JP2009297680A - フィルター用布帛及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、優れた寸法安定性と高いフィルター性能とを兼備したフィルター用布帛を提供せんとするものである。
【解決手段】ポリフェニレンサルファイド短繊維が布帛の面内で一定方向に配向し、一部の該短繊維同士が布帛の厚み方向で絡合してなる不織布であり、破裂強さが3,500.0〜5,000.0kPaの範囲内にあることを選択することで上記課題を解決するフィルター用布帛を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、例えば高温の燃焼ガスを集塵するフィルターに特に好適に使用されるフィルター用布帛及びその製造方法に関する。
従来から高温の燃焼ガスを集塵するフィルター用途には、ポリフェニレンサルファイド繊維に代表される耐熱性の繊維からなる濾布が使用されており、具体的にはフェルト状の不織布が使用されている。高温の燃焼ガスを数年間にわたり連続して集塵することから、高い寸法安定性が要求されている。近年は燃焼ガスを発生する設備が大型化する傾向にあり、燃焼ガス量も増大していることから、集塵用のフィルターもサイズが大きくなる動きが一部で始まっている。フィルターは5〜6m程度の長さが主流であるが、昨今では8mのフィルターあるいは10mを超えるフィルターも現れている。
このような技術的変化が進む中、フィルターが大型化するにつれてフィルターそのものの重量が増大し、フィルターが寸法変化を生じやすくなる問題がある。あるいはまた石炭火力発電用のフィルターに代表されるバグフィルターにおいては、サイズの大型化に対応して払い落としを行うパルスの圧力も高くなり、結果的にフィルターの耐パルス特性、すなわち耐破裂特性を向上させる必要性が生じている。
これらの要求に対してポリフェニレンサルファイド繊維の中でも、引張強度が4.0cN/dtex以上のポリフェニレンサルファイド短繊維からなるバグフィルター用濾布が提案されている(例えば特許文献1)。ポリフェニレンサルファイド繊維として引張強度が4.0cN/dtex以上のものを使用することで、バグフィルター濾布の強度や寸法安定性に直接寄与することが記載され、更にまたポリフェニレンサルファイド繊維の捲縮度を12%以上とすることで、該繊維を用いた不織布の繊維間の交絡を充分にすることが出来ることが記載されている。
ここで特許文献1に記載されている捲縮度とは以下の式で算出されるものであり、荷重が作用した時の捲縮の伸びやすさを表している。
捲縮度(%)=(b−a)/b×100
a:初荷重をかけた時の長さ(mm)
b:所定の荷重をかけた時の長さ(mm)。
特許文献1に記載されているポリフェニレンサルファイド繊維は捲縮度が12%以上、より好ましくは13%以上であり、これにより不織布の繊維間の交絡が充分に進み、機械強度が高く出来るとしている。
しかしながら特許文献1には不織布を製造する工程、特にカード装置を通じる段階を充分に考慮した繊維の物性について記載がなされていないし、ニードルパンチ工程についても実施例で例示されているのみであり、バグフィルター用布帛に好適なニードルパンチ条件と該条件に適したポリフェニレンサルファイド繊維の物性については示唆されていないものであった。
別の技術として、繊維絡合性や糸およびスライバーの収束性を得るために、捲縮度が10〜23%のポリフェニレンサルファイド繊維が提案されている(例えば特許文献2)。捲縮度が10%未満であると繊維絡合性が不十分となってローラー巻き付きが起こり、逆に23%を超えるとネップが発生し品質劣化を招くので好ましくないことが記載されている。
しかしながら特許文献2は高品質で操業性よく紡績することを目的としたものであって、カード工程に通じてシートを得ることや、該シートをニードルパンチ加工してフィルター用布帛とすることは記載されておらず、フィルター用布帛として好適なポリフェニレンサルファイド繊維の物性については何ら記載の無いものであった。
また別の技術として、フッ素樹脂系繊維について耐熱用フィルター用布帛が提案されている(例えば特許文献3)。特許文献3にはフッ素樹脂系繊維の短繊維をカード装置などの開繊装置に通過して配向させて不織ウェブを得ること、さらにこの不織ウェブを積層し、ニードルパンチ処理により絡合一体化する方法が記載されている。ウォータージェットパンチ処理による布帛の強力低下を抑制するためにフッ素樹脂系繊維と高強力繊維との複合糸を用いることが記載されている。
しかしながら特許文献3には、布帛の破裂強さを高くする方法について何ら記載が無いし、ポリフェニレンサルファイド繊維として好ましい物性については何ら記載の無いものであった。
特開2004−261760号公報 特開2001−081665号公報 特開2006−144142号公報
本発明は、上記従来技術における問題点を解消せんとするものであって、フィルター用途として特に好適な、優れた寸法安定性や耐久性能を有するフィルター用布帛を提供することを目的とする。
すなわち本発明は、ポリフェニレンサルファイド短繊維、好ましくは引張強度が5.00〜7.00cN/dtex、かつ捲縮弾性率が75.0〜90.0%の範囲内にあるポリフェニレンサルファイド短繊維の大部分が布帛の面内で一定方向に配向し、一部の短繊維同士が布帛の厚み方向で絡合してなる不織布であって、JIS L 1913で測定される破裂強さが3,500.0〜5,000.0kPaの範囲内にあることを特徴とするフィルター用布帛である。
また、上記のフィルター用布帛の製造方法であって、引張強度が5.00〜7.00cN/dtex、かつ、捲縮弾性率が75.0〜90.0%の範囲内にあるポリフェニレンサルファイド短繊維を布帛の面内で一定方向に配向してシートとし、しかる後に400〜600本/cmの針本数でニードルパンチ加工して一部の短繊維同士を布帛の厚み方向で絡合させて一体化することを特徴とするフィルター用布帛の製造方法である。
本発明のフィルター用布帛によれば、フィルターに高圧空気のパルスを与えて集塵した燃焼ガス残渣を剥離させる応力を作用させても、布帛の破裂強さが高いので寸法安定性に優れ、フィルターのサイズが大型化しても使用中の破損を抑制することが可能となる。
また、本発明のフィルター用布帛の製造方法によれば、ポリフェニレンサルファイド短繊維の引張強度と捲縮弾性率がいずれも高いことから、カード装置に続いて実施するニードルパンチ加工によって破裂強さの高い布帛とすることが可能となる。さらに、原綿同士の絡合が消失せず、高い破裂強さを有する布帛を得ることが可能となる。
本発明は、前記課題、つまりフィルターのサイズが大型化しても使用中に与えられる高圧空気のパルスに対して優れた耐久性を有する布帛について、鋭意検討した結果、特定の引張強度かつ捲縮弾性率を有するポリフェニレンサルファイド繊維を使用すること、更にポリフェニレンサルファイド繊維を一定方向に配向させてから該短繊維同士を絡合してなる不織布とすること、更に特定範囲内の破裂強さという構成を採用することで、これらの課題を解決することを見出し、本発明に至ったものである。
以下、本発明のフィルター用布帛について、最良の形態を説明する。
本発明のフィルター用布帛は、ポリフェニレンサルファイド短繊維の大部分が布帛の面内で一定方向に配向し、一部の短繊維同士が布帛の厚み方向で絡合してなる不織布であり、JIS L 1913で測定される破裂強さが3,500.0〜5,000.0kPaの範囲内にあるフィルター用布帛である。ポリフェニレンサルファイド短繊維を布帛の面内で一定方向に配向してシート化することで繊維の強度や目付けをシート全面で均一化することが可能であり、該シートはカード装置などの装置を用いてポリフェニレンサルファイド短繊維同士を引き揃えつつシート化することで得られる。短繊維が配向していない場合には強度が弱い部分が存在するので、該シートを一体化させる次工程、例えばニードルパンチ加工でシートの均一性が益々失われるため、短繊維は大部分が面内、すなわちシート面方向において一定方向に配向している必要がある。
シート化に用いる装置としては短繊維を布帛の面内で一定方向に配向してシート化できる装置ならば特に限定されないが、カード装置が好ましい。カード装置では対向する金属ローラー間をポリフェニレンサルファイド短繊維が通過し、金属ローラー同士で繊維が引き揃えられていくが、ポリフェニレンサルファイド短繊維として引き揃え応力への耐久性が高い短繊維を選択的に使用することで、シート化した後でもポリフェニレンサルファイド短繊維の捲縮が残存し、短繊維同士が強く結合したシートを得ることができる。かかるシートを次工程で絡合一体化させるが、ニードルパンチ装置などの装置で絡合一体化処理することで、一部のポリフェニレンサルファイド短繊維同士を布帛の厚み方向で絡合させることが可能である。ここで本発明の場合には、カード装置で得られるシートを構成しているポリフェニレンサルファイド短繊維は布帛の面内で一定方向に配向し、かつ捲縮が残存しているので、ニードルパンチ加工してもシートが必要以上に伸びず、強力低下を生じないことから、破裂強さが3,500.0〜5,000.0という高い値を示す布帛を得ることが出来る。
本発明のフィルター用布帛は、JIS L 1913で測定される破裂強さは3,500.0〜5,000.0の範囲内にあることが必要である。3,500.0kPa以上の破裂強さを有することで、バグフィルターのサイズが大型化してパルスの圧力も高くなり、結果的にフィルターの耐パルス特性、すなわち耐破裂特性を向上させる要求に対して解決可能となるのである。一方、破裂強さが5,000.0kPa以下とすることで、高圧空気のパルスを用いて燃焼残渣をバグフィルター表面から剥離させる衝撃が加わっても、布帛が硬すぎて破損を招くことが無い。更に好適には3,800.0〜4,500.0の範囲内の破裂強さにあるものが、充分な破裂強さと柔軟性とを兼備するので好ましい。
本発明のポリフェニレンサルファイド短繊維はその構成単位の90%以上が−(C−S)−で構成されるフェニレンサルファイド構造単位を含有する重合体からなる短繊維である。中でもポリフェニレンサルファイドの重量平均分子量は40,000〜60,000であるものが好ましい。重量平均分子量が40,000以上のポリフェニレンサルファイドを用いて紡糸を行うことで、紡糸張力が高くなり、紡糸時の糸切れが減少するので好ましく、また重量平均分子量が60,000以下とすることで溶融時の粘度が高くなり過ぎず、適切な圧力下で紡糸が可能となるので好ましい。
また、ポリフェニレンサルファイド短繊維に含まれる不純物、特に沸点が200℃以上の揮発成分の含有量は0.15重量%以下が好ましい。沸点が200℃以上の揮発成分の含有量が0.15重量%以下とすることで、ポリフェニレンサルファイド短繊維を200℃で2,000時間を越える熱処理環境下で使用しても繊維強力の低下率が40%未満と小さく、耐熱性能に優れるので好ましい。更にまた、200℃以上の揮発成分の含有量が0.15重量%以下であれば、ポリフェニレンサルファイド繊維を紡糸する際の口金面の汚れや冷却風設備の汚れ発生が少ないので、糸切れや糸斑を生じにくくて糸質が安定し、特に繊維を製造する工程中の延伸工程において高い延伸倍率で延伸することが可能となり、高強度のポリフェニレンサルファイド繊維を得ることが可能となるので好適である。かかる沸点が200℃以上の揮発成分は酸化されやすいアミン系の化合物であり、具体的にはN−メチルクロロアニリン等を主体とするものである。
200℃以上の揮発成分の含有量が0.15重量%以下のポリフェニレンサルファイド短繊維を得る方法は、次の手順で行うことが好ましい。即ち固形化したポリフェニレンサルファイド粉末をエクストルーダー装置で真空処理しながら温度350℃未満で溶融させ、孔面積が3.14〜50.24mmの範囲内にある孔から押し出して0.5〜6.0mmの長さに切断することでポリフェニレンサルファイドのペレットを得る。得られたペレットを130〜170℃の温度範囲で5時間以上、真空乾燥するのが良く、真空として0.05〜1.3kPaとするのが好ましい。なおペレットの真空乾燥は回分式とするのが良く、乾燥するペレットの量は1回の乾燥あたり1〜5トン程度とするのが好ましい。
該ペレットの真空乾燥を170℃以下とすることでポリフェニレンサルファイドの酸化架橋が進まず、粘度が高くならないので紡糸の安定化に好適であり、真空乾燥を130℃以上の低温域で行うことで揮発成分を充分に除くとともにポリフェニレンサルファイドの変性を最小限に止めることが可能となるので好ましい。
得られたポリフェニレンサルファイドのペレットをプレッシャーメルター型紡糸機か又は1軸や2軸式のエクストルーダー型紡糸機を用いて口金から溶融紡糸するのが好ましい。口金から紡糸した繊維は通常、紡糸後に5〜100m/分の風速で冷却して油剤を付与し、未延伸の繊維として500〜7,000m/分の速度で引き取るのが好ましい。次に引き取った未延伸の繊維を熱延伸し、スタッフィングボックス型クリンパー装置などで捲縮を付与し、35〜80mmの範囲内の長さに切断してポリフェニレンサルファイド短繊維を得る。該範囲内の長さにある短繊維を使用することで、通常のカード装置を用いてシート加工可能となり好ましい。ポリフェニレンサルファイド短繊維の繊度は0.5〜15dtexの範囲内のものが安定したカード通過性、ならびにフィルター用として好適な捕集効率を発現するので好ましい。
ポリフェニレンサルファイド短繊維は、未延伸の繊維を温水中で熱延伸する工程において延伸倍率を自然延伸倍率より6%以上高く設定し、繊維を配向結晶化させたものが好ましい。自然延伸倍率より6%以上高く延伸するために、上述の200℃以上の揮発成分の含有量が0.15重量%以下のポリフェニレンサルファイドペレットを使用することで糸切れや糸斑が減少し好適である。温水中での熱延伸後に180℃以上の温度で定長熱処理を行うことで更に繊維の結晶化が進み、高強度な繊維とすることができるので好ましい。ここで定長熱処理とは繊維の長さを実質的に一定に保った状態で熱処理を施すことを言い、例えば加熱されたローラーの前後にて繊維を保持して繊維の長さを一定に保ったままで熱処理することを示す。定長熱処理は180〜230℃の範囲内で行うのが好ましい。
なおここで自然延伸倍率とは、繊維を引張試験機の測定位置にかけて、その荷重−伸び曲線を測定した時に、得られた荷重−伸び曲線の一定応力領域を超えた点を自然延伸倍率とする。
定長熱処理を施した繊維は次に、180〜240℃の範囲内で捲縮を付与して熱固定するのが好ましい。捲縮付与には180〜240℃の温度範囲内にあるスチームを満たしたスタッフィングボックス型クリンパーを用いることが好ましい。180℃以上の温度で処理することで、結晶化が進行しているポリフェニレンサルファイド繊維でも捲縮を所定量付与することが可能となるので好ましく、また240℃以下の温度で処理することで繊維同士が融着せず、尚且つ繊維の結晶化が充分に残り、繊維強度を高く維持したままで所定の捲縮を付与することが可能となるので好ましい。
本発明のフィルター用布帛には、上述の方法で得られるポリフェニレンサルファイド短繊維を用いることが好ましい。中でも該ポリフェニレンサルファイド短繊維の引張強度が5.00〜7.00cN/dtex、かつ捲縮弾性率が75.0〜90.0%の範囲内にあることが好ましい。引張強度が5.00cN/dtex以上のポリフェニレンサルファイド短繊維を使用することで、ポリフェニレンサルファイド短繊維を布帛の面内で一定方向に配向した後、該短繊維同士を布帛の厚み方向で絡合して一体化した布帛において、高い破裂強さを有することができるので好ましい。また引張強度が7.00cN/dtex以下のポリフェニレンサルファイド短繊維を使用することで、該短繊維同士を布帛の厚み方向で絡合して一体化するニードルパンチ処理工程において、ニードルパンチ装置の針が破損せず、安定して絡合一体化加工が可能となるので好適である。ポリフェニレンサルファイド短繊維の引張強度は5.20〜5.80cN/dtexの範囲内にあるものが、高い破裂強さと安定なニードルパンチ加工性を両立させるので更に好適である。なお、本発明において、引張強度はJIS L 1015:1999 8.7.1の方法に準じて測定した値をいう。
また、捲縮弾性率が75.0%以上のポリフェニレンサルファイド短繊維を用いることにより、カード装置で対向する金属ローラー間をポリフェニレンサルファイド短繊維が引き揃えの応力を受けながら通過してシート化が進む工程で、引き揃えの応力が消失した後でもポリフェニレンサルファイド短繊維の捲縮が残存し、短繊維同士が布帛の面内で強く結合したシートを得ることができるので好ましい。捲縮弾性率が90.0%以下とすることで、上述の引き揃え応力が作用した時に短繊維が布帛の面内で一定方向に配向しやすく、かつ該引き揃え応力が消失した時に短繊維の配向を維持しつつ短繊維の捲縮が適度に残存することから、均一で、かつニードルパンチ工程で強力低下を生じないシートを得ることができるので好ましい。ポリフェニレンサルファイド短繊維の捲縮弾性率は80.0〜85.0%の範囲内にあるものが捲縮の残存量と引き揃え応力への耐久性の両面で優れることから更に好適である。
ここで捲縮弾性率は次式で表される指標であり、繊維に荷重が作用し、該荷重を除去後の捲縮の戻りやすさを表している。
捲縮弾性率(%)=(b−c)/(b−a)×100
a:初荷重をかけた時の長さ(mm)
b:所定の荷重をかけた時の長さ(mm)
c:2分間放置後、初荷重をかけた時の長さ(mm)。
なお、本発明において捲縮弾性率はJIS L 1015:1999 8.12.3の方法に準じて測定した値をいう。
なお、本発明の説明中で結合という用語は、ポリフェニレンサルファイド短繊維の捲縮が引き起こす短繊維同士の自発的な結びつきを表し、一方で絡合という用語は、ニードルパンチ装置の針がポリフェニレンサルファイド短繊維同士を強制的に結びつけることをそれぞれ表す。
また、本発明のフィルター用布帛に使用するポリフェニレンサルファイド短繊維は破断伸度が20.0〜40.0%の範囲内にあるものが好ましい。破断伸度が20.0%以上のポリフェニレンサルファイド短繊維を使用して得られるフィルター用布帛は破裂応力が作用した時の寸法変化が適度にあることから破裂強さを高くすることができるので好ましい。また、破断伸度が40.0%以下のポリフェニレンサルファイド短繊維を使用することで、短繊維が布帛の面内で一定方向に配向したシートをニードルパンチ装置などの装置で布帛の厚み方向で絡合して一体化処理を施す際にシートが必要以上に伸びず、短繊維の配向や結合は維持しつつ短繊維の絡合が向上し、なおかつシートの強力低下を生じないことから、フィルター用布帛に必要な高い破裂強さを得ることができるので好ましい。さらにまた、破断伸度が40.0%以下のポリフェニレンサルファイド短繊維を使用したフィルター用布帛は、サイズが大型化しても寸法変化が小さいので、優れた寸法安定性を有することから好適である。ポリフェニレンサルファイド短繊維の破断伸度は20.0〜30.0%であるものが、破裂応力に対する適度な柔軟性と引張応力に対する充分な寸法安定性とを兼備するので更に好適である。なお、本発明において破断伸度はJIS L 1015:1999 8.7.1の方法に準じて測定した値をいう。
本発明のフィルター用布帛の製造方法は、引張強度が5.00〜7.00cN/dtex、かつ、捲縮弾性率が75.0〜90.0%の範囲内にあるポリフェニレンサルファイド短繊維をカード装置に投入するなどして繊維が布帛の面内で一定方向に配向したシートとし、しかる後に400〜600本/cmの針本数でニードルパンチ加工して短繊維同士を布帛の厚み方向で絡合させて一体化する製造方法である。更にまた、破断伸度が20.0〜40.0%の範囲内にあるポリフェニレンサルファイド短繊維も本発明のフィルター用布帛の製造方法に好適に用いることができる。ポリフェニレンサルファイド短繊維を一定方向に布帛の面内で配向してシートとし、しかる後に400〜600本/cmの針本数でニードルパンチ加工して短繊維同士を布帛の厚み方向で絡合させることにより、大部分の短繊維は布帛の面内で一定方向に配向していながら一部(ニードルが打ち込まれた部分)のみ短繊維同士が布帛の厚み方向で絡合した布帛を得ることができる。すなわち、ここでいう一部とはニードルが打ち込まれた部分(具体的には400〜600本/cm)をいい、大部分とはそれ以外の部分を指す。
ニードルパンチの針本数を400本/cm以上とすることで、ポリフェニレンサルファイド短繊維が布帛の面内で一定方向に配向したシートの一部の短繊維同士を布帛の厚み方向で絡合させて一体化を充分に進行させることが可能となり、フィルター用布帛に必要な高い破裂強さを発現させることができるので好適である。またニードルパンチの針本数を600本/cm以下とすることで、一定方向に配向した短繊維がニードルパンチ装置の針によって劣化することを最小限に抑制し、布帛の均一性と破裂強さ、更には布帛の引張強力も高い値を維持できることから特に好適である。ニードルパンチの針本数は500〜550本/cmの範囲内とすることで、布帛の高い破裂強さと高い引張強力とを充分に両立させることができるので、更に好適である。
なお、ニードルパンチ加工はシートの片側のみから行っても、両側から行ってもよいし、複数回に分けて行ってもよいが、それらの合計の針本数が前記範囲内であることが重要である。
以下、実施例と比較例とにより、本発明のフィルター用布帛についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例等で作成したフィルター用布帛の評価は以下の手法を用いた。
[繊維の引張強度]
JIS L 1015:1999 8.7.1の方法に準じて測定した。試験機の種類は定速伸長形、引張速度は20mm/分で実施し、30回の測定値の平均値を引張強度とした。
[繊維の破断伸度]
JIS L 1015:1999 8.7.1の方法に準じて測定した。試験機の種類は定速伸長形、引張速度は20mm/分で実施し、30回の測定値の平均値を破断伸度とした。
[繊維の捲縮弾性率]
JIS L 1015:1999 8.12.3の方法に準じて測定した。表示テックスは2.2デシテックス(dtex)を使用し、20回の測定値の平均値を捲縮弾性率とした。
[沸点が200℃以上の揮発成分の含有量]
ポリフェニレンサルファイド短繊維3gを、腹部が100mm長さで25mm直径、首部が255mm長さで12mm直径、肉厚が1mmのガラスアンプルに計り入れてから真空封入する。このガラスアンプルの腹部のみを管状炉に挿入して規定温度で2時間加熱する。管状炉として(株)アサヒ理化製作所製セラミックス電気炉ARF−30Kを用いた。加熱によりポリフェニレンサルファイド短繊維から揮発成分が気化し、管状炉で加熱されていないアンプルの首部に冷却されて付着する。アンプルを取り出した後、アンプルの首部をヤスリで切り出して秤量する。次いでアンプルの首部に付着した揮発成分を5gのクロロホルムで溶解して除去した後、60℃のガラス乾燥機で1時間乾燥してから再度秤量する。そして、揮発成分を除去する前の秤量値(重量)から揮発成分を除去した後の秤量値(重量)を差し引き重量差を求める。揮発成分の含有量は、かかる重量差を、規定温度200℃と規定温度320℃とで測定し、次式を用いて計算した。
沸点が200℃以上の揮発成分の含有量(重量%)=(B−A)/3×100
A:規定温度を200℃として測定した時の重量差
B:規定温度を320℃として測定した時の重量差。
[布帛の目付け]
JIS L 1913:1998 6.2に記載の方法で目付(単位面積当たりの質量)を測定した。試料から300mm×300mmの試験片を、鋼製定規とかみそり刃とを用いて3枚採取した。標準状態における試験片の質量を測定して、単位面積当たりの質量を次の式によって求め、平均値を算出した。
=m/S
ここに、m:単位面積当たりの質量(g/m
m:試験片の質量(g)
S:試験片の面積(m
[布帛の厚み]
JIS L 1913:1998 6.1.2 A法により測定した。試料から100mm×100mmの試験片を10枚採取した。次に厚さ測定器(前田精機製作所社製の圧縮弾性試験機)の上側円形水平板に0.5kPaの圧力をかけ、0点を調整した。
厚さ測定器を用いて、標準状態で試験片に0.5kPaの圧力を10秒間かけて、厚さを測定し、試験片10枚の平均値を求めた。
[布帛の通気量]
JIS L 1096−1999 8.27.1 A法(フラジール形法)に準じて測定した。試料の異なる5か所から約20cm×20cmの試験片を採取し、フラジール形試験機を用い、円筒の一端(吸気側)に試験片を取り付けた。試験片の取り付けに際し、円筒の内径と同一の内径を有する平面状ゴム製リングパッキン(厚さ1mm)を円筒の試験片取り付け側に設置し、その上に試験片を置き、試験片上から吸気部分を塞がないように均等に約98N(10kgf)の荷重を加え試験片の取り付け部におけるエアーの漏れを防止した。試験片を取り付けた後、加減抵抗器によって傾斜形気圧計が125Paの圧力を示すように吸込みファンを調整し、そのときの垂直形気圧計の示す圧力と、使用した空気孔の種類とから、試験機に付属の表によって試験片を通過する空気量を求め、5枚の試験片についての平均値を算出した。
[布帛の破裂強さ]
JIS L 1913:1998 6.5.2ミューレン形法に準じて測定した。10回の測定値の平均値を破裂強さとした。
[布帛のフィルター性能]
JIS Z 8909−1:2005に基づいて、同規定における試験装置を用い、繰り返しダスト払い落とし後の集じん率の測定を行った。布帛に対し、濾過風速2.0m/minの気流を与え、布帛の表面側に、JIS 10種ダストをダスト供給機にてダスト濃度5g/mで負荷した。そして、布帛の裏面側にあるパルスジェット負荷機によりパルスジェット圧力500kPa(噴射時間:50msec)の条件で装置を運転させ、圧力損失が1.0kPaまで上昇する毎にパルスジェットを初期30回打った。
次にJIS Z 8909−1記載の方法に準拠してエージング処理と安定化処理を実施した。エージング処理の条件は5秒間隔で5,000回の払い落としであり、安定化処理は1.0kPaの払い落とし圧力損失制御のもとで払い落としを10回繰り返した。
最後に、エージングと安定化処理を施した布帛のフィルター性能を測定した。1.0kPaの払い落とし圧力損失制御のもとで、払い落としを30回行い、その間の圧力損失の推移をデジタル差圧計で連続モニターリングした。
布帛の裏面側にはHEPAフィルターが設置されており、布帛から漏れ出たダストを捕集させ、ダストの供給量とダストの漏れ量から集じん率を以下の計算式にて求めた。
集じん率(%)=(ダスト供給量(g)−ダスト漏れ量(g))/ダスト供給量(g)×100。
尚、試験室の条件は、温度23℃、相対湿度45%、大気圧1005hPaであった。
[実施例1]
東レ(株)製ポリフェニレンサルファイド粉粒体E2280(重量平均分子量:49,500)を2軸方式のベント付きエクストルーダー((株)日本製鋼所製TEX30型)で真空度1.3kPa、シリンダー温度290℃に設定し、160rpmのスクリュー回転数にて溶融し、円形の孔(孔面積:15.9mm)から押出して、ストランドカッターにより長さ3mmに切断することでペレットを得た。得られたペレットを160℃で10時間、1.3kPaの真空度にて真空乾燥を行った。真空乾燥は回分式で行い、乾燥するペレットは1回あたり2トンであった。
真空乾燥を行ったペレットをエクストルーダー型紡糸機を用いて、紡糸温度320℃、吐出量350g/分で溶融紡糸し、引取速度800m/分で引き取って未延伸糸を得た。得られた未延伸糸は自然延伸倍率が2.8倍であった。引き続き、得られた未延伸糸を温度98℃の温水中で延伸倍率3.2倍で延伸を行い、次いで熱延伸後と定長熱処理の間で2%弛緩し、かつ定長熱処理と捲縮付与前の間で2%弛緩させた条件で、200℃に加熱されたローラーにて4秒間の定長熱処理を行った。その後、スタッフィングボックス型クリンパー内で210℃のスチームを用いて捲縮を付与して熱固定し、油剤を噴霧して90℃で乾燥を行って長さ51mmに切断することで、ポリフェニレンサルファイド短繊維を得た。得られたポリフェニレンサルファイド短繊維の引張強度、破断伸度、捲縮弾性率および短繊維中の揮発成分の含有量を表1に示す。
また、得られたポリフェニレンサルファイド短繊維を使用し、大和機構製の600mm規格のサンプルカード装置にて短繊維を引き揃えて一定方向に配向させて排出し、しかる後に大和機構製500mm規格のクロスレイヤー装置にて排出したシートを積層することで、短繊維が布帛の面内で一定方向に配向したシートを得た。しかる後に大和機構製700mm規格のニードルルーム(ニードルパンチ処理装置)装置を用いて針本数550本/cmでニードルパンチ処理し、短繊維同士が布帛の厚み方向で絡合してなる布帛を得た。得られた布帛の一般物性や破裂強さ、フィルター性能は表1の通りである。
[実施例2]
実施例1の方法で得られた未延伸糸を使用し、温度98℃の温水中で延伸倍率3.7倍で延伸を行い、次いで熱延伸後と定長熱処理の間で2.5%弛緩し、かつ定長熱処理と捲縮付与前の間で2.5%弛緩させた条件で、220℃に加熱されたローラーにて7秒間の定長熱処理を行った。その後、スタッフィングボックス型クリンパー内で220℃のスチームを用いて捲縮を付与して熱固定し、油剤を噴霧して90℃で乾燥を行って長さ51mmに切断することで、ポリフェニレンサルファイド短繊維を得た。得られたポリフェニレンサルファイド短繊維の引張強度、破断伸度、捲縮弾性率および短繊維中の揮発成分の含有量を表1に示す。
また、得られたポリフェニレンサルファイド短繊維を使用し、針本数のみ500本/cmに変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルター用布帛を得た。フィルター用布帛を構成する短繊維は布帛の面内で一定方向に配向し、尚且つ短繊維同士が布帛の厚み方向で充分に絡合しているので、布帛の破裂強さもフィルター性能も高いものであった。
[比較例1]
実施例1の方法で得られたポリフェニレンサルファイド短繊維を使用し、針本数のみ300本/cmに変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルター用布帛を得た。得られたフィルター用布帛は布帛の厚み方向で短繊維同士の絡合が充分に進んでいないために破裂強さが小さく、フィルター性能を評価した結果、払い落としのパルス衝撃によって布帛が一部で変形し、試験ダストの漏れが発生したために低いフィルター性能を示すものであった。
[比較例2]
実施例1の方法で得られたポリフェニレンサルファイド短繊維を使用し、大和機構製200mm規格のサンプルオープナー装置を使用して短繊維がランダムに配列したシート状とし、しかる後に大和機構製700mm規格のニードルルーム装置を用いて針本数450本/cmでニードルパンチ処理したが、短繊維が布帛の面内で一定方向に配向せず不均一な分散状態のシートであったために、ニードルパンチ処理の時に短繊維の分布量が少ない領域が多数発生し、不均一で破裂強さも弱いフィルター用布帛しか得ることができなかった。得られたフィルター用布帛のフィルター性能を評価した結果、短繊維の分布ムラに起因するダストの漏れが発生したために低いフィルター性能を示すものであった。
[比較例3]
実施例1の方法で得られたポリフェニレンサルファイド短繊維を使用し、針本数のみ800本/cmに変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルター用布帛を得た。ニードルパンチの針本数が650本/cmを超えた時点からニードルパンチ処理をすると布帛の伸びが増大し、短繊維同士の絡合が消失する状態となった。得られたフィルター用布帛は布帛の厚み方向で短繊維同士の絡合が少ないために破裂強さが低く、フィルター性能を評価したところ、払い落としのパルス衝撃によって布帛の一部が変形し、低いフィルター性能を示すものであった。
[比較例4]
ペレットを真空乾燥する際の温度と時間を200℃で2時間に変更した以外は実施例1と同様の方法で真空乾燥したペレットを得た。
得られたペレットを実施例1と同様の方法で未延伸糸とし、未延伸糸を温度95℃の温水中で延伸倍率3.2倍で延伸を行い、次いで熱延伸後と定長熱処理の間で2%弛緩し、かつ定長熱処理と捲縮付与前の間で2%弛緩させた条件で、200℃に加熱されたローラーにて4秒間の定長熱処理を行った。用いたペレットの真空乾燥が充分になされなかったために揮発成分の含有量が多く、定長熱処理で糸切れが発生した。次にスタッフィングボックス型クリンパー内に通じ、210℃のスチームを用いて捲縮を付与し、油剤を噴霧して90℃で乾燥を行って長さ51mmに切断することで、ポリフェニレンサルファイド短繊維を得た。得られたポリフェニレンサルファイド短繊維は糸切れが発生したために充分な定長熱処理がなされず、引張強度が低くて破断伸度も高いポリフェニレンサルファイド短繊維しか得られなかった。
また、得られたポリフェニレンサルファイド短繊維を使用し、実施例2と同様の方法でフィルター用布帛を得た。ポリフェニレンサルファイド短繊維の引張強度が低いものを使用したので得られたフィルター用布帛の破裂強さは低く、フィルター試験では払い落としのパルス衝撃によって布帛が一部で変形した。
[比較例5]
比較例4で得られたフィルター用布帛にビスフェノールA型エポキシ樹脂を布帛重量に対して30重量%含浸し、しかる後に乾燥温度180℃で5分間乾燥することで破裂強さの高いフィルター用布帛を得た。得られたフィルター用布帛は剛性が高すぎるためにフィルター試験で払い落としのパルス衝撃が与えられたときに柔軟性に欠けるため、フィルター用布帛の表面に堆積したダストが充分に剥離せず、フィルター性能、特に圧力損失において低い性能のものであった。
[比較例6]
実施例1の方法で得られた未延伸糸を用いて温度95℃の温水中で延伸倍率3.5倍で延伸を行い、定長熱処理を行わずにスタッフィングボックス型クリンパー内に通じ、スチームを使用しないで捲縮を付与し、油剤を噴霧して90℃で乾燥を行って長さ51mmに切断することで、ポリフェニレンサルファイド短繊維を得た。得られたポリフェニレンサルファイド短繊維は定長熱処理を行わなかったために引張強度が低くて破断伸度も高く、更にクリンパーにおいてスチームを使用しなかったために捲縮弾性率が低い短繊維であった。
また、得られたポリフェニレンサルファイド短繊維を使用し、実施例2と同様の方法でフィルター用布帛を得た。ポリフェニレンサルファイド短繊維の捲縮弾性率が低いものを使用したためにサンプルカード装置にて短繊維を引き揃えて一定方向に配向させて排出したが、捲縮が伸びてしまい、シートを構成する短繊維の分布が不均一で結合も不十分なものとなった。またポリフェニレンサルファイド短繊維の引張強度が低いものを使用したので得られたフィルター用布帛の破裂強さは低く、フィルター試験では払い落としのパルス衝撃によって布帛が一部で変形した。
以上の実施例と比較例の結果を纏めたのが次の表1である。
Figure 2009297680
表1の結果から明らかなように、破裂強さが高くて、かつ集じん率も高く、圧力損失も低い優れたフィルター性能を有しているのは実施例のフィルター用布帛のみであり、比較例のフィルター用布帛においては、短繊維が配向していないために破裂強さが低いフィルター用布帛であったり、あるいは破裂強さが低いためにフィルター試験中のパルス衝撃で布帛が変形し、集じん率が低いものであることから、フィルター用途、特にバグフィルター用途に用いられないことは明らかである。
本発明は、ポリフェニレンサルファイド短繊維の大部分が布帛の面内で一定方向に配向し、一部の短繊維同士が布帛の厚み方向で絡合してなる布帛であって、特定の範囲内の破裂強さを有する布帛を選択的に使用することで、高温の燃焼ガスを集塵し、定期的に高圧空気のパルスを与えられるバグフィルター用途に特に好適に用いることが出来るが、その応用範囲はこれに限定されるものではない。

Claims (5)

  1. ポリフェニレンサルファイド短繊維の大部分が布帛の面内で一定方向に配向し、一部の短繊維同士が布帛の厚み方向で絡合してなる不織布であり、JIS L 1913で測定される破裂強さが3,500.0〜5,000.0kPaの範囲内にあることを特徴とするフィルター用布帛。
  2. 該ポリフェニレンサルファイド短繊維の引張強度が5.00〜7.00cN/dtex、かつ捲縮弾性率が75.0〜90.0%の範囲内にあることを特徴とする、請求項1に記載のフィルター用布帛。
  3. 該ポリフェニレンサルファイド短繊維の破断伸度が20.0〜40.0%の範囲内にあることを特徴とする、請求項1または2に記載のフィルター用布帛。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のフィルター用布帛の製造方法であって、引張強度が5.00〜7.00cN/dtex、かつ、捲縮弾性率が75.0〜90.0%の範囲内にあるポリフェニレンサルファイド短繊維を布帛の面内で一定方向に配向してシートとし、しかる後に400〜600本/cmの針本数でニードルパンチ加工して一部の短繊維同士を布帛の厚み方向で絡合させて一体化することを特徴とするフィルター用布帛の製造方法。
  5. 破断伸度が20.0〜40.0%の範囲内にあるポリフェニレンサルファイド短繊維を用いてなることを特徴とする、請求項4に記載のフィルター用布帛の製造方法。
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