JP2009293871A - 汽力発電設備における起動バイパス系統及びその運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】バイパスにバルブを設けて個々に調整することで、ボイラの点火からタービンへの通気までの時間を短縮すると共に、起動バイパス系統全体を安全かつ正確に運転し、更に熱回収することにより熱の損失を減少する。
【解決手段】ボイラ1と、その下流に配置した一次過熱器(一次SH)3と、その下流に配置した二次過熱器(二次SH)4と、一次過熱器(一次SH)3と二次過熱器(二次SH)4との間に配置したフラッシュタンク5と、ボイラ1とフラッシュタンク5との間に配置した一次SHバイパス弁(CV−2A/B)17と、一次過熱器(一次SH)3とフラッシュタンク5との間に配置した二次SHバイパス弁(CV−3)18とを備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、汽力発電設備におけるボイラから定常蒸気をタービンに供給する技術に係り、特に点火しようとするボイラの水壁を保護するために系統にバイパスを設けた汽力発電設備における起動バイパス系統及びその運転方法に関する。
汽力発電設備は、ボイラで燃料を燃焼し、その熱で高圧高温の蒸気を発生し、蒸気タービン、発電機を回転させて電力を発生する設備である。このボイラで燃料を燃やして得た高温高圧の蒸気でタービンを回す汽力発電設備が火力発電の中では発電能力・発電量ともに圧倒的に高い比率を占めている。
汽力発電設備は、ボイラ、タービン、発電機などの主要機器の他に、種々の付属設備から構成される。これらの設備を機能別に分類すると、燃料受入・貯蔵設備、ボイラ設備、蒸気タービン設備、復水・給水系統設備、発電機および電気設備、及び計測制御装置及び諸設備から成る。ここで、燃料受入・貯蔵設備は、取引用計量装置、重原油、LNG、LPG等の燃料タンク、燃料油ポンプ、LNGポンプ、気化器などである。ボイラ設備はボイラ本体、重原油ポンプ、バーナ、通風機、空気予熱器、集じん器、灰処理装置、煙突などである。蒸気タービン設備はタービン本体、潤滑油装置、調速装置などである。復水・給水系統設備は復水器、循環水ポンプ、復水ポンプ、給水加熱器、
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、給水処理装置などである。発電機および電気設備は発電機、励磁機、変圧器、開閉装置、ケーブルなどである。計測制御装置は各種計測装置、監視装置、プラント総括制御装置、自動バーナ装置、計算機制御装置などである。諸設備には所内冷却水設備、所内空気設備、排水処理設備、保安防災設備などがある。
ボイラの水壁は、内部に常に水が流れていないと点火した場合に過熱パンクすることがある。ドラムボイラではドラムの水が水壁を循環しているのでタービンが蒸気を必要としない場合でも過熱することはない。また、貫流ボイラではこの循環ラインのあるものとないものがある。また循環ラインが無いボイラでは、その代りにボイラ水壁保護に必要な流量(300T/H)とタービンで使用する蒸気量の差をボイラ出口から抽出させる「起動バイパス系統」が設けられている。
この起動バイパス系統はボイラで吸収した熱量を多分に持つ水を抽出するため、効率的には非常に無駄といえる。そこで、その熱エネルギーをできるだけ無駄とせず回収する必要がある。そこで、点火からタービンへの通気までの時間を短縮するボイラの起動バイパス弁の昇温制御方法が提案されている。例えば、特許文献1の特開平10−38202号公報「起動バイパス弁の昇温制御方法」に示すように、ボイラの蒸発器から複数の過熱器を介して蒸気タービンに過熱蒸気を供給する主蒸気ラインまでの間に、最終過熱器の直前に設けられ最終過熱器をバイパスして蒸気を流す過熱器バイパス弁と、蒸気タービンの上流側に設けられ蒸気タービンをバイパスして蒸気を流すタービンバイパス弁とを備え、ホットバンキング起動時において、点火後、蒸気圧が所定の圧力以上になった後に、過熱器バイパス弁Sとタービンバイパス弁の両方を同等に開き、過熱器バイパス弁の上流側に位置する過熱器通過蒸気流量は過熱器バイパス弁とタービンバイパス弁の両者の流量とし、最終過熱器を通過する蒸気流量を弁の上流側流量の約50%として燃焼量/蒸気量の比率を高め、蒸気タービン上流側温度の上昇率を高め、蒸気タービンの起動を早める起動バイパス弁の昇温制御方法が提案されている。
特開平10−38202号公報
汽力発電設備では、安全に定常蒸気をタービンに供給する必要がある。定常蒸気になるまでの不安定な蒸気をそのまま複水器へ送出すること、即ち点火されたボイラから高温、高圧な蒸気を配管等に流すことは、設備に不具合や故障の発生原因になり、熱エネルギーの損失になる。例えば、1発電所では1日1億円相当の熱エネルギーの損失、更には人件費等のトータルコストの損失になる。
本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、バイパスにバルブを設けて個々に調整することで、点火からタービンへの通気までの時間を短縮すると共に、起動バイパス系統全体を安全かつ正確に運転し、更に熱回収することにより熱の損失を減少することができる汽力発電設備における起動バイパス系統及びその運転方法を提供することにある。
本発明の起動バイパス系統によれば、ボイラ(1)を起動するための起動バイパス系統であって、前記ボイラ(1)とタービン(2)との間に配置した一次過熱器(一次SH)(3)と二次過熱器(二次SH)(4)と、前記一次過熱器(一次SH)(3)と二次過熱器(二次SH)(4)との間に配置したフラッシュタンク(5)と、前記ボイラ(1)とフラッシュタンク(5)との間に配置した一次SHバイパス弁(CV−2A/B)(17)と、前記一次過熱器(一次SH)(3)と前記フラッシュタンク(5)との間に配置した二次SHバイパス弁(CV−3)(18)と、を備えた、ことを特徴とする汽力発電設備における起動バイパス系統が提供される。
前記一次過熱器(一次SH)(3)と二次過熱器(二次SH)(4)の間と、前記フラッシュタンク(5)と間に、該二次過熱器(二次SH)(4)に通記するSH通気弁(MV−5)(30)を更に備えることができる。
前記二次過熱器(二次SH)(4)と復水器(7)の間に、主蒸気管(32)をウォーミングするためにタービンバイパス弁(CV−4)(31)を更に備えることができる。
前記一次過熱器(一次SH)(3)と二次過熱器(二次SH)(4)との間に、SH止弁(MV−2A/B)(35)をバイパスする流量を調節するSH減圧弁(CV−5)(34)を更に備えることができる。
本発明の運転方法によれば、ボイラ(1)を起動するための起動バイパス系統を運転する方法であって、前記ボイラ(1)の水壁に水を流通させ、前記ボイラ(1)を点火して起動させ、該ボイラ(1)の水壁保護に必要な流量とタービン(2)で使用する蒸気量の差を該ボイラ(1)の出口から抽出させ、該ボイラ(1)の過熱を防止する、ことを特徴とする汽力発電設備における起動バイパス系統の運転方法が提供される。
前記ボイラ(1)を点火し、一次過熱器(一次SH)(3)の入口流体温度(PSHT)が155℃程度になると、レジスタチューブバイパス弁(MV−4)(19)を開き、一次SHバイパス弁(CV−2A/B)(17)でボイラ圧力を制御することが好ましい。
前記ボイラ(1)を点火し、一次過熱器(一次SH)(3)の入口流体温度(PSHT)が145℃程度以下では、レジスタチューブバイパス弁(MV−4)(19)を全閉とすることが好ましい。
前記ボイラ(1)を点火し、一次過熱器(一次SH)(3)の入口流体温度(PSHT)が160℃程度になると二次SHバイパス弁(CV−3)(17)を約15%開き、一次過熱器(一次SH)(3)に流体を流し、一次過熱器(一次SH)(3)の出口温度(PSOT)を測定し、前記一次過熱器(一次SH)(3)の入口流体温度が290℃程度になるまではPSHTによるプログラム制御を行ない、一次過熱器(一次SH)(3)の入口流体温度が290℃程度になると、一次過熱器(一次SH)(3)の出口温度による制御に切り替える、ことが好ましい。
前記ボイラ(1)を点火し、一次過熱器(一次SH)(3)の入口流体温度(PSHT)が160℃程度になると二次SHバイパス弁(CV−3)(17)が約15%開き、一次過熱器(一次SH)(3)に流体を流し、一次過熱器(一次SH)(3)の出口温度(PSOT)を測定し、ボイラ(1)の圧力については、一次SHバイパス弁(CV−2A/B)(17)で制御し、この圧力を一次SHバイパス弁(CV−2A/B)(17)だけでは制御できないときに、二次SHバイパス弁(CV−3)(17)で補助制御する、ことが好ましい。
上記構成の発明では、ボイラ(1)からタービン(2)までの系統中にバイパス系統を設けたので、ボイラ(1)の火入れ直後の安定していない蒸気は、高圧ヒータ(28)、脱気器(6)へ回収するが、フラッシュタンク(5)の圧力が設定値を超えればフラッシュタンクダンプ蒸気弁(CV−123)(23)より復水器(7)へ回収され、安定した定常蒸気にしてから、その定常蒸気をタービン(2)に供給することができる。このように、バイパス系統に弁を設けて個々に調整しながら安全な運転を可能にする。即ち、高温、高圧な蒸気を配管等に流さないので、発電設備の不具合や故障の発生を防止することができる。
また、不安定な蒸気については、バイパス系統に設けた弁を切り替えながらフラッシュタンク(5)へ送って熱回収することができるので、熱エネルギーを経済効率を高めることができる。
本発明の汽力発電設備における起動バイパス系統は、ボイラから過熱器へのバイパスにバルブを設けて個々に調整することにより、点火からタービンへの通気までの時間を短縮すると共に、起動バイパス系統全体を安全かつ正確に運転し、更に熱回収して熱の損失を減少することができる系統である。
本発明の起動バイパス系統の運転方法は、ボイラの水壁に水を流通させ、水壁保護に必要な流量とタービンで使用する蒸気量の差をボイラの出口から抽出させ、ボイラの過熱を防止する運転方法である。
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の汽力発電設備における起動バイパス系統を示す概略系統図である。
本発明の汽力発電設備における起動バイパス系統は、循環ラインがない貫流ボイラにおいてボイラ1の水壁保護に必要な流量とタービン(高圧タービン、中低圧タービン)2で使用する蒸気量の差をボイラ出口から抽出させるために設けた系統であり、主にボイラ1、一次過熱器(一次SH)3、二次過熱器(二次SH)4、フラッシュタンク5、脱気器6及び復水器7を備えた発電設備である。
ボイラ1には、火炉、ケージ壁8、天井壁9、四次水壁10、三次水壁11、二次水壁12、一次水壁13及び節炭器(Eco)14等を備えている。ボイラ1の水壁は内部に常に水が流れていないと点火した場合に過熱異常を起こす。なお、ドラムボイラではドラムの水が水壁を循環しているので、タービン2が蒸気を必要としない場合でも過熱することはない。しかし、貫流ボイラにこの循環ラインがないものでは、ボイラ水壁保護に必要な流量とタービン2で使用する蒸気量の差をボイラ出口から抽出させる「起動バイパス系統」を設けている。
一次過熱器(一次SH)3、二次過熱器(二次SH)4は、ボイラ本体で発生した飽和蒸気を更に過熱するための装置である。これらの一次過熱器3、二次過熱器4は、発電所の理論熱効率(熱落差)の増加、タ−ビン蒸気消費率の減少、流体摩擦の減少、水分による腐食の軽減などに利益をもたらし、その利益は過熱度の高いほど著しいが過熱器管材などの耐熱度によって過熱温度が制限される。
一次過熱器(一次SH)3の下流にフラッシュタンク5を配置してある。このフラッシュタンク5は、高圧蒸気ドレンを受入れ、器内圧をこれより低い圧力に保持し、低圧蒸気ドレンとの顕熱差分の熱を再蒸発させて低圧蒸気を作り出して再利用する圧力容器である。
復水器7は、タービン2の排気を冷却擬縮し、背圧を真空に保つことによりタービン2のタービン効率を上げると共に、擬縮復水した水を回収する設備である。また、この復水器7の内部は20℃に維持されている。この復水器7から復水する水は復水ポンプで取り出す。
復水器7の下流に脱気器6を配置した。この脱気器6は、タービン2の抽気や蒸化器の発生蒸気を噴射して給水を直接加熱し、給水中の溶存ガスを分離除去する設備である。
図2は起動バイパス系統における「低圧クリンアップ」の工程を示す概略系統図である。該当する工程は太い実線で示している。
「低圧クリンアップ」
ボイラ1を起動する際に、図2に示すように、「低圧クリンアップ」という給水を清浄にする工程を行う。貫流ボイラにおいて、ボイラ1に給水するときは、所定の条件を充足した水を供給する。そこで、復水器7と脱気器6に供給する前に、所定の条件に適合するまで脱塩装置を通して清浄にする。
この「低圧クリンアップ」操作の目安となる水質は次の通りである。
系統水ブローの停止時に、低圧クリンアップ管内のFeは300PPB以下、Nは300PPM以下とする。
低圧クリンアップの終了時には、脱気器6の出口において、Feが200PPB以下、Oが200PPB以下とする。復水器7の真空度は722mmHg(−96KPa)程度とする。
この「低圧クリンアップ」操作によって、水質が良好になればボイラ給水ポンプ(M−BFP)15を起動し、トッピングアップ弁(MV−10)16よりボイラ1に水を張る。
図3は起動バイパス系統における「1次SH洗缶」の工程を示す概略系統図である。該当する工程は太い実線で示している。
「ボイラ水張洗缶」
ボイラ1の水張りが完了したら、洗缶をするために、一次SHバイパス弁(CV−2A/B)17とトッピングアップ弁15で一次過熱器(一次SH)3の出口圧力(PSOP)を15.576Mpaまで昇圧する。このとき、二次SHバイパス弁(CV−3)18は全閉にする。
ボイラ圧力15.576Mpaに、一次SHバイパス弁(CV−2A/B)17を制御する。液体が一次SHバイパス弁(CV−2A/B)17の内弁を損傷しないように、レジスタチューブ(キャビラリーチューブ)19を通して、一次SHバイパス弁(CV−2A/B)17の差圧を軽減する。このレジスタチューブ19後の圧力が、21k(2.05MPa)以下になるように設計されている。因みに、一次SHバイパス弁(CV−2A/B)17に冷水で高差庄をかけると振動騒音内弁の損傷がおこる。
[一次SH洗缶]
ボイラ1の洗缶が終了したら、2次SHバイパス弁(CV−3)18を開いて、一次過熱器(一次SH)3の洗缶をする。しかし、2次SHバイパス弁(CV−3)18にはレジスタチューブ19がないので弁保護のために、ボイラ圧力を6.86Mpa以下に下げる必要がある。6.86Mpa以下のインターロックがあり通常4.90Mpaまで下げる。洗缶が終了したら、また全閉とし昇圧する。
このとき、フラッシュタンク5に落ちた水は水質が良好になるまで系外にブローする。その条件として、Nは100ppb以下、Feは300ppb以下になるまでブローする。
図4は起動バイパス系統における「高圧クリンアップ」の工程を示す概略系統図である。該当する工程は太い実線で示している。
[給水確立(300t/h)]
ボイラ1と一次過熱器(一次SH)3の洗缶が終了したら、トッピングアップ弁(MV−10)16より給水流量調節弁に切替えて、節炭器(Eco)14の入口給水流量を300t/hに増加する。このとき、給水を自動に投入すると300t/hになるよう制御する。
[系統水循環(高圧クリンアップ)]
フラッシュタンク5に落ちた水の水質が前の条件を満足したとき、高圧クリンアップブロー弁で(MV−11)20を閉めながら、また高圧クリンアップ弁(MV−684)21を開き、フラッシュタンクレベルを見ながら系統水循環を開始する。
このとき、フラッシュタンク水位調節弁(CV−124)22が動作してレベルをNLに制御する。この場合、レベルがNL+225mm以上でフラッシュタンク蒸気止弁(MV−135)23が閉となり蒸気ラインへ水の浸入を防ぐ。フラッシュタンク蒸気止弁(MV−135)23は、フラッシュタンク圧力を一定制御する(1.47MPa,ボイラ点火時は3.42MPaである。)。
この状態で、ボイラ点火に支障のない水質となるまで高圧クリンアップを続ける。
高圧クリンアップは、節炭器(Eco)14の入口において、次のような水質になったら終了する。μsが1μs/cm以下、Feは100ppb以下及びNは100ppb以下である。
図5は起動バイパス系統における「ボイラ点火」の工程を示す概略系統図である。該当する工程は太い実線で示している。
[ボイラ点火]
水質が基準に達したら、通風系統を起動し、燃料リークチェックし、86Bリセットの後ボイラ点火をする。このとき、CPTRで初燃料のモード選択をする。点火したら主蒸気温度マスタが一次過熱器(一次SH)3の入口流体温度を目標になるよう初燃料バイアスの制御を行なう。
点火し、一次過熱器(一次SH)3の入口流体温度(PSHT)が155℃程度になると、レジスタチューブバイパス弁(MV−4)25を開いて一次SHバイパス弁(CV−2A/B)17で、ボイラ圧力を制御する。この一次SHバイパス弁(CV−2A/B)17は、ボイラ1の安全弁の役目(オーバーライド動作)も持っている。この場合、制御不調となり圧力設定値(15.576)+0.88Mpaで強制的に開となる。
この頃になるとボイラ1内の水が加熱されて、レジスタチューブ19がなくても、一次SHバイパス弁(CV−2A/B)17だけで制御できるようになる。
また、PSHT145℃程度以下で、レジスタチューブバイパス弁(MV−4)25は全閉となる。
図6は起動バイパス系統における「ボイラ点火昇温」の工程を示す概略系統図である。該当する工程は太い実線で示している。図7は一次過熱器の入口流体温度(PSHT)と二次SHバイパス弁の開度との関係を示すグラフである。図8は一次SHバイパス弁の開度と二次SHバイパス弁の開度とのコントロール範囲を示すグラフである。
[2次SHバイパス弁(CV3)の動作]
一次過熱器(一次SH)3の入口流体温度(PSHT)が160℃程度になると二次SHバイパス弁(CV−3)17が約15%開き、一次過熱器(一次SH)3に流体が流れ、一次過熱器(一次SH)3の出口温度(PSOT)での温度測定が可能になる。そこで、二次SHバイパス弁18は、図7のグラフに示すような制御を行なう。
a.一次過熱器(一次SH)3の入口流体温度によるプログラム制御をする。
一次過熱器(一次SH)3の入口流体温度が290℃程度になるまではPSHTによるプログラム制御を行なう。290℃程度になると、次の一次過熱器(一次SH)3の出口温度による制御に切り替える。
b.PSOTを380℃程度になるように比例制御する。
PSOT=350℃は、圧力15.5Mpaに対する飽和温度である。これは昇圧負荷上昇(DPR)時の蒸気温度変動を少なくするためである。
c.図8のグラフに示すように、一次SHバイパス弁(CV−2A/B)17のコントロール範囲外でのみ制御する。
ボイラ1の圧力は、一次SHバイパス弁(CV−2A/B)17で制御されているが、この圧力は一次SHバイパス弁(CV−2A/B)17だけでは制御できないときは二次SHバイパス弁(CV−3)17も補助をするため、図8に示すようなコントロールゾーンが設けられている。即ち、一次SHバイパス弁(CV−2A/B)17でコントロールしている時のみ一次SHバイパス弁(CV−2A/B)17は制御できる。
図9は起動バイパス系統における「フラッシュタンク発生蒸気の回収」の工程を示す概略系統図である。該当する工程は太い実線で示している。フラッシュタンクからの工程は太い点線で示している。
[フラッシュタンク発生蒸気の回収]
フラッシュタンク5に落ちる水はボイラ1で加熱されている。これを復水器7に回収するのは熱的にロスとなる。フラッシュタンク5で発生した蒸気は高圧ヒータ加熱蒸気弁(CV‐121)26や、脱気器加熱蒸気弁(CV‐122)27により熱回収する。なお、高圧ヒータ加熱蒸気弁(CV‐121)26はフラッシュタンク5が0.69Mpa以上で自動的に開くようになっている。
脱気器加熱蒸気弁(CV‐122)27は、脱気器圧力設定により自動回収される。
[スピルオーバー]
ボイラ1内の水が加熱され膨張すると、ボイラ1内の水が余ってくる。この水は復水器ホットウエルの水位を上昇させる。この為、スピルオーバー調節弁により、復水タンクに抽出される。CV−108Cはホットウェルレベルによる比例制御で動作する。抽出する場所は、グランドコンデンサと脱気器水位調節弁の間であり、脱塩装置を通過しているので水質はきれいである。
図10は起動バイパス系統における「フラッシュタンクドレンの熱回収」の工程を示す概略系統図である。該当する工程は太い実線で示している。フラッシュタンクからの工程は太い点線で示している。
[フラッシュタンクドレンの熱回収]
ボイラ1を点火し、昇温工程になってフラッシュタンク5に落ちるドレンの持つ熱のうち、フラッシュして蒸気になったものは既に脱気器6、高圧ヒータ28に回収しているが、ドレンのまま復水器7に落とされる熱量は大きい。このドレンの熱量は相当大きいが回収するには水質が不良であってはならない。そこで、次の基準に到達した時点よりフラッシュタンクドレンの脱気器6の水室への回収を開始する。このとき、フラッシュタンク5のFeは50ppb以下を条件とする。
この熱回収は、脱気器加熱ドレン弁(CV−125)29で制御する。これにより、脱気器6の温度は急速に上昇し、圧力も上がる。脱気器加熱ドレン弁(CV−125)29は自動の状態ではフラッシュタンクレベルが、NL−400mm以上で制御できる。−400mmよりレベルが低下する場合は閉まるようになっている。これは、レベル制御を優先させるためである。
図11は起動バイパス系統における「二次SH通気および主蒸気管ウォーミング」の工程を示す概略系統図である。該当する工程は太い実線で示している。フラッシュタンクからの工程は太い点線で示している。図12はタービンバイパス弁の制御方法を示す説明図である。
[二次SH通気および主蒸気管ウォーミング]
フラッシュタンク5の圧力が0.98Mpaになると、SH通気弁(MV−5)30が開いて一次過熱器(一次SH)3に通気する。このとき、SH通気弁(MV−5)30のla接点によりタービンバイパス弁(CV−4)31が開いて制御可能となり、主蒸気管32のウォーミングが開始される。このタービンバイパス弁(CV−4)31の開信号で、復水器7のウォーターカーテン弁33が開いて蒸気を冷却し、振動・騒音を防ぐ。また、ダンプされる蒸気温度を150℃まで冷却するために、ダンプ蒸気減温器スプレー弁を開いて制御する。なお、タービンバイパス弁(CV−4)31のインターロックは図12に示す通りである。ボイラ起動モードにより異なり、開度プログラムで制御され、殆ど操作することは無い。但し、稀にバイアス操作による場合もある。
図13は起動バイパス系統における「フラッシュタンク圧力制御」の工程を示す概略系統図である。該当する工程は太い実線で示している。フラッシュタンクからの工程は太い点線で示している。図14はフラッシュタンクの圧力制御を示す説明図である。
[フラッシュタンク圧力制御]
フラッシュタンク5で発生する蒸気は、HPヒータ28や脱気器6の加熱回収使用されるが主蒸気管31を加熱し、余った蒸気は復水器7にダンプ(投入)される。
フラッシュタンク5の圧力を3.43Mpaまで上昇させ、蒸気の持つ熱を回収するがそれ以外の蒸気は、フラッシュタンクダンプ蒸気弁(CV−123)23により復水器7にダンプされる。(フラッシュタンタ圧力を3.43Mpaになるよう制御する。)
この場合、復水器7の真空条件−77.3Mpa以上、減温器スプレー水圧力1.18Mpa以上の条件が満たされていない場合は強制「閉」のままでフラッシュタンク5の安全弁が動作する。また、フラッシュタンクダンプ蒸気弁(CV−123)23が開になれば、ウォーターカーテン弁33は開となる。CV−103のインターロックは図14に示す通りである。
フラッシュタンク5の発生蒸気の回収は一部補助蒸気系統のウォーミングにも使用する。更に、この補助蒸気の他に、スートブローも行うことができる。
図15は起動バイパス系統における「タービン起動準備、起動、並列制御」の工程を示す概略系統図である。該当する「タービン起動準備」工程は太い実線で示している。該当する「タービン起動」工程とフラッシュタンクからの工程は太い点線で示している。
[タービン起動準備]
タービン2の状態により、タービン起動するモードは計算機より指定される。(高圧第1段後内壁メタル温度)(通気最適温度、1000、3000、3600のホールド時間他)タービン2をリセットし、DDC(計算機直接制御)の使用後、加減弁を全開にする。(LLM、GM全開操作)
[タービン起動]
昇速率が選択され、150RPM目標に右側MSVBVを介して昇速を実施する。ラブチェック実施後、OKならばラブチェック完了しDSR−2PB−ONすると目標回転数まで昇速する。この制御は、MSVBVを計算機で直接制御して行なう。
[ASS自動並列制御]
タービン2の速度が3550rpm以上で、並列DLR−1 PB−ONにするとタービン回転数を±5rpmスイングして揃速制御を行なう。自動同期装置により系統と発電機の周波数位相をチェックし、同期点にて発電機遮断器投入指令を出力し、52/MT(主変遮断器)を自動投入する。
図16は起動バイパス系統における「並列・初負荷保持」の工程を示す概略系統図である。
[並列・初負荷保持]
並列したことにより、主蒸気管ウォーミングの役目を終了したタービンバイパス弁(CV−4)31は閉止する。並列で計算機により右側MSVBVを操作して初負荷を取る(10.5MW)
次の工程である昇圧負荷上昇(DPR)のための条件を整える。
初負荷保持中の蒸気条件、復水器真空度の変化による負荷変動は計算機で修正し、常に定負荷になるよう制御する。(右側MSVBVで)
また、主蒸気温度制御(DSTC)は並列により、一次SH入口温度制御から、主蒸気温度制御に切替り、初燃料バイアスの制御を自動で行う。
図17は起動バイパス系統における「昇庄負荷上昇」の工程を示す概略系統図である。
[昇庄負荷上昇(その条件)]
初負荷保持が終了したら、フラッシュタンク5より供給していた3.43Mpaの蒸気を、一次過熱器(一次SH)3の出口から二次過熱器(二次SH)4へ直接供給する。この時この蒸気切替えを行うのが、二次SHバイパス弁18とSH減圧弁(CV−5)34である。そして、SH減圧弁(CV−5)34を徐々に開いて主蒸気圧力を3.43Mpaから、ボイラ圧力15,576Mpaに昇圧することにより負荷を上昇させていく。これが昇圧負荷上昇(DPR)と云い、通称「ランピング」と呼んでいる。
スムーズに蒸気源の切替えを行うためには、次の条件を満足していなければならない。一次過熱器(一次SH)3の出口温度380℃以上、二次SHバイパス弁18の開度50%以上)通常は、PSOTで390℃以上、二次SHバイパス弁18が65〜80%でDPRを開始している。
昇圧負荷上昇で、出力目標値は70MWに、また変化率は起動モードに応じたレートにセットされ、負荷要求信号が上昇する。負荷要求信号によりSH減圧弁(CV−5)34が開き始めると、昇圧を開始する。(DPRONでMSVBVは固定される)
図18は起動バイパス系統における「昇圧負荷上昇(DPR)」の工程を示す概略系統図である。図19はSH減圧弁(CV−5)の開度と昇圧負荷との関係を示すグラフである。図20は2次SHバイパス弁(CV−3)とSH減圧弁の開度との関係を示すグラフである。
[昇圧負荷上昇(DPR、Ramping)]
SH減圧弁(CV−5)34は、図19に示すようなプログラムを作ってあり70MW(LD)で全開となる.LDの上昇とともにSH減圧弁(CV−5)34は開いていくが蒸気源の切替りのため、二次SHバイパス弁18が閉まっていく。二次SHバイパス弁18の閉には、図20に示すようなバイアス信号が二次SHバイパス弁18の制御回路に加えられやがて全開となる。二次SHバイパス弁18の信号が50%の場合、図20に示すようなプログラムで閉まる。
負荷要求指令の上昇に伴い、主蒸気圧カプログラムも上昇し(LDでプログラムされている)偏差が±0.49Mpa以上になると「圧カ偏差」のANNを発する。
主蒸気圧力の偏差によるP十I動作でSH減圧弁は昇圧制御を行う。また、実圧力6.86MpaでSH通気弁30は全閉となる。
図21は起動バイパス系統における「昇庄負荷上昇」の工程を示す概略系統図である。
[SH止弁開]
主蒸気圧力が上昇するに伴って、負荷が上昇する。SH減圧弁(CV−3)34が90%以上開となり、かつ1次SH出口圧力15.576Mpaと主蒸気圧力の差庄が1.37Mpa以下で、SH止弁35が全開となり一次過熱器(一次SH)3と二次過熱器(二次SH)4は完全に連絡される.SH止弁35の2台が共に全開になった事で、次の弁切替工程に進む.この時、タービンマスタが自動位置でないので「負荷追従モード」となっている。この状態から、次の工程である弁切替に進む。
[弁切替準備]
弁切替開始の為の主な条件は次の通りである。
計算機弁切替ブレイクポイントの開始条件は65MW以上であること(自動で満足するよう制御する。)
ここまでの状態は、MSVは全閉、LLM・GOVは全開で、MSVBVで全周噴射している。これを、MSV全開・加減弁で蒸気を制御の通常状態にする。この操作を弁切替という。
図22は起動バイパス系統における「弁切替、タービンマスタ自動負荷上昇」の工程を示す概略系統図である。図23はタービンマスタ自動負荷上昇を示すグラフである。
[弁切替]
昇圧負荷上昇完了後、弁切替PBをONにするとLLMを介して、絞り込みを行う。加減弁(LLM)が絞り込み、MSVBV(右)が開いて負荷の変動を少なくするように計算機が制御する。
MSVの前後差圧が2.5MPa以下になったらMSVBVは全速で開きMSVは左右とも全開となる。この時、蒸気は加減弁で制御される。
[タービンマスタ自動負荷上昇]
弁切替が終了した時点で、タービンマスタが自動となり「負荷追従モード」が解除され、協調モードとなる。次にDLR−2をONとすると設定は120MWとなり再び
負荷上昇を始める。この時も、ボイラの圧力は15.576Mpa(PSOP)になるよう1次SHバイパス弁17で制御している。
この時点の給水流量はまだ300t/hであり、タービンに送る蒸気量との差だけフラッシュタンクに落とされている。負荷が上昇するにつれて1次SHバイパス弁17は閉まってくる。
図24は起動バイパス系統における「弁切替、タービンマスタ自動負荷上昇」の工程を示す概略系統図である。図25はLLO解除のインターロックを示す説明図である。
[LLO(Low Load Operation)解除]
負荷を上昇させるに従い、タービン2に送られる蒸気量が300t/hになった時点では、水壁保護の為の300t/hはすべてタービン2で消費される。そうなると、起動バイパス系統に落とす必要がなくなる。1次SHバイパス弁17は全閉となる。この時点が設計では27%MCR(94.5MW)である。
起動バイパス運転が終了すると通常運転となる。起動バイパス使用中をLLOという。
主蒸気温度上昇対策で52.5MWより給水が注入される。この時点よりボイラの圧力制御は、1次SHバイパス弁17では制御できなくなる。ボイラマスタにより、給水燃料で行われ蒸気温度制御はDSTCによる初燃料バイアス制御から、APCの制御に切り替る。また、ボイラ・タービン協調制御、O制御、他のすべての修正動作・制御が活きてくる。LLO解除のインターロックは図25の条件の通りである。
なお、本発明は、起動バイパス系統にバルブを設けて個々に調整することで、ボイラ1の点火からタービン2への通気までの時間を短縮すると共に、起動バイパス系統全体を安全かつ正確に運転し、更に熱回収することにより熱の損失を減少することができれば、上述した発明の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
本発明の汽力発電設備における起動バイパス系統及びその運転方法は、汽力発電設備の他にコンバインサイクル発電設備などに利用することができる。
本発明の汽力発電設備における起動バイパス系統を示す概略系統図である。 起動バイパス系統における「低圧クリンアップ」の工程を示す概略系統図である。 起動バイパス系統における「1次SH洗缶」の工程を示す概略系統図である。 起動バイパス系統における「高圧クリンアップ」の工程を示す概略系統図である。 起動バイパス系統における「ボイラ点火」の工程を示す概略系統図である。 起動バイパス系統における「ボイラ点火昇温」の工程を示す概略系統図である。 一次過熱器の入口流体温度(PSHT)と二次SHバイパス弁の開度との関係を示すグラフである。 一次SHバイパス弁の開度と二次SHバイパス弁の開度とのコントロール範囲を示すグラフである。 起動バイパス系統における「フラッシュタンク発生蒸気の回収」の工程を示す概略系統図である。 起動バイパス系統における「フラッシュタンクドレンの熱回収」の工程を示す概略系統図である。 起動バイパス系統における「二次SH通気および主蒸気管ウォーミング」の工程を示す概略系統図である。 タービンバイパス弁の制御方法を示す説明図である。 起動バイパス系統における「フラッシュタンク圧力制御」の工程を示す概略系統図である。 フラッシュタンクの圧力制御を示す説明図である。 起動バイパス系統における「タービン起動準備、起動、並列制御」の工程を示す概略系統図である。 起動バイパス系統における「並列・初負荷保持」の工程を示す概略系統図である。 起動バイパス系統における「昇庄負荷上昇」の工程を示す概略系統図である。 起動バイパス系統における「昇圧負荷上昇(DPR)」の工程を示す概略系統図である。 SH減圧弁(CV−5)の開度と昇圧負荷との関係を示すグラフである。 二次SHバイパス弁(CV−3)の開度とSH減圧弁の開度との関係を示すグラフである。 起動バイパス系統における「昇庄負荷上昇」の工程を示す概略系統図である。 起動バイパス系統における「弁切替、タービンマスタ自動負荷上昇」の工程を示す概略系統図である。 タービンマスタ自動負荷上昇を示すグラフである。 起動バイパス系統における「弁切替、タービンマスタ自動負荷上昇」の工程を示す概略系統図である。 LLO解除のインターロックを示す説明図である。
符号の説明
1 ボイラ
2 タービン
3 一次過熱器(一次SH)
4 二次過熱器(二次SH)
5 フラッシュタンク
17 一次SHバイパス弁(CV−2A/B)
18 二次SHバイパス弁(CV−3)
19 レジスタチューブバイパス弁(MV−4)
30 SH通気弁(MV−5)
31 タービンバイパス弁(CV−4)
34 SH減圧弁(CV−5)
35 SH止弁(MV−2A/B)

Claims (9)

  1. ボイラ(1)を起動するための起動バイパス系統であって、
    前記ボイラ(1)とタービン(2)との間に配置した一次過熱器(一次SH)(3)と二次過熱器(二次SH)(4)と、
    前記一次過熱器(一次SH)(3)と二次過熱器(二次SH)(4)との間に配置したフラッシュタンク(5)と、
    前記ボイラ(1)とフラッシュタンク(5)との間に配置した一次SHバイパス弁(CV−2A/B)(17)と、
    前記一次過熱器(一次SH)(3)と前記フラッシュタンク(5)との間に配置した二次SHバイパス弁(CV−3)(18)と、を備えた、ことを特徴とする汽力発電設備における起動バイパス系統。
  2. 前記一次過熱器(一次SH)(3)と二次過熱器(二次SH)(4)の間と、前記フラッシュタンク(5)と間に、該二次過熱器(二次SH)(4)に通記するSH通気弁(MV−5)(30)を更に備えた、ことを特徴とする請求項1の汽力発電設備における起動バイパス系統。
  3. 前記二次過熱器(二次SH)(4)と復水器(7)の間に、主蒸気管(32)をウォーミングするためにタービンバイパス弁(CV−4)(31)を更に備えた、ことを特徴とする請求項1の汽力発電設備における起動バイパス系統。
  4. 前記一次過熱器(一次SH)(3)と二次過熱器(二次SH)(4)との間に、SH止弁(MV−2A/B)(35)をバイパスする流量を調節するSH減圧弁(CV−5)(34)を更に備えた、ことを特徴とする請求項1の汽力発電設備における起動バイパス系統。
  5. ボイラ(1)を起動するための起動バイパス系統を運転する方法であって、
    前記ボイラ(1)の水壁に水を流通させ、
    前記ボイラ(1)を点火して起動させ、該ボイラ(1)の水壁保護に必要な流量とタービン(2)で使用する蒸気量の差を該ボイラ(1)の出口から抽出させ、該ボイラ(1)の過熱を防止する、ことを特徴とする汽力発電設備における起動バイパス系統の運転方法。
  6. 前記ボイラ(1)を点火し、一次過熱器(一次SH)(3)の入口流体温度(PSHT)が155℃程度になると、
    レジスタチューブバイパス弁(MV−4)(19)を開き、一次SHバイパス弁(CV−2A/B)(17)でボイラ圧力を制御する、ことを特徴とする請求項5の汽力発電設備における起動バイパス系統の運転方法。
  7. 前記ボイラ(1)を点火し、一次過熱器(一次SH)(3)の入口流体温度(PSHT)が145℃程度以下では、
    レジスタチューブバイパス弁(MV−4)(19)を全閉とする、ことを特徴とする請求項5の汽力発電設備における起動バイパス系統の運転方法。
  8. 前記ボイラ(1)を点火し、一次過熱器(一次SH)(3)の入口流体温度(PSHT)が160℃程度になると二次SHバイパス弁(CV−3)(17)を約15%開き、一次過熱器(一次SH)(3)に流体を流し、一次過熱器(一次SH)(3)の出口温度(PSOT)を測定し、
    前記一次過熱器(一次SH)(3)の入口流体温度が290℃程度になるまではPSHTによるプログラム制御を行ない、
    一次過熱器(一次SH)(3)の入口流体温度が290℃程度になると、一次過熱器(一次SH)(3)の出口温度による制御に切り替える、ことを特徴とする請求項5の汽力発電設備における起動バイパス系統の運転方法。
  9. 前記ボイラ(1)を点火し、一次過熱器(一次SH)(3)の入口流体温度(PSHT)が160℃程度になると二次SHバイパス弁(CV−3)(17)が約15%開き、一次過熱器(一次SH)(3)に流体を流し、一次過熱器(一次SH)(3)の出口温度(PSOT)を測定し、
    ボイラ(1)の圧力については、一次SHバイパス弁(CV−2A/B)(17)で制御し、この圧力を一次SHバイパス弁(CV−2A/B)(17)だけでは制御できないときに、二次SHバイパス弁(CV−3)(17)で補助制御する、ことを特徴とする請求項5の汽力発電設備における起動バイパス系統の運転方法。
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