JP2009295801A - 光学素子保持装置、光学系、露光装置、デバイスの製造方法 - Google Patents

光学素子保持装置、光学系、露光装置、デバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】装置全体の複雑化を抑制しつつ、光学素子の位置及び形状の調整を行うことができる光学素子保持装置、光学系、露光装置、デバイスの製造方法を提供する。
【解決手段】第1ミラー26を保持する光学素子保持装置40は、第1ミラー26に設けられた被保持部41,42,43を保持する3つの保持機構51,52,53を備えている。各保持機構51〜53には、被保持部41〜43を6自由度方向に移動させることが可能なリンク機構54,55がそれぞれ設けられている。そして、制御装置からの制御情報に基づき各保持機構51〜53がそれぞれ駆動することにより、第1ミラー26は、その位置及び形状の調整が実行される。
【選択図】図2

Description

本発明は、光学素子を保持するための光学素子保持装置、該光学素子保持装置を備える光学系、該光学系を備える露光装置、及び該露光装置を用いたデバイスの製造方法に関するものである。
一般に、半導体集積回路などのマイクロデバイスを製造するための露光装置は、パターン像を感光性材料の塗布されたウエハ、ガラスプレートなどの基板に投影するための投影光学系を備えている。このような投影光学系には、鏡筒と、該鏡筒内に収容される反射ミラーなどの光学素子とが設けられている。また、投影光学系には、光学素子を6自由度方向の位置及び姿勢を調整可能な態様で保持する光学素子保持装置が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
上記光学素子保持装置は、鏡筒の側壁に支持される円環状のアウターリングと、該アウターリングに支持されるリンク機構と、該リンク機構を介してアウターリングに支持される円環状のインナーリングとを備えている。そして、このインナーリングは、周方向において等間隔に配置された複数の保持部を介して光学素子を保持するようになっている。また、リンク機構は、インナーリングをアウターリングに対して6自由度方向に移動させるべく駆動するようになっている。そのため、光学素子保持装置に保持される光学素子は、その位置がリンク機構の駆動によって調整されるようになっていた。
特開2005−276933号公報
ところで、上記光学素子保持装置に保持される光学素子は、該光学素子に対して不均一な熱膨張が局所的に加わった場合に、変形することがある。このように光学素子が変形した場合には、投影光学系の光学特性が変わってしまい、基板に対するパターン像の投影不良が発生する虞がある。そのため、上記光学素子保持装置では、光学素子の形状を積極的に変形させる変形機構を、光学素子の位置及び姿勢を調整させる調整機構とは別に設ける必要がある。しかしながら、こうした光学素子保持装置では、変形機構と、調整機構とをそれぞれ設けた構成であるため、装置全体が複雑になるという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は装置全体の複雑化を抑制しつつ、光学素子の位置及び形状の調整を行うことができる光学素子保持装置、光学系、露光装置、デバイスの製造方法を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明は、実施形態に示す図1〜図12に対応付けした以下の構成を採用している。
本発明の光学素子保持装置は、光学素子(20,21,22,26,27,28,29,30,31)を保持する光学素子保持装置(40)であって、前記光学素子(20,21,22,26,27,28,29,30,31)の第1の被保持部(41)を保持する第1の保持機構(51)と、前記光学素子(20,21,22,26,27,28,29,30,31)の第2の被保持部(42)を保持する第2の保持機構(52)と、前記光学素子(20,21,22,26,27,28,29,30,31)の第3の被保持部(43)を保持する第3の保持機構(53)と、前記光学素子(20,21,22,26,27,28,29,30,31)の位置を調整するための第1駆動力及び前記光学素子(20,21,22,26,27,28,29,30,31)の形状を調整するための第2駆動力を前記第1の保持機構(51)、前記第2の保持機構(52)及び前記第3の保持機構(53)の少なくとも1つに付与可能な駆動装置(18)とを備えることを要旨とする。
上記構成によれば、第1駆動力が第1の保持機構、第2の保持機構、及び第3の保持機構のうち少なくとも一つに付与されることにより、3つの保持機構に保持される光学素子の位置が調整される。また、第2駆動力が第1の保持機構、第2の保持機構、及び第3の保持機構のうち少なくとも一つに付与されることにより、3つの保持機構に保持される光学素子の形状が調整される。すなわち、光学素子の位置を調整させための機構と、光学素子の形状を調整させるための機構とを個別に設けることなく、光学素子の位置及び形状の調整が実行可能である。したがって、装置全体の複雑化を抑制しつつ、光学素子の位置及び形状の調整を行うことができる。
なお、本発明をわかりやすく説明するために実施形態を示す図面の符号に対応づけて説明したが、本発明が実施形態に限定されるものではないことは言うまでもない。
(第1の実施形態)
以下に、本発明を具体化した第1の実施形態について図1〜図6に基づき説明する。
図1に示すように、本実施形態の露光装置11は、波長が100nm程度以下の軟X線領域である極端紫外光、即ちEUV(Extreme Ultraviolet )光を露光光として用いるEUV露光装置であって、内部が真空雰囲気となるチャンバ12(図1では二点鎖線で示す。)内に設置されている。この露光装置11は、露光光源13と、照明光学系14と、所定のパターンが形成された反射型のレチクルRを保持するレチクルステージ15と、投影光学系16と、表面にレジストなどの感光性材料が塗布されたウエハWを保持するウエハステージ17と、露光装置11全体を制御するための制御装置18とを備えている。なお、本実施形態の露光光源としては、レーザ励起プラズマ光源が用いられており、該露光光源13は、波長が5〜20nm(例えば13.5nm)となるEUV光を射出する。
照明光学系14は、チャンバ12の内部と同様に、内部が真空雰囲気に設定された第1鏡筒19(図1では一点鎖線で示す。)を備えている。この第1鏡筒19内には、露光光源13側から順に配置された光学素子としての反射型のコリメート用ミラー20、コンデンサミラー21及び一対のフライアイミラー(図示略)が収容されている。これら各ミラー20,21及び一対のフライアイミラーの反射面には、露光光ELを反射する反射層がそれぞれ形成されている。そして、一対のフライアイミラーで反射された露光光ELは、一対のフライアイミラーよりもレチクルR側に配置された折り返し用の反射ミラー22により、レチクルステージ15に保持されるレチクルRに導かれる。
レチクルステージ15は、後述する投影光学系16の物体面側に配置されており、レチクルRを静電吸着する静電チャック23と、レチクルRをY軸方向に所定ストロークで移動させるレチクルステージ駆動部24とを備えている。このレチクルステージ駆動部24は、レチクルRをX軸方向及びθ方向(Z軸周りの回転方向)にも微小量移動させるように構成されている。そして、レチクルRにおいては上記パターンが形成された被照射面(即ち、図1における下面)で反射された露光光ELは、投影光学系16に導かれる。
投影光学系16は、チャンバ12の内部と同様に、内部が真空雰囲気に設定された第2鏡筒25(図1では一点鎖線で示す。)を備えている。この第2鏡筒25内には、複数枚(本実施形態では6枚)の光学素子としての反射型のミラー26,27,28,29,30,31が収容されている。これら各ミラー26〜31のうち投影光学系16の瞳面Pに最も近いミラー(例えば、第1ミラー26)は、光学素子保持装置40(図2及び図3参照)を介して第2鏡筒25に保持されている。そして、物体面側であるレチクルR側から導かれた露光光ELは、第1ミラー26、第2ミラー27、第3ミラー28、第4ミラー29、第5ミラー30、第6ミラー31の順に反射され、ウエハステージ17に保持されるウエハWに導かれる。なお、各ミラー26〜31の反射面には、露光光ELを反射する反射層がそれぞれ形成されている。
ウエハステージ17は、ウエハWを静電吸着する静電チャック32と、投影光学系16から射出された露光光ELの波面収差を計測するための波面収差測定装置33と、ウエハWをY軸方向に所定ストロークで移動させるウエハステージ駆動部34とを備えている。このウエハステージ駆動部34は、ウエハWをX軸方向及びZ軸方向にも移動させるように構成されている。また、ウエハステージ17には、静電チャック32を保持する不図示のウエハホルダと、該ウエハホルダのZ軸方向における位置及びθ方向、θ方向の傾斜角を調整するZレベリング機構(図示略)とが組み込まれている。さらに、波面収差測定装置33は、その受光面がウエハWの表面と同一面内に配置されており、ウエハステージ17に対して着脱可能に取付けられている。そして、投影光学系16から射出された露光光ELがウエハWの被照射面(即ち、図1における上面)を照射することにより、ウエハWには、レチクルR上の上記パターンを所定倍率に縮小したパターン像が投影される。
次に、第2鏡筒25内に収容される第1ミラー26を保持するための光学素子保持装置40について図2〜図6に基づき説明する。
図2〜図4に示すように、光学素子保持装置40は、第1ミラー26の周面に接着剤を介して接着される複数(本実施形態では3つ)の被保持部41,42,43を備え、該各被保持部41〜43は、第1ミラー26の周方向において互いに等間隔に離間した位置にそれぞれ配置されている。また、各被保持部41〜43の−Z方向側(図4では下側)には、平板状をなす連結部材44がそれぞれ配設されている。被保持部41〜43及び連結部材44には、図4に示すように、該連結部材44の中央部からZ軸方向(図4では上下方向)に延設される仮想線S(図2及び図4では一点鎖線で示す。)と対応する位置に挿通孔45,46がそれぞれ貫通形成されている。そして、各連結部材44は、固定ボルト47の雄ねじ部47aが各挿通孔45,46内を挿通し、さらに、雄ねじ部47aの先端が連結部材44の−Z方向側に配置されたナット48内に螺合されることにより、被保持部41〜43に固定されている。なお、被保持部41〜43と該被保持部41〜43に個別対応する連結部材44との間には、両者の当接状態の安定性を高めることを目的としてワッシャ49がそれぞれ介在している。
また、図2及び図3に示すように、光学素子保持装置40は、第2鏡筒25の側壁25aに支持され、且つ第1ミラー26の外径よりも大きな内径を有する円環状のベース部材50を備えている。このベース部材50は、その配置態様が第1ミラー26の−Z方向側で水平状態(XY平面と平行な状態)となるように調整されている。また、ベース部材50は、被保持部41〜43を介して第1ミラー26を保持するための第1の保持機構51、第2の保持機構52及び第3の保持機構53を支持している。すなわち、第1の保持機構51は、第1の被保持部41と周方向において同一位置に配置されると共に、第2の保持機構52は、第2の被保持部42と周方向において同一位置に配置され、さらに、第3の保持機構53は、第3の被保持部43と周方向において同一位置に配置されている。
各保持機構51〜53は、図3及び図4に示すように、ベース部材50の+Z方向側(図4では上側)に配置されるリンク機構54,55,56をそれぞれ備えており、各リンク機構54〜56は、各被保持部41〜43に固定される連結部材44をそれぞれ保持している。なお、各リンク機構54〜56は、それぞれ同じ構成を有しているため、明細書の説明理解の便宜上、第1の保持機構51のリンク機構54のみを説明し、他のリンク機構55,56については説明を省略する。
リンク機構54は、第1の被保持部41をベース部材50に対して、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向、X軸周りの回転方向(θ方向ともいう。)、Y軸周りの回転方向(θ方向ともいう。)及びZ軸周りの回転方向(θ方向ともいう。)の6自由度方向に移動させるように構成されている。すなわち、リンク機構54は、2本のリンク部材57からなるリンク対58を複数(本実施形態では3つ)備え、該各リンク対58は、固定ボルト47を中心とした周方向において互いに等間隔に離間した位置にそれぞれ配置されている。
また、各リンク部材57は、図5に示すように、それぞれの長手方向における両端が第1の被保持部41に固定される連結部材44及びベース部材50に対して球面対偶をなすように形成されている。具体的には、各リンク部材57は、一方向に延びる軸部57aをそれぞれ備えている。そして、各リンク部材57は、それぞれの軸部57aの一端(図4では下端)に設けられたボールジョイント57bを介してベース部材50に取付けられると共に、それぞれの軸部57aの他端(図4では上端)に設けられた図示しないボールジョイントを介して連結部材44に取付けられている。また、各リンク部材57の各軸部57a内には、それぞれの長手方向における長さを変更させるべく伸縮駆動するアクチュエータ60(例えば圧電素子、図5にて破線で示す。)が設けられている。そして、リンク機構54は、該リンク機構54を構成する各リンク部材57のアクチュエータ60が個別に伸縮駆動することで第1の被保持部41を任意の方向に変位させることが可能となっている。
そこで次に、以上のように構成された露光装置11における光学素子保持装置40の作用について以下説明する。
さて、露光装置11において、投影光学系16のメンテナンスを開始する場合、まず、波面収差測定装置33からの入力信号が入力された制御装置18によって、投影光学系16の波面収差が検出される。すると、検出された波面収差に対応した第1ミラー26の移動量が、制御装置18によって設定され、該制御装置18からは、該移動量に対応した第1駆動力、即ち制御信号が各保持機構51〜53に対して出力される。
第1ミラー26を+X方向(図3における下側)又は−X方向(図3における上側)に移動させる場合、各保持機構51〜53は、各被保持部41〜43の+X方向又は−X方向への移動量が同一量となるようにそれぞれ駆動する。例えば、第1ミラー26を+X方向に移動させる場合、第1の保持機構51において、該第1の保持機構51によって保持される連結部材44に直交する仮想線Sを含むYZ平面よりも−X方向側に位置するリンク部材57のアクチュエータ60が伸張すると共に、YZ平面よりも+X方向側に位置するリンク部材57のアクチュエータ60が収縮する。また、第2の保持機構52において、該第2の保持機構52によって保持される連結部材44に直交する仮想線Sを含むYZ平面よりも−X方向側に位置するリンク部材57のアクチュエータ60が伸張すると共に、YZ平面よりも+X方向側に位置するリンク部材57のアクチュエータ60が収縮する。そして、第3の保持機構53において、該第3の保持機構53によって保持される連結部材44に直交する仮想線Sを含むYZ平面よりも−X方向側に位置するリンク部材57のアクチュエータ60が伸張すると共に、YZ平面よりも+X方向側に位置するリンク部材57のアクチュエータ60が収縮する。すると、各被保持部41〜43が+X方向にそれぞれ移動し、第1ミラー26が+X方向に移動する。なお、第1ミラー26を−X方向に移動させる場合は、各アクチュエータ60のうち、第1ミラー26を+X方向に移動させる際に伸張したアクチュエータ60を収縮させると共に、第1ミラー26を+X方向に移動させる際に収縮したアクチュエータ60を伸張させる。
また、第1ミラー26を+Y方向(図3における右側)又は−Y方向(図3における左側)に移動させる場合、各保持機構51〜53は、各被保持部41〜43の+Y方向又は−Y方向への移動量が同一量となるようにそれぞれ駆動する。例えば、第1ミラー26を+Y方向に移動させる場合、第1の保持機構51において、該第1の保持機構51によって保持される連結部材44に直交する仮想線Sを含むXZ平面よりも−Y方向側に位置するリンク部材57のアクチュエータ60が伸張すると共に、XZ平面よりも+Y方向側に位置するリンク部材57のアクチュエータ60が収縮する。また、第2の保持機構52において、該第2の保持機構52によって保持される連結部材44に直交する仮想線Sを含むXZ平面よりも−Y方向側に位置するリンク部材57のアクチュエータ60が伸張すると共に、XZ平面よりも+Y方向側に位置するリンク部材57のアクチュエータ60が収縮する。そして、第3の保持機構53において、該第3の保持機構53によって保持される連結部材44に直交する仮想線Sを含むXZ平面よりも−Y方向側に位置するリンク部材57のアクチュエータ60が伸張すると共に、XZ平面よりも+Y方向側に位置するリンク部材57のアクチュエータ60が収縮する。すると、各被保持部41〜43が+Y方向に移動し、第1ミラー26が+Y方向に移動する。なお、第1ミラー26を−Y方向に移動させる場合は、各アクチュエータ60のうち、第1ミラー26を+Y方向に移動させる際に伸張したアクチュエータ60を収縮させると共に、第1ミラー26を+X方向に移動させる際に収縮したアクチュエータ60を伸張させる。
また、第1ミラー26を+Z方向(図3における紙面手前側方向)又は−Z方向(図3における紙面奥手側方向)に移動させる場合、各保持機構51〜53は、各被保持部41〜43の+Z方向又は−Z方向への移動量が同一量となるようにそれぞれ駆動する。例えば、第1ミラー26を+Z方向に移動させる場合、全てのリンク部材57のアクチュエータ60が同一量だけ伸張する。すると、各被保持部41〜43が同一量だけ+Z方向に移動し、第1ミラー26が+Z方向に移動する。一方、第1ミラー26を−Z方向に移動させる場合、全てのリンク部材57のアクチュエータ60が同一量だけ収縮する。すると、各被保持部41〜43が同一量だけ−Z方向に移動し、第1ミラー26が−Z方向に移動する。
また、第1ミラー26をX軸周りに+θ方向に回転させる場合、各保持機構51〜53は、第2の被保持部42及び第3の被保持部43の+Z方向への移動量が第1の被保持部41の+Z方向への移動量よりも多くなるようにそれぞれ駆動する。この際、第1の保持機構51は、第1の被保持部41を−Z方向に移動させてもよいし、第1の被保持部41をZ軸方向に移動させなくてもよい。一方、第1ミラー26をX軸周りに−θ方向に回転させる場合、各保持機構51〜53は、第1の被保持部41の+Z方向への移動量が第2の被保持部42及び第3の被保持部43の+Z方向への移動量よりも多くなるようにそれぞれ駆動する。この際、第2の保持機構52及び第3の保持機構53は、第2の被保持部42及び第3の被保持部43を−Z方向に移動させてもよいし、第2の被保持部42及び第3の被保持部43をZ軸方向に移動させなくてもよい。
また、第1ミラー26をY軸周りに+θ方向に回転させる場合、各保持機構51〜53は、第2の被保持部42の+Z方向への移動量を最も少なくすると共に、第1の被保持部41の+Z方向への移動量を2番目に少なく、さらに、第3の被保持部43の+Z方向への移動量を最も多くするようにそれぞれ駆動する。すなわち、第3の被保持部43が、各被保持部41〜43の中で最も+Z方向側に配置されると共に、第2の被保持部42が、各被保持部41〜43の中で最も−Z方向側に配置される。さらに、第1の被保持部41は、Z軸方向において第2の被保持部42及び第3の被保持部43の中間位置に配置される。一方、第1ミラー26をY軸周りに−θ方向に回転させる場合、各保持機構51〜53は、第3の被保持部43の+Z方向への移動量を最も少なくすると共に、第1の被保持部41の+Z方向への移動量を2番目に少なく、さらに、第2の被保持部42の+Z方向への移動量を最も多くするようにそれぞれ駆動する。
また、第1ミラー26をZ軸周りに+θ方向又は−θ方向に回転させる場合、各保持機構51〜53は、第1ミラー26を中心とした周方向一方側又は周方向他方側に各被保持部41〜43を移動させるようにそれぞれ駆動する。この際、各被保持部41〜43の移動量、即ち回動量は、同一量となる。
ところで、第1ミラー26の光学特性、即ち投影光学系16の光学特性を調整するためには、第1ミラー26の位置や姿勢を調整するだけではなく、第1ミラー26の形状を調整、即ち変形させることがある。そこで、第1ミラー26の形状を調整する際の作用のうち、第1ミラー26の中心が凸又は凹となるように該第1ミラー26を変形させる際の作用について説明する。
さて、第1ミラー26の中心が凸となるように第1ミラー26の形状を調整する場合、制御装置18からは、第1ミラー26を所望する形状に変形させるための第2駆動力、即ち制御信号が各保持機構51〜53に対して出力される。すると、各保持機構51〜53は、各被保持部41〜43を径方向内側に移動させるようにそれぞれ駆動する。すなわち、各リンク部材57のうち、各固定ボルト47よりも径方向内側に位置するリンク部材57が収縮すると共に、各固定ボルト47よりも径方向外側に位置するリンク部材57が伸張する。すると、各被保持部41〜43が径方向内側にそれぞれ移動し、第1ミラー26は、その径方向における中心が凸となるように変形する。
また、第1ミラー26の中心が凹となるように第1ミラー26の形状を調整する場合、制御装置18からは、第1ミラー26を所望する形状に変形させるための第2駆動力、即ち制御信号が各保持機構51〜53に対して出力される。すると、各保持機構51〜53は、各被保持部41〜43を径方向外側に移動させるようにそれぞれ駆動する。すなわち、各リンク部材57のうち、各固定ボルト47よりも径方向外側に位置するリンク部材57が収縮すると共に、各固定ボルト47よりも径方向内側に位置するリンク部材57が伸長する。すると、各被保持部41〜43が径方向内側にそれぞれ移動し、第1ミラー26は、その径方向における中心が凹となるように変形する。
したがって、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)各保持機構51〜53は、制御装置18からの制御情報によって、第1ミラー26の位置を調整させるべく各被保持部41〜43を移動させる。また、各保持機構51〜53は、制御装置18からの制御情報によって、第1ミラー26の形状を調整させるべく各被保持部41〜43のうち少なくとも1つの被保持部を移動させる。すなわち、本実施形態の光学素子保持装置40では、第1ミラー26の位置を調整させるための各保持機構51〜53を用いて第1ミラー26の形状の調整が行われる。そのため、第1ミラー26の位置を調整する機構と第1ミラー26の形状を調整する機構とを個別に設けた場合と比較して、光学素子保持装置40の構成を簡略化させることができる。
(2)各保持機構51〜53は、第1ミラー26をベース部材50に対して任意の方向に移動させることができる。そのため、一方向(例えばY軸方向)のみ調整可能な保持機構を備えた場合と比較して、第1ミラー26の位置の調整を高精度に実行することができる。
(3)もし仮に第2の保持機構52及び第3の保持機構53がアクチュエータ60などの駆動源を有しない構成であるとすると、第1の保持機構51の駆動のみによって第1ミラー26の位置の調整及び形状の調整が実行されることになる。こうした光学素子保持装置40では、第1ミラー26を複雑に移動させたり、変形させたりすることができない。そこで、本実施形態では、第1ミラー26を保持する全ての保持機構51〜53を用いて第1ミラー26の位置及び形状が調整される。そのため、1つの保持機構(例えば第1の保持機構51)のみで第1ミラー26の位置及び形状を調整する場合と比較して、第1ミラー26の位置及び形状をより精密に調整することができる。
(4)例えば、第1ミラー26の一部が熱膨張によって変形し、投影光学系16の光学特性が変化した場合には、第1ミラー26の形状を、熱膨張前の第1ミラー26の形状に戻すように各保持機構51〜53をそれぞれ駆動させる。その結果、投影光学系16の光学特性を、第1ミラー26の変形前の光学特性に戻すことができる。
(5)一般に、露光光ELは、レチクルR側から各ミラー26〜31により反射されてウエハW側に導かれる過程で第1ミラー26の側面側の空間を通過することとなる。この点、本実施形態では、第1ミラーの位置及び形状を調整するリンク機構54〜56が第1ミラー26の裏面側(−Z方向側)の空間に配置されている。そのため、リンク機構54〜56を第1ミラー26の側面側の空間に配置した場合と比較して、露光光ELがリンク機構54〜56により干渉されることを抑制できる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図6及び図7に従って説明する。なお、第2の実施形態は、第1ミラー26と保持機構51〜53との位置関係が第1の実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第1の実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1の実施形態と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
図6及び図7に示すように、本実施形態の光学素子保持装置40は、第2鏡筒25の側壁25aに支持され、第1ミラー26とZ軸方向において略同一位置に配置される3つの保持機構51〜53を備えており、該各保持機構51〜53は、第1ミラー26を中心として周方向において互いに等間隔に離間した位置にそれぞれ配置されている。また、各保持機構51〜53のリンク機構54〜56は、第1ミラー26の被保持部41〜43を、該被保持部41〜43の径方向外側に配置される連結部材44を介してそれぞれ保持している。
各リンク機構54〜56は、3対のリンク対58から構成されており、1つのリンク機構(例えばリンク機構54)のリンク対58は、固定ボルト47を中心とした周方向において互いに等間隔に離間した位置にそれぞれ配置されている。こうした各リンク対58を構成するリンク部材57は、それぞれの軸部57aの一端に設けられたボールジョイント57bを介して第2鏡筒25の側壁25aに取付けられると共に、それぞれの軸部57aの他端に設けられた図示しないボールジョイントを介して連結部材44に取付けられている。
そして、制御装置18から第1駆動力、即ち第1ミラー26を移動させるために必要な制御情報が出力された場合、該制御情報に応じてリンク部材57毎に設けられたアクチュエータ60がそれぞれ伸縮駆動する。その結果、各リンク部材57に保持される第1ミラー26は、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向、θ方向、θ方向及びθ方向の6自由度方向に移動するようになっている。また、制御装置18から第2駆動力、即ち第1ミラー26の形状を調整させるために必要な制御情報が出力された場合、該制御情報に応じてリンク部材57毎に設けられたアクチュエータ60がそれぞれ伸縮駆動する。その結果、各リンク部材57に保持される第1ミラー26は、その形状が上記制御情報に応じた所望の形状に調整されるようになっている。
したがって、本実施形態では、上記第1の実施形態の効果(1)〜(4)に加えて以下に示す効果を得ることができる。
(6)本実施形態では、第1ミラー26の位置及び形状を調整するリンク機構54〜56が第1ミラー26の側面側の空間に配置されている。そのため、リンク機構54〜56を第1ミラー26の−Z方向側の空間に配置した場合と比較して、第1ミラー26とZ軸方向において互いに隣り合う他のミラー(例えば、第6ミラー31)を、Z軸方向において第1ミラー26に接近させた位置に配置することができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態を図8及び図9に従って説明する。なお、第3の実施形態は、保持機構51〜53が第2鏡筒25の外部に配置されている点が第1及び第2の各実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第1及び第2の各実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1及び第2の各実施形態と同一又は相当する部材構成については同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
図8及び図9に示すように、本実施形態の第2鏡筒25には、その側壁25aから径方向外側に向けて張り出した円環状の鍔部25bが設けられており、該鍔部25bは、第1ミラー26よりも−Z方向側に配置されている。また、第2鏡筒25の側壁25aには、第1ミラー26を中心とした周方向において各被保持部41〜43と略同一位置に貫通孔65がそれぞれ形成されている。これら各貫通孔65の内側面のうち−Z方向側に位置する部分には、三角錐状の支持部材66(コロともいう。)がそれぞれ設けられている。
第1ミラー26に設けられる各被保持部41〜43には、第1ミラー26を中心とした径方向に延びる長尺状の連結部材44がそれぞれ固定されている。これら各連結部材44の径方向外側の部分は、貫通孔65を介して第2鏡筒25外にそれぞれ突出している。また、各連結部材44の径方向における中途部分は、貫通孔65内に配置される支持部材66にそれぞれ支持されている。
鍔部25b上には、第1ミラー26を中心とした周方向において互いに等間隔に離間した位置に配置される3つの保持機構51〜53が配置されている。そして、これら各保持機構51〜53の各リンク機構54〜56は、第2鏡筒25内から突出する連結部材44の径方向外側の部分をそれぞれ保持している。すなわち、本実施形態では、第1ミラー26は、第2鏡筒25の外側に配置された各保持機構51〜53によって保持されている。
そして、各保持機構51〜53を構成するリンク部材57毎のアクチュエータ60がそれぞれ伸縮駆動することにより、第1ミラー26は、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向、θ方向、θ方向及びθ方向の6自由度方向に移動したり、その形状が調整されたりするようになっている。すなわち、第1の保持機構51によって保持される第1の被保持部41を+Z方向に移動させる場合、第1の保持機構51の各リンク部材57のアクチュエータ60は、それぞれ収縮駆動する。すると、連結部材44の径方向外側の部分は、−Z方向側に変位する一方、連結部材44の径方向内側の部分は、+Z方向側に変位する。その結果、連結部材44を介して第1の保持機構51に保持される第1の被保持部41は、+Z方向に移動する。なお、第2の保持機構52及び第3の保持機構53によって保持される第2の被保持部42及び第3の被保持部43を+Z方向に移動させる場合は、第1の被保持部41を+Z方向に移動させる場合とほぼ同等であるため、その説明を省略する。
したがって、本実施形態では、上記各実施形態の効果(1)〜(4)に加えて以下に示す効果を得ることができる。
(7)本実施形態では、第1ミラー26の位置及び形状を調整する各リンク機構54〜56が第2鏡筒25の外部に配置されている。そのため、各リンク機構54〜56を第2鏡筒25の内部に配置する場合と比較して、各リンク機構54〜56の保守及び交換を容易に行うことができる。また、各リンク機構54〜56の構成を変更する際に、第2鏡筒25内に設けられた他の各種ミラー27〜31に対する支持構成を変更することが不要となる。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態を図10に従って説明する。なお、第4の実施形態は、各保持機構51〜53を構成する連結部材44が第2鏡筒25の外部に向けて分岐した構成を有する点が第3の実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第3の実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第3の実施形態と同一又は相当する部材構成については同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
図12に示すように、本実施形態の第2鏡筒25の側壁25aにおいて、第1ミラー26を中心とした周方向において各被保持部41〜43と同一位置には、貫通孔65がそれぞれ形成されている。また、第2鏡筒25の側壁25aにおける周方向において互いに隣り合う貫通孔65同士の間には、各貫通孔65よりも大きな開口を有する貫通孔67がそれぞれ形成されている。
第1ミラー26に設けられる各被保持部41〜43には、連結部材44がそれぞれ固定されている。これら各連結部材44は、第1ミラー26の被保持部41〜43に固定される固定部44aと、該固定部44aから放射状に延設された複数(本実施形態では3つ)の分岐部44bとをそれぞれ有している。具体的には、1つの固定部44aから延設された各分岐部44bは、固定部44aを中心とした周方向において略120度間隔にそれぞれ配置されている。そのため、固定部44aは、各分岐部44bの先端部分を結ぶことにより形成される三角形の内側に位置している。
また、各分岐部44bのうち固定部44aから第1ミラー26と中心とした径方向外側に延びる一の分岐部44bの先端は、貫通孔65を介して第2鏡筒25の外側にそれぞれ突出している。なお、一の分岐部44bは、貫通孔65の内周面に当接していない。
また、一の分岐部44b以外の他の分岐部44bの先端は、一の分岐部44bが挿通する貫通孔65の周方向における両側に位置する貫通孔67を介して第2鏡筒25の外側にそれぞれ突出している。そのため、各貫通孔67内には、2つの分岐部44bが挿通されることになる。そこで、各他の分岐部44bは、分岐部44b同士の当接を回避するために、それぞれの長手方向における中途部位、即ち他の分岐部44b同士が交差する部位がクランク状にそれぞれ形成されている。なお、各分岐部44bの先端部分は、Z方向における位置が互いに同一位置となっている。
そして、各連結部材44は、第2鏡筒25の外部に配置される保持機構51〜53のリンク機構54〜56によってそれぞれ保持されている。具体的に、各リンク機構54〜56は、互いに離間した位置に配置される3つのリンク対58をそれぞれ備えている。そして、各分岐部44bの先端部分は、1つのリンク対58によってそれぞれ保持されている。
したがって、本実施形態では、上記各実施形態の効果(1)〜(4)及び(6)に加えて以下に示す効果を得ることができる。
(8)本実施形態では、第1ミラー26の位置及び形状を調整するためのリンク対58が第2鏡筒25の周囲に分散して配置されている。そのため、第3の実施形態のように3つのリンク対58を一箇所に集めてリンク機構54〜56、即ち保持機構51〜53を構成する場合と比較して、各保持機構51〜53の径方向におけるサイズを小型化させることができる。また、鍔部25b上に配置される各保持機構51〜53の径方向におけるサイズが小型化されるため、鍔部25bの径方向におけるサイズも小型化でき、結果として、投影光学系16を小型化させることができる。
(9)また、連結部材44は、3箇所で保持され、しかも、固定部44aは、連結部材44が保持される各保持点を結ぶことにより形成される三角形の内側に位置している。そのため、保持機構51〜53は、貫通孔65,67の内周面に連結部材44を支持する支持部材を設けなくても、連結部材44、即ち第1ミラー26を安定に保持することができる。
なお、上記各実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・上記各実施形態において、第1ミラー26の各被保持部を非接触で保持する磁気浮上機構を保持機構として適用してもよい。すなわち、各保持機構には、被保持部41〜43をX軸方向に移動させるための第1磁力付与部(例えば、電磁石)と、Y軸方向に移動させるための第2磁力付与部と、Z軸方向に移動させるための第3磁力付与部とがそれぞれ設けられている。この場合、第1ミラー26の各被保持部41〜43に固定される各連結部材44は、磁性材料により構成されることが望ましい。このように構成すると、各磁力付与部で発生させる電磁力を調整することにより、第1ミラー26を、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向、θ方向、θ方向及びθ方向の6自由度方向に移動させることができる。また、第1ミラー26の形状を調整させることができる。したがって、磁気浮上機構を備える光学素子保持装置であっても、第1ミラー26を移動させるための機構を用いて、第1ミラー26の形状を調整させることができる。
・上記各実施形態において、第1ミラー26を4つ以上の任意数(例えば6つ)の保持機構により保持する構成としてもよい。
・上記各実施形成において、第1ミラー26の形状を調整は、熱膨張に伴う第1ミラー26の変形を解消することを目的として実行してもよい。
・上記各実施形態において、アクチュエータ60は、伸縮駆動するアクチュエータであれば、任意のアクチュエータ(例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical System))であってもよい。
・上記各実施形態において、投影光学系16を構成する各ミラー26〜31のうち最も中間結像面に近い位置に配置されたミラー(例えば第3ミラー28)を、光学素子保持装置40によって保持させてもよい。
・上記各実施形態において、投影光学系16を構成する各ミラー26〜31のうち少なくとも2つのミラー(例えば、第1ミラー26と第2ミラー27)を、光学素子保持装置40によって保持してもよい。勿論、全てのミラー26〜31を光学素子保持装置40によって保持してもよい。
・上記各実施形態において、照明光学系14を構成する各ミラー20,21や折り返し用の反射ミラー22を、光学素子保持装置40にて保持してもよい。また、こうした露光装置11としては、投影光学系16を用いることなく、マスクと基板とを密接させてマスクのパターンを露光するコンタクト露光装置であってもよい。
・上記各実施形態において、露光装置11は、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクルまたはマスクを製造するために、マザーレチクルからガラス基板やシリコンウエハなどへ回路パターンを転写する露光装置であってもよい。また、露光装置11は、液晶表示素子(LCD)などを含むディスプレイの製造に用いられてデバイスパターンをガラスプレート上へ転写する露光装置、薄膜磁気ヘッド等の製造に用いられて、デバイスパターンをセラミックウエハ等へ転写する露光装置、及びCCD等の撮像素子の製造に用いられる露光装置などであってもよい。また、露光装置11は、縮小露光型の露光装置に限定されるものではなく、例えば等倍露光型、拡大露光型の露光装置であってもよい。
・上記各実施形態の露光装置11は、マスクと基板とが相対移動した状態でマスクのパターンを基板へ転写し、基板を順次ステップ移動させるスキャニング・ステッパ、及び、マスクと基板とが静止した状態でマスクのパターンを基板へ転写し、基板を順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式のステッパを問わず適用することができる。
・上記各実施形態において、EUV光を出力可能な露光光源13として、放電型プラズマ光源を用いてもよい。
・上記各実施形態において、露光装置11は、EB(Electron Beam )を露光光ELとして用いる露光装置であってもよい。
・上記各実施形態において、露光光源13は、例えばg線(436nm)、i線(365nm)、KrFエキシマレーザ(248nm)、Fレーザ(157nm)、Krレーザ(146nm)、Arレーザ(126nm)等を出力可能な光源であってもよい。また、露光光源13は、DFB半導体レーザまたはファイバレーザから発振される赤外域、または可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(またはエルビウムとイッテルビウムの双方)がドープされたファイバアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を出力可能な光源であってもよい。このような光源を用いる場合、照明光学系14及び投影光学系16には、透過型の光学素子が用いられる。このような透過型の光学素子を、光学素子保持装置40にて保持してもよい。
次に、本発明の実施形態の露光装置11によるデバイスの製造方法をリソグラフィ工程で使用したマイクロデバイスの製造方法の実施形態について説明する。図11は、マイクロデバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例のフローチャートを示す図である。
まず、ステップS101(設計ステップ)において、マイクロデバイスの機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップS102(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスク(レチクルRなど)を製作する。一方、ステップS103(基板製造ステップ)において、シリコン、ガラス、セラミックス等の材料を用いて基板(シリコン材料を用いた場合にはウエハWとなる。)を製造する。
次に、ステップS104(基板処理ステップ)において、ステップS101〜ステップS104で用意したマスクと基板を使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によって基板上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップS105(デバイス組立ステップ)において、ステップS104で処理された基板を用いてデバイス組立を行う。このステップS105には、ダイシング工程、ボンティング工程、及びパッケージング工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。最後に、ステップS106(検査ステップ)において、ステップS105で作製されたマイクロデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にマイクロデバイスが完成し、これが出荷される。
図12は、半導体デバイスの場合におけるステップS104の詳細工程の一例を示す図である。
ステップS111(酸化ステップ)おいては、基板の表面を酸化させる。ステップS112(CVDステップ)においては、基板表面に絶縁膜を形成する。ステップS113(電極形成ステップ)においては、基板上に電極を蒸着によって形成する。ステップS114(イオン打込みステップ)においては、基板にイオンを打ち込む。以上のステップS111〜ステップS114のそれぞれは、基板処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
基板プロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップS115(レジスト形成ステップ)において、基板に感光性材料を塗布する。引き続き、ステップS116(露光ステップ)において、上で説明したリソグラフィシステム(露光装置11)によってマスクの回路パターンを基板に転写する。次に、ステップS117(現像ステップ)において、ステップS116にて露光された基板を現像して、基板の表面に回路パターンからなるマスク層を形成する。さらに続いて、ステップS118(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップS119(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となった感光性材料を取り除く。すなわち、ステップS118及びステップS119において、マスク層を介して基板の表面を加工する。これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、基板上に多重に回路パターンが形成される。
第1の実施形態の露光装置を示す概略構成図。 第1の実施形態の光学素子保持装置を示す一部破断斜視図。 第1の実施形態の光学素子保持装置を模式的に示す平面図。 第1の実施形態の光学素子保持装置を模式的に示す側断面図。 第1の実施形態の光学素子保持装置の一部を示す要部拡大斜視図。 第2の実施形態の光学素子保持装置を模式的に示す平面図。 第2の実施形態の光学素子保持装置を模式的に示す側断面図。 第3の実施形態の光学素子保持装置を模式的に示す平面図。 第3の実施形態の光学素子保持装置の一部を模式的に示す側断面図。 第4の実施形態の光学素子保持装置を模式的に示す平面図。 デバイスの製造例のフローチャート。 半導体デバイスの場合の基板処理に関する詳細なフローチャート。
符号の説明
11…露光装置、13…露光光源、14…照明光学系、16…投影光学系、18…駆動装置としての制御装置、19,25…筐体としての鏡筒、25a…側壁、20〜22,26〜31…光学素子としてのミラー、41…第1の被保持部、42…第2の被保持部、43…第3の被保持部、44…連結部材、44a…保持部としての固定部、44b…分岐部、51…第1の保持機構、52…第2の保持機構、53…第3の保持機構、54〜56…リンク機構、57…リンク部材、60…伸縮部としてのアクチュエータ、65,67…貫通孔、R…マスクとしてのレチクル、W…基板としてのウエハ。

Claims (15)

  1. 光学素子を保持する光学素子保持装置であって、
    前記光学素子に設けられる第1の被保持部を保持する第1の保持機構と、
    前記光学素子に設けられる第2の被保持部を保持する第2の保持機構と、
    前記光学素子に設けられる第3の被保持部を保持する第3の保持機構と、
    前記光学素子の位置を調整するための第1駆動力及び前記光学素子の形状を調整するための第2駆動力を前記第1の保持機構、前記第2の保持機構及び前記第3の保持機構の少なくとも1つに付与可能な駆動装置と
    を備えることを特徴とする光学素子保持装置。
  2. 前記駆動装置は、前記光学素子の位置を調整する場合、前記第1の保持機構、前記第2の保持機構及び前記第3の保持機構のそれぞれに、前記第1駆動力を付与することを特徴とする請求項1に記載の光学素子保持装置。
  3. 前記駆動装置は、前記光学素子の形状を調整する場合、前記第1の保持機構、前記第2の保持機構及び前記第3の保持機構のそれぞれに、前記第2駆動力を付与することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光学素子保持装置。
  4. 前記第1の保持機構は、前記第1の被保持部を複数の自由度の方向に移動させるべく駆動するリンク機構を備えることを特徴とする請求項3に記載の光学素子保持装置。
  5. 前記第2の保持機構は、前記第2の被保持部を複数の自由度の方向に移動させるべく駆動するリンク機構を備え、
    前記第3の保持機構は、前記第3の被保持部を複数の自由度の方向に移動させるべく駆動するリンク機構を備えることを特徴とする請求項4に記載の光学素子保持装置。
  6. 前記第1の保持機構、前記第2の保持機構及び前記第3の保持機構のそれぞれが備える前記リンク機構は、6自由度の方向に変位可能であることを特徴とする請求項5に記載の光学素子保持装置。
  7. 前記第1の保持機構、前記第2の保持機構及び前記第3の保持機構のそれぞれが備える前記リンク機構は、6つのリンク部材をそれぞれ有することを特徴とする請求項6に記載の光学素子保持装置。
  8. 前記6つのリンク部材のそれぞれは、伸縮可能な伸縮部を有することを特徴とする請求項7に記載の光学素子保持装置。
  9. 前記駆動装置は、前記光学素子の位置を調整する場合、前記第1の保持機構、前記第2の保持機構及び前記第3の保持機構のそれぞれの前記6つのリンク部材のうち、同一の方向に伸縮する伸縮部を有するリンク部材に前記第1駆動力を付与し、
    前記光学素子の形状を調整する場合、前記第1の保持機構、前記第2の保持機構及び前記第3の保持機構のそれぞれの前記6つのリンク部材のうち、少なくとも1つのリンク部材の伸縮部が他のリンク部材の伸縮部とは伸縮方向及び伸縮量のうち少なくとも一方が異なるように前記第2駆動力を付与することを特徴とする請求項8に記載の光学素子保持装置。
  10. 前記第1の保持機構、前記第2の保持機構及び前記第3の保持機構のそれぞれは、前記第1の被保持部、前記第2の被保持部及び前記第3の被保持部のそれぞれを非接触で支持する磁気浮上機構を有し、
    前記駆動装置は、前記第1の被保持部、前記第2の被保持部及び前記第3の被保持部のそれぞれに、磁力を前記第1駆動力及び前記第2駆動力として作用させることを特徴とする請求項1〜請求項9のうち何れか一項に記載の光学素子保持装置。
  11. 前記光学素子を収容する筐体と、
    前記第1の被保持部、前記第2の被保持部及び前記第3の被保持部を保持する保持部を有し、前記筐体の側壁において前記光学素子と対応する位置に形成された貫通孔に挿通された3つの連結部材とを備え、
    前記第1の保持機構、前記第2の保持機構及び前記第3の保持機構のそれぞれは、前記筐体外に配置され、且つ前記連結部材のうち前記筐体の外側に位置する部分を介して前記第1の被保持部、前記第2の被保持部及び前記第3の被保持部を保持することを特徴とする請求項1〜請求項10のうち何れか一項に記載の光学素子保持装置。
  12. 前記連結部材は、前記保持部から少なくとも3方向に分岐するとともに、前記筐体の側壁に形成された貫通孔を介して該筐体の外部まで延びる3つの分岐部を有することを特徴とする請求項11に記載の光学素子保持装置。
  13. 複数の光学素子と、
    該各光学素子のうち少なくとも一つの光学素子を保持する請求項1〜請求項12のうち何れか一項に記載の光学素子保持装置と
    を備えたことを特徴とする光学系。
  14. 光源から射出された光を所定のパターンが形成されたマスクへ導く照明光学系と、
    前記マスクを介した光を感光性材料が塗布された基板に照射する投影光学系とを備え、
    前記照明光学系及び前記投影光学系のうち少なくとも一方は、請求項13に記載の光学系により構成されることを特徴とする露光装置。
  15. リソグラフィ工程を含むデバイスの製造方法において、
    前記リソグラフィ工程は、請求項14に記載の露光装置を用いることを特徴とするデバイスの製造方法。
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