JP2009294458A - 光スキャナ - Google Patents

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Abstract

【課題】ミラー部の揺動時に、反射光の光学特性に悪影響を与えるミラー部の動的ミラー歪みを効果的に抑制することが可能な光スキャナを提供する。
【解決手段】各基体部25A、25Bの各反射ミラー部12側の端縁部は、その両端部を各支持梁部21A、21Bによって連結され、この各基体部25A、25Bの外側端縁部は、固定枠5に固定されている。また、一対の支持梁部21A、21Bの貫通孔10側の側面部から揺動軸15に沿って、反射ミラー部12の揺動軸15方向の両側面部と各支持梁部21A、21Bの側面部との略中央位置まで、該貫通孔10の内側方向に延出された一対の捻れ梁部22A、22Bが形成されている。また、反射ミラー部12は、各一対の連結梁部24A〜24D及び一対の保持梁部23A、23Bを介して、揺動軸15上に形成された一対の捻れ梁部22A、22Bによって支持される。
【選択図】図1

Description

本発明は、光スキャナに関するものである。
従来より、ミラー部を揺動軸回りに揺動駆動して所定方向に光を走査する光スキャナに関して種々提案されている。
例えば、従来の光スキャナの一例を図20に基づいて説明する。図20は従来の光スキャナの一例を示す平面図である。
図20に示すように、ミラー部101の周囲を囲むように枠体状の可動部102を配置し、このミラー部101と可動部102とを、揺動軸103上に形成された各梁104A、104Bと、揺動軸103に対して直角方向のミラー101の幅方向中心線上に形成された各梁104C、104Dとによって接続する。そして、揺動軸103上に形成された各トーションバー105によって可動部102を揺動可能に軸支し、当該可動部102を揺動駆動するように構成した光スキャナ100がある。
また、このように構成した光スキャナ100は、揺動軸103に対して直角方向のミラー101の幅方向中心線上で、可動部102の両外側に静磁界を発生させる一対の永久磁石を配置する。そして、可動部102に設けられた不図示のコイルに交番電圧を印加することにより、共振状態でミラー部101及び可動部102にトーションバー105を中心に捻れ振動を誘起することができる(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−131685号公報(段落(0016)〜(0025)、図1〜図3)
しかしながら、上述した特許文献1に記載される構成の光スキャナ100では、共振状態において、ミラー部101の中央部には、ミラー部101及び可動部102の慣性モーメントや空気抵抗等のために、反射面により反射された反射光の光学特性に影響を与える程度(例えば、撓み量1μm以上である。)の動的ミラー歪みが生じるという問題がある。
尚、動的ミラー歪みとは、ミラー部の揺動時に、慣性モーメントや空気抵抗等によってミラー部の反射面に生じる歪みをいう。
ここで、光スキャナ100を共振状態で駆動した場合のミラー部101の動的ミラー歪みの一例を図21に基づいて説明する。図21は図20の光スキャナ100を共振状態で駆動した場合のミラー部101の動的ミラー歪みの一例を模式的に示す拡大斜視図である。尚、図21では、ミラー部101が最大揺動角度まで回動したときの動的ミラー歪みを、ミラー部101がほぼ水平になるまで揺動軸103回りに回転させて示すものである。
図21に示すように、光スキャナ100のミラー部101には、慣性モーメントや空気抵抗等のために、反射面に揺動軸103に対して直角方向で該揺動軸103を中心とする正弦波の変形が生じ、その変形が各梁104A〜104Dを介して可動枠102に伝達され、当該可動枠102にも揺動軸103を中心とする正弦波の変形が生じている。つまり、ミラー部101に発生する動的ミラー歪みが、各梁104A〜104Dを介して可動枠102で吸収されないため、当該ミラー部101の中央部に、1μm以上にも達する撓み量が発生する。そのため、ミラー部101の中央部における反射面で反射された反射光の光学特性が悪化するという問題がある。
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、ミラー部の揺動時に、反射光の光学特性に悪影響を与えるミラー部の動的ミラー歪みを効果的に抑制することが可能な光スキャナを提供することを目的とする。
前記目的を達成するため請求項1に係る光スキャナは、ミラー部を揺動軸回りに揺動駆動して所定方向に光を走査する光スキャナにおいて、前記ミラー部の揺動軸に沿って一端が支持されて該揺動軸回りに捻れ振動される一対の捻れ梁部と、前記一対の捻れ梁部のそれぞれの他端から前記揺動軸に対して直角方向両側に該揺動軸に対して対称に延出されて前記ミラー部の揺動軸方向の両端部に相対向する一対の保持梁部と、前記一対の保持梁部のそれぞれの両端から延出されて相対向する前記ミラー部の前記揺動軸に対して対称な所定位置に接続される各一対の連結梁部と、前記一対の捻れ梁部に前記揺動軸回りの捻れ振動を誘起する振動誘起部と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項2に係る光スキャナは、請求項1に記載の光スキャナにおいて、前記ミラー部は、前記揺動軸に対して直角方向に対称に形成され、前記各一対の連結梁部は、前記一対の保持梁部のそれぞれの両端から揺動軸方向に延出されて相対向する前記ミラー部の揺動軸方向の両端部に接続されていることを特徴とする。
また、請求項3に係る光スキャナは、請求項2に記載の光スキャナにおいて、前記各一対の連結梁部は、それぞれ前記ミラー部の揺動軸方向の両端部の相対向する隅部に接続されていることを特徴とする。
また、請求項4に係る光スキャナは、請求項1に記載の光スキャナにおいて、前記ミラー部は、前記揺動軸に対して直角方向に対称に形成され、前記保持梁部は、相対向する前記ミラー部の揺動軸方向の両端部よりも外側に延出され、前記各一対の連結梁部は、前記一対の保持梁部のそれぞれの両端から揺動軸方向に所定長さ延出された後、更に、前記ミラー部側に延出されて該ミラー部の揺動軸に対して直角方向両端部の相対向する隅部に接続されていることを特徴とする。
また、請求項5に係る光スキャナは、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の光スキャナにおいて、前記ミラー部の揺動軸方向の両端部は、相対向する前記保持梁部に対して平行になるように形成されていることを特徴とする。
また、請求項6に係る光スキャナは、請求項1に記載の光スキャナにおいて、前記ミラー部は、中央部分が平面視矩形状に形成されると共に、その中央部分の前記揺動軸に対して直角方向両側端縁部から外側方向に揺動軸方向の幅が徐々に狭くなるように延出されて、該揺動軸に対して直角方向に対称に形成され、前記保持梁部は、相対向する前記ミラー部の中央部分の揺動軸方向の両端部とほぼ同じ長さに形成され、前記各一対の連結梁部は、前記一対の保持梁部のそれぞれの両端から、前記ミラー部の中央部分から徐々に幅が狭くなる揺動軸方向の両端部に沿って、相対向する該ミラー部の揺動軸方向の両端部より外側に延出された後、更に、該ミラー部側に延出されて該ミラー部の揺動軸に対して直角方向両端部の相対向する隅部に接続されていることを特徴とする。
更に、請求項7に係る光スキャナは、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の光スキャナにおいて、前記振動誘起部は、前記一対の捻れ梁部のそれぞれの前記一端が長手方向中央部に連結されて相対向するように形成される一対の支持梁部と、前記ミラー部を挟んで前記一対の支持梁部の各長手方向端部にそれぞれ内側端縁部が連結されて、前記揺動軸に対して直角方向に対称に配置される一対の平板状の基体部と、前記一対の基体部の外側端縁部が連結される固定部材と、前記一対の基体部の少なくとも一方の基体部の表面部に形成された励振手段とを有することを特徴とする。
請求項1に係る光スキャナでは、ミラー部の動的ミラー歪みを、各一対の連結梁部を介して、この各一対の連結梁部が両端部に接続された一対の保持梁部に伝達して吸収することが可能となる。このため、ミラー部の揺動時に、当該ミラー部の揺動軸に対して直角方向の各一対の連結梁部によって挟まれた揺動軸を含む中央側の部分の動的ミラー歪みを低減して、反射光の光学特性に悪影響を与えるミラー部の動的ミラー歪みを効果的に抑制することが可能となる。
また、各保持梁部は、一対の捻れ梁部のそれぞれの他端から揺動軸に対して直角方向両側に該揺動軸に対して対称に延出されているため、各捻れ梁部の揺動軸回りの捻れ振動により発生するミラー部の揺動軸をどの方向にも変位させることなく、ミラー部を揺動させることが可能となる。
また、請求項2に係る光スキャナでは、ミラー部の揺動時に、当該ミラー部の反射面において、各連結梁部の幅寸法に相当する両端部分より内側、つまり、中央側の部分の反射面に発生する動的ミラー歪みを低減して、反射光の実効効率の向上を図ることが可能となる。
また、ミラー部は揺動軸に対して直角方向に対称に形成されているため、各捻れ梁部の揺動軸回りの捻れ振動により発生するミラー部の揺動軸をどの方向にも変位させることなく、ミラー部を揺動させることが可能となる。
また、請求項3に係る光スキャナでは、各一対の連結梁部をミラー部の揺動軸方向の両端部の相対向する隅部に接続するため、ミラー部の揺動時に、当該ミラー部の反射面において、各連結梁部の幅寸法に相当する両端部分より内側、つまり、中央側のほぼ全反射面に発生する動的ミラー歪みを低減して、反射光の実効効率の更なる向上を図ることが可能となる。
また、各一対の連結梁部をミラー部の揺動軸方向の両端部の相対向する隅部に接続するため、各一対の連結梁部をミラー部に接続する位置精度の低減化を図ることができ、製品歩留まりの向上を図ることができる。
また、請求項4に係る光スキャナでは、ミラー部の揺動時に、当該ミラー部の揺動軸に対して直角方向の両端部より内側、つまり、ほぼ全反射面に発生する動的ミラー歪みを低減して、反射光の実効効率の向上を図ることが可能となる。
また、ミラー部は揺動軸に対して直角方向に対称に形成されているため、各捻れ梁部の揺動軸回りの捻れ振動により発生するミラー部の揺動軸をどの方向にも変位させることなく、ミラー部を揺動させることが可能となる。
また、各一対の連結梁部をミラー部の揺動軸に対して直角方向両端部の相対向する隅部に接続するため、各一対の連結梁部をミラー部に接続する位置精度の低減化を図ることができ、製品歩留まりの向上を図ることができる。
また、請求項5に係る光スキャナでは、ミラー部の揺動軸方向の両端部は、相対向する保持梁部に対して平行になるように形成されているため、反射面を大きくすることが可能となる。
また、請求項6に係る光スキャナでは、ミラー部の揺動時に、当該ミラー部の揺動軸に対して直角方向の両端部より内側、つまり、ほぼ全反射面に発生する動的ミラー歪みを低減して、反射光の実効効率の向上を図ることが可能となる。
また、ミラー部は、中央部分の揺動軸に対して直角方向両側端縁部から外側方向に揺動軸方向の幅が徐々に狭くなるように形成されているため、揺動軸に対して直角方向両端縁部に作用する慣性モーメントを小さくすることが可能となる。これにより、ミラー部に発生する動的ミラー歪みの更なる低減化を図ることが可能となる。
また、ミラー部は揺動軸に対して直角方向に対称に形成されているため、各捻れ梁部の揺動軸回りの捻れ振動により発生するミラー部の揺動軸をどの方向にも変位させることなく、ミラー部を揺動させることが可能となる。
また、各一対の連結梁部をミラー部の揺動軸に対して直角方向両端部の相対向する隅部に接続するため、各一対の連結梁部をミラー部に接続する位置精度の低減化を図ることができ、製品歩留まりの向上を図ることができる。
更に、請求項7に係る光スキャナでは、一対の基体部の各内側端縁部は、一対の支持梁部によって連結され、この一対の基体部の各外側端縁部は、固定部材に固定されているため、励振手段によって揺動軸を節とする定在的な波を各基体部及び各支持梁部に発生させることが可能となる。これにより、ミラー部は、各一対の連結梁部及び一対の保持梁部を介して、揺動軸上に形成された一対の捻れ梁部によって支持されるため、このミラー部の揺動軸をどの方向にも変位させることなく、ミラー部を揺動させることが可能となる。
以下、本発明に係る光スキャナについて具体化した実施例1乃至実施例4に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
[光スキャナ1の概略構成]
先ず、実施例1に係る光スキャナ1の概略構成について図1乃至図3に基づき説明する。図1は光スキャナ1の概略構成を模式的に示す分解斜視図である。図2は光スキャナ1の平面図である。図3は図2のX1−X1矢視断面図である。
図1乃至図3に示すように、光スキャナ1は、本体部2がベース3に装着されて構成されている。この本体部2は、ステンレス(例えば、SUS304やSUS430等である。)、チタン、鉄等、弾性を有する導電性材料を用いて、プレス加工又はエッチングによって形成されている。本体部2の厚さは、約30μm〜100μmとされている。
この本体部2は、図1の上部、図2及び図3に示すように、概略的には薄板長方形状を成している。本体部2は、外側に固定枠5を備え、その固定枠5の内側には、長手方向両側縁部に沿ってスリット状の一対の貫通孔6が、相互に対向するように形成されて、平面視長方形状の振動体8が設けられている。
また、振動体8は、長手方向中央位置に光が通過し得る平面視長方形状の貫通孔10が形成されている。そして、この貫通孔10の中央部には、反射面11が形成された平面視略長方形状の反射ミラー部12が、揺動軸15に対して直角方向、つまり、反射ミラー部12の長手方向対称になるように設けられている。そして、反射ミラー部12の反射面11は、その長手方向の対称中心線でもある揺動軸15を中心として揺動させられる。尚、反射ミラー部12は、長方形に限らず、正方形、略四角形、菱形、多角形、円形、楕円形等であってもよい。
このような本体部2の構成に対応して、ベース3は、図1の下部、図2及び図3に示すように、本体部2との装着状態において固定枠5が装着されるべき支持部18と、振動体8と対向する凹部19とを有するように構成されている。凹部19は、本体部2をベース3に装着した状態において、振動体8が振動によって変位してもベース3と干渉しない形状を有するために形成されている。
また、振動体8は、貫通孔10の相対向する両側縁部を構成する一対の支持梁部21A、21Bが形成されている。この一対の支持梁部21A、21Bは、揺動軸15に対して長手方向対称に形成されている。また、この一対の支持梁部21A、21Bの長手方向両端部は、反射ミラー部12を挟んで、揺動軸15に対して直角方向に対称に配置された一対の平板状の基体部25A、25Bの反射ミラー部12側の端縁部の両端にそれぞれ連結されている。また、この一対の基体部25A、25Bの外側端縁部は、固定枠5を介してベース3に固定されている。
また、一対の支持梁部21A、21Bの貫通孔10側の側面部から揺動軸15に沿って、反射ミラー部12の揺動軸15方向の両側面部と各支持梁部21A、21Bの側面部との間の略中央位置まで、該貫通孔10の内側方向に同じ長さになるように延出された一対の捻れ梁部22A、22Bが形成されている。また、一対の捻れ梁部22A、22Bの反射ミラー部12側のそれぞれの他端から、揺動軸15に対して直角方向両側に該揺動軸15に対して対称に延出された一対の保持梁部23A、23Bが形成されている。また、この一対の保持梁部23A、23Bは、相対向する反射ミラー部12の揺動軸15方向の両側面部より外側に延出されている。
また、この一対の保持梁部23A、23Bのそれぞれの揺動軸15に対して直角方向の両端部から、反射ミラー部12の揺動軸15に対して直角方向両端部の相対向する隅部に対向するまで、揺動軸15方向に延出された後、更に、揺動軸15に対して直角方向の反射ミラー部12側に延出されて、該反射ミラー部12の揺動軸15に対して直角方向両端部の相対向する隅部に接続された平面視L字形の各一対の連結梁部24A〜24Dが形成されている。
また、一対の保持梁部23A、23Bは、それぞれ反射ミラー部12の揺動軸15上の両側面部と各支持梁部21A、21Bの側面部との間の略中央位置に位置するように形成されている。また、各保持梁部23A、23Bの反射ミラー部12側の各側面部と、各一対の連結梁部24A〜24Dの揺動軸15側の各側面部と、反射ミラー部12の揺動軸15方向の両側面部とによって、各保持梁部23A、23Bと反射ミラー部12との間には、反射ミラー部12の両側縁部に沿ってスリット状の一対の貫通孔20A、20Bが形成されている。
従って、反射ミラー部12、一対の支持梁部21A、21B、一対の基体部25A、25B、一対の捻れ梁部22A、22B、一対の保持梁部23A、23B、及び各一対の連結梁部24A〜24Dは、揺動軸15に対して直角方向に対称になるように設けられている。また、反射ミラー部12、一対の支持梁部21A、21B、一対の基体部25A、25B、一対の捻れ梁部22A、22B、一対の保持梁部23A、23B、及び各一対の連結梁部24A〜24Dは、反射ミラー部12の揺動軸15上の揺動軸方向中央位置を通り、この揺動軸15に対して直交している軸線27に対して揺動軸15方向に対称になるように設けられている。
ここで、反射ミラー部12は、平面視長手方向が約800μm〜1200μmで、平面視短手方向(幅方向)が約100μm〜500μmに形成されている。また、一対の捻れ梁部22A、22Bは、揺動軸15に対して直交している平面視短手方向(幅方向)が約80μm〜150μmに形成され、揺動軸15に沿った長手方向が約250μm〜1500μmに形成されている。
また、一対の基体部25A、25Bのそれぞれの表面部には、約1μm〜10μmの厚さで平面視約500μm〜1500μm角の略正方形に積層された一対の圧電素子26A、26Bが形成されている。尚、各圧電素子26A、26Bは、平面視正方形に限らず、平面視長方形、略四角形、菱形、多角形、円形、楕円形等であってもよい。
また、一対の圧電素子26A、26Bは、反射ミラー部12の揺動軸15上の揺動軸方向中央位置を通り、この揺動軸15に対して直交している軸線27上に中心位置が位置し、且つ、反射ミラー部12を挟んで揺動軸15に対して対称になるように形成されている。
また、各圧電素子26A、26Bの揺動軸15に対して直角方向外側の端縁部は、各基体部25A、25Bの外側端縁部、つまり、各基体部25A、25Bの固定枠5との連結部から反射ミラー部12側方向に所定距離離れるように形成されている。従って、各圧電素子26A、26Bの揺動軸15に対して直角方向外側の端縁部は、ベース3の支持部18の内側面から所定距離離れた位置に形成されている。これにより、後述のように各基体部25A、25B及び各支持梁部21A、21Bに揺動軸15を節とする定在的な波を発生させることができる(図5、図6参照)。
この一対の圧電素子26A、26Bの作製方法は、先ず、固定枠5と振動体8との表面部において、各圧電素子26A、26Bを除いた部分にレジスト膜、若しくは、別途用意した各圧電素子26A、26Bを形成する形状部分が切り抜かれた金属片を用いてマスキングする。その後、PZT等の圧電素子のナノサイズの微粒子を吹付けることによって成膜を行なうエアロゾルデポジション法(AD法)によって、PZT等の圧電素子を約1μm〜10μm積層して各圧電素子26A、26Bを形成後、レジスト膜、若しくは、金属片を除去する。
また、各圧電素子26A、26Bの上側には、各圧電素子26A、26Bの周縁部と所定隙間を形成するように、約0.2μm〜0.6μmの厚さで積層された一対の上部電極28A、28Bが形成されている。
この一対の上部電極28A、28Bの作製方法は、先ず、固定枠5と振動体8との表面部において、各圧電素子26A、26B上に各上部電極28A、28Bを形成するように、各上部電極28A、28Bを形成する表面部分を除いた部分にレジスト膜を形成、若しくは、別途用意した各上部電極28A、28Bを形成する形状部分が切り抜かれた金属片を用いてマスキングする。その後、物理気相成長法(PVD:PhysicalVapor Deposition)や真空蒸着法によって、白金(Pt)や金(Au)等を約0.2μm〜0.6μm積層して各上部電極28A、28Bを形成後、レジスト膜、若しくは、金属片を除去する。例えば、各上部電極28A、28Bの部分にチタン(Ti)を0.05μm積層し、続いて、その上側に白金(Pt)を0.5μm積層後、レジスト膜、若しくは、金属片を除去するようにしてもよい。
従って、後述のように、各基体部25A、25Bの外側端縁部に対向する固定枠5上の部分と各上部電極28A、28Bとにワイヤボンディングして、各基体部25A、25B上に形成された各圧電素子26A、26Bに駆動電圧を印加することが可能となる(図4参照)。つまり、反射ミラー部12、各捻れ梁部22A、22B、各保持梁部23A、23B、各連結梁部24A〜24D及び各支持梁部21A、21Bに負荷を与えることなく、駆動電圧を印加することが可能となる。
尚、上述した本体部2の製造方法においては、圧電素子層として各圧電素子26A、26BをAD法で、上部電極層として各上部電極28A、28Bを物理気相成長法や真空蒸着法で形成した。また、各圧電素子26A、26Bも物理気相成長法や真空蒸着法で形成してもよい。また、各上部電極28A、28BをAD法で形成してもよい。この物理気相成長法には、例えば、真空中に不活性ガスを導入しながら基板とターゲット間に直流電圧あるいは交流電圧を印加し、イオン化した不活性ガスをターゲットに衝突させて、はじき飛ばされたターゲット物質を基板に成膜させるスパッタリングがある。但し、これに限らず、化学気相成長法(CVD:ChemicalVapor Deposition)によって、圧電素子層、上部電極層のうち、少なくとも一つの層を形成してもよい。
[揺動駆動]
次に、光スキャナ1の揺動駆動について図4乃至図7に基づいて説明する。
図4は反射ミラー部12の揺動駆動の一例を示す図である。図5は各支持梁部21A、21Bと反射ミラー部12が同位相で揺動する第1共振状態を示す図である。図6は図5の揺動状態から180度位相がずれた揺動状態を示す図である。
図4に示すように、本体部2の固定枠5と基体部25A上に形成された上部電極28Aとに、駆動回路31を介して所定駆動電圧(例えば、振幅約30Vの交番電圧に、約30Vのバイアス電圧を付加した電圧である。)を印加する。それにより、基体部25A上に形成された圧電素子26Aには、その印加方向と直交する向き、即ち、揺動軸15に直交している軸線27方向の変位が発生される。
また、本体部2の固定枠5と基体部25B上に形成された上部電極28Bとに駆動回路32を介して、駆動回路31の出力電圧と逆位相で同電圧の駆動電圧を印加する。それにより、基体部25B上に形成された圧電素子26Bには、その印加方向と直交する向き、即ち、揺動軸15に直交している軸線27方向の変位が、圧電素子26Aと反対方向に発生される。
そして、図5及び図6に示すように、各圧電素子26A、26Bの変位により、各基体部25A、25Bは、固定枠5側端部を固定端とし、各支持梁部21A、21B側端部を自由端として、各圧電素子26A、26Bの変位が上向きであるか下向きであるかにより、各自由端は、上向き又は下向きに各圧電素子26A、26Bと同方向に変位する。つまり、各自由端は互いに反対方向に変位する。それにより、各基体部25A、25B及び各支持梁部21A、21Bには、揺動軸15を節とする定在的な波を発生させることができる。
また、この揺動軸15を節とする定在的な波は、各捻れ梁部22A、22Bで支持された水平状態にある各保持梁部23A、23B、各一対の連結梁部24A〜24D、及び、反射ミラー部12に回転モーメントを与える力を作用させることができ、捻れ振動を誘起する。その結果、各保持梁部23A、23B、各一対の連結梁部24A〜24D、及び、反射ミラー部12は、一体となって各捻れ梁部22A、22Bの軸心である揺動軸15回りに揺動される。また、揺動軸15は、この定在的な波の節に位置するため、どの方向にも変位することがない。
ここで、各保持梁部23A、23B、各一対の連結梁部24A〜24D、及び、反射ミラー部12が一体となって揺動軸15回りに揺動されている際の、反射ミラー部12の動的ミラー歪みについて図7に基づいて説明する。
図7は光スキャナ1を第1共振状態で駆動した場合の反射ミラー部12の動的ミラー歪みの一例を模式的に示す拡大斜視図である。尚、図7は、図5に示す反射ミラー部12が最大揺動角度まで回動したときの動的ミラー歪みを、反射ミラー部12がほぼ水平になるまで揺動軸15回りに回転させて示すものである。
図7に示すように、反射ミラー部12の揺動軸15回りの揺動時に、慣性モーメントや空気抵抗等によって反射ミラー部12に発生するZ軸方向の動的ミラー歪みは、各連結梁部24A〜24Dを介して各保持梁部23A、23Bに吸収され、反射面11のほぼ全面に渡って低減されている。一方、反射ミラー部12の動的ミラー歪みを吸収する各連結梁部24A〜24D及び各保持梁部23A、23Bには、揺動軸15を節とする大きな動的撓みが生じている。
尚、各保持梁部23A、23B、各一対の連結梁部24A〜24D、及び、反射ミラー部12が、各支持梁部21A、21Bと逆位相で揺動する第2共振状態に設定することが可能であるが、この場合においても、反射ミラー部12に発生するZ軸方向の動的ミラー歪みは、各連結梁部24A〜24Dを介して各保持梁部23A、23Bに吸収され、反射面11のほぼ全面に渡って低減される。一方、反射ミラー部12の動的ミラー歪みを吸収する各連結梁部24A〜24D及び各保持梁部23A、23Bには、揺動軸15を節とする大きな動的撓みが生じる。
ここで、反射ミラー部12は、ミラー部の一例として機能する。また、各圧電素子26A、26Bと各上部電極28A、28Bは、励振手段の一例を構成する。また、固定枠5は、固定部材の一例として機能する。また、各支持梁部21A、21B、各基体部25A、25B、固定部5、各圧電素子26A、26B、各上部電極28A、28Bは、振動誘起部の一例を構成する。
以上説明した通り、実施例1に係る光スキャナ1では、反射ミラー部12の慣性モーメントや空気抵抗等によって当該反射ミラー部12に発生する動的ミラー歪みを、この反射ミラー部12の揺動軸15に対して直角方向両端部の相対向する隅部に接続された各一対の連結梁部24A〜24Dを介して、この各一対の連結梁部24A〜24Dが両端部に接続された一対の保持梁部23A、23Bに伝達して吸収することが可能となる。
これにより、反射ミラー部12の揺動時に、当該反射ミラー部12の揺動軸15に対して直角方向の両端部より内側、つまり、ほぼ全反射面11に発生する動的ミラー歪みを低減して、反射光の実効効率の向上を図ることが可能となる。
また、各一対の連結梁部24A〜24Dを反射ミラー部12の揺動軸15に対して直角方向両端部の相対向する隅部に接続するため、各一対の連結梁部24A〜24Dを反射ミラー部12に接続する位置精度の低減化を図ることができ、製品歩留まりの向上を図ることができる。
また、反射ミラー部12の揺動軸15方向の両端部は、相対向する各保持梁部23A、23Bに対して平行になるように形成されているため、つまり、反射ミラー部12は平面視長方形に形成されているため、反射面11を大きくすることが可能となる。
更に、一対の基体部25A、25Bの各内側端縁部は、一対の支持梁部21A、21Bによって連結され、この一対の基体部25A、25Bの各外側端縁部は、固定部材5に固定されているため、各圧電素子26A、26Bによって揺動軸15を節とする定在的な波を各基体部25A、25B及び各支持梁部21A、21Bに発生させることが可能となる。
これにより、反射ミラー部12は、各一対の連結梁部24A〜24D及び一対の保持梁部23A、23Bを介して、揺動軸15上に形成された一対の捻れ梁部22A、22Bによって支持されるため、反射ミラー部12を揺動軸15に対して直角方向に対称に形成することによって、この反射ミラー部12の揺動軸15をどの方向にも変位させることなく、反射ミラー部12を揺動させることが可能となる。従って、反射ミラー部12の揺動軸15が、どの方向にも変位しないため、反射ミラー部12の反射光の実効効率の更なる向上を図ることが可能となる。
また、本体部2をステンレス、チタン、鉄等、弾性を有する導電性材料で形成することによって、各圧電素子26A、26Bの下部電極を形成する必要がなくなり、構造の簡素化を図ることが可能となる。
[光スキャナ41の概略構成]
次に、実施例2に係る光スキャナ41について図8乃至図11に基づいて説明する。尚、上記実施例1に係る光スキャナ1と同一符号は、上記実施例1に係る光スキャナ1と同一あるいは相当する部分を示すものである。
図8は実施例2に係る光スキャナ41の平面図である。図9は図8のX2−X2矢視断面図である。
図8及び図9に示すように、この実施例2に係る光スキャナ41の全体構成は、上記実施例1に係る光スキャナ1とほぼ同じ構成である。
但し、実施例2に係る光スキャナ41は、実施例1に係る光スキャナ1の各保持梁部23A、23B及び各一対の連結梁部24A〜24Dに替えて、各保持梁部42A、42B及び各一対の連結梁部43A〜43Dが設けられている点で異なっている。
図8に示すように、一対の捻れ梁部22A、22Bの反射ミラー部12側のそれぞれの他端から、揺動軸15に対して直角方向両側に該揺動軸15に対して対称に延出された一対の保持梁部42A、42Bが形成されている。また、この一対の保持梁部42A、42Bは、相対向する反射ミラー部12の揺動軸15方向の両側面部と同じ長さ、つまり、反射ミラー部12の揺動軸15に直角方向の長さと同じ長さになるように延出されている。
また、この一対の保持梁部42A、42Bのそれぞれの揺動軸15に対して直角方向の両端部から揺動軸15方向に延出されて、それぞれ反射ミラー部12の揺動軸15方向の両端部の相対向する隅部に接続された各一対の連結梁部43A〜43Dが形成されている。
また、一対の保持梁部42A、42Bは、それぞれ反射ミラー部12の揺動軸15上の両側面部と各支持梁部21A、21Bの側面部との間の略中央位置に位置するように形成されている。また、各保持梁部42A、42Bの反射ミラー部12側の各側面部と、各一対の連結梁部43A〜43Dの揺動軸15側の各側面部と、反射ミラー部12の揺動軸15方向の両側面部とによって、各保持梁部42A、42Bと反射ミラー部12との間には、反射ミラー部12の両側縁部に沿ってスリット状の一対の貫通孔45A、45Bが形成されている。
従って、反射ミラー部12、一対の支持梁部21A、21B、一対の基体部25A、25B、一対の捻れ梁部22A、22B、一対の保持梁部42A、42B、及び各一対の連結梁部43A〜43Dは、揺動軸15に対して直角方向に対称になるように設けられている。また、反射ミラー部12、一対の支持梁部21A、21B、一対の基体部25A、25B、一対の捻れ梁部22A、22B、一対の保持梁部42A、42B、及び各一対の連結梁部43A〜43Dは、反射ミラー部12の揺動軸15上の揺動軸方向中央位置を通り、この揺動軸15に対して直交している軸線27に対して揺動軸15方向に対称になるように設けられている。
[揺動駆動]
次に、光スキャナ41の揺動駆動について図10及び図11に基づいて説明する。図10は反射ミラー部12の揺動駆動の一例を示す図である。
図10に示すように、上記実施例1に係る光スキャナ1と同様に、光スキャナ41の本体部2の固定枠5と各上部電極28A、28Bに、各駆動回路31、32を介して逆位相で同電圧の駆動電圧を印加する。それにより、各基体部25A、25B及び各支持梁部21A、21Bには、揺動軸15を節とする定在的な波を発生させることができる。
これにより、上記実施例1に係る光スキャナ1と同様に、揺動軸15を節とする定在的な波は、各捻れ梁部22A、22Bで支持された水平状態にある各保持梁部42A、42B、各一対の連結梁部43A〜43D、及び、反射ミラー部12に回転モーメントを与える力を作用させることができ、捻れ振動を誘起する。その結果、各保持梁部42A、42B、各一対の連結梁部43A〜43D、及び、反射ミラー部12は、一体となって各捻れ梁部22A、22Bの軸心である揺動軸15回りに揺動される。また、揺動軸15は、この定在的な波の節に位置するため、どの方向にも変位することがない。
ここで、各支持梁部21A、21Bと反射ミラー部12が同位相で揺動する第1共振状態で、各保持梁部42A、42B、各一対の連結梁部43A〜43D、及び、反射ミラー部12が一体となって揺動軸15回りに揺動されている際の、反射ミラー部12の動的ミラー歪みについて図11に基づいて説明する。
図11は光スキャナ41を第1共振状態で駆動した場合の反射ミラー部12の動的ミラー歪みの一例を模式的に示す拡大斜視図である。尚、図11は、反射ミラー部12が最大揺動角度まで回動したときの動的ミラー歪みを、反射ミラー部12がほぼ水平になるまで揺動軸15回りに回転させて示すものである。
図11に示すように、反射ミラー部12の揺動軸15回りの揺動時に、慣性モーメントや空気抵抗等によって反射ミラー部12に発生するZ軸方向の動的ミラー歪みは、各連結梁部43A〜43Dを介して各保持梁部42A、42Bに吸収されている。このため、反射ミラー部12の反射面11の各連結梁部43A、43Dの揺動軸15側の側縁部との結合点と、各連結梁部43B、43Cの揺動軸15側の側縁部との結合点とによって挟まれた間の領域47では、反射ミラー部12に発生するZ軸方向の動的ミラー歪みは低減されて小さくなっている。
一方、反射ミラー部12の動的ミラー歪みを吸収する各連結梁部43A〜43D及び各保持梁部42A、42Bには、揺動軸15を節とする大きな動的撓みが生じている。このため、反射ミラー部12の反射面11の領域47から揺動軸15に対して直角方向両外側、つまり、反射ミラー部12の揺動軸15に対して直角方向両側端縁部は、Z軸方向の動的ミラー歪みが増大している。
尚、各保持梁部42A、42B、各一対の連結梁部43A〜43D、及び、反射ミラー部12が、各支持梁部21A、21Bと逆位相で揺動する第2共振状態に設定することが可能であるが、この場合においても、反射ミラー部12に発生するZ軸方向の動的ミラー歪みは、各連結梁部43A〜43Dを介して各保持梁部42A、42Bに吸収され、反射面11の領域47では、反射ミラー部12に発生するZ軸方向の動的ミラー歪みは低減されて小さくなる。一方、反射ミラー部12の動的ミラー歪みを吸収する各連結梁部43A〜43D及び各保持梁部42A、42Bには、揺動軸15を節とする大きな動的撓みが生じる。
以上説明した通り、実施例2に係る光スキャナ41では、反射ミラー部12の慣性モーメントや空気抵抗等によって当該反射ミラー部12に発生する動的ミラー歪みを、この反射ミラー部12の揺動軸15方向の両端部の相対向する隅部に接続された各一対の連結梁部43A〜43Dを介して、この各一対の連結梁部43A〜43Dが両端部に接続された一対の保持梁部42A、42Bに伝達して吸収することが可能となる。
これにより、反射ミラー部12の揺動時に、当該反射ミラー部12の反射面11において、各一対の連結梁部43A〜43Dの幅寸法に相当する両端部分より内側、つまり、領域47の広い部分に発生する動的ミラー歪みを低減して、反射光の実効効率の向上を図ることが可能となる。
また、各一対の連結梁部43A〜43Dを反射ミラー部12の揺動軸15方向の両端部の相対向する隅部に接続するため、各一対の連結梁部43A〜43Dを反射ミラー部12に接続する位置精度の低減化を図ることができ、製品歩留まりの向上を図ることができる。
また、反射ミラー部12の揺動軸15方向の両端部は、相対向する各保持梁部42A、42Bに対して平行になるように形成されているため、つまり、反射ミラー部12は平面視長方形に形成されているため、反射面11を大きくすることが可能となる。
更に、一対の基体部25A、25Bの各内側端縁部は、一対の支持梁部21A、21Bによって連結され、この一対の基体部25A、25Bの各外側端縁部は、固定部材5に固定されているため、各圧電素子26A、26Bによって揺動軸15を節とする定在的な波を各基体部25A、25B及び各支持梁部21A、21Bに発生させることが可能となる。
これにより、反射ミラー部12は、各一対の連結梁部43A〜43D及び一対の保持梁部42A、42Bを介して、揺動軸15上に形成された一対の捻れ梁部22A、22Bによって支持されるため、反射ミラー部12を揺動軸15に対して直角方向に対称に形成することによって、この反射ミラー部12の揺動軸15をどの方向にも変位させることなく、反射ミラー部12を揺動させることが可能となる。従って、反射ミラー部12の揺動軸15が、どの方向にも変位しないため、反射ミラー部12の反射光の実効効率の更なる向上を図ることが可能となる。
また、本体部2をステンレス、チタン、鉄等、弾性を有する導電性材料で形成することによって、各圧電素子26A、26Bの下部電極を形成する必要がなくなり、構造の簡素化を図ることが可能となる。
[光スキャナ61の概略構成]
次に、実施例3に係る光スキャナ61について図12乃至図15に基づいて説明する。尚、上記実施例1に係る光スキャナ1と同一符号は、上記実施例1に係る光スキャナ1と同一あるいは相当する部分を示すものである。
図12は実施例3に係る光スキャナ61の平面図である。図13は図12のX3−X3矢視断面図である。
図12及び図13に示すように、この実施例3に係る光スキャナ61の全体構成は、上記実施例1に係る光スキャナ1とほぼ同じ構成である。
但し、実施例3に係る光スキャナ61は、実施例1に係る光スキャナ1の各保持梁部23A、23B及び各一対の連結梁部24A〜24Dに替えて、各保持梁部62A、62B及び各一対の連結梁部63A〜63Dが設けられている点で異なっている。
図12に示すように、一対の捻れ梁部22A、22Bの反射ミラー部12側のそれぞれの他端から、揺動軸15に対して直角方向両側に該揺動軸15に対して対称に延出された一対の保持梁部62A、62Bが形成されている。また、この一対の保持梁部62A、62Bは、相対向する反射ミラー部12の揺動軸15方向の両側面部よりも短い長さ、つまり、反射ミラー部12の揺動軸15に直角方向の長さよりも短い長さになるように延出されている。
また、この一対の保持梁部62A、62Bのそれぞれの揺動軸15に対して直角方向の両端部から揺動軸15方向に延出されて、それぞれ反射ミラー部12の揺動軸15方向の両端部に接続された各一対の連結梁部63A〜63Dが形成されている。
また、一対の保持梁部62A、62Bは、それぞれ反射ミラー部12の揺動軸15上の両側面部と各支持梁部21A、21Bの側面部との間の略中央位置に位置するように形成されている。また、各保持梁部62A、62Bの反射ミラー部12側の各側面部と、各一対の連結梁部63A〜63Dの揺動軸15側の各側面部と、反射ミラー部12の揺動軸15方向の両側面部とによって、各保持梁部62A、62Bと反射ミラー部12との間には、反射ミラー部12の両側縁部に沿ってスリット状の一対の貫通孔65A、65Bが形成されている。
従って、反射ミラー部12、一対の支持梁部21A、21B、一対の基体部25A、25B、一対の捻れ梁部22A、22B、一対の保持梁部62A、62B、及び各一対の連結梁部63A〜63Dは、揺動軸15に対して直角方向に対称になるように設けられている。また、反射ミラー部12、一対の支持梁部21A、21B、一対の基体部25A、25B、一対の捻れ梁部22A、22B、一対の保持梁部62A、62B、及び各一対の連結梁部63A〜63Dは、反射ミラー部12の揺動軸15上の揺動軸方向中央位置を通り、この揺動軸15に対して直交している軸線27に対して揺動軸15方向に対称になるように設けられている。
[揺動駆動]
次に、光スキャナ61の揺動駆動について図14及び図15に基づいて説明する。図14は反射ミラー部12の揺動駆動の一例を示す図である。
図14に示すように、上記実施例1に係る光スキャナ1と同様に、光スキャナ61の本体部2の固定枠5と各上部電極28A、28Bに、各駆動回路31、32を介して逆位相で同電圧の駆動電圧を印加する。それにより、各基体部25A、25B及び各支持梁部21A、21Bには、揺動軸15を節とする定在的な波を発生させることができる。
これにより、上記実施例1に係る光スキャナ1と同様に、揺動軸15を節とする定在的な波は、各捻れ梁部22A、22Bで支持された水平状態にある各保持梁部62A、62B、各一対の連結梁部63A〜63D、及び、反射ミラー部12に回転モーメントを与える力を作用させることができ、捻れ振動を誘起する。その結果、各保持梁部62A、62B、各一対の連結梁部63A〜63D、及び、反射ミラー部12は、一体となって各捻れ梁部22A、22Bの軸心である揺動軸15回りに揺動される。また、揺動軸15は、この定在的な波の節に位置するため、どの方向にも変位することがない。
ここで、各支持梁部21A、21Bと反射ミラー部12が同位相で揺動する第1共振状態で、各保持梁部62A、62B、各一対の連結梁部63A〜63D、及び、反射ミラー部12が一体となって揺動軸15回りに揺動されている際の、反射ミラー部12の動的ミラー歪みについて図15に基づいて説明する。
図15は光スキャナ61を第1共振状態で駆動した場合の反射ミラー部12の動的ミラー歪みの一例を模式的に示す拡大斜視図である。尚、図15は、反射ミラー部12が最大揺動角度まで回動したときの動的ミラー歪みを、反射ミラー部12がほぼ水平になるまで揺動軸15回りに回転させて示すものである。
図15に示すように、反射ミラー部12の揺動軸15回りの揺動時に、慣性モーメントや空気抵抗等によって反射ミラー部12に発生するZ軸方向の動的ミラー歪みは、各連結梁部63A〜63Dを介して各保持梁部62A、62Bに吸収されている。このため、反射ミラー部12の反射面11の各連結梁部63A、63Dの揺動軸15側の側縁部との結合点と、各連結梁部63B、63Cの揺動軸15側の側縁部との結合点とによって挟まれた間の中央部分の領域67では、反射ミラー部12に発生するZ軸方向の動的ミラー歪みは低減されて小さくなっている。
一方、反射ミラー部12の動的ミラー歪みを吸収する各連結梁部63A〜63D及び各保持梁部62A、62Bには、揺動軸15を節とする大きな動的撓みが生じている。
また、反射ミラー部12の反射面11の領域67の揺動軸15に対して直角方向両外側部分の動的ミラー歪みは、各連結梁部63A〜63Dを介して各保持梁部62A、62Bに吸収されないため、Z軸方向の動的ミラー歪みが低減されていない。
尚、各保持梁部62A、62B、各一対の連結梁部63A〜63D、及び、反射ミラー部12が、各支持梁部21A、21Bと逆位相で揺動する第2共振状態に設定することが可能であるが、この場合においても、反射ミラー部12に発生するZ軸方向の動的ミラー歪みは、各連結梁部63A〜63Dを介して各保持梁部62A、62Bに吸収され、反射面11の領域67では、反射ミラー部12に発生するZ軸方向の動的ミラー歪みは低減されて小さくなる。
一方、反射ミラー部12の動的ミラー歪みを吸収する各連結梁部63A〜63D及び各保持梁部62A、62Bには、揺動軸15を節とする大きな動的撓みが生じる。また、反射ミラー部12の反射面11の領域67から揺動軸15に対して直角方向両外側部分の動的ミラー歪みは、各連結梁部63A〜63Dを介して各保持梁部62A、62Bに吸収されないため、Z軸方向の動的ミラー歪みが低減されていない。
以上説明した通り、実施例3に係る光スキャナ61では、反射ミラー部12の慣性モーメントや空気抵抗等によって当該反射ミラー部12に発生する動的ミラー歪みを、この反射ミラー部12の揺動軸15方向の両端部に接続された各一対の連結梁部63A〜63Dを介して、この各一対の連結梁部63A〜63Dが両端部に接続された一対の保持梁部62A、62Bに伝達して吸収することが可能となる。
これにより、反射ミラー部12の揺動時に、当該反射ミラー部12の反射面11において、各一対の連結梁部63A〜63Dによって挟まれた揺動軸15を含む中央側の領域67の部分の動的ミラー歪みを低減して、反射光の実効効率の向上を図ることが可能となる。
また、各一対の連結梁部63A〜63Dを反射ミラー部12の揺動軸15方向の両端部に接続するため、各一対の連結梁部63A〜63Dを反射ミラー部12に接続する位置精度の低減化を図ることができ、製品歩留まりの向上を図ることができる。
また、反射ミラー部12の揺動軸15方向の両端部は、相対向する各保持梁部62A、62Bに対して平行になるように形成されているため、つまり、反射ミラー部12は平面視長方形に形成されているため、反射面11を大きくすることが可能となる。
更に、一対の基体部25A、25Bの各内側端縁部は、一対の支持梁部21A、21Bによって連結され、この一対の基体部25A、25Bの各外側端縁部は、固定部材5に固定されているため、各圧電素子26A、26Bによって揺動軸15を節とする定在的な波を各基体部25A、25B及び各支持梁部21A、21Bに発生させることが可能となる。
これにより、反射ミラー部12は、各一対の連結梁部63A〜63D及び一対の保持梁部62A、62Bを介して、揺動軸15上に形成された一対の捻れ梁部22A、22Bによって支持されるため、反射ミラー部12を揺動軸15に対して直角方向に対称に形成することによって、この反射ミラー部12の揺動軸15をどの方向にも変位させることなく、反射ミラー部12を揺動させることが可能となる。従って、反射ミラー部12の揺動軸15が、どの方向にも変位しないため、反射ミラー部12の反射光の実効効率の更なる向上を図ることが可能となる。
また、本体部2をステンレス、チタン、鉄等、弾性を有する導電性材料で形成することによって、各圧電素子26A、26Bの下部電極を形成する必要がなくなり、構造の簡素化を図ることが可能となる。
[光スキャナ81の概略構成]
次に、実施例4に係る光スキャナ81について図16乃至図19に基づいて説明する。尚、上記実施例1に係る光スキャナ1と同一符号は、上記実施例1に係る光スキャナ1と同一あるいは相当する部分を示すものである。
図16は実施例4に係る光スキャナ81の平面図である。図17は図16のX4−X4矢視断面図である。
図16及び図17に示すように、この実施例4に係る光スキャナ81の全体構成は、上記実施例1に係る光スキャナ1とほぼ同じ構成である。
但し、実施例4に係る光スキャナ81は、実施例1に係る光スキャナ1の反射ミラー部12、各保持梁部23A、23B及び各一対の連結梁部24A〜24Dに替えて、反射ミラー部82、各保持梁部83A、83B及び各一対の連結梁部84A〜84Dが設けられている点で異なっている。
図16に示すように、貫通孔10の中央部には、反射面11が形成された反射ミラー部82が設けられている。この反射ミラー部82は、揺動軸15を含む中央部分が、この揺動軸15に対して直角方向に長い平面視長方形状に形成され、その中央部分の揺動軸15に対して直角方向両側端縁部から外側方向に揺動軸15方向の幅が徐々に狭くなるように延出されて、平面視略横長八角形状に形成されている。
また、この反射ミラー部82は、揺動軸15に対して直角方向、つまり、反射ミラー部82の長手方向対称になるように形成されている。尚、反射ミラー部82の揺動軸15を含む中央部分は、平面視長方形に限らず、正方形、略四角形等であってもよい。また、反射ミラー部82は、平面視略横長八角形状に限らず、平面視楕円形等であってもよい。
また、一対の捻れ梁部22A、22Bの反射ミラー部82側のそれぞれの他端から、揺動軸15に対して直角方向両側に該揺動軸15に対して対称に延出された一対の保持梁部83A、83Bが形成されている。この一対の保持梁部83A、83Bは、相対向する反射ミラー部82の中央部分、つまり平面視長方形部分の揺動軸15方向の両側面部とほぼ同じ長さになるように延出されている。
また、この一対の保持梁部83A、83Bのそれぞれの揺動軸15に対して直角方向の両端部から、反射ミラー部82の中央部分から徐々に幅が狭くなる揺動軸15方向の両側面部に沿って、相対向する反射ミラー部82の揺動軸15方向の両側面部より外側に延出され、その後、反射ミラー部82の揺動軸15に対して直角方向両端部の相対向する隅部に対向するまで、揺動軸15方向に延出された後、更に、揺動軸15に対して直角方向反射ミラー部82側に延出されて、該反射ミラー部82の揺動軸15に対して直角方向両端部の相対向する隅部に接続された各一対の連結梁部84A〜84Dが形成されている。
また、一対の保持梁部83A、83Bは、それぞれ反射ミラー部82の揺動軸15上の両側面部と各支持梁部21A、21Bの側面部との間の略中央位置に位置するように形成されている。また、各保持梁部83A、83Bの反射ミラー部82側の各側面部と、各一対の連結梁部84A〜84Dの揺動軸15側の各側面部と、反射ミラー部82の揺動軸15方向の両側面部とによって、各保持梁部83A、83Bと反射ミラー部82との間には、反射ミラー部82の両側縁部に沿って平面視略弓形の一対の貫通孔85A、85Bが形成されている。
従って、反射ミラー部82、一対の支持梁部21A、21B、一対の基体部25A、25B、一対の捻れ梁部22A、22B、一対の保持梁部83A、83B、及び各一対の連結梁部84A〜84Dは、揺動軸15に対して直角方向に対称になるように設けられている。また、反射ミラー部82、一対の支持梁部21A、21B、一対の基体部25A、25B、一対の捻れ梁部22A、22B、一対の保持梁部83A、83B、及び各一対の連結梁部84A〜84Dは、反射ミラー部82の揺動軸15上の揺動軸方向中央位置を通り、この揺動軸15に対して直交している軸線27に対して揺動軸15方向に対称になるように設けられている。
ここで、反射ミラー部82は、平面視長手方向が約800μm〜1200μmで、中央部分の平面視短手方向(幅方向)が約100μm〜500μmに形成されている。また、一対の捻れ梁部22A、22Bは、揺動軸15に対して直交している平面視短手方向(幅方向)が約80μm〜150μmに形成され、揺動軸15に沿った長手方向が約250μm〜1500μmに形成されている。
[揺動駆動]
次に、光スキャナ81の揺動駆動について図18及び図19に基づいて説明する。図18は反射ミラー部82の揺動駆動の一例を示す図である。
図18に示すように、上記実施例1に係る光スキャナ1と同様に、光スキャナ81の本体部2の固定枠5と各上部電極28A、28Bに、各駆動回路31、32を介して逆位相で同電圧の駆動電圧を印加する。それにより、各基体部25A、25B及び各支持梁部21A、21Bには、揺動軸15を節とする定在的な波を発生させることができる。
これにより、上記実施例1に係る光スキャナ1と同様に、揺動軸15を節とする定在的な波は、各捻れ梁部22A、22Bで支持された水平状態にある各保持梁部83A、83B、各一対の連結梁部84A〜84D、及び、反射ミラー部82に回転モーメントを与える力を作用させることができ、捻れ振動を誘起する。その結果、各保持梁部83A、83B、各一対の連結梁部84A〜84D、及び、反射ミラー部82は、一体となって各捻れ梁部22A、22Bの軸心である揺動軸15回りに揺動される。また、揺動軸15は、この定在的な波の節に位置するため、どの方向にも変位することがない。
ここで、各支持梁部21A、21Bと反射ミラー部82が同位相で揺動する第1共振状態で、各保持梁部83A、83B、各一対の連結梁部84A〜84D、及び、反射ミラー部82が一体となって揺動軸15回りに揺動されている際の、反射ミラー部82の動的ミラー歪みについて図19に基づいて説明する。
図19は光スキャナ81を第1共振状態で駆動した場合の反射ミラー部82の動的ミラー歪みの一例を模式的に示す拡大斜視図である。尚、図19は、反射ミラー部82が最大揺動角度まで回動したときの動的ミラー歪みを、反射ミラー部82がほぼ水平になるまで揺動軸15回りに回転させて示すものである。
図19に示すように、反射ミラー部82の揺動軸15回りの揺動時に、慣性モーメントや空気抵抗等によって反射ミラー部82に発生するZ軸方向の動的ミラー歪みは、各連結梁部84A〜84Dを介して各保持梁部83A、83Bに吸収され、反射面11のほぼ全面に渡って低減されている。一方、反射ミラー部82の動的ミラー歪みを吸収する各連結梁部84A〜84D及び各保持梁部83A、83Bには、揺動軸15を節とする大きな動的撓みが生じている。
尚、各保持梁部83A、83B、各一対の連結梁部84A〜84D、及び、反射ミラー部82が、各支持梁部21A、21Bと逆位相で揺動する第2共振状態に設定することが可能であるが、この場合においても、反射ミラー部82に発生するZ軸方向の動的ミラー歪みは、各連結梁部84A〜84Dを介して、この各連結梁部84A〜84D及び各保持梁部83A、83Bに吸収され、反射面11のほぼ全面に渡って低減される。一方、反射ミラー部82の動的ミラー歪みを吸収する各連結梁部84A〜84D及び各保持梁部83A、83Bには、揺動軸15を節とする大きな動的撓みが生じる。
ここで、反射ミラー部82は、ミラー部の一例として機能する。
以上説明した通り、実施例4に係る光スキャナ81では、反射ミラー部82の慣性モーメントや空気抵抗等によって当該反射ミラー部82に発生する動的ミラー歪みを、この反射ミラー部82の揺動軸15に対して直角方向両端部の相対向する隅部に接続された各一対の連結梁部84A〜84D及び一対の保持梁部83A、83Bに伝達して吸収することが可能となる。
これにより、反射ミラー部82の揺動時に、当該反射ミラー部82の揺動軸15に対して直角方向の両端部より内側、つまり、ほぼ全反射面11に発生する動的ミラー歪みを低減して、反射光の実効効率の向上を図ることが可能となる。
また、各一対の連結梁部84A〜84Dを反射ミラー部82の揺動軸15に対して直角方向両端部の相対向する隅部に接続するため、各一対の連結梁部84A〜84Dを反射ミラー部82に接続する位置精度の低減化を図ることができ、製品歩留まりの向上を図ることができる。
また、反射ミラー部82は、揺動軸15に対して直角方向に細長い平面視略横長八角形状に形成されているため、揺動軸15に対して直角方向両端縁部に作用する慣性モーメントを小さくすることが可能となる。これにより、反射ミラー部82に発生する動的ミラー歪みの更なる低減化を図ることが可能となる。
更に、一対の基体部25A、25Bの各内側端縁部は、一対の支持梁部21A、21Bによって連結され、この一対の基体部25A、25Bの各外側端縁部は、固定部材5に固定されているため、各圧電素子26A、26Bによって揺動軸15を節とする定在的な波を各基体部25A、25B及び各支持梁部21A、21Bに発生させることが可能となる。
これにより、反射ミラー部82は、各一対の連結梁部84A〜84D及び一対の保持梁部83A、83Bを介して、揺動軸15上に形成された一対の捻れ梁部22A、22Bによって支持されるため、反射ミラー部82を揺動軸15に対して直角方向に対称に形成することによって、この反射ミラー部82の揺動軸15をどの方向にも変位させることなく、反射ミラー部82を揺動させることが可能となる。従って、反射ミラー部82の揺動軸15が、どの方向にも変位しないため、反射ミラー部82の反射光の実効効率の更なる向上を図ることが可能となる。
また、本体部2をステンレス、チタン、鉄等、弾性を有する導電性材料で形成することによって、各圧電素子26A、26Bの下部電極を形成する必要がなくなり、構造の簡素化を図ることが可能となる。
尚、本発明は前記実施例1乃至実施例4に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。例えば、以下のようにしてもよい。
(A)本体部2をシリコン、石英等、弾性を有する厚さ約30μm〜100μmの非導電性材料で形成してもよい。この場合には、厚さ約30μm〜100μmの薄長四角形のシリコン基材上等に各貫通孔6、貫通孔10、各貫通孔20A、20B、45A、45B、65A、65B、85A、85Bの部分を除いた部分にレジスト膜を形成してマスキング後、エッチングして、各貫通孔6及び貫通孔10、各貫通孔20A、20B、45A、45B、65A、65B、85A、85Bを形成した後、レジスト膜を除去する。これにより、固定枠5、各反射ミラー部12、82、各捻れ梁部22A、22B、各支持梁部21A、21B、各基体部25A、25B、各保持梁部23A、23B、42A、42B、62A、62B、83A、83B、及び、各連結梁部24A〜24D、43A〜43D、63A〜63D、84A〜84Dが形成される。
また、この場合には、各基体部25A、25B上に各圧電素子26A、26Bを形成する部分から固定枠5に渡って、白金(Pt)や金(Au)等を約0.2μm〜0.6μm積層して一対の下部電極31A、31B(不図示)を形成する。その後、各下部電極31A、31B上に各圧電素子26A、26Bを形成後、この各圧電素子26A、26B上に各上部電極28A、28Bを形成するようにしてもよい。
これにより、固定枠5上の各下部電極31A、31Bと各上部電極28A、28Bとにワイヤボンディングして、各基体部25A、25B上に形成された各圧電素子26A、26Bに互いに逆位相の駆動電圧を印加することが可能となる。また、各上部電極28A、28B、各圧電素子26A、26B及び各下部電極31A、31Bを従来のスパッター法やCVD法等の薄膜技術で形成することが可能となる。
(B)また、例えば、各圧電素子26A、26Bに替えて、外部からの交番磁界により延び縮みする超磁歪材料等の磁歪膜や、外部からの交番磁界によって吸引・反発される永久磁石膜をAD法等で形成してもよい。そして、各基体部25A、25Bの近傍位置にコイルを設け、このコイルに交流電流を流して交番磁界を形成するようにしてもよい。これによって、揺動軸15を節とする定在的な波を各基体部25A、25B及び各支持梁部21A、21Bに発生させ、各反射ミラー部12、82を揺動軸15回りに揺動駆動することが可能となる。尚、この場合には、本体部2は、非磁性材料で形成することが望ましい。
(C)また、例えば、固定枠5を形成することなく、各基体部25A、25Bの外側端縁部をそれぞれベース3の支持部18上まで延出して、各基体部25A、25Bを直接支持部18上に固着するようにしてもよい。これにより、本体部2を小型化することが可能となる。
実施例1に係る光スキャナの概略構成を模式的に示す分解斜視図である。 光スキャナの平面図である。 図2のX1−X1矢視断面図である。 反射ミラー部の揺動駆動の一例を示す図である。 各支持梁部と反射ミラー部が同位相で揺動する第1共振状態を示す図である。 図5の揺動状態から180度位相がずれた揺動状態を示す図である。 実施例1に係る光スキャナを揺動駆動した場合の反射ミラー部の動的ミラー歪みの一例を模式的に示す拡大斜視図である。 実施例2に係る光スキャナの概略構成を示す平面図である。 図8のX2−X2矢視断面図である。 反射ミラー部の揺動駆動の一例を示す図である。 実施例2に係る光スキャナを揺動駆動した場合の反射ミラー部の動的ミラー歪みの一例を模式的に示す拡大斜視図である。 実施例3に係る光スキャナの概略構成を示す平面図である。 図12のX3−X3矢視断面図である。 反射ミラー部の揺動駆動の一例を示す図である。 実施例3に係る光スキャナを揺動駆動した場合の反射ミラー部の動的ミラー歪みの一例を模式的に示す拡大斜視図である。 実施例4に係る光スキャナの概略構成を示す平面図である。 図16のX4−X4矢視断面図である。 反射ミラー部の揺動駆動の一例を示す図である。 実施例4に係る光スキャナを揺動駆動した場合の反射ミラー部の動的ミラー歪みの一例を模式的に示す拡大斜視図である。 従来の光スキャナの一例を示す平面図である。 図20の光スキャナを共振状態で駆動した場合のミラー部の動的ミラー歪みの一例を模式的に示す拡大斜視図である。
符号の説明
1、41、61、81、100 光スキャナ
2 本体部
3 ベース
5 固定枠
6、10、20A、20B、45A、45B 貫通孔
65A、65B、85A、85B 貫通孔
12、82 反射ミラー部
15、103 揺動軸
21A、21B 支持梁部
22A、22B 捻れ梁部
23A、23B、42A、42B、62A、62B、83A、83B 保持梁部
24A〜24D、43A〜43D、63A〜63D、84A〜84D 連結梁部
25A、25B 基体部
26A、26B 圧電素子
27 軸線
28A、28B 上部電極
31、32 駆動回路
101 ミラー部
102 可動部
104A〜104D 梁
105 トーションバー

Claims (7)

  1. ミラー部を揺動軸回りに揺動駆動して所定方向に光を走査する光スキャナにおいて、
    前記ミラー部の揺動軸に沿って一端が支持されて該揺動軸回りに捻れ振動される一対の捻れ梁部と、
    前記一対の捻れ梁部のそれぞれの他端から前記揺動軸に対して直角方向両側に該揺動軸に対して対称に延出されて前記ミラー部の揺動軸方向の両端部に相対向する一対の保持梁部と、
    前記一対の保持梁部のそれぞれの両端から延出されて相対向する前記ミラー部の前記揺動軸に対して対称な所定位置に接続される各一対の連結梁部と、
    前記一対の捻れ梁部に前記揺動軸回りの捻れ振動を誘起する振動誘起部と、
    を備えたことを特徴とする光スキャナ。
  2. 前記ミラー部は、前記揺動軸に対して直角方向に対称に形成され、
    前記各一対の連結梁部は、前記一対の保持梁部のそれぞれの両端から揺動軸方向に延出されて相対向する前記ミラー部の揺動軸方向の両端部に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の光スキャナ。
  3. 前記各一対の連結梁部は、それぞれ前記ミラー部の揺動軸方向の両端部の相対向する隅部に接続されていることを特徴とする請求項2に記載の光スキャナ。
  4. 前記ミラー部は、前記揺動軸に対して直角方向に対称に形成され、
    前記保持梁部は、相対向する前記ミラー部の揺動軸方向の両端部よりも外側に延出され、
    前記各一対の連結梁部は、前記一対の保持梁部のそれぞれの両端から揺動軸方向に所定長さ延出された後、更に、前記ミラー部側に延出されて該ミラー部の揺動軸に対して直角方向両端部の相対向する隅部に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の光スキャナ。
  5. 前記ミラー部の揺動軸方向の両端部は、相対向する前記保持梁部に対して平行になるように形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の光スキャナ。
  6. 前記ミラー部は、中央部分が平面視矩形状に形成されると共に、その中央部分の前記揺動軸に対して直角方向両側端縁部から外側方向に揺動軸方向の幅が徐々に狭くなるように延出されて、該揺動軸に対して直角方向に対称に形成され、
    前記保持梁部は、相対向する前記ミラー部の中央部分の揺動軸方向の両端部とほぼ同じ長さに形成され、
    前記各一対の連結梁部は、前記一対の保持梁部のそれぞれの両端から、前記ミラー部の中央部分から徐々に幅が狭くなる揺動軸方向の両端部に沿って、相対向する該ミラー部の揺動軸方向の両端部より外側に延出された後、更に、該ミラー部側に延出されて該ミラー部の揺動軸に対して直角方向両端部の相対向する隅部に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の光スキャナ。
  7. 前記振動誘起部は、
    前記一対の捻れ梁部のそれぞれの前記一端が長手方向中央部に連結されて相対向するように形成される一対の支持梁部と、
    前記ミラー部を挟んで前記一対の支持梁部の各長手方向端部にそれぞれ内側端縁部が連結されて、前記揺動軸に対して直角方向に対称に配置される一対の平板状の基体部と、
    前記一対の基体部の外側端縁部が連結される固定部材と、
    前記一対の基体部の少なくとも一方の基体部の表面部に形成された励振手段と、
    を有することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の光スキャナ。
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