JP2009295247A - 光ディスク装置及び信号補正方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、トラックのデータ未記録部分及びデータ記録済部分の一方よりも他方の反射率が大幅に高い光ディスクの再生動作時にトラッキングを的確に制御する。
【解決手段】本発明は、光ディスクの所望のトラックに主レーザ光を照射し、主レーザ光に先行及び後行させて所望のトラックと隣接する一方及び他方の間隙部に一方及び他方の副レーザ光を照射して受光した主反射光及び一方及び他方の副反射光に基づきトラッキングエラー信号を生成し、一方又は他方の副反射光の光量の変化に基づき主レーザ光の照射位置が記録済境界位置及び未記録境界位置に到達したことを検出して主レーザ光をトラックの反射率の大幅に高い他方に照射している間、トラッキングエラー信号を補正する。よって主レーザ光の照射位置がデータ未記録部分及びデータ記録済部分に渡って変位してもトラッキングエラー信号の振幅の変化を防止してトラッキングを的確に制御できる。
【選択図】図5
【解決手段】本発明は、光ディスクの所望のトラックに主レーザ光を照射し、主レーザ光に先行及び後行させて所望のトラックと隣接する一方及び他方の間隙部に一方及び他方の副レーザ光を照射して受光した主反射光及び一方及び他方の副反射光に基づきトラッキングエラー信号を生成し、一方又は他方の副反射光の光量の変化に基づき主レーザ光の照射位置が記録済境界位置及び未記録境界位置に到達したことを検出して主レーザ光をトラックの反射率の大幅に高い他方に照射している間、トラッキングエラー信号を補正する。よって主レーザ光の照射位置がデータ未記録部分及びデータ記録済部分に渡って変位してもトラッキングエラー信号の振幅の変化を防止してトラッキングを的確に制御できる。
【選択図】図5
Description
本発明は光ディスク装置及び信号補正方法に関し、例えば、大容量型の光ディスクに対しデータを記録再生可能な光ディスク装置に適用して好適なものである。
従来、データを高密度に記録可能な大容量型の光ディスクとして、BD−R(Blu-ray Disc-Recordable)やHDDVD−R(High Definition Digital Versatile Disc-Recordable)と呼ばれるものがある。
このような大容量型の光ディスクとしては、例えば、円板状の基板の一面に螺旋状の案内溝が形成されると共に、当該一面上に反射膜と、有機色素部材でなる記録層と、透明なカバー層とが順次積層されて形成されているものがある。
かかる光ディスクにおいて記録層は、基板の一面の形状に応じて案内溝に対向する螺旋状の凹部と、当該凹部に沿った螺旋状の凸部とを有し、凹部及び凸部の何れか一方がデータ記録用のトラックになっている。
また、かかる光ディスクは、トラックにデータが記録されると、当該トラックにおいてデータが記録された部分がデータの記録される前よりもレーザ光の反射率が大幅に高くなるような特性を有している。
すなわち、かかる光ディスクは、トラックにおいてデータの未記録部分に対するレーザ光の反射率よりも、データの記録済部分に対するレーザ光の反射率が大幅に高くなる。
因みに、以下の説明では、このようにトラックに対するデータの記録によりレーザ光の反射率が比較的低い値から著しく高い値に変化する光ディスクを、当該反射率の変化を表す「Low−To−High」という文字列を略して使用しLTHディスクとも呼ぶ。
従来、かかるLTHディスクからデータを再生可能な光ディスク再生装置は、差動プッシュプル法が適用されており、当該LTHディスクからデータを再生する際、データ再生用のレーザ光を回折格子に通して0次光及び±1次光の3のレーザ光に分離している。
因みに、以下の説明では、データ再生用のレーザ光から回折格子を介して分離される3つのレーザ光のうち、0次光である1つのレーザ光を主レーザ光とも呼び、残りの±1次光である2つのレーザ光を、それぞれ副レーザ光とも呼ぶ。
また光ディスク再生装置は、主レーザ光及び2つの副レーザ光を対物レンズに通して集光させてLTHディスクの記録層の表面に照射すると共に、当該記録層の表面で主レーザ光及び2つの副レーザ光が反射して得られる3つの反射レーザ光それぞれを受光する。
そして光ディスク再生装置は、LTHディスクの記録層の表面で主レーザ光が反射して得られた反射レーザ光の受光結果に基づき、当該LTHディスクに記録されていたデータを生成するようにして、そのLTHディスクからデータを再生している。
さらに光ディスク再生装置は、この際、LTHディスクの記録層の表面で主レーザ光及び2つの副レーザ光が反射して得られる3つの反射レーザ光それぞれの受光結果に基づきプッシュプル信号を生成している。
さらに光ディスク再生装置は、そのプッシュプル信号を、例えば3つの反射レーザ光をそれぞれ受光して得られる信号の総和信号で除算して正規化することによりトラッキングエラー信号を生成する。
そして光ディスク再生装置は、そのトラッキングエラー信号に基づき対物レンズの位置を微調整することにより、LTHディスクのトラックに主レーザ光の照射位置を追従させている(すなわち、主レーザ光のトラッキングを制御している)。
ただし光ディスク再生装置では、LTHディスクのトラックにおいて主レーザ光をデータ未記録部分に照射したときとデータ記録済部分に照射したときとで、これらの反射率の違いに起因しトラッキングエラー信号の振幅が大幅に変化する。
そして光ディスク再生装置では、LTHディスクのトラックにおいて主レーザ光の照射位置が例えばデータ記録済部分からデータ未記録部分へ移動しトラッキングエラー信号の振幅が大幅に変化すると、主レーザ光のトラッキングを制御し難くなる場合がある。
このためLTHディスクにデータを記録する従来の光ディスク記録再生装置は、LTHディスクに記録対象のデータを全て記録し終えてもトラックにデータの未記録部分が存在していると、ファイナライズ処理を実行して当該トラックのデータの未記録部分にダミーデータを記録している。
すなわち、光ディスク記録再生装置は、記録対象のデータを記録し終えたLTHディスクのトラックを全てデータの記録済部分にして未記録部分をなくしている。
これにより光ディスク記録再生装置は、光ディスク再生装置においてLTHディスクからデータが再生される際、主レーザ光の照射位置がトラックのデータの記録済部分から未記録部分へ変位し得ないようにしている。
このようにして光ディスク記録再生装置は、光ディスク再生装置においてLTHディスクからデータが再生される際、トラッキングエラー信号の振幅が大幅に変化して主レーザ光のトラッキングが制御し難くなることを回避していた(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−115338公報(第3頁、第4頁、第5頁、図3、図4)
ところが光ディスク記録再生装置は、上述した光ディスク再生装置と同様に差動プッシュプル法に準じてトラッキングエラー信号を生成するように構成されていると、トラックにデータの未記録部分が存在するLTHディスクからデータを再生する際の再生動作や、データを追加記録する準備のための一時的な再生動作において、主レーザ光の照射位置がトラックのデータの記録済部分から未記録部分へ変位する可能性がある。
そして光ディスク記録再生装置では、このように、トラックにデータの未記録部分が存在するLTHディスクを用いた再生動作時に主レーザ光の照射位置がトラックのデータの記録済部分から未記録部分へ変位すると、上述したようにトラッキングエラー信号の振幅が大幅に変化して主レーザ光のトラッキングを制御し難くなるという問題があった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、トラックのデータ未記録部分及びデータ記録済部分の一方よりも他方の反射率が大幅に高い光ディスクに対する再生動作時に主レーザ光のトラッキングを的確に制御し得る光ディスク装置及び信号補正方法を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明においては、光ディスク装置において、データ記録面に設けられたトラックのデータ未記録部分及びデータ記録済部分の一方よりも他方の反射率が大幅に高い光ディスクの所望のトラックに主レーザ光を照射すると共に、当該主レーザ光よりもトラックに対するレーザ走査方向に先行させて所望のトラックと、当該所望のトラックに隣接する一方のトラックとの一方の間隙部に一方の副レーザ光を照射し、かつ主レーザ光よりもレーザ走査方向に後行させて所望のトラックと、当該所望のトラックに隣接する他方のトラックとの他方の間隙部に他方の副レーザ光を照射した状態で、光ディスクのデータ記録面で主レーザ光及び一方及び他方の副レーザ光が反射することにより得られる主反射光及び一方及び他方の副反射光を受光すると共に、当該主反射光及び一方及び他方の副反射光の受光結果に基づき、所望のトラックに対する主レーザ光のトラッキングの制御に用いるトラッキングエラー信号を生成しながら、受光した少なくとも一方の副反射光の光量の変化又は他方の副反射光の光量の変化に基づき、主レーザ光の照射位置がトラックのデータ未記録部分からデータ記録済部分との記録済境界位置に到達したことを検出すると共に、主レーザ光の照射位置がトラックのデータ記録済部分からデータ未記録部分との未記録境界位置に到達したことを検出するようにして、主レーザ光の照射位置がトラックの記録済境界位置に到達したと検出したこと、及び主レーザ光の照射位置がトラックの未記録境界位置に到達したと検出したことに応じて、主レーザ光をトラックのデータ未記録部分及びデータ記録済部分のうち反射率の大幅に高い他方に照射している間、トラッキングエラー信号を補正するようにした。
従って本発明では、光ディスク装置において、トラックのデータ未記録部分及びデータ記録済部分の一方よりも他方の反射率が大幅に高い光ディスクの当該トラックを走査する主レーザ光の照射位置がデータ未記録部分及びデータ記録済部分の一方から反射率の大幅に高い他方へ変位すると共に、当該反射率の大幅に高い他方から一方へ変位しても、トラッキングエラー信号の振幅が大幅に変化することを防止することができる。
本発明によれば、光ディスク装置において、データ記録面に設けられたトラックのデータ未記録部分及びデータ記録済部分の一方よりも他方の反射率が大幅に高い光ディスクの所望のトラックに主レーザ光を照射すると共に、当該主レーザ光よりもトラックに対するレーザ走査方向に先行させて所望のトラックと、当該所望のトラックに隣接する一方のトラックとの一方の間隙部に一方の副レーザ光を照射し、かつ主レーザ光よりもレーザ走査方向に後行させて所望のトラックと、当該所望のトラックに隣接する他方のトラックとの他方の間隙部に他方の副レーザ光を照射した状態で、光ディスクのデータ記録面で主レーザ光及び一方及び他方の副レーザ光が反射することにより得られる主反射光及び一方及び他方の副反射光を受光すると共に、当該主反射光及び一方及び他方の副反射光の受光結果に基づき、所望のトラックに対する主レーザ光のトラッキングの制御に用いるトラッキングエラー信号を生成しながら、受光した少なくとも一方の副反射光の光量の変化又は他方の副反射光の光量の変化に基づき、主レーザ光の照射位置がトラックのデータ未記録部分からデータ記録済部分との記録済境界位置に到達したことを検出すると共に、主レーザ光の照射位置がトラックのデータ記録済部分からデータ未記録部分との未記録境界位置に到達したことを検出するようにして、主レーザ光の照射位置がトラックの記録済境界位置に到達したと検出したこと、及び主レーザ光の照射位置がトラックの未記録境界位置に到達したと検出したことに応じて、主レーザ光をトラックのデータ未記録部分及びデータ記録済部分のうち反射率の大幅に高い他方に照射している間、トラッキングエラー信号を補正するようにしたことにより、トラックのデータ未記録部分及びデータ記録済部分の一方よりも他方の反射率が大幅に高い光ディスクの当該トラックを走査する主レーザ光の照射位置がデータ未記録部分及びデータ記録済部分の一方から反射率の大幅に高い他方へ変位すると共に、当該反射率の大幅に高い他方から一方へ変位しても、トラッキングエラー信号の振幅が大幅に変化することを防止することができ、かくしてトラックのデータ未記録部分及びデータ記録済部分の一方よりも他方の反射率が大幅に高い光ディスクに対する再生動作時に主レーザ光のトラッキングを的確に制御し得る光ディスク装置及び信号補正方法を実現することができる。
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
(1)実施の形態による光ディスク装置の構成
図1において、1は本発明による光ディスク装置を示し、例えば、BD−ROM(Blu-ray Disc-Lead Only Memory)のような再生専用の大容量型の光ディスク2からデータを再生し得るようになされている。
図1において、1は本発明による光ディスク装置を示し、例えば、BD−ROM(Blu-ray Disc-Lead Only Memory)のような再生専用の大容量型の光ディスク2からデータを再生し得るようになされている。
因みに、BD−ROMのような光ディスク2には、その種別が再生専用の光ディスク2であることを示す種別情報が予め記録されている。
また光ディスク装置1は、例えば、BD−RやHDDVD−Rのような大容量型の光ディスク2として、片面1層式(すなわち、1つの記録層を有する)や片面2層式(すなわち、2つの記録層を有する)の光ディスク2にデータを記録再生し得るようにもなされている。
ここで、光ディスク装置1においてデータを記録再生可能な片面1層式の光ディスク2としては、その構成部材の違いにより2種類のものがある。
また、光ディスク装置1においてデータを記録再生可能な片面2層式の光ディスク2としても、その構成部材の違いにより2種類のものがある。
これら4種類の光ディスク2は、それぞれ例えば、一面に螺旋状の案内溝が形成された円板状の基板を有している。
そして片面1層式の2種類の光ディスク2のうち一方の光ディスク2は、基板の一面上に反射膜と、無機系記録部材でなる記録層と、透明なカバー層とが順次積層されて形成されている。
また、片面1層式の2種類の光ディスク2のうち他方の光ディスク2は、基板の一面上に反射膜と、有機色素部材でなる記録層と、透明なカバー層とが順次積層されて形成されている。
そして片面1層式の2種類の光ディスク2において記録層の表面には、基板の一面の形状に応じて案内溝に対向する螺旋状の凹部と、当該凹部に沿った螺旋状の凸部とが形成されている。
すなわち、これら片面1層式の2種類の光ディスク2は、それぞれ記録層の表面を当該光ディスク2の半径に沿って見た場合、その記録層の表面に凹部と凸部とが順次交互に形成されている。
このような片面1層式の2種類の光ディスク2は、記録層の表面において凹部及び凸部の何れか一方がデータ記録用のトラックになる。
因みに、以下の説明では、光ディスク2において中央部に穿設されたセンタホール側をディスク内周側とも呼び、当該光ディスク2の外縁側をディスク外周側とも呼ぶ。
また、以下の説明では、光ディスク2のディスク半径方向に沿った互いに逆向きの一方向及び他方向のうち、ディスク外周側からディスク内周側へ向かう方向をディスク内周方向とも呼ぶ。
さらに、以下の説明では、光ディスク2のディスク半径方向に沿った互いに逆向きの一方向及び他方向のうち、ディスク内周方向とは逆の、ディスク内周側からディスク外周側へ向かう方向をディスク外周方向とも呼ぶ。
さらに、以下の説明では、互いに反対方向のディスク内周方向及びディスク外周方向を特には区別する必要のない場合、これらをまとめてディスク半径方向とも呼ぶ。
一方、片面2層式の2種類の光ディスク2のうち一方の光ディスク2は、基板の一面上に反射膜と、無機系記録部材でなる第1の記録層と、中間層と、無機系記録部材でなる第2の記録層と、透明なカバー層とが順次積層されて形成されている。
また、片面2層式の2種類の光ディスク2のうち他方の光ディスク2は、基板の一面上に反射膜と、有機色素部材でなる第1の記録層と、中間層と、有機色素部材でなる第2の記録層と、透明なカバー層とが順次積層されて形成されている。
そして片面2層式の2種類の光ディスク2において第1及び第2の記録層の表面には、基板の一面の形状に応じて案内溝に対向する螺旋状の凹部と、当該凹部に沿った螺旋状の凸部とが形成されている。
すなわち、片面2層式の2種類の光ディスク2は、第1及び第2の記録層の表面をディスク半径方向に沿って見た場合、その第1及び第2の記録層の表面に凹部と凸部とが順次交互に形成されている。
このような片面2層式の2種類の光ディスク2は、第1及び第2の記録層各々において凹部及び凸部の何れか一方がデータ記録用のトラックになる。
ところで無機系記録部材でなる記録層を有する片面1層式の光ディスク2は、トラックにデータが記録されると、当該トラックにおいてデータの記録された部分がデータの記録前よりもレーザ光の反射率がわずかに低くなるような特性を有している。
すなわち、無機系記録部材でなる記録層を有する片面1層式の光ディスク2は、トラックのデータの未記録部分におけるレーザ光の反射率よりも当該トラックのデータの記録済部分におけるレーザ光の反射率がわずかに低くなるような特性を有している。
また無機系記録部材でなる第1及び第2の記録層を有する片面2層式の光ディスク2についても、無機系記録部材でなる記録層を有する片面1層式の光ディスク2と同様の特性を有している。
これに対して有機色素部材でなる記録層を有する片面1層式の光ディスク2は、トラックにデータが記録されると、当該トラックにおいてデータの記録された部分がデータの記録前よりもレーザ光の反射率が大幅に高くなるような特性を有している。
すなわち、有機色素部材でなる記録層を有する片面1層式の光ディスク2は、トラックのデータの未記録部分におけるレーザ光の反射率よりも当該トラックのデータの記録済部分におけるレーザ光の反射率が大幅に高くなる。
また有機色素部材でなる第1及び第2の記録層を有する片面2層式の光ディスク2についても、有機色素部材でなる記録層を有する片面1層式の光ディスク2と同様の特性を有している。
従って、以下の説明では、トラックに対するデータの記録によりレーザ光の反射率が高い値から低い値に変化する片面1層式の光ディスク2を、反射率の変化を表す「High−To−Low」の文字列を略して使用し1層HTLディスク2とも呼ぶ。
また、以下の説明では、トラックに対するデータの記録によりレーザ光の反射率が高い値から低い値に変化する片面2層式の光ディスク2を、同様に「High−To−Low」の文字列を略して使用し2層HTLディスク2とも呼ぶ。
さらに、以下の説明では、トラックに対するデータの記録によりレーザ光の反射率が比較的低い値から大幅に高い値に変化する片面1層式の光ディスク2を、反射率の変化を表す「Low−To−High」の文字列を略して使用し1層LTHディスク2とも呼ぶ。
さらにまた、以下の説明では、トラックに対するデータの記録によりレーザ光の反射率が比較的低い値から大幅に高い値に変化する片面2層式の光ディスク2を、同様に「Low−To−High」の文字列を略して使用し2層LTHディスク2とも呼ぶ。
そして、以下の説明では、これら1層HTLディスク2及び2層HTLディスク2並びに1層LTHディスク2及び2層LTHディスク2を特には区別する必要のない場合、これらをまとめて、単に光ディスク2とも呼ぶ。
また、以下の説明では、1層HTLディスク2及び2層HTLディスク2を特には区別する必要のない場合、これらをまとめて、単にHTLディスク2とも呼ぶ。
さらに、以下の説明では、1層LTHディスク2及び2層LTHディスク2を特には区別する必要のない場合、これらをまとめて、単にLTHディスク2とも呼ぶ。
さらに、以下の説明では、これら1層HTLディスク2及び1層LTHディスク2を特には区別する必要のない場合、これらをまとめて、単に片面1層式の光ディスク2とも呼ぶ。
さらに、以下の説明では、これら2層HTLディスク2及び2層LTHディスク2を特には区別する必要のない場合、これらをまとめて、単に片面2層式の光ディスク2とも呼ぶ。
さらに、以下の説明では、片面2層式の光ディスク2(すなわち、2層HTLディスク2及び2層LTHディスク2)において第1及び第2の記録層のうち、基板側の第1の記録層を、L0記録層とも呼び、カバー層側の第2の記録層をL1記録層とも呼ぶ。
さらに、以下の説明では、片面1層式の光ディスク2(すなわち、1層HTLディスク2及び1層LTHディスク2)の記録層の表面(すなわち、記録層におけるカバー層側の面)をデータ記録面とも呼ぶ。
さらに、以下の説明では、片面2層式の光ディスク2(すなわち、2層HTLディスク2及び2層LTHディスク2)の第1及び第2の記録層の表面(すなわち、第1及び第2の記録層におけるカバー層側の面)も、データ記録面と呼ぶ。
さらに、以下の説明では、光ディスク2においてトラックのデータの未記録部分を、データ未記録部分とも呼び、当該トラックのデータの記録済部分を、データ記録済部分とも呼ぶ。
そして、片面1層式の光ディスク2の記録層には、例えば、ディスク内周側からディスク外周側にかけてBCA(Burst Cutting Area)と呼ばれる識別情報記録領域、リードインゾーン、データ記録領域及びリードアウトゾーンが順に設けられている。
片面1層式の光ディスク2において識別情報記録領域には、例えば、光ディスク2各々に固有の識別情報がバーコード状の信号として記録されている。
また片面1層式の光ディスク2においてリードインゾーンには、コントロールデータ領域(PIC(Permanent Information & Control Data))、試書領域(OPC(Optimum Power Control))及び管理データ領域(INFO領域)が設けられている。
そして片面1層式の光ディスク2においてコントロールデータ領域には、光ディスク2の構造(すなわち、片面1層式)や、1層HTLディスク2及び1層LTHディスク2の何れであるかを示す種別情報等を示すデータが記録されている。
また片面1層式の光ディスク2において試書領域は、データ記録領域に対するデータの最適な記録条件を検出するための試書に利用される。
さらに片面1層式の光ディスク2において管理データ領域には、データ記録領域に記録されたデータを管理するための管理データが記録される。
因みに、片面1層式の光ディスク2においてリードアウトゾーンには、リードインゾーンの管理データ領域に記録された管理データと同一の管理データが記録される。
一方、片面2層式の光ディスク2のL0記録層には、例えば、ディスク内周側からディスク外周側にかけて識別情報記録領域、リードインゾーン、データ記録領域及びアウターゾーンが順に設けられている。
片面2層式の光ディスク2において識別情報記録領域には、例えば、光ディスク2各々に固有の識別情報がバーコード状の信号として記録されている。
また片面2層式の光ディスク2においてリードインゾーンには、コントロールデータ領域、試書領域及び管理データ領域が設けられている。
そして片面2層式の光ディスク2においてコントロールデータ領域には、光ディスク2の構造(すなわち、片面2層式)や、2層HTLディスク2及び2層LTHディスク2の何れであるかを示す種別情報等を示すデータが記録されている。
また片面2層式の光ディスク2においてL0記録層の試書領域は、当該L0記録層のデータ記録領域に対するデータの最適な記録条件を検出するための試書に利用される。
さらに片面2層式の光ディスク2において管理データ領域には、L0記録層やL1記録層のデータ記録領域に記録されたデータを管理するための管理データが記録される。
これに加えて片面2層式の光ディスク2のL1記録層には、例えば、ディスク外周側からディスク内周側にかけてアウターゾーン、データ記録領域及びリードアウトゾーンが順に設けられている。
また片面2層式の光ディスク2においてL1記録層のリードアウトゾーンには、例えば、試書領域及び管理データ領域が設けられている。
そして片面2層式の光ディスク2においてL1記録層の試書領域は、当該L1記録層のデータ記録領域に対するデータの最適な記録条件を検出するための試書に利用される。
また片面2層式の光ディスク2においてL1記録層の管理データ領域には、L0記録層の管理データ領域に記録された管理データと同一の管理データが記録される。
このような光ディスク2が装填される光ディスク装置1には、例えば、マイクロコンピュータでなるシステムコントローラ3が設けられている。
そして光ディスク装置1においてシステムコントローラ3は、例えば、外部のコンピュータ装置PCからインタフェース部4を介して与えられる記録命令や再生命令等の各種命令に応じて装置全体を統括制御すると共に、各種処理を実行する。
これによりシステムコントローラ3は、光ディスク2に対しデータを記録する際、サーボ制御部5を介してスピンドルモータ6を駆動制御することにより光ディスク2を、その中央部を中心にして例えば、時計回りの方向に線速度一定又は角速度一定で回転させる。
また光ディスク装置1には、光ピックアップ7が、光ディスク2のカバー層の表面と対向した状態でディスク内周側及びディスク外周側の間でディスク半径方向へ移動可能なように設けられている。
よってシステムコントローラ3は、サーボ制御部5を介して送りモータ8を駆動制御することにより、光ピックアップ7を、ディスク半径方向へ複数のトラックを飛び越すように、データ記録開始位置に応じた所定位置までシークさせる(すなわち、移動させる)。
この状態でシステムコントローラ3は、コンピュータ装置PCから記録対象のデータが与えられると、これをインタフェース部4を介してデータ処理部9に取り込む。
データ処理部9は、コンピュータ装置PCから与えられた記録対象のデータに対して所定単位毎に誤り訂正符号(Error Correcting Code)の付加やインタリーブ等のエンコード処理を施してエンコードデータを生成する。
またデータ処理部9は、そのエンコードデータに変調処理を施すようにしてレーザ制御信号を生成して、これをレーザ制御部10に送出する。
レーザ制御部10は、データ処理部9から与えられたレーザ制御信号を光ピックアップ7に送出する。
光ピックアップ7は、レーザ制御部10から与えられたレーザ制御信号に基づきレーザ光源11によりレーザ光を記録用の出力で間欠的に発射し、当該発射したレーザ光を対物レンズで集光して光ディスク2のカバー層側からデータ記録面に照射する。
これにより光ピックアップ7は、光ディスク2のデータ記録面においてデータ記録領域のトラックに記録対象のデータを記録する。
ところで光ピックアップ7は、この際、光ディスク2のデータ記録面でレーザ光が反射して得られる反射レーザ光を受光部12によって受光して光電変換し、その結果得られた受光信号を信号生成部13に送出する。
信号生成部13は、光ピックアップ7から与えられた受光信号に基づき、光ディスク2のデータ記録面のトラックに対し、レーザ光を集光して形成した光スポット(すなわち、レーザ光の焦点よりも僅かに大きい光スポット)がどの程度合っているかを示すフォーカスエラー信号を生成する。
また信号生成部13は、その受光信号に基づき、光ディスク2のデータ記録面のトラックにレーザ光の照射位置がどの程度合っているかを示すトラッキングエラー信号も生成する。
そして信号生成部13は、これらフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号をサーボ制御部5に送出する。
サーボ制御部5は、信号生成部13から与えられるフォーカスエラー信号に基づき、フォーカス制御信号を生成し、そのフォーカス制御信号に基づき、光ピックアップ7において対物レンズを保持している2軸アクチュエータを駆動制御する。
これによりサーボ制御部5は、光ピックアップ7において対物レンズを光軸に沿って光ディスク2のカバー層に接近させる方向及びこれとは逆のカバー層から離間させる方向へ適宜移動させ、光ディスク2のトラックにレーザ光の光スポットを合せるようにする。
そしてサーボ制御部5は、光ディスク2のデータ記録面のトラックにレーザ光が照射されている間、光ピックアップ7及び信号生成部13と共にフォーカスサーボループを形成する。
よってサーボ制御部5は、光ディスク2のデータ記録面のトラックに対しレーザ光の光スポットを追従させる(すなわち、レーザ光のフォーカスを制御する)ことができる。
またサーボ制御部5は、信号生成部13から与えられるトラッキングエラー信号に基づき、トラッキング制御信号を生成し、そのトラッキング制御信号に基づき光ピックアップ7の2軸アクチュエータを駆動制御する。
これによりサーボ制御部5は、光ピックアップ7において対物レンズをディスク半径方向に適宜移動させて光ディスク2のトラックにレーザ光の照射位置を合せるようにする。
そしてサーボ制御部5は、光ディスク2のデータ記録面のトラックにレーザ光が照射されている間、光ピックアップ7及び信号生成部13と共にトラッキングサーボループを形成する。
よってサーボ制御部5は、光ディスク2のデータ記録面のトラックに対しレーザ光の照射位置を追従させる(すなわち、レーザ光のトラッキングを制御する)ことができる。
この際、サーボ制御部5は、例えばトラッキングエラー信号の低域成分として得られるスレッドエラー信号に基づきスレッド制御信号を生成して、これを送りモータ8に送出する。
これによりサーボ制御部5は、スレッド制御信号により送りモータ8を駆動して光ピックアップ7をディスク半径方向へ徐々に移動させる。
このようにしてシステムコントローラ3は、光ディスク2のデータ記録面においてデータ記録領域のトラックを記録用のレーザ光で走査するようにして、かくしてトラックの所定の長さ部分に亘って記録対象のデータを記録することができる。
一方、システムコントローラ3は、光ディスク2からデータを再生する際、上述したデータを記録する際と同様に、サーボ制御部5を介してスピンドルモータ6を駆動制御することにより、光ディスク2を線速度一定又は角速度一定で回転させる。
またシステムコントローラ3は、サーボ制御部5を介して送りモータ8を駆動制御することにより、光ピックアップ7を、ディスク半径方向へ複数のトラックを飛び越すように、データ再生開始位置に応じた所定位置までシークさせる(すなわち、移動させる)。
この状態でレーザ制御部10は、システムコントローラ3の制御のもと、レーザ光を再生用の出力で連続的に発射させるためのレーザ制御信号を生成し、これを光ピックアップ7に送出する。
光ピックアップ7は、レーザ制御部10から与えられたレーザ制御信号に基づきレーザ光源11によりレーザ光を再生用の出力で連続的に発射し、当該発射したレーザ光を対物レンズで集光して光ディスク2のカバー層側からデータ記録面に照射する。
また光ピックアップ7は、光ディスク2のデータ記録面でレーザ光が反射して得られる反射レーザ光を受光部12で受光して光電変換し、その結果得られた受光信号を信号生成部13に送出する。
信号生成部13は、光ピックアップ7から与えられた受光信号に基づき、光ディスク2のデータ記録面においてデータ記録領域のトラックに記録されているデータに相当するアナログの高周波信号を生成してデータ処理部9に送出する。
因みに、以下の説明では、データに相当するアナログの高周波信号を、RF信号とも呼ぶ。
データ処理部9は、信号生成部13から与えられたRF信号をアナログ/デジタル変換し、その結果得られたRFデータに対してパーシャルレスポンス等化処理や最尤復号処理等を順次施して2値の復調データを生成する。
またデータ処理部9は、その復調データに対して所定単位毎に誤り検出訂正処理やデインタリーブ等のデコード処理を施して再生対象のデータを生成し、当該生成したデータを、インタフェース部4を介してコンピュータ装置PCに転送する。
ところで信号生成部13は、光ディスク2からデータを再生する際にも、上述したデータを記録する際と同様に光ピックアップ7から与えられた受光信号をもとに、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号を生成し、これらをサーボ制御部5に送出する。
よってサーボ制御部5は、光ディスク2からデータを再生する際にも、フォーカスエラー信号に基づきフォーカス制御信号を生成すると共に、トラッキングエラー信号に基づきトラッキング制御信号を生成する。
そしてサーボ制御部5は、そのフォーカス制御信号及びトラッキング制御信号に基づき光ピックアップ7の2軸アクチュエータを駆動制御して対物レンズの位置を適宜調整することにより、レーザ光のフォーカス及びトラッキングを制御する。
またサーボ制御部5は、光ディスク2からデータを再生する際にもデータを記録する際と同様にスレッド制御信号を生成し、これを送りモータ8に送出する。
これによりサーボ制御部5は、スレッド制御信号により送りモータ8を駆動して光ピックアップ7をディスク半径方向へ徐々に移動させる。
このようにしてシステムコントローラ3は、光ディスク2のデータ記録面においてデータ記録領域のトラックをレーザ光で走査させ、かくしてトラックの所定の長さ部分からデータを連続して再生することができる。
ところでシステムコントローラ3は、データを記録する際やデータを再生する際、データの記録や再生に先立って光ディスク2のコントロールデータ領域にレーザ光を照射して、当該コントロールデータ領域に記録されているデータを、信号生成部13を介して読み出す。
そしてシステムコントローラ3は、そのデータに基づき、このときデータの記録や再生に用いる光ディスク2の構造(すなわち、片面1層式や片面2層式)等を判別する。
その結果、システムコントローラ3は、光ディスク2の構造が片面1層式であると、光ピックアップ7をディスク内周側からディスク外周側へと移動させながら、当該光ディスク2のトラックに対しデータを記録再生する。
またシステムコントローラ3は、光ディスク2の構造が片面2層式であり、データを記録再生する記録層がL0記録層であると、光ピックアップ7をディスク内周側からディスク外周側へと移動させながら、当該L0記録層のトラックに対しデータを記録再生する。
またシステムコントローラ3は、光ディスク2の構造が片面2層式であり、データを記録再生する記録層がL1記録層であると、光ピックアップ7をディスク外周側からディスク内周側へと移動させながら、当該L1記録層のトラックに対しデータを記録再生する。
このようにして光ディスク装置1は、例えば、片面2層式の光ディスク2のL0記録層からL1記録層へとレーザ光を連続的に照射するようにしてデータを記録再生する際、光ピックアップ7を効率良く移動させている。
ところで、かかる光ディスク装置1は、BD−ROMのような再生専用の光ディスク2からデータを再生する際、位相差法によりトラッキングエラー信号を生成している。
そして光ディスク装置1は、その位相差法によって生成したトラッキングエラー信号に基づき、光ディスク2のトラックに対するレーザ光のトラッキングを制御している。
また光ディスク装置1は、BD−RやHDDVD−Rのような記録再生可能な光ディスク2に対しデータを記録再生する際、作動プッシュプル法によりトラッキングエラー信号を生成している。
そして光ディスク装置1は、その差動プッシュプル法によって生成したトラッキングエラー信号に基づき、光ディスク2のトラックに対するレーザ光のトラッキングを制御している。
ただし、光ディスク装置1は、記録再生可能な光ディスク2からデータを再生する際に、従来の問題を解決するように構成されている。
よって、本実施の形態においては、位相差法に準じて、再生専用の光ディスク2のデータ記録面にレーザ光を照射する光ピックアップ7の構成や、当該位相差法に準じてトラッキングエラー信号を生成する構成については説明を省略する。
そして、以下には、差動プッシュプル法に準じて、記録再生可能な光ディスク2のデータ記録面にレーザ光を照射する光ピックアップ7の構成や、差動プッシュプル法に準じてトラッキングエラー信号を生成する構成について説明する。
まず、図2を用いて、差動プッシュプル法に準じた光ピックアップ7の構成について説明する。
かかる光ピックアップ7は、レーザダイオードでなるレーザ光源11を有し、光ディスク2に対しデータを記録再生する際、レーザ制御部10から与えられるレーザ制御信号を当該レーザ光源11に取り込む。
光ピックアップ7は、レーザ光源11によりレーザ制御信号に応じてレーザ光を発射すると共に、そのレーザ光を回折格子20で0次光及び±1次光の3つのレーザ光に分離する。
因みに、以下の説明では、レーザ光源11により発射されたレーザ光から回折格子20で分離される3つのレーザ光のうち、0次光である1つのレーザ光を主レーザ光とも呼び、残りの±1次光である2つのレーザ光を、それぞれ副レーザ光とも呼ぶ。
そして光ピックアップ7は、回折格子20で元のレーザ光から分離した主レーザ光及び2つの副レーザ光をビームスプリッタ21に通した後、コリメータレンズ22で平行光に変換し、さらに対物レンズ23で集光して光ディスク2のデータ記録面に照射する。
また光ピックアップ7は、光ディスク2のデータ記録面で主レーザ光及び2つの副レーザ光が反射して得られる3つの反射レーザ光を、対物レンズ23及びコリメータレンズ22に順次通した後、ビームスプリッタ21で所定方向へ反射させる。
因みに、以下の説明では、光ディスク2のデータ記録面で主レーザ光が反射して得られる反射レーザ光を、主反射光とも呼び、当該光ディスク2のデータ記録面で2つの副レーザ光が反射して得られる反射レーザ光を、それぞれ副反射光とも呼ぶ。
そして光ピックアップ7は、そのピームスプリッタ21で反射した主反射光及び2つの副反射光をシリンドリカルレンズ24に通した後、受光部12に設けられた複数の受光素子で受光する。
ここで、図3に示すように、光ピックアップ7は、光ディスク2に対しデータを記録再生する際、上述したように主レーザ光LE1及び2つの副レーザ光LE2及びLE3を対物レンズ23で集光している。
よって光ピックアップ7は、主レーザ光LE1のフォーカスが最適な状態に制御されると、光ディスク2のデータ記録面に対し、当該主レーザ光LE1を1つのトラックTR1の幅よりも僅かに大きい直径の略円形の光スポットLS1として照射するようになされている。
また光ピックアップ7は、主レーザ光LE1のフォーカスが最適な状態に制御されると、光ディスク2のデータ記録面に対し、2つの副レーザ光LE2及びLE3も、主レーザ光LE1の光スポットLS1とほぼ等しい直径の略円形の光スポットLS2及びLS3として照射するようになされている。
そして光ピックアップ7は、光ディスク2に対しデータを記録再生する際、光ディスク2のデータ記録面に対する主レーザ光LE1及び2つの副レーザ光LE2及びLE3の照射位置をディスク半径方向に変位させている。
ただし、光ディスク2は、この際、中央部を中心にして例えば時計回りの方向に回転している。
従って光ピックアップ7は、光ディスク2に対しデータを記録再生する際、当該光ディスク2のデータ記録面に対する主レーザ光LE1及び2つの副レーザ光LE2及びLE3の照射位置を、ディスク半径方向へ徐々に変位させながら、当該光ディスク2の時計回りの回転方向とは逆方向へも相対的に変位させることになる。
すなわち、光ピックアップ7は、光ディスク2の回転により、主レーザ光LE1及び2つの副レーザ光LE2及びLE3によって当該光ディスク2のデータ記録面を時計回りの回転方向とは逆方向に走査している。
因みに、以下の説明では、光ディスク2に対しデータを記録再生する際の当該光ディスク2の時計回りの回転方向を、ディスク回転方向とも呼ぶ。
また、以下の説明では、光ディスク2に対しデータを記録再生する際に、当該光ディスク2のデータ記録面に対する主レーザ光LE1及び2つの副レーザ光LE2及びLE3の照射位置が当該データ記録面に対し相対的に変位する、ディスク回転方向とは逆方向を、レーザ走査方向とも呼ぶ。
そして光ピックアップ7では、回折格子20の光学特性や他の光学素子の光学特性、これら回折格子20及び他の光学素子の配置位置等が適宜選定されている。
これにより光ピックアップ7は、一方の副レーザ光LE2を、主レーザ光LE1よりもディスク外周側で、かつレーザ走査方向に先行する(すなわち、データ記録面を主レーザ光LE1よりも先行して走査する)ように位置させている。
また光ピックアップ7は、他方の副レーザ光LE3を、主レーザ光LE1よりもディスク内周側で、かつレーザ走査方向に後行する(すなわち、データ記録面を主レーザ光LE1よりも後行して走査する)するように位置させている。
因みに、以下の説明では、主レーザ光LE1よりもレーザ走査方向に先行するように位置する一方の副レーザ光LE2を、特に先行副レーザ光LE2とも呼ぶ。
また、以下の説明では、主レーザ光LE1よりもレーザ走査方向に後行するように位置する他方の副レーザ光LE3を、特に後行副レーザ光LE3とも呼ぶ。
さらに、以下の説明では、主レーザ光LE1の光スポットLS1を、主光スポットLS1とも呼び、先行副レーザ光LE2の光スポットLS2を、先行副光スポットLS2とも呼び、後行副レーザ光LE3の光スポットLS3を、後行副光スポットLS3とも呼ぶ。
そして光ピックアップ7は、光ディスク2の所望のトラックTR2に主レーザ光LE1を照射したとき、先行副レーザ光LE2を主レーザ光LE1よりも先行させて当該所望のトラックTR2と、これにディスク外周側で隣接する1つのトラックTR1との間隙部GA1に照射する。
また光ピックアップ7は、光ディスク2の所望のトラックTR2に主レーザ光LE1を照射したとき、後行副レーザ光LE3を主レーザ光LE1よりも後行させて当該所望のトラックTR2と、これにディスク内周側で隣接する1つのトラックTR3との間隙部GA2に照射する。
ただし光ピックアップ7は、主レーザ光LE1のフォーカス及びトラッキングが最適な状態に制御されると、主レーザ光LE1の主光スポットLS1においてディスク外周側及びディスク内周側の所定部分を、所望のトラックTR2から両隣の間隙部GA1及びGA2にまで僅かにはみ出させている。
また光ピックアップ7は、このとき先行副レーザ光LE2の先行副光スポットLS2においてディスク外周側及びディスク内周側の所定部分を、間隙部GA1から両隣のトラックTR1及びTR2(すなわち、所望のトラックTR2及び、これとディスク外周側で隣接する1つのトラックTR1)にまで僅かにはみ出させている。
さらに光ピックアップ7は、このとき後行副レーザ光LE3の後行副光スポットLS3においてディスク外周側及びディスク内周側の所定部分を、間隙部GA2から両隣のトラックTR2及びTR3(すなわち、所望のトラックTR2及び、これにディスク内周側で隣接する1つのトラックTR3にまで僅かにはみ出させている。
因みに、以下の説明では、主光スポットLS1、先行副光スポットLS2及び後行副光スポットLS3において円の一部を直線で区切ったような上述したディスク外周側の所定部分を、外周側縁部とも呼ぶ。
また、以下の説明では、主光スポットLS1、先行副光スポットLS2及び後行副光スポットLS3において円の一部を直線で区切ったような上述したディスク内周側の所定部分を、内周側縁部とも呼ぶ。
そして図4に示すように、光ピックアップ7の受光部12には、例えば、光ディスク2のデータ記録面に対する先行副レーザ光LE2、主レーザ光LE1及び後行副レーザ光LE3の照射位置の位置関係に対応させて、それぞれフォトディテクタでなる3つの受光素子12A乃至12Cが1列に並べて設けられている。
この場合、1列に並べて配置された3つの受光素子12A乃至12Cは、それぞれ受光面が、少なくとも光ディスク2のディスク外周側に対応する受光領域12AX乃至12CXと、ディスク内周側に対応する受光領域12AY乃至12CYとに2分割されている。
因みに、以下の説明では、受光素子12A乃至12Cの受光面において、ディスク外周側に対応する受光領域12AX乃至12CXを、外周側受光領域12AX乃至12CXとも呼ぶ。
また、以下の説明では、受光素子12A乃至12Cの受光面において、ディスク内周側に対応する受光領域12AY乃至12CYを、内周側受光領域12AY乃至12CYとも呼ぶ。
そして、3つの受光素子12A乃至12Cのうち、中央に配置された受光素子12Bは、光ディスク2のデータ記録面で主レーザ光LE1が反射して得られる主反射光LR1を受光するために用いられる。
また3つの受光素子12A乃至12Cのうち、一方の端に配置された受光素子12Aは、光ディスク2のデータ記録面で先行副レーザ光LE2が反射して得られる副反射光LR2を受光するために用いられる。
さらに3つの受光素子12A乃至12Cのうち、他方の端に配置された受光素子12Cは、光ディスク2のデータ記録面で後行副レーザ光LE3が反射して得られる副反射光LR3を受光するために用いられる。
因みに、以下の説明では、3つの受光素子12A乃至12Cのうち、中央に配置された受光素子12Bを、主受光素子12Bとも呼ぶ。
また、以下の説明では、3つの受光素子12A乃至12Cのうち、一方の端に配置された受光素子12Aを、先行受光素子12Aとも呼び、他方の端に配置された受光素子12Cを、後行受光素子12Cとも呼ぶ。
さらに、以下の説明では、光ディスク2のデータ記録面で先行副レーザ光LE2が反射して得られる副反射光LR2を、特に先行副反射光LR2とも呼ぶ。
さらに、以下の説明では、光ディスク2のデータ記録面で後行副レーザ光LE3が反射して得られる副反射光LR3を、特に後行副反射光LR3とも呼ぶ。
主受光素子12Bは、受光面に主反射光LR1が到達すると、光ディスク2のデータ記録面に照射された主レーザ光LE1の主光スポットLS1内においてディスク外周側で反射した部分を、主反射光LR1の一部分として外周側受光領域12BXで受光する。
また主受光素子12Bは、このとき光ディスク2のデータ記録面に照射された主レーザ光LE1の主光スポットLS1内においてディスク内周側で反射した部分を、主反射光LR1の一部分として内周側受光領域12BYで受光する。
このようにして主受光素子12Bは、外周側受光領域12BX及び内周側受光領域12BYに渡って主反射光LR1を受光すると、当該外周側受光領域12BXで受光した一部分としての主反射光LR1を光電変換する。
これにより主受光素子12Bは、外周側受光領域12BXで受光した一部分としての主反射光LR1の光量に応じた受光信号(以下、これを外周側主信号とも呼ぶ)を生成する。
また主受光素子12Bは、このとき内周側受光領域12BYで受光した一部分としての主反射光LR1も光電変換する。
これにより主受光素子12Bは、内周側受光領域12BYで受光した一部分としての主反射光LR1の光量に応じた受光信号(以下、これを内周側主信号とも呼ぶ)も生成する。
そして主受光素子12Bは、これら外周側主信号及び内周側主信号を信号生成部13に送出する。
一方、先行受光素子12Aは、受光面に先行副反射光LR2が到達すると、光ディスク2のデータ記録面に照射された先行副レーザ光LE2の先行副光スポットLS2内においてディスク外周側で反射した部分を、先行副反射光LR2の一部分として外周側受光領域12AXで受光する。
また先行受光素子12Aは、このとき光ディスク2のデータ記録面に照射された先行副レーザ光LE2の先行副光スポットLS2内においてディスク内周側で反射した部分を、先行副反射光LR2の一部分として内周側受光領域12AYで受光する。
このようにして先行受光素子12Aは、外周側受光領域12AX及び内周側受光領域12AYに渡って先行副反射光LR2を受光すると、当該外周側受光領域12AXで受光した一部分としての先行副反射光LR2を光電変換する。
これにより先行受光素子12Aは、外周側受光領域12AXで受光した一部分としての先行副反射光LR2の光量に応じた受光信号(以下、これを外周側先行副信号とも呼ぶ)を生成する。
また先行受光素子12Aは、このとき内周側受光領域12AYで受光した一部分としての先行副反射光LR2も光電変換する。
これにより先行受光素子12Aは、内周側受光領域12AYで受光した一部分としての先行副反射光LR2の光量に応じた受光信号(以下、これを内周側先行副信号とも呼ぶ)も生成する。
そして先行受光素子12Aは、これら外周側先行副信号及び内周側先行副信号を信号生成部13に送出する。
さらに後行受光素子12Cは、受光面に後行副反射光LR3が到達すると、光ディスク2のデータ記録面に照射された後行副レーザ光LE3の後行副光スポットLS3内においてディスク外周側で反射した部分を、後行副反射光LR3の一部分として外周側受光領域12CXで受光する。
また後行受光素子12Cは、このとき光ディスク2のデータ記録面に照射された後行副レーザ光LE3の後行副光スポットLS3内においてディスク内周側で反射した部分を、後行副反射光LR3の一部分として内周側受光領域12CYで受光する。
このようにして後行受光素子12Cは、外周側受光領域12CX及び内周側受光領域12CYに渡って後行副反射光LR3を受光すると、当該外周側受光領域12CXで受光した一部分としての後行副反射光LR3を光電変換する。
これにより後行受光素子12Cは、外周側受光領域12CXで受光した一部分としての後行副反射光LR3の光量に応じた受光信号(以下、これを外周側後行副信号とも呼ぶ)を生成する。
また後行受光素子12Cは、このとき内周側受光領域12CYで受光した一部分としての後行副反射光LR3も光電変換する。
これにより後行受光素子12Cは、内周側受光領域12CYで受光した一部分としての後行副反射光LR3の光量に応じた受光信号(以下、これを内周側後行副信号とも呼ぶ)も生成する。
そして後行受光素子12Cは、これら外周側後行副信号及び内周側後行副信号を信号生成部13に送出する。
ここで、信号生成部13には、RF信号を生成するRF信号生成回路と、フォーカスエラー信号を生成するフォーカスエラー信号生成回路と、トラッキングエラー信号を生成するトラッキングエラー信号生成回路とが設けられている。
そして信号生成部13は、光ディスク2からデータを再生する際、受光部12から与えられた外周側主信号及び内周側主信号をRF信号生成回路に取り込む。
これにより信号生成部13においてRF信号生成回路は、その外周側主信号及び内周側主信号に基づいてRF信号を生成する。
また信号生成部13は、光ディスク2に対しデータを記録再生する際、受光部12から与えられた外周側主信号、内周側主信号、外周側先行副信号、内周側先行副信号、外周側後行副信号及び内周側後行副信号をフォーカスエラー信号生成回路に取り込む。
これより信号生成部13においてフォーカスエラー信号生成回路は、その外周側主信号、内周側主信号、外周側先行副信号、内周側先行副信号、外周側後行副信号及び内周側後行副信号に基づいてフォーカスエラー信号を生成する。
さらに信号生成部13は、光ディスク2に対しデータを記録再生する際、受光部12から与えられた外周側主信号、内周側主信号、外周側先行副信号、内周側先行副信号、外周側後行副信号及び内周側後行副信号をトラッキングエラー信号生成回路にも取り込む。
これより信号生成部13においてトラッキングエラー信号生成回路は、その取り込んだ外周側主信号、内周側主信号、外周側先行副信号、内周側先行副信号、外周側後行副信号及び内周側後行副信号に基づいてトラッキングエラー信号を生成する。
次いで、図5を用いて、信号生成部13に設けられたトラッキングエラー信号生成回路30の回路構成について説明する。
トラッキングエラー信号生成回路30は、光ディスク2に対しデータが記録再生される際、受光部12の主受光素子12Bから与えられた外周側主信号及び内周側主信号を、主反射光LR1の光量に応じた主総和信号を生成するための加算器でなる主総和信号生成部31に取り込む。
主総和信号生成部31は、外周側主信号及び内周側主信号を加算処理して、これらの総和となる主総和信号を生成し、当該生成した主総和信号をゲイン制御回路(以下、これを主ゲイン制御回路とも呼ぶ)32に送出する。
主ゲイン制御回路32は、主総和信号生成部31から主総和信号が与えられると、その主総和信号の値に応じたゲインを示すゲイン制御信号を生成し、当該生成したゲイン制御信号を可変ゲインアンプ(以下、これを主可変ゲインアンプとも呼ぶ)33に送出する。
またトラッキングエラー信号生成回路30は、このとき受光部12の主受光素子12Bから与えられた外周側主信号及び内周側主信号を減算器(以下、これを主減算器とも呼ぶ)34にも取り込む。
そして主減算器34は、例えば、内周側主信号から外周側主信号を減算処理して、これらの差分となる主プッシュプル信号を生成し、当該生成した主プッシュプル信号を主可変ゲインアンプ33に送出する。
よって主可変ゲインアンプ33は、主減算器34から与えられた主プッシュプル信号を、主ゲイン制御回路32から与えられたゲイン制御信号が示すゲインで増幅する。
これにより主可変ゲインアンプ33は、主プッシュプル信号を正規化した正規化主プッシュプル信号を生成し、当該生成した正規化主プッシュプル信号を減算器(以下、これをプッシュプル減算器とも呼ぶ)35に送出する。
ところでトラッキングエラー信号生成回路30は、このとき受光部12の先行受光素子12Aから与えられた外周側先行副信号及び内周側先行副信号を、先行副反射光LR2の光量に応じた先行副総和信号を生成するための加算器でなる先行副総和信号生成部36に取り込む。
そして先行副総和信号生成部36は、外周側先行副信号及び内周側先行副信号を加算処理して、これらの総和となる先行副総和信号を生成し、当該生成した先行副総和信号を加算器(以下、これを和信号加算器とも呼ぶ)37に送出する。
またトラッキングエラー信号生成回路30は、受光部12の先行受光素子12Aから与えられた外周側先行副信号及び内周側先行副信号を減算器(以下、これを先行副減算器とも呼ぶ)38にも取り込む。
そして先行副減算器38は、例えば、内周側先行副信号から外周側先行副信号を減算処理して、これらの差分となる先行副プッシュプル信号を生成し、当該生成した先行副プッシュプル信号を加算器(以下、これを差信号加算器とも呼ぶ)39に送出する。
これに加えてトラッキングエラー信号生成回路30は、このとき受光部12の後行受光素子12Cから与えられた外周側後行副信号及び内周側後行副信号を、後行副反射光LR3の光量に応じた後行副総和信号を生成するための加算器でなる後行副総和信号生成部40に取り込む。
そして後行副総和信号生成部40は、外周側後行副信号及び内周側後行副信号を加算処理して、これらの総和となる後行副総和信号を生成し、当該生成した後行副総和信号を和信号加算器37に送出する。
またトラッキングエラー信号生成回路30は、受光部12の後行受光素子12Cから与えられた外周側後行副信号及び内周側後行副信号を減算器(以下、これを後行副減算器とも呼ぶ)41にも取り込む。
そして後行副減算器41は、例えば、内周側後行副信号から外周側後行副信号を減算処理して、これらの差分となる後行副プッシュプル信号を生成し、当該生成した後行副プッシュプル信号を差信号加算器39に送出する。
和信号加算器37は、先行副総和信号生成部36から与えられた先行副総和信号と、後行副総和信号生成部40から与えられた後行副総和信号とを加算処理して、これらの総和となる副総和信号を生成する。
そして和信号加算器37は、その副総和信号をゲイン制御回路(以下、これを副ゲイン制御回路とも呼ぶ)42に送出する。
副ゲイン制御回路42は、和信号加算器37から副総和信号が与えられると、その副総和信号の値に応じたゲインを示すゲイン制御信号を生成し、当該生成したゲイン制御信号を可変ゲインアンプ(以下、これを副可変ゲインアンプとも呼ぶ)43に送出する。
また差信号加算器39は、このとき先行副減算器38から与えられた先行副プッシュプル信号と、後行副減算器41から与えられた後行副プッシュプル信号とを加算処理して、これらの総和となる副プッシュプル総和信号を生成する。そして差信号加算器39は、その副プッシュプル総和信号を補正回路44に送出する。
ここで、主プッシュプル信号、先行副プッシュプル信号及び後行副プッシュプル信号には、主レーザ光LE1、先行副レーザ光LE2及び後行副レーザ光LE3の光軸のずれにより、直流オフセット成分が生じる場合がある。
そして主プッシュプル信号、先行副プッシュプル信号及び後行副プッシュプル信号に生じる直流オフセット成分は、光ディスク2のデータ記録面に対する主レーザ光LE1と、先行副レーザ光LE2及び後行副レーザ光LE3との照射光量比や、主受光素子12Bと、先行受光素子12A及び後行受光素子12Cとのゲインの差に依存してそれぞれ異なる。
よって補正回路44は、副プッシュプル総和信号に生じる直流オフセット成分を、主プッシュプル信号に生じる直流オフセット成分と等しくするように補正し、当該直流オフセット成分を補正した副プッシュプル信号を生成する。
実際に補正回路44は、光ディスク2のデータ記録面に対する主レーザ光LE1と、先行副レーザ光LE2及び後行副レーザ光LE3との照射光量比や、主受光素子12Bと、先行受光素子12A及び後行受光素子12Cとのゲインの差に基づいて適宜選定された補正係数を保持している。
そして補正回路44は、直流オフセット成分を補正した副プッシュプル信号をSPPとすると共に、補正係数をKとし、先行副プッシュプル信号をspp1とすると共に、後行副プッシュプル信号をspp2とすると、(1)式
SPP=K×(spp1+spp2) ……(1)
で表されるように、先行副プッシュプル信号と後行副プッシュプル信号とを加算して得られる副プッシュプル総和信号に補正係数を乗算することにより、直流オフセット成分を補正した副プッシュプル信号を生成する。
このようにして補正回路44は、副プッシュプル信号を生成し、当該生成した副プッシュプル信号を副可変ゲインアンプ43に送出する。
副可変ゲインアンプ43は、補正回路44から与えられた副プッシュプル信号を、副ゲイン制御回路42から与えられたゲイン制御信号が示すゲインで増幅する。
これにより副可変ゲインアンプ43は、副プッシュプル信号を正規化した正規化副プッシュプル信号を生成し、当該生成した正規化副プッシュプル信号をプッシュプル減算器35に送出する。
プッシュプル減算器35は、主可変ゲインアンプ33から与えられた正規化主プッシュプル信号、及び副可変ゲインアンプ43から与えられた正規化副プッシュプル信号にそれぞれ生じている直流オフセット成分を相殺してトラッキングエラー信号(すなわち、差動プッシュプル信号)を生成する。
すなわち、プッシュプル減算器35は、正規化主プッシュプル信号をMPPnとすると共に、正規化副プッシュプル信号をSPPnとし、トラッキングエラー信号(すなわち、差動プッシュプル信号)をDPPとすると、(2)式
DPP=MPPn−SPPn
=MAGC×MPP−SAGC×SPP
=MAGC×MPP−SAGC×K×(spp1+spp2) ……(2)
=MAGC×MPP−SAGC×SPP
=MAGC×MPP−SAGC×K×(spp1+spp2) ……(2)
で表されるように、正規化主プッシュプル信号から正規化副プッシュプル信号を減算することにより、互いの直流オフセット成分を相殺してトラッキングエラー信号を生成する。
因みに、(2)式において、MPPは主プッシュプル信号を表し、MAGCは主ゲイン制御回路32によって生成されたゲイン制御信号が示すゲインを表し、SAGCは副ゲイン制御回路42によって生成されたゲイン制御信号が示すゲインを表す。
このようにしてプッシュプル減算器35は、トラッキングエラー信号を生成し、当該生成したトラッキングエラー信号を可変ゲインアンプでなる信号補正部45を介してサーボ制御部5に送出する。
ところで、個々の光ディスク2については、規格に従って形成されてはいるものの、その形成精度等に起因してデータ記録面の反射率にばらつきが生じる場合がある。
個々の光ディスク2における反射率のばらつきは、光ディスク装置1において光ディスク2毎に主プッシュプル信号の振幅や副プッシュプル信号の振幅を変化させ、その結果、トラッキングエラー信号の振幅も変化させて、主レーザ光LE1のトラッキング性能を悪化させる場合がある。
このためトラッキングエラー信号生成回路30は、光ディスク2に対しデータが記録再生される際、上述したように主総和信号を用いて主プッシュプル信号を正規化する。
これによりトラッキングエラー信号生成回路30は、光ディスク2に対しデータが記録再生される際、光ディスク2毎の反射率のばらつきに起因する主プッシュプル信号の振幅の変化を補正する。
またトラッキングエラー信号生成回路30は、光ディスク2に対しデータが記録再生される際、上述したように副総和信号を用いて副プッシュプル信号も正規化する。
これによりトラッキングエラー信号生成回路30は、光ディスク2に対しデータが記録再生される際、光ディスク2毎の反射率のばらつきに起因する副プッシュプル信号の振幅の変化も補正する。
そしてトラッキングエラー信号生成回路30は、このような正規化により得られた正規化主プッシュプル信号と正規化副プッシュプル信号とに基づいてトラッキングエラー信号を生成する。
これによりトラッキングエラー信号生成回路30は、トラッキングエラー信号に対し光ディスク2毎の反射率のばらつきに起因する振幅の変化を生じさせないようにしている。
このようにしてトラッキングエラー信号生成回路30は、光ディスク2に対しデータが記録再生される際、光ディスク2毎の反射率にばらつきが生じていても、その反射率のばらつきに起因して主レーザ光LE1のトラッキング性能が悪化することを防止している。
実際に主ゲイン制御回路32は、例えば、あたかも主総和信号の値を、予め選定された所定値(以下、これを主目標値とも呼ぶ)に補正するようなゲインを算出している。
すなわち、主ゲイン制御回路32は、例えば、予め選定された主目標値を主総和信号の値で除算するようにして、主可変ゲインアンプ33において主プッシュプル信号の正規化に用いるゲインを算出している。
このため主可変ゲインアンプ33は、上述したように主プッシュプル信号を主ゲイン制御回路32で算出されたゲインで増幅する動作により、主プッシュプル信号に主目標値を乗算しつつ主総和信号の値で除算するような処理と同等の処理を実行していることになる。
よって主可変ゲインアンプ33は、主目標値が一定という条件下では、主総和信号の値が小さい程、振幅の大きい正規化主プッシュプル信号を生成することになる。
また主可変ゲインアンプ33は、主目標値が一定という条件下では、主総和信号の値が大きい程、振幅の小さい正規化主プッシュプル信号を生成することになる。
一方、副ゲイン制御回路42についても、主ゲイン制御回路32と同様に、例えば、あたかも副総和信号の値を、予め選定された所定値(以下、これを副目標値とも呼ぶ)に補正し得るようなゲインを算出している。
すなわち、副ゲイン制御回路42は、例えば、予め選定された副目標値を副総和信号の値で除算するようにして、副可変ゲインアンプ43において副プッシュプル信号の正規化に用いるゲインを算出している。
このため副可変ゲインアンプ43についても、上述したように副プッシュプル信号を副ゲイン制御回路42で算出されたゲインで増幅する動作により、副プッシュプル信号に副目標値を乗算しつつ副総和信号の値で除算するような処理と同等の処理を実行していることになる。
よって副可変ゲインアンプ43は、副目標値が一定という条件下では、副総和信号の値が小さい程、振幅の大きい正規化副プッシュプル信号を生成することになる。
また副可変ゲインアンプ43は、副目標値が一定という条件下では、副総和信号の値が大きい程、振幅の小さい正規化副プッシュプル信号を生成することになる。
ところで主ゲイン制御回路32では、例えば、光ディスク2におけるデータ未記録部分あるいはデータ記録済部分の何れか一方の反射率をもとに、主目標値が一定値として選定されている。
また副ゲイン制御回路42では、例えば、光ディスク2におけるデータ未記録部分あるいはデータ記録済部分の何れか一方の反射率をもとに、副目標値が一定値として選定されている。
そして光ディスク2がHTLディスク2の場合については、データ未記録部分よりもデータ記録済部分の反射率が小さくなるものの、当該データ未記録部分とデータ記録済部分との反射率の差が比較的小さい。
このため主総和信号及び副総和信号は、HTLディスク2に対しデータを記録再生する際、HTLディスク2のデータ未記録部分及びデータ記録済部分の何れに主レーザ光LE1が照射されている状態で生成されても、値の変化が比較的小さいものとなる。
よって正規化主プッシュプル信号及び正規化副プッシュプル信号についても、HTLディスク2のデータ未記録部分及びデータ記録済部分の何れに主レーザ光LE1が照射されている状態で生成されても、振幅の変化が比較的小さいものとなる。
その結果、トラッキングエラー信号についても、HTLディスク2のデータ未記録部分及びデータ記録済部分の何れに主レーザ光LE1が照射されている状態で生成されても、振幅の変化が比較的小さいものとなる。
従って光ディスク装置1では、HTLディスク2に対しデータを記録再生する際、主レーザ光LE1の照射位置がトラックのデータ未記録部分及びデータ記録済部分の一方から他方へと変位しても、主レーザ光LE1のトラッキングを的確に制御することができる。
これに対して光ディスク2がLTHディスク2の場合については、データ記録済部分の反射率がデータ未記録部分の反射率よりも大幅に高くなる。
このため主総和信号及び副総和信号は、LTHディスク2に対しデータが記録再生される際、トラックのデータ未記録部分に主レーザ光LE1が照射されている状態で生成されたときに比べて、データ記録済部分に主レーザ光LE1が照射されている状態で生成されたときに、値が大幅に大きくなる。
すなわち、主総和信号及び副総和信号は、LTHディスク2に対しデータが記録再生される際に主レーザ光LE1によりトラックが走査されている間、その主レーザ光LE1がトラックのデータ未記録部分とデータ記録済部分との何れに照射されているのかによって値が変化する。
よって正規化主プッシュプル信号及び正規化副プッシュプル信号については、トラックのデータ未記録部分に主レーザ光LE1が照射されている状態で生成されたときに比べて、データ記録済部分に主レーザ光LE1が照射されている状態で生成されたときに、振幅が大幅に小さくなる。
その結果、トラッキングエラー信号についても、トラックのデータ未記録部分に主レーザ光LE1が照射されている状態で生成されたときに比べて、データ記録済部分に主レーザ光LE1が照射されている状態で生成されたときに、振幅が大幅に小さくなる(例えば、3〔dB〕以上小さくなる)。
因みに、以下の説明では、LTHディスク2のトラックに対する主レーザ光LE1の照射位置を、主レーザ光照射位置とも呼ぶ。
主目標値及び副目標値がデータ未記録部分の反射率をもとに選定されている場合を例にとって説明すると、光ディスク装置1は、LTHディスク2のデータ記録済部分に主レーザ光LE1が照射されている状態でプッシュプル減算器35により生成したトラッキングエラー信号を、そのままトラッキングの制御に利用したのでは、当該トラッキングエラー信号の振幅が小さすぎて主レーザ光LE1のトラッキングを的確には制御し難くなる場合がある。
特に、光ディスク装置1では、主レーザ光照射位置がトラックのデータ未記録部分からデータ記録済部分へ変位したとき、トラッキングエラー信号の振幅が急激かつ大幅に小さくなり、トラッキング性能が急激かつ大幅に悪化する。
すなわち、光ディスク装置1では、主レーザ光照射位置がトラックのデータ未記録部分からデータ記録済部分との境界位置を通過した直後に、トラッキングエラー信号の振幅が急激かつ大幅に小さくなり、トラッキング性能が急激かつ大幅に悪化する。
そして光ディスク装置1では、このようにトラッキング性能が急激かつ大幅に悪化すると、最悪の場合、トラックTR1乃至TR3から主レーザ光LE1が外れる可能性がある。
このためトラッキングエラー信号生成回路30は、LTHディスク2のデータ記録済部分に主レーザ光LE1が照射されている間、補正ゲイン切換部46及び信号補正部45によりトラッキングエラー信号の振幅を補正している。
ここで、光ディスク装置1は、LTHディスク2に対しデータを記録する際には、レーザ光源11から発射するレーザ光の出力を、再生時に比べて極めて大きな記録用の出力に切り換えるようになっているため、反射光量等が再生時とは大きく変化する。
このためトラッキングエラー信号生成回路30は、レーザ光源11から実際にレーザ光が記録用の出力で発射されてLTHディスク2にデータが記録されている間は、主目標値及び副目標値と、補正ゲイン切換部46及び信号補正部45によるトラッキングエラー信号の振幅の補正動作に、記録時専用に調整されたものを用いている。
従ってトラッキングエラー信号生成回路30は、レーザ光源11から実際にレーザ光が記録用の出力で発射されてLTHディスク2にデータが記録されている間は、再生時に適用されるものと同じトラッキングエラー信号の振幅の補正動作を行わないようになっている。
ただし光ディスク装置1は、LTHディスク2に対しデータを記録する際でも、光ピックアップ7をシークさせてから実際にデータの記録を開始するまでの間は、その記録の準備のためにレーザ光源11からレーザ光を再生用の出力で発射させてLTHディスク2のトラックに主レーザ光LE1を照射している。
因みに、光ディスク装置1では、LTHディスク2に対しデータの記録の準備のためにトラックに対し再生用の出力の主レーザ光LE1を照射した場合、フォーカスやトラッキングの引き込み等を実行している。
そして光ディスク装置1では、LTHディスク2に対するデータの記録の準備のためにトラックにおいて再生用の出力の主レーザ光LE1を照射している部分は、未だデータの記録されていないデータ未記録部分の場合もあれば、すでにデータの記録されているデータ記録済部分の場合もある。
よって光ディスク装置1では、LTHディスク2に対するデータの記録の準備の間、主レーザ光LE1をトラックのデータ未記録部分及びデータ記録済部分の何れか一方にのみ走査するようにして照射する場合もあれば、当該データ未記録部分及びデータ記録済部分の一方から他方にかけて走査するようにして照射する場合もある。
このためトラッキングエラー信号生成回路30は、LTHディスク2に対しデータが記録される際でも、データの記録の準備のためにトラックに再生用の出力の主レーザ光LE1が照射されている間は、補正ゲイン切換部46及び信号補正部45により適宜、トラッキングエラー信号の振幅を補正している。
さらに光ディスク装置1では、LTHディスク2に対するデータの記録が完了すると、レーザ光源11からレーザ光を記録用の出力から再生用の出力に切り換えて発射させてトラックに照射するようにして、一旦、待機状態となる。
光ディスク装置1では、このような待機状態のまま一定時間が経過しても、コンピュータ装置PCから次の記録や再生が指示されなければ、その時点に、例えば、レーザ光源11に対しレーザ光の発射を停止させる。
また光ディスク装置1は、このような待機状態において一定時間が経過する前に、コンピュータ装置PCから次の記録や再生が指示されると、その時点に、その指示に応じた新たな処理を開始する。
そして光ディスク装置1は、このような待機状態でLTHディスク2のトラックに対し再生用の出力の主レーザ光LE1を照射している部分は、未だデータの記録されていないデータ未記録部分の場合もあれば、すでにデータの記録されているデータ記録済部分の場合もある。
よって光ディスク装置1は、このような待機状態では再生用の出力の主レーザ光LE1をトラックのデータ未記録部分及びデータ記録済部分の何れか一方にのみ走査するようにして照射する場合もあれば、当該データ未記録部分及びデータ記録済部分の一方から他方にかけて走査するようにして照射する場合もある。
このためトラッキングエラー信号生成回路30は、LTHディスク2に対しデータが記録される際でも待機状態になると、トラックに再生用の出力の主レーザ光LE1が照射されている間、補正ゲイン切換部46及び信号補正部45により適宜、トラッキングエラー信号の振幅を補正している。
一方、光ディスク装置1は、LTHディスク2からデータを再生する際、光ピックアップ7をシークさせてからデータの再生の準備を経て実際にデータを再生し、その再生が完了すると、待機状態に移行する。
このように光ディスク装置1は、LTHディスク2からデータを再生する際、光ピックアップ7をシークさせてから待機状態を終了させるまでの間、レーザ光源11からレーザ光を再生用の出力で発射させてLTHディスク2のトラックに主レーザ光LE1を照射している。
そして光ディスク装置1では、LTHディスク2からデータを再生する準備のためにトラックにおいて再生用の出力の主レーザ光LE1を照射している部分は、未だデータの記録されていないデータ未記録部分の場合もあれば、すでにデータの記録されているデータ記録済部分の場合もある。
また光ディスク装置1は、LTHディスク2から実際にデータを再生している間は再生用の出力の主レーサ光LE1をトラックのデータ記録済部分にのみ照射するものの、データの再生が完了した後の待機状態では主レーザ光LE1を照射している部分がデータ未記録部分の場合もあれば、データ記録済部分の場合もある。
よって光ディスク装置1では、LTHディスク2からデータを再生する際にトラックに対し再生用の出力の主レーザ光LE1を照射している間、主レーザ光照射位置がデータ記録済部分上でのみ変位する場合もあれば、データ未記録部分及びデータ記録済部分の一方から他方へ少なくとも1回は変位する場合もある。
このためトラッキングエラー信号生成回路30は、LTHディスク2からデータが再生される際、補正ゲイン切換部46及び信号補正部45により適宜、トラッキングエラー信号の振幅を補正している。
因みに、光ディスク装置1では、LTHディスク2に対しデータの再生の準備のためにトラックに対し再生用の出力の主レーザ光LE1を照射した場合も、上述した記録の準備のときと同様にフォーカスやトラッキングの引き込み等を実行している。
また光ディスク装置1は、LTHディスク2からデータを再生する際に待機状態に移行すると、上述したデータを記録する際と同様に、一定時間が経過しても、コンピュータ装置PCから次の記録や再生が指示されなければ、その時点に、例えば、レーザ光源11に対しレーザ光の発射を停止させる。
さらに光ディスク装置1は、このような待機状態において一定時間が経過する前に、コンピュータ装置PCから次の記録や再生が指示されると、その時点に、その指示に応じた新たな処理を開始する。
このようにしてトラッキングエラー信号生成回路30は、LTHディスク2に対しデータが記録再生される際、トラックに再生用の出力の主レーザ光LE1が照射されている間は、トラッキングエラー信号の振幅を適宜補正している。
因みに、以下の説明では、LTHディスク2に対しデータを記録する際に実行するデータを記録するための準備の動作や待機状態での動作のように、トラックに対し再生用の出力の主レーザ光LE1を照射している間の動作を、再生動作とも呼ぶ。
また、以下の説明では、LTHディスク2からデータを再生する際に実行するデータを再生するための準備の動作、実際にデータを再生するための動作及び待機状態での動作のように、トラックに対し再生用の出力の主レーザ光LE1を照射している間の一連の動作も、再生動作と呼ぶ。
よって以下には、図6乃至図21を用いて、トラッキングエラー信号生成回路30が再生動作時に実行するトラッキングエラー信号の補正処理(以下、これを信号補正処理とも呼ぶ)について説明する。
ただし、以下の説明に用いる図7、図8、図10、図11、図13、図14、図16及び図17において、トラックTR10乃至TR19及びTR20乃至TR29の白抜き部分はデータ未記録部分を示し、斜線部分はデータ記録済部分を示す。
また、以下の説明では、2層LTHディスク2のL0記録層及びL1記録層の何れについても、複数のトラックTR10乃至TR19及びTR20乃至TR29においてデータ記録済部分が一方のデータ未記録部分と他方のデータ未記録部分との間に位置するように存在しているものとする。
さらに、以下の説明では、主レーザ光LE1がトラックTR10乃至TR19及びTR20乃至TR29のデータ未記録部分からデータ記録済部分を順に走査するときに、主レーザ光照射位置が通過するデータ未記録部分のデータ記録済部分との境界位置を、特に記録済境界位置とも呼ぶ。
さらにまた、以下の説明では、主レーザ光LE1がトラックTR10乃至TR19及びTR20乃至TR29のデータ記録済部分からデータ未記録部分を順に走査するときに、主レーザ光照射位置が通過するデータ記録済部分のデータ未記録部分との境界位置を、特に未記録境界位置とも呼ぶ。
なお、1層LTHディスク2の記録層に対する再生動作時にトラッキングエラー信号生成回路30が実行する信号補正処理については、2層LTHディスク2のL0記録層に対する再生動作時の場合と同様であるため説明を省略する。
図6乃至図8に示すように、光ディスク装置1では、2層LTHディスク2のL0記録層に対する再生動作時、光ピックアップ7をディスク外周方向へ移動させる。
この状態で主総和信号生成部31は、2層LTHディスク2のL0記録層においてトラックTR10乃至TR14のデータ未記録部分に主レーザ光LE1が照射されていると、第1の主信号値LV11の主総和信号MS1を生成する。
また先行副総和信号生成部36は、2層LTHディスク2のL0記録層において隣接するトラックTR10乃至TR14のデータ未記録部分に挟まれた間隙部GA10乃至GA13に先行副レーザ光LE2が照射されていると、第1の主信号値LV11よりも小さい第1の副信号値LV21の先行副総和信号SS1を生成する。
さらに後行副総和信号生成部40も、2層LTHディスク2のL0記録層において隣接するトラックTR10乃至TR14のデータ未記録部分に挟まれた間隙部GA10乃至GA13に後行副レーザ光LE3が照射されていると、第1の副信号値LV21の後行副総和信号SS2を生成する。
そして光ディスク装置1(図7(A))では、まず、主レーザ光LE1よりも先に、当該主レーザ光LE1に先行する先行副レーザ光LE2の先行副光スポットLS2にトラックTR12のデータ記録済部分がかかりだす。
この際、先行副反射光LR2は、先行副レーザ光LE2の先行副光スポットLS2にトラックTR12のデータ記録済部分が徐々にかかりだすと、間隙部GA12よりもデータ記録済部分の反射率が高いことにより、光量が徐々に増加する。
実際に先行副レーザ光LE2の先行副光スポットLS2には、まず外周側縁部にトラックTR12のデータ記録済部分がかかりだす。
よって先行副総和信号生成部36は、時点TM1から先行副レーザ光LE2の先行副光スポットLS2において外周側縁部にトラックTR12のデータ記録済部分が徐々にかかりだすと、第1の副信号値LV21よりも徐々に値の大きい先行副総和信号SS1を生成する。
この後、先行副総和信号生成部36は、時点TM2に先行副レーザ光LE2の先行副光スポットLS2において外周側縁部にトラックTR12のデータ記録済部分が完全にかかると、第1の副信号値LV21よりも僅かに大きい第2の副信号値LV22の先行副総和信号SS1を生成する。
そして先行副レーザ光LE2の先行副光スポットLS2(図7(B))には、外周側縁部にトラックTR12のデータ記録済部分がかかりだした後、2層LTHディスク2がほぼ1回転すると、引き続き内周側縁部にもトラックTR12のデータ記録済部分がかかりだす。
よって先行副総和信号生成部36は、時点TM3から先行副レーザ光LE2の先行副光スポットLS2において内周側縁部にもトラックTR12のデータ記録済部分が徐々にかかりだすと、第2の副信号値LV22よりも徐々に値の大きい先行副総和信号SS1を生成する。
この後、先行副総和信号生成部36は、時点TM4に先行副レーザ光LE2の先行副光スポットLS2において内周側縁部にもトラックTR12のデータ記録済部分が完全にかかると、第2の副信号値LV22よりもさらに大きい第3の副信号値LV23の先行副総和信号SS1を生成する。
そして光ディスク装置1(図7(C))では、先行副レーザ光LE2の外周側縁部に引き続き内周側縁部にもトラックTR12のデータ記録済部分が完全にかかると、次いですぐ後に主レーザ光LE1の主光スポットLS1にトラックTR12のデータ記録済部分がかかりだす。
この際、主反射光LR1は、主レーザ光LE1の主光スポットLS1にトラックTR12のデータ記録済部分が徐々にかかりだすと、データ未記録部分よりも当該データ記録済部分の反射率が高いことにより、光量が徐々に増加する。
よって主総和信号生成部31は、時点TM4のすぐ後の時点TM5から主レーザ光LE1の主光スポットLS1にトラックTR12のデータ記録済部分が徐々にかかりだすと、第1の主信号値LV11よりも徐々に値の大きい主総和信号MS1を生成する。
この後、主総和信号生成部31は、時点TM6に主レーザ光LE1の主光スポットLS1にトラックTR12のデータ記録済部分が完全にかかると、第1の主信号値LV11よりも大幅に大きい第2の主信号値LV12の主総和信号MS1を生成する。
そして光ディスク装置1(図8(A))では、主レーザ光LE1に次いですぐ後に、当該主レーザ光LE1に後行する後行副レーザ光LE3の後行副光スポットLS3にトラックTR12のデータ記録済部分がかかりだす。
この際、後行副反射光LR3は、後行副レーザ光LE3の後行副光スポットLS3にトラックTR12のデータ記録済部分が徐々にかかりだすと、間隙部GA12よりもデータ記録済部分の反射率が高いことにより、光量が徐々に増加する。
実際に後行副レーザ光LE3の後行副光スポットLS3には、まず外周側縁部にトラックTR12のデータ記録済部分がかかりだす。
よって後行副総和信号生成部40は、時点TM6のすぐ後の時点TM7から後行副レーザ光LE3の後行副光スポットLS3において外周側縁部にトラックTR12のデータ記録済部分が徐々にかかりだすと、第1の副信号値LV21よりも徐々に値の大きい後行副総和信号SS2を生成する。
この後、後行副総和信号生成部40は、時点TM8に後行副レーザ光LE3の後行副光スポットLS3において外周側縁部にトラックTR12のデータ記録済部分が完全にかかると、第2の副信号値LV22の後行副総和信号SS2を生成する。
そして後行副レーザ光LE3の後行副光スポットLS3(図8(B))には、外周側縁部にトラックTR12のデータ記録済部分がかかりだした後、2層LTHディスク2がほぼ1回転すると、引き続き内周側縁部にもトラックTR12のデータ記録済部分がかかりだす。
よって後行副総和信号生成部40は、時点TM9から後行副レーザ光LE3の後行副光スポットLS3において内周側縁部にもトラックTR12のデータ記録済部分が徐々にかかりだすと、第2の副信号値LV22よりも徐々に値の大きい後行副総和信号SS2を生成する。
この後、後行副総和信号生成部40は、時点TM10に後行副レーザ光LE3の後行副光スポットLS3において内周側縁部にもトラックTR12のデータ記録済部分が完全にかかると、第3の副信号値LV23の後行副総和信号SS2を生成する。
このように光ディスク装置1では、2層LTHディスク2のL0記録層において主レーザ光照射位置がトラックTR12のデータ未記録部分からデータ記録済部分へと変位すると、先行副総和信号SS1及び後行副総和信号SS2の値が変化する。
すなわち、光ディスク装置1では、主レーザ光照射位置がトラックTR12のデータ未記録部分からデータ記録済部分との記録済境界位置に到達する直前、先行副総和信号SS1の値が第1の副信号値LV21から第2の副信号値LV22を経て第3の副信号値LV23へと2段階で増加する。
また光ディスク装置1では、主レーザ光照射位置がトラックTR12のデータ未記録部分からデータ記録済部分との記録済境界位置を完全に通過した直後、後行副総和信号SS2の値が第1の副信号値LV21から第2の副信号値LV22を経て第3の副信号値LV23へと2段階で増加する。
図9乃至図11に示すように、主総和信号生成部31は、2層LTHディスク2のL0記録層においてトラックTR15乃至TR19のデータ記録済部分に主レーザ光LE1が照射されていると、第2の主信号値LV12の主総和信号MS1を生成する。
また先行副総和信号生成部36は、2層LTHディスク2のL0記録層において隣接するトラックTR15乃至TR19のデータ記録済部分に挟まれた間隙部GA14乃至GA17に先行副レーザ光LE2が照射されていると、第3の副信号値LV23の先行副総和信号SS1を生成する。
さらに後行副総和信号生成部40も、2層LTHディスク2のL0記録層において隣接するトラックTR15乃至TR19のデータ記録済部分に挟まれた間隙部GA14乃至GA17に後行副レーザ光LE3が照射されていると、第3の副信号値LV23の後行副総和信号SS2を生成する。
そして光ディスク装置1(図10(A))では、まず、主レーザ光LE1に先行する先行副レーザ光LE2の先行副光スポットLS2に、当該主レーザ光LE1よりも先にトラックTR17のデータ未記録部分がかかりだす。
この際、先行副反射光LR2は、先行副レーザ光LE2の先行副光スポットLS2にトラックTR17のデータ未記録部分が徐々にかかりだすと、間隙部GA16とデータ未記録部分との反射率がほぼ等しいことにより、光量が徐々に減少する。
実際に先行副レーザ光LE2の先行副光スポットLS2には、まず外周側縁部にトラックTR17のデータ未記録部分がかかりだす。
よって先行副総和信号生成部36は、時点TM11から先行副レーザ光LE2の先行副光スポットLS2において外周側縁部にトラックTR17のデータ未記録部分が徐々にかかりだすと、第3の副信号値LV23よりも徐々に値の小さい先行副総和信号SS1を生成する。
この後、先行副総和信号生成部36は、時点TM12に先行副レーザ光LE2の先行副光スポットLS2において外周側縁部にトラックTR17のデータ未記録部分が完全にかかると、第3の副信号値LV23よりも僅かに小さい第2の副信号値LV22の先行副総和信号SS1を生成する。
そして先行副レーザ光LE2の先行副光スポットLS2(図10(B))には、外周側縁部にトラックTR17のデータ未記録部分がかかりだした後、2層LTHディスク2がほぼ1回転すると、引き続き内周側縁部にもトラックTR17のデータ未記録部分がかかりだす。
よって先行副総和信号生成部36は、時点TM13から先行副レーザ光LE2の先行副光スポットLS2において内周側縁部にもトラックTR17のデータ未記録部分が徐々にかかりだすと、第2の副信号値LV22よりも徐々に値の小さい先行副総和信号SS1を生成する。
この後、先行副総和信号生成部36は、時点TM14に先行副レーザ光LE2の先行副光スポットLS2において内周側縁部にもトラックTR17のデータ未記録部分が完全にかかると、第2の副信号値LV22よりもさらに小さい第1の副信号値LV21の先行副総和信号SS1を生成する。
そして光ディスク装置1(図10(C))では、先行副レーザ光LE2の外周側縁部に引き続き内周側縁部にもトラックTR17のデータ未記録部分が完全にかかると、次いですぐ後に主レーザ光LE1の主光スポットLS1にトラックTR17のデータ未記録部分がかかりだす。
この際、主反射光LR1は、主レーザ光LE1の主光スポットLS1にトラックTR17のデータ未記録部分が徐々にかかりだすと、データ記録済部分よりも当該データ未記録部分の反射率が低いことにより、光量が徐々に減少する。
よって主総和信号生成部31は、時点TM14のすぐ後の時点TM15から主レーザ光LE1の主光スポットLS1にトラックTR17のデータ未記録部分が徐々にかかりだすと、第2の主信号値LV12よりも徐々に値の小さい主総和信号MS1を生成する。
この後、主総和信号生成部31は、時点TM16に主レーザ光LE1の主光スポットLS1にトラックTR17のデータ未記録部分が完全にかかると、第2の主信号値LV12よりも大幅に小さい第1の主信号値LV11の主総和信号MS1を生成する。
そして光ディスク装置1(図11(A))では、主レーザ光LE1に次いですぐ後に、当該主レーザ光LE1に後行する後行副レーザ光LE3の後行副光スポットLS3にもトラックTR17のデータ未記録部分がかかりだす。
この際、後行副反射光LR3は、後行副レーザ光LE3の後行副光スポットLS3にトラックTR17のデータ未記録部分が徐々にかかりだすと、間隙部GA16とデータ未記録部分との反射率がほぼ等しいことにより、光量が徐々に減少する。
実際に後行副レーザ光LE3の後行副光スポットLS3には、まず外周側縁部にトラックTR17のデータ未記録部分がかかりだす。
よって後行副総和信号生成部40は、時点TM16のすぐ後の時点TM17から後行副レーザ光LE3の後行副光スポットLS3において外周側縁部にトラックTR17のデータ未記録部分が徐々にかかりだすと、第3の副信号値LV23よりも徐々に値の小さい後行副総和信号SS2を生成する。
この後、後行副総和信号生成部40は、時点TM18に後行副レーザ光LE3の後行副光スポットLS3において外周側縁部にトラックTR17のデータ未記録部分が完全にかかると、第2の副信号値LV22の後行副総和信号SS2を生成する。
そして後行副レーザ光LE3の後行副光スポットLS3(図11(B))には、外周側縁部にトラックTR17のデータ未記録部分がかかりだした後、2層LTHディスク2がほぼ1回転すると、引き続き内周側縁部にもトラックTR17のデータ未記録部分がかかりだす。
よって後行副総和信号生成部40は、時点TM19から後行副レーザ光LE3の後行副光スポットLS3において内周側縁部にもトラックTR17のデータ未記録部分が徐々にかかりだすと、第2の副信号値LV22よりも徐々に値の小さい後行副総和信号SS2を生成する。
この後、後行副総和信号生成部40は、時点TM20に後行副レーザ光LE3の後行副光スポットLS3において内周側縁部にもトラックTR17のデータ未記録部分が完全にかかると、第1の副信号値LV21の後行副総和信号SS2を生成する。
このように光ディスク装置1では、2層LTHディスク2のL0記録層において主レーザ光照射位置がトラックTR17のデータ記録済部分からデータ未記録部分へと変位すると、先行副総和信号SS1及び後行副総和信号SS2の値が変化する。
すなわち、光ディスク装置1では、主レーザ光照射位置がトラックTR17のデータ記録済部分からデータ未記録部分との未記録境界位置に到達する直前、先行副総和信号SS1の値が第3の副信号値LV23から第2の副信号値LV22を経て第1の副信号値LV21へと2段階で減少する。
また光ディスク装置1では、主レーザ光照射位置がトラックTR17のデータ記録済部分からデータ未記録部分との未記録境界位置を完全に通過した直後、後行副総和信号SS2の値が第3の副信号値LV23から第2の副信号値LV22を経て第1の副信号値LV21へと2段階で減少する。
一方、図12乃至図14に示すように、光ディスク装置1では、2層LTHディスク2のL1記録層に対する再生動作時、光ピックアップ7をディスク内周方向へ移動させる。
この状態で主総和信号生成部31は、2層LTHディスク2のL1記録層においてトラックTR20乃至TR24のデータ未記録部分に主レーザ光LE1が照射されていると、第1の主信号値LV11の主総和信号MS1を生成する。
また先行副総和信号生成部36は、2層LTHディスク2のL1記録層において隣接するトラックTR20乃至TR24のデータ未記録部分に挟まれた間隙部GA20乃至GA23に先行副レーザ光LE2が照射されていると、第1の主信号値LV11よりも小さい第1の副信号値LV21の先行副総和信号SS1を生成する。
さらに後行副総和信号生成部40も、2層LTHディスク2のL1記録層において隣接するトラックTR20乃至TR24のデータ未記録部分に挟まれた間隙部GA20乃至GA23に後行副レーザ光LE3が照射されていると、第1の副信号値LV21の後行副総和信号SS2を生成する。
そして光ディスク装置1(図13(A))では、まず、主レーザ光LE1よりも先に、当該主レーザ光LE1に後行する後行副レーザ光LE3の後行副光スポットLS3にトラックTR22のデータ記録済部分がかかりだす。
この際、後行副反射光LR3は、後行副レーザ光LE3の後行副光スポットLS3にトラックTR22のデータ記録済部分が徐々にかかりだすと、間隙部GA21よりもデータ記録済部分の反射率が高いことにより、光量が徐々に増加する。
実際に後行副レーザ光LE3の後行副光スポットLS3には、まず内周側縁部にトラックTR22のデータ記録済部分がかかりだす。
よって後行副総和信号生成部40は、時点TM21から後行副レーザ光LE3の後行副光スポットLS3において内周側縁部にトラックTR22のデータ記録済部分が徐々にかかりだすと、第1の副信号値LV21よりも徐々に値の大きい後行副総和信号SS2を生成する。
この後、後行副総和信号生成部40は、時点TM22に後行副レーザ光LE3の後行副光スポットLS3において内周側縁部にトラックTR22のデータ記録済部分が完全にかかると、第2の副信号値LV22の後行副総和信号SS2を生成する。
光ディスク装置1(図13(B))では、後行副レーザ光LE3の後行副光スポットLS3において内周側縁部にトラックTR22のデータ記録済部分が完全にかかった後、2層LTHディスク2が1回転にわずかに満たない所定の回転角度まで回転すると、先行副レーザ光LE2の先行副光スポットLS2にもデータ記録済部分がかかりだす。
この際、先行副反射光LR2は、先行副レーザ光LE2の先行副光スポットLS2にトラックTR22のデータ記録済部分が徐々にかかりだすと、間隙部GA21よりもデータ記録済部分の反射率が高いことにより、光量が徐々に増加する。
実際に先行副レーザ光LE2の先行副光スポットLS2には、まず内周側縁部にトラックTR22のデータ記録済部分がかかりだす。
よって先行副総和信号生成部36は、時点TM23から先行副レーザ光LE2の先行副光スポットLS2において内周側縁部にトラックTR22のデータ記録済部分が徐々にかかりだすと、第1の副信号値LV21よりも徐々に値の大きい先行副総和信号SS1を生成する。
この後、先行副総和信号生成部36は、時点TM24に先行副レーザ光LE2の先行副光スポットLS2において内周側縁部にトラックTR22のデータ記録済部分が完全にかかると、第2の副信号値LV22の先行副総和信号SS1を生成する。
そして光ディスク装置1(図13(C))では、先行副レーザ光LE2の内周側縁部にトラックTR22のデータ記録済部分が完全にかかると、次いですぐ後には主レーザ光LE1の主光スポットLS1にトラックTR22のデータ記録済部分がかかりだす。
この際、主反射光LR1は、主レーザ光LE1の主光スポットLS1にトラックTR22のデータ記録済部分が徐々にかかりだすと、データ未記録部分よりも当該データ記録済部分の反射率が高いことにより、光量が徐々に増加する。
よって主総和信号生成部31は、時点TM24のすぐ後の時点TM25から主レーザ光LE1の主光スポットLS1にトラックTR22のデータ記録済部分が徐々にかかりだすと、第1の主信号値LV11よりも徐々に値の大きい主総和信号MS1を生成する。
この後、主総和信号生成部31は、時点TM26に主レーザ光LE1の主光スポットLS1にトラックTR22のデータ記録済部分が完全にかかると、第2の主信号値LV12の主総和信号MS1を生成する。
そして光ディスク装置1(図14(A))では、主レーザ光LE1の主光スポットLS1にトラックTR22のデータ記録済部分が完全にかかると、次いですぐ後に後行副レーザ光LE3の後行副光スポットLS3において外周側縁部に当該データ記録済部分がかかりだす。
この際、後行副反射光LR3は、後行副レーザ光LE3の後行副光スポットLS3の外周側縁部にもトラックTR22のデータ記録済部分が徐々にかかりだすと、再び光量が徐々に増加する。
よって後行副総和信号生成部40は、時点TM26のすぐ後の時点TM27から後行副レーザ光LE3の後行副光スポットLS3において外周側縁部にトラックTR22のデータ記録済部分が徐々にかかりだすと、第2の副信号値LV22よりも徐々に値の大きい後行副総和信号SS2を生成する。
この後、後行副総和信号生成部40は、時点TM28に後行副レーザ光LE3の後行副光スポットLS3において外周側縁部にトラックTR22のデータ記録済部分が完全にかかると、第3の副信号値LV23の後行副総和信号SS2を生成する。
光ディスク装置1(図14(B))では、後行副光スポットLS3の外周側縁部にトラックTR22のデータ記録済部分が完全にかかった後、2層LTHディスク2が1回転にわずかに満たない所定の回転角度まで回転すると、先行副レーザ光LE2の先行副光スポットLS2において外周側縁部にもデータ記録済部分がかかりだす。
この際、先行副反射光LR2は、先行副レーザ光LE2の先行副光スポットLS2において外周側縁部にもトラックTR22のデータ記録済部分が徐々にかかりだすと、再び光量が徐々に増加する。
よって先行副総和信号生成部36は、時点TM29から先行副レーザ光LE2の先行副光スポットLS2において外周側縁部にトラックTR22のデータ記録済部分が徐々にかかりだすと、第2の副信号値LV22よりも徐々に値の大きい先行副総和信号SS1を生成する。
この後、先行副総和信号生成部36は、時点TM30に先行副レーザ光LE2の先行副光スポットLS2において外周側縁部にトラックTR22のデータ記録済部分が完全にかかると、第3の副信号値LV23の先行副総和信号SS1を生成する。
このように光ディスク装置1では、2層LTHディスク2のL1記録層において主レーザ光照射位置がトラックTR22のデータ未記録部分からデータ記録済部分へと変位すると先行副総和信号SS1及び後行副総和信号SS2の値が変化する。
すなわち、光ディスク装置1では、主レーザ光照射位置がトラックTR22のデータ未記録部分からデータ記録済部分との記録済境界位置に到達する直前、後行副総和信号SS2の値及び先行副総和信号SS1の値が順次第1の副信号値LV21から第2の副信号値LV22へと増加する。
また光ディスク装置1では、主レーザ光照射位置がトラックTR22のデータ未記録部分からデータ記録済部分との記録済境界位置を完全に通過した直後、後行副総和信号SS2の値及び先行副総和信号SS1の値が順次第2の副信号値LV22から第3の副信号値LV23へと増加する。
また図15乃至図17に示すように、主総和信号生成部31は、2層LTHディスク2のL1記録層においてトラックTR25乃至TR29のデータ記録済部分に主レーザ光LE1が照射されていると、第2の主信号値LV12の主総和信号MS1を生成する。
また先行副総和信号生成部36は、2層LTHディスク2のL1記録層において隣接するトラックTR25乃至TR29のデータ記録済部分に挟まれた間隙部GA24乃至GA27に先行副レーザ光LE2が照射されていると、第3の副信号値LV23の先行副総和信号SS1を生成する。
さらに後行副総和信号生成部40も、2層LTHディスク2のL1記録層において隣接するトラックTR25乃至TR29のデータ記録済部分に挟まれた間隙部GA24乃至GA27に後行副レーザ光LE3が照射されていると、第3の副信号値LV23の後行副総和信号SS2を生成する。
そして光ディスク装置1(図16(A))では、まず、主レーザ光LE1よりも先に、当該主レーザ光LE1に後行する後行副レーザ光LE3の後行副光スポットLS3にトラックTR27のデータ未記録部分がかかりだす。
この際、後行副反射光LR3は、後行副レーザ光LE3の後行副光スポットLS3にトラックTR27のデータ未記録部分が徐々にかかりだすと、間隙部GA25とデータ未記録部分との反射率がほぼ等しいことにより、光量が徐々に減少する。
実際に後行副レーザ光LE3の後行副光スポットLS3には、まず内周側縁部にトラックTR27のデータ未記録部分がかかりだす。
よって後行副総和信号生成部40は、時点TM31から後行副レーザ光LE3の後行副光スポットLS3において内周側縁部にトラックTR27のデータ未記録部分が徐々にかかりだすと、第3の副信号値LV23よりも徐々に値の小さい後行副総和信号SS2を生成する。
この後、後行副総和信号生成部40は、時点TM32に後行副レーザ光LE3の後行副光スポットLS3において内周側縁部にトラックTR27のデータ未記録部分が完全にかかると、第2の副信号値LV22の後行副総和信号SS2を生成する。
光ディスク装置1(図16(B))では、後行副レーザ光LE3の後行副光スポットLS3において内周側縁部にトラックTR27のデータ未記録部分が完全にかかった後、2層LTHディスク2が1回転にわずかに満たない所定の回転角度まで回転すると、先行副レーザ光LE2の先行副光スポットLS2にもデータ未記録部分がかかりだす。
この際、先行副反射光LR2は、先行副レーザ光LE2の先行副光スポットLS2にトラックTR27のデータ未記録部分が徐々にかかりだすと、間隙部GA25とデータ未記録部分との反射率がほぼ等しいことにより、光量が徐々に減少する。
実際に先行副レーザ光LE2の先行副光スポットLS2には、まず内周側縁部にトラックTR27のデータ未記録部分がかかりだす。
よって先行副総和信号生成部36は、時点TM33から先行副レーザ光LE2の先行副光スポットLS2において内周側縁部にトラックTR27のデータ未記録部分が徐々にかかりだすと、第3の副信号値LV23よりも徐々に値の小さい先行副総和信号SS1を生成する。
この後、先行副総和信号生成部36は、時点TM34に先行副レーザ光LE2の先行副光スポットLS2において内周側縁部にトラックTR27のデータ未記録部分が完全にかかると、第2の副信号値LV22の先行副総和信号SS1を生成する。
そして光ディスク装置1(図16(C))では、先行副レーザ光LE2の内周側縁部にトラックTR27のデータ未記録部分が完全にかかると、次いですぐ後には主レーザ光LE1の主光スポットLS1にトラックTR27のデータ未記録部分がかかりだす。
この際、主反射光LR1は、主レーザ光LE1の主光スポットLS1にトラックTR27のデータ未記録部分が徐々にかかりだすと、データ記録済部分よりもデータ未記録部分の反射率が低いことにより、光量が徐々に減少する。
よって主総和信号生成部31は、時点TM34のすぐ後の時点TM35から主レーザ光LE1の主光スポットLS1にトラックTR27のデータ未記録部分が徐々にかかりだすと、第2の主信号値LV12よりも徐々に値の小さい主総和信号MS1を生成する。
この後、主総和信号生成部31は、時点TM36に主レーザ光LE1の主光スポットLS1にトラックTR27のデータ未記録部分が完全にかかると、第1の主信号値LV11の主総和信号MS1を生成する。
そして光ディスク装置1(図17(A))では、主レーザ光LE1の主光スポットLS1にトラックTR27のデータ未記録部分が完全にかかると、次いですぐ後に後行副レーザ光LE3の後行副光スポットLS3において外周側縁部にもデータ未記録部分がかかりだす。
この際、後行副反射光LR3は、後行副レーザ光LE3の後行副光スポットLS3において外周側縁部にもトラックTR27のデータ未記録部分が徐々にかかりだすと、再び光量が徐々に減少する。
よって後行副総和信号生成部40は、時点TM36のすぐ後の時点TM37から後行副レーザ光LE3の後行副光スポットLS3において外周側縁部にトラックTR27のデータ未記録部分が徐々にかかりだすと、第2の副信号値LV22よりも徐々に値の小さい後行副総和信号SS2を生成する。
この後、後行副総和信号生成部40は、時点TM38に後行副レーザ光LE3の後行副光スポットLS3において外周側縁部にトラックTR27のデータ未記録部分が完全にかかると、第1の副信号値LV21の後行副総和信号SS2を生成する。
光ディスク装置1(図17(B))では、後行副光スポットLS3の外周側縁部にトラックTR27のデータ未記録部分が完全にかかった後、2層LTHディスク2が1回転にわずかに満たない所定の回転角度まで回転すると、先行副レーザ光LE2の先行副光スポットLS2において外周側縁部にもデータ未記録部分がかかりだす。
この際、先行副反射光LR2は、先行副レーザ光LE2の先行副光スポットLS2において外周側縁部にもトラックTR27のデータ未記録部分が徐々にかかりだすと、再び光量が徐々に減少する。
よって先行副総和信号生成部36は、時点TM39から先行副レーザ光LE2の先行副光スポットLS2において外周側縁部にトラックTR27のデータ未記録部分が徐々にかかりだすと、第2の副信号値LV22よりも徐々に値の小さい先行副総和信号SS1を生成する。
この後、先行副総和信号生成部36は、時点TM40に先行副レーザ光LE2の先行副光スポットLS2において外周側縁部にトラックTR27のデータ未記録部分が完全にかかると、第1の副信号値LV21の先行副総和信号SS1を生成する。
このように光ディスク装置1では、2層LTHディスク2のL1記録層において主レーザ光照射位置がトラックTR27のデータ記録済部分からデータ未記録部分へと変位すると先行副総和信号SS1及び後行副総和信号SS2の値が変化する。
すなわち、光ディスク装置1では、主レーザ光照射位置がトラックTR17のデータ記録済部分からデータ未記録部分との未記録境界位置に到達する直前、後行副総和信号SS2の値及び先行副総和信号SS1の値が順次第3の副信号値LV23から第2の副信号値LV22へと減少する。
また光ディスク装置1では、主レーザ光照射位置がトラックTR22のデータ記録済部分からデータ未記録部分との未記録境界位置を完全に通過した直後、後行副総和信号SS2の値及び先行副総和信号SS1の値が順次第2の副信号値LV22から第1の副信号値LV21へと減少する。
ここで光ディスク装置1では、2層LTHディスク2のL0記録層に対する再生動作時、上述したように主レーザ光照射位置がデータ未記録部分及びデータ記録済部分の一方から他方へ何れの方向で変位しても、未記録境界位置や記録済境界位置に到達する直前に先行副総和信号SS1の値が2段階で変化する。
このためトラッキングエラー信号生成回路30は、2層LTHディスク2のL0記録層に対する再生動作時、先行副総和信号SS1の値が2段階で変化することを利用して、トラックに対する主レーザ光照射位置を判別する。
そしてトラッキングエラー信号生成回路30は、トラックに対する主レーザ光照射位置の判別結果に応じてトラッキングエラー信号を補正する。
因みに、以下の説明では、トラックに対する主レーザ光照射位置の判別結果を、照射位置判別結果とも呼ぶ。
また光ディスク装置1では、2層LTHディスク2のL1記録層に対する再生動作時、上述したように主レーザ光照射位置がデータ未記録部分及びデータ記録済部分の一方から他方へ何れの方向で変位しても、未記録境界位置や記録済境界位置に到達する直前に後行副総和信号SS2の値及び先行副総和信号SS1の値が順次1回ずつ変化する。
このためトラッキングエラー信号生成回路30は、2層LTHディスク2のL1記録層に対する再生動作時、後行副総和信号SS2の値及び先行副総和信号SS1の値が順次変化することを利用して、トラックに対する主レーザ光照射位置を判別する。
そしてトラッキングエラー信号生成回路30は、照射位置判別結果に応じてトラッキングエラー信号を補正する。
ところでトラッキングエラー信号生成回路30の補正ゲイン切換部46(図5)には、トラッキングエラー信号を補正するための補正値としてのゲインを信号補正部45に供給するゲイン供給部が設けられている。
また補正ゲイン切換部46には、2層LTHディスク2のL0記録層に対する再生動作時、トラックに対する主レーザ光照射位置を判別する第1の照射位置判別部が設けられている。
さらに補正ゲイン切換部46には、2層LTHディスク2のL1記録層に対する再生動作時、トラックに対する主レーザ光照射位置を判別する第2の照射位置判別部も設けられている。
因みに、光ディスク装置1では、上述したように1層LTHディスク2の記録層に対する再生動作時、2層LTHディスク2のL0記録層に対する再生動作時と同様に先行副総和信号SS1の値が2段階で変化する。
このため補正ゲイン切換部46では、1層LTHディスク2の記録層に対する再生動作時、第1の照射位置判別部により、トラックに対する主レーザ光照射位置を判別する照射位置判別処理を実行している。
ただし、第1の照射位置判別部は、1層LTHディスク2の記録層に対する再生動作時と2層LTHディスク2のL0記録層に対する再生動作時との何れでも、同様の照射位置判別処理を実行する。
このため、以下には、2層LTHディスク2のL0記録層に対する再生動作時を例にして第1の照射位置判別部が実行する照射位置判別処理を説明し、1層LTHディスク2の記録層に対する再生動作時に第1の照射位置判別部が実行する照射位置判別処理については同一であるため説明を省略する。
図18及び図19(A)乃至(I)に示すように、第1の照射位置判別部50は、2層LTHディスク2のL0記録層に対する再生動作時、先行副総和信号生成部36により生成された先行副総和信号SS1(図19(B))を微分回路51に取り込む。
微分回路51は、先行副総和信号SS1を微分することにより、当該先行副総和信号SS1の値の変化を示すレベル変化検出信号S10(図19(C))を生成する。
ここで、レベル変化検出信号S10は、先行副総和信号SS1の値が第1の副信号値LV21から第2の副信号値LV22へ増加している間、及び第2の副信号値LV22から第3の副信号値LV23へ増加している間、値が山形に立上る。
またレベル変化検出信号S10は、先行副総和信号SS1の値が第3の副信号値LV23から第2の副信号値LV22へ減少している間、及び第2の副信号値LV22から第1の副信号値LV21へ減少している間、値が谷形に立下る。
これによりレベル変化検出信号S10は、値の立上り及び立下りにより、主総和信号MS1(図19(A))の値の変化に先立ち、先行副総和信号SS1(図19(B))の値が連続的に2段階で変化するタイミングを示すようになされている。
微分回路51は、このようなレベル変化検出信号S10を生成して、レベルコンパレータ構成の立上り検出回路52及び立下り検出回路53に送出する。
立上り検出回路52は、微分回路51から与えられたレベル変化検出信号S10の値を、所定の第1の基準値と比較する。
これにより立上り検出回路52は、レベル変化検出信号S10の値の立上りと共に、そのタイミングを検出し、当該検出した値の立上りと、そのタイミングとを論理「H」レベルへの立上りで示す立上り検出信号S11(図19(D))を生成して立上り検出カウンタ54に送出する。
また立下り検出回路53は、微分回路51から与えられたレベル変化検出信号S10の値を、所定の第2の基準値と比較する。
これにより立下り検出回路53は、レベル変化検出信号S10の値の立下りと共に、そのタイミングを検出し、当該検出した値の立下りと、そのタイミングとを論理「H」レベルへの立上りで示す立下り検出信号S12(図19(E))を生成して立下り検出カウンタ55に送出する。
立上り検出カウンタ54は、立上り検出信号S11が論理「H」レベルに立上る毎にカウント値を「0」から順次「1」ずつカウントアップするようにして、先行副総和信号SS1の値が増加した回数及びタイミングを検出する(図19(F))。
そして立上り検出カウンタ54は、カウント値を「2」の値にカウントアップするまでの間は論理「L」レベルの立上りカウント信号S13を生成してRSフリップフロップ回路構成の照射位置判別回路56に送出する。
また立上り検出カウンタ54は、カウント値を「2」の値にカウントアップした時点を、先行副総和信号SS1の値の連続的な2段階の増加のうち2段目の増加として、そのタイミングと共に検出する。
そして立上り検出カウンタ54は、その検出した先行副総和信号SS1の値の2段目の増加を、そのタイミングと共に論理「H」レベルへの立上りで示す立上りカウント信号S13を生成し照射位置判別回路56に送出する。
因みに、立上り検出カウンタ54は、後述するように、論理「H」レベルの立上りカウント信号S13を生成して照射位置判別回路56に送出すると、それまでカウントアップしていたカウント値(すなわち、「2」)を一旦「0」にリセットする。
また立上り検出カウンタ54は、トラックのデータ記録済部分に主レーザ光LE1が照射されている間は、カウント値をリセットしたままの状態にする。
さらに立上り検出カウンタ54は、トラックに対する主レーザ光照射位置がデータ記録済部分からデータ未記録部分に変位すると、再び立上り検出信号S11が論理「H」レベルに立上る毎にカウント値を「0」から順次「1」ずつカウントアップする。
そして立上り検出カウンタ54は、カウント値のカウントアップをリセットしている間、またカウントアップしてもカウント値が「2」になるまでの間は論理「L」レベルの立上りカウント信号S13を生成して照射位置判別回路56に送出する。
一方、立下り検出カウンタ55は、立下り検出信号S12が論理「H」レベルに立上る毎にカウント値を「0」から順次「1」ずつカウントアップするようにして、先行副総和信号SS1の値が減少した回数及びタイミングを検出する(図19(G))。
そして立下り検出カウンタ55は、カウント値を「2」の値にカウントアップするまでの間は論理「L」レベルの立下りカウント信号S14を生成して照射位置判別回路56に送出する。
また立下り検出カウンタ55は、カウント値を「2」の値にカウントアップした時点を、先行副総和信号SS1の値の連続的な2段階の減少のうち2段目の減少として、そのタイミングと共に検出する。
そして立下り検出カウンタ55は、その検出した先行副総和信号SS1の値の2段目の減少を、そのタイミングと共に論理「H」レベルへの立下りで示す立下りカウント信号S14を生成し照射位置判別回路56に送出する。
因みに、立下り検出カウンタ55は、後述するように、論理「H」レベルの立上りカウント信号S13を生成して照射位置判別回路56に送出すると、それまでカウントアップしていたカウント値(すなわち、「2」)を一旦「0」にリセットする。
また立下り検出カウンタ55は、トラックのデータ未記録部分に主レーザ光LE1が照射されている間は、カウント値をリセットしたままの状態にする。
さらに立下り検出カウンタ55は、トラックに対する主レーザ光照射位置がデータ未記録部分からデータ記録済部分に変位すると、再び立下り検出信号S12が論理「H」レベルに立上る毎にカウント値を「0」から順次「1」ずつカウントアップする。
そして立下り検出カウンタ55は、カウント値のカウントアップをリセットしている間、またカウントアップしてもカウント値が「2」になるまでの間は論理「L」レベルの立下りカウント信号S14を生成して照射位置判別回路56に送出する。
照射位置判別回路56は、立上り検出カウンタ54から与えられる立上りカウント信号S13をSセット端子に取り込み、立下り検出カウンタ55から与えられる立下りカウント信号S14をRリセット端子に取り込む。
そして照射位置判別回路56は、立上りカウント信号S13及び立下りカウント信号S14に基づき、トラックに対する主レーザ光照射位置がデータ未記録部分とデータ記録済部分との何れであるかの照射位置判別結果を示す照射位置判別信号S15(図19(H))を生成する。
ここで照射位置判別回路56は、立上りカウント信号S13が論理「H」レベルに立上ると、その時点に主レーザ光照射位置がデータ未記録部分からデータ記録済部分との記録済境界位置に到達したことを検出する。
よって照射位置判別回路56は、主レーザ光照射位置がデータ未記録部分からデータ記録済部分との記録済境界位置に到達したことを示すように照射位置判別信号S15を論理「H」レベルに立上げる。
そして照射位置判別回路56は、照射位置判別信号S15を論理「H」レベルに立上げると、その直後には立上りカウント信号S13及び立下りカウント信号S14が共に論理「L」レベルになるため、この後、立下りカウント信号S14が論理「H」レベルに立上るまでの間、照射位置判別信号S15を論理「H」レベルに立上げたままにする。
また照射位置判別回路56は、照射位置判別信号S15を論理「H」レベルに立上げている状態で立下りカウント信号S14が論理「H」レベルに立上ると、その時点に主レーザ光照射位置がデータ記録済部分からデータ未記録部分との未記録境界位置に到達したことを検出する。
よって照射位置判別回路56は、主レーザ光照射位置がデータ記録済部分からデータ未記録部分との未記録境界位置に到達したことを示すように照射位置判別信号S15を論理「L」レベルに立下げる。
そして照射位置判別回路56は、照射位置判別信号S15を論理「L」レベルに立下げると、その直後には立上りカウント信号S13及び立下りカウント信号S14が共に論理「L」レベルになるため、この後、立上りカウント信号S13が論理「H」レベルに立上るまでの間、照射位置判別信号S15を論理「L」レベルに立下げたままにする。
すなわち、照射位置判別回路56は、主レーザ光LE1がトラックのデータ未記録部分に照射されている間、論理「L」レベルに立下り、トラックのデータ記録済部分に照射されている間は論理「H」レベルに立上るような照射位置判別信号S15を生成する。
そして照射位置判別回路56は、このようなトラックに対する主レーザ光照射位置を示す照射位置判別信号S15をゲイン供給部60に送出する。
因みに、照射位置判別回路56は、照射位置判別信号S15を立上り検出カウンタ54にも送出している。
そして立上り検出カウンタ54は、照射位置判別回路56から与えられる照射位置判別信号S15が論理「L」レベルに立下っている間は、カウント値をカウントアップ可能な状態になる。
また立上り検出カウンタ54は、照射位置判別信号S15が論理「H」レベルに立上っている間は、カウント値を一旦「0」にリセットして、そのリセットを継続する。
これに加えて照射位置判別回路56は、照射位置判別信号S15を生成している間、その照射位置判別信号S15の論理レベルを反転させたレベル反転信号S16を生成して立下り検出カウンタ55に送出している。
そして立下り検出カウンタ55は、照射位置判別回路56から与えられるレベル反転信号S16が論理「L」レベルに立下っている間は、カウント値をカウントアップ可能な状態になる。
また立下り検出カウンタ55は、レベル反転信号S16が論理「H」レベルに立上っている間は、カウント値を一旦「0」にリセットして、そのリセットを継続する。
よって第1の照射位置判別部50では、例えば、外乱等で、立上り検出カウンタ54及び立下り検出カウンタ55で、先行副レーザ光LE2の照射位置の変位に応じた先行副総和信号SS1の値の変化の回数及びタイミングが誤検出されることを防止している。
ゲイン供給部60には、ゲイン保持部61が設けられている。かかるゲイン保持部61は、LTHディスク2に対する再生動作時にトラッキングエラー信号の信号補正処理に用いる2種類の第1及び第2の補正ゲインを保持している。
ここで、LTHディスク2においてトラックのデータ未記録部分に主レーザ光LE1が照射されている状態で生成されたトラッキングエラー信号については、上述したように主レーザ光LE1のトラッキングの制御に何ら支障なく利用することができる。
このためゲイン保持部61に保持されている第1及び第2の補正ゲインのうち一方の第1の補正ゲインは、例えば、トラッキングエラー信号の振幅を何ら変化させない「1」の値に選定されている。
またLTHディスク2においてトラックのデータ記録済部分に主レーザ光LE1が照射されている状態で生成されたトラッキングエラー信号については、上述したように振幅が小さく、そのままでは主レーザ光LE1のトラッキングの制御に利用し難い。
このためゲイン保持部61に保持されている第1及び第2の補正ゲインのうち他方の第2の補正ゲインは、例えば、トラッキングエラー信号の振幅を大きく補正するための「1」より大きな値に選定されている。
そしてゲイン供給部60は、2層LTHディスク2のL0記録層に対する再生動作時、ゲイン保持部61から第1の補正ゲインを示す第1の補正ゲイン信号S17と、第2の補正ゲインを示す第2の補正ゲイン信号S18とをゲイン切換器62に与えている。
この状態で、ゲイン供給部60は、照射位置判別回路56から与えられる照射位置判別信号S15をゲイン切換器62に取り込む。
ゲイン切換器62は、照射位置判別信号S15が論理「L」レベルに立下っている間、第1及び第2の補正ゲイン信号S17及びS18のうち第1の補正ゲイン信号S17を選択的にゲイン制御信号S19(図19(I))として信号補正部45(図5)に送出する。
またゲイン切換器62は、照射位置判別信号S15が論理「H」レベルに立上っている間、第1及び第2の補正ゲイン信号S17及びS18のうち第2の補正ゲイン信号S18を選択的にゲイン制御信号S19として信号補正部45に送出する。
ここで、2層LTHディスク2のL0記録層に対する再生動作時(1層LTHディスク2の記録層に対する再生動作時も)、先行副総和信号SS1は、主総和信号MS1の値の変化の直前(主レーザ光照射位置が未記録境界位置や記録済境界位置に到達する直前)、値の連続的な2段階の変化のうち2段目の変化を遂げている。
そして第1の照射位置判別部50は、先行副総和信号SS1の値の2段目の変化のタイミングを、主レーザ光照射位置がトラックの未記録境界位置や記録済境界位置に到達したタイミングとみなして検出している。
また第1の照射位置判別部50は、先行副総和信号SS1の値の2段目の変化の検出に応じて、ゲイン供給部60に対し信号補正部45に供給する第1及び第2の補正ゲインを切り換えさせている。
ここで、第1の照射位置判別部50では、全体の処理に要する時間等に起因して、実際に先行副反射光LR2の光量が2段目の変化を遂げてから、その変化を先行副総和信号SS1の値の2段目の変化として検出して、ゲイン供給部60に対し信号補正部45に供給する第1及び第2の補正ゲインを切り換えさせるまでに僅かに遅延が生じている。
ただし、上述したように先行副反射光LR2や後行副反射光LR3の光量が変化してから、主レーザ光照射位置がトラックの未記録境界位置や記録済境界位置に到達して主反射光LR1の光量が変化するまでには時間差が生じている。
すなわち、光ディスク装置1では、先行副反射光LR2及び後行副反射光LR3の光量の変化を先行副総和信号SS1及び後行副総和信号SS2の変化として検出するまでに要する処理時間や、その検出に応じてゲイン供給部60から信号補正部45に供給する第1及び第2の補正ゲインを切り換えるための処理時間、光ディスク2の回転速度、光ピックアップ7の移動速度等に応じて、光ディスク2のデータ記録面に対する主レーザ光LE1の主光スポットLS1と、先行副レーザ光LE2の先行副光スポットLS2及び後行副レーザ光LE3の後行副光スポットLS3との照射位置の位置関係が適宜選定されている。
従って第1の照射位置判別部50は、信号補正部45に与えられるトラッキングエラー信号の振幅の大きさが大幅に変化するタイミングとほほ同じタイミングで、ゲイン供給部60に対し信号補正部45に供給する第1及び第2の補正ゲインを切り換えさせることができる。
よって信号補正部45は、2層LTHディスク2のL0記録層においてトラックのデータ未記録部分に主レーザ光LE1が照射されている間、その際に生成されたトラッキングエラー信号をゲイン制御信号S19が示す第1の補正ゲイン(すなわち、「1」の値)で増幅することができる。
すなわち、信号補正部45は、2層LTHディスク2のL0記録層においてトラックのデータ未記録部分に主レーザ光LE1が照射されている間、その際に生成されたトラッキングエラー信号を、その補正を停止して、そのままサーボ制御部5に送出する。
また信号補正部45は、2層LTHディスク2のL0記録層においてトラックのデータ記録済部分に主レーザ光LE1が照射されている間、その際に生成されたトラッキングエラー信号をゲイン制御信号S19が示す第2の補正ゲインで増幅することができる。
すなわち、信号補正部45は、2層LTHディスク2のL0記録層においてトラックのデータ記録済部分に主レーザ光LE1が照射されている間、その際に生成されたトラッキングエラー信号を、振幅を大きくするように補正したうえで、サーボ制御部5に送出する。
これにより信号補正部45は、2層LTHディスク2のL0記録層に対する再生動作時、主レーザ光LE1の主光スポットLS1がトラックの未記録境界位置及び記録済境界位置を順次通過しても、トラッキングエラー信号の振幅の変動を極力小さくすることができる。
従って信号補正部45は、2層LTHディスク2のL0記録層に対する再生動作時、トラックに対する主レーザ光LE1の主レーザ光照射位置にかかわらずに、当該主レーザ光LE1のトラッキングを的確に制御させることができる。
一方、図20及び図21(A)乃至(N)に示すように、第2の照射位置判別部70は、2層LTHディスク2のL1記録層に対する再生動作時、後行副総和信号生成部40により生成された後行副総和信号SS2(図21(B))を微分回路71に取り込む。
微分回路71は、後行副総和信号SS2を微分することにより、当該後行副総和信号SS2の値の変化を示す微分信号S30(図21(C))を生成する。
ここで、微分信号S30は、後行副総和信号SS2の値が第1の副信号値LV21から第2の副信号値LV22へ増加している間、及び第2の副信号値LV22から第3の副信号値LV23へ増加している間、値が山形に立上る。
また微分信号S30は、後行副総和信号SS2の値が第3の副信号値LV23から第2の副信号値LV22へ減少している間、及び第2の副信号値LV22から第1の副信号値LV21へ減少している間、値が谷形に立下る。
これにより微分信号S30は、値の立上り及び立下りにより、主総和信号MS1(図21(A))の値の変化の前後で、後行副総和信号SS2(図21(B))の値が連続的に2段階で変化するタイミングを示すようになされている。
微分回路71は、このような微分信号S30を生成し、当該生成した微分信号S30を信号切換器72の一方の入力端子に供給する。
また微分回路71は、その微分信号S30を、反転回路73を介して、値の立上り及び立下りを反転させた微分結果反転信号S31として、信号切換器72の他方の入力端子に供給する。
信号切換器72は、後述するRSフリップフロップ回路構成の照射位置判別回路74から照射位置判別信号S32(図21(M))を生成している間、当該照射位置判別信号S32の論理レベルを反転させて生成されたレベル反転信号S33(図21(D))が与えられている。
そして信号切換器72は、レベル反転信号S33が論理「H」レベルに立上っている間、微分信号S30及び微分結果反転信号S31のうち当該微分信号S30を選択的にレベル変化検出信号S34(図21(E))としてレベルコンパレータ構成の立上り検出回路75に送出する。
また信号切換器72は、レベル反転信号S33が論理「L」レベルに立下っている間、微分信号S30及び微分結果反転信号S31のうち当該微分結果反転信号S31を選択的にレベル変化検出信号S34として(図21(E))立上り検出回路75に送出する。
このようにして信号切換器72は、後行副総和信号SS2の値が連続的に2段階で変化するタイミングを示すと共に、1段目及び2段目の変化を区別可能なレベル変化検出信号S34を生成している。
因みに、レベル変化検出信号S34は、後行副総和信号SS2の値の連続的な2段階の変化のうち、主総和信号MS1の値が変化する直前の1段目の変化を立上りで示している。
またレベル変化検出信号S34は、後行副総和信号SS2の値の連続的な2段階の変化のうち、主総和信号MS1の値が変化した直後の2段目の変化を立下りで示している。
立上り検出回路75は、信号切換器72から与えられたレベル変化検出信号S34の値を、所定の第1の基準値と比較する。
これにより立上り検出回路75は、レベル変化検出信号S34の値が立上る間、論理「H」レベルに立上る立上り検出信号S35(図21(F))を生成する。
すなわち、立上り検出回路75は、後行副総和信号SS2の値の連続的な2段階の変化のうち、主総和信号MS1の値が変化する直前の1段目の変化を、そのタイミングと共に検出する。
そして立上り検出回路75は、その検出した後行副総和信号SS2の値の1段階の変化と、そのタイミングとを論理「H」レベルへの立上りで示す立上り検出信号S35を生成して立上り検出カウンタ76に送出する。
立上り検出カウンタ76は、後述するリセット回路77から照射位置判別信号S32の論理レベルが変化するタイミングで、カウント値を一旦「0」にリセットするためのリセット信号が与えられている。
よって立上り検出カウンタ76は、立上り検出信号S35が論理「H」レベルに立上るとカウント値を「0」から「1」にカウントアップし、その直後に与えられるリセット信号でカウント値を「0」にリセットする。
これにより立上り検出カウンタ76は、立上り検出信号S35が論理「H」レベルに立上る毎にカウント値を「0」から「1」にカウントアップする。
また立上り検出カウンタ76は、カウント値を「0」にリセットしている間、論理「L」レベルに立下げ、当該カウント値を「1」にカウントアップしている間は論理「H」レベルに立上げた立上りカウント信号S36(図21(G))を生成する。
すなわち、立上り検出カウンタ76は、後行副総和信号SS2の値の1段目の変化を、そのタイミングと共に検出し、当該検出した1段目の変化から主総和信号MS1の値が変化するまでの期間を論理「H」レベルへの立上りで示す立上りカウント信号S36を生成する。
そして立上り検出カウンタ76は、その立上りカウント信号S36を、アンド回路構成の第1及び第2の検出期間指示器78及び79に送出する。
また第2の照射位置判別部70は、2層LTHディスク2のL1記録層に対する再生動作時、先行副総和信号生成部36により生成された先行副総和信号SS1(図21(B))を微分回路80に取り込む。
微分回路80は、上述した第1の照射位置判別部50の微分回路51と同様に、先行副総和信号SS1を微分することによりレベル変化検出信号S37(図21(H))を生成する。
そして微分回路80は、かかるレベル変化検出信号S37を、レベルコンパレータ構成の立上り検出回路81及び立下り検出回路82に送出する。
立上り検出回路81は、微分回路80から与えられたレベル変化検出信号S37の値を、所定の第1の基準値と比較する。
そして立上り検出回路81は、後述する第1の検出期間指示器78から与えられる検出期間指示信号S38(図21(I))に従い、レベル変化検出信号S37の値の連続的な2回の立上りのうち、1回目の立上りのみを検出する。
これにより立上り検出回路81は、レベル変化検出信号S37の連続的な2回の立上りのうち、1回目の立上りのタイミングを論理「H」レベルへの立上りで示す立上り検出信号S39(図21(J))を生成する。
すなわち、立上り検出回路81は、先行副総和信号SS1の値の連続的な2段階の増加のうち、主総和信号MS1の値の増加の直前となる、1段目の増加をそのタイミングと共に検出する。
よって立上り検出回路81は、検出した先行副総和信号SS1の値の1段目の増加を、そのタイミングと共に論理「L」レベルへの立上りで示す立上り検出信号S39を生成する。
そして立上り検出回路81は、その立上り検出信号S39を照射位置判別回路74に送出する。
立下り検出回路82は、微分回路80から与えられたレベル変化検出信号S37の値を、所定の第2の基準値と比較する。
そして立下り検出回路82は、後述する第2の検出期間指示器79から与えられる検出期間指示信号S40(図21(K))に従い、レベル変化検出信号S37の値の連続的な2回の立下りのうち、1回目の立下りのみを検出する。
これにより立下り検出回路82は、レベル変化検出信号S37の連続的な2回の立下りのうち、1回目の立下りのタイミングを論理「H」レベルへの立上りで示す立下り検出信号S41(図21(L))を生成する。
すなわち、立下り検出回路82は、先行副総和信号SS1の値の連続的な2段階の減少のうち、主総和信号MS1の値の減少の直前となる、1段目の減少を、そのタイミングと共に検出する。
よって立下り検出回路82は、検出した先行副総和信号SS1の値の1段目の減少を、そのタイミングと共に論理「L」レベルへの立上りで示す立下り検出信号S41を生成する。
そして立下り検出回路82は、その立下り検出信号S41を照射位置判別回路74に送出する。
照射位置判別回路74は、立上り検出回路81から与えられる立上り検出信号S39をSセット端子に取り込み、立下り検出回路82から与えられる立下り検出信号S41をRリセット端子に取り込む。
そして照射位置判別回路74は、立上り検出信号S39及び立下り検出信号S41に基づき、トラックに対する主レーザ光照射位置がデータ未記録部分とデータ記録済部分との何れであるかの照射位置判別結果を示す照射位置判別信号S32(図21(M))を生成する。
ここで照射位置判別回路74は、立上り検出信号S39が論理「H」レベルに立上ると、その時点に主レーザ光照射位置がデータ未記録部分からデータ記録済部分との記録済境界位置に到達したことを検出する。
よって照射位置判別回路74は、主レーザ光照射位置がデータ未記録部分からデータ記録済部分との記録済境界位置に到達したことを示すように照射位置判別信号S32を論理「H」レベルに立上げる。
そして照射位置判別回路74は、照射位置判別信号S32を論理「H」レベルに立上げると、その直後には立上り検出信号S39及び立下り検出信号S41が共に論理「L」レベルになるため、この後、立下り検出信号S41が論理「H」レベルに立上るまでの間、照射位置判別信号S32を論理「H」レベルに立上げたままにする。
また照射位置判別回路74は、論理「H」レベルの照射位置判別信号S32を生成している状態で立下り検出信号S41が論理「H」レベルに立上ると、その時点に主レーザ光照射位置がデータ記録済部分からデータ未記録部分との未記録境界位置に到達したことを検出する。
よって照射位置判別回路74は、主レーザ光照射位置がデータ記録済部分からデータ未記録部分との未記録境界位置に到達したことを示すように照射位置判別信号S32を論理「L」レベルに立下げる。
そして照射位置判別回路74は、照射位置判別信号S32を論理「L」レベルに立下げると、その直後には立上り検出信号S39及び立下り検出信号S41が共に論理「L」レベルになるため、この後、立上り検出信号S39が再び論理「H」レベルに立上るまでの間、照射位置判別信号S32を論理「L」レベルに立下げたままにする。
すなわち、照射位置判別回路74は、主レーザ光LE1がトラックのデータ未記録部分に照射されている間、論理「L」レベルに立下り、トラックのデータ記録済部分に照射されている間は論理「H」レベルに立上るような照射位置判別信号S32を生成する。
そして照射位置判別回路74は、このようなトラックに対する主レーザ光照射位置を示す照射位置判別信号S32をゲイン供給部60に送出する。
ところで、照射位置判別回路74は、照射位置判別信号S32をリセット回路77にも送出している。
リセット回路77は、照射位置判別回路74から与えられる照射位置判別信号S32をイクスクルーシブオア回路83に直接取り込むと共に、遅延回路84を介して僅かに遅延させて遅延信号としてイクスクルーシブオア回路83に取り込む。
これによりリセット回路77は、イクスクルーシブオア回路83において照射位置判別信号S32及び遅延信号により、照射位置判別信号S32の論理レベルが変化するタイミングを論理「H」レベルへの立上りで示し、その立上りでカウント値をリセットさせるためのリセット信号を生成する。
すなわち、リセット回路77は、主レーザ光照射位置がトラックの未記録境界位置や記録済境界位置に到達するタイミング(主総和信号MS1の値が変化するタイミングでもある)を論理「H」レベルへの立上りで示すリセット信号を生成して、立上り検出カウンタ76に送出する。
また照射位置判別回路74は、照射位置判別信号S32を第2の検出期間指示器79にも送出している。
第2の検出期間指示器79は、照射位置判別回路74から与えられる照射位置判別信号S32と、立上り検出カウンタ76から与えられる立上りカウント信号S36とを比較する。
そして第2の検出期間指示器79は、照射位置判別信号S32と立上りカウント信号S36とが共に論理「H」レベルに立上る僅かな期間のみ、論理「H」レベルに立上げて、その論理「H」レベルの期間でレベル変化検出信号S37の値の立下りの検出期間を指示する検出期間指示信号S40を生成する。
すなわち、第2の検出期間指示器79は、後行副総和信号SS2の値の1段目の減少から主総和信号MS1の値が減少するまでの期間を、レベル変化検出信号S37の値の立下りの検出期間として指示する検出期間指示信号S40を生成する。
そして第2の検出期間指示器79は、その検出期間指示信号S40を立下り検出回路82に送出している。
さらに照射位置判別回路74は、上述したように照射位置判別信号S32の論理レベルを反転させたレベル反転信号S33を生成し、当該生成したレベル反転信号S33を信号切換器72に送出すると共に、第1の検出期間指示器78にも送出している。
第1の検出期間指示器78は、照射位置判別回路74から与えられるレベル反転信号S33と、立上り検出カウンタ76から与えられる立上りカウント信号S36とを比較する。
そして第1の検出期間指示器78は、レベル反転信号S33と立上りカウント信号S36とが共に論理「H」レベルに立上る僅かな期間のみ、論理「H」レベルに立上げて、その論理「H」レベルの期間でレベル変化検出信号S37の値の立上りの検出期間を指示する検出期間指示信号S38を生成する。
すなわち、第1の検出期間指示器78は、後行副総和信号SS2の値の1段目の増加から主総和信号MS1の値が増加するまでの期間を、レベル変化検出信号S37の値の立上りの検出期間として指示する検出期間指示信号S38を生成する。
そして第1の検出期間指示器78は、その検出期間指示信号S38を立上り検出回路81に送出している。
ゲイン供給部60は、上述した2層LTHディスク2のL0記録層に対する再生動作時と同様に、ゲイン保持部61から第1の補正ゲイン信号S17と第2の補正ゲイン信号S18とをゲイン切換器62に与えている。
この状態で、ゲイン供給部60は、照射位置判別回路74から与えられる照射位置判別信号S32をゲイン切換器62に取り込む。
これによりゲイン切換器62は、照射位置判別信号S32が論理「L」レベルに立下っている間、第1及び第2の補正ゲイン信号S17及びS18のうち第1の補正ゲイン信号S17を選択的にゲイン制御信号S19(図21(N))として信号補正部45(図5)に送出する。
またゲイン切換器62は、照射位置判別信号S32が論理「H」レベルに立上っている間、第1及び第2の補正ゲイン信号S17及びS18のうち第2の補正ゲイン信号S18を選択的にゲイン制御信号S19として信号補正部45に送出する。
ここで、2層LTHディスク2のL1記録層に対する再生動作時、先行副総和信号SS1及び後行副総和信号SS2の値は、主総和信号MS1の値が変化するとき、その変化を挟んで、連続的に2段階で変化している。
そして後行副総和信号SS2は、主総和信号MS1の値が変化する直前に、値の連続的な2段階の変化のうち1段目の変化を遂げている。
また先行副総和信号SS1は、後行副総和信号SS2の値の1段目の変化の後で、かつ主総和信号MS1の値が変化する直前に、値の連続的な2段階の変化のうち1段目の変化を遂げている。
そして第2の照射位置判別部70は、後行副総和信号SS2の値の1段目の変化を検出した後、連続的に先行副総和信号SS1の値の1段目の変化も検出すると、当該先行副総和信号SS1の値の1段目の変化のタイミングを、主レーザ光照射位置が未記録境界位置や記録済境界位置に到達したタイミングとみなして検出している。
また第2の照射位置判別部70は、先行副総和信号SS1の値の1段目の変化の検出に応じて、ゲイン供給部60に対し信号補正部45に供給する第1及び第2の補正ゲインを切り換えさせている。
ここで、第2の照射位置判別部70でも、全体の処理に要する時間等に起因して、実際に後行副反射光LR3の光量が変化してから、その変化を後行副総和信号SS2の値の変化として検出して、最終的にゲイン供給部60に対し信号補正部45に供給する第1及び第2の補正ゲインを切り換えさせるまでに僅かに遅延が生じている。
ただし、上述したように光ディスク装置1では、光ディスク2のデータ記録面に対する主レーザ光LE1の主光スポットLS1と、先行副レーザ光LE2の先行副光スポットLS2及び後行副レーザ光LE3の後行副光スポットLS3との照射位置の位置関係が適宜選定されている。
従って第2の照射位置判別部70は、信号補正部45に与えられるトラッキングエラー信号の振幅の大きさが大幅に変化するタイミングと、ほほ同じタイミングでゲイン供給部60に対し信号補正部45に供給する第1及び第2の補正ゲインを切り換えさせることができる。
よって信号補正部45は、2層LTHディスク2のL1記録層においてトラックのデータ未記録部分に主レーザ光LE1が照射されている間、その際に生成されたトラッキングエラー信号をゲイン制御信号S19が示す第1の補正ゲイン(すなわち、「1」の値)で増幅することができる。
すなわち、信号補正部45は、2層LTHディスク2のL1記録層においてトラックのデータ未記録部分に主レーザ光LE1が照射されている間、その際に生成されたトラッキングエラー信号を、その補正を停止して、そのままサーボ制御部5に送出する。
また信号補正部45は、2層LTHディスク2のL1記録層においてトラックのデータ記録済部分に主レーザ光LE1が照射されている間、その際に生成されたトラッキングエラー信号をゲイン制御信号S19が示す第2の補正ゲインで増幅することができる。
すなわち、信号補正部45は、2層LTHディスク2のL1記録層においてトラックのデータ記録済部分に主レーザ光LE1が照射されている間、その際に生成されたトラッキングエラー信号を、振幅を大きくするように補正したうえで、サーボ制御部5に送出する。
これにより信号補正部45は、2層LTHディスク2のL1記録層に対する再生動作時にも、主レーザ光照射位置がトラックの未記録境界位置及び記録済境界位置を順次通過したときに、トラッキングエラー信号の振幅の変動を極力小さくすることができる。
従って信号補正部45は、2層LTHディスク2のL1記録層に対する再生動作時にも、上述した2層LTHディスク2のL0記録層に対する再生動作時と同様に、トラックに対する主レーザ光LE1の主レーザ光照射位置にかかわらず当該主レーザ光LE1のトラッキングを的確に制御させることができる。
これに加えて補正ゲイン切換部46は、LTHディスク2に対する再生動作時、主総和信号生成部31から主総和信号MS1を取り込み、当該主総和信号MS1の値の変化を監視している。
そして補正ゲイン切換部46は、再生動作を開始する毎(すなわち、記録や再生の準備を開始する毎、またデータの記録が完了して待機状態に移行する毎)に、主総和信号MS1の値により、主レーザ光照射位置がデータ未記録部分とデータ記録済部分との何れであるかを判別する。
このとき補正ゲイン切換部46は、主レーザ光照射位置がデータ未記録部分であると判別すると、上述した第1及び第2の照射位置判別部50及び70に対し主レーザ光照射位置がデータ未記録部分であると判別させるように初期設定したうえで照射位置判別処理を開始させる。
これに対して補正ゲイン切換部46は、主レーザ光照射位置がデータ記録済部分であると判別すると、上述した第1及び第2の照射位置判別部50及び70に対し主レーザ光照射位置がデータ記録済部分であると判別させるように初期設定したうえで照射位置判別処理を開始させる。
さらに補正ゲイン切換部46は、第1及び第2の照射位置判別部50及び70により照射位置判別処理を実行している間も、主総和信号MS1の値の変化の監視結果により照射位置判別結果が正しいか否かを確認している。
そして補正ゲイン切換部46は、主総和信号MS1の値の変化の監視結果に基づき、照射位置判別結果が誤っていると判断したときには、第1及び第2の照射位置判別部50及び70において照射位置判別結果を適宜訂正する。
これにより補正ゲイン切換部46は、LTHディスク2に対する再生動作時、トラックに対する主レーザ光LE1の主レーザ光照射位置が誤って判別されないようにしている。
ところでシステムコントローラ3は、光ディスク装置1に対し動作中に光ディスク2が装填され、又は光ディスク装置1が光ディスク2の装填された状態で起動したとき、レーザ制御部10及び光ピックアップ7並びに信号生成部13を介して光ディスク2から種別情報を読み出す。
そしてシステムコントローラ3は、その種別情報に基づき光ディスク2の種別や種類を判別し、その判別結果に応じて、トラッキングエラー信号生成回路30を制御する。
これによりトラッキングエラー信号生成回路30において補正ゲイン切換部46は、光ディスク2の種別がHTLディスク2であると、第1及び第2の照射位置判別部50及び70に対し照射位置判別処理を実行しないように設定する。
また補正ゲイン切換器46は、ゲイン供給部60に対し、第1の補正ゲイン信号S17をゲイン制御信号S19として信号補正部45に送出するように設定する。
よって信号補正部45は、HTLディスク2に対する再生動作時、トラックに対する主レーザ光照射位置にかかわらずに、その際に生成されたトラッキングエラー信号をそのままサーボ制御部5に送出する。
これによりトラッキングエラー信号生成回路30は、HTLディスク2に対する再生動作時、トラッキングエラー信号の振幅を必要以上に大きくして、主レーザ光LE1のトラッキング性能が悪化することを回避している。
またトラッキングエラー信号生成回路30において補正ゲイン切換部46は、光ディスク2の種別がLTHディスク2であると、そのLTHディスク2の種類が1層LTHディスク2と2層LTHディスク2との何れであるのかを判別する。
そして補正ゲイン切換部46は、LTHディスク2の種類の判別結果に応じて、上述したように第1及び第2の照射位置判別部50及び70を適宜動作させる。
これにより補正ゲイン切換部46は、ゲイン供給部60から第1及び第2の補正ゲイン信号S17及びS18を適宜切り換えてゲイン制御信号S19として信号補正部45に送出する。
よって信号補正部45は、LTHディスク2に対する再生動作時、トラックに対する主レーザ光照射位置に応じて、トラッキングエラー信号を適宜補正する。
またシステムコントローラ3は、光ディスク装置1に装填されている光ディスク2の種別や種類を判別したときには、データの記録や再生に先立ちトラッキングサーボやフォーカスサーボ等の各種サーボ用のパラメータを調整するサーボ初期調整処理を実行する。
そしてシステムコントローラ3は、光ディスク装置1に装填されている光ディスク2がLTHディスク2であると、サーボ初期調整処理の一環として第2の補正ゲインを算出して設定するゲイン設定処理を実行する。
すなわち、システムコントローラ3は、光ディスク装置1に装填されているLTHディスク2が、例えば1層LTHディスク2であると、引き続きレーザ制御部10及び光ピックアップ7並びに信号生成部13を介して、その1層LTHディスク2から例えば管理データを読み出す。
そしてシステムコントローラ3は、管理データに基づき、1層LTHディスク2がデータ記録領域に未だデータが記録されてはいないブランクディスク(すなわち、新品の1層LTHディスク2)であるか否かを判別する。
その結果、システムコントローラ3は、1層LTHディスク2がブランクディスクであると、レーザ制御部10及び光ピックアップ7を介して当該1層LTHディスク2の試書領域に試書データを試書する。
そしてシステムコントローラ3は、例えば、トラッキングサーボループを解除したまま、1層LTHディスク2のデータ記録領域においてトラックのデータ未記録部分に主レーザ光LE1を照射する。
この状態でシステムコントローラ3は、トラッキングエラー信号生成回路30(すなわち、プッシュプル減算器35)によって生成されたトラッキングエラー信号を取り込み、当該トラッキングエラー信号の振幅の最大値及び最小値の平均値を算出する。
因みに、以下の説明では、データ未記録部分に主レーザ光LE1を照射しながら算出される、トラッキングエラー信号の振幅の最大値及び最小値の平均値を、未記録振幅平均値とも呼ぶ。
またシステムコントローラ3は、例えば、トラッキングサーボループを解除したまま、1層LTHディスク2の試書領域においてデータ記録済部分(すなわち、試書データの記録済部分)に主レーザ光LE1を照射する。
この状態でシステムコントローラ3は、トラッキングエラー信号生成回路30(すなわち、プッシュプル減算器35)によって生成されたトラッキングエラー信号を取り込み、当該トラッキングエラー信号の振幅の最大値及び最小値の平均値を算出する。
因みに、以下の説明では、データ記録済部分に主レーザ光LE1を照射しながら算出される、トラッキングエラー信号の振幅の最大値及び最小値の平均値を、記録済振幅平均値とも呼ぶ。
さらにシステムコントローラ3は、記録済振幅平均値を未記録振幅平均値で除算するようにして振幅変化率を算出した後、その振幅変化率の逆数を算出し、得られた算出結果(すなわち、振幅変化率の逆数)を第2の補正ゲインとする。
そしてシステムコントローラ3は、このようにして算出した第2の補正ゲインをゲイン供給部60のゲイン保持部61に送出して保持させ、かくして1層LTHディスク2に対してデータを記録再生するときに利用する第2の補正ゲインを設定する。
これに対してシステムコントローラ3は、1層LTHディスク2に対し、すでにデータが記録されていると、管理データに基づき、データ記録領域においてトラックのデータ未記録部分とデータ記録済部分とを検出する。
そしてシステムコントローラ3は、例えば、トラッキングサーボループを解除したまま、1層LTHディスク2のデータ記録領域においてトラックのデータ未記録部分に主レーザ光LE1を照射するようにして、上述と同様にトラッキングエラー信号を生成して未記録振幅平均値を算出する。
またシステムコントローラ3は、例えば、トラッキングサーボループを解除したまま、1層LTHディスク2のデータ記録領域においてトラックのデータ記録済部分に主レーザ光LE1を照射するようにして、トラッキングエラー信号を生成して記録済振幅平均値を算出する。
さらにシステムコントローラ3は、上述と同様に記録済振幅平均値及び未記録振幅平均値に基づき第2の補正ゲインを算出すると共に、当該算出した第2の補正ゲインをゲイン保持部61に保持させる。
これによりシステムコントローラ3は、1層LTHディスク2に対する再生動作時、トラッキングエラー信号の補正に、その算出した第2の補正ゲインを利用するように設定する。
一方、システムコントローラ3は、光ディスク装置1に装填されているLTHディスク2が、例えば2層LTHディスク2であると、レーザ制御部10及び光ピックアップ7並びに信号生成部13を介して、その2層LTHディスク2から例えば管理データを読み出す。
そしてシステムコントローラ3は、管理データに基づき、2層LTHディスク2がデータ記録領域に未だデータが記録されてはいないブランクディスク(すなわち、新品の2層LTHディスク2)であるか否かを判別する。
その結果、システムコントローラ3は、2層LTHディスク2がブランクディスクであると、レーザ制御部10及び光ピックアップ7を介して当該2層LTHディスク2のL0記録層の試書領域に試書データを試書する。
そしてシステムコントローラ3は、例えば、トラッキングサーボループを解除したまま、2層LTHディスク2のL0記録層のデータ記録領域においてトラックのデータ未記録部分に主レーザ光LE1を照射する。
この状態でシステムコントローラ3は、トラッキングエラー信号生成回路30(すなわち、プッシュプル減算器35)によって生成されたトラッキングエラー信号を取り込むようにして、未記録振幅平均値を算出する。
またシステムコントローラ3は、例えば、トラッキングサーボループを解除したまま、2層LTHディスク2のL0記録層の試書領域においてデータ記録済部分(すなわち、試書データの記録済部分)に主レーザ光LE1を照射する。
この状態でシステムコントローラ3は、トラッキングエラー信号生成回路30(すなわち、プッシュプル減算器35)によって生成されたトラッキングエラー信号を取り込むようにして、記録済振幅平均値を算出する。
さらにシステムコントローラ3は、上述と同様に記録済振幅平均値及び未記録振幅平均値に基づきL0記録層用の第2の補正ゲインを算出して、当該算出した第2の補正ゲインをゲイン供給部60のゲイン保持部61に送出して保持させる。
これによりシステムコントローラ3は、2層LTHディスク2のL0記録層に対する再生動作時に利用する第2の補正ゲインを設定する。
またシステムコントローラ3は、レーザ制御部10及び光ピックアップ7を介して当該2層LTHディスク2のL1記録層の試書領域に試書データを試書する。
そしてシステムコントローラ3は、例えば、トラッキングサーボループを解除したまま、2層LTHディスク2のL1記録層のデータ記録領域においてトラックのデータ未記録部分に主レーザ光LE1を照射する。
この状態でシステムコントローラ3は、トラッキングエラー信号生成回路30(すなわち、プッシュプル減算器35)によって生成されたトラッキングエラー信号を取り込むようにして、未記録振幅平均値を算出する。
またシステムコントローラ3は、例えば、トラッキングサーボループを解除したまま、2層LTHディスク2のL1記録層の試書領域においてデータ記録済部分(すなわち、試書データの記録済部分)に主レーザ光LE1を照射する。
この状態でシステムコントローラ3は、トラッキングエラー信号生成回路30(すなわち、プッシュプル減算器35)によって生成されたトラッキングエラー信号を取り込むようにして、記録済振幅平均値を算出する。
さらにシステムコントローラ3は、上述と同様に記録済振幅平均値及び未記録振幅平均値に基づきL1記録層用の第2の補正ゲインを算出して、当該算出した第2の補正ゲインをゲイン供給部60のゲイン保持部61に送出して保持させる。
このようにしてシステムコントローラ3は、2層LTHディスク2のL1記録層についてもL0記録層の場合と同様に、当該2層LTHディスク2のL0記録層に対する再生動作時に利用する第2の補正ゲインを設定する。
これに対してシステムコントローラ3は、2層LTHディスク2に対しすでにデータが記録されていると、管理データに基づき、L0記録層のデータ記録領域においてトラックのデータ未記録部分とデータ記録済部分とを検出する。
そしてシステムコントローラ3は、例えば、トラッキングサーボループを解除したまま、L0記録層のデータ記録領域においてトラックのデータ未記録部分に主レーザ光LE1を照射するようにして、上述と同様にトラッキングエラー信号を生成して未記録振幅平均値を算出する。
またシステムコントローラ3は、例えば、トラッキングサーボループを解除したまま、L0記録層のデータ記録領域においてトラックのデータ記録済部分に主レーザ光LE1を照射するようにして、トラッキングエラー信号を生成して記録済振幅平均値を算出する。
さらにシステムコントローラ3は、上述と同様に記録済振幅平均値及び未記録振幅平均値に基づき第2の補正ゲインを算出するようにして、2層LTHディスク2のL0記録層に対する再生動作時に利用する第2の補正ゲインを設定する。
またシステムコントローラ3は、2層LTHディスク2のL1記録層についても、管理データに基づき、当該L1記録層のデータ記録領域においてトラックのデータ未記録部分とデータ記録済部分とを検出する。
そしてシステムコントローラ3は、例えば、トラッキングサーボループを解除したまま、L1記録層のデータ記録領域においてトラックのデータ未記録部分に主レーザ光LE1を照射するようにして、上述と同様にトラッキングエラー信号を生成して未記録振幅平均値を算出する。
またシステムコントローラ3は、例えば、トラッキングサーボループを解除したまま、L1記録層のデータ記録領域においてトラックのデータ記録済部分に主レーザ光LE1を照射するようにして、トラッキングエラー信号を生成して記録済振幅平均値を算出する。
さらにシステムコントローラ3は、上述と同様に記録済振幅平均値及び未記録振幅平均値に基づき第2の補正ゲインを算出するようにして、2層LTHディスク2のL1記録層に対する再生動作時に利用する第2の補正ゲインを設定する。
次いで、図22乃至図37に示すフローチャートを用いて、光ディスク装置1で実行されるデータ記録再生処理手順RT1について説明する。
光ディスク装置1のシステムコントローラ3は、光ディスク装置1に対し動作中に光ディスク2が装填され、又は光ディスク装置1が光ディスク2の装填された状態で起動すると、図22及び図23に示すデータ記録再生処理手順RT1を開始する。
システムコントローラ3は、かかるデータ記録再生処理手順RT1を開始すると、ステップSP1において、レーザ制御部10及び光ピックアップ7並びに信号生成部13を介して光ディスク2から種別情報を読み出す。
そしてシステムコントローラ3は、その種別情報に基づき、このとき光ディスク装置1に装填されている光ディスク2が、データを記録再生可能な光ディスク2であるか否かを判別する。
このステップSP1において肯定結果が得られると、このことは、このとき光ディスク装置1に装填されている光ディスク2が、HTLディスク2又はLTHディスク2(すなわち、データを記録再生可能な光ディスク2)であることを表している。
システムコントローラ3は、ステップSP1において、かかる肯定結果を得ると、次のステップSP2に移る。
ステップSP2においてシステムコントローラ3は、光ディスク2に対するデータの記録再生に際して、信号生成部13に対し差動プッシュプル法に準じてトラッキングエラー信号を生成するように設定する。
すなわち、システムコントローラ3は、光ディスク2に対するデータの記録再生に際して、トラッキングエラー信号を生成するために信号生成部13の上述したトラッキングエラー信号生成回路30を動作させるように設定して、次のステップSP3に移る。
ステップSP3においてシステムコントローラ3は、このとき光ディスク装置1に装填されている光ディスク2がLTHディスク2であるか否かを判別する。
このステップSP3において肯定結果が得られると、このことは、このとき光ディスク装置1に装填されている光ディスク2が1層LTHディスク2又は2層LTHディスク2であることを表している。
そしてシステムコントローラ3は、ステップSP3において、かかる肯定結果を得ると、次のステップSP4に移る。
ステップSP4においてシステムコントローラ3は、このとき光ディスク装置1に装填されている光ディスク2が1層LTHディスク2であるか否かを判別する。
このステップSP4において肯定結果が得られると、このことは、このとき光ディスク装置1に対しデータの記録再生用に、1層LTHディスク2が装填されていることを表している。
そしてシステムコントローラ3は、このステップSP4において、かかる肯定結果を得ると、次のステップSP5に移る。
ステップSP5においてシステムコントローラ3は、第1段階のサーボ初期調整処理を実行することにより、1層LTHディスク2にデータを記録再生するときの各種サーボ用のパラメータを大まかに調整して、次のステップSP6に移る。
ステップSP6においてシステムコントローラ3は、レーザ制御部10及び光ピックアップ7並びに信号生成部13を介して1層LTHディスク2から管理データを読み出す。
そしてシステムコントローラ3は、その管理データに基づき、1層LTHディスク2がブランクディスクであるか否かを判別する。
このステップSP6において肯定結果が得られると、このことは、このとき光ディスク装置1に装填されている1層LTHディスク2のデータ記録領域には何らデータが記録されてはいないことを表している。
システムコントローラ3は、このステップSP6において、かかる肯定結果を得ると、次のステップSP7に移る。
ステップSP7においてシステムコントローラ3は、ブランクディスクである1層LTHディスク2に対する再生動作時にトラッキングエラー信号の補正に用いる第2の補正ゲインを設定する1層未記録用補正ゲイン設定処理を実行する。
そしてシステムコントローラ3は、かかる1層未記録用補正ゲイン設定処理が終了すると、次のステップSP8に移る。
これに対してステップSP6において否定結果が得られると、このことは、このとき光ディスク装置1に装填されている1層LTHディスク2のデータ記録領域には、すでにデータが記録されていることを表している。
システムコントローラ3は、このステップSP6において、かかる否定結果を得ると、ステップSP9に移る。
ステップSP9においてシステムコントローラ3は、すでにデータの記録されている1層LTHディスク2に対する再生動作時にトラッキングエラー信号の補正に用いる第2の補正ゲインを設定する1層記録済用補正ゲイン設定処理を実行する。
そしてシステムコントローラ3は、かかる1層記録済用補正ゲイン設定処理が終了すると、ステップSP8に移る。
またステップSP4において否定結果が得られると、このことは、このとき光ディスク装置1に対しデータの記録再生用に、2層LTHディスク2が装填されていることを表している。
システムコントローラ3は、このステップSP4において、かかる否定結果を得ると、ステップSP10に移る。
ステップSP10においてシステムコントローラ3は、第1段階のサーボ初期調整処理を実行することにより、2層LTHディスク2にデータを記録再生するときの各種サーボ用のパラメータを大まかに調整して、次のステップSP11に移る。
ステップSP11においてシステムコントローラ3は、レーザ制御部10及び光ピックアップ7並びに信号生成部13を介して2層LTHディスク2から管理データを読み出す。
そしてシステムコントローラ3は、その管理データに基づき、2層LTHディスク2がブランクディスクであるか否かを判別する。
このステップSP11において肯定結果が得られると、このことは、このとき光ディスク装置1に装填されている2層LTHディスク2のデータ記録領域には何らデータが記録されてはいないことを表している。
システムコントローラ3は、このステップSP11において、かかる肯定結果を得ると、次のステップSP12に移る。
ステップSP12においてシステムコントローラ3は、ブランクディスクである2層LTHディスク2に対する再生動作時にトラッキングエラー信号の補正に用いる第2の補正ゲインを設定する2層未記録用補正ゲイン設定処理を実行する。
そしてシステムコントローラ3は、かかる2層未記録用補正ゲイン設定処理が終了すると、ステップSP8に移る。
これに対してステップSP11において否定結果が得られると、このことは、このとき光ディスク装置1に装填されている2層LTHディスク2のデータ記録領域には、すでにデータが記録されていることを表している。
システムコントローラ3は、このステップSP11において、かかる否定結果を得ると、ステップSP13に移る。
ステップSP13においてシステムコントローラ3は、すでにデータの記録されている2層LTHディスク2に対する再生動作時にトラッキングエラー信号の補正に用いる第2の補正ゲインを設定する2層記録済用補正ゲイン設定処理を実行する。
そしてシステムコントローラ3は、かかる2層記録済用補正ゲイン設定処理が終了すると、ステップSP8に移る。
ステップSP8においてシステムコントローラ3は、サーボ制御部5及び送りモータ8を介して光ピックアップ7を、データ記録開始位置又はデータ再生開始位置に応じた所定位置までシークさせて、次のステップSP14に移る。
ステップSP14においてシステムコントローラ3は、LTHディスク2においてデータの記録開始又は再生開始のために主レーザ光LE1を照射している記録層が、1層LTHディスク2の記録層又は2層LTHディスク2のL0記録層であるか否かを判別する。
このステップSP14において肯定結果が得られると、このことは、このときデータの記録開始又は再生開始のために1層LTHディスク2の記録層又は2層LTHディスク2のL0記録層に主レーザ光LE1が照射されていることを表している。
そしてシステムコントローラ3は、ステップSP14において、かかる肯定結果を得ると、次のステップSP15に移る。
ステップSP15においてシステムコントローラ3は、トラッキングエラー信号生成回路30の補正ゲイン切換部46に対し、このとき主総和信号生成部31によって生成された主総和信号MS1の値に基づき、主レーザ光LE1の主レーザ光照射位置がトラックのデータ未記録部分であるか否かを判別させる。
このステップSP15において肯定結果が得られると、このことは、このときデータの記録又は再生を開始するために、1層LTHディスク2の記録層又は2層LTHディスク2のL0記録層において主レーザ光LE1がトラックのデータ未記録部分に照射されていることを表している。
そしてシステムコントローラ3は、ステップSP15において、かかる肯定結果を得ると、次のステップSP16に移る。
ステップSP16においてシステムコントローラ3は、補正ゲイン切換部46により第1の照射位置判別部50に対し、主レーザ光照射位置がデータ未記録部分であると判別させるように初期設定させて、次のステップSP17に移る。
ステップSP17においてシステムコントローラ3は、1層LTHディスク2の記録層又は2層LTHディスク2のL0記録層に対するデータの記録再生の際の再生動作を開始する。
またシステムコントローラ3は、再生動作の間、第1の照射位置判別部50及びゲイン供給部60並びに信号補正部45において主レーザ光照射位置を判別しながら、その照射位置判別結果に応じてトラッキングエラー信号を補正する信号補正処理を実行する。
そしてシステムコントローラ3は、1層LTHディスク2の記録層又は2層LTHディスク2のL0記録層に対する再生動作が終了すると、信号補正処理を終了させて、次のステップSP18に移る。
ステップSP18においてシステムコントローラ3は、1層LTHディスク2の記録層又は2層LTHディスク2のL0記録層に対するデータの記録再生を終了するか否かを判別する。
このステップSP18において肯定結果が得られると、このことは、例えば、コンピュータ装置PCにより1層LTHディスク2の記録層又は2層LTHディスク2のL0記録層に対するデータの記録再生の終了が指示されたことを表している。
よってシステムコントローラ3は、ステップSP18において、かかる肯定結果を得ると、次のステップSP19に移ってデータ記録再生処理手順RT1を終了する。
これに対してステップSP15において否定結果が得られると、このことは、このときデータの記録又は再生を開始するために、1層LTHディスク2の記録層又は2層LTHディスク2のL0記録層において主レーザ光LE1がトラックのデータ記録済部分に照射されていることを表している。
そしてシステムコントローラ3は、ステップSP15において、かかる否定結果を得ると、ステップSP20に移る。
ステップSP20においてシステムコントローラ3は、補正ゲイン切換部46により第1の照射位置判別部50に対し、主レーザ光照射位置がデータ記録済部分であると判別させるように初期設定させて、次のステップSP21に移る。
ステップSP21においてシステムコントローラ3は、1層LTHディスク2の記録層又は2層LTHディスク2のL0記録層に対するデータの記録再生の際の再生動作を開始する。
またシステムコントローラ3は、再生動作の間、第1の照射位置判別部50及びゲイン供給部60並びに信号補正部45において主レーザ光照射位置を判別しながら、その照射位置判別結果に応じてトラッキングエラー信号を補正する信号補正処理を実行する。
そしてシステムコントローラ3は、1層LTHディスク2の記録層又は2層LTHディスク2のL0記録層に対する再生動作が終了すると、信号補正処理を終了させて、次のステップSP22に移る。
ステップSP22においてシステムコントローラ3は、1層LTHディスク2の記録層又は2層LTHディスク2のL0記録層に対するデータの記録再生を終了するか否かを判別する。
このステップSP22において肯定結果が得られると、このことは、例えば、コンピュータ装置PCにより1層LTHディスク2の記録層又は2層LTHディスク2のL0記録層に対するデータの記録再生の終了が指示されたことを表している。
よってシステムコントローラ3は、ステップSP22において、かかる肯定結果を得ると、ステップSP19に移ってデータ記録再生処理手順RT1を終了する。
因みに、システムコントローラ3は、1層LTHディスク2の記録層又は2層LTHディスク2のL0記録層にデータを記録する際の再生動作中に例えば、コンピュータ装置PCから記録命令と共に記録対象のデータが与えられると、その再生動作を一旦終了させる。
そしてシステムコントローラ3は、1層LTHディスク2の記録層又は2層LTHディスク2のL0記録層に、その記録対象のデータを実際に記録し、当該記録が完了すると、ステップSP15に戻り、ステップSP16乃至ステップSP18の処理又はステップSP20乃至ステップSP22の処理を順次実行している。
また、上述したステップSP18及びステップSP22において否定結果が得られると、このことは、例えば、コンピュータ装置PCにより他のデータの記録又は再生用に、新たなデータ記録開始位置又はデータ再生開始位置が指示されたことを表している。
そしてシステムコントローラ3は、ステップSP18及びステップSP22において、かかる否定結果を得ると、ステップSP8に戻る。
これによりシステムコントローラ3は、この後、ステップSP18及びステップSP22において肯定結果を得るまでの間、コンピュータ装置PCからデータの記録再生が指示される毎にステップSP8乃至ステップSP22の処理を循環的に繰り返し実行する。
また上述したステップSP14において否定結果が得られると、このことは、このときデータの記録開始又は再生開始のために2層LTHディスク2のL1記録層に主レーザ光LE1が照射されていることを表している。
そしてシステムコントローラ3は、ステップSP14において、かかる否定結果を得ると、ステップSP23に移る。
ステップSP23においてシステムコントローラ3は、トラッキングエラー信号生成回路30の補正ゲイン切換部46に対し、このとき主総和信号生成部31によって生成された主総和信号MS1の値に基づき、主レーザ光LE1の主レーザ光照射位置がトラックのデータ未記録部分であるか否かを判別させる。
このステップSP23において肯定結果が得られると、このことは、このときデータの記録又は再生を開始するために、2層LTHディスク2のL1記録層において主レーザ光LE1がトラックのデータ未記録部分に照射されていることを表している。
そしてシステムコントローラ3は、ステップSP23において、かかる肯定結果を得ると、次のステップSP24に移る。
ステップSP24においてシステムコントローラ3は、補正ゲイン切換部46により第2の照射位置判別部70に対し、主レーザ光照射位置がデータ未記録部分であると判別させるように初期設定させて、次のステップSP25に移る。
ステップSP25においてシステムコントローラ3は、2層LTHディスク2のL1記録層に対するデータの記録再生の際の再生動作を開始する。
そしてシステムコントローラ3は、再生動作の間、第2の照射位置判別部70及びゲイン供給部60並びに信号補正部45において主レーザ光照射位置を判別しながら、その照射位置判別結果に応じてトラッキングエラー信号を補正する信号補正処理を実行する。
そしてシステムコントローラ3は、2層LTHディスク2のL1記録層に対する再生動作が終了すると、信号補正処理を終了させて、次のステップSP26に移る。
ステップSP26においてシステムコントローラ3は、2層LTHディスク2のL1記録層に対するデータの記録再生を終了するか否かを判別する。
このステップSP26において肯定結果が得られると、このことは、例えば、コンピュータ装置PCにより2層LTHディスク2のL1記録層に対するデータの記録再生の終了が指示されたことを表している。
よってシステムコントローラ3は、ステップSP26において、かかる肯定結果を得ると、ステップSP19に移ってデータ記録再生処理手順RT1を終了する。
これに対してステップSP23において否定結果が得られると、このことは、このときデータの記録又は再生を開始するために、2層LTHディスク2のL1記録層において主レーザ光LE1がトラックのデータ記録済部分に照射されていることを表している。
そしてシステムコントローラ3は、ステップSP23において、かかる否定結果を得ると、ステップSP27に移る。
ステップSP27においてシステムコントローラ3は、補正ゲイン切換部46により第2の照射位置判別部70に対し、主レーザ光照射位置がデータ記録済部分であると判別させるように初期設定させて、次のステップSP28に移る。
ステップSP28においてシステムコントローラ3は、2層LTHディスク2のL1記録層に対するデータの記録再生の際の再生動作を開始する。
そしてシステムコントローラ3は、再生動作の間、第2の照射位置判別部70及びゲイン供給部60並びに信号補正部45において主レーザ光照射位置を判別しながら、その照射位置判別結果に応じてトラッキングエラー信号を補正する信号補正処理を実行する。
そしてシステムコントローラ3は、2層LTHディスク2のL1記録層に対する再生動作が終了すると、信号補正処理を終了させて、次のステップSP29に移る。
ステップSP29においてシステムコントローラ3は、2層LTHディスク2のL1記録層に対するデータの記録再生を終了するか否かを判別する。
このステップSP29において肯定結果が得られると、このことは、例えば、コンピュータ装置PCにより2層LTHディスク2のL1記録層に対するデータの記録再生の終了が指示されたことを表している。
よってシステムコントローラ3は、ステップSP29において、かかる肯定結果を得ると、ステップSP19に移ってデータ記録再生処理手順RT1を終了する。
因みに、システムコントローラ3は、2層LTHディスク2のL1記録層にデータを記録する際の再生動作中に例えば、コンピュータ装置PCから記録命令と共に記録対象のデータが与えられると、その再生動作を一旦終了させる。
そしてシステムコントローラ3は、2層LTHディスク2のL1記録層に、その記録対象のデータを実際に記録し、当該記録が完了すると、ステップSP23に戻り、ステップSP24乃至ステップSP26の処理又はステップSP27乃至ステップSP29の処理を順次実行している。
また、上述したステップSP26及びステップSP29において否定結果が得られると、このことは、例えば、コンピュータ装置PCにより他のデータの記録又は再生用に、新たなデータ記録開始位置又はデータ再生開始位置が指示されたことを表している。
そしてシステムコントローラ3は、ステップSP26及びステップSP29において、かかる否定結果を得ると、ステップSP8に戻る。
これによりシステムコントローラ3は、この後、ステップSP26及びステップSP29において肯定結果を得るまでの間、コンピュータ装置PCからデータの記録再生が指示される毎にステップSP8及びステップSP14並びにステップSP23乃至ステップSP29の処理を循環的に繰り返し実行する。
ところで、システムコントローラ3は、上述したステップSP7に移ると、図24に示す1層未記録用補正ゲイン設定処理サブルーチンSRT1を開始する。
システムコントローラ3は、かかる1層未記録用補正ゲイン設定処理サブルーチンSRT1を開始すると、ステップSP40において第2段階のサーボ初期調整処理を実行する。
これによりシステムコントローラ3は、1層LTHディスク2の記録層においてトラックのデータ未記録部分にデータを記録再生するときの各種サーボ用のパラメータを詳細に調整して、次のステップSP41に移る。
ステップSP41においてシステムコントローラ3は、レーザ制御部10及び光ピックアップ7を介して1層LTHディスク2の試書領域に試書データを試書して、次のステップSP42に移る。
ステップSP42においてシステムコントローラ3は、管理データに基づきサーボ制御部5及び送りモータ8を介して光ピックアップ7をデータ記録領域のトラックのデータ未記録部分に応じた所定位置まで移動させる。
これによりシステムコントローラ3は、1層LTHディスク2のトラックのデータ未記録部分に対し、トラッキングサーボループを解除したまま主レーザ光LE1を照射させて、次のステップSP43に移る。
ステップSP43においてシステムコントローラ3は、トラックのデータ未記録部分に主レーザ光LE1を照射している状態でトラッキングエラー信号生成回路30(すなわち、プッシュプル減算器35)により生成されたトラッキングエラー信号を取り込む。
そしてシステムコントローラ3は、そのトラッキングエラー信号をもとに、未記録振幅平均値を算出して、次のステップSP44に移る。
ステップSP44においてシステムコントローラ3は、サーボ制御部5及び送りモータ8を介して光ピックアップ7を1層LTHディスク2の試書領域に応じた所定位置まで移動させる。
これによりシステムコントローラ3は、1層LTHディスク2の試書領域において試書データを試書したデータ記録済部分(すなわち、試書データの記録済部分)に対し、トラッキングサーボループを解除したまま主レーザ光LE1を照射させて、次のステップSP45に移る。
ステップSP45においてシステムコントローラ3は、試書領域のデータ記録済部分に主レーザ光LE1を照射している状態でトラッキングエラー信号生成回路30(すなわち、プッシュプル減算器35)により生成されたトラッキングエラー信号を取り込む。
そしてシステムコントローラ3は、そのトラッキングエラー信号をもとに、記録済振幅平均値を算出して、次のステップSP46に移る。
ステップSP46においてシステムコントローラ3は、記録済振幅平均値及び未記録振幅平均値を用いて第2の補正ゲインを算出する。
そしてシステムコントローラ3は、その算出した第2の補正ゲインを第1の補正ゲインと共にゲイン供給部60のゲイン保持部61に送出して保持させて、次のステップSP47に移る。
ステップSP47においてシステムコントローラ3は、第3段階のサーボ初期調整処理を実行することにより、1層LTHディスク2の記録層においてトラックのデータ記録済部分にデータを記録再生するときの各種サーボ用のパラメータを詳細に調整して、次のステップSP48に移る。
これによりステップSP48においてシステムコントローラ3は、1層未記録用補正ゲイン設定処理サブルーチンSRT1を終了して、上述したステップSP8に移る。
またシステムコントローラ3は、上述したステップSP9に移ると、図25に示す1層記録済用補正ゲイン設定処理サブルーチンSRT2を開始する。
システムコントローラ3は、かかる1層記録済用補正ゲイン設定処理サブルーチンSRT2を開始すると、ステップSP50において、管理データに基づきサーボ制御部5及び送りモータ8を介して光ピックアップ7をデータ記録領域のトラックのデータ未記録部分に応じた所定位置まで移動させる。
これによりシステムコントローラ3は、1層LTHディスク2のトラックのデータ未記録部分に主レーザ光LE1を照射させて、次のステップSP51に移る。
ステップSP51においてシステムコントローラ3は、第2段階のサーボ初期調整処理を実行することにより、1層LTHディスク2の記録層においてトラックのデータ未記録部分にデータを記録再生するときの各種サーボ用のパラメータを詳細に調整して、次のステップSP52に移る。
ステップSP52においてシステムコントローラ3は、トラックのデータ未記録部分に対し、トラッキングサーボループを解除したまま主レーザ光LE1を照射している状態でトラッキングエラー信号生成回路30(すなわち、プッシュプル減算器35)により生成されたトラッキングエラー信号を取り込む。
そしてシステムコントローラ3は、そのトラッキングエラー信号をもとに、未記録振幅平均値を算出して、次のステップSP53に移る。
ステップSP53においてシステムコントローラ3は、管理データに基づきサーボ制御部5及び送りモータ8を介して光ピックアップ7を1層LTHディスク2のデータ記録領域のトラックのデータ記録済部分に応じた所定位置まで移動させる。
これによりシステムコントローラ3は、1層LTHディスク2のトラックのデータ記録済部分に対し、トラッキングサーボループを解除したまま主レーザ光LE1を照射させて、次のステップSP54に移る。
ステップSP54においてシステムコントローラ3は、トラックのデータ記録済部分に主レーザ光LE1を照射している状態でトラッキングエラー信号生成回路30(すなわち、プッシュプル減算器35)により生成されたトラッキングエラー信号を取り込む。
そしてシステムコントローラ3は、そのトラッキングエラー信号をもとに、記録済振幅平均値を算出して、次のステップSP55に移る。
ステップSP55においてシステムコントローラ3は、記録済振幅平均値及び未記録振幅平均値を用いて第2の補正ゲインを算出する。
そしてシステムコントローラ3は、その算出した第2の補正ゲインを第1の補正ゲインと共にゲイン供給部60のゲイン保持部61に送出して保持させて、次のステップSP56に移る。
ステップSP56においてシステムコントローラ3は、第3段階のサーボ初期調整処理を実行することにより、1層LTHディスク2の記録層においてトラックのデータ記録済部分にデータを記録再生するときの各種サーボ用のパラメータを詳細に調整して、次のステップSP57に移る。
これによりステップSP57においてシステムコントローラ3は、1層記録済用補正ゲイン設定処理サブルーチンSRT2を終了して、上述したステップSP8に移る。
さらにシステムコントローラ3は、上述したステップSP12に移ると、図26に示す2層未記録用補正ゲイン設定処理サブルーチンSRT3を開始する。
システムコントローラ3は、かかる2層未記録用補正ゲイン設定処理サブルーチンSRT3を開始すると、ステップSP60において第2段階のサーボ初期調整処理を実行する。
これによりシステムコントローラ3は、2層LTHディスク2のL0記録層においてトラックのデータ未記録部分にデータを記録再生するときの各種サーボ用のパラメータを詳細に調整して、次のステップSP61に移る。
ステップSP61においてシステムコントローラ3は、レーザ制御部10及び光ピックアップ7を介して2層LTHディスク2のL0記録層の試書領域に試書データを試書して、次のステップSP62に移る。
ステップSP62においてシステムコントローラ3は、管理データに基づきサーボ制御部5及び送りモータ8を介して光ピックアップ7をL0記録層におけるデータ記録領域のトラックのデータ未記録部分に応じた所定位置まで移動させる。
これによりシステムコントローラ3は、2層LTHディスク2のL0記録層のトラックにおいてデータ未記録部分に、トラッキングサーボループを解除したまま主レーザ光LE1を照射させて、次のステップSP63に移る。
ステップSP63においてシステムコントローラ3は、L0記録層においてトラックのデータ未記録部分に主レーザ光LE1を照射している状態でトラッキングエラー信号生成回路30(すなわち、プッシュプル減算器35)により生成されたトラッキングエラー信号を取り込む。
そしてシステムコントローラ3は、そのトラッキングエラー信号をもとに、未記録振幅平均値を算出して、次のステップSP64に移る。
ステップSP64においてシステムコントローラ3は、サーボ制御部5及び送りモータ8を介して光ピックアップ7を2層LTHディスク2のL0記録層の試書領域に応じた所定位置まで移動させる。
これによりシステムコントローラ3は、2層LTHディスク2のL0記録層の試書領域において試書データを試書したデータ記録済部分(すなわち、試書データの記録済部分)に、トラッキングサーボループを解除したまま主レーザ光LE1を照射させて、次のステップSP65に移る。
ステップSP65においてシステムコントローラ3は、L0記録層において試書領域のデータ記録済部分に主レーザ光LE1を照射している状態でトラッキングエラー信号生成回路30(すなわち、プッシュプル減算器35)により生成されたトラッキングエラー信号を取り込む。
そしてシステムコントローラ3は、そのトラッキングエラー信号をもとに、記録済振幅平均値を算出して、次のステップSP66に移る。
ステップSP66においてシステムコントローラ3は、記録済振幅平均値及び未記録振幅平均値を用いてL0記録層用の第2の補正ゲインを算出する。
そしてシステムコントローラ3は、そのL0記録層用に算出した第2の補正ゲインを第1の補正ゲインと共にゲイン供給部60のゲイン保持部61に送出して保持させて、次のステップSP67に移る。
ステップSP67においてシステムコントローラ3は、第3段階のサーボ初期調整処理を実行することにより、2層LTHディスク2のL0記録層においてトラックのデータ記録済部分にデータを記録再生するときの各種サーボ用のパラメータを詳細に調整して、次のステップSP68に移る。
ステップSP68においてシステムコントローラ3は、第4段階のサーボ初期調整処理を実行することにより、2層LTHディスク2のL1記録層においてトラックのデータ未記録部分にデータを記録再生するときの各種サーボ用のパラメータを詳細に調整して、次のステップSP69に移る。
ステップSP69においてシステムコントローラ3は、レーザ制御部10及び光ピックアップ7を介して2層LTHディスク2のL1記録層の試書領域に試書データを試書して、次のステップSP70に移る。
ステップSP70においてシステムコントローラ3は、管理データに基づきサーボ制御部5及び送りモータ8を介して光ピックアップ7をL1記録層におけるデータ記録領域のトラックのデータ未記録部分に応じた所定位置まで移動させる。
これによりシステムコントローラ3は、2層LTHディスク2のL1記録層においてトラックのデータ未記録部分に、トラッキングサーボループを解除したまま主レーザ光LE1を照射させて、次のステップSP71に移る。
ステップSP71においてシステムコントローラ3は、L1記録層においてトラックのデータ未記録部分に主レーザ光LE1を照射している状態でトラッキングエラー信号生成回路30(すなわち、プッシュプル減算器35)により生成されたトラッキングエラー信号を取り込む。
そしてシステムコントローラ3は、そのトラッキングエラー信号をもとに、未記録振幅平均値を算出して、次のステップSP72に移る。
ステップSP72においてシステムコントローラ3は、サーボ制御部5及び送りモータ8を介して光ピックアップ7を2層LTHディスク2のL1記録層の試書領域に応じた所定位置まで移動させる。
これによりシステムコントローラ3は、2層LTHディスク2のL1記録層の試書領域において試書データを試書したデータ記録済部分(すなわち、試書データの記録済部分)に、トラッキングサーボループを解除したまま主レーザ光LE1を照射させて、次のステップSP73に移る。
ステップSP73においてシステムコントローラ3は、L1記録層の試書領域のデータ記録済部分に主レーザ光LE1を照射している状態でトラッキングエラー信号生成回路30(すなわち、プッシュプル減算器35)により生成されたトラッキングエラー信号を取り込む。
そしてシステムコントローラ3は、そのトラッキングエラー信号をもとに、記録済振幅平均値を算出して、次のステップSP74に移る。
ステップSP74においてシステムコントローラ3は、記録済振幅平均値及び未記録振幅平均値を用いてL1記録層用の第2の補正ゲインを算出する。
そしてシステムコントローラ3は、そのL1記録層用に算出した第2の補正ゲインを第1の補正ゲインと共にゲイン供給部60のゲイン保持部61に送出して保持させて、次のステップSP75に移る。
ステップSP75においてシステムコントローラ3は、第5段階のサーボ初期調整処理を実行することにより、2層LTHディスク2のL1記録層においてトラックのデータ記録済部分にデータを記録再生するときの各種サーボ用のパラメータを詳細に調整して、次のステップSP76に移る。
これによりステップSP76においてシステムコントローラ3は、2層未記録用補正ゲイン設定処理サブルーチンSRT3を終了して、上述したステップSP8に移る。
さらにシステムコントローラ3は、上述したステップSP13に移ると、図27に示す2層記録済用補正ゲイン設定処理サブルーチンSRT4を開始する。
システムコントローラ3は、かかる2層記録済用補正ゲイン設定処理サブルーチンSRT4を開始すると、ステップSP80において、管理データに基づきサーボ制御部5及び送りモータ8を介して光ピックアップ7をL0記録層におけるデータ記録領域のトラックのデータ未記録部分に応じた所定位置まで移動させる。
これによりシステムコントローラ3は、2層LTHディスク2のL0記録層におけるトラックのデータ未記録部分に主レーザ光LE1を照射させて、次のステップSP81に移る。
ステップSP81においてシステムコントローラ3は、第2段階のサーボ初期調整処理を実行することにより、2層LTHディスク2のL0記録層においてトラックのデータ未記録部分にデータを記録再生するときの各種サーボ用のパラメータを詳細に調整して、次のステップSP82に移る。
ステップSP82においてシステムコントローラ3は、L0記録層のトラックのデータ未記録部分に、トラッキングサーボループを解除したまま主レーザ光LE1を照射している状態でトラッキングエラー信号生成回路30(すなわち、プッシュプル減算器35)により生成されたトラッキングエラー信号を取り込む。
そしてシステムコントローラ3は、そのトラッキングエラー信号をもとに、未記録振幅平均値を算出して、次のステップSP83に移る。
ステップSP83においてシステムコントローラ3は、管理データに基づきサーボ制御部5及び送りモータ8を介して光ピックアップ7を2層LTHディスク2のL0記録層におけるデータ記録領域のトラックのデータ記録済部分に応じた所定位置まで移動させる。
これによりシステムコントローラ3は、2層LTHディスク2のL0記録層においてトラックのデータ記録済部分に、トラッキングサーボループを解除したまま主レーザ光LE1を照射させて、次のステップSP84に移る。
ステップSP84においてシステムコントローラ3は、L0記録層のトラックのデータ記録済部分に主レーザ光LE1を照射している状態でトラッキングエラー信号生成回路30(すなわち、プッシュプル減算器35)により生成されたトラッキングエラー信号を取り込む。
そしてシステムコントローラ3は、そのトラッキングエラー信号をもとに、記録済振幅平均値を算出して、次のステップSP85に移る。
ステップSP85においてシステムコントローラ3は、記録済振幅平均値及び未記録振幅平均値を用いてL0記録層用の第2の補正ゲインを算出する。
そしてシステムコントローラ3は、そのL0記録層用に算出した第2の補正ゲインを第1の補正ゲインと共にゲイン供給部60のゲイン保持部61に送出して保持させて、次のステップSP86に移る。
ステップSP86においてシステムコントローラ3は、第3段階のサーボ初期調整処理を実行することにより、2層LTHディスク2のL0記録層においてトラックのデータ記録済部分にデータを記録再生するときの各種サーボ用のパラメータを詳細に調整して、次のステップSP87に移る。
ステップSP87においてシステムコントローラ3は、管理データに基づきサーボ制御部5及び送りモータ8を介して光ピックアップ7をL1記録層におけるデータ記録領域のトラックのデータ未記録部分に応じた所定位置まで移動させる。
これによりシステムコントローラ3は、2層LTHディスク2のL1記録層におけるトラックのデータ未記録部分に主レーザ光LE1を照射させて、次のステップSP88に移る。
ステップSP88においてシステムコントローラ3は、第4段階のサーボ初期調整処理を実行することにより、2層LTHディスク2のL1記録層においてトラックのデータ未記録部分にデータを記録再生するときの各種サーボ用のパラメータを詳細に調整して、次のステップSP89に移る。
ステップSP89においてシステムコントローラ3は、L1記録層のトラックのデータ未記録部分に、トラッキングサーボループを解除したまま主レーザ光LE1を照射している状態でトラッキングエラー信号生成回路30(すなわち、プッシュプル減算器35)により生成されたトラッキングエラー信号を取り込む。
そしてシステムコントローラ3は、そのトラッキングエラー信号をもとに、未記録振幅平均値を算出して、次のステップSP90に移る。
ステップSP90においてシステムコントローラ3は、管理データに基づきサーボ制御部5及び送りモータ8を介して光ピックアップ7を2層LTHディスク2のL1記録層におけるデータ記録領域のトラックのデータ記録済部分に応じた所定位置まで移動させる。
これによりシステムコントローラ3は、2層LTHディスク2のL1記録層においてトラックのデータ記録済部分に、トラッキングサーボループを解除したまま主レーザ光LE1を照射させて、次のステップSP91に移る。
ステップSP91においてシステムコントローラ3は、L1記録層のトラックのデータ記録済部分に主レーザ光LE1を照射している状態でトラッキングエラー信号生成回路30(すなわち、プッシュプル減算器35)により生成されたトラッキングエラー信号を取り込む。
そしてシステムコントローラ3は、そのトラッキングエラー信号をもとに、記録済振幅平均値を算出して、次のステップSP92に移る。
ステップSP92においてシステムコントローラ3は、記録済振幅平均値及び未記録振幅平均値を用いてL1記録層用の第2の補正ゲインを算出する。
そしてシステムコントローラ3は、そのL1記録層用に算出した第2の補正ゲインを第1の補正ゲインと共にゲイン供給部60のゲイン保持部61に送出して保持させて、次のステップSP93に移る。
ステップSP93においてシステムコントローラ3は、第5段階のサーボ初期調整処理を実行することにより、2層LTHディスク2のL1記録層においてトラックのデータ記録済部分にデータを記録再生するときの各種サーボ用のパラメータを詳細に調整して、次のステップSP94に移る。
これによりステップSP94においてシステムコントローラ3は、2層記録済用補正ゲイン設定処理サブルーチンSRT4を終了して、上述したステップSP8に移る。
一方、第1の照射位置判別部50及びゲイン供給部60並びに信号補正部45は、システムコントローラ3の制御のもと、上述したステップSP17において図28に示す信号補正処理サブルーチンSRT5を開始する。
第1の照射位置判別部50及びゲイン供給部60並びに信号補正部45は、かかる信号補正処理サブルーチンSRT5を開始すると、まずステップSP100において記録済部分変位判別処理を実行した後、次のステップSP101に移る。
そしてステップSP101において第1の照射位置判別部50及びゲイン供給部60並びに信号補正部45は、未記録部分変位判別処理を実行した後、ステップSP100に戻る。
このようにして第1の照射位置判別部50及びゲイン供給部60並びに信号補正部45は、1層LTHディスク2の記録層又は2層LTHディスク2のL0記録層に対する再生動作が終了するまでの間、ステップSP100及びステップSP101の処理を循環的に繰り返し実行する。
そして第1の照射位置判別部50及びゲイン供給部60並びに信号補正部45は、ステップSP100及びステップSP101の処理を実行している途中に再生動作が終了すると、その時点に信号補正処理サブルーチンSRT5を終了する。
よってシステムコントローラ3は、かかる信号補正処理サブルーチンSRT5を抜けて、上述したステップSP18に移る。
実際に第1の照射位置判別部50及びゲイン供給部60並びに信号補正部45は、信号補正処理サブルーチンSRT5においてステップSP100に移ると、図29に示す記録済部分変位判別処理サブルーチンSRT6を開始する。
第1の照射位置判別部50は、記録済部分変位判別処理サブルーチンSRT6を開始したとき、主レーザ光照射位置がデータ未記録部分であることを示す照射位置判別信号S15をゲイン供給部60に送出している。
またゲイン供給部60は、記録済部分変位判別処理サブルーチンSRT6を開始したとき、第1の照射位置判別部50から与えられる照射位置判別信号S15に応じて、第1の補正ゲインでなるゲイン制御信号S19を信号補正部45に送出している。
さらに信号補正部45は、記録済部分変位判別処理サブルーチンSRT6を開始したとき、ゲイン供給部60から与えられるゲイン制御信号S19に従い、トラッキングエラー信号をそのまま(すなわち、第1の補正ゲイン(「1」の値)で増幅して)サーボ制御部5に送出している。
この状態でステップSP110において第1の照射位置判別部50は、先行副総和信号SS1の値が増加して、その増加を検出することを待ち受け、当該先行副総和信号SS1の値が増加したことを検出すると、次のステップSP111に移る。
ステップSP111において第1の照射位置判別部50は、立上り検出カウンタ54においてカウント値を「1」だけカウントアップして、次のステップSP112に移る。
ステップSP112において第1の照射位置判別部50は、立上り検出カウンタ54のカウント値が「2」であるか否かを判別する。
このステップSP112において否定結果が得られると、このことは主総和信号MS1の値が増加する直前の、先行副総和信号SS1の値の1段目の増加のみ検出していることを表している。
従って第1の照射位置判別部50は、ステップSP112において、かかる否定結果を得ると、ステップSP110に戻る。
よってステップSP110において第1の照射位置判別部50は、再び、先行副総和信号SS1の値が増加して、その増加を検出することを待ち受け、当該先行副総和信号SS1の値が増加したことを検出すると、次のステップSP111に移る。
そしてステップSP111において第1の照射位置判別部50は、立上り検出カウンタ54において再び、カウント値を「1」だけカウントアップして、次のステップSP112に移る。
またステップSP112において第1の照射位置判別部50は、再び立上り検出カウンタ54のカウント値が「2」であるか否かを判別する。
このようにしてステップSP112において肯定結果が得られると、このことは主総和信号MS1の値が増加する直前の、先行副総和信号SS1の値の2段目の増加も検出したことを表している。
従って第1の照射位置判別部50は、ステップSP112において、かかる肯定結果を得ると、次のステップSP113に移る。
ステップSP113において第1の照射位置判別部50は、先行副総和信号SS1の値の2段目の増加の検出に応じて、主レーザ光照射位置がデータ未記録部分からデータ記録済部分との記録済境界位置に到達したことを検出する。
そして第1の照射位置判別部50は、主レーザ光照射位置がデータ未記録部分からデータ記録済部分に変位したことを示す照射位置判別信号S15をゲイン供給部60に送出し始める。
よってゲイン供給部60は、その第1の照射位置判別部50から与えられる照射位置判別信号S15に応じて、第1の補正ゲインに代えて第2の補正ゲインでなるゲイン制御信号S19を信号補正部45に送出し始める。
そして信号補正部45は、ゲイン供給部60から与えられるゲイン制御信号S19に従い、トラッキングエラー信号を、その振幅を補正して(すなわち、第2の補正ゲインで増幅して)サーボ制御部5に送出し始める。
このようにして第1の照射位置判別部50及びゲイン供給部60並びに信号補正部45は、主レーザ光照射位置がデータ未記録部分からデータ記録済部分に変位し、これに応じてトラッキングエラー信号補正用の第1の補正ゲインを第2の補正ゲインに切り換えると、次のステップSP114に移る。
これによりステップSP114において第1の照射位置判別部50及びゲイン供給部60並びに信号補正部45は、かかる記録済部分変位判別処理サブルーチンSRT6を終了して、ステップSP101に移る。
また第1の照射位置判別部50及びゲイン供給部60並びに信号補正部45は、信号補正処理サブルーチンSRT5においてステップSP101に移ると、図30に示す未記録部分変位判別処理サブルーチンSRT7を開始する。
第1の照射位置判別部50は、未記録部分変位判別処理サブルーチンSRT7を開始したとき、主レーザ光照射位置がデータ記録済部分であることを示す照射位置判別信号S15をゲイン供給部60に送出している。
またゲイン供給部60は、未記録部分変位判別処理サブルーチンSRT7を開始したとき、第1の照射位置判別部50から与えられる照射位置判別信号S15に応じて、第2の補正ゲインでなるゲイン制御信号S19を信号補正部45に送出している。
さらに信号補正部45は、未記録部分変位判別処理サブルーチンSRT7を開始したとき、ゲイン供給部60から与えられるゲイン制御信号S19に従い、トラッキングエラー信号を、その振幅を補正して(すなわち、第2の補正ゲインで増幅して)サーボ制御部5に送出している。
この状態でステップSP120において第1の照射位置判別部50は、先行副総和信号SS1の値が減少して、その減少を検出することを待ち受け、当該先行副総和信号SS1の値が減少したことを検出すると、次のステップSP121に移る。
ステップSP121において第1の照射位置判別部50は、立下り検出カウンタ55においてカウント値を「1」だけカウントアップして、次のステップSP122に移る。
ステップSP122において第1の照射位置判別部50は、立下り検出カウンタ55のカウント値が「2」であるか否かを判別する。
このステップSP122において否定結果が得られると、このことは主総和信号MS1の値が増加する直前の、先行副総和信号SS1の値の1段目の減少のみ検出していることを表している。
従って第1の照射位置判別部50は、ステップSP122において、かかる否定結果を得ると、ステップSP120に戻る。
よってステップSP120において第1の照射位置判別部50は、再び、先行副総和信号SS1の値が減少して、その減少を検出することを待ち受け、当該先行副総和信号SS1の値が減少したことを検出すると、次のステップSP121に移る。
そしてステップSP121において第1の照射位置判別部50は、立下り検出カウンタ55において再び、カウント値を「1」だけカウントアップして、次のステップSP122に移る。
またステップSP122において第1の照射位置判別部50は、再び立下り検出カウンタ55のカウント値が「2」であるか否かを判別する。
このようにしてステップSP122において肯定結果が得られると、このことは主総和信号MS1の値が減少する直前の、先行副総和信号SS1の値の2段目の減少も検出したことを表している。
従って第1の照射位置判別部50は、ステップSP122において、かかる肯定結果を得ると、次のステップSP123に移る。
ステップSP123において第1の照射位置判別部50は、先行副総和信号SS1の値の2段目の減少の検出に応じて、主レーザ光照射位置がデータ記録済部分からデータ未記録部分との未記録境界位置に到達したことを検出する。
そして第1の照射位置判別部50は、主レーザ光照射位置がデータ記録済部分からデータ未記録部分に変位したことを示す照射位置判別信号S15をゲイン供給部60に送出し始める。
よってゲイン供給部60は、その第1の照射位置判別部50から与えられる照射位置判別信号S15に応じて、第2の補正ゲインに代えて第1の補正ゲインでなるゲイン制御信号S19を信号補正部45に送出し始める。
そして信号補正部45は、ゲイン供給部60から与えられるゲイン制御信号S19に従い、トラッキングエラー信号をそのまま(すなわち、第1の補正ゲイン(「1」の値)で増幅して)サーボ制御部5に送出し始める。
このようにして第1の照射位置判別部50及びゲイン供給部60並びに信号補正部45は、主レーザ光照射位置がデータ記録済部分からデータ未記録部分に変位し、これに応じてトラッキングエラー信号補正用の第2の補正ゲインを第1の補正ゲインに切り換えると、次のステップSP124に移る。
これによりステップSP124において第1の照射位置判別部50及びゲイン供給部60並びに信号補正部45は、かかる未記録部分変位判別処理サブルーチンSRT7を終了して、ステップSP100に戻る。
また第1の照射位置判別部50及びゲイン供給部60並びに信号補正部45は、システムコントローラ3の制御のもと、上述したステップSP21において図28との対応部分に同一符号を付した図31に示す信号補正処理サブルーチンSRT8を開始する。
第1の照射位置判別部50及びゲイン供給部60並びに信号補正部45は、かかる信号補正処理サブルーチンSRT8を開始すると、まずステップSP101において記録済部分変位判別処理を実行した後、次のステップSP100に移る。
そしてステップSP100において第1の照射位置判別部50及びゲイン供給部60並びに信号補正部45は、未記録部分変位判別処理を実行した後、ステップSP101に戻る。
このようにして、第1の照射位置判別部50及びゲイン供給部60並びに信号補正部45は、1層LTHディスク2の記録層又は2層LTHディスク2のL0記録層に対する再生動作が終了するまでの間、ステップSP101及びステップSP100の処理を循環的に繰り返し実行する。
そして第1の照射位置判別部50及びゲイン供給部60並びに信号補正部45は、ステップSP101及びステップSP100の処理を実行している途中に再生動作が終了すると、その時点に信号補正処理サブルーチンSRT8を終了する。
よってシステムコントローラ3は、かかる信号補正処理サブルーチンSRT8を抜けて、上述したステップSP22に移る。
さらに第2の照射位置判別部70及びゲイン供給部60並びに信号補正部45は、システムコントローラ3の制御のもと、上述したステップSP25において図32に示す信号補正処理サブルーチンSRT9を開始する。
第2の照射位置判別部70及びゲイン供給部60並びに信号補正部45は、かかる信号補正処理サブルーチンSRT9を開始すると、まずステップSP130において記録済部分変位判別処理を実行した後、次のステップSP131に移る。
そしてステップSP131において第2の照射位置判別部70及びゲイン供給部60並びに信号補正部45は、未記録部分変位判別処理を実行した後、ステップSP130に戻る。
このようにして第2の照射位置判別部70及びゲイン供給部60並びに信号補正部45は、2層LTHディスク2のL1記録層に対する再生動作が終了するまでの間、ステップSP130及びステップSP131の処理を循環的に繰り返し実行する。
そして第2の照射位置判別部70及びゲイン供給部60並びに信号補正部45は、ステップSP130及びステップSP131の処理を実行している途中に再生動作が終了すると、その時点に信号補正処理サブルーチンSRT9を終了する。
よってシステムコントローラ3は、かかる信号補正処理サブルーチンSRT9を抜けて、上述したステップSP26に移る。
実際に第2の照射位置判別部70及びゲイン供給部60並びに信号補正部45は、信号補正処理サブルーチンSRT9においてステップSP130に移ると、図33に示す記録済部分変位判別処理サブルーチンSRT10を開始する。
第2の照射位置判別部70は、記録済部分変位判別処理サブルーチンSRT10を開始したとき、主レーザ光照射位置がデータ未記録部分であることを示す照射位置判別信号S32をゲイン供給部60に送出している。
またゲイン供給部60は、記録済部分変位判別処理サブルーチンSRT10を開始したとき、第2の照射位置判別部70から与えられる照射位置判別信号S32に応じて、第1の補正ゲインでなるゲイン制御信号S19を信号補正部45に送出している。
さらに信号補正部45は、記録済部分変位判別処理サブルーチンSRT10を開始したとき、ゲイン供給部60から与えられるゲイン制御信号S19に従い、トラッキングエラー信号をそのまま(すなわち、第1の補正ゲイン(「1」の値)で増幅して)サーボ制御部5に送出している。
この状態でステップSP140において第2の照射位置判別部70は、後行副総和信号SS2の値が増加して、その増加を検出することを待ち受け、当該後行副総和信号SS2の値が増加したことを検出すると、次のステップSP141に移る。
ステップSP141において第2の照射位置判別部70は、先行副総和信号SS1の値が増加して、その増加を検出することを待ち受け、当該先行副総和信号SS1の値が増加したことを検出すると、次のステップSP142に移る。
ステップSP142において第2の照射位置判別部70は、後行副総和信号SS2の値の1段目の増加の検出に続く先行副総和信号SS1の値の1段目の増加の検出に応じて、主レーザ光照射位置がデータ未記録部分からデータ記録済部分との記録済境界位置に到達したことを検出する。
そして第2の照射位置判別部70は、主レーザ光照射位置がデータ未記録部分からデータ記録済部分に変位したことを示す照射位置判別信号S32をゲイン供給部60に送出し始める。
よってゲイン供給部60は、その第2の照射位置判別部70から与えられる照射位置判別信号S32に応じて、第1の補正ゲインに代えて第2の補正ゲインでなるゲイン制御信号S19を信号補正部45に送出し始める。
そして信号補正部45は、ゲイン供給部60から与えられるゲイン制御信号S19に従い、トラッキングエラー信号を、その振幅を補正して(すなわち、第2の補正ゲインで増幅して)サーボ制御部5に送出し始める。
このようにして第2の照射位置判別部70及びゲイン供給部60並びに信号補正部45は、主レーザ光照射位置がデータ未記録部分からデータ記録済部分に変位し、これに応じてトラッキングエラー信号補正用の第1の補正ゲインを第2の補正ゲインに切り換えると、ステップSP143に移る。
これによりステップSP143において第2の照射位置判別部70及びゲイン供給部60並びに信号補正部45は、かかる記録済部分変位判別処理サブルーチンSRT10を終了して、ステップSP131に移る。
また第2の照射位置判別部70及びゲイン供給部60並びに信号補正部45は、信号補正処理サブルーチンSRT9においてステップSP131に移ると、図34に示す未記録部分変位判別処理サブルーチンSRT11を開始する。
第2の照射位置判別部70は、未記録部分変位判別処理サブルーチンSRT11を開始したとき、主レーザ光照射位置がデータ記録済部分であることを示す照射位置判別信号S32をゲイン供給部60に送出している。
またゲイン供給部60は、未記録部分変位判別処理サブルーチンSRT11を開始したとき、第2の照射位置判別部70から与えられる照射位置判別信号S32に応じて、第2の補正ゲインでなるゲイン制御信号S19を信号補正部45に送出している。
さらに信号補正部45は、未記録部分変位判別処理サブルーチンSRT11を開始したとき、ゲイン供給部60から与えられるゲイン制御信号S19に従い、トラッキングエラー信号を、その振幅を補正して(すなわち、第2の補正ゲインで増幅して)サーボ制御部5に送出している。
この状態でステップSP150において第2の照射位置判別部70は、後行副総和信号SS2の値が減少して、その減少を検出することを待ち受け、当該後行副総和信号SS2の値が減少したことを検出すると、次のステップSP151に移る。
ステップSP151において第2の照射位置判別部70は、先行副総和信号SS1の値が減少して、その減少を検出することを待ち受け、当該先行副総和信号SS1の値が減少したことを検出すると、次のステップSP152に移る。
ステップSP152において第2の照射位置判別部70は、後行副総和信号SS2の値の1段目の減少の検出に続く先行副総和信号SS1の値の1段目の減少の検出に応じて、主レーザ光照射位置がデータ記録済部分からデータ未記録部分との未記録境界位置に到達したことを検出する。
そして第2の照射位置判別部70は、主レーザ光照射位置がデータ記録済部分からデータ未記録部分に変位したことを示す照射位置判別信号S32をゲイン供給部60に送出し始める。
よってゲイン供給部60は、その第2の照射位置判別部70から与えられる照射位置判別信号S32に応じて、第2の補正ゲインに代えて第1の補正ゲインでなるゲイン制御信号S19を信号補正部45に送出し始める。
そして信号補正部45は、ゲイン供給部60から与えられるゲイン制御信号S19に従い、トラッキングエラー信号をそのまま(すなわち、第1の補正ゲイン(「1」の値)で増幅して)サーボ制御部5に送出し始める。
このようにして第2の照射位置判別部70及びゲイン供給部60並びに信号補正部45は、主レーザ光照射位置がデータ記録済部分からデータ未記録部分に変位し、これに応じてトラッキングエラー信号補正用の第2の補正ゲインを第1の補正ゲインに切り換えると、次のステップSP153に移る。
これによりステップSP153において第2の照射位置判別部70及びゲイン供給部60並びに信号補正部45は、かかる未記録部分変位判別処理サブルーチンSRT11を終了して、ステップSP130に戻る。
さらにまた第2の照射位置判別部70及びゲイン供給部60並びに信号補正部45は、システムコントローラ3の制御のもと、上述したステップSP28において図32との対応部分に同一符号を付した図35に示す信号補正処理サブルーチンSRT12を開始する。
第2の照射位置判別部70及びゲイン供給部60並びに信号補正部45は、かかる信号補正処理サブルーチンSRT12を開始すると、まずステップSP131において記録済部分変位判別処理を実行した後、次のステップSP130に移る。
そしてステップSP130において第2の照射位置判別部70及びゲイン供給部60並びに信号補正部45は、未記録部分変位判別処理を実行した後、ステップSP131に戻る。
このようにして第2の照射位置判別部70及びゲイン供給部60並びに信号補正部45は、2層LTHディスク2のL1記録層に対する再生動作が終了するまでの間、ステップSP131及びステップSP130の処理を循環的に繰り返し実行する。
そして第2の照射位置判別部70及びゲイン供給部60並びに信号補正部45は、ステップSP131及びステップSP130の処理を実行している途中に再生動作が終了すると、その時点に信号補正処理サブルーチンSRT12を終了する。
よってシステムコントローラ3は、かかる信号補正処理サブルーチンSRT12を抜けて、上述したステップSP29に移る。
ところで第2の照射位置判別部70及びゲイン供給部60並びに信号補正部45は、2層LTHディスク2のL0記録層に対するデータの記録再生がL1記録層に遷移すると、信号補正処理サブルーチンSRT5及びSRT8から引き継いで、信号補正処理サブルーチンSRT9及びSRT12を実行する。
また第1の照射位置判別部50及びゲイン供給部60並びに信号補正部45も、2層LTHディスク2のL1記録層に対するデータの記録再生がL0記録層に遷移すると、信号補正処理サブルーチンSRT9及びSRT12から引き継いで、信号補正処理サブルーチンSRT5及びSRT8を実行する。
そしてシステムコントローラ3は、このようにL0記録層及びL1記録層に対するデータの記録再生が遷移するとき、補正ゲイン切換部46により第1及び第2の照射位置判別部50及び70に対し照射位置判別結果を初期設定し直す。
これによりシステムコントローラ3は、L0記録層及びL1記録層に対するデータの記録再生が遷移したとき、第1及び第2の照射位置判別部50及び70において主レーザ光照射位置が誤って判別されることを回避している。
因みに、上述したステップSP1において否定結果が得られると、このことは、このとき光ディスク装置1に装填されている光ディスク2が、再生専用の光ディスク2であることを表している。
そしてシステムコントローラ3は、ステップSP1において、かかる否定結果を得ると、ステップSP30に移る。
ステップSP30においてシステムコントローラ3は、再生専用の光ディスク2に対応するトラッキングエラー信号生成処理を実行した後、ステップSP19に移る。
実際にシステムコントローラ3は、ステップSP30に移ると、図36に示す再生専用の光ディスク2に対応するトラッキングエラー信号生成処理サブルーチンSRT13を開始する。
システムコントローラ3は、かかるトラッキングエラー信号生成処理サブルーチンSRT13を開始すると、ステップSP160において、信号生成部13に対し位相差法に準じてトラッキングエラー信号を生成するように設定して、次のステップSP161に移る。
ステップSP161においてシステムコントローラ3は、サーボ初期調整処理を実行することにより、再生専用の光ディスク2からデータを再生するときの各種サーボ用のパラメータを調整して、次のステップSP162に移る。
ステップSP162においてシステムコントローラ3は、サーボ制御部5及び送りモータ8を介して光ピックアップ7を、データ再生開始位置に応じた所定位置までシークさせて、次のステップSP163に移る。
ステップSP163においてシステムコントローラ3は、再生専用の光ディスク2からのデータの再生を開始する。
またシステムコントローラ3は、データの再生の間、位相差法に準じてトラッキングエラー信号を生成すると共に、当該生成したトラッキングエラー信号をそのままトラッキング制御に利用する。
そしてシステムコントローラ3は、再生専用の光ディスク2からのデータの再生が完了すると、次のステップSP164に移る。
ステップSP164においてシステムコントローラ3は、再生専用の光ディスク2からのデータの再生を終了するか否かを判別する。
このステップSP164において否定結果が得られると、このことは、例えば、コンピュータ装置PCにより他のデータの再生用に、新たなデータ再生開始位置が指示されたことを表している。
そしてシステムコントローラ3は、ステップSP164において、かかる否定結果を得ると、ステップSP162に戻る。
これによりシステムコントローラ3は、この後、ステップSP164において肯定結果を得るまでの間、コンピュータ装置PCからデータの再生が指示される毎にステップSP162乃至ステップSP164の処理を循環的に繰り返し実行する。
そしてステップSP164において肯定結果が得られると、このことは、例えば、コンピュータ装置PCにより再生専用の光ディスク2からのデータの再生の終了が指示されたことを表している。
よってシステムコントローラ3は、ステップSP164において、かかる肯定結果を得ると、次のステップSP165に移ってトラッキングエラー信号生成処理サブルーチンSRT13を終了して、ステップSP19に移る。
また上述したステップSP3において否定結果が得られると、このことは、このとき光ディスク装置1に装填されている光ディスク2がHTLディスク2であることを表している。
そしてシステムコントローラ3は、ステップSP3において、かかる否定結果を得ると、次のステップSP31に移る。
ステップSP31においてシステムコントローラ3は、HTLディスク2に対応するトラッキングエラー信号生成処理を実行した後、ステップSP19に移る。
実際にシステムコントローラ3は、ステップSP31に移ると、図37に示すHTLディスク2に対応するトラッキングエラー信号生成処理サブルーチンSRT14を開始する。
システムコントローラ3は、かかるトラッキングエラー信号生成処理サブルーチンSRT14を開始すると、ステップSP170において、信号生成部13に対し差動プッシュプル法に準じてトラッキングエラー信号を生成するように設定する。
ただしシステムコントローラ3は、この際、信号生成部13に対しトラッキングエラー信号の振幅を補正しないように設定したうえで、次のステップSP171に移る。
ステップSP171においてシステムコントローラ3は、サーボ初期調整処理を実行することにより、HTLディスク2にデータを記録再生するときの各種サーボ用のパラメータを調整して、次のステップSP172に移る。
ステップSP172においてシステムコントローラ3は、サーボ制御部5及び送りモータ8を介して光ピックアップ7を、データ記録開始位置又はデータ再生開始位置に応じた所定位置までシークさせて、次のステップSP173に移る。
ステップSP173においてシステムコントローラ3は、HTLディスク2に対するデータの記録再生を開始する。
またシステムコントローラ3は、データの記録再生の間、差動プッシュプル法に準じてトラッキングエラー信号を生成すると共に、当該生成したトラッキングエラー信号をそのままトラッキング制御に利用する。
そしてシステムコントローラ3は、HTLディスク2に対するデータの記録再生が完了すると、次のステップSP174に移る。
ステップSP174においてシステムコントローラ3は、HTLディスク2に対するデータの記録再生を終了するか否かを判別する。
このステップSP174において否定結果が得られると、このことは、例えば、コンピュータ装置PCにより他のデータの記録又は再生用に、新たなデータ記録開始位置又はデータ再生開始位置が指示されたことを表している。
そしてシステムコントローラ3は、ステップSP174において、かかる否定結果を得ると、ステップSP172に戻る。
これによりシステムコントローラ3は、この後、ステップSP174において肯定結果を得るまでの間、コンピュータ装置PCからデータの記録再生が指示される毎にステップSP172乃至ステップSP174の処理を循環的に繰り返し実行する。
そしてステップSP174において肯定結果が得られると、このことは、例えば、コンピュータ装置PCによりHTLディスク2に対するデータの記録再生の終了が指示されたことを表している。
よってシステムコントローラ3は、ステップSP174において、かかる肯定結果を得ると、次のステップSP175に移ってトラッキングエラー信号生成処理サブルーチンSRT14を終了して、ステップSP19に移る。
(2)実施の形態の動作及び効果
以上の構成において、光ディスク装置1は、LTHディスク2に対する再生動作時、レーザ光源11から発射したレーザ光を回折格子20に通して主レーザ光LE1、先行副レーザ光LE2及び後行副レーザ光LE3に分離する。
以上の構成において、光ディスク装置1は、LTHディスク2に対する再生動作時、レーザ光源11から発射したレーザ光を回折格子20に通して主レーザ光LE1、先行副レーザ光LE2及び後行副レーザ光LE3に分離する。
そして光ディスク装置1は、LTHディスク2のデータ記録面(すなわち、1層LTHディスク2の記録層の表面や2層LTHディスク2のL0記録層の表面及びL1記録層の表面)において所望のトラックに主レーザ光LE1を照射する。
また光ディスク装置1は、LTHディスク2のデータ記録面において先行副レーザ光LE2を、主レーザ光LE1よりもレーザ走査方向に先行させて所望のトラックと、これにディスク外周側で隣接するトラックとの間隙部に照射する。
さらに光ディスク装置1は、LTHディスク2のデータ記録面において後行副レーザ光LE3を、主レーザ光LE1よりもレーザ走査方向に後行させて、所望のトラックと、これにディスク内周側で隣接するトラックとの間隙部に照射する。
さらに光ディスク装置1は、LTHディスク2のデータ記録面で主レーザ光LE1、先行副レーザ光LE2及び後行副レーザ光LE3が反射することにより得られる主反射光LR1、先行副反射光LR2及び後行副反射光LR3を受光部12で受光する。
さらにまた光ディスク装置1は、受光部12による主反射光LR1、先行副反射光LR2及び後行副反射光LR3の受光結果を示す主総和信号MS1、先行副総和信号SS1及び後行副総和信号SS2等に基づきトラッキングエラー信号を生成する。
この状態で光ディスク装置1は、光ピックアップ7をディスク外周方向へ徐々に移動させていると、先行副反射光LR2の光量の変化を先行副総和信号SS1の値の変化として検出する。
そして光ディスク装置1は、先行副総和信号SS1の値が2回増加したことに基づき、主レーザ光照射位置がデータ未記録部分からデータ記録済部分との記録済境界位置に到達したことを検出する。
また光ディスク装置1は、先行副総和信号SS1の値が2回減少したことに基づき、主レーザ光照射位置がデータ記録済部分からデータ未記録部分との未記録境界位置に到達したことを検出する。
このようにして光ディスク装置1は、主レーザ光照射位置がトラックの記録済境界位置に到達し、また未記録境界位置に到達したと検出したことに応じて、主レーザ光LE1をトラックのデータ記録済部分に照射している間、トラッキングエラー信号を、その振幅を増加させるように補正する。
また光ディスク装置1は、光ピックアップ7をディスク内周方向へ徐々に移動させていると、先行副反射光LR2及び後行副反射光LR3の光量の変化を先行副総和信号SS1及び後行副総和信号SS2の値の変化として検出する。
そして光ディスク装置1は、後行副総和信号SS2の値が1回増加した後、先行副総和信号SS1の値が1回増加したことに基づき、主レーザ光照射位置がデータ未記録部分からデータ記録済部分との記録済境界位置に到達したことを検出する。
また光ディスク装置1は、後行副総和信号SS2の値が1回減少した後、先行副総和信号SS1の値が1回減少したことに基づき、主レーザ光照射位置がデータ記録済部分からデータ未記録部分との未記録境界位置に到達したことを検出する。
このようにして光ディスク装置1は、主レーザ光照射位置がトラックの記録済境界位置に到達し、また未記録境界位置に到達したと検出したことに応じて、主レーザ光LE1をトラックのデータ記録済部分に照射している間、トラッキングエラー信号を、その振幅を増加させるように補正する。
従って、光ディスク装置1は、LTHディスク2のトラックを走査する主レーザ光LE1の主レーザ光照射位置がデータ未記録部分からデータ記録済部分へ変位すると共に、データ記録済部分からデータ未記録部分へ変位しても、トラッキングエラー信号の振幅が大幅に変化することを防止することができる。
以上の構成によれば、光ディスク装置1は、LTHディスク2のデータ記録面に主レーザ光LE1、先行副レーザ光LE2及び後行副レーザ光LE3を照射すると共に、当該データ記録面で主レーザ光LE1、先行副レーザ光LE2及び後行副レーザ光LE3が反射して得られる主反射光LR1、先行副反射光LR2及び後行副反射光LR3を受光して、その受光結果に基づいてトラッキングエラー信号を生成している状態で、先行副反射光LR2及び後行副反射光LR3の光量の変化に基づき、主レーザ光照射位置がトラックのデータ未記録部分からデータ記録済部分との記録済境界位置に到達したことを検出すると共に、当該主レーザ光照射位置がデータ未記録部分からデータ記録済部分との記録済境界位置に到達したことを検出し、その検出に応じて、主レーザ光LE1をトラックのデータ記録済部分に照射している間、トラッキングエラー信号を、その振幅を増加させるように補正するようにした。
これにより光ディスク装置1は、LTHディスク2のトラックを走査する主レーザ光LE1の主レーザ光照射位置がデータ未記録部分からデータ記録済部分へ変位すると共に、データ記録済部分からデータ未記録部分へ変位しても、トラッキングエラー信号の振幅が大幅に変化することを防止することができる。よって光ディスク装置1は、LTHディスク2に対する再生動作時に主レーザ光のトラッキングを的確に制御することができる。
また光ディスク装置1は、先行副総和信号SS1及び後行副総和信号SS2の変化の検出に要する時間や、光ディスク2の回転速度、光ピックアップ7の移動速度等に応じて、光ディスク2のデータ記録面に対する主レーザ光LE1の主光スポットLS1と、先行副レーザ光LE2の先行副光スポットLS2及び後行副レーザ光LE3の後行副光スポットLS3との照射位置の位置関係を選定するようにした。
よって光ディスク装置1は、光ピックアップ7をディスク外周方向へ徐々に移動させているとき、先行副総和信号SS1の値が2回増加したことに基づき、主レーザ光照射位置がデータ未記録部分からデータ記録済部分との記録済境界位置に到達したことを的確に検出することができる。
従って、光ディスク装置1は、光ピックアップ7をディスク外周方向へ徐々に移動させている状態で、主レーザ光照射位置がデータ未記録部分からデータ記録済部分との記録済境界位置を通過するとき、トラッキングエラー信号の振幅の変動を極力小さくして、主レーザ光LE1のトラッキング性能が低下することを防止することができる。
また光ディスク装置1は、光ピックアップ7をディスク外周方向へ徐々に移動させているとき、先行副総和信号SS1の値が2回減少したことに基づき、主レーザ光照射位置がデータ記録済部分からデータ未記録部分との未記録境界位置に到達したことを的確に検出することができる。
従って、光ディスク装置1は、光ピックアップ7をディスク外周方向へ徐々に移動させている状態で、主レーザ光照射位置がデータ記録済部分からデータ未記録部分との未記録境界位置を通過するときにも、トラッキングエラー信号の振幅の変動を極力小さくして、主レーザ光LE1のトラッキング性能が低下することを防止することができる。
これに加えて光ディスク装置1は、光ピックアップ7をディスク内周方向へ徐々に移動させているとき、後行副総和信号SS2の値が1回増加した後、先行副総和信号SS1の値が1回増加したことに基づき、主レーザ光照射位置がデータ未記録部分からデータ記録済部分との記録済境界位置に到達したことを的確に検出することができる。
従って、光ディスク装置1は、光ピックアップ7をディスク内周方向へ徐々に移動させている状態で、主レーザ光照射位置がデータ未記録部分からデータ記録済部分との記録済境界位置を通過するときにも、トラッキングエラー信号の振幅の変動を極力小さくして、主レーザ光LE1のトラッキング性能が低下することを防止することができる。
また光ディスク装置1は、光ピックアップ7をディスク内周方向へ徐々に移動させているとき、後行副総和信号SS2の値が1回減少した後、先行副総和信号SS1の値が1回減少したことに基づき、主レーザ光照射位置がデータ記録済部分からデータ未記録部分との未記録境界位置に到達したことを的確に検出することができる。
従って、光ディスク装置1は、光ピックアップ7をディスク内周方向へ徐々に移動させている状態で、主レーザ光照射位置がデータ記録済部分からデータ未記録部分との未記録境界位置を通過するときにも、トラッキングエラー信号の振幅の変動を極力小さくして、主レーザ光LE1のトラッキング性能が低下することを防止することができる。
さらに光ディスク装置1は、LTHディスク2以外にも種々の光ディスク2に対してデータを記録し、また再生することができる。
このため光ディスク装置2は、データの記録や再生に用いる光ディスク2の種別を判別するようにして、当該データの記録や再生に用いる光ディスク2がLTHディスク2であるときのみ、その再生動作時にトラックに対する主レーザ光照射位置を判別するようにしてトラッキングエラー信号を適宜補正するようにした。
従って光ディスク装置1は、LTHディスク2以外の他の光ディスク2に対する再生動作時に、トラッキングエラー信号の振幅がほとんど変化しないにもかかわらずに、そのトラッキングエラー信号を誤って振幅を大きくするように補正してトラッキング性能が悪化することを未然に回避することができる。
さらに光ディスク装置1は、LTHディスク2に対する再生動作時、当該LTHディスク2のデータ記録面に主レーザ光LE1を照射しながらトラッキングエラー信号を生成して実際に実測した振幅に基づき、第2の補正ゲインを算出し設定するようにした。
これにより光ディスク装置1は、LTHディスク2に対する再生動作時、当該LTHディスク2の形成精度のばらつき等を考慮した第2の補正ゲインを得て、トラッキングエラー信号の振幅を精度良く補正することができる。
(3)他の実施の形態
(3−1)他の実施の形態1
なお上述した実施の形態においては、第1の照射位置判別部50に対し、立上り検出回路52及び立下り検出回路53と、立上り検出カウンタ54及び立下り検出カウンタ55とを設けるようにした場合について述べた。
(3−1)他の実施の形態1
なお上述した実施の形態においては、第1の照射位置判別部50に対し、立上り検出回路52及び立下り検出回路53と、立上り検出カウンタ54及び立下り検出カウンタ55とを設けるようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、第1の照射位置判別部50において、立上り検出回路52及び立下り検出回路53を1つの回路で兼用し、立上り検出カウンタ54及び立下り検出カウンタ55も1つのカウンタで兼用するようにしても良い。
すなわち、図38に示すように、かかる構成の第1の照射位置判別部100は、例えば、2層LTHディスク2のL0記録層に対する再生動作時、先行副総和信号生成部36により生成された先行副総和信号SS1を微分回路101に取り込む。
微分回路101は、上述した第1の照射位置判別部50の微分回路51と同様に、先行副総和信号SS1を微分することにより、当該先行副総和信号SS1の値の変化を示す微分信号S50を生成する。
そして微分回路101は、その微分信号S50を信号切換器102の一方の入力端子に供給すると共に、反転回路103を介して、値の立上り及び立下りを反転させた微分結果反転信号S51として、信号切換器102の他方の入力端子に供給する。
信号切換器102は、後述するRSフリップフロップ回路構成の照射位置判別回路104から照射位置判別信号S52を生成している間、当該照射位置判別信号S52の論理レベルを反転させて生成されたレベル反転信号S53が遅延回路105を介して僅かに遅延させた遅延信号として与えられている。
そして信号切換器102は、遅延信号が論理「H」レベルに立上っている間、微分信号S50及び微分結果反転信号S51のうち当該微分信号S50を選択的にレベル変化検出信号S54としてレベルコンパレータ構成の立上り検出回路106に送出する。
また信号切換器102は、遅延信号が論理「L」レベルに立下っている間、微分信号S50及び微分結果反転信号S51のうち当該微分結果反転信号S51を選択的にレベル変化検出信号S54として立上り検出回路106に送出する。
このようにして信号切換器102は、先行副総和信号SS1の値が連続的に2段階で変化するタイミングを全て立上りで示すレベル変化検出信号S54を生成している。
立上り検出回路106は、信号切換器102から与えられたレベル変化検出信号S54の値を、所定の第1の基準値と比較する。
これにより立上り検出回路106は、レベル変化検出信号S54の値の立上りと共に、そのタイミングを検出し、当該検出した値の立上りと、そのタイミングとを論理「H」レベルへの立上りで示す立上り検出信号S55を生成する。
すなわち、立上り検出回路106は、先行副総和信号SS1の値の連続的な2段階の変化と、そのタイミングとを検出し、その検出結果をそれぞれ論理「H」レベルへの立上りで示す立上り検出信号S55を生成して立上り検出カウンタ107に送出する。
立上り検出カウンタ107は、後述するリセット回路108から照射位置判別信号S52の論理レベルが変化するタイミングで、カウント値を一旦「0」にリセットするためのリセット信号が与えられている。
よって立上り検出カウンタ107は、立上り検出信号S55が論理「H」レベルに立上る毎にカウント値を「0」から順次「1」ずつカウントアップするようにして、先行副総和信号SS1の値が増加した回数及びタイミングを検出する。
そして立上り検出カウンタ107は、カウント値を「2」の値にカウントアップするまでの間は論理「L」レベルの立上りカウント信号S56を生成して、アンド回路構成の第1及び第2のタイミング通知回路109及び110に送出する。
また立上り検出カウンタ107は、カウント値を「2」の値にカウントアップした時点を、先行副総和信号SS1の値の連続的な2段階の増加のうち2段目の増加として、そのタイミングと共に検出する。
そして立上り検出カウンタ107は、検出した先行副総和信号SS1の値の2段目の増加を、そのタイミングと共に論理「H」レベルへの立上りで示す立上りカウント信号S56を生成し第1及び第2のタイミング通知回路109及び110に送出する。
因みに、立上り検出カウンタ107は、カウント値を「2」の値にカウントアップして論理「H」レベルの立上りカウント信号S56を生成した直後に、リセット回路108から与えられるリセット信号に従い、カウント値を一旦「0」にリセットする。
このようにして立上り検出カウンタ107は、先行副総和信号SS1の値の2段目の変化のみを、そのタイミングと共に検出して、当該検出した2段目の変化と、そのタイミングとを論理「H」レベルへの立上りで示す立上りカウント信号S56を生成している。
第1のタイミング通知回路109には、照射位置判別回路104からレベル反転信号S53が遅延回路105を介して僅かに遅延させた遅延信号として与えられている。
よって第1のタイミング通知回路109は、照射位置判別回路104から遅延回路105を介して与えられた遅延信号と、立上り検出カウンタ107から与えられた立上りカウント信号S56とを比較する。
そして第1のタイミング通知回路109は、遅延信号と立上りカウント信号S56とが共に論理「H」レベルに立上る僅かな期間のみ、論理「H」レベルに立上げた第1のタイミング通知信号S57を生成する。
すなわち、第1のタイミング通知回路109は、論理「H」レベルの立上りにより、先行副総和信号SS1の値の2段目の増加のタイミングを通知する第1のタイミング通知信号S57を生成して照射位置判別回路104に送出する。
また第2のタイミング通知回路110は、照射位置判別回路104から照射位置判別信号S52が遅延回路111を介して僅かに遅延させた遅延信号として与えられている。
よって第2のタイミング通知回路110は、照射位置判別回路104から遅延回路111を介して与えられた遅延信号と、立上り検出カウンタ107から与えられた立上りカウント信号S56とを比較する。
そして第2のタイミング通知回路110は、遅延信号と立上りカウント信号S56とが共に論理「H」レベルに立上る僅かな期間のみ、論理「H」レベルに立上げた第2のタイミング通知信号S58を生成する。
すなわち、第2のタイミング通知回路110は、論理「H」レベルの立上りにより、先行副総和信号SS1の値の2段目の減少のタイミングを通知する第2のタイミング通知信号S58を生成して照射位置判別回路104に送出する。
照射位置判別回路104は、第1のタイミング通知回路109から与えられる第1のタイミング通知信号S57をSセット端子に取り込み、第2のタイミング通知回路110から与えられる第2のタイミング通知信号S58をRリセット端子に取り込む。
そして照射位置判別回路104は、第1及び第2のタイミング通知信号S57及びS58に基づき、トラックに対する主レーザ光照射位置がデータ未記録部分とデータ記録済部分との何れであるかの照射位置判別結果を示す照射位置判別信号S52を生成する。
ここで照射位置判別回路104は、第1のタイミング通知信号S57が論理「H」レベルに立上ると、その時点に主レーザ光照射位置がデータ未記録部分からデータ記録済部分との記録済境界位置に到達したことを検出する。
よって照射位置判別回路104は、主レーザ光照射位置がデータ未記録部分からデータ記録済部分との記録済境界位置に到達したことを論理「H」レベルへの立上りで示す照射位置判別信号S52を生成する。
そして照射位置判別回路104は、論理「H」レベルの照射位置判別信号S52を生成した直後に、第1及び第2のタイミング通知信号S57及びS58が共に論理「L」レベルになるため、この後、第2のタイミング通知信号S58が論理「H」レベルに立上るまでの間、論理「H」レベルの照射位置判別信号S52を生成し続ける。
また照射位置判別回路104は、第2のタイミング通知信号S58が論理「H」レベルに立上ると、その時点に主レーザ光照射位置がデータ記録済部分からデータ未記録部分との未記録境界位置に到達したことを検出する。
よって照射位置判別回路104は、主レーザ光照射位置がデータ記録済部分からデータ未記録部分との未記録境界位置に到達したことを論理「L」レベルへの立下りで示す照射位置判別信号S52を生成する。
そして照射位置判別回路104は、論理「L」レベルの照射位置判別信号S52を生成すると、その直後には第1及び第2のタイミング通知信号S57及びS58が共に論理「L」レベルになるため、この後、第1のタイミング通知信号S57が再び論理「H」レベルに立上るまでの間、論理「L」レベルの照射位置判別信号S52を生成し続ける。
すなわち、照射位置判別回路104は、主レーザ光LE1がトラックのデータ未記録部分に照射されている間、論理「L」レベルに立下り、トラックのデータ記録済部分に照射されている間は論理「H」レベルに立上るような照射位置判別信号S52を生成する。
そして照射位置判別回路104は、このようなトラックに対する主レーザ光照射位置を示す照射位置判別信号S52をゲイン供給部60に送出する。
ところで、照射位置判別回路104は、照射位置判別信号S52をリセット回路108にも送出している。
リセット回路108は、照射位置判別回路104から与えられる照射位置判別信号S52をイクスクルーシブオア回路112に直接取り込むと共に、遅延回路113を介して僅かに遅延させて遅延信号としてイクスクルーシブオア回路112に取り込む。
これによりリセット回路108は、イクスクルーシブオア回路112において照射位置判別信号S52及び遅延信号により、照射位置判別信号S52の論理レベルが変化するタイミングを論理「H」レベルへの立上りで示し、その立上りでカウント値をリセットさせるためのリセット信号を生成する。
すなわち、リセット回路108は、主レーザ光LE1の主レーザ光照射位置がトラックの未記録境界位置や記録済境界位置に到達するタイミング(主総和信号MS1の値が変化するタイミングでもある)を論理「H」レベルへの立上りで示すリセット信号を生成して、立上り検出カウンタ107に送出する。
かかる構成の第1の照射位置判別部100によれば、上述した第1の照射位置判別部50よりも簡易な構成で、2層LTHディスク2のL0記録層及び1層LTHディスク2の記録層に対する再生動作時に、トラックに対する主レーザ光照射位置を的確に判別することができる。
また第2の照射位置判別部70についても、先行副総和信号SS1を取り込む微分回路80の後段に、立上り検出回路81及び立下り検出回路82をそれぞれ設けるのではなく、これら立上り検出回路81及び立下り検出回路82を1つの回路で兼用するようにしても良い。
すなわち、かかる構成の第2の照射位置判別部では、微分回路80の後段に反転回路と共に、1つの立上り検出回路を設ける。
そして立上り検出回路は、第1の検出期間指示器78から与えられる検出期間指示信号S38が論理「H」レベルに立上るタイミングで微分回路80から直接、レベル変化検出信号S37を取り込む。
また立上り検出回路は、第2の検出期間指示器79から与えられる検出期間指示信号S40が論理「H」レベルに立上るタイミングで微分回路80からレベル変化検出信号S37を、反転回路を介して、値の立上り及び立下りを反転させたレベル反転信号として取り込む。
さらに立上り検出回路は、検出期間指示信号S38及びS40が共に論理「L」レベルに立下る間は、微分回路80から直接、及び反転回路を介して何ら信号を取り込まないようにする。
この状態で立上り検出回路は、レベル変化検出信号S37及びレベル反転信号の立上りのタイミングを検出して、当該検出した立上りのタイミングを論理「H」レベルへの立上りで示す立上り検出信号を生成して、照射位置判別回路に送出する。
そして照射位置判別回路は、初期設定の状態を基準にして立上り検出信号が論理「H」レベルに立上るタイミングで主レーザ光照射位置がデータ未記録部分とデータ記録済部分との何れであるかを判別して、その判別結果を照射位置判別信号としてゲイン供給部60に送出する。
このような構成の第2の照射位置判別部によれば、上述した第2の照射位置判別部70よりも簡易な構成で、2層LTHディスク2のL1記録層に対する再生動作時に、トラックに対する主レーザ光照射位置を的確に判別することができる。
(3−2)他の実施の形態2
また上述した実施の形態においては、光ピックアップ7において光ディスク2の所望のトラックTR2に主レーザ光LE1を照射したとき、主レーザ光LE1よりも先行する先行副レーザ光LE2を所望のトラックTR2と、これにディスク外周側で隣接する1つのトラックTR1との間隙部GA1に照射し、主レーザ光LE1よりも後行する後行副レーザ光LE3を所望のトラックTR2と、これにディスク内周側で隣接する1つのトラックTR3との間隙部GA2に照射するようにした場合について述べた。
また上述した実施の形態においては、光ピックアップ7において光ディスク2の所望のトラックTR2に主レーザ光LE1を照射したとき、主レーザ光LE1よりも先行する先行副レーザ光LE2を所望のトラックTR2と、これにディスク外周側で隣接する1つのトラックTR1との間隙部GA1に照射し、主レーザ光LE1よりも後行する後行副レーザ光LE3を所望のトラックTR2と、これにディスク内周側で隣接する1つのトラックTR3との間隙部GA2に照射するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、図39に示すように、光ピックアップ7において光ディスク2の所望のトラックTR31に主レーザ光LE10を照射したとき、主レーザ光LE10よりも先行する先行副レーザ光LE11を所望のトラックTR31と、これにディスク内周側で隣接する1つのトラックTR32との間隙部GA31に照射し、主レーザ光LE10よりも後行する後行副レーザ光LE12を所望のトラックTR31と、これにディスク外周側で隣接する1つのトラックTR30との間隙部GA30に照射するようにしても良い。
すなわち、かかる構成によれば、上述した実施の形態の場合とは逆に、主レーザ光LE10よりも先行副レーザ光LE11がディスク内周側に位置し、かつ後行副レーザ光LE12がディスク外周側に位置している。
このため、かかる構成によれば、1層LTHディスク2の記録層及び2層LTHディスク2のL0記録層に対する再生動作時、先行副総和信号SS1の値及び後行副総和信号SS2の値が、上述した実施の形態による2層LTHディスク2のL1記録層に対する再生動作時と同様に変化する。
また、かかる構成によれば、2層LTHディスク2のL1記録層に対する再生動作時、先行副総和信号SS1の値が、上述した実施の形態による1層LTHディスク2の記録層及び2層LTHディスク2のL0記録層に対する再生動作時と同様に変化する。
よって、かかる構成では、1層LTHディスク2の記録層及び2層LTHディスク2のL0記録層に対する再生動作時、上述した実施の形態による2層LTHディスク2のL1記録層に対する再生動作時と同様の照射位置判別アルゴリズム(すなわち、第2の照射位置判別部70)によって主レーザ光照射位置を判別することができる。
また、かかる構成では、2層LTHディスク2のL1記録層に対する再生動作時、上述した実施の形態による1層LTHディスク2の記録層及び2層LTHディスク2のL0記録層に対する再生動作時と同様の照射位置判別アルゴリズム(すなわち、第1の照射位置判別部50)によって主レーザ光照射位置を判別することができる。
これにより、かかる構成によっても、上述した実施の形態と同様の効果を得ることができる。
(3−3)他の実施の形態3
さらに上述した実施の形態においては、2層LTHディスク2がデータ記録済みの光ディスク2であると、L0記録層のデータ記録済部分及びL1記録層のデータ記録済部分にそれぞれ主レーザ光LE1を照射するようにして、L0記録層用の第2の補正ゲイン及びL1記録層用の第2の補正ゲインを算出し設定するようにした場合について述べた。
さらに上述した実施の形態においては、2層LTHディスク2がデータ記録済みの光ディスク2であると、L0記録層のデータ記録済部分及びL1記録層のデータ記録済部分にそれぞれ主レーザ光LE1を照射するようにして、L0記録層用の第2の補正ゲイン及びL1記録層用の第2の補正ゲインを算出し設定するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、光ディスク装置1では、2層LTHディスク2において例えば、L0記録層のデータ記録領域のみにデータが記録されていると、当該L0記録層におけるデータ記録領域のトラックのデータ記録済部分に主レーザ光LE1を照射するようにして、L0記録層用の第2の補正ゲインを算出し設定する。
そして光ディスク装置1では、L1記録層の第2の補正ゲインを、上述したブランクディスクの場合と同様にして算出し設定するようにしても良い。
また光ディスク装置1では、2層LTHディスク2において例えば、L1記録層のデータ記録領域のみにデータが記録されていると、当該L1記録層におけるデータ記録領域のトラックのデータ記録済部分に主レーザ光LE1を照射するようにして、L1記録層用の第2の補正ゲインを算出し設定する。
そして光ディスク装置1では、L0記録層用の第2の補正ゲインを、上述したブランクディスクの場合と同様にして算出し設定するようにしても良い。
かかる構成によれば、上述した実施の形態と同様に、2層LTHディスク2に対する再生動作時、当該2層LTHディスク2の形成精度のばらつき等を考慮した第2の補正ゲインにより、トラッキングエラー信号の振幅を精度良く補正することができる。
さらに光ディスク装置では、2層LTHディスク2においてL0記録層及びL1記録層の何れか一方のデータ記録領域のみにデータが記録されていると、当該データの記録されている一方のL0記録層又はL1記録層のトラックのデータ記録済部分に主レーザ光LE1を照射するようにして、当該一方のL0記録層用又はL1記録層用の第2の補正ゲインを算出し設定する。
そして光ディスク装置1では、、一方のL0記録層用又はL1記録層用の第2の補正ゲインを他方のL1記録層用又はL0記録層用として兼用するようにしても良い。
かかる構成によれば、第2の補正ゲインの設定処理を簡易化することができると共に、その設定に要する時間を短縮することもできる。
ただし、かかる構成においては、一方のL0記録層用又はL1記録層用の第2の補正ゲインを他方のL1記録層用又はL0記録層用として兼用しても、当該他方のL1記録層又はL0記録層に対し実際にデータを記録すると、その際に、当該他方のL1記録層用又はL0記録層用の第2の補正ゲインを算出する。
そして、かかる構成によれば、他方のL1記録層用又はL0記録層用に対する再生動作時には、それまで他方のL1記録層用又はL0記録層用として使用していた一方のL0記録層用又はL1記録層用の第2の補正ゲインに代えて、当該他方のL1記録層用又はL0記録層用に新たに算出した第2の補正ゲインを用いる。
これにより、かかる構成によれば、例えば、他方のL1記録層用又はL0記録層用に対し複数のデータを順次記録するような場合、1つ目のデータの記録が完了した以降は、トラッキングエラー信号に対する補正精度を向上させることができる。
ところで、光ディスク装置1では、光ピックアップ7をディスク半径方向へ徐々に移動させながら、LTHディスク2のトラックを主レーザ光LE1で走査し、その際の主総和信号MS1の値の変化に応じてデータ未記録部分とデータ記録済部分とを判別する。
そして光ディスク装置1では、かかる判別結果に応じて光ピックアップ7の移動を停止させることにより、トラックのデータ未記録部分に主レーザ光LE1を照射させ続けるようにして、未記録振幅平均値を算出する。
同様に光ディスク装置1では、その判別結果に応じて光ピックアップ7の移動を停止させることにより、トラックのデータ記録済部分に主レーザ光LE1を照射させ続けるようにして、記録済振幅平均値を算出する。
このようにして光ディスク装置1では、その未記録振幅平均値及び記録済振幅平均値に基づき第2の補正ゲインを算出するようにしても良い。
これに加えて光ディスク装置1では、LTHディスク2のトラックのデータ未記録部分でトラッキングの引き込みを行い、当該トラッキングの引き込みを行ったデータ未記録部分の近傍でトラックジャンプ動作を繰り返し行いながら、未記録振幅平均値を算出する。
同様に光ディスク装置1では、LTHディスク2のトラックのデータ記録済部分でトラッキングの引き込みを行い、当該トラッキングの引き込みを行ったデータ記録済部分の近傍でトラックジャンプ動作を繰り返し行いながら、記録済振幅平均値を算出する。
そして光ディスク装置1では、その未記録振幅平均値及び記録済振幅平均値に基づき第2の補正ゲインを算出するようにしても良い。
かかる構成によっても、上述した実施の形態と同様に、LTHディスク2に対する再生動作時、当該LTHディスク2の形成精度のばらつき等を考慮した第2の補正ゲインにより、トラッキングエラー信号の振幅を精度良く補正することができる。
(3−4)他の実施の形態4
さらに上述した実施の形態においては、光ディスク装置1にLTHディスク2が装填されたときや、当該光ディスク装置1がLTHディスク2の装填された状態で起動したときに、第2の補正ゲインを算出して設定しておくようにした場合について述べた。
さらに上述した実施の形態においては、光ディスク装置1にLTHディスク2が装填されたときや、当該光ディスク装置1がLTHディスク2の装填された状態で起動したときに、第2の補正ゲインを算出して設定しておくようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば、光ディスク2のデータ記録面に対する主レーザ光LE1及び先行副レーザ光LE2並びに後行副レーザ光LE3の照射位置の位置関係が上述した実施の形態と同様で、かつ光ピックアップ7をディスク外周方向へ移動させるような構成において、例えば、1層LTHディスク2に対する再生動作時、主レーザ光照射位置がデータ未記録部分からデータ記録済部分との記録済境界位置に到達したことを検出する毎に、第2の補正ゲインを算出してトラッキングエラー信号の補正に利用するようにしても良い。
すなわち、かかる構成においては、データ未記録部分での主レーザ光LE1の反射率に対するデータ記録済部分での主レーザ光LE1の反射率の比率が、振幅変化率に反比例することを利用する。
ただし、かかる構成においては、1層LTHディスク2に対する再生動作時、主レーザ光照射位置がデータ未記録部分からデータ記録済部分との記録済境界位置に到達したことを検出する毎に、トラックにおける主レーザ光LE1の反射率を反映させた主総和信号MS1の値の変化を利用して第2の補正ゲインを算出したのでは、その算出等に要する時間により、主レーザ光照射位置がデータ記録済部分に変位した後に、第1の補正ゲインを第2の補正ゲインに切り換えることなる。
このため、かかる構成においては、第2の補正ゲインの算出に要する時間を考慮して、当該第2の補正ゲインの算出に対し主総和信号MS1に代えて、先行副総和信号SS1及び後行副総和信号SS2を利用する。
すなわち、かかる構成においては、1層LTHディスク2に対する再生動作時、主レーザ光照射位置がデータ未記録部分からデータ記録済部分との記録済境界位置に到達したことを検出する毎に、その時点に2段目の増加を遂げた先行副総和信号SS1の値を、全く増加してはいない後行副総和信号SS2の値で除算し、得られた除算結果の逆数を第2の補正ゲインとして算出する。
そして、かかる構成においては、このようにして1層LTHディスク2に対する再生動作時、主レーザ光照射位置がデータ未記録部分からデータ記録済部分との記録済境界位置に到達したことを検出する毎に、その算出した第2の補正ゲインをそのままトラッキングエラー信号の補正に利用する。
このようにして、かかる構成では、1層LTHディスク2に対する再生動作時、主レーザ光照射位置がデータ未記録部分からデータ記録済部分との記録済境界位置に到達することに合せて、第1の補正ゲインを第2の補正ゲインに切り換えることができる。
よって、かかる構成によれば、1層LTHディスク2に対する再生動作時、主レーザ光照射位置がデータ未記録部分からデータ記録済部分との記録済境界位置を通過しても、トラッキングエラー信号の振幅の変動を十分に小さくすることができる。
また、かかる構成によれば、1層LTHディスク2に対する再生動作時、主レーザ光照射位置がデータ未記録部分からデータ記録済部分へと変位する毎に、トラッキングエラー信号の補正に利用する第2の補正ゲインを算出している。
これにより、かかる構成によれば、例えば、レーザ光の記録用の出力の違いに起因して、データ記録済部分毎に主レーザ光LE1の反射率にばらつきが生じ、その結果、トラッキングエラー信号の振幅変化率が一定ではない場合でも、トラッキングエラー信号を的確に補正することができる。
因みに、かかる構成については、2層以上の多層LTHディスクをデータの記録再生に用いる場合であっても、記録層毎の光ピックアップ7の移動方向が全てディスク外周方向であると、当該2層以上の多層LTHディスクに対する再生動作時にも適用することができる。
また、かかる構成については、2層LTHディスク2のL0記録層に対する再生動作時にも適用することができる。
さらに、かかる構成については、2層以上の多層LTHディスクにおいて、記録層毎に光ピックアップ7の移動方向が異なっていても、当該光ピックアップ7をディスク外周方向へ移動させる記録層に対する再生動作時に適用することもできる。
これに加えて光ディスク装置1では、LTHディスク2に対しデータを記録し又は再生する毎に、第2の補正ゲインを算出して設定するのではなく、例えば、工場出荷時、適宜推定された第2の補正ゲインを第1の補正ゲインと共にゲイン保持部61に保持させておくようにしても良い。
(3−5)他の実施の形態5
さらに上述した実施の形態においては、光ディスク装置1においてLTHディスク2に対する再生動作時にトラッキングエラー信号を補正するようにした場合について述べた。
さらに上述した実施の形態においては、光ディスク装置1においてLTHディスク2に対する再生動作時にトラッキングエラー信号を補正するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、光ディスク装置では、LTHディスク2であるか否かにかかわらずに(すなわち、HTLディスク2であっても)、データ記録面に設けられたトラックのデータ未記録部分及びデータ記録済部分の一方よりも他方の反射率が大幅に高い光ディスク2として、トラックのデータ未記録部分に主レーザ光LE1を照射して生成したトラッキングエラー信号の振幅と、当該トラックのデータ記録済部分に主レーザ光LE1を照射して生成したトラッキングエラー信号の振幅とが±3〔dB〕以上変化する光ディスク(以下、これを振幅変化率が±3〔dB〕以上の光ディスクとも呼ぶ)に対する再生動作時にトラッキングエラー信号を補正するようにしても良い。
かかる構成の場合、光ディスク装置では、振幅変化率が±3〔dB〕以上の光ディスクに対し予め、データ未記録部分及びデータ記録済部分それぞれに主レーザ光LE1を照射して生成したトラッキングエラー信号の振幅が±3〔dB〕以上変化することが規格上許容されていることを示す情報が種別情報として記録されていると、その種別情報に基づいて当該振幅変化率が±3〔dB〕以上の光ディスクを判別することができる。
また、かかる構成の場合、光ディスク装置では、上述した実施の形態と同様に光ディスク2のデータ記録面に主レーザ光LE1を照射しながら振幅変化率を算出し、当該算出した振幅変化率により、その光ディスク2が、振幅変化率が±3〔dB〕以上の光ディスクであるか否かを判別することもできる。
さらに、かかる構成の場合、光ディスク装置では、上述したように、光ディスクのトラックに対する主レーザ光照射位置がデータ未記録部分からデータ記録済部分との記録済境界位置に到達したことを検出する毎に第2の補正ゲインを算出する。
そしてかかる光ディスク装置では、その第2の補正ゲインを第1の補正ゲイン(すなわち、「1」の値)と比較し、その結果、第2の補正ゲインが第1の補正ゲインに比べて±3〔dB〕以上異なる場合に、当該第2の補正ゲインをそのまま用いてトラッキングエラー信号を補正するようにしても良い。
因みに、かかる構成の光ディスク装置では、第2の補正ゲインと第1の補正ゲインとの差が±3〔dB〕よりも小さい場合、トラッキングエラー信号を補正しないようにすることもできる。
かかる構成によれば、光ディスクのトラックに対する主レーザ光照射位置がデータ未記録部分からデータ記録済部分との記録済境界位置に到達したことを検出する毎に、再生動作に用いる光ディスクが、振幅変化率が±3〔dB〕以上の光ディスクであるか否かを判別している。
よって、かかる構成によれば、振幅変化率が±3〔dB〕以上の光ディスクに対する再生動作時には、事前にその光ディスクを判別していなくても、トラッキングエラー信号を的確に補正することができる。
また、かかる構成によれば、例えば、レーザ光の記録用の出力の違いに起因して、データ記録済部分毎に主レーザ光LE1の反射率にばらつきが生じ、その結果、トラッキングエラー信号の振幅変化率が一定ではない場合でも、トラッキングエラー信号の振幅変化率が±3〔dB〕以上となるときには、そのトラッキングエラー信号を的確に補正することができる。
さらに、かかる構成によれば、例えば、LTHディスクであっても、振幅変化率が±3〔dB〕よりも小さいLTHディスクに対する再生動作時には、トラッキングエラー信号を必要以上に振幅を大きくするように補正することを回避することができる。
よって、かかる構成によれば、振幅変化率が±3〔dB〕よりも小さいLTHディスクに対する再生動作時にも、主レーザ光LE1のトラッキングを的確に制御することができる。
(3−6)他の実施の形態6
さらに上述した実施の形態においては、1層LTHディスク2の記録層及び2層LTHディスク2のL0記録層に対する再生動作時、先行副総和信号SS1の値の変化(すなわち、増加や減少)を検出し、その検出結果に基づいて主レーザ光照射位置を判別するようにした場合について述べた。
さらに上述した実施の形態においては、1層LTHディスク2の記録層及び2層LTHディスク2のL0記録層に対する再生動作時、先行副総和信号SS1の値の変化(すなわち、増加や減少)を検出し、その検出結果に基づいて主レーザ光照射位置を判別するようにした場合について述べた。
また上述した実施の形態においては、2層LTHディスク2のL1記録層に対する再生動作時、先行副総和信号SS1及び後行副総和信号SS2の値の変化(すなわち、増加や減少)を検出し、その検出結果に基づいて主レーザ光照射位置を判別するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、光ディスク装置1では、1層LTHディスク2の記録層及び2層LTHディスク2のL0記録層に対する再生動作時、先行副総和信号SS1の値の1段目の変化から2段目の変化までに、LTHディスク2がほぼ1回転している。
このため光ディスク装置1では、1層LTHディスク2の記録層及び2層LTHディスク2のL0記録層に対する再生動作時、先行副総和信号SS1の値の1段目の変化を検出した時点から、2段目の値の変化の検出を有効にする検出有効時間を、LTHディスク2がほぼ1回転する時間(すなわち、1回転時間±Δt)として設定する。
そして光ディスク装置1では、1層LTHディスク2の記録層及び2層LTHディスク2のL0記録層に対する再生動作時、先行副総和信号SS1の値の1段目の変化を検出した時点から検出有効時間内に2段目の値の変化を検出すると、その検出結果に基づいて主レーザ光照射位置を判別する。
また光ディスク装置1では、1層LTHディスク2の記録層及び2層LTHディスク2のL0記録層に対する再生動作時、先行副総和信号SS1の値の1段目の変化を検出した時点から検出有効時間内に2段目の値の変化を検出しないと、1段目の値の変化の検出を誤検出として無効にする。
一方、光ディスク装置1では、2層LTHディスク2のL1記録層に対する再生動作時、後行副総和信号SS2の値の1段目の変化から先行副総和信号SS1の値の1段目の変化までに、LTHディスク2がほぼ1回転している。
このため光ディスク装置1では、2層LTHディスク2のL1記録層に対する再生動作時、後行副総和信号SS2の値の1段目の変化を検出した時点から、先行副総和信号SS1の値の1段目の変化の検出を有効にする検出有効時間も、LTHディスク2がほぼ1回転する時間(すなわち、1回転時間±Δt)として設定する。
そして光ディスク装置1では、2層LTHディスク2のL1記録層に対する再生動作時、後行副総和信号SS2の値の1段目の変化を検出した時点から検出有効時間内に先行副総和信号SS1の値の1段目の変化を検出すると、その検出結果に基づいて主レーザ光照射位置を判別する。
また光ディスク装置1では、2層LTHディスク2のL1記録層に対する再生動作時、後行副総和信号SS2の値の1段目の変化を検出した時点から検出有効時間内に先行副総和信号SS1の値の1段目の変化を検出しないと、当該後行副総和信号SS2の値の1段目の変化の検出を誤検出として無効にする。
かかる構成によれば、光ディスク装置1では、先行副総和信号SS1及び後行副総和信号SS2の値の変化の検出に検出有効時間を利用することにより、ノイズ等に起因する先行副総和信号SS1及び後行副総和信号SS2の値の変化の誤検出を防止することができる。
また光ディスク装置1では、光ディスク2のデータ記録面に対する主レーザ光LE1及び先行副レーザ光LE2並びに後行副レーザ光LE3の照射位置の位置関係が図39について上述したような場合でも、1層LTHディスク2の記録層及び2層LTHディスク2のL0記録層に対する再生動作時、後行副総和信号SS2の値の1段目の変化から先行副総和信号SS1の値の1段目の変化までに、LTHディスク2がほぼ1回転している。
このため光ディスク装置1では、1層LTHディスク2の記録層及び2層LTHディスク2のL0記録層に対する再生動作時、後行副総和信号SS2の値の1段目の変化を検出した時点から、先行副総和信号SS1の値の1段目の変化の検出を有効にする検出有効時間を、LTHディスク2がほぼ1回転する時間(すなわち、1回転時間±Δt)として設定する。
そして光ディスク装置1では、1層LTHディスク2の記録層及び2層LTHディスク2のL0記録層に対する再生動作時、後行副総和信号SS2の値の1段目の変化を検出した時点から検出有効時間内に先行副総和信号SS1の値の1段目の変化を検出すると、その検出結果に基づいて主レーザ光照射位置を判別する。
また光ディスク装置1では、1層LTHディスク2の記録層及び2層LTHディスク2のL0記録層に対する再生動作時、後行副総和信号SS2の値の1段目の変化を検出した時点から検出有効時間内に先行副総和信号SS1の値の1段目の変化を検出しないと、当該後行副総和信号SS2の1段目の値の変化の検出を誤検出として無効にする。
一方、かかる光ディスク装置1では、2層LTHディスク2のL1記録層に対する再生動作時、先行副総和信号SS1の値の1段目の変化から2段目の変化までに、LTHディスク2がほぼ1回転している。
このため光ディスク装置1では、2層LTHディスク2のL1記録層に対する再生動作時、先行副総和信号SS1の値の1段目の変化を検出した時点から、2段目の値の変化の検出を有効にする検出有効時間も、LTHディスク2がほぼ1回転する時間(すなわち、1回転時間±Δt)として設定する。
そして光ディスク装置1では、2層LTHディスク2のL1記録層に対する再生動作時、先行副総和信号SS1の値の1段目の変化を検出した時点から検出有効時間内に2段目の値の変化を検出すると、その検出結果に基づいて主レーザ光照射位置を判別する。
また光ディスク装置1では、2層LTHディスク2のL1記録層に対する再生動作時、先行副総和信号SS1の値の1段目の変化を検出した時点から検出有効時間内に2段目の値の変化を検出しないと、1段目の値の変化の検出を誤検出として無効にする。
よって、かかる構成の光ディスク装置1についても、先行副総和信号SS1及び後行副総和信号SS2の値の変化の検出に検出有効時間を利用することにより、ノイズ等に起因する先行副総和信号SS1及び後行副総和信号SS2の値の変化の誤検出を防止することができる。
ところで、光ディスク装置1では、1層LTHディスク2の記録層及び2層LTHディスク2のL0記録層に対する再生動作時、主レーザ光照射位置がデータ未記録部分及びデータ記録済部分の一方から他方へ変位するとき、先行副総和信号SS1の値が2回変化している。
また光ディスク装置1では、2層LTHディスク2のL1記録層に対する再生動作時、主レーザ光照射位置がデータ未記録部分及びデータ記録済部分の一方から他方へ変位するとき、後行副総和信号SS2の値が1回変化した後、先行副総和信号SS1の値も1回変化している。
このため光ディスク装置1では、1層LTHディスク2の記録層及び2層LTHディスク2のL0記録層に対する再生動作時、先行副総和信号SS1の増加を2回検出した時点に主レーザ光照射位置がデータ未記録部分からデータ記録済部分との記録済境界位置に到達したことを検出する。
また光ディスク装置1では、1層LTHディスク2の記録層及び2層LTHディスク2のL0記録層に対する再生動作時、先行副総和信号SS1の減少を2回検出した時点に主レーザ光照射位置がデータ記録済部分からデータ未記録部分との未記録境界位置に到達したことを検出する。
一方、光ディスク装置1では、2層LTHディスク2のL1記録層に対する再生動作時、後行副総和信号SS2の増加を1回検出した後、先行副総和信号SS1の増加を1回検出した時点に主レーザ光照射位置がデータ未記録部分からデータ記録済部分との記録済境界位置に到達したことを検出する。
また光ディスク装置1では、2層LTHディスク2のL1記録層に対する再生動作時、後行副総和信号SS2の減少を1回検出した後、先行副総和信号SS1の減少を1回検出した時点に主レーザ光照射位置がデータ記録済部分からデータ未記録部分との未記録境界位置に到達したことを検出する。
このようにして、かかる光ディスク装置1では、1層LTHディスク2及び2層LTHディスク2に対する再生動作時、記録層には関係せずに、先行副総和信号SS1及び後行副総和信号SS2の増加を合計で2回検出した時点に主レーザ光照射位置がデータ未記録部分からデータ記録済部分との記録済境界位置に到達したことを検出することもできる。
また、かかる光ディスク装置1では、1層LTHディスク2及び2層LTHディスク2に対する再生動作時、記録層には関係せずに、先行副総和信号SS1及び後行副総和信号SS2の減少を合計で2回検出した時点に主レーザ光照射位置がデータ記録済部分からデータ未記録部分との未記録境界位置に到達したことを検出することもできる。
かかる構成により光ディスク装置1では、LTHディスク2の種類や記録層の位置にかかわらずに、同一の照射位置判別アルゴリズムに従ってトラックに対する主レーザ光照射位置を判別することができる。
よって、かかる構成の光ディスク装置1によれば、補正ゲイン切換部46に対し、1つの照射位置判別部のみを設けるだけの簡易な構成で、トラックに対する主レーザ光照射位置を判別することができる。
また、かかる構成の光ディスク装置1によれば、データを記録再生するLTHディスク2の種類や記録層に応じて、照射位置判別アルゴリズムを切り換える必要もないため、処理を簡易化することもできる。
これに加えて光ディスク装置1では、LTHディスク2に対する再生動作時、先行副反射光LR2の光量や後行副反射光LR3の光量が1回変化した時点から、当該LTHディスク2がほぼ1回転すると、主レーザ光照射位置がトラックの未記録境界位置や記録済境界位置に到達している。
よって光ディスク装置1では、LTHディスク2に対する再生動作時、先行副総和信号SS1の値や後行副総和信号SS2の値の1段目の変化を検出した時点から、当該LTHディスク2がほぼ1回転する時間(すなわち、1回転時間±Δt)を計測して主レーザ光照射位置がトラックの未記録境界位置や記録済境界位置に到達したことを検出するようにしても良い。
かかる構成によれば、LTHディスク2の種類やデータ記録再生用の記録層の位置にかかわらずに、同一の照射位置判別アルゴリズムで主レーザ光照射位置を判別することができる。
ここで、以下には、図40乃至図52に示すフローチャートを用いて、上述した振幅変化率が±3〔dB〕以上の光ディスクに対するデータ記録再生処理について説明する。
ただし、以下には、再生動作時、上述した先行副総和信号SS1及び後行副総和信号SS2の増加を合計で2回検出し、また減少を合計で2回検出した検出結果に応じてトラックに対する主レーザ光照射位置を判別する場合を例にして説明する。
システムコントローラは、光ディスク装置に対し動作中に光ディスク2が装填され、又は光ディスク装置が光ディスク2の装填された状態で起動すると、図22及び図23との対応部分に同一符号を付した図40及び図41に示すデータ記録再生処理手順RT2を開始する。
システムコントローラは、かかるデータ記録再生処理手順RT2を開始すると、ステップSP1及びステップSP2の処理を順次実行した後、次のステップSP200に移る。
ステップSP200においてシステムコントローラは、このとき光ディスク装置に装填されている光ディスク2が片面1層式の光ディスク2であるか否かを判別する。
このステップSP200において肯定結果が得られると、このことは、このとき光ディスク装置に対しデータの記録再生用に、片面1層式の光ディスク2が装填されていることを表している。
そしてシステムコントローラは、このステップSP200において、かかる肯定結果を得ると、次のステップSP5に移る。
そしてシステムコントローラは、ステップSP5の処理を実行した後、次のステップSP6において肯定結果を得ると、ステップSP201に移る。
ステップSP201においてシステムコントローラは、ブランクディスクである片面1層式の光ディスク2に対する再生動作時にトラッキングエラー信号の補正に用いる第2の補正ゲインを設定する1層未記録用補正ゲイン設定処理を実行する。
そしてシステムコントローラは、かかる1層未記録用補正ゲイン設定処理が終了すると、次のステップSP8に移る。
これに対してシステムコントローラは、ステップSP6において否定結果を得ると、ステップSP202に移る。
ステップSP202においてシステムコントローラは、すでにデータの記録されている片面1層式の光ディスク2に対する再生動作時にトラッキングエラー信号の補正に用いる第2の補正ゲインを設定する1層記録済用補正ゲイン設定処理を実行する。
そしてシステムコントローラは、かかる1層記録済用補正ゲイン設定処理が終了すると、ステップSP8に移る。
またステップSP200において否定結果が得られると、このことは、このとき光ディスク装置に対しデータの記録再生用に、片面2層式の光ディスク2が装填されていることを表している。
そしてシステムコントローラは、このステップSP200において、かかる否定結果を得ると、ステップSP10に移る。
そしてシステムコントローラは、ステップSP10の処理を実行した後、次のステップSP11において肯定結果を得ると、次のステップSP203に移る。
ステップSP203においてシステムコントローラは、ブランクディスクである片面2層式の光ディスク2に対する再生動作時にトラッキングエラー信号の補正に用いる第2の補正ゲインを設定する2層未記録用補正ゲイン設定処理を実行する。
そしてシステムコントローラは、かかる2層未記録用補正ゲイン設定処理が終了すると、ステップSP8に移る。
これに対してシステムコントローラは、ステップSP11において否定結果を得ると、ステップSP204に移る。
ステップSP204においてシステムコントローラは、すでにデータの記録されている片面2層式の光ディスク2に対する再生動作時にトラッキングエラー信号の補正に用いる第2の補正ゲインを設定する2層記録済用補正ゲイン設定処理を実行する。
そしてシステムコントローラは、かかる2層記録済用補正ゲイン設定処理が終了すると、ステップSP8の処理を実行した後、次のステップSP205に移る。
ステップSP205においてシステムコントローラは、この際、例えばトラッキングエラー信号生成回路において生成された主総和信号MS1の値に基づき、光ディスク2のデータ記録面において主レーザ光照射位置がトラックのデータ未記録部分であるか否かを判別する。
このステップSP205において肯定結果が得られると、このことは、データの記録又は再生を開始するために、光ディスク2のデータ記録面において主レーザ光LE1をトラックのデータ未記録部分に照射していることを表している。
そしてシステムコントローラは、ステップSP205において、かかる肯定結果を得ると、次のステップSP206に移る。
ステップSP206においてシステムコントローラは、補正ゲイン切換部により照射位置判別部に対し、主レーザ光照射位置がデータ未記録部分であると判別させるように初期設定させて、次のステップSP207に移る。
ステップSP207においてシステムコントローラは、光ディスク2のデータ記録面に対するデータの記録再生の際の再生動作を開始する。
またシステムコントローラは、再生動作の間、照射位置判別部及びゲイン供給部並びに信号補正部において主レーザ光照射位置を判別しながら、その照射位置判別結果に応じてトラッキングエラー信号を補正する信号補正処理を実行する。
そしてシステムコントローラは、光ディスク2のデータ記録面に対する再生動作が終了すると、信号補正処理を終了させて、次のステップSP208に移る。
ステップSP208においてシステムコントローラは、光ディスク2のデータ記録面に対するデータの記録再生を終了するか否かを判別する。
このステップSP208において肯定結果が得られると、このことは、例えば、コンピュータ装置PCにより光ディスク2のデータ記録面に対するデータの記録再生の終了が指示されたことを表している。
よってシステムコントローラは、ステップSP208において、かかる肯定結果を得ると、次のステップSP209に移ってデータ記録再生処理手順RT2を終了する。
ところで、上述のステップSP205において否定結果が得られると、このことは、データの記録又は再生を開始するために、光ディスク2のデータ記録面において主レーザ光LE1をトラックのデータ記録済部分に照射していることを表している。
そしてシステムコントローラは、ステップSP205において、かかる否定結果を得ると、ステップSP210に移る。
ステップSP210においてシステムコントローラは、補正ゲイン切換部により照射位置判別部に対し、主レーザ光照射位置がデータ記録済部分であると判別させるように初期設定させて、次のステップSP211に移る。
ステップSP211においてシステムコントローラは、光ディスク2のデータ記録面に対するデータの記録再生の際の再生動作を開始する。
またシステムコントローラは、再生動作の間、照射位置判別部及びゲイン供給部並びに信号補正部において主レーザ光照射位置を判別しながら、その照射位置判別結果に応じてトラッキングエラー信号を補正する信号補正処理を実行する。
そしてシステムコントローラは、光ディスク2のデータ記録面に対する再生動作が終了すると、信号補正処理を終了させて、次のステップSP212に移る。
ステップSP212においてシステムコントローラは、光ディスク2のデータ記録面に対するデータの記録再生を終了するか否かを判別する。
このステップSP212において肯定結果が得られると、このことは、例えば、コンピュータ装置PCにより光ディスク2のデータ記録面に対するデータの記録再生の終了が指示されたことを表している。
よってシステムコントローラは、ステップSP212において、かかる肯定結果を得ると、ステップSP209に移ってデータ記録再生処理手順RT2を終了する。
因みに、システムコントローラは、光ディスク2のデータ記録面にデータを記録する際の再生動作中に例えば、コンピュータ装置から記録命令と共に記録対象のデータが与えられると、その再生動作を一旦終了させる。
そしてシステムコントローラは、光ディスク2のデータ記録面に、その記録対象のデータを実際に記録し、当該記録が完了すると、ステップSP205に戻り、ステップSP206乃至ステップSP208の処理又はステップSP210乃至ステップSP212の処理を順次実行している。
また、上述したステップSP208及びステップSP212において否定結果が得られると、このことは、例えば、コンピュータ装置PCにより他のデータの記録又は再生用に、新たなデータ記録開始位置又はデータ再生開始位置が指示されたことを表している。
そしてシステムコントローラは、ステップSP208及びステップSP212において、かかる否定結果を得ると、ステップSP8に戻る。
これによりシステムコントローラは、この後、ステップSP208及びステップSP212において肯定結果を得るまでの間、コンピュータ装置PCからデータの記録再生が指示される毎にステップSP8乃至ステップSP212の処理を循環的に繰り返し実行する。
ところで、システムコントローラは、上述したステップSP201に移ると、図24との対応部分に同一符号を付した図42に示す1層未記録用補正ゲイン設定処理サブルーチンSRT20を開始する。
システムコントローラは、かかる1層未記録用補正ゲイン設定処理サブルーチンSRT20を開始すると、ステップSP40乃至ステップSP45の処理を順次実行した後、次のステップSP220に移る。
ステップSP220においてシステムコントローラは、記録済振幅平均値を未記録振幅平均値で除算するようにして振幅変化率を算出した後、その振幅変化率の逆数を第2の補正ゲインとして算出して、次のステップSP221に移る。
ステップSP221においてシステムコントローラは、その振幅変化率に応じて、このとき光ディスク装置に装填されている片面1層式の光ディスク2が、振幅変化率が±3〔dB〕以上の光ディスク2であるか否かを判別する。
このステップSP221において肯定結果が得られると、このことは、このとき光ディスク装置に装填されている片面1層式の光ディスク2が、トラッキングエラー信号の補正を要する(振幅変化率が±3〔dB〕以上の)光ディスク2であることを表している。
そしてシステムコントローラは、ステップSP221において、かかる肯定結果を得ると、次のステップSP222に移る。
ステップSP222においてシステムコントローラは、その算出した第2の補正ゲインを第1の補正ゲインと共にゲイン供給部のゲイン保持部に送出して保持させて、次のステップSP47に移る。
そしてシステムコントローラは、ステップSP47の処理を実行した後、次のステップSP223に移り、1層未記録用補正ゲイン設定処理サブルーチンSRT20を終了して、上述したステップSP8に移る。
ところで、上述のステップSP221において否定結果が得られると、このことは、このとき光ディスク装置に装填されている片面1層式の光ディスク2が、トラッキングエラー信号の補正を要さない(振幅変化率が±3〔dB〕より低い)光ディスク2であることを表している。
そしてシステムコントローラは、ステップSP221において、かかる否定結果を得ると、1層未記録用補正ゲイン設定処理サブルーチンSRT20を抜けてステップSP224に移る。
よってステップSP224においてシステムコントローラは、振幅変化率の低い光ディスク2に対応するデータ記録再生時のトラッキングエラー信号生成処理を実行した後、ステップSP209に移る。
またシステムコントローラは、上述したステップSP202に移ると、図25との対応部分に同一符号を付した図43に示す1層記録済用補正ゲイン設定処理サブルーチンSRT21を開始する。
システムコントローラは、かかる1層記録済用補正ゲイン設定処理サブルーチンSRT21を開始すると、ステップSP50乃至ステップSP54の処理を順次実行した後、次のステップSP230に移る。
ステップSP230においてシステムコントローラは、記録済振幅平均値を未記録振幅平均値で除算するようにして振幅変化率を算出した後、その振幅変化率の逆数を第2の補正ゲインとして算出して、次のステップSP231に移る。
ステップSP231においてシステムコントローラは、その振幅変化率に応じて、このとき光ディスク装置に装填されている片面1層式の光ディスク2が、振幅変化率が±3〔dB〕以上の光ディスク2であるか否かを判別する。
このステップSP231において肯定結果が得られると、このことは、このとき光ディスク装置に装填されている片面1層式の光ディスク2が、トラッキングエラー信号の補正を要する(振幅変化率が±3〔dB〕以上の)光ディスク2であることを表している。
そしてシステムコントローラは、ステップSP231において、かかる肯定結果を得ると、次のステップSP232に移る。
ステップSP232においてシステムコントローラは、その算出した第2の補正ゲインを第1の補正ゲインと共にゲイン供給部のゲイン保持部に送出して保持させて、次のステップSP56に移る。
そしてシステムコントローラは、ステップSP56の処理を実行した後、次のステップSP233に移り、1層記録済用補正ゲイン設定処理サブルーチンSRT21を終了して、上述したステップSP8に移る。
ところで、上述のステップSP231において否定結果が得られると、このことは、このとき光ディスク装置に装填されている片面1層式の光ディスク2が、トラッキングエラー信号の補正を要さない(振幅変化率が±3〔dB〕より低い)光ディスク2であることを表している。
よってシステムコントローラは、ステップSP231において、かかる否定結果を得ると、1層記録済用補正ゲイン設定処理サブルーチンSRT21を抜けてステップSP224に移る。
さらにシステムコントローラは、上述したステップSP203に移ると、図26との対応部分に同一符号を付した図44及び図45に示す2層未記録用補正ゲイン設定処理サブルーチンSRT22を開始する。
システムコントローラは、かかる2層未記録用補正ゲイン設定処理サブルーチンSRT22を開始すると、ステップSP60乃至ステップSP65の処理を順次実行した後、次のステップSP240に移る。
ステップSP240においてシステムコントローラは、記録済振幅平均値を未記録振幅平均値で除算するようにして振幅変化率を算出した後、その振幅変化率の逆数をL0記録層用の第2の補正ゲインとして算出して、次のステップSP241に移る。
ステップSP241においてシステムコントローラは、その振幅変化率に応じて、このとき光ディスク装置に装填されている片面2層式の光ディスク2が、振幅変化率が±3〔dB〕以上の光ディスク2であるか否かを判別する。
このステップSP241において肯定結果が得られると、このことは、このとき光ディスク装置に装填されている片面2層式の光ディスク2が、トラッキングエラー信号の補正を要する(振幅変化率が±3〔dB〕以上の)光ディスク2であることを表している。
そしてシステムコントローラは、ステップSP241において、かかる肯定結果を得ると、次のステップSP242に移る。
ステップSP242においてシステムコントローラは、そのL0記録層用に算出した第2の補正ゲインを第1の補正ゲインと共にゲイン供給部のゲイン保持部に送出して保持させて、次のステップSP67に移る。
そしてシステムコントローラは、ステップSP67乃至ステップSP75の処理を順次実行した後、次のステップSP243に移り、2層未記録用補正ゲイン設定処理サブルーチンSRT22を終了して、上述したステップSP8に移る。
ところで、上述のステップSP241において否定結果が得られると、このことは、このとき光ディスク装置に装填されている片面2層式の光ディスク2が、トラッキングエラー信号の補正を要さない(振幅変化率が±3〔dB〕より低い)光ディスク2であることを表している。
そしてシステムコントローラは、ステップSP241において、かかる否定結果を得ると、2層未記録用補正ゲイン設定処理サブルーチンSRT22を抜けてステップSP224に移る。
さらにシステムコントローラは、上述したステップSP204に移ると、図27との対応部分に同一符号を付した図46及び図47に示す2層記録済用補正ゲイン設定処理サブルーチンSRT23を開始する。
システムコントローラは、かかる2層記録済用補正ゲイン設定処理サブルーチンSRT23を開始すると、ステップSP80乃至ステップSP84の処理を順次実行した後、次のステップSP250に移る。
ステップSP250においてシステムコントローラは、記録済振幅平均値を未記録振幅平均値で除算するようにして振幅変化率を算出した後、その振幅変化率の逆数をL1記録層用の第2の補正ゲインとして算出して、次のステップSP251に移る。
ステップSP251においてシステムコントローラは、その振幅変化率に応じて、このとき光ディスク装置に装填されている片面2層式の光ディスク2が、振幅変化率が±3〔dB〕以上の光ディスク2であるか否かを判別する。
このステップSP251において肯定結果が得られると、このことは、このとき光ディスク装置に装填されている片面2層式の光ディスク2が、トラッキングエラー信号の補正を要する(振幅変化率が±3〔dB〕以上の)光ディスク2であることを表している。
そしてシステムコントローラは、ステップSP251において、かかる肯定結果を得ると、次のステップSP252に移る。
ステップSP252においてシステムコントローラは、そのL1記録層用に算出した第2の補正ゲインを第1の補正ゲインと共にゲイン供給部のゲイン保持部に送出して保持させて、次のステップSP86に移る。
そしてシステムコントローラは、ステップSP86乃至ステップSP93の処理を順次実行した後、次のステップSP253に移り、2層記録済用補正ゲイン設定処理サブルーチンSRT23を終了して、上述したステップSP8に移る。
ところで、上述のステップSP251において否定結果が得られると、このことは、このとき光ディスク装置に装填されている片面2層式の光ディスク2が、トラッキングエラー信号の補正を要さない(振幅変化率が±3〔dB〕より低い)光ディスク2であることを表している。
そしてシステムコントローラは、ステップSP251において、かかる否定結果を得ると、2層記録済用補正ゲイン設定処理サブルーチンSRT23を抜けてステップSP224に移る。
一方、照射位置判別部及びゲイン供給部並びに信号補正部は、システムコントローラの制御のもと、上述したステップSP207において図48に示す信号補正処理サブルーチンSRT24を開始する。
照射位置判別部及びゲイン供給部並びに信号補正部は、かかる信号補正処理サブルーチンSRT24を開始すると、まずステップSP260において記録済部分変位判別処理を実行した後、次のステップSP261に移る。
そしてステップSP261において照射位置判別部及びゲイン供給部並びに信号補正部は、未記録部分変位判別処理を実行した後、ステップSP260に戻る。
このようにして、照射位置判別部及びゲイン供給部並びに信号補正部は、振幅変化率が±3〔dB〕以上の光ディスク2に対する再生動作が終了するまでの間、ステップSP260及びステップSP261の処理を循環的に繰り返し実行する。
そして照射位置判別部及びゲイン供給部並びに信号補正部は、ステップSP260及びステップSP261の処理を実行している途中に再生動作が終了すると、その時点に信号補正処理サブルーチンSRT24を終了する。
よってシステムコントローラは、かかる信号補正処理サブルーチンSRT24を抜けて、上述したステップSP208に移る。
実際に照射位置判別部及びゲイン供給部並びに信号補正部は、信号補正処理サブルーチンSRT24においてステップSP260に移ると、図49に示す記録済部分変位判別処理サブルーチンSRT25を開始する。
照射位置判別部は、記録済部分変位判別処理サブルーチンSRT25を開始したとき、主レーザ光照射位置がデータ未記録部分であることを示す照射位置判別信号をゲイン供給部に送出している。
またゲイン供給部は、記録済部分変位判別処理サブルーチンSRT25を開始したとき、照射位置判別部から与えられる照射位置判別信号に応じて、第1の補正ゲインでなるゲイン制御信号を信号補正部に送出している。
さらに信号補正部は、記録済部分変位判別処理サブルーチンSRT25を開始したとき、ゲイン供給部から与えられるゲイン制御信号に従い、トラッキングエラー信号をそのまま(すなわち、第1の補正ゲイン(「1」の値)で増幅して)サーボ制御部に送出している。
この状態でステップSP270において照射位置判別部は、先行副総和信号SS1及び後行副総和信号SS2の何れかの値が増加して、その増加を検出することを待ち受ける。
そして照射位置判別部は、先行副総和信号SS1及び後行副総和信号SS2の何れか一方の値が増加したことを検出すると、次のステップSP271に移る。
ステップSP271において照射位置判別部は、例えば、立上り検出カウンタにおいてカウント値を「1」だけカウントアップして、次のステップSP272に移る。
ステップSP272において照射位置判別部は、立上り検出カウンタのカウント値が「2」であるか否かを判別する。
このステップSP272において否定結果が得られると、このことは主総和信号MS1の値が増加する直前の、先行副総和信号SS1及び後行副総和信号SS2の何れか一方の値の1段目の増加のみ検出していることを表している。
従って照射位置判別部は、ステップSP272において、かかる否定結果を得ると、ステップSP270に戻る。
よってステップSP270において照射位置判別部は、再び、先行副総和信号SS1及び後行副総和信号SS2の何れか一方の値が増加して、その増加を検出することを待ち受ける。
その結果、照射位置判別部は、再び、先行副総和信号SS1及び後行副総和信号SS2の何れか一方の値が増加したことを検出すると、次のステップSP271に移る。
そしてステップSP271において照射位置判別部は、立上り検出カウンタにおいて再び、カウント値を「1」だけカウントアップして、次のステップSP272に移る。
またステップSP272において照射位置判別部は、再び立上り検出カウンタのカウント値が「2」であるか否かを判別する。
このようにしてステップSP272において肯定結果が得られると、このことは主総和信号MS1の値が増加する直前の、先行副総和信号SS1及び後行副総和信号SS2の値の増加を合計で2回検出したことを表している。
従って照射位置判別部は、ステップSP272において、かかる肯定結果を得ると、次のステップSP273に移る。
ステップSP273において照射位置判別部は、先行副総和信号SS1及び後行副総和信号SS2の値の増加を合計で2回検出した時点に、主レーザ光照射位置がデータ未記録部分からデータ記録済部分との記録済境界位置に到達したことを検出する。
そして照射位置判別部は、主レーザ光照射位置がデータ未記録部分からデータ記録済部分に変位したことを示す照射位置判別信号をゲイン供給部に送出し始める。
よってゲイン供給部は、その照射位置判別部から与えられる照射位置判別信号に応じて、第1の補正ゲインに代えて第2の補正ゲインでなるゲイン制御信号を信号補正部に送出し始める。
そして信号補正部は、ゲイン供給部から与えられるゲイン制御信号に従い、トラッキングエラー信号を、その振幅を補正して(すなわち、第2の補正ゲインで増幅して)サーボ制御部に送出し始める。
このようにして照射位置判別部及びゲイン供給部並びに信号補正部は、主レーザ光照射位置がデータ未記録部分からデータ記録済部分に変位し、これに応じてトラッキングエラー信号補正用の第1の補正ゲインを第2の補正ゲインに切り換えると、次のステップSP274に移る。
これによりステップSP274において照射位置判別部及びゲイン供給部並びに信号補正部は、かかる記録済部分変位判別処理サブルーチンSRT25を終了して、ステップSP261に移る。
また照射位置判別部及びゲイン供給部並びに信号補正部は、信号補正処理サブルーチンSRT24においてステップSP261に移ると、図50に示す未記録部分変位判別処理サブルーチンSRT26を開始する。
照射位置判別部は、未記録部分変位判別処理サブルーチンSRT26を開始したとき、主レーザ光照射位置がデータ記録済部分であることを示す照射位置判別信号をゲイン供給部に送出している。
またゲイン供給部は、未記録部分変位判別処理サブルーチンSRT26を開始したとき、照射位置判別部から与えられる照射位置判別信号に応じて、第2の補正ゲインでなるゲイン制御信号を信号補正部に送出している。
さらに信号補正部は、未記録部分変位判別処理サブルーチンSRT26を開始したとき、ゲイン供給部から与えられるゲイン制御信号に従い、トラッキングエラー信号を、その振幅を補正して(すなわち、第2の補正ゲインで増幅して)サーボ制御部に送出している。
この状態でステップSP280において照射位置判別部は、先行副総和信号SS1及び後行副総和信号SS2の何れか一方の値が減少して、その減少を検出することを待ち受ける。
そして照射位置判別部は、先行副総和信号SS1及び後行副総和信号SS2の何れか一方の値が減少したことを検出すると、次のステップSP281に移る。
ステップSP281において照射位置判別部は、例えば、立下り検出カウンタにおいてカウント値を「1」だけカウントアップして、次のステップSP282に移る。
ステップSP282において照射位置判別部は、立下り検出カウンタのカウント値が「2」であるか否かを判別する。
このステップSP282において否定結果が得られると、このことは主総和信号MS1の値が増加する直前の、先行副総和信号SS1及び後行副総和信号SS2の何れか一方の値の1段目の減少のみ検出していることを表している。
従って照射位置判別部は、ステップSP282において、かかる否定結果を得ると、ステップSP280に戻る。
よってステップSP280において照射位置判別部は、再び、先行副総和信号SS1及び後行副総和信号SS2の何れか一方の値が減少して、その減少を検出することを待ち受ける。
その結果、照射位置判別部は、再び先行副総和信号SS1及び後行副総和信号SS2の何れか一方の値が減少したことを検出すると、次のステップSP281に移る。
そしてステップSP281において照射位置判別部は、立下り検出カウンタにおいて再び、カウント値を「1」だけカウントアップして、次のステップSP282に移る。
またステップSP282において照射位置判別部は、再び立下り検出カウンタのカウント値が「2」であるか否かを判別する。
このようにしてステップSP282において肯定結果が得られると、このことは主総和信号MS1の値が減少する直前の、先行副総和信号SS1及び後行副総和信号SS2の値の減少を合計で2回検出したことを表している。
従って照射位置判別部は、ステップSP282において、かかる肯定結果を得ると、次のステップSP283に移る。
ステップSP283において照射位置判別部は、先行副総和信号SS1及び後行副総和信号SS2の値の減少を合計で2回検出した時点に、主レーザ光照射位置がデータ記録済部分からデータ未記録部分との未記録境界位置に到達したことを検出する。
そして照射位置判別部は、主レーザ光照射位置がデータ記録済部分からデータ未記録部分に変位したことを示す照射位置判別信号をゲイン供給部に送出し始める。
よってゲイン供給部は、その照射位置判別部から与えられる照射位置判別信号に応じて、第2の補正ゲインに代えて第1の補正ゲインでなるゲイン制御信号を信号補正部に送出し始める。
そして信号補正部は、ゲイン供給部から与えられるゲイン制御信号に従い、トラッキングエラー信号をそのまま(すなわち、第1の補正ゲイン(「1」の値)で増幅して)サーボ制御部に送出し始める。
このようにして照射位置判別部及びゲイン供給部並びに信号補正部は、主レーザ光照射位置がデータ記録済部分からデータ未記録部分に変位し、これに応じてトラッキングエラー信号補正用の第2の補正ゲインを第1の補正ゲインに切り換えると、次のステップSP284に移る。
これによりステップSP284において照射位置判別部及びゲイン供給部並びに信号補正部は、かかる未記録部分変位判別処理サブルーチンSRT26を終了して、ステップSP260に戻る。
また照射位置判別部及びゲイン供給部並びに信号補正部は、システムコントローラの制御のもと、上述したステップSP211において図48との対応部分に同一符号を付した図51に示す信号補正処理サブルーチンSRT27を開始する。
照射位置判別部及びゲイン供給部並びに信号補正部は、かかる信号補正処理サブルーチンSRT27を開始すると、まずステップSP261において記録済部分変位判別処理を実行した後、次のステップSP260に移る。
そしてステップSP260において照射位置判別部及びゲイン供給部並びに信号補正部は、未記録部分変位判別処理を実行した後、ステップSP261に戻る。
このようにして、照射位置判別部及びゲイン供給部並びに信号補正部は、振幅変化率が±3〔dB〕以上の光ディスク2に対する再生動作が終了するまでの間、ステップSP261及びステップSP260の処理を循環的に繰り返し実行する。
そして照射位置判別部及びゲイン供給部並びに信号補正部は、ステップSP261及びステップSP260の処理を実行している途中に再生動作が終了すると、その時点に信号補正処理サブルーチンSRT27を終了する。
よってシステムコントローラは、かかる信号補正処理サブルーチンSRT27を抜けて、上述したステップSP212に移る。
ところで照射位置判別部及びゲイン供給部並びに信号補正部は、片面2層式の光ディスク2に対するデータの記録再生がL0記録層及びL1記録層の一方から他方に遷移すると、補正ゲイン切換部により照射位置判別部に対し照射位置判別結果を初期設定し直す。
これによりシステムコントローラは、L0記録層及びL1記録層に対するデータの記録再生が遷移したとき、照射位置判別部において主レーザ光照射位置が誤って判別されることを回避している。
因みに、システムコントローラは、ステップSP224に移ると、図37との対応部分に同一符号を付した図52に示す振幅変化率が±3〔dB〕より低い光ディスク2に対応するトラッキングエラー信号生成処理サブルーチンSRT28を開始する。
システムコントローラは、かかるトラッキングエラー信号生成処理サブルーチンSRT28を開始すると、ステップSP170の処理を実行した後、次のステップSP290に移る。
ステップSP290においてシステムコントローラは、サーボ初期調整処理を実行することにより、振幅変化率が±3〔dB〕より低い光ディスク2にデータを記録再生するときの各種サーボ用のパラメータを調整して、次のステップSP172に移る。
そしてシステムコントローラは、ステップSP172の処理を実行した後、次のステップSP291に移る。
ステップSP291においてシステムコントローラは、振幅変化率が±3〔dB〕より低い光ディスク2に対するデータの記録再生を開始する。
またシステムコントローラは、データの記録再生の間、差動プッシュプル法に準じてトラッキングエラー信号を生成すると共に、当該生成したトラッキングエラー信号をそのままトラッキング制御に利用する。
そしてシステムコントローラは、振幅変化率が±3〔dB〕より低い光ディスク2に対するデータの記録再生が完了すると、次のステップSP292に移る。
ステップSP292においてシステムコントローラは、振幅変化率が±3〔dB〕より低い光ディスク2に対するデータの記録再生を終了するか否かを判別する。
このステップSP292において否定結果が得られると、このことは、例えば、コンピュータ装置PCにより他のデータの記録又は再生用に、新たなデータ記録開始位置又はデータ再生開始位置が指示されたことを表している。
そしてシステムコントローラは、ステップSP292において、かかる否定結果を得ると、ステップSP172に戻る。
これによりシステムコントローラは、この後、ステップSP292において肯定結果を得るまでの間、コンピュータ装置PCからデータの記録再生が指示される毎にステップSP172、ステップSP291及びステップSP292の処理を循環的に繰り返し実行する。
そしてステップSP292において肯定結果が得られると、このことは、例えば、コンピュータ装置PCにより振幅変化率が±3〔dB〕より低い光ディスク2に対するデータの記録再生の終了が指示されたことを表している。
よってシステムコントローラは、ステップSP292において、かかる肯定結果を得ると、次のステップSP293に移ってトラッキングエラー信号生成処理サブルーチンSRT28を終了して、ステップSP209に移る。
このようにして光ディスク装置では、振幅変化率が±3〔dB〕以上の光ディスク2に対する再生動作時、簡易な構成及び簡易な処理で、トラックに対する主レーザ光照射位置を判別して、トラッキングエラー信号を適宜補正することができる。
(3−7)他の実施の形態7
さらに上述した実施の形態においては、トラッキングエラー信号生成回路30において主プッシュプル信号及び副プッシュプル信号を個別に正規化するようにした場合について述べた。
さらに上述した実施の形態においては、トラッキングエラー信号生成回路30において主プッシュプル信号及び副プッシュプル信号を個別に正規化するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、トラッキングエラー信号生成回路30において、主総和信号MS1の値に応じたゲイン、又は主総和信号MS1の値と、先行副総和信号SS1及び後行副総和信号SS2の和信号の値とに応じたゲインを利用して主プッシュプル信号及び副プッシュプル信号各々を正規化するようにしても良い。
かかる構成によれば、トラッキングエラー信号生成回路30において主プッシュプル信号及び副プッシュプル信号の正規化に1つゲインを兼用して用いることにより、ゲイン制御回路を1つだけ設けるようにして、構成を簡易化することができる。
またトラッキングエラー信号生成回路30については、機能的に同一であると、上述した構成以外にも、種々の構成とすることができる。
例えば、トラッキングエラー信号生成回路30では、先行副総和信号生成部36及び後行副総和信号生成部40の何れか一方から先行副総和信号SS1又は後行副総和信号SS2を補正ゲイン切換部46に供給すると共に、和信号加算器37から副総和信号を補正ゲイン切換部46に供給する。
そしてトラッキングエラー信号生成回路30では、補正ゲイン切換部46において、副総和信号から一方の先行副総和信号SS1又は後行副総和信号SS2を減算して他方の後行副総和信号SS2又は先行副総和信号SS1を得るように構成することもできる。
(3−8)他の実施の形態8
さらに上述した実施の形態においては、本発明による光ディスク装置を、図1乃至図52について上述した再生専用の光ディスク2からデータを再生可能で、かつ片面1層式及び片面2層式の光ディスク2に対しデータを記録再生可能な光ディスク装置1に適用するようにした場合について述べた。
さらに上述した実施の形態においては、本発明による光ディスク装置を、図1乃至図52について上述した再生専用の光ディスク2からデータを再生可能で、かつ片面1層式及び片面2層式の光ディスク2に対しデータを記録再生可能な光ディスク装置1に適用するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、3層以上の記録層を有する片面多層式の光ディスクに対しデータを記録再生可能な光ディスク装置や、片面1層式の光ディスクにのみデータを記録可能な光ディスク装置(片面2層式の光ディスク2については再生も可能な装置を含む)、ノートブック型やデスクトップ型のコンピュータ装置に設けられる光ディスク装置等のように、この他種々の構成の光ディスク装置に広く適用することができる。
なお、片面多層式の光ディスクに対しデータを記録再生可能な光ディスク装置については、当該光ディスクの記録層各々に対する再生動作時の光ピックアップの移動方向(すなわち、ディスク外周方向又はディスク内周方向)に応じて、上述した実施の形態による2種類の照射位置判別アルゴリズムを切り換えるようにする。
これにより、かかる構成の光ディスク装置については、光ディスクの有する記録層の数にかかわらずに、何れの記録層に対する再生動作時においても、トラックに対する主レーザ光照射位置を的確に判別してトラッキングエラー信号を補正することができる。
ただし、かかる構成の光ディスク装置については、上述した他の実施の形態6に示す照射位置判別アルゴリズムを適用することもでき、かかる適用により誤検出を防止し、又は構成及び処理を簡易化することができる。
(3−9)他の実施の形態9
さらに上述した実施の形態においては、トラッキングエラー信号生成回路30の補正ゲイン切換部46をハードウェア回路ブロックによって構成して信号補正処理を実行するようにした。
さらに上述した実施の形態においては、トラッキングエラー信号生成回路30の補正ゲイン切換部46をハードウェア回路ブロックによって構成して信号補正処理を実行するようにした。
しかしながら、本発明はこれに限らず、かかる信号補正処理を信号補正処理プログラムに従ってソフトウェア的に実行するようにしても良い。
そして光ディスク装置では、信号補正処理を信号補正処理プログラムに従ってソフトウェア的に実行する場合、その信号補正処理プログラムを内部の記憶部に予め記憶していても良い。
また光ディスク装置では、信号補正処理プログラムが記録されたコンピュータ読取可能な記録媒体によって当該信号補正処理プログラムをインストールするようにしても良い。
さらに光ディスク装置では、ローカルエリアネットワークやインターネット204、デジタル衛星放送等の有線及び無線通信媒体を利用して外部から信号補正処理プログラムをインストールするようにしても良い。
そして信号補正処理プログラムを光ディスク装置にインストールして実行可能な状態にするためのコンピュータ読取可能な記録媒体としては、例えばフレキシブルディスクのようなパッケージメディアで実現しても良い。
また信号補正処理プログラムを光ディスク装置にインストールして実行可能な状態にするためのコンピュータ読取可能な記録媒体としては、CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)のようなパッケージメディアで実現しても良い。
さらに信号補正処理プログラムを光ディスク装置にインストールして実行可能な状態にするためのコンピュータ読取可能な記録媒体としては、DVD(Digital Versatile Disc)等のパッケージメディアで実現しても良い。
さらに、かかるコンピュータ読取可能な記録媒体としては、パッケージメディアのみならず、各種プログラムが一時的もしくは永続的に記録される半導体メモリや磁気ディスク等で実現しても良い。
また、これらコンピュータ読取可能な記録媒体に信号補正処理プログラムを記録する手段としては、ローカルエリアネットワークやインターネット、デジタル衛星放送等の有線及び無線通信媒体を利用しても良い。
さらにコンピュータ読取可能な記録媒体に信号補正処理プログラムを記録する手段としては、ルータやモデム等の各種通信インタフェースを利用しても良い。
(3−10)他の実施の形態10
さらに上述した実施の形態においては、データ記録面に設けられたトラックのデータ未記録部分及びデータ記録済部分の一方よりも他方の反射率が大幅に高い光ディスクとして、図1乃至図52について上述したBD−RやHDDVD−RのようなLTHディスク2を適用するようにした場合について述べた。
さらに上述した実施の形態においては、データ記録面に設けられたトラックのデータ未記録部分及びデータ記録済部分の一方よりも他方の反射率が大幅に高い光ディスクとして、図1乃至図52について上述したBD−RやHDDVD−RのようなLTHディスク2を適用するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、データ記録面に設けられたトラックのデータ未記録部分及びデータ記録済部分の一方よりも他方の反射率が大幅に高い光ディスクであれば、書換可能型の光ディスクや、上述したように振幅変化率が±3〔dB〕以上の光ディスク等のように、この他種々の光ディスク(記録型DVDや記録型CDを含む)に対して広く適用することができる。
(3−11)他の実施の形態11
さらに上述した実施の形態においては、データ記録面に設けられたトラックのデータ未記録部分及びデータ記録済部分の一方よりも他方の反射率が大幅に高い光ディスクの所望のトラックに主レーザ光を照射すると共に、当該主レーザ光よりもトラックに対するレーザ走査方向に先行させて所望のトラックと、当該所望のトラックに隣接する一方のトラックとの一方の間隙部に一方の副レーザ光を照射し、かつ主レーザ光よりもレーザ走査方向に後行させて所望のトラックと、当該所望のトラックに隣接する他方のトラックとの他方の間隙部に他方の副レーザ光を照射するレーザ光照射部として、図1乃至図52について上述した光ピックアップ7を適用するようにした場合について述べた。
さらに上述した実施の形態においては、データ記録面に設けられたトラックのデータ未記録部分及びデータ記録済部分の一方よりも他方の反射率が大幅に高い光ディスクの所望のトラックに主レーザ光を照射すると共に、当該主レーザ光よりもトラックに対するレーザ走査方向に先行させて所望のトラックと、当該所望のトラックに隣接する一方のトラックとの一方の間隙部に一方の副レーザ光を照射し、かつ主レーザ光よりもレーザ走査方向に後行させて所望のトラックと、当該所望のトラックに隣接する他方のトラックとの他方の間隙部に他方の副レーザ光を照射するレーザ光照射部として、図1乃至図52について上述した光ピックアップ7を適用するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、データ記録面に設けられたトラックのデータ未記録部分及びデータ記録済部分の一方よりも他方の反射率が大幅に高い光ディスクの所望のトラックに主レーザ光を照射すると共に、当該主レーザ光よりもトラックに対するレーザ走査方向に先行させて所望のトラックと、当該所望のトラックに隣接する一方のトラックとの一方の間隙部に一方の副レーザ光を照射し、かつ主レーザ光よりもレーザ走査方向に後行させて所望のトラックと、当該所望のトラックに隣接する他方のトラックとの他方の間隙部に他方の副レーザ光を照射するものであれば、この他種々の構成のレーザ光照射部を広く適用することができる。
(3−12)他の実施の形態12
さらに上述した実施の形態においては、光ディスクのデータ記録面で主レーザ光及び一方及び他方の副レーザ光が反射することにより得られる主反射光及び一方及び他方の副反射光を受光する受光部として、図1乃至図52について上述した受光部12を適用するようにした場合について述べた。
さらに上述した実施の形態においては、光ディスクのデータ記録面で主レーザ光及び一方及び他方の副レーザ光が反射することにより得られる主反射光及び一方及び他方の副反射光を受光する受光部として、図1乃至図52について上述した受光部12を適用するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、受光面が4分割構成の受光素子を有する受光部等のように、この他種々の構成の受光部を広く適用することができる。
(3−13)他の実施の形態13
さらに上述した実施の形態においては、受光部による主反射光及び一方及び他方の副反射光の受光結果に基づき、所望のトラックに対する主レーザ光のトラッキングの制御に用いるトラッキングエラー信号を生成するトラッキングエラー信号生成部として、図1乃至図52について上述したトラッキングエラー信号生成回路30を適用するようにした場合について述べた。
さらに上述した実施の形態においては、受光部による主反射光及び一方及び他方の副反射光の受光結果に基づき、所望のトラックに対する主レーザ光のトラッキングの制御に用いるトラッキングエラー信号を生成するトラッキングエラー信号生成部として、図1乃至図52について上述したトラッキングエラー信号生成回路30を適用するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、他の実施の形態7でも上述したように、この他種々の構成のトラッキングエラー信号生成部を広く適用することができる。
(3−14)他の実施の形態14
さらに上述した実施の形態においては、受光部によって受光された少なくとも一方の副反射光の光量の変化又は他方の副反射光の光量の変化に基づき、主レーザ光の照射位置がトラックのデータ未記録部分からデータ記録済部分との記録済境界位置に到達したことを検出すると共に、主レーザ光の照射位置がトラックのデータ記録済部分からデータ未記録部分との未記録境界位置に到達したことを検出する照射位置検出部として、図1乃至図52について上述した第1及び第2の照射位置判別部50、100及び70を適用するようにした場合について述べた。
さらに上述した実施の形態においては、受光部によって受光された少なくとも一方の副反射光の光量の変化又は他方の副反射光の光量の変化に基づき、主レーザ光の照射位置がトラックのデータ未記録部分からデータ記録済部分との記録済境界位置に到達したことを検出すると共に、主レーザ光の照射位置がトラックのデータ記録済部分からデータ未記録部分との未記録境界位置に到達したことを検出する照射位置検出部として、図1乃至図52について上述した第1及び第2の照射位置判別部50、100及び70を適用するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、ソフトウェア処理によって、受光部によって受光された少なくとも一方の副反射光の光量の変化又は他方の副反射光の光量の変化に基づき、主レーザ光の照射位置がトラックのデータ未記録部分からデータ記録済部分との記録済境界位置に到達したことを検出すると共に、主レーザ光の照射位置がトラックのデータ記録済部分からデータ未記録部分との未記録境界位置に到達したことを検出するマイクロプロセッサやCPU(Central Processing Unit)等のように、この他種々の構成の照射位置検出部を広く適用することができる。
(3−15)他の実施の形態15
さらに上述した実施の形態においては、照射位置検出部により主レーザ光の照射位置がトラックの記録済境界位置に到達したと検出されたこと、及び主レーザ光の照射位置がトラックの未記録境界位置に到達したと検出されたことに応じて、主レーザ光がトラックのデータ未記録部分及びデータ記録済部分のうち反射率の大幅に高い他方に照射されている間、トラッキングエラー信号生成部により生成されたトラッキングエラー信号を補正する信号補正部として、図1乃至図52について上述した可変ゲインアンプでなる信号補正部45を適用するようにした場合について述べた。
さらに上述した実施の形態においては、照射位置検出部により主レーザ光の照射位置がトラックの記録済境界位置に到達したと検出されたこと、及び主レーザ光の照射位置がトラックの未記録境界位置に到達したと検出されたことに応じて、主レーザ光がトラックのデータ未記録部分及びデータ記録済部分のうち反射率の大幅に高い他方に照射されている間、トラッキングエラー信号生成部により生成されたトラッキングエラー信号を補正する信号補正部として、図1乃至図52について上述した可変ゲインアンプでなる信号補正部45を適用するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、照射位置検出部により主レーザ光の照射位置がトラックの記録済境界位置に到達したと検出されたこと、及び主レーザ光の照射位置がトラックの未記録境界位置に到達したと検出されたことに応じて、主レーザ光がトラックのデータ未記録部分及びデータ記録済部分のうち反射率の大幅に高い他方に照射されている間、トラッキングエラー信号生成部により生成されたトラッキングエラー信号を補正することができるものであれば、この他種々の構成の信号補正部を広く適用することができる。
(3−16)他の実施の形態16
さらに上述した実施の形態においては、レーザ光照射部を光ディスクのディスク半径方向に沿った互いに逆向きの一方向及び他方向へ移動させる移動部として、図1乃至図52について上述したサーボ制御部5及び送りモータ8を適用するようにした場合について述べた。
さらに上述した実施の形態においては、レーザ光照射部を光ディスクのディスク半径方向に沿った互いに逆向きの一方向及び他方向へ移動させる移動部として、図1乃至図52について上述したサーボ制御部5及び送りモータ8を適用するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、レーザ光照射部を光ディスクのディスク半径方向に沿った互いに逆向きの一方向及び他方向へ移動させることができるものであれば、この他種々の構成の移動部を広く適用することができる。
(3−17)他の実施の形態17
さらに上述した実施の形態においては、データの記録及び又は再生に用いられる光ディスクが、トラックのデータ未記録部分及びデータ記録済部分の一方よりも他方の反射率が大幅に高い光ディスクとして、トラックのデータ未記録部分よりもデータ記録済部分の反射率が大幅に高い光ディスクであるか否かを判別する判別部として、図1乃至図52について上述したシステムコントローラ3を適用するようにした場合について述べた。
さらに上述した実施の形態においては、データの記録及び又は再生に用いられる光ディスクが、トラックのデータ未記録部分及びデータ記録済部分の一方よりも他方の反射率が大幅に高い光ディスクとして、トラックのデータ未記録部分よりもデータ記録済部分の反射率が大幅に高い光ディスクであるか否かを判別する判別部として、図1乃至図52について上述したシステムコントローラ3を適用するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、データの記録及び又は再生に用いられる光ディスクが、トラックのデータ未記録部分及びデータ記録済部分の一方よりも他方の反射率が大幅に高い光ディスクとして、トラックのデータ未記録部分よりもデータ記録済部分の反射率が大幅に高い光ディスクであるか否かを判別するハードウェア回路構成の判別回路等のように、この他種々の構成の判別部を広く適用することができる。
(3−18)他の実施の形態18
さらに上述した実施の形態においては、データの記録及び又は再生に用いられる光ディスクが、トラックのデータ未記録部分及びデータ記録済部分の一方よりも他方の反射率が大幅に高いことにより、トラックのデータ未記録部分に主レーザ光が照射されているときに生成されるトラッキングエラー信号の振幅と、トラックのデータ記録済部分に主レーザ光が照射されているときに生成されるトラッキングエラー信号の振幅との振幅変化率が±3〔dB〕以上となる光ディスクであるか否かを判別する判別部として、図1乃至図52について上述したシステムコントローラを適用するようにした場合について述べた。
さらに上述した実施の形態においては、データの記録及び又は再生に用いられる光ディスクが、トラックのデータ未記録部分及びデータ記録済部分の一方よりも他方の反射率が大幅に高いことにより、トラックのデータ未記録部分に主レーザ光が照射されているときに生成されるトラッキングエラー信号の振幅と、トラックのデータ記録済部分に主レーザ光が照射されているときに生成されるトラッキングエラー信号の振幅との振幅変化率が±3〔dB〕以上となる光ディスクであるか否かを判別する判別部として、図1乃至図52について上述したシステムコントローラを適用するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、データの記録及び又は再生に用いられる光ディスクが、トラックのデータ未記録部分及びデータ記録済部分の一方よりも他方の反射率が大幅に高いことにより、トラックのデータ未記録部分に主レーザ光が照射されているときに生成されるトラッキングエラー信号の振幅と、トラックのデータ記録済部分に主レーザ光が照射されているときに生成されるトラッキングエラー信号の振幅との振幅変化率が±3〔dB〕以上となる光ディスクであるか否かを判別するハードウェア回路構成の判別回路等のように、この他種々の構成の判別部を広く適用することができる。
(3−19)他の実施の形態19
さらに上述した実施の形態においては、信号補正部によってトラッキングエラー信号の補正に用いられる補正値を生成する補正値生成部として、図1乃至図52について上述したシステムコントローラ3を適用するようにした場合について述べた。
さらに上述した実施の形態においては、信号補正部によってトラッキングエラー信号の補正に用いられる補正値を生成する補正値生成部として、図1乃至図52について上述したシステムコントローラ3を適用するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、信号補正部によってトラッキングエラー信号の補正に用いられる補正値を生成するハードウェア回路構成の補正値生成回路等のように、この他種々の構成の補正値生成部を広く適用することができる。
本発明は、コンピュータ装置に設けられる光ディスク装置や据置型の光ディスク装置等に利用することができる。
1……光ディスク装置、2……光ディスク、3……システムコントローラ、5……サーボ制御部、8……送りモータ、7……光ピックアップ、11……レーザ光源、12……受光部、13……信号生成部、20……回折格子、30……トラッキングエラー信号生成回路、45……信号補正部、46……補正ゲイン切換部、50、100……第1の照射位置判別部、60……ゲイン供給部、70……第2の照射位置判別部、GA1及びGA2、GA10乃至GA17、GA20乃至GA27、GA30及びGA31……間隙部、LE1……主レーザ光、LE2……先行副レーザ光、LE3……後行副レーザ光、LR1……主反射光、LR2……先行副反射光、LR3……後行副反射光、RT1、RT2……データ記録再生処理手順、SRT1、SRT20……1層未記録用補正ゲイン設定処理サブルーチン、SRT2、SRT21……1層記録済用補正ゲイン設定処理サブルーチン、SRT3、SRT22……2層未記録用補正ゲイン設定処理サブルーチン、SRT4、SRT23……2層記録済用補正ゲイン設定処理サブルーチン、SRT5、SRT8、SRT9、SRT12、SRT24、SRT27……信号補正処理サブルーチン、SRT6、SRT10、SRT25……記録済部分変位判別処理サブルーチン、SRT7、SRT11、SRT26……未記録部分変位判別処理サブルーチン、TR1乃至TR3、TR10乃至TR32……トラック。
Claims (17)
- データ記録面に設けられたトラックのデータ未記録部分及びデータ記録済部分の一方よりも他方の反射率が大幅に高い光ディスクの所望のトラックに主レーザ光を照射すると共に、当該主レーザ光よりも上記トラックに対するレーザ走査方向に先行させて上記所望のトラックと、当該所望のトラックに隣接する一方のトラックとの一方の間隙部に一方の副レーザ光を照射し、かつ上記主レーザ光よりも上記レーザ走査方向に後行させて上記所望のトラックと、当該所望のトラックに隣接する他方のトラックとの他方の間隙部に他方の副レーザ光を照射するレーザ光照射部と、
上記光ディスクの上記データ記録面で上記主レーザ光及び上記一方及び他方の副レーザ光が反射することにより得られる主反射光及び一方及び他方の副反射光を受光する受光部と、
上記受光部による上記主反射光及び上記一方及び他方の副反射光の受光結果に基づき、上記所望のトラックに対する上記主レーザ光のトラッキングの制御に用いるトラッキングエラー信号を生成するトラッキングエラー信号生成部と、
上記受光部によって受光された少なくとも上記一方の副反射光の光量の変化又は上記他方の副反射光の光量の変化に基づき、上記主レーザ光の照射位置が上記トラックの上記データ未記録部分から上記データ記録済部分との記録済境界位置に到達したことを検出すると共に、上記主レーザ光の照射位置が上記トラックの上記データ記録済部分から上記データ未記録部分との未記録境界位置に到達したことを検出する照射位置検出部と、
上記照射位置検出部により上記主レーザ光の照射位置が上記トラックの上記記録済境界位置に到達したと検出されたこと、及び上記主レーザ光の照射位置が上記トラックの上記未記録境界位置に到達したと検出されたことに応じて、上記主レーザ光が上記トラックの上記データ未記録部分及び上記データ記録済部分のうち上記反射率の大幅に高い他方に照射されている間、上記トラッキングエラー信号生成部により生成された上記トラッキングエラー信号を補正する信号補正部と
を具える光ディスク装置。 - 上記照射位置検出部は、
上記受光部によって受光された上記一方の副反射光の光量が増加したことに基づき、上記主レーザ光の照射位置が上記トラックの上記記録済境界位置及び上記未記録境界位置の一方に到達したことを検出し、上記受光部によって受光された上記一方の副反射光の光量が減少したことに基づき、上記主レーザ光の照射位置が上記トラックの上記記録済境界位置及び上記未記録境界位置の他方に到達したことを検出する
請求項1に記載の光ディスク装置。 - 上記照射位置検出部は、
上記受光部によって受光された上記一方の副反射光の光量が2回増加したことに基づき、上記主レーザ光の照射位置が上記トラックの上記記録済境界位置及び上記未記録境界位置の一方に到達したことを検出し、上記受光部によって受光された上記一方の副反射光の光量が2回減少したことに基づき、上記主レーザ光の照射位置が上記トラックの上記記録済境界位置及び上記未記録境界位置の他方に到達したことを検出する
請求項2に記載の光ディスク装置。 - 上記照射位置検出部は、
上記受光部によって受光された上記一方の副反射光の光量が1回増加した時点から所定の検出有効時間内に再び1回増加したことに基づき、上記主レーザ光の照射位置が上記トラックの上記記録済境界位置及び上記未記録境界位置の一方に到達したことを検出し、上記受光部によって受光された上記一方の副反射光の光量が1回減少した時点から上記検出有効時間内に再び1回減少したことに基づき、上記主レーザ光の照射位置が上記トラックの上記記録済境界位置及び上記未記録境界位置の他方に到達したことを検出する
請求項3に記載の光ディスク装置。 - 上記照射位置検出部は、
上記受光部によって受光された上記他方の副反射光の光量が増加したことに基づき、上記主レーザ光の照射位置が上記トラックの上記記録済境界位置及び上記未記録境界位置の一方に到達したことを検出し、上記受光部によって受光された上記他方の副反射光の光量が減少したことに基づき、上記主レーザ光の照射位置が上記トラックの上記記録済境界位置及び上記未記録境界位置の他方に到達したことを検出する
請求項1に記載の光ディスク装置。 - 上記照射位置検出部は、
上記受光部によって受光された上記他方の副反射光の光量が1回増加した後、上記一方の副反射光の光量が1回増加したことに基づき、上記主レーザ光の照射位置が上記トラックの上記記録済境界位置及び上記未記録境界位置の一方に到達したことを検出し、上記受光部によって受光された上記他方の副反射光の光量が1回減少した後、上記一方の副反射光の光量が1回減少したことに基づき、上記主レーザ光の照射位置が上記トラックの上記記録済境界位置及び上記未記録境界位置の他方に到達したことを検出する
請求項5に記載の光ディスク装置。 - 上記照射位置検出部は、
上記受光部によって受光された上記他方の副反射光の光量が1回増加した時点から上記検出有効時間内に上記一方の副反射光の光量が1回増加したことに基づき、上記主レーザ光の照射位置が上記トラックの上記記録済境界位置及び上記未記録境界位置の一方に到達したことを検出し、上記受光部によって受光された上記他方の副反射光の光量が1回減少した時点から上記検出有効時間内に上記一方の副反射光の光量が1回減少したことに基づき、上記主レーザ光の照射位置が上記トラックの上記記録済境界位置及び上記未記録境界位置の他方に到達したことを検出する
請求項6に記載の光ディスク装置。 - 上記照射位置検出部は、
上記受光部によって受光された上記一方及び他方の副反射光の光量が合計で2回増加したことに基づき、上記主レーザ光の照射位置が上記トラックの上記記録済境界位置及び上記未記録境界位置の一方に到達したことを検出し、上記受光部によって受光された上記一方及び他方の副反射光の光量が合計で2回減少したことに基づき、上記主レーザ光の照射位置が上記トラックの上記記録済境界位置及び上記未記録境界位置の他方に到達したことを検出する
請求項1に記載の光ディスク装置。 - 上記レーザ光照射部を上記光ディスクのディスク半径方向に沿った互いに逆向きの一方向及び他方向へ移動させる移動部
を具え、
上記照射位置検出部は、
上記移動部により上記レーザ光照射部が上記一方向へ移動しているとき、上記受光部によって受光された上記一方の副反射光の光量が2回増加したことに基づき、上記主レーザ光の照射位置が上記トラックの上記記録済境界位置及び上記未記録境界位置の一方に到達したことを検出すると共に、上記受光部によって受光された上記一方の副反射光の光量が2回減少したことに基づき、上記主レーザ光の照射位置が上記トラックの上記記録済境界位置及び上記未記録境界位置の他方に到達したことを検出し、上記移動部により上記レーザ光照射部が上記他方向へ移動しているとき、上記受光部によって受光された上記他方の副反射光の光量が1回増加した後、上記一方の副反射光の光量が1回増加したことに基づき、上記主レーザ光の照射位置が上記トラックの上記記録済境界位置及び上記未記録境界位置の一方に到達したことを検出すると共に、上記受光部によって受光された上記他方の副反射光の光量が1回減少した後、上記一方の副反射光の光量が1回減少したことに基づき、上記主レーザ光の照射位置が上記トラックの上記記録済境界位置及び上記未記録境界位置の他方に到達したことを検出する
請求項8に記載の光ディスク装置。 - 上記照射位置検出部は、
上記移動部により上記レーザ光照射部が上記一方向へ移動しているとき、上記受光部によって受光された上記一方の副反射光の光量が1回増加した時点から所定の検出有効時間内に再び1回増加したことに基づき、上記主レーザ光の照射位置が上記トラックの上記記録済境界位置及び上記未記録境界位置の一方に到達したことを検出すると共に、上記受光部によって受光された上記一方の副反射光の光量が1回減少した時点から上記検出有効時間内に再び1回減少したことに基づき、上記主レーザ光の照射位置が上記トラックの上記記録済境界位置及び上記未記録境界位置の他方に到達したことを検出し、上記移動部により上記レーザ光照射部が上記他方向へ移動しているとき、上記受光部によって受光された上記他方の副反射光の光量が1回増加した時点から上記検出有効時間内に上記一方の副反射光の光量が1回増加したことに基づき、上記主レーザ光の照射位置が上記トラックの上記記録済境界位置及び上記未記録境界位置の一方に到達したことを検出し、上記受光部によって受光された上記他方の副反射光の光量が1回減少した時点から上記検出有効時間内に上記一方の副反射光の光量が1回減少したことに基づき、上記主レーザ光の照射位置が上記トラックの上記記録済境界位置及び上記未記録境界位置の他方に到達したことを検出する
請求項9に記載の光ディスク装置。 - データの記録及び又は再生に用いられる上記光ディスクが、上記トラックの上記データ未記録部分及び上記データ記録済部分の一方よりも他方の反射率が大幅に高い上記光ディスクとして、上記トラックの上記データ未記録部分よりも上記データ記録済部分の反射率が大幅に高い上記光ディスクであるか否かを判別する判別部
を具え、
上記照射位置検出部は、
上記判別部により、上記データの記録及び又は再生に用いられる上記光ディスクが、上記トラックの上記データ未記録部分よりも上記データ記録済部分の反射率が大幅に高い上記光ディスクであると判別されると、上記受光部によって受光された少なくとも上記一方の副反射光の光量の変化又は上記他方の副反射光の光量の変化に基づき、上記主レーザ光の照射位置が上記トラックの上記記録済境界位置に到達したことを検出すると共に、上記主レーザ光の照射位置が上記トラックの上記未記録境界位置に到達したことを検出し、
上記信号補正部は、
上記判別部により、上記データの記録及び又は再生に用いられる上記光ディスクが、上記トラックの上記データ未記録部分よりも上記データ記録済部分の反射率が大幅に高い上記光ディスクであると判別されると、上記照射位置検出部により上記主レーザ光の照射位置が上記トラックの上記記録済境界位置に到達したと検出されたこと、及び上記主レーザ光の照射位置が上記トラックの上記未記録境界位置に到達したと検出されたことに応じて、上記主レーザ光が上記トラックの上記データ記録済部分に照射されている間、上記トラッキングエラー信号生成部により生成された上記トラッキングエラー信号を補正する
請求項1に記載の光ディスク装置。 - データの記録及び又は再生に用いられる上記光ディスクが、上記トラックの上記データ未記録部分及び上記データ記録済部分の一方よりも他方の反射率が大幅に高いことにより、上記トラックの上記データ未記録部分に上記主レーザ光が照射されているときに生成される上記トラッキングエラー信号の振幅と、上記トラックの上記データ記録済部分に上記主レーザ光が照射されているときに生成される上記トラッキングエラー信号の振幅との振幅変化率が±3〔dB〕以上となる光ディスクであるか否かを判別する判別部
を具え、
上記照射位置検出部は、
上記判別部により、上記データの記録及び又は再生に用いられる上記光ディスクが、上記振幅変化率が±3〔dB〕以上となる上記光ディスクであると判別されると、上記受光部によって受光された少なくとも上記一方の副反射光の光量の変化又は上記他方の副反射光の光量の変化に基づき、上記主レーザ光の照射位置が上記トラックの上記記録済境界位置に到達したことを検出すると共に、上記主レーザ光の照射位置が上記トラックの上記未記録境界位置に到達したことを検出し、
上記信号補正部は、
上記判別部により、上記データの記録及び又は再生に用いられる上記光ディスクが、上記振幅変化率が±3〔dB〕以上となる上記光ディスクであると判別されると、上記照射位置検出部により上記主レーザ光の照射位置が上記トラックの上記記録済境界位置に到達したと検出されたこと、及び上記主レーザ光の照射位置が上記トラックの上記未記録境界位置に到達したと検出されたことに応じて、上記主レーザ光が上記トラックの上記データ未記録部分及び上記データ記録済部分のうち上記反射率の大幅に高い他方に照射されている間、上記トラッキングエラー信号生成部により生成された上記トラッキングエラー信号を補正する
請求項1に記載の光ディスク装置。 - 上記判別部は、
上記データの記録及び又は再生に用いられる上記光ディスクの上記トラックの上記データ未記録部分に上記主レーザ光が照射されているときに上記トラッキングエラー信号生成部によって生成された上記トラッキングエラー信号の振幅と、上記データ記録済部分に上記主レーザ光が照射されているときに上記トラッキングエラー信号生成部によって生成された上記トラッキングエラー信号の振幅とに基づいて、上記データの記録及び又は再生に用いられる上記光ディスクが、上記振幅変化率が±3〔dB〕以上となる上記光ディスクであるか否かを判別する
請求項12に記載の光ディスク装置。 - 上記信号補正部によって上記トラッキングエラー信号の補正に用いられる補正値を生成する補正値生成部
を具え、
上記信号補正部は、
上記照射位置検出部により上記主レーザ光の照射位置が上記トラックの上記記録済境界位置に到達したと検出されたこと、及び上記主レーザ光の照射位置が上記トラックの上記未記録境界位置に到達したと検出されたことに応じて、上記主レーザ光が上記トラックの上記データ未記録部分及び上記データ記録済部分のうち上記反射率の大幅に高い他方に照射されている間、上記トラッキングエラー信号生成部により生成された上記トラッキングエラー信号を、上記補正値生成部により生成された上記補正値を用いて補正する
請求項1に記載の光ディスク装置。 - 上記補正値生成部は、
上記光ディスクの上記トラックの上記データ未記録部分に上記主レーザ光が照射されているときに上記トラッキングエラー信号生成部によって生成された上記トラッキングエラー信号と、上記トラックの上記データ記録済部分に上記主レーザ光が照射されているときに上記トラッキングエラー信号生成部によって生成された上記トラッキングエラー信号とに基づいて上記補正値を生成する
請求項14に記載の光ディスク装置。 - 上記補正値生成部は、
上記照射位置検出部により、上記受光部によって受光された少なくとも上記一方の副反射光の光量の変化又は上記他方の副反射光の光量の変化に基づき、上記主レーザ光の照射位置が上記トラックの上記データ未記録部分及び上記データ記録済部分の一方から上記反射率の大幅に高い他方との上記記録済境界位置又は上記未記録境界位置に到達したことが検出されたとき、上記受光部によって受光された上記一方及び他方の副反射光の光量に基づいて上記補正値を生成する
請求項14に記載の光ディスク装置。 - データ記録面に設けられたトラックのデータ未記録部分及びデータ記録済部分の一方よりも他方の反射率が大幅に高い光ディスクの所望のトラックに主レーザ光を照射すると共に、当該主レーザ光よりも上記トラックに対するレーザ走査方向に先行させて上記所望のトラックと、当該所望のトラックに隣接する一方のトラックとの一方の間隙部に一方の副レーザ光を照射し、かつ上記主レーザ光よりも上記レーザ走査方向に後行させて上記所望のトラックと、当該所望のトラックに隣接する他方のトラックとの他方の間隙部に他方の副レーザ光を照射した状態で、上記光ディスクの上記データ記録面で上記主レーザ光及び上記一方及び他方の副レーザ光が反射することにより得られる主反射光及び一方及び他方の副反射光を受光すると共に、上記主反射光及び上記一方及び他方の副反射光の受光結果に基づき、上記所望のトラックに対する上記主レーザ光のトラッキングの制御に用いるトラッキングエラー信号を生成するトラッキングエラー信号生成ステップと、
上記受光した少なくとも上記一方の副反射光の光量の変化又は上記他方の副反射光の光量の変化に基づき、上記主レーザ光の照射位置が上記トラックの上記データ未記録部分から上記データ記録済部分との記録済境界位置に到達したことを検出すると共に、上記主レーザ光の照射位置が上記トラックの上記データ記録済部分から上記データ未記録部分との未記録境界位置に到達したことを検出するようにして、上記主レーザ光の照射位置が上記トラックの上記記録済境界位置に到達したと検出したこと、及び上記主レーザ光の照射位置が上記トラックの上記未記録境界位置に到達したと検出したことに応じて、上記主レーザ光を上記トラックの上記データ未記録部分及び上記データ記録済部分のうち上記反射率の大幅に高い他方に照射している間、上記トラッキングエラー信号を補正する信号補正ステップと
を具える信号補正方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008149286A JP2009295247A (ja) | 2008-06-06 | 2008-06-06 | 光ディスク装置及び信号補正方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022195912A1 (ja) * | 2021-03-16 | 2022-09-22 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 情報記録再生装置及び情報記録再生方法 |
-
2008
- 2008-06-06 JP JP2008149286A patent/JP2009295247A/ja active Pending
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