ光源を用い、半導体ウエハの表面のビームスポットサイズを制御することにより、レーザビームの照射時間を制御する方法が公知である(特許文献2)。
特開2006−351659号公報 特許第4117020号公報
IGBTのコレクタに注入された不純物の活性化を行う場合、半導体ウエハの表面を溶融させることなく、なるべく深い領域まで活性化させることが好ましい。また、ゲート電極等が形成された表面(レーザ照射されている表面とは反対側の表面)の過度の温度上昇を抑制することが好ましい。従来のレーザアニール方法では、この両方の要請に十分応えることができない。
本発明の目的は、照射対象物の背面の過度の温度上昇を抑制し、かつ深い領域まで活性化させるのに適した半導体装置の製造方法、及びレーザアニール装置を提供することである。
本発明の一観点によると、
不純物が注入された半導体ウエハからなる照射対象物の表面へのレーザビームの入射を開始する工程と、
前記レーザビームが前記照射対象物に入射している期間に、前記レーザビームが入射している領域の表面温度に依存する物理量である前記照射対象物の表面からの反射光の強度または黒体放射強度を測定する工程と、
測定された前記物理量に基づいて、前記レーザビームの照射を停止するか否かの判定を行う工程と、
前記レーザビームの照射を停止すると判定された場合には、前記レーザビームの照射を停止した後、ある待機時間経過後に、該レーザビームの照射を再開し、前記レーザビームの照射を停止させないと判定された場合には、前記レーザビームの照射を継続することにより前記不純物の活性化を行う工程と
を有する半導体装置の製造方法が提供される。
本発明の他の観点によると、
レーザビームを出射するレーザ光源と、
前記レーザ光源から出射したレーザビームが入射する位置に、不純物が注入された半導体ウエハからなる照射対象物を保持するステージと、
前記レーザ光源から出射したレーザビームが前記ステージに保持された照射対象物まで到達する状態と、到達しないように該レーザビームを遮断する状態とを切り替える遮断装置と、
前記照射対象物のうち前記レーザビームが入射している位置の表面温度に依存する物理量である前記照射対象物の表面からの反射光の強度または黒体放射強度を測定する測定装置と
を有し、
前記遮断装置は、
前記測定装置による前記物理量の測定結果に基づいて、前記レーザビームの照射を停止するか否かの判定を行い、
前記レーザビームの照射を停止すると判定した場合には、前記レーザビームを遮断した後、ある待機時間経過後に、該レーザビームの照射を再開し、前記レーザビームの照射を停止させないと判定した場合には、前記レーザビームの照射を継続する不純物活性化レーザアニール装置が提供される。
レーザビームの照射を停止させることにより、照射対象物の表面温度の過度の上昇を抑制することができる。また、待機時間経過後にレーザ照射を再開させることにより、熱エネルギを深い領域まで到達させることができる。
実施例1によるレーザアニール装置の概略図である。 照射対象物の表面温度が1673Kになるまでの照射時間と、パワー密度との関係のシミュレーション結果を示すグラフである。 照射対象物の表面温度が1673Kになるまでレーザ照射を行ったときの深さ3μmの位置の最高到達温度と、パワー密度との関係をシミュレーションにより求めた結果を示すグラフである。 照射対象物の表面温度が1673Kになるまでレーザ照射を行ったときの背面の温度と、経過時間との関係をシミュレーションにより求めた結果を示すグラフである。 実施例1によるレーザアニール方法を示すフローチャートである。 実施例1による方法でレーザ照射を行った場合の温度変化のシミュレーション結果を示すグラフである。 実施例2によるレーザアニール装置の概略図である。 実施例2によるレーザアニール方法を示すフローチャートである。 実施例2による方法でレーザ照射を行った場合の温度変化のシミュレーション結果を示すグラフである。 実施例3によるレーザアニール方法を示すフローチャートである。 (11A)及び(11B)は、アニール用レーザビームのビームスポットと参照用レーザビームのビームスポットとの位置関係を示す平面図であり、(11C)は、その他の例を示す平面図である。 実施例3による方法でレーザ照射を行った場合の温度変化のシミュレーション結果を示すグラフである。 パワー密度と走査速度との関係を示すグラフである。 IGBTの断面図である。
[実施例1]
図1に、実施例1によるレーザアニール装置の概略図を示す。レーザ光源10が、連続発振レーザビームを出射する。レーザ光源10には、例えば半導体レーザが用いられる。その発振波長は、例えば808nmである。なお、発振波長が650nm〜850nmの範囲内の半導体レーザを用いてもよい。ステージ35に照射対象物60が保持されている。照射対象物60は、例えば不純物が注入された後、活性化アニールを行う前のシリコンウエハである。照射対象物60にレーザビームが入射することにより、レーザアニールが行われる。レーザ光源10から出射するレーザビームを、「アニール用レーザビーム」ということとする。
レーザ光源10から出射したレーザビームが、遮断装置20、ビーム整形光学系25、均一化光学素子26、折り返しミラー30、レンズ31を経由して、照射対象物60に入射する。
遮断装置20は、制御装置21、電気光学素子22、ビームスプリッタ23、及びビームダンパ24を含む。レーザ光源10から出射したレーザビームが電気光学素子22を経由して、ビームスプリッタ23に入射する。電気光学素子22として、例えばポッケルスセルが用いられる。ビームスプリッタ23は、入射したレーザビームのP成分を透過させ、S成分を反射する。ビームスプリッタ23で反射されたレーザビームは、ビームダンパ24に入射する。ビームスプリッタ23を透過したレーザビームは、遮断装置20から出射し、ビーム整形光学系25に入射する。
制御装置21は、電気光学素子22を制御してレーザビームの偏光方向を変化させ、ビームスプリッタ23に対してS成分のみの状態と、P成分のみの状態とを切り替えることができる。レーザビームがS成分のみとされた状態では、レーザビームがビームダンパ24に入射する遮断状態となる。レーザビームがP成分のみとされた状態では、レーザビームがビーム整形光学系25に入射する透過状態となる。電気光学素子22及びビームスプリッタ23に代えて、音響光学素子(AOM)を用いてもよい。
ビーム整形光学系25は、レーザビームのビーム断面を整形する。ビーム整形光学系25には、例えばビームエキスパンダが用いられる。ビーム整形光学系25でビーム断面を整形されたレーザビームが、均一化光学素子26に入射する。均一化光学素子26は、レーザビームのビーム断面内の光強度分布を均一化する。均一化光学素子26には、例えば回折光学素子(DOE)、アレイレンズ、フライアイレンズ等が用いられる。
均一化光学素子26を透過したレーザビームが、折り返しミラー30で反射され、レンズ31を経由して照射対象物60に入射する。照射対象物60に入射するレーザビームの中心光線は、照射対象物60の表面に対して垂直である。均一化光学素子26、レンズ31、及びステージ35は、ステージ35に保持された照射対象物60の表面において光強度分布が均一になるように、レーザビームの進行方向に関する位置が調整されている。
参照光光源40が、参照用のレーザビームを出射する。参照光光源40には、例えば波長633nmのHeNeレーザが用いられる。なお、発振波長が可視光の波長域または波長1μm以下の近赤外域のレーザを用いてもよい。参照用のレーザビームは、折り返しミラー41で反射され、照射対象物60に斜め入射する。照射対象物60の表面における参照用レーザビームのビームスポットは、アニール用レーザビームのビームスポットに内包されるか、または部分的に重なる。両者のビームスポットの好ましい位置関係については、後に説明する。
照射対象物60に入射した参照用レーザビームの一部は、照射対象物60の表面で反射し、折り返しミラー42で反射されて参照光検出器43に入射する。参照光検出器43には、例えばフォトダイオードが用いられる。参照光検出器43で検出された反射光の強度データが、制御装置21に入力される。
照射対象物60の表面のうち、アニール用レーザビームのビームスポット内の特定の位置からの黒体放射光の一部が、集光レンズ50で集光され、黒体放射検出器51に入射する。黒体放射検出器51で検出された黒体放射強度データが制御装置21に入力される。制御装置21は、反射光の強度データ及び黒体放射強度データの少なくとも一方のデータに基づいて、電気光学素子22を制御する。
黒体放射は、照射対象物60の表面から、立体角2πステラジアンの空間に放射されるため、集光レンズ50に入射する黒体放射光は少ない。従って、黒体放射検出器51として、アバランシェフォトダイオード(APD)や、光電子増倍管(PMT)等の増倍機能を持った検出器を用いることが好ましい。また、アニール用レーザビームの散乱光の影響を受けないようにするために、黒体放射検出器51を暗室内に配置し、黒体放射光を光ファイバで暗室内の黒体放射検出器51まで伝送することが好ましい。
走査機構36が、ステージ35を、照射対象物60の表面に平行なX軸方向及びY軸方向に移動させる。アニール用レーザビームを照射しながらステージ35を移動させることにより、照射対象物60の表面をレーザビームで走査することができる。例えば、X軸方向及びY軸方向を、それぞれ主走査方向及び副走査方向とする。
次に、図2〜図4を参照して、半導体ウエハ、例えばシリコンウエハの活性化アニールを行う際の好ましいアニール条件について説明する。シリコンの融点は1687Kである。IGBTのコレクタのアニールを行う場合には、ゲート電極やエミッタ等が形成されている表側の温度が過度に上昇せず、かつ、背面からなるべく深い位置まで活性化される条件でアニールを行うことが好ましい。
エキシマレーザ等の紫外域のレーザは、半導体ウエハの極表面で吸収されてしまうため、深い位置まで活性化させるアニールには適さない。また、遠赤外域の波長になると、半導体ウエハによる吸収係数が低くなるため、アニールには適さない。IGBTのコレクタの活性化アニールには、波長650nm〜850nmのレーザを用いることが好ましい。
図2に、半導体ウエハの表面におけるレーザビームのパワー密度と、表面温度が、半導体ウエハの融点よりもやや低い1673Kまで上昇するまでの照射時間との関係のシミュレーション結果を示す。横軸はパワー密度を単位「kW/cm」で表し、縦軸は照射時間を単位「μs」で表す。レーザビームの波長は800nmとし、半導体ウエハの材料はシリコンとした。パワー密度が高くなるに従って、表面温度が1673Kに達するまでの照射時間が短くなっている。
図3に、図2のシミュレーションにおいて、レーザ照射側の表面から深さ3μmの位置の最高到達温度を示す。横軸は、パワー密度を単位「kW/cm」で表し、縦軸は、最高到達温度を単位「K」で表す。いずれの照射条件においても、表面の最高到達温度は1673Kであるが、深さ3μmの位置の最高到達温度はパワー密度に依存してばらつくことがわかる。パワー密度が高くなるに従って、最高到達温度は低くなる傾向を示している。
図2に示したように、パワー密度が高くなると、照射時間が短くなることから、半導体ウエハ表面の極近傍が急激に加熱される。これにより、半導体ウエハ内部の温度上昇幅は小さくなり、温度が高く保持される時間が短くなる。パワー密度が高くなると、表面が非溶融であるという条件下で、深い領域の不純物の活性化を行うことが困難であることがわかる。
図4に、レーザ照射開始からの経過時間と、半導体ウエハの背面(レーザ照射している表面とは反対側の表面)の温度との関係のシミュレーション結果を示す。横軸は経過時間を単位「μs」で表し、縦軸は背面の温度を単位「K」で表す。各曲線に付した数値は、半導体ウエハの表面におけるレーザビームのパワー密度を示す。なお、半導体ウエハの表面温度が1673Kになった時点でレーザ照射を停止させた。また、境界条件として、半導体ウエハの厚さを100μmとし、背面を断熱状態とした。
パワー密度が低くなる従って、半導体ウエハの背面の到達温度は高くなる。これは、パワー密度が低くなると、図2に示したように照射時間が長くなることによって、半導体ウエハへの総投入エネルギが大きくなるためである。
活性化深さを深くするには、高温で長時間のアニールを行うことが求められる。高温で長時間のアニールを行うためには、図2及び図3の結果から、パワー密度を低くすることが好ましい。ところが、図4に示したように、パワー密度を低くすると、半導体ウエハの背面温度の上昇が大きくなってしまう。半導体ウエハの背面、すなわちIGBTの表面側の構成により、レーザアニール時に許容される温度上昇幅が制約される。許容される温度上昇幅が大きい場合には、低いパワー密度でレーザアニールを行うことにより、深い領域の不純物の活性化を行うことができる。
一方、許容される温度上昇幅が小さい場合には、高いパワー密度でアニールすることが必要となり、活性化深さを深くすることが困難になる。図4に示したように、パワー密度が150kW/cmを下回ると、半導体ウエハの背面温度の上昇幅が大きくなりすぎる。従って、パワー密度は150kW/cm以上にすることが好ましいことがわかる。
パワー密度の好適値の上限は、活性化深さの目標値に依存する。パワー密度が1MW/cmを超えると、パルスレーザを用いたアニール方法の場合と同程度のオーダになり、非溶融の条件で活性化を行うことが困難になる。従って、パワー密度は1MW/cm以下にすることが好ましい。
また、一般的に、半導体ウエハの背面の最高到達温度は600K以下にすることが望まれる。このため、図4のシミュレーション結果から、パワー密度を250kW/cm以上にすることが好ましい。また、活性化深さの目標値を3μm程度にする場合には、深さ3μmの位置の最高到達温度が1000℃(1273K)を超える条件とすることが好ましい。従って、図3のシミュレーション結果から、パワー密度を500kW/cm以下にすることが好ましい。
図5に、実施例1によるレーザアニール方法のフローチャートを示す。実施例1では、ステップアンドリピート方法が採用される。すなわち、照射対象物60を静止させてアニール用レーザビームの照射を行う。照射位置のアニールが完了すると、レーザ照射を停止させ(レーザビームを遮断し)照射対象物60を移動させる。その後、照射対象物60を静止させて、新しい領域にアニール用レーザビームを照射する。このように、照射対象物60を静止させた状態でのレーザビームの照射と、照射対象物60の移動とを交互に繰り返す。
まず、ステップSA1において、照射対象物60の目標位置にアニール用レーザビームが入射するように、ステージ35を移動させる。その後、ステージ35を静止させた状態で、アニール用レーザビームの照射を開始する。照射対象物60の表面におけるパワー密度を、例えば400kW/cmとする。
ステップSA2において、照射開始時点から、規定の照射時間が経過したか否かを判定する。規定の照射時間は、予め種々の評価実験を行うことにより決定されており、制御装置21に記憶されている。規定の照射時間は、例えば53μsとする。
ステップSA3において、照射対象物60の表面温度に依存する物理量を測定する。表面温度に依存する物理量として、参照光検出器43で検出される反射光の強度を採用することができる。照射対象物60の表面の極浅い領域が溶融し、液相状態になると、反射率が高くなる。反射光の強度を測定することにより、照射対象物60の表面の極浅い領域が溶融したことを検出することができる。
また、表面温度に依存する物理量として、黒体放射検出器51で検出される黒体放射強度を採用してもよい。黒体放射強度を測定することにより、照射対象物60の表面温度を算出することができる。黒体放射強度から、処理対象物60の表面温度を算出する方法は、特開平2008−116269号公報に説明されている。
ステップSA4において、表面温度に依存する物理量が、しきい値以上か否かを判定する。このしきい値は、物理量が、温度許容範囲の上限値に相当する値に設定されている。表面温度に依存する物理量として反射光の強度を採用する場合には、固相状態のときの反射光の強度と、液相状態の反射光の強度との中間の強度をしきい値とすればよい。このしきい値は、制御装置21に記憶されている。測定された反射光の強度がこのしきい値以上である場合には、照射対象物60の表面の極浅い領域が溶融したと考えられる。
表面温度に依存する物理量として黒体放射強度を採用する場合には、処理対象物60の融点、または融点よりもやや低い温度の表面からの黒体放射強度をしきい値とすればよい。例えば、このしきい値は、表面温度が1673Kのときの黒体放射強度と等しくなるように設定する。
なお、判定条件として、反射光強度の測定結果と、黒体放射強度の測定結果との両方を用いてもよい。
表面温度に依存する物理量がしきい値以上であると判定された場合、ステップSA5において、レーザビームの照射を停止させる。具体的には、電気光学素子22を制御することにより、レーザビームを遮断する。その後、ステップSA6において、一定時間待機した後、ステップSA1に戻ってレーザ照射を再開する。この待機時間は、例えば表面温度がある温度(例えば1273K)まで低下する時間に設定しておく。この時間は、予めシミュレーション、または実際の評価実験により求めておけばよい。
ステップSA4で、表面温度に依存する物理量がしきい値未満であると判定された場合には、レーザビームの照射を停止させることなくステップSA2に戻る。
ステップSA2で、照射開始時点から、規定の照射時間が経過したと判定された場合、ステップSA7において、レーザ照射を停止する。なお、「照射開始時点」とは、ステップSA6を経由してステップSA1で照射を再開した時点ではなく、ステージ35を静止させてから最初にレーザ照射を開始した時点を意味する。
ステップSA7でレーザ照射を停止した後、ステップSA8において、照射対象物60の全域の照射が完了したか否かを判定する。全域の照射が完了した場合には、アニール処理を終了する。全域の照射が完了していない場合には、ステップSA9において、ステージ35を移動させた後、静止させる。その後、ステップSA1に戻って、新しい領域へのレーザ照射を開始する。なお、既にレーザ照射が終了した領域と、次にレーザ照射すべき領域とは、部分的に重なるように配置することが好ましい。
図6に、ステージ35が静止している状態でレーザ照射を行う間、すなわち図5のステップSA1からステップSA7までの間の温度変化のシミュレーション結果を示す。横軸は経過時間を単位「μs」で表し、縦軸は温度を単位「K」で表す。図6中の実線は表面温度を示し、点線は深さ3μmの位置の温度を示す。破線は、処理対象物60の厚さが100μmとしたときの背面の温度を示す。なお、処理対象物60の背面は断熱状態であると仮定した。照射対象物はシリコンウエハとし、アニール用レーザビームの波長は800nmとした。
時刻0において、レーザ照射を開始する。レーザ照射によって表面温度が上昇する。時刻tにおいて、温度依存物理量がしきい値以上になると、レーザ照射が停止される(ステップSA5)。このため、表面温度が下降し始める。時刻t2まで待機し(ステップSA6)、時刻t2において、レーザ照射を再開する(ステップSA1)。時刻t3まで、ステップSA5のレーザ照射の停止が14回実行される。時刻t3において、規定の照射時間が経過すると、レーザ照射を停止する(ステップSA7)。
時刻0から時刻t3までの間、深さ3μmの位置の温度は、表面温度に追随して上昇と下降とを繰り返す。上昇と下降とを繰り返す間、深さ3μmの位置の時間平均温度は、上昇傾向を示す。深さ100μmの位置の温度は、上昇と下降とを繰り返すことはなく、時間の経過と共に徐々に上昇する。
このように、表面温度に依存する物理量が、温度範囲の上限値に相当するしきい値に達した時点でレーザ照射を停止させることにより、表面を溶融させることなく、深い位置の温度を上昇させることができる。これにより、深い領域の活性化を行うことが可能になる。
実施例1では、ステップSA6における待機時間を、表面温度がある基準温度、例えば1273Kに下降するまでの時間をシミュレーションにより予め計算しておいた。ただし、レーザ照射開始からの経過時間が長くなると、照射対象物の平均温度が高くなり、基準温度まで下降する時間も長くなる。待機時間は、ある特定の温度条件でシミュレーションによる計算により求めた時間に固定してもよい。また、処理対象物の平均温度が上昇するにしたがって待機時間を徐々に長くしてもよい。ただし、レーザ照射中に照射対象物の平均温度を測定することは困難である。このため、待機時間は、照射開始からの経過時間の関数として、予め設定しておくことが好ましい。
実施例1では、参照用レーザビームを照射対象物60に斜め入射させたが、アニール用レーザビームの経路に重ねて垂直入射させてもよい。垂直入射させる場合には、例えば、図1の折り返しミラー30とレンズ31との間に、ダイクロイックミラーを配置し、参照用レーザビームをアニール用レーザビームの経路に重畳させればよい。このダイクロイックミラーは、アニール用レーザビームを透過させ、参照用レーザビームを反射する。照射対象物60で反射された参照用レーザビームは、入射経路と反対向きに伝搬し、ダイクロイックミラーで反射される。ダイクロイックミラーと参照用光源40との間に、ビームスプリッタと1/4波長板を挿入することにより、反射光の経路を入射光の経路から分岐させることができる。分岐後の反射光の経路上に、参照光検出器43が配置される。
参照用レーザビームの経路を、アニール用レーザビームの経路に重畳させる場合には、レンズ31として、アニール用レーザビームと参照用レーザビームとの2つの波長域において、反射防止処理が行われ、色消しの設計が行われたものを用いることが好ましい。
参照用レーザビームを斜め入射させる構成では、照射対象物60の表面の高さが変わると、参照用レーザビームの入射位置も変わってしまう。このため、参照用レーザビームの光学系の位置を再調整しなければならない。参照用レーザビームの経路を、アニール用レーザビームの経路に重畳させる構成では、この再調整を行う必要がない。
実施例1で測定した反射光の強度及び黒体放射強度は、いずれも照射対象物60の表面温度に依存する物理量である。反射光の強度、及び黒体放射強度以外に、表面温度に依存する他の物理量を測定してもよい。例えば、消衰係数を測定することにより、表面温度を算出することができる。
[実施例2]
図7に、実施例2によるレーザアニール装置の概略図を示す。実施例2では、図1に示した電気光学素子22に代えて、半波長板22Aが用いられる。半波長板22Aは、制御装置21によって、レーザビームの中心光線を中心として回転方向に変位する。半波長板22Aを回転させることにより、ビームスプリッタ23に対するS成分とP成分との比率を変化させることができる。これにより、ビームスプリッタ23を透過するレーザビームのパワーが変化する。このように、制御装置21、半波長板22A、ビームスプリッタ23、及びビームダンパ24は、パワー調節装置20Aとして作用する。その他の構成は、図1に示した実施例1によるレーザアニール装置の構成と同一である。
図8に、実施例2によるレーザアニール方法のフローチャートを示す。以下、図5に示した実施例1によるレーザアニール方法のフローチャートとの相違点に着目して説明する。まず、ステップSB0において、照射対象物60の表面におけるアニール用レーザビームのパワー密度を初期設定する。具体的には、半波長板22Aの回転方向の位置を初期状態にする。一例として、パワー密度の初期値は、400kW/cmとする。
ステップSA1〜SA4、ステップSA7〜SA9は、実施例1の方法と共通である。ステップSA4において、温度依存物理量がしきい値以上と判定された場合には、ステップSB5において、アニール用レーザビームのパワー密度を低下させる。具体的には、半波長板22Aの回転方向の位置を変化させることにより、P成分の比率を少なくする。パワー密度を低下させることにより、表面温度の上昇を抑制し、表面温度が過度に上昇すること、及び表面の溶融を抑制することができる。パワー密度を低下させた後、ステップSA2に戻る。すなわち、パワー密度を低下させた条件でレーザ照射を継続する。
図9に、ステージ35が静止している状態でレーザ照射を行う間、すなわち図8のステップSB0からステップSA7までの間の温度変化のシミュレーション結果を示す。横軸は経過時間を単位「μs」で表し、縦軸は温度を単位「K」で表す。図9中の太い実線、太い破線。細い実線。細い破線は、それぞれ表面温度、深さ1μmの位置の温度、深さ2μmの位置の温度、及び深さ3μmの位置の温度を示す。長い破線は、処理対象物60の厚さが100μmとしたときの背面の温度を示す。なお、処理対象物60の背面は断熱状態であると仮定した。照射対象物60はシリコンウエハとし、アニール用レーザビームの波長は800nmとした。
時刻0において、レーザ照射を開始する(ステップSA1)。時刻t1において、温度依存物理量がしきい値を超えると、パワー密度を低下させる(ステップSB5)。表面から深い領域に流れる熱エネルギが、レーザ照射によって投入される熱エネルギよりも大きくなり、表面温度が低下し始める。熱エネルギが深さ方向に伝搬すると、深さ方向の温度分布が緩やかになる。表面から深い領域に流れる熱エネルギが、レーザ照射によって投入される熱エネルギよりも小さくなると、表面温度は再度上昇し始める。
温度依存物理量がしきい値を超えるたびに、パワー密度を低下させる。例えば、パワー密度を400kW/cm、300kW/cm、240kW/cm、195kW/cmの順に低下させる。これらのパワー密度の好適値は、予めシミュレーションにより算出しておくことができる。上述の各パワー密度は、温度依存物理量のしきい値を1600Kに相当する値とし、パワー密度低下後の表面温度の極小値が1560Kになるように設定したものである。
時刻t2において、規定の照射時間が経過すると、レーザ照射を停止する(ステップSA7)。時刻t2以降は、表面温度が低下する。
表面からの深さが1μmの位置の温度は、表面温度の変化によく追随する。表面から深くなるに従って、表面温度の変化に追随する傾向が薄れ、温度変化が緩やかになる。照射開始時点から、時刻t2までの期間は、いずれの深さにおいても、短時間の上下動はあるものの、温度は全体として上昇傾向を示す。
黒体放射強度L(λ,T)は、
と表される。ここで、λは波長、Tは温度、c、cは定数である。定数cは、0.0144m・Kである。温度1600Kと1560Kとは、約2.5%の差しかないが、1600Kの黒体放射強度は、1560Kの黒体放射強度の1.29倍になる。このため、一旦1560Kまで低下した表面温度が、1600Kまで上昇したことを、十分な精度で検出することが可能である。
実施例2においては、図6に示した実施例1の温度変化に比べて、表面温度や、極浅い領域の温度変化が緩やかである。表面温度の上下動が少ないため、より効率的にアニールを行うことができる。
[実施例3]
図10に実施例3によるレーザアニール方法のフローチャートを示す。実施例1及び実施例2では、照射対象物を静止させてレーザ照射を行ったが、実施例3では、照射対象物を移動させながらレーザ照射を行う。以下、実施例1によるレーザアニール方法との相違点に着目して説明する。
まず、ステップSC0において、照射対象物60の行方向の移動を開始する。具体的には、走査機構36を制御して、ステージ35のX軸方向への移動を開始する。移動速度が目標速度に達したら、ステップSA1においてレーザ照射を開始する。
ステップSC2において、1行分の走査が終了したか否かを判定する。1行分の走査が終了していない場合には、ステップSA3において、温度依存物理量の測定を行う。ステップSA3からSA6までの処理は、実施例1の場合と同様である。すなわち、レーザ照射の停止と再開とを繰り返しながら、1行分の走査が行われる。
ステップSC2において、1行分の走査が終了したと判定された場合には、ステップSA7において、レーザ照射を停止する。その後、ステップSC8において、行方向の移動を停止する。ステップSC9において、全行の走査が終了したか否かを判定する。全行の走査が終了した場合には、レーザアニール処理を終了する。未走査の行がある場合には、ステップSC10において、1行分ステージを移動し(副走査を行い)、ステップSC0に戻って、未走査の行の主走査を開始する。
図11Aに、アニール用レーザビームのビームスポットと、参照用レーザビームのビームスポットとの位置関係を示す。アニール用レーザビームのビームスポット61は、例えば、Y軸方向に長い長方形である。X軸方向の寸法(以下、「ビーム幅」という。)Wxは、例えば50μmである。アニール用レーザビームのビームスポット61がX軸の正の向きに移動する(ステージ35がアニール用レーザビームの経路に対してX軸の負の向きに移動する)場合、参照用レーザビームのビームスポット45は、アニール用レーザビームのビームスポット61の、進行方向(主走査方向)に関して後ろ側の縁(X軸の負の側の縁)に接する位置に配置される。ビームスポット45の形状は、例えば直径10μmの円形である。
図11Bに示すように、アニール用レーザビームのビームスポット61の移動方向がX軸の負の向きである場合にも、参照用レーザビームのビームスポット45は、進行方向(主走査方向)に関して後ろ側の縁(X軸の正の側の縁)に接する位置に配置される。すなわち、ビームスポット61の移動方向が反転すると、ビームスポット61とビームスポット45との相対位置関係が変化する。
参照用レーザビームのビームスポット45を、アニール用レーザビームのビームスポット61の、走査方向後ろ側の縁に接する位置に配置することにより、ビームスポット61内の表面温度の最も高い位置の溶融状態を検出することができる。
図11Cに示すように、参照用レーザビームのビームスポット45を、アニール用レーザビームのビームスポット61の一方の縁から他方の縁まで、幅方向(主走査方向)に跨るように配置してもよい。ビームスポット45内の一部の領域で溶融が始まると、ビームスポット45内の平均の反射率が上昇するため、反射光の強度が強くなる。従って、走査方向の後ろ側の縁の近傍で溶融が始まったことを検出することができる。この場合には、走査方向が反転しても、参照用レーザビームのビームスポット45の位置を移動させる必要はない。
黒体放射光の強度を測定する場合にも、図11A及び図11Bに示した場合と同様に、アニール用レーザビームのビームスポット61の、走査方向後ろ側の縁に接する位置からの黒体放射光を検出する。
図12に、照射対象物60の表面のうち、アニール用レーザビームのビームスポットが通過する点(以下、着目点という。)の温度変化のシミュレーション結果を示す。横軸は経過時間を単位「μs」で表し、縦軸は温度を単位「K」で表す。照射対象物60の表面におけるパワー密度は400kW/cmとし、ビーム幅Wxを50μmとし、走査速度を650mm/sとした。アニール用レーザビームのビームスポットが着目点を通過する時間は、約77μsになる。照射対象物60はシリコンウエハとし、アニール用レーザビームの波長は800nmとした。
時刻0において、ビームスポットの走査方向の前方の縁が着目点に到達する。アニール用レーザビームのビームスポット内の走査方向後ろ側の温度が、上限値に達すると、レーザ照射を停止する(ステップSA5)。一定の待機時間経過後、レーザ照射を再開する(ステップSA1)。レーザ照射中に着目点の温度が上昇し、レーザ照射停止中には、着目点の温度が下降する。より長い時間範囲では、着目点の温度は上昇傾向を示す。照射開始から77μs経過した時点で、ビームスポットが着目点から外れる。その後は、着目点の表面温度が低下する。
図12に示した条件でアニールを行ったときの活性化の深さのシミュレーション結果は2μmであった。
実施例3では、アニール用レーザビームのビームスポット内のうち、最も温度の高い部分の温度依存物理量が測定される。さらに、この温度依存物理量に基づいて、レーザ照射の停止及び再開が行われる。このため、照射対象物の表面の過度の温度上昇、及び表面の溶融を抑制することができる。
図13に、着目点の表面温度が1673Kになった時点でビームスポットの走査方向後ろ側の縁が着目点に一致する条件を算出した結果を示す。横軸はパワー密度を単位「kW/cm」で表し、縦軸は走査速度を単位「m/s」で表す。なお、ビーム幅Wxを50μmとした。
パワー密度が高くなると、表面温度の上昇速度が速くなる。表面温度が1673K以上にならないようにするためには、走査速度を速くしなければならない。例えば、パワー密度を400kW/cmにした場合、表面の溶融を防止するためには、走査速度を4m/s以上にしなければならない。走査速度が速くなると、ステージ35が一定速度に到達するまでの加速用のスペースと、ステージが停止するまでの減速用のスペースを確保しなければならない。このため、装置が大型化してしまう。
これに対し、実施例3による方法では、図12に示したように、パワー密度を400kW/cmとし、走査速度を650mm/sにしてアニールを行うことが可能である。このように、走査速度を遅くすることができるため、加速用及び減速用のスペースを小さくすることができる。これにより、装置の大型化を抑制することができる。
実施例3では、図10のステップSA5でレーザ照射を停止したが、完全に照射を停止させる代わりに、パワー密度を低下させてもよい。この場合、ステップSA1においては、パワー密度を初期状態に戻せばよい。
図14に、上記実施例1〜実施例3によるレーザアニール方法が適用されるIGBTの断面の模式図を示す。IGBTは、n型の半導体基板の一方の面にエミッタとゲートとを形成し、もう一方の面にコレクタを形成することで作製される。エミッタとゲートを形成する面の構造は、一般的なMOSFETの作製工程と同様の工程で作製される。たとえば、図14に示すように、p型のベース領域74、n型のエミッタ領域75、ゲート電極81、ゲート絶縁膜82、エミッタ電極80を配置することにより、ゲート−エミッタ間の電圧で、電流のオンオフ制御を行うことができるようになる。
半導体基板71の反対側の面に、p型のコレクタ層73が形成されている。必要に応じて、コレクタ層73と半導体基板71との間に、n型のバッファ層72を形成してもよい。コレクタ層73及びバッファ層72は、それぞれ不純物としてボロン及びリンをイオン注入により注入し、活性化アニールを行うことにより形成される。この活性化アニールに、上記実施例1〜3による方法が適用される。コレクタ電極83が、活性化アニールの後に、コレクタ層73の表面に形成される。
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
10 レーザ光源
20 遮断装置
20A パワー調節装置
21 制御装置
22 電気光学素子
22A 半波長板
23 ビームスプリッタ
24 ビームダンパ
25 ビーム整形光学系
26 均一化光学系
30 折り返しミラー
31 レンズ
35 ステージ
36 走査機構
40 参照光光源
41、42 折り返しミラー
43 参照光検出器
45 参照用レーザビームのビームスポット
50 集光レンズ
51 黒体放射検出器
60 照射対象物
61 アニール用レーザビームのビームスポット
70 シリコン基板
71 n型の領域
72 バッファ層
73 コレクタ層
74 ベース領域
75 エミッタ領域
80 エミッタ電極
81 ゲート電極
82 ゲート絶縁膜
83 コレクタ電極

Claims (6)

  1. 不純物が注入された半導体ウエハからなる照射対象物の表面へのレーザビームの入射を開始する工程と、
    前記レーザビームが前記照射対象物に入射している期間に、前記レーザビームが入射している領域の表面温度に依存する物理量である前記照射対象物の表面からの反射光の強度または黒体放射強度を測定する工程と、
    測定された前記物理量に基づいて、前記レーザビームの照射を停止するか否かの判定を行う工程と、
    前記レーザビームの照射を停止すると判定された場合には、前記レーザビームの照射を停止した後、ある待機時間経過後に、該レーザビームの照射を再開し、前記レーザビームの照射を停止させないと判定された場合には、前記レーザビームの照射を継続することにより前記不純物の活性化を行う工程と
    を有する半導体装置の製造方法。
  2. 前記判定する工程において、前記物理量が、温度許容範囲の上限値に相当するしきい値を超えたことを検出すると、前記レーザビームの照射を停止すると判定する請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. レーザビームを出射するレーザ光源と、
    前記レーザ光源から出射したレーザビームが入射する位置に、不純物が注入された半導体ウエハからなる照射対象物を保持するステージと、
    前記レーザ光源から出射したレーザビームが前記ステージに保持された照射対象物まで到達する状態と、到達しないように該レーザビームを遮断する状態とを切り替える遮断装置と、
    前記照射対象物のうち前記レーザビームが入射している位置の表面温度に依存する物理量である前記照射対象物の表面からの反射光の強度または黒体放射強度を測定する測定装置と
    を有し、
    前記遮断装置は、
    前記測定装置による前記物理量の測定結果に基づいて、前記レーザビームの照射を停止するか否かの判定を行い、
    前記レーザビームの照射を停止すると判定した場合には、前記レーザビームを遮断した後、ある待機時間経過後に、該レーザビームの照射を再開し、前記レーザビームの照射を停止させないと判定した場合には、前記レーザビームの照射を継続する不純物活性化レーザアニール装置。
  4. さらに、前記ステージに保持された照射対象物の表面において、前記レーザビームの入射位置が移動するように、前記レーザビームの経路及び前記照射対象物の一方を他方に対して移動させる走査機構を有し、
    前記測定装置は、前記走査機構によって、前記レーザビームの経路及び前記照射対象物の一方が他方に対して移動している期間に、前記物理量を測定し、
    前記遮断装置は、前記走査機構によって、前記レーザビームの経路及び前記照射対象物の一方が他方に対して移動している期間に、前記レーザビームの照射を停止するか否かの判定を行なう請求項3に記載のレーザアニール装置。
  5. レーザビームの経路に対して、不純物が注入された半導体ウエハからなる照射対象物の移動を開始する工程と、
    前記レーザビームの照射を開始する工程と、
    前記レーザビームが入射している領域の前記照射対象物の表面温度に依存する物理量である前記照射対象物の表面からの反射光の強度または黒体放射強度を測定する工程と、
    測定された前記物理量に基づいて、前記レーザビームの照射を停止するか否かを判定する工程と、
    前記レーザビームの照射を停止すると判定された場合には、前記照射対象物への前記レーザビーム照射を停止させた後、ある待機時間経過後に、前記レーザビームの照射を再開させ、前記レーザビームの照射を停止させない判定された場合には、前記レーザビームの照射をそのまま継続する工程と
    を有し、
    前記照射対象物の表面のうち前記レーザビームのビームスポットが通過するある着目点において、前記レーザビームの照射開始、照射停止を繰り返すことにより、前記不純物を活性化させる半導体装置の製造方法。
  6. 前記判定する工程において、前記物理量が、温度許容範囲の上限値に相当するしきい値を超えたことを検出すると、前記レーザビームの照射を停止させると判定する請求項に記載の半導体装置の製造方法。
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